説明

乳化型整髪料

【課題】優れた使用性とトリートメント効果を併せ持った整髪剤の提供。
【解決手段】次の(A)〜(E)成分を含有する乳化型整髪料。(A)キャンデリラロウ(B)揮発性炭化水素(C)炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステル(D)下式(1)で示される直鎖状メチルポリシロキサン(E)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー


(nは10〜3000の整数である。)ヘアワックス、ヘアクリーム等として、毛髪アレンジ力を持ち、伸びが良く、べたつかず、なめらかで塗布後の指通りに優れ、自然なツヤを与え、トリートメント感が実感でき、更には保存安定性にも優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳化型の整髪料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、毛髪を整える整髪料の1つとしてスタイリングワックスが存在する。スタイリングワックスはその製剤中に固形油分やロウを含有し、セット力やキープ力といったスタイリング機能を有する製剤である。スタイリングワックスに配合される固形油分やロウ類の中でも、特にカルナウバロウやキャンデリラロウのように融点の高い天然ワックス成分は、優れたセット力やキープ力があるため汎用されてきた。
【0003】
セット力やキープ力といった機能性を高めるため、スタイリングワックスに高融点の天然ロウ成分を高配合することが行われてきたが、これら高融点の天然ロウ成分は乳化が困難であるため、大量に配合すると製品安定性が悪くなるという問題があった。また、粘度が上昇して伸びが悪くなるため、毛髪へ均一に塗布することが困難となり、塗布後のべたつき、指通りといった使用性の点でも課題があった。
【0004】
上記課題を解決する目的で、ポリアクリル酸ナトリウムを配合し、べたつきを軽減したもの(例えば、特許文献1)、特定の界面活性剤の組み合わせを用いることにより、べたつき改善とキープ力を両立したもの(例えば、特許文献2)、合成ロウと天然ロウを併用することにより、仕上がりの柔らかさとセット保持性を両立したもの(例えば、特許文献3)、さらに天然のワックス成分を複数配合することにより、べたつかず優れた整髪性を得たもの(例えば、特許文献4)等が検討されてきた。これらはセット力、毛髪保持力といった機能面では満足できる機能を有しており、整髪剤としては非常に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−161488号公報
【特許文献2】特開2009−209103号公報
【特許文献3】特開2007−197401号公報
【特許文献4】特開2009−13125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の整髪剤は、塗布後の指通りややわらかさといった使用感に関しては充分満足できるものではなかった。さらに近年では、整髪剤にもトリートメント効果を求める消費者が増えてきており、従来型のスタイリング機能重視の整髪剤では、十分な満足が得られず、優れた使用性とトリートメント効果を併せ持った整髪剤の開発が求められていた。
従って、本発明の課題は、ヘアワックス、ヘアクリーム等の乳化型整髪料において、毛髪アレンジ力を持ち、伸びが良く、べたつかず、なめらかで塗布後の指通りに優れ、自然なツヤを与え、トリートメント感が実感でき、更には保存安定性にも優れた乳化型整髪料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、(A)キャンデリラロウ、(B)揮発性炭化水素、(C)炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステル、(D)直鎖状メチルポリシロキサン及び(E)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを組み合わせることにより、上記各種の機能性と使用性が十分に実感でき、且つ保存安定性にも優れた乳化型整髪料が提供できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、次の(A)〜(E)成分を含有する乳化型整髪料を提供するものである。
(A)キャンデリラロウ
(B)揮発性炭化水素
(C)炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステル
(D)下式(1)で示される直鎖状メチルポリシロキサン
(E)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
【0009】
【化1】

【0010】
(nは10〜3000の整数である。)
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ヘアワックス、ヘアクリーム等の乳化型整髪料において、毛髪アレンジ力を持ち、伸びが良く、べたつかず、なめらかで塗布後の指通りに優れ、自然なツヤを与え、トリートメント感が実感でき、更には保存安定性にも優れた乳化型整髪料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0013】
本発明に用いられる(A)成分であるキャンデリラロウは、キャンデリラ植物の茎から抽出される、融点68℃〜72℃の褐黄色〜黄褐色のロウ状の固体である。融点が高くべたつきが少なく、毛髪アレンジ力に優れている。
【0014】
本発明の整髪料における(A)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、整髪料の総量を基準として1〜25質量%(以下、%と略記)の範囲とするのが好ましく、より好ましくは3〜20%であり、さらに好ましくは5〜15%である。これら範囲内であれば安定な乳化状態を保ったまま、毛髪に対して優れたアレンジ力を発揮させることが可能である。
【0015】
本発明に用いられる(B)成分である揮発性炭化水素油は、常温(25℃)、1気圧における沸点が60〜260℃の範囲にある炭化水素油であり、化粧料において使用可能な炭化水素油であれば特に限定されない。このような揮発性炭化水素油としては、例えば炭素数が6〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素油が挙げられる。本発明では、べたつきや重さの低減、自然なツヤの付与の点でより優れることから、炭素数が8〜18の分岐鎖飽和炭化水素油から選ばれる1種又は2種以上、さらに炭素数が10〜16の範囲にあるイソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンが好ましく用いられ、イソドデカンがさらに好ましく用いられる。これらの分岐鎖飽和炭化水素油は、軽質流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、水添ポリイソブテン等として入手が可能であり、具体的な市販品としては、IPソルベント1620(出光興産社製)、アイソゾール300(日本石油化学社製)、マルカゾールR(丸善石油化学社製)、パールリーム4(日油社製)、パーメチル99A、同101A(プレスパース社製)等が挙げられる。
【0016】
本発明の整髪料における(B)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、整髪料の総量を基準として0.5〜20%の範囲とするのが好ましく、より好ましくは1〜18%であり、さらに好ましくは3〜15%である。これら範囲内であれば、保存安定性に優れた乳化物を得ることができ、製剤の伸びとなめらかさにより優れ、べたつきをより軽減することが可能である。
【0017】
本発明の(C)成分である炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステルは、炭素数12〜22の直鎖脂肪酸とアルコールから構成されるエステルであり、べたつかず、毛髪にツヤを付与し、また様々な成分との相溶性に優れることから、製剤の安定化にも寄与する成分である。当該(C)成分の脂肪酸エステルにおいては、脂肪酸の炭素数が12〜22であることと、直鎖脂肪酸であることが、べたつき、ツヤの付与、及び安定性の点で重要である。エステルを構成する炭素数12〜22の脂肪酸は、飽和であっても不飽和あってもいずれでもよく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、エイコセン酸、エルカ酸等の直鎖不飽和脂肪酸が挙げられる。一方、エステルを構成するアルコールは、前記の直鎖脂肪酸とエステル形成が可能な水酸基を有するアルコールであれば特に限定されず、直鎖であっても分岐鎖であっても、飽和であっても不飽和であってもいずれでもよいが、本発明では、炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖飽和アルコールが好ましく、炭素数8〜22の分岐鎖飽和アルコールがより好ましい。
【0018】
炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステルの具体例としては、直鎖飽和脂肪酸と分岐鎖アルコールから構成される、ラウリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル(2−ヘキシルデシル)、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル(2−エチルヘキシル)、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル(2−エチルヘキシル)、ステアリン酸イソセチル(2−ヘキシルデシル);直鎖飽和脂肪酸と直鎖アルコールから構成される、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル;直鎖不飽和脂肪酸と直鎖若しくは分岐鎖アルコールから構成される、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、エイコセン酸カプリリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル;直鎖脂肪酸とコレステロール類から構成される、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、オレイン酸コレステリル等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。これらのうち、本発明では、製剤の伸びとなめらかさに優れることから、直鎖飽和脂肪酸と分岐鎖飽和アルコールから構成されるエステルが好ましく、さらにはミリスチン酸又はパルミチン酸と分岐鎖飽和アルコールから構成されるエステルが好ましい。
【0019】
本発明の整髪料における(C)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、整髪料の総量を基準として0.5〜20%の範囲とするのが好ましく、より好ましくは1〜15%であり、さらに好ましくは3〜12%である。これら範囲内であれば、製剤の伸び、なめらかさ、自然なツヤ、保存安定性の点でより優れた効果を得ることができる。
【0020】
本発明に用いられる(D)成分は、下式(1)で示される直鎖状メチルポリシロキサンである。直鎖状メチルポリシロキサンは、毛髪にツヤを付与し、塗布後の指通りをなめらかにすると共に、整髪料にトリートメント機能を付与する。
【0021】
【化2】

【0022】
(nは10〜3000の整数である。)
【0023】
直鎖状メチルポリシロキサンは、平均重合度であるnを変えることで様々な性状のものが得られるが、本発明ではnが15〜2000の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは50〜1000の範囲である。これらの範囲であればシリコーン油の粘度が適度なものとなるため、伸びが良く毛髪に対して均一に塗布することができ、毛髪アレンジ力を向上させることができる。また、保存安定性もより優れたものとなる。具体的には、直鎖状メチルポリシロキサンの25℃のおける動粘度として、10〜1000000mm2/sであるのが好ましく、50〜30000mm2/sであるのがより好ましい。
【0024】
本発明の整髪料における(D)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、整髪料の総量を基準として0.05〜20%の範囲とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜15%であり、さらに好ましくは1〜10%である。これらの範囲内であれば、伸びが良く毛髪に対して均一に塗布することができ、自然なツヤを付与することができる。また、塗布後に適度な指通りやなめらかさを感じることができ、優れたトリートメント効果を得ることができる。
【0025】
本発明に用いられる(E)成分であるカルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主としてこれに少量のペンタエリスリトールアリルエーテル、スクロースアリルエーテル又はプロピレングリコールアリルエーテルを加えて架橋重合させた共重合体であり、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、これをさらにアルキル化処理したものである。これらは水性ゲル化剤であり、整髪料に適度な粘性を付与し、安定性向上に寄与する。
【0026】
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、通常の化粧料に用いられるものであれば何れのものも使用可能である。カルボキシビニルポリマーとしてはCARBOPOL940、CARBOPOL941、CARBOPOL934(以上、LUBRIZOL ADVANNCED MATERIALS社製)等として市販されるものの使用が可能であり、また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしてはCARBOPOL1342、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(以上、LUBRIZOL ADVANNCED MATERIALS社製)等の市販品が使用可能である。
【0027】
本発明の整髪料における(E)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、整髪料の総量を基準として0.005〜1%の範囲とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.8%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5%である。これらの範囲内であれば、製剤の安定性をより向上させることができる。
【0028】
本発明の整髪料には、上記の必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、粘度調整剤、髪質改良剤、乳化助剤、水性成分、紫外線吸収剤、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、ヘアケア用の美容成分等、毛髪用の化粧料において汎用である他の成分の配合が可能である。
【0029】
本発明の整髪料は、乳化型であり、前記成分及び水を加えて、混合撹拌することにより製造することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。尚、実施例における配合量は全て質量%である。
【0031】
実施例及び比較例において行った官能試験と保存安定性試験の試験方法について以下に示す。
【0032】
(1)官能試験
肩より下まで髪の毛を伸ばしているロングヘアーの女性パネラー20名が、評価試料を使用し、「トリートメント力」「製剤の伸びのよさ」「自然なツヤ」「べたつきのなさ」「なめらかさ」「塗布後の指通り」「アレンジ力」の各評価項目について官能評価して、良好であるか否かを判断した。評価結果は良好であると判断したパネラーの人数により示した。
【0033】
(2)保存安定性試験
評価試料を100mLの透明ガラス製容器に入れて密封し、往復恒温槽(0℃〜45℃のサイクル恒温槽)に1ヶ月保存後、視覚判定及び実際の使用により、下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観の変化が全くなく、香りや使用性の変化もない。
○:外観の変化はほとんどなく、香りや使用性に若干の変化を感じる。
△:僅かに油浮きや分離が認められ、香りや使用性に変化を感じる。
×:明らかに油浮きや分離が認められ、香りや使用性に明らかな変化を感じる。
【0034】
実施例1〜14、比較例1〜11
表1に記載の配合組成よりなる乳化型整髪料を常法に従って調製し、前記各試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1より明らかなように、本発明の必須成分を配合した実施例はいずれも優れた性能を示していた。一方、本発明の必須成分を1つでも欠く比較例の毛髪化粧料は、いずれかの点で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。特に、炭素数8の直鎖脂肪酸のエステルであるカプリル酸セチルを配合した比較例6は、べたつきがあり、自然なツヤも得られなかった。また、分岐鎖脂肪酸のエステルであるイソステアリン酸イソプロピルを配合した比較例7は、べたつきがあり、自然なツヤも得られず、安定性も十分でなかった。
【0037】
以下、本発明の乳化型整髪料に係る組成物を、常法により製造した。
【0038】
実施例15(ヘアワックス(ハード))
配合成分 配合量
キャンデリラロウ 12.0
イソドデカン 10.0
パルミチン酸2−エチルヘキシル 10.0
直鎖状メチルポリシロキサン(10mm2/s(cSt)) 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
ポリエチレンワックス 3.0
カルナウバロウ 0.1
ミツロウ 1.0
マルチトール液 2.0
プロピレングリコール 1.0
セトステアリルアルコール 3.0
ステアリン酸グリセリル 2.0
ヒドロキシプロピルトリモニウムハニー 0.1
(ハニーコート50、Arch Personal Care Products L.P社製)
エチルグルコシド液 0.2
乳酸 0.01
加水分解シルク液 0.2
カワラヨモギエキス 0.2
ムラサキセンブリエキス 0.2
ユキノシタエキス 0.2
L−アルギニン 0.01
ハチミツ 0.2
ツバキエキス 0.2
セージ葉エキス 0.2
オレンジ果実エキス 0.2
レモンエキス 0.1
高重合ポリエチレングリコール 0.2
(ポリオックスWSR−303、U.C.C.社製)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.2
フェノキシエタノール 0.3
クロルフェネシン 0.5
香料 0.2
純水 残 部
【0039】
実施例15のヘアワックス(ハード)について前記試験を実施したところ、いずれも優れた性能を示していた。
【0040】
実施例16(ヘアワックス(ソフト))
配合成分 配合量
キャンデリラロウ 7.0
イソドデカン 7.0
ミリスチン酸イソセチル 10.0
直鎖状メチルポリシロキサン(100mm2/s(cSt)) 4.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
スクワラン 2.0
(ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル)共重合体 1.0
水添ポリイソブテン 2.0
ミネラルオイル 5.0
パンテノール 0.1
ホホバワックスPEG−120 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
グルコシルトレハロース 0.1
加水分解コンキオリン液 0.2
加水分解大豆タンパク 0.2
加水分解コムギタンパク 0.2
加水分解トウモロコシタンパク 0.1
加水分解コラーゲン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.1
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.1
(ユビナールAplus、BASF社製)
メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液 0.1
(ケーソンCG、ROHM and HAAS社製)
パラベン 0.3
香料 0.2
純水 残 部
【0041】
実施例16のヘアワックス(ソフト)について前記試験を実施したところ、いずれも優れた性能を示していた。
【0042】
実施例17(ヘアクリーム)
配合成分 配合量
キャンデリラロウ 5.0
イソドデカン 10.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
直鎖状メチルポリシロキサン(1000mm2/s(cSt)) 5.0
カルボキシビニルポリマー 0.3
ラウレス−2 0.3
PEG−40水添ヒマシ油 0.3
ジグリセリン 2.0
パラフィン 0.5
ホホバ油 1.0
オリーブ油 0.5
マカデミアナッツ油 0.2
クルミ種子油 0.2
ユチャ油 0.2
コメ胚芽油 0.1
ワセリン 0.5
分岐型ポリグリセロール変性シリコーン 0.1
(ソフケアGS−G、花王社製)
ポリビニルピロリドン 0.5
オタネニンジンエキス 0.1
メントール 0.1
コメエキス 0.1
スギナエキス 0.1
コメヌカエキス 0.2
コムギ胚芽エキス 0.2
ノバラエキス 0.2
ベタイン 0.3
オキシベンゾン−9 0.01
(ユビナールDS−49、BASF社製)
サリチル酸 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.05
エデト酸二ナトリウム 0.01
香料 0.2
純水 残 部
【0043】
実施例17のヘアクリームについて前記試験を実施したところ、いずれも優れた性能を示していた。
【0044】
上記各実施例で用いられた香料は下記のものである。
【0045】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0046】
以上詳述した如く、本発明により、毛髪アレンジ力を持ち、伸びが良く、べたつかず、なめらかで塗布後の指通りに優れ、自然なツヤを与え、トリートメント感が実感でき、更には保存安定性にも優れる、ヘアワックス、ヘアクリーム等の乳化型整髪料を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(A)〜(E)成分を含有する乳化型整髪料。
(A)キャンデリラロウ
(B)揮発性炭化水素
(C)炭素数12〜22の直鎖脂肪酸のエステル
(D)下式(1)で示される直鎖状メチルポリシロキサン
(E)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
【化1】

(nは10〜3000の整数である。)
【請求項2】
(C)成分が、炭素数12〜22の直鎖脂肪酸と炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖飽和アルコールとから構成されるエステルである請求項1記載の乳化型整髪料。
【請求項3】
(C)成分が、炭素数12〜22の直鎖脂肪酸と炭素数8〜22の分岐鎖飽和アルコールとから構成されるエステルである請求項1又は2記載の乳化型整髪料。
【請求項4】
(C)成分がミリスチン酸又はパルミチン酸と、炭素数8〜22分岐鎖飽和アルコールとから構成されるエステルである請求項1〜3のいずれか1項記載の乳化型整髪料。
【請求項5】
(D)成分の直鎖状メチルポリシロキサンの平均重合度nが15〜2000である請求項1〜4のいずれか1項記載の乳化型整髪料。

【公開番号】特開2013−40107(P2013−40107A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176092(P2011−176092)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】