説明

乳酸発酵大豆食品の製造方法

【課題】たん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品の製造方法において、発酵の効率化と品質改良とを同時に達成する技術を提供すること。
【解決手段】本発明では、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを原料とし、乳酸菌にて発酵を行う乳酸発酵大豆食品の製造方法であって、植物細胞壁分解酵素を添加する酵素添加工程を少なくとも行うことを特徴とする乳酸発酵大豆食品の製造方法を提供する。本発明によれば、特定の大豆原料を使用して、乳酸発酵および特定の酵素添加工程を組み合わせることにより、高品質の乳酸発酵大豆食品をより短時間で得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆を原料とした、たん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康への関心の高まりから、栄養価が高く種々の生理機能を有する大豆に注目が集まっており、例えば従来牛乳を原料に作られていたヨーグルト、チーズなどのような乳酸発酵を施した食品を、牛乳の代わりに大豆を原料として製造する方法などが開発され始めている。
【0003】
しかしながらこれら大豆を原料として乳酸発酵が施された大豆食品は、牛乳を原料としたものに比べ、製造工程において発酵が進みにくいという問題があった。そこで、より効率的に発酵を進行させる手法の開発が望まれている。
【0004】
大豆を原料として乳酸発酵が施された大豆食品の製造において、効率的に発酵を進行させる方法としては、例えば、乳酸菌の各種栄養源を添加する方法が挙げられる。また、栄養源の添加とは異なる他の方法としては、例えば、非特許文献1に、酵素としてフィターゼを利用する方法などが開示されている。
【0005】
また、乳酸発酵が施された大豆食品は、大豆を原料とすることから、食感のざらつきや大豆特有の不快臭・不快味など、品質面において、牛乳を原料としたものに比べ劣るという問題もあった。
【0006】
大豆を原料として乳酸発酵が施された大豆食品の品質面を改良する技術としては、例えば、特許文献1には、リポキシゲナーゼ欠損脱皮大豆と大豆胚芽とを含む均質化液に乳酸菌を作用させて乳酸発酵させることにより、官能的に優れたヨーグルト様食感を有する大豆食品を製造する技術が、特許文献2には、ゴマ加工物という副資材を添加することにより、豆乳由来の青臭み、不快味、発酵臭、えぐみを抑制し、風味の優れた発酵豆乳を製造する技術が、特許文献3には、豆類から調製した豆全粒粉の一次懸濁液を均質化することにより、喉越しや舌触りが滑らかな豆全粒粉発酵製品を製造する技術が、特許文献4には、粒子径50μm以上の粒子の含量が5%未満である大豆液に乳酸菌を添加し、アルカリ金属塩の1種又は2種以上がアルカリ金属として230ppm以上存在する条件下で乳酸発酵させることにより、滑らかで口どけがよく軟らかい食感の大豆食品を製造する技術が、それぞれ記載されている。
【0007】
これらの技術の他に、大豆を原料として乳酸発酵が施された大豆食品の品質面を改良する技術として、酵素を用いる方法についても様々な研究がなされている。例えば、特許文献5には、全脂大豆微粉末を煮熟しパンクレアチン処理をした後に乳酸菌醗酵させることにより、大豆特有の青臭味がなく、ざらつき感もないヨーグルト風味食品を製造する技術が開示されている。
【0008】
また、その主成分が糖であるオカラを原料とする技術ではあるが、酵素として植物細胞壁分解酵素を用いる技術として、特許文献6には、オカラを植物細胞壁分解酵素の存在下で乳酸発酵することにより、オカラ中の重要な栄養成分である食物繊維含量を低下させずに、オカラの雑菌汚染の進行を防止し保存性を増し食味と食感を改善した乳酸菌発酵オカラを製造する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−290012号公報
【特許文献2】特開2002−045137号公報
【特許文献3】特開2003−159020号公報
【特許文献4】特開2009−095271号公報
【特許文献5】特開平05−161463号公報
【特許文献6】特開2004−154122号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】福井県農業試験場 食品加工研究所 平成18年度“食品加工に関する試験成績”p5-6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した通り、たん白質を主成分とする乳酸発酵が施された大豆食品の製造過程において、乳酸発酵を促進させる技術や、製造される食品の品質を改良する技術などは多数存在するが、発酵の効率化と品質改良の課題を同時に解決する方法は、未だ開発途上であるのが現状である。
【0012】
そこで、本発明では、たん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品の製造方法において、発酵の効率化と品質改良とを同時に達成する技術を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明者らは、たん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品を製造する過程において、鋭意研究を行った結果、たん白質を主成分とする大豆食品には用いられることがなかった特定の酵素に着目することにより、発酵の効率化と品質改良とを同時に達成することに成功し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
即ち本発明では、まず、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを原料とし、乳酸菌にて発酵を行う乳酸発酵大豆食品の製造方法であって、植物細胞壁分解酵素を添加する酵素添加工程を少なくとも行うことを特徴とする乳酸発酵大豆食品の製造方法を提供する。
本発明では、たん白質を主成分とする大豆原料に対し植物細胞壁分解酵素を用いることにより、大豆原料中の植物細胞壁由来の繊維質などから乳酸菌が利用しやすい低分子化された糖質が提供されるとともに細胞内の栄養物質が溶出し、乳酸菌が増殖を始める。乳酸菌の増殖に伴って、乳酸菌自身の分泌物質により大豆原料中のたん白質やその他の可溶性成分等が分解され、この分解物を栄養源として乳酸菌はさらに増殖し、発酵が効率よく進行すると考えられる。
また、植物細胞壁はざらつきの主たる原因になっているため、これを分解することで食感をなめらかにすることができる。さらに、乳酸菌自身の分泌物質によって分解された大豆中のたん白質やその他の可溶性成分、乳酸菌の各種代謝物等は、乳酸菌の栄養源となるのみでなく、アミノ酸やペプチド、有機酸等をはじめとする呈味物質として乳酸発酵大豆食品中に蓄積され、風味良好な乳酸発酵大豆食品を得ることができると考えられる。これにより、植物細胞壁分解酵素を用いることで、発酵促進効果と品質改良を同時に達成することが出来ると推察される。
【0015】
本発明では、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを原料としているが、これらを水に懸濁または溶解した大豆液として調製した後に、前記植物細胞壁分解酵素を添加することも可能である。
本発明に係る製造方法では、前記酵素添加工程の少なくとも前に、前記大豆液を均質化する均質化工程を更に行うこともできる。
また、この均質化工程の少なくとも前に、前記大豆液を加熱する加熱工程を更に行うことも可能である。
本発明に係る製造方法に用いることができる乳酸菌は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、Streptococcus属、Lactobacillus属、Lactococcus属、Enterococcus属、Leuconostoc属、Pediococcus属、Bifidobacterium属乳酸菌などを挙げることができる。
より具体的には、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii、Lactococcus lactis、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Pediococcus pentosaceus、Pediococcus acidilactici、Leuconostoc mesenteroidesなどを1種または2種以上組み合わせて用いることが可能である。
更に具体的には、前記Lactobacillus delbrueckiiとしてはLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusなど、前記Lactococcus lactisとしてはLactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactisもしくはLactococcus lactis subsp. lactis biovar. diacetylactisなどを挙げることができる。
また、本発明に係る製造方法に用いることができる植物細胞壁分解酵素は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、セルラーゼ(EC 3.2.1.4)、セルロース1,4-β-セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91)、ペクチナーゼ(EC 3.2.1.15)、キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、マンナナーゼ(EC 3.2.1.25)、α-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)などを1種または2種以上組み合わせて用いることが可能である。
【0016】
ここで、本発明で使用する技術用語を説明する。
本発明において「乳酸発酵大豆食品」とは、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくとも一つを原料とし、乳酸発酵を行った発酵食品のことをいう。
【0017】
本発明において「大豆液」とは、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを水に懸濁または溶解した液、もしくはこれらの混合物をいう。
【0018】
本発明において「大豆粉」とは、丸大豆を粉砕したものをいう。必要に応じて脱皮、焙煎、蒸煮等の処理を施してもよい。
【0019】
本発明において「脱脂大豆」とは、丸大豆から搾油などによる脱脂後、残った大豆粕とそれを原料に加工したものをいう。
【0020】
本発明において「大豆たん白」とは、分離大豆たん白および濃縮大豆たん白をいう。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定の大豆原料を使用して、乳酸発酵および特定の酵素添加工程を組み合わせることにより、発酵物のpHを速やかに低下させ製造時間の短縮が図れるとともに、酸凝固によるカードの状態が良好でホエーが分離しにくい高品質の乳酸発酵大豆食品をより短時間で得ることが可能となる。
【0022】
また、本発明で製造した乳酸発酵大豆食品は、ざらついた舌触りがなく滑らかな食感とまろやかな風味を有しており、本発明によれば、品質面においても非常に良好な乳酸発酵大豆食品を製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0024】
本発明に係る製造方法は、酵素添加工程を少なくとも行う方法であり、必要に応じて、均質化工程、加熱工程などを更に行うことも可能である。
【0025】
本発明に係る製造方法では、大豆原料として、たん白質を主成分とする大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを選択することを特徴としている。
以下、各工程について、詳細に説明する。
【0026】
(1)酵素添加工程
本発明において、酵素添加工程とは、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白から選択される少なくとも一つを原料としたたん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品の製造過程において、植物細胞壁分解酵素を添加し、酵素を作用させる工程である。
【0027】
本発明では、たん白質を主成分とする乳酸発酵大豆食品の製造過程において、植物細胞壁分解酵素を添加することにより、乳酸発酵を効率化し、かつ、製造される乳酸発酵大豆食品の品質を改良することに成功した。より具体的には、乳酸発酵に要する時間を短縮することができるとともにホエーの分離がおきにくい高品質の乳酸発酵大豆食品をより短時間で得ることが出来、かつ、製造される乳酸発酵大豆食品の食感のざらつき・風味などの品質を改善することに成功した。
【0028】
酵素添加工程において用いることができる植物細胞壁分解酵素としては、植物の細胞壁を構成する糖質を分解する酵素であれば、公知の酵素を自由に選択して用いることができる。植物の細胞壁を構成する糖質としては例えばセルロース、ヘミセルロース、ペクチン等があり、これらを分解する酵素としてそれぞれセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等が挙げられる。好ましくは、セルラーゼ(EC 3.2.1.4)、セルロース1,4-β-セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91)、ペクチナーゼ(EC 3.2.1.15)、キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、マンナナーゼ(EC 3.2.1.25)、α-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)などが挙げられる。
【0029】
また、植物細胞壁分解酵素の添加濃度に特に制限はなく、用いる酵素や乳酸菌の種類、目的などに応じて、自由に設定することができる。本発明において、より効率的に発酵を促進させ、より良い品質の乳酸発酵大豆食品を得るには、対原料溶液重量0.01〜5%が好ましい。
【0030】
植物細胞壁分解酵素の添加手順は特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白から選択された大豆原料と、乳酸菌および植物細胞壁分解酵素とを混合した混合物に水を添加して、乳酸発酵を行うことが可能である。あるいは、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白から選択された大豆原料を水に懸濁または溶解して大豆液を調製した後、この大豆液に、乳酸菌および植物細胞壁分解酵素を添加して、乳酸発酵を行うことも可能である。また、植物細胞壁分解酵素と乳酸菌の添加の順番についても特に制限はない。但し、本発明では特に、より効率的に発酵を促進させ、より良い品質の乳酸発酵大豆食品を得るには、植物細胞壁分解酵素は乳酸菌と同時もしくは後に添加するなどして、乳酸発酵の発酵工程の範囲で植物細胞壁分解酵素が働く条件とすることが好ましい。
【0031】
前記大豆原料を水に懸濁または溶解する際に用いる水の温度に特に制限はなく、乳酸菌あるいは植物細胞壁分解酵素を添加する際にそれらが失活しない範囲の温度となっていればよい。
【0032】
前記大豆原料を水に懸濁または溶解する際の固形分濃度は、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、3〜20%とすることが好ましい。固形分濃度が3%未満であると、味や香りが希薄になり、食した際の食感のボディー感がやや乏しくなる場合があり、また、20%を超えると、大豆液の粘度が増し、均質化などの工程で作業性に支障が生じる場合があるからである。
【0033】
本発明に係る製造方法において用いることができる乳酸菌としては、細胞形態が桿菌もしくは球菌であり、グラム陽性かつカタラーゼ陰性を示し、培養液中に多量の乳酸を生成する細菌であれば、公知の乳酸菌を自由に選択して用いることができる。好ましくは、Streptococcus thermophilus, Lactococcus lactis, Lactobacillus helveticus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus delbrueckii, Lactobacillus caseiなどを挙げることができ、より好ましくはStreptococcus thermophilus, Lactococcus lactis subsp. cremoris, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus helveticusなどが挙げられる。
【0034】
乳酸菌の添加手順についても特に限定されず、乳酸菌を直接原料に添加してもよく、また乳酸菌培養液を調製したのちそれを原料に添加することもできる。
【0035】
本発明に係る製造方法において、乳酸発酵の温度や時間は特に制限されず、用いる乳酸菌に適する条件であれば、自由に採用することができる。本発明においては、発酵の速やかな進行のための発酵温度としては、30℃〜40℃であることが好ましい。
【0036】
また、本発明に係る製造方法において、発酵におけるpHも特に限定されず、用いる酵素や乳酸菌の種類、目的などに応じて、自由に設定することができる。本発明において、適度な酸味のものを得るには、pH4.5〜5.5で発酵工程を終了させることが好ましい。発酵中、もしくは発酵後にpH調整剤を添加し、pHが上記好適範囲内となるよう微調整してもよい。
【0037】
また、発酵開始時にpH調整剤を添加し、初発pHを適宜調整することもできる。
【0038】
本発明に係る製造方法においては、乳酸発酵大豆食品のカードの固さを調節するために、様々な方法を用いることができる。例えば、増粘多糖類等を添加する方法、乳酸発酵大豆食品のpHを調整する方法、製造工程にて塩化マグネシウムなどの凝固剤やたん白質分解酵素を利用する方法等が挙げられる。
【0039】
本発明に係る製造方法では、前記大豆原料に乳酸菌や植物細胞壁分解酵素を添加する前に、予め、前記大豆原料を殺菌することも可能である。本発明に係る製造方法に用いることができる殺菌方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の方法を自由に選択して用いることができる。例えば、高温短時間殺菌(HTST)法、超高温加熱処理(UHT)法、レトルト殺菌、過熱水蒸気殺菌などの加熱殺菌や通電殺菌、紫外線殺菌などの方法を採用することができる。また連続式あるいはバッチ式のいずれの方法でも採用することができ、温度や時間などの殺菌条件も適宜設定することができる。
【0040】
なお、後述する加熱工程を行う場合には、該加熱工程において殺菌を行うことも可能である。
【0041】
また、本発明に係る製造方法では、製造工程における任意の時期に、前記殺菌方法を用いて酵素の失活処理、乳酸菌の殺菌処理を行うこともできる。
【0042】
本発明に係る製造方法では、前記大豆原料、植物細胞壁分解酵素、乳酸菌のほか、本発明の効果を損なわなければ、大豆以外の原料、乳酸菌以外の微生物、植物細胞壁分解酵素以外の酵素、その他食塩等の調味料や増粘剤等の添加物などの副資材を添加することもできる。具体例としては、例えば、豆乳、酵母、麹菌、たん白質分解酵素、脂肪分解酵素、たん白質架橋酵素等が挙げられる。
【0043】
また、本発明に係る製造方法では、その他の添加物、すなわち、乳化剤、増粘安定剤、甘味料、酸味料、香料、調味料、酸化防止剤、pH調整剤、保存料、凝固剤、着色料等を添加してもよい。具体的には、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム等の増粘安定剤、グルコース、シュークロース、フラクトース、蜂蜜等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム等の甘味料、食塩や各種エキスなどの調味料、塩化マグネシウムなどの凝固剤等が挙げられる。また、野菜やフルーツ、ナッツ類、香辛料、脱脂粉乳等の食品素材を添加することもできる。
【0044】
(2)均質化工程
均質化工程は、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを水に懸濁または溶解した大豆液を均質化処理する工程である。本発明においては、必須の工程ではないが、酵素添加工程において前記大豆液を調整した後に植物細胞壁分解酵素を添加する手順で行う場合には、植物細胞壁分解酵素を添加する前に、前記大豆液を均質化することが好ましい。
【0045】
本発明に係る製造方法で用いることができる均質化方法は、本発明の効果を損なわなければ、通常の食品製造で用いられる方法を自由に選択して用いることができる。例えば、高圧均質化や超音波処理などの手法を採用することができ、常法に従って均質化処理を行うことが可能である。
【0046】
均質化処理を行う順序は、植物細胞壁分解酵素を添加する前であれば特に限定されず、目的に応じて、例えば、前述した大豆原料の殺菌処理の前後、後述する加熱工程の前後いずれかに行うことができる。
【0047】
(3)加熱工程
加熱工程は、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを水に懸濁または溶解した大豆液を加熱する工程である。本発明においては、必須の工程ではないが、酵素添加工程において前記大豆液を調製した後に植物細胞壁分解酵素を添加する手順で行う場合には、植物細胞壁分解酵素を添加する前に、前記大豆液を加熱することが好ましい。
【0048】
なお、この加熱工程は、前述した殺菌処理として用いることも、あるいは、殺菌処理とは別の工程として行うことも可能である。
【0049】
加熱方法は特に限定されず、本発明の効果を損なわなければ、通常の食品製造で用いられる方法を自由に選択して用いることができる。例えば、高温短時間殺菌(HTST)法、超高温加熱処理(UHT)法、レトルト法、過熱水蒸気法、通電加熱などの手法を採用することができ、常法に従って加熱処理を行うことが可能である。また連続式あるいはバッチ式いずれの方法でも採用することができ、温度や時間などの加熱条件も適宜設定することができる。
【0050】
加熱工程を行う順序は、植物細胞壁分解酵素を添加する前であれば特に限定されず、目的に応じて、例えば、前述した均質化工程の前後いずれかに行うことができる。本発明においては、特に、この加熱工程を、前述した均質化工程の前に行うことが好ましい。後述する実施例で示す通り、均質化工程の前に加熱工程を行うと、食感のざらつきをより顕著に抑制することが可能となるからである。
【0051】
以上説明した本発明に係る製造方法で製造される乳酸発酵大豆食品としては、例えば上記手法に従って得られるヨーグルト様食品が挙げられる。ヨーグルト様食品は、上記製法によって得られるハードヨーグルトタイプのものの他、それを撹拌してカードを砕き乳化させたソフトヨーグルトタイプのもの、液状にしたドリンクヨーグルトタイプのもの、凍らせたフローズンヨーグルトタイプのものなどに調整することもできる。また、発酵終了後、低温で数時間から数日間保存し、粘度を調節することもできる。
【0052】
更に、ヨーグルト様食品のホエーを切り、カードを得、それを熟成させてチーズ様食品とすることもできる。熟成は、カードを脱酸素条件下において行うこともでき、またカード表面およびまたは内部に通常食品製造で用いられるカビや酵母等を接種して行うこともできる。
【0053】
この場合、用いる微生物としてはPenicillium candidum、Penicillium camemberti, Penicillium roqueforti、麹菌(Aspergillus属)、紅麹菌(Monascus属)等のカビ、Brevibacterium属、Propionibacterium属等の細菌類、Debaryomyces属、Kluyveromyces属、Saccharomyces属、Candida属、Geotrichum属等の酵母などが挙げられる。
【0054】
また、熟成工程において、たん白質分解酵素や脂肪分解酵素を用いることもできる。この場合の熟成温度は特に制限されないが、0〜20℃の低温で行うことが好ましい。
【0055】
また、これらの乳酸発酵大豆食品を乾燥させ粉末タイプとすることもできる。
【0056】
本発明に係る製造方法で製造される乳酸発酵大豆食品は、各種飲食品や飼料の原料とすることができる。飲食品や飼料の種類は特に限定されず、あらゆる飲食品や飼料の原料に用いることができる。例えば、ヨーグルト、チーズ、マーガリン、クリームなどの乳製品や、乳製品を使用した冷菓、アイスクリーム類、氷菓、飲料などに使用することができる。また、プレミックス、ベーカリー製品、麺、パスタなどの小麦粉加工品、スナック、米菓、洋菓子、和菓子等の菓子類、ソース、ドレッシング、ペースト、フィリングなどの調味料、即席麺、即席スープ等のインスタント食品、レトルト食品、缶詰、冷凍食品、畜肉製品、水産練製品、珍味食品、アルコール飲料、ソフトドリンクなどに使用することもできる(これら飲食品の濃縮原液および調製粉末を含む)。
【実施例】
【0057】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0058】
<実施例1>
実施例1では、本発明に係る製造方法を用いて乳酸発酵大豆食品を製造した場合と、従来の製造方法を用いて乳酸発酵大豆食品を製造した場合の、発酵促進効果を評価した。また、それぞれの方法で得られた乳酸発酵大豆食品について、品質を評価した。なお、実施例1では、乳酸発酵大豆食品として、ヨーグルト様食品を製造した。
【0059】
含脂大豆粉(昭和産業製)15%:水85%にて混合した大豆液を、直蒸気式加熱殺菌機(ノリタケクッカー、ノリタケカンパニーリミテッド製)にて121℃で5分間加熱殺菌処理した。この加熱殺菌処理した大豆液に、下記表1に示す7種類のいずれかの乳酸菌の前培養液を、対大豆液重量で5%添加した。また乳酸菌の添加と同時に下記表2に示す6種類のいずれかの植物細胞壁分解酵素をそれぞれの乳酸菌と組合せて、対大豆液重量0.1%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行い、ヨーグルト様食品を得た。
【0060】
均質化処理区においては、乳酸菌および植物細胞壁分解酵素の添加の前に加熱殺菌処理した大豆液を、高圧ホモジナイザー(ホモゲナイザー、三和エンジニアリング製)にて50MPaで均質化処理を行い、その後上記と同様にして乳酸菌および植物細胞壁分解酵素を添加し発酵処理を行った。
【0061】
また、均質化処理した大豆液と均質化処理していない大豆液それぞれについて、酵素を添加せずに発酵処理したものを比較例とした。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
発酵促進効果については、pH5に到達するまでの時間とその時の乳酸発酵大豆食品の性状を観察することにより評価を行った。乳酸発酵大豆食品の性状は表3の基準に基づいて評価した。
【0065】
また品質面に与える効果については、得られた発酵物の食感のざらつきと風味を観察することにより評価を行った。食感、風味の官能評価は、下記の表4から6の基準に基づき、社内の熟練したパネラー10名によって行った。
【0066】
【表3】

尚、発酵が進行せず酸凝固が起こらなかったものも×と表記した。
【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
【表6】

【0070】
各乳酸菌種と酵素の組合せパターンにおいてpH5に到達するまでの時間、およびホエーの分離、食感、風味、総合評価を、下記表7から表13に示す。
【0071】
【表7】

【0072】
【表8】

【0073】
【表9】

【0074】
【表10】

【0075】
【表11】

【0076】
【表12】

【0077】
【表13】

【0078】
表7から表13に示す通り、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、pH5までの到達時間が顕著に短くなることが分かった。すなわち、本発明に係る製造方法を用いれば、従来の方法に比べて、発酵効率を顕著に高めることが可能であることが証明された。
【0079】
また、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、ホエーの分離を抑制することができ、食感については、ざらつきを顕著に抑制することができ、風味も改善することがわかった。
【0080】
更に、表7に示す通り、均質化工程を行った場合、均質化工程を行わない場合に比べ、顕著にホエーの分離を抑制できることが分かった。すなわち、本発明に係る製造方法において、均質化工程を行うことで、短時間で高い品質の乳酸発酵大豆食品を得ることが可能であることが証明された。
【0081】
さらに、表7に示すとおり、均質化工程を行った場合、均質化工程を行わない場合に比べ、食感についてはざらつきを顕著に抑制することができ、また風味をより改善できることも確認できた。
【0082】
<実施例2>
実施例2では、本発明に係る製造方法を用いてチーズ様食品を製造した場合と、従来の製造方法を用いてチーズ様食品を製造した場合の、発酵促進効果を評価した。また、それぞれの方法で得られたチーズ様食品について、品質を評価した。
【0083】
実施例1と同様にして均質化した大豆液もしくは均質化していない大豆液を調製し、それに実施例1と同様にして調製した乳酸菌Lactococcus lactis subsp. cremoris H-61の前培養液を対大豆液重量で5%添加するとともにスミチームAGS(α-ガラクトシダーゼ)を対大豆液重量で0.05%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行った。得られたヨーグルト様食品のホエーを切り、グリーンチーズ様のカードを得た。このカードを脱酸素条件下で10℃にて4ヶ月熟成させてチーズ様食品を得た。
【0084】
また、均質化処理した大豆液と均質化処理していない大豆液それぞれについて、酵素を添加せずに発酵処理したものを比較例とした。
【0085】
チーズ様食品の風味については表14の基準に基づいて評価を行った。
【0086】
チーズ様食品の性状については表15の基準に基づいて評価を行った。
【0087】
チーズ様食品のなめらかさに関する効果についての評価は、実施例1と同様の方法で行った。
【0088】
各乳酸菌種と酵素の組合せパターンにおいてpH5に到達するまでの時間、およびカードの割れの生じにくさ、食感、風味、総合評価を、下記表16に示す。
【0089】
【表14】

【0090】
【表15】

【0091】
【表16】

【0092】
表16に示す通り、従来の方法で製造した場合においては、乳酸発酵が進まず、カードを得ることができなかったため、チーズ様食品を製造することができなかった。
【0093】
また、本発明に係る製造方法において、均質化工程を行うことで、強くて割れが生じにくいカードが得られ、ざらつきを抑制することができ、また風味も改善できることが分かった。
【0094】
<実施例3>
実施例3では、本発明に係る製造方法を用いてドリンクタイプのヨーグルト様食品を製造した場合と、従来の製造方法を用いてドリンクタイプのヨーグルト様食品を製造した場合において、発酵促進効果を評価した。また、それぞれの方法で得られたドリンクタイプのヨーグルト様食品について、品質を評価した。
【0095】
実施例1と同様にして均質化した大豆液もしくは均質化していない大豆液を調製し、それに、実施例1と同様にして調製した下記の2種類のいずれかの乳酸菌の前培養液を対大豆液重量で5%添加するとともに、セルロース1,4-β-セロビオシダーゼあるいはキシラナーゼをそれぞれの乳酸菌と組合せて対大豆液重量0.1%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行い、ドリンクヨーグルト様の乳酸発酵大豆食品を得た。
【0096】
発酵促進効果および品質面に関する効果についての評価は、実施例1と同様の方法で行った。但し、乳酸発酵大豆食品の性状については表17に示す基準に基づいて評価を行った。
【0097】
各乳酸菌種と酵素の組合せパターンにおいてpH5.5に到達するまでの時間、および固形分の分離(沈殿)、食感、風味、総合評価を、下記表18および表19に示す。
【0098】
【表17】

【0099】
【表18】

【0100】
【表19】

【0101】
表18および表19に示す通り、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、pH5.5までの到達時間が顕著に短くなることが分かった。すなわち、本発明に係る製造方法を用いれば、従来の方法に比べて、発酵効率を顕著に高めることが可能であることが証明された。
【0102】
また、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、固形分の分離(沈殿)を抑制することができ、食感については、ざらつきを顕著に抑制することができ、更に風味も改善することが分かった。
【0103】
更に、表18に示す通り、均質化工程を行った場合、均質化工程を行わない場合に比べ、顕著に固形物の分離(沈殿)を抑制し、食感についてはざらつきを顕著に抑制することができ、また風味をより改善できることが分かった。
【0104】
<実施例4>
実施例4では、原料に脱脂大豆を用いてヨーグルト様食品を製造した場合について、実施例1と同様の評価を行った。
【0105】
脱脂大豆粉(昭和産業製)15%:水85%にて混合した大豆液を実施例1と同様に加熱殺菌および均質化処理して得られたものに、実施例1と同様にして調製した下記の2種類のいずれかの乳酸菌の前培養液を対大豆液重量で5%添加し、また乳酸菌の添加と同時に下記の6種類の植物細胞壁分解酵素をそれぞれの乳酸菌と組合せて対大豆溶液重量0.1%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行い、ヨーグルト様食品を得た。
【0106】
発酵促進効果および品質面に関する効果についての評価は、実施例1と同様の方法で行った。
【0107】
各乳酸菌種と酵素の組合せパターンにおいてpH5に到達するまでの時間、およびホエーの分離、食感、風味、総合評価を、下記表20および表21に示す。
【0108】
【表20】

【0109】
【表21】

【0110】
表20および表21に示す通り、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、pH5までの到達時間が顕著に短くなることが分かった。すなわち、本発明に係る製造方法を用いれば、従来の方法に比べて、発酵効率を顕著に高めることが可能であることが証明された。
【0111】
また、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、ホエーの分離を抑制することができ、食感については、ざらつきを顕著に抑制することができ、更に風味も改善することが分かった。
【0112】
<実施例5>
実施例5では、加熱工程と均質化工程の順番を変えた場合について、実施例1と同様の評価を行った。
【0113】
加熱先行区では、含脂大豆粉(昭和産業製)15%:水85%にて混合した大豆液を直蒸気式加熱殺菌機(ノリタケクッカー、ノリタケカンパニーリミテッド製)にて121℃で5分間加熱殺菌処理した。この加熱殺菌処理した大豆液を、高圧ホモジナイザー(ホモゲナイザー、三和エンジニアリング製)にて50MPaで均質化処理を行った後、実施例1と同様にして調製した乳酸菌Lactococcus lactis subsp. cremorisの前培養液を対大豆液重量で5%添加し、また乳酸菌の添加と同時に植物細胞壁分解酵素α-ガラクトシダーゼを対大豆液重量で0.1%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行い、ヨーグルト様食品を得た。均質化先行区では、含脂大豆粉(昭和産業製)15%:水85%にて混合した大豆液を高圧ホモジナイザー(ホモゲナイザー、三和エンジニアリング製)にて50MPaで均質化処理を行った後、直蒸気式加熱殺菌機(ノリタケクッカー、ノリタケカンパニーリミテッド製)にて121℃で5分間加熱殺菌処理した。この大豆液に実施例1と同様にして調製した乳酸菌Lactococcus lactis subsp. cremorisの前培養液を対大豆液重量で5%添加し、また乳酸菌の添加と同時に植物細胞壁分解酵素α-ガラクトシダーゼを対大豆液重量で0.1%添加し、37℃で静置にて発酵処理を行い、ヨーグルト様食品を得た。
【0114】
得られた発酵物について発酵促進効果と食感・風味に関して実施例1と同様の方法で評価を行った。pH5に到達するまでの時間、およびホエーの分離、食感、風味、総合評価を、下記表22に示す。
【0115】
【表22】

【0116】
表22に示す通り、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、pH5までの到達時間が顕著に短くなることが分かった。すなわち、本発明に係る製造方法を用いれば、従来の方法に比べて、発酵効率を顕著に高めることが可能であることが証明された。
【0117】
また、本発明に係る製造方法(酵素添加)で製造した場合、従来の方法(酵素無添加)で製造した場合に比べ、ホエーの分離を抑制することができ、食感については、ざらつきを顕著に抑制することができ、更に風味も改善することが分かった。
【0118】
さらに、均質化工程の前に加熱工程を行ったほうが、均質化工程の後に加熱工程を行うより、ホエーの分離、食感のざらつき抑制、風味改善効果が高いことが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを原料とし、乳酸菌にて発酵を行う乳酸発酵大豆食品の製造方法であって、
植物細胞壁分解酵素を添加する酵素添加工程を少なくとも行うことを特徴とする乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項2】
前記酵素添加工程では、大豆粉、脱脂大豆、大豆たん白の少なくともいずれか一つを水に懸濁または溶解した大豆液に前記植物細胞壁分解酵素を添加する請求項1記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項3】
前記酵素添加工程の少なくとも前に、前記大豆液を均質化する均質化工程を更に行う請求項2記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項4】
前記均質化工程の少なくとも前に、前記大豆液を加熱する加熱工程を更に行う請求項3記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項5】
前記乳酸菌は、Streptococcus属、Lactobacillus属、Lactococcus属、Enterococcus属、Leuconostoc属、Pediococcus属、Bifidobacterium属乳酸菌およびこの組合せから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項6】
前記乳酸菌は、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii、Lactococcus lactis、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Pediococcus pentosaceus、Pediococcus acidilactici、Leuconostoc mesenteroides、およびこの組合せから選択される請求項1から5のいずれか一項に記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項7】
前記Lactobacillus delbrueckiiがLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、前記Lactococcus lactisがLactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactisもしくはLactococcus lactis subsp. lactis biovar. diacetylactisである請求項6記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。
【請求項8】
前記植物細胞壁分解酵素は、セルラーゼ(EC 3.2.1.4)、セルロース1,4-β-セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91)、ペクチナーゼ(EC 3.2.1.15)、キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、マンナナーゼ(EC 3.2.1.25)、α-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)、およびこの組合せから選択される請求項1から7のいずれか一項に記載の乳酸発酵大豆食品の製造方法。

【公開番号】特開2011−135832(P2011−135832A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298446(P2009−298446)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000187079)昭和産業株式会社 (64)
【Fターム(参考)】