説明

乳液ポンプ及びそれに採用されるチェックバルブ

本発明は圧力ヘッドと、圧力ヘッドと接続される接続管と、接続管または圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端がヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられたシリンダーと、接続管と接続され又は一体に形成され、シリンダー内で往復運動するピストンとを備える乳液ポンプであって、スプリングを設けず、チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、バルブ座は接続管または圧力ヘッドに設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止する。本発明のスプリングレス乳液ポンプは分解することなく回収でき、環境保護に非常に有利である。本発明のチェックバルブは著しく構成を簡素化でき、特に開放状態で極めて優秀な密封と漏洩防止効果を図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳液ポンプに関するものであり、特にスプリングレス乳液ポンプ及びそれに採用されるチェックバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の乳液ポンプは、一般に下記の問題がある。
まず、従来の乳液ポンプは金属製のスプリングが設けられるので、回収は不便である。乳液ポンプを回収する時、金属製のスプリングと別々に回収するために、まずポンプヘッドを取り外さなければならない。操作が面倒なので、乳液ポンプを滅多に回収しない。環境保護と廃品リサイクルに支障をきたすことになる。
【0003】
次ぎに、従来の乳液ポンプの上チェックバルブは主に二種類の構成がある。1種はピストンと、ピストンヘッドと、接続管とからなる上チェックバルブである。もう1種はピストンと、球とからなる上チェックバルブである。前者の場合、ピストン、ピストンヘッド及びシリンダーに対する精度要求が高い。精度が要求に満たさないと、無駄押圧の回数が多くなったり、手ごたえが悪くなったり、漏洩が発生したりするという問題になりやすい。後者の場合、圧力ヘッドが開放状態になると、漏洩を防ぐことができなくなる。また、高粘度材料に適用される場合、球が上に移動すると内壁にくっ付いて下へ落ちないことになって、ポンプが作動できなくなってしまうという問題がある。
【0004】
更に、スプレーポンプの場合、良好なスプレー効果を図るために、スプレーの開始から停止までの全過程に渡って大きな内圧が必要とされ、内圧が大きいほど、スプレー効果がよいのである。しかしながら、従来のスプレーポンプでは、ピストンと、ピストンヘッドと接続管とからなる上チェックバルブを採用する場合、ピストンの上側に小さいスプリングを取付けるのである。そこで、内圧が小さい時、ピストンは小さいスプリングにより付勢されて、上チェックバルブを開弁できない。一方、内圧が所定値に達すると、ピストンは小さいスプリングの付勢力を克服して上チェックバルブを開弁するので、良好にスプレーすることができる。しかし、このようなスプレーポンプは構成が複雑で、部品に対する精度要求が高い欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記欠陥を解決するために、本発明は環境保護に貢献できるスプリングレス乳液ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、構成が簡単で、自動密封効果がよい流体包装容器用のチェックバルブと、当該チェックバルブを使用する乳液ポンプ、スプレーポンプ及びカバー組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は圧力ヘッドと、圧力ヘッドと接続される接続管と、接続管または圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端がヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられたシリンダーと、接続管と接続され又は一体に形成され、シリンダー内で往復運動するピストンとを備える乳液ポンプであって、乳液ポンプはスプリングを設けず、上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、バルブ座は接続管または圧力ヘッドに設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は
弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする乳液ポンプを提供する。
【0008】
好ましくは、乳液ポンプは固定物に固定された容器の口部に接続される。
好ましくは、上チェックバルブのバルブ座に少なくとも1つの突起が設けられている。
【0009】
好ましくは、圧力ヘッドは押し下げでも押し上げでも便利な形に作られる。
本発明は、圧力ヘッドと、圧力ヘッドに設置されたノズルと、圧力ヘッドと接続されるピストンロッドと、ピストンロッドまたは圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端がヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられ、内部にピストンロッドが往復運動するシリンダーとを備えるスプレーポンプであって、上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、バルブ座はピストンロッド又は圧力ヘッドに設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止することを特徴とするスプレーポンプを提供する。
【0010】
本発明は、端カバーと、チェックバルブと、ヘリカル・キャップとを備え、端カバーはヘリカル・キャップと螺合し、ヘリカル・キャップは容器口部に接続する軟質包装容器用のチェックバルブ付カバー組立体であって、チェックバルブはバルブ座と弾性管とを備え、バルブ座はヘリカル・キャップに設置されるとともに封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする軟質包装容器用のチェックバルブ付カバー組立体を提供する。
【0011】
好ましくは、端カバーはヘリカル・キャップに一体にヒンジ連結される。
本発明は、圧力ヘッドと、圧力ヘッドと接続されるピストンロッドと、ピストンロッド又は圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端がヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられ、内部にピストンが往復運動するシリンダーと、ピストンロッドとシリンダー底部の間に設置されるスプリングとを備える乳液ポンプであって、上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、バルブ座は前記ピストンロッド又は前記圧力ヘッドに設置されるとともに封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする乳液ポンプを提供する。
【0012】
本発明は、弾性管とバルブ座とを備え、バルブ座はある部材に設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、弾性管は弾力的にバルブ座の側面を覆うとともに少なくとも1つの開口を封止する流体包装容器用のチェックバルブを提供する。
【0013】
好ましくは、バルブ座に少なくとも1つの突起が設けられている。
本発明によるスプリングレス乳液ポンプは分解することなく回収できるため、利用済みの包装物の回収作業を大幅に簡単化できる。この回収は原材料用のコストを低減すると共に、エネルギー消費を減少することができるので、環境保護に非常に有利である。
【0014】
本発明の流体包装容器用のチェックバルブによれば、構成を著しく簡素化するとともに、部品に対する精度要求も低くすることができる。このようなチェックバルブは特に開放状態で極めて優秀な密封と漏洩防止効果を図れる。
【0015】
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、下記添付の図面に基づいた説明によってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明第一実施例によるスプリングレス乳液ポンプの断面図であり、圧力ヘッドは押下された状態を示す。
【図2】図2は当該スプリングレス乳液ポンプの断面図であり、圧力ヘッドは引き上げられた状態を示す。
【図3】図3は当該スプリングレス乳液ポンプの分解断面図である。
【図4A】図4Aは接続管の正面図である。
【図4B】図4Bは図4Aに示したA-A線で切断した接続管の断面図である。
【図4C】図4Cは図4Bに示した「I」部分の拡大図である。
【図5A】図5Aと5Bはそれぞれ圧力ヘッドの側面図と上面図である。
【図5B】図5Aと5Bはそれぞれ圧力ヘッドの側面図と上面図である。
【図5C】図5Cは図5Bに示したB−B線で切断した圧力ヘッドの断面図である。
【図5D】図5Dは図5Aに示した矢印C方向で見た圧力ヘッドの背面図である。
【図6】図6は当該スプリングレス乳液ポンプを容器に取付けた状態を示す図である。
【図7】図7は本発明第2実施例によるスプレーポンプの断面図であり、圧力ヘッドは押下されていない状態を示す。
【図8】図8は当該スプレーポンプの断面図であり、圧力ヘッドは押下された状態を示す。
【図9】図9は当該スプレーポンプの分解断面図である。
【図10A】図10Aは本発明第3実施例によるチェックバルブ付カバー組立体の正面図である。
【図10B】図10Bは図10Aに示したC-C線で切断したカバー組立体の断面図である。
【図10C】図10Cは当該カバー組立体の分解断面図である。
【図11】図11は本発明第4実施例によるヒンジ連結式カバー組立体の断面図である。
【図12】図12は本発明第5実施例によるスプリング付乳液ポンプの断面図である。
【図13A】図13Aは変形例のチェックバルブを利用したスプリングレス乳液ポンプの断面図である。
【図13B】図13Bは図13Aに示した「II」部分の拡大図である。
【図13C】図13Cは変形例のチェックバルブを利用したスプリングレス乳液ポンプの分解断面図である。
【図14A】図14Aは別の変形例のチェックバルブを利用したスプリングレス乳液ポンプの断面図である。
【図14B】図14Bは図14Aに示した「III」部分の拡大図である。
【図14C】図14Cは当該変形例のを利用したスプリングレス乳液ポンプの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例について説明する。各図面に表示された同じ符号は同様または類似の組立体を示している。
【0018】
図1〜図6は本発明第1実施例によるスプリングレス乳液ポンプ1を示す図である。当該スプリングレス乳液ポンプ1は主に圧力ヘッド2と、ヘリカル・キャップ3と、接続管4と、ピストン5と、シリンダー6と、上チェックバルブ7と、下チェックバルブ8と、
吸取管9と、ガスケット10とを備える。
【0019】
図1は圧力ヘッド2が押下されヘッドロックされている状態を示す。「ヘッドロック状態」とは、圧力ヘッド2がロックされ、乳液をポンプできない状態である。この状態では、運輸も貯蔵もしやすい。「ヘッドロック」は圧力ヘッド2のメスネジがヘリカル・キャップ3のオスネジと相互に螺合することにより実現される。図2は圧力ヘッド2が「ヘッドロック」から解放され、上に引き上げられた状態を示す図である。
【0020】
図1と2に示されるように、圧力ヘッド2は接続管4の一端に接続される。接続管4の他端にはピストン5が接続される。ピストン5はシリンダー6内で往復運動する。更に、図3に示されているように、ヘリカル・キャップ3はシリンダー6の上端に接続され、かつ容器口部と接続するための接続構造3aを有する。なお、接続はネジまたは凸リブ/凹溝により達成してもよいし、他の構成により達成してもよい。下チェックバルブ8はシリンダー6の下端に設置される。下チェックバルブ8は球81とバルブ座61とを備え、バルブ座61はシリンダー6と一体に形成される。
【0021】
また、吸取管9はシリンダー6の下端に接続される。なお、ヘリカル・キャップ3には、容器口部と良好な密封を形成するように、ガスケット10を設置してもよい。
【0022】
本発明のスプリングレス乳液ポンプ1は従来の乳液ポンプとの一番の相違点は、ピストン5のリセット用のスプリングを設置しないことにある。当該スプリングレス乳液ポンプ1には新規の上チェックバルブ7が設けられている。該上チェックバルブ7が乳液ポンプに用いられるのは初めてであるが、例えば後述するスプレーポンプや包装容器カバー組立体など、他の流体包装容器にも幅広く適用できる。
【0023】
本発明のスプリングレス乳液ポンプによれば、シリンダー6にはスプリングが設置されない。従って、ピストン5のシリンダー6内での上方向や下方向の移動はいずれも操作者が手で圧力ヘッド2を引き上げまたは押し下げることにより完成される。
【0024】
操作を便宜にするため、圧力ヘッド2を、押し下げでも引き上げでも容易に完成できる形状に作るのが好適である。例えば、図5A〜5Dに示されるように、圧力ヘッド2を指に合わせるように圧力ヘッド2に中部2bと、中部の両側に位置する二つの側フランジ2aとを形成しても良い。そして、図6に示されるように、操作者は親指を中部2bに当接させるとともに置き人差し指と中指をそれぞれ二つの側フランジ2aに当接させることによって引き上げや押し下げ動作を容易にすることができる。
【0025】
また、図6に示されるように、圧力ヘッド2を容易に引き上げるために、好ましくは容器Aを壁面または机面のような固定物に固定する。固定方式は、図に示されるように接着剤を使っても良いし、金属ブラケットのような機械固定装置を利用してもよい。
【0026】
本発明のスプリングレス乳液ポンプは新規の上チェックバルブ7を採用している。当該上チェックバルブ7は弾性管71とバルブ座4aとを備える。バルブ座4aは接続管4の一部であり、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口4a1とを有する。弾性管71はバルブ座4aの外側をかぶせて装着される。弾性管71の内径はバルブ座4aの外径よりやや小さいので、装着後、弾性管71は弾力的にバルブ座4aの側面を覆うと共に開口4a1を封止する。上チェックバルブ7は通常閉弁状態である。シリンダー6内の圧力が所定値に達すると、弾性管71が開口4a1のところで開けられ、乳液が圧力ヘッド2によりポンプされる。圧力が所定値より小さくなると、弾性管71が再び開口4a1を封止し、液の流出を止める。また、弾性管71がバルブ座4aから脱落しないことを確保するために、好ましくは、バルブ座4aに少なくとも1つの突起4a2を設
置する。
【0027】
本発明のスプリングレス乳液ポンプの基本作動方式は下記のようである。操作者が圧力ヘッド2を押し下げ、シリンダー6内の圧力が所定値に達すると、上チェックバルブ7が開弁され、下チェックバルブ8が閉弁され、乳液は圧力ヘッド2からポンプされる。一方、操作者が圧力ヘッド2を引き上げると、上チェックバルブ7が閉弁され、下チェックバルブ8が開弁されるため、容器内の乳液は吸取管9を経由してポンプチャンバに吸取られ、圧力ヘッド2から液は出なくなる。
【0028】
本発明の乳液ポンプは、スプリングがないため、容易に回収してリサイクルすることができ、環境保護に貢献できる。また、スプリングレス乳液ポンプは、フッ素イオン入りの練り歯磨きなど、金属スプリングに対する腐食性が強い内容液に最適である。
【0029】
乳液ポンプにスプリングを設置しない場合、従来よく見られる球とバルブ座とからなる普通の上チェックバルブでは、下記の問題が起こる。圧力ヘッドがまだ下死点まで押されていないうちに乳液ポンプが作動しなくなってしまう。このとき、上チェックバルブは必ず開弁されている(さもなければ液が出てこない)ので、圧力ヘッド、接続管及びピストンの自重と、その中の乳液の重量とによって、ピストンが徐々に下へ移動して、圧力ヘッドのノズルにおいて鈍い液滴が形成される。これに対して、スプリング付ポンプの場合はこような欠陥はない。というのは、スプリングによって、ピストンが常に押し上げられ、自動的に下へ移動することはないからである。
【0030】
従来の乳液ポンプは、ピストンの上側に小さいスプリングを取り付け、当該小さいスプリングによりピストンが押し下げられ、上チェックバルブが常に閉弁状態に保持される。従って、ポンプチャンバの圧力が所定値に達してこそ、初めてピストンがこの圧力により小さいスプリングの付勢力を克服して上チェックバルブを開弁する。しかし、この場合はやはりスプリングを採用しなければならず、スプリングレスという目的を実現できない。
【0031】
本発明は液体内容物用の新規のチェックバルブ構成を発明するので、「スプリングレス」を実現すると同時に、上記漏洩問題を有効に解決できる。
【0032】
図7〜図9は本発明第2実施例によるスプレーポンプ20を示す図である。当該スプレーポンプ20は主として、ノズル21と、圧力ヘッド22と、ヘリカル・キャップ23と、ピストンロッド24と、リセットスプリング25と、シリンダー26と、上チェックバルブ27と、下チェックバルブ28と、吸取管29と、ガスケット200とを備える。
【0033】
図7は圧力ヘッド2が上側に位置する状態を示す図である。図8は圧力ヘッド2が押し下げられた状態を示す図である。図に示されるように、ノズル21は圧力ヘッド22の先端に設けられる。圧力ヘッド22がピストンロッド24の一端に接続される。ピストンロッド24はシリンダー26内で往復運動する。ヘリカル・キャップ23はシリンダー26の上端に接続され、かつ容器口部と接続するための接続構成231を有する。スプリング25は圧力ヘッド22とヘリカル・キャップ3の間に設置され、ピストンロッド24と圧力ヘッド22を押圧後に上へリセットさせるためのものである。下チェックバルブ28はシリンダー26の下端に設置され、球281とバルブ座261とを備えている。なお、バルブ座261はシリンダー26に一体に形成してもよい。
【0034】
また、吸取管29はシリンダー26の下端に接続される。ヘリカル・キャップ23には、容器口部と良好な密封を形成するように、ガスケット200を設置してもよい。
【0035】
当該スプレーポンプの特徴は、上記スプリングレス乳液ポンプに採用された上チェック
バルブに類似する上チェックバルブ27を採用したことにある。当該上チェックバルブ27は弾性管271とバルブ座241とを備える。バルブ座241は接続管24の一部であり、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口2411とを有する。弾性管271は弾力的にバルブ座241の側面を覆うと共に、開口2411を封止する。また、弾性管271がバルブ座241から脱落しないことを確保するために、好ましくは、バルブ座241に少なくとも1つの突起2412を設置する。
【0036】
スプレーポンプでは、内圧が高いほど、スプレー効果がよい。本発明の上チェックバルブ27を採用した場合、ピストンを押し下げるための小さいスプリングを設置することなく、ポンプチャンバ内で高い内圧を発生できる。弾性管271の束縛力が大きいほど、ポンプチャンバの内圧が大きいので、スプレー効果がよいのである。
【0037】
図10A〜図10Dは例えば練り歯磨きチューブなど軟質包装容器に適用する本発明の第3実施例のカバー組立体30を示す図である。当該カバー組立体30は主として端カバー31と、チェックバルブ32と、ヘリカル・キャップ33とを備える。端カバー31はヘリカル・キャップ33に螺合し、ヘリカル・キャップ33は容器口部に接続する。チェックバルブ32は上記二つの実施例に記述されたチェックバルブに類似し、バルブ座331と弾性管321とを備える。バルブ座331はヘリカル・キャップ33に形成され、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有する。弾性管321は弾力的にバルブ座331の側面を覆うと共に、バルブ座側面の開口を封止する。また、弾性管321がバルブ座331から脱落しないことを確保するために、好ましくは、バルブ座331に少なくとも1つの突起を設置する。
【0038】
使用時は、まず端カバー31を緩めてはずし、そして手で包装容器を押す。容器内の圧力が十分大きくなると、弾性管321は膨張され、内容物がバルブ座331の開口から流出する。圧力が低下すると、弾性管321は原状に回復し、チェックバルブ32は自動的に閉弁される。従って、容器内の内容物が空気と接触することも、水分の蒸発や漏洩もなく、容器内の真空を実現することを確保できる。
【0039】
図11は例えば練り歯磨きチューブなど軟質包装容器にも適用する本発明の第4実施例のヒンジ連結式カバー組立体40を示す図である。当該カバー組立体40は大体上記カバー組立体に類似するものであり、端カバー41と、チェックバルブ42と、ヘリカル・キャップ43とを備える。上記実施例3との相違点は、端カバー41がヘリカル・キャップ43に一体にヒンジ連結することにある。
【0040】
図12は本発明第5実施例によるスプリング付乳液ポンプ50を示す図である。当該乳液ポンプ50はピストンロッド53とスプリング座54の間に設置されるスプリング51を有する。シリンダー56の底部を直接にスプリング座としてもよい。当該乳液ポンプ50の構成は大体従来のスプリング付乳液ポンプに似ているが、第1実施例の乳液ポンプとの相違点はスプリング51を設置した点にある。当該乳液ポンプの特徴は、本発明によるチェックバルブ52を採用した点にある。チェックバルブ52の構成と作動原理は上記各チェックバルブに完全に同じである。普通のスプリング付乳液ポンプでも、本発明のチェックバルブを使用すると、無駄押圧の回数を低減し、且つ開放状態での漏洩を防止できる。
【0041】
図13A〜図13Cは変形例のチェックバルブ7'を利用したスプリングレス乳液ポンプを示す図である。この変形例の上チェックバルブ7'は弾性管71'とバルブ座2'aとを備える。前記各実施例との相違点はバルブ座2'aは圧力ヘッド2'の一部である点にある。バルブ座2'aのトップ端も封止され、且つその側面に開口2'a1が設けられている。好ましくは、開口2'a1をノズルの方向に向かせる。バルブ座2'aの下端部は開放さ
れると共に、接続管4'と密封的に接続される。この変形例のチェックバルブは、第1実施例のスプリングレス乳液ポンプだけでなく、第2及び第5実施例のスプレーポンプにも、スプリング付ポンプにも同様に適用できる。その場合、バルブ座を圧力ヘッドに設置するとともに、ピストンロッドに接続する。
【0042】
図14A〜図14Cは別の変形例のチェックバルブを利用したスプリングレス乳液ポンプを示す図である。この変形例の上チェックバルブ7”は弾性管71”とバルブ座4”aとを備える。バルブ座4”aは接続管4”の一部である。前記実施例との相違点は、バルブ座4”aのトップ端は開放されたものであるが、圧力ヘッド2”と密封的に接続することによって密封的なトップ端を形成する。勿論、「封止されたトップ端を有する」という特徴には、トップ端自身の封止も他の部品による封止も含まれている。同様に、この変形例のチェックバルブも第2及び第5実施例によるスプレーポンプにもスプリング付ポンプにも適用される。以上、好ましい実施例を説明したが、上記記載に基づいて種々の同等な変形か修正をしてもいい。例えば、接続管とピストンは一体に形成してもよいし、チェックバルブのバルブ座は他の部品と一体に形成したり別体に形成したりしてもよい。乳液ポンプの各部品間の接続または固定は多様の形態を利用することができる。本発明の保護範囲は添付の請求範囲で限定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力ヘッドと、前記圧力ヘッドと接続される接続管と、前記接続管または前記圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器の口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端が前記ヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられたシリンダーと、前記接続管と接続され又は一体に形成され、前記シリンダー内で往復運動するピストンとを備える乳液ポンプであって、前記乳液ポンプはスプリングを設けず、前記上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、前記バルブ座は前記接続管または前記圧力ヘッドに設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、前記弾性管は弾力的に前記バルブ座の側面を覆うとともに前記少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする乳液ポンプ。
【請求項2】
前記乳液ポンプは固定物に固定された容器の口部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の乳液ポンプ。
【請求項3】
前記上チェックバルブの前記バルブ座に少なくとも1つの突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乳液ポンプ。
【請求項4】
前記圧力ヘッドは押し下げでも押し上げでも便利な形状に作られることを特徴とする請求項1に記載の乳液ポンプ。
【請求項5】
圧力ヘッドと、前記圧力ヘッドに設置されたノズルと、前記圧力ヘッドと接続されるピストンロッドと、前記ピストンロッドまたは前記圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器の口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端が前記ヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられ、内部に前記ピストンロッドが往復運動するシリンダーとを備えるスプレーポンプであって、前記上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、前記バルブ座は前記ピストンロッド又は前記圧力ヘッドに設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、前記弾性管は弾力的に前記バルブ座の側面を覆うとともに前記少なくとも1つの開口を封止することを特徴とするスプレーポンプ。
【請求項6】
端カバーと、チェックバルブと、ヘリカル・キャップとを備え、前記端カバーは前記ヘリカル・キャップと螺合し、前記ヘリカル・キャップは容器口部に接続する軟質包装容器用のチェックバルブ付カバー組立体であって、前記チェックバルブはバルブ座と弾性管とを備え、前記バルブ座は前記ヘリカル・キャップに設置されるとともに封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、前記弾性管は弾力的に前記バルブ座の側面を覆うとともに前記少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする軟質包装容器用のチェックバルブ付カバー組立体。
【請求項7】
前記端カバーは前記ヘリカル・キャップに一体にヒンジ連結されることを特徴とする請求項6に記載のカバー組立体。
【請求項8】
圧力ヘッドと、前記圧力ヘッドと接続されるピストンロッドと、前記ピストンロッド又は前記圧力ヘッドに設けられた上チェックバルブと、容器の口部と接続するための接続構造を有したヘリカル・キャップと、上端が前記ヘリカル・キャップと接続され、下端に下チェックバルブが設けられ、内部に前記ピストンが往復運動するシリンダーと、前記ピストンロッドと前記シリンダー底部の間に設置されるスプリングとを備える乳液ポンプであって、前記上チェックバルブは弾性管とバルブ座とを備え、前記バルブ座は前記ピストンロッド又は前記圧力ヘッドに設置されるとともに封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、前記弾性管は弾力的に前記バルブ座の側面を覆うととも
に前記少なくとも1つの開口を封止することを特徴とする乳液ポンプ。
【請求項9】
弾性管とバルブ座とを備え、前記バルブ座はある部材に設置されるとともに、封止されたトップ端と側面に設置された少なくとも1つの開口とを有し、前記弾性管は弾力的に前記バルブ座の側面を覆うとともに前記少なくとも1つの開口を封止する流体包装物用のチェックバルブ。
【請求項10】
前記バルブ座に少なくとも1つの突起が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のチェックバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A−5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【公表番号】特表2010−518311(P2010−518311A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549358(P2009−549358)
【出願日】平成19年2月17日(2007.2.17)
【国際出願番号】PCT/CN2007/000593
【国際公開番号】WO2008/101368
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(503315632)
【Fターム(参考)】