説明

乳癌の同定、評価、予防、および治療のための組成物、キットおよび方法

本発明は、乳癌に関連する核酸分子およびタンパク質に関する。ヒト乳癌を検出、特徴付け、予防および処置するための組成物、キットおよび方法が提供される。本発明はまた、乳癌を診断、病期分類、予後予測、モニタリングおよび処置するための種々の方法、試薬およびキットに関する。1実施形態では、本発明は、患者が乳癌を有するか、乳癌を発症するリスクが正常よりも高いかを評価する診断方法を提供するが、この方法は、患者サンプルにおける本発明の少なくとも1つのマーカーの発現のレベルを、コントロール、例えば、乳癌のない患者由来のサンプルにおけるマーカー(単数または複数)の発現の正常なレベルと比較する工程を包含する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が乳癌に罹患しているか否かを評価する方法であって:
a)患者サンプル中のマーカーの発現のレベルを決定する工程であって、該マーカーが表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と;
b)無痛性の乳房腫瘍を有するかまたは乳房腫瘍を有さないコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの発現のレベルを決定する工程と;
c)患者サンプル中、およびコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの発現のレベルを比較する工程と、を包含し、
ここで患者サンプルと、コントロール被験体由来のサンプルとの間における該マーカーの発現のレベル有意な相違は、該患者が乳癌に罹患していることの指標である、方法。
【請求項2】
コントロール被験体からの発現のレベルが、ガンでない患者由来の乳房細胞から決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コントロール被験体からの発現のレベルが、無痛性の乳房腫瘍を有するかまたは乳房腫瘍を有さない被験体の集団からの発現の平均レベルを用いて予め決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカーが分泌されたタンパク質に相当する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マーカーが、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプルが、患者から得られたサンプルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルが、血液、リンパ液、嚢胞液、乳首吸引液、および腫瘤生検から収集した液体からなる群より選択される液体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプル中のマーカーの発現のレベルが、該サンプル中のマーカータンパク質の存在を検出することによって評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記マーカータンパク質の存在が、タンパク質と特異的に結合する試薬を用いて検出される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記試薬が、抗体、抗体誘導体および抗体フラグメントからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプル中の前記マーカーの発現のレベルが、核酸マーカーに相当する、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の該サンプル中での存在を検出することによって評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記転写されたポリヌクレオチドが、mRNAまたはcDNAである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
転写されたポリヌクレオチドを検出する工程が、転写されたポリヌクレオチドを増幅する工程を包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記サンプル中の前記マーカーの発現のレベルが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で核酸マーカーまたはその一部とアニーリングする、転写されたポリヌクレオチドの該サンプル中での存在を検出することによって評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記サンプル中の前記マーカーの発現のレベルが、乳癌に罹患していない患者における該マーカーの発現の正常なレベルから、少なくとも約2または少なくとも約5という因数だけ異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記マーカーが、表1に列挙されるマーカーから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
患者が乳癌に罹患しているか否かを評価する方法であって:
a)表1および表2に列挙されるマーカーから独立して選択される少なくとも2つのマーカーのサンプル中での発現のレベルを決定する工程と;
b)無痛性の乳房腫瘍を有するかまたは乳房腫瘍を有さないコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの各々の発現のレベルを決定する工程と;
c)患者サンプル中、およびコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの発現のレベルを比較する工程と、を包含し、
ここでマーカーの発現の相当するコントロールレベルに対する、該マーカーのうち2つ以上の発現のレベルにおける有意な相違は、該患者が乳癌に罹患していることの指標である、方法。
【請求項18】
コントロール被験体からの発現のレベルが、ガンでない患者由来の乳房細胞から決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
コントロール被験体からの発現のレベルが、無痛性の乳房腫瘍を有するかまたは乳房腫瘍を有さない被験体の集団からの発現の平均レベルを用いて予め決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも3つのマーカーの発現が決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも5つのマーカーの発現が決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
患者が、転移しているか、または転移する可能性が高い乳癌を有するかを評価するための方法であって:
a)表2に列挙されるマーカーから選択されるマーカーの患者における発現のレベルを決定する工程と;
b)非転移性の乳房腫瘍を有するかまたは乳房腫瘍を有さないコントロール被験体由来のサンプル中における該マーカーの発現のレベルを決定する工程と;
c)患者サンプル中、およびコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの発現のレベルを比較する工程と、を包含し、
ここでコントロール被験体由来のサンプル中のこのレベルに対して比較した場合、該患者サンプル中の発現の有意に高いレベルは、この乳癌が転移しているか、または転移する可能性が高いことの指標である、方法。
【請求項23】
前記評価は、前記患者がリンパ節に転移している転移性乳癌に罹患しているか、またはリンパ節に転移する可能性が高い転移性乳癌に罹患しているかということの指標である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
乳癌の臨床的転帰を予測するための方法であって:
a)表2に列挙されるマーカーから選択されるマーカーの患者における発現のレベルを決定する工程と;
b)良好な臨床転帰を有するコントロール被験体由来のサンプル中における該マーカーの発現のレベルを決定する工程と;
c)患者サンプル中、およびコントロール被験体由来のサンプル中の該マーカーの発現のレベルを比較する工程と、を包含し、
ここでコントロール被験体由来のサンプル中の発現レベルに対して比較した場合、該患者サンプル中の発現の有意に高いレベルは、該患者の臨床的転帰が劣るという指標である、方法。
【請求項25】
患者における乳癌の進行をモニタリングするための方法であって:
a)時間内の第一ポイント由来の患者サンプルにおけるマーカーの発現レベルを決定する工程であって、該マーカーが表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と;
b)時間内のその後の時点で該患者由来のサンプル中における該マーカーの発現のレベルを決定する工程と;
c)工程a)および工程b)において検出された発現のレベルを比較して、これによって、患者における乳癌の進行をモニタリングする工程と、を包含し、
ここで該マーカーの発現の変化が、乳癌の進行または後退のいずれかの指標である方法。
【請求項26】
前記マーカーが分泌されたタンパク質に相当する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記マーカーが転写されたポリヌクレオチドまたはその一部を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプルが、患者から得た細胞、または血液、リンパ液、嚢胞液、乳首吸引液、および腫瘤生検から収集した液体からなる群より選択される液体を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記患者が、時間内の第一のポイントと、時間内のその後のポイントとの間で腫瘍を除去するように手術を受けている、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
患者における乳癌を阻害するための試験化合物の有効性を評価する方法であって:
a)患者から得られて、試験化合物に曝露された第一のサンプル中のマーカーの発現を決定する工程であって、該マーカーが表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と、
b)該試験化合物に暴露されていない、患者から得られた第二のサンプルにおける該マーカーの発現を決定する工程と、
c)該試験化合物に暴露されたサンプルと、該試験化合物に暴露されていないサンプルにおける該マーカーの発現を比較する工程と、
を包含し、該試験化合物に対して曝露されたサンプル中のマーカーの発現のレベルが該第二のサンプルに対して有意に低いことは、該試験化合物が該患者における乳癌を阻害するために有効であることの指標である、方法。
【請求項31】
前記第一および第二のサンプルが、前記患者から得られた単独のサンプルの一部である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第一および第二のサンプルが、前記患者から得られたプールされたサンプルの一部である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
患者における乳癌を阻害するための治療の有効性を評価する方法であって:
a)該患者に対して該治療の少なくとも一部を投与する前に該患者から得られた第一のサンプル中のマーカーの発現を決定する工程であって、該マーカーが表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と;
b)該治療の一部を投与した後に該患者から得られた第二のサンプルにおける該マーカーの発現を決定する工程と;
c)該第一および第二のサンプルにおけるマーカーの発現を比較する工程と;
d)該第二のサンプルにおける該マーカーの発現のレベルが該第一のサンプルに対して有意に低い場合、該患者における乳癌を阻害するために該治療が有効であると決定する工程とを包含する、方法。
【請求項34】
患者における乳癌を阻害するための組成物を選択する方法であって:
a)該患者から癌細胞を含むサンプルを得る工程と;
b)該サンプルのアリコートを複数の試験組成物に対して別々に曝露する工程と;
c)該アリコートの各々におけるマーカーの発現を比較する工程であって、該マーカーが、表1に列挙されるマーカーおよび表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と;
d)該試験組成物のうちの少なくとも1つを選択する工程であって、その試験組成物に曝露されたアリコートにおけるマーカーの、他の試験組成物に対して低レベルの発現を誘導する試験組成物を選択する工程と;
を包含する、方法。
【請求項35】
患者における乳癌の転移を阻害するための組成物を選択する方法であって:
a)該患者から癌細胞を含むサンプルを得る工程と;
b)該サンプルのアリコートを複数の試験組成物に対して別々に曝露する工程と;
c)該アリコートの各々におけるマーカーの発現を比較する工程であって、該マーカーが、表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程と;
d)該試験組成物のうちの少なくとも1つを選択する工程であって、その試験組成物に曝露されたアリコートにおけるマーカーの、他の試験組成物に対して低レベルの発現を誘導する試験組成物を選択する工程と;
を包含する、方法。
【請求項36】
試験組成物の乳房細胞発癌能力を評価するための方法であって:
a)試験組成物の有無のもとで乳房細胞の別々のアリコートを維持する工程と;
b)該アリコートの各々において、表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーの発現を比較する工程と、を包含し;
c)該試験組成物の存在下で維持した該アリコートにおけるマーカーの発現のレベルが有意に大きいことは、該試験組成物がヒト乳房細胞発癌能力を保有するということの指標である、方法。
【請求項37】
患者が乳癌に罹患しているか否かを評価するためのキットであって、表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーの発現を評価するための試薬を備えるキット。
【請求項38】
乳癌細胞の存在を評価するためのキットであって、少なくとも1つの核酸プローブを備え、該プローブが、表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーに相当する転写されたポリヌクレオチドに特異的に結合する、キット。
【請求項39】
乳癌細胞の存在を評価するためのキットであって、少なくとも1つの抗体を備え、該抗体が、表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーに相当するタンパク質に特異的に結合する、キット。
【請求項40】
患者における乳癌を阻害するための1つ以上の試験化合物の適合性を評価するためのキットであって:
a)1つ以上の試験化合物と;
b)表1に列挙されるマーカー、および表2に列挙されるマーカーからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーの発現を評価するための試薬と;
を備えるキット。
【請求項41】
【化1】

からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項42】
【化2】

からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項43】
【化3】


からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドに選択的に結合する、抗体。
【請求項44】
配列番号77、配列番号79および配列番号89からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項45】
配列番号78のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項46】
配列番号78のアミノ酸配列を含むポリペプチドに選択的に結合する、抗体。

【公表番号】特表2007−504842(P2007−504842A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533470(P2006−533470)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/016793
【国際公開番号】WO2004/106495
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505440192)ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】