説明

乱用防止制御放出オピオイド投薬形態

【課題】乱用防止制御放出オピオイド投薬形態を提供すること。
【解決手段】組み合わせ物が破壊されて、制御放出特性が崩壊し、オピオイドおよびオピオイドアンタゴニストが、1用量として、即時的放出産物として放出されるのを引き起こす場合にオピオイドの陶酔効果を抑制するのに必要とされるよりも高いレベルで、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナロキソン)を組み合わせて含む乱用防止制御放出オピオイド錠剤。錠剤の制御放出の性質は、通常に摂取した場合に、経口での有効量のオピオイドアンタゴニストの蓄積を防ぐ。このオピオイドアンタゴニストは、制御放出マトリクス中に含有され、そして経時的にオピオイドと共に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2001年5月11日出願の米国仮出願第60/290,439号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、制御放出される鎮痛性薬学的処方物に関する。より詳細には、本発明は、乱用を抑止する制御放出された鎮痛性錠剤に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
オピオイド化合物は、長い間、それらの強力な鎮痛特性と、それらの乱用についての高い可能性との両方について知られてきた。疼痛の制御には非常に効果的であるが、オピオイドはまた、依存性でもあり得る。オピオイド(特に、ヘロインだが、モルフィン、コデイン、オキシコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォンなども含む)の乱用は、現代社会における問題である。オピオイド常用者は、種々の違法な供給源から薬物を得ることができる。これらのストリートドラッグは、疑わしい品質のものである。従って、潜在的乱用者にとって、処方された薬学的オピオイドは、特に、それらの高い純度および信頼性の有る投薬量に起因して、薬物供給源として魅力的であり得る。
【0004】
乱用者は、薬学的オピオイドおよび他の成分を、錠剤から抽出する。そうするために、それらの錠剤は、破壊され、そしてしばしば溶解される。結果物は、さらに処理されて、その後、最終的に注射されるか、または鼻で吸われて、「ハイ」に達され得る。この型の静脈内乱用または鼻腔内乱用は、十分に証明されている。
【0005】
薬学的オピオイドの乱用の可能性は、新しい問題ではない。オピオイド乱用の効果と戦うために、オピオイドアンタゴニストは、オピオイド乱用に関連する陶酔感をブロックするため、および常用者における使用中止を誘導するために用いられてきた。以前に使用されており、そして現在でも使用されている、1つのオピオイドアンタゴニストは、ナロキソンである。ナロキソンは、オピオイドレセプターの強力なアンタゴニストである。ナロキソンは、非経口で摂取された際に非常に効果的であるが、肝臓におけるその代謝に起因して、経口摂取された場合、あまり効果的でなく、従って、高い経口有効量:非経口有効量の比率を有する。ヒトに注射された場合、0.2〜0.4mg程度に少ない量でオピオイドレセプターをブロックし得、痛覚脱失または気分を変える効果、陶酔感のいずれにせよ、使用者がその薬物の効果を経験することを防ぐ。高い経口:非経口の効力比(約100)に起因して、ナロキソンの経口用量のアンタゴニストの作用は、ナロキソンの注射の作用よりも非常に低い。ナロキソンのようなアンタゴニストは、経口で摂取された場合、あまり効果的でないので、それらは、経口での乱用を抑制するために使用されておらず、非経口または鼻腔内乱用を抑制することに限定されてきた。
【0006】
しかし、最近、オピオイドアゴニストの新規形態の乱用が、現れた。これは、注入または鼻で吸うことによる乱用の代わりに経口での乱用を含む。この実施は、高オピオイド含量の制御放出(CR)処方物の入手可能性に大部分起因して現れた。「チューイング」とは、オピオイド処方物を破壊し、そして全含量(2以上の用量を意味する)を1度で摂取することを含む。この実行は、全てのオピオイドを1度に放出して、「ハイ」を作り出す。この破壊は、その名により示唆されるように口の中で行われるが、オピオイドを容易に利用可能にするための他の方法(注射または鼻腔内投与される前に錠剤を破壊または溶解することを含む)によりなされ得る。
【0007】
最近では、高ミリグラム用量のオピオイドを含有する高い有効性の処方されたオピオイド錠剤が導入されている。これらの錠剤は、制御放出錠剤であり、12時間以上の疼痛緩和を提供するように設計されている。これらの錠剤は、長期間(即時放出錠剤のような4時間ではなく12時間)にわたる作用を有するので、これらの錠剤は、ずっとより多量のオピオイド化合物を含む。潜在的な乱用者にとっては、これらの錠剤は、非常に魅力的である。これらが高投薬量であることにより、これらの錠剤は、大量のオピオイドを利用する簡略な手段になる。これらが薬物であるという事実は、その錠剤中の薬物の品質および量の両方を保証する。従って、潜在的な乱用者は、自分が、既知の投薬量において高純度の薬物を得ていることがわかる。先行の経口オピオイド投薬量の処方物は、比較的低い用量のオピオイドを含み、そして一般的には、経口での乱用を標的としない。これらの即時放出処方物は、オピオイドを一度に全て放出するが、いくつかの低投薬単位を一緒にしなければ、経口乱用には十分でない少量のオピオイドを有する。対照的に、乱用者は、新規のCR錠剤が高用量のオピオイドを含み、ようにその錠剤をチューイングするかまたはそれらを破壊してそのオピオイドの全てを一度に放出(即時放出)することによって経口で乱用され得ることを見出している。本発明はそのような経口乱用を抑制する。
【0008】
Oxycontin(登録商標)(Purdue Pharma製の制御放出オキシドコドン錠剤)は、1錠当たり160mg程度の高いオキシコドン強度で入手可能である。高いオピオイド含量により、これらの錠剤は、乱用者にとって特に魅力的となる。制御放出オピオイド錠剤の非合法の取引は、より一般的になってきている。そのような錠剤から陶酔効果(ハイ)を得るために、乱用者は、そして注射または鼻腔内投与のために錠剤を破壊し、そして溶解することによりオピオイド化合物を抽出し得る。また、乱用者は、その錠剤をチューイングするかまたはそれをすりつぶして制御放出マトリクスを壊し、それを即時放出産物に変換した後に、単純に薬物を経口で摂取することによってその薬物から陶酔効果を達成し得る。従って、制御放出錠剤が破壊されて即時放出産物に変換された場合に、インタクトでの制御放出錠剤中のオピオイド化合物の鎮痛作用に重大には影響することなく、制御放出錠剤の経口での乱用を防ぐ処方物を有することが所望される。
【0009】
WO01/58447は、制御放出マトリクス中のオピオイドアゴニストとオピオイドアンタゴニストとの薬学的組み合わせを開示する。このアンタゴニストは、オピオイドアゴニストの副作用を弱めるかまたは軽減する量だが、オピオイドの効果をブロックするには不充分な量で存在しそして経時的に放出される。好ましいアンタゴニストは、ナルトレキソンであり、これは、経口投与または非経口投与された場合、非常に有効である。このアンタゴニストは、オピオイドよりも100分の1〜1000分の1少ない、非常に少量でのみ放出される。WO‘447は、乱用を防ぐための用量中の抗乱用量のアンタゴニストの含有に関しては、記載がない。少量のナロキソン(0.25μg kg−1hr−1または1μg kg−1hr−1)の静脈内使用もまた、弱める効果を有することが開示される。
【0010】
WO‘447は、そのCR処方物中のアンタゴニストについての放出速度を示していないが、当業者に対してCrainの特許(米国特許第5,767,125号;同第5,580,876号;5,512,578号;および同第5,472,943号)を示している。Crain特許は、オピオイドのブロックを導く阻害性レセプターをブロックすることなくオピオイドの副作用を弱めるために、興奮性オピオイドレセプターのみを選択的にブロックする「超低」用量の特定のアンタゴニストを有する即時放出処方物を集合的に開示する。これらの用量は、ピコモルのオーダーの量である。Crain‘578は、ナルトレキソンのみが、経口投与に有用であり、そして興奮性オピオイドレセプターを選択的にブロックすることおよび阻害性オピオイドレセプターがこのオピオイドアゴニスト(これは、同様の鎮痛効果を有して、通常より少ない用量で投与され得る)を受容することから免れたままにすることによりオピオイドの副作用を弱めるのに1μgの用量で十分であることを示唆する。Crain‘578特許に記載される「超低」用量の1μgのナルトレキソンに対して、ナルトレキソンの通常の経口での用量は、約50mgである。
【0011】
先行技術は、乱用を抑止するためにアゴニストおよびアンタゴニストを含む制御放出処方物を議論していない。従って、今日一般的に行われている高オピオイド含量の制御放出処方物の乱用を抑制する組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
乱用防止制御放出オピオイド錠剤は、高い経口:非経口の効力比(すなわち経口:非経口>1)を有するオピオイドアンタゴニスト(例えば、ナロキソン)を、長期にわたり投与された制御放出処方物においては、オピオイドの効果をブロックするのにも、オピオイドの副作用を弱めるのにも不充分なレベルであるが、全てを一度に投与された場合、そのオピオイドの陶酔効果を抑制するのに必要とされるより高いレベルで含む、組み合わせである。組み合わせ錠剤が破壊されて、制御放出特性が崩壊した場合、オピオイドおよびオピオイドアンタゴニストは、1用量の即時放出産物として放出され、そしてこのアンタゴニストは、このアゴニストの陶酔効果をブロックする。このオピオイドアンタゴニストは、制御放出マトリクス中に含まれ、そして経時的に、このオピオイドアゴニストと共に放出される。
上記に加えて、本発明は、以下の手段を提供する:
(項目1)
経口用薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下:
制御放出マトリクス;
オピオイドアゴニスト;
オピオイドアンタゴニスト、
を含み、
該オピオイドアンタゴニストは、非経口投与されたときに、経口投与されたときより高い拮抗効果を有し;
ここで、該オピオイドアンタゴニストは、該制御放出マトリクスが破壊されて、該組成物が即時放出のために不適切に投与された場合に、オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに、有効な経口量で該組成物中に存在し;
ここで、アンタゴニストレベルが、適切な経口投与レジメの下では、阻害性レセプターおよび興奮性レセプターの両方をブロックすることによりオピオイドの効果をブロックするにも、該興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイドの副作用を弱めるにも有効でないように、該制御放出マトリクスが、該オピオイドアンタゴニストの放出速度を制御するように選択され、そして組み込まれている、経口用薬学的組成物。
(項目2)
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約100%〜約25%である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目3)
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約100%である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目4)
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約50%である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目5)
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約25%である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目6)
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約10:1である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目7)
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約25:1である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目8)
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約100:1である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目9)
項目1に記載の薬学的組成物であって、前記オピオイドアゴニストが、モルフィン、オキシコドン、レボルフェノール、メペルジン、ヒドロコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、プロポキシフェン、メタドン、およびオキシモルフォンからなる群より選択される、薬学的組成物。
(項目10)
項目1に記載の薬学的組成物であって、前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソン;ナルトレキソン;N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン;および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(またはジフェノルフィン)およびそれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、薬学的組成物。
(項目11)
前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソンである、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目12)
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドンである、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目13)
前記オピオイドアゴニストが、約10mg〜160mgのオキシコドン用量と薬学的に等価な濃度で存在する、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目14)
項目1に記載の薬学的組成物であって、前記アンタゴニストの前記放出速度が、1用量の該組成物では、経口有効量のアンタゴニストを利用可能にしないが、2以上の用量の該組成物が、破壊されてかまたは破壊されずに組み合わせられて、乱用用量の前記オピオイドアゴニストを達成する場合、該オピオイドアンタゴニストが、経口有効ブロックレベルで利用可能である速度である、薬学的組成物。
(項目15)
薬学的組成物であって、以下:
制御放出マトリクス;
オピオイドアゴニスト;
オピオイドアンタゴニスト、
を含み、
該オピオイドアンタゴニストは、非経口投与されたときに、経口投与されたときより高い拮抗効果を有し;
ここで、該オピオイドアンタゴニストは、該制御放出マトリクスが破壊され、2以上の用量の該組成物が組み合わせられて乱用用量の該オピオイドアゴニストをもたらす場合、オピオイドアンタゴニストの量が、経口で服用された際に、該オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに十分であるように該組成物中の該オピオイドアゴニストの乱用用量数に比例した量で該組成物中に存在し;
ここで、アンタゴニストレベルが、適切な経口投与レジメの下で、阻害性レセプターおよび興奮性レセプターをブロックすることにより該オピオイドの作用をブロックするにも、興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイドの副作用を弱めるにも、有効でないように、該制御放出マトリクスは、該オピオイドアンタゴニストの放出速度
を制御するために選択され、そして組み込まれる、薬学的組成物。
(項目16)
項目15に記載の薬学的組成物であって、前記アンタゴニストの前記放出速度は、1用量の該組成物では、経口有効量のアンタゴニストを利用可能にしないが、2以上の用量の該組成物が、破壊されてかまたは破壊されずに組み合わせられて、前記オピオイドアゴニストの乱用用量を可能にする際に、該オピオイドアンタゴニストは、経口で有効なブロックレベルで利用可能である速度である、薬学的組成物。
(項目17)
経口用薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下:
制御放出マトリクス;
約10mg〜160mgのオキシコドン;
約2mg〜160mgのナロキソン、
を含み、
ここで、オキシコドンのナロキソンに対する比率は、約4〜5:1から1:1であり;
ここで該制御放出マトリクスは、12時間までの期間にわたり薬学的有効性を維持するようにオキシコドンの放出速度を制御するため、およびナロキソンレベルが、適切な経口投与レジメの下で、阻害レセプターおよび興奮性レセプターの両方をブロックすることにより該オピオイドの効果をブロックするにも、興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイド副作用を弱めるにも有効でないように、該ナロキソンの放出速度を制御するために選択されそして組み込まれている、薬学的組成物。
(項目18)
経口用薬学的組成物であって、該経口用薬学的組成物は、重量%で以下:
約3〜35%のオピオイドアゴニスト;
約2〜20%のオピオイドアンタゴニスト;
約10〜50%の微結晶セルロース(NF);
約30〜70%のアンモニオメタクリレートコポリマー(NF);および
少なくとも1つの賦形剤を含み、
該少なくとも1つの賦形剤は、以下:
約5%までのコロイド状二酸化ケイ素(NF);
約5%までのラウリル硫酸ナトリウム(NF);
約2%までの水酸化マグネシウム(USP);
約15%までのポビドン(USP);
約5%までのステアリン酸、NF;および
約5%までのステアリン酸マグネシウム、NF、
からなる群より選択され、ここで該制御放出組成物は、インタクトな形態で経口服用された場合、治療有効速度で該オキシコドンを放出し、かつ該オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに有効でない速度で該ナロキソンを放出するように適合させた制御放出処方物である、経口用薬学的組成物。
(項目19)
項目18に記載の経口用薬学的組成物であって、前記オピオイドアゴニストが、モルフィン、オキシコドン、レボルフェノール、メペルジン、ヒドロコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフィン、プロポキシフェン、メタドン、およびオキシモルフォンからなる群より選択され、そして前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソン;ナルトレキソン;N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン;および21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(またはジフェノルフィン)およびそれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、経口用薬学的組成物。
(項目20)
前記オピオイドアゴニストが、塩酸オキシコドンであり、かつ前記オピオイドアンタゴニストがナロキソンである、項目18に記載の経口用薬学的組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特定のオピオイドアンタゴニストが経口での低用量では効果的でないという原理を使用する。従って、オピオイドの作用に有害な影響を与えることなく、経口有効量の大量のアンタゴニストを含む錠剤から長期間にわたり経口低用量を投与し得る(制御放出)。しかし、アンタゴニストが一度に全て投与される場合、それは、オピオイドの効果をブロックし、そして依存症の個体における使用中止を誘導し得る。
【0014】
本発明は、制御放出組成物における使用を意図する。本明細書中で使用される場合、用語「制御放出」または「CR」とは、長時間(通常4時間を超えて、一般的には、8〜12時間または24時間まで)にわたり活性な薬学的成分を放出することが意図される錠剤を示すことを意図される。これを決定する1つの方法は、意図される投与スケジュールをチェックすることである。4時間毎に1回よりは少ない頻度で摂取されることが意図される任意の錠剤は、制御放出、持続放出、長期放出等のラベルに関らず、放出制御と考えられるべきである。しばしば、これらの錠剤は、架橋され得るポリマーマトリクスを含有する。そのような制御放出処方物の例は、Purdue Fredrick Pharmaceuticalsにより製造されるContin(登録商標)システム、またはPennwest PharmaceuticalsによるTimerX(登録商標)システムである。他の制御放出ポリマー(例えば、メタクリレート(Eudragit(登録商標))、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはCarbopol(登録商標))もまた使用され得る。本発明は、これらの制御放出処方物または他の制御放出処方物を用いて使用され得る。
【0015】
本発明の錠剤は、制御放出マトリクス中に、オピオイドアンタゴニストと共にオピオイドアゴニストを含む。このアンタゴニストは、インタクトの制御放出錠剤が経口で摂取された場合、そのアンタゴニストがそのオピオイドアゴニストの作用をブロックしないようなレベルで存在し、そしてそのような割合で調剤される。その錠剤を破壊することは、即時放出処方物として十分なアンタゴニストを一度に全て放出して、そのオピオイドの応答をブロックし、また禁断を誘導する。アンタゴニストは、作用するには有効用量に達する必要があり、従って、迅速な代謝と組み合わせられたそれらの徐放は、それらが、通常の、推薦される、治療的な、乱用でない使用において、効果的でない、低いレベルで維持されることを意味する。この低レベルのアンタゴニストは、オピオイドアゴニストの治療的作用に影響することなく、長時間にわたり放出され得る。そのような長時間にわたる持続放出でさえ、アンタゴニストは、ブロックレベルまで蓄積しない。なぜならば、そのアンタゴニストは、それがそのようなレベルになるまで蓄積され得る前に代謝されるためである。オピオイドアンタゴニスト作用の性質に起因して、アンタゴニストのレベルは、その錠剤のオピオイド投薬量により変質されるべきである。また、アンタゴニストに依存して、経口:非経口の効力比、および放出速度、使用されるアンタゴニストのレベルは、変化する。とにかく、その錠剤が破壊され、処方物を即時放出するように変換された場合、オピオイドの効果(ハイ)をブロックし、かつ依存症の個体における使用中止を誘導するのに十分なアンタゴニストが存在するべきである。通常の条件下で、放出速度は、オピオイドの効果をブロックするのに十分でなく、オピオイドの副作用を弱めるために興奮性オピオイドレセプターを選択的にブロックするのに適切でもない。現在好ましいアンタゴニストであるナルキソンについて、15mg(即時放出)が、オピオイドレセプターをブロックし始め、使用中止を開始するに違いない考えられている。
【0016】
特定のオピオイドのアゴニスト、アンタゴニスト、CRマトリクス,および本明細書中に開示されるそれらの組み合わせは、単に例示である。他のアゴニスト、アンタゴニスト、マトリクス、および組み合わせは、本明細書中の教示と組み合わせて使用され得る。
【0017】
オピオイドアゴニストは、鎮痛剤として一般的に用いられる任意のアゴニストであり得、モルフィン、オキシコドン、レボルフェノール(levorphenol)、メペルジン(meperdine)、ヒドロコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、プロポキシフェン、メタドン、およびオキシモルフォンが挙げられるが、これらに限定されない。特に、制御放出投薬形態の任意の依存性オピオイドが本発明の標的である。最も著しくは、制御放出オキシコドンは、近年、乱用の標的であって、従って、本発明における使用のための良好な候補となる。当然、このオピオイドアゴニストの放出速度は、所望される鎮痛効果を達成するように確立される。
【0018】
アンタゴニストの効力は、経口:非経口の効力比として測定される。この比率は、有効な非経口用量と等価の効果を達成するために、経口で必要とされるアンタゴニストの量を示す。例えば、10:1の経口:非経口の効力比を有するアンタゴニストは、経口で有効であるためには、非経口用量の10倍を必要とする。本明細書中で使用されるオピオイドアンタゴニストは、非経口投与された場合、経口投与された場合より高い拮抗作用を有する(経口:非経口の効力比>1)。従って、所望されるアンタゴニストは、非経口または鼻腔内に比較的低いレベルで投与された場合、オピオイドの効果をブロックし、そして使用中止を誘発する。同時に、これらのアンタゴニストは、推薦される、治療使用のために経口投与された場合、有効であるためには、比較的高いレベルを必要とする。従って、有効な非経口/鼻腔内用量は、経口投与された場合に有効でない。経口:非経口の効力比は、ナロキソンの場合、好ましくは少なくとも約10:1であり、より好ましくは少なくとも約25:1であり、最も好ましくは少なくとも約100:1である。注射により投与された場合に、経口投与された場合より実質的により高い有効度を有する適切なオピオイドアンタゴニストとしては、ナロキソン;ナルトレキソン;N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノンまたは21−シクロプロピルz,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(またはジフェノルフィン);およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナロキソン)がオピオイドレセプターをブロックし得、そしてオピオイドの効果を減少または排除し得ることは、以前より知られている。そのようなアンタゴニストは、いくつかの場合において、オピオイドの過剰用量を処置し、そして処置依存を救うために有用である。オピオイドレセプターをブロックすることによって、アンタゴニストは、オピオイドに対する応答を反転およびブロックする。経口:非経口の効力比の高いアンタゴニスト(例えば、ナロキソン)は、注射された場合、非常に有効であるが、経口で摂取された場合、有効性が有意に低い。従って、経口投与のために設計される投薬形態は、オピオイドの治療的有効性に有害な影響を与えることなく、有意な量のオピオイドアンタゴニストを有し得る。同様に、これらのレベルのアンタゴニストは、オピオイドの副作用を弱めない。そのようなアンタゴニストは、低レベルで存在する場合、静脈内または鼻腔内の乱用を抑制するのに効果的であるが、経口での乱用を抑制することにおいては、有効でない。その錠剤が経口での乱用を抑制するのに十分なアンタゴニストを含むような場合、そのアンタゴニストはまた、その薬物の治療有効性を減少または阻害する。通常の使用下で効果的でない量のアンタゴニストを放出する、CR処方物中に経口有効量のアンタゴニストを含有する錠剤は、通常の使用下でのオピオイドの効果を最少化することなく、経口および非経口の両方での乱用に対して有効である。
【0020】
この組成物中のアンタゴニストの量は、アンタゴニストの相対的強度、オピオイドの量および強度、アンタゴニストの放出速度、および経口:非経口の効力比に依存する。とにかく、アンタゴニストの型、経口:非経口の効力比、量、および放出速度の組み合わせは、その意図された、インタクトの投薬形態で経口投与された場合、オピオイドの効果のブロックもその副作用の減弱も生じない。
【0021】
制御放出オピオイド錠剤の強度は、使用される特定のオピオイドにより変化する。オキシコドンの場合、10mg、20mg、40mg、80mg、および160mgの強度が制御放出処方物に用いられ得る。そのような錠剤中のオピオイドアンタゴニスト(例えば、ナロキソン)の量もまた、約2mg〜40mg以上で変化し得る。多数の小さな低用量の錠剤または1つのより高い強度の錠剤をチューイングすることによる経口での乱用を防ぐためには、錠剤中に少なくとも5〜20mg(好ましくは10〜20mg)のナロキソンが存在するべきである。すなわち、2つ以上の低用量錠剤を組み合わせることによる乱用用量の蓄積もまた、有効量のアンタゴニストを蓄積するべきである。より高用量のオピオイド錠剤は、蓄積することなく、有効量のアンタゴニストを含むべきである。注射または鼻で吸う場合、約0.2mg〜0.4mgのナロキソンのみが、オピオイドの効果を拮抗するため、依存症の個体の使用中止を誘導するため、および乱用を防ぐために必要とされるので、非経口投与または鼻腔内投与による乱用の予防もまた、達成される。従って、経口の乱用を予防するためにより多い量が必要とされることは、必然的に、注射または鼻腔内投与による乱用も予防する。
【0022】
10mgまたは20mgの錠剤強度のオキシコドン錠剤について、ナロキソン(使用されるオピオイドアンタゴニスト)の量は、5mg〜40mgの範囲で有り得る。160mgのオピオイド錠剤は、80mgのオピオイドアンタゴニストを有し得るので、錠剤強度が上がるに従って、オピオイドのオピオイドアンタゴニストに対する比率は、1:3〜4:1で変化する。その比率は変化し得るが、全ての錠剤強度について1つの比率を選択することが好ましい。医師は、所望の投薬量まで加えるいくつかの低用量錠剤を用いて患者を滴定することを選ぶ。これは、一定の比率が維持される場合、最も簡単である。従って、種々の錠剤強度にわたる一定の比率は、比率が上記の範囲内の任意の適切な比率であり得る場合でも、有用である。
【0023】
薬物乱用者は、抗乱用措置を無効にするための方法を見出すとき、創造的である。現在、経口での乱用のいくつかの方法が、企図されている。上で議論されるように、本発明の組成物が、経口により有効であるに十分なアンタゴニストを含有し、従って必然的に、非経口または鼻腔内で有効なブロック量を含むことを思い出されるはずである。従って、非経口での乱用および鼻腔内での乱用は、ここでは議論されない。
【0024】
乱用者は、乱用用量のオピオイドの即時放出を得るために1つの大用量の錠剤を「チューイング」し得る。これらの乱用量のオピオイドを含有する組成物は、「チューイング」による経口乱用をブロックするのに十分なアンタゴニストを含有するはずである。
【0025】
2以上のより低用量の錠剤は、乱用用量を達成するために一緒に「チューイングされ」得る。各々の錠剤自体が、経口有効量のアンタゴニストを含まない程度まで、過剰用量まで組み合わせられた場合、組み合わせられたアンタゴニストは、経口で有効であるはずである。すなわち、例えば、10mgの錠剤がハイを達成するために不充分である場合、それは完全に経口で有効な量のアンタゴニストを含有する必要がない。2つの10mgの錠剤が、ハイのために十分である場合、次いで、これらは、オピオイドの効果をブロックするために経口で有効である、組み合わせた量のアンタゴニストを含むべきである。
【0026】
さらに、2以上の高用量の錠剤は、「ハイ」を達成するために、破壊されることなく経口で摂取され得る。そのような組み合わせは、12時間までの投与の期間全体にわたりハイを維持するためにCR特性を利用する。ほとんどの乱用者に破壊された錠剤の即時の放出により提供される即時のハイまたは高揚を要求するので、この型の乱用は、一般的でない。本発明の1つの実施形態に従うそのような組み合わせはまた、経口でチューイングなしで摂取された場合、ブロックする量のアンタゴニストを放出するはずである。この構成はまた、偶発性の過剰用量の極度の効果を防ぐ。この型の構成は多くの状況において有益であるが、処方する医師の意見を限定し得、従って、全ての状況において適切ではあり得るとは限らないかもしれない。この実施形態に従う錠剤は、好ましくないが、確かに本発明の範囲内にある。
【0027】
本発明に従う錠剤は、上記の乱用レジメのいずれかを、個々にかまたはそれらの任意の組み合わせで考慮し得る。
【0028】
本発明の根底にある基本的な前提は、以下である:1)錠剤が、オピオイドの効果をブロックするために経口で有効である量のアンタゴニストを含有すること、および2)そのアンタゴニストが通常、オピオイドの効果をブロックするにも、オピオイドの副作用も弱めるにも不充分であるレベルでのみ利用可能であること。これを達成するための方法の1つは、アンタゴニストの放出速度を制御することである。アンタゴニストの放出速度は、オピオイドアゴニストの放出速度の百分率に関して最もよく考慮される。この速度は、オピオイドの放出速度の約100%〜0%の間、好ましくは100%〜25%の間で制御される。表1は、オピオイドおよびアンタゴニストの放出速度を、放出された%として示す。0%の場合、アンタゴニストは、この錠剤が破壊されない限り、全く放出されない。しかし、それは、別の出願の目的である。
【0029】
ナロキソンの場合、短い半減期(約1時間)は、オピオイドと同じ速度で放出された場合でさえも、ナロキソンがブロックレベルまで蓄積しないことを保証する。より徐放性の処方物(50%および75%)において、10〜12時間後に残留する放出されない部分は、吸収速度が胃および小腸より非常に遅い大腸に移動する。従って、10〜12時間を超えて放出されるアンタゴニストの量は、何のブロック効果にも減弱の効果にも寄与しない。
【0030】
これらの放出速度は、通常の使用法の下で、このアンタゴニストが何のブロック効果も減弱効果も有さないことを保証する。しかし、同時に、経口で有効なブロック用量のアンタゴニストは、CR特性が破壊された状況で存在する。
【0031】
使用されるCRマトリクスの型および適用は、放出速度を決定する。放出速度の操作は、2つの異なる速度を有する2つの化合物の放出速度の操作でさえも、当該分野において公知である。任意の公知のCR技術または後に開発されたCR技術が、使用され得る。乱用者は、おそらく、CR処方物を破壊する前に、機械的分離技術を使用し得るので、アンタゴニストは、アゴニストと容易に区別または分離できないべきであることを憶えておくことが重要である。
【0032】
【表1】

放出速度は、組成物中の総含量に対するアゴニストまたはアンタゴニストの百分率である。
【0033】
錠剤は、制御放出錠剤を製造する任意の従来法により作製され得る。2つの主なプロセスは、湿式プロセス(湿式の顆粒化を含む)および乾式プロセス(直接の混合(direct mixing)およびローラー圧縮プロセスを含む)である。これらのプロセスについての例示的な組成物を、以下に再現する。
【0034】
【表2】

オキシモルフォンについて、制御放出錠剤の用量は、10mg、20mg、または40mgであり得、そしてナロキソンの用量の範囲は、オキシコドンについて示したのと同じであり得る。
【0035】
好ましいオキシコドン:ナロキソンの比率は、5:1〜1:1である。
【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

代替的な組成物もまた使用され得る。好ましくは、本発明に従う錠剤は、以下の組成を有する:
【0039】
【表6】

溶解を、処方物1〜3について、USP XXIV装置3(往復シリンダー(Reciprocating Cylinder)に従い実施した。装置3は、ヒトの胃腸の条件をシュミレートする。最初の1時間は、pH1.2の0.1NのHClである。次の1時間(2時間目)およびさらに次の1時間(3時間目)は、pH4.5の10mMのリン酸一カリウムである。3時間目より後の条件は、pH6.8の10mMのリン酸一カリウムである。全ての溶解容器は、250mLの溶解溶液を含む。浸漬速度を、1分間あたり10回の浸漬(dip)に設定する。浴の温度を、37.5℃に設定する。HPLCパラメーターを、以下のように設定する:カラム−Inertsil ODS 3、50mm×4.6mm、3μm粒子サイズ、移動相:80% 30mMヘキサンスルホン酸ナトリウムpH3.0±1、20%アセトニトリル。注入容量は、75μLである。カラム温度は、35℃であり、流動速度を、1.0mL/分に設定する。波長を、225nmに設定する。稼動時間は、5.5分間である。
【0040】
処方物1〜3についての溶解の結果は以下のとおりであった:
【0041】
【表7】

【0042】
【表8】

【0043】
【表9】

これらの試験から、通常の、破壊しない使用の下で、経時的に放出されたアンタゴニストの量(ここでは、ナロキソンである)は、オピオイドの効果をブロックするには不充分であることが明らかである。アンタゴニストの最も高い放出初速度を有する、実施例3でさえ、たった約5mgのナロキソンしか、1時間目において利用可能でない。ナロキソンの短い半減期、および徐放速度に起因して、アンタゴニストは、体内で、オピオイドの効果をブロックするレベルまで蓄積しない。一方、破壊された錠剤において、実質的に全てのアンタゴニストは、最初の1時間において利用可能である。従って、オピオイドをブロックする量のアンタゴニストは、経口および他の形態の乱用を抑止するために容易に利用可能である。使用されるアンタゴニストに拘わらず、アンタゴニストの含量、放出速度、およびアンタゴニストの半減期の組み合わせは、制御放出処方物として意図されかつ推薦されたとおりに投与された場合にオピオイドの効果をなおブロックせずに、即時放出のためとして投与された場合にオピオイドの効果をブロックする本発明の目的を達成する。
【0044】
種々のオピオイドが、異なる相対強度を有することは、周知である。しばしば、これらは、各々の相対的な用量を決定するための標準物質と比較され、そして関連付けられる。本願は、オキシコドンに関してオピオイドの含量を議論するが、当業者は、より強力であるか他のオピオイドおよびより弱い他のオピオイドが等価の投薬量で使用され得ることを、容易に理解する。同様に、アンタゴニストが、同様に、選択および投与される。
【0045】
本発明の範囲は、例示の目的のみのために提供されている上記実施例に限定されない。上記の記載は、錠剤の文脈で書かれている。CR処方物において作製され得る他の経口投与形態が、使用され得る。利用可能な経口投与形態の中には、カプセル剤、キャプレット(登録商標)、ミクロスフィア、ゲルカプセル、および液体処方物でさえある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口用薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下:
制御放出マトリクス;
オピオイドアゴニスト;
オピオイドアンタゴニスト、
を含み、
該オピオイドアンタゴニストは、非経口投与されたときに、経口投与されたときより高い拮抗効果を有し;
ここで、該オピオイドアンタゴニストは、該制御放出マトリクスが破壊されて、該組成物が即時放出のために不適切に投与された場合に、オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに、有効な経口量で該組成物中に存在し;
ここで、アンタゴニストレベルが、適切な経口投与レジメの下では、阻害性レセプターおよび興奮性レセプターの両方をブロックすることによりオピオイドの効果をブロックするにも、該興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイドの副作用を弱めるにも有効でないように、該制御放出マトリクスが、該オピオイドアンタゴニストの放出速度を制御するように選択され、そして組み込まれている、経口用薬学的組成物。
【請求項2】
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約100%〜約25%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約100%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約50%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記オピオイドアンタゴニストの放出速度が、前記オピオイドアゴニストの放出速度の約25%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約10:1である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約25:1である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記オピオイドアンタゴニストの経口:非経口の効力比が、少なくとも約100:1である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、前記オピオイドアゴニストが、モルフィン、オキシコドン、レボルフェノール、メペルジン、ヒドロコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、プロポキシフェン、メタドン、およびオキシモルフォンからなる群より選択される、薬学的組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソン;ナルトレキソン;N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン;および21−シクロプロピル z,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(またはジフェノルフィン)およびそれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、薬学的組成物。
【請求項11】
前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソンである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記オピオイドアゴニストが、オキシコドンである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記オピオイドアゴニストが、約10mg〜160mgのオキシコドン用量と薬学的に等価な濃度で存在する、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、前記アンタゴニストの前記放出速度が、1用量の該組成物では、経口有効量のアンタゴニストを利用可能にしないが、2以上の用量の該組成物が、破壊されてかまたは破壊されずに組み合わせられて、乱用用量の前記オピオイドアゴニストを達成する場合、該オピオイドアンタゴニストが、経口有効ブロックレベルで利用可能である速度である、薬学的組成物。
【請求項15】
薬学的組成物であって、以下:
制御放出マトリクス;
オピオイドアゴニスト;
オピオイドアンタゴニスト、
を含み、
該オピオイドアンタゴニストは、非経口投与されたときに、経口投与されたときより高い拮抗効果を有し;
ここで、該オピオイドアンタゴニストは、該制御放出マトリクスが破壊され、2以上の用量の該組成物が組み合わせられて乱用用量の該オピオイドアゴニストをもたらす場合、オピオイドアンタゴニストの量が、経口で服用された際に、該オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに十分であるように該組成物中の該オピオイドアゴニストの乱用用量数に比例した量で該組成物中に存在し;
ここで、アンタゴニストレベルが、適切な経口投与レジメの下で、阻害性レセプターおよび興奮性レセプターをブロックすることにより該オピオイドの作用をブロックするにも、興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイドの副作用を弱めるにも、有効でないように、該制御放出マトリクスは、該オピオイドアンタゴニストの放出速度
を制御するために選択され、そして組み込まれる、薬学的組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の薬学的組成物であって、前記アンタゴニストの前記放出速度は、1用量の該組成物では、経口有効量のアンタゴニストを利用可能にしないが、2以上の用量の該組成物が、破壊されてかまたは破壊されずに組み合わせられて、前記オピオイドアゴニストの乱用用量を可能にする際に、該オピオイドアンタゴニストは、経口で有効なブロックレベルで利用可能である速度である、薬学的組成物。
【請求項17】
経口用薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下:
制御放出マトリクス;
約10mg〜160mgのオキシコドン;
約2mg〜160mgのナロキソン、
を含み、
ここで、オキシコドンのナロキソンに対する比率は、約4〜5:1から1:1であり;
ここで該制御放出マトリクスは、12時間までの期間にわたり薬学的有効性を維持するようにオキシコドンの放出速度を制御するため、およびナロキソンレベルが、適切な経口投与レジメの下で、阻害レセプターおよび興奮性レセプターの両方をブロックすることにより該オピオイドの効果をブロックするにも、興奮性レセプターを選択的にブロックすることによりオピオイド副作用を弱めるにも有効でないように、該ナロキソンの放出速度を制御するために選択されそして組み込まれている、薬学的組成物。
【請求項18】
経口用薬学的組成物であって、該経口用薬学的組成物は、重量%で以下:
約3〜35%のオピオイドアゴニスト;
約2〜20%のオピオイドアンタゴニスト;
約10〜50%の微結晶セルロース(NF);
約30〜70%のアンモニオメタクリレートコポリマー(NF);および
少なくとも1つの賦形剤を含み、
該少なくとも1つの賦形剤は、以下:
約5%までのコロイド状二酸化ケイ素(NF);
約5%までのラウリル硫酸ナトリウム(NF);
約2%までの水酸化マグネシウム(USP);
約15%までのポビドン(USP);
約5%までのステアリン酸、NF;および
約5%までのステアリン酸マグネシウム、NF、
からなる群より選択され、ここで該制御放出組成物は、インタクトな形態で経口服用された場合、治療有効速度で該オキシコドンを放出し、かつ該オピオイドの効果をブロックし、そして/または使用中止を誘導するのに有効でない速度で該ナロキソンを放出するように適合させた制御放出処方物である、経口用薬学的組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の経口用薬学的組成物であって、前記オピオイドアゴニストが、モルフィン、オキシコドン、レボルフェノール、メペルジン、ヒドロコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフィン、プロポキシフェン、メタドン、およびオキシモルフォンからなる群より選択され、そして前記オピオイドアンタゴニストが、ナロキソン;ナルトレキソン;N−シクロプロピルメチル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノン;および21−シクロプロピル z,−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン(またはジフェノルフィン)およびそれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、経口用薬学的組成物。
【請求項20】
前記オピオイドアゴニストが、塩酸オキシコドンであり、かつ前記オピオイドアンタゴニストがナロキソンである、請求項18に記載の経口用薬学的組成物。

【公開番号】特開2012−246319(P2012−246319A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204455(P2012−204455)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2009−17380(P2009−17380)の分割
【原出願日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願人】(503407443)エンドー ファーマシューティカルズ, インコーポレイティド (9)
【Fターム(参考)】