説明

乳癌の治療に使用されるアロマターゼ阻害薬による副作用の低減

本発明は、概して乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を改善するための医薬組成物、方法、及びキットを対象とする。より具体的には、本発明は、アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤を含む組成物、方法、及びキットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、次の出願、1)2005年10月19日出願のオーストラリア特許仮出願第2005905768号、2)2005年11月3日出願の米国特許仮出願第60/732,662号、及び3)2006年5月8日出願の米国特許仮出願第60/798,308号の優先権を主張する。これらの出願は、その全体で引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、乳癌を有する対象を治療するのに使用されるアロマターゼ阻害剤によってもたらされる副作用の低減に関する。詳細には、本発明は、有効量のアンドロゲン剤を投与することを含む、アロマターゼ阻害剤で既に治療されている乳癌を有する閉経後女性における副作用を低減するための組成物、方法、及びキットを提供する。さらに、本発明は、アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤を含有する医薬組成物を投与することを含む、乳癌を有する閉経後女性におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を低減するための組成物、方法、及びキットを提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
乳癌は、女性における最も一般的な非皮膚悪性腫瘍である。米国では2003年に212,600名の新たな患者が存在したと推定される。女性の少なくとも13%が、生涯のいずれかの時点で乳癌を発現すると推定され、この発生率は増大している。80%を超える乳房腫瘍が、エストロゲンによってもたらされる性ホルモン刺激に反応して増殖するので、アジュバント療法(すなわち、腫瘍の外科的除去に付加される療法)の役割は、エストロゲン受容体の活性化を遮断すること又はエストロゲン産生を遮断することを含む、この増殖刺激を遮断する薬剤を投与することである。
【0004】
1つのこのような薬剤は、タモキシフェンであった。アジュバント乳癌療法におけるその成功にもかかわらず、タモキシフェンは、好ましくない副作用を有し、その副作用は、エストロゲン受容体の刺激(子宮ガン、深部静脈血栓症)及びエストロゲン受容体の拮抗(膣乾燥、ホットフラッシュ、気分動揺)に類別され、より優れた代替物の探索につながった。より選択的なエストロゲン受容体レギュレーターは、タモキシフェンに代わることにおいてこれまで成功しておらず、ホルモン療法の最近の傾向は、生物学的に利用できるエストロゲンの濃度を低下させることである。
【0005】
もう1つのこのような薬剤は、アミノグルテチミドであった(Cash,Broughらの論文、1967年)、この薬物は、忍容性に乏しく、該薬物の使用を制約する著しい副腎抑制をもたらした。
しかし、過去15年に渡って、テストステロンをエストラジオールに変換するアロマターゼ酵素を特異的に阻害する、より特異的な阻害剤が開発されてきた。これらの化合物は、アロマターゼ阻害剤として知られている。それらは、テストステロンからエストラジオールへの変換を遮断するのに使用され、非組織特異的酵素阻害及びテストステロンからエストラジオールへの変換のほぼ完全な消失をもたらす。関連する変換経路を図1に示す。
【0006】
エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))及びレトロゾ-ル(Femara(登録商標))などのこれらアロマターゼ阻害剤の開発は、ホルモン感受性乳癌を有する患者への治療方法における大きな変化をもたらした。ランダム化臨床試験において、これらのアロマターゼ阻害剤のそれぞれは、受容体陽性の腫瘍を有する閉経後女性のアジュバント治療において効果を示した。安全性及び全生存に関する長期追跡がこれらの試験のそれぞれで継続しているが、現在入手できるデータは、いまや、アロマターゼ阻害剤を、極めて大多数の受容体陽性の閉経後患者に対するアジュバント内分泌療法の一部として含めるべきであることを示唆している。現在の戦略は、組織非特異的アロマターゼ阻害剤を用いる少なくとも5年間の全体的なエストロゲン欠乏を含む。これらのアロマターゼ阻害剤は、以前の抗エストロゲン薬の重大な腎毒性を克服し、このことが、アロマターゼ阻害剤がいまや乳癌に対して最も広範に処方されるホルモン療法になることを可能にした。
【0007】
しかし、これらのアロマターゼ阻害剤に伴う重大な問題は、それらが、好ましくないかなりの短期的又は長期的副作用をもたらすことである。これらの副作用の例には、限定はされないが、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、認知機能低下、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び/又は帯下が含まれる。
【0008】
本明細書に記載の本発明は、乳癌を治療するための他のホルモン療法と異なる。本発明は、アロマターゼ阻害剤と組み合わせたアンドロゲン補充療法の利点を提供する。
アロマターセ阻害剤(例えば、Arimidex(登録商標))及びアンドロゲン剤(例えば、テストステロン)を組み合わせて既に使用している現在の治療事情は、ボディビルディングにおけるテストステロン乱用のエストロゲン様作用、特に、女性化乳房を低減するため(Hoffmann J Raatamess Nの論文、Journal of Sports Science and Medicine、5巻、182-183頁、2006年)、T療法に関係した性機能低下男性におけるエストロゲン様副作用を低減するため(Lederらの論文、2004年、及びLederらの論文、2005年)、及び、特にテストステロン療法を受けている、女性から男性への性転換願望者におけるアンドロゲン補充療法の安全性の問題(心血管疾患)を調査するため(Bunckらの論文、2006年)である。しかし、アンドロゲン補充療法のこれら事情のいずれも、乳癌と診断された女性を治療するためではない。実際、医療専門家は、ホルモン的に活性のある乳癌を有する女性にホルモン基質を処方することに、大きなためらいがあった。アンドロゲン補充の利用は、一般に閉経後の女性では異論が多く、乳癌を経験した女性でそれを使用することは、ほとんど例外なく禁忌される。例えば、Proctor & Gamble社のイントリンサ(Intrinsa)製品に関するFDAへの申請書は、テストステロンがエストラジオールに変化し、悪性腫瘍によって増殖基質として使用される懸念のため、イントリンサパッチを使用することに対する絶対的禁忌として乳癌を挙げている(INTIMATE NM1 study Menopauseに基づくShifren JLらの論文、「自然閉経期女性における機能低下性性欲障害の治療のためのテストステロンパッチ」(Testosterone Patch for the treatment of hypoactive sexual desire disorder in naturally menopausal women))(印刷中)。
【0009】
このような薬物療法にかかわらず、従来からの理解は、腫瘍の再増殖に拍車をかけないように、アンドロゲン(例えば、テストステロン)の補充は、乳癌対象においては避けるべきであるということに留まっている。
しかし、本発明は、乳癌と診断された女性に対してアンドロゲン剤を処方しないという従来からの通念に反する。本発明は、アロマターゼ阻害剤をアンドロゲン剤で補うこと及び/又は組み合わせることによって、乳癌治療におけるアロマターゼ阻害剤の副作用を軽減するための、及び/又は効果を増強するための新規療法を提供する。
【発明の開示】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、一般には、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を改善するための医薬組成物、方法、及びキットを対象とする。
本発明の一態様は、(a)有効量のアンドロゲン剤、及び(b)有効量のアロマターゼ阻害剤を含有する、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を改善するための医薬組成物を提供する。任意選択で、該医薬組成物は、医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有できる。
【0011】
本発明の別の態様は、有効量のアンドロゲン剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物を提供する。
本発明のさらなる態様は、対象に(a)有効量のアンドロゲン剤、及び(b)有効量のアロマターゼ阻害剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する医薬組成物を投与することを含む、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための方法である。
【0012】
本発明の別の態様は、対象に有効量のアンドロゲン剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する医薬組成物を投与することを含む、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための方法である。
【0013】
本発明のさらなる態様は、有効量のアンドロゲン剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を;或いは有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する医薬を投与することを含む、アロマターゼ阻害剤療法に付随する1種以上の副作用を有する乳癌を患う対象の健康状態を改善するための方法である。
【0014】
本発明の別の態様は、アンドロゲン剤を選択することを含む、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物の製造方法を提供する。
さらに、本発明の一態様は、アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、及び説明書を含む、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するためのキットである。
【0015】
本発明の別の態様は、本発明の医薬組成物を投与することを含む、アロマターゼ阻害剤の効果を増強させる方法である。
本発明の別の態様は、本発明の医薬組成物を投与することを含む、アンドロゲン剤のバイオアベイラビリティーを増加させる方法である。
【0016】
本発明の一態様は、(a)有効量のアンドロゲン剤、及び(b)有効量の第3世代アロマターゼ阻害剤を含有する、乳癌と診断された対象におけるこのような第3世代アロマターゼ阻害剤などのアロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を改善するための医薬組成物を提供する。任意選択で、該医薬組成物は、医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有できる。
【0017】
本発明のさらなる態様は、対象に(a)有効量のアンドロゲン剤及び(b)有効量の第3世代アロマターゼ阻害剤、並びに任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する医薬組成物を投与することを含む、乳癌と診断された対象における第3世代アロマターゼ阻害剤などのアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための方法である。
【0018】
本発明のさらなる態様は、有効量のアンドロゲン剤及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を、或いは有効量のアンドロゲン剤、有効量の第3世代アロマターゼ阻害剤、及び任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する医薬を投与することを含む、第3世代アロマターゼ阻害剤などのアロマターゼ阻害剤での療法に付随する1種以上の副作用を有する乳癌を患う対象の健康状態を改善するための方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
(定義)
本明細書中で、用語は、以下で別途に定義しない限り、当技術分野で一般に使用されるように用いられる。
【0020】
「単数形(a又はan)の用語」は、1つ以上の記載された実体を指し、例えば、「アロマターゼ阻害剤(単数形)」は1種以上のアロマターゼ阻害剤を表すと解される。別の例が、「アンドロゲン剤(単数形)」であり、1種以上のアンドロゲン剤を表すと解される。別の例が、「副作用(単数形)を改善するための」であり、1種以上の副作用を改善することを含むと解される。かくして、「単数形(a又はan)の用語」、「1種以上」及び「少なくとも1」は、本明細書中で互換的に使用できる。
【0021】
本明細書中で使用される用語「約」は、その量的表現が関係している基本的機能の変化をもたらさないで随意に変化してもよい任意の量的表現を修飾するために使用できる。
「アジュバント療法」は、アジュバント、ネオアジュバント及び/又は対症療法を含むことができる。
【0022】
「アンドロゲン剤」は、アンドロゲンの活性又は合成を高める化学物質を指す。典型的には、アンドロゲン剤は、その細胞内メディエーター、アンドロゲン受容体に高親和力(pM又はnMの領域)で且つ特異的に結合して、トランス活性化活性を刺激し、それにより標的遺伝子の発現を調節するステロイドホルモンである。例は、本明細書中に示される。
【0023】
「アロマターゼ阻害剤」は、アンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であるアロマターゼの活性を遮断又は阻害する化合物又はポリペプチドをいう。例は、本明細書中に示される。
「乳癌」は、乳房の乳管又は小葉の裏側を覆う上皮細胞の悪性増殖をいう。
「コラーゲン架橋」は、ピリジノリン及びデオキシ-ピリジノリン架橋をいう。
「診断された」は、乳癌を有すると疑われる又は予想される対象を含むことを意味する。
【0024】
薬剤又は化合物の「有効量」又は「医薬としての有効量」は、本明細書中に示すように、非毒性ではあるが、所望の治療効果を提供するのに十分な薬剤又は化合物の量をいう。以下で指摘するように、必要とされる正確な量は、対象によって異なり、対象の年齢、一般的健康状態、治療されている状態の重篤度、及び投与される個々の薬剤又は化合物などによって決まる。当業者は、関連するテキスト又は文献を参照することによって及び/又は慣例的な実験を用いて、任意の個々の症例における適切な「有効量」を決定できる。
【0025】
「1種以上の副作用を改善すること」は、限定はされないが、副作用の予防、治療、反転、部分反転、低減、縮小、又は改善を含む。
「対象の健康状態を改善すること」は、限定はされないが、1種以上の副作用を改善すること及び/又はアロマターゼ阻害剤の治療効果を改善することを含む。
【0026】
「医薬として許容し得る」は、信頼できる医学的判断の範囲内で、過大な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触させるのに適している妥当な利益/リスク比と釣り合ったそれらの化合物、薬剤、材料、組成物、賦形剤、及び/又は剤形をいう。
【0027】
「閉経後の女性」は、閉経期を過ぎた高齢の女性のみならず、子宮を摘出された、又は何らかの他の理由でエストロゲン産生が抑制された女性、例えばコルチコステロイドを長期投与された、クッションズ症候群(Cushion's syndrome)を患う、又は性腺異常形成を有する女性を含むと定義される。
【0028】
「副作用」は、その投与によって利益を得ることを求めた効果とは異なる、薬物によって特に組織又は器官系に対して生じた有害効果のように、薬剤又は手段を使用して求めた結果(複数)とは異なる結果をいう。例は、本明細書中に示される。
「対象」は、本発明の組成物、方法及びキットを用いて治療できるヒト種を含む動物である。用語「対象」又は「対象(複数)」は、一方の性が具体的に指示されない限り、雄性及び雌性の双方をいうと解釈される。
【0029】
本明細書中で使用される用語「治療」又は「療法」は、防止(例えば、予防的)及び対症治療を含み、「治療すること」は、本明細書中で使用されるように、防止及び/又は対症治療を提供する行為をいう。
以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から考えて、特許を請求するような本発明の範囲から逸脱しないで本発明に対して種々の置換及び/又は変更をなし得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0030】
(医薬組成物)
(a)有効量のアンドロゲン剤、及び任意選択で(b)医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する、乳癌を有する対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物は、本発明の範囲に包含される。さらに、(a)有効量のアンドロゲン剤、(b)有効量のアロマターゼ阻害剤、及び任意選択で(c)医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する、乳癌を有する対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物は、本発明の範囲に包含される。
【0031】
本発明のアンドロゲン剤は、例えば、テストステロン、メチルテストステロン、ウンデカン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ジヒドロテストステロン、5α-ジヒドロテストステロン、或いは代わりにアンドロステンジオール、アンドロステンジオール-3-アセテート、アンドロステンジオール-17-アセテート、アンドロステンジオール-3,17-ジアセテート、アンドロステンジオール-17-ベンゾエート、アンドロステンジオール-3-アセテート-17-ベンゾエート、アンドロステンジオン、アドレノステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、オキシメトロン、フルオキシメステロン、メタンドロステノロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α-メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、ダナゾール、オキシメトロン、アンドロステロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサアンドロロン、ボラステロン、メステロロン、シピオン酸テストステロン、フェニル酢酸テストステロン、エナント酸テストステロン、酢酸テストステロン、テストステロンブシクラート(testosterone buciclate)、ヘプタン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、カプリン酸テストステロン、イソカプリン酸テストステロン、並びに上記化合物の任意の異性体、代謝産物、誘導体及び前駆体、並びにこれらの組合せからなる群から選択できる。テストステロンの医薬として許容し得るエステルに加えて、ジヒドロテストステロンのエステルは、限定はされないが、エナント酸エステル、プロピオン酸エステル、シピオン酸エステル、フェニル酢酸エステル、酢酸エステル、イソ酪酸エステル、ブシクラート(buciclate)、ヘプタン酸エステル、デカン酸エステル、ウンデカン酸エステル、カプリン酸エステル及びイソカプリン酸エステルが含まれる。上記のエステルは、商業的に入手可能であるか、或いは当業者に公知の又は関連文献に記載の技術を使用して容易に調製できる。
【0032】
上記のアンドロゲン剤は、天然に存在するアンドロゲン、合成アンドロゲン、これらの代謝産物、前駆体、及び誘導体からなる群から選択される。該薬剤を、当面の投与単位中に組み込み、かくして、医薬として許容し得る誘導体、代謝産物、前駆体、類似体、エステル、塩、又はアミドの形態で投与することができ、或いは、該薬剤を、1種以上の適切な官能基を追加することによって修飾し、粘膜組織を経由する浸透性などの選択された生物学的特性を高めることができる。一般に、アンドロゲン剤に関しては、塩又はその他の誘導体に比べてエステルが好ましい。
【0033】
前項で注目したようなエステルの調製は、製薬化学及び薬物送達に関わる当業者が認識するように、存在するであろうヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基の官能化を必要とする。例えば、テストステロンのエステルを調製するには、一般に、テストステロン分子の17-ヒドロキシル基を、エステル化の条件下で適切な有機酸と反応させる。このようなエステル化の条件は、典型的には、硫酸、塩酸などの強酸の使用、及び還流下で反応が進行するのを可能にするのに十分な温度を必要とする。所望なら、通常の水素化分解又は加水分解法を利用してエステルを遊離の酸に再変換できる。
【0034】
好ましくは、本発明のアンドロゲン剤は、テストステロン、メチルテストステロン、ウンデカン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、又はデヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、或いはこれらの代謝前駆体、代謝産物、又は誘導体である。より好ましくは、本発明のアンドロゲン剤は、テストステロン、メチルテストステロン、ウンデカン酸テストステロン、又はプロピオン酸テストステロン、或いはこれらの代謝前駆体、代謝産物又は誘導体である。最も好ましくは、アンドロゲン剤は、ウンデカン酸テストステロン、天然アンドロゲンであるテストステロンの脂肪酸エステルである経口で活性のあるテストステロン調合物の形態で提供される。他の経口テストステロン調合物と異なり、ウンデカン酸テストステロンは、リンパ系を経由して肝臓を迂回することができ、それゆえ、経口で生物学的に利用できる。
【0035】
さらに、テストステロンは、消化管から吸収されるにつれて肝臓中で80%〜90%が分解されるので、経口で送達することが困難である。かくして、代わりの送達機構が探求され、例えば、前述したProcter & Gamble社のテストステロンパッチ(Intrinsa(登録商標))は、加齢に伴うテストステロン濃度の進行性低下による閉経後女性における、及び卵巣を取り去った女性における性欲を向上させるのに使用される。
【0036】
アンドロゲン剤の有効量は、各アンドロゲン剤の中で異なってよい、例えば、テストステロンの1日当たりの有効量は異なってよい。一実施態様において、テストステロンの有効量は、約2〜約80mg、約5〜約75mg、約10〜約70mg、約20〜約60mg、約30〜約50mg、及び約35〜約45mgでよい。別の実施態様において、好ましい量は約20mgである。一実施態様において、好ましい量は約40mgである。一実施態様において、好ましい量は約50mgである。
【0037】
メチルテストステロンの1日当たりの有効量は、異なってよい。一実施態様において、メチルテストステロンの有効量は、約0.1mg〜約10mg、約0.5mg〜約9mg、約1mg〜約9mg、約2mg〜約8mg、約3mg〜約7mg、及び約4mg〜約5mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約0.5mgである。別の実施態様において、好ましい量は約1.25mgである。一実施態様において、好ましい量は約2.5mgである。
【0038】
ウンデカン酸テストステロンの1日当たりの有効量は、異なってよい。いくつかの実施態様において、ウンデカン酸テストステロンの有効量は、約10〜約120mg、約20〜約110mg、約30〜約100mg、約40〜約90mg、約50〜約80mg、約60〜約70mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約20mgである。別の実施態様において、好ましい量は約40mgである。一実施態様において、好ましい量は約80mgである。
【0039】
プロピオン酸テストステロンの1日当たりの有効量は、異なってよい。いくつかの実施態様において、プロピオン酸テストステロンの有効量は、約10〜約120mg、約20〜約110mg、約30〜約100mg、約40〜約90mg、約50〜約80mg、約60〜約70mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約20mgである。別の実施態様において、好ましい量は約40mgである。一実施態様において、好ましい量は約80mgである。
アロマターゼ阻害剤と合わせて使用されるアンドロゲン剤の有効量は、アロマターゼ阻害剤によって性ホルモン結合グロブリンの低レベルがもたらされる可能性があるので、標準的用量に比べて比較的低い。
【0040】
性ホルモン結合グロブリンは、アンドロゲン剤(例えば、テストステロン)に結合し、それを体の方々に輸送する。その産生は、いくつかの機構で調節されるが、そのレベルの最も重要なエフェクターの1つは、血清中のエストロゲン量であり、エストロゲンが多ければ多いほど、性ホルモン結合グロブリンが多く、且つ遊離アンドロゲン剤は少ない。逆に、エストロゲンが少なければ少ないほど、性ホルモン結合グロブリンが少なく、且つ遊離アンドロゲン剤は多く、アンドロゲン剤がより高いバイオアベイラビリティーを有することを意味している。かくして、閉経期後にエストロゲンのレベルが下がるにつれて、性ホルモン結合グロブリンのレベルが下がり、且つテストステロンなどの遊離アンドロゲン剤が増加する。この遊離アンドロゲン剤は、アンドロゲン受容体が体の全細胞中で発現されるので、多様な機能を有する。
【0041】
いくつかの事例では、前記範囲の下限に満たない投与量レベルが妥当な量を超える可能性もあり、一方、他の事例では、前記範囲の上限を超えるさらに大きな用量を、いかなる有害な副作用をも引き起こすことなく採用できる。
本発明のアロマターゼ阻害剤は、例えば、ステロイド性又は非ステロイド性のアロマターゼ阻害剤、及び/又はその異性体からなる群から選択できる。今まで開発されたステロイド性アロマターゼ阻害剤は、基本的なアンドロステンジオン核に基づき、該ステロイド上の様々な位置に化学置換基を含んでいる。ステロイド性アロマターゼ阻害剤の例には、限定はされないが、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))及びフォルメスタンが含まれる。さらなる例には、基質を模倣し、酵素によって反応性中間体に変換され、アロマターゼの失活をもたらす機構をベースにしたステロイド性アロマターゼ阻害剤が含まれる。好ましくは、本発明のアロマターゼ阻害剤は、エキセメスタンである。
【0042】
非ステロイド性アロマターゼ阻害剤は、3つの部類、すなわち、アミノグルテチミド様分子、イミダゾール/トリアゾール誘導体、及びフラボノイド類似体に類別できる。非ステロイド性アロマターゼ阻害剤の例には、限定はされないが、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ボロゾール及びファドロゾールが含まれる。好ましくは、本発明のアロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール又はレトロゾールである。
【0043】
アロマターゼ阻害剤には、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、及びレトロゾール(Femara(登録商標))などの第3世代アロマターゼ阻害剤が含まれることが多い。これらの第3世代アロマターゼ阻害剤は、ホルモン感受性性乳癌を有する患者に対する治療法に大きな変化をもたらした。このようなアロマターゼ阻害剤は、それらが、血清中のエストロゲンを実質的に除去する点で非常に特異的であり、それによって、性ホルモン結合グロブリンを低下させ、本発明の実施態様における相乗作用の達成を可能にする。
【0044】
アロマターゼ阻害剤の有効量は、各アロマターゼ阻害剤の間で異なってよい。例えば、Aromasin(登録商標)の1日当たりの有効量は異なってよい。いくつかの実施態様において、有効量は、約5〜約100mg、約10〜約80mg、約20〜約70mg、約30〜約60mg、及び約40〜約50mgでよい。また、いくつかの実施態様において、有効量は、約25〜約100mg、及び約35〜約100mgでよい。さらに、いくつかの実施態様において、有効量は、約25〜約150mg、約50〜約150mg、及び約80〜約150mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約25mgである。
【0045】
Arimidex(登録商標)の1日当たりの有効量は、異なってよい。いくつかの実施態様において、Arimidex(登録商標)の有効量は、約0.1〜約5mg、約0.5〜約4mg、約1〜約3mg、及び約1.5〜約2.5mgでよい。また、いくつかの実施態様において、有効量は、約1mg〜約5mg、及び約1.5mg〜約5mgでよい。さらに、いくつかの実施態様において、有効量は、約1mg〜約7.5mg、約1mg〜約10mg、及び約1mg〜約20mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約1mgである。
【0046】
Femara(登録商標)の1日当たりの有効量は、異なってよい。いくつかの実施態様において、有効量は、約1〜約5mg、約1.5〜約4mg、約2〜約3.5mg、及び約2.5〜約3mgでよい。また、いくつかの実施態様において、有効量は、約2.5mg〜約5mg、及び約3.5mg〜約5mgでよい。さらに、いくつかの実施態様において、有効量は、約2.5mg〜約7.5mg、約2.5mg〜約10mg、及び約2.5mg〜約20mgでよい。一実施態様において、好ましい量は約2.5mgである。
【0047】
いくつかの事例では、前記範囲の下限に満たない投与量レベルが妥当な量を超える可能性もあり、一方、他の事例では、前記範囲の上限を超えるさらに大きな用量を、いかなる有害な副作用をも引き起こさないで採用できる。例えば、後で説明するように、上限を超えるアロマターゼ阻害剤の投与量を使用して、テストステロン又はジヒドロセストステロンなどのアンドロゲン剤のバイオアベイラビリティーを改善できる。
【0048】
テストステロンは、腸内でアロマターゼ及び他の代謝経路によってほぼ85%が分解され不活性なテストステロン及びジヒドロテストステロンなどの副産物になるため、本来的にはあまり吸収されない。しかし、テストステロンと組み合わせたアロマターゼ阻害剤の投与は、吸収の増加、及びそれに続いてより大きなバイオアベイラビリティーをもたらす。
【0049】
本発明の一実施態様において、テストステロンと組み合わせたアロマターゼ阻害剤の投与は、テストステロンのバイオアベイラビリティーに関して、約10%〜約50%、約20%〜約40%、及び約25%〜約35%の改善をもたらす。バイオアベイラビリティーの好ましい増加量は、約15%を超え、約25%を超え、約30%を超え、又は約35%を超える。
【0050】
本発明の別の実施態様において、テストステロンと組み合わせたアロマターゼ阻害剤の投与は、ジヒドロテストステロンのバイオアベイラビリティーに関して、約25%〜約75%、約35%〜約65%、及び約45%〜約55%の改善をもたらす。ジヒドロテストステロンのバイオアベイラビリティーの好ましい増加量は、約25%を超え、約35%を超え、約45%を超え、又は約55%を超える。
【0051】
本発明の実施態様には、アンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤を含有する医薬組成物が含まれる。好ましい実施態様は、テストステロンを含有する医薬組成物である。具体的な実施態様は、ウンデカン酸テストステロンからなる。さらなる実施態様は、約40mgのウンデカン酸テストステロンからなる。
【0052】
本発明の別な実施態様には、アンドロゲン剤、及びエキセメスタン、フォルメスタン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、又はファドロゾールからなる群から選択されるアロマターゼ阻害剤を含有する医薬組成物が含まれる。好ましい実施態様は、アナストロゾールからなる。具体的な実施態様は、1mgのアナストロゾールからなる。
【0053】
本発明によって教示される具体的な実施態様は、ウンデカン酸テストステロン及びアナストロゾールを含有する医薬組成物からなる。より具体的には、この実施態様は、約40mgのウンデカン酸テストステロン及び約1mgのアナストロゾールを含む。
本発明の代わりの実施態様には、アンドロゲン剤を含有する医薬組成物が含まれる。
【0054】
本発明の代わりの実施態様には、例えば、エステル結合を介してアロマターゼ阻害剤に連結したアンドロゲン剤を含有する医薬組成物が含まれる。
本発明のもう1つの代わりの実施態様には、アンドロゲン剤/アロマターゼ阻害剤複合体を含有し、該複合体が当技術分野で公知の方法によって創られる医薬組成物が含まれる。
【0055】
(本発明の医薬組成物の投与方法)
乳癌を有する対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための本発明の医薬組成物を投与する方法も、本発明の範囲に包含される。
本発明の医薬組成物は、所望の結果と適合する任意の経路で投与できる。したがって、投与経路には、経口(例えば、経口摂取又は吸入)、腹腔内、皮内、経皮、経粘膜、皮下、舌下、静脈内、動脈内、腔内、頭蓋内、筋内、非経口又は局所が含まれる。好ましくは、アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤は、経口又は経皮で投与される。
【0056】
医薬として許容し得る薬剤は、単独で、或いは医薬として許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて投与され、このような投与は、単回又は複数回投与で実施される。より詳細には、本発明の治療薬は、広範な種類の異なる剤形で投与することができる。すなわち、それらの治療薬を、医薬として許容し得る種々の不活性な担体又は賦形剤と、錠剤、カプセル、エマルジョン、ロゼンジ、トローチ、硬質キャンディー、棒付きキャンディー、粉末、スプレー、クリーム、膏薬、坐剤、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射液、エリキシル、注射デポ剤、インプラント、マイクロカプセル化送達システム、オイルをベースにした懸濁液などの形態で組み合わせることができる。
【0057】
例えば、アンドロゲン剤を、前記の経路及び剤形によって投与できる。一実施態様では、テストステロンエステルを注射できる。これらには、ゴマ油中に懸濁されるエナント酸テストステロン(Delatestryl)、綿実油に懸濁されるシピオン酸テストステロン(Depo-Testosterone)、プロピオン酸テストステロン(Testovis;Virormone)、フェニルプロピオン酸テストステロン(Testolent)、並びにプロピオン酸テストステロン、フェニルプロピオン酸テストステロン、イソカプロン酸テストステロン、及びデカン酸テストステロンを含む4種のテストステロンエステルのブレンド(Sustanon;Omnadren)が含まれる。
【0058】
別の実施態様において、テストステロンは、水性懸濁液として注射できる(Aquaviron)。
別の実施態様において、テストステロンは、経皮パッチを介して投与できる(Androderm;Testoderm TTS)。
別の実施態様において、テストステロンは、ゲルで投与できる(Androgel;Testim)。
【0059】
別の実施態様において、メチルテストステロンは、経口、例えば錠剤で投与できる(Metesto、Methitest、Testred、Oreton Methyl、及びAndroid)。
別の実施態様において、ウンデカン酸テストステロンは、経口、例えば錠剤で投与できる(Androxon、Understor、Restandol、及びRestinsol)。
一実施態様において、テストステロンは、経頬で投与できる(Striant)。
一実施態様において、テストステロンは、皮下、例えばペレットで投与できる(Testopel)。
【0060】
本発明のアロマターゼ阻害剤をアンドロゲン剤と組み合わせて含有する即用医薬配合物は、双方の物質を含む単一の医薬投与製剤を投与すること、及びその各々別個の医薬投与製剤中の各薬剤を投与することを包含する。
患者のコンプライアンスは、医学治療で良好な結果を得ることの1つの要因である。不十分な応諾性の原因としては、限定はされないが、複雑な投与計画、針のような魅力のない及び/又は痛い処方、及び応諾する際の物理的困難性を挙げることができる。したがって、患者に対して2種さらにはそれ以上の異なる剤形を投与することは、最善の結果を達成するのに好都合でないか、又は十分でない。アンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤を単一剤形中に配合して含有する本発明の医薬組成物は、患者のコンプライアンスの改善を提供できる。
【0061】
別々の投与製剤を使用する場合には、アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤を、本質的には同じ時刻に、すなわち同時に、又は別々にずらした時刻に、すなわち逐次的に投与できる。本発明の医薬組成物はこれらのすべての投与計画を包含すると解される。これらの投与計画のいずれかを使用する前記の任意経路による医薬組成物の投与は、アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤の有益な薬学的効果が患者によって実現される限り、本発明に適している。アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤は、1日1回の投与スケジュールで同時に投与されることが好ましいが、1日1回のアロマターゼ阻害剤と1日1回、2回又はそれ以上のアンドロゲン剤、或いは1日1回のアンドロゲン剤と1日1回、2回又はそれ以上のアロマターゼ阻害剤などの様々な投与スケジュールも、本発明に包含される。アロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン剤の双方を含む単回経口投与製剤が好ましい。単回投与製剤は、対象に便益を提供する。
【0062】
本発明による医薬組成物を利用する適切な投与計画、投与される各用量、及び化合物の投与間隔は、個々のアロマターゼ阻害剤及び組み合わせて使用されるアンドロゲン剤、使用される医薬製剤のタイプ、治療される生理学的条件のタイプ、治療される対象の特性(例えば、種、年齢、体重、性別、医学的条件、給餌/絶食)、投与経路、及び治療される障害の重篤度などの各種要因によって決まる。通常の技術を有する医師又は獣医師は、具体的な生理学的条件を予防又は治療するための医薬組成物の有効量を容易に判断し、処方することができる。
【0063】
このような組成物は、1日1回の投与で投与することができ、或いは1日の総投与量を1日数回に分割された用量で投与できる、さらに、医薬組成物は、単回投与で又はある時間にわたって投与できる。さらに、医薬組成物は、連続的に又は間欠的に投与できる。1日の投与量は、広い範囲に渡って変更することができ、アンドロゲン剤及び/又はアロマターゼ阻害剤から選択される活性化合物の量がその所望する効果をもたらすのに十分であるような量であればよい。
【0064】
本発明の医薬組成物は、乳癌と診断された対象、好ましくは閉経期前後又は閉経後の女性に投与される。
本発明の医薬組成物を投与する場合の治療継続期間は、約3ヶ月〜約10年、約4ヶ月〜約5年、及び約6ヶ月〜約4年の間で変えることができる。好ましい治療継続期間は、約6ヶ月である。別の好ましい治療期間は、約5年である。
【0065】
投与する組成物又は製剤は、本発明の化合物又はその医薬として許容し得る塩の量を、治療される対象の疾患/健康状態を治療するのに有効な量で含有する。併用療法では、2種の異なる化合物を一緒に使用するので、化合物のそれぞれの効果、及びそれらを一緒に組み合わせることによって達成される相互作用効果をも考慮に入れなければならない。これらの因子を考慮することは、副作用を改善するのに必要とされる治療上有効な又は予防上有効な投与量を決定する目的に関して、通常の技術を有する臨床医の理解の範囲に十分包含される。
【0066】
対象への医薬組成物の投与には、自己投与及び他者(例えば、医師、ヘルスケア職員、友人)による対象への投与の双方が含まれる。
本発明の実施態様には、対象に経口又は経皮で前述のような医薬組成物を投与することを含む、乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善する方法が含まれる。具体的な実施態様には、固体の経口剤形(例えば、錠剤)を1日1回投与する方法が含まれる。
【0067】
本発明の別の実施態様には、既に化学療法を受けた乳癌を有する対象に前記の医薬組成物をアジュバント、ネオアジュバント又は対症療法として投与する方法が含まれる。
本発明のさらなる実施態様には、明細書中に記載の医薬組成物を投与することを含む、乳癌と診断された対象におけるアンドロゲン剤の吸収速度を増大させる方法が含まれる。本発明の具体的な実施態様には、アロマターゼ阻害剤によって小腸粘膜、粘膜下組織、微細血管、リンパ管及び肝臓中でエストロゲンへの変換が遮断されるなら、経口でのテストステロンの吸収速度を増大させることが含まれる。アロマターゼは、小腸及び肝臓中の主な酵素なので、有効性の高い特定のアロマターゼ阻害剤は、経口摂取でのテストステロン代謝を低下させるであろう。
【0068】
(アロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用の測定)
アロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用の測定方法は、本発明の範囲に包含される。
ステロイド性及び非ステロイド性アロマターゼ阻害剤は、双方とも、乳癌の治療で臨床効果を示した。最近、米国腫瘍学会(the American Society of Oncology)は、ホルモン感受性早期乳癌を有するすべての閉経後女性におけるアジュバント療法としてアロマターゼ阻害剤を使用することを推奨している。このことは、5〜10年間の総エストロゲン欠乏によってもたらされた副作用の管理に伴う重要な問題を提起している。現在、ホルモンアジュバント療法の継続期間は、5年である。しかし、エストロゲン欠乏のより長い継続期間を生じさせる可能性のあるこの概念は、異議を申し立てられている(Baum、2005年)。アロマターゼ阻害剤の副作用のほとんどは、特定組織におけるエストロゲン欠乏に帰すことができるが、類別するのが困難なものもある。一例が、性欲減退であり、それは、いくつかの相乗的病因を有するが、TAMの使用よりもAlにおいて有意により高いと思われる(Fallowfield、Cellaらの論文、2004年)。しかし、関節痛及び骨粗鬆症などの筋骨格の副作用は、これらの組織でのエストロゲン欠乏の直接的結果であることにほとんど疑いがなく、アロマターゼ阻害剤の使用者で頻繁に発生する(Ingle、2005年)。アロマターゼ阻害剤療法中の骨折は、60%ほどまで増加する可能性があり、これは、多分、増加した(20%まで)骨代謝回転、及び加速された骨損失の結果である(Eastell及びHannon、2005年)。アロマターゼ阻害剤の長期副作用は、知られていないが、特に認知の領域で懸念があり(Jenkins、Shilling、2003年)、エストロゲンは、特に重要であることが知られている(Sherwin,2003年中で概説されている)。ホルモンレベルが、認知機能にとって決定的に重要である可能性がある閉経期前後の期間に臨界期が存在すると思われる(Sherwin、2003年)。
【0069】
アロマターゼ阻害剤と同時に組み合わせた、又はアロマターゼ阻害剤の投与に続く、アンドロゲン剤の投与は、ホットフラッシュ、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、全身性疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、認知機能低下、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、異脂肪血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び/又は帯下などの、アロマターゼ阻害剤の投与に付随する1種以上の副作用を改善するのに役立つ。好ましくは、アロマターゼ阻害剤と同時に組み合わせた、又はアロマターゼ阻害剤の投与に続く、アンドロゲン剤の投与は、ホットフラッシュ、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、寝汗、全身性疼痛、関節炎、関節痛、疼痛、認知機能低下、及び関節症などの、アロマターゼ阻害剤の投与に付随する1種以上の副作用を改善するのに役立つ。
【0070】
本発明の一実施態様には、骨再吸収に関するマーカー類の血清中、尿中、及び/又は便中レベルを測定することが含まれる。骨再吸収のこのようなマーカーには、限定はされないが、カルボキシ末端コラーゲン架橋(ピリジノリン、デオキシピリジノリン)N-テロペプチド、ヒドロキシプロリン、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ、及びガラクトシルヒドロキシリシンが含まれる。また、オステオカルシンなどの骨形成に関するマーカーも測定できる。骨再吸収/骨形成のもう1つの測定は、カルシウム又はリンイオンの合計排泄量(便及び尿)と食餌性摂取の差を測定することによって判定されるカルシウム及びリンのバランス(正及び負)の変化である(これらのバランスは、合計排泄量が食餌性摂取よりも少ない場合に正である)。好ましくは、カルボキシル末端架橋の血清中濃度を測定する。
【0071】
本発明の別の実施態様は、エステロゲン欠乏によってもたらされる生活の質(クオリティオブライフ)を測定することが含まれる。乳癌を有する女性で使用するための内分泌療法がある。効果、毒性及び総合的な一般的健康状態及び健康感を判定する目的で、種々の薬物を比較するアジュバント療法のいくつかの臨床試験が、進行中であり、最近報告されている。今まで、包括的な主観的データの組織的収集を含む刊行物はほとんどなく、したがって、ホルモン療法が女性の生活の質に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。いくつかの内分泌療法の副作用は、ヘルスケア専門家の見解を患者のそれと比較した場合、専門家によって過小に評価されている可能性がある。しかし、種々の治療の副作用、及びそれらの治療が生活の質(QOL)に与える可能性のある影響は、情報に基づく疾患管理についての選択を行う予定の場合にはいつでも、判定されなければならない。例えば、特に、このような治療が疾患再発の予防に関する利益がいまだ未知である場合には、閉経期の症状は、若干の女性にとって、アジュバント療法に代金を支払うことはあまりにも高い代価である場合がある。さらに、生活の質の評価がなければ、乳癌の治療及びその再発の予防に関して最も効果的であることが見出された治療に、どんな支持性及び寛解性介入治療を付随させることを求められる可能性があるかを知ることが困難である。QOL及び症状の発生率について予想し得る治療群間の差異の大きさは、生存の差異よりも多分大きいであろう。
【0072】
ホルモン治療(及び本明細書に開示の発明)が人々の活動及び健康感の様々な態様に及ぼす影響を評価するのに使用できる、生活の質の測定道具又は評価法がいくつか存在する。本明細書に開示の本発明に付随する副作用を測定又は評価する他の手段も、利用可能であり、当業者に公知であり、適切なら使用できる。
【0073】
FACT-B(その全体で引用されるBrady,MJらの論文、Journal of Clinical Oncology、15巻(3号)、1997年3月、974〜986頁)と呼ばれる十分に確認されたQOL尺度に付加するための内分泌サブスケール(FACT-ES)を、内分泌関連症状をもたらしそうな薬物を使用する試験で使用するために特別に開発した。その全体で本明細書に引用される、Fallowfield,LJらの論文、Breast Cancer Research and Treatment、55巻(2号)、1999年、189〜199頁を参照されたい。また、FACT-ESは、内分泌療法で治療されている乳癌を有する女性の生活の質を測定するために設計された確認済みの質問表である。それは、FACT-B質問表+追加的内分泌サブスケールからなる。FACT-B(乳房)は、癌患者用FACT-G(一般)QOLツール+乳癌サブスケールからなる。FACT-ESは、乳癌に関して内分泌療法を受けている患者のQOLを測定するために開発された。この道具(FACT-ES)は、したがって、この試験において患者のQOL変化に敏感でなければならない。FACT-B(バージョン4)は、5つの領域、すなわち、身体的健康感、社会的健康感、感情的健康感、機能的健康感、及び乳癌関連項目を測定する多次元の自己申告質問表である。それは、優れた心理測定特性を有し、群間を十分識別し、変化に対して敏感である。それは、比較的簡単且つ短時間で完了し、多くの様々な言語に翻訳されており、米国及びヨーロッパでは多数の乳癌試験で使用されている。このサブプロトコールは、承諾しているすべての患者のQOLを、この期間に渡って及び研究期間内に起こるに違いない再発時に評価する。
【0074】
本発明の別の好ましい実施態様は、米国リウマチ学会の評点システムに基づく視覚的数値評点(VNS)を使用して関節痛を測定することを含む。ウェスターンオンタリオ及びマックマスター大学(WOMAC)骨関節炎指数(商標)は、それぞれ疼痛、関節のこわばり及び身体機能に関連している3つのVASからなる。次いで、これはWOMAC(商標)骨関節炎指数複合評点を与える(その全体で引用により本明細書に組み込まれるBellamy N.の論文、J Rheum 15巻、1833〜1840頁、1988年を参照されたい)。
【0075】
本発明の別の実施態様は、処理速度、作業記憶、視覚記憶、及び言語記憶を含め、認知機能を測定することを含む。乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用の改善は、次のFallowfield評価によって測定できる(引用によりその全体で本明細書に組み込まれる、Jenkins V.の論文、Psychooncology 13巻、61〜66頁、2004年を参照されたい)。
【0076】
本発明のさらなる実施態様は、限定はされないが、コレステロール、HDL、及びLDLを含め、血清中脂質を測定することを含む。
【0077】
(本発明の医薬組成物の製造)
本発明の医薬組成物の製造方法、及びその製造された任意の製造物品は、本発明の範囲に包含される。
錠剤は、直接圧縮によって、湿式造粒によって、又は乾式造粒によって調製される。それらの製剤は、化合物に加えて、通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤、及び崩壊剤を組み込む。典型的な希釈剤には、例えば、種々のタイプのデンプン、乳糖、マンニトール、カオリン、リン酸又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、及び粉末糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤の結合剤は、デンプン、ゼラチン、及び糖(乳糖、果糖、ブドウ糖など)などの物質である。天然及び合成のガムも好都合であり、アラビアガム、アルギン酸塩、メチルセルロースポリビニルピロリジンなどが含まれる。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスも、結合剤として役立つ。滑沢剤は、金型中で錠剤及びパンチが固着するのを防ぐために、錠剤の製剤において必須である場合がある。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びカルシウム、ステアリン酸、及び水素化植物油のように滑りやすい固体から選択される。錠剤の崩壊剤は、湿らせた場合に膨張して錠剤をばらばらにして化合物を放出させる物質である。それらには、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、及びガム類が含まれる。より詳細には、例えば、トウモロコシ及びジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、ウッドセルロース、粉末天然海綿、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、及びカルボキシメチルセルロース、並びにラウリル硫酸ナトリウムを使用できる。また、限定はされないが、Ac-Di-Sol(登録商標)(クロスカルメロースセルロースナトリウム)、Explotab(登録商標)(デンプングリコール酸ナトリウム)、VivaStar(登録商標)(デンプングリコール酸ナトリウム)、及びポリプラスドン崩壊剤を含むスーパー崩壊剤を使用できる。
【0078】
錠剤は、着香料又は封止剤としての糖類で被覆されることが多い。化合物を、今日十分に確立された常套手段のように、製剤中でマンニトールなどの大量の好ましい風味物質を使用することによって、チュアブル錠剤としても製剤できる。患者が剤形を消費することを確実にし、且つ若干の患者を困らせる固形物の嚥下における困難を回避するために、今日では即時溶解性錠剤様製剤を使用することも多い。錠剤の大きさ及び形状は、当技術分野で公知の標準的な寸法及び形状に従って変更できる。
【0079】
カプセルは、化合物を適切な希釈剤と混合すること、及び該混合物の適切な量をカプセルに充填することによって調製される。通常の希釈剤には、多くの異なる種類のデンプン;粉末セルロース、特に結晶性及び微結晶性セルロース;果糖、マンニトール及び蔗糖などの糖類;穀物粉及び類似の可食性粉末などの不活性粉末性物質が含まれる。カプセルの大きさ及び形状は、当技術分野で公知の寸法及び形状に従って変更できる。
【0080】
さらに、カプセルは、液体で充填されても、或いは非液体で充填されてもよい。カプセルは、硬質又は軟質カプセルでよい。さらに、それは、ゼラチンカプセル、デンプンカプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、又はセルロースカプセルであってもよい。カプセルに限定はされないが、このような剤形を、例えば、封止コーティング、腸溶コーティング、長期放出コーティング、又は標的化遅延放出コーティングでさらに被覆することができる。さらに、本発明の液体充填カプセルは、エマルジョンでよく、且つ/又はテストステロンなどの貧溶性化合物に対する担体としてトコフェロールを含むことができる。
【0081】
一実施態様において、本発明は、水不溶性、貧水溶性治療薬剤、より低水溶性であるように修飾された水溶性薬剤、又はこれらの混合物を含有するエマルジョンの疎水性分散相としてのトコフェロールの使用を対象とする。好ましい実施態様において、α-トコフェロールが採用される。α-トコフェロールは、腸細胞によってリンパ管中に分泌され、他の形態のビタミンEに類似の方法で処理される。ビタミンEとも呼ばれるα-トコフェロールは、典型的な脂質油ではない。それは、ほとんどの脂質油、特にトリグリセリドよりも大きな極性を有し、鹸化できない。それは、事実上、水に溶解しない。
【0082】
代わりの実施態様において、本発明は、所望であれば、水不溶性薬物(或いは、貧水溶性、又はより低水溶性であるように修飾された水溶性薬剤或いはそれらの混合物)の経口投与に使用される予定の自己乳化系形態のα-トコフェロールエマルジョンである。この実施態様において、界面活性剤及び薬物又は薬物混合物を含む油相は、軟質又は硬質ゼラチンカプセル中に封入される。高分子量ポリエチレングリコール(MW>1000)、及びGelucire(Gattefose社、Saint Priest、フランス)の商品名で入手できるようなグリセリドなどの、40〜60℃の範囲の融点を有する適切な固化剤を添加して、硬質ゼラチンカプセル中への高温での製剤の充填を可能にする。半固体製剤は、室温との平衡で形成される。胃及び十二指腸中でのゼラチンの溶解により、オイルが放出され、約1〜約15ミクロン、約2〜約10ミクロン、又は約2〜約5ミクロンの平均液滴直径を有する微細エマルジョンを自発的に形成する。次いで、エマルジョンは、腸の微絨毛によって捕捉され、血流中に放出される。
【0083】
代わりの実施態様において、本発明は、トコフェロール、好ましくはα-トコフェロールを含有するマイクロエマルジョンを含む。マイクロエマルジョンは、エマルジョン懸濁液が実質的に澄明であり、且つその中に分散されたオイル/薬物の微小凝集体の極端に小さな粒径のおかげて無限に安定である、エマルジョンのサブクラスをいう。
【0084】
本発明の別の実施態様では、PEG化ビタミンE(TPGSと略記されるα-トコフェリルポリエチレングリコールサクシネート)が、ビタミンEのエマルジョン中の主たる界面活性剤として使用される。TPGSは、ビタミンEのエマルジョン中の主たる界面活性剤、安定剤として、さらには補助溶媒として利用される。TPGSは、d-α-トコフェリルサクシネートの水溶性誘導体である。それは、特定の水不溶性薬物(例えばHIVプロテアーゼ阻害剤アンプレナビル)、及びビタミンDなどの脂溶性ビタミンのための吸収及びバイオアベイラビリティー増強剤としても使用される。TPGSは、その両親媒性(親水性の及び脂肪親和性の末端の双方を有する)のため、それ自体でミセルを形成し、そのためミセルを形成するのに胆汁塩を必要としない。このことが、TPGSを、腸内への胆汁塩の分泌に問題を有する者(例えば、慢性小児胆汁鬱帯を有する者)のための優れたα-トコフェロール物質にする。
【0085】
TPGSは、脂肪親和性薬物と一緒に製剤されると、脂肪親和性薬物の吸収を増強できる。この理由のため、HIVプロテアーゼ阻害剤アンプレナビルは、TPGSを用いて製剤される。さらに、TPGSと一緒に共投与した場合の、いくつかの薬物における経口バイオアベイラビリティーの増強は、部分的には、腸中でのP-糖タンパク質の阻害のためである可能性がある。P-糖タンパク質は、多剤耐性輸送体であり、多剤耐性の仲介に関与する。
【0086】
さらに、ポリエチレングリコール(PEG)は、また、本発明のエマルジョンにおける共溶媒として有用である。ポリエチレングリコール200、300、400又はこれらの混合物が特に使用される。
本発明のエマルジョン中のα-トコフェロール濃度は、約1〜約10%w/v、約2〜約5%w/v、又は約3〜約4%w/vでよい。α-トコフェロールとTPGSとの比率は、最適には、約1:1〜約10:1(w/w)、約1:1〜約5:1(w/w)、又は約1:1〜約15:1(w/w)である。
【0087】
本発明のエマルジョンは、さらに、6-パルミチン酸アスコルビル、ステアリルアミン、PEG化リン脂質、蔗糖脂肪酸エステル、及びニコチン酸Q-トコフェロール、リン酸トコフェロールを含む各種のビタミンE誘導体などの界面活性剤;及びポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレングリコール非イオン性ブロックコポリマーなどの非イオン性合成界面活性剤混合物を含むことができる。
【0088】
本発明のエマルジョンは、水性媒体を含むことができる。水相は、一般に、約300mOsmの浸透圧を有し、塩化ナトリウム、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アルブミン、ポリペプ(polypep)、及びこれらの混合物を含むことができる。浸透圧は、また、約100〜約500mOsm、及び約200〜約400mOsmの範囲でよい。この媒体は、エマルジョンを安定化するのを、又は製剤に生体適合性を付与するのを助けるために各種の添加剤を含むこともできる。許容し得る添加剤には、酸性化剤、アルカリ化剤、抗微生物保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、懸濁及び/又は粘度増強剤、並びに張度剤が含まれる。好ましくは、pH、張度を調節するための、及び粘度を増加させるための薬剤が含まれる。最適には、粘度をも増大させるソルビトール又は蔗糖などの薬剤を用いて、少なくとも250mOsmの張度が達成される。張度は、また、少なくとも300mOsm、少なくとも400mOsm、又は少なくとも500mOsmを有することができる。
【0089】
本発明の静脈内注射用エマルジョンは、約10〜約500nm、好ましくは約10〜約200nm、及び最も好ましくは約10〜約100nmの粒子径(平均液滴直径)を有する。静脈内用エマルジョンの場合、脾臓及び肝臓はRESを通して500nmを超える大きさの粒子を排除する。
本発明の実施態様は、液体カプセルエマルジョン系内にテストステロンを含む。
【0090】
水性懸濁液及び/又はエレキシルは、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの各種組合せのような希釈剤と一緒に、活性成分を、種々の甘味又着香剤、着色物質又は染料、並びに所望なら、さらに乳化剤及び/又は懸濁剤と組み合わせることによって調製される。懸濁液の量は当技術分野で公知の標準量に従って変更できる。
【0091】
胃の強酸性内容物から活性成分を保護するために腸溶性製剤を使用することが多い。このような製剤は、酸性環境で不溶であり、且つ塩基性環境で可溶であるポリマーのフィルムで固体剤形を被覆することによって創り出される。例証的なフィルムは、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。デュロキセチン及びデュロキセチン含有配合物を腸溶性組成物として製剤することが好ましく、それらを腸溶性ペレットとして製剤することがさらにより好ましい。このような製剤の大きさ及び形状は、当技術分野で公知の標準的な寸法及び形状に従って変更できる。
【0092】
経皮パッチも使用できる。経皮投与は、週に1回又は2回の適用に好都合な剤形を提供して注射針及びその他の剤形の不快感を軽減することによって、患者のコンプライアンスを有意に高める。このような投与は、投与薬物の血中濃度を維持する利益も提供する。典型的には、パッチは、薬物が溶解、又は部分的に溶解し、組成物を保護するフィルムによって皮膚と接触した状態で保持される樹脂性組成物を含む。他のより複雑なパッチ組成物、特に、浸透作用で薬物を汲み出す無数の細孔で貫通された膜を有する組成物も使用されている。パッチの大きさは、当技術分野で公知の大きさに従って変更できる。
【0093】
組合せを坐薬として投与することが望ましい場合には、通常の基剤を使用できる。カカオバターは、その融点をわずかに上昇させるためにワックスを添加して改質することのできる伝統的な坐薬基剤である。特に様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性坐薬基剤も広く使用されている。
【0094】
非経口、皮内、筋内、又は皮下投与の場合、医薬組成物は、次のもの、すなわち、水、生理食塩水、不揮発性オイル、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、モノパルミチン酸ソルビタンなどの界面活性剤;アルコール;寒天、ベントナイト、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガカント、ビーンガムなどの懸濁剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;及び酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤;並びに塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張度調節用薬剤;の中の1つ又はそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0095】
インプラント及びマイクロカプセル化された送達システムを含む制御放出又は持続放出又は長期放出製剤のように、医薬組成物は、急速な分解又は身体からの排泄に対して組成物を保護するための担体を含むこともできる。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はステアリン酸グリセリルの単独、或いはワックスとの組合せなどの時間遅延材料を採用できる。また、医薬組成物は、消化管の代謝を変更する賦形剤を含むことができる。
当業者にとって、ある量の各活性成分を用いる各種医薬組成物のさらなる調製方法は、公知であるか、或いは本開示に照らして明らかであろう。
【0096】
本発明は、流通用に包装された適切な医薬組成物中に本発明の活性成分を含むキットなどの製造物品も対象とする。本発明のキットは、さらに、本発明の方法でキットの構成要素を使用するための説明書を含むことができる。説明書は、本明細書に記載の任意の本発明の方法を実施するための説明書を含むことができる。したがって、例えば、キットは、ヒト対象に投与するための説明書と一緒に、容器、箱、又はディスペンサー中の医薬製剤中に、アンドロゲン剤又はアロマターゼ阻害剤を含むことができる。説明書は、さらに、満足の行く臨床終点又は発生する可能性のある有害症状、或いはヒトで使用するために食品医薬品庁が要求する何らかの追加情報の指示を含むことができる。
【0097】
説明書は、「印刷体」上に、例えば、キット内の紙、ボール紙上に、又はキット若しくは包装材料に貼付された、又はキットの成分を含有するバイアル若しくはチューブに接着されたラベル上に存在できる。説明書は、さらに、ディスク(フロッピーディスク又はハードディスク)、光学CD(CD-又はDVD-ROM/RAMなど)、磁気テープ、電気的記憶媒体(RAM及びROMなど)、及びこれらの混成体(磁気/光学記憶媒体)などのコンピューターで読み取り可能な媒体上に含めることができる。
【0098】
キットは、さらに、緩衝剤、保存剤、又は安定剤を含むことができる。キットの各成分は、個別容器内に封入することができ、種々の容器は、すべて、1つの包装内に存在できる。
本発明は、別々に投与できる2種の活性成分の組合せを用いる治療に関するので、本発明は、別々の医薬組成物をキットの形態で組み合わせることにも関する。該キットは2種の別々の医薬組成物、すなわちアンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤を含む。該キットは、隔てられた瓶又は隔てられたホイル小包など、別々の組成物を入れるための容器を含むが、別々の組成物を、単一の分割されていない容器内に入れることもできる。典型的には、キットは、別々の成分を投与するための指図書を含む。キットの形態は、別々の成分を、むしろ異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与する、異なる投与間隔で投与する場合、或いは処方する医師が、組合せ中の個別成分の用量設定を希望する場合に特に有利である。
【0099】
キットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装工業で周知であり、医薬の単位剤形(例えば、錠剤、カプセルなど)を包装するのに広く使用されている。ブリスターパックは、一般に、好ましくは透明のプラスチック材料のホイルで覆われた比較的堅い材料のシートからなる。包装工程で、プラスチックホイルに凹所が形成される。凹所は、包装される予定の錠剤又はカプセルの大きさ及び形状を有する。次に、凹所に錠剤又はカプセルを入れ、比較的堅い材料のシートを凹所が形成された方向から反対側にあるホイル面でプラスチックホイルに向かい合わせて密閉する。結果として、錠剤又はカプセルは、プラスチックホイルとシートの間の凹所に密閉される。好ましくは、シートの強度は、凹所に手で圧力を加え、それによって凹所の場所のシートに開口部を形成することによって、錠剤又はカプセルをブリスターパックから取り出すことができるような強度である。次いで、錠剤又はカプセルを前記の開口部を経て取り出すことができる。
【0100】
カード状の差込物上に、例えば、そのように指定された錠剤又はカプセルを投与すべき投与計画の日付と対応する数字の形態の記憶補助具を錠剤又はカプセルと並べて提供することが望ましい。このような記憶補助具のもう1つの例が、カード上に印刷されたカレンダーである。記憶補助具のその他の例も、容易に理解できるであろう。
【0101】
包装は、製薬工業で利用される任意のいくつかの手段によって完遂できる。このような包装の例は、箱又は容器中に包装差込物と一緒に封入された液体組成物分配用単位用量容器;本発明の活性成分を含み、箱又は容器中に包装差込物と一緒に封入される堅牢な目に見える差込物を保持するプラスチック及び/又はホイル包装材である。医薬包装技術の当業者にとって、その他の包装方式も用意に理解できるであろう。
【0102】
以下の実施例は、例示の目的のためだけに含められ、本発明の範囲を限定することを意味しない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。実施例中で引用されるすべての参考文献は、引用によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0103】
(実施例1)(実施)
以下の実施例は、乳癌と診断された対象にアンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤を含有する医薬組成物を投与することの利点を示す。
【0104】
患者として類似の社会人口統計学的特性を有し、年齢範囲が49歳〜56歳(年齢中央値54歳)の5名の閉経後女性を試験用に選択した。各女性は、リンパ節陰性のエストロゲン受容体及びPR(プロゲステロン受容体)陽性のBCa(乳癌)と判断され、1.9cm〜2.3cm(腫瘍サイズの中央値は2.1cm)の範囲の腫瘍サイズ、選ばれた術後(例えば、原発性乳癌に対する乳房切除、乳腺腫瘍摘出、又は四半切除)及び化学療法後を有する。いずれも、以前にホルモン補充療法の試みを受けていなかった。
【0105】
選択された各女性に、アロマターゼ阻害剤療法(錠剤として経口で1日1回1mgのアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))を4週間、その後、錠剤として1日1回40mgのウンデカン酸テストステロン経口投与と組み合わせた同じアロマターゼ阻害剤療法をさらに8週間受けさせた。この試験中、アロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を3つの離れた時点、すなわち、アロマターゼ阻害剤療法の最初の週の前、アロマターゼ阻害剤療法の第4週間目の後ではあるがウンデカン酸テストステロンの投与を開始する前に、及びアロマターゼ阻害剤及びアンドロゲン補充療法の併用の第8週目の後に測定した。副作用の測定は、次の通り、すなわち、血清中ホルモン濃度、骨再吸収に関する血清中マーカー、血清中脂質濃度(その全体で本明細書に組み込まれる、Haper-Wynneらの論文、Cancer Epidemiology,Biomakers & Prevention 、11巻、614〜621頁、2002年7月を参照されたい)、FACT-ES副作用プロフィール評価、関節痛(関節疼痛)評価、及び認知機能評価である。3つのそれぞれの時点で記録されたこれら6項目の測定結果を図示したグラフを図2〜図7として呈示した。結果は、すべて、個人の評点の平均であり、棒は標準誤差を表している。後で説明するように、この試験に由来する本発明による新規な療法は、アンドロゲン補充療法が、乳癌治療においてアロマターゼ阻害剤療法の副作用の多くを軽減し、且つ/又はアロマターゼ阻害剤療法の効果を増強することを示している。
【0106】
まず、図2のグラフは、テストステロンからエストラジオールへの芳香族化が、アロマターゼ阻害剤療法の間ほとんど完全に阻止されることを示しており、したがって、本発明による方法が、乳癌再発リスクの増大をもたらす可能性のある仕方で、エストロゲン濃度を感知できるほどには上昇させないことを実証している。y軸は、ピコモル/L(血清中)である。図2に図示したように、アロマターゼ阻害剤療法の第4週目の後(「AI単独」の縦棒で表示される)に、血清中平均エストラジオール濃度(図の凡例中「E2」で表示される)は、アロマターゼ阻害剤療法の開始前の平均濃度(「治療前」で表示される)から有意に降下しており、一方、残りの血清中ホルモン濃度は比較的変わっていないと思われる。後に続く8週間のアロマターゼ阻害剤とアンドロゲン(ウンデカン酸テストステロン)補充療法の併用後(「AI+TU」で表示)では、エストラジオールの血清中ホルモン濃度の有意ではないわずかな増加が存在するだけであり、一方、テストステロン(図の凡例中「T」で表示)、遊離テストステロン(図の凡例中「FreeT」で表示)、及び特にジヒドロテストステロン(図の凡例中「DHT」で表示)の濃度は、著しい増加を示した。
【0107】
組織特異的DHT濃度の増加が、アロマターゼ阻害剤に付随する副作用の低減をもたらすので、本出願人らは、図3〜図6を参照して後で説明するように、DHTのこの増加が、患者の健康感及び健康状態の改善の原因であると考える。
【0108】
図3に図示したグラフは、閉経後患者のこの試験中の骨再吸収に関する血清中マーカーに対するアロマターセ阻害剤(ARIMIDEX(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)の併用の効果を示している。y軸は、ピコモル/L(血清中)である。詳細には、試験中の患者のpmol/Lでの血清中カルボキシ末端コラーゲン架橋(「CTx」)の測定値は、8週間のアロマターゼ阻害剤とアンドロゲン補充療法の併用後で、骨再吸収が、アロマターゼ阻害剤療法の開始前に得られた濃度に戻ったことを示した。実際、有意に大きくはないが、いずれかの薬物療法の開始前に閉経後の患者について測定された濃度に比較して骨再吸収のわずかな増加があるとさえ思われた。カルボキシ末端コラーゲン架橋の測定値は、治療前よりもAI+TU療法でほぼ25%少なかった。したがって、試験は、本発明によるアンドロゲン補充療法が、アロマターゼ阻害剤での長期療法に付随する望ましくない骨損失の副作用を相殺する可能性があるという結論を支持している。
【0109】
図4は、この試験中の閉経後の患者における関節痛評価によって測定される、アロマターゼ阻害剤(ARINIDEX(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)の併用効果を示すグラフである。y軸は視覚化アナログ式疼痛尺度である。具体的には、y軸は100名から測定された疼痛の主観的数量化のパーセント評点を示す。試験中に患者が訴える関節痛症状に関するデータは、アナストロゾールのみの投与中に報告された関節痛の増強とは対照的に、やはり、アロマターゼ阻害剤療法にウンデカン酸テストステロンの投与を加えた後に、関節痛が治療前のレベルに戻ったことを示した。関節痛の測定値は、AI+TU療法で治療前よりも45%より少なかった。
【0110】
試験中の3つの評価時点で、各患者の生活の質を、標準的な癌療法-内分泌症状の機能的評価(Functional Assessment of Cancer Therapy-Endocrine Symptoms)(FACT-ES)の質問表(図8参照)を使用して評価した。該質問表は、乳癌患者における治療に関連した症状及び副作用の発生及び重要性を判定するための標準的方法である。y軸はFACT-ESの評点である。各対象に関するFACT-ES質問表から得られる合計得点を200から控除してFACT-ES評点を得た。それゆえ、FACT-ES評点が低いほど、症状がより悪いことを意味する。したがって、図5で示したグラフは、この研究中の3つの評価時点でFACT-ES副作用プロフィール評価によって測定した場合の、アロマターゼ阻害剤(ARIMIDEX(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せの効果を図示し、より高いFACT-ES評点は、総合的により良好な生活の質に結び付けられる。図5に報告されたデータは、FACT-ES質問表によって測定した場合の生活の質を示しアロマターゼ阻害剤の単独療法を受けている患者で低下したが、後で、ウンデカン酸テストステロンの投与を導入するとほぼ治療前のレベルまで改善した。
【0111】
試験対象患者の認知機能に対する効果に関して、図6のグラフは、それぞれ3つの異なる時点における患者の認知機能評価よって測定された結果を示している。y軸は、平均Z評点である。治療前評価における試験対象患者の認知機能評点は、予想したように、試験した4種の異なるタイプの認知能力、すなわち、処理速度、作業記憶、視覚記憶、及び言語記憶における対照集団の評点の周辺でわずかに変動した。図6に示すように、試験対象患者の認知機能評点は、4週間のアナストロゾール単独治療の後に、4種すべてのタイプの能力に渡って低下した。しかし、8週間のアロマターゼ阻害剤とウンデカン酸テストステロンの併用後に、認知機能評点は、試験対象患者の認知機能を取り戻すか、或いはおそらくはわずかに改善するに十分な4種すべてのタイプの能力に渡って改善した。対照は、年齢が合致した5名の健常対象である。
【0112】
最後に、図7のグラフは、血清中脂質濃度に対するアロマターゼ阻害剤とウンケカン酸テストステロンの療法の影響を監視するために収集された試験対象患者に関するデータを報告している。Y軸はミリモル/L(血清中)である。グラフに報告されている結果は、本発明による併用療法が、コレステロールに関する懸念を高めないようであることを示している。
【0113】
(実施例2〜13)(予言的)
次の実施例では、乳癌と診断された対象にアンドロゲン剤及び/又はアロマターゼ阻害剤を含む医薬組成物を、併用で又は逐次に投与することの利点を示す。(これらの実施例及び明細書の残部の双方で)開示される製品を用いる患者の治療は、最初の日から開始し、且つ適切な期間継続して、初めにアロマターゼ阻害剤を単独である期間投与することなしに、患者を効果的に治療できることを理解されたい。治療期間は、約3ヶ月、約6ヶ月、約1年、約2年、約4年、又は適切と思われるより長い若しくはより短い期間継続することが意図される。
【0114】
(実施例2)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回1mgのアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、続いて、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つのウンデカン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらなる8週間投与する。アナストロゾールとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶アナストロゾール及びカプセル化されたウンデカン酸テストステロンを含む単回用量カプセルで投与される。アナストロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。上記治療は、また、最初の日から配合製品を用いて開始し、且つ適切な期間継続して、患者を効果的に治療できる可能性があることを理解されたい。治療は、約6ヶ月〜約4年間、又は適切と考えられる長い期間継続されることが意図される。
【0115】
(実施例3)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回25mgのエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、続いて、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つの量のウンデカン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。エキセメスタンとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶エキセメスタン及びカプセル化されたウンデカン酸テストステロンを含む単回用量カプセルで投与される。エキセメスタンでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0116】
(実施例4)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回2.5mgのレトロゾール(FEMARA(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つの量のウンデカン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。レトロゾールとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶レトロゾール(ここで包括的コメントを要する)及びカプセル化されたウンデカン酸テストステロンを有する単回用量カプセルで投与される。レトロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0117】
(実施例5)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回1mgのアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は50mgの中の少なくとも1つの量のテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。アナストロゾールとテストステロンとの組合せは、それぞれ錠剤及び注射、錠剤及び経皮パッチ、錠剤及び皮下、或いは錠剤及びカプセルとして投与される。アナストロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0118】
(実施例6)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回25mgのエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は50mgの中の少なくとも1つの量のテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。エキセメスタンとテストステロンとの組合せは、それぞれ錠剤及び注射、錠剤及び経皮パッチ、錠剤及び皮下、或いは錠剤及びカプセルとして投与される。エキセメスタンでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0119】
(実施例7)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回2.5mgのレトロゾール(FEMARA(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は50mgの中の少なくとも1つの量のテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。レトロゾールとテストステロンとの組合せは、それぞれ錠剤及び注射、錠剤及び経皮パッチ、錠剤及び皮下、或いは錠剤及びカプセルとして投与される。レトロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0120】
(実施例8)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回1mgのアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回0.5mg、1.25mg、又は2.5mgの中の少なくとも1つの量のメチルテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。アナストロゾールとメチルテストステロンとの組合せは、単回用量錠剤で投与される。アナストロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すことが期待される。
【0121】
(実施例9)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回25mgのエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回0.5mg、1.25mg、又は2.5mgの中の少なくとも1つの量のメチルテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。エキセメスタンとメチルテストステロンとの組合せは、単回用量錠剤で投与される。エキセメスタンでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0122】
(実施例10)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回2.5mgのレトロゾール(FEMARA(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回0.5mg、1.25mg、又は2.5mgの中の少なくとも1つの量のメチルテストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。レトロゾールとメチルテストステロンとの組合せは、単回用量錠剤で投与される。レトロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0123】
(実施例11)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回1mgのアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち経口で1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つの量のプロピオン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。アナストロゾールとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶化アナストロゾールとカプセル化されたウンデカン酸テストステロンとを有する単回用量カプセルで投与される。アナストロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0124】
(実施例12)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回25mgのエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち経口で1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つの量のプロピオン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。エキセメスタンとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶化エキセメスタンとカプセル化されたウンデカン酸テストステロンとを有する単回用量カプセルで投与される。エキセメスタンでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0125】
(実施例13)(予言的)
選択された各女性に、錠剤として経口で1日1回2.5mgのレトロゾール(FEMARA(登録商標))を用いるアロマターゼ阻害剤療法を4週間、その後、次の量、すなわち1日1回20mg、40mg、又は80mgの中の少なくとも1つの量のプロピオン酸テストステロンと組み合わせた同様のアロマターゼ阻害剤をさらに8週間投与する。レトロゾールとウンデカン酸テストステロンとの組合せは、油性懸濁液中に結晶化レトロゾールとカプセル化されたウンデカン酸テストステロンとを有する単回用量カプセルで投与される。レトロゾールでの治療に付随する副作用は、実施例1に記載のように測定する。データは、少なくとも1種以上の副作用の改善を示すと予想される。
【0126】
本発明による医薬組成物は、一般に、都合のよい製剤で投与される。次の製剤実施例は、単に例示するものであり、本発明の範囲を限定することを意味しない。
本発明のより完全な理解を容易にするために、本発明を好ましい実施態様に関して説明してきたが、本発明の原理から逸脱しないで種々の変更をなし得ることを認識されたい。したがって、本発明は、その範囲内のすべてのこのような変更形態を含むと理解されるべきである。多数の実体のない変形、変更及び置換は、本明細書に開示の本発明の範囲から逸脱することなしに当業者にとって明白であろう。したがって、本発明は、主張される通りの特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ制約されると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0127】
以下の図及び詳細な説明を参照すると、当業者にとって本発明の前記態様及び利点が容易に明らかになろう。
【図1】種々のステロイドの生物学的反応経路を描いた概略図である。
【図2】本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せが閉経後の患者の血清中ホルモン濃度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図3】本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せが閉経後の患者の骨再吸収に関する血清中マーカーに及ぼす影響を示すグラフである。
【図4】閉経後の患者における関節痛の評価によって測定した場合の、本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せの影響を示すグラフである。
【図5】閉経後の患者におけるFACT-ES副作用プロフィールの評価によって測定した場合の、本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せの影響を示すグラフである。
【図6】閉経後の患者における認知機能の評価によって測定した場合の、本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せの影響を示すグラフである。
【図7】本明細書に記載の実施例中で言及した、アロマターゼ阻害剤(Arimidex(登録商標))とアンドロゲン剤(ウンデカン酸テストステロン)との組合せが閉経後の患者の血清中脂質濃度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図8】FACT-B用内分泌サブスケールの質問表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物であって、(a)有効量のアンドロゲン剤及び(b)有効量のアロマターゼ阻害剤、並びに任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオール-3-アセテート、アンドロステンジオール-17-アセテート、アンドロステンジオール-3,17-ジアセテート、アンドロステンジオール-17-ベンゾエート、アンドロステンジオール-3-アセテート-17-ベンゾエート、アンドロステンジオン、アドレノステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、オキシメトロン、フルオキシメステロン、メタンドロステノロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α-メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ジヒドロテストステロン、5α-ジヒドロテストステロン、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、ダナゾール、オキシメトロン、アンドロステロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサンドロロン、ボラステロン、メステロロン、プロピオン酸テストステロン、シピオン酸テストステロン、フェニル酢酸テストステロン、エナント酸テストステロン、酢酸テストステロン、テストステロンブシクラート、ヘプタン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、カプリン酸テストステロン、イソカプリン酸テストステロン、並びに前記化合物の任意の異性体、代謝産物、誘導体及び前駆体、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記アンドロゲン剤が、ウンデカン酸テストステロンである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記有効量が、1日当たり約40mgである、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記アンドロゲン剤が、メチルテストステロンである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記アンドロゲン剤が、DHTである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記アロマターゼ阻害剤が、ステロイド性アロマターゼ阻害剤、又はその異性体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、エキセメスタン又はフォルメスタンからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記アロマターゼ阻害剤が、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤、又はその異性体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記非ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール又はファドロゾールからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記非ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記有効量が、1日当たり約1mgである、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
(a)有効量が約40mgであるウンデカン酸テストステロン、及び(b)有効量が約1mgであるアナストロゾールを含有する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記副作用が、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び帯下を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項16】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物であって、有効量のアンドロゲン剤、並びに任意選択で医薬として許容し得る賦形剤及び/又は担体を含有する、前記医薬組成物。
【請求項17】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオール-3-アセテート、アンドロステンジオール-17-アセテート、アンドロステンジオール-3,17-ジアセテート、アンドロステンジオール-17-ベンゾエート、アンドロステンジオール-3-アセテート-17-ベンゾエート、アンドロステンジオン、アドレノステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、オキシメトロン、フルオキシメステロン、メタンドロステノロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α-メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ジヒドロテストステロン、5α-ジヒドロテストステロン、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、ダナゾール、オキシメトロン、アンドロステロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサンドロロン、ボラステロン、メステロロン、プロピオン酸テストステロン、シピオン酸テストステロン、フェニル酢酸テストステロン、エナント酸テストステロン、酢酸テストステロン、テストステロンブシクラート、ヘプタン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、カプリン酸テストステロン、イソカプリン酸テストステロン、並びに前記化合物の任意の異性体、代謝産物、誘導体及び前駆体、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンである、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記アンドロゲン剤が、ウンデカン酸テストステロンである、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記有効量が、1日当たり約40mgである、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記アンドロゲン剤が、メチルテストステロンである、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記アンドロゲン剤が、DHTである、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記副作用が、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び帯下を含む、請求項16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項24】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善する方法であって、前記対象に請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
アンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤のどちらか又は双方が、経口、腹腔内、皮内、経皮、経粘膜、皮下、舌下、静脈内、動脈内、腔内、頭蓋内、筋内、非経口又は局所、或いはこれらの組合せで投与される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記医薬組成物が、経口で投与される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記医薬組成物が、錠剤として投与される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記錠剤が、1日1回投与される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記副作用が、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び帯下を含む、請求項24記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、閉経後の女性である、請求項24記載の方法。
【請求項31】
乳癌を有する対象の健康状態を改善する方法であって、前記対象が、アロマターゼ阻害剤での治療に付随する副作用を有し、請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
アンドロゲン剤及びアロマターゼ阻害剤のどちらか又は双方が、経口、腹腔内、皮内、経皮、経粘膜、皮下、舌下、静脈内、動脈内、腔内、頭蓋内、筋内、非経口又は局所、或いはこれらの組合せで投与される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記医薬組成物が、経口で投与される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記医薬組成物が、錠剤として投与される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記錠剤が、1日1回投与される、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記副作用が、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び帯下を含む、請求項31記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、閉経後の女性である、請求項31記載の方法。
【請求項38】
請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物の製造方法であって、アンドロゲン剤を選択することを含む、前記方法。
【請求項39】
アロマターゼ阻害剤を加えることをさらに含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するためのキットであって、(a)アンドロゲン剤及び(b)アロマターゼ阻害剤、並びに任意選択で化合物(a)及び(b)を投与するための説明書を含む、前記キット。
【請求項41】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオール-3-アセテート、アンドロステンジオール-17-アセテート、アンドロステンジオール-3,17-ジアセテート、アンドロステンジオール-17-ベンゾエート、アンドロステンジオール-3-アセテート-17-ベンゾエート、アンドロステンジオン、アドレノステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、オキシメトロン、フルオキシメステロン、メタンドロステノロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α-メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ジヒドロテストステロン、5α-ジヒドロテストステロン、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、ダナゾール、オキシメトロン、アンドロステロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサンドロロン、ボラステロン、メステロロン、プロピオン酸テストステロン、シピオン酸テストステロン、フェニル酢酸テストステロン、エナント酸テストステロン、酢酸テストステロン、テストステロンブシクラート、ヘプタン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、カプリン酸テストステロン、イソカプリン酸テストステロン、並びに前記化合物の任意の異性体、代謝産物、誘導体及び前駆体、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項40記載のキット。
【請求項42】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンである、請求項41記載のキット。
【請求項43】
前記アンドロゲン剤が、ウンデカン酸テストステロンである、請求項42記載のキット。
【請求項44】
前記アンドロゲン剤が、メチルテストステロンである、請求項42記載のキット。
【請求項45】
前記アンドロゲン剤が、DHTである、請求項42記載のキット。
【請求項46】
前記アロマターゼ阻害剤が、ステロイド性アロマターゼ阻害剤、又はその異性体である、請求項40記載のキット。
【請求項47】
前記ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、エキセメスタン又はフォルメスタンからなる群から選択される、請求項46記載のキット。
【請求項48】
前記アロマターゼ阻害剤が、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤、又はその異性体である、請求項40記載のキット。
【請求項49】
前記非ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール又はファドロゾールからなる群から選択される、請求項48記載のキット。
【請求項50】
前記非ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項49記載のキット。
【請求項51】
前記副作用が、血管拡張、骨粗鬆症、骨減少症、性欲減退、体重増加、膣乾燥、睡眠障害、寝汗、無気力、疼痛性交、疼痛、関節炎、関節痛、乳房痛、咽頭炎、抑鬱、腹部膨満、悪心、発疹、気分動揺、頭痛、高血圧、不眠、リンパ浮腫、背部痛、末梢性浮腫、冷汗、腹部痛、損傷、便秘、咳、下痢、骨折、高コレステロール血症、感染症、関節症、めまい、呼吸困難、感覚異常、尿路感染症、外陰膣炎、不安、骨痛、胸部痛、消化不良、インフルエンザ症候群、胃腸障害、発汗及び/又は帯下を含む、請求項40記載のキット。
【請求項52】
前記アロマターゼ阻害剤での治療が、既に化学療法を受けた前記対象へのアジュバント療法での治療である、請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記アロマターゼ阻害剤での治療が、既に化学療法を受けた前記対象へのアジュバント療法での治療である、請求項24記載の方法。
【請求項54】
前記アロマターゼ阻害剤での治療が、既に化学療法を受けた前記対象へのアジュバント療法での治療である、請求項31記載の方法。
【請求項55】
請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、アロマターゼ阻害剤の効果の増強方法。
【請求項56】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善するための医薬組成物であって、(a)有効量のアンドロゲン剤、及び(b)有効量の、テストステロンからエストラジオールへの変換を遮断する薬剤を含有する、前記医薬組成物。
【請求項57】
乳癌と診断された対象におけるアロマターゼ阻害剤での治療に付随する1種以上の副作用を改善する方法であって、請求項56記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項58】
請求項1〜14及び16〜22のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、アンドロゲン剤のバイオアベイラビリティーの増加方法。
【請求項59】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンである、請求項52記載の方法。
【請求項60】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項53記載の方法。
【請求項61】
前記アロマターゼ阻害剤が、前記テストステロンからエストロゲンへの変換を遮断する、請求項53記載の方法。
【請求項62】
前記変換が、小腸リンパ管及び肝臓中で遮断される、請求項55記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−511609(P2009−511609A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535845(P2008−535845)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001539
【国際公開番号】WO2007/045027
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(508119747)チャバフ ピーティーワイ エルティーディー (2)
【Fターム(参考)】