説明

乳化重合における単量体転化率の増加方法

レドックス触媒乳化重合において単量体転化率を高める方法が見いだされた。その方法は、有効量の置換フェノールを含む組成物を重合媒体に添加することを含む。この方法では、高い単量体転化率が得られ、生成物は低いゲル含有量を有し、架橋の量が低いかまったく架橋していない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レドックス触媒乳化重合のための単量体転化率を増加させる改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば乳化スチレンブタジエンゴムを形成するための、還元/酸化(すなわちレドックス)乳化重合は、典型的には、せっけんを使用し、冷たい状態で行なわれ、典型的には重合停止剤(shortstopping agent)によって停止される。重合停止剤の目的は、一般的な条件下で開始剤系を不活性にし、それによって、架橋および/またはゲル生成を防止することである。重合停止剤によって停止されるフリーラジカル開始乳化重合方法はよく知られており、先行技術に非常に詳しく記載されている。例えば国際公開第02/38617号、米国特許第3,402,138号明細書、米国特許第3,296,177号明細書、米国特許第5,384,372号明細書、およびウルマン工業化学百科事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry Bd.)、第13巻、p.606(各々引用によってここに組み入れられる。)には、例えばエチレン−スチレン−ブタジエンゴムを形成するためのそのような方法が記載されている。
【0003】
前記の方法において使用される種々様々の重合停止剤が商業上利用可能である。例えば、広く使用されている重合停止剤は、米国特許第5,384,372号明細書に記載されているように、イソプロピルヒドロキシルアミンおよびその塩の組成物である。米国特許第6,723,255号明細書には、それは、ゴムラテックスの乳化重合法において、イソプロピルヒドロキシルアミン重合停止剤と共に、フェノール、窒素酸化物およびヒドロキシルアミン系の疎水性フリーラジカル捕捉剤を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第02/38617号
【特許文献2】米国特許第3402138号明細書
【特許文献3】米国特許第3296177号明細書
【特許文献4】米国特許第5384372号明細書
【特許文献5】米国特許第5384372号明細書
【特許文献6】米国特許第6723255号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ウルマン工業化学百科事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry Bd.)、第13巻、p.606
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不運にも、上記したレドックス乳化重合法には、1つ以上の欠点がある。例えば、その方法は、単に、過剰の架橋が生じる前またはゲル生成が起こる前に、約65%の単量体転化率をもたらすことができる。もちろん、これは、いかなる未反応の単量体も再利用のために回収されなければならないことを意味する。これは費用がかかり非能率的かもしれない。さらに、単量体転化率を65%超に高めることを求めるならば、大量のゲルおよび架橋が生じ、それは、例えば装置汚損のような、さらなる問題を引き起こすかもしれない。
【0007】
したがって、より高い単量体転化率を得ることができる改善された方法を発見することが望ましい。もしそのような方法が、従来の方法よりゲルおよび架橋の少ない生成物を生成するならば、さらに望ましいであろう。もしそのような方法が、高い単量体転化率にもかかわらず、より少ない汚損および腐食をももたらすならば、さらに有益であろう。そのような方法が重合停止剤、単量体再利用、ブタジエン洗浄、ブタジエン蒸留、スチレン洗浄、および/またはその他の不活性成分および/または遅延剤成分の洗浄を用いる必要性を削減または除去することができるならば、さらに有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
好都合に、前記のニーズの多くを満たし、かつその他の望ましい特徴を有する本発明の組成物および本発明の方法が見いだされた。
【0009】
1つの実施態様において、本発明は、レドックス触媒乳化重合において単量体転化率を高める方法に関する。その方法は、重合媒体に有効量の置換フェノールを含む組成物を添加する工程を含む。
【0010】
別の実施態様において、本発明は乳化ゴムを製造する方法に関する。その方法は、(1)せっけん、水、重合調整剤および活性化剤の存在する状態でスチレンとブタジエンを反応させる工程、および(2)所望により重合停止剤で反応を停止させる工程を含む。低いゲル含有量および高い単量体転化率を有する乳化スチレンブタジエン重合体を形成するために、工程(1)の反応混合物に有効量の置換フェノールが添加される。置換フェノールは、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス((1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシル−C13−C15アルキルエステルエステル、イルガノックス(IRGANOX)1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0011】
別の実施態様において、本発明は乳化ゴムを含む組成物に関する。ゴムは、スチレンおよびブタジエン単量体に由来する単位を含む。その組成物は、(A)単量体転化率が約85質量%より高いこと、(B)少なくとも実質的にゲルを含まないこと、および(C)少なくとも実質的に架橋していないことを特徴とする。
別の実施態様において、本発明は、前記の方法およびプロセスによって作られた乳化ゴムおよび/または組成物に関する。
別の実施態様において、本発明は前記組成物から作られた物品に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般的な定義
「重合体」とは、ここで使用するときは、一般に、同じタイプの単量体であるか異なるタイプの単量体であるかにかかわらず、単量体を重合することによって調製された高分子化合物を意味する。総称的な用語「重合体」とは、用語「単独重合体」、「共重合体」、「三元共重合体」ならびに4つ以上のタイプの単量体を重合することによって作られた重合体を包含する。
【0013】
「組成物」とは、ここで使用するときは、一般に、組成物を構成する材料の混合物を含み、さらに組成物の成分または材料から形成されるまたはそれらに由来する反応生成物および分解生成物をも含む。
【0014】
「レドックス触媒」または「レドックス開始」は、ここで使用するときは、一般に、自由電子(有機ラジカルからの自由電子のような)が、1つ以上の原子がそれらの酸化状態を変化させる反応を開始するような任意の化学反応(乳化重合のような)を含む。そのような変化は、例えば、酸化数の増加に帰着する酸化および酸化数の減少に帰着する還元を伴う。その変化は、例えば、電子の移動、または共有結合が関わる反応のような電子移動が起こらないような反応に起因するかもしれない。
【0015】
「実質的にゲルを含まない」とは、ここで使用するときは、一般に、ここに記載した分析技術を使用して実質的に検知できる量のゲルがないことを意味する。典型的には、これは約0.1質量%未満である。
【0016】
「低いゲル含有量」とは、ここで使用するときは、一般に、ここに記載した分析技術を使用して検知できるゲルの量が、典型的には約0.3質量%未満であることを意味する。
【0017】
「実質的に架橋していない」とは、ここで使用するときは、一般に、十分な量の重合体が架橋処理にさらされておらず、したがって荷重下での重合体の伸張を制限する傾向があるかもしれない分子運動性が制限されていないことを意味する。
【0018】
「高い単量体転化率」とは、ここで使用するときは、一般に、単量体の総質量を基準として、約70質量%以上の単量体転化率を意味する。
【0019】
別段の定めがない限り、C13−C15アルキルエステルのようなアルキル基は直鎖であってもよいし分枝であってもよい。
【0020】
レドックス触媒乳化プロセス
このプロセスはレドックス触媒乳化プロセスである。一般に、少なくとも1種の共役ジオレフィンおよび所望により共重合し得るオレフィンが水性媒体の中で重合される。共役ジオレフィン単量体の例としては、ブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3、イソプレン、ピペリレン、クロロプレン、シクロブタジエン−1,3、2−フェニルブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン−1,3などが挙げられる。共重合し得るオレフィン単量体の代表的な例としては、スチレン、ビニルナフチレン、α−メチルスチレン、パラクロロスチレンなどのようなアリールオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリルアミドなどのようなα−メチレンカルボン酸およびそれらのエステル、アミドおよびニトリル、および塩化ビニリデン、臭化ビニルなどのようなハロゲン化ビニルが挙げられる。
【0021】
もし望むならば、レドックス乳化重合は重合停止剤によって停止してもよいが、そのようなものは必須ではない。例えば、100%未満の単量体転化率が望まれる場合は、重合は、例えば国際公開第02/38617号(引用によってここに組み入れられる。)に記載されているようなイソプロピルヒドロキシルアミンまたはその塩またはそれらの混合物のような重合停止剤、ならびに窒化ナトリウム、スルフィン酸誘導体、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、スルフィドまたはNOxおよびその誘導体のような還元剤の添加によって停止してもよい。使用される重合停止剤の量は、プロセスおよび重合停止剤に依存して変化するであろうが、典型的には約0.01〜2.0phm(単量体100部当たりの部数)であり、好ましくは約0.03〜約0.2phmである。重合停止剤を添加する方法は、ゴム重合プロセスにおいて使用される従来の手法と同じでよい。好ましくは、所望の転化率が得られたときに、重合停止剤の水溶液を重合反応物質に添加する。
【0022】
本発明の方法は、回分式で行ってもよいし、連続式で行なってもよい。経済的理由から、その方法は好ましくは連続式である。しかし、それは発明全体にとって重要であるとは考えられない。本発明の方法は、いずれかの特定の開始剤、活性剤、還元剤、錯体形成剤、緩衝剤、酸素結合物質、乳化剤、分散剤、重合調整剤などに依存しない。
【0023】
従来の冷たいまたは熱いレドックス乳化処方を、本発明と一緒に用いてもよい。例えばスルホン酸塩洗剤およびカルボン酸塩せっけんを含む当技術分野において既知の従来のイオン性界面活性剤は、本発明に有用である。イオン性界面活性剤の量は、仕込まれる単量体の総質量を基準に計算され、単量体100質量部当たりイオン性界面活性剤1〜30質量部(phm)の範囲であり、より好ましくは約1〜約15phmの範囲であり、最も好ましくは約2〜約10phmの範囲である。
【0024】
その方法は、好ましくは、レドックス系の金属化合物が完全に(またはほとんど完全に)錯体になっている重合において行なわれる。すなわち、重合は、金属化合物の少なくとも90%が錯化剤と反応して水溶性の錯化合物を形成するのに十分な量の錯化剤が存在する状態で行なわれる。したがって、これらの錯化剤は、レドックス系の一部を構成し、重合の開始時に既に存在する。非常に適切な錯化剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩である。
【0025】
1つの実施態様において、重合に適用されるレドックス処方は、開始剤(例えばヒドロペルオキシド)および活性剤(一般にいくつかの成分(それらの中に金属化合物がある。)からなる。)を含む。これらの処方はしばしば変わり、その結果、他の量の開始剤および/または活性剤が用いられる。指定された値は100%または100/100レベルと表すことができ、望ましい修正はそれの百分率で表現され、例えば50%レベルまたは開始剤/活性剤レベル=50/50と表現される。
【0026】
活性剤は、通常、重金属(周期表のNo.23〜29)の水溶性の塩、たとえば硫酸第一鉄、塩化コバルト、塩化第一銅、硫酸ニッケルなどを含む。
【0027】
例えば100%未満の単量体転化率でその方法を用いるときは、所望の転化率に達したときに開始剤がほとんどまたは完全に消費されるような開始剤の量で重合するのが有用であるかもしれない。これは、例えば、開始剤量と活性剤量の間の低い比を選ぶことによって達成することができる。
【0028】
このように、重合媒体はしばしばせっけん、水、重合調整剤および活性化剤を含む。好ましくは、重合媒体は、次のうちの1種または2種以上を含む。スチレン、ブタジエン、水、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、電解質、キレート鉄錯体、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ter−ドデシルメルカプタン、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、および/またはp−メタンヒドロペルオキシド。
【0029】
1つの実施態様において、重合の温度は、約0〜約50℃、好ましくは約0〜約25℃、より好ましくは約5〜約20℃、より好ましくは約0〜約15℃、より好ましくは約3〜約10℃の範囲であり、約4〜約8℃の温度範囲が特に好ましい。重合はいかなる長さの時間の間行なってもよいが、約4〜約20時間が好ましく、より好ましくは約5〜約10時間である。例えば平均分子量を制御するために、連鎖移動剤を使用してもよい。
【0030】
レドックス乳化プロセスにおける単量体転化率の増加
前記のプロセスの高い単量体転化率は、例えば重合媒体に有効量の置換フェノールを添加することによって、架橋とゲル生成の減少とともに、得ることができる。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、適切な置換フェノールを適切な量で、適切な時間、添加することは、フリーラジカルを捕捉するように作用し、それによってラジカルがゲルを生成し生成物を架橋するのを防ぎ、反応が単量体を消費し続けることを許され、それによって、それが通常伴う問題を生じることなしに、高い単量体転化率に帰着すると信じられている。より具体的には、フリーラジカルは、プロセス中に自触媒現象によって遊離のヒドロペルオキシドからしばしば発生し、これはしばしば架橋とゲルにつながる。適切な量の適切な置換フェノールは、生成したフリーラジカルを捕捉するように作用し、反応速度の順序の実質的な変化なしに、レドックス重合を続けることを可能にし、高い単量体転化率に帰着する。
【0031】
置換フェノールは、前記の一般的なレドックス触媒乳化プロセスのいずれにおいても用いることができるが、乳化スチレンブタジエンゴムを形成するためにスチレン単量体とブタジエン単量体を反応させるときに、それらは特に有用であることが見いだされた。そのようなプロセスは、好都合に、せっけん、水、重合調整剤および活性化剤の存在する状態において生じ得る。
【0032】
有用な置換フェノールとしては、所与のレドックス乳化プロセスにおいて生成されるフリーラジカルと結合することができる任意のものが挙げられる。典型的な置換フェノールは、i−プロピルまたはt−ブチルのような分枝アルキル基のようなアルキル基で置換されたものである。特に好ましい置換フェノールは、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス((1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシル−C13−C15アルキルエステル、イルガノックス1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0033】
所望の置換フェノールの有効量は、反応物、量、プロセス条件および特定の置換フェノールに依存して変化する。しかし、好ましくは、フェノールの量およびタイプは、所与の乳化プロセスにおいて生成されるフリーラジカルの実質的にすべてと結合するのに十分なように選択されるべきである。このように、高い単量体転化率は、例えば実質的な量のフリーラジカルが結合し、その結果、それらがゲルまたは架橋生成物を形成する反応に関与することができなくなることによって、達成することができる。本発明によれば、好ましい量およびタイプの置換フェノールは、単量体の総質量を基準として、約70質量%より高い、好ましくは約75質量%より高い、より好ましくは約80質量%より高い、より好ましくは約85質量%より高い、より好ましくは約90質量%より高い、より好ましくは約95質量%より高い単量体転化率に帰着することができる。好ましい量およびタイプの置換フェノールとしては、例えば、少なくとも実質的にゲルを含まない乳化重合体および/または少なくとも実質的に架橋してない重合体に帰着することができるものが挙げられる。多くの場合、有効量の置換フェノールは、単量体100部当たり置換フェノールが約0.01〜約5部、好ましくは約0.01〜約1部、より好ましくは約0.02〜約0.5部の範囲であることができる。好都合に、有効量の置換フェノールは、典型的には、重合停止効果を有しない、すなわち、それはさらなる重合を著しく妨害しない。
【0034】
フリーラジカルがゲルまたは架橋生成物を形成する反応に関与するのを防ぎまたは実質的に妨害するのに十分なフェノールが存在する限り、有効量の所望の置換フェノールは任意の好都合な時にプロセスに添加することができる。このように、連続式または回分式のプロセスにおいて、望ましい量の望ましい置換フェノールは、有意の重合の前に単量体と共に連続的にまたは漸増的に添加することができる。その代わりに、フリーラジカルがゲルまたは架橋生成物を形成する反応に関与するのを防ぎまたは少なくとも実質的に妨害するのに十分な量が存在する限り、所望の量の所望の置換フェノールを重合が起こっている間、漸増的にまたは全部添加することができる。1つの実施態様において、単量体転化率が多くの場合フリーラジカルが形成されるかもしれない点である65%に達する前に、所望の有効量の所望の置換フェノールの少なくともいくらかが存在する。
【0035】
前記の方法は、多くの場合、重合中に乳濁液に有効量の置換フェノールを含む組成物を添加せずに行なった同じプロセスと比較して、全単量体転化率を基準として、少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%高い全単量体転化率に帰着することができる。このように、単量体転化率は、単量体の総質量を基準として、約85質量%より高いことが好ましい。前記の生成物は、多くの場合、実質的に架橋していない。これは、多くの場合、1つの実施態様において、前記の生成物が、多くの場合、実質的にゲルを含まない(例えば、ゲル含有量が、後述の実施例に記載する方法によって測定したときに、約0.3質量%未満、好ましくは約0.2質量%未満、より好ましくは約0.1質量%未満である)ことを意味する。
【0036】
実例となる実施態様1〜33
1.レドックス触媒乳化重合における単量体転化率を増加させる方法であって、該方法が重合媒体に有効量の置換フェノールを含む組成物を添加することを含む、方法。
【0037】
2.該乳化重合が、乳化したスチレンブタジエンゴムを形成するためにスチレン単量体とブタジエン単量体を重合することを含む、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0038】
3.置換フェノールがフリーラジカルと結合することができる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0039】
4.置換フェノールは、重合停止剤の添加前に、重合中に添加される、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0040】
5.置換フェノールは、重合前に単量体と一緒に添加される、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0041】
6.置換フェノールが、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス((1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル−C13−C15アルキルエステル、イルガノックス1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0042】
7.置換フェノールの有効量は単量体100部あたり約0.01〜約5部である、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0043】
8.置換フェノールの有効量は単量体100部あたり約0.01〜約1部である、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0044】
9.置換フェノールの有効量は単量体100部あたり約0.02〜約0.5部である、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0045】
10.重合が約85質量%を超える単量体転化率に帰着する、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0046】
11.重合が約90質量%を超える単量体転化率に帰着する、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0047】
12.重合が約95質量%を超える単量体転化率に帰着する、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0048】
13.重合が少なくとも実質的にゲルを含まない乳化重合体を生じる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0049】
14.重合が少なくとも実質的に架橋していない重合体を生じる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0050】
15.重合媒体がせっけん、水、重合調整剤および活性化剤を含む、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0051】
16.重合媒体が、スチレン、ブタジエン、水、脂肪酸せっけん、ロジン酸性せっけん、電解液、キレート鉄錯体、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ter−ドデシルメルカプタンおよびジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドを含む、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0052】
17.重合が約0〜約50℃の温度で行われる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0053】
18.重合が約3〜約10℃の温度で行われる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0054】
19.重合が約4〜約8℃の温度で行われる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0055】
20.重合は約4〜約20時間行われる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0056】
21.重合は約5〜約7時間行われる、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0057】
22.全単量体転化率が、有効量の置換フェノールを含む組成物を重合中に乳濁液に添加せずに行われた同じ方法と比較して、全単量体転化率を基準として、少なくとも約5%高い、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0058】
23.全単量体転化率が、有効量の置換フェノールを含む組成物を重合中に乳濁液に添加せずに行われた同じ方法と比較して、全単量体転化率を基準として、少なくとも約10%高い、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0059】
24.重合は重合停止剤によって停止される、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0060】
25.重合は重合停止剤によって停止されない、先行する実施態様のいずれかの方法。
【0061】
26.(1)せっけん、水、重合調整剤および活性化剤が存在する状態でスチレンとブタジエンを反応させる工程、および(2)所望により反応を重合停止剤で停止させる工程を含む乳化ゴムを製造する方法であって、低いゲル含有量および高い単量体転化率を有する乳化スチレンブタジエン重合体を形成するために有効量の置換フェノールが工程(1)の反応混合物に添加され、そして置換フェノールが、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル−C13−C15アルキルエステルエステル、イルガノックス1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【0062】
27.乳化ゴムを含む組成物であって、前記ゴムがスチレンおよびブタジエン単量体に由来する単位を含み、該組成物は、(A)単量体転化率が約85質量%より高いこと、(B)少なくとも実質的にゲルを含まないこと、および(C)実質的に架橋していないことを特徴とする組成物。
【0063】
28.ポリブタジエンが約0.1質量%未満のゲル含有量を有する、実施態様27の組成物。
【0064】
29.実施態様1〜25のいずれかの方法によって形成された乳化ゴム。
【0065】
30.実施態様26の方法によって形成された乳化ゴム。
【0066】
31.実施態様28または29の乳化ゴムを含む組成物。
【0067】
32.実施態様31の組成物から形成された少なくとも1つの部品を含む物品。
【0068】
33.物品がタイヤである、実施態様31の物品。
【0069】
本発明を例証する目的のために、ある代表的な実施態様および詳細を示してきたが、本発明の範囲から逸脱せずに、その方法への様々な修正および変更を行なうことができる。
【0070】
本発明の実施は、次の実施例を参照することによりさらに詳しく説明される。それらの実施例は本発明の代表例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0071】
百分率はすべて、別段の定めがない限り、質量%で表される。
【実施例】
【0072】
提供される実施例は、本発明についての理解を助けるように意図され、当業者に向けられたものである。使用された特定の種、特定の条件、関係などは、実例となるように計画されており、限定するものではない。「部」および「%」のすべての名称は、各々次の実施例において使用されるときは、別段の明示がない限り、質量部および質量%を意味する。用語「部」は、次の実施例において使用されるときは、仕込まれた単量体100部あたりの重合停止剤の質量部をいう。
【0073】
C4−C20メルカプタンまたはそれらの混合物のような他の重合調整剤を用いてもよいが、本発明の実施例において用いた重合調整剤は、典型的には、C10−C12メルカプタンの混合物である。硫黄は、好ましくは、第三級の位置に結合されている。クミルヒドロペルオキシドおよびジベンゾイルペルオキシドのようなゴム用の他の有機過酸化物を使用することもできるが、実施例において使用した活性化剤はパラメンタンヒドロペルオキシドまたはジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドである。ピロリン酸エステル、亜ジチオン酸ナトリウム、ヒドロキシルアミンまたは亜硫酸エステルのような他の還元剤も用いることができるが、実施例において使用した還元剤はホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムである。いかなる動物または植物由来の脂肪酸も用いることができるが、実施例において使用した脂肪酸は飽和C10−C36脂肪酸である。松、根またはバルサムウッドからのロジン酸、または不均化脱水素アビエチン酸エステルもまた用いることができるが、実施例においてはロジン酸としてカリウム塩を使用した。pHを約10に維持するためにいかなる系も使用することができるが、実施例において使用した電解質系は、リン酸三ナトリウム緩衝液を形成するNaOHと組み合わせたHPOである。Co、Cr、Niなどを主成分とするレドックス系のようないかなるレドックス系も使用することができるが、下記の実施例において使用した鉄錯体はFeSOおよびChelaplex(エチレンジアミン四酢酸)である。NEKAL(ナフタレンイソブチルスルホナート)を主成分とする系のようないかなるものも用いることができるが、下記の実施例において用いたせっけんは標準ロジン/脂肪酸せっけん系である。
【0074】
下記の実施例におけるゲルの検出は、「吸蔵による架橋ゴムゲルの膨潤の分析(Analysis of swelling of crosslinked rubber gel with occlusions)」、応用高分子科学誌(Journal of Applied Polymer Science)、第30巻、第5号、1985年5月、p.1969−1988(引用によってここに組込まれる。)に基づいて行った。一般に、試験は以下のように進行する。まず、工程(A)において0.2000±0.0001gの試料を量り取る。試料をガーゼの袋に入れ、その質量を工程(B)において検出する。次に、その袋を24時間トルエンの150mLフラスコに入れる。その後、その袋をピンセットでトルエンから取り出す。蒸発のために、それを換気フードの中に約30分間放置する。その後、その袋をオーブンの中で105℃で2時間加熱する。その質量を工程(C)において検出する。ゲル含有量は次のように定義される。
ゲル含有量(%)=(C−(B−A))/A×100
A=試料(g)
B=袋+試料(g)
C=乾燥後の袋+試料(g)
(B−A)=袋(g)
試料実験:
A=0.2001g
B=0.6220g
C=0.4220g
ゲル含有量(%)=0.04998
【0075】
実施例I
表1に記載された成分で冷たいせっけんスチレンブタジエン重合を使用して、レドックス触媒乳化重合を行った。
【0076】
【表1】

【0077】
上記の重合は、単量体質量の合計を基準として、85%と99%超の間の範囲の最終単量体転化率で6時間57℃で行った。生じた生成物は、ゲルおよび架橋がなかった。
【0078】
実施例II
窒素雰囲気下で、5℃で、攪拌した5リットルの反応器に、スチレンおよびブタジエン単量体、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、t−ドデシルメルカプタン、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、およびフェノール(グレート・レークス・ケミカル(Great Lakes Chemical)から入手可能なANOX BFTM)を供給した。重合は、混合物の中にキレート鉄錯体を添加することにより開始した。成分を次の表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
単量体転化率を30分毎に周期的に検出した。結果を表3に示す。方法を表3のすぐ下に記載した。
【0081】
【表3】

【0082】
単量体転化率は試験運転からのラテックス試料で検出する。ラテックスは、約50mLのエタノールを含むあらかじめ秤量された250mLフラスコに加えられる。ラテックスを入れたフラスコを再び秤量し、その差からラテックスの質量を計算する。水相から、あらかじめ秤量されたフィルターの上に、凝固剤(ゴム)を単離する。乾燥したフィルター(105℃、30分)は、重合のサンプリング時点における所与のラテックス中のゴムの量を含む。供給原料は、1000gの単量体(スチレン+ブタジエン)および2200gの乳化剤(水+ロジン+脂肪酸せっけん)であった。したがって、総量は3200gであった。100%の転化率の場合には、31.25%の固形分(ゴム)が達成される。したがって、単量体転化率は、下に詳細に示すように、ラテックスの固形分から得られる。
【0083】
【表4】

【0084】
(重合停止剤による停止ありまたはなしで)重合の後、生成物を硫酸とポリアミンで凝固させ、単離し、乾燥した。生じた固体のゴムは1548gの重さがあり、酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチルカテコール0.3phr(ゴム100部あたりの部数)で安定させた。好都合に、約0.2phrより多い適切な置換フェノールを添加したとき、さらなる安定化は必要ではないことが一般に観察された。
【0085】
実施例III
上記の実施例IIと同様の方法で作られたゴムを、(1)フェノール添加なしで作られた65%の単量体転化率の従来のゴム、および(2)フェノール添加なしで作られた85%の単量体転化率のゴムと比較した。結果を表4に示す。方法は表4のすぐ下に記載する。
【0086】
【表5】

【0087】
コンパウンドと加硫物は、実験室用の粉砕機を使用して、下の表に記載した成分を混ぜ合わせ調合することにより調製した。処方はASTM D3185−1Aによる。
【0088】
【表6】

【0089】
ムーニー粘度は、ASTM D1646に従って、予熱時間1分、ローター操作時間4分、温度100℃で測定した[ML1+4(100℃)]。
【0090】
引張強さ、切断時伸びおよび300%伸び率におけるモジュラス(モジュラス300)は、ツウィックZ010でASTM D412に従って測定した。
【0091】
発熱(HBU)は、ドリ「グッドリッチ」屈曲試験機(Doli ‘Goodrich’-Flexometer)で、ASTM D623の方法Aに従って測定した。
【0092】
tanδ(60℃)は、ガーボー・クォリメーター・テスト機器有限会社(Gabo Qualimeter Testanlagen GmbH)(ドイツ)製の動的分光計Eplexor 150Nを使用して、圧縮動的歪0.2%、振動数2Hz、60℃で測定した。指数が小さいほど、転がり抵抗が低い(より低い=より良い)。tanδ(0℃)は、同じ装置および負荷条件を使用して、0℃で測定した。指数が大きいほど、濡れ路面すべり抵抗が良好である(より高い=より良い)。
【0093】
DIN摩耗はDIN 53516(1987−06−01)に従って測定した。指数が大きいほど、耐摩耗性が低い(より低い=より良い)。
【0094】
スコーチタイム(Ts)および加硫時間(T)を測定するために、回転翼なしの剪断レオメーター(MDR 2000E)を使用して、ASTM D5289に従って、未加硫流動学的性質を測定した。「T50」および「T90」は、加硫反応の50%および90%転化率を達成するのに必要なそれぞれの時間である。「Ts1」および「Ts2」は、加硫の間にトルクをそれぞれのトルク最小値(ML)から1dNmまたは2dNm増加させるのに必要なそれぞれの時間である。
【0095】
実施例IIと同様の方法で作られたゴムは、好都合なことに、ゲルおよび架橋を含まなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レドックス触媒乳化重合において単量体転化率を増加させる方法であって、該方法が、有効量の置換フェノールを含む組成物を重合媒体に添加することを含む、方法。
【請求項2】
乳化重合が、乳化スチレンブタジエンゴムを形成するために、スチレン単量体およびブタジエン単量体を重合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
置換フェノールがフリーラジカルと結合することができ、重合の前にまたは重合中に、重合停止剤の添加前に、置換フェノールが添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
置換フェノールが、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス((1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル−C13−C15アルキルエステル、イルガノックス1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
置換フェノールの有効量が単量体100部あたり約0.01〜約5部である、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項6】
重合が約85質量%より高い単量体転化率に帰着する、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項7】
重合が少なくとも実質的にゲルを含まない乳化重合体を生じる、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項8】
重合が少なくとも実質的に架橋していない重合体を生じる、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項9】
重合媒体がせっけん、水、重合調整剤および活性化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項10】
重合が約0〜約50℃の温度で行なわれる、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項11】
重合が約4〜約20時間行なわれる、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項12】
全単量体転化率が、有効量の置換フェノールを含む組成物を重合中に乳濁液に添加せずに行なわれた同じ方法と比較して、全単量体転化率を基準として、少なくとも約5%高い、請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項13】
(1)せっけん、水、重合調整剤および活性化剤の存在する状態でスチレンとブタジエンを反応させる工程、および(2)所望により重合停止剤で反応を停止させる工程を含む乳化ゴムを製造する方法であって、低いゲル含有量および高い単量体転化率を有する乳化スチレンブタジエン重合体を形成するために、工程(1)の反応混合物に有効量の置換フェノールが添加され、置換フェノールが、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ベンゼンプロピオン酸の3,5−ビス((1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル−C13−C15アルキルエステルエステル、イルガノックス1520(2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール)、イルガノックス1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])、イルガノックス1076(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項14】
重合が約90質量%より高い単量体転化率に帰着する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
重合が約95質量%より高い単量体転化率に帰着する、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2012−515250(P2012−515250A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546283(P2011−546283)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/020337
【国際公開番号】WO2010/083089
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(510288530)スティロン ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (18)
【Fターム(参考)】