説明

乳幼児用椅子及びこれに用いられる外側カバー足部材

【課題】床等を傷つけたり幼児が怪我等をする虞れを最低限に抑え得る乳幼児用椅子、および該椅子に用いる外側足部カバーを提供すること
【解決手段】乳幼児用椅子1は、座部2、背凭れ部4及び複数本の脚部8,8,8,8を備える。各脚部8は、剛性棒状体51と、該棒状体の下端の足部52に有底穴部64で嵌合された内側足部カバー60と、該内側足部カバー60を蔽うように該内側足部カバー60に有底穴部74で嵌合された柔軟な材料製の外側足部カバー70とを有し、内側足部カバー60が、剛性棒状体51よりも軟らかく且つ外側足部カバー70よりも硬い材料でできている。外側足部カバー70は、内側足部カバー60に加えて剛性棒状体51のうち内側足部カバー60に覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分54を蔽うように内側足部カバー60及び該足部近傍脚部分54に有底穴部64で嵌合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳幼児用椅子及びこれに用いられるカバー足部材に係る。
【0002】
この明細書において、「乳幼児用椅子」とは、「乳児用椅子」、「幼児用椅子」及び「乳児と幼児との両方が用いるに適した椅子」を含む椅子を指す。
【背景技術】
【0003】
乳幼児用椅子として、座部、背凭れ部、ひじ掛部及び複数本の脚部を有するものは知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
従来の乳幼児用椅子100は、例えば、図8の(a)及び(b)に示したように、座部110、背凭れ部120、ひじ掛部130及び複数本の脚部140を有する。ここで図示した乳幼児用椅子100は、市販品の一例を示したもので、各脚部140は、剛性棒状体141からなり、該剛性棒状体141は、典型的には、中空の金属製パイプ又は剛性の高い樹脂製のパイプや樹脂製又は木製の中実棒状体からなる。
【0005】
図8の(a)及び(b)に加えてその一部等を拡大して示した図9の(a)及び(b)並びに図10の(a)からわかるように、この種の乳幼児用椅子100では、棒状体141からなる各脚部140の下端142の足部143には足部カバー150が取付けられている。
【0006】
足部カバー150は、例えば、図9の(c)〜(e)に示したように、有底穴部151を備えたボール状体からなり、図10の(a)の断面図からわかるように、該有底穴部151で各脚部140の下端142の足部143に嵌合されている。
【0007】
この足部カバー150は、剛性棒状体141からなる脚部140の足部143の下端面144ないし下端縁145が床等を傷付けるのを防ぐだけでなく、乳幼児等が椅子100をおもちゃにして遊んだり椅子100を転倒状態で放置している際に、乳幼児等が脚部140の下端縁145等に身体等をぶつけて怪我等をするのを防ぐべく、金属よりもはるかに柔軟な樹脂又はゴム等でできている。
【0008】
但し、剛性棒状体141からなる脚部140の下端142の足部143の下端面144や下端縁145が床を傷付けるのを防ぐべく該下端面144や下端縁145の露出を確実に防ぐ必要があることから、足部カバー150は、反面では、ある程度の剛性を有すること、即ち、多少の柔軟性と多少の剛性を有することが不可欠である。
【0009】
ところが、足部カバー150がある程度の剛性を有することが不可欠であるが故に、足部カバー150が脚部140の剛性棒状体141に相当強固に嵌着されていても、該足部カバー150に抜け方向の外力がかかると、該足部カバー150が抜ける虞れがある。
【0010】
例えば、幼児等が椅子100をおもちゃにして遊んだり椅子100を投げたり転倒状態で放置している際に、図10の(b)に示したように横向きになった脚部140の先端に嵌着された足部カバー150に抜け方向PA1の成分を有する外力PB1がかかると、図10の(b)に示したように足部カバー150が脚部140の剛性棒状体141に対して抜け方向PA1に相対変位して、最終的には、足部カバー150が脚部140の剛性棒状体141の下端142から抜けることがある。このような抜けは、高頻度で生じるものではないけれども、多数個の乳幼児用椅子100が長期間使用されている間には、そのうちの一部の乳幼児用椅子100についてこのような抜けが生じることは実際上避け難い。
【0011】
なお、乳幼児用椅子100の脚部140が水平に横向きになっているときだけでなく、図10の(d)に示したように斜め下向きになった状態や図10の(e)に示したように斜め上向きになった状態で、脚部140が例えばPA2方向に引きずられる等した場合、足部カバー150が障害物の一部に引っかかる等各種の原因でもこのような抜けが生じる虞れがある。
【0012】
足部カバー150が抜けたままになると、床等が傷つけられるだけでなく、椅子100が横転状態等のときその脚部140の剛性棒状体141の先端142の露出足部143の縁部145等に幼児の身体が当たって怪我をする虞れが高くなる。
【0013】
なお、このような足部カバー150の抜けは、脚部140の剛性棒状体141の下端142の足部143に嵌合ないし嵌着されることにより、横断面で見て該剛性棒状体141よりも外側に不可避的に突出し且つ前述のように多少なりとも剛性を有することが不可避的な足部カバーについて、その詳細な形状にかかわらず、実際上避け難い現象である。
【特許文献1】特開2006-116166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、床等を傷つけたり幼児が怪我等をする虞れを最低限に抑え得る乳幼児用椅子、および該椅子に用いる外側足部カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の乳幼児用椅子は、前記目的を達成すべく、座部、背凭れ部及び複数本の脚部を備えた乳幼児用椅子であって、各脚部が、剛性棒状体と、該棒状体の下端の足部に有底穴部で嵌合された内側足部カバーと、該内側足部カバーを蔽うように該内側足部カバーに有底穴部で嵌合された柔軟な材料製の外側足部カバーとを有し、前記内側足部カバーが、前記剛性棒状体よりも軟らかく且つ外側足部カバーよりも硬い材料でできている。
【0016】
本発明の乳幼児用椅子では、「各脚部が、剛性棒状体の下端の足部に有底穴部で嵌合された内側足部カバーを有し」且つ「内側カバー部材が剛性棒状体よりもやわらかい材料でできている」ので、内側足部カバーが有底穴部で剛性棒状体の足部に嵌合されて該足部の下端を覆った状態において、剛性棒状体の足部によって床等が傷つけられるのを、該内側足部カバーが防ぎ得る。
【0017】
ここで、内側足部カバーは、典型的には、従来の足部カバーと同じもの又は同程度の硬さ(柔らかさ)のものからなることになる。
【0018】
なお、本発明の乳幼児用椅子では、また、「各脚部が、(更に)内側足部カバーを蔽うように該内側足部カバーに有底穴部で嵌合された柔軟な材料製の発泡体製の外側足部カバーを有し」且つ「内側足部カバーが、外側足部カバーよりも硬い材料でできている」即ち「外側足部カバーが内側足部カバーよりも軟らかい材料でできている」ので、内側足部カバー及び外側足部カバーが剛性棒状体の下端の足部を覆った状態において、床が傷つけられる虞れが少ない。また、内側足部カバーよりも柔らかい材料からなる外側足部カバーが内側足部カバーにかぶせられているので、外側足部カバーが内側足部カバーから抜ける虞れが少ない。
【0019】
本発明の乳幼児用椅子では、特に、「外側足部カバーが内側足部カバーよりも軟らかい材料でできている」ので、抜け方向の外力が脚部の下端部に加えられた際に該外力が直接的には外側足部カバーにかかるところ、該外力を受けた外側足部カバーが内側足部カバーと異なり容易に変形されてその外力を実際上吸収ないし分散させるから、内側足部カバーには抜け方向の外力がほとんど伝わらない。その結果、本発明の乳幼児用椅子では、外側足部カバーが脚部の剛性棒状体の下端の足部から抜ける虞れが少ないだけでなく、内側足部カバーが脚部の剛性棒状体の下端の足部から抜ける虞れが低減され得る。
【0020】
従って、本発明の乳幼児用椅子では、内側及び外側足部カバーが脚部の剛性棒状体から抜けて、該剛性棒状体の下端部や下端縁等が床等を傷つけたり幼児に不測の怪我等をおわせる虞れを最低限に抑え得る。
【0021】
以上において、内側足部カバーの有底穴部は、典型的には、適度な締付力を持って脚部の剛性棒状体の下端足部に嵌着され得るような径を有し、且つ該有底穴部の底部は脚部の剛性棒状体の下端足部が床等を傷つけることがないように、十分な厚みを有する。内側足部カバーの有底穴部は、典型的には、その長手方向の場所によらず一定の横断面形状を有する。但し、その一部が細くなっていてもよい。
【0022】
本発明の乳幼児用椅子では、典型的には、前記外側足部カバーが、前記内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分を蔽うように前記内側足部カバー及び該足部近傍脚部分に有底穴部で嵌合されている。その場合、外側足部カバーが、一層抜けにくい。但し、外側足部カバーが内側足部カバーのみを覆っていてもよく、外側足部カバーが内側足部カバーの最大径部及びその近傍を覆う限り、場合によっては、内側足部カバーの一部(上端部)が外側足部カバーに覆われることなく露出していてもよい。
【0023】
以上において、外側足部カバーの有底穴部は、内側足部カバーのみに嵌合されるか、該内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分にも嵌合されるかにかかわらず、典型的には、その長手方向の場所によらず一定の横断面形状を有する。外側足部カバーの有底穴部が内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分にも嵌合される場合、剛性棒状体よりも大径の内側足部カバーに対しては、より強く嵌合され特に穴部に底壁があることから該底壁部の近傍に位置する内側足部カバーに対しては更に強く嵌合されることになる。但し、所望ならば、外側足部カバーの有底穴部のうち内側足部カバーに嵌合される部分を他の部分よりも大径に形成しておいてもその逆に他の部分よりも小径に形成しておいてもよい。なお、いずれのばあいであっても、外側足部カバーは、適度な締付力を持って内側足部カバーに嵌着されるようにその有底穴部が比較的小径に構成される。
【0024】
また、以上において、脚部を構成する剛性棒状体は、典型的には、金属製又は硬質樹脂製のパイプ(中空棒状体)からなる。但し、その代わりに、中実な棒状体であってもよい。なお、素材も、金属や硬質樹脂の代わりに、木材や竹など他の材料であってもよい、
【0025】
脚部の横断面の形状は、典型的には、円形である。但し、その代わりに、横断面形状が、楕円形や三角形や四角形その他の多角形でもよい。
【0026】
本発明の乳幼児用椅子では、典型的には、前記外側足部カバーが、柔軟な発泡体(例えば、柔軟なゴム様材料(ゴム又は該ゴムと同様な弾力性・柔軟性のある材料)の発泡体又は柔軟な樹脂等の発泡体)からなる。柔軟ないわゆるスポンジでもよい。但し、外側足部カバーの材料が内側足部カバーの材料よりも十分に柔軟であれば、その材料は、柔軟な発泡体以外の材料でできていてもよい。
【0027】
本発明の乳幼児用椅子では、典型的には、外側足部カバーの外形がボール状(典型的には有底穴部の開口部及びその近傍を除いて球状)である。その場合、外側足部カバーが外力によって抜けにくいだけでなく、乳幼児が該外側足部カバーに身体の一部をぶつけても、該乳幼児が怪我をする虞れが一層低減され得る。但し、外側足部カバーは、ボール状の代わりに、楕円体状など他の形状でもよく、場合によっては、多面体状であってもよい。
【0028】
本発明の乳幼児用椅子は、典型的には、ひじ掛部を有する。但し、肘掛部がなくてもよい。また、乳幼児用椅子は、乳幼児が椅子から落ちるのを防ぐバンドその他の固定具や乳幼児用卓を備えるものでもよい。
【0029】
本発明の乳幼児用椅子では、典型的には、座部、背凭れ部及びひじ掛部のうちの少なくとも一部が前記脚部を構成する前記剛性棒状体と同程度の剛性の棒状体からなる骨部を有し、該骨部の少なくとも一部は、一側が長手方向に切欠かれ横断面C字状で前記内側足部カバーよりも軟らかい管状カバーで覆われている。
【0030】
その場合、椅子が転倒したり椅子を引きずったり椅子を投げたりすることにより該骨部によって床等が傷つけられる虞れが少なく、また、乳幼児の頭部その他の身体が椅子の骨部に当たって乳幼児が怪我等をする虞れも少ない。
【0031】
本発明の乳幼児用椅子では、典型的には、前記管状カバーが樹脂製のCリングによって前記棒状体に固定されている。その場合、Cリングが嵌っていない状態又はCリングを外した状態では管状カバーが骨部に対して容易に着脱され得るだけでなく、環状カバーが骨部から外れる虞れが少ないので、床等を傷つけたり乳幼児が怪我をしたりする虞れを最低限に抑え得る。
【0032】
また、本発明の外側足部カバーは、前記目的を達成すべく、乳幼児用椅子の剛性棒状体からなる脚部の下端の足部に有底穴部で嵌合されて該足部を覆う剛性棒状体よりも軟らかい内側足部カバーを更に蔽うように該内側足部カバーに有底穴部で嵌合される柔軟な材料製の外側足部カバーであって、前記内側足部カバーよりも軟らかい材料で形成されている。
【0033】
本発明の外側足部カバーでは、典型的には、前記外側足部カバーが、前記内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分を蔽うように前記内側足部カバー及び該足部近傍脚部分に有底穴部で嵌合されるように構成されている。本発明の外側足部カバーでは、典型的には、前記外側足部カバーが、柔軟な発泡体からなる。また、本発明の外側足部カバーでは、典型的には、外側足部カバーの外形がボール状である。これらの意義は、前述のとおりである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0035】
本発明の好ましい一実施例の乳幼児用椅子1は、図1の(a)及び(b)並びに図2の(a)からわかるように、座部2と、背凭れ部4と、左右一対の肘掛部6a,6b(両者を区別しないときまたは総称するときは符号6で表す、以下同)と、前側の左右一対の脚部8Aa,8Ab(両者を総称等するときは符号8Aで表す)及び後側の左右一対の脚部8Ba,8Bb(両者を総称等するときは符号8Bで表し、前側を含めて総称等するときは符号8で表す)とを有する。
【0036】
図1の(a)及び(b)並びに図2の(a)に加えて図2の(b)からわかるように、乳幼児用椅子1は、主パイプ10と、一対の後側パイプ20a,20b(両者を総称等するときは符号20で表す)と、座部形成用補助パイプ30と、背凭れ部形成用補助パイプ40とを有する。各パイプ10,20,30,40は、例えば、鋼の如き金属製の中空棒状体からなり、交差部で相互に溶接されて乳幼児用椅子1の骨部ないしフレーム3を形成し、更に外表面が塗料で塗装されている。但し、各パイプ10,20,30,40は、機械的強度が確保され得且つ相互に強固に固着され得る限り、一部又は全部が他の金属若しくは合金製又は硬質樹脂製の中空棒状体であってもよく、また、重量等が許容される場合には、中実な棒状体であってもよい。この例では、各パイプ10,20,30,40は、横断面が実際上円形の丸パイプからなる。但し、パイプ10,20,30,40のうちの少なくとも一部のパイプ又は該少なくとも一部のパイプの少なくとも一部が楕円形や矩形の如く非円形の横断面形状を有していてもよい。
【0037】
主パイプ10は、左右一対の前側脚部形成部分11a,11b(両者を総称等するときは符号11で表す)と、左右一対の肘掛形成部分12a,12b(両者を総称等するときは符号12で表す)と、背凭れ4の上端形成部分13と、肘掛形成部分12a,12bと該背凭れ上端形成部分13とをつなぐ接続部分14a,14b(両者を総称等するときは符号14で表す)とを有する。
【0038】
主パイプ10のうち前側脚部形成部分11は実質的に上下方向(この例では厳密には斜め上下方向)に延び、肘掛形成部分12は、ほぼ水平でこの例では厳密には後方ほど上側に位置するように斜めに延び、主パイプ10は、前方から見た場合全体としてほぼU字状の形状を有する。肘掛形成部分12a,12bは、前側端部(下端部)15a,15b(両者を総称等するときは符号15で表す)において滑らかに湾曲して、対応する前側脚部形成部分11a,11bの上端に一体的につながり、後側端部16a,16b(両者を総称等するときは符号16で表す)において、滑らかに湾曲した対応する接続部分14a,14bを介して、背凭れ上端形成部分13に一体的につながっている。
【0039】
後側パイプ20a,20bは、夫々、斜め方向に拡がって延びた左右一対の後側脚部形成部分21a,21b(両者を総称等するときは符号21で表す)と、上下方向に延びた背凭れ側縁形成部分22a,22b(両者を総称等するときは符号22で表す)とを有する。背凭れ側縁形成部分22a,22bは、上端部23a,23b(両者を総称等するときは符号23で表す)で主パイプ10の背凭れ上端形成部分13の対応端部17a,17b(両者を総称等するときは符号17で表す)に一体的に接続され、下端部24a,24b(両者を総称等するときは符号24で表す)で対応する後側脚部形成部分21a,21bの上端部に一体的につながっている。
【0040】
背凭れ部形成用補助パイプ40は、複数の細いパイプ群41からなり、主パイプ10の背凭れ上端形成部分13および後側パイプ20a,20bの背凭れ側縁形成部分22a,22bに端部で一体的に接続されてパイプ部分13,22と協働して背凭れ部4を形成している。
【0041】
座部形成用補助パイプ30は、左側の前後の脚部形成部分11a,21aに両端でつながった左側座部形成用補助パイプ30aと、右側の前後の脚部形成部分11b,21bに両端でつながった右側座部形成用補助パイプ30bとからなる。複数本の座部形成用補助パイプ30,30が相互に交差していてもよい。座部形成用補助パイプ30の上には、クッション付の座板32が載置固定され、該座板32と座部形成用補助パイプ30とにより、座部2が形成されている。
【0042】
各前側脚部形成部分11及び各後側脚部形成部分21を総称して、以下では、脚部形成部分ないし脚部と呼ぶ。この脚部は、前述の脚部8に対応する。
【0043】
図3の断面図からわかるように、各脚部8を形成する剛性棒状体51の下端部の足部52には、比較的剛性の高い軟質樹脂からなる内側足部カバー部材60が嵌着されている。但し、この内側足部カバー60は、従来の乳幼児用椅子100に用いられていた足部カバー150(図8〜図10に示したもの)と同じものであって、この内側足部カバー60を構成する樹脂は、該内側足部カバー60が露出して床等に直接接触した状態で該内側足部カバー60が荷重を受けるときでも、床等を傷付ける虞れが実際上ない程度には軟らかい(軟質の)材料からなる。
【0044】
即ち、内側足部カバー部材60は、図9の(c)〜(e)に対応する図5(a)〜(c)に示したように、大まかには、ほぼ球状の外表面61を備えると共に、上端62に開口63を備えた円筒状ないし円柱状の有底穴すなわちメクラ穴64を有する。穴64の底壁65は、脚部8にかかる荷重や衝撃に耐えるに十分に厚く、穴64の周壁66は内側足部カバー部材60が全体として容易には変形されることなく脚部8の剛性棒状体51に嵌合され得るように十分厚い。内側足部カバー部材60が脚部8の剛性棒状体51の下端部の足部52のまわりに比較的きつく嵌合されるように、有底穴64の内径は、実際上、足部52の外径とほぼ一致しており、厳密には、該外径よりも僅かに小さい。その結果、内側足部カバー部材60は、有底穴64において、脚部8の足部52に実際上嵌着されており、軽く引っ張る程度では、足部52から抜けない。
【0045】
しかしながら、図10の(b)〜(e)を参照して足部カバー150について説明したように、仮に内側足部カバー部材60が露出していると仮定すると、乳幼児用椅子1が、例えば、横転している状態で該脚部8の足部52に嵌着された内側足部カバー部材60に異物がぶつかって抜け方向の外力を受けたり、椅子1を投げた際に該脚部8の足部52に嵌着された内側足部カバー部材60に抜け方向の外力がかかったりすると、内側足部カバー部材60が一気に抜けたり、該内側足部カバー部材60が抜け方向にずれ、椅子1が横転状態で放置されてこのような抜け方向のズレが偶々繰り返されると、内側足部カバー部材60が脚部8の足部52から抜けてしまう虞れがある。また、内側足部カバー部材60は多少なりとも軟質の樹脂からなるので、長期間嵌合状態に保たれると、クリープ現象などにより徐々に穴64が拡がって嵌着状態が緩み、抜け易くなる。その結果、乳幼児の預かり施設や遊び場等のように椅子1が長期間使用される状況下では、内側足部カバー部材60が露出していると、比較的小さな外力によっても、内側足部カバー部材60が脚部8の足部52から抜け易くなる虞れもある。
【0046】
ところが、この乳幼児用椅子1では、図1の(a)及び(b)並びに図2の(a)に示した椅子1の全体図に加えて図3に示した脚部8の断面図からわかるように、更に、内側足部カバー部材60及び脚部8のうち内側足部カバー60に覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分54を包むようにこれらに嵌着された柔らかい発泡ゴム製の外側足部カバー部材70を有する。
【0047】
外側足部カバー部材70は、図5の(d)〜(g)に示したように、大まかには、ほぼ球状の外表面71を備えると共に、上端72に開口73を備えた有底穴すなわちメクラ穴74を有する。有底穴74の底壁75及び周壁76は外側足部カバー70の外表面71に加えられた外力が有底穴74の内表面にまで伝わる前に該外力を実際上吸収するように変形し得るように十分に厚い。穴74の底は典型的には平面状であるけれども、湾曲していても凸凹していてもよい。なお、外側足部カバー部材70を構成する球の半径は内側足部カバー部材60を構成する球の半径よりもはるかに大きい。また、外側足部カバー部材70を椅子1の脚部8に嵌着する前の自由な状態(穴部74に外力がかかっていない状態)では、該外側足部カバー部材70の有底穴74の径は、脚部8の足部近傍脚部分54の径よりも小さく、内側足部カバー部材60の外径よりも相当小さい。穴74の横断面は典型的には円形であるけれども、円形以外の形状であってもよい。なお、剛性棒状体51の横断面が矩形等の場合であっても、穴74は円形でもよい。但し、剛性棒状体51の横断面形状に多少なりとも似た形状であっても良い。
【0048】
従って、外側足部カバー部材70がその有底穴74で脚部8の足部近傍脚部分54及び内側足部カバー部材60のまわりに嵌合される場合、外側足部カバー部材70のうち有底穴74の開口近傍及び奥の周壁部分77,78の発泡材が拡径変形された状態で、脚部8の足部近傍脚部分54及び内側足部カバー部材60のまわりに嵌合され、特に、有底穴74の奥の周壁部分78の発泡材が大きく拡径変形された状態で、外側足部カバー部材70が脚部8の剛性棒状体51及び内側足部カバー部材60に嵌着される。
【0049】
その結果、外側足部カバー部材70は、有底穴74の奥部周壁78において、内側足部カバー部材60のまわりに実際上嵌着されている。なお、外側足部カバー部材70の有底穴74の奥部周壁78は、内側足部カバー部材60の最大径部67及びその両側部分68,68に嵌合されるので、外側足部カバー部材70の一方の周壁側をひねって毟り取るような力を意図的に加えない限り外側足部カバー部材70を内側足部カバー部材60から外す(抜く)ことは実際上できない。すなわち、外側足部カバー部材70を抜き方向A1に引張った場合、その引張力が極めて大きいと内側足部カバー部材60が外側足部カバー部材70と共に脚部8から抜けることはあっても、内側足部カバー部材60を脚部8に対して嵌合状態に保ったまま外側足部カバー部材70を内側足部カバー部材60から引き抜くことは実際上できない。
【0050】
以上の如く、剛性棒状体51の足部52に軟質樹脂製の内側足部カバー部材60が有底穴部64で嵌合され更に該足部52のまわりにおいて且つ内側足部カバー部材60のまわりに発泡ゴム製の外側足部カバー部材70が有底穴部74で嵌合されてなる脚部8を備えた乳幼児用椅子1の外側足部カバー部材70に抜け方向A1の成分を有する外力B1が加えられた場合について、次に、図4を参照して、詳しく説明する。
【0051】
例えば、図4の(a)に示したように、脚部8がほぼ水平方向に延びた状態S1にある場合を想定する。このような状態は、乳幼児用椅子1が横転していたり、該椅子1をひきずるように引っ張ったり椅子1を投げたりした場合に生じる。
【0052】
この状態S1において、脚部8の肥大部である外側カバー部材70が異物に引っかかったりぶつかって該外側カバー部材70に抜け方向A1の成分を有する衝撃的外力B1が加えられることは、少なくない。
【0053】
その場合、この乳幼児用椅子1では、外側足部カバー70が柔軟な発泡材からので、該外側足部カバー部材70が該衝撃的外力B1に応じて撓み・圧縮等変形する。この外側足部カバー70が肉厚の周壁部76を備えるので、該衝撃的外力B1が該外側足部カバー70の肉厚周壁部76で弱められるから、該外側足部カバー70の内部にある内側足部カバー60には該外力B1はほとんど伝わらないか、極めて弱められた状態で伝わる。従って、上記のような外力B1によっては、内側足部カバー部材60には抜け方向の力はほとんど伝わらず、内側足部カバー部材60が抜ける虞れが少ない。すなわち、図10を参照して説明した従来の乳幼児用椅子100の足部カバー部材150と比較して、この乳幼児用椅子1では、内側足部カバー部材60が抜ける虞れが大幅に低減され得る。
【0054】
図4の(b)に示したように、脚部8がほぼ水平方向に延びた状態S2にある場合でも、同様である。
【0055】
なお、柔軟な発泡材からなる外側足部カバー部材70が脚部8の足部近傍脚部分54及び内側足部カバー部材60のまわりを覆っているので、脚部8が床等に載置されたり横転されたりしても、剛性棒状体51の足部52の下端や端縁が床等を直接傷つける虞れがない。
【0056】
以上のとおり、柔軟な発泡材からなる外側足部カバー部材70は、脚部8を構成する剛性棒状体51の下端部や下端縁の露出を防ぐことにより床の損傷や怪我等の虞れを最低限に抑え得、且つ内側足部カバー部材60の不測の抜け・離脱の虞れを最低限に抑え、結果的に、脚部8の露出を防ぐことにより床の損傷や怪我等の虞れを最低限に抑え得る。
【0057】
なお、内側足部カバー部材60としては、従来の乳幼児用椅子の足部カバー部材として用いられているもの或いはそれと同効物であれば、図5の(a)〜(c)に示した形状のものの代わりに、他のどのようなものでもよく、例えば、図7の(a)〜(e)に示したような内側足部カバー部材60A,60B,60C,60D,60Eであってもよい。図7の(a)の内側足部カバー部材60Aは実質的に円柱状の外表面を有し、図7の(b)の内側足部カバー部材60Bはほぼ円柱状であるけれども両端側程小径になるように滑らかに湾曲した外表面を有し、図7の(c)の内側足部カバー部材60Cは全体としてほぼ球状であるけれども下端面が平面状の外表面を有し、図7の(d)の内側足部カバー部材60Dは実質的に円錐台状で角部が落とされた外表面を有する。なお、図7の(e)の内側足部カバー部材60Eはゴム製で実質的に円柱状の外表面に縦溝が付されている。このような内側足部カバー部材60A,60B,60C,60D又は60Eと、外側足部カバー部材70とを備えた脚部8A,8B,8C,8D又は8Eを有する乳幼児用椅子1A,1B,1C,1D又は1Eにおいても、外力による内側及び外側足部カバー部材60A,60B,60C,60D又は60E及び70の不測の抜けが生じ難いことは、乳幼児用椅子1と同様である。なお、外側カバー部材70は柔軟性が大きくて相当程度変形可能であるので、いずれの場合でも、外側カバー部材70は、同一のものでよい。外側カバー部材70の有底穴74の径(外力がかかっていない図5の(d)〜(g)の状態にあるときの径)よりもある程度以上大きい限り、剛性棒状体51の外径も種々に異なっていてもよい。
【0058】
乳幼児用椅子1は、図1の(a)及び(b)並びに図2の(a)に示したように、更に、その骨部3の一部をなす主パイプ10を覆う管状カバー80を備える。管状カバー80は、図6の(a)及び(b)に示したように、一側縁81に沿って長手方向の全体に延在したスリットないし切欠部82を備えたゴム様軟質材製の中空厚肉円筒体83からなる。スリット82は、典型的には、管状カバー80の円筒83の長手方向(母線の延在方向)に平行に延びているけれども、所望ならば、らせん状など非直線状に伸びていてもよい。管状カバー80の内径は、該管状カバー80が被せられるパイプの外径と同程度で且つ該外径以下である。
【0059】
管状カバー80は、この例では、主パイプ10のうち肘掛形成部分12と背凭れ上端形成部分13とを覆っており、且つ前側脚部形成部分11のうちの上部部分18(図2の(b)参照)を覆っている。なお、所望ならば、管状カバー80が、主パイプ10の実質上全領域を覆っていてもよく、その場合、主パイプ10の前側脚部形成部分11のうち、外側足部カバー部材70に覆われている部分以外の部分を覆う。管状カバー80は、一側にスリット82を備えるので、管状カバー80の着脱が容易であるだけでなく、該主パイプ10に接続された他のパイプ20,40等の接続端が管状カバー80のスリット82内に位置するように管状カバー80を主パイプ10の外周にまきつけることにより、一本の連続した管状カバー80が主パイプ10を覆いうる。なお、管状カバー80と同様な管状カバー80(図示せず)が、主パイプ10だけでなく、骨部3の一部をなす後側パイプ20の一部又は全部(但し、外側足部カバー部材70によって覆われている部分を除く)や背凭れ部形成用補助パイプ40等の露出している部分の一部又は全部を覆っていてもよい。その場合、各パイプ20,40等を覆う管状カバー80(図示せず)は別体で且つ対応するパイプ20,40等の外径と同じかそれよりも少し小さい内径を有する。
【0060】
ゴム様軟質材製の管状カバー80は、図2の(a)に示したように、樹脂製のCリング85によって端部その他の領域で固定されている。Cリング85は、図6の(c)及び(d)に示したように、一側に開口ないし切欠86を備えたほぼ円形の帯状リング87からなる。但し、管状カバー80が十分強固に取付けられる場合には、Cリング85はなくてもよい。
【0061】
管状カバー80は、乳幼児用椅子1の転倒その他の際に主パイプ10等が床等を傷つける虞れを最低限に抑え得、且つ誤って乳幼児の身体が該椅子1にぶつかっても、乳幼児が怪我をする虞れを低減し得るだけでなく万一の怪我をする場合でも、その怪我を最低限に抑え得る。
【0062】
以上のような乳幼児用椅子1において、外側足部カバー70並びに管状カバー80及びCリング85以外の部分は、従来の乳幼児用椅子100(例えば、図8の(a)及び(b)に示したもの)そのものであり得る。すなわち、乳幼児用椅子1は、従来の乳幼児用椅子100に外側足部カバー70並びに管状カバー80及びCリング85を取り付けるだけで、形成され得る。その場合、幼児用椅子1の内側足部カバー60は、従来の幼児用椅子100の足部カバー150そのものである。
【0063】
なお、図2の(b)に示したように、乳幼児用椅子1aが管状カバー80を備えていなくてもよい。
【0064】
以上においては、外側カバー部材70が、乳幼児用椅子1の脚部8を構成する軟質樹脂製又はゴム製等の比較的柔らかい材料からなる足部カバー部材(60)のまわりに嵌着される例について説明したけれども、また、文言上は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲外であるけれども、この外側カバー部材70は、例えば杖ないしステッキの下端部(足部)や机の脚の下端部(足部)や通常の大人用(乳幼児用ではない)の椅子の脚の下端部(足部)等に被せられた他の足部カバー部材を内側カバー部材としてそれを覆うように被せる外側カバー部材として用いられ得る。その場合にも、例えば、乳幼児用椅子1の外側カバー部材と同様な役割を果たし得る。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の好ましい一実施例の乳幼児用椅子を示したもので、(a)は前斜め上方からみた一部破断斜視説明図(右後の脚部の足部の一部が破断されてその構造が示されている)斜視説明図、(b)は後斜め上方からみた斜視説明図。
【図2】図1の幼児用椅子を示したもので、(a)は左斜め上方から見た斜視説明図、(b)は管状カバーを取り付けていない状態又は該管状カバーを備えていないものについての(a)と同様な斜視説明図。
【図3】内側及び外側足部カバー部材を供えた脚部の足部の断面説明図。
【図4】図3の脚部の足部に外力が加えられた場合を説明するための図で、(a)は脚部が水平な状態にある場合を示した図3と同様な断面説明図、(b)は脚部が斜め下向きに向いた状態にある場合を示した(a)と同様な断面説明図。
【図5】図1の乳幼児用椅子で用いられている内側及び外側足部カバー部材を示したもので、(a)は内側足部カバー部材を斜め上から見た斜視説明図、(b)は(a)の内側足部カバー部材の平面(上面)説明図、(c)は(b)のVC−VC線断面説明図、(d)は外側足部カバー部材を斜め上から見た斜視説明図、(e)は(d)の外側足部カバー部材をほぼ真上から見た斜視説明図、(f)は(d)の外側足部カバー部材の正面説明図、(g)は(f)のVG−VG線断面説明図。
【図6】図1の乳幼児用椅子で用いられている管状カバー及びCリングを示したもので、(a)は管状カバーの斜視説明図、(b)は(a)のVIB方向に見た側面説明図、(c)はCリングの平面説明図、(d)は(c)のVD方向に見た側面説明図。
【図7】図3の足部の変形例のいくつかを示したもので、(a)〜(e)は夫々図3と同様な断面説明図。
【図8】従来の乳幼児用椅子を示したもので、(a)は図1の(a)と同様な斜視説明図、(b)は図1の(b)と同様な斜視説明図。
【図9】図8の乳幼児用椅子の脚部を説明するもので、(a)は脚部の下部を拡大して示した斜視説明図、(b)は(a)の脚部に足部カバーが装着されていない状態における(a)と同様な斜視説明図、(c)は(a)の足部カバーの斜視説明図、(d)は(c)の上面(平面)説明図、(e)は(d)のIXE−IXE線断面説明図。
【図10】図8の乳幼児用椅子における足部の詳細を説明するためのもので、(a)は足部が上下方向に延びた通常の載置状態を示した断面説明図、(b)は足部が水平方向に寝た状態を示した断面説明図、(c)は(b)の足部に外力が加わった場合における足部カバーの嵌合状態の変化を示した断面説明図、(d)は足部が斜め下向きに向いている場合に該足部に外力が加わった場合における足部カバーの嵌合状態の変化を示した断面説明図、(e)は足部が斜め上向きに向いている場合に該足部に外力が加わった場合における足部カバーの嵌合状態の変化を示した断面説明図。
【符号の説明】
【0066】
1,1a,1A,1B,1C,1D,1E 乳幼児用椅子
2 座部
3 骨部
4 背凭れ部
6 肘掛部
8,8A,8B,8C,8D,8E 脚部
10 主パイプ
11,11a,11b 前側脚部形成部分
12,12a,12b 肘掛形成部分
13 背凭れ状端形成部分
14,14a,14b 接続部分
15,15a,15b 前側端部
16,16a,16b 後側端部
20,20a,20b 後側パイプ
21,21a,21b 後側脚部形成部分
22,22a,22b 背凭れ側縁形成部分
23,23a,23b 上端部
24,24a,24b 下端部
30,30a,30b 座部形成用補助パイプ
32 座板
40 背凭れ形成用補助パイプ
41 パイプ群
51 剛性棒状体
52 足部
54 足部近傍脚部分
60,60A,60B,60C,60D,60E 内側足部カバー部材
61 外表面
62 上端
63 開口
64 有底穴(メクラ穴)
65 底壁部
66 周壁部
67 最大径部分
68 最大径部の隣接部分
70 外側足部カバー部材
71 外表面
72 上端
73 開口
74 有底穴(メクラ穴)
75 底壁部
76 周壁部
77,78 周壁部分
80 管状カバー
82 スリット(切欠部)
83 円筒
85 Cリング
86 開口(切欠)
87 帯状リング
100 従来の乳幼児用椅子
150 従来の足部カバー部材
A1 抜き方向
B1 外力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部、背凭れ部及び複数本の脚部を備えた乳幼児用椅子であって、各脚部が、剛性棒状体と、該棒状体の下端の足部に有底穴部で嵌合された内側足部カバーと、該内側足部カバーを蔽うように該内側足部カバーに有底穴部で嵌合された柔軟な材料製の外側足部カバーとを有し、
前記内側足部カバーが、前記剛性棒状体よりも軟らかく且つ外側足部カバーよりも硬い材料でできている乳幼児用椅子。
【請求項2】
前記外側足部カバーが、前記内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分を蔽うように前記内側足部カバー及び該足部近傍脚部分に有底穴部で嵌合されている請求項1に記載の乳幼児用椅子。
【請求項3】
前記外側足部カバーが、柔軟な発泡体からなる請求項1又は2に記載の乳幼児用椅子。
【請求項4】
外側足部カバーの外形がボール状である請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の乳幼児用椅子。
【請求項5】
ひじ掛部を有する請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の乳幼児用椅子。
【請求項6】
座部、背凭れ部及びひじ掛部のうちの少なくとも一部が前記剛性棒状体と同程度の剛性の棒状体からなる骨部を有し、該骨部の少なくとも一部は、一側が長手方向に切欠かれ横断面C字状で前記内側足部カバーよりも軟らかい管状カバーで覆われている請求項5に記載の乳幼児用椅子。
【請求項7】
前記管状カバーが樹脂製のCリングによって前記棒状体に固定されている請求項6に記載の乳幼児用椅子。
【請求項8】
乳幼児用椅子の剛性棒状体からなる脚部の下端の足部に有底穴部で嵌合されて該足部を覆う剛性棒状体よりも軟らかい内側足部カバーを更に蔽うように該内側足部カバーに有底穴部で嵌合される柔軟な材料製の外側足部カバーであって、前記内側足部カバーよりも軟らかい材料で形成された外側足部カバー。
【請求項9】
前記外側足部カバーが、前記内側足部カバーに加えて剛性棒状体のうち該内側足部カバーに覆われた部分よりも上方に位置する足部近傍脚部分を蔽うように前記内側足部カバー及び該足部近傍脚部分に有底穴部で嵌合されるように構成された請求項8に記載の外側足部カバー。
【請求項10】
前記外側足部カバーが、柔軟な発泡体からなる請求項8又は9に記載の外側足部カバー。
【請求項11】
外側足部カバーの外形がボール状である請求項8から10までのいずれか一つの項に記載の外側足部カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−264191(P2008−264191A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111126(P2007−111126)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(394012245)株式会社カーボーイ (3)