説明

乳癌の処置および診断のための組成物ならびにそれらの使用方法

【課題】乳癌のような癌の治療および診断のための化合物および方法を提供すること。
【解決手段】本願化合物は、1つ以上の乳房腫瘍タンパク質、その免疫原性部分またはこのような部分をコードするポリヌクレオチドを含み得る。あるいは、治療組成物は、乳房腫瘍タンパク質を発現する抗原提示細胞、またはこのようなタンパク質を発現する細胞に特異的なT細胞を含み得る。このような組成物は、例えば、乳癌のような疾患の予防および処置にために使用され得る。乳房腫瘍タンパク質、またはこのようなタンパク質をコードするmRNAを検出する工程に基づく診断方法もまた、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、乳癌の処置のための組成物および方法に関する。本発明は、より詳細には、乳房腫瘍組織で優先的に発現されるタンパク質の少なくとも一部含むポリペプチド、およびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子に関する。そのようなポリペプチドは、乳癌の処置のためのワクチンおよび薬学的組成物において使用され得る。さらに、そのようなポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、乳癌の処置のためのワクチンおよび薬学的組成物において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
乳癌は、米国および世界中で、女性についての重大な健康問題である。その疾患の検出および処置において、進歩が成されてきたが、乳癌は、女性の癌関係の第二番目の死因のままであり、毎年、米国で180,000人を超える女性が罹患している。北米の女性に関して、生存中の乳癌に罹る可能性は、現在8人に1人である。
【0003】
現在のところ利用可能である、乳癌の予防または処置のためのワクチンまたは他の一般に優れた方法は存在しない。その疾患の対応は、現在のところ、早期の診断(慣用的な乳房のスクリーニング手順を通じて)および積極的な処置の組み合わせに依存し、その処置は、手術、放射線治療、化学療法、およびホルモン療法のような、1以上の種々の処置を含み得る。特定の乳癌の処置の過程は、しばしば、特異的な腫瘍マーカーの分析を含む、種々の予後のパラメーターに基づいて選択される。例えば、Porter−JordanおよびLippman、Breast Cancer 8:73−100(1994)を参照のこと。しかし、確立されたマーカーの使用は、しばしば、解釈が難しい結果を導き、そして乳癌患者において観察される高い死亡率は、その疾患の処置、診断、および予防において、改善が必要とされることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
Porter−JordanおよびLippman、Breast Cancer 8:73−100(1994)
【0005】
従って、当該分野において、乳癌の治療および診断の改善された方法の必要性が存在する。本発明は、これらの必要性を満たし、さらに他の関係する利点を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、例えば乳癌のような癌の処置および診断のための化合物および方法を提供する。1つの局面において、単離されたポリペプチドを提供し、それは、乳房腫瘍タンパク質またはその改変体の少なくとも一部を含む。特定の部分および他の改変体は免疫原性であり、その結果その改変体がタンパク質特異的抗血清と反応する能力は実質的には減少しない。特定の実施形態について、このポリペプチドは、以下:(a)配列番号1〜61、63〜175、178、180、182〜313、320〜324、342、353、366〜368、377、382、385、389、395、397、400、408、411、413、414、416、417、419〜423、426、427、429、431、435〜438、441、443〜446、450、453、454および463〜468に列挙されるヌクレオチド配列;(b)そのヌクレオチド配列の相補体;および(c)(a)または(b)の配列の改変体、からなる群から選択されるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号62、176、179、181および469〜473からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む腫瘍抗原の少なくとも一部を含む。
【0007】
関連する局面において、上記のポリペプチドまたはその一部(例えば、乳房腫瘍タンパク質の少なくとも15個の連続するアミノ酸残基をコードする一部)をコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。特定の実施形態において、そのようなポリヌクレオチドは、配列番号1〜61、63〜175、178、180、182〜313、320〜324、342、353、366〜368、377、382、385、389、395、397、400、408、411、413、414、416、417、419〜423、426、427、429、431、435〜438、441、443〜446、450、453、454および463〜468ならびにその改変体に提供される配列からなる群から選択される配列を含む。本発明はさらに、上記のポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターを、そのような発現ベクターで形質転換した、またはトランスフェクトした宿主細胞と共に提供する。好ましい実施形態において、その宿主細胞は、E.coli、酵母、および哺乳動物細胞からなる群より選択される。
【0008】
別の局面において、本発明は、第一および第二の本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質、あるいは、本発明のポリペプチドおよび公知の乳房腫瘍抗原を含む融合タンパク質を提供する。
【0009】
本発明はまた、少なくとも1つの上記のポリペプチド、またはそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および生理学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を、ワクチンと共に提供する。予防的使用または治療的使用のために、免疫賦活薬と組み合わせた、少なくとも1つのそのようなポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む。1以上の上記の融合タンパク質を含む、薬学的組成物およびワクチンもまた提供される。
【0010】
本発明はさらに、(a)乳房腫瘍タンパク質と特異的に結合する抗体もしくはその抗原結合フラグメント;および(b)生理学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。
【0011】
さらなる局面において、本発明は、(a)上記のポリペプチドを発現する抗原提示細胞および(b)薬学的に受容可能なキャリアもしくは賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。抗原提示細胞としては、樹状細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞およびB細胞が挙げられる。
【0012】
関連する局面において、(a)上記のポリペプチドを発現する抗原提示細胞および(b)免疫賦活薬を含むワクチンが提供される。
【0013】
また別の局面において、患者の乳癌の発達を阻害するための方法が提供され、その方法は、少なくとも1つの上記薬学的組成物および/またはワクチンの有効量を投与する工程を包含する。
【0014】
本発明は、別の局面において、生物学的サンプルから腫瘍細胞を除去するための方法をさらに提供し、その方法は、生物学サンプルを、乳房腫瘍タンパク質と特異的に反応するT細胞と接触させる工程を包含し、ここでその接触させる工程は、そのタンパク質を発現する細胞をサンプルから除去することを可能にするための条件下およびそのための充分な時間で実施される。
【0015】
関連する局面において、患者の癌の発達を阻害するための方法が提供され、その方法は、上記のように処置された生物学的サンプルを患者に投与する工程を包含する。
【0016】
他の局面において、乳房腫瘍タンパク質に対して特異的なT細胞を刺激および/または増殖させるための方法がさらに提供され、その方法は、T細胞を1つ以上の(i)上記のポリペプチド;(ii)そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および/または(iii)そのようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞と、T細胞の刺激および/または増殖を可能にするための条件下およびそのための充分な時間で、接触させる工程を包含する。上記のように調製されたT細胞を含む、単離されたT細胞集団もまた、提供される。
【0017】
さらなる局面において、本発明は、患者の癌の発達を阻害するための方法を提供し、その方法は上記のT細胞集団の有効量を患者に投与する工程を包含する。
【0018】
本発明は、患者の癌の発達を阻害するための方法をさらに提供し、その方法は、以下の工程:(a)患者から単離されたCD4+および/またはCD8+T細胞を1つ以上の(i)乳房腫瘍タンパク質の少なくとも免疫原性部分を含むポリペプチド;(ii)そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および(iii)そのようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞と共にインキュベートする工程、ならびに(b)その増殖したT細胞の有効量を患者に投与し、それにより患者の癌の発達を阻害する工程、を包含する。増殖した細胞は、患者に投与される前にクローン化されてもいいし、されなくとも良い。
【0019】
本明細書中に開示されるポリペプチドは、通常、乳癌の診断およびモニタリングにおいて使用され得る。本発明の1つの局面において、患者の癌を検出するっための方法が提供され、その方法は、(a)上記ポリペプチドの1つに結合し得る結合剤と、患者から得られた生物学的サンプルを接触させる工程;および(b)その結合剤と結合する一定量のポリペプチドをサンプルにおいて検出する工程;ならびに(c)予め決定されたカットオフ値とポリペプチドの量を比較し、それにより患者における癌の存在または非存在を決定する工程を包含する。好ましい実施形態において、その結合剤は抗体であり、最も好ましくはモノクローナル抗体である。その癌は、乳癌であり得る。
【0020】
関連する局面において、患者の癌の進行をモニタリングするための方法が提供され、その方法は、(a)患者から得られた生物学的サンプルを、上記ポリペプチドの1つと結合し得る結合剤と接触させる工程;(b)サンプルにおいて、その結合剤と結合するポリペプチドの量を検出する工程;(c)後の時点で患者から得られた生物学的サンプルを使用して工程(a)および(b)を繰り返す工程;ならびに(d)工程(b)および(c)において検出されたポリペプチドの量を比較する工程を包含する。
【0021】
関連する局面において、本発明は、本発明のポリペプチドと結合する抗体、好ましくはモノクローナル抗体ならびにそのような抗体を含む診断キット、および乳癌の発達を阻害するためのそのような抗体を使用する方法を提供する。
【0022】
他の局面において、本発明は、患者の癌の存在または非存在を決定するための方法をさらに提供し、その方法は以下の工程:(a)患者から得られた生物学的サンプルを、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(b)そのサンプルにおいて、そのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチド、好ましくはmRNAのレベルを検出する工程;ならびに(c)そのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドのレベルと予め決定されたカットオフ値とを比較して、それによって患者の癌の存在または非存在を検出する工程を包含する。特定の実施形態において、mRNAの量は、例えば、上記に列挙されるようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはそのようなポリヌクレオチドの相補体とハイブリダイズする、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応によって決定される。他の実施形態において、mRNAの量は、上記に列挙されるようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはそのようなポリヌクレオチドの相補体とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを使用する、ハイブリダイゼーション技術を使用して検出される。
【0023】
関連する局面において、上記のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを備える診断キットが提供される。
【0024】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明に対する参考文献に対して明らかである。本明細書中に開示される全ての参考文献は、各々が個々に援用されたように、その全体が参考として援用される。
【0025】
(図面の簡単な説明および配列同一性)
図1は、クローンSYN18C6(配列番号40)のノーザンブロットの結果を示す。
【0026】
配列番号1は、JBT2の決定されたcDNA配列である。
【0027】
配列番号2は、JBT6の決定されたcDNA配列である。
【0028】
配列番号3は、JBT7の決定されたcDNA配列である。
【0029】
配列番号4は、JBT10の決定されたcDNA配列である。
【0030】
配列番号5は、JBT13の決定されたcDNA配列である。
【0031】
配列番号6は、JBT14の決定されたcDNA配列である。
【0032】
配列番号7は、JBT15の決定されたcDNA配列である。
【0033】
配列番号8は、JBT16の決定されたcDNA配列である。
【0034】
配列番号9は、JBT17の決定されたcDNA配列である。
【0035】
配列番号10は、JBT22の決定されたcDNA配列である。
【0036】
配列番号11は、JBT25の決定されたcDNA配列である。
【0037】
配列番号12は、JBT28の決定されたcDNA配列である。
【0038】
配列番号13は、JBT32の決定されたcDNA配列である。
【0039】
配列番号14は、JBT33の決定されたcDNA配列である。
【0040】
配列番号15は、JBT34の決定されたcDNA配列である。
【0041】
配列番号16は、JBT36の決定されたcDNA配列である。
【0042】
配列番号17は、JBT37の決定されたcDNA配列である。
【0043】
配列番号18は、JBT51の決定されたcDNA配列である。
【0044】
配列番号19は、JBTT1の決定されたcDNA配列である。
【0045】
配列番号20は、JBTT7の決定されたcDNA配列である。
【0046】
配列番号21は、JBTT11の決定されたcDNA配列である。
【0047】
配列番号22は、JBTT14の決定されたcDNA配列である。
【0048】
配列番号23は、JBTT18の決定されたcDNA配列である。
【0049】
配列番号24は、JBTT19の決定されたcDNA配列である。
【0050】
配列番号25は、JBTT20の決定されたcDNA配列である。
【0051】
配列番号26は、JBTT21の決定されたcDNA配列である。
【0052】
配列番号27は、JBTT22の決定されたcDNA配列である。
【0053】
配列番号28は、JBTT28の決定されたcDNA配列である。
【0054】
配列番号29は、JBTT29の決定されたcDNA配列である。
【0055】
配列番号30は、JBTT33の決定されたcDNA配列である。
【0056】
配列番号31は、JBTT37の決定されたcDNA配列である。
【0057】
配列番号32は、JBTT38の決定されたcDNA配列である。
【0058】
配列番号33は、JBTT47の決定されたcDNA配列である。
【0059】
配列番号34は、JBTT48の決定されたcDNA配列である。
【0060】
配列番号35は、JBTT50の決定されたcDNA配列である。
【0061】
配列番号36は、JBTT51の決定されたcDNA配列である。
【0062】
配列番号37は、JBTT52の決定されたcDNA配列である。
【0063】
配列番号38は、JBTT54の決定されたcDNA配列である。
【0064】
配列番号39は、SYN17F4の決定されたcDNA配列である。
【0065】
配列番号40は、SYN18C6の決定されたcDNA配列である。
【0066】
配列番号41は、SYN19A2の決定されたcDNA配列である。
【0067】
配列番号42は、SYN19C8の決定されたcDNA配列である。
【0068】
配列番号43は、SYN20A12の決定されたcDNA配列である。
【0069】
配列番号44は、SYN20G6の決定されたcDNA配列である。
【0070】
配列番号45は、SYN20G6−2の決定されたcDNA配列である。
【0071】
配列番号46は、SYN21B9の決定されたcDNA配列である。
【0072】
配列番号47は、SYN21B9−2の決定されたcDNA配列である。
【0073】
配列番号48は、SYN21C10の決定されたcDNA配列である。
【0074】
配列番号49は、SYN21G10の決定されたcDNA配列である。
【0075】
配列番号50は、SYN21G10−2の決定されたcDNA配列である。
【0076】
配列番号51は、SYN21G11の決定されたcDNA配列である。
【0077】
配列番号52は、SYN21G11−2の決定されたcDNA配列である。
【0078】
配列番号53は、SYN21H8の決定されたcDNA配列である。
【0079】
配列番号54は、SYN22A10の決定されたcDNA配列である。
【0080】
配列番号55は、SYN22A10−2の決定されたcDNA配列である。
【0081】
配列番号56は、SYN22A12の決定されたcDNA配列である。
【0082】
配列番号57は、SYN22A2の決定されたcDNA配列である。
【0083】
配列番号58は、SYN22B4の決定されたcDNA配列である。
【0084】
配列番号59は、SYN22C2の決定されたcDNA配列である。
【0085】
配列番号60は、SYN22E10の決定されたcDNA配列である。
【0086】
配列番号61は、SYN22F2の決定されたcDNA配列である。
【0087】
配列番号62は、SYN18C6の決定されたcDNA配列である。
【0088】
配列番号63は、B723Pの決定されたcDNA配列である。
【0089】
配列番号64は、B724Pの決定されたcDNA配列である。
【0090】
配列番号65は、B770Pの決定されたcDNA配列である。
【0091】
配列番号66は、B716Pの決定されたcDNA配列である。
【0092】
配列番号67は、B725Pの決定されたcDNA配列である。
【0093】
配列番号68は、B717Pの決定されたcDNA配列である。
【0094】
配列番号69は、B771Pの決定されたcDNA配列である。
【0095】
配列番号70は、B722Pの決定されたcDNA配列である。
【0096】
配列番号71は、B726Pの決定されたcDNA配列である。
【0097】
配列番号72は、B727Pの決定されたcDNA配列である。
【0098】
配列番号73は、B728Pの決定されたcDNA配列である。
【0099】
配列番号74〜87は、公知の配列に対して相同性を示す単離されたクローンの決定されたcDNA配列である。
【0100】
配列番号88は、13053の決定されたcDNA配列である。
【0101】
配列番号89は、13057の決定されたcDNA配列である。
【0102】
配列番号90は、13059の決定されたcDNA配列である。
【0103】
配列番号91は、13065の決定されたcDNA配列である。
【0104】
配列番号92は、13067の決定されたcDNA配列である。
【0105】
配列番号93は、13068の決定されたcDNA配列である。
【0106】
配列番号94は、13071の決定されたcDNA配列である。
【0107】
配列番号95は、13072の決定されたcDNA配列である。
【0108】
配列番号96は、13073の決定されたcDNA配列である。
【0109】
配列番号97は、13075の決定されたcDNA配列である。
【0110】
配列番号98は、13078の決定されたcDNA配列である。
【0111】
配列番号99は、13079の決定されたcDNA配列である。
【0112】
配列番号100は、13081の決定されたcDNA配列である。
【0113】
配列番号101は、13082の決定されたcDNA配列である。
【0114】
配列番号102は、13092の決定されたcDNA配列である。
【0115】
配列番号103は、13097の決定されたcDNA配列である。
【0116】
配列番号104は、13101の決定されたcDNA配列である。
【0117】
配列番号105は、13102の決定されたcDNA配列である。
【0118】
配列番号106は、13119の決定されたcDNA配列である。
【0119】
配列番号107は、13131の決定されたcDNA配列である。
【0120】
配列番号108は、13133の決定されたcDNA配列である。
【0121】
配列番号109は、13135の決定されたcDNA配列である。
【0122】
配列番号110は、13139の決定されたcDNA配列である。
【0123】
配列番号111は、13140の決定されたcDNA配列である。
【0124】
配列番号112は、13146の決定されたcDNA配列である。
【0125】
配列番号113は、13147の決定されたcDNA配列である。
【0126】
配列番号114は、13148の決定されたcDNA配列である。
【0127】
配列番号115は、13149の決定されたcDNA配列である。
【0128】
配列番号116は、13151の決定されたcDNA配列である。
【0129】
配列番号117は、13051の決定されたcDNA配列である。
【0130】
配列番号118は、13052の決定されたcDNA配列である。
【0131】
配列番号119は、13055の決定されたcDNA配列である。
【0132】
配列番号120は、13058の決定されたcDNA配列である。
【0133】
配列番号121は、13062の決定されたcDNA配列である。
【0134】
配列番号122は、13064の決定されたcDNA配列である。
【0135】
配列番号123は、13080の決定されたcDNA配列である。
【0136】
配列番号124は、13093の決定されたcDNA配列である。
【0137】
配列番号125は、13094の決定されたcDNA配列である。
【0138】
配列番号126は、13095の決定されたcDNA配列である。
【0139】
配列番号127は、13096の決定されたcDNA配列である。
【0140】
配列番号128は、13099の決定されたcDNA配列である。
【0141】
配列番号129は、13100の決定されたcDNA配列である。
【0142】
配列番号130は、13103の決定されたcDNA配列である。
【0143】
配列番号131は、13106の決定されたcDNA配列である。
【0144】
配列番号132は、13107の決定されたcDNA配列である。
【0145】
配列番号133は、13108の決定されたcDNA配列である。
【0146】
配列番号134は、13121の決定されたcDNA配列である。
【0147】
配列番号135は、13126の決定されたcDNA配列である。
【0148】
配列番号136は、13129の決定されたcDNA配列である。
【0149】
配列番号137は、13130の決定されたcDNA配列である。
【0150】
配列番号138は、13134の決定されたcDNA配列である。
【0151】
配列番号139は、13141の決定されたcDNA配列である。
【0152】
配列番号140は、13142の決定されたcDNA配列である。
【0153】
配列番号141は、14376の決定されたcDNA配列である。
【0154】
配列番号142は、14377の決定されたcDNA配列である。
【0155】
配列番号143は、14383の決定されたcDNA配列である。
【0156】
配列番号144は、14384の決定されたcDNA配列である。
【0157】
配列番号145は、14387の決定されたcDNA配列である。
【0158】
配列番号146は、14392の決定されたcDNA配列である。
【0159】
配列番号147は、14394の決定されたcDNA配列である。
【0160】
配列番号148は、14398の決定されたcDNA配列である。
【0161】
配列番号149は、14401の決定されたcDNA配列である。
【0162】
配列番号150は、14402の決定されたcDNA配列である。
【0163】
配列番号151は、14405の決定されたcDNA配列である。
【0164】
配列番号152は、14409の決定されたcDNA配列である。
【0165】
配列番号153は、14412の決定されたcDNA配列である。
【0166】
配列番号154は、14414の決定されたcDNA配列である。
【0167】
配列番号155は、14415の決定されたcDNA配列である。
【0168】
配列番号156は、14416の決定されたcDNA配列である。
【0169】
配列番号157は、14419の決定されたcDNA配列である。
【0170】
配列番号158は、14426の決定されたcDNA配列である。
【0171】
配列番号159は、14427の決定されたcDNA配列である。
【0172】
配列番号160は、14375の決定されたcDNA配列である。
【0173】
配列番号161は、14378の決定されたcDNA配列である。
【0174】
配列番号162は、14379の決定されたcDNA配列である。
【0175】
配列番号163は、14380の決定されたcDNA配列である。
【0176】
配列番号164は、14381の決定されたcDNA配列である。
【0177】
配列番号165は、14382の決定されたcDNA配列である。
【0178】
配列番号166は、14388の決定されたcDNA配列である。
【0179】
配列番号167は、14399の決定されたcDNA配列である。
【0180】
配列番号168は、14406の決定されたcDNA配列である。
【0181】
配列番号169は、14407の決定されたcDNA配列である。
【0182】
配列番号170は、14408の決定されたcDNA配列である。
【0183】
配列番号171は、14417の決定されたcDNA配列である。
【0184】
配列番号172は、14418の決定されたcDNA配列である。
【0185】
配列番号173は、14423の決定されたcDNA配列である。
【0186】
配列番号174は、14424の決定されたcDNA配列である。
【0187】
配列番号175は、B726P−20の決定されたcDNA配列である。
【0188】
配列番号176は、B726P−20の予想されるアミノ酸配列である。
【0189】
配列番号177は、PCRプライマーである。
【0190】
配列番号178は、B726P−74の決定されたcDNA配列である。
【0191】
配列番号179は、B726P−74の予想されるアミノ酸配列である。
【0192】
配列番号180は、B726P−79の決定されたcDNA配列である。
【0193】
配列番号181は、B726P−79の予想されるアミノ酸配列である。
【0194】
配列番号182は、マーマグロビン(mammaglobin)遺伝子に対して相同性を示す、19439.1の決定されたcDNA配列である。
【0195】
配列番号183は、ヒトケラチン遺伝子に対して相同性を示す、19407.1の決定されたcDNA配列である。
【0196】
配列番号184は、ヒト染色体17クローンに対して相同性を示す、19428.1の決定されたcDNA配列である。
【0197】
配列番号185は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B808P(19408)の決定されたcDNA配列である。
【0198】
配列番号186は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19460.1の決定されたcDNA配列である。
【0199】
配列番号187は、Ig κL鎖に対して相同性を示す、19419.1の決定されたcDNA配列である。
【0200】
配列番号188は、ヒトα−1コラーゲンに対して相同性を示す、19411.1の決定されたcDNA配列である。
【0201】
配列番号189は、ムス筋(mus musculus)プロテイナーゼ−3に対して相同性を示す、19420.1の決定されたcDNA配列である。
【0202】
配列番号190は、ヒト高運動性グループボックス(high motility group box)に対して相同性を示す、19432.1の決定されたcDNA配列である。
【0203】
配列番号191は、ヒトプラスミノーゲン活性化剤遺伝子に対して相同性を示す、19412.1の決定されたcDNA配列である。
【0204】
配列番号192は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼに対して相同性を示す、19415.1の決定されたcDNA配列である。
【0205】
配列番号193は、コンドロイチンスルフェートプロテオグリカンタンパク質に対して相同性を示す、19409.1の決定されたcDNA配列である。
【0206】
配列番号194は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19406.1の決定されたcDNA配列である。
【0207】
配列番号195は、ヒトフィブロネクチンに対して相同性を示す、19421.1の決定されたcDNA配列である。
【0208】
配列番号196は、レチノイン酸レセプターレスポンダー(responder)3に対して相同性を示す、19426.1の決定されたcDNA配列である。
【0209】
配列番号197は、MyD88mRNAに対して相同性を示す、19425.1の決定されたcDNA配列である。
【0210】
配列番号198は、ペプチドトランスポーター(TAP−1)mRNAに対して相同性を示す、19424.1の決定されたcDNA配列である。
【0211】
配列番号199は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19429.1の決定されたcDNA配列である。
【0212】
配列番号200は、ヒト多型上皮ムチンに対して相同性を示す、19435.1の決定されたcDNA配列である。
【0213】
配列番号201は、ヒトGATA−3転写因子に対して相同性を示す、B813P(19434.1)の決定されたcDNA配列である。
【0214】
配列番号202は、ヒトAP−2遺伝子に対して相同性を示す、19461.1の決定されたcDNA配列である。
【0215】
配列番号203は、DNA結合調節因子に対して相同性を示す、19450.1の決定されたcDNA配列である。
【0216】
配列番号204は、Na/H交換調節補因子に対して相同性を示す、19451.1の決定されたcDNA配列である。
【0217】
配列番号205は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19462.1の決定されたcDNA配列である。
【0218】
配列番号206は、ヒストンHAS.ZのヒトmRNAに対して相同性を示す、19455.1の決定されたcDNA配列である。
【0219】
配列番号207は、PACクローン179N16に対して相同性を示す、19464.1の決定されたcDNA配列である。
【0220】
配列番号208は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19464.1の決定されたcDNA配列である。
【0221】
配列番号209は、リポフィリチンBに対して相同性を示す、19414.1の決定されたcDNA配列である。
【0222】
配列番号210は、染色体17クローンhRPK.209_J_20に対して相同性を示す、19413.1の決定されたcDNA配列である。
【0223】
配列番号211は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19464.1の決定されたcDNA配列である。
【0224】
配列番号212は、ヒトクローン24976nRNAに対して相同性を示す、19437.1の決定されたmDNA配列である。
【0225】
配列番号213は、PG−Mコアタンパク質のマウスDNAに対して相同性を示す、19449.1の決定されたcDNA配列である。
【0226】
配列番号214は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19446.1の決定されたcDNA配列である。
【0227】
配列番号215は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19452.1の決定されたcDNA配列である。
【0228】
配列番号216は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19483.1の決定されたcDNA配列である。
【0229】
配列番号217は、ヒトリポフィチンCに対して相同性を示す、19526.1の決定されたcDNA配列である。
【0230】
配列番号218は、選択されたセメントグランドタンパク質XAG−2に対して相同性を示す、19484.1の決定されたcDNA配列である。
【0231】
配列番号219は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19470.1の決定されたcDNA配列である。
【0232】
配列番号220は、ヒトHLA−DM遺伝子に対して相同性を示す、19469.1の決定されたcDNA配列である。
【0233】
配列番号221は、ヒトpS2タンパク質遺伝子に対して相同性を示す、19482.1の決定されたcDNA配列である。
【0234】
配列番号222は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B805P(19468.1)の決定されたcDNA配列である。
【0235】
配列番号223は、ヒトトロンボスボンジンmRNAに対して相同性を示す、19467.1の決定されたcDNA配列である。
【0236】
配列番号224は、細胞周期制御に関与するCDC2遺伝子に対して相同性を示す、19498.1の決定されたcDNA配列である。
【0237】
配列番号225は、TREBタンパク質のヒトcDNAに対して相同性を示す、19506.1の決定されたcDNA配列である。
【0238】
配列番号226は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B806P(19505.1)の決定されたcDNA配列である。
【0239】
配列番号227は、I型上皮ケラチンに対して相同性を示す、19486.1の決定されたcDNA配列である。
【0240】
配列番号228は、糖タンパク質のグルコーストランスポーターに対して相同性を示す、19510.1の決定されたcDNA配列である。
【0241】
配列番号229は、ヒトリシルヒドロキシラーゼ遺伝子に対して相同性を示す、19512.1の決定されたcDNA配列である。
【0242】
配列番号230は、ヒトパルモトイル(palimotoyl)タンパク質チオエステラーゼに対して相同性を示す、19511.1の決定されたcDNA配列である。
【0243】
配列番号231は、ヒトαエノラーゼに対して相同性を示す、19508.1の決定されたcDNA配列である。
【0244】
配列番号232は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B807P(19509.1)の決定されたcDNA配列である。
【0245】
配列番号233は、染色体11q13.31のクローン102D24に対して相同性を示す、B809P(19520.1)の決定されたcDNA配列である。
【0246】
配列番号234は、プロゾーム(prosome)βサブユニットに対して相同性を示す、19507.1の決定されたcDNA配列である。
【0247】
配列番号235は、ヒトプロウロキナーゼ前駆体に対して相同性を示す、19525.1の決定されたcDNA配列である。
【0248】
配列番号236は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19513.1の決定されたcDNA配列である。
【0249】
配列番号237は、ヒトPAC128M19クローンに対して相同性を示す、19517.1の決定されたcDNA配列である。
【0250】
配列番号238は、P450−IIBに対して相同性を示す、19564.1の決定されたcDNA配列である。
【0251】
配列番号239は、ヒトGABA−Aレセプターπ(pi)サブユニットに対して相同性を示す、19553.1の決定されたcDNA配列である。
【0252】
配列番号240は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B811P(19575.1)の決定されたcDNA配列である。
【0253】
配列番号241は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B810P(19560.1)の決定されたcDNA配列である。
【0254】
配列番号242は、大動脈カルボキシペチダーゼ様タンパク質に対して相同性を示す、19588.1の決定されたcDNA配列である。
【0255】
配列番号243は、ヒトBCL−1遺伝子に対して相同性を示す、19551.1の決定されたcDNA配列である。
【0256】
配列番号244は、ヒトプロテアゾーム(proteasome)関連mRNAに対して相同性を示す、19567.1の決定されたcDNA配列である。
【0257】
配列番号245は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B803P(19583.1)の決定されたcDNA配列である。
【0258】
配列番号246は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B812P(19587.1)の決定されたcDNA配列である。
【0259】
配列番号247は、ヒト染色体17に対して相同性を示す、B802P(19392.2)の決定されたcDNA配列である。
【0260】
配列番号248は、ヒトニセイン(nicein)B2鎖に対して相同性を示す、19393.2の決定されたcDNA配列である。
【0261】
配列番号249は、19398.2(ヒトMHCクラスIIDQαmRNA)の決定されたcDNA配列である。
【0262】
配列番号250は、ヒトXp22BAC GSHB−184P14に対して相同性を示す、B804P(19399.2)の決定されたcDNA配列である。
【0263】
配列番号251は、ヒトikBキナーゼ−b遺伝子に対して相同性を示す、19401.2の決定されたcDNA配列である。
【0264】
配列番号252は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20266の決定されたcDNA配列である。
【0265】
配列番号253は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B826P(20270)の決定されたcDNA配列である。
【0266】
配列番号254は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20274の決定されたcDNA配列である。
【0267】
配列番号255は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20276の決定されたcDNA配列である。
【0268】
配列番号256は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20277の決定されたcDNA配列である。
【0269】
配列番号257は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B823P(20280)の決定されたcDNA配列である。
【0270】
配列番号258は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B821P(20281)の決定されたcDNA配列である。
【0271】
配列番号259は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B824P(20294)の決定されたcDNA配列である。
【0272】
配列番号260は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20303の決定されたcDNA配列である。
【0273】
配列番号261は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B820P(20310)の決定されたcDNA配列である。
【0274】
配列番号262は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B825P(20336)の決定されたcDNA配列である。
【0275】
配列番号263は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、B827P(20341)の決定されたcDNA配列である。
【0276】
配列番号264は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20941の決定されたcDNA配列である。
【0277】
配列番号265は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20954の決定されたcDNA配列である。
【0278】
配列番号266は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20961の決定されたcDNA配列である。
【0279】
配列番号267は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20965の決定されたcDNA配列である。
【0280】
配列番号268は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、20975の決定されたcDNA配列である。
【0281】
配列番号269は、ヒトp120カテニンに対して相同性を示す、20261の決定されたcDNA配列である。
【0282】
配列番号270は、ヒト膜糖タンパク質4F2に対して相同性を示す、B822P(20262)の決定されたcDNA配列である。
【0283】
配列番号271は、ヒトNa,K−ATPaseα1に対して相同性を示す、20265の決定されたcDNA配列である。
【0284】
配列番号272は、ヒト熱HS90,部分的cdsに対して相同性を示す、20267の決定されたcDNA配列である。
【0285】
配列番号273は、ヒトmRNA GPI−アンカータンパク質p137に対して相同性を示す、20268の決定されたcDNA配列である。
【0286】
配列番号274は、ヒト切断刺激因子77kDaサブユニットに対して相同性を示す、20271の決定されたcDNA配列である。
【0287】
配列番号275は、ヒトp190−Bに対して相同性を示す、20272の決定されたcDNA配列である。
【0288】
配列番号276は、ヒトリボホリンに対して相同性を示す、20273の決定されたcDNA配列である。
【0289】
配列番号277は、ヒトオルニチンアミノトランスフェラーゼに対して相同性を示す、20278の決定されたcDNA配列である。
【0290】
配列番号278は、ヒトS−アデノシルメチオニンシンターゼに対して相同性を示す、20279の決定されたcDNA配列である。
【0291】
配列番号279は、ヒトx不活性化転写に対して相同性を示す、20293の決定されたcDNA配列である。
【0292】
配列番号280は、ヒトシトクロムp450に対して相同性を示す、20300の決定されたcDNA配列である。
【0293】
配列番号281は、ヒト伸長因子−1αに対して相同性を示す、20305の決定されたcDNA配列である。
【0294】
配列番号282は、ヒト上皮etsタンパク質に対して相同性を示す、20306の決定されたcDNA配列である。
【0295】
配列番号283は、ヒトシグナルトランスデューサmRNAに対して相同性を示す、20307の決定されたcDNA配列である。
【0296】
配列番号284は、ヒトGABA−Aレセプターπ(pi)サブユニットmRNAに対して相同性を示す、20313の決定されたcDNA配列である。
【0297】
配列番号285は、ヒトチロシンホスファターゼに対して相同性を示す、20317の決定されたcDNA配列である。
【0298】
配列番号286は、ヒトカテプシンBプロテイナーゼに対して相同性を示す、20318の決定されたcDNA配列である。
【0299】
配列番号287は、ヒト2−ホスホピルベート−ヒドラターゼ−α−エノラーゼに対して相同性を示す、20320の決定されたcDNA配列である。
【0300】
配列番号288は、ヒトEカドヘリンに対して相同性を示す、20321の決定されたcDNA配列である。
【0301】
配列番号289は、ヒトhsp86に対して相同性を示す、20322の決定されたcDNA配列である。
【0302】
配列番号290は、ヒトx不活性化転写物に対して相同性を示す、B828P(20326)の決定されたcDNA配列である。
【0303】
配列番号291は、ヒトクロマチン調節因子(SMARCA5)に対して相同性を示す、20333の決定されたcDNA配列である。
【0304】
配列番号292は、ヒトスフィンゴリピド活性化剤タンパク質1に対して相同性を示す、20335の決定されたcDNA配列である。
【0305】
配列番号293は、ヒト肝実質細胞増殖因子活性化剤インヒビター2型に対して相同性を示す、20337の決定されたcDNA配列である。
【0306】
配列番号294は、ヒト細胞接着分子CD44に対して相同性を示す、20338の決定されたcDNA配列である。
【0307】
配列番号295は、ヒト細胞核因子(エリストイド誘導体)様1に対して相同性を示す、20340の決定されたcDNA配列である。
【0308】
配列番号296は、ヒトビンキュリンmRNAに対して相同性を示す、20938の決定されたcDNA配列である。
【0309】
配列番号297は、ヒト伸長因子EF−1−αに対して相同性を示す、20939の決定されたcDNA配列である。
【0310】
配列番号298は、ヒトネスチン遺伝子に対して相同性を示す、20940の決定されたcDNA配列である。
【0311】
配列番号299は、ヒト膵臓リボヌクレアーゼに対して相同性を示す、20942の決定されたcDNA配列である。
【0312】
配列番号300は、ヒトトランスコバラミンIに対して相同性を示す、20943の決定されたcDNA配列である。
【0313】
配列番号301は、ヒトβチューブリンに対して相同性を示す、20944の決定されたcDNA配列である。
【0314】
配列番号302は、ヒトHS1タンパク質に対して相同性を示す、20946の決定されたcDNA配列である。
【0315】
配列番号303は、ヒトカテプシンBに対して相同性を示す、20947の決定されたcDNA配列である。
【0316】
配列番号304は、ヒト精巣増強遺伝子転写物に対して相同性を示す、20948の決定されたcDNA配列である。
【0317】
配列番号305は、ヒト伸長因子EF−1−αに対して相同性を示す、20949の決定されたcDNA配列である。
【0318】
配列番号306は、ヒトADPリボシル化因子3に対して相同性を示す、20950の決定されたcDNA配列である。
【0319】
配列番号307は、トリプトファニル−tRNAシンターゼのヒトIFP53またはWRSに対して相同性を示す、20951の決定されたcDNA配列である。
【0320】
配列番号308は、ヒトサイクリン依存性タンパク質キナーゼに対して相同性を示す、20952の決定されたcDNA配列である。
【0321】
配列番号308は、ヒトα−チューブリンシオフォーム(sioform)1に対して相同性を示す、20957の決定されたcDNA配列である。
【0322】
配列番号309は、ヒトチロシンホスファターゼ−61bp欠失に対して相同性を示す、20959の決定されたcDNA配列である。
【0323】
配列番号310は、ヒトチロシンホスファターゼに対して相同性を示す、20966の決定されたcDNA配列である。
【0324】
配列番号311は、ヒト細胞核因子NF45に対して相同性を示す、B830P(20976)の決定されたcDNA配列である。
【0325】
配列番号312は、ヒト欠失−6脂肪酸デサチュラーゼに対して相同性を示す、B829P(20977)の決定されたcDNA配列である。
【0326】
配列番号313は、ヒト細胞核アコニターゼに対して相同性を示す、20978の決定されたcDNA配列である。
【0327】
配列番号314は、任意の公知の遺伝子に対して有意な相同性を示さない、19465の決定されたcDNA配列である。
【0328】
配列番号315は、クローン23176の決定されたcDNA配列である。
【0329】
配列番号316は、クローン23140の決定されたcDNA配列である。
【0330】
配列番号317は、クローン23166の決定されたcDNA配列である。
【0331】
配列番号318は、クローン23167の決定されたcDNA配列である。
【0332】
配列番号319は、クローン23177の決定されたcDNA配列である。
【0333】
配列番号320は、クローン23217の決定されたcDNA配列である。
【0334】
配列番号321は、クローン23169の決定されたcDNA配列である。
【0335】
配列番号322は、クローン23160の決定されたcDNA配列である。
【0336】
配列番号323は、クローン23182の決定されたcDNA配列である。
【0337】
配列番号324は、クローン23232の決定されたcDNA配列である。
【0338】
配列番号325は、クローン23203の決定されたcDNA配列である。
【0339】
配列番号326は、クローン23198の決定されたcDNA配列である。
【0340】
配列番号327は、クローン23224の決定されたcDNA配列である。
【0341】
配列番号328は、クローン23142の決定されたcDNA配列である。
【0342】
配列番号329は、クローン23138の決定されたcDNA配列である。
【0343】
配列番号330は、クローン23147の決定されたcDNA配列である。
【0344】
配列番号331は、クローン23148の決定されたcDNA配列である。
【0345】
配列番号332は、クローン23149の決定されたcDNA配列である。
【0346】
配列番号333は、クローン23172の決定されたcDNA配列である。
【0347】
配列番号334は、クローン23158の決定されたcDNA配列である。
【0348】
配列番号335は、クローン23156の決定されたcDNA配列である。
【0349】
配列番号336は、クローン23221の決定されたcDNA配列である。
【0350】
配列番号337は、クローン23223の決定されたcDNA配列である。
【0351】
配列番号338は、クローン23155の決定されたcDNA配列である。
【0352】
配列番号339は、クローン23225の決定されたcDNA配列である。
【0353】
配列番号340は、クローン23226の決定されたcDNA配列である。
【0354】
配列番号341は、クローン23228の決定されたcDNA配列である。
【0355】
配列番号342は、クローン23229の決定されたcDNA配列である。
【0356】
配列番号343は、クローン23231の決定されたcDNA配列である。
【0357】
配列番号344は、クローン23154の決定されたcDNA配列である。
【0358】
配列番号345は、クローン23157の決定されたcDNA配列である。
【0359】
配列番号346は、クローン23153の決定されたcDNA配列である。
【0360】
配列番号347は、クローン23159の決定されたcDNA配列である。
【0361】
配列番号348は、クローン23152の決定されたcDNA配列である。
【0362】
配列番号349は、クローン23161の決定されたcDNA配列である。
【0363】
配列番号350は、クローン23162の決定されたcDNA配列である。
【0364】
配列番号351は、クローン23163の決定されたcDNA配列である。
【0365】
配列番号352は、クローン23164の決定されたcDNA配列である。
【0366】
配列番号353は、クローン23165の決定されたcDNA配列である。
【0367】
配列番号354は、クローン23151の決定されたcDNA配列である。
【0368】
配列番号355は、クローン23150の決定されたcDNA配列である。
【0369】
配列番号356は、クローン23168の決定されたcDNA配列である。
【0370】
配列番号357は、クローン23146の決定されたcDNA配列である。
【0371】
配列番号358は、クローン23170の決定されたcDNA配列である。
【0372】
配列番号359は、クローン23171の決定されたcDNA配列である。
【0373】
配列番号360は、クローン23145の決定されたcDNA配列である。
【0374】
配列番号361は、クローン23174の決定されたcDNA配列である。
【0375】
配列番号362は、クローン23175の決定されたcDNA配列である。
【0376】
配列番号363は、クローン23144の決定されたcDNA配列である。
【0377】
配列番号364は、クローン23178の決定されたcDNA配列である。
【0378】
配列番号365は、クローン23179の決定されたcDNA配列である。
【0379】
配列番号366は、クローン23180の決定されたcDNA配列である。
【0380】
配列番号367は、クローン23181の決定されたcDNA配列である。
【0381】
配列番号368は、クローン23143の決定されたcDNA配列である。
【0382】
配列番号369は、クローン23183の決定されたcDNA配列である。
【0383】
配列番号370は、クローン23184の決定されたcDNA配列である。
【0384】
配列番号371は、クローン23185の決定されたcDNA配列である。
【0385】
配列番号372は、クローン23186の決定されたcDNA配列である。
【0386】
配列番号373は、クローン23187の決定されたcDNA配列である。
【0387】
配列番号374は、クローン23190の決定されたcDNA配列である。
【0388】
配列番号375は、クローン23189の決定されたcDNA配列である。
【0389】
配列番号376は、クローン23202の決定されたcDNA配列である。
【0390】
配列番号378は、クローン23191の決定されたcDNA配列である。
【0391】
配列番号379は、クローン23188の決定されたcDNA配列である。
【0392】
配列番号380は、クローン23194の決定されたcDNA配列である。
【0393】
配列番号381は、クローン23196の決定されたcDNA配列である。
【0394】
配列番号382は、クローン23195の決定されたcDNA配列である。
【0395】
配列番号383は、クローン23193の決定されたcDNA配列である。
【0396】
配列番号384は、クローン23199の決定されたcDNA配列である。
【0397】
配列番号385は、クローン23200の決定されたcDNA配列である。
【0398】
配列番号386は、クローン23192の決定されたcDNA配列である。
【0399】
配列番号387は、クローン23201の決定されたcDNA配列である。
【0400】
配列番号388は、クローン23141の決定されたcDNA配列である。
【0401】
配列番号389は、クローン23139の決定されたcDNA配列である。
【0402】
配列番号390は、クローン23204の決定されたcDNA配列である。
【0403】
配列番号391は、クローン23205の決定されたcDNA配列である。
【0404】
配列番号392は、クローン23206の決定されたcDNA配列である。
【0405】
配列番号393は、クローン23207の決定されたcDNA配列である。
【0406】
配列番号394は、クローン23208の決定されたcDNA配列である。
配列番号395は、クローン23209の決定されたcDNA配列である。
【0407】
配列番号396は、クローン23210の決定されたcDNA配列である。
【0408】
配列番号397は、クローン23211の決定されたcDNA配列である。
【0409】
配列番号398は、クローン23212の決定されたcDNA配列である。
【0410】
配列番号399は、クローン23214の決定されたcDNA配列である。
【0411】
配列番号400は、クローン23215の決定されたcDNA配列である。
【0412】
配列番号401は、クローン23216の決定されたcDNA配列である。
【0413】
配列番号402は、クローン23137の決定されたcDNA配列である。
【0414】
配列番号403は、クローン23218の決定されたcDNA配列である。
【0415】
配列番号404は、クローン23220の決定されたcDNA配列である。
【0416】
配列番号405は、クローン19462の決定されたcDNA配列である。
【0417】
配列番号406は、クローン19430の決定されたcDNA配列である。
【0418】
配列番号407は、クローン19407の決定されたcDNA配列である。
【0419】
配列番号408は、クローン19448の決定されたcDNA配列である。
【0420】
配列番号409は、クローン19447の決定されたcDNA配列である。
【0421】
配列番号410は、クローン19426の決定されたcDNA配列である。
【0422】
配列番号411は、クローン19441の決定されたcDNA配列である。
【0423】
配列番号412は、クローン19454の決定されたcDNA配列である。
【0424】
配列番号413は、クローン19463の決定されたcDNA配列である。
【0425】
配列番号414は、クローン19419の決定されたcDNA配列である。
【0426】
配列番号415は、クローン19434の決定されたcDNA配列である。
【0427】
配列番号416は、クローンB820Pの決定されたcDNA配列である。
【0428】
配列番号417は、クローンB821Pの決定されたcDNA配列である。
【0429】
配列番号418は、クローンB822Pの決定されたcDNA配列である。
【0430】
配列番号419は、クローンB823Pの決定されたcDNA配列である。
【0431】
配列番号420は、クローンB824Pの決定されたcDNA配列である。
【0432】
配列番号421は、クローンB825Pの決定されたcDNA配列である。
【0433】
配列番号422は、クローンB826Pの決定されたcDNA配列である。
【0434】
配列番号423は、クローンB827Pの決定されたcDNA配列である。
【0435】
配列番号424は、クローンB828Pの決定されたcDNA配列である。
【0436】
配列番号425は、クローンB829Pの決定されたcDNA配列である。
【0437】
配列番号426は、クローンB830Pの決定されたcDNA配列である。
【0438】
配列番号427は、クローン266B4の決定されたcDNA配列である。
【0439】
配列番号428は、クローン22892の決定されたcDNA配列である。
【0440】
配列番号429は、クローン266G3の決定されたcDNA配列である。
【0441】
配列番号430は、クローン22890の決定されたcDNA配列である。
【0442】
配列番号431は、クローン264B4の決定されたcDNA配列である。
【0443】
配列番号432は、クローン22883の決定されたcDNA配列である。
【0444】
配列番号433は、クローン22882の決定されたcDNA配列である。
【0445】
配列番号434は、クローン22880の決定されたcDNA配列である。
【0446】
配列番号435は、クローン263G1の決定されたcDNA配列である。
【0447】
配列番号436は、クローン263G6の決定されたcDNA配列である。
【0448】
配列番号437は、クローン262B2の決定されたcDNA配列である。
【0449】
配列番号438は、クローン262B6の決定されたcDNA配列である。
【0450】
配列番号439は、クローン22869の決定されたcDNA配列である。
【0451】
配列番号440は、クローン21374の決定されたcDNA配列である。
【0452】
配列番号441は、クローン21362の決定されたcDNA配列である。
【0453】
配列番号442は、クローン21349の決定されたcDNA配列である。
【0454】
配列番号443は、クローン21309の決定されたcDNA配列である。
【0455】
配列番号444は、クローン21097の決定されたcDNA配列である。
【0456】
配列番号445は、クローン21096の決定されたcDNA配列である。
【0457】
配列番号446は、クローン21094の決定されたcDNA配列である。
【0458】
配列番号447は、クローン21093の決定されたcDNA配列である。
【0459】
配列番号448は、クローン21091の決定されたcDNA配列である。
【0460】
配列番号449は、クローン21089の決定されたcDNA配列である。
【0461】
配列番号450は、クローン21087の決定されたcDNA配列である。
【0462】
配列番号451は、クローン21085の決定されたcDNA配列である。
【0463】
配列番号452は、クローン21084の決定されたcDNA配列である。
【0464】
配列番号453は、クローン2BT1−40の第1部分cDNA配列である。
【0465】
配列番号454は、クローン2BT1−40の第2部分cDNA配列である。
【0466】
配列番号455は、クローン21063の決定されたcDNA配列である。
【0467】
配列番号456は、クローン21062の決定されたcDNA配列である。
【0468】
配列番号457は、クローン21060の決定されたcDNA配列である。
【0469】
配列番号458は、クローン21053の決定されたcDNA配列である。
【0470】
配列番号459は、クローン21050の決定されたcDNA配列である。
【0471】
配列番号460は、クローン21036の決定されたcDNA配列である。
【0472】
配列番号461は、クローン21037の決定されたcDNA配列である。
【0473】
配列番号462は、クローン21048の決定されたcDNA配列である。
【0474】
配列番号463は、B726PのコンセンサスDNA配列である(B726P−スプライス_配列_B726Pとして参照される)。
【0475】
配列番号464は、B726Pからの第2スプライスの決定されたcDNA配列である(27490.配列_B726Pとして参照される)。
【0476】
配列番号465は、B726Pからの第3スプライスの決定されたcDNA配列である(27068.配列_B726Pとして参照される)。
【0477】
配列番号466は、B726Pからの第2スプライスの決定されたcDNA配列である(23113.配列_B726Pとして参照される)。
【0478】
配列番号467は、B726Pからの第2スプライスの決定されたcDNA配列である(23103.配列_B726Pとして参照される)。
【0479】
配列番号468は、B726Pからの第2スプライスの決定されたcDNA配列である(19310.配列_B726Pとして参照される)。
【0480】
配列番号469は、配列番号463の上流ORFによってコードされる予想されるアミノ酸配列である。
【0481】
配列番号470は、配列番号464によってコードされる予想されるアミノ酸配列である。
【0482】
配列番号471は、配列番号465によってコードされる予想されるアミノ酸配列である。
【0483】
配列番号472は、配列番号466によってコードされる予想されるアミノ酸配列である。
【0484】
配列番号473は、配列番号467によってコードされる予想されるアミノ酸配列である。
【発明を実施するための形態】
【0485】
(発明の詳細な説明)
上記のように、本発明は、一般的に、癌(例えば乳癌)の治療および診断のための組成物および方法に関する。本明細書中に記載される組成物は、乳房腫瘍ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、結合剤(例えば、抗体)、抗原提示細胞(APC)および/または免疫系細胞(例えば、T細胞)を含み得る。本発明のポリペプチドは、一般的に、乳房腫瘍タンパク質もしくはその改変体の少なくとも一部(例えば、免疫原性部分)を含む。「乳房腫瘍タンパク質」は、本明細書中に提供される代表的なアッセイを使用して決定される場合、正常な組織における発現のレベルよりも少なくとも2倍、および好ましくは少なくとも5倍より大きなレベルにおいて乳房腫瘍細胞中で発現されるタンパク質である。特定の乳房腫瘍タンパク質は、乳癌で苦しむ患者の抗血清と検出可能(例えば、ELISAまたはウエスタンブロットのような免疫アッセイの範囲内で)に反応する腫瘍タンパク質である。本発明のポリヌクレオチドは、一般的に、そのようなポリペプチドの全てもしくは一部をコードするDNA配列またはRNA配列あるいはそのような配列に対して相補的であるDNA配列またはRNA配列を含む。抗体は、一般的に、上記のポリペプチドと結合し得る免疫系タンパク質もしくはその抗原結合フラグメントである。抗原提示細胞としては、上記のようなポリペプチドを発現する、樹状細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞およびB細胞が挙げられる。そのような組成物内で使用されるT細胞は、一般的に、上記のようなポリペプチドに対して特異的であるT細胞である。
【0486】
本発明は、ヒト乳房腫瘍タンパク質の発見に基づいている。特定の腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドの配列が、配列番号1〜175、178、180および182〜468にて提供される。
【0487】
(乳房腫瘍タンパク質ポリヌクレオチド)
本明細書中に記載される、乳房腫瘍タンパク質もしくはその一部または他の改変体をコードする任意のポリヌクレオチドが本発明に含まれる。好ましいポリヌクレオチドは、少なくとも15個の連続ヌクレオチド、好ましくは少なくとも30個の連続ヌクレオチド、およびより好ましくは少なくとも45個の連続ヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドは乳房腫瘍タンパク質の一部をコードする。より好ましくは、ポリヌクレオチドは、乳房腫瘍タンパク質の免疫原性部分をコードする。そのような任意の配列に対するポリヌクレオチド相補体もまた、本発明に含まれる。ポリヌクレオチドは、一本鎖(コードもしくはアンチセンス)または二本鎖であり得、そしてDNA(ゲノム、cDNAもしくは合成)またはRNA分子であり得る。RNA分子としては、HnRNA分子(イントロンを含み、1対1(one−to−one)様式におけるDNA分子に対応する)およびmRNA分子(イントロンを含まない)が挙げられる。さらなるコード配列または非コード配列が、本発明のポリヌクレオチドの範囲内に存在してもよいし、しなくともよく、そしてポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持材料と連結されてもよく、されなくともよい。
【0488】
ポリヌクレオチドは、ネイティブな配列(すなわち、乳房腫瘍タンパク質またはその一部をコードする内在性配列)を含み得るか、またはそのような配列の改変体を含み得る。ポリヌクレオチド改変体は、1つ以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得、その結果、コードされたポリペプチドの免疫原性が、ネイティブな腫瘍タンパク質に対して減少される。コードされたポリペプチドの免疫原性に関する効果は、一般的に、本明細書中に記載されるように評価され得る。改変体は、ネイティブな乳房腫瘍タンパク質またはその一部をコードするポリヌクレオチド配列に対して、好ましくは、少なくとも約70%同一性、より好ましくは少なくとも約80%同一性および最も好ましくは少なくとも約90%同一性を示す。用語「改変体」はまた、外因性起源の相同遺伝子を含む。
【0489】
2つのヌクレオチド配列またはポリペプチド配列は、以下に記載のように最大の対応でアラインするときに2つの配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の配列が同じである場合、「同一」であるといわれる。2つの配列間の比較は、代表的には、比較ウインドウによって配列を比較して、配列類似性の局所的領域を同定および比較することによって行われる。本明細書中で使用される「比較ウインドウ」とは、少なくとも約20の連続する位置、通常は30〜約75、40〜約50の連続する位置のセグメントをいう。ここで、配列は、2つの配列が必要に応じてアラインされた後、同じ数の連続する位置の参照配列に対して比較され得る。
【0490】
比較のための配列の最適なアラインメントは、Lasergene suite of bioinformatics software(DNASTAR,Inc.,Madison,WI)のMegalignプログラムを用い、デフォルトパラメーターを使用して行われ得る。このプログラムは、以下の参考文献に記載されるいくつかのアラインメントスキームを含む:
【0491】
【表1】

好ましくは、「配列同一性のパーセント割合」は、少なくとも20の位置の比較ウインドウによって、2つの最適にアラインされた配列を比較することによって決定される。ここで、比較ウインドウ中のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントについて参照配列(これは、付加または欠失を有さない)と比較して、20%以下、通常は5〜15%、または10〜12%の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。このパーセント割合は、位置の数(ここで、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列で生じて、マッチした位置の数を得る)を決定し、参照配列中の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)でマッチした位置の数を割り、そして結果に100をかけて配列同一性のパーセント割合を得ることによって計算される。
【0492】
あるいは、改変体はまた、ネイティブな遺伝子もしくはその一部または相補体に対して実質的に相同であり得る。そのようなポリヌクレオチド改変体は、中程度のストリンジェントな条件下において、天然に存在するネイティブな乳房腫瘍タンパク質(もしくは相補配列)をコードするDNA配列とハイブリダイズし得る。適切に中程度のストリンジェントな条件は、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)の溶液中での予備洗浄;50℃〜65℃、5×SSC、一晩のハイブリダイゼーション;次いで0.1% SDSを含む、2×、0.5×、および0.2×SSCで、65℃で20分、それぞれ2回洗浄を含む。
【0493】
遺伝子コードの縮重の結果として、本明細書中に記載されるようなポリペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列が存在するということが当業者に理解される。これらのポリヌクレオチドのいくつかが、任意のネイティブな遺伝子のヌクレオチド配列に対して最少の相同性を有する。それにもかかわらず、コドンの使用頻度の差異に起因して変化するポリヌクレオチドが特に本発明により意図される。さらに、本明細書中に提供されるポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子は、本発明の範囲内である。対立遺伝子は、1つ以上の変異(例えば、ヌクレオチドの欠失、付加および/または置換)の結果として変更される内因性遺伝子である。生じたmRNAおよびタンパク質は、変更された構造または機能を有してもよく、有さなくともよい。対立遺伝子は、標準的な技術(例えば、ハイブリダイゼーション、増幅および/またはデータベース配列比較)を使用して同定され得る。
【0494】
ポリヌクレオチドは、任意の種々の技術を使用して調製され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、以下により詳細に記載されるように、腫瘍関連発現(すなわち、本明細書中で提供される代表的なアッセイを使用して決定された、正常な組織においてより乳房腫瘍において少なくとも5倍多い発現)についてのcDNAのミクロアレイのスクリーニングによって、同定され得る。このようなスクリーンは、Synteniミクロアレイ(Palo Alto,CA)を使用し、製造業者の説明書に従って、(そして、本質的に、Schenaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:10614−10619,1996およびHellerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:2150−2155,1997に記載されるように)実施され得る。あるいは、ポリペプチドを、本明細書中に記載されるタンパク質を発現する細胞(例えば、乳房腫瘍細胞)から調製されるcDNAから増幅し得る。このようなポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅され得る。このアプローチのために、配列特異的プライマーは、本明細書中に提供される配列に基づいて設計され得、そして購入され得るか、または合成され得る。
【0495】
増幅された部分は、周知技術を使用して適切なライブラリー(例えば、乳房腫瘍cDNAライブラリー)から、全長遺伝子を単離するために使用され得る。このような技術において、ライブラリー(cDNAまたはゲノム)は、増幅に適切な1以上のポリヌクレオチドプローブまたはポリヌクレオチドプライマーを使用してスクリーニングされる。好ましくは、ライブラリーは、より大きい分子を含むようにサイズ選択される。ランダムプライムライブラリーもまた、遺伝子の5’領域および上流領域を同定するために使用され得る。ゲノムライブラリーは、イントロンおよび伸長5’配列を得るために好ましい。
【0496】
ハイブリダイゼーション技術のために、部分配列が、周知技術を使用して標識され得る(例えば、32Pを用いるニックトランスレーションまたは末端標識によって)。次いで、細菌ライブラリーまたはバクテリオファージライブラリーを、変性させた細菌コロニーを含むフィルター(またはファージプラークを含む菌叢)にその標識プローブをハイブリダイズさせることによってスクリーニングする(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,NY,1989を参照のこと)。ハイブリダイズしたコロニーまたはプラークを、選択および拡大し、そのDNAをさらなる分析のために単離する。cDNAクローンを、例えば、その部分配列由来のプライマーおよびベクター由来のプライマーを使用するPCRによって分析し、付加配列の量を決定し得る。制限地図および部分配列を作製し、1以上の重複クローンを同定し得る。次いで、完全配列を、標準的技術(これは、一連の欠失クローンを作製する工程を包含し得る)を使用して決定し得る。次いで、得られた重複配列を、単一の連続する配列にアセンブルする。全長cDNA分子を、周知技術を使用して、適切なフラグメントを連結することによって作製し得る。
【0497】
あるいは、部分cDNA配列から全長コード配列を得るための、多くの増幅技術が存在する。このような技術において、増幅は、一般に、PCRを介して行われる。任意の種々の市販のキットを使用して、この増幅工程を行い得る。プライマーは、例えば、当該分野で周知のソフトウェアを使用して設計され得る。プライマーは、好ましくは、22〜30ヌクレオチド長であり、少なくとも50%のGC含量を有し、そして約68℃〜72℃の温度で標的配列にアニールする。この増幅された領域を、上記のように配列決定し得、そして重複配列を、連続する配列にアセンブルし得る。
【0498】
1つのこのような増幅技術は、逆PCRである(Trigliaら、Nucl.Acids Res.16:8186,1988を参照のこと)。逆PCRは、制限酵素を使用して、遺伝子の既知の領域におけるフラグメントを作製する。次いで、このフラグメントを、分子内連結によって環状化し、そしてこのフラグメントを、その既知領域由来の異なるプライマーを用いるPCRのテンプレートとして使用する。代替的アプローチにおいて、部分配列に隣接する配列を、リンカー配列に対するプライマーおよび既知領域に特異的なプライマーを用いる増幅によって、回収し得る。この増幅された配列を、代表的には、同じリンカープライマーおよび既知領域に特異的な第2のプライマーを用いる2回目の増幅に供する。この手順の変形型(これは、その既知配列から反対方向への伸長を開始する2つのプライマーを使用する)が、WO96/38591に記載される。別のこのような技術は、「cDNA末端の迅速増幅」すなわちRACEとして公知である。この技術は、ポリA領域またはベクター配列とハイブリダイズする、内部プライマーおよび外部プライマーの使用を包含し、既知配列の5’側および3’側の配列を同定する。さらなる技術としては、捕捉PCR(Lagerstromら、PCR Methods Applic.1:111−19,1991)およびウォーキングPCR(Parkerら、Nucl.Acids.Res.19:3055−60,1991)が挙げられる。増幅を使用する他の方法もまた、全長cDNA配列を得るために使用され得る。
【0499】
特定の例において、発現配列タグ(EST)データベース(例えば、Genbankから利用可能なデータベース)に提供された配列の分析によって全長cDNA配列を得ることが可能である。重複ESTについての検索は、一般に、周知のプログラム(例えば、NCBI BLAST検索)を使用して実施され得、そしてESTを使用して、連続した全長配列を製作し得る。全長DNA配列はまた、ゲノムフラグメントの分析によって得られ得る。
【0500】
乳房腫瘍タンパク質の部分をコードするcDNA分子の特定の核酸配列は、配列番号1〜175、178、180および182〜468に提供される。これらの配列の単離は、以下に詳細に記載される。
【0501】
ポリヌクレオチド改変体は、当該分野で公知の任意の方法(化学合成(例えば、固相ホスホラミダイト化学合成による)を含む)によって一般的に調製され得る。ポリヌクレオチド配列における改変は、標準的な変異誘発技術(例えば、オリゴヌクレオチド指向性部位特異的変異誘発(Adelmanら、DNA 2:183,1983を参照のこと)を使用して導入され得る。RNA分子は、乳房腫瘍タンパク質、またはその部分をコードするDNA配列のインビトロまたはインビボ転写によって生成され得るが、但し、DNAは、適切なRNAポリメラーゼプロモーター(例えば、T7またはSP6)を用いて、ベクターに組み込まれる。特定の部分を使用して、本明細書中に記載されるように、コードされたポリペプチドを調製し得る。さらに、またはあるいは、部分を、コードされたポリペプチドが、インビボで生成されるように、患者に投与し得る(例えば、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)を、乳房腫瘍ポリペプチドをコードするcDNA構築物でトランスフェクトし、そしてトランスフェクトされた細胞を患者に投与することによって)。
【0502】
コード配列に相補的な配列(すなわち、アンチセンスポリヌクレオチド)の部分もまた、プローブとして、または遺伝子発現を調節するために、使用され得る。アンチセンスRNAに転写され得るcDNA構築物もまた、組織の細胞に導入されて、アンチセンスRNAの産生を容易にし得る。アンチセンスポリヌクレオチドを、本明細書に記載されるように使用して、腫瘍タンパク質の発現を阻害し得る。アンチセンス技術を使用して、三本鎖へリックス形成を介する遺伝子発現を制御し得、この三本鎖へリックス形成は、ポリメラーゼ、転写因子、または調節因子の結合に対して、十分に開かせるダブルへリックスの能力を損なう(Geeら,HuberおよびCarr,Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co.(Mt.Kisco,NY;1994)を参照のこと)。あるいは、アンチセンス分子は、遺伝子の制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、または転写開始部位)とハイブリダイズし、そして遺伝子の転写をブロックするように設計されるか;または転写物のリボソームへの結合を阻害することによって翻訳をブロックするように設計され得る。
【0503】
コード配列の一部分、または相補配列の一部分はまた、プローブまたはプライマーとして、遺伝子発現を検出するように設計され得る。プローブは、種々のレポーター群(例えば、放射性核種および酵素)を用いて標識され得、そして好ましくは、少なくとも10ヌクレオチド長、より好ましくは、少なくとも20ヌクレオチド長、およびなおより好ましくは、少なくとも30ヌクレオチド長である。上記のプライマーは、好ましくは、22〜30ヌクレオチド長である。
【0504】
任意のポリヌクレオチドをさらに改変して、インビボでの安定性を増加し得る。可能な改変としては、5’末端および/または3’末端での隣接配列の付加;骨格中のホスホジエステラーゼ結合に代わる、ホスホロチオエートまたは2’O−メチルの使用;ならびに/または、非通常塩基(例えば、イノシン、クエオシンおよびワイブトシン、ならびにアデニン、シチジン、グアニン、チミンおよびウリジンの、アセチル形態、メチル形態、チオ形態、および他の改変形態)の含有が挙げられるが、これらに限定されない。
【0505】
本明細書中に記載されるヌクレオチド配列は、確立された組換えDNA技術を使用して、種々の他のヌクレオチド配列に結合され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、種々のクローニングベクター(プラスミド、ファージミド、λファージ誘導体およびコスミドを含む)のいずれかにクローニングされ得る。特定の目的のベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクターおよび配列決定ベクターが挙げられる。一般的に、ベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、簡便な制限エンドヌクレアーゼ部位および1以上の選択マーカーを含む。他のエレメントは、所望される用途に依存し、当業者に明らかである。
【0506】
特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、哺乳動物の細胞内への侵入、およびその細胞内での発現を可能にするように処方され得る。このような処方物は、以下に記載のような、治療目的に特に有用である。当業者は、標的細胞におけるポリヌクレオチドの発現を達成するための多くの方法が存在し、そして任意の適切な方法が使用され得ることを認識する。例えば、ポリヌクレオチドは、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、あるいはワクシニアウイルスまたは他のポックスウイルス(例えば、トリポックスウイルス)が挙げられるが、限定されない)に組み込まれ得る。これらのポリヌクレオチドはまた、裸のプラスミドベクターとして投与され得る。DNAをこのようなベクターに組み込むための技術は、当業者に周知である。レトロウイルスベクターはさらに、選択マーカーの遺伝子(形質導入された細胞の同定または選択を補助する)および/または標的部分(特定の標的細胞上のレセプターに対するリガンドをコードする遺伝子)を、移入するか、または組み込んで、ベクターを標的特異的にし得る。標的化はまた、当業者に公知の方法によって、抗体を使用して達成され得る。
【0507】
治療目的のための他の処方物としては、コロイド分散系(例えば、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズおよび脂質ベース系(水中油滴型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む))が挙げられる。インビトロおよびインビボにおける送達ベシクルとしての使用のために好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工膜ベシクル)である。このような系の調製および使用は、当該分野で周知である。
【0508】
(乳房腫瘍ポリペプチド)
本発明の文脈において、ポリペプチドは、本明細書中に記載されるように、乳房腫瘍タンパク質またはその改変体の少なくとも免疫原性部分を含み得る。上記のように、「乳房腫瘍タンパク質」は、乳房腫瘍細胞によって発現されるタンパク質である。乳房腫瘍タンパク質であるタンパク質はまた、乳癌を有する患者からの抗血清を用いる免疫アッセイ(例えば、ELISA)において、検出可能に反応する。本明細書に記載されるようなポリペプチドは、任意の長さであり得る。ネイティブタンパク質および/または異種配列由来のさらなる配列が存在し得、そしてそのような配列は、さらに、免疫原性特性または抗原特性を有し得る(しかし、有する必要はない)。
【0509】
本明細書中で使用される場合、「免疫原性部分」は、B細胞表面抗原レセプターおよび/またはT細胞表面抗原レセプターによって認識される(すなわち、特異的に結合される)タンパク質の部分である。このような免疫原性部分は、一般に、乳房腫瘍タンパク質またはその改変体の、少なくとも5アミノ酸残基、より好ましくは、少なくとも10アミノ酸残基、なおより好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基を含む。特定の好ましい免疫原性部分は、N末端リーダー配列および/または膜貫通ドメインが欠失されたペプチドを含む。他の好ましい免疫原性部分は、成熟タンパク質と比較して、少ないN末端欠失および/またはC末端欠失(例えば、1〜30アミノ酸、好ましくは5〜15アミノ酸)を含み得る。
【0510】
免疫原性部分は、Paul,Fundamental Immunology,第3版、243−247(Raven Press,1993)およびそこに引用される参考文献に要約されるような周知技術を使用して、同定され得る。このような技術は、抗原特異的な抗体、抗血清および/あるいはT細胞株またはT細胞クローンと反応する能力についてポリペプチドをスクリーニングする工程を含む。本明細書中で使用される場合、抗血清および抗体は、それらが抗原に特異的に結合する(すなわち、これらが、ELISAまたは他の免疫アッセイにおいてそのタンパク質と反応し、無関係なタンパク質とは検出可能に反応しない)場合、「抗原特異的」である。このような抗血清および抗体は、本明細書中に記載されるように、そして周知技術を使用して調製され得る。ネイティブの乳房腫瘍タンパク質の免疫原性部分は、(例えば、ELISAおよび/またはT細胞反応性アッセイにおいて)その全長ポリペプチドの反応性よりも実質的に小さくないレベルで、このような抗血清および/またはT細胞と反応する部分である。免疫原性部分は、このようなアッセイにおいて、その全長ポリペプチドの反応性と類似またはそれより大きいレベルで反応し得る。このようなスクリーニングは、一般的に、当業者に周知の方法(例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988に記載のような技術)を使用して行われる。例えば、ポリペプチドを固体支持体に固定し、そして患者の血清を接触させて、その血清中の抗体をその固定されたポリペプチドに結合させ得る。次いで、結合されなかった血清を除去し、結合された抗体を、例えば、125I標識化プロテインAを使用して検出し得る。
【0511】
上記のように、組成物は、ネイティブの乳房腫瘍タンパク質の改変体を含み得る。本明細書中で使用される場合、ポリペプチド「改変体」は、ネイティブの乳房腫瘍タンパク質と、1以上の置換、欠失、付加および/または挿入において異なるポリペプチドであり、その結果、そのポリペプチドの免疫原性が、実質的には減少されない。言い換えると、抗原特異的な抗血清と反応する改変体の能力は、そのネイティブタンパク質と比較して、増強されても、または変化されなくてもよく、あるいは、そのネイティブタンパク質と比較して、50%未満、そしてより好ましくは、20%未満に減少されてもよい。このような改変体は、一般に、本明細書中に記載のように、上記ポリペプチド配列の1つを改変し、この改変ポリペプチドの抗原特異的な抗体または抗血清との反応性を評価することによって同定され得る。好ましい改変体は、1つ以上の部分(例えば、N末端リーダー配列または膜貫通ドメイン)が取り除かれた改変体を含む。他の好ましい改変体は、小さな部分(例えば、1〜30アミノ酸、好ましくは5〜15アミノ酸)が、成熟タンパク質のN末端および/またはC末端から取り除かれた改変体を含む。
【0512】
ポリペプチド改変体は、好ましくは、少なくとも約70%、より好ましくは、少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%の、同定されたポリペプチドに対する同一性(上記のように決定された)を示す。
【0513】
好ましくは、改変体は、保存的置換を含む。「保存的置換」は、あるアミノ酸が、類似の特性を有する別のアミノ酸と置換されている置換であり、その結果、ポリペプチド化学の当業者は、そのポリペプチドの二次構造および疎水性親水性性質が、実質的に変化されないことを予測する。アミノ酸置換は、一般に、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性および/または両親媒性性質の類似性に基づいて作製され得る。例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸;正に荷電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニン;および類似の親水性を有する非荷電の極性頭部を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシンおよびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパラギンおよびグルタミン;ならびにセリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。保存的変化を示し得るアミノ酸の他のグループとしては、(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;および(5)phe、tyr、trp、hisが挙げられる。改変体はまた、またはあるいは、非保存的変化を有し得る。好ましい実施形態において、改変体ポリペプチドは、5以下のアミノ酸の置換、欠失または付加によって、ネイティブの配列とは異なる。改変体はまた(またはあるいは)、例えば、ポリペプチドの免疫原性、二次構造および疎水性親水性性質に最小限の影響しか有さないアミノ酸の欠失または付加によって、改変され得る。
【0514】
上記のように、ポリペプチドは、タンパク質のN末端にシグナル(または、リーダー)配列を含み得、これは、翻訳と同時に、または翻訳後に、そのタンパク質の転移を指向する。このポリペプチドはまた、このポリペプチドの合成、精製または同定を容易にするために、またはこのポリペプチドの固体支持体への結合を増強するために、リンカー配列または他の配列(例えば、ポリHis)に結合体化され得る。例えば、ポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域に結合体化され得る。
【0515】
ポリペプチドは、任意の種々の周知技術を使用して調製され得る。上記のDNA配列によってコードされる組換えポリペプチドは、当業者に公知の任意の種々の発現ベクターを使用して、DNA配列から容易に調製され得る。発現は、組換えポリペプチドをコードするDNA分子を含む発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた、任意の適切な宿主細胞において達成され得る。適切な宿主細胞としては、原核生物、酵母、高等真核生物の細胞および植物細胞が挙げられる。好ましくは、使用される宿主細胞は、E.coli、酵母または哺乳動物細胞株(例えば、COSまたはCHO)である。組換えタンパク質または組換えポリペプチドを培養培地中に分泌する適切な宿主/ベクター系からの上清は、市販のフィルターを使用して、最初に濃縮され得る。濃縮後、この濃縮物を、適切な精製基質(例えば、アフィニティー基質またはイオン交換樹脂)に適用され得る。最終的に、1以上の逆相HPLC工程を使用して、組換えポリペプチドをさらに精製し得る。
【0516】
約100アミノ酸未満、そして一般に、約50アミノ酸未満のアミノ酸を有する部分および他の改変体もまた、当業者に周知の技術を使用して、合成手段によって生成され得る。例えば、このようなポリペプチドは、任意の市販の固相技術(例えば、Merrifield固相合成法(ここでは、アミノ酸が連続的に付加されて、アミノ酸鎖を成長させる))を使用して、合成され得る。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2146,1963を参照のこと。ポリペプチドの自動合成のための装置は、Perkin ELmer/Applied BioSystems Division(Foster City,CA)のような供給者から市販され、そして製造業者の説明書に従って操作され得る。
【0517】
ある特定の実施形態において、ポリペプチドは、本明細書中に記載の複数のポリペプチドを含むか、または本明細書に記載の少なくとも1つのポリペプチドおよび関連しない配列(例えば、公知の腫瘍タンパク質)を含む融合タンパク質であり得る。例えば、融合パートナーは、Tヘルパーエピトープ(免疫学的融合パートナー)、特にヒトによって認識され得るTヘルパーエピトープを提供する際に補助し得るか、またはネイティブの組換えタンパク質より高い収量でタンパク質(発現エンハンサー)を発現する際に補助し得る。特定の好ましい融合パートナーは、免疫学的融合パートナーおよび発現増強融合パートナーの両方である。他の融合パートナーは、タンパク質の溶解性を増加するように、またはタンパク質が所望の細胞内コンパートメントに標的化されることを可能にするように選択され得る。なおさらなる融合タンパク質には、親和性タグ(これは、タンパク質の精製を容易にする)が挙げられる。
【0518】
融合タンパク質は、一般に、標準的な技術(例えば、化学的結合体化)を使用して調製され得る。好ましくは、融合タンパク質は、発現系において、組換えタンパク質として発現され、非融合タンパク質と比較して、増加したレベルの産生を可能にする。手短に言うと、このポリペプチド成分をコードするDNA配列を、別々にアセンブルし得、そして適切な発現ベクターに連結し得る。1つのポリペプチド成分をコードするDNA配列の3’末端は、ペプチドリンカーを用いてまたは用いずに、第2のポリペプチド成分をコードするDNA配列の5’末端に、これらの配列のリーディングフレームが同じ相にあるように連結される。このことが、両方の成分ポリペプチドの生物学的活性を保持する単一の融合タンパク質への翻訳を可能にする。
【0519】
ペプチドリンカー配列は、各ポリペプチドがその二次構造および三次構造へと折り畳まれるのを保証するために十分な距離で第一および第二のポリペプチド構成要素を隔てるために用いられ得る。このようなペプチドリンカー配列は、当該分野で周知の標準的な技術を用いて融合タンパク質中に組み込まれる。適切なペプチドリンカー配列は、以下の因子に基づいて選択され得る:(1)フレキシブルな伸長したコンホメーションを採る能力;(2)第一および第二のポリペプチド上の機能的なエピトープと相互作用し得る二次構造を採ることができないこと;および(3)ポリペプチドの機能的なエピトープと反応し得る疎水性または荷電した残基の無いこと。好ましいペプチドリンカー配列は、Gly、AsnおよびSer残基を含む。ThrおよびAlaのような中性に近い他のアミノ酸もまた、リンカー配列に用いられ得る。リンカーとして有用に用いられ得るアミノ酸配列は、Marateaら、Gene 40:39−46、1985;Murphyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8258−8262、1986;米国特許第4,935,233号および米国特許第4,751,180号に開示されるアミノ酸配列を含む。リンカー配列は、一般的に1から約50アミノ酸長であり得る。リンカー配列は、第一および第二のポリペプチドが、機能的ドメインを分離するため、および立体的な干渉を防ぐために用いられ得る非必須N末端アミノ酸領域を有する場合、必要とされない。
【0520】
連結されたDNA配列は、適切な転写または翻訳調節エレメントに作動可能に連結される。DNAの発現を担う調節エレメントは、第一のポリペプチドをコードするDNA配列の5’側にのみ位置する。同様に、翻訳および転写終結シグナルを終了するために必要とされる停止コドンは、第二のポリペプチドをコードするDNA配列の3’側にのみ存在する。
【0521】
本発明のポリペプチドを関係のない免疫原性タンパク質とともに含む融合タンパク質もまた提供される。好ましくは、免疫原性タンパク質は、リコール(recall)応答を惹起し得る。このようなタンパク質の例としては、破傷風タンパク質、結核タンパク質および肝炎タンパク質が挙げられる(例えば、Stouteら、New Engl.J.Med.、336:86−91(1997)を参照のこと)。
【0522】
好ましい実施形態において、免疫学的融合パートナーは、グラム陰性の細菌Haemophilus influenza Bの表面タンパク質である、プロテインD(WO 91/18926)に由来する。好ましくは、プロテインD誘導体は、ほぼ3分の1の最初のタンパク質(例えば、最初のN末端100〜110アミノ酸)を含み、そしてプロテインD誘導体は、脂質化(lipidated)され得る。特定の好ましい実施形態において、リポタンパク質D融合パートナーの最初の109残基は、さらなる外因性T細胞エピトープを有するポリペプチドを提供するように、そしてE.coli中の発現レベルを増加する(従って、発現エンハンサーとして機能する)ように、N末端に含まれる。脂質テールは、抗原提示細胞への抗原の最適な提示を保証する。他の融合パートナーは、インフルエンザウイルス由来の非構造タンパク質、NS1(血球凝集素)を含む。代表的に、N末端の81アミノ酸が用いられるが、Tヘルパーエピトープを含む異なるフラグメントが用いられてもよい。
【0523】
別の実施形態において、免疫学的融合パートナーは、LYTAとして公知のタンパク質、またはその部分(好ましくはC末端部分)である。LYTAは、アミダーゼLYTA(LytA遺伝子によりコードされる;Gene 43:265〜292,1986)として公知のN−アセチル−L−アラニンアミダーゼを合成するStreptococcus pneumoniae由来である。LYTAは、ペプチドグリカン骨格中の特定の結合を特異的に分解する自己溶解素である。LYTAタンパク質のC末端ドメインは、コリンまたはいくつかのコリンアナログ(例えば、DEAE)への親和性についての原因である。この性質は、融合タンパク質の発現のために有用なE.coli C−LYTA発現プラスミドの開発のために開発された。アミノ酸末端でC−LYTAフラグメントを含むハイブリッドタンパク質の精製が、記載されている(Biotechnology
10:795〜798,1992)。好ましい実施形態において、LYTAの反復部分は、融合タンパク質に組み込まれ得る。反復部分は、残基178で開始するC末端領域中に見出される。特に好ましい反復部分は、残基188〜305を組み込む。
【0524】
一般に、本明細書に記載されるようなポリペプチド(融合タンパク質を含む)およびポリヌクレオチドが単離される。「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、その元来の環境から取り出されたものである。例えば、天然に存在するタンパク質は、それが天然の系中で共存する物質のいくつかまたは全てから分離されている場合、単離されている。好ましくは、このようなポリペプチドは、少なくとも約90%純粋、より好ましくは少なくとも約95%純粋、そして最も好ましくは少なくとも約99%純粋である。ポリヌクレオチドは、例えば、それが天然の環境の一部でないベクターにクローニングされる場合、単離されていると考えられる。
【0525】
(結合剤)
本発明は、さらに乳房腫瘍タンパク質に特異的に結合する因子(例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント)をさらに提供する。本明細書において用いる場合、抗体またはその抗原結合フラグメントは、乳房腫瘍タンパク質と検出可能レベルで反応し(例えば、ELISAにおいて)、そして類似の条件下で無関係のタンパク質とは検出可能に反応しない場合、乳房腫瘍タンパク質に「特異的に結合する」といわれる。本明細書において用いる場合、「結合(binding)」は、「複合体」が形成されるような2つの別々の分子間の非共有結合をいう。結合する能力は、例えば、複合体の形成についての結合定数を決定することにより評価され得る。結合定数は、複合体の濃度を成分濃度の積で割って得られる値である。一般に、2つの化合物は、複合体形成の結合定数が約103L/molを超える場合、本発明の文脈中で「結合している」といわれる。結合定数は、当該分野で周知の方法を用いて決定され得る。
【0526】
結合剤は、本明細書において提供される代表的アッセイを用いて、ガン(例えば、乳ガン)を有する患者と有さない患者の間でさらに区別され得る。言い換えれば、タンパク質に結合する抗体または他の結合剤は、疾患を有する少なくとも約20%の患者においてはガンの存在を示すシグナルを生成し、そしてガンを有さない少なくとも約90%の個体においては疾患の存在しないことを示すネガティブなシグナルを生成する。結合剤がこの要件を満たすか否かを決定するために、ガンを有する患者およびガンを有さない(標準的臨床試験を用いて決定した場合)患者由来の生物学的サンプル(例えば、血液、血清、尿、および/または腫瘍生検)は、この結合剤に結合するポリペプチドの存在について、本明細書に記載のようにアッセイされ得る。疾患を有するサンプルおよび疾患を有さない統計的に有意な数のサンプルをアッセイすべきであることが明白である。それぞれの結合剤は、上記の基準を満たすべきであるが;当業者は、結合剤が感受性を改善する組み合わせで用いられ得ることを認識する。
【0527】
上記の要件を満たす任意の薬剤が結合剤であり得る。例えば、結合剤はリボソーム(ペプチド成分を伴うかまたは伴わない)、RNA分子またはポリペプチドであり得る。好ましい実施形態において、結合剤は、抗体またはその抗原結合フラグメントである。抗体は、当業者に公知の任意の種々の技術により調製され得る。例えば、HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988を参照のこと。一般的に、細胞培養技術(本明細書中に記載のモノクローナル抗体の産生を含む)により、または適切な細菌細胞宿主または哺乳動物細胞宿主への抗体遺伝子のトランスフェクション(組換え抗体の産生を可能にするため)を介して、抗体は産生され得る。1つの技術では、ポリペプチドを含む免疫原は、任意の広範な種々の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、またはヤギ)にまず注射される。この工程で、本発明のポリペプチドは、改変なしの免疫原として働く。あるいは、特に、相対的に短いポリペプチドについて、このポリペプチドがキャリアタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシアニン)に連結される場合、優れた免疫応答が惹起され得る。この免疫原は、好ましくは所定のスケジュール(1回以上のブースター免疫を組み込む)に従って、動物宿主に注射され、そしてこの動物は、定期的に採血される。次いで、このポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体は、例えば、適切な固体支持体に結合しているポリペプチドを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより、このような抗血清から精製され得る。
【0528】
目的の抗原性ポリペプチドについて特異的なモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511−519、1976の技術、ならびにその改良型を使用して調製され得る。手短には、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、目的のポリペプチドとの反応性)を有する抗体を産生し得る不死化細胞株の調製を包含する。このような細胞株は、例えば、上記のように、免疫された動物から得られた脾臓細胞から産生され得る。次いで、脾臓細胞は、例えば、ミエローマ細胞融合パートナー(好ましくは、免疫された動物と同系のもの)との融合によって不死化される。種々の融合技術が使用され得る。例えば、脾臓細胞およびミエローマ細胞は、非イオン性界面活性剤と数分間組み合わせられ得、次いで、ハイブリッド細胞の増殖を支持するが、ミエローマ細胞の増殖を支持しない選択培地上で低密度でプレートされる。好ましい選択技術は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を使用する。十分な時間(通常約1〜2週間)後、ハイブリッドのコロニーが観察される。単一コロニーが選択され、そしてそれらの培養上清が、ポリペプチドに対する結合活性について試験される。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが好ましい。
【0529】
モノクローナル抗体を、増殖しているハイブリドーマコロニーの上清から単離し得る。さらに、種々の技術(例えば、適切な脊椎動物宿主(例えば、マウス)の腹膜腔へのハイブリドーマ細胞株の注入)が、収量を増大させるために利用され得る。次いで、モノクローナル抗体を、腹水または血液から収集し得る。夾雑物を、通常の技術(例えば、クロマトグラフィー、ゲルろ過、沈殿、および抽出)によって抗体から除去し得る。本発明のポリペプチドを、例えば、アフィニティークロマトグラフィー工程における精製プロセスにおいて使用し得る。
【0530】
特定の実施形態において、抗体の抗原結合フラグメントの使用が好ましい。このようなフラグメントは、標準的な技術を使用して調製され得るFabフラグメントを含む。手短には、免疫グロブリンを、プロテインAビーズカラム上のアフィニティークロマトグラフィー(HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1988)によってウサギ血清から精製し得、そしてパパインによって消化して、FabフラグメントおよびFcフラグメントを産生し得る。FabフラグメントおよびFcフラグメントは、プロテインAビーズカラム上のアフィニティークロマトグラフィーによって分離され得る。
【0531】
本発明のモノクローナル抗体は、1つ以上の治療薬剤に結合され得る。この点において適切な薬剤は、放射性核種、分化誘導剤、薬物、毒素、およびその誘導体を含む。好ましい放射性核種には、90Y、123I、125I、131I、186Re、188Re、211At、および212Biが含まれる。好ましい薬物には、メトトレキセート、ならびにピリミジンアナログおよびプリンアナログが含まれる。好ましい分化誘導剤には、ホルボールエステルおよび酪酸が含まれる。好ましい毒素には、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、コレラ毒素、ゲロニン(gelonin)、Pseudomonas体外毒素、Shigella毒素、およびアメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質が含まれる。
【0532】
治療剤は、直接的または間接的に(例えば、リンカー基を介して)適切なモノクローナル抗体と結合体化(例えば、共有結合によって)され得る。薬剤と抗体との間の直接的な反応は、各々が互いに反応し得る置換基を有する場合に可能である。例えば、一方の求核基(例えば、アミノ基またはスルフヒドリル基)は、もう一方の無水物もしくは酸ハロゲン化物のようなカルボニル含有基と、または良好な脱離基(例えば、ハロゲン化物)を含むアルキル基と反応し得る。
【0533】
あるいは、リンカー基を介して治療剤と抗体とを結合体化させることが所望され得る。リンカー基は、結合の可能性の妨害を回避するために抗体を薬剤から隔てるためのスペーサーとして機能し得る。リンカー基はまた、薬剤または抗体上の置換基の化学的反応性を増加させるために働き得、従って結合体化効率を増大させる。化学的な反応性の増大はまた、薬剤または薬剤上の官能基の使用を容易にし得る(さもなければ可能ではない)。
【0534】
種々の二官能性または多官能性試薬、ホモ官能性とヘテロ官能性との両方(例えば、Pierce Chemical Co.,Rockford,ILのカタログ中に記載されるもの)が、リンカー基として使用され得ることが当業者には明らかである。結合体化は、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、または酸化された炭水化物残基を通してもたらされ得た。このような方法論を記載する多数の参考文献(例えば、Rodwellらに対する米国特許第4,671,958号)が存在する。
【0535】
本発明の免疫結合体の抗体部分がないときに治療剤がより強力である場合、細胞中への内部移行の間に、またはその際に切断可能なリンカー基を使用することが所望であり得る。多数の異なる切断可能なリンカー基が記載されてきた。これらのリンカー基からの薬剤の細胞内放出についての機構は、ジスルフィド結合の還元(例えば、Spitlerらへの米国特許第4,489,710号)、感光性結合の照射(例えば、Senterらへの米国特許第4,625,014号)、誘導体化されたアミノ酸側鎖の加水分解(例えば、Kohnらへの米国特許第4,638,045号)、血清補体媒介性加水分解(例えば、Rodwellらへの米国特許第4,671,958号)、および酸触媒加水分解(例えば、Blattlerらへの米国特許第4,569,789号)による切断を含む。
【0536】
1つより多い薬剤を抗体に結合体化させることが所望され得る。1つの実施形態において、複数の薬剤の分子が1つの抗体分子に結合体化される。別の実施形態において、1つより型の多い薬剤が1つの抗体に結合体化され得る。特定の実施形態に関わらず、1つより多い薬剤を有する免疫結合体は、種々の方法で調製され得る。例えば、1つより多い薬剤が、抗体分子に直接的に結合体抗体分子に直接的に結合体化され得るか、または付着のための複数の部位を提供するリンカーが使用され得る。あるいは、キャリアが使用され得る。
【0537】
キャリアは、種々の方法(直接的にまたはリンカー基を介するかのいずれかの共有結合を含む)で薬剤を保有し得る。適切なキャリアには、アルブミンのようなタンパク質(例えば、Katoらへの米国特許第4,507,234号)、ペプチド、およびアミノデキストランのようなポリサッカリド(例えば、Shihらへの米国特許第4,699,784号)を含み得る。キャリアはまた、例えばリポソームベシクル内に、非共有結合によって、またはカプセル化によって、薬剤を保有し得る(例えば、米国特許第4,429,008号および同第4,873、088号)。放射性核種薬剤に特異的なキャリアは、放射性ハロゲン化された低分子およびキレート化合物を含み得る。例えば、米国特許第4,735,792号は、代表的な放射性ハロゲン化低分子およびそれらの合成を開示する。放射性核種キレートは、金属、または金属酸化物、放射性核種の結合のためのドナー原子として窒素原子および硫黄原子を含むキレート化合物から形成され得る。例えば、Davisonらへの米国特許第4,673,562号は、代表的なキレート化合物およびそれらの合成を開示する。
【0538】
抗体および免疫結合体についての投与の種々の経路が使用され得る。代表的には、投与は、静脈内、筋肉内、皮下、または切除した腫瘍の基底においてである。抗体/免疫結合体の正確な用量は、使用される抗体、腫瘍上の抗原密度、および抗体のクリアランスの速度に依存して変化することは明白である。
【0539】
(T細胞)
免疫治療組成物はまた、あるいは、乳房腫瘍タンパク質に特異的なT細胞を含み得る。このような細胞は、一般的に標準的手順を使用して、インビトロまたはエキソビボで調製され得る。例えば、T細胞は、市販の細胞分離システム(例えば、ISOLEXTMシステム(Nexell Therapeutics Inc.,Irvine,CAから入手可能、米国特許第5,240,856号;米国特許第5,215,926号;WO89/06280;WO91/16116およびWO92/07243もまた参照のこと))を使用して、哺乳動物(例えば、患者)の骨髄、末梢血あるいは骨髄または末梢血の画分中から単離され得る。あるいは、T細胞は、関連または無関連のヒト、非ヒト哺乳動物、細胞株または培養物から誘導され得る。
【0540】
T細胞は、乳房腫瘍ポリペプチド、乳房腫瘍ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび/またはそのようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞(APC)を用いて刺激され得る。このような刺激は、このポリペプチドに特異的であるT細胞の生成を可能にする条件下および十分な時間で行われる。好ましくは、乳房腫瘍ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、送達ビヒクル(例えば、ミクロスフェア)中に存在して、特異的T細胞の生成を容易にする。
【0541】
T細胞は、このT細胞がポリペプチドで被覆された標的細胞またはこのようなポリペプチドをコードする遺伝子を発現する標的細胞を殺傷する場合に、乳房腫瘍ポリペプチドに特異的であるとみなされる。T細胞特異性は、任意の種々の標準的技術を使用して評価され得る。例えば、クロム放出アッセイまたは増殖アッセイにおいて、ネガティブコントロールと比較して、溶解および/または増殖において2倍を超える増加の刺激指数は、T細胞特異性を示す。このようなアッセイは、例えば、Chenら、Cancer Res.54:1065−1070,1994に記載されるように、実行され得る。あるいは、T細胞の増殖の検出は、種々の公知の技術によって達成され得る。例えば、T細胞増殖は、DNA合成の速度の増加を測定することによって検出され得る(例えば、トリチウム化チミジンでT細胞の培養物をパルス標識し、DNAに取り込まれたトリチウム化チミジンの量を測定することによって)。3〜7日間の乳房腫瘍ポリペプチド(100ng/ml〜100μg/ml、好ましくは、200ng/ml〜25μg/ml)との接触は、T細胞の増殖において少なくとも2倍の増加をる。2〜3時間の上記のような接触は、標準的なサイトカインアッセイを使用して測定されるように、T細胞の活性化を生じ、ここで、サイトカイン(例えば、TNFまたはIFN−γ)放出のレベルの2倍の増加が、T細胞の活性化を示す(Coliganら、Current Protocols in Immunology,第1巻、Wiley Interscience(Greene 1998)を参照のこと)。乳房腫瘍ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは乳房腫瘍ポリペプチド発現APCに対して応答して活性化されたT細胞は、CD4+および/またはCD8+であり得る。乳房腫瘍特異的T細胞は、標準的な技術を使用して拡大され得る。好ましい実施形態において、T細胞は、患者または関連するドナーもしくは無関連のドナーから誘導され、そして刺激および拡大後にその患者に投与される。
【0542】
治療目的で、乳房腫瘍ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはAPCに応答して増殖するCD4+T細胞またはCD8+T細胞は、インビトロまたはインビボのいずれかで大量に拡大され得る。このようなT細胞のインビトロでの増殖は、種々の方法において達成され得る。例えば、T細胞は、T細胞増殖因子(例えば、インターロイキン−2)の添加を伴うか、または伴わずに、乳房腫瘍ポリペプチド、またはこのようなポリぺプチドの免疫原正部分に対応する短いペプチド、および/あるいは乳房腫瘍ポリペプチドを合成する刺激細胞に対して再曝露され得る。あるいは、乳房腫瘍ポリペプチドの存在下で増殖する1つ以上のT細胞は、クローニングによって数が増加され得る。細胞をクローニングするための方法は、当該分野で周知であり、そしてこれらとしては、限界希釈が挙げられる。
【0543】
(薬学的組成物およびワクチン)
特定の局面では、本明細書中で開示されるポリペプチド、ポリヌクレオチド、T細胞および/または結合剤は、薬学的組成物または免疫原性組成物(すなわち、ワクチン)に取り込まれ得る。薬学的組成物は、1以上のこのような化合物および生理学的に受容可能なキャリアを含む。ワクチンは、1以上のこのような化合物および免疫賦活薬を含み得る。免疫賦活薬は、外因性抗原に対する免疫応答を増強する任意の物質であり得る。免疫賦活薬の例としては、アジュバント、生分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ガラクチド(polylactic
galactide))およびリポソーム(この中に化合物が取り込まれる;Fullerton、米国特許第4,235,877号を参照のこと)が挙げられる。ワクチンの調製は、一般に、例えば、M.F.PowellおよびM.J.Newman 編、「Vaccine Design(the subunit and adjuvant approach)」,Plenum Press(NY,1995)に記載される。本発明の範囲内の薬学的組成物およびワクチンはまた、生物学的に活性であっても不活性であってもよい、他の化合物を含み得る。例えば、他の腫瘍抗原の1以上の免疫原性部分は、融合ポリペプチドに取り込まれてか、または別個の化合物としてのいずれかで、組成物またはワクチン内に存在し得る。
【0544】
薬学的組成物またはワクチンは、上記のように、1つ以上のポリペプチドをコードするDNAを含み得、その結果このポリペプチドは、インサイチュで生成される。上記のようにDNAは、当業者に公知の任意の種々の送達系内に存在し得る。この送達系としては、核酸発現系、細菌およびウイルスの発現系が挙げられる。多くの遺伝子送達技術、例えば、Rolland,Crit.Rev.Therap.Drug Carrier Systems 15:143〜198,1998、およびそこに引用される参考文献により記載される技術が当該分野で周知である。適切な核酸発現系は、患者における発現のために必要なDNA配列(例えば、適切なプロモーターおよび停止シグナル)を含む。細菌の送達系は、細胞表面上でポリペプチドの免疫原性部分を発現するかまたはこのようなエピトープを分泌する細菌(例えば、Bacillus−Calmette−Guerrin)の投与を包含する。好ましい実施形態において、DNAは、ウイルス発現系(例えば、ワクシニアもしくは他のポックスウイルス、レトロウイルス、またはアデノウイルス)を用いて誘導され得る。これは、非病原性(欠損)、複製能力のあるウイルスの使用を含み得る。適切な系が、例えば、以下に開示されている:Fisher−Hochら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:317〜321、1989;Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86〜103,1989;Flexnerら、Vaccine 8:17〜21,1990;米国特許第4,603,112号、同第4,769,330号および同第5,017,487号;WO 89/01973;米国特許第4,777,127号;GB 2,200,651;EP 0,345,242号;WO 91/02805;Berkner、Biotechniques 6:616〜627,1988;Rosenfeldら、Science 252:431〜434,1991;Kollsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215〜219,1994;Kass−Eislerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11498〜11502,1993;Guzmanら、Circulation 88:2838〜2848,1993;ならびにGuzmanら、Cir.Res.73:1202〜1207,1993。このような発現系にDNAを組み込むための技術は、当業者に周知である。DNAはまた、例えば、Ulmerら、Science 259:1745〜1749,1993に記載され、そしてCohen,Science 259:1691〜1692,1993によって総説されるように「裸(naked)」であってもよい。裸のDNAの取りこみは、細胞中に効率的に移動される生分解性ビーズ上にDNAをコーティングすることにより増大され得る。
【0545】
当業者に公知の任意の適切なキャリアが本発明の薬学的組成物において使用され得るが、キャリアの型は、投与の様態に依存して変化する。本発明の組成物は、例えば、局所投与、経口投与、経鼻投与、静脈投与、頭蓋内投与、腹腔内投与、皮下投与、または筋肉内投与を含む、投与の任意の適切な様式のために処方され得る。非経口投与(例えば、皮下注射)のためにキャリアは、好ましくは、水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ワックスまたは緩衝液を含む。経口投与のためには、任意の上記のキャリアまたは固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム(滑石粉)、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウム)が用いられ得る。生分解性ミクロスフェア(微粒子)(例えば、ポリラクテートポリグリコレート)がまた、本発明の薬学的組成物のためのキャリアとして使用され得る。適切な生分解性ミクロスフェアは、例えば、米国特許第4,897,268号および同第5,075,109号に開示されている。
【0546】
このような組成物はまた、緩衝液(例えば、中性の緩衝化生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸(例えば、グリシン)、抗酸化剤、キレート剤(例えば、EDTAまたはグルタチオン)、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)および/または保存剤(防腐剤)を含み得る。あるいは、本発明の組成物は、凍結乾燥剤として処方され得る。化合物はまた、周知の技術を用いてリポソーム内にカプセル化され得る。
【0547】
任意の種々の免疫賦活薬が、本発明のワクチンに使用され得る。例えば、アジュバントが含まれ得る。ほとんどのアジュバントは、抗原を迅速な異化から防御するように設計された物質(例えば、水酸化アルミニウムまたは鉱油)および免疫応答の刺激因子(例えば、リピドA(脂質A)、Bortedella pertussisまたはMycobacterium tuberculosis由来のタンパク質)を含む。適切なアジュバントは、例えば、フロイント不完全アジュバント(Freund’s Incomplete Adjuvant)およびフロイント完全アジュバント(Freund’s Complete Adjuvant)(Difco Laboratories,Detroit,MI);Merck Adjuvant 65(Merck and Company,Inc.,Rahway,NJ);アルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)またはリン酸アルミニウム);カルシウム、鉄、または亜鉛の塩;アシル化したチロシンの不溶性懸濁液;アシル化した糖;カチオンとして(cationically)かまたはアニオンとして(anionically)誘導される多糖類;ポリフォスファーゼン;生分解性ミクロスフェア、モノホスホリルリピドAおよびquil Aとして市販されている。サイトカイン(例えば、GM−CSFまたはインターロイキン−2、インターロイキン−7もしくはインターロイキン−12)もまた、アジュバントとして使用され得る。
【0548】
本明細書中で提供されるワクチンにおいて、アジュバンド組成物は、好ましくは、優勢にTh1型の免疫応答を誘導するように設計される。高レベルのTh1型サイトカイン(例えば、IFN−γ、TNF−α、IL−2およびIL−12)は、投与された抗原に対する細胞媒介性免疫応答の誘導を好む傾向にある。対照的に、高レベルのTh2型サイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6およびIL−10)は、体液性免疫応答の誘導を好む傾向にある。本明細書中に提供されるワクチンの適用に従って、患者は、Th1型応答およびTh2型応答を誘導する免疫応答を支持する。応答が優勢にTh1型である好ましい実施形態において、Th1型サイトカインのレベルは、Th2型サイトカインのレベルよりもはるかに高い程度まで増加する。これらのサイトカインのレベルは、標準的アッセイを使用して容易に評価され得る。サイトカインのファミリーの総説については、MosmannおよびCoffman、Ann.Rev.Immunol.7:145−173、1989を参照のこと。
【0549】
Th1型優勢の応答を誘発する使用のための好ましいアジュバンドは、例えば、モノホスホリルリピドA、好ましくは3−de−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)とアルミニウム塩との組み合わせを含む。MPLアジュバンドは、Ribi ImmunoChem Research Inc.(Hamilton,MT)から入手可能である(米国特許第4,436,727号;同第4,877,611号;同第4,866,034号および同第4,912,094号を参照のこと)。CpG含有オリゴヌクレオチド(ここで、CpGジヌクレオチドはメチル化されていない)はまた、Th1優勢の応答を誘導する。このようなオリゴヌクレオチドは周知であり、そして例えばWO96/02555に記載される。別の好ましいアジュバンドは、サポニン、好ましくはQS21であり、これは単独でか、または他のアジュバンドと組み合わせて使用され得る。例えば、増強された系は、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体との組み合わせ(例えば、WO94/00153に記載されるような、QS21と3D−MPLとの組み合わせ、またはWO96/33739に記載されるような、Q21がコレステロールで抑制(quench)される、あまり反応発生的(reactogenic)でない組成物)を含む。他の好ましい処方物は、水の油乳濁液およびトコフェロールを含む。水の油乳濁液中にQS21、3D−MPLおよびトコフェロールを含む特に強力なアジュバンド組成物は、WO95/17210に記載されている。本明細書中に提供される任意のワクチンは、抗原、免疫応答エンハンサーおよび適切なキャリアまたは賦形剤の組み合わせを生じる周知の方法を使用して調製され得る。
【0550】
本明細書において記載される組成物は、徐放性処方物(すなわち、投与後、化合物の緩徐な放出をもたらすカプセル、スポンジ、またはゲル(例えば、多糖類からなる)のような処方物)の一部として投与され得る。このような処方物は一般に、周知の技術を用いて調製され得、そして例えば、経口、直腸または皮下移植によってか、あるいは所望の標的部位への移植によって投与され得る。徐放性処方物は、キャリアマトリックスに分散され、そして/または速度制御膜に囲まれる貯蔵所内に含まれる、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体を含み得る。このような処方物内での使用のためのキャリアは、生体適合性であり、そしてまた生分解性であり得る;好ましくは、この処方物は比較的一定レベルの活性成分の放出を提供する。徐放性処方物内に含まれる活性な化合物の量は、移植の部位、放出の速度および予期される期間、ならびに処置または予防されるべき状態の性質に依存する。
【0551】
任意の種々の送達ビヒクルは、薬学的組成物およびワクチン内で使用され、腫瘍細胞を標的とする抗原特異性免疫応答の生成を容易にし得る。送達ビヒクルは、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞、マクロファージ、B細胞、単球、および有効なAPCであるように操作され得る他の細胞)を含む。このような細胞は、抗原を提示する能力を増大するように、T細胞応答の活性化および/または維持を改良するように、それ自体で抗腫瘍効果を有するように、そして/あるいは受け手(すなわち、一致するHLAハプロタイプ)と免疫学的に適合性であるように遺伝学的に改変され得るが、改変される必要はない。APCは、一般に、種々の生物学的な流体および器官(腫瘍および腫瘍周辺組織を含む)のいずれかから単離され得、そして自己細胞、同種異系細胞、同系細胞、または異種細胞であり得る。
【0552】
本発明の特定の好ましい実施形態は、抗原提示細胞として、樹状細胞またはその前駆細胞を使用する。樹状細胞は、高度に強力なAPCであり(BanchereauおよびSteinman、Nature 392:245−251、1998)、そして予防的または治療的な抗腫瘍免疫性を誘発するための生理学的アジュバンドとして有効であることが示されてきた(TimmermanおよびLevy、Ann.Rev.Med.50:507−529、1999を参照のこと)。一般に、樹状細胞は、それらの代表的な形状(インサイチュでは星状、インビトロでは目に見える顕著な細胞質プロセス(樹枝状結晶)を有する)、高い効率で抗原を取り込み、処理し、そして提示するそれらの能力、および未処置の(naive)T細胞応答を活性化するそれらの能力に基づいて同定され得る。もちろん樹状細胞は、インビボまたはエキソビボで樹状細胞上に通常見出されない特定の細胞表面レセプターまたはリガンドを発現するように操作され得、このような改変樹状細胞は本発明によって意図される。樹状細胞の代替として、分泌小胞抗原装荷樹状細胞(secreted vesicles antigen−loaded dendritic cells)(エキソソーム(exosome)と呼ばれる)がワクチン内で使用され得る(Zitvogelら、Nature Med.4:594−600,1998を参照のこと)。
【0553】
樹状細胞および前駆細胞は、末梢血、骨髄、腫瘍浸潤細胞、腫瘍周辺組織浸潤細胞、リンパ節、脾臓、皮膚、臍帯血、または他の適切な組織もしくは流体から得られ得る。例えば、樹状細胞は、末梢血から収集された単球の培養物に、GM−CSF、IL−4、IL−13および/またはTNFαのようなサイトカインの組み合わせを添加することによってエキソビボで分化され得る。あるいは、末梢血、臍帯血または骨髄から収集されたCD34陽性細胞は、培養培地にGM−CSF、IL−3、TNFα、CD40リガンド、LPS、flt3リガンドおよび/または樹状細胞の分化、成熟、および増殖を誘導する他の成分を添加することによって、樹状細胞に分化され得る。
【0554】
樹状細胞は、「未熟」細胞および「成熟」細胞として都合良く分類され、このことは、2つの充分に特徴付けられた表現型の間を区別する単純な方法を与える。しかしこの学名は、あらゆる可能な分化の中間段階を排除するように解釈されるべきではない。未熟な樹状細胞は、抗原の取り込みおよび処理の高い能力を有するAPCとして特徴付けられ、この能力は、Fcγレセプターおよびマンノースレセプターの高度な発現と相関する。成熟表現型は、代表的に、クラスIおよびクラスII MHC、接着分子(例えば、CD54およびCD11)ならびに同時刺激性分子(例えば、CD40、CD80、CD86および4−1BB)のようなT細胞活性化の原因である細胞表面分子の高度な発現ではなく、これらのマーカーのより低い発現によって特徴付けられる。
【0555】
APCは、一般に、乳房腫瘍タンパク質(またはその部分もしくは他の改変体)をコードするポリヌクレオチドを用いてトランスフェクトされ得、その結果、乳房腫瘍ポリペプチドまたはその免疫原性部分が細胞表面上に発現される。このようなトランスフェクションはエキソビボで生じ得、次いでこのようなトランスフェクトされた細胞を含む組成物またはワクチンは、本明細書中に記載されるように、治療目的のために使用され得る。あるいは、細胞を提示する樹状または他の抗原を標的とする遺伝子送達ビヒクルが、患者に投与され得、インビボで起こるトランスフェクションを生じる。樹状細胞のインビボおよびエキソビボでのトランスフェクションは、例えば、WO97/274447に記載される方法、またはMahviら、Immunology and cell Biology
75:456−460、1997によって記載される遺伝子銃アプローチのような当該分野で公知の任意の方法を使用して一般に実施され得る。樹状細胞の抗原装荷は、樹状細胞または前駆細胞を、乳房腫瘍ポリペプチド、DNA(裸のもしくはプラスミドベクター中の)またはRNA;あるいは抗原発現性組換え細菌またはウイルス(例えば、牛痘、鶏痘、アデノウイルスまたはレンチウイルスのベクター)とインキュベートすることによって達成され得る。装荷の前に、ポリペプチドは、T細胞補助(例えば、キャリア分子)を提供する免疫学的パートナーに共有結合され得る。あるいは、樹状細胞は、単独でかまたはポリペプチドの存在下で、結合していない免疫学的パートナーと同調(pulse)され得る。
【0556】
(癌の治療)
本発明のさらなる局面において、本明細書において記載される組成物は、癌(例えば、乳癌)の免疫治療に用いられ得る。このような方法において、薬学的組成物およびワクチンが、代表的に患者に投与される。本明細書において用いられる場合、「患者」とは、任意の温血動物、好ましくはヒトをいう。患者は、癌に感染していてもいなくてもよい。従って、上記の薬学的組成物およびワクチンは、癌の発生を予防するために、または癌に罹患した患者を処置するために用いられ得る。癌は、当該分野で一般に受け入れられている基準(悪性腫瘍の存在を含む)を用いて診断される。薬学的組成物およびワクチンは、初期腫瘍の外科的除去のおよび/または放射線治療剤もしくは従来の化学療法剤の投与の前にか、またはその後に投与され得る。
【0557】
特定の実施形態において、免疫療法は、能動的免疫療法であり得、この療法において処置は、免疫応答改変剤(例えば、本明細書中で開示されたポリペプチドおよびポリヌクレオチド)の投与で腫瘍に対して反応する内因性宿主免疫系のインビボ刺激に依存する。
【0558】
他の実施形態において、免疫療法は、受動的免疫療法であり得、この療法において処置は、確立された腫瘍免疫反応性を有する因子(例えば、エフェクター細胞または抗体)の送達(抗腫瘍効果を直接的または間接的に媒介し得、そしてインタクトな宿主免疫系に依存する必要はない)を含む。エフェクター細胞の例としては、上記のようなT細胞、本明細書中に提供されるポリペプチドを発現するTリンパ球(例えば、CD8+細胞傷害性Tリンパ球およびCD4+Tヘルパー腫瘍浸潤性リンパ球)、キラー細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞およびリンホカイン活性化キラー細胞)、B細胞および抗原提示細胞(例えば、樹状細胞およびマクロファージ)が挙げられる。本明細書中に列挙されるポリペプチドに特異的なT細胞レセプターおよび抗体レセプターは、養子免疫療法のために他のベクターまたはエフェクター細胞中にクローニングされ、発現され、そして移入され得る。本明細書に提供されるポリペプチドはまた、受動免疫療法のための抗体または抗イディオタイプ抗体(上記および米国特許第4,918,164号に記載される)を生成するために用いられ得る。
【0559】
エフェクター細胞は、通常、本明細書中に記載されるように、インビトロでの増殖により養子免疫治療のために十分な量で得られ得る。単一の抗原特異的エフェクター細胞を、インビボでの抗原認識の保持しながら数十億まで増殖させるための培養条件は当該分野で周知である。このようなインビトロの培養条件は代表的に、しばしばサイトカイン(例えば、IL−2)および分裂しない支持細胞の存在下で、抗原での間欠刺激を用いる。上で述べたように、本明細書中で提供される免疫反応性ポリペプチドは、抗原特異的T細胞培養を急速に増殖するために用いられ、免疫治療に十分な数の細胞を生成し得る。詳細には、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージ、単球、繊維芽細胞、またはB細胞)は、当該分野で周知の標準的技術を用いて、免疫反応性ポリペプチドでパルスされ得るか、または1つ以上のポリヌクレオチドでトランスフェクトされ得る。例えば、抗原提示細胞は、組換えウイルスまたは他の発現系における発現を増大するのに適切なプロモーターを有するポリヌクレオチドでトランスフェクトされ得る。治療において使用するための培養されたエフェクター細胞は、増殖されかつ広範に流通され得、そしてインビボで長期間生存され得なければならない。培養されたエフェクター細胞が、インビボで増殖し、そしてIL−2を補充された抗原での反復刺激によって、長期間、多数生存しするように誘導され得ることが研究で示されている(例えば、Cheeverら、Immunological Reviews 157:177、1997を参照のこと)。
【0560】
あるいは、本明細書において列挙されるポリペプチドを発現するベクターは、患者から得られた抗原提示細胞に導入され得、そして同じ患者に戻す移植のためにエキソビボでクローン的に増殖され得る。トランスフェクトされた細胞は、当該分野で公知の任意の手段(好ましくは、静脈投与、腔内投与、腹腔内投与、または腫瘍内投与による滅菌形態)を用いて患者に再導入され得る。
【0561】
本明細書中に開示される治療的組成物の投与の経路および頻度、ならびに投薬量は、個々人で異なり、そして標準的技術を用いて容易に確立され得る。概して、薬学的組成物およびワクチンは、注射(例えば、皮内、筋肉内、静脈内、または皮下)により、経鼻的に(例えば、吸引により)または経口的に、投与され得る。好ましくは、52週間にわたって1〜10用量の間が投与され得る。好ましくは、1ヶ月の間隔で6用量が投与され、そしてブースター(追加)ワクチン接種がその後定期的に与えられ得る。交互のプロトコールが個々の患者に適切であり得る。適切な用量は、上記のように投与された場合、抗腫瘍免疫応答を促進し得、そして基底(すなわち、未処置)レベルより少なくとも10〜50%上である、化合物の量である。このような応答は、患者内の抗腫瘍抗体を測定することによってか、または患者の腫瘍細胞を殺傷し得る細胞溶解性エフェクター細胞のワクチン依存性のインビトロでの生成によってモニターされ得る。このようなワクチンはまた、ワクチン接種されていない患者と比較すると、ワクチン接種された患者において、改善された臨床的結果(例えば、より頻繁な症状の軽減、完全もしくは部分的に疾患を有さないか、またはより長く疾患を有さない生存)を導く免疫応答を生じ得るはずである。一般に、1つ以上のポリペプチドを含む薬学的組成物およびワクチンについて、用量中に存在する各ポリペプチドの量は、宿主の体重(kg)あたり、約100μg〜5mgにわたる。適切な用量サイズは、患者の大きさで変化するが、代表的には約0.1mL〜約5mLの範囲である。
【0562】
一般に、適切な投薬量および処置レジメンは、治療的および/または予防的利点を提供するのに十分な量の活性薬剤を提供する。このような応答は、処置されていない患者に比較して、処置された患者において、改善された臨床的結果(例えば、より頻繁な寛解、完全なまたは部分的な、あるいはより長い疾患なしでの生存)を確立することによってモニターされ得る。乳房腫瘍タンパク質に対する既存の免疫応答における増加は、一般的に、改善された臨床的結果と関連する。このような免疫応答は、一般的に、標準的な増殖アッセイ、細胞障害性アッセイまたはサイトカインアッセイを使用して評価され得、これは、処置の前または後に患者から得られるサンプルを使用して行われ得る。
【0563】
(癌を検出するための方法)
一般的に、癌は、患者から得られた生物学的サンプル(例えば、血液、血清、尿、および/または腫瘍生検)における1つ以上の乳房腫瘍タンパク質および/またはこのようなタンパク質をコードするポリヌクレオチドの存在に基づいて患者において検出され得る。言い換えると、このようなタンパク質は、乳癌のような癌の存在または非存在を示すためのマーカーとして使用され得る。さらに、このようなタンパク質は、他の癌の検出に有用であり得る。本明細書に提供される結合剤が、一般的に、生物学的サンプル中の薬剤に結合する抗原のレベルの検出を可能にする。ポリヌクレオチドプライマーおよびプローブは、腫瘍タンパク質をコードするmRNAのレベルを検出するために使用され得、これもまた、癌の存在または非存在を示す。一般に、乳房腫瘍の配列は、正常な組織におけるよりも、腫瘍組織において少なくとも3倍高いレベルで存在する。
【0564】
サンプル中のポリペプチドマーカーを検出するために結合剤を使用するための、当業者に公知の種々のアッセイ型式が存在する。例えば、HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Marual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988を参照のこと。一般的に、患者における癌の存在または非存在は、(a)患者から得られた生物学的サンプルを結合剤と接触させる工程;(b)結合剤に結合するポリペプチドのレベルをサンプルにおいて検出する工程;および(c)ポリペプチドのレベルと所定のカットオフ値とを比較する工程によって決定され得る。
【0565】
好ましい実施形態において、このアッセイは、結合するためおよびサンプルの残りからポリペプチドを除くために固体支持体上に固定化された結合剤の使用を含む。次いで、結合されたポリペプチドは、レポーター基を含み、結合剤/ポリペプチド複合体に特異的に結合する検出試薬を使用して検出され得る。このような検出試薬は、例えば、ポリペプチドまたは抗体に特異的に結合する結合剤あるいは結合剤に特異的に結合する他の薬剤(例えば、抗免疫グロブリン、タンパク質G、タンパク質Aまたはレクチン)を含み得る。あるいは、競合アッセイが、使用され得、ここで、ポリペプチドは、レポーター基で標識され、そしてサンプルと結合剤のインキュベーション後にその固定化結合剤に結合し得る。サンプルの成分が、標識ポリペプチドの結合剤への結合を阻害する程度は、サンプルの固定化結合剤との反応性を示す。このようなアッセイにおける使用に適切なポリペプチドは、上記のような、全長乳房腫瘍タンパク質および結合剤が結合するその部分を含む。
【0566】
固体支持体は、腫瘍タンパク質が付着され得る当業者に公知の任意の物質であり得る。例えば、固体支持体は、マイクロタイタープレートにおける試験ウェルあるいはニトロセルロースまたは他の適切な膜であり得る。あるいは、その支持体は、ビーズまたはディスク(例えば、ガラス)、ファイバーグラス、ラテックス、またはプラスチック物質(例えば、ポリスチレン、またはポリ塩化ビニル)であり得る。その支持体はまた、磁気粒子または光ファイバーセンサー(例えば、米国特許第5,359,681号に記載のような)であり得る。結合剤は、当業者に公知の種々の技術を使用して固体支持体上に固定化され得、これは特許および科学文献に十分に記載されている。本発明の状況において、用語「固定化」とは、非共有結合的な会合(例えば、吸着)および共有結合的な付着(これは、薬剤と支持体上の官能基との間で直接結合され得るかまたは架橋剤を用いる結合であり得る)の両方をいう。マイクロタイタープレートのウェル、または膜への吸着による固定化は好ましい。このような場合、吸着は、適切な時間、適切な緩衝液中で固体支持体と結合剤とを接触させることによって達成され得る。接触時間は、温度によって変化するが、代表的には、約1時間から約1日の間である。一般的には、約10ng〜約10μg、そして好ましくは約100ng〜約1μgの範囲の量の結合剤とプラスチックマイクロタイタープレート(例えば、ポリスチレンまたはポリ塩化ビニル)のウェルを接触させることは、適切な量の結合剤を固定化するのに十分である。
【0567】
固体支持体への結合剤の共有結合的付着は、一般に、支持体および結合剤上の官能基(例えば、水酸基またはアミノ基)の両方と反応する二官能性試薬と支持体を最初に反応させることによって達成され得る。例えば、この結合剤は、ベンゾキノンを用いるかまたは結合パートナー上のアミンおよび活性水素を用いる支持体上のアルデヒド基の縮合によってコートする適切なポリマーを有する支持体に、共有結合的に付着され得る(例えば、Pierce Immunotechnology Catalog and Handbook、1991、A12−A13を参照のこと)。
【0568】
特定の実施形態において、このアッセイは、2抗体サンドイッチアッセイである。本アッセイは、最初に、固体支持体(通常、マイクロタイタープレートのウェル)上で固定化されている抗体をサンプルと接触させて、サンプル内のポリペプチドを固定化抗体に結合させることによって実施され得る。次いで、非結合サンプルは固定化ポリペプチド−抗体複合体から除去され、そして検出試薬(好ましくは、そのポリペプチド上の異なる部位に結合し得る第2の抗体(レポーター基を含む))が添加される。次いで、固体支持体に結合したままである検出試薬の量が、特定のレポーター基に関して適切な方法を用いて決定される。
【0569】
より詳細には、一旦抗体が上記のように支持体上に固定化されると、支持体上の残りのタンパク質結合部位は、典型的にはブロックされる。任意の適切なブロック剤(例えば、ウシ血清アルブミンまたはTween20TM(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO))は、当業者に公知である。固定化抗体は次いで、サンプルとインキュベートされ、そしてポリペプチドをこの抗体に結合させる。インキュベーションの前に、このサンプルは適切な希釈液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS))で希釈され得る。概して、適切な接触時間(すなわち、インキュベーション時間)は、乳癌を有する個体から得られたサンプル内のポリペプチドの存在を検出するのに十分な時間である。好ましくは、この接触時間は、結合ポリペプチドと非結合ポリペプチドとの間の平衡が少なくとも約95%で達成される結合レベルを達成するのに十分な時間である。当業者は、ある時間にわたって起こる結合レベルをアッセイすることによって、平衡に達するまでに必要な時間が容易に決定され得ることを認識する。室温では、一般に、約30分間のインキュベーション時間で十分である。
【0570】
次いで、非結合サンプルが、適切な緩衝液(例えば、0.1%Tween20TMを含むPBS)を用いて固体支持体を洗浄することによって除去される。レポーター基を含む第2の抗体が次いで、固体支持体に添加され得る。好ましいレポーター基は、上記の基を含む。
【0571】
次いで、検出試薬が、結合されたポリペプチドを検出するのに十分な量の時間、固定化抗体−ポリペプチド複合体とインキュベートされる。適切な量の時間は、一般に、ある時間にわたって起こる結合のレベルをアッセイすることによって決定され得る。次いで、非結合の検出試薬は除去され、そして結合した検出試薬は、レポーター基を用いて検出される。レポーター基を検出するために使用される方法は、レポーター基の性質に依存する。放射性基について、一般的には、シンチレーション計数法またはオートラジオグラフィー法が適切である。分光法は、色素、発光基および蛍光基を検出するために使用され得る。ビチオンは、異なるレポーター基(一般に、放射性もしくは蛍光基または酵素)に結合されたアビジンを使用して検出され得る。酵素レポーター基は、一般に、基質の添加(一般には、特定の時間の間)、続いて反応産物の分光分析または他の分析により検出され得る。
【0572】
癌(例えば、乳癌)の存在または非存在を決定するために、固体支持体に結合したままのレポーター基から検出されるシグナルが、一般に、所定のカットオフ値と対応するシグナルと比較される。1つの好ましい実施形態において、癌の検出のためのカットオフ値は、固定化抗体を、癌を有さない患者由来のサンプルとインキュベートした際に得られた平均シグナル値である。概して、所定のカットオフ値を3標準偏差上回るシグナルを生じるサンプルが、癌に対して陽性とみなされる。代わりの好ましい実施形態において、このカットオフ値は、Sackettら、Clinical Epidemiology:A Basic Science for Clinical Medicine,Little Brown and Co.,1985,106〜7頁の方法に従って、レシーバーオペレーターカーブ(Receiver Operator Carve)を使用して決定される。簡単に言うと、本実施形態において、このカットオフ値は、診断試験結果について各可能なカットオフ値に対応する真の陽性割合(すなわち、感度)および偽陽性割合(100%−特異性)の対のプロットから決定され得る。プロット上の上方左手角に最も近いカットオフ値(すなわち、最大領域を囲む値)が、最も正確なカットオフ値であり、そして本方法によって決定されたカットオフ値より高いシグナルを生ずるサンプルが陽性と見なされ得る。あるいは、カットオフ値は、偽陽性割合を最小にするためにプロットに沿って左へシフトされ得るか、または偽陰性割合を最小にするために右へシフトされ得る。概して、本方法によって決定されたカットオフ値より高いシグナルを生ずるサンプルが、癌に対して陽性と見なされる。
【0573】
関連の実施形態において、このアッセイは、フロースルー試験形式またはストリップ試験形式で実行される(ここで、結合剤は、ニトロセルロースのような膜上で固定化される)。フロースルー試験では、サンプル内のポリペプチドは、サンプルが膜を通過するにつれて固定化抗体に結合する。次いで、第2の標識化された結合剤が、この第2の結合剤を含む溶液がその膜を介して流れるにつれて、結合剤−ポリペプチド複合体と結合する。次いで、結合した第2の結合剤の検出は、上記のように実行され得る。ストリップ試験形式では、結合剤が結合される膜の一端をサンプルを含む溶液中に浸す。このサンプルは、膜に沿って、第2の結合剤を含む領域を通って、そして固定化結合剤の領域まで移動する。固定化抗体の領域での第2の結合剤の濃度が、癌の存在を示す。代表的には、その部位での第2の結合剤の濃度は、視覚的に読みとられ得るパターン(例えば、線)を生成する。このようなパターンを示さないことは陰性の結果を示す。概して、この膜上に固定化される結合剤の量は、生物学的サンプルが、上記の形式において、2抗体サンドイッチアッセイにおいて陽性シグナルを生じるのに十分であるレベルのポリペプチドを含む場合、視覚的に識別可能なパターンを生じるように選択される。このようなアッセイにおける使用に好ましい結合剤は、抗体およびその抗原結合フラグメントである。好ましくは、膜上に固定化される抗体の量は、約25ng〜約1μgの範囲であり、そしてより好ましくは、約50ng〜約500ngの範囲である。このような試験は、代表的には、非常に少ない量の生物学的サンプルを用いて実行され得る。
【0574】
もちろん、本発明の腫瘍タンパク質または結合剤との使用に適する多数の他のアッセイ手順が存在する。上記の記載は、例示のみを意図する。例えば、上記手順が、乳房腫瘍ポリペプチドを使用するために容易に改変され得て、生物学的サンプル内でこのようなポリペプチドに結合する抗体を検出し得ることが明かである。このような乳房腫瘍タンパク質特異的抗体の検出は、癌の存在と相関する。
【0575】
あるいは、癌はまた、生物学的サンプル中の乳房腫瘍タンパク質と特異的に反応するT細胞の存在に基づいて検出され得る。特定の方法では、患者から単離されたCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞を含む生物学的サンプルは、乳房腫瘍ポリペプチド、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび/またはこのようなポリペプチドの少なくとも免疫原性部分を発現するAPCとともにインキュベートされ、そしてT細胞の特異的活性化の存在または非存在が検出される。適切な生物学的サンプルとしては、単離されたT細胞が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、T細胞は、慣用技術によって(例えば、末梢血リンパ球のFicoll/Hypaque密度勾配遠心分離法によって)患者から単離され得る。T細胞は、2〜9日間(代表的に4日間)、37℃にてポリペプチド(例えば、5〜25μg/ml)とともにインビトロでインキュベートされ得る。別のアリコートのT細胞サンプルを、コントロールとして役立てるために、乳房腫瘍ポリペプチドの非存在下でインキュベートすることが所望され得る。CD4+T細胞に関して、活性化は好ましくは、T細胞の増殖を評価することによって検出される。CD8+T細胞に関しては、活性化は好ましくは、細胞溶解活性を評価することによって検出される。疾患のない患者におけるよりも少なくとも2倍高い増殖レベルおよび/または少なくとも20%高い細胞溶解活性レベルは、患者における癌の存在を示す。
【0576】
上記のように、癌はまた、あるいは、生物学的サンプル中の乳房腫瘍をコードするmRNAレベルに基づいて検出され得る。例えば、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイにおいて用いて、生物学的サンプルに由来する乳房腫瘍cDNAの一部を増幅し得、ここで、オリゴヌクレオチドプライマーのうちの少なくとも1つは、乳房腫瘍をコードするポリヌクレオチドに特異的である(すなわち、ハイブリダイズする)。次いで、増幅されたcDNAが、当該分野で周知の技術(例えば、ゲル電気泳動)を用いて分離され、そして検出される。同様に、乳房腫瘍をコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイゼーションアッセイにおいて用いて、生物学的サンプル中でこの腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドの存在を検出し得る。
【0577】
アッセイ条件下でのハイブリダイゼーションを可能にするために、オリゴヌクレオチドのプライマーおよびプローブは、少なくとも10ヌクレオチド、そして好ましくは少なくとも20ヌクレオチドの長さの、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部に対して少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約75%、そしてより好ましくは少なくとも約90%の同一性を有するオリゴヌクレオチド配列を含むべきである。好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブは、上記に規定されるような、中程度にストリンジェントな条件下で、本明細書中に開示されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズする。本明細書中に記載される診断方法において有用に用いられ得るオリゴヌクレオチドのプライマーおよび/またはプローブは、好ましくは、少なくとも10〜40ヌクレオチドの長さである。好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号1〜175、178、180および182〜468に記載される配列を有するDNA分子の少なくとも10の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも15の連続するヌクレオチドを含む。PCRに基づくアッセイおよびハイブリダイゼーションアッセイの両方についての技術は、当該分野で周知である(例えば、Mullisら,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263,1987;Erlich編,PCR Technology,Stockton Press,NY,1989を参照のこと)。
【0578】
1つの好ましいアッセイは、RT−PCRを用い、ここでは、PCRは、逆転写に関連して適用される。代表的に、RNAは生物学的サンプル(例えば、生検組織)から抽出され、そして逆転写されてcDNA分子を生成する。少なくとも1つの特異的プライマーを用いるPCR増幅は、cDNA分子を生成し、このcDNA分子は、例えば、ゲル電気泳動を用いて分離および可視化され得る。増幅は、試験患者および癌に罹患していない個体から採取された生物学的サンプルについて行われ得る。増幅反応は、2桁の大きさにおよぶいくつかのcDNA希釈物について行われ得る。癌でないサンプルのいくつかの希釈物と比較して2倍以上の、試験患者サンプルの同じ希釈物における発現増加は、代表的に、陽性とみなされる。
【0579】
別の実施形態において、開示された組成物は、癌の進行についてのマーカーとして使用され得る。この実施形態において、癌の診断について上記に記載されるようなアッセイは、経時的に実行され得、そして反応性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルの変化を評価し得る。例えば、このアッセイは、6ケ月〜1年の期間の間24〜72時間毎に実行され得、そしてその後、必要に応じて実行され得る。一般に、癌は、検出されるこのポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルが経時的に増大する患者において進行している。対照的に、癌は、反応性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルが一定のままであるか、または時間とともに減少するかのいずれかである場合、進行していない。
【0580】
特定のインビボ診断アッセイは、腫瘍上で直接実施され得る。1つのこのようなアッセイは、腫瘍細胞を結合剤と接触させる工程を包含する。次いで、結合された結合剤は、レポーター基によって直接的または間接的に検出され得る。このような結合剤はまた、組織学的な用途において使用され得る。あるいは、ポリヌクレオチドプローブは、このような用途において使用され得る。
【0581】
上記のように、感度を改善するために、複数の乳房腫瘍タンパク質マーカーは、所定のサンプル内でアッセイされ得る。本明細書中に提供される種々のタンパク質に特異的な結合剤が単一のアッセイにおいて組み合わせられ得ることは明かである。さらに、複数のプライマーまたはプローブが同時に用いられ得る。腫瘍タンパク質マーカーの選択は、最適な感度をもたらす組み合わせを決定する慣用実験に基づき得る。さらに、または代替として、本明細書中に提供される腫瘍タンパク質のアッセイは、他の公知の腫瘍抗原に対するアッセイと組み合わせられ得る。
【0582】
(診断キット)
本発明はさらに、上記の診断方法のうちのいずれかにおいて使用するためのキットを提供する。このようなキットは代表的に、診断アッセイを行うに必要な2以上の構成要素を備える。構成要素は、化合物、試薬、容器および/または器具であり得る。例えば、キット内の1つの容器は、乳房腫瘍タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体またはそのフラグメントを含み得る。このような抗体またはフラグメントは、上記のように支持体材料に付着されて提供され得る。1以上のさらなる容器は、アッセイにおいて使用される要素(例えば、試薬または緩衝液)を封入し得る。このようなキットはまた、あるいは、抗体結合の直接的または間接的な検出に適切なレポーター基を含む上記のような検出試薬を備え得る。
【0583】
あるいは、キットは、生物学的サンプル中の乳房腫瘍タンパク質をコードするmRNAレベルを検出するように設計され得る。このようなキットは一般に、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズする、上記のような、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドのプローブまたはプライマーを備える。このようなオリゴヌクレオチドは、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーションアッセイにおいて用いられ得る。このようなキット内に存在し得るさらなる構成要素としては、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドの検出を容易にする、第2のオリゴヌクレオチドおよび/または診断試薬もしくは容器が挙げられる。
【0584】
以下の実施例は、例示の目的のために提示され、そして限定の目的ではない。
【実施例】
【0585】
(実施例1)
(乳房腫瘍ポリペプチドの単離および特徴付け)
本実施例は、乳房腫瘍cDNAライブラリー由来の乳房腫瘍ポリペプチドの単離を記載する。
【0586】
正常な胸部cDNAを用いてサブトラクトされた(subtracted)乳房腫瘍由来のcDNAを含有するcDNAサブトラクションライブラリーを以下の通りに構築した。全RNAを、製造業者によって記載された通りにTrizol試薬(Gibco BRL Life Technologies,Gaithersburg,MD)を用いて初代組織から抽出した。ポリA+RNAを、標準的なプロトコルに従ってオリゴ(dT)セルロースカラムを用いて精製した。第1鎖cDNAを、Clontech PCR−Select cDNA Subtraction Kit(Clontech,Palo Alto,CA)において提供されたプライマーを用いて合成した。ドライバー(driver)DNAは、3つの原発性乳房腫瘍由来であるテスター(tester)cDNAを有する2つの正常な胸部組織由来のcDNAで構成された。二本鎖cDNAを、テスターおよびドライバーの両方について合成し、そして6塩基対DNAを認識するエンドヌクレアーゼ(MluI、MscI、PvuII、SalIおよびStuI)の組み合わせを用いて消化した。この改変は、Clontech(Palo Alto,CA)のプロトコルに従って生成されたcDNAと比較して、平均cDNAサイズを劇的に増加した。この消化したテスターcDNAを、2つの異なるアダプターと連結し、そしてこのサブトラクションを、Clontechのプロトコルに従って実施した。このサブトラクトされたcDNAを、製造業者のプロトコルに従って2ラウンドのPCR増幅に供した。得られたPCR産物を、TAクローニングベクターであるpCRII(Invitrogen,San Diego,CA)にサブクローン化し、そしてエレクトロポレーションによってElectroMax E.coli DH10B細胞(Gibco
BRL Life,Technologies)に形質転換した。DNAを、独立したクローンから単離し、そしてPerkin Elmer/Applied Biosystems Division(Foster City,CA)Automated Sequencer Model 373Aを用いて配列決定した。
【0587】
63の異なるcDNAクローンを、サブトラクトした乳房腫瘍特異的cDNAライブラリーにおいて見出した。このクローンに関して決定された1つの鎖(5’または3’)cDNA配列を、それぞれ配列番号1〜61、72および73において提供する。これらのcDNA配列の、EMBLおよびGenBankデータベース(Release 97)を用いる遺伝子バンクにおける公知の配列との比較は、配列番号14、21、22、27、29、30、32、38、44、45、53、72および73において提供される配列と十分な相同性を示さなかった。配列番号1、3、16、17、34、48、57、60および61の配列が、公知のヒト遺伝子を示すことを見出した。配列番号2、4、23、39および50の配列が、以前に同定された非ヒト遺伝子にいくつかの類似性を示すことを見出した。残りのクローン(配列番号5〜13、15、18〜20、24〜26、28、31、33、35〜37、40〜43、46、47、49、51、52、54〜56、58および59)は、以前に同定された発現配列タグ(EST)に対して少なくともある程度の相同性を示すことを見出した。
【0588】
単離されたcDNAクローンのmRNA発現レベルを決定するために、上記の胸部サブトラクション由来のcDNAクローンを無作為に拾い、そしてコロニーをPCR増幅した。乳房腫瘍組織、正常な胸部組織および種々の他の正常な組織におけるそれらのmRNA発現レベルを、マイクロアレイ技術(Synteni,Palo Alto,CA)を用いて決定した。簡潔には、アレイ様式においてスライド上に整列し、各産物は、アレイにおいて固有の位置を占めた。mRNAを、試験するためにこの組織サンプルから抽出し、逆転写し、そして蛍光標識化cDNAプローブを、生成した。このマイクロアレイを、標識化cDNAを用いてプローブし、スライドをスキャンし、そして蛍光強度を測定した。データを、Synteni提供のGEMTOOLS Softwareを用いて分析した。試験された17のcDNAクローンのうち配列番号40、46、59および73のクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして試験された全ての正常な組織(胸部、PBMC、結腸、胎児組織、唾液腺、骨髄、肺、膵臓、大腸、脊髄、副腎、腎臓、膵臓、肝臓、胃、骨格筋、心臓、小腸、皮膚、脳およびヒト乳房外皮細胞)において低レベルで発現することを見出した。配列番号41および48のクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして骨髄を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号42のクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして骨髄および脊髄を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号43のクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして脊髄、心臓および小腸を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することが見出された。配列番号51のクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして大腸を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号54のクローンは、乳房腫瘍において過剰発現し、そしてPBMC、胃および小腸を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号56のクローンは、乳房腫瘍において過剰発現し、そして大腸および小腸、ヒト乳房外皮細胞およびSCIDマウス継代乳房腫瘍を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号60のクローンは、乳房腫瘍において過剰発現し、そして脊髄および心臓を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号61のクローンは、乳房腫瘍において過剰発現し、そして小腸を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。配列番号72のクローンは、乳房腫瘍において過剰発現し、そして結腸および唾液腺を除く試験された全ての他の組織において低レベルで発現することを見出した。
【0589】
クローンSYN18C6(配列番号40)のノーザンブロット分析の結果を、図1に示す。SYN18C6によってコードされた予期されたタンパク質配列を、配列番号62において提供する。
【0590】
乳房腫瘍組織において過剰発現するさらなるcDNAクローンを、以下の通り胸部cDNAサブトラクションライブラリーから単離した。胸部サブトラクションライブラリーを、上記のようにテスターとして乳房腫瘍cDNAのプールおよびドライバーとして正常な胸部cDNAまたは他の正常な組織由来のcDNAのいずれかのプールを使用するPCRに基づくサブトラクションによって調製した。胸部サブトラクション由来のcDNAクローンを、無作為に拾い、そしてコロニーをPCR増幅し、そして乳房腫瘍、正常な胸部および種々の他の正常な組織におけるそれらのmRNA発現レベルを、上記のマイクロアレイ技術を用いて決定した。24の異なるcDNAクローンが、乳房腫瘍において過剰発現し、そして試験された全ての他の組織(胸部、脳、肝臓、膵臓、肺、唾液腺、胃、結腸、腎臓、骨髄、骨格筋、PBMC、心臓、小腸、副腎、脊髄、大腸、小腸および皮膚)において低レベルで発現することを見出した。これらのクローンについて決定された部分的なcDNA配列を、配列番号63〜87において提供する。配列番号74〜87の、上記の遺伝子バンクにおけるクローンとの配列の比較は、以前に同定されたヒト遺伝子に対して相同性を示した。配列番号63〜73の配列に対しては、十分な相同性を見出せなかった。
【0591】
クローンB726P(部分配列を配列番号71に提供した。)についての3つのDNAアイソフォームを、以下の通り単離した。放射能プローブを、BamHI/XbaI制限消化によってpT7Blueベクター(Novagen)からB726P DNAを切り出し、そして[α−32P]dCTPの存在下で一本鎖PCRにおいて鋳型として得られるDNAを使用することによってB726Pから合成した。このPCRについて使用されるプライマーの配列を、配列番号177において提供する。得られる放射能プローブを使用して、方向性cDNAライブラリーをプローブし、そしてランダムプライムcDNAライブラリーを、乳房腫瘍から単離したRNAを使用して作製した。85のクローンを同定し、切り出し、精製し、そして配列決定した。これらの85のクローンのうち、3つが、十分なオープンリーディングフレームをそれぞれ含むことを見出した。アイソフォームB726P−20の決定されたcDNA配列を、配列番号175において提供し、対応する推定のアミノ酸配列を配列番号176において提供する。アイソフォームB726P−74の決定されたcDNA配列を、配列番号178において提供し、対応する推定のアミノ酸配列を配列番号179において提供する。アイソフォームB726P−79の決定されたcDNA配列を、配列番号180に提供し、対応する推定のアミノ酸配列を配列番号181に提供する。
【0592】
標準的な技術を用いるB726Pの全長のクローンを得るための努力は、B726Pのさらなる5’配列を示す5つのさらなるクローンの単離につながった。これらのクローンは、同一遺伝子の選択的なスプライス形態であるようである。これらのクローンの決定されたcDNA配列を、配列番号464〜468において提供し、配列番号464〜467によってコードされる推定のアミノ酸配列を、それぞれ配列番号470〜473において提供する。標準的なコンピューター技術を用いて、2つの大きなオープンリーディングフレームを含む3,681bp保存DNA配列(配列番号463)を作製する。下流ORFは、配列番号181の推定のアミノ酸配列をコードした。上流ORFによってコードされる推定のアミノ酸配列を、配列番号469において提供する。
【0593】
乳房腫瘍組織において過剰発現する個々のクローンのさらなる単離を、上記のcDNAサブトラクションライブラリー技術を用いて実施した。詳細には、5つの他の正常なヒト組織(脳、肝臓、PBMC、膵臓および正常な胸部)cDNAを用いてサブトラクトした乳房腫瘍由来のcDNAを含むcDNAサブトラクションライブラリーを、このスクリーニングにおいて利用した。元のサブトラクションから、177のクローンを選択して、DNA配列決定およびマイクロアレイ分析によってさらに特徴付けした。マイクロアレイ分析は、配列番号182〜251における配列が、正常ヒト組織よりもヒト乳房腫瘍組織において2倍以上過剰発現したことを実証した。これらのクローンのうち19のクローン(配列番号185、186、194、199、205、208、211、214〜216、219、222、226、232、236、240、241、245および246を含む)については、以前に同定されたいくつかの発現配列タグ(EST)を除いて十分な相同性を見出せなかった。残りのクローンは、以前に同定された遺伝子、特に配列番号181〜184、187〜193、195〜198、200〜204、206、207、209、210、212、213、217、218、220、221、223〜225、227〜231、233〜235、237〜239、242〜244および247〜251に対していくらかの相同性を共有する。
【0594】
乳房腫瘍組織において過剰発現を示す70個のクローンのうち、15個は、正常なヒト組織を超えて、乳房腫瘍において特に良好な発現レベルを示した。以下の11個のクローンは、既知のいかなる遺伝子とのいかなる有意な相同性も示さなかった。クローン19463.1(配列番号185)は、乳房腫瘍の大多数において過剰発現され、そしてまた、試験したSCID乳房腫瘍(実施例2を照会のこと)において過剰発現された;さらに、過剰発現を、正常な乳房組織の大多数において見出した。クローン19483.1(配列番号216)は、少数の乳房組織において過剰発現され、試験したいかなる正常組織においても、全く過剰発現されなかった。クローン19470.1(配列番号219)が、いくつかの乳房腫瘍においてわずかに過剰発現されることを見出した。クローン19468.1(配列番号222)が、試験した乳房組織の大多数においてわずかに過剰発現されることを見出した。クローン19505.1(配列番号226)が、乳房組織の50%において、ならびにSCID腫瘍組織において、わずかに過剰発現されることを見出し、正常な乳房においていくらかの程度の過剰発現を見出した。クローン1509.1(配列番号232)が、非常に少数の乳房腫瘍において過剰発現されるが、転移性乳房腫瘍組織において特定の程度の過剰発現をされることを見出し、ならびに正常組織において何の有意な過剰発現もないことを見出した。クローン19513.1(配列番号236)が、ほんの少数の乳房腫瘍においてわずかに過剰発現されることが示され、正常組織において何の有意な過剰発現も見出さなかった。クローン19575.1(配列番号240)は、いくつかの乳房腫瘍において、そしてまた正常乳房において、低レベルの過剰発現を示した。クローン19560.1(配列番号242)は、試験した乳房腫瘍の50%において、ならびにいくつかの正常な乳房組織において、過剰発現された。クローン19583.1(配列番号245)は、いくつかの乳房腫瘍においてわずかに過剰発現され、非常に低レベルの過剰発現を正常組織において見出した。クローン19587.1(配列番号246)は、いくつかの乳房腫瘍において低レベルの過剰発現を示し、正常組織において何の有意な過剰発現も示さなかった。
【0595】
クローン19520.1(配列番号233)(染色体11q13.31におけるクローン102D24に対して相同性を示す)は、乳房腫瘍においてそしてSCID腫瘍において、過剰発現されることを見出した。クローン19517.1(配列番号237)(ヒトPAC 128M19クローンに対して相同性を示す)は、試験した乳房腫瘍の大多数においてわずかに過剰発現されることを見出した。クローン19392.2(配列番号247)(ヒト第17染色体に対して相同性を示す)は、試験した乳房腫瘍の50%において過剰発現されることを示した。クローン19399.2(配列番号250)(ヒトXp22 BAC GSHB−184P14に対して相同性を示す)は、試験した限定数の乳房腫瘍においてわずかに過剰発現されることを示した。
【0596】
続く研究において、64個の個々のクローンを、5つの正常組織(脳、肝臓、PBMC、膵臓および正常乳房)由来のcDNAを差し引いた乳房腫瘍のプール由来のcDNAを含む、差し引きcDNAライブラリーから単離した。差し引きcDNAライブラリーは、以下の改変を伴って、上記のように調製した。5つの6塩基クラスターの組み合わせ(MluI、MscI、PvuII、SalIおよびStuI)を、RsaIの代わりに、このcDNAを消化するために使用した。このことは、300bpから600bpへの平均インサートサイズの増加を生じた。64個の単離したクローンを、コロニーPCR増幅し、そして乳房腫瘍組織、正常乳房、および他の種々の正常組織におけるそれらのmRNA発現レベルを、上記のようにマイクロアレイ技術によって試験した。乳房腫瘍組織において過剰発現されることを見出した11個のクローンの決定したcDNA配列を、配列番号405〜415にて提供する。上記に概説されたような、公のデータベースにおける配列に対するこれらの配列の比較は、配列番号408、配列番号411、配列番号413および配列番号414の配列と、以前に単離されたESTとの間の相同性を明らかにした。配列番号405〜407、配列番号409、配列番号410、配列番号412、および配列番号415の配列は、以前に同定された配列に対していくらかの相同性を示すことを見出した。
【0597】
さらなる研究において、差し引きcDNAライブラリーを、上記のClontechのPCR差し引きプロトコルを使用して、5つの正常組織(乳房、脳、肺、膵臓およびPBMC)由来のcDNAのプールを差し引いた転移性乳房腫瘍由来のcDNAから調製した。このライブラリーから単離した90個のクローンの決定したcDNA配列を、配列番号315〜404にて提供する。上記のような、公のデータベースにおける配列とのこれらの配列の比較は、配列番号366の配列に対する何の有意な相同性も明らかにしなかった。配列番号320〜324、配列番号342、配列番号353、配列番号367、配列番号368、配列番号377、配列番号382、配列番号385、配列番号389、配列番号395、配列番号397、および配列番号400の配列が、以前に単離されたESTに対していくらかの相同性を示すことを見出した。残りの配列が、以前に同定された遺伝子配列に対して相同性を示すことを見出した。
【0598】
なおさらなる研究において、差し引きcDNAライブラリー(2BTと呼ぶ)を、上記の、ClontechのPCR差し引きプロトコルを使用して、6個の正常組織(肝臓、脳、胃、小腸、腎臓および心臓)由来のcDNAのプールを差し引いた、乳房腫瘍由来のcDNAから調製した。この差し引き物から単離したcDNAクローンを、上記のようなDNAマイクロアレイ分析に供し、そして得たデータを、4つの改変型Gemtool分析に供した。第1の分析は、28個の非乳房正常組織と28個の乳房腫瘍を比較した。少なくとも2.1倍の平均過剰発現を、選択カットオフとして使用した。第2の分析は、29個の非乳房正常組織と6個の転移性乳房腫瘍を比較した。少なくとも2.5倍の平均過剰発現を、カットオフとして使用した。第3の分析および第4の分析は、2つの後期SCIDマウス継代腫瘍と、2つの早期SCIDマウス継代腫瘍を比較した。早期継代腫瘍または後期継代腫瘍における2.0倍以上の平均過剰発現を、カットオフとして使用した。さらに、視覚的分析を、2BTクローンについて、マイクロアレイデータに基づいて実施した。この視覚的分析において同定した13個のクローンの決定したcDNA配列を、配列番号427〜439にて提供する。改変型Gemtool分析を使用して同定した22個のクローンの決定したcDNA配列を、配列番号440〜462にて提供する。ここで、配列番号453および配列番号454は、同じクローンの2つの部分的非重複配列を示す。
【0599】
上記のような、公のデータベースにおける配列との配列番号436および配列番号437のクローン配列(263G6および262B2と呼ぶ)の比較は、以前に同定された配列に対する何の有意な相同性も明らかにしなかった。配列番号427、配列番号429、配列番号431、配列番号435、配列番号438、配列番号441、配列番号443、配列番号444、配列番号445、配列番号446、配列番号450、配列番号453および配列番号454の配列(それぞれ、266B4、266G3、264B4、263G1、262B6、2BT2−34、2BT1−77、2BT1−62、2BT1−60,61.2BT1−59、2BT1−52および2BT1−40と呼ぶ)は、以前に同定された発現配列タグ(EST)に対していくらかの相同性を示した。配列番号428、配列番号430、配列番号432、配列番号433、配列番号434、配列番号439、配列番号440、配列番号442、配列番号447、配列番号448、配列番号449、配列番号451、配列番号452、および配列番号455〜462の配列(それぞれ、クローン22892、22890、22883、22882、22880、22869、21374、21349、21093、21091、21089、21085、21084、21063、21062、21060、21053、21050、21036、21037、および21048と呼ぶ)は、ヒトにおいて以前に同定された遺伝子配列に対していくらかの相同性を示した。
【0600】
(実施例2)
(SCID継代腫瘍RNAを使用するPCRに基づく差し引きにより得た、乳房腫瘍ポリペプチドの単離および特徴付け)
ヒト乳房腫瘍抗原を、以下のようにSCIDマウス継代乳房腫瘍RNAを使用するPCRに基づく差し引きによって得た。1195年11月13日出願の特許出願第08/556,659号(米国特許第_号)に記載されるように、ヒト乳房腫瘍をSCIDマウスに移植し、そして5回または6回の連続継代において収集した。早期継代SCID腫瘍と後期継代SCID腫瘍との間で示差的に発現されることを見出した遺伝子は、期特異的であり得、従って、治療適用および診断適用にて有用であり得る。全RNAを、1回目の継代および6回目の継代の両方からの瞬間凍結SCID継代ヒト乳房腫瘍から調製した。
【0601】
PCRに基づく差し引きを、本質的に上記のように実施した。第1の差し引き(T9と呼ぶ)において、1回目の継代腫瘍由来のRNAを、6回目の継代腫瘍RNAから差し引いて、より攻撃的な(aggressive)後期継代特異的な抗原を同定した。この差し引き物から単離しそして配列決定した64個のクローンのうち、30個のこれらのクローン(本明細書中で以後、13053、13057、13059、13065、13067、13068、13071〜13073、13075、13078、13079、13081、13082、13092、13097、13101、13102、13131、13133、13119、13135、13139、13140、13146〜13149、および13151と呼ぶ)に対して何の有意な相同性も見出されなかったが、例外としていくつかの以前に同定された発現配列タグ(EST)が相同性を示した。これらのクローンについて決定したcDNA配列を、それぞれ、配列番号88〜116にて提供する。配列番号117〜140の単離したcDNA配列は、既知の遺伝子に対して相同性を示した。
【0602】
第2のPCRに基づく差し引きにおいて、6回目の継代腫瘍由来のRNAを、1回目の継代腫瘍RNAから差し引いて、複数の継代にわたってダウンレギュレートされた抗原を同定した。単離しそして配列決定した36個のクローンのうち、19個のこれらのクローン(本明細書中で以後、14376、14377、14383、14384、14387、14392、14394、14398、14401、14402、14405、14409、14412、14414〜14416、14419、14426、および14427と呼ぶ)に対して、何の有意な相同性も見出さなかったが、例外として、以前に同定されたいくつかの発現配列タグ(EST)が相同性を示した。これらのクローンについて決定したcDNA配列を、それぞれ、配列番号141〜159にて提供する。配列番号160〜174の単離したcDNA配列は、以前に既知であった遺伝子に対して相同性を示すことを見出した。
【0603】
1回目の継代SCID腫瘍RNAおよび6回目の継代SCID腫瘍RNAを使用するPCRに基づく差し引きを介して、ヒト乳房腫瘍抗原のさらなる分析を実施した。63個のクローンが、マイクロアレイ分析により決定した場合に、2倍以上の開きで示差的に発現されること(すなわち、後期継代腫瘍においてよりも早期継代腫瘍において高い発現、またはその反対)を、見出した。これらのクローンのうちの17個が既知のいかなる遺伝子に対しても何の有意な相同性も示さなかったが、以前に同定された発現配列タグ(EST)とのいくらかの程度の相同性を見出した。これらの17個を、本明細書中以後で、20266、20270、20274、20276、20277、20280、20281、20294、20303、20310、20336、20341、20941、20954、20961、20965および20975(それぞれ、配列番号252〜268)と呼ぶ。残りのクローンが、既知の遺伝子に対していくらかの程度の相同性を共有することを見出した。これらのクローンは、上記図面の簡単な説明および配列識別子の節にて同定され、本明細書中で以後、20261、20262、20265、20267、20268、20271、20272、20273、20278、20279、20293、20300、20305、20306、20307、20313、20317、20318、20320、20321、20322、20326、20333、20335、20337、20338、20340、20938、20939、20940、20942、20943、20944、20946、20947、20948、20949、20950、20951、20952、20957、20959、20966、20976、20977、および20978と呼ぶ。これらのクローンについて決定したcDNA配列を、それぞれ、配列番号269〜313にて提供する。
【0604】
クローン20310、20281、20262、20280、20303、20336、20270、20341、20326、および20977(また、それぞれ、B820P、B821P、B822P、B823P、B824P、B825P、B826P、B827P、B828P、およびB829Pとも呼ぶ)を、マイクロアレイ分析を用いて得た結果に基づいて、さらなる分析のために選択した。詳細には、マイクロアレイデータ分析は、試験した正常組織と比較して乳房腫瘍腫瘍RNAにおいて、これらのクローンの少なくとも2〜3倍の過剰発現を示した。引き続く研究は、クローンB820P、B821P、B822P、B823P、B824P、B825P、B826P、B827P、B828PおよびB829Pについての完全なインサート配列の決定をもたらした。伸長したこれらのcDNA配列を、それぞれ、配列番号416〜426にて提供する。
【0605】
(実施例3)
(ポリペプチドの合成)
ポリペプチドは、HPTU(O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)活性化を用いるFMOC化学を使用して、Perkin Elmer/Applied Biosystems Division 430Aペプチド合成装置で合成し得る。Gly−Cys−Gly配列を、ペプチドのアミノ末端に結合させて、ペプチドの、結合、固定化表面への結合、または標識の方法を提供し得る。固体支持体からのこのペプチドの切断は、以下の切断混合物を用いて実行し得る:トリフルオロ酢酸:エタンジチオール:チオアニソール:水:フェノール(40:1:2:2:3)。2時間の切断の後、このペプチドを、冷却したメチル−t−ブチル−エタノール中に沈殿し得る。次いで、このペプチドペレットを0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含有する水に溶解し、C18逆相HPLCによる精製の前に凍結乾燥し得る。水(0.1% TFA含有)中での0%〜60%のアセトニトリル(0.1% TFA含有)の勾配を、ペプチド溶出のために使用し得る。純粋な画分の凍結乾燥後に、エレクトロスプレー(electrospary)または他のタイプの質量分析法を用い、そしてアミノ酸分析により、ペプチドを特徴付け得る。
【0606】
前述により、本発明の特定の実施形態が、例証の目的のために本明細書中に記載されているが、種々の改変が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたポリペプチドであって、該ポリペプチドは、乳房腫瘍タンパク質、または該タンパク質の改変体の少なくとも1つの免疫原性部分を含み、ここで該腫瘍タンパク質は、以下:
(a)配列番号
【化1】

に列挙される配列;
(b)中程度にストリンジェントな条件下で、配列番号
【化2】

に記載される配列にハイブリダイズする配列;および
(c)(a)または(b)の配列の相補体、
からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドであって、ここで、前記ポリペプチドが、配列番号
【化3】

のいずれか1つに列挙されるポリヌクレオチド配列、または該ポリヌクレオチド配列のいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項3】
配列番号176、179、181および469〜473のいずれか1つに列挙される配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項4】
単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、乳房腫瘍タンパク質、またはその改変体の少なくとも15の連続するアミノ酸残基をコードし、該改変体が、該改変体の抗原特異的抗血清と反応する能力が実質的に減少しなように1つ以上の置換、欠失、付加および/または挿入において異なり、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号
【化4】

のいずれか1つに記載される配列を含むポリヌクレオチド、または該配列のいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項5】
単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、乳房腫瘍タンパク質、またはその改変体をコードし、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号
【化5】

のいずれか1つに記載される配列を含むポリヌクレオチド、または該配列のいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項6】
単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、配列番号
【化6】

のいずれか1つに記載される配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項7】
単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、配列番号
【化7】

のいずれか1つに記載される配列に、中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドに相補的な、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項4〜7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項10】
請求項9に記載の発現ベクターによって形質転換されたかまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
【請求項11】
請求項8のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項12】
請求項11に記載の発現ベクターによって形質転換されたかまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
【請求項13】
請求項1に記載のポリペプチドを、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1に記載のポリペプチドを、免疫賦活薬と組み合わせて含む、ワクチン。
【請求項15】
前記免疫賦活薬がアジュバントである、請求項14に記載のワクチン。
【請求項16】
前記免疫賦活薬がI型応答を優性に誘導する、請求項14に記載のワクチン。
【請求項17】
請求項4に記載のポリヌクレオチドを、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項18】
請求項4に記載のポリヌクレオチドを、免疫賦活薬と組み合わせて含む、ワクチン。
【請求項19】
前記免疫賦活薬がアジュバントである、請求項18に記載のワクチン。
【請求項20】
前記免疫賦活薬がI型応答を優性に誘導する、請求項18に記載のワクチン。
【請求項21】
単離された抗体、またはその抗原結合フラグメントであって、該単離された抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号
【化8】

のいずれか1つに記載されるポリヌクレオチド配列、または該ポリヌクレオチド配列のいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む乳房腫瘍タンパク質に特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項22】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、請求項18に記載の抗体またはそのフラグメントを、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項23】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、請求項1に記載のポリペプチドを発現する抗原提示細胞を、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦経剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項24】
請求項23に記載の薬学的組成物であって、ここで、前記抗原提示細胞が、樹状細胞またはマクロファージである、薬学的組成物。
【請求項25】
ワクチンであって、該ワクチンが、請求項1に記載のポリペプチドを発現する抗原提示細胞を、免疫賦活薬と組み合わせて含む、ワクチン。
【請求項26】
前記免疫賦活薬がアジュバントである、請求項25に記載のワクチン。
【請求項27】
前記免疫賦活薬がI型応答を優性に誘導する、請求項25に記載のワクチン。
【請求項28】
請求項25に記載のワクチンであって、ここで、前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、ワクチン。
【請求項29】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項1に記載のポリペプチドの有効量を患者に投与し、それによって該患者における癌の発達を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項30】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項4に記載のポリヌクレオチドの有効量を患者に投与し、それによって該患者における癌の発達を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項31】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項21に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を患者に投与し、それによって該患者における癌の発達を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項32】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項1に記載のポリペプチドを発現する抗原提示細胞の有効量を患者に投与し、それによって該患者における癌の発達を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、ここで、前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、方法。
【請求項34】
請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法であって、ここで、前記癌が乳癌である、方法。
【請求項35】
請求項1に記載の少なくとも1つのポリペプチドを含む、融合タンパク質。
【請求項36】
請求項35に記載の融合タンパク質であって、ここで、前記融合タンパク質が、該融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされた宿主細胞において、該融合タンパク質の発現を増加する発現エンハンサーを含む、融合タンパク質。
【請求項37】
請求項35に記載の融合タンパク質であって、ここで、前記融合タンパク質が、請求項1に記載のポリペプチドには存在しないTヘルパーエピトープを含む、融合タンパク質。
【請求項38】
請求項35に記載の融合タンパク質であって、ここで、前記融合タンパク質が、アフィニティタグを含む、融合タンパク質。
【請求項39】
単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドが、請求項35に記載の融合タンパク質をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項40】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、請求項32に記載の融合タンパク質を、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項41】
請求項35に記載の融合タンパク質を、免疫賦活薬と組み合わせて含む、ワクチン。
【請求項42】
前記免疫賦活薬がアジュバントである、請求項41に記載のワクチン。
【請求項43】
前記免疫賦活薬がI型応答を優性に誘導する、請求項41に記載のワクチン。
【請求項44】
請求項40に記載のポリヌクレオチドを、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項45】
請求項40に記載のポリヌクレオチドを、免疫賦活薬と組み合わせて含む、ワクチン。
【請求項46】
前記免疫賦活薬がアジュバントである、請求項45に記載のワクチン。
【請求項47】
前記免疫賦活薬がI型応答を優性に誘導する、請求項45に記載のワクチン。
【請求項48】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項40または44に記載の薬学的組成物の有効量を患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項49】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項41または45に記載のワクチンの有効量を患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項50】
生物学的サンプルから腫瘍細胞を除去するための方法であって、該方法が、該生物学的サンプルを、乳房腫瘍タンパク質と特異的に反応するT細胞と接触させる工程を包含し、ここで、該腫瘍タンパク質が、以下:
(i)配列番号1〜175、178、180および182〜468のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド;および
(ii)該ポリヌクレオチドの相補体からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含み、
ここで、該接触工程が、該サンプルから該抗原を発現する細胞の除去を可能にするのに十分な条件および時間で行われる、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、ここで、前記生物学的サンプルが、血液またはその画分である、方法。
【請求項52】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項50に記載の方法で処理される生物学的サンプルを患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項53】
乳房腫瘍細胞タンパク質に特異的なT細胞を刺激および/または増殖するための方法であって、該方法が、該T細胞を以下:
(i)請求項1に記載のポリペプチド;
(ii)このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および/または
(iii)このようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞、
の1つ以上と、該T細胞の刺激および/または増殖を可能にするのに十分な条件および時間で接触させる工程を包含する、方法。
【請求項54】
単離されたT細胞集団であって、該単離されたT細胞集団が、請求項53に記載の方法に従って調製されるT細胞を含む、単離されたT細胞集団。
【請求項55】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、請求項54に記載のT細胞集団の有効量を患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項56】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)患者から単離されたCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞を、以下:
(i)請求項1に記載のポリペプチド
(ii)このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または (iii)このようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞
からなる群から選択される少なくとも1つの成分とともにインキュベートし、その結果、T細胞が増殖する工程;ならびに
(b)増殖したT細胞の有効量を患者に投与し、それによって患者における癌の発達を阻害する工程、
を包含する、方法。
【請求項57】
患者における癌の発達を阻害するための方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)患者から単離されたCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞を、以下:
(i)請求項1に記載のポリペプチド
(ii)このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(iii)このようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞
からなる群から選択される少なくとも1つの成分とともにインキュベートし、その結果、T細胞が増殖する工程;
(b)増殖した少なくとも1つの細胞をクローニングする工程;ならびに
(c)該クローン化されたT細胞の有効量を患者に投与し、それによって患者における癌の発達を阻害する工程、
を包含する方法。
【請求項58】
患者における癌の存在または非存在を決定するための方法であって、該方法が以下の工程:
(a)患者から得られた生物学的サンプルを、乳房腫瘍タンパク質に結合する結合剤と接触させる工程であって、ここで、該腫瘍タンパク質が、以下:
(i)配列番号1〜175、178、180および182〜468のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド;および
(ii)該ポリヌクレオチドの相補体、
からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、工程;
(b)サンプル中において結合剤に結合するポリペプチドの量を検出する工程;および
(c)該ポリペプチドの量を所定のカットオフ値と比較し、それにより、患者における癌の存在または非存在を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項59】
前記結合剤が抗体である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記癌が乳癌である、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
患者における癌の進行をモニタリングするための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)患者から得られた生物学的サンプルを、第1の時点で、乳房腫瘍タンパク質に結合する結合剤と接触させる工程であって、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号1〜175、178、180および182〜468のいずれか1つに記載されるポリヌクレオチド配列、または該ポリヌクレオチドのいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、工程;
(b)該サンプル中の、該結合剤に結合するポリペプチドの量を検出する工程;
(c)引き続く時点で、該患者から得られる生物学的サンプルを使用して、工程(a)および(b)を反復する工程;ならびに
(d)工程(c)において検出されたポリペプチドの量を工程(b)において検出された量と比較して、それにより該患者における癌の進行をモニタリングする工程、
を包含する、方法。
【請求項63】
前記結合剤が抗体である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記癌が乳癌である、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
患者における癌の存在または非存在を決定するための方法であって、該方法が、以下の工程; (a)患者から得られた生物学的サンプルを、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号1〜175、178、180および182〜468のいずれか1つに記載されるポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、または該ポリヌクレオチドのいずれかの相補体を含む、工程;
(b)該サンプル中において、該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;および
(c)該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較し、そしてそれにより、該患者における癌の存在または非存在を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項67】
請求項66に記載に方法であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量が、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して決定される、方法。
【請求項68】
請求項66に記載に方法であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量が、ハイブリダイゼーションアッセイを使用して決定される、方法。
【請求項69】
患者における癌の進行をモニタリングするための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)患者から得られた生物学的サンプルを、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号1〜175、178、180および182〜468のいずれか1つに記載されるポリヌクレオチド配列、または該ポリヌクレオチドのいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、工程;
(b)該サンプル中の、該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;
(c)引き続く時点で、該患者から得られる生物学的サンプルを使用して、工程(a)および(b)を反復する工程;ならびに
(d)工程(c)において検出されたポリヌクレオチドの量を工程(b)において検出された量と比較して、それにより該患者における癌の進行をモニタリングする工程、
を包含する、方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量が、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して決定される、方法。
【請求項71】
請求項69に記載の方法であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量が、ハイブリダイゼーションアッセイを使用して決定される、方法。
【請求項72】
診断用キットであって、以下:
(a)請求項21に記載の1つ以上の抗体;および
(b)レポーター基を含む検出試薬、
を含む、診断用キット。
【請求項73】
前記抗体が、固体支持体上に固定される、請求項72記載のキット。
【請求項74】
前記固体支持体が、ニトロセルロース、ラテックス、またはプラスチック材料を含む、請求項73に記載のキット。
【請求項75】
前記検出試薬が、抗免疫グロブリン、タンパク質G、タンパク質Aまたはレクチンを含む、請求項72に記載のキット
【請求項76】
請求項72記載のキットであって、ここで、前記レポーター基が、放射性同位体、蛍光基、発光基、酵素、ビオチン、および色素粒子からなる群より選択される、キット。
【請求項77】
オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、中程度のストリンジェントな条件下で、乳房腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズする10〜40の連続するヌクレオチドを含み、ここで、該腫瘍タンパク質が、配列番号
【化9】

のいずれか1つに記載されるポリヌクレオチド配列、または該ポリヌクレオチドのいずれかの相補体によってコードされるアミノ酸配列を含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項78】
請求項77に記載のオリゴヌクレオチドであって、ここで、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号
【化10】

のいずれか1つに記載の10〜40の連続するオリゴヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項79】
診断用キットであって、以下:
(a)請求項77に記載のオリゴヌクレオチド;および
(b)ポリメラーゼ連鎖反応またはハイブリダイゼーションアッセイにおける使用のための診断試薬、
を含む、診断用キット。

【公開番号】特開2010−239970(P2010−239970A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125855(P2010−125855)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【分割の表示】特願2000−609567(P2000−609567)の分割
【原出願日】平成12年2月15日(2000.2.15)
【出願人】(397069329)コリクサ コーポレイション (38)
【Fターム(参考)】