説明

乳化シリコーンエラストマー及び揮発性直鎖アルカンを含むW/Oエマルジョン

【課題】良好な流動性及び良好な安定性を備え、かつ、長時間にわたって皮膚上で使用して、柔らかくマットな仕上がりを提供することができる、マットなケア及び/又はメークアップ用組成物を開発する。
【解決手段】(i)少なくとも1又は複数の、特にC7−14の、揮発性直鎖アルカン、(ii)少なくとも1の乳化シリコーンエラストマーを生理学的に許容可能な媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、乳化シリコーンエラストマー及び1又は複数の直鎖揮発性アルカンを含有する、油中水型エマルジョンの形態にある美容ケア及び/又はメークアップ用組成物である。その様な組成物は、良好な安定性、流動性、適用容易性、並びに柔らかくかつマットな最終的な仕上がりを同時に示す。
【背景技術】
【0002】
ケア及び/又はメークアップ用組成物、特にファンデーションは、液体から固体にわたる各種の質感の状態で提供される。
【0003】
流動体の質感は薄い膜の感覚及び適用後に忘れてしまう軽く自然な仕上がりを容易に適用及び提供するため、消費者は流動体の質感を魅力的であると受けとめる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2007/068371
【特許文献2】WO 2008/155059
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それにもかかわらず、組成物を濃厚にする傾向があり、そのフレッシュさ及びみずみずしさという利点、並びに脂っぽくないという効果が望まれる、水相を多く含む油中水型エマルジョンの形態にある流動体の質感のものは得ることが困難である。さらに、流動体の質感では、特に粉末材料、とりわけ高密度の粒子(例えば、顔料、無機フィラー)を含有する際には、経時的な安定性の問題を示す。加えて、製品がマット感及び定着性を提供することが意図され、高レベルの粉末材料を含み、かつ、場合により皮膜形成剤の存在がある際には、乾燥時間が非常に短く、十分に長い時間にわたって製品を皮膚上で使用することを妨げる。
【0006】
したがって、良好な流動性及び良好な安定性を備え、かつ、長時間にわたって皮膚上で使用して、柔らかくマットな仕上がりを提供することができる、マットなケア及び/又はメークアップ用組成物を開発し得ることに興味がもたれているようである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
出願人は、驚くべきことに、1又は複数の揮発性直鎖C−C14アルカン、特に70℃を超える引火点を有するものを使用することで、非常に高レベルの水相(水相/液体脂肪相比>1)を有していたとしても、乳化シリコーンエラストマーを含有する組成物を流動化することができることを見出した。したがって、本発明に係る組み合わせは、高レベルの水相を有する油中水型エマルジョンを製剤化することを可能にする。
【0008】
出願人は、さらに、1又は複数の揮発性直鎖アルカン、特に70℃を超える引火点を有するもの、及び少なくとも1つの乳化シリコーンエラストマーの使用が、良好な流動性、良好な安定性、良好な適用特性、及び適用後の柔らかくマットな効果を有する粉末材料を含有する製品を得ることを可能にすることを見出した。
【0009】
したがって、第一の態様によれば、本発明の主題は、
(i)少なくとも1又は複数の、特にC14の、揮発性直鎖アルカン、
(ii)少なくとも1の乳化シリコーンエラストマー
を生理学的に許容可能な媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第一の実施態様によれば、本発明は、
(i)少なくとも1又は複数の、特にC−C14の、揮発性直鎖アルカン、
(ii)少なくとも1の乳化シリコーンエラストマー、及び
(iii)組成物の全重量に対して少なくとも10重量%の粉末材料
を生理学的に許容される媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物に関する。
【0011】
他の実施態様によれば、本発明は、
(i)少なくとも1又は複数の、特にC−C14の、揮発性直鎖アルカン、及び
(ii)少なくとも1の乳化シリコーンエラストマー
を生理学的に許容される媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物であって、
水相/液体脂肪相の比が1を超えることを特徴とする、組成物に関する。
【0012】
他の実施態様によれば、本発明は、
(i)少なくとも1又は複数の、特にC−C14の、揮発性直鎖アルカン、
(ii)少なくとも1の乳化シリコーンエラストマー、及び
(iii)組成物の全重量に対して少なくとも10重量%の粉末材料
を生理学的に許容される媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物であって、
水相/液体脂肪相の比が1を超えることを特徴とする、組成物に関する。
【0013】
本発明は、本発明に係る組成物の適用を含む、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための美容方法にも関する。
【0014】
本発明に係る組成物は、液体脂肪相に分散された水相を含む油中水型エマルジョンの形態にあり、かつ、少なくとも1つの生理学的に許容される媒体を含む。
【0015】
用語「生理学的に許容される媒体」は、ケラチン物質、特に皮膚及び唇に本発明の組成物を適用するのに特に適切な媒体であることを意図する。
【0016】
生理学的に許容される媒体は、組成物が適用される基質の性質に一般的に適合し、かつ、組成物を詰める方法にも適合する。
【0017】
本発明に係る組成物は、少なくとも1又は複数の、特にC−C14の、揮発性直鎖アルカンを含む。
【0018】
揮発性直鎖アルカン
本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して1から30重量%、好ましくは2から15重量%、好ましくは3から10重量%の揮発性直鎖アルカンを含んでよい。
【0019】
用語「1又は複数の揮発性直鎖アルカン」は、区別することなく、「1又は複数の揮発性直鎖アルカン油」を意味することを意図する。
【0020】
本発明に適切な揮発性直鎖アルカンは、環境温度(約25℃)及び大気圧(760mmHg)で液体である。
【0021】
本発明に適切な用語「揮発性直鎖アルカン」は、特に環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から15mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する、環境温度で液体であり、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg、すなわち、101325Pa)で、1時間未満で皮膚と接触して蒸発することができる化粧品に用いる直鎖アルカンを意味することを意図する。
【0022】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から3.5mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する。
【0023】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から1.5mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する。
【0024】
より好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から0.8mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する。
【0025】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から0.3mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する。
【0026】
より好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から0.12mg/cm/分の範囲の蒸発速度を有する。
【0027】
本発明に係る揮発性アルカン(及びより一般的には揮発性溶媒)の蒸発速度は、特に、WO 06/013413に開示されているプロトコールによって評価されてよく、とりわけ、以下に記載のプロトコールによって評価されてよい。
【0028】
15gの揮発性炭化水素系溶媒を、制御された温度(25℃)及び湿度(50%の相対湿度)で約0.3mチャンバーの中のはかりに置いた結晶皿(直径:7cm)に入れる。
【0029】
前記液体は、攪拌すること無く、自由に蒸発させるが、揮発性炭化水素系溶媒を含有する結晶皿の上に垂直に設置され、結晶皿の底から20cm離れて羽が結晶皿に向けられている、ファンで換気する(Papst−Motoren,reference 8550N,2700rpmで回転する)。
【0030】
結晶皿に残存する揮発性炭化水素系溶媒の質量を一定の時間間隔で測定する。
【0031】
次いで、時間(分)の関数として蒸発した物の量(mg/cm)の曲線をプロットすることによって、前記溶媒の蒸発プロフィールを得る。
【0032】
次いで、得られた曲線の始点に対する接線に相当する蒸発速度を算出する。蒸発速度は、時間単位(分)あたりの表面面積(cm)に対する蒸発した揮発性溶媒のmg量で表わす。
【0033】
1つの好ましい実施態様によれば、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度で0ではない蒸気圧(飽和蒸気圧としても知られている)、特に0.3から6000Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0034】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)で0.3から2000Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0035】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)で0.3から1000Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0036】
より好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)で0.4から600Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0037】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)で1から200Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0038】
さらに好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)で3から60Paの範囲の蒸気圧を有する。
【0039】
1つの実施態様では、本発明に適切な揮発性直鎖アルカンは、30から120℃、とりわけ40から100℃の範囲にある引火点を有してよい。前記引火点は、特に、ISO3679の基準にしたがって測定する。
【0040】
1つの実施態様によれば、本発明に適切なアルカンは、7から14の炭素原子を含む揮発性直鎖アルカンであってよい。
【0041】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、8から14の炭素原子を含む。
【0042】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、9から14の炭素原子を含む。
【0043】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、10から14の炭素原子を含む。
【0044】
好ましくは、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、11から14の炭素原子を含む。
【0045】
1つの有利な実施態様によれば、本発明に適切な「揮発性直鎖アルカン」は、環境温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で0.01から3.5mg/cm/分の範囲の上述の蒸発速度を有し、かつ、8から14の炭素原子を含む。
【0046】
本発明に適切な揮発性直鎖アルカンは、有利には、植物起源のものである。
【0047】
好ましくは、本発明に係る組成物中に存在する揮発性直鎖アルカン又は揮発性直鎖アルカンの混合物は、少なくとも1つの14C(炭素14)炭素同位体を含む。特に、14C同位体は、1×10−16以上、好ましくは1×10−15以上、より好ましくは7.5×10−14以上、とりわけ1.5×10−13以上の14C/12Cの比で存在してよい。好ましくは、14C/12Cの比は、6×10−13から1.2×10−12の範囲にある。
【0048】
揮発性直鎖アルカン又は揮発性直鎖アルカンの混合物における14C同位体の量は、Libby計数法、液体シンチレーション分光法、又は加速器質量分析法などの当業者に既知の方法によって測定することができる。
【0049】
その様なアルカンは、油、バター、及びワックスなどの植物出発物質から直接又は複数の工程で得ることができる。
【0050】
本発明に適切なアルカンの例として、Cognis社による特許出願WO 2007/068371又はWO 2008/155059に開示されているアルカン(少なくとも1つの炭素によって区別される異なるアルカンの混合物)が挙げられてよい。これらのアルカンは、ココナッツ油又はヤシ油から得られる脂肪アルコールから得られる。
【0051】
本発明に適切な直鎖アルカンの例として、n−ヘプタン(C)、n−オクタン(C)、n−ノナン(C)、n−デカン(C10)n−ウンデカン(C11)、n−ドデカン(C12)、n−トリデカン(C13)、及びn−テトラデカン(C14)、並びにそれらの混合物が挙げられてよい。1つの特定の実施態様によれば、前記揮発性直鎖アルカンは、n−ノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、及びn−テトラデカン、並びにそれらの混合物から選択される。
【0052】
1つの好ましい実施態様によれば、Cognis社の特許出願WO 2008/155059の実施例1及び2で得られているn−ウンデカン(C11)及びn−トリデカン(C13)の混合物が挙げられてよい。
【0053】
各々Parafol12−97及びParafol14−97であるSasol社によって販売されているn−ドデカン(C12)及びn−テトラデカン(C14)、並びにそれらの混合物が挙げられてもよい。
【0054】
揮発性直鎖アルカンは単独で使用されてよい。
【0055】
代替的に又は好ましくは、少なくとも1の炭素数nによって互いに区別される、特に1又は2の炭素数によって互いに区別される、少なくとも2つの異なる揮発性直鎖アルカンの混合物を使用してよい。
【0056】
第一の実施態様によれば、10から14の炭素原子を含み、かつ、少なくとも1の炭素数によって互いに区別される、少なくとも2つの異なる揮発性直鎖アルカンの混合物を使用する。例えば、C10/C11、C11/C12、又はC12/C13揮発性直鎖アルカンの混合物が特に挙げられてよい。
【0057】
他の実施態様によれば、10から14の炭素原子を含み、かつ、少なくとも2の炭素数によって互いに区別される、少なくとも2つの異なる揮発性直鎖アルカンの混合物を使用する。例えば、偶数の炭素数nではC10/C12又はC12/C14揮発性直鎖アルカンの混合物、奇数の炭素数nではC11/C13の混合物が特に挙げられてよい。
【0058】
1つの好ましい実施態様によれば、10から14の炭素原子を含み、かつ、少なくとも2の炭素数によって互いに区別される、少なくとも2つの異なる揮発性直鎖アルカンの混合物、特に、C11/C13揮発性直鎖アルカンの混合物又はC12/c14揮発性直鎖アルカンの混合物が使用される。
【0059】
本発明に係る2を超える揮発性直鎖アルカンを組み合わせる他の混合物は、例えば、7から14の炭素原子を含み、かつ、少なくとも1の炭素数で互いに区別される、少なくとも3つの異なる揮発性直鎖アルカンの混合物も本発明の一部を形成するが、本発明に係る2つの揮発性直鎖アルカンの混合物が好ましく(二元混合物)、前記2つの揮発性直鎖アルカンは、前記混合物の揮発性直鎖アルカンの全含有量の好ましくは95重量%超、とりわけ99重量%超を占める。
【0060】
本発明の1つの実施態様によれば、揮発性直鎖アルカンの混合物では、最も小さい炭素数の揮発性直鎖アルカンが混合物中で主要なものである。
【0061】
本発明の他の実施態様によれば、最も大きい炭素数の揮発性直鎖アルカンが混合物中で主要なものである、揮発性直鎖アルカンの混合物を使用する。
【0062】
本発明に適切な混合物の例として、混合物中のアルカンの総重量に対して、
− 50から90重量%、好ましくは55から80重量%、より好ましくは60から75重量%のC揮発性直鎖アルカン[nは7から14の範囲にある]、
− 10から50重量%、好ましくは20から45重量%、好ましくは24から40重量%のCn+x揮発性直鎖アルカン[xは1以上であり、好ましくはx=1又はx=2であり、n+xは8から14の間である]、
の混合物が特に挙げられてよい。
【0063】
特に、本発明に係るアルカンの前記混合物は、
− 2重量%未満、好ましくは1重量%未満の分枝鎖炭化水素、
− 及び/又は2重量%未満、好ましくは1重量%未満の芳香族炭化水素、
− 及び/又は2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好適には0.1重量%未満の不飽和炭化水素
を混合物中に含有する。
【0064】
とりわけ、本発明に適切な揮発性直鎖アルカンは、n−ウンデカン/n−トリデカンの混合物の形態で使用してよい。
【0065】
特に、混合物中のアルカンの全重量に対して、
− 55から80重量%、好ましくは60から75重量%のC11揮発性直鎖アルカン(n−ウンデカン)、
− 20から45重量%、好ましくは24から40重量%のC13揮発性直鎖アルカン(n−トリデカン)
を含む、揮発性直鎖アルカンの混合物が作製されるであろう。
【0066】
1つの特定の実施態様によれば、アルカンの混合物は、n−ウンデカン/n−トリデカンの混合物である。特に、その様な混合物は、WO 2008/155059の実施例1又は実施例2にしたがって得ることができる。
【0067】
他の特定の実施態様によれば、Sasol社によってParafol 12−97の名称で販売されているn−ドデカンが使用される。
【0068】
他の特定の実施態様によれば、Sasol社によってParafol 14−97の名称で販売されているn−テトラデカンが使用される。
【0069】
更なる他の実施態様によれば、n−ドデカン及びn−テトラデカンの混合物が使用される。
【0070】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、前記組成物は、環状シリコーン油を15重量%未満、若しくは10重量%未満、若しくは5重量%未満含むか、又は含まなくてよい。
【0071】
組成物中に存在するC−C14揮発性直鎖アルカンは、組成物の全重量に対して10重量%又は20重量%を超える粉末材料(例えば、顔料、フィラー)を含有しているにもかかわらず、適用の間に長期にわたって作業可能な油中水型エマルジョンを得ることを可能にする。
【0072】
組成物中に存在するC−C14揮発性直鎖アルカンは、驚くべきことに、非常に高レベルの水相を有していても、乳化シリコーンエラストマーを含有する組成物を流動化することも可能にする。
【0073】
本発明に係る組成物は、少なくとも1つの乳化シリコーンエラストマーも含む。
【0074】
シリコーンエラストマー
乳化シリコーンエラストマー
乳化シリコーンエラストマーは、良好な安定性を有する本発明に係る油中水型エマルジョンを得ることを可能にする。その揮発性直鎖アルカンとの組み合わせは、適用時に非常に流動性かつ非常に心地良い質感を得ることを可能にする。また、適用後に非常に柔らかくかつマットな感覚も与える。さらに、本発明に係る組成物の適用特性も改善する。
【0075】
用語「乳化シリコーンエラストマー」は、少なくとも1つの親水性鎖を含むシリコーンエラストマーを意味することを意図する。
【0076】
乳化シリコーンエラストマーは、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー及びポリグリセロール化シリコーンエラストマー並びにそれらの混合物から選択されてよい。
【0077】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレンとの架橋付加反応によって得ることができる架橋オルガノポリシロキサンである。
【0078】
好ましくは、ポリオキシアルキレン化架橋オルガノポリシロキサンは、例えば特許US 5236986及びUS 5412004に開示されているように、(A1)ケイ素に各々結合した少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B1)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するポリオキシアルキレンとの、特に(C1)白金触媒の存在下における、架橋付加反応によって得られる。
【0079】
特に、オルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリオキシアルキレン(特に、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)と、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの、白金触媒の存在下における反応によって得ることができる。
【0080】
化合物(A1)のケイ素原子に結合した有機基は、1から18の炭素原子を含有するアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル、又はステアリル;置換されたアルキル基、例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、又は3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基、例えば、フェニル、トリル、又はキシリル;置換されたアリール基、例えば、フェニルエチル;並びに置換された一価炭化水素系の基、例えば、エポキシ基、カルボキシレートエステル基、又はメルカプト基であってよい。
【0081】
化合物(A1)は、かくして、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサンのコポリマー、環状ジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、並びトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサンメチルヒドロゲノシロキサン−ラウリルメチルシロキサンのコポリマーから選択されてよい。
【0082】
化合物(C1)は、架橋反応触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金黒、及び支持体上の白金である。
【0083】
有利には、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ポリシロキサンのSi−H結合と反応させることによって、ジビニル化合物、特に少なくとも2つのビニル基を有するポリオキシアルキレンから形成されてよい。
【0084】
本発明に係るポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、好ましくは、ゲルを形成するように少なくとも1つの炭化水素系油及び/又は1つのシリコーン油と混合する。これらのゲルでは、ポリオキシアルキレン化エラストマーは、非球状粒子の形態にあり得る。
【0085】
ポリオキシアルキレン化エラストマーは、特に、特許US5236986、US5412004、US5837793、及びUS5811487に開示されている。
【0086】
使用してよいポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、Shin−Etsu社製のKSG−21、KSG−20、KSG−30、KSG−31、KSG−32、KSG−33、KSG−210、KSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、及びX−226146、並びにDow Corning社製のDC9010及びCD9011を含む。
【0087】
1つの好ましい実施態様によれば、Shin−Etsu社によってKSG−210の名称で販売されているポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーが使用されるであろう。
【0088】
乳化シリコーンエラストマーは、ポリグリセロール化シリコーンエラストマーから選択されてもよい。
【0089】
ポリグリセロール化シリコーンエラストマー
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するポリグリセロール化化合物との、特に白金触媒の存在下における、架橋付加反応によって得ることができる。
【0090】
好ましくは、架橋エラストマーオルガノポリシロキサンは、(A)ケイ素に各々結合した少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと(B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するグリセロール化化合物との、特に(C)白金触媒の存在下における、架橋付加反応によって得られる。
【0091】
特に、オルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリグリセロール化化合物とトリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの、白金触媒の存在下における反応によって得ることができる。
【0092】
化合物(A)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のための基礎をなす反応物であり、架橋は、化合物(A)を化合物(B)と触媒(C)の存在下において付加反応させることによって実施する。
【0093】
化合物(A)は、特に、各分子の異なるケイ素原子に結合した少なくとも2つの水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。
【0094】
化合物(A)は、任意の分子構造、特に直鎖若しくは分枝鎖の構造又は環構造を有してよい。
【0095】
化合物(A)は、化合物(B)と良好な相溶性を有するように、1から50000センチストークの範囲の25℃における粘度を有してよい。
【0096】
化合物(A)のケイ素原子に結合した有機基は、1から18の炭素原子を含有するアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル、又はステアリル;置換されたアルキル基、例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、又は3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基、例えば、フェニル、トリル、又はキシリル;置換されたアリール基、例えば、フェニルエチル;及び置換された一価炭化水素系の基、例えば、エポキシ基、カルボキシレートエステル基、又はメルカプト基であってよい。好ましくは、前記有機基は、メチル、フェニル、及びラウリル基から選択される。
【0097】
化合物(A)は、かくして、トリメチルシロキサン末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサンのコポリマー、ジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサン環状コポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサン−ラウリルメチルシロキサンのコポリマーから選択することができる。
【0098】
化合物(B)は、下式(B’):
2m−1−O−[Gly]n−C2m−1 (B’)
[式中、mは2から6の範囲の整数であり、nは2から200の範囲、好ましくは2から100の範囲、好ましくは2から50の範囲、好ましくは2から20の範囲、好ましくは2から10の範囲、好適には2から5の範囲の整数であり、とりわけ3に等しく;Glyは、−CH−CH(OH)−CH−O−又は−CH−CH(CHOH)−O−である]に相当するポリグリセロール化化合物であってよい。
【0099】
有利には、化合物(B)の1分子あたりのエチレン性の基、及び化合物(A)の1分子あたりのケイ素原子に結合した水素原子の合計数は、少なくとも4である。
【0100】
化合物(A)のケイ素原子に結合した水素原子の合計数と化合物(B)の全てのエチレン性不飽和基の合計数の間の分子比が、1/1から20/1の範囲にあるような量で、化合物(A)が添加されることが有利である。
【0101】
化合物(C)は、架橋反応触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金黒、又は支持体上の白金である。
【0102】
触媒(C)は、好ましくは、化合物(A)及び(B)の合計量の1000重量部あたりに、純粋な白金金属として0.1から1000重量部、良好には1から100重量部で添加される。
【0103】
本発明に係るポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、一般的には、ゲルを形成するように、少なくとも1つの炭化水素系油及び/又は1つのシリコーン油と混合する。これらのゲルでは、ポリグリセロール化エラストマーが、非球状粒子の形態にある場合が多い。
【0104】
その様なエラストマーは、特許出願WO 2004/024798に特に開示されている。
【0105】
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーとして、Shin−Etsu社によってKSG−710、KDG−810、KSG−820、KSG−830、及びKSG−840の名称で販売されているものが挙げられてよい。
【0106】
乳化シリコーンエラストマーは、組成物の全重量に対して0.1から20重量%の範囲、特に0.2から10重量%の範囲、好ましくは0.5から5重量%の範囲の含有量で本発明に係る組成物に存在する。
【0107】
乳化エラストマーに加えて、本発明に係る組成物は、非乳化エラストマーを含んでよい。
【0108】
追加の非乳化エラストマー
用語「非乳化」シリコーンエラストマーは、親水性鎖、例えば、ポリオキシアルキレン又はポリグリセロール鎖を含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーである。
【0109】
非乳化シリコーンエラストマーは、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの、特に白金触媒の存在下における、架橋付加反応;又はヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンとケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの間の、特に有機スズの存在下における、脱水素架橋縮合反応;又はヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと加水分解可能なオルガノポリシランとの架橋縮合反応;又は特に有機過酸化物触媒の存在下におけるオルガノポリシロキサンの熱架橋;又はガンマ線、紫外線、又は電子線などの高エネルギー放射線によるオルガノポリシロキサンの架橋によって得ることができるエラストマーの架橋オルガノポリシロキサンである。
【0110】
好ましくは、エラストマー架橋オルガノポリシロキサンは、例えば特許出願EP−A−295886に開示されているような、(A2)ケイ素に各々結合した少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと(B2)ケイ素に結合した少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの、特に(C2)白金触媒の存在下における、架橋付加反応によって得られる。
【0111】
特に、オルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンとトリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの、白金触媒の存在下における反応によって得ることができる。
【0112】
化合物(A2)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のための基礎となる反応物であり、化合物(A2)を化合物(B2)と触媒(C2)の存在下で付加反応させることによって架橋が実施される。
【0113】
化合物(A2)は、有利には、少なくとも2つの低級(例えば、C−C)アルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンであり;低級アルケニル基は、ビニル、アリル、及びプロペニル基から選択されてよい。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置に配置されてよいが、好ましくは、オルガノポリシロキサン分子の末端に配置される。オルガノポリシロキサン(A2)は、分枝鎖、直鎖、環状、又は網目状の構造を有してよいが、直鎖の構造が好ましい。化合物(A2)は、液体状態からガム状態の範囲の粘度を有してよい。好ましくは、化合物(A2)は、25℃で少なくとも100センチストロークの粘度を有する。
【0114】
オルガノポリシロキサン(A2)は、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンのコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンのコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンのコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンのコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンのコポリマーから選択されてよい。
【0115】
化合物(B2)は、特に、各分子のケイ素に結合した少なくとも2つの水素を含有するオルガノポリシロキサンであり、かくして化合物(A2)のための架橋剤である。
【0116】
有利には、化合物(A2)の1分子あたりのエチレン性の基の数と化合物(B2)の1分子あたりのケイ素に結合した水素原子の数の合計が少なくとも4である。
【0117】
化合物(B2)は、任意の分子構造、特に直鎖若しくは分枝鎖の構造又は環状の構造にあってよい。
【0118】
化合物(B2)は、特に化合物(A)と良好な相溶性を有するように、1から50000センチストロークの範囲の25℃における粘度を有してよい。
【0119】
化合物(B2)のケイ素に結合した水素原子の合計量と化合物(A2)のエチレン性不飽和基の合計数の間の分子比が1/1から20/1の範囲にあるような量で化合物(B2)が添加されることが好ましい。
【0120】
化合物(B2)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサンのコポリマー、及びジメチルシロキサン−メチルヒドロゲノシロキサン環状コポリマーから選択されてよい。
【0121】
化合物(C2)は、架橋反応触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金黒、又は支持体上の白金である。
【0122】
触媒(C2)は、好ましくは、化合物(A2)と化合物(B2)との合計量の1000重量部あたり、純粋な白金金属として0.1から1000重量部、良好には1から100重量部で添加される。
【0123】
他の有機基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はオクチルなどのアルキル基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、又は3,3,3−トリフルオロプロピルなどの置換されたアルキル基;フェニル、トリル、又はキシリルなどのアリール基;フェニルエチルなどの置換されたアリール基;及びエポキシ基、カルボキシレートエステル基、又はメルカプト基などの置換された一価炭化水素系の基が、上述のオルガノポリシロキサン(A2)及び(B2)のケイ素に結合してよい。
【0124】
本発明に係る非乳化シリコーンエラストマーは、ゲルを形成するように、少なくとも1つの炭化水素系油及び/又は1つのシリコーン油と混合することができる。これらのゲルでは、非乳化エラストマーは、非球状粒子の形態にある。
【0125】
使用してよい非乳化エラストマーは、Shin−Etsu社によってKSG−6、KSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、USG−105、及びUSG−106の名称で市販されているもの、Dow Corning社によってDC9040、DC9041、DC9509、DC9505、DC9506、DC5930、DC9350、DC9045、及びDC9043の名称で市販されているもの、Grant Insudtries社によってGransilの名称で市販されているもの、並びにGeneral Electric社によってSFE 839の名称で市販されているものを含む。
【0126】
1つの特定の実施態様によれば、Shin−Etsu社によってKSG−16の名称で販売されている非乳化エラストマーが使用される。
【0127】
非乳化エラストマーは、組成物の全重量に対して0.1から20重量%の範囲、好ましくは0.2から10重量%の範囲、好適には0.5から5重量%の範囲の含有量で存在してよい。
【0128】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、前記組成物は、少なくとも1つのポリオキシルキレン化シリコーンエラストマーを含む。
【0129】
1つの実施態様によれば、前記組成物は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー及び少なくとも1つの非乳化シリコーンエラストマーを含む。
【0130】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、前記組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも10重量%の粉末材料も含む。
【0131】
粉末材料
用語「粉末材料」は、以下に定義するような、染料及び/又はフィラーのタイプの任意の粒子を意味することを意図する。
【0132】
特に、前記組成物は、顔料、真珠光沢剤、及びフィラー、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの粉末材料、特に顔料を含む。
【0133】
前記粉末材料は、前記組成物の全重量に対して10から50重量%、特に15から40重量%、及び特に20から30重量%の含有量で組成物中に存在する。
【0134】
前記粉末材料は、均質かつ安定な状態で分散される。
【0135】
1つの実施態様によれば、本発明の組成物は、少なくとも1つのフィラーを含む。
【0136】
フィラー
本発明に係る組成物は、有機又は無機の性質の少なくとも1つのフィラーを含んでもよい。
【0137】
用語「フィラー」は、組成物の媒体中に不溶性であり、分散されている状態である任意の形態の無色又は白色固体粒子を意味すると解されるべきである。それらは、無機又は有機の性質があり、柔らかさ及びマットさを組成物に与え、メークアップの仕上がりを均一なものとすることを可能にする。
【0138】
前記フィラーは、エマルジョンの全重量に対して、0.5から20重量%、好ましくは2から10重量%の範囲の含有量でエマルジョン中に存在してよい。
【0139】
本発明に係る組成物で使用するフィラーは、薄板状、球形状又は球状の形態、繊維状、又はこれらの形態の間の任意の他の中間の形態にあってよい。
【0140】
本発明に係るフィラーは、表面被覆されているか又は被覆されていなくてよく、特に、それらは、シリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体、又は組成物中のフィラーの分散及び相溶性を向上する任意の他の物質で表面処理されてよい。
【0141】
本発明に係る組成物で使用できる無機フィラーとして、タルク、マイカ、シリカ、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、中空シリカマイクロスフェア(Maprecos社製のシリカビーズ)、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、シリカ系フィラー、例えば、Aerosil 200又はAerosil 300;Asahi Glass社製のSunsphere H−33及びSunsphere H−51;Asahi Chemical社製のChemicelen;シリカと二酸化チタンの複合材料、例えば、Nippon Sheet Glass社製のTSGシリーズ、及びそれらの混合物が挙げられてよい。
【0142】
本発明に係る組成物で使用することができる有機フィラーとして、ポリアミド粉末(Atochem社製のNylon(登録商標) Orgasol)、ポリ−β−アラニン、及びポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、デンプン、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、中空ポリマーマイクロスフェア、例えば、Expancel(Nobel Industrie社製)、8から22の炭素原子、好ましくは12から18の炭素原子を含有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、Polypore(登録商標)L 200(Chemdal Corporation)、シリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば、Toshiba社製のTospearl(登録商標))、ポリウレタン粉末、特に、トリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマーを含む架橋ポリウレタンの粉末、例えば、Toshiki社によってPlastic Powder D−400(登録商標)又はPlastic Powder D−800(登録商標)の名称で販売されているヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトン粉末、カルナウバマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroCare 350(登録商標)の名称で販売されている製品、合成ワックスのマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroEase 114S(登録商標)の名称で販売されている製品、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物からなるマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroCare 300(登録商標)及び310(登録商標)の名称で市販されているもの、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物からなるマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroCare 325(登録商標)の名称で販売されている製品、Micro Powders社によってMicropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)、250S(登録商標)という名称で販売されているもの;合成又は天然の、無機又は有機起源の繊維が挙げられてよい。それらは、短いか又は長く、個別又は組織化され、例えば、より合わせられており、中空であるか又は固体のものであってよい。それらは、任意の形状を有し、企図される特定の用途にしたがって、特に断面が円形又は多角形(四角形、六角形、又は八角形)であってよい。特に、それらの末端を鈍くし及び/又は磨いて、怪我をするのを防止する。繊維は、1μmから10mm、好ましくは0.1mmから5mm、良好には0.3mmから3mmの範囲の長さを有する。それらの断面は、2nmから500μmの範囲、好ましくは100nmから100μmの範囲、良好には1μmから50μmの直径を有する円の中に含まれてよい。本発明に係る組成物で使用することができる繊維として、軟質繊維、例えば、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維又は硬質繊維、例えば、ポリイミド−アミド繊維、例えば、Rhodia社によってKermel(登録商標)及びKermel Tech(登録商標)の名称で市販されているもの、又はDu Pont de Nemours社によってKevlar(登録商標)の名称で市販されているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(又はアラミド)繊維;並びにそれらの混合物が挙げられてよい。
【0143】
1つの実施態様によれば、本発明に係る組成物は、少なくとも1つの粉末染料、特に少なくとも1つの顔料を含む。
【0144】
粉末染料
前記粉末染料は、化粧品組成物の全重量に対して3から30重量%、特に8から20重量%、特に10から15重量%の割合で存在してよい。
【0145】
前記粉末染料は、特に、有機又は無機の粉末染料、特に顔料又は真珠光沢剤タイプのもの、特定の光学的効果を有する材料、及びそれらの混合物から選択される。
【0146】
1つの実施態様によれば、前記粉末染料は、疎水性の化学物質で表面処理される。疎水性処理剤は、シリコーン、例えば、メチコン、ジメチコン、又はペルフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えば、ステアリン酸;金属石鹸、例えば、ジミリスチン酸アルミニウム、水添タロウグルタミン酸のアルミニウム塩、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロアルキルペルフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサン、及びアミノ酸;N−アシルアミノ酸又はその塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、並びにそれらの混合物から選択されてよい。
【0147】
顔料
用語「顔料」は、水溶液に不溶性であり、かつ、得られる皮膜を着色及び/又は不透明化することを意図する、白色又は着色された無機又は有機粒子を意味すると解されるべきである。
【0148】
本発明で使用することができる無機顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、又は酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー(ferric blue)、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、及びクロム水和物が挙げられてよい。
【0149】
酸化鉄又は二酸化チタン顔料を使用することが好ましい。
【0150】
前記顔料は、例えば絹雲母/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプであってよい構造を有する顔料であってよい。その様な顔料は、例えば、Chemicals and Catalysts社によってCoverleaf NS又はJSという名称で販売されており、30付近のコントラスト比を有する。
【0151】
前記染料は、例えば酸化鉄を含有するシリカマイクロスフェアなどのタイプであってよい構造を有する顔料も含んでよい。この構造を有する顔料の例は、PC Ball PC−LL−100 Pという名称でMiyoshi社によって販売されている製品であり、この顔料は鉄黄を含有するシリカマイクロスフェアからなる。
【0152】
本発明で使用することができる有機顔料として、カーボンブラック、D & C顔料、コチニールカルミンに基づくレーキ、バリウムに基づくレーキ、ストロンチウムに基づくレーキ、カルシウムに基づくレーキ、若しくはアルミニウムに基づくレーキ、又はEP−A−542669、EP−A−787730、EP−A−787731、及びWO−A−96/08537に開示されているジケトピロールピロール類(DPP)が挙げられてよい。
【0153】
使用することができる他の顔料は、出願EP 1 545 437に開示されているような複合顔料を含む。これらの複合顔料は、有機顔料で少なくとも部分的に被覆された無機コア及び前記有機顔料とコアとを結合させる少なくとも1つのバインダーを含む粒子から特に構成されてよい。
【0154】
前記無機コアは、金属塩及び金属酸化物、特に酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、フェリックブルー酸化物、酸化アルミニウム、及び酸化クロム、アルミナ、ガラス、セラミック、グラファイト、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート、及びボロシリケート、合成マイカ、並びにそれらの混合物を含む非限定的なリストから選択される材料で作製されてよい。1つの特定の実施態様によれば、前記無機コアは酸化チタンである。
【0155】
無機染料は、例えば、下記の化合物及びそれらの混合物から選択することができる有機顔料を含んでよい:
− コチニールカルミン、
− アゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、若しくはフルオラン染料の有機顔料、不溶性有機ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、若しくはチタン塩、又はアゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、若しくはフルオラン染料などの酸染料の有機レーキ(これらの染料は、少なくとも1つのカルボン酸又はスルホン酸基を含むことができる)。
【0156】
1つの特定の実施態様によれば、D&C赤色7号有機顔料を使用する。
【0157】
他の実施態様によれば、D&C 赤色28号有機顔料を使用する。
【0158】
本発明によって使用することができる複合顔料の例として、単独又は混合物として、
− 二酸化チタン(CI77891)、FD&C 青色アルミニウムレーキ(CI42090)、及びポリメチル水素シロキサン(58.1/40.7/1.2)、
− 二酸化チタン(CI77891)、D&C赤色7号(CI15850)、及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)、
− 二酸化チタン(CI77891)、D&C 赤色28号(CI45410)、及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)、
− 二酸化チタン(CI77891)、FD&C 黄色5号アルミニウムレーキ(CI191140)、及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)、
が特に挙げられてよい。
【0159】
有利には、前記顔料は、本発明に係るエマルジョン中で疎水性コーティングされた形態で存在することができる。それらは、とりわけ、エマルジョンの脂肪相との相溶性を与えるため、特に脂肪相の油での良好な濡れ易さを有するようにするために疎水性物質で表面処理されている顔料である。かくして、処理された顔料は、脂肪相に良好に分散する。
【0160】
前記疎水性処理剤は、シリコーン、例えば、メチコン、ジメチコン、又はペルフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えば、ステアリン酸;金属石鹸、例えば、アルミニウムジミリステート、又は水添タロウグルタメートのアルミニウム塩、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロアルキルペルフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサン、アミノ酸;N−アシルアミノ酸又はそれらの塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0161】
前記N−アシルアミノ酸は、8から22の炭素原子を含有するアシル基、例えば、2−エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はココイル基を含むことができる。これらの化合物の塩は、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、ナトリウム、又はカリウム塩であってよい。前記アミノ酸は、例えば、リジン、グルタミン酸、又はアラニンであってよい。
【0162】
上記化合物に記載した用語「アルキル」は、特に、1から30の炭素原子、好ましくは5から16の炭素原子を含有するアルキル基である。
【0163】
疎水性処理した顔料は、特に、出願EP−A−1086683に開示されている。
【0164】
真珠光沢剤
用語「真珠光沢剤」は、光学干渉によって色の効果を示す、特にある貝の貝殻で又は合成することによって生産される、虹色であるか又はそうでなくてもよい、任意の形状の着色された粒子を意味すると解されるべきである。
【0165】
前記真珠光沢剤は、真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄で被覆されたマイカチタン、ビスマスオキシクロリドで被覆されたマイカチタン、酸化クロムで被覆されたマイカチタン、有機染料で被覆されたマイカチタン、及びビスマスオキシクロリドに基づく真珠光沢顔料から選択することができる。それらは、少なくとも2つの連続した酸化金属及び/又は有機染料の層が表面に重ねられたマイカ粒子であってもよい。
【0166】
真珠光沢剤の例として、酸化チタン、酸化鉄、天然の顔料、又はビスマスオキシクロリドで被覆された天然のマイカから作製されてもよい。
【0167】
光学的効果を有する材料
本発明に係る化粧品組成物は、特定の光学的効果を有する少なくとも1つの材料も含有してよい。
【0168】
この効果は、単純な従来の着色効果、すなわち、従来の染料、例えば、単色顔料によって生じるような統一された安定な効果とは異なる。本発明では、用語「安定」は、観察角度又は温度変化に応じて色が変化する効果を欠いていることを意味する。
【0169】
例えば、この材料は、金属の輝きを有する粒子、ゴニオクロマティック(goniochromatic)着色剤、回折顔料、サーモクロミック剤、光学的光沢剤、及び繊維、特に干渉繊維から選択することができる。言うまでもないが、これらの各種の材料は、2つの効果又は本発明に係る新規効果すら同時に示すように組み合わせることができる。
【0170】
本発明で使用することができる金属の輝きを有する粒子は、特に、
− 少なくとも1つの金属及び/又は少なくとも1つの金属誘導体の粒子、
− 少なくとも1つの金属及び/又は少なくとも1つの金属誘導体を含む金属の輝きを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆されている、1つの材料又は多数の材料から作製される、有機又は無機基質を含む粒子、及び
− 前記粒子の混合物
から選択される。
【0171】
前記粒子に存在してよい金属として、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、Se、及びそれらの混合物又は合金が挙げられてよい。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo、Cr、及びそれらの混合物又は合金(例えば、青銅及び真鍮)が好ましい金属である。
【0172】
用語「金属誘導体」は、金属に由来する化合物、特に、酸化物、フッ化物、塩化物、及び硫化物である。
【0173】
ゴニオクロマティック着色剤は、例えば、干渉多層構造及び液晶着色剤から選択することができる。
【0174】
ガレヌス製剤
上述の化合物に加えて、本発明に係る油中水型エマルジョンは、液体脂肪相に分散する水相を含み、かつ、少なくとも1つの生理学的に許容される媒体を含む。
【0175】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、本発明の組成物では、液体脂肪相に対する水相の比率が、1を超える、好ましくは1.5を超える、好ましくは2を超える。
【0176】
用語「生理学的に許容される媒体」は、ケラチン物質、特に皮膚及び唇に対して本発明に係る組成物を適用するのに特に適切な媒体であることを意図する。
【0177】
前記生理学的に許容される媒体は、組成物が適用される基質の性質及び組成物を詰める方法に一般的に適合する。
【0178】
水相
本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して好ましくは10から80重量%、好ましくは30から70重量%、より好ましくは40から60重量%の範囲の含有量で、少なくとも1つの水相を含む。
【0179】
前記水相は、水及び/又は少なくとも1つの水溶性溶媒を含む。
【0180】
前記水は、コーンフラワーウォーターなどのフローラルウォーター、及び/又はVittelウォーター、Lucasウォーター、若しくはLa Roche Posayウォーターなどのミネラルウォーター、及び/又は湧き水であってよい。
【0181】
用語「水溶性溶媒」は、本発明では、環境温度で液体であり、かつ、水に混和性である(25℃、大気圧で50重量%超の水混和性)化合物である。
【0182】
本発明に適切な水溶性溶媒は、C1−8、特にC1−5のモノアルコール、特に、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、又はn−ブタノール、過去に開示されているポリオール類、並びにそれらの混合物から選択されてよい。また、本発明に最も適切なものは、エタノール及びイソプロパノール、好ましくはエタノールである。
【0183】
本発明の組成物は、少なくとも1つの塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムも含んでよい。
【0184】
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して0.05から1.5重量%、特に0.1から10重量%、とりわけ0.15から0.8重量%の塩を含んでよい。
【0185】
水相は、水相に相溶性である任意の水溶性又は水分散性の化合物、例えば、ゲル化剤、皮膜形成ポリマー、増粘剤、界面活性剤、及びそれらの混合物も含んでよい。
【0186】
液体脂肪相
本発明に係る化粧品組成物は、上述の少なくとも1又は複数の揮発性直鎖アルカン及び場合によって少なくとも1つの追加の油を含む、少なくとも1つの液体脂肪相を含む。
【0187】
本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して10から80重量%、特に15から60重量%、とりわけ15から40重量%の範囲の含有量で液体脂肪相を含んでよい。
【0188】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、本発明の組成物では、液体脂肪相に対する水相の比率が、1を超える、好ましくは1.5を超える、好ましくは2を超えるであろう。
【0189】
本発明に係る組成物は、炭化水素系、シリコーン、又はフルオロタイプの揮発性及び不揮発性油から選択される少なくとも1つの追加の油を含んでよい。前記油は、動物、植物、鉱物、又は合成起源のものであってよい。
【0190】
用語「油」は、環境温度(20から25℃)及び大気圧で液状である任意の脂肪物質を意味することを意図する。
【0191】
用語「揮発性油」は、環境温度及び大気圧において1時間未満で皮膚と接触して蒸発することができる油(又は非水性媒体)を意味することを意図する。前記揮発性油は、環境温度で液体であり、特に環境温度及び大気圧で0ではない蒸気圧を有し、特に、0.13から40000Pa(10−3から300mmHg)の範囲、好ましくは1.3から13000Pa(0.01から100mmHg)、好適には1.3から1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する、揮発性化粧油である。
【0192】
加えて、揮発性油は、一般的に、150から260℃の範囲、好ましくは170から250℃の範囲の大気圧条件下で測定される沸点を有する。
【0193】
有利には、前記脂肪相は、組成物の全重量に対して5から40重量%、好ましくは7から30重量%、好適には10から20重量%の揮発性油を含む。
【0194】
用語「炭化水素系油」は、炭素及び水素原子並びに場合によって酸素及び窒素原子から本質的に形成されるか又はそれらからなり、ケイ素及びフッ素原子を含有しない油を意味し、エステル、エーテル、アミン、及びアミド基を含有することはできる。
【0195】
用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、及び特にSi−O基を含有する油を意味することを意図する。
【0196】
用語「フッ素油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する油を意味することを意図する。
【0197】
追加の揮発性油
本発明で使用することができる揮発性炭化水素系油は、40から102℃の範囲、好ましくは40から55℃の範囲、好適には40から50℃の範囲の引火点を有する炭化水素系油から選択することができる。
【0198】
前記揮発性炭化水素系油として、8から16の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系油及びその混合物、特に分枝鎖C−C16アルカン、例えばC−C16イソアルカン(イソパラフィン類としても知られている)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、及びIsopar又はPermethylの商品名で販売されている油、分枝鎖C−C16エステル、例えば、イソヘキシルネオペンタノエート、並びにそれらの混合物が挙げられてよい。好ましくは、揮発性炭化水素系油は、8から16の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系油及びそれらの混合物、特にイソドデカン、イソデカン、及びイソヘキサデカン、特にイソドデカンから選択される。
【0199】
本発明で使用することができる揮発性シリコーン油は、40から102℃の範囲の引火点、好ましくは55℃を超えて95℃以下の引火点、好適には65から95℃の範囲の引火点を有するシリコーン油から選択することができる。
【0200】
揮発性シリコーン油として、2から7のケイ素原子を有する直鎖又は環状のシリコーン油が挙げられてよく、これらのシリコーンは場合によって1から10の炭素原子を含有するアルキル又はアルコキシ基を含む。揮発性シリコーン油の例として、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物が特に挙げられてよい。
【0201】
揮発性フッ素油として、ノナフルオロエトキシブタン、ノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ドデカフルオロペンタン、及びそれらの混合物が挙げられてよい。
【0202】
追加の揮発性油は、エマルジョンの全重量に対して5から30重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して8から20重量%、好適には10から15重量%の範囲の含有量で存在してよい。本発明に係るエマルジョンの脂肪相は、少なくとも1つの不揮発性油を含んでもよい。
【0203】
不揮発性油
不揮発性油又はそれらの混合物は、エマルジョンの全重量に対して1から30重量%の範囲、好ましくは2から20重量%の範囲の含有量で存在してよい。
【0204】
不揮発性油は、予期する用途と適合するかぎりにおいて、鉱物、動物、植物、又は合成起源の炭素系、炭化水素系、及び/又はシリコーン油並びにそれらの混合物から選択されてよい。
【0205】
液体パラフィン又は液体ワセリンなどの不揮発性炭化水素系油、イソエイコサン、大豆油、ペルヒドロスクアレン、甘扁桃油、カロフィラム油、ヤシ油、ブドウ種子油、ゴマ油、コーン油、アララ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実湯、アプリコット油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、又は穀物胚芽油(cereal germ oil);ラノリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸のエステル;脂肪エステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−ヘキシルデシルラウレート、2−オクチルデシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート又はラクテート、ジ(2−エチルヘキシル)スクシネート、ジイソステアリルマレート、グリセリルトリイソステアレート、又はジグリセリルトリイソステアレート;高度脂肪酸、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、又はイソステアリン酸;高級脂肪アルコール、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、又はオレイルアルコール、リノレイル若しくはリノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、又はオクチルドデカノールが挙げられてよい。
【0206】
不揮発性シリコーン油として、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、場合によってフェニル化されているもの、例えば、フェニルトリメチコン、又は場合によって脂肪族及び/若しくは芳香族の基又は官能基、例えば、ヒドロキシル、チオール、及び/若しくはアミン基で置換されているもの;脂肪酸、脂肪アルコール、又はポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、及びそれらの混合物が挙げられてよい。
【0207】
1つの特定の実施態様によれば、イソノニルイソノナノエートが使用されるであろう。
【0208】
追加の界面活性剤
本発明に係る組成物は、乳化シリコーンエラストマー、及び場合によって単独又は混合物として使用されるW/Oエマルジョンに適切な1又は複数の追加の界面活性剤、特に両性、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤を含む。
【0209】
前記界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.5から15重量%の範囲、特に1.0から5重量%であってよい含有量で組成物中に一般的に存在する。
【0210】
例えば、シリコーン界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.5から10重量%の範囲、特に1から5重量%の範囲の含有量で存在してよい。
【0211】
他の特定の実施態様によれば、非シリコーン界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.1から10重量%の範囲、特に0.5から8重量%の範囲の含有量で存在してよい。
【0212】
W/Oエマルジョンに関しては、炭化水素系又はシリコーン界面活性剤が特に使用される。
【0213】
炭化水素系界面活性剤として、例えば、ポリオールのポリエステル、例えば、PEG−30、ジポリヒドロキシステアレート、Uniqema社によってArlacel P 135の名称で販売されているもの、及びCognis社によってDehymuls PGPHという名称で販売されているポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレートが挙げられてよい。
【0214】
シリコーン界面活性剤として、例えば、アルキルジメチコンコポリオール、例えば、「Dow Corning 5200 Formulation Aid」という名称でDow Corning社によって販売されているラウリルメチコンコポリオール、及びAbil EM 90という名称でGoldschmidt社によって販売されているセチルジメチコンコポリオール、又はAbil WE 09という名称でGoldschmidt社によって販売されているポリグリセリル−4イソステアレート/セチルジメチコンコポリオール/ヘキシルラウレート混合物が挙げられてよい。
【0215】
1又は複数の共乳化剤が添加されてもよい。有利には、前記共乳化剤は、ポリオールアルキルエステルを含む群から選択されてよい。ポリオールアルキルエステルとして、グリセロール及び/又はソルビタンのエステル、例えば、Lameform TGIという名称でCognis社によって販売されているポリグリセリル−3ジイソステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、例えば、Isolan GI 34という名称でGoldschmidt社によって市販されている製品、ソルビタンイソステアレート、例えば、Arlacel 987という名称でICI社によって販売されている製品、グリセロールソルビタンイソステアレート、例えば、Arlacel 986という名称でICI社によって販売されている製品、及びそれらの混合物が特に挙げられてよい。
【0216】
1つの好ましい実施態様によれば、本発明に係るエマルジョン、特に、シリコーン油相を含むW/Oエマルジョンは、ジメチコンコポリオールからとりわけ選択される少なくとも1つのシリコーン界面活性剤を含む。
【0217】
ジメチコンコポリオールの存在は、本発明に係るエマルジョンの安定化を特に向上させる。
【0218】
本発明によって使用することができるジメチコンコポリオールは、オキシプロピレン化及び/又はオキシエチレン化ポリジメチルメチルシロキサンである。
【0219】
ジメチコンコポリオールとして、下式(II):
【化1】

[式中、
− R、R、及びRは、互いに独立に、C−Cアルキル基又は−(CH−(OCHCH−(OCHCHCH−OR基、少なくとも1つのR、R、又はR基はアルキル基ではなく、Rは、水素、C−Cアルキル基、又はC−Cアシル基であり;
− Aは0から200の整数であり;
− Bは0から50の整数であるが、AとBとは同時に0にはならず;
− xは1から6の範囲の整数であり;
− yは1から30の範囲の整数であり;及び
− zは0から5の範囲の整数である]
に相当するものが使用されてよい。
【0220】
本発明の好ましい実施態様によれば、式(II)の化合物では、R=R=メチル基であり、xは2から6の範囲の整数であり、yは4から30の範囲の整数である。Rは特に水素である。
【0221】
式(II)の化合物の例として、化合物(III):
【化2】

[式中、Aは20から105の範囲の整数であり、Bは2から10の範囲の整数であり、yは10から20の範囲の整数である]
の化合物が挙げられてよい。
【0222】
式(II)のシリコーン化合物の例として、式(IV):
HO−(OCHCH−(CH−[(CHSiO]A’−(CH−(OCHCH−OH (IV)
[式中、A’及びyは10から20の範囲の整数である]
の化合物が挙げられてよい。
【0223】
使用してもよいジメチコンコポリオールは、DC 5329、DC 7439−146、DC 2−5695、及びQ4−3667という名称でDow Corning社によって市販されているもの;KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、及びKF−6028という名称でShin−Etsu社によって市販されているものを含む。
【0224】
化合物DC 5329、DC 7439−146、及びDC 2−5695は、Aが22、Bが2、及びyが12であるか;Aが103、Bが10、及びyが12であるか;又はAが27、Bが3、及びyが12である式(III)の化合物である。
【0225】
1つの特定の実施態様によれば、シリコーン界面活性剤は、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、特にShin−Etsu社によってKF−6028という名称で販売されているもの、PEG−10ジメチコン、特にShin−Etsu社によってKF−6017という名称で販売されているもの、及びそれらの混合物であってよい。
【0226】
ジメチコンコポリオールは、エマルジョンの全重量に対して0.5から6重量%の範囲、好ましくは1.0から3重量%の範囲の含有量で本発明に係る組成物に存在してよい。
【0227】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、前記組成物は、乳化シリコーンエラストマーに加えて、少なくとも1つのシリコーン界面活性剤及び少なくとも1つの炭化水素系界面活性剤を含む。
【0228】
好ましくは、前記シリコーン界面活性剤はジメチコンコポリオールから選択され、前記炭化水素系界面活性剤はポリオールアルキルエステルから選択される。
【0229】
化粧品補助剤
本発明に係る組成物は、化粧品及び皮膚科の領域において慣例の1又は複数の補助剤、例えば、保湿剤;皮膚軟化剤;親水性又は親油性活性剤;フリーラジカル捕捉剤;金属イオン封鎖剤;抗酸化剤;保存剤;塩基性化又は酸性化剤;芳香剤;親水性ゲル化剤;被膜形成剤、特に、皮膜形成ポリマー(持続した目的の組成物のため)、有機又は生理学的なサンスクリーン剤;水溶性又は脂溶性染料;及びそれらの混合物も含有してよい。これらの各種の補助剤の量は、ファンデーションで従来使用されているものである。
【0230】
かくして、本発明に係る組成物は、組成物の耐久性を強化するために水相及び/又は油相に少なくとも1つの皮膜形成剤を含んでもよい。
【0231】
言うまでもなく、当業者は、本発明に係る組成物に本質的に付随する有利な特性が企図する添加によって悪影響を受けない又は実質的に受けないように、本発明に係る組成物に添加される任意の補助剤を選択するように注意するであろう。
【0232】
これらの補助剤は、一般的に、組成物の全重量に対して0.01から20重量%、好ましくは0.1から10重量%の範囲の含有量で組成物中に存在する。
【0233】
1つの特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、ゲル化剤及び/又は構造化剤(structuring agent)を含まない。
【0234】
本発明の範囲を制限することを暗示せずに、説明のために以下に提示する実施例で本発明を説明する。
【0235】
そうではないと示さない限りにおいて、以下の実施例の値は、組成物の全重量に対する重量%として表わす。
【実施例】
【0236】
(実施例1)
本発明に係るファンデーションの実施例及び比較例
【表1】

【0237】
相A1は、ジメチコンにシリコーンエラストマーを希釈することによって得られる。次いで、顔料を相A2の油中で磨り潰し、相A1に添加する。水相Bの成分を混合し、次いで、エマルジョンを形成するように相Bを相Aに注ぎ入れる。
【0238】
2つの製剤は、50.5/22.8の水相対液体脂肪相の比を有する。
【0239】
本発明に係る製剤は非常に流動性であるが、比較例は非常に粘度が高い。
【0240】
本発明に係るファンデーションは、比較例よりも良好に滑り、容易に適用することが可能であり、長期間にわたって作業することが可能である。
【0241】
(実施例2)
ファンデーションの実施例
【表2】

【0242】
相A1は、ジメチコンにエラストマーを希釈することによって得られる。次いで、顔料を相A2の油中で磨り潰し、相A1に添加する。水相Bの成分を混合し、次いで、エマルジョンを形成するように相Bを相Aに注ぎ入れる。
【0243】
この製剤の水相対液体脂肪相の比は、46.5/21.5である。
【0244】
得られるファンデーションは流動性かつ安定であり、良好なマット効果、非常に柔らかい感じ、及び良好な耐久性を有する。
【0245】
(実施例3)
ファンデーションの実施例
【表3】

【0246】
相A1は、ジメチコンにエラストマーを希釈することによって得られる。次いで、顔料を相A2の油中で磨り潰し、相A1に添加する。水相Bの成分を混合し、次いで、エマルジョンを形成するように、相Bを相Aに注ぎ入れる。
【0247】
得られるファンデーションは流動性かつ安定であり、光沢があり明るい仕上がり、非常に柔らかい感じ、及び良好な耐久性を有する。
【0248】
この製剤の水相対液体脂肪相の比は、56/22.8である。
【0249】
(実施例4)
ファンデーションの実施例
【表4】

【0250】
組成物は実施例3に示したように調製される。
【0251】
前記ファンデーションは、流動性かつ安定であり、非常に柔らかい感じ及び良好な耐久性を有する。
【0252】
この製剤の水相対液体脂肪相の比は、56/22.8である。
【0253】
(実施例5)
本発明に係るファンデーションの実施例及び比較例
【表5】

【0254】
相A1は、本発明では、ジメチコンにシリコーンエラストマーを希釈することによって得られる。次いで、顔料を相A2の油中で磨り潰し、相A1に添加する。水相Bの成分を混合し、次いで、エマルジョンを形成するように相Bを相Aに注ぎ入れる。
【0255】
安定性試験
巨視的及び微視的な組成物の外観(エマルジョンの質)を組成物を調製した24時間後及び2ヶ月保存した後に評価する。
【0256】
本発明に係る組成物は、流動性かつ非常に安定であり、均一なメークアップの仕上がりを与える。比較例は非常に流動性であり、エマルジョンは非常に乏しい安定性を有し、顕著な油の放出が数日後に現れる。
【0257】
これらの結果によって、本発明による乳化シリコーンエラストマー(例えば、KSG210)の油中水型エマルジョン中における特にC7−C14揮発性直鎖アルカンと組み合わせた使用が、同等の活性物質の量で同じ構造における、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(例えば、Abil EM 90)などの非エラストマーシリコーン乳化剤の使用と比較して、流動性かつ非常に安定な組成物を得ることを可能にすることが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1又は複数の、特にC−C14である、揮発性直鎖アルカン、及び
(ii)少なくとも1つの乳化シリコーンエラストマー
を生理学的に許容される媒体中に含む、油中水型エマルジョンの形態にある、ケラチン物質、特に皮膚をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物。
【請求項2】
組成物の全重量に対して少なくとも10重量%の粉末材料も含むことを特徴とする、請求項1に記載のケラチン物質をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物。
【請求項3】
液体脂肪相に対する水相の比率が1を超える、好ましくは1.5を超える、好ましくは2を超えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のケラチン物質をケア及び/又はメークアップするための化粧品組成物。
【請求項4】
前記揮発性直鎖アルカンが、7から14の炭素原子、特に9から14の炭素原子、とりわけ11から14の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記揮発性直鎖アルカンが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、及びn−テトラデカン、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記揮発性直鎖アルカンがドデカンであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1の炭素数nによって互いに異なり、特に1又は2の炭素数によって互いに異なる、少なくとも2つの異なる揮発性直鎖アルカンを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
混合物中のアルカンの全重量に対して、
− 50から90重量%、好ましくは55から80重量%、より好ましくは60から75重量%のC揮発性直鎖アルカン[nは7から14の範囲にある]、
− 10から50重量%、好ましくは20から45重量%、好ましくは24から40重量%のCn+x揮発性直鎖アルカン[xは1以上、好ましくはx=1又はx=2であり、n+xは8から14の間にある]、
を含む、少なくとも2つの揮発性直鎖アルカンの混合物を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
混合物中のアルカンの全重量に対して、
− 55から80重量%、好ましくは60から75重量%のC11揮発性直鎖アルカン(n−ウンデカン)、
− 20から45重量%、好ましくは24から40重量%のC13揮発性直鎖アルカン(n−トリデカン)
を含む、n−ウンデカン:n−トリデカン(C11/C13)混合物を含むことを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物の全重量に対して、1から30重量%、好ましくは2から15重量%、好ましくは3から10重量%の揮発性直鎖アルカンを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記乳化シリコーンエラストマーが、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー及びポリグリセロール化シリコーンエラストマー並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
非乳化シリコーンエラストマーも含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記粉末材料が、フィラー、顔料、及び真珠光沢剤、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
シリコーン界面活性剤及びポリグリセロール化界面活性剤並びにそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの界面活性剤も含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ファンデーションであることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質、特に皮膚のメークアップ及び/又はケアのための美容方法。

【公開番号】特開2011−126883(P2011−126883A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−281917(P2010−281917)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】