説明

乱用が防止された製剤

本発明は、乱用から保護された製剤に関する。乱用のおそれがある1つ以上の有効物質のほかに、該製剤は、下記成分a)〜d)のうちの二つ以上を含む:(a)鼻部および/または咽頭部を刺激する少なくとも1つの物質、(b)必要最小量の水性液体により、該製剤から得られた抽出物としてゲルを形成するものであって、該ゲルは別の水性液体に導入された後も依然として視覚的に識別可能である、少なくとも1つの粘度上昇剤、(c)乱用のおそれがある1つまたは複数の有効物質に対する少なくとも1つの拮抗物質、(d)少なくとも1つの催吐剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乱用が防止された製剤であって、乱用のおそれがある1つ以上の有効成分のほかに、下記成分a)〜d):
(a)鼻孔および/または咽頭を刺激する少なくとも1つの物質、
(b)必要最小量の水性液体により、該製剤から得られた抽出物を含むゲルを形成するものであって、該ゲルは別の水性液体に導入されたときに視覚的に識別可能な状態を保つ、少なくとも1つの粘度上昇剤、
(c)乱用のおそれがある1つまたは複数の有効成分に対する少なくとも1つの拮抗物質、
(d)少なくとも1つの催吐剤
のうちの二つ以上を含む該製剤に関する。
【0002】
多くの薬学的有効成分には、適切に利用したときには優れた作用があるのに加えて、乱用のおそれもある。すなわち、意図した医学的効果以外の効果を生じさせるために乱用者によって使用されうる。
【0003】
例えば、ひどい痛みから非常にひどい痛みまでと闘うときに非常に有効なアヘン剤は、昏睡あるいは陶酔感の状態を達成するために乱用者によって頻繁に使われる。
【0004】
乱用のおそれがあるこのような有効成分を含む経口製剤は、乱用的に大量に摂取したときでさえも、乱用者が望む結果を通常引き起こさない。なぜなら、有効成分の血液レベルはゆっくりにしか増加しないからである。にもかかわらず、乱用を可能にするために、乱用者は、該製剤を例えばすりつぶして粉末にし、例えば、経鼻的に吸うことにより投与する。別の乱用形態においては、該製剤の粉砕によって得られた粉末から有効成分を好ましくは水性液体により抽出し、結果として得られた溶液を、場合により脱脂綿あるいは紙綿を通してろ過した後に、非経口的に、特に静脈内に投与する。このような投与形態は、経口投与と比較して、有効成分のレベルの加速度的上昇を起こし、乱用者に望む結果をもたらす。
【0005】
したがって、本発明の目的は、乱用のおそれがある有効成分のための製剤であって、正しく投与された場合にはその治療作用が保証されるが、乱用的に摂取されたときには乱用者が望む作用を有さない製剤を提供することである。
【0006】
この目的は、本発明による、乱用が防止された製剤であって、乱用のおそれがある1つ以上の有効成分のほかに、下記成分a)〜d):
(a)鼻孔および/または咽頭を刺激する少なくとも1つの物質、
(b)必要最小量の水性液体により、該製剤から得られた抽出物を含むゲルを形成するものであって、該ゲルは別の水性液体に導入されたときに視覚的に識別可能な状態を保つ、少なくとも1つの粘度上昇剤、
(c)乱用のおそれがある1つまたは複数の有効成分に対する少なくとも1つの拮抗物質、
(d)少なくとも1つの催吐剤
のうちの二つ以上を含む該製剤によって達成された。
【0007】
また、成分(a)〜(d)は、おのおの個々に、本発明による製剤の乱用を防止するのに適している。よって、成分(a)は好ましくは経鼻的および/または非経口的乱用に対処するのに適しており、成分(b)は好ましくは非経口的乱用に対処するのに適しており、成分(c)は好ましくは経鼻的および/または非経口的乱用に対処するのに適しており、成分(d)は好ましくは非経口的および/または経口的および/または経鼻的乱用に対処するのに適している。これら上記成分の少なくとも2つの本発明による組み合わせにより、本発明による製剤をさらにより効果的に乱用から保護することが可能になる。
【0008】
一つの態様において、本発明による製剤は、乱用の組み合わせに関連して、成分(a)〜(d)のうちの3つ、好ましくは(a)、(b)および(c)あるいは(a)、(b)および(d)を含む。
【0009】
別の態様において、本発明による製剤は成分(a)〜(d)のすべてを含む。
【0010】
乱用のおそれがある薬学的有効成分は、その使用量およびその製造方法と同様に、当業者に公知であって、本発明による製剤中にそれ自体として、対応する誘導体、特にエステルもしくはエーテルの形で、またはおのおのの場合に生理的に許容される対応化合物、特にその塩もしくは溶媒和物の形で存在していてもよい。
【0011】
成分(a)、(b)および(d)のうちの2つまたは3つからなる組み合わせは、アヘン剤、オピオイド、鎮静剤、好ましくはベンゾジアゼピン、興奮剤、および別の麻薬からなる群より選択される薬学的有効成分の乱用を防止するのに特に適している。
【0012】
特に、成分(a)、(b)および(d)のうちの2つまたは3つからなる組み合わせは、おのおのの場合に場合により、対応する立体異性体化合物および対応する誘導体、特にエステルまたはエーテル、ならびにおのおのの場合に生理的に許容される化合物、特に塩および溶媒和物の状態にあるN−{1−[2−(4-エチル-5-オキソ-2−テトラゾリン-1−イル)エチル]−4-メトキシメチル-4−ピペリジル}プロピオンアニリド(アルフェンタニル)、5,5-ジアリルバルビツール酸(アロバルビタール)、アリルプロジン、アルファプロジン、8-クロロ-1−メチル-6−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]-ベンゾジアゼピン(アルプラゾラム)、2-ジエチルアミノプロピオフェノン(アンフェプラモン)、(±)-α−メチルフェネチルアミン(アンフェタミン)、2-(α-メチルフェネチルアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(アンフェタミニル)、5−エチル-5−イソペンチルバルビツール酸(アモバルビタール)、アニレリジン、アポコデイン、5,5-ジエチルバルビツール酸(バルビタール)、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、7-ブロモ-5−(2-ピリジル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ブロマゼパム)、2-ブロモ-4−(2-クロロフェニル)−9-メチル−6H−チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン(ブロチゾラム)、17-シクロプロピルメチル-4,5α-エポキシ-7α[(S)−1-ヒドロキシ-1,2,2−トリメチル-プロピル]−6-メトキシ-6,14−エンド−エタノモルフィナン-3−オール(ブプレノルフィン)、5−ブチル-5−エチルバルビツール酸(ブトバルビタール)、ブトルファノール、(7-クロロ-1,3-ジヒドロ-1-メチル-2-オキソ-5-フェニル-2H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ジメチル-カルバマート(カマゼパム)、(1S,2S)−2-アミノ-1−フェニル-1−プロパノール(カチン/D-ノルプソイドエフェドリン)、7-クロロ-N-メチル-5-フェニル-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-イルアミン-4-オキシド(クロルジアゼポキシド)、7-クロロ-1−メチル-5−フェニル−1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)−ジオン(クロバザム)、5-(2-クロロフェニル)-7-ニトロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(クロナゼパム)、クロニタゼン、7-クロロ-2,3−ジヒドロ-2−オキソ-5−フェニル−1H-1,4−ベンゾジアゼピン-3−カルボン酸(クロラゼパート)、5−(2-クロロフェニル)−7-エチル-1-メチル-1H-チエノ[2,3-e][1,4]ジアゼピン-2(3H)-オン(クロチアゼパム)、10-クロロ-11b-(2クロロフェニル)-2,3,7,11b-テトラヒドロオキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6(5H)-オン(クロキサゾラム)、(−)−メチル−[3β-ベンゾイルオキシ-2β(1αH,5αH)-トロパンカルボキシラート](コカイン)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6α−オール(コデイン)、5-(1-シクロヘキセニル)-5-エチルバルビツール酸(シクロバルビタール)、シクロルファン(Cyclorphan)、シプレノルフィン(Cyprenorphin)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(デロラゼパム)、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、(+)−(1−ベンジル-3-ジメチルアミノ-2−メチル−1−フェニルプロピル)プロピオナート(デキストロプロポキシフェン)、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン、7-クロロ-1-メチル-5-フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ダイアゼパム)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17−メチル−6α−モルフィナノール(ジヒドロコデイン)、4,5α-エポキシ-17-メチル-3,6a−モルフィナンジオール(ジヒドロモルヒネ)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(Dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、(6aR,10aR)−6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a−テトラヒドロ−6H-ベンゾ[c]クローメン-1-オール(ドロナビノール)、エプタゾシン、8-クロロ−6-フェニル-4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(エスタゾラム)、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチル-[7-クロロ-5−(2-フルオロフェニル)−2,3-ジヒドロ-2−オキソ−1H-1,4ベンゾジアゼピン-3−カルボキシラート](ロフラゼプ酸エチル)、4,5α-エポキシ-3−エトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6α−オール(エチルモルヒネ)、エトニタゼン、4,5α-エポキシ−7α−(1−ヒドロキシ-1−メチルブチル)−6-メトキシ-17-メチル-6,14-エンド-エテノ-モルフィナン-3−オール(エトルフィン)、N-エチル-3−フェニル-8,9,10-トリノルボルナン-2−イルアミン(フェンカムファミン)、7−[2-(α-メチルフェネチルアミノ)エチル]-テオフィリン)(フェネチリン)、3-(α-メチルフェネチルアミノ)プロピオニトリル(フェンプロポレックス)、N-(1-フェネチル-4-ピペリジル)プロピオンアニリド(フェンタニール)、7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(フルジアゼパム)、5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-7-ニトロ-1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(フルニトラゼパム)、7-クロロ-1-(2-ジエチルアミノエチル)-5−(2-フルオロフェニル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(フルラゼパム)、7-クロロ-5-フェニル-1−(2,2,2-トリフルオロエチル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ハラゼパム)、10-ブロモ-11b-(2-フルオロフェニル)-2,3,7,11b-テトラヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6(5H)-オン(ハロキサゾラム)、ヘロイン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロコドン)、4,5α-エポキシ-3−ヒドロキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロモルフォン)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、11-クロロ-8,12b−ジヒドロ-2,8−ジメチル−12b-フェニル-4H−[1,3]オキサジノ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-4,7(6H)-ジオン(ケタゾラム)、1−[4-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-4-ピペリジル]−1-プロパノン(ケトベミドン)、(3S,6S)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニルヘプタン-3−イルアセタート(レバセチルメタドール(Levacetylmethadol)(LAAM))、(−)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(レボメタドン(Levomethadon))、(−)−17-メチル-3−モルフィナノール(レボルファノール)、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、6−(2-クロロフェニル)-2−(4-メチル−1−ピペラジニルメチレン)−8-ニトロ-2H-イミダゾ[1,2-a][1,4]−ベンゾジアゼピン-1(4H)-オン(ロプラゾラム)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−3-ヒドロキシ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ロラゼパム)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−3-ヒドロキシ-1−メチル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ロルメタゼパム)、5−(4-クロロフェニル)−2,5-ジヒドロ-3H-イミダゾ[2,1-a]イソインドール-5-オール(マジンドール)、7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1−メチル-5−フェニル−1H-1,4−ベンゾジアゼピン(メダゼパム)、N−(3-クロロプロピル)−α−メチルフェネチルアミン(メフェノレックス)、メペリジン、2-メチル-2-プロピルトリメチレンジカルバマート(メプロバメート)、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、N,α−ジメチルフェネチルアミン(メタンフェタミン)、(±)-6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(メタドン)、2−メチル-3−o−トリル−4(3H)−キナゾリノン(メタクワロン)、メチル-[2−フェニル-2−(2-ピペリジル)アセタート](メチルフェニダート)、5-エチル-1−メチル-5−フェニルバルビツール酸(メチルフェノバルビタール)、3,3-ジエチル-5−メチル-2,4−ピペリジンジオン(メチプリロン)、メトポン、8-クロロ-6−(2-フルオロフェニル)−1-メチル-4H-イミダゾ[1,5-a][1,4]ベンゾジアゼピン(ミダゾラム)、2-(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド(モダフィニル)、4,5α-エポキシ-17−メチル-7−モルフィネン-3,6α−ジオール(モルヒネ)、ミロフィン(Myrophin)、(±)−トランス-3-(1,1-ジメチルヘプチル)−7,8,10,10α−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6-ジメチル-6H−ジベンゾ[b,d]ピラン-9(6αH)-オン(ナビロン)、ナルブフェン(Nalbuphen)、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、1−メチル-7−ニトロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ニメタゼパム)、7-ニトロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ニトラゼパム)、7-クロロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ノルダゼパム)、ノルレボルファノール、6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘキサノン(ノルメタドン)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、ケシ・ソムニフェルム(Papaver somniferum)種に属する植物からの滲出物(オピウム)、7-クロロ-3-ヒドロキシ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(オキサゼパム)、(シス-トランス)−10-クロロ-2,3,7,11b−テトラヒドロ-2−メチル−11b−フェニルオキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6-(5H)-オン(オキサゾラム)、4,5α-エポキシ-14−ヒドロキシ-3−メトキシ-17−メチル-6−モルフィナノン(オキシコドン)、オキシモルフォン、ケシ・ソムニフェルム種(セチゲルム(setigerum)亜種を含む)(ケシ・ソムニフェルム)に属する植物および植物の部分、パパベレタム、2-イミノ-5−フェニル-4−オキサゾリジノン(ペルノリン(Pernolin))、1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロ-6,11−ジメチル-3−(3−メチル-2−ブテニル)-2,6-メタノ-3−ベンザゾシン-8−オール(ペンタゾシン)、5-エチル-5−(1-メチルブチル)−バルビツール酸(ペントバルビタール)、エチル-(1-メチル-4-フェニル-4-ピペリジンカルボキシラート)(ペチジン)、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、3−メチル-2−フェニルモルホリン(フェンメトラジン)、5−エチル-5−フェニルバルビツール酸(フェノバルビタール)、α,α−ジメチルフェネチルアミン(フェンテルミン)、7-クロロ-5-フェニル-1−(2-プロピニル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ピナゼパム)、α−(2-ピペリジル)ベンズヒドリルアルコール(ピプラドロール)、1'−(3-シアノ-3,3-ジフェニルプロピル)[1,4’-ビピペリジン]−4’-カルボキサミド(ピリトラミド)、7-クロロ-1-(シクロプロピルメチル)−5-フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(プラゼパム)、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、N-(1-メチル-2-ピペリジノエチル)−N−(2-ピリジル)プロピオンアミド、メチル{3−[4-メトキシカルボニル-4-(N-フェニルプロパンアミド)ピペリジノ]プロパノアート}(レミフェンタニル)、5-sec−ブチル-5−エチルバルビツール酸(セクブタバルビタール)、5-アリル-5−(1-メチルブチル)−バルビツール酸(セコバルビタール)、N−{4−メトキシメチル-1−[2-(2-チエニル)エチル]-4-ピペリジル}プロピオンアニリド(スフェンタニル)、7-クロロ-2−ヒドロキシ−メチル-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(テマゼパム)、7-クロロ-5−(1-シクロヘキセニル)−1-メチル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(テトラゼパム)、エチル-(2-ジメチルアミノ−1-フェニル-3−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(チリジン(シス形およびトランス形))、トラマドール、8-クロロ-6−(2-クロロフェニル)−
1-メチル−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(トリアゾラム)、5-(1-メチルブチル)-5-ビニルバルビツール酸(ビニルビタール)、(1R*,2R*)−3−(3-ジメチルアミノ-1-エチル-2-メチル-プロピル)−フェノール、(1R,2R,4S)−2-[ジメチルアミノ)メチル-4−(p-フルオロベンジルオキシ)-1−(m-メトキシフェニル)シクロヘキサノールからなる群より選択されるアヘン剤、オピオイド、鎮静剤および別の麻薬の乱用を防止するのに適している。
【0013】
乱用を防止する組み合わせが乱用に対処するための成分(c)を含む場合、該組み合わせは、アヘン剤、オピオイド、興奮剤、および別の麻薬からなる群より選択される薬学的有効成分の乱用を防止するのに特に適している。
【0014】
一つの特に適した組み合わせは、おのおのの場合に場合により、対応する立体異性体化合物および対応する誘導体、特にエステルまたはエーテル、ならびにおのおのの場合に生理的に許容される化合物、特に塩および溶媒和物の状態にあるN−{1−[2−(4-エチル-5-オキソ-2−テトラゾリン-1−イル)エチル]−4-メトキシメチル-4−ピペリジル}プロピオンアニリド(アルフェンタニル)、アリルプロジン、アルファプロジン、2-ジエチルアミノプロピオフェノン(アンフェプラモン)、(±)-α−メチルフェネチルアミン(アンフェタミン)、2-(α-メチルフェネチルアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(アンフェタミニル)、アニレリジン、アポコデイン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、17-シクロプロピルメチル-4,5α-エポキシ-7α[(S)−1-ヒドロキシ-1,2,2−トリメチル-プロピル]−6-メトキシ-6,14−エンド−エタノモルフィナン-3−オール(ブプレノルフィン)、ブトルファノール、(1S,2S)−2-アミノ-1−フェニル-1−プロパノール(カチン/D-ノルプソイドエフェドリン)、クロニタゼン、(−)−メチル−[3β-ベンゾイルオキシ-2β(1αH,5αH)-トロパンカルボキシラート](コカイン)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6α−オール(コデイン)、シクロルファン(Cyclorphan)、シプレノルフィン(Cyprenorphin)、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、(+)−(1−ベンジル-3-ジメチルアミノ-2−メチル−1−フェニルプロピル)プロピオナート(デキストロプロポキシフェン)、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17−メチル−6α−モルフィナノール(ジヒドロコデイン)、4,5α-エポキシ-17-メチル-3,6a−モルフィナンジオール(ジヒドロモルヒネ)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(Dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、(6aR,10aR)−6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a−テトラヒドロ−6H-ベンゾ[c]クローメン-1-オール(ドロナビノール)、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、4,5α-エポキシ-3−エトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6□−オール(エチルモルヒネ)、エトニタゼン、4,5α-エポキシ−7α−(1−ヒドロキシ-1−メチルブチル)−6-メトキシ-17-メチル-6,14-エンド-エテノ-モルフィナン-3−オール(エトルフィン)、N-エチル-3−フェニル-8,9,10-トリノルボルナン-2−イルアミン(フェンカムファミン)、7−[2-(α-メチルフェネチルアミノ)エチル]-テオフィリン)(フェネチリン)、3-(α-メチルフェネチルアミノ)プロピオニトリル(フェンプロポレックス)、N-(1-フェネチル-4-ピペリジル)プロピオンアニリド(フェンタニール)、ヘロイン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロコドン)、4,5α-エポキシ-3−ヒドロキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロモルフォン)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、1−[4-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-4-ピペリジル]−1-プロパノン(ケトベミドン)、(3S,6S)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニルヘプタン-3−イルアセタート(レバセチルメタドール(Levacetylmethadol)(LAAM))、(−)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(レボメタドン(Levomethadon))、(−)−17-メチル-3−モルフィナノール(レボルファノール)、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、5−(4-クロロフェニル)−2,5-ジヒドロ-3H-イミダゾ[2,1-a]イソインドール-5-オール(マジンドール)、N−(3-クロロプロピル)−α−メチルフェネチルアミン(メフェノレックス)、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、N,α−ジメチルフェネチルアミン(メタンフェタミン)、(±)-6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(メタドン)、メチル-[2−フェニル-2−(2-ピペリジル)アセタート](メチルフェニダート)、3,3-ジエチル-5−メチル-2,4−ピペリジンジオン(メチプリロン)、2-(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド(モダフィニル)、4,5α-エポキシ-17−メチル-7−モルフィネン-3,6α−ジオール(モルヒネ)、ミロフィン(Myrophin)、(±)−トランス-3-(1,1-ジメチルヘプチル)−7,8,10,10α−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6-ジメチル-6H−ジベンゾ[b,d]ピラン-9(6αH)-オン(ナビロン)、ナルブフェン(Nalbuphen)、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘキサノン(ノルメタドン)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、ケシ・ソムニフェルム(Papaver somniferum)種に属する植物からの滲出物(オピウム)、4,5α-エポキシ-14−ヒドロキシ-3−メトキシ-17−メチル-6−モルフィナノン(オキシコドン)、オキシモルフォン、ケシ・ソムニフェルム種(セチゲルム(setigerum)亜種を含む)(ケシ・ソムニフェルム)に属する植物および植物の部分、パパベレタム、2-イミノ-5−フェニル-4−オキサゾリジノン(ペルノリン(Pernolin))、1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロ-6,11−ジメチル-3−(3−メチル-2−ブテニル)-2,6-メタノ-3−ベンザゾシン-8−オール(ペンタゾシン)、エチル-(1-メチル-4-フェニル-4-ピペリジンカルボキシラート)(ペチジン)、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、3−メチル-2−フェニルモルホリン(フェンメトラジン)、α,α−ジメチルフェネチルアミン(フェンテルミン)、α−(2-ピペリジル)ベンズヒドリルアルコール(ピプラドロール)、1'−(3-シアノ-3,3-ジフェニルプロピル)[1,4’-ビピペリジン]−4’-カルボキサミド(ピリトラミド)、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、N-(1-メチル-2-ピペリジノエチル)−N−(2-ピリジル)プロピオンアミド、メチル{3−[4-メトキシカルボニル-4-(N-フェニルプロパンアミド)ピペリジノ]プロパノアート}(レミフェンタニル)、N−{4−メトキシメチル-1−[2-(2-チエニル)エチル]-4-ピペリジル}プロピオンアニリド(スフェンタニル)、エチル-(2-ジメチルアミノ−1-フェニル-3−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(チリジン(シス形およびトランス形))、トラマドール、(1R*,2R*)−3−(3-ジメチルアミノ-1-エチル-2-メチル-プロピル)−フェノール、(1R,2R,4S)−2-[ジメチルアミノ)メチル-4−(p-フルオロベンジルオキシ)-1−(m-メトキシフェニル)シクロヘキサノールからなる群より選択されるアヘン剤、オピオイドおよび別の麻薬の乱用を防止するための成分(c)を含むものである。
【0015】
化合物(1R*,2R*)−3−(3-ジメチルアミノ−1−エチル-2−メチル−プロピル)−フェノールおよび(1R,2R,4S)−2-(ジメチルアミノ)メチル-4−(p-フルオロベンジルオキシ)-1−(m-メトキシフェニル)シクロヘキサノール、その生理的に許容される化合物、特にその塩酸塩、ならびにその製造方法はそれぞれ、例えば、欧州特許出願公開第693475号(EP-A-693475)および欧州特許出願公開第780369号(EP-A-780369)により公知である。その対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0016】
成分(a)〜(d)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む本発明による製剤は、興奮剤、好ましくは、アンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、メチルフェニダートならびにおのおのの場合に場合により、その対応する生理的に許容される化合物、特にその塩基、塩および溶媒和物からなる群より選択されるものの乱用を防止するのにも適している。
【0017】
本発明による製剤の乱用を防止するための組み合わせが成分(a)を含む場合、本発明によって考慮してもよい鼻孔および/または咽頭を刺激する物質は、鼻孔および/または咽頭を通じて投与されたとき、乱用者にとって非常に不快であるので、彼/彼女は投与を続けることを望まない、もしくは投与を続けることができない身体的反応、例えば、灼熱、または対応する有効成分の摂取を、例えば、鼻汁もしくはくしゃみの増加により、生理的に妨げる身体的反応を引き起こすあらゆる物質である。鼻孔および/または咽頭を刺激するこれらの物質は、通常、非経口的に、特に静脈内に投与されたとき、乱用者が該物質の摂取を続けることを望まない、または該物質の摂取を続けることができないような非常に不快な感覚または我慢できない痛みさえも引き起こすことがさらに見いだされた。
【0018】
鼻孔および/または咽頭を刺激する特に適した物質は、灼熱、かゆみ、くしゃみをしようという衝動、分泌物の形成の増加あるいはこれらの刺激の少なくとも2つの組み合わせを引き起こすものである。通常使用される適切な物質およびその量は、それ自体で当業者に公知であるか、または、単純な予備的試験によって確認してもよい。
【0019】
成分(a)の、鼻孔および/または咽頭を刺激する物質は、好ましくは、少なくとも1つの刺激物質薬剤の1つ以上の構成成分または1つ以上の植物の部分に基づく。
【0020】
対応する刺激物質薬剤は、それ自体で当業者に公知であり、例えば、ヒルデベルト・ヴァーグナー(Hildebert Wagner)博士教授による「ファルマツォイティッシェ・ビオロギー―ドローゲン・ウント・イーレ・インハルツシュトッフェ(Pharmazeutische Biologie-Drogen und ihre Inhaltsstoffe)」第二、改訂版、グスタフ・フィッシャー・フェアラーク(Gustav Fischer Verlag)、シュトゥットガルト―ニューヨーク、1982年、82頁以下参照に記載されている。その対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。本発明による製剤は、おのおのの場合に該製剤の全重量に対して、好ましくは0.01〜30重量%の、特に好ましくは0.1〜0.5重量%の量の対応する刺激物質薬剤の植物の部分を含んでいてもよい。対応する刺激物質薬剤の1つ以上の成分が使われる場合、本発明による用量単位におけるその量は、好ましく該用量単位の全重量に対して0.001〜0.005重量%になる。
【0021】
用量単位は、分離された、あるいは分離できる投与単位、例えば、錠剤あるいはカプセル剤を意味するものと理解される。
【0022】
本発明による製剤は、好ましくは、成分(a)として、アリイ・サティヴィ・ブルブス(Allii sativi Bulbus)、アサリ・リゾマ・ツェー・ヘルバ(Asari Rhizoma c. Herba)、カラミ・リゾマ(Calami Rhizoma)、カプシキ・フルクトゥス(Capsici Fructus)(トウガラシ)、カプシキ・フルクトゥス・アケル(Capsici Fructus acer)(カイエンペッパー)、クルクマエ・ロンガエ・リゾマ(Curcumae longae Rhizoma)、クルクマエ・クサントリザエ・リゾマ(Curcumae xanthorrhizae Rhizoma)、ガランガエ・リゾマ(Galangae Rhizoma)、ミュリスティカエ・セメン(Myristicae Semen)、ピペリス・ニグリ・フルクトゥス(Piperis nigri Fructus)(黒コショウ)、シナピス・アルバエ・(エルカエ・)セメン(Sinapis albae (Erucae) Semen)、シナピス・ニグリ・セメン(Sinapis nigri Semen)、ゼドアリアエ・リゾマ(Zedoariae Rhizoma)およびジンギベリス・リゾマ(Zingiberis Rhizoma)からなる群より、特に好ましくは、カプシキ・フルクトゥス(トウガラシ)、カプシキ・フルクトゥス・アケル(カイエンペッパー)およびピペリス・ニグリ・フルクトゥス(黒コショウ)からなる群より選択される少なくとも1つの刺激物質薬剤の1つ以上の構成成分を含む。
【0023】
刺激物質薬剤の構成成分は、好ましくは、o-メトキシ(メチル)フェノール化合物、酸アミド化合物、からし油もしくは硫化物化合物またはそれらから誘導される化合物を含む。
【0024】
刺激物質薬剤の構成成分は、特に好ましくは、ミリスチシン、エレミシン、イソオイゲノール、β−アサロン、サフロール、ギンゲロール、キサントリゾール、カプサイシノイド、好ましくはカプサイシン、ピペリン、好ましくはトランス−ピペリン、好ましくは、非揮発性のからし油に基づく、特に好ましくは、p−ヒドロキシベンジルからし油、メチルメルカプトからし油あるいはメチルサルフォニルからし油に基づくグルコシノレート、およびこれらの構成成分から誘導された化合物からなる群より選択される。
【0025】
本発明による製剤の乱用に更に対処するための別の選択肢には、これに対して、必要最小量の水性液体により該製剤から得られた抽出物を含むゲルであって、それ以上の量の水性液体に導入されたときに視覚的に識別可能な状態を保つゲルを形成する少なくとも1つの粘度上昇剤を追加の乱用防止成分(b)として添加することが含まれる。
【0026】
本発明の目的のためには、視覚的に識別可能とは、必要最小量の水性液体により形成された有効成分含有ゲルが、好ましくは皮下注射針でそれ以上の量の水性液体に37℃で導入されるとき、実質的に不溶解性かつ粘着性の状態を保ち、非経口的に、特に静脈内へ安全に投与することができるような方法では容易には分散しえないことを意味する。視覚的識別可能性の継続時間は、好ましくは少なくとも1分である
【0027】
抽出物の粘度の増加は、それが注射針を通過すること、あるいは注射されることをより困難にし、または不可能にさえする。これはまた、結果として得られた抽出物がそれ以上の量の水性液体に導入されたときに、例えば、注射によって血液に導入されたときに、機械的作用によって崩壊してより小さい断片になることはあるが、非経口的に、特に静脈内へ安全に投与することができるような方法では分散しえず、または溶解さえしえない粘着性の大きい糸状物が最初に得られることも意味する。成分(a)および/あるいは(d)と共に、これにより更に、不快な灼熱および/あるいは嘔吐に至る。
【0028】
このような抽出物を静脈内に投与したならば、重篤な塞栓症あるいは乱用者の死とさえ関連する血管の障害をほぼおそらくもたらすことになるであろう。
【0029】
ある粘度上昇剤が成分(b)として本発明による製剤での使用に適しているかどうかを確かめるために、まず、該薬剤を対応する製剤中に配合し、結果として得られた製剤を粉末にし、好ましくはすりつぶし、25℃の温度で10mlの水で抽出する。もし、上述の条件を満たすゲルが形成されるなら、当該粘度上昇剤は本発明による製剤の製造に適している。
【0030】
乱用の防止が、本発明による製剤として成分(b)を含む組み合わせによって提供される場合、11重量%カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む微結晶性セルロース(Avicel(登録商標) RC 591)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Blanose(登録商標)、CMC-Na C300P(登録商標)、Frimulsion BLC-5(登録商標)、Tylose C300 P(登録商標))、ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標) 980 NF、Carbopol(登録商標) 981)、イナゴマメ粉(Cesagum(登録商標) LA-200、 Cesagum(登録商標) LID/150、 Cesagum(登録商標) LN-1)、柑橘類ペクチン(Cesapectin(登録商標) HM Medium Rapid Set)、蝋様トウモロコシデンプン(C*Gel 04201(登録商標))、アルギン酸ナトリウム(Frimulsion ALG(E401)(登録商標))、グアー粉(Frimulsion BM(登録商標)、Polygum 26/1-75(登録商標))、イオタ-カラギーナン(Frimulsion D021(登録商標))、カラヤゴム、ジェランガム(Kelcogel F(登録商標)、Kelcogel LT100(登録商標))、ガラクトマンナン(Meyprogat 150(登録商標))、タラの種の粉(Polygum 43/1(登録商標))、アルギン酸プロピレングリコール(Protanal-Ester SD-LB(登録商標))、リンゴペクチン、レモン皮ペクチン、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガカント、タラガム(Vidogum SP 200(登録商標))、発酵多糖類ウェランガム(K1A96)およびキサンタンガム(Xantural 180(登録商標))からなる群より選択される1つ以上の粘度上昇剤が、好ましく用いられる。カッコ内で述べた名前は商品名であり、それによってこれらの材料は商業的に知られている。一般に、上述の条件を満たすには、0.1〜5重量%の上記粘度上昇剤で十分である。
【0031】
成分(b)粘度上昇剤は、供給される場合には、好ましくは、用量単位当たり、すなわち投与単位当たり5mg以上の量で、本発明による製剤中に存在している。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態において、乱用を防止する組み合わせにおいて成分(b)として使用される粘度上昇剤は、必要最小量の水性液体により製剤から抽出すると、気泡を囲みいれるゲルを形成するものである。結果として生じるゲルは濁った外観によって識別され、視覚的な警告を潜在的な乱用者に更に提供し、彼/彼女が非経口的に該ゲルを投与するのを思いとどまらせる。
【0033】
驚いたことに、粘度上昇剤を含まない対応する製剤と比較して、正しく投与された製剤からの有効成分の放出になんら欠陥を生じさせることなく、有効成分と少なくとも粘度上昇剤とを、互いを空間的に分離させることなく、本発明による製剤において一体化することが可能である。
【0034】
しかしながら、下記のとおり、粘度上昇剤と有効成分とを製剤において相互に空間的に分離された配置で一体化することも明らかに可能である。
【0035】
本発明による製剤は、乱用を防止する組み合わせにおける成分(c)、すなわち、乱用のおそれがある1つまたは複数の有効成分に対する1つ以上の拮抗物質を更に含んでいてもよい。ここで、拮抗物質の多くは、有効成分ならびに成分(a)および/あるいは(b)から空間的に分離していることが好ましく、正しく使用されたときにはなんら効果を発揮すべきではない。
【0036】
有効成分の乱用を防止するのに適した拮抗物質は、それ自体で当業者に公知であり、本発明による製剤において、それ自体として、または対応する誘導体、特にエステルもしくはエーテルの形で、もしくはおのおのの場合に生理的に許容される対応化合物、特にその塩もしくは溶媒和物の形で存在していてもよい。
【0037】
該製剤中に存在する有効成分がアヘン剤あるいはオピオイドである場合、使用される拮抗物質は、好ましくは、おのおのの場合に場合により、対応する生理的に許容される化合物の状態にある、特に塩基、塩または溶媒和物の状態にあるナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(Nalid)、ナルメキソン(Nalmexon)、ナロルフィン、またはナルフィン(Naluphin)からなる群より選択される拮抗物質である。対応する拮抗物質は、成分(c)が添加される場合には、好ましくは、製剤当たり、すなわち投与単位当たり10mg以上の量で、特に好ましくは10〜100mgの量で、極めて特に好ましくは10〜50mgの量で使用される。
【0038】
本発明による製剤が有効成分として興奮剤を含む場合、拮抗物質は、好ましくは、ハロペリドール、プロメタジン、フルフェナジン、パーフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロテアキシン(Chlorprotheaxin)、ズクロパンテキソール(Zucklopantexol)、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン(Zotepin)、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロール(Melperol)およびブロムペリドールからなる群より選択される神経弛緩剤であることが好ましい。本発明による製剤は、好ましくは、当業者に公知の従来の治療用量で、特に好ましくは、投与単位当たり従来の用量の2〜4倍の量で、これらの拮抗物質を含む。
【0039】
本発明による製剤の乱用を防止する組み合わせが成分(d)を含む場合、それは、好ましくは、場合により存在する成分(a)および/あるいは(b)ならびに有効成分から空間的に分離した配置で存在する少なくとも1つの催吐剤であって、正しく使用されたときには体内でなんら効果を発揮しないように意図されたものを含んでいてもよい。
【0040】
有効成分の乱用を防止するのに適した催吐剤は、それ自体で当業者に公知であり、本発明による製剤において、それ自体として、または対応する誘導体、特にエステルもしくはエーテルの形で、もしくはおのおのの場合に生理的に許容される対応化合物、特にその塩もしくは溶媒和物の形で存在していてもよい。
【0041】
乱用を防止する組み合わせが成分(d)を含む場合、トコン(イペカック)の根の1つ以上の成分に基づく、好ましくは成分エメチンに基づく催吐剤が、本発明による製剤における使用のために考慮されることが好ましい。そのようなものは、例えば、ヒルデベルト・ヴァーグナー博士教授による「ファルマツォイティッシェ・ビオロギー―ドローゲン・ウント・イーレ・インハルツシュトッフェ」第二、改訂版、グスタフ・フィッシャー・フェアラーク、シュトゥットガルト―ニューヨーク、1982年に記載されている。その対応する文献の記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0042】
本発明による製剤は、好ましくは成分(d)として催吐剤エメチンを、製剤当たり、すなわち投与単位当たり、好ましくは10mg以上の、特に好ましくは20mg以上の量で、極めて特に好ましくは40mg以上の量で含んでいてもよい。
【0043】
アポモルヒネを同様に、本発明による乱用防止のための催吐剤として、好ましくは、投与単位当たり、好ましくは3mg以上の、特に好ましくは5mg以上の、極めて特に好ましくは7mg以上の量で好適に用いてもよい。
【0044】
本発明による製剤は、当業者に公知の従来の方法を用いて多くの異なった方法で調合してもよい。該製剤を調合するための方法は、例えば、クルト・ハー・バウアー(Kurt H. Bauer)、カー・レーマン(K. Lehmann)、ヘルマン・ペー・オスターヴァルト(Hermann P. Osterwald)、ロートガング・ゲルハルト(Rothgang Gerhart)による「被膜された薬学的製剤 − 基本、製造技術、生物薬学的側面、試験方法および原料(Coated Pharmaceutical Dosage Forms - Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials)」第一版、1998年、メドファーム・サイエンティフィック・パブリッシャーズ(Medpharm Scientific Publishers)によって当業者に公知である。その対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0045】
本発明による製剤は、好ましくは経口投与に適している。
【0046】
好ましい態様において、本発明による製剤は、錠剤、カプセル剤あるいは経口浸透治療システム(oralen osmotischen therapeutischen Systems, oral osmotic therapeutic system)(OROS)の形態を想定する。
【0047】
本発明による製剤を調合する1つの特に簡単な方法は、正しく経口投与した場合に成分(c)および/あるいは(d)に関する許容限界を遵守することを条件として、成分(a)〜(d)のうち2つ以上を1つまたは複数の有効成分および、場合により、生理的に許容される助剤物質と混ぜ、この混合物をカプセル剤に入れ、または、加圧成型して錠剤とすることにある。成分(c)および/あるいは(d)が、正しく投与された場合に患者あるいは有効成分の活性に悪影響を事実上及ぼさないことが可能となるような方法で調合され、またはそのような少ない量で含有されることが確実となるように、該製剤のこの種の調合に関しては注意しなければならない。
【0048】
更に好ましい態様において、本発明による製剤は、正しく経口投与された場合に否定的な作用が生じないように選択された量の成分(d)を含む。しかしながら、製剤の意図された用量が、特に子供たちによって不注意にも、あるいは乱用の際に、限度を超えた場合には、吐き気あるいは吐きたいという傾向が生じる。正しく経口投与された場合に患者によって依然として許容されうる成分(d)の特定の量は、単純な予備的試験によって当業者により決定してもよい。
【0049】
経口浸透治療システムとその適当な材料と製造方法とはそれ自体、例えば、米国特許第4,612,008号(US 4,612,008)、米国特許第4,765,989号(US 4,765,989)および米国特許第4,783,337号(US 4,783,337)により当業者に公知である。対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0050】
しかしながら、該製剤の乱用を防止する成分(c)および/または(d)を含む組み合わせが提供される場合、これらの成分を、好ましくは、乱用的に投与されたときに乱用者に対する強烈な否定的影響を引き起こすほど十分大量に使うべきである。これは、好ましくは、少なくとも1つまたは複数の有効成分を成分(c)および/あるいは(d)から空間的に分離することにより達成され、該1つまたは複数の有効成分は好ましくは少なくとも1つのサブユニット(A)に存在し、成分(c)および/あるいは(d)は少なくとも1つのサブユニット(B)に存在し、該製剤が正しく投与されたときには成分(c)および(d)が体内で効果を発揮しない。
【0051】
本発明による製剤が成分(c)および(d)の両方ともを含む場合、これらはおのおの同一のあるいは異なるサブユニット(B)に存在していてもよい。好ましくは、存在する場合には、成分(c)および(d)の両方が一つの同じサブユニット(B)に存在する。
【0052】
本発明の目的のためには、サブユニットは固体の調合物であり、おのおのの場合に、当業者に公知の従来の助剤のほかに、有効成分のみおよび、場合により、場合により存在する成分(a)および/もしくは(b)の少なくとも1つ、または、拮抗物質および/もしくは催吐剤のみおよび、場合により、場合により存在する成分(a)および/もしくは(b)の少なくとも1つを含む。
【0053】
本発明による製剤のサブユニット(A)および(B)において有効成分が成分(c)および(d)から分離した調合物であることの1つの実体的な利点は、正しく投与されたとき、成分(c)および/もしくは(d)が、体内においてほとんど放出されない、または、患者もしくは治療の成功を害する効果を及ぼさないほど少量しか放出されない、または、患者の体を通過するとき、効果を及ぼすほど十分には吸収されえない場所でしか遊離しないということである。成分(c)および/または(d)は、該製剤が正しく投与されたときに、患者の体内で実際上は放出されないことが好ましい。当業者は、上述の条件が、用いられる特定の成分(c)および(d)ならびにサブユニットまたは製剤の調合物に応じて変化しうることを理解するであろう。特定の製剤のために最適の調合物は、単純な予備的試験によって決定してもよい。
【0054】
サブユニット(B)中に成分(c)および/または(d)を含む本発明による対応する製剤を、例えば、すりつぶし、場合により、このようにして得た粉末を適当な抽出剤で抽出することにより有効成分を乱用的に摂取するという目的のために操作した場合、有効成分ならびに場合により(a)および/または(b)に加えて、特定の成分(c)および/または(d)も、有効成分から容易には分離できない形態で得られる。その結果、該操作された製剤を投与したときに、特に経口および/または非経口投与の場合に、その作用が体内で現れ、場合により成分(c)および/または(d)の1つが、乱用者に対して対応する否定的影響を更に引き起こし、よって、該製剤の乱用が防止される。
【0055】
1つまたは複数の有効成分が、好ましくは異なるサブユニット中に調合されることにより、成分(c)および(d)から空間的に分離している本発明による製剤は、多くの異なる方法で調合してもよい。その際、成分(c)および/または(d)の放出に関する上記の条件が満たされるならば、対応するサブユニットはおのおの、互いに対して望ましいいかなる立体配置で本発明による製剤中に存在していてもよい。
【0056】
当業者は、正しく投与されたときに乱用の防止も有効成分の放出も調合物の性質によって害されないならば、場合により存在する成分(a)および/または(b)を、好ましくは、本発明により製造された製剤中で、特定のサブユニット(A)および(B)に調合しても、サブユニット(A)および(B)に対応する独立したサブユニットの形態で調合してもよいことを理解するであろう。
【0057】
本発明による製剤の好ましい態様においては、サブユニット(A)および(B)の両方が多粒子製剤(multipartikulaerer Form, multiparticulate form)中に存在する。ここで、微小錠剤(Mikrotabletten, microtablets)、マイクロカプセル、微小ペレット剤(Mikropellets, micropellets)、顆粒剤、回転楕円体、ビーズまたはペレット剤が好ましく、機械的選択によってサブユニット(A)を(B)から分離することができないように、同じ形、すなわち、形状が、サブユニット(A)およびサブユニット(B)の両方に選択される。該多粒子製剤は、好ましくは0.1〜3mmまでの範囲の、好ましくは0.5〜2mmまでの大きさを有する。
【0058】
多粒子製剤中のサブユニット(A)および(B)はまた、好ましくは、カプセル剤に入れても、液体もしくはゲルに懸濁しても、または、加圧成型して錠剤としてもよく、ここでは、得られた製剤中でもサブユニット(A)および(B)が保持されるような方法でそれぞれの場合の最終的な調合が進行する。
【0059】
乱用者が単純な選別によって互いを分離することができないように、同一形状のそれぞれの多粒子製剤サブユニット(A)および(B)は、互いに視覚的に識別可能であってもならない。これは、例えば、この偽装機能のほかに、別の機能、例えば、1つ以上の有効成分の遅延放出または胃液に対して抵抗性を有する上塗りを特定のサブユニット上に提供することも組み込みうる同一の被膜を塗布することによって達成してもよい。
【0060】
本発明の更に好ましい態様において、サブユニット(A)および(B)はおのおのの場合に互いに対して層をなして配置される。
【0061】
層状のサブユニット(A)および(B)は、好ましくは、この目的のために、本発明による製剤において互いに対して垂直にあるいは水平に配置される。ここで、おのおのの場合において、好ましい層列(A)−(B)または(A)−(B)−(A)のほかに、いかなる望ましい他の層列も、場合により、成分(a)および/または(b)を含む層とともに、考慮されるように、1つ以上の層状のサブユニット(A)および1つ以上の層状のサブユニット(B)が該製剤中に存在していてもよい。
【0062】
本発明による別の好ましい製剤は、サブユニット(B)が、サブユニット(A)によって完全に封入された芯を形成するものであり、場合により膨潤しうる分離層(C)が該層間に存在してもよい。このような構造は、好ましくは、上記の多粒子製剤にも適しており、サブユニット(A)および(B)の両方ならびに場合により存在する分離層(C)が1つの同じ多粒子製剤中に調合される。
【0063】
本発明による製剤の更に好ましい態様においては、サブユニット(A)が、サブユニット(B)によって封入された芯を形成し、後者が、該芯から該製剤の表面まで通じた少なくとも1つのチャネルを含む。
【0064】
本発明による製剤は、サブユニット(A)からなる1つの層およびサブユニット(B)からなる1つの層の間に、おのおのの場合に1つ以上の、好ましくは1つの、場合により膨潤することができ、サブユニット(A)を空間的にサブユニット(B)から分離するのに役立つ分離層(C)を含んでもよい。
【0065】
本発明による製剤が、少なくとも部分的に垂直あるいは水平の配置で層状のサブユニット(A)および(B)ならびに場合により存在する分離層(C)を含む場合、該製剤は、錠剤、共押出品または積層物の形態を想定することが好ましい。
【0066】
1つの特に好ましい態様においては、サブユニット(B)の自由表面の全部および場合によりサブユニット(A)の自由表面の少なくとも一部および、場合により、場合により存在する分離層(C)の自由表面の少なくとも一部が、成分(c)あるいは(d)の放出を妨げる少なくとも1つの障壁層(D)により覆われていてもよい。
【0067】
本発明による製剤の別の特に好ましい態様は、サブユニット(A)および(B)の層ならびにそれらの間に配置された少なく1つのプッシュ層(p)ならびに場合により分離層(C)の垂直あるいは水平の配置を含む。該製剤において、サブユニット(A)および(B)、プッシュ層ならびに場合により存在する分離層(C)からなる層構造の自由表面の全部は、放出媒体、すなわち、通常、生理的液体に対しては透過性であるが有効成分に対してはならびに成分(c)および/あるいは(d)に対しては実質的に不透性である半透性被膜(E)を備える。この被膜(E)は、サブユニット(A)の領域に有効成分放出用の少なくとも1つの開口を含む。
【0068】
対応する製剤は、例えば、経口浸透治療システム(OROS)の名の下、その適当な材料および製造方法と同様に、特に米国特許第4,612,008号、米国特許第4,765,989号および米国特許第4,783,337号により当業者に公知である。対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0069】
別の好ましい態様においては、本発明による製剤のサブユニット(A)が錠剤の形態にあり、その端面および場合によりその二つの主要面の一つが、成分(c)および/あるいは(d)を含む障壁層(B)により覆われている。
【0070】
当業者は、本発明による製剤を調合する際に使われるサブユニット(A)もしくは(B)の、および、場合により存在する分離層(C)の、および/または障壁層(D)の助剤物質が、本発明による製剤におけるそれらの配置、投与の方式に応じて、ならびに、場合により存在する成分(a)および/または(b)および成分(c)および/または(d)の特定の有効成分に応じて変化しうることを理解するであろう。必要な性質を有する材料それ自体は、おのおのの場合において当業者に公知である。
【0071】
成分(c)および/または(d)催吐剤が本発明による製剤のサブユニット(B)から放出されるのが被膜、好ましくは障壁層により妨げられる場合、該サブユニットは当業者に公知の従来の材料からなっていてもよい。
【0072】
対応する障壁層(D)が成分(c)および/あるいは(d)の放出を妨げるために提供されない場合、特定の成分(c)および/あるいは(d)がサブユニット(B)から放出されるのが事実上除外されるように、サブユニットの材料を選択すべきである。障壁層の製造に適しているとして以下で述べる材料を、好ましくはこの目的のために使ってもよい。
【0073】
好ましい材料は、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、グルカン、スクレログルカン、マンナン、キサンタン、好ましくはモル比20:80のポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパンとセバシン酸との共重合体(Polifeprosan 20(登録商標)の名の下で売買)、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、(メタ)アクリル酸に基づく重合体およびそのエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタラート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ハロゲン化ポリビニル、ポリグリコリド、ポリシロキサンおよびポリウレタンならびにこれらの共重合体からなる群より選択されるものである。
【0074】
特に適した材料は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセタート、(低、中または高分子量の)セルロースプロピオナート、セルロースアセタートプロピオナート、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、三酢酸セルロース、硫酸セルロースナトリウム、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸イソデシル、ポリメタクリル酸ラウリル、ポリメタクリル酸フェニル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸イソプロピル、ポリアクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸オクタデシル、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルアルコール、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリ酢酸ビニルおよびポリ塩化ビニルからなる群より選択してもよい。
【0075】
特に適した共重合体は、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸イソブチルとの共重合体、メチルビニルエーテルとマレイン酸との高分子量共重合体、メチルビニルエーテルとマレイン酸モノエチルエステルとの共重合体、メチルビニルエーテルとマレイン酸無水物との共重合体およびビニルアルコールと酢酸ビニルとの共重合体からなる群より選択してもよい。
【0076】
障壁層を調合するのに特に適した別の材料は、デンプンを充填したポリカプロラクトン(国際公開第98/20073号(WO98/20073))、脂肪族ポリエステルアミド(独国特許出願公開第19753534号(DE 19 753 534 A1)、独国特許出願公開第19800698号(DE 19 800 698 A1)、欧州特許出願公開第0820698号(EP 0 820 698 A1))、脂肪族および芳香族ポリエステルウレタン(独国特許出願公開第19822979号(DE 19822979))、ポリヒドロキシアルカノアート、特にポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレラート、カゼイン(独国特許出願公開第4309528号(DE 4 309 528))、ポリラクチドおよびコポリラクチド(Copolylactide)(欧州特許出願公開第0980894(EP 0 980 894 A1))である。その対応する記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0077】
上記の材料は、場合により、好ましくは、モノステアリン酸グリセリン、半合成トリグリセリド誘導体、半合成グリセリド、水素化ひまし油、グリセリルパルミトステアラート、グリセリルベヘナート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、滑石、安息香酸ナトリウム、ホウ酸およびコロイドシリカ、脂肪酸、置換されたトリグリセリド、グリセリド、ポリオキシアルキレングリコールならびにこれらの誘導体からなる群より選択される当業者に公知の別の従来の助剤物質と混合してもよい。
【0078】
本発明による製剤が分離層(D)を含む場合、該層は、被膜されていないサブユニット(B)と同様に、好ましくは、障壁層について記載した上記の材料からなっていてもよい。当業者は、有効成分が、または成分(c)および/もしくは(d)が特定のサブユニットから放出されるのを分離層の厚さによって制御しうることを理解するであろう。
【0079】
本発明により製造される製剤は、1つ以上の有効成分を少なくとも部分的に遅延放出製剤中に含んでいてもよい。ここで、遅延放出は、当業者に公知の従来の材料と方法、例えば、有効成分を遅延放出マトリクスに埋め込むことによって、あるいは1つ以上の遅延放出被膜を塗布することによって達成してもよい。しかしながら、有効成分の放出は、おのおのの場合に、例えば、製剤が正しく投与されたときに、場合により存在する成分(c)および/または(d)が悪影響を及ぼしうる前に、1つまたは複数の有効成分が事実上完全に放出されるという上記の条件が満たされるように、制御されなくてはならない。
【0080】
本発明による製剤は、経口投与用を意図する場合、好ましくは、胃液に対して抵抗性の被膜も含んでいてよく、放出環境のpHの値に応じて溶解する。この被膜により、本発明による製剤が溶けないで胃を通過し、有効成分が腸においてのみ確実に放出されることが可能である。胃液に対して抵抗性の被膜は好ましくは5〜7.5のpHの値で溶解する。
【0081】
有効成分を制御放出するための、ならびに胃液に対して抵抗性の被膜を塗布するための対応する材料および方法は、例えば、クルト・ハー・バウアー)、カー・レーマン、ヘルマン・ペー・オスターヴァルト、ロートガング、ゲルハルトによる「被膜された薬学的製剤 − 基本、製造技術、生物薬学的側面、試験方法および原料」第一版、1998年、メドファーム・サイエンティフィック・パブリッシャーズによって当業者に公知である。その対応する文献の記載はここに参考文献として引用して含め、本開示内容の一部であるとみなされる。
【0082】
本発明による製剤は、成分(a)〜(d)のうちの二つ以上のあらゆる望ましい組み合わせにより、正しく投与された場合に、治療を受けている患者に対する害あるいはそれぞれの有効成分の効き目の低下というおそれなしに、あらゆる種類の乱用から、好ましくは、経口的、経鼻的および非経口的乱用から保護されるという利点を有する。それらは単純にかつ比較的経済的に製造しうる。
【0083】
以下の例は、単に例示のために、かつ、本発明の一般概念を限定しないで、本発明を説明する。
【0084】
例:
例1
錠剤当たり以下の組成を有するマトリクス錠剤(Matrixtabletten, Matrix tablets)
【0085】
【表1】

【0086】
を錠剤1000個というバッチサイズ中にて次の方法で生産した:すべての成分を量り分け、クアドロ・コミル(Quadro Comil)U10篩い分け機中で0.813mmという篩の大きさを用いて篩い分け、コンテナミキサー(ボーレ(Bohle)LM 40)中で15分±15秒の間、回転速度20±1rpmにて混合し、コルシュ(Korsch)EK0エキセンプレスによりプレスして、直径10mm、曲率半径8mmおよび平均錠剤重量310mgの両凸の錠剤を形成させた。
【0087】
錠剤の1つをすりつぶし、水10mlとともに振盪した。粘着性の濁った懸濁液が形成された。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいでより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。
【0088】
破砕した錠剤を取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0089】
例2
錠剤当たり以下の組成を有するマトリクス錠剤
【0090】
【表2】

【0091】
を例1で述べたとおりに生産した。
【0092】
錠剤の1つをすりつぶし、水10mlとともに振盪した。気泡を囲みいれた粘着性の濁った懸濁液が形成され、その粘度は例1の場合よりも大きく、また、より多くの気泡が囲みいれられていた。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいで極めてはるかにより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。
【0093】
破砕した錠剤を取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0094】
例3
錠剤当たり以下の組成を有するマトリクス錠剤
【0095】
【表3】

【0096】
を例1で述べたとおりに生産した。
【0097】
錠剤の1つをすりつぶし、水10mlとともに振盪した。気泡を囲みいれた粘着性の濁った懸濁液が形成され、その粘度は例1の場合よりも大きく、また、更により多くの気泡が囲みいれられていた。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいで極めてはるかにより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。
【0098】
破砕した錠剤を取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0099】
例4〜7
錠剤当たり以下の組成を有するマトリクス錠剤
【0100】
【表4】

【0101】
を例1で述べたとおりに生産した。
【0102】
錠剤をすりつぶし、水10mlとともに振盪した。粘着性の濁った懸濁液が形成され、また、気泡が囲みいれられていた。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいで極めてはるかにより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。
【0103】
破砕した錠剤をおのおのの場合に取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0104】
例8〜13
錠剤当たり以下の組成を有するマトリクス錠剤
【0105】
【表5】

【0106】
を例1で述べたとおりに生産した。
【0107】
錠剤をすりつぶし、水10mlとともに振盪した。粘着性の濁った懸濁液が形成され、また、気泡が囲みいれられていた。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいで極めてはるかにより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。
【0108】
破砕した錠剤をおのおのの場合に取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0109】
例14〜18
カプセル剤当たり単なる粉末混合物からなる以下の組成を有するカプセル剤(サイズ4のカプセル)
【0110】
【表6】

【0111】
カプセル剤由来の粉末をすりつぶし、水10mlとともに振盪した。粘着性の濁った懸濁液が形成され、また、気泡が囲みいれられていた。懸濁液の粗い固形成分が沈殿したらすぐに、直径0.9mmの注射針を有する注射器中に該懸濁液を吸い上げたが、吸い上げは粘度のせいで極めてはるかにより困難になった。吸い上げた抽出液を37℃で水に注入した。該注射針の直径を有し、水と混ざらない糸状物が明らかに押し出された。該糸状物は撹拌により破壊することができたが、溶解せず、数分後、糸状物の断片が依然として肉眼で見える状態を保った。もし、このような抽出物を血管に注射したならば、血管妨害が起こるであろう。すりつぶした粉末をおのおのの場合に取り出して長さ10cmの線状とし、管を通して鼻に吸い込んだ。たった最初の1cmの後で、鼻の刺激は、くしゃみをすることによって粉を取り除く切迫した必要性を生じさせるほどであり、残りの粉はもはや経鼻的に吸いあげることができなかった。鼻の刺激はくしゃみの後に静まり、該刺激は約10分後にはほぼ現れなくなっていた。該経験を繰り返そうという衝動は起きなかった。
【0112】
以下に示す量はおのおのの場合に製剤の組成に関するものである。一回の製造の実行に由来する1回分にはこのような製剤1000個が含まれる。
【0113】
例19
被膜された錠剤
【0114】

【0115】
【表7】

【0116】
エメチンと微粉末化した水素化ひまし油とを混合し、錠剤成形機内で加圧成型して、直径6.5mmの円形で両凸の錠剤を形成させた。
【0117】
被膜
【0118】
【表8】

【0119】
すべての被膜構成成分を混合した。約250mgの混合物を、13mm両凸錠剤用の成形型を有する錠剤成形機内の錠剤母型(Tablettenmatrize)中に置き、6.5mmの芯を中央に挿入し、被膜混合物の残り250mgを添加し、該被膜を該芯の周囲で加圧した。
【0120】
例20
被膜された錠剤
【0121】

【0122】
【表9】

【0123】
エメチンと微粉末化した水素化ひまし油とを混合し、錠剤成形機内で加圧成型して、直径6.5mmの円形で両凸の錠剤を形成させた。
【0124】
被膜
【0125】
【表10】

【0126】
オキシコドン塩酸塩、噴霧乾燥されたラクトースおよびオイドラギットRSPMを適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物を60℃の流動床で乾燥させ、2.5mmのふるいに通した。その後、粒状生成物を再び上記のとおり乾燥させ、1.5mmのふるいに通した。ステアリルアルコールを60〜70℃で融解させ、ミキサー中で粒状生成物に添加した。冷却後、塊をカイエンペッパー、ステアリン酸マグネシウムおよび滑石と共に1.5mmのふるいに通した。得られた粒状生成物から、約265mgの混合物を、13mm両凸錠剤用の成形型を有する錠剤成形機内の錠剤母型中に置き、6.5mmの芯を中央に挿入し、被膜混合物の残り265mgを添加し、該被膜を該芯の周囲で加圧した。
【0127】
例21
被膜された錠剤
【0128】

【0129】
【表11】

【0130】
すべての構成成分を混合し、錠剤成形機内で加圧成型して、直径6.5mmの円形で両凸の錠剤を形成させた。
【0131】
芯表面の被膜
【0132】
【表12】

【0133】
被膜成分をアセトン・水混合物(95:5重量部)に溶解し、芯に噴霧した。
【0134】
被膜
【0135】
【表13】

【0136】
すべての被膜構成成分を混合した。約250mgの混合物を、13mm両凸錠剤用の成形型を有する錠剤成形機内の錠剤母型中に置き、セルロースアセタートで被膜された芯を中央に挿入し、被膜混合物の残り250mgを添加し、該被膜を該芯の周囲で加圧した。
【0137】
例22
多粒子製剤
【0138】
催吐性ペレット剤
【0139】
【表14】

【0140】
すべての構成成分を適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物をニカ(Nica)押出機中で押出オリフィス1mmのダイを通して押し出し、球状化装置(Spheronizer)内で5分間球状化し、60℃の流動床で乾燥させ、1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0141】
催吐性ペレット剤表面の被膜
【0142】
【表15】

【0143】
催吐性ペレット剤100mgにつき記載した量。
【0144】
セルロースアセタートおよびマクロゴールをアセトン・水混合物(95:5重量部)で溶解し、3.8%溶液を形成させた。二酸化チタンを該混合物に分散させた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該懸濁液を芯に噴霧した。
【0145】
鎮痛性ペレット剤
【0146】
【表16】

【0147】
硫酸モルヒネおよびポビドンを純水に溶解し、滑石を該溶液に分散させた。カプサイシンを10%エタノール溶液として溶解し、該溶液を該懸濁液に添加した。該懸濁液を60℃においてノンパレイルに噴霧し、乾燥させた。該ペレット剤を1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0148】
鎮痛性ペレット剤表面の被膜
【0149】
【表17】

【0150】
鎮痛性ペレット剤150mgにつき記載した量。エチルセルロースの重さは、市販品の30%分散液から得た乾燥重量として記載。
【0151】
エチルセルロース分散液を純水と1:0.5で混合させ、少なくとも2時間かきまぜることによりグリセロールモノステアレートを混合させた。滑石および二酸化チタンを0.5部の水(エチルセルロース分散液の1:0.5混合物を基に計算)に分散させ、該エチルセルロース分散液と混ぜた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該分散液を該鎮痛性ペレット剤に噴霧した。
【0152】
カプセル剤
カプセル剤当たり、110mgの被膜催吐性ペレット剤および165mgの被膜鎮痛性ペレット剤を混合し、サイズ1の硬質ゼラチンカプセル剤中に入れた。
【0153】
例23
多粒子製剤
【0154】
拮抗物質ペレット剤
【0155】
【表18】

【0156】
すべての構成成分を適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物をニカ押出機中で押出オリフィス1mmのダイを通して押し出し、球状化装置内で5分間球状化し、60℃の流動床で乾燥させ、1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0157】
拮抗物質ペレット剤表面の被膜
【0158】
【表19】

【0159】
催吐性ペレット剤100mgにつき記載した量。
【0160】
セルロースアセタートおよびマクロゴールをアセトン・水混合物(95:5重量部)で溶解し、3.8%溶液を形成させた。二酸化チタンを該混合物に分散させた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該懸濁液を芯に噴霧した。
【0161】
鎮痛性ペレット剤
【0162】
【表20】

【0163】
硫酸モルヒネおよびポビドンを純水に溶解し、カイエンペッパーおよび滑石を該溶液に分散させた。該懸濁液を60℃においてノンパレイルに噴霧し、乾燥させた。該ペレット剤を1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0164】
鎮痛性ペレット剤表面の被膜
【0165】
【表21】

【0166】
鎮痛性ペレット剤150mgにつき記載した量。エチルセルロースの重さは、市販品の30%分散液から得た乾燥重量として記載。
【0167】
エチルセルロース分散液を純水と1:0.5で混合させ、少なくとも2時間かきまぜることによりグリセロールモノステアレートを混合させた。滑石および二酸化チタンを0.5部の水(エチルセルロース分散液の1:0.5混合物を基に計算)に分散させ、該エチルセルロース分散液と混ぜた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該分散液を該鎮痛性ペレット剤に噴霧した。
【0168】
カプセル剤
カプセル剤当たり、55mgの被膜拮抗物質ペレット剤および170mgの被膜鎮痛性ペレット剤を混合し、サイズ2の硬質ゼラチンカプセル剤中に入れた。
【0169】
例24
被膜された錠剤
【0170】

【0171】
【表22】

【0172】
エメチン塩酸塩・5水和物と微粉末化した水素化ひまし油とを混合し、錠剤成形機内で加圧成型して、直径6.5mmの円形で両凸の錠剤を形成させた。
【0173】
芯表面の被膜
【0174】
【表23】

【0175】
被膜成分を3.8%溶液としてアセトン・水混合物(95:5重量部)に溶解し、芯に噴霧した。
【0176】
被膜
【0177】
【表24】

【0178】
すべての被膜構成成分を混合した。約250mgの混合物を、13mm両凸錠剤用の成形型を有する錠剤成形機内の錠剤母型中に置き、セルロースアセタートで被膜された6.5mmの芯を中央に挿入し、被膜混合物の残り250mgを添加し、該被膜を該芯の周囲で加圧した。
【0179】
例25
経口浸透治療システム(OROS)
【0180】
有効成分層
【0181】
【表25】

【0182】
硫酸モルヒネおよびマクロゴールをプラネタリーミキサー内で、乾燥混合し、その後、115mgエタノールに溶けたポビドンの溶液をゆっくりと添加することにより、湿った塊に変換し、その後、該塊に圧力をかけて0.8mmのふるいを通過させた。24時間、室温において換気フード内で乾燥させた後に、ステアリン酸マグネシウムおよびカイエンペッパーとともに該粒子に圧力をかけて1.0mmのふるいを通過させ、コンテナミキサー内で混ぜた。
【0183】
プッシュ層
【0184】
【表26】

【0185】
塩化ナトリウム、マクロゴールおよび半分のメチルヒドロキシプロピルセルロースを流動床造粒機中で3分間、乾燥混合し、その後、粒状化し、熱風を導入することにより、75mg中に溶けたメチルヒドロキシプロピルセルロースの残り半分の溶液に対して噴霧することにより乾燥させた。その後、コミル(Comil)内でステアリン酸マグネシウムとともに粒状生成物に圧力をかけて2.5mmのふるいを通過させた。
【0186】
催吐剤層
【0187】
【表27】

【0188】
エメチンと水素化ひまし油とを錠剤成形機内で10mmの予備圧縮パンチ(Vorpressstempel, precompression punch)により予備圧縮して、約250mgの圧縮成形物を形成させた。その後、この予備的な圧縮成形物を、破砕機と1.0mmのふるいとを用いて粉末にした。
【0189】
三層錠剤の製造
おのおのの錠剤について、100mgの催吐剤層用粒状生成物、260mgのプッシュ層および450mgの有効成分層を連続して適当な錠剤成形機のダイに導入し、加圧成型して、三層錠剤を形成させた。
【0190】
芯表面の被膜
【0191】
【表28】

【0192】
被膜成分を3.8%溶液としてアセトン・水混合物(95:5重量部)に溶解し、芯に噴霧した。有効成分層を系の外部環境と結ぶために、0.75mmの孔を2つ、被膜を通して開けた。
【0193】
例26
経口浸透治療システム
【0194】
催吐剤層が以下の組成であったこと以外は、例25と同様の手順を用いた:
【0195】
【表29】

【0196】
エメチン塩酸塩・5水和物と水素化ひまし油とを錠剤成形機内で10mmの予備圧縮パンチにより予備圧縮して、約250mgの圧縮成形物を形成させた。その後、この予備的な圧縮成形物を、破砕機と1.0mmのふるいとを用いて粉末にした。
【0197】
他の製造工程はすべて、例25で説明したとおりに進行した。
【0198】
例27
被膜された錠剤
【0199】

【0200】
【表30】

【0201】
すべての構成成分を混合し、錠剤成形機内で加圧成型して、直径6.5mmの円形で両凸の錠剤を形成させた。
【0202】
芯表面の被膜
【0203】
【表31】

【0204】
被膜成分をアセトン・水混合物(95:5重量部)に溶解し、芯に噴霧した。
【0205】
被膜
【0206】
【表32】

【0207】
すべての被膜構成成分を混合した。約270mgの混合物を、13mm両凸錠剤用の成形型を有する錠剤成形機内の錠剤母型中に置き、セルロースアセタートで被膜された芯を中央に挿入し、被膜混合物の残り270mgを添加し、該被膜を該芯の周囲で加圧した。
【0208】
例28
多粒子製剤
【0209】
催吐性ペレット剤
【0210】
【表33】

【0211】
すべての構成成分を適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物をニカ押出機中で押出オリフィス1mmのダイを通して押し出し、球状化装置内で5分間球状化し、60℃の流動床で乾燥させ、1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0212】
催吐性ペレット剤表面の被膜
【0213】
【表34】

【0214】
催吐性ペレット剤100mgにつき記載した量。
【0215】
セルロースアセタートおよびマクロゴールをアセトン・水混合物(95:5重量部)で溶解し、3.8%溶液を形成させた。二酸化チタンを該混合物に分散させた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該懸濁液を芯に噴霧した。
【0216】
鎮痛性ペレット剤
【0217】
【表35】

【0218】
硫酸モルヒネおよびポビドンを純水に溶解し、半分の滑石を該溶液に分散させた。カプサイシンを10%エタノール溶液として溶解し、該溶液を該懸濁液に添加した。回転するノンパレイルに対し、55℃においてロトグラニュレーター(Rotogranulator)(グラット(Glatt))内で該懸濁液を噴霧し、湿り気がありかつ回転する錠剤の塊に対し、滑石の残りの半分と混合した粉末としてキサンタンを連続的に導入した。乾燥が完了したら、該ペレット剤を1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0219】
鎮痛性ペレット剤表面の被膜
【0220】
【表36】

【0221】
鎮痛性ペレット剤180mgにつき記載した量。エチルセルロースの重さは、市販品の30%分散液から得た乾燥重量として記載。
【0222】
エチルセルロース分散液を純水と1:0.5で混合させ、少なくとも2時間かきまぜることによりグリセロールモノステアレートを混合させた。滑石および二酸化チタンを0.5部の水(エチルセルロース分散液の1:0.5混合物を基に計算)に分散させ、該エチルセルロース分散液と混ぜた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該分散液を該鎮痛性ペレット剤に噴霧した。
【0223】
カプセル剤
カプセル剤当たり、110mgの被膜催吐性ペレット剤および198mgの被膜鎮痛性ペレット剤を混合し、サイズ1の硬質ゼラチンカプセル剤中に入れた。
【0224】
例29
多粒子製剤
【0225】
催吐性ペレット剤
【0226】
【表37】

【0227】
すべての構成成分を適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物をニカ押出機中で押出オリフィス1mmのダイを通して押し出し、球状化装置内で5分間球状化し、60℃の流動床で乾燥させ、1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0228】
催吐性ペレット剤表面の被膜
【0229】
【表38】

【0230】
催吐性ペレット剤100mgにつき記載した量。
【0231】
セルロースアセタートおよびマクロゴールをアセトン・水混合物(95:5重量部)で溶解し、3.8%溶液を形成させた。二酸化チタンを該混合物に分散させた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該懸濁液を芯に噴霧した。
【0232】
拮抗物質ペレット剤
【0233】
【表39】

【0234】
すべての構成成分を適当なミキサー中で約5分間、ともに完全に混合させた。混合の間、混合物は、湿った粒状の塊が形成されるほどの量の純水により粒状化した。結果として得られた粒状生成物をニカ押出機中で押出オリフィス1mmのダイを通して押し出し、球状化装置内で5分間球状化し、60℃の流動床で乾燥させ、1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0235】
拮抗物質ペレット剤表面の被膜
【0236】
【表40】

【0237】
催吐性ペレット剤50mgにつき記載した量。
【0238】
セルロースアセタートおよびマクロゴールをアセトン・水混合物(95:5重量部)で溶解し、3.8%溶液を形成させた。二酸化チタンを該混合物に分散させた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該懸濁液を芯に噴霧した。
【0239】
鎮痛性ペレット剤
【0240】
【表41】

【0241】
硫酸モルヒネおよびポビドンを純水に溶解し、半分の滑石を該溶液に分散させた。カプサイシンを10%エタノール溶液として溶解し、該溶液を該懸濁液に添加した。回転するノンパレイルに対し、55℃においてロトグラニュレーター(グラット)内で該懸濁液を噴霧し、湿り気がありかつ回転する錠剤の塊に対し、滑石の残りの半分と混合した粉末としてキサンタンを連続的に導入した。乾燥が完了したら、該ペレット剤を1.5mmおよび0.5mmのふるいを使って分級した。
【0242】
鎮痛性ペレット剤表面の被膜
【0243】
【表42】

【0244】
鎮痛性ペレット剤180mgにつき記載した量。エチルセルロースの重さは、市販品の30%分散液から得た乾燥重量として記載。
【0245】
エチルセルロース分散液を純水と1:0.5で混合させ、少なくとも2時間かきまぜることによりグリセロールモノステアレートを混合させた。滑石および二酸化チタンを0.5部の水(エチルセルロース分散液の1:0.5混合物を基に計算)に分散させ、該エチルセルロース分散液と混ぜた。被膜されたペレット剤の質量が、導入された被膜なしのペレット剤の重さの110%になるまで、流動床中で該分散液を該鎮痛性ペレット剤に噴霧した。
【0246】
カプセル剤
カプセル剤当たり、110mgの被膜催吐性ペレット剤、55mgの拮抗物質ペレット剤および198mgの被膜鎮痛性ペレット剤をゲル形成剤とともに混合し、サイズ0の硬質ゼラチンカプセル剤中に入れた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱用が防止された製剤であって、乱用のおそれがある1つ以上の有効成分のほかに、下記成分a)〜d):
(a)鼻孔および/または咽頭を刺激する少なくとも1つの物質、
(b)必要最小量の水性液体により、該製剤から得られた抽出物を含むゲルを形成するものであって、該ゲルは別の水性液体に導入されたときに視覚的に識別可能な状態を保つ、少なくとも1つの粘度上昇剤、
(c)乱用のおそれがある1つまたは複数の有効成分に対する少なくとも1つの拮抗物質、
(d)少なくとも1つの催吐剤
のうちの二つ以上を含むことを特徴とする該製剤。
【請求項2】
成分(a)〜(d)のうちの3つ、好ましくは(a)、(b)および(c)あるいは(a)、(b)および(d)を含むことを特徴とする請求項1に係る製剤。
【請求項3】
成分(a)〜(d)のすべてを含むことを特徴とする請求項1に係る製剤。
【請求項4】
成分(a)、(b)および(d)のうちの2つまたは3つを含み、該有効成分がアヘン剤、オピオイド、鎮静剤、興奮剤、および別の麻薬からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に係る製剤。
【請求項5】
該有効成分が、おのおのの場合に場合により、対応する立体異性体化合物および対応する誘導体、特にエステルまたはエーテル、ならびにおのおのの場合に生理的に許容される化合物、特に塩および溶媒和物の状態にあるN−{1−[2−(4-エチル-5-オキソ-2−テトラゾリン-1−イル)エチル]−4-メトキシメチル-4−ピペリジル}プロピオンアニリド(アルフェンタニル)、5,5-ジアリルバルビツール酸(アロバルビタール)、アリルプロジン、アルファプロジン、8-クロロ-1−メチル-6−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]-ベンゾジアゼピン(アルプラゾラム)、2-ジエチルアミノプロピオフェノン(アンフェプラモン)、(±)-α−メチルフェネチルアミン(アンフェタミン)、2-(α-メチルフェネチルアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(アンフェタミニル)、5−エチル-5−イソペンチルバルビツール酸(アモバルビタール)、アニレリジン、アポコデイン、5,5-ジエチルバルビツール酸(バルビタール)、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、7-ブロモ-5−(2-ピリジル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ブロマゼパム)、2-ブロモ-4−(2-クロロフェニル)−9-メチル−6H−チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン(ブロチゾラム)、17-シクロプロピルメチル-4,5α-エポキシ-7α[(S)−1-ヒドロキシ-1,2,2−トリメチル-プロピル]−6-メトキシ-6,14−エンド−エタノモルフィナン-3−オール(ブプレノルフィン)、5−ブチル-5−エチルバルビツール酸(ブトバルビタール)、ブトルファノール、(7-クロロ-1,3-ジヒドロ-1-メチル-2-オキソ-5-フェニル-2H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ジメチル-カルバマート(カマゼパム)、(1S,2S)−2-アミノ-1−フェニル-1−プロパノール(カチン/D-ノルプソイドエフェドリン)、7-クロロ-N-メチル-5-フェニル-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-イルアミン-4-オキシド(クロルジアゼポキシド)、7-クロロ-1−メチル-5−フェニル−1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)−ジオン(クロバザム)、5-(2-クロロフェニル)-7-ニトロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(クロナゼパム)、クロニタゼン、7-クロロ-2,3−ジヒドロ-2−オキソ-5−フェニル−1H-1,4−ベンゾジアゼピン-3−カルボン酸(クロラゼパート)、5−(2-クロロフェニル)−7-エチル-1-メチル-1H-チエノ[2,3-e][1,4]ジアゼピン-2(3H)-オン(クロチアゼパム)、10-クロロ-11b-(2クロロフェニル)-2,3,7,11b-テトラヒドロオキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6(5H)-オン(クロキサゾラム)、(−)−メチル−[3β-ベンゾイルオキシ-2β(1αH,5αH)-トロパンカルボキシラート](コカイン)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6α−オール(コデイン)、5-(1-シクロヘキセニル)-5-エチルバルビツール酸(シクロバルビタール)、シクロルファン(Cyclorphan)、シプレノルフィン(Cyprenorphin)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(デロラゼパム)、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、(+)−(1−ベンジル-3-ジメチルアミノ-2−メチル−1−フェニルプロピル)プロピオナート(デキストロプロポキシフェン)、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン、7-クロロ-1-メチル-5-フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ダイアゼパム)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17−メチル−6α−モルフィナノール(ジヒドロコデイン)、4,5□-エポキシ-17-メチル-3,6a−モルフィナンジオール(ジヒドロモルヒネ)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(Dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、(6aR,10aR)−6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a−テトラヒドロ−6H-ベンゾ[c]クローメン-1-オール(ドロナビノール)、エプタゾシン、8-クロロ−6-フェニル-4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(エスタゾラム)、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチル-[7-クロロ-5−(2-フルオロフェニル)−2,3-ジヒドロ-2−オキソ−1H-1,4ベンゾジアゼピン-3−カルボキシラート](ロフラゼプ酸エチル)、4,5□-エポキシ-3−エトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6□−オール(エチルモルヒネ)、エトニタゼン、4,5α-エポキシ−7α−(1−ヒドロキシ-1−メチルブチル)−6-メトキシ-17-メチル-6,14-エンド-エテノ-モルフィナン-3−オール(エトルフィン)、N-エチル-3−フェニル-8,9,10-トリノルボルナン-2−イルアミン(フェンカムファミン)、7−[2-(α-メチルフェネチルアミノ)エチル]-テオフィリン)(フェネチリン)、3-(α-メチルフェネチルアミノ)プロピオニトリル(フェンプロポレックス)、N-(1-フェネチル-4-ピペリジル)プロピオンアニリド(フェンタニール)、7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(フルジアゼパム)、5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-7-ニトロ-1H-1,4−ベンゾジアゼピン−2(3H)-オン(フルニトラゼパム)、7-クロロ-1-(2-ジエチルアミノエチル)-5−(2-フルオロフェニル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(フルラゼパム)、7-クロロ-5-フェニル-1−(2,2,2-トリフルオロエチル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ハラゼパム)、10-ブロモ-11b-(2-フルオロフェニル)-2,3,7,11b-テトラヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6(5H)-オン(ハロキサゾラム)、ヘロイン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロコドン)、4,5α-エポキシ-3−ヒドロキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロモルフォン)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、11-クロロ-8,12b−ジヒドロ-2,8−ジメチル−12b-フェニル-4H−[1,3]オキサジノ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-4,7(6H)-ジオン(ケタゾラム)、1−[4-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-4-ピペリジル]−1-プロパノン(ケトベミドン)、(3S,6S)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニルヘプタン-3−イルアセタート(レバセチルメタドール(Levacetylmethadol)(LAAM))、(−)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(レボメタドン(Levomethadon))、(−)−17-メチル-3−モルフィナノール(レボルファノール)、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、6−(2-クロロフェニル)-2−(4-メチル−1−ピペラジニルメチレン)−8-ニトロ-2H-イミダゾ[1,2-a][1,4]−ベンゾジアゼピン-1(4H)-オン(ロプラゾラム)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−3-ヒドロキシ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ロラゼパム)、7-クロロ-5−(2-クロロフェニル)−3-ヒドロキシ-1−メチル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ロルメタゼパム)、5−(4-クロロフェニル)−2,5-ジヒドロ-3H-イミダゾ[2,1-a]イソインドール-5-オール(マジンドール)、7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1−メチル-5−フェニル−1H-1,4−ベンゾジアゼピン(メダゼパム)、N−(3-クロロプロピル)−α−メチルフェネチルアミン(メフェノレックス)、メペリジン、2-メチル-2-プロピルトリメチレンジカルバマート(メプロバメート)、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、N,α−ジメチルフェネチルアミン(メタンフェタミン)、(±)-6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(メタドン)、2−メチル-3−o−トリル−4(3H)−キナゾリノン(メタクワロン)、メチル-[2−フェニル-2−(2-ピペリジル)アセタート](メチルフェニダート)、5-エチル-1−メチル-5−フェニルバルビツール酸(メチルフェノバルビタール)、3,3-ジエチル-5−メチル-2,4−ピペリジンジオン(メチプリロン)、メトポン、8-クロロ-6−(2-フルオロフェニル)−1-メチル-4H-イミダゾ[1,5-a][1,4]ベンゾジアゼピン(ミダゾラム)、2-(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド(モダフィニル)、4,5α-エポキシ-17−メチル-7−モルフィネン-3,6α−ジオール(モルヒネ)、ミロフィン(Myrophin)、(±)−トランス-3-(1,1-ジメチルヘプチル)−7,8,10,10α−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6-ジメチル-6H−ジベンゾ[b,d]ピラン-9(6αH)-オン(ナビロン)、ナルブフェン(Nalbuphen)、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、1−メチル-7−ニトロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ニメタゼパム)、7-ニトロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ニトラゼパム)、7-クロロ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ノルダゼパム)、ノルレボルファノール、6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘキサノン(ノルメタドン)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、ケシ・ソムニフェルム(Papaver somniferum)種に属する植物からの滲出物(オピウム)、7-クロロ-3-ヒドロキシ-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(オキサゼパム)、(シス-トランス)−10-クロロ-2,3,7,11b−テトラヒドロ-2−メチル−11b−フェニルオキサゾロ[3,2-d][1,4]ベンゾジアゼピン-6-(5H)-オン(オキサゾラム)、4,5α-エポキシ-14−ヒドロキシ-3−メトキシ-17−メチル-6−モルフィナノン(オキシコドン)、オキシモルフォン、ケシ・ソムニフェルム種(セチゲルム(setigerum)亜種を含む)(ケシ・ソムニフェルム)に属する植物および植物の部分、パパベレタム、2-イミノ-5−フェニル-4−オキサゾリジノン(ペルノリン(Pernolin))、1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロ-6,11−ジメチル-3−(3−メチル-2−ブテニル)-2,6-メタノ-3−ベンザゾシン-8−オール(ペンタゾシン)、5-エチル-5−(1-メチルブチル)−バルビツール酸(ペントバルビタール)、エチル-(1-メチル-4-フェニル-4-ピペリジンカルボキシラート)(ペチジン)、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、3−メチル-2−フェニルモルホリン(フェンメトラジン)、5−エチル-5−フェニルバルビツール酸(フェノバルビタール)、α,α−ジメチルフェネチルアミン(フェンテルミン)、7-クロロ-5-フェニル-1−(2-プロピニル)−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(ピナゼパム)、α−(2-ピペリジル)ベンズヒドリルアルコール(ピプラドロール)、1'−(3-シアノ-3,3-ジフェニルプロピル)[1,4’-ビピペリジン]−4’-カルボキサミド(ピリトラミド)、7-クロロ-1-(シクロプロピルメチル)−5-フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(プラゼパム)、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、N-(1-メチル-2-ピペリジノエチル)−N−(2-ピリジル)プロピオンアミド、メチル{3−[4-メトキシカルボニル-4-(N-フェニルプロパンアミド)ピペリジノ]プロパノアート}(レミフェンタニル)、5-sec−ブチル-5−エチルバルビツール酸(セクブタバルビタール)、5-アリル-5−(1-メチルブチル)−バルビツール酸(セコバルビタール)、N−{4−メトキシメチル-1−[2-(2-チエニル)エチル]-4-ピペリジル}プロピオンアニリド(スフェンタニル)、7-クロロ-2−ヒドロキシ−メチル-5−フェニル−1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(テマゼパム)、7-クロロ-5−(1-シクロヘキセニル)−1-メチル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)-オン(テトラゼパム)、エチル-(2-ジメチルアミノ−1-フェニル-3−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(チリジン(シス形およびトランス形))、トラマドール、8-クロロ-6−(2-クロロフェニル)−1-メチル−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼ
ピン(トリアゾラム)、5-(1-メチルブチル)-5-ビニルバルビツール酸(ビニルビタール)、(1R*,2R*)−3−(3-ジメチルアミノ-1-エチル-2-メチル-プロピル)−フェノール、(1R,2R,4S)−2-[ジメチルアミノ)メチル-4−(p-フルオロベンジルオキシ)-1−(m-メトキシフェニル)シクロヘキサノールからなる群より選択されることを特徴する請求項4に係る製剤。
【請求項6】
成分(c)を含み、該有効成分がアヘン剤、オピオイド、興奮剤、および別の麻薬からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に係る製剤。
【請求項7】
該有効成分が、おのおのの場合に場合により、対応する立体異性体化合物および対応する誘導体、特にエステルまたはエーテル、ならびにおのおのの場合に生理的に許容される化合物、特に塩および溶媒和物の状態にあるN−{1−[2−(4-エチル-5-オキソ-2−テトラゾリン-1−イル)エチル]−4-メトキシメチル-4−ピペリジル}プロピオンアニリド(アルフェンタニル)、アリルプロジン、アルファプロジン、2-ジエチルアミノプロピオフェノン(アンフェプラモン)、(±)-α−メチルフェネチルアミン(アンフェタミン)、2-(α-メチルフェネチルアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(アンフェタミニル)、アニレリジン、アポコデイン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、17-シクロプロピルメチル-4,5α-エポキシ-7α[(S)−1-ヒドロキシ-1,2,2−トリメチル-プロピル]−6-メトキシ-6,14−エンド−エタノモルフィナン-3−オール(ブプレノルフィン)、ブトルファノール、(1S,2S)−2-アミノ-1−フェニル-1−プロパノール(カチン/D-ノルプソイドエフェドリン)、クロニタゼン、(−)−メチル−[3β-ベンゾイルオキシ-2β(1αH,5αH)-トロパンカルボキシラート](コカイン)、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6α−オール(コデイン)、シクロルファン(Cyclorphan)、シプレノルフィン(Cyprenorphin)、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、(+)−(1−ベンジル-3-ジメチルアミノ-2−メチル−1−フェニルプロピル)プロピオナート(デキストロプロポキシフェン)、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17−メチル−6α−モルフィナノール(ジヒドロコデイン)、4,5□-エポキシ-17-メチル-3,6a−モルフィナンジオール(ジヒドロモルヒネ)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(Dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、(6aR,10aR)−6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a−テトラヒドロ−6H-ベンゾ[c]クローメン-1-オール(ドロナビノール)、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、4,5□-エポキシ-3−エトキシ-17-メチル-7−モルフィネン−6□−オール(エチルモルヒネ)、エトニタゼン、4,5α-エポキシ−7α−(1−ヒドロキシ-1−メチルブチル)−6-メトキシ-17-メチル-6,14-エンド-エテノ-モルフィナン-3−オール(エトルフィン)、N-エチル-3−フェニル-8,9,10-トリノルボルナン-2−イルアミン(フェンカムファミン)、7−[2-(α-メチルフェネチルアミノ)エチル]-テオフィリン)(フェネチリン)、3-(α-メチルフェネチルアミノ)プロピオニトリル(フェンプロポレックス)、N-(1-フェネチル-4-ピペリジル)プロピオンアニリド(フェンタニール)、ヘロイン、4,5α-エポキシ-3−メトキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロコドン)、4,5α-エポキシ-3−ヒドロキシ-17-メチル-6−モルフィナノン(ヒドロモルフォン)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、1−[4-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-4-ピペリジル]−1-プロパノン(ケトベミドン)、(3S,6S)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニルヘプタン-3−イルアセタート(レバセチルメタドール(Levacetylmethadol)(LAAM))、(−)−6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(レボメタドン(Levomethadon))、(−)−17-メチル-3−モルフィナノール(レボルファノール)、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、5−(4-クロロフェニル)−2,5-ジヒドロ-3H-イミダゾ[2,1-a]イソインドール-5-オール(マジンドール)、N−(3-クロロプロピル)−α−メチルフェネチルアミン(メフェノレックス)、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、N,α−ジメチルフェネチルアミン(メタンフェタミン)、(±)-6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘプタノン(メタドン)、メチル-[2−フェニル-2−(2-ピペリジル)アセタート](メチルフェニダート)、3,3-ジエチル-5−メチル-2,4−ピペリジンジオン(メチプリロン)、2-(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド(モダフィニル)、4,5α-エポキシ-17−メチル-7−モルフィネン-3,6α−ジオール(モルヒネ)、ミロフィン(Myrophin)、(±)−トランス-3-(1,1-ジメチルヘプチル)−7,8,10,10α−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6-ジメチル-6H−ジベンゾ[b,d]ピラン-9(6αH)-オン(ナビロン)、ナルブフェン(Nalbuphen)、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、6-ジメチルアミノ-4,4−ジフェニル-3−ヘキサノン(ノルメタドン)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、ケシ・ソムニフェルム(Papaver somniferum)種に属する植物からの滲出物(オピウム)、4,5α-エポキシ-14−ヒドロキシ-3−メトキシ-17−メチル-6−モルフィナノン(オキシコドン)、オキシモルフォン、ケシ・ソムニフェルム種(セチゲルム(setigerum)亜種を含む)(ケシ・ソムニフェルム)に属する植物および植物の部分、パパベレタム、2-イミノ-5−フェニル-4−オキサゾリジノン(ペルノリン(Pernolin))、1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロ-6,11−ジメチル-3−(3−メチル-2−ブテニル)-2,6-メタノ-3−ベンザゾシン-8−オール(ペンタゾシン)、エチル-(1-メチル-4-フェニル-4-ピペリジンカルボキシラート)(ペチジン)、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、3−メチル-2−フェニルモルホリン(フェンメトラジン)、α,α−ジメチルフェネチルアミン(フェンテルミン)、α−(2-ピペリジル)ベンズヒドリルアルコール(ピプラドロール)、1'−(3-シアノ-3,3-ジフェニルプロピル)[1,4’-ビピペリジン]−4’-カルボキサミド(ピリトラミド)、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、N-(1-メチル-2-ピペリジノエチル)−N−(2-ピリジル)プロピオンアミド、メチル{3−[4-メトキシカルボニル-4-(N-フェニルプロパンアミド)ピペリジノ]プロパノアート}(レミフェンタニル)、N−{4−メトキシメチル-1−[2-(2-チエニル)エチル]-4-ピペリジル}プロピオンアニリド(スフェンタニル)、エチル-(2-ジメチルアミノ−1-フェニル-3−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(チリジン(シス形およびトランス形))、トラマドール、(1R*,2R*)−3−(3-ジメチルアミノ-1-エチル-2-メチル-プロピル)−フェノール、(1R,2R,4S)−2-[ジメチルアミノ)メチル-4−(p-フルオロベンジルオキシ)-1−(m-メトキシフェニル)シクロヘキサノールからなる群より選択されることを特徴する請求項6に係る製剤。
【請求項8】
アンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、メチルフェニダートならびにおのおのの場合に場合により、その対応する生理的に許容される化合物、特にその塩基、塩および溶媒和物からなる群より選択される1つ以上の興奮剤を含むことを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に係る製剤。
【請求項9】
成分(a)刺激性物質が灼熱、かゆみ、くしゃみをしようという衝動、分泌物の形成の増加あるいはこれらの刺激の少なくとも2つの組み合わせを引き起こすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に係る製剤。
【請求項10】
成分(a)刺激性物質が少なくとも1つの刺激物質薬剤の1つ以上の構成成分に基づくことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に係る製剤。
【請求項11】
該刺激物質薬剤が、アリイ・サティヴィ・ブルブス(Allii sativi Bulbus)、アサリ・リゾマ・ツェー・ヘルバ(Asari Rhizoma c. Herba)、カラミ・リゾマ(Calami Rhizoma)、カプシキ・フルクトゥス(Capsici Fructus)(トウガラシ)、カプシキ・フルクトゥス・アケル(Capsici Fructus acer)(カイエンペッパー)、クルクマエ・ロンガエ・リゾマ(Curcumae longae Rhizoma)、クルクマエ・クサントリザエ・リゾマ(Curcumae xanthorrhizae Rhizoma)、ガランガエ・リゾマ(Galangae Rhizoma)、ミュリスティカエ・セメン(Myristicae Semen)、ピペリス・ニグリ・フルクトゥス(Piperis nigri Fructus)(黒コショウ)、シナピス・アルバエ・(エルカエ・)セメン(Sinapis albae (Erucae) Semen)、シナピス・ニグリ・セメン(Sinapis nigri Semen)、ゼドアリアエ・リゾマ(Zedoariae Rhizoma)およびジンギベリス・リゾマ(Zingiberis Rhizoma)からなる群より、特に好ましくは、カプシキ・フルクトゥス(トウガラシ)、カプシキ・フルクトゥス・アケル(カイエンペッパー)およびピペリス・ニグリ・フルクトゥス(黒コショウ)からなる群より選択されることを特徴とする請求項10に係る製剤。
【請求項12】
該構成成分が、o-メトキシ(メチル)フェノール化合物、酸アミド化合物、からし油もしくは硫化物化合物であり、またはこのような化合物から誘導されることを特徴とする請求項10または請求項11に係る製剤。
【請求項13】
該構成成分が、ミリスチシン、エレミシン、イソオイゲノール、□−アサロン、サフロール、ギンゲロール、キサントリゾール、カプサイシノイド、好ましくはカプサイシン、ピペリン、好ましくはトランス−ピペリン、好ましくは、非揮発性のからし油に基づく、特に好ましくは、p−ヒドロキシベンジルからし油、メチルメルカプトからし油あるいはメチルサルフォニルからし油に基づくグルコシノレート、およびこれらの構成成分から誘導された化合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に係る製剤。
【請求項14】
成分(b)が、11重量%カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む微結晶性セルロース(Avicel(登録商標) RC 591)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Blanose(登録商標)、CMC-Na C300P(登録商標)、Frimulsion BLC-5(登録商標)、Tylose C300 P(登録商標))、ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標) 980 NF、Carbopol(登録商標) 981)、イナゴマメ粉(Cesagum(登録商標) LA-200、Cesagum(登録商標) LID/150、Cesagum(登録商標) LN-1)、柑橘類ペクチン(Cesapectin(登録商標) HM Medium Rapid Set)、蝋様トウモロコシデンプン(C*Gel 04201(登録商標))、アルギン酸ナトリウム(Frimulsion ALG(E401)(登録商標))、グアー粉(Frimulsion BM(登録商標)、Polygum 26/1-75(登録商標))、イオタ-カラギーナン(Frimulsion D021(登録商標))、カラヤゴム、ジェランガム(Kelcogel F(登録商標)、Kelcogel LT100(登録商標))、ガラクトマンナン(Meyprogat 150(登録商標))、タラの種の粉(Polygum 43/1(登録商標))、アルギン酸プロピレングリコール(Protanal-Ester SD-LB(登録商標))、リンゴペクチン、レモン皮ペクチン、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガカント、タラガム(Vidogum SP 200(登録商標))、発酵多糖類ウェランガム(K1A96)およびキサンタンガム(Xantural 180(登録商標))からなる群より選択される1つ以上の粘度上昇剤を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に係る製剤。
【請求項15】
製剤当たり、すなわち投与単位当たり5mg以上の量の粘度上昇剤を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に係る製剤。
【請求項16】
使用される成分(c)拮抗物質が、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(Nalid)、ナルメキソン(Nalmexon)、ナロルフィン、ナルフィン(Naluphin)ならびにおのおのの場合に対応する生理的に許容される化合物、特に塩基、塩および溶媒和物からなる群より選択されるアヘン剤拮抗物質あるいはオピオイド拮抗物質であることを特徴とする請求項7〜15のいずれか一項に係る製剤。
【請求項17】
興奮剤に対して使用される成分(c)拮抗物質が、好ましくは、ハロペリドール、プロメタジン、フルフェナジン、パーフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロテアキシン(Chlorprotheaxin)、ズクロパンテキソール(Zucklopantexol)、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン(Zotepin)、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロール(Melperol)およびブロムペリドールからなる群より選択される神経弛緩剤であることを特徴とする請求項4〜16のいずれか一項に係る製剤。
【請求項18】
成分(d)催吐剤が、トコン(イペカック)の根の1つ以上の成分に、好ましくは成分エメチンに基づき、および/あるいはアポモルヒネであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に係る製剤。
【請求項19】
1つまたは複数の有効成分が成分(c)および/あるいは(d)から空間的に分離しており、該1つまたは複数の有効成分は好ましくは少なくとも1つのサブユニット(A)に存在し、成分(c)および/あるいは(d)は少なくとも1つのサブユニット(B)に存在し、該製剤が正しく投与されたときにはサブユニット(B)由来の成分(c)および/あるいは(d)が体内で効果を発揮しないことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に係る製剤。
【請求項20】
サブユニット(A)および(B)の両方が、好ましくは微小錠剤(Mikrotabletten, microtablets)、マイクロカプセル、微小ペレット剤(Mikropellets, micropellets)、顆粒剤、回転楕円体、ビーズまたはペレット剤の形態の、場合により加圧成型して錠剤とされた、カプセル剤に入れられた、または液体もしくはゲルに懸濁された多粒子製剤(multipartikulaerer Form, multiparticulate form)を想定し、同じ形、すなわち、形状がサブユニット(A)および(B)の両方に選択されることを特徴とする請求項19に係る製剤。
【請求項21】
サブユニット(A)および(B)のほぼ同一に形づくられた多粒子製剤が互いに視覚的に識別不可能でもあることを特徴とする請求項20に係る製剤。
【請求項22】
層状のサブユニット(A)および(B)が互いに対して層をなして配置されることを特徴とする請求項19に係る製剤。
【請求項23】
層状のサブユニット(A)および(B)が互いに対して垂直にあるいは水平に配置されることを特徴とする請求項22に係る製剤。
【請求項24】
サブユニット(B)が、サブユニット(A)によって完全に封入された芯を形成することを特徴とする請求項22に係る製剤。
【請求項25】
サブユニット(A)が、サブユニット(B)によって封入された芯を形成し、この封入物が、該芯から該製剤の表面まで通じた少なくとも1つのチャネルを含むことを特徴とする請求項22に係る製剤。
【請求項26】
少なくとも1つの、場合により膨潤しうる分離層(C)がサブユニット(A)および(B)の層の間に配置されることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に係る製剤。
【請求項27】
錠剤の形態を想定することを特徴とする請求項22あるいは請求項26に係る製剤。
【請求項28】
サブユニット(B)の自由表面の全部および場合によりサブユニット(A)の自由表面の少なくとも一部および場合により分離層(C)の自由表面の少なくとも一部が、成分(c)および/あるいは(d)の放出を妨げる少なくとも1つの障壁層(D)により覆われることを特徴とする請求項22、23、26あるいは27のいずれか一項に係る製剤。
【請求項29】
請求項22、23、26あるいは27のいずれか一項に係る製剤であって、該製剤が、サブユニット(A)と(B)との間に、プッシュ層(P)を含み、サブユニット(A)および(B)、プッシュ層(P)ならびに場合により分離層(C)を含む層構造の全ての自由表面が、放出媒体に対しては透過性であるが有効成分ならびに成分(c)および/あるいは(d)に対しては実質的に不透性である半透性被膜(E)を備え、この被膜(E)が、サブユニット(A)の領域に有効成分放出用の少なくとも1つの開口を含むことを特徴とする該製剤。
【請求項30】
サブユニット(A)が錠剤の形態を想定し、その端面および場合によりその二つの主要面の一つが、催吐剤を含む障壁層(D)により覆われていることを特徴とする請求項19に係る製剤。
【請求項31】
少なくとも1つの有効成分を少なくとも部分的に遅延放出製剤中に含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれか一項に係る製剤。
【請求項32】
経口投与のための請求項1〜31のいずれか一項に係る製剤。
【請求項33】
胃液に対して抵抗性の少なくとも1つの被膜を含むことを特徴とする請求項32に係る製剤。
【請求項34】
成分(a)および/あるいは(b)を少なくとも1つのサブユニットAおよび/あるいは少なくとも1つのサブユニットB中に含むことを特徴とする請求項19〜33のいずれか一項に係る製剤。

【公表番号】特表2006−506374(P2006−506374A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545968(P2004−545968)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011784
【国際公開番号】WO2004/037259
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(502231188)グリューネンタ−ル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (7)
【Fターム(参考)】