説明

乳房保護システム及びその装具

支持表面上に腹臥位で横たわる対象の乳房に隣接して位置するように表面上に配置される装具(保護パッド)において、装具は、(a)対象の乳房間に受入れ可能であるように装具の長手方向軸に沿って延在して胸骨を支持する中心部分;及び(b)中心部分の頭側端から外向きに両側に延在して鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨を支持する対向部分(「頭側部分」);及び/又は(c)中心部分の尾側端から外向きに両側に延在して下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持する対向部分(「尾側部分」)を含み、これらの部分は、長手方向軸の側方外向きに空間が画定され、乳房が外側及び/又は上外側に変位してそれらの空間を占有するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願日
本願は、「A protective system and device therefor」と題される2010年3月2日に出願された米国仮特許出願第61/309,758号明細書に関連し、及びそれからの優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、腹臥位の対象の乳房を支持及び位置決めし、且つ乳房及び/又は隣接する痛み感受性組織を不要な乳房の圧迫、変位、異常又は疼痛から保護するための装具に関する。この装具は、とりわけ、臨床検査及び/又は臨床治療の間、放射線学的手技若しくは他の手技の間、乳腺痛(乳房痛)がある間、又はマセクトミー(masectomy)、豊胸術若しくは乳房再建術の後、又は理学療法若しくはマッサージの施術時などの臨床状況において特に有用である。この装具はまた、限定なしに、乳腺痛がある間、又はマセクトミー(masectomy)、豊胸若しくは乳房再建の後など、診療所外において腹臥位で安静にする間の個人的使用にも用途が見出され得る。
【背景技術】
【0003】
本明細書で著者が参照する刊行物の文献詳細は、本記載の最後にまとめている。
【0004】
本明細書における任意の先行技術に対する言及は、その先行技術がいかなる国においても共通する一般的知識の一部をなすという認識として、又はそのいかなる形の示唆としても、解釈されることはなく、及びそのように解釈されてはならない。
【0005】
乳房は、胸壁の胸筋を覆って位置する腺性、脂肪性、及び線維性の組織から構成され、線維性のクーパー靭帯によって胸壁に付着している。乳房全体にわたり延在する乳房の腺を脂肪組織が取り囲み、それが乳房に柔軟性を付与している。
【0006】
腹臥位時などのうつ伏せ安静は、理学療法若しくはマッサージの間などの臨床状況においても、又は日光浴時などに単にくつろいでいるなかでも、痛みに敏感な乳房組織の圧迫及び変位によって乳房組織に痛み及び不快感を引き起こし得る。この問題は、乳房が特に圧痛を有するとき、又は解剖学的構造が改変されているときに悪化する。乳房圧痛(乳腺痛、乳房痛(mastodynia)又は乳房痛(mammalgia))は、例えば、月経中、妊娠中、思春期の間若しくは授乳中、乳腺炎若しくは線維嚢胞性の乳房組織がある場合、又は与薬に対する有害反応として、増大し得る。広範囲の瘢痕組織を有するマセクトミー(masectomy)の術後患者は、腹臥位時に痛みを感じる。豊胸患者は腹臥位時に、乳房、瘢痕及びインプラント組織の圧迫及び変位による痛みの発生を訴える。実際、乳房組織のかかる圧迫又は変位は、インプラントの損傷及び/又はインプラントの移動並びに隣接組織の損傷などの合併症を引き起こし得る。乳房を正しく位置決めすることは、例えばマンモグラフィ又は他の放射線学的検査の間の不快感を減らすために極めて重要であり、それによりまた検査精度も向上する。さらに、放射線学的検査の間に乳房が適切な位置に維持される場合には、胸壁のイメージングが改善される。
【0007】
過去には、これらの問題のいくつかについて、直接的な緩衝材又は略乳房形状の乳房用凹部を提供することによって対処する診療台及び他の装置が生み出されている。先行技術の装置は、概して、乳房位置のばらつき並びに個体間のサイズ及び骨格のばらつきをうまく考慮に入れることに失敗している。乳房挿入用凹部を有する診療台は、例えば米国特許第7,636,967号明細書に開示されている。別の解決策では、米国特許第7,426,762号明細書に開示されるとおり、乳房を挿入することが可能な2つの開口を有する楕円形の枕が用いられる。米国特許第7,636,967号明細書又は米国特許第7,426,762号明細書のいずれによっても、乳房組織の優れた制御、又はその保護は提供されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該技術分野では、腹臥位時に対象の乳房組織を保護及び位置決めするための改良されたシステム及び装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、支持表面上に腹臥位で横たわる対象の乳房に隣接して位置するように表面上に配置される装具(保護パッド)が提供され、この装具は、(a)対象の乳房間に受入れ可能であるように装具の長手方向軸に沿って延在して胸骨を支持する中心部分;及び(b)中心部分の頭側端から外向きに両側に延在して鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨を支持する対向部分(「頭側部分」);及び/又は(c)中心部分の尾側端から外向きに両側に延在して下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持する対向部分(「尾側部分」)を含み、これらの部分は、長手方向軸の側方外向きに空間が画定され、乳房が外側及び/又は上外側に変位してそれらの空間を占有するように構成される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、支持表面に対して腹臥位で横たわる対象の上胴部を支持する方法が提供され、ここでは本明細書に定義するとおりの装具が、対象の乳房に隣接して位置するように対象と支持表面との間に位置決めされ、従って中心部分が胸骨を支持し、及び対向部分が鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨、及び/又は下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持し、それにより乳房が空間を占有するように外側及び/又は上外側に変位する。
【0011】
好ましくは、この装具は、対象により係合されたときに弾性変形するように構成される。
【0012】
好ましくは、この装具は、緩衝する方法で対象を係合するように形成される。
【0013】
この装具は有利には、乳房のサイズに関わらず、乳房の周囲を捕捉するのではない方法で対象を係合し得る。
【0014】
好ましくは、中心部分はその長さに沿って、すなわち長手方向軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0015】
好ましくは、装具は尾側部分を含む。
【0016】
好ましくは、尾側部分は一体形成される。
【0017】
好ましくは、尾側部分の各々は、それが対象に接触する軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0018】
好ましくは、中心部分と尾側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側尾側境界を画定する湾曲を形成する。従って縁部分は、装具を支持表面上に配置したときのその表面に平行な断面で見たとき、湾曲した外形を有し得る。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、各湾曲の略曲率中心は、それぞれの隣接する縁部分が合流する位置の上外側にある。
【0020】
好ましくは、この装具は、尾側部分の間にリリーフを備えて、剣状突起に対する圧力を抑制又は除去するように構成される。好ましくはリリーフは、装具の上表面に凹設された陥凹面を含む。
【0021】
好ましくは、尾側部分は、長手方向軸を中心に尾側方向に発散する軸に沿って対象に接触するように構成される。好ましくは、前記軸の各々は、長手方向軸と約65°〜約85°の角度をなす。より好ましくは、各角度は約70°〜約80°である。さらにより好ましくは、各角度は約75°である。
【0022】
好ましくは、尾側部分は、それらの軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0023】
好ましくは、装具は頭側部分を含む。
【0024】
好ましくは、中心部分と頭側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側頭側境界を画定する湾曲を形成する。従ってこれらの隣接する縁部分は、装具を支持表面上に配置したときのその表面に平行な断面で見たとき、湾曲した外形を有し得る。
【0025】
好ましくは、中心部分と尾側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側尾側境界を画定する湾曲を形成する。
【0026】
好ましくは、頭側部分は一体形成される。
【0027】
好ましくは、頭側部分は上向きに凸型である。
【0028】
好ましくは、この装具は、頭側部分の間にリリーフを備えて、呼吸が容易となるよう気管及び/又は頸静脈切痕に対する圧力を抑制又は除去するように構成される。
【0029】
好ましくは、頭側部分は、長手方向軸を中心に頭側方向に発散する軸に沿って対象に接触するように構成される。好ましくは、これらの軸の各々は、長手方向軸と約50°〜約70°の角度をなす。より好ましくは、各角度は約55°〜約65°である。さらにより好ましくは、各角度は約60°である。
【0030】
好ましくは頭側部分は、それらの軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0031】
好ましくは、この装具は中心部分の両側が外向きに開いている。
【0032】
好ましくは、この装具は略I字型構成である。
【0033】
好ましくは、この装具は弾性変形可能な材料で形成される。
【0034】
好ましくは、この装具は実質的に中実の構造である。
【0035】
好ましくは、この装具は、装具が支持表面上に配置されたときに露出する装具の外表面より下方に配設された、装具の変形を促進する少なくとも1つの空洞を備えて形成される。
【0036】
好ましくは、この又は各空洞は、装具の下表面に凹設された凹部を含む。
【0037】
好ましくは、この又は各空洞は、対象により装具が係合される線の下に配置される。
【0038】
好ましくは、この装具は、対象により装具が係合されたときに剣状突起の下に置かれるように構成される前記空洞を含む。
【0039】
好ましくは、この装具は、空間のそれぞれ実質的にC字型及び逆C字型の側方内側境界を画定する滑らかに湾曲した縁部分を備えて構成される。
【0040】
本発明の第3の態様によれば、使用時の上記に定義するとおりの装具が提供される。
【0041】
本発明のさらなる説明によれば、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房間に配置される装具(保護パッド)が提供され、この装具は、対象の乳房間に延在する中心部分と、乳房より上方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する上側(頭側)部分と、乳房より下方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する下側(尾側)部分とのうちの1つ又は複数を含み、ここで装具の両側部とも、上側部分と下側部分との間に空間を画定し、それぞれの乳房が前記空間内へと外側に又は上外側に変位することを可能にする。
【0042】
別の説明では、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房に隣接して配置される装具(保護パッド)を提供し、この装具は、少なくとも(a)対象の乳房間に延在する中心部分と、(b)乳房より上方に、中心部分の位置から対象の対向する側部の方に外向きに延在する上側(頭側)部分、及び/又は(c)乳房より下方に、中心部分の位置から対象の対向する側部の方に外向きに延在する下側(尾側)部分のいずれかとを含み、ここで装具の両側部とも空間を画定し、乳房が前記空間内へと外側及び/又は上外側に変位することを可能にする。
【0043】
一部の実施形態では、この装具は(a)及び(b)を含む。他の実施形態では、この装具は(a)及び(c)を含む。一部の実施形態では、この装具は(a)、(b)及び(c)を含む。
【0044】
一部の実施形態では、この装具は使用時、胸骨及び鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨の下、又はそれに代えて若しくは加えて、下部胸郭/肋軟骨及び/又は腹部の下に位置決めされ、ここでこの装具は、圧縮荷重を受け止めて痛み感受性の乳房組織から逸らし、装具に隣接する痛み感受性がより低い身体部分に振り分ける。
【0045】
好ましくは、この装具は保護パッドの形態である。好ましくは、この装具は単体である。好ましくは、この装具は長手方向軸に関して対称である。好ましくは、この装具は弾性変形可能である。好ましくは、この装具は成形構造である。
【0046】
上記の概要は、いかなる形であれ、本発明の全ての実施形態を網羅的に列挙したものと見なさることはなく、及びそのように見なされてはならない。
【0047】
いくつかの図はカラーでの表現又は実体を含む。カラー版の図は、特許権所有者から請求に応じて、又は然るべき特許局から入手可能である。特許局から入手する場合、料金が課され得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】様々な部分及び属性を示す例示的装具の図である。この装具は、例示的な部分(a)を形成する部分(i)、(ii)及び(iii)の1つ又は複数;例示的な部分(b)を形成する部分(ii)、(iv)及び(v)の1つ又は複数;及び例示的な部分(c)を形成する部分(iii)、(vi)及び(vii)の1つ又は複数を含む。一部の実施形態では、部分(ii)は部分(a)又は部分(b)の一部であってよく、及び部分(iii)は部分(a)又は部分(c)の一部であってよい。従って、一部の実施形態では、部分(b)(使用時に概して対象の頭の方に向く対向する頭側部分)が(iv)及び(v)を含む一方、存在する場合に(ii)が、中心部分(a)の一部である。同様に、一部の実施形態では、部分(c)(使用時に概して対象の足の方に向く対向する尾側部分)が部分(vi)及び(vii)を含む一方、存在する場合に(iii)が、中心部分の一部を形成する。図1はまた、装具の長手方向支持軸(中心対称軸とも称される)並びに空間の側方内側頭側境界及び尾側境界も示す。係合線は、どのようにして一部の実施形態における装具が、長手方向軸を中心に尾側方向(β)又は頭側方向(α)に発散する軸に沿って対象と接触するように構成されるかを示す。陰影は、(1)対象に係合する線と直交する断面で見たとき、実質的に上向きに凸型の構成;(2)呼吸が容易となるよう気管及び/又は頸静脈切痕に対する圧力を抑制又は除去するための、頭側部分の間及び/又は中心部分の頭側端にあるリリーフ;及び(3)剣状突起に対する圧力を抑制又は除去するための、尾側部分の間及び/又は中心部分の尾側端にあるリリーフを含めた、例示的な装具の輪郭を示す。
【図2】人体計測上のばらつきに対応して変わり得る装具寸法の一部を示す例示的な装具のスケッチである。加えて、装具の深さ及び輪郭が異なり得る。装具の各表面によって形成される弧のサイズもまた変わり得る。図1、図5及び図6に、様々なサイズの装具を示す。
【図3】腹臥位の骨格に対する装具の部分の接触及び相対位置を示す写真表現である。
【図4】(仮明細書の図8)背臥位の骨格に対する装具の部分の接触及び相対位置を示す写真表現である。
【図5】本発明の3つの例示的な装具(A〜C)を示す写真表現を提供し、5A(i)ここで頭側部分(上側端又は上位端)を紙面の上端に近い方とした平面図における陰影は、係合線、上側及び下側外面リリーフ範囲、及び本発明の他の特徴を示す;及び5B(ii)頭側部分が紙面の下の方に向く接線方向の側面図において、内側尾側境界(ICuB)を強調表示している、及び(iii)尾側部分が紙面の下の方に向き、内側頭側境界(ICpB)を強調表示している。これらの装具は、鉱物質を充填して紫外線安定化した熱可塑性スチレン系ゴム変性ポリプロピレン化合物を油展したものから成形した。
【図6】(i)尾側部分が紙面の下の方に向く側面図における本発明の3つの装具(A、B及びC)を示し、及び(ii)本発明の一部の実施形態における、中空にくり抜かれた部分又は空洞(Xにより指示される)を含むことで空洞に隣接してより大きい変形能を提供する単体装具の底面を示す写真表現を提供する。
【図7】実施例2に記載するとおりの、改変されていない天然の乳房組織を有する対象に対する脊椎マニピュレーションのスラストで乳房組織に通じる力(N)及び圧力(kPa)を示すデータのグラフィック表現である。図7Aの左側は、マニピュレーションにおける最大荷重時の右乳房の三次元(3D)圧力像を提供し、装具のない乳房組織が高い最大圧力を受けることを示す。図7Bの左側は、マニピュレーションにおいて力が最大のときの乳房の3D像を提供し、装具の存在下では最大力の指示値が大きく低下したことを示す。装具がセンサに対して圧力を生じた場合、それらのデータは図の右側で表示から除外した。表示される像は、力対時間曲線(図の右側の中央のグラフ)のスパイクによって示されるとおりの、力が最大のときの三次元圧力像の画面ダンプである。表示を簡易にするため、2つのストリップからのデータを合成した。
【図8】実施例2に記載するとおりの、シリコン豊胸を有する対象LAに対する脊椎マニピュレーションのスラストで乳房組織に通じる力(N)及び圧力(kPa)を示すデータのグラフィック表現である。図8Aは、マニピュレーションにおいて力が最大のときの右乳房の圧力像を提供し、装具なしでは高い最大力を受けることを示す。図8Bは、装具の存在下でマニピュレーションにおいて力が最大のときの右乳房の大きく低下した圧力像を示す。装具の縁部が図の最も左側に表示され、装具に対する圧力を見ることができる。装具がセンサに対して圧力を生じた場合、それらのデータは図の右側で表示から除外した。表示される像は、力対時間曲線(図の右側の中央のグラフ)のスパイクによって示されるとおりの、力が最大のときの三次元圧力像の画面ダンプである。表示を簡易にするため、2つのストリップからのデータを合成した。
【図9】実施例3に記載するとおり、改変されていない天然の乳房組織を有する対象を測定したときの、装具の存在下で腹臥位の荷重がある場合、及びない場合における前後方向の圧迫(AP)及び内外側方向の変位(mesolateral displacement)(ML)の減少を示す磁気共鳴画像法(MRI)データの表現である。下の2つの画像に示されるとおり、装具が存在することで、装具が存在しない場合の同じ対象と比較して腹臥位で横たわるときの前後方向の圧迫が減少し、且つ内外側方向の変位が減少した。
【図10】実施例3に記載されるとおり、シリコン豊胸を有する対象についての、装具の存在下で腹臥位の姿勢における荷重がある場合、及びない場合の前後方向の圧迫(AP)及び内外側方向の変位(ML)の減少のグラフを示す磁気共鳴画像法(MRI)データの表現である。下の2つの画像の中央に示されるとおり、装具が存在することで、装具が存在しない場合の同じ対象と比較して前後方向の圧迫が減少し、且つ内外側方向の変位が減少した。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲全体を通じて、文脈上特に必要でない限り、語句「〜を含む(comprise)」、並びに「〜を含む(comprises)」及び「〜を含んでいる(comprising)」などの変化形は、記載される完全体(integer)若しくはステップ又は一群の完全体若しくはステップの包含を含意し、しかし任意の他の完全体若しくはステップ又は一群の完全体若しくはステップの排除を含意するものではないと理解される。
【0050】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に明確に指示されない限り複数形の態様を含む。従って、例えば、「ある装具(an orthosis)」に対する言及には、単一の装具、並びに2つ以上の装具が含まれ;「あるエラストマー(an elastomer)」に対する言及には、1つのエラストマー、並びに2つ以上のエラストマーが含まれる等となる。
【0051】
本明細書の各実施形態は、特に明記しない限り、変更すべき点を変更してあらゆる他の実施形態に適用されるものとする。
【0052】
本発明者は、圧迫及び変位の圧力を痛み感受性の乳房組織から逸らし、胸骨、鎖骨及び胸郭を含む構造的によりロバストな組織に向ける装具を開発した。一部の実施形態では、この装具は、乳房組織が変位する範囲において、その変位が装具によって案内され、且つ最も好適な外側方向及び/又は上外側方向に起こり、その動きが装具のいかなる部分によっても妨げられないことが確実となるように構成されている。好ましくは、乳房組織は前又は補助ひだ(anterior or auxiliary fold)の方に変位する。
【0053】
本発明の第1の態様によれば、支持表面上に腹臥位で横たわる対象の乳房に隣接して位置するように表面上に配置される装具(保護パッド)が提供され、この装具は、(a)対象の乳房間に受入れ可能であるように装具の長手方向軸に沿って延在して胸骨を支持する中心部分;及び(b)中心部分の頭側端から外向きに両側に延在して鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨を支持する対向部分(「頭側部分」);及び/又は(c)中心部分の尾側端から外向きに両側に延在して下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持する対向部分(「尾側部分」)を含み、これらの部分は、長手方向軸の側方外向きに空間が画定され、乳房が外側及び/又は上外側に変位してそれらの空間を占有するように構成される。
【0054】
一部の実施形態では、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房に隣接して配置される装具を提供する。特にこの装具は、乳房組織の圧迫及び/又は変位、又は乳房組織の圧迫に関連する痛みの低減、並びに放射線学的な、外科的な又はその他の手技の間における乳房の位置決めの向上に有効である。一部の実施形態では、この装具は少なくとも胸骨体の下に位置し、そこで装具は圧縮荷重を受け止めて痛み感受性の乳房組織から逸らし、胸骨、腹部、肋軟骨、胸郭又は鎖骨などの、装具上に横たわる痛み感受性がより低い身体部分へと振り分ける。一部の実施形態では、装具の側部は、乳房組織が圧迫中にその中へと快適に変位し得る空間を画定する。一部の実施形態では、圧縮荷重を受けて乳房組織が圧迫される及び/又は変位する程度が、装具が存在しない場合の乳房組織の圧迫及び/又は変位と比べて低減される。
【0055】
一部の実施形態では、この装具は、臨床検査又は理学療法の間を含め、腹臥位で横たわる間の乳房組織の圧迫及び/又は変位を制御及び低減する。
【0056】
本明細書で使用されるとき、用語「隣接する」は、乳房範囲(両乳房)より上方、及び/又はそれより下方及び/又はその間にある範囲を含む。
【0057】
一部の実施形態では、この装具は使用時、胸骨及び鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨の下、又はそれに代えて、若しくは加えて、下部胸郭/肋軟骨及び/又は腹部の下に位置決めされ、ここでこの装具は、圧縮荷重を受け止めて痛み感受性の乳房組織から逸らし、胸骨、腹部、肋軟骨、胸郭及び鎖骨などの、装具上に横たわる痛み感受性がより低い身体部分へと振り分ける。これは図3及び図4に示され、これらの図は、それぞれ腹臥位又は背臥位の骨格に対して、使用時に下に装具を置くよう意図される骨格の範囲がどこであるかを示す例示的な装具のモデルを示す。
【0058】
一部の実施形態では、この装具は、使用時に対象の体の正中線で胸骨と整列する中心対称軸を有する。
【0059】
圧縮荷重は、対象の上半身の重量から生じるか、又は例えば理学療法若しくはマッサージの間に、上半身、典型的には脊椎若しくは胸郭の後面に加わる荷重から生じ得る。一部の実施形態では、この装具は弾性変形可能である。
【0060】
いかなる特定の作用機構にも拘束されることなく、放射線医学、マッサージ、及び脊椎マニピュレーションなどの手技の間に乳房を位置決めするための先行技術の装置と比較して、本発明は、相対的な使い易さ、及び安全性、快適性に関するより高い能力、並びに整列及び位置決めの向上を提供する。加えてこの装置は、腋窩リンパ系に対して良好に露出することが可能である。
【0061】
装具及び部分の寸法は、一部には、安定性及び快適性に関して選択され、且つ対象集団における人体計測上のばらつきに対応して、対象の又は対象にかかる圧縮荷重が装具によって乳房及び隣接する痛み感受性組織から逸れて振り分けられることが確実となるように選択される。図5及び図6で説明される図1及び図2に示されるとおり、装具の各種寸法は様々であり得る。しかしながら、側部が開いたI字型又はC字型の構成では、個別には適合されていない装具による乳房の捕捉が、乳房のサイズが何であれ起こらないことが確実となる。
【0062】
一部の実施形態では、この装具は、快適性に関して、且つ使用時に組織が挟圧されることを回避するように輪郭決めされる。従ってこの装具は、好都合には、とりわけ装具の少なくとも乳房と向かい合う側部が徐々に傾斜して、使用時に乳房組織との滑らかな接触をなすように付形される。
【0063】
一部の実施形態では、この装具は、対象により係合されたときに弾性変形するように構成される。他の実施形態では、この装具は、緩衝する方法で対象を係合するように形成される。有利にはこの装具は、乳房のサイズが何であれ、乳房の周囲を捕捉するのではない方法で対象を係合する。
【0064】
一部の実施形態では、中心部分はその長さに沿って、すなわち長手方向軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0065】
一部の実施形態では、この装具は中心部の両側に外向きに開いている。例示的実施形態では、この装具は略I字型構成である。一部の実施形態では、この装具は弾性変形可能な材料で形成される。他の実施形態では、この装具は実質的に中実の構造である。
【0066】
一部のさらなる実施形態では、この装具は、尾側部分の間にリリーフを備えて、剣状突起に対する圧力を抑制又は除去するように構成される。一部の実施形態では、尾側のリリーフは、装具の上表面(外表面又は対象が接触する表面)に凹設された陥凹面を含む。他の実施形態では、この装具は、頭側部分の間にリリーフを備えて、呼吸が容易となるよう気管及び/又は頸静脈切痕に対する圧力を抑制又は除去するように構成される。一部の実施形態では、頭側リリーフは、装具の上表面(外表面)に凹設された陥凹面を含む。
【0067】
他の実施形態では、この装具は、装具が支持表面上に配置されたときに露出する装具の外表面より下方に配設された、装具の変形を促進する少なくとも1つの空洞を備えて形成される。一部の実施形態では、この又は各空洞は、装具の下表面に凹設された凹部を含む。一部の実施形態では、この又は各空洞は、対象により装具が係合される線の下に配置される。一部の実施形態では、この装具は、対象により装具が係合されたときに剣状突起の下に置かれるように構成される前記空洞を含む。
【0068】
一部の実施形態では、この装具は、空間のそれぞれ実質的にC字型及び逆C字型の側方内側境界を画定する滑らかに湾曲した縁部分を備えて構成される。
【0069】
好ましい実施形態では、装具は尾側部分を含む。一部の実施形態では、これらの尾側部分は一体形成される。
【0070】
例示的実施形態では、尾側部分の各々は、それが対象に接触する軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0071】
別の例示的実施形態では、中心部分と尾側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側尾側境界を画定する湾曲を形成する。これらは図に示される(図1を参照)。従って縁部分は、装具を支持表面上に配置したときのその表面に平行な断面で見たとき、湾曲した外形を有し得る。本発明の一部の実施形態では、各湾曲の略曲率中心は、それぞれの隣接する縁部分が合流する位置の上外側にある。
【0072】
例示的実施形態では、尾側部分は、長手方向軸を中心に尾側方向に発散する軸に沿って対象に接触するように構成される。一部の実施形態では、前記軸の各々は、長手方向軸と約65°〜約85°の角度(図1のβと記される角度を参照のこと)をなす。一部の実施形態では、各角度は約70°〜約80°である。さらに別の実施形態では、各角度は約75°である。
【0073】
一部の実施形態では、装具は頭側部分を含む。
【0074】
例示的実施形態では、中心部分と頭側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側頭側境界を画定する湾曲を形成する。従ってこれらの隣接する縁部分は、装具を支持表面上に配置したときのその表面に平行な断面で見たとき、湾曲した外形を有し得る。一部の実施形態では、中心部分と尾側部分との隣接する縁部分は、空間の側方内側尾側境界を画定する湾曲を形成する。
【0075】
一部の実施形態では、頭側部分は一体形成される。他の実施形態では、頭側部分は、軸と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である。
【0076】
好ましくは、頭側部分は、長手方向軸を中心に頭側方向に発散する軸に沿って対象に接触するように構成される。好ましくは、これらの軸の各々は、長手方向軸と約50°〜約70°の角度(図1のαと記される角度を参照のこと)をなす。より好ましくは、各角度は約55°〜約65°である。さらにより好ましくは、各角度は約60°である。
【0077】
別の説明では、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房に隣接して配置される装具を提供し、この装具は、以下の部分:(a)対象の乳房間に延在する中心部分;(b)乳房より上方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する上側部分;及び(c)乳房より下方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する下側部分の1つ又は複数を含み、ここで装具の乳房と向かい合う側部は空間を画定し、各乳房が前記空間内へと外側に又は上外側に変位することを可能にする。
【0078】
一部の実施形態では、この装具は(a)及び(c)及び/又は(b)を含む。乳房組織を外側に振り分けるためには、1つ又は複数の下側尾側部分が特に重要である。従って、一部の実施形態では、1つ又は複数の上側頭側部分は存在しない。
【0079】
一部の実施形態では、この装具は、本明細書に記載されるとおり、且つ図1、図5及び図6に示されるとおり、(a)、(b)及び(c)を含む。
【0080】
別の実施形態において、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房間に配置される装具を提供し、この装具は、対象の乳房間に延在する中心部分と、乳房より上方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する上側部分と、乳房より下方に、中心部分から対象の対向する側部の方に外向きに延在する下側部分とを含み、ここで装具の両側部とも、上側部分と下側部分との間に空間を画定し、それぞれの乳房が前記空間内へと外側に又は上外側に変位することを可能にする。
【0081】
用語「部分」には単体装具(パッド)の任意の一部が含まれ、従ってこの用語は装具のある領域を表す。この用語はさらに、別個のパッドとして製造され、且つ個別的に使用されるか、又は他のパッドと共に使用される装具の別個の部品を表す。状況の必要に応じていくつもの別個の部分が用いられ得る。
【0082】
一部の実施形態では、この装具は単体である。
【0083】
一部の実施形態では、この装具は、使用時に対象の乳房間に延在する中心対称軸を有する。
【0084】
一つの特定の、しかし本質的でない実施形態では、装具は弾性変形可能である。
【0085】
好都合には、この装具は、限定なしに弾性変形可能な材料又はその1つ以上の前駆物質から成形されるなどして作製される。弾性変形可能な材料は、圧縮力を痛み感受性のより低い装具接触表面へと伝達するのに適合することが提案される。一部の実施形態では、この装具は、内側の変形可能な材料と外側のケーシングとを有して作製される。この態様には、充填された、又は充填可能なブラダーが含まれる。ブラダーは、空気、気体混合物、ゲル、液体又は半固体材料などで充填され得る。
【0086】
当該技術分野において公知のとおり、胸骨は、胸部前壁の中央部分を形成する細長い扁平骨である。その前端は鎖骨を支持し、及びその縁は、最初の7対の肋骨の肋軟骨と関節している。胸骨は3つの部分からなる:最上部にある「胸骨柄」、これは四角形を有し、幅が狭まって、長く薄い「胸骨体」と合流する、及び最下部の「剣状突起」。
【0087】
肋軟骨は、ヒアリンリッチの棒状軟骨であり、胸部の壁に大きい弾性を提供する。各軟骨の側部は肋骨に連続する。高齢の対象では、肋軟骨の少なくとも表面が骨化を起こす傾向がある。
【0088】
さらなる説明では、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房範囲に隣接して配置される装具(保護パッド)を提供し、この装具は、以下の部分の1つ又は複数を含む:(a)支持表面に載置され、且つ対象の胸骨の方に上向きに延在するとともに乳房間の正中線に沿って軸方向に延在する中心胸骨部分;(b)支持表面に載置され、且つ中心胸骨部分より上方(頭側/上側)で対象の方に上向きに延在することで、乳房より上方の鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨の領域で対象に接触する(それを支持する)上側鎖骨部分;及び(c)支持表面に載置され、且つ中心胸骨部分より下方(尾側/後側)で対象の方に上向きに延在することで、乳房より下方の下部胸郭/肋軟骨及び/又は腹部の領域で対象に接触する(それを支持する)下側胸郭部分。
【0089】
一部の実施形態では、装具の両側部とも、上側部分と下側部分との間に空間を画定し、それぞれの乳房が前記空間内へと外側に又は上外側に変位することを可能にする。
【0090】
各装具は、別個に又は同時に使用される2つ以上の別個の部分として製造されてもよい。
【0091】
別の態様において、本発明は、支持表面上にうつ伏せで安静にしているときの対象の乳房に隣接して配置される装具を提供し、この装具は、(a)支持表面に載置され、且つ対象の胸骨の方に上向きに延在(してそれを支持)するとともに乳房間の正中線に沿って軸方向に延在する中心胸骨部分;及び(b)支持表面に載置され、且つ中心部分より上方で対象の方に上向きに延在することで、乳房より上方の鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨に接触する(それを支持する)上側鎖骨部分;及び(c)支持表面に載置され、且つ中心胸骨部分より下方で対象の方に上向きに延在することで、乳房より下方の下部胸郭/肋軟骨及び/又は腹部に接触する(それを支持する)下側胸郭部分を含む。
【0092】
一部の実施形態では、この装具又はその部分は、ほぼ矩形の底面と、底部でテーパ状になった、丸い半円形の軸方向断面を有する乳房組織と向かい合う側面とを有する。一部の実施形態では、底面は平坦である。本発明の他の実施形態では、底面は略凹面である。
【0093】
一部の実施形態では、部分(a)は少なくとも胸骨体の長さに沿って延在する。
【0094】
一部の実施形態では、部分(a)は胸骨体の長さに沿って、且つ胸骨柄の長さの下に延在する。
【0095】
一部の実施形態では、部分(a)及び/又は部分(c)は剣状突起との接触を回避し、これは例えば、装具が突起より上方で終端となっていることであるか、又はその領域で装具をテーパ状にする(装具にリリーフを提供する)ことによる。
【0096】
一部の実施形態では、部分(c)は下部胸郭/肋軟骨にわたって延在する。
【0097】
これは仮明細書の図1(C)、図7及び図8に示される。ここでは、パッド部分Cが図1に示されるとおりの部分(iii)を含み、且つ部分(vi)及び(vii)をさらに含む。
【0098】
他の例示的な実施形態では、仮明細書の図4〜図7を参照されたく、中心胸骨部分(a)が図1に示されるとおりの部分(i)及び(ii)を含み、下部胸郭/肋軟骨部分が、図4〜図7に示されるとおり中心胸骨部分の下でつなぎ合わされるか、又は重なり合う2つの部分を含む。
【0099】
一部の実施形態では、部分(b)は鎖骨にわたって延在する。これは図1(B)に示される。ここでは部分(ii)を含むパッドが部分(iv)及び(v)をさらに含む。
【0100】
従って、概して本明細書に記載されるとおりの各部分の正確な境界及び小部分構成は、その機能上の動作に実質的な変化のない装置の構成の小さい変動を許容する柔軟性を有する。
【0101】
一部の実施形態では、部分(b)は鎖骨にわたって延在する。
【0102】
一部の実施形態では、装具の深さは胸骨部分に沿って軸方向に実質的に均一である。一部の実施形態では、この装具は単一の構成単位として製造される。
【0103】
他の実施形態では、装具の部分は別個の構成単位として製造され、別個に、或いは共に使用される。一部の実施形態では、部分がさらに分割され、使用時に組み合わされる別個の構成単位として製造されてもよい。本発明の装具を示す図には、荷重圧力を圧力感受性の乳房及び隣接組織から逸らして振り分けるための胸骨/中心部分と、鎖骨/上側/頭側部分と、下側/下部胸郭/尾側部分とを有する単一(単体)の装置が示される。
【0104】
一部の実施形態では、装具の上側部分と下側部分とは、互いに中心部分を介してのみ接続する。一部の実施形態では、装具の2つ又は3つ又はそれ以上の別個の部分又は小部分が着脱可能に相互接続する。
【0105】
詳細な実施形態では、この装具は側部が開いているため、乳房組織が側方に変位することが可能である。さらなる実施形態では、前又は補助ひだ(anterior or auxiliary fold)の方への妨げのない側方変位がもたらされる。一部の実施形態では、装具の各部分は、使用時に乳房組織を外側に又は上外側に振り分け、且つ圧縮荷重を乳房組織から逸らし、各部分に隣接する筋骨格構造へと振り分けるように構成される。
【0106】
一部の実施形態では、場合により様々な寸法である1つ又は複数の装具及び/又はその任意の部分は、場合により使用説明書と共に、キットとして販売される。
【0107】
本発明の第2の態様によれば、支持表面に対して腹臥位で横たわる対象の上胴部を支持する方法が提供され、ここで本明細書に定義するとおりの装具は、対象の乳房に隣接して位置するように対象と支持表面との間に位置決めされ、従って中心部分が胸骨を支持し、及び対向部分が鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨、及び/又は下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持し、それにより乳房が空間を占有するように外側及び/又は上外側に変位する。
【0108】
この装具は、乳房及び隣接組織の圧迫及び変位を含め、腹臥位で横たわっている間に乳房組織に加わる力を低減するように構成される。
【0109】
本発明は、対象の痛み感受性の乳房組織を位置決めし、支持表面上にうつ伏せで横たわっている間の圧縮荷重などからそれを保護するためのシステムを提供し、この方法は、乳房に隣接して位置決めすることにより、圧迫及び/又は変位の荷重が装具の上方にある痛み感受性のより低い範囲へと振り分けられることを確実にする、本明細書に定義するとおりの装具を提供するステップを含み、ここでこの装具は、(a)支持表面上に載置され、且つ対象の胸骨の方に上向きに延在するとともに乳房間の正中線に沿って軸方向に延在する中心胸骨部分;(b)支持表面に載置され、且つ中心部分より上方で対象の方に上向きに延在することで、乳房より上方の鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨に接触する上側鎖骨部分;及び(c)支持表面に載置され、且つ中心部分より下方で対象の方に上向きに延在することで、乳房より下方の下部胸郭/肋軟骨及び/又は腹部に接触する下側胸郭部分の1つ又は複数を含む。
【0110】
一部の実施形態では、このシステムは、マンモグラフィ又は胸部イメージングの間など、乳房が関与する放射線学的手技又は他の手技の間に使用される。このシステムは、特定の対象に好適な装具又はその部分を選択することを含む。側部が開いている構成を考えると、各装具は幅広い対象サイズに好適となり得る。
【0111】
一部の実施形態では、この装具は、部分(a)、部分(b)及び部分(c)を、単一の構成単位として、又は別個の部分として含む。一部の実施形態では、この装具は、(a)単独;(b)単独又は(c)単独を含み、これらの部分の各々は単体であっても、又は別個の部品若しくは部分(小部分)としてであってもよい。一部の実施形態では、部分(a)及び(b)、(a)及び(c)、又は(b)及び(c)は別個の部分であるか、又は(a)及び(b)又は(a)及び(c)の場合、単体である。
【0112】
従って、この装具は単体であっても、又は、隣接して、若しくは重なり合う形で位置決めされ得る部分から構成されてもよい。
【0113】
本明細書に記載されるとおり、腹臥位で横たわっているとき、又は脊椎マニピュレーションのスラスト中など、圧縮荷重を受けるとき、本装具の存在下では乳房組織の圧迫及び変位の程度が実質的に低下する。これには、天然の乳房組織、又はシリコンインプラント及び生理食塩水インプラントなどのインプラントで豊胸された乳房組織が含まれる。
【0114】
一部の実施形態では、この装具は、内外側方向の変位を含む変位及び/又は前後方向の圧迫を含む圧迫を、改変されていない天然の乳房組織を有する対象において少なくとも約50%だけ、及びインプラントを有する対象において少なくとも10%だけ低減する。例示的な実施例に示すとおり、この装具は、脊椎マニピュレーションのスラストで乳房に通じる最大力を、装具が存在しない場合の乳房に通じる最大力と比較して少なくとも50%だけ低減する。
【0115】
一部の実施形態では、変位は、装具が存在するとき、装具がない場合の変位と比較して少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%又は80%だけ減少する。
【0116】
一部の実施形態では、圧迫は、装具が存在するとき、装具がない場合の変位と比較して少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%又は80%だけ減少する。
【0117】
一部の実施形態では、変位は、インプラントを有する対象において少なくとも約11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%だけ減少する。
【0118】
一部の実施形態では、圧迫は、インプラントを有する対象において少なくとも約11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、少なくとも20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%だけ減少する。
【0119】
一部の実施形態では、乳房にかかる最大力は、装具がない場合の乳房を通じる最大力と比べて少なくとも約55%、65%、70%、75%、80%、85%、90又は95%だけ減少する。
【0120】
装具を作製し得る変形可能な弾性材料は、限定なしに天然又は合成エラストマー材料を含む任意の1つ又は複数の好適な組成物から選択される。装具は、気体、液体、ゲル、乳剤、固体、粒子状材料(例えば、砂、土、ビーズ、マイクロスフェア、穀粒、乾燥した有機物、例えば、マメ、パルス、コメ、穀粒、種子、果実、及び野菜などを含む)、高分子の、単量体の若しくはハイブリッドのコロイド物質、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、剥がし取ることが可能であってもよい補強材料及び/又はコーティング材料が用いられる。
【0121】
一部の実施形態では、この装具はエラストマー組成物である。本発明のこの態様において、本装具には、本明細書に記載されるとおり圧縮荷重を振り分けるのに好適な変形能及び弾性を有する任意のエラストマー性組成物を用いることができる。
【0122】
一部の実施形態では、エラストマーは熱可塑性又は熱硬化性エラストマー重合体又は共重合体である。一部の実施形態では、この装具は、鉱物質を充填して紫外線安定化した熱可塑性スチレン系ゴム変性ポリプロピレン化合物を油展したものなどの、ゴム変性ポリプロピレンを含み、又はそれからなる。
【0123】
好適な組成物は、高分子材料分野の当業者に公知である。それらとしては、天然ラテックス、イソプレン、ポリイソプレン、ポリスチレンブタジエン、ニトリルエラストマー、ブチルエラストマー、エチレンプロピレンターポリマー、シリコーンエラストマー、ネオプレン、多硫化物、ポリアセチル、エペルクロリド(eperchloride)、フルオロエラストマー、ハイパロン(hypalon)、ハロゲン化ブチル、ポリウレタン、及び熱可塑性エラストマーから形成されるものが挙げられる。
【0124】
合成ゴムの大部分は、石油、石炭、油、天然ガス、及びアセチレンに由来する。それを作製する好適な組成及び方法は、高分子及びプラスチック分野の当業者に公知である。例示的なポリマーは、Charrier,Jean−Michel,Polymeric Materials and Processing:Plastics,Elastomer,and Composites,Oxford University Press,USA,1991及びGent,Alan N.(Ed),Engineering With Rubber:How to Design Rubber Portions,2nd Edition,Editor,Hanser Gardner Publications,2001に記載される。
【0125】
ポリウレタンエラストマー(スパンデックス(spandex))は、ウレタン(強度のため)とポリエーテル又はポリエステル(弾性のため)とから作製される。ポリウレタンエラストマーは、その硬さ、強度及び耐油性により、多用途のエラストマーである。ポリウレタンエラストマーは寝具用発泡材の製造に広く用いられている。ニトリルエラストマーはアクリロニトリルと、ジエン、例えばブタジエンとの共重合体である。ネオプレン(ポリクロロプレン)は、ヘビーデューティー用途に有用である。ブチルエラストマーはイソブチレンとイソプレン(1.3%)との共重合体である。ブチルエラストマーは、典型的には良好な衝撃吸収性が要求される射出モデル(injection model)及び押出し製品の製造に使用される。ブチルエラストマーはまた耐磨耗性である。スチレン−ブタジエン共重合体(ブナS(BunaS)及びSBR)は、様々な比のブタジエン及びスチレンの乳化重合により形成される、シス−ポリブタジエン及びシス−ポリイソプレン。ポリマーもまた有用に用いられる。
【0126】
エチレン−プロピレン共重合体はSBRと同様である。これらは車両部品及びフットウェアに使用されることが多い。シリコーンエラストマーはジメチシランジオール(dimethysilanediol)のポリマーである。多硫化物系、硫化物系及びポリアクリル系エラストマーは有益な特性を有する。これらはとりわけ医療用インプラントに使用される。
【0127】
装具及びその部分は、人体計測上のばらつきに対応して様々なサイズで製造される。概して、装具及び部分は、最深点(胸骨との接触点)で約1cm〜約20cmの深さを有して製造されるが、深さがより大きい又は小さい装具が排除されるものではない。
【0128】
キットが企図され、これは、胸部(胸郭、鎖骨、胸骨を含む)及び乳房組織(典型的にはブラジャーのカップサイズにより特徴付けられる)の寸法又は平均寸法に応じた、対象の大多数又はその一部の集団に適合する複数の装具(図5に示されるA、B及びCなど)及び/又はその部分を含む。従って、装具及び部分は、ブラジャーのカップサイズがAからG及びそれ以上の対象に適合するように製造される。一部の実施形態では、この装置は特定の対象にフィットするように特別生産される。
【0129】
部分間の取り外し可能なコネクタが企図される。好適なコネクタとしては、限定なしに、部分間に構成される協働型のラッチ装置(例えばベルクロ(Velcro))、又は装具部分に、若しくはその内部に取り付けられる雌雄型の取り付け装置(例えばスナップ接続)、磁気ファスナ装置などが挙げられる。取り外し可能なコネクタは、それ自体が取り外し可能であってもよく、対象キットの部品として別個に又は共に販売され得る。
【0130】
本発明は、以下の非限定的な実施例及び図によってさらに説明される。
【実施例】
【0131】
実施例1:例示的材料
例示的実施形態では、装具は、鉱物質を充填して紫外線安定化した熱可塑性スチレン系ゴム変性ポリプロピレン化合物を油展したものを含む。この化合物は押出しに好適な低流動グレードを有する一方、ずり減粘性があり、且つ金型を充填する射出成形用途に良好な金型充填能力を有する。この化合物を、最大限の可撓性及び低い表面硬さにより「柔らかい感触」の特性を提供するように開発した。異なるサイズの対象全てに対応させるため、装具は3つの異なるサイズA、B及びCで作製した。
【0132】
エラストマー性パッドの物理的特性は、以下の試験で評価することができる:押込み力変位(IFD)、圧縮荷重変位(CLD)、%圧縮永久歪み、引張り強さ、伸び強さ、引裂き強さ、反発弾性、打抜き性、溶接性、経時変化、及び/又は疲労(疲労、圧延及び定力連打疲労)。例示的な特性としては、以下が挙げられる:比重0.91;メルトフローインデックス2.2;100%歪みでの張力0.3;300%歪みでの張力0.7;極限引張り強さ1.6;デュロメータA−17;引裂き強さ−8。かかる特性は変化し得るもので、状況の偶発事象によっては依然として本発明の範囲内にあり得る。Charrier,Jean−Michel,Polymeric Materials and Processing:Plastics,Elastomer,and Composites,Oxford University Press,USA,1991及びGent,Alan N.(Ed),Engineering With Rubber:How to Design Rubber Portions,2nd Edition,Editor,Hanser Gardner Publications,2001を参照することができる。
【0133】
材料は、薄板又は異形材の押出しに使用される最も従来型の押出機で加工され得るが、しかしながら真空ガス抜きを備える多段型又は二軸スクリュー型が推奨される。加工温度は160〜180℃の範囲で、ダイ温度が160〜180℃の範囲でなければならない。これらの化合物は、高剪断スクリューで使用される場合には粘度の低下を受けるため、溶融強度が低下する。溶融温度は、良好なキャリパー制御を確保するため、可能な限りダイ温度に近くなければならない。通常、予備乾燥は不要であるが、しかしながら長期間にわたる保管後又は高湿度条件下では、約60℃で約1〜2時間の予備乾燥が妥当であり得る。
【0134】
実施例2:本装置は、圧力試験により決定されるとおりの、腹臥位で横たわったとき、脊椎マニピュレーションのスラスト時、及び重量が負荷される間の乳房組織を通じる荷重の低減を提供する。
腹臥位で横たわっている間、及び腹臥位で荷重がかかっている間の、本明細書に定義するとおりの、且つ図に示すとおりの装具が乳房に対する圧力を除去する能力を決定する試験を実施した。圧力試験は、School of Biomedical and Health Services,Victoria University,Melbourne,AustraliaのPatrick McLaughlin博士により実施された。ブラジャーのカップサイズが、天然で、或いはシリコンによって豊胸してC〜EEである女性について、右乳房の下に静電容量センサを有する支持表面上に腹臥位で横たわっている間に、装置の存在下又は非存在下で評価した。15個の静電容量センサの3群を含み、各群が1cm2の面積を有する2つのストリップを右乳房の下に位置決めし、センサは4kPaを感知するもので、50Hzのサンプルレートを有した。各対象について最大力(N)及びピーク圧力(kPa)の指示値を、装具の存在下又は非存在下で、(i)外部から加わる力がない間、(ii)15kgの荷重が乳房範囲の上にある背中にかかる間、(iii)乳房範囲より(腹臥位時に)上方の脊椎が整骨医による脊椎マニピュレーションのスラストを受けている間(全ての対象ではない)に取った。
【0135】
各対象の結果を表1として表にした。全ての対象について、装具の存在下では少なくとも約50%の最大力の減少があった。改変していない天然の乳房組織を有するCCカップサイズの対象Cは、装具の存在下では脊椎マニピュレーションで乳房を通じる力が80%の減少を示し、且つ装具の存在下では15kg荷重で95%の力の減少を示した(装具がない図7A及び装具がある図7Bを参照のこと)。シリコンインプラントを有するEEカップサイズの対象LAは、装具の存在下では脊椎マニピュレーションで乳房を通じる力が65%の減少を示し、装具の存在下では荷重により受ける力が86%の減少を示した(装具がない図8A及び乳房組織に対する圧力の低下を示す装具がある図8Bを参照のこと)。
【0136】
実施例3:対象は、磁気共鳴画像法(MRI)により決定されるとき、装置の存在下では荷重時の前後方向の圧迫(AP)及び内外側方向の変位(ML)の減少を示す。
ブラジャーのカップサイズが、天然で、或いはシリコンにより豊胸してC〜EEである女性(実施例2と同じく)について、支持表面上に腹臥位で横たわっている間にMRIにより評価した。各対象について乳房組織のMRI像を、装具の存在下又は非存在下で、(i)外部から加わる力がない間、及び(ii)15kgの荷重が乳房範囲の上にある背中にかかる間に取得した。これらの条件下におけるAP圧迫及びML変位の程度を、画像データから直接、機器によって決定した。
【0137】
天然の改変していない乳房を有する対象については、図9に示されるとおり、装置の存在下でAP圧迫の約45%の減少及びML変位の約28%の減少が認められた。シリコンインプラントを有するEEカップサイズの対象LAは、装置の存在下でAP圧迫の約12%の減少及びML変位の約14%の減少が認められた(図10を参照のこと)。
【0138】
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変形例が明らかであろう。
【0139】
本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示が、本明細書によって全体として参照により本明細書に援用される。
【0140】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持表面上に腹臥位で横たわる対象の乳房に隣接して位置するように前記表面上に配置される装具であって、前記装具が、
(a)前記対象の乳房間に受入れ可能であるように前記装具の長手方向軸に沿って延在して胸骨を支持する中心部分;及び
(b)前記中心部分の頭側端から外向きに両側に延在して鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨を支持する対向部分(「頭側部分」);及び/又は
(c)前記中心部分の尾側端から外向きに両側に延在して下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持する対向部分(「尾側部分」)
を含み、
前記部分は、前記長手方向軸の側方外向きに空間が画定され、前記乳房が外側及び/又は上外側に変位して前記空間を占有するように構成される、装具。
【請求項2】
前記尾側部分を含む、請求項1に記載の装具。
【請求項3】
前記中心部分と前記尾側部分との隣接する縁部分が、前記空間の側方内側尾側境界を画定する湾曲を形成する、請求項2に記載の装具。
【請求項4】
前記尾側部分の間にリリーフを備えて、剣状突起に対する圧力を抑制又は除去するように構成される、請求項2又は3に記載の装具。
【請求項5】
前記尾側部分が、前記長手方向軸を中心に尾側方向に発散する軸に沿って前記対象に接触するように構成され、それらの軸の各々が約70°〜約80°の角度をなす、請求項2〜4のいずれか一項に記載の装具。
【請求項6】
前記尾側部分が、前記尾側部分が前記対象に係合する線と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の装具。
【請求項7】
前記頭側部分を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装具。
【請求項8】
前記中心部分と前記頭側部分との隣接する縁部分が、前記空間の側方内側頭側境界を画定する湾曲を形成する、請求項7に記載の装具。
【請求項9】
前記頭側部分の間にリリーフを備えて、呼吸が容易となるよう気管及び/又は頸静脈切痕に対する圧力を抑制又は除去するように構成される、請求項7又は8に記載の装具。
【請求項10】
前記頭側部分が、前記長手方向軸を中心に頭側方向に発散する軸に沿って前記対象に接触するように構成され、前記頭側方向に発散する軸の各々が約55°〜約65°の角度をなす、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装具。
【請求項11】
前記頭側部分が、前記頭側部分が前記対象に係合する線と直交する断面で見たとき、上向きに凸型である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の装具。
【請求項12】
略I字型構成となるように前記中心部分の両側に外向きに開いている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装具。
【請求項13】
前記対象により係合されたときに弾性変形するように構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装具。
【請求項14】
前記装具が前記支持表面上に配置されたとき露出する表面である前記装具の外表面より下方に配置された少なくとも1つの空洞を備えて形成される装具であって、前記1つ又は複数の空洞は、前記装具が前記対象により係合されたときに剣状突起の下に置かれる位置に位置し、それにより当該位置での前記装具の変形が促進される、請求項13に記載の装具。
【請求項15】
支持表面に対して腹臥位で横たわる対象の上胴部を支持する方法であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装具が、前記対象の乳房に隣接して位置するように前記対象と前記支持表面との間に位置決めされ、従って中心部分が胸骨を支持し、及び対向部分が鎖骨及び/又は上部胸郭/肋軟骨、及び/又は下部胸郭/肋軟骨及び/又は上腹部を支持し、それにより乳房が空間を占有するように外側及び/又は上外側に変位する、方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5B】
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【図6】
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【図1】
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【図5A】
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【図7A−1】
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【図7A−2】
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【図7B−1】
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【図7B−2】
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【図8A−1】
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【図8A−2】
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【図8B−1】
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【図8B−2】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−521019(P2013−521019A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555257(P2012−555257)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/AU2011/000233
【国際公開番号】WO2011/106836
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(512227247)
【Fターム(参考)】