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乱用耐性のオピオイド投薬形態
説明

乱用耐性のオピオイド投薬形態

【課題】オピオイドアゴニスト、およびオピオイドアゴニストとは別のマトリックス中に含まれた1種以上のオピオイドアンタゴニストを含有する、薬学的投薬形態を提供すること。
【解決手段】オピオイドアンタゴニストについての別のマトリックスは、オピオイドおよびオピオイドアンタゴニストに対する独立した放出速度が達成されることを可能にする。このアンタゴニストは、錠剤が経口的に摂取される場合、ゆっくりと放出され得るか、または完全に収容され得る。この錠剤を破砕することによって、アンタゴニストの完全な放出が可能となり、乱用を抑制する。乱用を抑制するアンタゴニストは、オピオイドアンタゴニスト、刺激物、別の適切なアンタゴニスト、またはこれらの組合せであり得る。本発明はまた、オピオイドおよびアンタゴニストの可変放出を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、乱用耐性オピオイド組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連分野の背景)
モルヒネ(古典的オピオイド)は、長年、非常に強力な鎮痛性化合物として知られている。乱用の標的としてのその潜在能は、長きにわたってほとんど知られている。モルヒネおよび他のオピオイドおよび誘導体は、麻酔性鎮痛薬、睡眠薬、鎮静薬、下痢止め薬、鎮痙薬、および鎮咳薬として、製薬産業において使用される。最もしばしば、それらは、強力な鎮痛薬として使用される。オピオイドは、さらなる効果を有することが周知である。嗜癖および乱用に対する潜在能にかかわらず、このようなオピオイドは、それらの優れた特性、強力な鎮痛特性に起因して、広範に使用される。このようなオピオイドとしては、以下が挙げられる:コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、ブプレノルフィン、フェンタニール、フェンタニール誘導体、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、およびプロポキシフェン。過去において、オピオイドの乱用は、一般に、不法な研究所において作製された違法な薬物に限られていた。薬学的オピオイドの乱用は、かなり限られていた。従って、過去において、薬学的オピオイドの製造業者による訴訟は、オピオイドの違法な乱用にわずかに影響を与えたかまたは全く影響を与えなかった。
【0003】
しかし、近年、その傾向が変化している。薬学的オピオイドの乱用が増加している。このことは、長期放出オピオイド投薬形態の場合に、特に当てはまる。この長期放出オピオイド形態は、投薬頻度の減少を意図する。従って、各錠剤は、いくつかの即時性放出錠剤に含まれる量のオピオイドを含まなければならない。この結果、実質的にオピオイド量が増加した投薬形態が生成される。単一の長期放出錠剤は、低用量の即時性放出投薬形態よりも、強力な乱用者に対して、よりオピオイドを提供する。この結果、乱用者は、即時性放出錠剤から得るよりも徐放性錠剤から、より強力な多幸感の感覚、または「爽快な気分(high)」を得る。このことは、錠剤をより乱用者に望ましくする。
【0004】
経口投与用の乱用耐性オピオイド組成物における以前の試みは、注射によるよりも経口的によるほうが効果的ではないオピオイドアンタゴニストと組み合わせた、経口投与における実質的な活性および注射によって投与された場合の活性を有するオピオイドを包含する。これは、注射後の組成物の粉砕および溶解に関する乱用の防止に役立つ。ほとんどの処方されたオピオイド鎮痛性薬学的組成物は、経口投与用に設計された錠剤である。従って、非常に低い経口的バイオアベイラビリティーを有するオピオイドアンタゴニストは、非経口的に有用か用量にて経口的に取り込まれる場合、ほとんど作用を有さない。従って、アンタゴニストは、錠剤が意図されるように取り込まれた場合にほとんど効果を有さないが、錠剤が非経口的に乱用された場合に非常に増強された効果を有する。
【0005】
このようなオピオイドアンタゴニストは、血流に直接取り込まれた場合に、実質的に増強された効果を有する。従って、錠剤を粉砕し、それを溶解し、そして注射または鼻で吸い込む(鼻腔内投与)ことによるオピオイドの乱用により、アンタゴニストが、その完全な効果を有し、オピオイドレセプターを本質的にブロックし、乱用者がオピオイド効果を受容するのを防止し、そしてオピオイド依存性個体における禁断症状を誘発する。
【0006】
さらに、過去において、錠剤は、比較的低投薬量であり、今日使用される長期放出錠剤と比較して低レベルのオピオイドを含み、そしてより多くの錠剤が、乱用者のために必要とされていた。従って、経口的乱用は、より困難でありかつそれほど一般的でなかった。長期放出オピオイド組成物の経口的乱用の増加に伴って、経口的乱用をより困難にし、あまり望ましくなく、かつオピオイド乱用者に対して嫌悪性である、錠剤を開発することが有益であった。オピオイドの徐放の乱用の問題を解決するための試みを記載した1つの特許出願は、Euroceltique,S.Aに対する特許文献1である。この公開は、放出可能な形態のオピオイドアゴニスト、および投薬形態がインタクトに投与された場合に実質的に放出されない、封鎖されたオピオイドアンタゴニストを含む、毒物混入(tamper)耐性経口的オピオイドアゴニスト処方物を議論している。インタクトな投薬形態から放出されるアンタゴニストの量に対する、毒物混入後の投薬形態から放出されるオピオイドアンタゴニストの量の比率は、4:1以上である。しかし、これは錠剤の破砕を含む乱用の抑制に役立ち得るが、乱用耐性オピオイド処方物のために依然として必要とされている。本発明は、このような錠剤に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第WO 01/58451号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、徐放性薬学的投薬形態に関し、この徐放性薬学的投薬形態は、単一の錠剤に含まれるオピオイドアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストを含む。このアンタゴニストは、即時性形態および徐放性形態の両方である。アンタゴニストの一部は、アゴニストと同じマトリックス中およびアゴニストの一部から分離したマトリックス中にあり得る。
【0009】
本発明はまた、徐放性薬学的投薬形態に関し、この徐放性薬学的投薬形態は、マトリックス中のオピオイドアゴニスト、ならびにオピオイドアゴニストマトリックスから分離したマトリックス中および錠剤上のコーティング中のオピオイドアンタゴニストを含む。アンタゴニストに対する別々のマトリックスにより、オピオイドアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストについて、独立した放出速度を達成することが可能になり、一方、コーティング中のアンタゴニストまたは即時性放出層により、錠剤を取り込んだ際に、いくらかのアンタゴニストを直ちに放出することが可能になる。そのアンタゴニストは、非常にゆっくりと放出され得るか、または錠剤が経口的に取り込まれた場合、部分的に含まれ得、そして部分的に放出され得る。錠剤を破砕することによって、オピオイドアンタゴニストの完全な放出が可能になり、これにより、乱用が防止または阻止される。さらに、オピオイドアンタゴニストの全てが封鎖されるわけではないので、また、錠剤の溶解によって、非経口的な乱用を阻止するのに十分なオピオイドアンタゴニストを放出する。しかし、通常の投与は、アゴニストの鎮痛特性に影響を及ぼすのに十分なアンタゴニストを放出しない。
本発明は、以下の手段を提供する:
(項目1)
乱用耐性の経口薬学的投薬形態であって、以下:
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する、第一のマトリックス;
オピオイドアゴニストを含有する、第二のマトリックス;および
第二のオピオイドアンタゴニストを含有する、コーティング;
を含有し、錠剤がインタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約30%を放出するよう適合されている、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目2)
前記錠剤が破砕された場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約75%を放出するよう適合されている、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目3)
前記第二のオピオイドアンタゴニストが、前記第一のオピオイドアンタゴニストとは異なる、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目4)
前記第一のオピオイドアンタゴニストと第二のオピオイドアンタゴニストとが同じである、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目5)
前記第一のオピオイドアンタゴニストが、ナルトレキソンであり、そして前記第二のオピオイドアンタゴニストが、ナロキソンである、項目3に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目6)
前記錠剤が、前記最初の1時間で、総アンタゴニストの少なくとも約50%を放出するよう適合されている、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目7)
前記第一のマトリックスが、前記第二のマトリックス中に分散されている、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目8)
前記第一のマトリックスが、前記第一のオピオイドアンタゴニストの放出を防止するようにコーティングされている、項目7に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目9)
前記オピオイドアゴニストが、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、ブプレノルフィン、フェンタニール、フェンタニール誘導体、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、メタドン、モルヒネ、およびプロポキシフェン、ならびにこれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目10)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドン、オキシモルホン、およびモルヒネからなる群より選択される、項目9に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目11)
前記オピオイドアンタゴニストのうちの少なくとも1つが、ナロキソンおよびナルトレキソンからなる群より選択される、項目10に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目12)
前記コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目13)
前記錠剤が、インタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約30%を放出し、そして12時間で約75%以下を放出するよう適合されている、項目1に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目14)
乱用耐性の経口薬学的投薬形態であって、以下:
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する、第一のマトリックス;
オピオイドアゴニストを含有する、第二のマトリックス;および
第二のオピオイドアンタゴニストを含有する、第三のマトリックス;
を含有し、錠剤がインタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約30%を放出するよう適合されている、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目15)
前記第一のマトリックスが、前記第二のマトリックス中に分散されている、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目16)
前記第一のマトリックスが、前記第一のオピオイドアンタゴニストの放出を防止するようにコーティングされている、項目15に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目17)
前記錠剤が破砕された場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約75%を放出するよう適合されている、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目18)
前記第一のオピオイドアンタゴニストと第二のオピオイドアンタゴニストとが同じである、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目19)
前記第一のオピオイドアンタゴニストが、ナルトレキソンであり、そして前記第二のオピオイドアンタゴニストが、ナロキソンである、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目20)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドン、オキシモルホン、およびモルヒネからなる群より選択される、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目21)
前記オピオイドアンタゴニストのうちの少なくとも1つが、ナロキソンおよびナルトレキソンからなる群より選択される、項目20に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目22)
コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目23)
前記錠剤が、インタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約30%を放出し、そして12時間で約75%以下を放出するよう適合されている、項目14に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目24)
乱用耐性の経口薬学的投薬形態であって、以下:
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する、第一のマトリックス;
オピオイドアゴニストを含有する、第二のマトリックス;および
第二のオピオイドアンタゴニストを含有する、コーティング;
を含有し、錠剤がインタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で、少なくとも約0.3mgの該第二のオピオイドアンタゴニストを放出するよう適合されている、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目25)
前記錠剤が破砕された場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約75%を放出するよう適合されている、項目24に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目26)
前記第一のオピオイドアンタゴニストと第二のオピオイドアンタゴニストとが同じである、項目24に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目27)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドン、オキシモルホン、およびモルヒネからなる群より選択される、項目24に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目28)
前記オピオイドアンタゴニストのうちの少なくとも1つが、ナロキソンおよびナルトレキソンからなる群より選択される、項目24に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目29)
前記コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目24に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目30)
前記コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目26に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目31)
乱用耐性の経口薬学的投薬形態であって、以下:
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する、第一のマトリックス;および
オピオイドアゴニストを含有する、第二のマトリックス;および
第二のオピオイドアンタゴニストを含有する、第三のマトリックス;
を含有し、錠剤がインタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で、少なくとも約0.3mgの該第二のオピオイドアンタゴニストを放出するよう適合されている、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目32)
前記錠剤が破砕された場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約75%を放出するよう適合されている、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目33)
前記第一のオピオイドアンタゴニストと第二のオピオイドアンタゴニストとが同じである、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目34)
前記オピオイドアゴニストが、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、ブプレノルフィン、フェンタニール、フェンタニール誘導体、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、メタドン、モルヒネ、およびプロポキシフェンからなる群より選択される、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目35)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドン、オキシモルホン、およびモルヒネからなる群より選択される、項目34に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目36)
前記オピオイドアンタゴニストの少なくとも1つが、ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、ペンタゾシン、メタゾシン、シクラゾシン、エタゾシン、N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン、および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(すなわち、ジフェノルフィン)からなる群より選択される、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目37)
前記オピオイドアンタゴニストのうちの少なくとも1つが、ナロキソンおよびナルトレキソンからなる群より選択される、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目38)
前記コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目31に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目39)
前記コーティングが、さらなるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目33に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目40)
オピオイドアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストを含有する、乱用耐性の経口薬学的投薬形態であって、錠剤が、インタクトである場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約30%を放出し、そして12時間で約75%以下を放出するよう適合されている、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目41)
前記錠剤が、インタクトである場合、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約40%を放出し、そして12時間で65%以下を放出するよう適合されている、項目40に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目42)
前記錠剤が、破砕された場合、USP XXIV Apparatus Iのバスケット法に従う、100rpmでの、溶解媒体として0.1N HClを使用する、37.5℃での溶解に基づいて、最初の1時間で総オピオイドアンタゴニストの少なくとも約75%を放出するよう適合されている、項目40に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目43)
前記錠剤が、2種のオピオイドアンタゴニストを含有する、項目40に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目44)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドン、オキシモルホン、およびモルヒネからなる群より選択される、項目40に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目45)
前記オピオイドアンタゴニストのうちの少なくとも1つが、ナロキソンおよびナルトレキソンからなる群より選択される、項目43に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目46)
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する第一のマトリックス、オピオイドアゴニストを含有する第二のマトリックス、および第二のオピオイドアンタゴニストを含有するコーティングを含有する、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目47)
前記第一のオピオイドアンタゴニストおよび第二のオピオイドアンタゴニストが同じである、項目46に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目48)
前記コーティングが、2種の異なるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目46に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目49)
前記コーティングが、2種の異なるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目47に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目50)
前記アンタゴニストが、ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、ペンタゾシン、メタゾシン、シクラゾシン、エタゾシン、N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン、および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(すなわち、ジフェノルフィン)からなる群より選択される、項目48に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目51)
前記アンタゴニストが、ナロキソンおよびナルトレキソンである、項目50に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目52)
第一のオピオイドアンタゴニストを含有する第一のマトリックス、オピオイドアゴニストを含有する第二のマトリックス、および第二のオピオイドアンタゴニストを含有する第三のマトリックスを含有する、乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目53)
前記第一のオピオイドアンタゴニストおよび第二のオピオイドアンタゴニストが同じである、項目52に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目54)
コーティングが2種の異なるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目52に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目55)
コーティングが2種の異なるオピオイドアンタゴニストを含有する、項目53に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目56)
前記アンタゴニストが、ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、ペンタゾシン、メタゾシン、シクラゾシン、エタゾシン、N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン、および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(すなわち、ジフェノルフィン)からなる群より選択される、項目54に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
(項目57)
前記アンタゴニストが、ナロキソンおよびナルトレキソンである、項目56に記載の乱用耐性の経口薬学的投薬形態。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、オピオイドが経口的にかまたは非経口的に乱用される場合、特定の物質が望ましくないという原理に依存する。このような物質の1つの群であるオピオイドアンタゴニストは、オピオイド応答を逆転しそしてブロックする。オピオイドアンタゴニストは、投与方法にかかわらず、応答をブロックするが、それらの数種は、経口的によりも非経口的に投与される場合に、より強力である。従って、任意のアンタゴニストが、意図される乱用者にオピオイドを含めた十分な量で導入された場合、このアンタゴニストは、所定の用量に依存する、所望の多幸性効果をブロックし、禁断症状を誘発し得る。このようなアンタゴニストが薬学的錠剤中に導入されると、一旦、乱用者がその錠剤が多幸性効果を生じず、禁断症状を誘発し得ると決めると、乱用者は、その錠剤が多幸性効果を得るという目的に到達する助けにならないので、その錠剤の乱用を中断し得る。錠剤が常用者に禁断症状を誘発すると、常用者は、禁断症状の誘発が特に邪魔な事象なので、錠剤を控える。オピオイド常用者に対して誘発される禁断症状は、それ自体が症状(悪心、嘔吐、冷汗、悪寒、不安、パラノイア、疼痛、痙攣、筋痙攣、および多数の他の不快な症状)とともに存在し得る。禁断症状を誘発する錠剤は、常用者にとっては望ましくない。従って、このような錠剤または他の投薬形態の製品は、乱用を抑制する。もちろん、この錠剤は、同時に、その治療的鎮痛効果のために、錠剤または他の投形態を取り込む患者に有効である。本明細書中で「錠剤」に対して参照がなされるが、当業者は、本発明が同様にカプセルまたは他の投薬形態で供給され得ることを認識する。
【0011】
本発明の錠剤は、経口投与用の、鎮痛性オピオイド薬学的投薬形態である。この投薬形態は、いくつかの様式で、すでに製造され、個々の激しい痛みを和らげる緩和のために使用されている投薬形態と類似している。しばしば、現行の市販されている錠剤は、癌患者の痛みの緩和および激しい痛みを経験している他の患者のために使用されている。しかし、本発明の錠剤は、乱用を抑制するための機構を備えている分、先行技術の錠剤とは異なる。この機構は、ほぼ錠剤に含まれるオピオイドアンタゴニストに集中する。このアンタゴニストは、低下した放出速度を与えるマトリックス中にか、または錠剤が経口的に取り込まれた際に、因子の放出を本質的にほとんど与ないかもしくは全く与えないマトリックス中にあり得る。従って、このアンタゴニストは封鎖される。さらなるアンタゴニストが、即時性放出のためにオピオイドとともに加えられる。このさらなるアンタゴニストは、第一のアゴニストと同じであっても異なっていてもよい。
【0012】
錠剤が、封鎖されたアンタゴニストをまさに有する、先行技術の錠剤に伴う1つの問題は、(例えば、水中で一晩、錠剤を放置することによって)錠剤を粉砕することなく慎重に溶解することは、アンタゴニストなしでオピオイドを抽出することであり、これは、乱用を許容するということである。常用者は、驚くべきことに、乱用の方法を考え出す機知に富んでいる。従って、乱用のためのこの経路を、封鎖しなければならない。
【0013】
さらに、本発明は、オピオイドアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストの2種の異なる部分を包含する。第一のマトリックスは、オピオイドアンタゴニストを含み、そして徐放性マトリックスであるか、またはさもなければ、このアンタゴニストの放出を、封鎖しそして遅くするかもしくは完全に防止するような様式で調製される。この第一のマトリックスは、第二のマトリックス全体を通って均一に分散される微粒子の形態であり得るか、または別の形態を取り得る。第二のマトリックスは、一般に、錠剤のバルクを形成し、そしてオピオイドアゴニストを含む。この第二のマトリックスは、所望の型の錠剤(長期間作用する錠剤については徐放性であるか、または通常の(4時間)錠剤については即時性放出のいずれかであり得る)についての標準的なマトリックスである。第一のマトリックスが別の形態である場合、この第一のマトリックスは、例えば、第二のマトリックスを取り囲む、錠剤の固体コアを形成し得るか、または多層錠剤の層を形成し得る。第一のマトリックスが小粒子の形態であるか、または錠剤のコアを形成する場合、コーティングを使用して、第一のマトリックスからのオピオイドアンタゴニストの放出を遅くし得る。いずれの場合においても、錠剤を粉砕することは、第一のマトリックス中のオピオイドを放出するが、(錠剤が患者に取り込まれる際に生じるように)第一のマトリックス中のオピオイドをゆっくりとは溶解しないことが、重要である。さらなるアンタゴニストは、錠剤の慎重な溶解および乱用を防止するように、即時性放出形態で提供される。
【0014】
上で言及されるように、この錠剤は、オピオイドアンタゴニストの第二用量を含む。詳細には、この錠剤は、即時性放出形態のアンタゴニストを含む。このアンタゴニストは、患者が錠剤を取り込む際に放出される。好ましくは、このアンタゴニストは、低レベルで錠剤に含まれ、その結果、通常の様式で錠剤を取り込むと、オピオイドの鎮痛特性を拮抗する。しかし、乱用者に錠剤をゆっくりと溶解し、得られた上清液を非経口投与する場合、このアンタゴニストは、オピオイドを拮抗し、そして独立した個体において禁断症状を誘発し得る。これは、錠剤の慎重な溶解および乱用を抑制するように作用する。即時性放出のアンタゴニストは、コーティングかまたは別個の即時性放出マトリックス層に含まれ得る。即時性放出形態で使用されるアンタゴニストは、適切な任意のアンタゴニストであり得、これらとしては、以下が挙げられる:ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、ペンタゾシン、メタゾシン、シクラゾシン、エタゾシン、N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン、および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(すなわち、ジフェノルフィン)。
【0015】
好ましい実施形態において、第三のマトリックスまたはコーティング中のオピオイドアンタゴニストとは異なるオピオイドアンタゴニストが、第一のマトリックス中で使用される。詳細には、第三のマトリックスまたはコーティング中でを使用するのが、好ましい。ナロキソンは、経口:非経口の非常に高い比率を有する。ナロキソンは、経口投与された場合、非常に低いバイオアベイラビリティーを示すが、非経口投与された場合、非常に高いバイオアベイラビリティーおよび有効性を示す。従って、第三のマトリックスまたはコーティング中にナロキソンを含めることによって、錠剤を使用する患者が経口的にナロキソンを経口的に受け取ることが可能になる。その低いバイオアベイラビリティーにさらに起因して、ナロキソンは、患者に対して、ほとんどかまたは全く影響を与えない。しかし、乱用者が錠剤をゆっくりと溶解し、得られた溶液を非経口的に投与するような場合には、ナロキソンは、完全な拮抗活性を有する。用語「非経口的な」とは、本明細書中で使用される場合、オピオイドが消化管を通って吸収されない任意の投与を含むことが意図される。これには、静脈内投与、舌下投与および鼻腔内投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
この実施形態において、第一のマトリックスにおいて、ナロキソンではないオピオイドアンタゴニストを使用することが、好ましい。第一のマトリックスのための好ましいアンタゴニストとしては、ナルトレキソン、ナルメフェン(nalmefen)、レバロルファン、シクラゾシン、またはそれらの混合物が挙げられる。これらのアンタゴニストは、経口投与された場合、良好な拮抗効果を示す。従って、このアンタゴニストは、錠剤をなめるかまたは粉砕してそれを経口投与する乱用者に対して、望ましくない効果を生じる。あるいは、さらなるナロキソンが、低い経口的バイオアベイラビリティーを克服するために含められ得るが、これは、非経口投与した場合に、意図しない効果を増加させる。
【0017】
第三のマトリックスは、乱用を防止するのに十分なアンタゴニストを含むべきである。この量は、錠剤の強度とともに変化し得るが、一般には、少なくとも約0.2mg、好ましくは、少なくとも薬1mg、より好ましくは、少なくとも2mg、最も好ましくは、少なくとも薬10mgのアンタゴニストが、錠剤の第三のマトリックス中で使用されるべきである。この第三のマトリックスは、非経口的な乱用を防止するのに十分であるが、経口的に使用する者に対する影響を生じるほどではない、アンタゴニストを含むべきである。
【0018】
本明細書中の錠剤中にアンタゴニストを含む際位置の封鎖したマトリックスは、実質的に、正常な環境下(すなわち、インタクトな錠剤が経口的に取り込まれる場合)で、アンタゴニストの放出を防止する。従って、錠剤は、アンタゴニストの経口的な有効性の低下にかかわらず、十分な投薬量のアンタゴニストで充填され得、錠剤は、粉砕されるかまたはなめられて、経口的に取り込まれるべきであり、アンタゴニストの用量は、多幸性オピオイド効果を防止するのに十分である、かつ禁断症状をもまた誘発し得る。従って、本発明の錠剤はまた、より日常的に乱用されている、経口投与される徐放性錠剤の経口的な乱用を防止する。経口的な乱用に伴って、乱用者は、徐放性オピオイド錠剤をなめるかまたは粉砕して、多幸性または爽快な気分を得るために、徐放性オピオイド錠剤を即時性放出する錠剤に換える。この状況においてかまたは錠剤が溶解されるかもしくは注射される場合、オピオイドアンタゴニストは、乱用者が多幸性の爽快な気分を受けるのを防止し、そしてまた、オピオイド依存性の個人に禁断症状を引き起こし得、従って、乱用が抑制される。従って、本発明の錠剤は、粉砕されるかまたは溶解される場合、および飲み込むか、鼻で吸い込むかまたは注射する場合、任意の変化した形態の錠剤を投与することによって、乱用を防止しなければならない。さらに、この錠剤は、他の乱用抑制因子または乱用抑制系に適合する。
【0019】
本発明の錠剤は、広範なオピオイドとともに使用され得る。詳細には、本発明の錠剤を、乱用に対して高い潜在能を備えるオピオイドとともに使用することが、好ましい。本発明において使用されるオピオイドアゴニストは、鎮痛薬としての一般的な使用における任意のアゴニストである得、これらとしては、以下が挙げられる:コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、ブプレノルフィン、フェンタニール、フェンタニール誘導体、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホンおよびプロポキシフェン、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩。詳細には、経口的錠剤形態の任意のさらなるオピオイドが、本発明の標的である。より詳細には、近年、徐放性オキシコドンが乱用の標的であり、そのため、本発明における使用のための良好な候補物を作製する。しかし、徐放性錠剤は、近年特定の問題を有する一方で、本発明の錠剤は、即時性放出の錠剤および徐放性形式の錠剤について使用され得る。
【0020】
本発明の錠剤において、オピオイドアンタゴニストが、オピオイドアゴニストからの別個のマトリックス中に含まれる。この別個のマトリックスは、多くの異なる様式で形成され得る。1つの適切な構成は、マトリックス中に分散されたオピオイドアンタゴニストを有する、均一な徐放性マトリックスである。この徐放性マトリックスは、非常に小さい顆粒中に処方され、そして顆粒化される。この様式において、アンタゴニストは、錠剤全体の一部を形成する、別個の徐放性マトリックス中に含まれる。これらの顆粒もまた、錠剤を取り込む前に、アンタゴニストをさらに封鎖するためにコーティングされ得る。摂取の際に、低い経口的無効性用量のオピオイドアンタゴニストが、オピオイドアゴニストとともに(マトリックスが溶解されてもされていなくてもよい)溶解する。この溶解は、オピオイドアゴニスト、および減少した放出マトリックス中または非放出マトリックス中で経口的に有効な用量のオピオイドアンタゴニストを含む顆粒を放出する。次いで、このアンタゴニスト含有顆粒は、身体を通過して、身体から排出され、最小の治療的に無効量のオピオイドアンタゴニストのみを放出するかまたは全くそれを放出しない。
【0021】
本発明の錠剤のための別の可能な構成は、オピオイドアンタゴニストを即時性放出マトリックス中に取り込んでいる。次いで、このマトリックスは、顆粒化され得、そして非放出コーティング(例えば、アクリルポリマー)でコーティングされ得る。次いで、この顆粒は、即時性放出オピオイド錠剤か徐放性オピオイド錠剤のいずれかに取り込まれる。次いで、この錠剤は、アンタゴニストでコーティングされる。投与の際に、この錠剤は、アンタゴニストおよびオピオイドを所定の速度にて放出するが、コーティングされた顆粒は、アンタゴニストを放出しない。むしろ、顆粒は、腸を通過し、次いで患者から排出される。この様式において、コーティングされた顆粒は、賦形剤として作用し、そして正常な環境下において、薬理学的効果を全く有さない。任意の適切な徐放性マトリックスまたは即時性放出マトリックスを使用して、オピオイドアンタゴニストを封鎖し得るが、但し、適切な非放出コーティングが、一緒に使用され、そしてマトリックスおよび因子は、適合性である。
【0022】
あるいは、放出速度の低下した顆粒が、形成される顆粒にわたる、放出速度の低下したコーティングとともに即時性放出マトリックスを使用して、形成され得る。本発明の記述は、1つの実施形態において「非放出」マトリックスを記載しているが、オピオイドアンタゴニストのいくらかの漏出が、この「非放出」が特定される場合に生じ得ることが可能である。これは、放出速度が非常に低速である限り(有意な薬理学的効果を有するのに必要な速度よりも遅い場合)、受容可能である。これは、アンタゴニストが高い経口的バイオアベイラビリティーを有し、かつ放出された際に錠剤の治療的作用をもたらし得る場合に、特に有意である。従って、非放出の定義は、本明細書中で使用される場合、任意の減少された放出マトリックスを含むべきであり、このマトリックスによって、30%未満のオピオイドアンタゴニストが、経口投与について通常の条件下で、12時間の期間にわたって放出されること可能になる。もちろん、本明細書中に記載される「非放出」マトリックスは、オピオイドアンタゴニストまたは他の因子を、錠剤が粉砕されたかまたは溶解された場合に放出を防止するように、完全にカプセル化することを意図しているわけではない。さらに、適切な非放出コーティングが、数種の既知のコーティングを、オピオイドアンタゴニストを含む顆粒化マトリックス上で一緒に使用することによって、形成され得る。例えば、アゴニスト含有顆粒は、pHが5(または3)より低い状態で、材料のみの放出を可能にするコーティングで覆われ、次いで、pHが5(または7または9でさえも)より高い状態で、材料のみの放出を可能にするコーティングによって覆われる。この様式において、錠剤が摂取された場合、外部コーティングは、アゴニストの放出を防止し、一方、顆粒は胃に残り、そして内部コーティングは、一旦錠剤が胃を通って腸まで通過すると、材料の放出を防止する(ここで、pHは、外部コーティングを溶解するのに十分に上昇する)。当業者は、本明細書中の錠剤に使用するのに適切な材料を処方し得る。
【0023】
錠剤に使用されるアンタゴニストの量は、使用されるオピオイドアゴニストの量(すなわち、錠剤強度)、アンタゴニストの治療用量、およびと防止すべき投与経路ともに変化する。注射または鼻腔内投与の場合、約0.2〜0.4mgのナロキソンのみが、オピオイド効果を拮抗し、独立した個体において禁断を誘発し、そして乱用を防止するのに必要である。しかし、経口的に取り込まれる場合のナロキソンの効果の低下に起因して、実質的により多くの量が、ナロキソンが封鎖されたアンタゴニストとして使用される場合に、経口的乱用を防止するのに必要である。従って、経口的乱用を防止するために、錠剤あたり、少なくとも約0.1mg、好ましくは、少なくとも1.0mg、より好ましくは、少なくとも約5.0mg、そして最も好ましくは、少なくとも約20mgであるべきである。より高い経口的バイオアベイラビリティーを有する、低量のアンタゴニストが、使用され得る。その錠剤中のオピオイドの量が増加すると、相殺するためのより多量のアンタゴニストが必要とされ得るからであるが、また、より高い強度の錠剤を使用すると、乱用者は錠剤をいくらか低用量に分割し得るために、各錠剤中のナロキソンの量は、錠剤強度とともに変化する。そしてこれらの各用量が、乱用を防止するのに十分なアンタゴニストを有することを確実にすることが、最も望ましい。従って、160mgのオキシコドン錠剤が、10mgまたは20mgのオキシコドン錠剤よりも、よりオピオイドアンタゴニストを有するべきである。オピオイド:オピオイドアンタゴニストの比率は、1:3〜2:1まで変化し得る。なぜなら、ナロキソンが、低下した放出速度のマトリックス中でかまたは非放出マトリックス中で使用され、これによって、多量のナロキソンを錠剤中に取り込むことが可能になるからである。従って、錠剤は、非放出形式において、100mg以上のナロキソンを取り込み得る。
【0024】
オピオイドアンタゴニストに関して、上記においては、ナロキソンについて記載してきたが、本発明は、任意の適切な既知のオピオイドアンタゴニストの使用を包含することが意図され、これらとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、ペンタゾシン、メタゾシン、シクラゾシン、エタゾシン、N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン、または21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(すなわち、ジフェノルフィン)、およびそれらの薬学的に受容可能な添加塩。好ましくは、アンタゴニストは、ナロキソンのような、経口的に投与された場合よりも、注射によって投与された場合に実質的により高い効果を有するものである。
【0025】
本発明のさらなる実施形態において、オピオイドアンタゴニストは、錠剤本体にカプセル化も分散されておらず、錠剤の中心に含まれて、徐放性マトリックスで取り囲まれている。この周囲のマトリックスは、オピオイドアゴニストを含む。錠剤がまるごと飲み込まれた場合、この周囲のマトリックスは、制御された速度でオピオイドを放出する。この速度は、錠剤が、この錠剤の中心にあるアンタゴニストを放出する前に本体から放出されるように、選択される。あるいは、さらなる層を使用して、オピオイドの徐放をさらに制御し得る。例えば、最も外側のレベルは、速い痛みの緩和を提供するように、オピオイドの最大用量を放出し得、続いて、長期間、連続的な緩和を提供するように、より低速放出が提供される。この層は、オピオイドアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストを、交互に放出し得る。例えば、錠剤が層状化されて、オピオイドの低速放出、続いてアンタゴニストの高速スパイク、続いてオピオイドの低速放出、次いでアンタゴニストの高速スパイクが生じ得る。この様式において、オピオイドの低速放出は、最初にレセプターを占め、そして不十分な量のアンタゴニストのスパイクが生じ、そしてより高速な代謝が起こり、従って、オピオイドの作用に影響を及ぼさない。錠剤が粉砕される場合、アンタゴニストの巨大なボーラスが放出され、アゴニストの作用を妨害し、さらなる乱用が抑制される。
以下の実施例は、本発明の例示であり、いかなる様式においても、本発明を限定することを意図しない。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
処方物A: 10mgオキシコドンHCl/20mgナロキソンHCl
【0027】
【表1】


プロセス:
ナロキソンNR顆粒A
1.ナロキソンおよび微晶質セルロースを混合する。
2.Eudragit RS30D(30%懸濁物)を流動層乾燥器中でこの粉末に噴霧する。60℃で乾燥する。
3.Surrelease(15%懸濁物)を流動層乾燥器中でこの顆粒に噴霧する。60℃で乾燥する。
【0028】
錠剤A
1.ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムを除く、NR層の全ての賦形剤を混合する。
2.ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムを顆粒と混合する。
3.錠剤に圧縮する。
【0029】
即時放出ナロキソンコーティング
1.ナロキソンHClをOpadry Pink懸濁物(15%)中に溶解する。
2.錠剤Aに噴霧する。
【0030】
溶解
溶解を、USP XXIV Apparatus II(パドル法)によって、75rpmで、溶解媒体として0.1N HClを使用して、実施した。浴の温度を37.5℃に設定する。HPLCパラメータを、以下のように設定する:カラム−Inertsil
ODS3、50mm×4.6mm、3μm粒径。移動相:80%の30mMヘキサンスルホン酸ナトリウム(pH3.0±1)、20%のアセトニトリル。注入量は、75μLである。カラム温度は35℃であり、流速を1.0mL/分に設定する。波長を225nmに設定する。実施時間は5.5分間である。
【0031】
(結果および考察)
【0032】
【表2】


(実施例2)
処方物B: 10mgオキシコドンHCl/10mgナロキソンHCl
【0033】
【表3】


プロセス:
ナロキソンNR顆粒B
1.ナロキソンおよびリン酸二カルシウムを混合する。
2.Eudragit L30D−55(30%懸濁物)を流動層乾燥器中でこの粉末に噴霧する。60℃で乾燥する。
3.Eudragit R30D(30%懸濁物)を流動層乾燥器中でこの顆粒に噴霧する。60℃で乾燥する。
【0034】
錠剤B−NR層
1.ステアリン酸マグネシウムを除く、NR層の全ての賦形剤を混合する。
2.ステアリン酸マグネシウムを顆粒と混合する。
3.錠剤を圧縮する。
【0035】
錠剤B−IR/NR二重層
1.ステアリン酸マグネシウムを除く、IR層の全ての賦形剤を混合する。
2.ステアリン酸マグネシウムをIRブレンドに添加し、そして混合する。
3.この即時放出層を錠剤B−NR層の頂部に圧縮して、二重層錠剤を形成する。
4.この錠剤を80℃で12時間硬化させる。
【0036】
溶解
溶解を、USP XXIV Apparatus I(バスケット法)によって、100rpmで、溶解媒体として最初の1時間は酵素を含まない擬似胃液(pH1.2)(塩化ナトリウムを含む0.1N HCl)を使用して、そして2時間〜12時間は擬似腸液(pH6.8)(酵素を含まない10mMリン酸緩衝液)を使用して、実施した。浴の温度を37.5℃に設定する。HPLCパラメータを、以下のように設定する:カラム−Inertsil ODS3.50mm×4.6mm、3μm粒径。移動相:80%の30mMヘキサンスルホン酸ナトリウム(pH3.0±1)、20%のアセトニトリル。注入量は、75μLである。カラム温度は35℃であり、流速を1.0mL/分に設定する。波長を225nmに設定する。実施時間は5.5分間である。
【0037】
(結果および考察)
【0038】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2013−53165(P2013−53165A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−276500(P2012−276500)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2009−77801(P2009−77801)の分割
【原出願日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願人】(503407443)エンドー ファーマシューティカルズ, インコーポレイティド (9)
【Fターム(参考)】