説明

乳化化粧水

【課題】シリコーン油を多く含み且つ官能的に優れた化粧水を得ること
【解決手段】
(A)シリコン油と炭素数14〜22の高級アルコールを含み且つ以下の条件を満たす油相が5〜20%
・油相に占めるシリコン油の割合が80%以上
・油相に占める炭素数14〜22の高級アルコールの割合が3%以上
(B)レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルいずれかの1種以上
(C)多価アルコール
(D)水相
で、(B)に対して(A)が3〜12倍量(重量比)で、且つ高圧乳化を行うことを特徴とする透明〜半透明の乳化化粧水が上記課題を解決することがわかった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はさっぱりした感触を持ち、保湿性に優れ、安定性に優れた乳化化粧水に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本においては食習慣も変化し化粧料に対する官能的な要求も変化しつつある。近年の傾向としてはさっぱりした官能が好まれ、クリームや乳液よりも軽い化粧水が好まれる。しかし、水溶性物質のみで構成されている化粧水では必要な皮膚の保護や保湿性が保つことが困難である。このため、水性化粧品にさっぱり感が強く、皮膚保護性も高いシリコン油を配合することが試みられている。(特許文献1〜3)
しかしながら、特許文献1で開示されている水性化粧料では未水添レシチンをシリコーン油に対して1/2量(重量比)を配合しなければならず、シリコーン油の配合量が多い場合は未水添レシチンをかなりの量を配合しなければならず、良好な官能が得られない。
また、特許文献2で開示されている乳化化粧料でもシリコン油(油相)に対してかなりの量のリン脂質を配合しなければ安定性が保たれない。
特許文献3で開示されている乳化化粧料ではシリコーン油のさっぱりした官能が充分に生かしきれていない。
【特許文献1】特開平07−173715号公報
【特許文献2】特開2002−284637公報
【特許文献3】特開平04−284637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは油相をかなり含み化粧料としての必要な皮膚保護性や保湿性を有しつつも低粘度で非常にさっぱりした官能を有し、且つ安定性の高い化粧水を得ることに課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような製剤が本課題を解決することがわかった。
(A)シリコーン油と炭素数14〜22の高級アルコールを含み且つ以下の条件を満たす油相が5〜20%
・油相に占めるシリコーン油の割合が80%以上
・油相に占める炭素数14〜22の高級アルコールの割合が3%以上
(B)レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルいずれかの1種以上
(C)多価アルコール
(D)水相
で、(B)に対して(A)が3〜12倍量(重量比)である透明〜半透明の乳化化粧水
【0005】
まず(A)成分について説明する。
本発明で使用されるシリコーン油としては、特に粘度100cs以下程度のものが好ましい。シリコーン油の粘度が高くなると、それを外用組成物に多量に配合した場合に、感触的に油っぽさが生じ、使用感上好ましくなくなる。低粘度シリコーン油としては低重合度鎖状のジメチルポリシロキサンが挙げられ、必要に応じてこれらの1種又は2種以上を選択して用いることができる。
高級アルコールは炭素数14〜22の直鎖、分岐、飽和、不飽和を問わず利用できるが、主に利用されるのは炭素数16〜18の直鎖、飽和の高級アルコールである。
上記のシリコーン油、高級アルコールを油相に占める割合はシリコーン油は80%以上、高級アルコールは3%以上、より好ましくはシリコーン油は90%以上、高級アルコールは5〜10%である。この他に本発明の主旨に反しない程度に油性原料を配合することはなんら問題はない。このような油相を全体の5〜20%配合する。
【0006】
次に(B)成分であるが、レシチンは卵黄や植物から抽出されたレシチンはもちろんのこと、これらをさらに精製して得られるレシチンまたは水添物、リゾレシチンを含む。
ポリグリセリン脂肪酸エステルはグリセリンの重合度が5〜15のポリグリセリンと炭素数16〜22の直鎖、分岐、飽和、不飽和の脂肪酸とのエステルで平均エステル化度は2以下であるものがもっともよく利用される。
ショ糖脂肪酸エステルは、炭素数16〜22の直鎖、分岐、飽和、不飽和の脂肪酸とショ糖とのエステルで平均エステル化度は1.5以下であるものがもっともよく利用される。
これらを1種又は2種以上を用いる。しかし、(B)成分が多いと官能面で制約を受けるので、(B)に対して(A)が3〜12倍量(重量比)になるような配合量とする。
なお、他の界面活性剤を配合することを否定するものではないが、本発明者らの実験では、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルの3種が最も本発明の主旨に合致するので、基本的にはこの3種を用い、用途や官能等の調整に若干の他の活性剤を用いることは有意義な場合がある。
【0007】
次に(C)成分であるが、例示すれば、酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、シチリトール、ラミニトール、バリエナミン、バリダミン、バリダトール等が挙げられる。この中でもグリセリン、1,3ブチレングリコールがもっともよく、特にグリセリンは製剤の5%以上配合することが好ましい。
【0008】
これに(D)成分の水を配合する。勿論水に特に限定はなく、化粧料に用いることができるものなら問題ない。
さらにこの他、必要な成分を配合する。例えば色素沈着抑制剤、チロシナーゼ活性阻害剤、メラノサイトメラニン生成抑制剤、メラニン生成促進剤、保湿剤、細胞賦活剤/代謝活性化剤、抗酸化剤、活性酸素消去剤/ラジカル生成抑制剤、脂肪代謝促進剤、紫外線防御剤/紫外線吸収促進剤、収斂剤、抗炎症剤/インターロイキン産生抑制剤/消炎剤、抗脂漏剤、抗菌剤/抗ウイルス剤、血流促進剤/血管刺激剤、抗アンドロゲン剤、構造タンパク質分解酵素(エラスターゼ、コラゲナーゼ、ケラチンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、インテグリン分解酵素、インボルクリン分解酵素、フィラグリン分解酵素、ラミニン分解酵素、フィブロネクチン分解酵素、プロテオグリカン分解酵素等)活性阻害剤、構造タンパク質合成促進剤、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)分解酵素阻害剤、ムコ多糖類合成促進剤、細胞間脂質生成促進剤/細胞間脂質状態改善剤、角質溶解剤/角層剥離促進剤、プラスミノーゲンアクチベーター拮抗阻害剤、メイラード反応阻害剤、テストステロン5αレダクターゼ活性阻害剤/毛乳頭活性化剤/発毛促進剤、毛母細胞増殖抑制剤/発毛抑制剤、毛髪膨潤剤/毛髪保護剤、有臭物質消去剤、色素・着色剤、香料等の有効成分や化粧料組成物の形態を形成する上で使用が好まれる植物系原料、動物系原料、微生物系原料、その他天然物原料等を由来とするエキスや代謝物等成分、又は種々の化合物が挙げられる。
【0009】
界面活性剤の使用量も少なくするためには高圧乳化することが必要である。高圧乳化を実現する装置としては、マントンーゴーリン型、マイクロフルイダイザー(商品名、マイクロフルイディスク社製)、アルティマイザー(商品名、タウテクノロジー社製)、ナノマイザー(商品名、ナノマイザー社製)等が挙げられる。これらを用いて乳化すると本発明の目的を十分発揮する結果を得られる。
なお、製品としては透明〜半透明の粘度の低い液状を呈する。透明度は750nmで1cm各のセルで測定した場合透過率で20〜99%となる。
【実施例】
【0010】
以下にいくつかの実施例を表1に記載するが当然これに限定されるものではない。(なお、数値は重量部で示した)
【0011】
【表1】

【0012】
注1)東レダウコーニングシリコン社製、商品名シリコンSH200−50
注2)東レダウコーニングシリコン社製、商品名シリコンSH200−10
注3)花王社製、商品名カルコール6098
注4)花王社製、商品名カルコール8098
注5)理研ビタミン社製、商品名理研オイルE700
注6) 社製、商品名コートソームNC−61
注7)第一工業製薬製、商品名DK−エステルS−110
注8)日光ケミカルズ社製、商品名ニッコールデカグリン1−S
注9)日本油脂社製、商品名PEG400
【0013】
上記の実施例の製造方法は、 (B)(C)と精製水のうちの15%と、(A)を別々に計量後、80℃まで加温した。(B)(C)と精製水のうちの15%に(A)をディスパーで攪拌しつつ徐々に加えた。これをマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製M−110EH)で18000psiで3回処理した。これをディスパーで攪拌しつつ残りの(D)を加えた。
【0014】
これらの実施例は微白濁透明で、安定性も問題なく、さらには実際に使用してもらった結果は今までになくさっぱりとした化粧水となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シリコン油と炭素数14〜22の高級アルコールを含み且つ以下の条件を満たす油相が5〜20%
・油相に占めるシリコン油の割合が80%以上
・油相に占める炭素数14〜22の高級アルコールの割合が3%以上
(B)レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルいずれかの1種以上
(C)多価アルコール
(D)水相
で、(B)に対して(A)が3〜12倍量(重量比)で、且つ高圧乳化を行うことを特徴とする透明〜半透明の乳化化粧水
【請求項2】
多価アルコールがグリセリン、1,3ブチレングリコールの1種以上であるである請求項1の乳化化粧水

【公開番号】特開2006−241032(P2006−241032A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56778(P2005−56778)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000166959)御木本製薬株式会社 (66)
【Fターム(参考)】