説明

乳系代用品及びその製造方法

本発明は、乳脂肪の少なくとも一部を置き換えるために食用油を使用する乳系代用品の製造に関する。特に、本発明は、乳脂肪の少なくとも一部を置き換えるために食用油を使用する、チーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍したデザート代用品の製造に関する。更には、乳系代用品、特に、チーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品、及びこの乳系代用品を製造するための食用油、特にオリーブ油の使用を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳脂肪の少なくとも一部を置き換えるために食用油を使用する乳系代用品の製造に関する。特に、本発明は、乳脂肪の少なくとも一部を置き換えるために食用油を使用する、チーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍したデザート代用品の製造に関する。更には、乳系代用品、特に、チーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品、及びこの乳系代用品を製造するための食用油、特にオリーブ油の使用を開示する。
【発明の概要】
【0002】
発明の背景
近年、消費者の嗜好はより健康的な食習慣に向かっている。チーズ等の乳系製品は高脂肪源であるかも知れないが、同時にカルシウムやタンパク質の優れた供給源でもある。チーズの脂肪分を減少させると、その脂肪分を減らした製品では、多くの場合、味、風味及び食感が低下してしまうという関係にあった。
【0003】
植物性脂肪ベースのチーズ代用品の例を文献に見出すことはできるが、その大部分はプロセスチーズの製造方法に関するものである。これまで天然の伝統的なチーズに似せることを目的としたチーズ製品を製造する試みは殆どなされていなかった。乳製品への植物油の配合に望まれる安定性を実現するために採用されている方法のほとんどは、効率の高い乳化剤を最適量で使用することにある。
【0004】
欧州特許第0368492号には、低濃度の飽和脂肪とコレステロールを有するチーズ製品の調製法が教示されている。本発明は、植物性脂肪ベースのクリームを利用し、脱脂乳、半脱脂乳、若しくは低脂肪乳に添加し、それらをチーズバットに入れ、チーズ形成用の従来技術により加工する。前記植物性脂肪ベースのクリームは、大豆油や水素化大豆油等の加熱殺菌された植物油と乳化剤との混合物を、水とゼラチン等の安定化剤との加熱殺菌混合物を含む水相に添加することで調製される。本発明の一態様では、植物性脂肪は、乳脂肪に類似した5℃〜38℃にわたる融点分布を有する植物性脂肪の混合物を含む。
【0005】
米国特許第5,063,074号によれば、別の例の低コレステロール乳製品が製造できる。そこには、脱脂乳と、植物油担体及び乳製品に食感と風味特性を付与する物質とを含むプレミックス(予備混合物)との組み合わせに関する開示がなされている。得られた流動性乳は、加熱殺菌され、冷蔵温度で少なくとも6週間保存され、硬質チーズを含む数種の乳製品の製造に使用される。米国特許第5,063,074号に開示されている代表的な処方では、プレミックスは植物油、乳化剤、増粘剤、及び香料で構成されている。
【0006】
天然植物油が配合されたチーズ代用品は、油の浸出現象の影響を受け易く、歯応えが無くなるため食感の点で受け入れられない場合が多い。乳脂肪の一部に置き換えられた植物油が存在すると、凝乳と乳清の分離を指す「離漿」と呼ばれる過程に影響を与える場合がある。時として、植物油は、乳清の必要な排除を妨げる可能性もある。
【0007】
本発明は、従来技術の欠点を克服することを目的とする。特に、本発明は、チーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品等の、乳系代用品の製造のための安価で簡便な方法を提供することを目的とする。この方法は、特定の乳製品、即ち、チーズ、アイスクリーム、カスタード、又は冷蔵若しくは冷凍のデザートの天然の伝統的な製造方法に可能な限り近づかなければならない。特に、望まれているのは、基礎となる乳を脱脂することではなく、乳脂肪の少なくとも一部を食用油で置換することである。
【0008】
発明の概要
本発明は、チーズ代用品の製造方法であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)前記混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有するチーズ代用品が得られる、前記製造方法を提供する。
【0009】
本発明は、チーズ代用品であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)前記混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記チーズ代用品を更に含む。
【0010】
更に、本発明は、チーズ代用品の製造のための食用油の使用であって、前記チーズ代用品は、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、更に好ましくは5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用を開示する。
【0011】
更に、本発明は、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品の製造方法であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム、カスタード、冷蔵若しくは冷凍デザート等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて、前記加熱殺菌した混合物を更に処理すること
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する乳系代用品が得られる、前記製造方法を含む。
【0012】
本発明は、更に、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍のデザート代用品であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム、カスタード、冷蔵若しくは冷凍のデザート等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて、前記加熱殺菌した混合物を更に処理すること
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記乳系代用品を含む。
【0013】
更に、本発明は、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品の製造のための食用油の使用であって、前記乳系代用品は、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、更に好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の態様に従って乳系代用品を製造する流れ図を示す。
【0015】
詳細な説明
本発明は、エマルション型食品全般に関し、特に、目的の食感と風味とを有する乳系代用品を形成するために、植物油を脱脂乳に配合し、得られた混合物を選択的な条件で更に処理することによって調製されるチーズ代用品、アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品等の乳系代用品に関する。
【0016】
特に、本発明者らは、チーズ代用品の製造方法であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)前記混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有するチーズ代用品が得られる、前記製造方法を提供する。
【0017】
特に好ましい態様では、前記乳は、全乳、半脱脂乳、又は脱脂乳であり、好ましくは脱脂乳である。
食用油、特に植物油を含有する代用チーズは、乳から乳脂肪を除去し、次いで、そこに、一定量の植物油を導入し、得られた混合物を均質化し、前記植物油含有乳を選択的なチーズ処理条件に置くことによって製造される。得られた代用チーズは、更にプロセスチーズを製造するために用いることもできる。
【0018】
本発明は、関連する天然の伝統的なチーズ製品に似たチーズ製品の代用品/類似品を提供する。このチーズ代用品は、植物性脂肪を脱脂乳又は半脱脂乳中に均質化し、更に、離漿に都合のよい条件で前記油含有乳を処理することによって調製される。
【0019】
植物油をチーズ製品に安定に導入することを、本明細書で下記によって確保する:
i)乳担体中に油滴の分散ができる条件で、乳流に油を導入する油導入系。本明細書に記載された油導入法を用いると、穏やかな均質化条件が適用でき、離漿が促され、乳清の分離が促進される。一方、激しい均質化は、油滴の量を劇的に増やす可能性がある。このことは、より多量の利用可能なカゼインタンパク質が油滴表面に吸着する、即ち、離漿の抑制と乳清分離の遅れによって凝乳を不安定にする現象が起ることを意味する。従って、穏やかな均質化手順が好ましい。
ii)常に安定した官能特性を確保するように最適化された選択的チーズ調製条件
植物油は、約50〜55℃の温度に達するまで、穏やかに加熱される。次いで、脱脂乳にこの植物油を導入する。脱脂乳は、油が導入される連続流系で担体を形成する。流れ図において、油導入系は乳クリーム分離器の直後に位置する。脱脂乳は、約2.3バールの圧力で、約10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。植物油導入系は、前記植物油を2.5バールの圧力で、導入時の意図する油/乳混合比に応じて、1時間当たり、約500〜2000リットル、好ましくは1000リットル以上、より好ましくは1500リットル以上、更により好ましくは2000リットルの流量で通す直径30〜40ミリメートルの管を含む。次に、油含有乳をホモジナイザーに送り、そこで10バールでの穏やかな均質化条件で油滴を微細化し、均一に乳中に分散する。次に得られた油含有乳を72℃で15秒間保持し、4〜6℃まで冷却し保存する。続いて、(実施例に示すような)適切な条件下で、最適量のレンネット及び/又は微生物スターター培養物を添加することで凝乳を形成する。最後に、実施例に記載されているように、続いて製品の各々に適した最適化された条件を用いた凝乳/乳清分離手順を行う。必要に応じて、得られたチーズ代用品は、当技術分野で公知の一般的な方法に従ってプロセスチーズの調製に使用する。
【0020】
本発明の文脈内で、用語「油」は、本明細書で使用される場合は常に、人間の消費に適するいかなる食用油、又はそれらの混合物を含む。好ましい油は植物油である。多くの種類の食用植物油の中で、使用可能なものとして、オリーブ油、ヤシ油、大豆油、キャノーラ油、カボチャ種子油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、紅花油、落花生油、クルミ油、小麦胚芽油、ブドウ種子油、ゴマ油、アルガン油、米ぬか油及びそれらの混合物等が挙げられる。また一方で、その他の料理に使用される多くの種類の植物油もまた本願に従って用いることもできる。上述した油の中で、オリーブ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ナタネ油、及びそれらの混合物が特に好ましく、オリーブ油が最も好ましい油である。特に好ましいのは、バージンオリーブ油、又はエキストラバージンオリーブ油である。更に、また好ましくは、本願に従って使用される油は有機栽培油である。
【0021】
チーズの調製に使用される乳は、全乳、部分脱脂乳又は全脱脂乳でもよい。植物油は、乳脂肪の少なくとも一部の置換に使用することができる。乳は、牛、ヤギ、ヒツジ又は水牛の乳、又は、それらの組み合わせであってもよい。安定化剤、又は/及び乳化剤を使用することは可能であるが、必須ではない。
【0022】
好ましい態様では、工程c)における油の導入は、直径約32mmの導入管によって行われる。
更に好ましい態様では、工程c)における食用油の流量は、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1000リットル/時以上、より好ましくは1500リットル/時以上、最も好ましくは約2000リットル/時である。
【0023】
別の態様では、工程d)における均質化は、約55mmのピストン直径を有する2段階ホモジナイザーを用いる。
油含有乳系製品の調製に用いる油の量は、特に、調製するチーズ代用品の油の種類、乳の種類、及び、目標とする油の最終濃度に依存する。工程f)における混合物の典型的な油濃度量は、約4〜17重量%、より好ましくは約8〜17重量%、更に好ましくは約9〜17重量%である。
【0024】
本発明で得られる製品は、半硬質チーズ型(半硬質パスタフィラータ型等)、硬質チーズ型、塩水漬け白チーズ、乳清チーズ型、軟質チーズ型、表面熟成チーズ型、ブルーチーズ型、及び展延性チーズ型等のチーズ代用物の一覧から選ばれるチーズ代用品であってもよい。
【0025】
本発明によれば、油含有乳系製品は、乳脂肪分の代用としての油を含む。しかしながら、チーズの代用品は、また植物油と乳脂肪の両方を含んでもよい。
本発明の更なる目的は、チーズ代用品であって、以下の工程:
a)約50℃〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)前記混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記チーズ代用品である。
【0026】
好ましい実施態様では、凝乳の形成及び凝乳と乳清の分離を
i)加熱殺菌した混合物に、中温性及び/若しくは好熱性及び/若しくはプロピオン酸スターター培養物、並びに/又はレンネットの適切な量を注入し、混合物を凝固させ、
j)この凝乳を離漿に都合のよい条件において凝乳を乳清から分離することによって行う。
【0027】
本発明は更に、本発明の方法によって得られる半硬質チーズ代用品を含み、
ここで、
・前記混合物は、0.4〜0.9の脂肪/タンパク質比を有し、
・前記混合物を、34〜36℃の温度まで加熱し、
・前記レンネットは、90%キモシンと10%ペプシンの組成を有し、
・前記凝固を、34〜36℃で35〜45分間で完結させ、
・前記凝乳を最大で2〜5mmの粒状に切り、徐々に温度を上昇させ最高で42℃に到達するまで最大12分間、粒子をかき混ぜ、徐々に温度を上昇させ最高で51℃に到達するまで最大15分間、粒子を更にかき混ぜ、そして51℃以下のある一定の温度で45分未満の間、更にかき混ぜ、
・好ましい態様においては、前記凝乳は約6.2〜6.25の最終pHを有し、
・伝統的なチーズ熟成を行う前に、前記凝乳に80〜100psiの圧力を40分間かける。
【0028】
本発明は更に、本発明の方法によって得られる別の種類の半硬質チーズ代用品を含み、ここで、
・前記混合物は、0.4〜0.5の脂肪/タンパク質比を有し、
・前記混合物を、31〜32℃の温度まで加熱し、
・前記レンネットは、90%キモシンと10%ペプシンの組成を有し、
・前記凝固を、31〜32℃で35〜45分間で完結させ、
・前記凝乳を最大で2〜5mmの粒状に切り、乳清の約40重量%を除去し、温度36℃の35重量%の量の水を加えて加熱し、34℃で40分間粒子をかき混ぜ、
・好ましい態様においては、凝乳は約5.4〜5.6の最終pHを有し、
・天然の伝統的なチーズ熟成を行う前に、前記凝乳に80〜100psiの圧力を40分間かける。
【0029】
更に、硬質チーズ代用品が得られ、ここで、
・前記混合物は、1.0〜1.1の脂肪/タンパク質比を有し、
・前記混合物を、34〜36℃の温度まで加熱し、
・前記レンネットは、90%キモシンと10%ペプシンの組成を有し、
・前記凝固を、34〜36℃で35分間で完結させ、
・前記凝乳を最大で5〜8mmの粒状に切り、加熱して、凝乳粒子を46℃になるまでかき混ぜ、乳清の20%を45℃の水に置き換え、続けて約48℃になるまで粒子をかき混ぜ、前記凝乳を約48℃で10分間静置し、
・天然の伝統的なチーズ熟成を行う前に、前記凝乳に80〜100psiの圧力をかけ、
・好ましい態様では、前記凝乳は約5.3〜5.4の最終pHを有する。
【0030】
更に、本発明の方法によって得られる塩チーズ代用品が開示され、ここで、
・前記混合物は、0.4〜0.9の脂肪/タンパク質比を有し、
・前記混合物を、最高38℃の温度まで加熱し、
・加熱殺菌した混合物に、適切なバルクスターター培養物、及び90%キモシンと10%ペプシンの組成のレンネットを注入し、
・前記凝固を最高38℃で約50分間で完結し、
・前記凝乳を1cm×1cm×2cm〜2cm×2cm×2cmの粒状に切り、前記凝乳を最大65分間まで静置し、
・前記凝乳を型に移し、重力による乳清の除去を行う。
【0031】
更に、チーズ代用品の製造のための食用油の使用であって、前記チーズ代用品は、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、更に好ましくは5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用を開示する。
【0032】
更に、本発明者らは、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品を製造する方法であって、以下の工程:
a)約50℃〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム、カスタード、冷蔵若しくは冷凍のデザート等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて加熱殺菌された混合物を更に処理すること
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する乳系代用品が得られる、前記製造方法を提供する。
【0033】
特に好ましい態様では、前記乳は、全乳、半脱脂乳、又は脱脂乳であり、好ましくは脱脂乳である。
食用油(特に植物油)含有乳系代用品は、乳から乳脂肪を除去、次いで、工程(a)〜(c)と同様にそこに一定量の植物油を導入し、工程(d)と同様に得られた混合物を均質化し、前記植物油含有乳を乳系製品の処理条件で処理する。得られた乳系代用品は更に後続の製品の製造に用いてもよい。
【0034】
本発明は、関連する天然の伝統的な乳系製品に似た乳系製品の代用品/類似品を提供する。アイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品等の乳系代用品を、脱脂乳、又は半脱脂乳に一定量の植物油を導入し、前述したように、得られた混合物を穏やかに均質化し、更にその生成した油含有乳を、アイスクリーム、カスタード、又は冷蔵若しくは冷凍デザートの製造のための当技術分野で公知の方法に従って処理することによって調製する。
【0035】
例えば、アイスクリーム代用品を調製するために、植物油を温度が50〜55℃に到達するまで、まず穏やかに加熱する。次いで、この植物油を脱脂乳に導入する。脱脂乳は油が導入される連続流系で担体を形成する。流れ図において、油導入系は乳クリーム分離器の直後に位置する。脱脂乳は、約2.3バールの圧力で約10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。植物油導入系は、前記植物油を2.5バールの圧力で、導入時に意図する油/乳混合比率に応じて、約500〜2000リットル/時、好ましくは1000リットル/時以上、より好ましくは1500リットル/時以上、更により好ましくは2000リットル/時の流量で通す直径30〜40ミリメートルの管を含む。次に、油含有乳をホモジナイザーに送り、それにより10バールでの穏やかな均質化条件で油滴を微細化し、均一に乳中に分散する。次に、得られた油含有乳を72℃で15秒間保持し、4〜6℃まで冷却し保存する。冷却に続き、主要成分、若しくはそれらの混合物を添加し、その中で混合する。主要成分は、好ましくは、甘味料、安定剤及び増粘剤を含む群から選択される。甘味料の例としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖、アスパルテーム、ソルビトール等が挙げられる。適切な安定剤及び増粘剤の例としては、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。続いて、手順としては副次的成分の添加混合、若しくはそれらの混合物の添加混合を行う。アイスクリームを調製するための副次的成分は、好ましくは、乳クリーム、乳脂肪、植物油脂等の脂肪や脂肪含有成分及び組成物、並びに卵黄、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、PGPR、及びトゥイーン等の乳化剤を含む群から選択される。使用される主要成分と副次的成分の量は、供給業者の仕様及び規制に準拠する。全ての添加成分を適切に溶解するために、次いで、得られた混合物を最高68℃までの熱処理をする。熱処理に続いて、混合物を約100バール、最大200バールで均質化し、78〜80℃で20〜25秒間加熱殺菌する。加熱殺菌された油含有乳混合物を約5℃まで冷却し、「熟成」のため、その温度に少なくとも4時間放置する。熟成に続いて、脂肪結晶のサイズを小さくし、混合物の全体に十分な空気を取り込ませるために混合物を凍結させ、泡立てる(「かき混ぜる」)。香料(即ち、バニリン、イチゴエキス等の人工及び/又は天然の食品等級品)、着色料(即ち、コチニール、β―カロチン、アナトー等の人工及び/又は天然の食品等級品)、及び必要に応じて、飾り(チョコレートチップ、ナッツ等)の添加をこの工程で行ってもよい。最後に、得られた混合物を適切な容器に充填し、更に凍結(例えば、ブラストフリーザー条件:−40℃)した後、−20℃で保存する。
【0036】
例えば、カスタード代用品を調製するために、植物油を約50〜55℃の温度に達するまで、まず穏やかに加熱する。次いで、脱脂乳に植物油を導入する。脱脂乳は油が導入される連続流系における担体を形成する。流れ図において、油導入系は乳クリーム分離器の直後に位置する。脱脂乳は、約2.3バールの圧力で、約10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。植物油導入系は、植物油を2.5バールの圧力で、導入時に意図する油/乳混合比率に応じて、約500〜2000リットル/時、好ましくは1000リットル/時以上、より好ましくは1500リットル以上/時、更により好ましくは2000リットル/時の流量で通す直径30〜40ミリメートルの管を含む。次に、油含有乳を、ホモジナイザーに送り、それにより10バールでの穏やかな均質化条件で油滴を微細化し、均一に乳中に分散する。次に、得られた油含有乳を72℃で15秒間保持し、4〜6℃まで冷却し保存する。冷却に続き、主要成分、若しくはそれらの混合物を添加し、その中で混合する。主成分は、好ましくは、甘味料、安定剤及び増粘剤を含む群から選択される。甘味料の例としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖、アスパルテーム、ソルビトール等が挙げられる。適切な安定剤及び増粘剤の例としては、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。続いて、手順としては副次的成分の添加混合、又はそれらの混合物の添加混合を行う。カスタード代用品を調製するための副次的成分は、好ましくは、デンプン、変性デンプン、小麦セモリナ粉等を含む群から選択される。使用される主要成分と副次的成分の量は、最終乳系製品に依存し、供給業者の仕様及び規制に準拠する。香料(即ち、バニリン、イチゴエキス等の人工及び/又は天然の食品等級品)、着色料(即ち、コチニール、β―カロチン、アナトー等の人工及び/又は天然の食品等級品)、及び必要に応じて、チョコレート、ナッツ等の添加を供給業者の仕様及び規制に準拠してこの工程で行ってもよい。次いで、成分を適切に溶解するために、連続して撹拌しながら熱処理を90℃で行う。この混合物は包装の前に70℃まで冷却する。最後に、包装した製品を4℃で保存する。
【0037】
用語「油」は、上記で定義されたように使用する。
乳系代用品の調製に用いる乳として、全乳、部分脱脂乳又は全脱脂乳が使用できる。植物油は、乳脂肪の少なくとも一部の置換に使用することができる。乳は、牛、ヤギ、ヒツジ若しくは水牛の乳、又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。安定剤又は/及び乳化剤の使用は必要に応じて使用でき、また意図する各製品の種類に応じて使用できる。
【0038】
好ましい態様では、工程c)における油の導入は、直径約32mmの導入管によって行われる。
更に好ましい態様では、工程c)における食用油の流量は、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1000リットル/時以上であり、より好ましくは1500リットル/時以上であり、最も好ましくは約2000リットル/時である。
【0039】
別の態様では、工程d)における均質化は、約55mmのピストン直径を有する2段階ホモジナイザーを用いる。
油含有乳系製品の調製に使用する油の量は、調製する乳系製品の油の種類、乳の種類、及び油の最終目標濃度に特に依存する。工程f)における混合物の油濃度の典型的な量は、約5〜30重量%、より好ましくは約5〜25重量%、更に好ましくは約5〜20重量%である。
【0040】
本発明によれば、油含有乳系製品は乳脂肪分の置き換えとしての油を含む。しかしながら、乳系代用品は、また植物油と乳脂肪の両方を含んでもよい。
更なる本発明の目的は、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍したデザートの代用品であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、前記乳に前記油を導入し、混合物を得ること、
d)約10バールで、前記混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、前記均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)前記加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム、カスタード、冷蔵若しくは冷凍のデザート等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて、前記加熱殺菌した混合物を更に処理すること
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記乳系代用品である。
【0041】
更に、乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍したデザートの代用品の製造のための食用油の使用であって、前記乳系代用品は、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、更に好ましくは5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用を開示する。
【0042】
本発明の態様に従って乳系代用品を製造する流れ図である図1、及び下記の実施例から当業者は本発明を更に理解することができる。特に、図1の流れ図は植物油含有乳系製品の製造を示す。
【実施例】
【0043】
実施例1:パスタフィラータ型半硬質チーズ代用品の調製法の例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0044】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0045】
次に、0.8〜0.9の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用いて、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を34〜36℃まで予備加熱し、次いで、中温性及び/若しくは好熱性スターター培養物及びレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、34〜36℃の条件下で35〜45分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を切って2〜5mmより小さいサイズの粒子状にし、撹拌しながら離漿を開始させる。凝乳の切断に続いて、48〜51℃の範囲の温度を加える2段階の熱処理により、離漿を更に促進する。熱処理は、温度を徐々に上昇させる連続する2段階の「撹拌加熱」、即ち、i)42℃未満で12分間、ii)51℃未満で8分間から成る連続する2段階の「撹拌加熱」で行う。次に、凝乳を45分未満の最終の撹拌段階に入れ、凝乳の温度を51℃未満に保持し、6.25の最終pH値を得る。
【0046】
残存乳清は、目的の種類のチーズに応じた当業者に公知の種々の方法を用いて、凝乳から除去される。パスタフィラータ型を含む半硬質チーズ代用品の調製には、40分間にわたる80−100psiの条件での加圧を採用する。
【0047】
次いで、当業者に知られているパスタフィラータ型半硬質チーズ製品の調製に適した条件を用いる一般的なチーズ処理工程を続いて行う。
実施例2:脂肪削減したパスタフィラータタイプの半硬質チーズ代用品の調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0048】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。次に、0.4〜0.5の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用いて10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を、72〜74℃で15秒間の加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を34〜36℃まで予備加熱し、次いで、中温性及び好熱性スターター培養物並びにレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、34〜36℃の条件下で35〜45分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を切って2〜5mmより小さいサイズの粒子状にし、撹拌しながら離漿を開始させる。凝乳の切断に続いて、38〜48℃の範囲の温度を加える2段階の熱処理により、離漿を更に促進する。熱処理は、温度を徐々に上昇させる連続する2段階の「撹拌加熱」、即ち、i)38℃未満で8分間、ii)48℃未満で15分間から成る連続する2段階の「撹拌加熱」で行う。次に、凝乳を35分未満の最終の撹拌段階に入れ、凝乳の温度を48℃未満に保持し、6.2の最終pH値を得る。
【0049】
残存乳清を、目的の種類のチーズに応じた当業者に公知の種々の方法を用いて凝乳から除去する。パスタフィラータ型を含む半硬質チーズ代用品の調製のために40分にわたる80−100psiの条件での加圧を採用する。
【0050】
得られた生成物を当業者に知られたパスタフィラータ型半硬質チーズ製品の調製に適した従来の処理方法を用い更に処理する。
実施例3:塩水漬け白チーズ代用品の調製法例
a)4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0051】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0052】
次に、0.8〜0.9の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を36〜38℃まで予備加熱し、次いで最適量のバルクスターター培養物、及びレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、36〜38℃の条件下で50分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を乳源、即ち牛か羊かに対応してそれぞれ1cm×1cm×2cm又は2cm×2cm×2cmよりも小さいサイズの立方体に切って離漿を開始させる。次いで、乳清を凝乳から分離している間、乳源に応じて凝乳を30〜65分間静置する。その後、乳清を最大限除去し、凝乳を自然水切り型に添加する。
【0053】
得られた生成物は、当業者に知られた塩水漬け白チーズの調製に最適な従来の処理工程を用いて更に処理される。
b)4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0054】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0055】
次に、0.8〜0.9の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を34〜36℃まで予備加熱し、次いで、最適量のバルクスターター培養物、及びレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、34〜36℃の条件下で50分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を乳源、即ち牛か羊かに対応してそれぞれ1cm×1cm×2cm又は2cm×2cm×2cmよりも小さいサイズの立方体に切って、離漿を開始させる。次いで、乳清を凝乳から分離している間、乳源に応じて凝乳を30〜65分間静置する。その後、乳清を最大限除去し、前記凝乳を自然水切り型に添加する。
【0056】
得られた生成物は、当業者に知られた塩水漬け白チーズ調製に適した従来の処理方法を用い更に処理される。
実施例4:脂肪分を減量した塩水漬け白チーズ代用品の調製法例
a)4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0057】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0058】
次に、0.4〜0.5の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を35〜36℃まで予備加熱し、次いで、最適量のバルクスターター培養物、及びレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、35〜36℃の条件下で50分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を乳源、即ち牛か羊かに対応してそれぞれ1cm×1cm×2cm又は2cm×2cm×2cmよりも小さいサイズの立方体に切って、離漿を開始させる。次いで、乳清を凝乳から分離している間、乳源に応じて凝乳を30〜35分間静置する。その後、乳清を最大限除去し、前記凝乳を自然水切り型に添加する。
【0059】
得られた生成物は、当業者に知られた塩水漬け白チーズの調製に最適な従来の処理工程を用いて更に処理される。
b)4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0060】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0061】
次に、0.4〜0.5の好ましい脂肪/タンパク質比を有する油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。得られた油含有乳混合物を34〜36℃まで予備加熱し、次いで、最適量のバルクスターター培養物、及びレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)を注入し、34〜36℃の条件下で50分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を乳源、即ち牛か羊かのそれぞれに対応して1cm×1cm×2cm又は2cm×2cm×2cmよりも小さいサイズの立方体に切って、離漿を開始させる。次いで、乳清を凝乳から分離している間、凝乳を30〜35分間静置する。その後、乳清を最大限除去し、凝乳を自然水切り型に添加する。
【0062】
得られた生成物は更に、当業者に知られた塩水漬け白チーズ調製に適した従来の処理方法を用い更に処理する。
実施例5:脂肪削減した別の種類の半硬質チーズ代用品の調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳清を得る。
【0063】
植物油を55℃まで予備加熱し、次に2.5バールの圧力で、約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。前記脱脂乳は、約2.3バールの圧力、10トン/時〜12トン/時の流量で通過する。
【0064】
次に、油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。0.4〜0.5の好ましい脂肪/タンパク質比を有する得られた油含有乳混合物を31〜32℃まで予備加熱し、次いで、最適な中温性及び好熱性スターター培養物、及び90%キモシンと10%ペプシンを含むレンネットを注入し、31〜32℃の条件下で35〜45分間放置後、酸性にして凝固させる。次いで、この凝乳を2〜5mmより小さい粒子状に切り、攪拌しながら離漿を開始させる。凝乳の切断に続いて40%の割合の乳清をタンクから排出する。次いで35%の割合の36℃の温水を加え、続いて、撹拌しながら熱処理を行う。ここでは34℃の範囲の温度を40分間かけ、5.4〜5.6の最終pH値を得る。この種の半硬質チーズ代用品の調製には、40分間にわたる80−100psiの条件での加圧を採用する。
【0065】
得られた生成物は、当業者に知られた半硬質チーズ製品の調製に適した従来の処理方法を用い更に処理される。
実施例6: 乳清チーズ代用品の調製法例
4℃未満の乳清を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳清を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0066】
植物油を55℃まで予備加熱し、次いで約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、脂肪クリーム再供給の導入系に近接して並列構成に取り付けられた直径32mmの導入系から脱脂乳清に導入する。次に、この油含有脱脂乳清を管によってホモジナイザーに送り、120バールで均質化を行う。均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用いて行ってもよい。均質化された油含有乳清混合物を96℃まで徐々に温度を上げて熱処理する。約60℃(<65℃)の温度で9%脱脂乳を加え、温度が96℃に到達するまで熱処理を続ける。次いで得られた生成物を20〜30分間96℃で静置する。それまでに、凝塊が抽出された乳清の表面に浮いているのが分かる。次に、乳清を排出し、凝塊を4℃の条件に移す。
【0067】
実施例7:硬質チーズ代用品調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0068】
植物油を55℃まで予備加熱し、次いで約1000〜2000リットル/時、好ましくは1500リットル/時超、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、脂肪クリーム再供給の導入系に近接して並列構成に取り付けられた直径32mmの導入系から脱脂乳清に導入する。
【0069】
次に、油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。1.0〜1.1の好ましい脂肪/タンパク質比を有する得られた油含有乳混合物を34〜36℃まで予備加熱し、次に中温性、好熱性及びプロピオン酸スターター培養物とレンネット(90%キモシンと10%ペプシン)の最適な混合物を注入し、34〜36℃の条件下で35分間放置して凝固させる。次いで、この凝乳を5〜8mmより小さい粒子状に切り、攪拌しながら離漿を開始させる。離漿を促進するために、凝塊を48〜49℃の範囲で攪拌しながら8分間加熱する。この熱処理工程中で温度が46℃に到達する間、乳清の20%量を同量の水で置き換える。加える水の温度は45℃である。熱処理を温度が48.5℃になるまで撹拌しながら続ける。この温度に、凝乳、水及び乳清を含む混合物を10分間静置する。次いで凝乳に圧力(80〜100psi)をかけて残留する乳清及び水を除く。加圧後の凝乳のpHは5.3〜5.4の範囲にある。
【0070】
得られた生成物は、当業者に知られた硬質チーズ製品の調製に適した従来の処理方法を用い更に処理される。
実施例8: 軟質展延性チーズ代用品の調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで、予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0071】
植物油を55℃まで予備加熱し、2000リットル/時の流量で、脂肪クリーム再供給の導入系に近接して並列構成に取り付けられた直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。次いで、油含有脱脂乳の乳清を管によってホモジナイザーに送り、10バールで均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザー(ピストン直径55mm)を用いて、10バールで行ってもよい。均質化した油含有乳混合物を72℃で15秒間加熱殺菌し、次いで4〜6℃に冷却する。好ましい脂肪/タンパク質比の1:1.1を有する得られた油含有乳混合物を、25〜30℃まで予備加熱し、次いで最適な中温性及び好熱性のスターター培養物をpHが6.2になるまで加える。次に、適切な量のレンネット(50%キモシンと50%ペプシン)をそこに加え、凝固を12時間後に終了させる。次に、凝乳を2cm×2cm×2cmの立方体に切り、4〜5時間の間静置する。次に凝乳を水切りして塩味付け(約2%)をし、最後に成形する。次いで、この滑らかなチーズを4℃に保管する。
【0072】
実施例9: アイスクリーム代用品の調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱する。次いで、予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0073】
植物油を55℃まで予備加熱し、次いで約1000〜2000リットル/時の流量、好ましくは1500リットル/時を越える流量、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、脂肪クリーム再供給の導入系に近接して並列構成に取り付けられた直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。
【0074】
次に、油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザーピストン直径(55mm)を用いて、10バールで行ってもよい。均質化油含有乳混合物を、加熱殺菌(72℃で15秒間)し、次いで4〜6℃に冷却する。そこに、適切な量のショ糖(5.0〜10.0g/kg)、グルコース(5.0〜10.0g/kg)、及びカラギーナン(5.0〜10.0g/kg)を添加して混合する。続いて、必要に応じ、100〜200g/kgの乳クリーム、1〜3g/kgのグリセリンモノステアレートを加え、更に混合する。次に、得られた混合物を温度が68℃に到達するまで加熱処理し、100バールで均質化する。次に均質化した混合物を加熱殺菌(78〜80℃で20〜25秒)し、放置し、5℃まで冷やす。5℃で少なくとも4時間静置して混合物を固め、最終製品の最適な「粘り」を確保する。前段階の低温静置に続いて、都合のよい大きさの氷の結晶を成長させ、望ましい量の空気を含有させる(「過剰量を含ませる」)ために−6℃で混合物を凍らせ、泡立てる(「かき混ぜる」)。香料(バニリン等)及び着色料(アナトー等)を供給業者の仕様及び規制に従って添加してもよい。次いで混合物を充填し、−40℃で凍らせ(ブラストフリーザーによる)、−20℃で保存する。
【0075】
実施例10: カスタードプリン代用品の調製法例
4℃未満の生乳を55℃直前まで予備加熱した。次いで、予備加熱した乳を遠心分離器に導入し、脂肪分50体積%のクリームと脂肪分0.03体積%の脱脂乳を得る。
【0076】
植物油を55℃まで予備加熱し、次いで約1000〜2000リットル/時の流量、好ましくは1500リットル/時を越える流量、更に好ましくは2000リットル/時の流量で、脂肪クリーム再供給の導入系に近接して並列構成に取り付けられた直径32mmの導入系から脱脂乳に導入する。
【0077】
次に、油含有脱脂乳を管によってホモジナイザーまで送り、穏やかな均質化を行う。例えば、均質化は、従来の2段階ホモジナイザーピストン直径(55mm)を用い、10バールで行ってもよい。均質化油含有乳混合物を、加熱殺菌(72℃で15秒間)し、次いで4〜6℃に冷却する。冷却後、以下の成分をそこに順次添加して混合する:ショ糖(90g/kg)、及び必要に応じて乳クリーム(40g/kg)。続いて、カラギーナンとデンプン(例えば、タピオカデンプン、小麦デンプン、及び小麦セモリナ粉)の混合物(60g/kg)を添加混合して更にかき混ぜる。次いで、0.5g/kgのバニリンを添加する。次いで全ての成分を適切に溶解するために、加熱処理(90℃で最大30分)を行う。混合物を70℃に冷却してから包装する。カスタードプリンを調製する場合、包装容器を上記の乳系混合物を添加する前にキャラメルの層で満たす。最後に、包装したデザートを4℃で保存する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チーズ代用品の製造方法であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、該乳に該油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、該混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、該均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)該加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)該混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有するチーズ代用品が得られる、前記製造方法。
【請求項2】
該乳が、全乳、半脱脂乳、又は脱脂乳であり、好ましくは脱脂乳である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程c)における該油の導入が、約30〜40mmの直径を有する導入管によって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程c)における該食用油の流量が、約500〜2000リットル/時、好ましくは、1000リットル/時以上、より好ましくは1500リットル/時以上、最も好ましくは約2000リットル/時である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程d)における該均質化が、約55mmのピストン直径を有する2段階ホモジナイザーを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程f)における該混合物が、約4〜17重量%、好ましくは約8〜17重量%、より好ましくは約9〜17重量%の濃度で食用油を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
該脂肪が、乳脂肪と食用油、好ましくは植物油、最も好ましくは、オリーブ油との混合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
チーズ代用品であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、該乳に該油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、該混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、該均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)該加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)該混合物を凝乳形成させること、
h)凝乳と乳清の分離を行うこと
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記チーズ代用品。
【請求項9】
チーズ代用品の製造のための食用油の使用であって、該チーズ代用品が、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用。
【請求項10】
乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品の製造方法であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、該乳に該油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、該混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、該均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)該加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム代用品、カスタード代用品、冷蔵若しくは冷凍デザート代用品等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて、該加熱殺菌した混合物を更に処理すること
を含み、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する乳系代用品が得られる、前記製造方法。
【請求項11】
該乳が、全乳、半脱脂乳、又は脱脂乳であり、好ましくは脱脂乳である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程c)における該油の導入が、約30〜40mmの直径を有する導入管によって行われる、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
工程c)における該食用油の流量が、約500〜2000リットル/時、好ましくは、1000リットル/時以上、より好ましくは1500リットル/時以上、最も好ましくは約2000リットル/時である、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
工程d)における該均質化が、約55mmのピストン直径を有する2段階ホモジナイザーを用いる、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
工程f)における該混合物が、約5〜30重量%、好ましくは約5〜25重量%、より好ましくは約5〜20重量%の濃度の食用油を含む、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
該脂肪が、乳脂肪と食用油、好ましくは植物油、最も好ましくは、オリーブ油との混合物である、請求項10〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍のデザート代用品であって、以下の工程:
a)約50〜55℃の温度で食用油を供給すること、
b)約2.3バールで、約10〜12トン/時の流量で、約55℃で乳を供給すること、
c)約2.5バールで、約500〜2000リットル/時の流量で、該乳に該油を導入して混合物を得ること、
d)約10バールで、該混合物を穏やかに均質化すること、
e)約72℃で約15秒間、該均質化した混合物を加熱殺菌すること、
f)該加熱殺菌した混合物を約4〜6℃に冷却すること、
g)アイスクリーム代用品、カスタード代用品、冷蔵若しくは冷凍デザート代用品等の乳系製品を得るために、各製品の種類に適した当技術分野で公知の適切な方法を用いて、該加熱殺菌した混合物を更に処理すること
を含む方法によって得られ、
5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、最も好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する前記乳系代用品。
【請求項18】
乳系代用品、特にアイスクリーム代用品、カスタード代用品、又は冷蔵若しくは冷凍デザート代用品の製造のための食用油の使用であって、該乳系代用品は、5重量%以上の脂肪、好ましくは約5〜30重量%の脂肪、より好ましくは約5〜25重量%の脂肪、更に好ましくは約5〜20重量%の脂肪を含有する、前記使用。

【図1】
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【公表番号】特表2013−513371(P2013−513371A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542552(P2012−542552)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069282
【国際公開番号】WO2011/070114
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(511058121)クレタ・ファーム・ソシエテ・アノニム・インダストリアル・アンド・コマーシャル,トレーディング・アズ,クレタ・ファーム・ソシエテ・アノニム (3)
【出願人】(512151159)メヴガル・ソシエテ・アノニム−デイリー・プロダクト・インダストリー,トレーディング・アズ,メヴガル・ソシエテ・アノニム (1)
【Fターム(参考)】