乾式トナー及び画像形成方法


【課題】 本発明の目的は、高品位な画像を長期にわたり安定して実現し、現像剤担持体や感光体に悪影響を及ぼさない乾式トナー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子を有する乾式トナーであって、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有する乾式トナー。


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した記録方法に用いられる乾式トナー(以下トナーと称す)、及び、該トナーを用いた画像形成方法に関するものである。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ、プロッター等に利用し得る画像記録装置に用いられるトナー、及び、該トナーを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行って可視像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー像を定着して最終画像を得るものである。
【0003】静電潜像をトナーを用いて可視像化する現像方法も種々知られている。例えば米国特許第2,874,063号明細書に記載されている磁気ブラシ法、米国特許第2,618,552号明細書に記載されているカスケード現像法及び米国特許第2,221,776号明細書に記載されているパウダークラウド法、ファーブラシ現像法、液体現像法等、多数の現像法が知られている。これらの現像法において、特にトナー及びキャリヤーを主体とする現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法、液体現像法などが実用化されている。これらの方法はいずれも比較的安定に良画像の得られる優れた方法であるが、反面キャリヤーの劣化、トナーとキャリヤーの混合比の変動という二成分現像剤にまつわる問題点を有する。
【0004】係る問題点を解消する為、トナーのみよりなる一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されている。
【0005】近年このような複写装置は、単なる一般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
【0006】そのため、小型化、軽量化そして高速化、高信頼性が厳しく追求されてきており、機械は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。
【0007】特に、プリンターやファクシミリでは画像形成装置部分を小さくすることが望まれるため、一成分トナーを用いた現像装置が使用されることが多い。
【0008】こうした中、上記の如きプリンターやファクシミリでは高解度への要求も高まっている。例えば、当初200〜300dpi(dot per inch)であった解像度が400〜800dpi、更には1200dpiとなりつつある。また、複写機についても同様に、デジタル化による高機能化が進み、やはり高解像・高精細の現像方法が強く要求されつつある。
【0009】そこで、特にデジタル方式のプリンターや複写機等では静電潜像の高精細化を図る目的で感光層の薄膜化が進んできている。このような薄膜感光体を用いた場合では静電潜像の電位コントラストが低下する為、現像に用いるトナーにはより現像性の高いトナーが望まれている。
【0010】一成分現像方式は、現像時にトナーが鎖状(一般には「穂立ち」と呼ばれている)となって現像される為、画像横方向の解像度が縦方向に比べて悪くなり易く、また、ベタ黒画像に比べライン画像上へはトナーの飛翔量が過多となり、トナー消費量が増大し画像の忠実再現性や経済性に劣る傾向にある。一方、トナーによる顕画像化に際し、トナーが画像部から穂の状態のままはみ出す尾引き現像や画像周辺部へのトナーの飛び散り現像を生じ、解像度低下の一因となっている。
【0011】そこで、画像再現性をより向上させる方法として、トナー担持体(現像スリーブ)上へのトナー塗布をきわめて薄くし、トナーの穂立ちをより短くすることが必要となる。しかしながら、従来のトナーにおいては、この方法はトナーと現像スリーブとの摩擦帯電が過剰となり、必要以上に帯電したトナーは現像スリーブとのクーロン力が上がり、現像が困難となるばかりか、過剰に帯電したトナー同士の凝集により現像スリーブ上のトナーの塗布ムラを生じるブロッチ現象や、他のトナーの帯電を阻害することに起因するスリーブゴースト現像等が発生し易くなる。特にスリーブゴースト現象は、特開平2−28415号公報に記載されているようにトナー中の比較的粒子径の小さいトナー微粉粒子の摩擦帯電量が大きくなり、その強い鏡映力により現像スリーブ表面に付着し、トナー微粉粒子層を形成する為に発生すると考えられている。
【0012】高解像・高精細の現像方法の要求に対し、特開平1−112253号公報、特開平1−191156号公報、特開平2−214156号公報、特開平2−284158号公報、特開平3−181952号公報、特開平4−162048号公報等では特定の粒度分布を呈する小粒径トナーが提案されているが、トナー中の比較的粒径の小さいもの程、摩擦帯電量が大きくなる為、やはり上述の如きスリーブゴースト現象や、トナー担持体表面のトナーコートムラに起因するブロッチ現象が発生し易くなる。
【0013】一方、特開平9−160283号公報では平均粒径が6〜10μmで、平均円形度が0.85〜0.98を有し、円形度が0.85以下の粒子の含有率が10重量%以下であるトナーが提案されているが、トナーの流動性や帯電立ち上り性、及びクリーニングブレードによるクリーニング性について言乃されているものの、トナーの小粒径化に伴うトナー担持体からのトナー粒子の離型性や摩擦帯電量のコントロールについては全く配慮されておらず、高精細現像には至っていない。
【0014】又、特開平9−197714号公報では、現像剤粒子の50%平均径Aと10%平均径Bの比B/Aが40〜80%で、平均円形度が0.93〜1.0で、円形度が0.85以下の割合が3.0%以下となる様にトナー形状をコントロールすることにより総合的に考慮した現像剤について提案されている。しかし、現像剤の画像濃度の安定性等にある程度の改善が見られるものの、平均円形度が0.96を越える50%平均径が8μm以下の小粒径化トナーについては考慮されておらず微小ドットの再現性や転写性、更には画像形成装置とのマッチングに対し、改善の余地を残しているのが実状である。
【0015】一方、近年では環境保護の観点から、従来から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び転写プロセスから感光体当接部材を用いた一次帯電、転写プロセスが主流となりつつある。
【0016】例えば、特開昭63−149669号公報や特開平2−123385号公報が提案されている。これらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであるが、静電潜像担持体に導電性弾性ローラを当接し、該導電性ローラに電圧を印加しながら該静電潜像担持体を一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってトナー像を得た後該静電潜像担持体に電圧を印加した別の導電性ローラを押圧しながらその間に転写材を通過させ、該静電潜像担持体上のトナー画像を転写材に転写した後、定着工程を経て転写画像を得ている。
【0017】しかしながら、このようなコロナ放電を用いないローラ転写方式においては、転写部材が転写時に転写材を介して感光体に当接されるため、感光体上に形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像が圧接され、所謂「転写中抜け」と称される部分的な転写不良が発生した。
【0018】又、トナーが小粒径化するに従い、転写でトナー粒子にかかるクーロン力に比べて、トナー粒子の感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力など)が大きくなり、結果として転写残トナーが増加する傾向があった。
【0019】更に、ローラ帯電方式においては、帯電ローラと静電潜像担持体間に発生する放電による静電潜像担持体表面の物理的・化学的な作用がコロナ帯電方式に比較して大きく、特に有機感光体/ブレードクリーニングとの組合せにおいて、感光体表面劣化に起因する摩耗が生じやすく、寿命に問題があった。
【0020】従って、このような画像形成方法に用いられるトナーと感光体は離型性に優れたものであることが要求されていた。
【0021】ところで、これまで、転写されずに感光体上に残った未転写トナーは、種々の方法でクリーニング除去された後、いわゆる「廃トナー」として回収、排出され、再度使用されることはなかった。該廃トナーは廃棄物(廃プラスチック)として処理される為、資源の有効利用や該廃棄物の低減、更には生活環境への配慮等の観点より、該廃トナーを再使用する、いわゆるトナーリユースに対する検討が広く行われている。該廃トナーの再利用が可能となれば、上記の如きトナーの有効利用のみならず画像形成装置のコンパクト化等、その他のメリットも考えられる。
【0022】しかし、実際には、該廃トナーの再利用を行うと、画像濃度の低下やカブリ現象等の発生により画像品質に悪影響を及ぼしたり、画像形成装置とのマッチングに不具合を生じた。
【0023】したがって、上記の如きトナーリユースに適用されるトナーには、従来よりトナーに望まれた現像性、環境安定性、低温定着性、耐オフセット性、及び、保存性等の各特性の他に、外力に対する機械的強度や耐久性、更には、廃トナーの現像部分への搬送性に優れることも要求されてくる。
【0024】上記に挙げた様なトナーに対して要求される種々の性能は互いに相反的であることが多く、しかもそれらを共に高性能に満足することが近年ますます望まれている。この様な状況下、各トナー構成材料の果たす役割は大きく、高機能化が求められると共に、トナーの優れた特性を引き出す画像形成システムの設計が重要となっている。しかし、上記問題点について包括した統括的対応について未だ十分なものはない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、係る従来技術の欠点を大幅に改良し、現像性と転写性を向上し、尚且つ、高品位な画像を長期にわたって安定して実現し、現像剤担持体や感光体に悪影響を及ぼさない電子写真プロセスに高度に適用を可能とする乾式トナー、及び、該トナーを用いた画像形成方法を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有する乾式トナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有することを特徴とする乾式トナーに関する。
【0027】更に本発明は、該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0028】本発明者等は、鋭意検討の結果、トナーの形状分布を精密に制御することにより、トナーに望ましい現像性と転写性を与えることが出来ることを見出した。
【0029】すなわち、トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%となる様にトナーの粒子形状を精密に制御することにより現像性と転写性をバランス良く改善することが出来る。
【0030】トナーの円相当個数平均径を2〜10μmとすることにより、良好な画像を得ることが出来る。特に円相当個数平均径を2〜5μmと小粒径化することにより画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。しかし、従来より、トナー粒子を小粒径化すると、必然的に微小粒径のトナーの存在率が高くなる為、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、トナー担持体表面への付着力が高くなり、結果として前述の如きスリーブゴースト現象を招いていた。
【0031】しかし、本発明のトナーは円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中の円形度が0.950未満の微粒子の存在割合を5〜40個数%とすることにより、現像性に関わる問題を大幅に改善することが出来る。その理由としては、現像工程においてトナー担持体上にトナーの薄層を形成する際に、トナー層厚規制部材の規制力を通常よりも強くしても十分なトナーコート量を保つことができるため、トナー担持体に対するダメージを与えることなくトナー担持体上のトナーの帯電量を通常よりも高くすることが可能となる。これにより従来では困難であった小粒径を呈するトナーの均一な帯電性が大幅に改善される。又、該微粒子の形状をコントロールすることによりトナー担持体上のトナーのモビリティーと離型性が向上する為、スリーブゴーストを未然に防止することが可能となると同時に、トナーの帯電性が相乗的に向上し、現像性が格段に改善される。特に、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜25個数%とすることにより低電位潜像に対する現像能力が格段に向上する為、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合に有効である。
【0032】円相当径が1〜3μmの範囲の微粒子群中の円形度が0.950未満の微粒子を40個数%を越えて含有する場合、トナーの帯電性が不均一となるばかりか、トナー担持体との離型性が著しく低下する為、スリーブゴースト現象を生じる。又、トナー担持体上のトナーの搬送性も悪化する為、画像カブリを生じたり、さざ波状の画像ムラであるブロッチ現象が発生する。
【0033】円相当径が1〜3μmの範囲の粒子中の円形度が0.950未満の微粒子が5個数%未満の場合、トナー表面の劣化が著しいものとなり、耐久性等に問題を生じたり、転写性の低下等を招く。
【0034】更に、トナーの平均円形度を0.960〜0.995とすることによりトナーの表面性が均一となり現像性が良好となる。平均円形度が0.960未満の場合、トナー表面の形状が不均一である為、トナーの帯電性に悪影響を生じる。又、平均円形度が0.995を越えるとトナー表面の劣化が著しいものとなり、耐久性等に問題を生じる。
【0035】本発明におけるトナーの円相当径、円形度、及びそれらの頻度分布とは、トナーの形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亞医用電子社製)を用いて測定を行ない、下式を用いて算出した。
【0036】円相当径=(粒子投影面積/π)1/2 ×2
【0037】
【外1】


【0038】ここで、「粒子投影面積」とは2値化されたトナー像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0039】本発明に於ける円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0040】本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1は、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0041】
【外2】


【0042】また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると次式から算出される。
【0043】
【外3】


【0044】具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0045】トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当径と円形度の2次元頻度分布図(スキャッタグラム)を求める。
【0046】本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇をもたらす。特にフルカラー画像を形成するためのカラートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性が低下し色再現性に乏しく、更にOHP画像を透明性が低下するため好ましくない。
【0047】結着樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。コア−シェル構造を有するトナーの場合、具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめて抽出物を得、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解しない有機溶剤(例えばクロロホルム等)を抽出物に加え十分洗浄を行った後、残留物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプル(THF溶液)をウォーターズ社製150Cを用いて測定する。カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。本発明に係る結着樹脂の主たるピーク分子量は5000〜100万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2〜100を示すものが本発明には好ましい。
【0048】本発明に用いられる着色剤は、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体または以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シアン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用される。
【0049】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180等が好適に用いられる。
【0050】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジコ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0051】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0052】これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部使用するのが好ましい。
【0053】黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40〜150重量部使用するのが好ましい。
【0054】本発明に係るワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィーシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含み、又、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス等、スチレンモノマーヘの溶解温度が40〜80℃のものであればどれでも用いることが可能である。
【0055】これらの中でもポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス、高級アルコール、もしくは、高級エステルである場合、現像性や転写性の改善効果が更に高くなる。
【0056】上述したワックス成分は、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部使用するのが好ましい。
【0057】該ワックス成分には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていても良い。
【0058】本発明に係るワックス成分は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、該ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島状に分散されている。
【0059】本発明において、上記の如きワックス成分の分散状態は以下の様に定義される。すなわち、前述のフロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当重量平均径D4(μm)に対しD4×0.9以上であり、D4×1.1以下の長径を有するトナー粒子の断層面を10ヶ所選び出す。そして、各トナー粒子の断層面の長径Rと、長径Rであるトナー粒子の断層面中に存在しているワックス成分に起因する相分離構造の中で、最も大きい長径rを計測し、r/Rの平均値を求める。r/Rの平均値が0.05≦r/Rの平均値≦0.95を満たす分散状態にある場合、ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球形及び/又は紡錘形で島状の分散状態を有しているものとする。
【0060】本発明においてトナーの断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出した透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定する。本発明においては、用いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。代表的な一例を図7に示す。後記の実施例で得られたトナー粒子は、低軟化点物質が外殻樹脂で内包化されていることが観測された。
【0061】本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが帯電スピードが速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に、トナー粒子を直接重合法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物として、ネガ系荷電制御剤としてのサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物等が挙げられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部使用することが好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤーとの摩擦帯電を利用し、非磁性−成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0062】本発明のトナーに無機微粉体を添加することは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性、及び、耐久性向上の為に好ましい実施形態である。該無機微粉体としては公知のものが使用可能であるが、特にシリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。さらには、シリカであることがより好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2 O,SO32- 等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0063】本発明に用いられる無機微粉体はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g以上、特に50〜400m2 /gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100質量部に対してシリカ微粉末0.1〜8質量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1.0を超えて3.0質量部まで使用するのが特に良い。
【0064】また、本発明に用いられる無機微粉体は、必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるいは、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能であり好ましい。
【0065】比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出した。
【0066】高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
【0067】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0068】本発明のトナーを製造する方法としては、樹脂、低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後(必要により、トナー粒子の平滑化及び球形化の工程を付加)、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめトナーにする粉砕方法によるトナーの製造方法の他に、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能である。
【0069】粉砕法を用いてトナーを製造する方法においては、トナー粒子の形状を所望の円形度頻度分布の範囲に納めることが困難であり、溶融スプレー法においては、ある程度の円形度を得ることが出来るが、得られるトナーの粒度分布が広くなり易い傾向があると共に、トナーの表面状態をコントロールすることが困難である。他方、分散重合法においては、得られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示すが、使用する材料の選択が狭いことや有機溶剤の利用が廃溶剤の処理や溶剤の引火性に関する観点から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。ソープフリー重合に代表される乳化重合方法は、トナーの粒度分布が比較的揃うため有効であるが、使用した乳化剤や重合開始剤末端がトナー粒子表面に存在した時に環境特性を悪化させやすい。
【0070】本発明においては、トナーの円形度頻度分布のコントロールが可能であり、比較的容易に小粒径化トナーが得られる常圧下、又は、加圧下での乳化重合法又は懸濁重合法を用い、予め得られた重合体にメディアを用い定形化したり、直接加圧衝突板に重圧体を衝突せしめる方法や、更には得られた重合体を水系中にて凍結せしめたり、塩折や反対表面電荷を有する粒子をpH等の条件を考慮することで合体し、凝集、合一せしめる凝集方法が特に好ましい。さらに、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0071】トナーの製造方法として直接重合方法を利用する場合、トナーの円形度頻度分布や粒度分布の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件(例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定のトナー粒子を得ることができる。
【0072】直接重合法によりトナーを製造する際、用いられる重合開始剤として例えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレトニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンベルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に0.5〜20重量%用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0073】重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いても良い。
【0074】トナーの製法として分散安定剤を用いた懸濁重合法を利用する場合、用いる分散安定剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ等が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が挙げられる。これらを水相に分散させて使用できる。これら分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0075】分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒体中にて該無機化合物の微粒子を生成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
【0076】これら分散安定剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するためのものであり、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ベンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0077】本発明で使用するトナーの製造方法として直接重合法を用いる場合においては、以下の如き製造方法が可能である。
【0078】重合性単量体中に、低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度、撹拌時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。重合反応後半に昇温しても良く、更に、本発明における画像形成方法における耐久性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を反応系から留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
【0079】一方、トナーの形状分布を所望のものとする為に、気流式分級装置を用いることは、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0080】従来より粉体の分級については様々な方法が提案されており、気流式分級装置としては回転翼を用いたものや可動部分を有さないものが知られている。又、可動部分を有さない分級機としては、固定壁遠心式分級機と慢性力分級機とがあり、後者の代表的分級機としてLoffier.F.and K.Maly:Sympon Powder Techn D.2(1981)に例示され、日鉄鉱業製として商品化されているエルボジェット分級機や、Okuda.S.andYasukuni.J.Proc.Inter.Symosium on Powder Techn ’81、771(1981)で例示されている分級機が、微紛域で分級することが可能な慢性力分級機として知られており、本発明に適用することが可能であるが、トナー粒子を所望の形状分布に精密にコントロールし、尚且つ、高い生産性を達成する為には図11〜図13に示した気流式分級装置を用いることが好ましい。
【0081】本発明に好適な気流式分級装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0082】図11は本発明に好適な気流式分級装置Bの概略断面図(含、高圧エアー旋回導入路部分の水平断面図)であり、図12は分級部の立体図であり、図13は気流式分級装置Bを組み込んだ分級装置システムの一例である。
【0083】図11と図12に示す気流式分級装置Bの側壁72、73は分級室82の一部を形成しており、同様に分級室82の右側を形成している分級エッジブロック74、75には先端が尖った分級エッジ67、68が夫々具備され、分級室82内の分級或80が3分画(82a〜80c)されている。一方、分級室82の左側に設けられているブロック83には入気エッジ69が具備されている。被分級処理原料であるトナー粒子を分級室82内の分級域80に開口部を有する原料供給ノズル66から高速で気流と共に噴出させると、分級室82内の分級域80では金属製帯状部材であるコアンダリボン76のコアンダ効果による作用と、その際に原料供給ノズル66と入気管64、65から流入するエアーと吸引減圧手段により排出口61、62、63の夫々から排出されるエアーとの作用によって軌跡を乱すことなく湾曲線を描いて移動する。その結果、夫々の粒子の粒径と慣性力の大小に応じ、大きい粒子(粗紛体)は気流の外側、即ち、分級エッジ68の下側の第1分画80aへ、中程度の大きさの粒子(中粉体)は分級エッジ68と67の間の第2分画80bへ、そして小さい粒子(微粉体)は分級エッジ67の上側の第3分画80cへと夫々分級され、排出口61、62、63よりエアーと共に夫々外部に吸引排出される。
【0084】気流式分級装置Bは分級エッジ67、68と入気エッジ69の回動と分級エッジブロック74、75のスライド、及び、コアンダリボン76の変形によるコアンダ径の変更が可能であり、慣性力を与えにくいトナー粒子中の微粒子をも精度良く形状分布をコントロールすることが可能である。
【0085】一方、気流式分級装置Bは、原料粉体を導入する為の原料供給口90を装置の最上流部に配しており、該原料供給口90と原料供給ノズル66との間に高圧エアー供給ノズル91と原料粉体供給ノズル92が設けられている。この時、高圧エアー供給ノズル91の上部にエアーを旋回流入させる導入路93を設け、高圧エアーを旋回流とすることによって、凝集性の高いトナー微紛に対しても十分な分散力を与えることが可能で、常時安定した状態で一層高精度の形状分布のコントロールが可能となる。
【0086】通常、気流式分級装置Bは、相互の機器をパイプの如き連通手段で連結した分級装置システムに組み込まれて使用される。図13に気流式分級装置B、定量供給機52、振動フィーダー53、捕集サイクロン54、55、56等の連通手段で連結した分級装置システムを示した。該分級装置システムを用いることによりトナーの形状分布を適宜調整することが可能である。
【0087】次に本発明のトナーが適用される画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0088】図1に示す装置システムにおいて、現像器4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性−成分方式等によって静電潜像担持体(例えば感光体ドラム)1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
【0089】本発明のトナーは、例えば図2に示すような現像手段を用いる一成分現像に好適である。
【0090】静電潜像担持体上に形成された静電像を現像する装置の一例を示すが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0091】図2において、25は静電潜像担持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される。24はトナー担持体(現像スリーブ)であり、アルミニウムあるいはステンレス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0092】現像スリーブ24の略右半周面はトナー容器21内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。
【0093】本発明では、トナー担持体の表面粗度Ra(μm)を1.5以下となるように設定する。好ましくは1.0以下である。更に好ましくは0.5以下である。
【0094】該表面粗度Raを1.5以下とすることでトナー担持体の有するトナー粒子の搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなる為、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。
【0095】該トナー担持体の表面粗度Raが1.5を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。
【0096】本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JISB0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダーSE−30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸,粗さ曲線をy=f(x)で表わした時、次式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表わしたものをいう。
【0097】
【外4】


【0098】本発明に用いられるトナー担持体としては、たとえばステンレス,アルミニウム等から成る円筒状、あるいはベルト状部材が好ましく用いられる。また必要に応じ表面を金属,樹脂等のコートをしても良く、樹脂や金属類,カーボンブラック,帯電制御剤等の微粒子を分散した樹脂をコートしても良い。
【0099】本発明では、トナー担持体の表面移動速度を静電潜像担持体の表面移動速度に対し1.05〜3.0倍となるように設定することで、該トナー担持体上のトナー層は適度な撹拌効果を受ける為、静電潜像の忠実再現が一層良好なものとなる。
【0100】該トナー担持体の表面移動速度が、静電潜像担持体の表面移動速度に対し、1.05倍未満であると、該トナー層の受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像形成は望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積にわたって多くのトナー量を必要とする画像を現像する場合、静電潜像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄くなる。逆に3.0を超える場合、上記の如きトナーの過剰な帯電によって引き起こされる種々の問題の他に、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
【0101】トナーTはホッパー21に貯蔵されており、供給部材22によって現像スリーブ上へ供給される。供給部材として、多孔質弾性体、例えば軟質ポリウレタンフォーム等の発泡材より成る供給ローラが好ましく用いられる。該供給ローラを現像スリーブに対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転させ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、スリーブ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、供給ローラの現像スリーブへの当接幅は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮すると、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0mmがより好ましい。その一方で、トナーに対する過大なストレスを余儀なくされ、トナーの劣化による凝集の増大、あるいは現像スリーブ、供給ローラ等へトナーの融着・固着が生じやすくなるが、本発明の現像法に用いられるトナーは、流動性,離型性に優れ、耐久安定性を有しているので、該供給部材を有する現像法においても好ましく用いられる。また、供給部材として、ナイロン,レーヨン等の樹脂繊維より成るブラシ部材を用いてもよい。尚、これらの供給部材は磁気拘束力を利用できない非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法において極めて有効であるが、磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法に使用してもよい。
【0102】現像スリーブ上に供給されたトナーは規制部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナー薄層化規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。あるいは、ドクターブレードの代りに、金属,樹脂,セラミックなどを用いた剛体ローラやスリーブを用いても良く、それらの内部に磁気発生手段を入れても良い。
【0103】また、トナー薄層化の規制部材としてトナーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラの如き弾性体を用いても良い。例えば図2において、弾性ブレード23はその上辺部側である基部を現像剤容器21側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブ24の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ24表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対しても安定で、緻密なトナー層が得られる。その理由は必ずしも明確ではないが、該弾性体によって現像スリーブ表面と強制的に摩擦される為トナーの環境変化による挙動の変化に関係なく常に同じ状態で帯電が行われる為と推測される。
【0104】その一方で帯電が過剰になり易く、現像スリーブや弾性ブレード上にトナーが融着し易いが、本発明に用いられるトナーは離型性に優れると共に摩擦帯電性が安定しているので好ましく用いられる。
【0105】該弾性体には所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
【0106】また、弾性体とトナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当るように貼り合わせたり、コーティング塗布したものが好ましい。
【0107】更に、弾性体中に有機物や無機物を添加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0108】またさらに、規制部材である現像ブレード,供給部材である供給ローラ,ブラシ部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため現像スリーブ上の規制部位においては、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、供給部位においては、トナーの供給/はぎとりがよりスムーズになされ、十分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
【0109】該弾性体とトナー担持体との当接圧力は、トナー担持体の母線方向の線圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜25kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。これによりトナーの凝集を効果的にほぐすことが可能となり、トナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。当接圧力が0.1kg/mより小さい場合、トナーの均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブリや飛散の原因となる。また当接圧力が25kg/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化したり、トナーの凝集物が発生するなど好ましくない。またトナー担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。
【0110】静電潜像担持体とトナー担持体との間隙αは、50〜500μmに設定され、ドクターブレードとトナー担持体との間隙は、50〜400μmに設定されることが好ましい。
【0111】トナー担持体上のトナー層の層厚は、静電潜像担持体とトナー担持体との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合によりトナー層を構成する多数のトナーの穂のうち、一部は静電潜像担持体に接する程度にトナー層の層厚を規制してもよい。
【0112】一方、トナー担持体には、バイアス電源26により静電潜像担持体との間に交番電界を印加することによりトナー担持体から静電潜像担持体へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像を得ることが出来る。交番電界のVppは100V以上、好ましくは200〜3000V、更に好ましくは300〜2000Vで用いるのが良い。また、fは500〜5000Hz、好ましくは1000〜3000Hz、更に好ましくは1500〜3000Hzで用いられるこの場合の波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好ましい。
【0113】又、本発明のトナーは、磁性キャリアと混合し、例えば図3に示すような現像手段を用いる二成分現像にも好適に用いることが出来る。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが感光体ドラム13に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光体ドラム13の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0114】交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は500〜5000Vが好ましく、周波数(f)は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0115】良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
【0116】コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0117】周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0118】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光体ドラム13との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材18と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光体ドラム13との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0119】特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0120】さらに初期の高画質化と併せて、本発明のトナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0121】静電潜像担持体はa−Se、Cds、ZnO2 、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。静電潜像担持体は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0122】静電潜像担持体としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0123】有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0124】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0125】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電潜像担持体1とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図1R>1に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0126】帯電ローラ2は、中心の芯金2bとその外周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするものである。帯電ローラ2は、静電潜像担持体1面に押圧力をもって圧接され、静電潜像担持体1の回転に伴い従動回転する。
【0127】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧は0.5〜5kVpp、交流周波数は50Hz〜5kHz、直流電圧は±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧のみを用いた時には、直流電圧は±0.2〜±5kVである。
【0128】この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0129】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
【0130】静電潜像担持体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体5に転写される。静電潜像担持体表面は、クリーニングブレード8を有するクリーニング手段9でクリーニングされる。
【0131】中間転写体5は、パイプ状の導電性芯金5bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層5aからなる。芯金5bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0132】中抵抗の弾性体層5aは、シリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105 〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0133】中間転写体5は静電潜像担持体1に対して並行に軸受けさせて静電潜像担持体1の下面部に接触させて配設してあり、静電潜像担持体1と同じ周速度で接触部において同方向に回転する。
【0134】静電潜像担持体1の面に形成担持された第1色のトナー像が、静電潜像担持体1と中間転写体5とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体5に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体5の外面に転写され、その後、第2色、第3色、第4色と順次に転写される。
【0135】必要により、着脱自在なクリーニング手段10により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体5の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段10は、中間転写体表面から離される。
【0136】中間転写体5に対して並行に軸受けさせて中間転写体5の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段7は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体5と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段7は直接中間転写体5と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体5と転写手段7との間に接触するように配置されても良い。
【0137】転写ローラの場合、中心の芯金7bとその外周を形成した導電性弾性層7aとを基本構成とするものである。
【0138】中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0139】例えば、転写ローラ7の導電性弾性層7bはカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106 〜1010Ω・cm程度の弾性体でつくられている。芯金7aには定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
【0140】本発明のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、静電潜像担持体上にフィルミングを生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子表面への埋没が少なく、表面の劣化を生じにくいため、良好な画質を長期にわたって維持し得る。特に図4の如き静電潜像担持体や中間転写体上の転写残トナーをクリーニングブレードの如きクリーニング手段で除去し、回収された該転写残トナーを再度利用するいわゆるリユース機構を有する画像形成装置に好ましく用いられる。
【0141】次いで転写材6上のトナー画像は加熱加圧定着手段によって定着される。加熱加圧定着手段としては、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラとこれを押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラを基本構成とする熱ロール方式や、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式(図5、6)が挙げられるが、本発明のトナー定着性と耐オフセット性に優れるので上記の如き加熱加圧定着手段と良好なマッチングを示す。
【0142】
【発明の実施の形態】以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
【0143】〔トナーの製造例、並びに、比較製造例〕本発明のトナーの製造例、並びに、比較製造例について述べる。
【0144】トナーの製造例1高速攪拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水600gと0.1mol/l−Na3 PO4 水溶液500gを投入し、回転数を12000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1mol/l−CaCl2 水溶液60重量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3 (PO42 を含む水系分散媒体を調製した。
【0145】一方、分散質として、・スチレン 82重量部・2−エチルヘキシルアクリレート 18重量部・ジビニルベンゼン 0.1重量部・カーボンブラック(吸油量=70cc/100g) 5重量部・ポリエステル樹脂(ピーク分子量=7300、水酸基価=16mgKOH/g) 2重量部・負荷電性制御剤(サリチル酸系鉄錯体) 2重量部・エステルワックス(融点=72℃) 4重量部
【0146】上記混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部を添加し重合性単量体組成物を調製した。
【0147】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温60℃のN2 雰囲気下で、高速攪拌器の回転数を12000rpmに維持しつつ、15分間攪拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、攪拌器をプロペラ攪拌羽根に換え50rpmで攪拌しながら同温度で10時間保持して重合を完了した。
【0148】重合終了後、懸濁液を冷却し、次いで希塩酸を添加し分散安定剤を除去せしめた。更に水洗浄を数回繰り返し、乾燥を行った後、図13に示した気流式分級装置システムを用いて分級処理を行った。
【0149】得られた重合体粒子(A)は、円相当個数平均径が5.5μmであり、平均円形度が0.990で、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子中の円形度が0.95未満の微粒子の含有量は16個数%で、GPCによる分子量分布でピーク分子量が1.9万、Mw/Mnが29を呈するものであった。
【0150】上記重合体粒子(A)100重量部と疎水性オイル処理シリカ微粉体(BET;200m2 /g)2重量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、トナー(A)を調製した。
【0151】得られたトナー(A)は、重合体粒子(A)と同等の粒度分布と形状分布を保持していた。又、該トナー(A)中のワックス成分の分散状態をTEMで観察したところ、図7(a)の模式図の様に結着樹脂と相溶しない状態で実質的に球状を呈し分散していた。この時、r/Rは0.41であった。
【0152】トナーの製造例2〜4水系分散媒体の調製条件と気流式分級装置システムの分級エッジやコアンダ径等の分級室内の設定条件、入吸気のエアーバランス、更には原料供給口への高圧エアーの供給条件を調整することにより重合体粒子の粒子径と形状をコントロールした以外は、前記のトナーの製造例1と同様にして重合体粒子(B)〜(D)を得た後、トナー(B)〜(D)を調製した。
【0153】
トナーの比較製造例1・スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−ジビニルベンゼン3元共重合体 100重量部(ピーク分子量=1.9万、Mw/Mn=33、Tg=60℃)
・トナーの製造例1で用いたカーボンブラック 5重量部・トナーの製造例1で用いたポリエステル樹脂 2重量部・トナーの製造例1で用いた負荷電性制御剤 2重量部・トナーの製造例1で用いたエステルワックス 4重量部
【0154】上記混合物を二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物と市販のリン酸カルシウム微粉体とをヘンシェルミキサーで混合後、得られた混合粉体を水が入っている容器へ投入し、更にホモミキサーを用い水中に分散させ水温を徐々に昇温させ温度60℃で2時間加熱処理せしめた。その後希塩酸を容器に添加し、微粉砕物粒子表面のリン酸カルシウムを十分溶解した。これを濾別後に洗浄、乾燥せしめ、次いで400メッシュの篩いを通して凝集物を除いた後、分級して分級粉(a)とした。該分級粉(a)を用い前記実施例1と同様にして上記比較用トナー(a)を調製した。
【0155】尚、比較用トナー(a)中のワックス成分は、微分散状態で含有されていた。その際のr/Rは0.01以下であった。
【0156】トナーの比較製造例2微粉砕と加熱処理の条件によりトナー粒子の粒子径と形状をコントロールした以外は、前記のトナーの比較製造例1と同様にして分級粉(b)を得た後、比較用トナー(b)を調製した。
【0157】トナーの製造例5エステルワックスの代わりに変性ポリプロピレンワックス(融点=96℃)を用いると共に造粒時の攪拌条件と気流式分級システムの設定条件を調製した以外は前記トナーの製造例1と同様にして重合体粒子(E)を得た後、トナー(E)を調製した。
【0158】トナーの比較製造例3気流式分級装置システムを用いないことを除いては前記トナーの製造例5と同様にして重合体粒子(c)を得た後、比較用トナー(c)を調製した。
【0159】上記で得られたトナー(A)〜(E)、及び、比較用トナー(a)〜(c)の諸性状を表1に示す。
【0160】
【表1】


【0161】〔実施例、並びに、比較例〕
実施例1〜5、並びに、比較例1〜3本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図1は、本実施例に適用される画像形成装置の断面の概略的説明図である。
【0162】感光体ドラム1は、基材1a上に有機光半導体を有する感光層1bを有し、矢印方向に回転し、対抗し接触回転する帯電ローラ2(導電性弾性層2a、芯金2b)により感光体ドラム1上に約−630Vの表面電位に帯電させる。露光3は、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで露光部電位が−100V、暗部電位が−630Vの静電荷像が形成される。複数の現像器4−1、4−2、4−3、4−4を用いイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーまたは、ブラックトナーを感光体1上に反転現像方法を用いトナー像を得た。該トナー像は、中間転写体5(弾性層5a、支持体としての芯金5b)上に転写され中間転写体5上に四色の色重ね顕色像が形成される。感光体1上の転写材トナーはクリーナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。
【0163】中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上にカーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタジエンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5bをコーティングした。該コート層5bの硬度は「JIS K−6301」に準拠し30度で且つ体積固有抵抗値は、109 Ω・cmであった。感光体1から中間転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであり、これは電源より+500Vを芯金5b上に付与することで得られた。
【0164】転写ローラ7の外径20mmで直径10mmの芯金7b上にカーボンの導電性付与部材をエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の発泡体中に十分分散させたものをコーティングすることにより生成した弾性層7aを有し、弾性層7aの体積固有抵抗値106 Ω・cmで、「JIS K−6301」の基準の硬度は35度の値を示すものを用いた。転写ローラには電圧を印加して15μAの転写電流を流した。
【0165】加熱定着装置Hにはオイル塗布機能のない熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ、下部ローラ共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラの直径は55mmであった。また、定着温度は170℃、ニップ幅を5mmに設定した。
【0166】現像装置は、図2に示すものを用いた。尚、ここで用いたトナー担持体(現像スリーブ)の表面粗度Raは1.4で、トナー規制ブレードは、リン青銅ベース板にウレタンゴムを接着し、トナー担持体との当接面をナイロンによりコートしたものを用い、トナー担持体面の移動速度が静電潜像担持体面の移動速度に対し、2.8倍となるように設定した。
【0167】以上の設定条件で、単色での連続モード(現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)を使用して、毎分8枚(A4サイズ)のプリントアウト速度で、常温常湿(25℃/60%RH)環境下において1000枚にプリントアウト試験を行い、更にその後、低温低湿(15℃/10%RH)環境下において、9000枚のプリントアウト試験を行った。尚、プリントアウト試験中、トナー(A)〜(E)及び比較用現像剤(a)〜(c)は逐次補給した。得られたプリントアウト画像及びプリントアウト試験終了後の画像形成装置を観察し、後述の項目について評価した。
【0168】以上の評価結果を表2に示す。
【0169】
【表2】


【0170】実施例6、並びに、比較例4本実施例では市販のレーザービームプリンターLBP−EX(キヤノン社製)にリュース機構を取り付け改造し、再設定して用いた。即ち、図4において、感光体ドラム40上の未転写トナーを該感光体ドラムに当接しているクリーナー41の弾性ブレード42によりかき落とした後、クリーナーローラによってクリーナー内部へ送り、更にクリーナースクリュー43を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ44によってホッパー45を介して現像器46に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付け、一次帯電ローラ47としてナイロン樹脂で被覆された導電性カーボンを分散したゴムローラ(直径14mm,当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体にレーザー露光(600dpi)により暗部電位VD =−700V、明部電位VL =150Vを形成した。トナー担持体として表面にカーボンブラックを分散した樹脂をコートした表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ48を感光体ドラム面の移動速度に対して1.1倍となる様に設定し、次いで、感光体ドラムと該現像スリーブとの間隙(S−D間)を250μmとし、トナー規制部材としてウレタンゴム製ブレードを当接させて用いた。現像バイアスとして直流バイアス成分に交流バイアス成分を重畳して用いた。また、加熱定着装置Hには図5,図6に示した定着装置を用い、加熱体31の検温素子31dの表面温度は150℃、加熱体21−シリコンゴムの発泡体を下層に有するスポンジ加圧ローラ33間の総圧は8kg、加圧ローラとフィルムのニップは4mmとし、定着フィルム32には、転写材との接触面にPTEF(高分子量タイプ)に導電性物質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ50μmの耐熱性ポリイミドフィルムを使用した。
【0171】以上の設定条件で、常温常湿(25℃,60%RH)、低温低湿(15℃,10%RH)環境下、12枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナー(A)と比較用トナー(a)の各々を逐次補給しながら間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で5000枚のプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0172】また、同時に用いた画像形成装置と上記トナーとのマッチングについても評価した。
【0173】以上の評価結果を表3に示す。
【0174】
【表3】


【0175】実施例7図4のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は、実施例5と同様にし、前記トナー(A)を逐次補給しながら連続モード(すなわち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で10000枚のプリントアウト試験を行った。
【0176】得られたプリントアウト画像を後述の項目について評価すると共に、用いた画像形成装置とのマッチングについても評価した。その結果、いずれの項目についても良好であった。
【0177】本発明の実施例、並びに、比較例中に記載の評価項目の説明とその評価基準について述べる。
【0178】〔プリントアウト画像評価〕
〈1〉画像濃度通常の複写機用普通紙(75g/m2 )に所定の枚数のプリントアウトを終了した時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上B:1.35以上、1.40未満C:1.00以上、1.35未満D:1.00未満
【0179】〈2〉画像濃度一様性所定の枚数のプリントアウト終了後、ベタ黒画像を連続して2枚プリントアウトし、2枚目のベタ黒画像上に生じた画像濃度の濃淡差を測定し評価した。
A:0.05未満B:0.05以上、0.10未満C:0.10以上、0.30未満D:0.3以上
【0180】〈3〉画像カブリ所定の枚数のプリントアウト終了後のプリントアウト画像を用い「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。
A:1.5%未満B:1.5%以上、2.5%未満C:2.5%以上、4.0%未満D:4.0%以上
【0181】〈4〉画像中抜け所定の枚数のプリントアウト終了後、図9(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙128g/m2 )にプリントした際の文字の中抜け(図9(b)の状態)を目視で評価した。
A:ほとんど発生せず。
B:軽微な中抜けが見られる。
C:若干の中抜けが見られる。
D:顕著な中抜けが見られる。
【0182】〈5〉ドット再現性所定の枚数のプリントアウト終了後、潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図8に示す様な小径(50μm)の独立ドットパターンの画像をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。
A:欠損2個以下/100個B:欠損3〜5個/100個C:欠損6〜10個/100個D:欠損11個以上/100個
【0183】〈6〉スリーブゴースト所定の枚数のプリントアウト終了後、図10(A)に示した幅aで長さlのベタ黒の帯状画像Xをプリントアウトした後、図10(B)に示した幅b(>a)で長さ1のハーフトーン画像Yをプリントアウトした際、該ハーフトーン画像上に現れる濃淡差(図10(C)のA,B,Cの部分)を目視で評価した。
A:濃淡差が全く見られない。
B:BとCで軽微な濃淡差が見られる。
C:A,B,Cの各々で若干の濃淡差が見られる。
D:顕著な濃度差が見られる。
【0184】〔画像形成装置マッチング評価〕
〈1〉現像スリーブとのマッチングプリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面のトナーのコート状態とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:未発生。
B:トナーのコートムラがわずかに発生。
C:トナーのコートムラが見られるが、画像への影響が少ない。
D:トナーのコートムラが著しく、横スジ状の画像ムラを生じる。
【0185】〈2〉感光体ドラムとのマッチングプリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:未発生。
B:わずかに残留トナーが見られるが、画像への影響はない。
C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:固着もあり、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
【0186】〈3〉中間転写体とのマッチングプリントアウト試験終了後、中間転写体表面の傷や残留トナーの固着状況を目視で評価した。
A:未発生。
B:表面に残留トナーの存在が認められるものの画像への影響はない。
C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:固着が多く、画像欠陥を生じる。
【0187】〈4〉定着装置とのマッチングプリントアウト試験終了後、定着フィルム表面の傷や残留トナーの固着状況を目視で評価した。
A:未発生。
B:わずかに固着が見られるものの、画像への影響はない。
C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:固着が多く、画像欠陥を生じる。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、トナー粒子の粒子形状を精密に制御することにより、トナーに望ましい現像性と転写性を与えることが出来る。すなわち、円相当個数平均径が2〜10μmで、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有させることにより、トナー担持体上のトナーのコート状態が良好なものとなるので画像カブリやスリーブゴーストの発生を抑制し、ドット再現性に優れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来る。又、画像形成装置とのマッチングも好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図である。
【図2】一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断図である。
【図3】二成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断図である。
【図4】未転写トナーをリユースする画像形成装置の概略的説明図である。
【図5】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大横断図である。
【図7】ワックス成分の内包化しているトナー粒子の断面の一例を示す模式図である。
【図8】トナーの現像特性をチェックする為の孤立ドットパターンの説明図である。
【図9】文字画像の中抜けの状態を示す模式図である。
【図10】スリーブゴーストの説明図である。
【図11】本発明に好適な気流式分級装置の概略断面図(含、高圧エアー旋回導入路部分の水平断面図)である。
【図12】気流式分級装置の要部の立体図である。
【図13】本発明に好適な気流式分級装置システムの概略的説明図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体)
2 帯電ローラ
3 露光
4 4色現像器(4−1、4−2、4−3、4−4)
5 中間転写体
6 転写材
7 転写ローラ
11 現像剤担持体
13 感光体ドラム
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加圧ローラ
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 断電部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)


【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子を有する乾式トナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有することを特徴とする乾式トナー。
【請求項2】 該トナーの円相当個数平均径D1が2〜5μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、円相当径が1〜3μmの範囲のトナー粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜25個数%含有することを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
【請求項3】 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、前記フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円相当重量平均径D4に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径Rを呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、該トナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞれのトナー粒子の断層面について計測し、求められたr/Rの相加平均値が、0.05≦r/Rの相加平均値≦0.95を満たし、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。
【請求項4】 前記r/Rの相加平均値が、0.25≦r/Rの相加平均値≦0.90を満たすように該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
【請求項5】 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子を有する乾式トナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】 該トナーの円相当個数平均径D1が2〜5μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜25個数%含有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、前記フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円相当重量平均径D4に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径Rを呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、該トナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞれのトナー粒子の断層面について計測し、求められたr/Rの相加平均値が、0.05≦r/Rの相加平均値≦0.95を満たし、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
【請求項8】 該トナーの前記r/Rの相加平均値が、0.25≦r/Rの相加平均値≦0.90を満たすように該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項9】 該現像工程において、現像領域に於けるトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項10】 該トナー担持体に強磁性金属ブレードを微少間隔をもって対向させることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項11】 該トナー担持体に弾性体からなるブレードを当接させることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項12】 該静電荷潜像担持体とトナー担持体がある一定の間隔を有し、交互電界を印加しながら現像することを特徴とする請求項5乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項13】 該帯電工程において、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項5乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項14】 静電潜像担持体上のトナー像を転写装置を用い転写材に静電転写する転写工程において、該静電潜像担持体と転写装置とが該転写材を介して当接していることを特徴とする請求項5乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項15】 該加熱定着工程が、オフセット防止用液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しない加熱定着装置により、トナー画像を転写材に加熱定着することを特徴とする請求項5乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項16】 該加熱定着工程が、固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、フィルムを介して該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を転写材に加熱定着することを特徴とする請求項5乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項17】 転写工程後の静電潜像担持体上の未転写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナーを再度現像工程において、現像に使用するトナーリユース機構を有することを特徴とする請求項5乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項18】 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電荷潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写材に転写する第1の転写工程と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第2の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び、ワックス成分を含有するトナー粒子を有する乾式トナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1が2〜10μmであり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜40個数%含有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項19】 該トナーの円相当個数平均径D1が2〜5μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、円相当径が1〜3μmの範囲の粒子群中に円形度が0.950未満の微粒子を5〜25個数%含有することを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
【請求項20】 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、前記フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円相当重量平均径D4に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径Rを呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、該トナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞれのトナー粒子の断層面について計測し、求められたr/Rの相加平均値が、0.05≦r/Rの相加平均値≦0.95を満たし、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成方法。
【請求項21】 該トナーの前記r/Rの相加平均値が、0.25≦r/Rの相加平均値≦0.90を満たすように該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項22】 該現像工程において、現像領域におけるトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項23】 該トナー担持体に強磁性金属ブレードを微少間隔をもって対向させることを特徴とする請求項18乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項24】 該トナー担持体に弾性体からなるブレードを対向させ、当接させることを特徴とする請求項18乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項25】 該静電荷潜像担持体とトナー担持体がある一定の間隔を有し、交互電界を印加しながら現像することを特徴とする請求項18乃至24のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項26】 該帯電工程において、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項18乃至25のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項27】 静電潜像担持体上のトナー像を転写装置を用い転写材に静電転写する転写工程において、該静電潜像担持体と転写装置とが該転写材を介して当接していることを特徴とする請求項18乃至26のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項28】 該加熱定着工程が、オフセット防止用液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しない加熱定着装置により、トナー画像を転写材に加熱定着することを特徴とする請求項18乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項29】 該加熱定着工程が、固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、フィルムを介して該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を転写材に加熱定着することを特徴とする請求項18乃至28のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項30】 第1の転写工程後の静電潜像担持体上の未転写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナーを再度現像工程において、現像に使用するトナーリユース機構を有することを特徴とする請求項18乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。


【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図11】


【図10】


【図12】


【図13】


【公開番号】特開2000−10333(P2000−10333A)
【公開日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【国際特許分類】
物理学 | 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ | エレクトログラフィー;電子写真;マグネトグラフィー | 現像剤 | トナー粒子をもつもの
物理学 | 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ | エレクトログラフィー;電子写真;マグネトグラフィー | 帯電像を用いる電子写真法用の装置 | 均一帯電用,例.感光化用;コロナ放電装置
物理学 | 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ | エレクトログラフィー;電子写真;マグネトグラフィー | 帯電像を用いる電子写真法用の装置 | 現像装置 | 固体現像剤を用いる装置,例.粉末現像剤を用いる装置
物理学 | 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ | エレクトログラフィー;電子写真;マグネトグラフィー | 帯電像を用いる電子写真法用の装置 | 定着装置,例.熱の使用により
物理学 | 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ | エレクトログラフィー;電子写真;マグネトグラフィー | グループ13/00から19/00までに分類されない装置,例.クリーニング,残留電荷の除去 | 廃棄現像剤の収集または再使用
【出願番号】特願平10−174831
【出願日】平成10年6月22日(1998.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社
【Fターム(参考)】
電子写真における現像剤 | トナー | 添加剤 | 内添剤
電子写真における現像剤 | トナー | トナーの形状、構造
電子写真における現像剤 | 有機化合物 | 樹脂 | ワックス
電子写真における現像剤 | 成分の作用 | オフセット防止性
電子写真における現像剤 | 特性/数値の限定 | 粒径、粒度分布
電子写真における現像剤 | 特性/数値の限定 | その他
電子写真における定着 | 熱ローラ定着、ヒートパイプローラ定着 | 熱ローラ
電子写真における定着 | その他の定着 | フィルム加熱定着
電子写真における乾式現像 | 現像剤の補給 | 回収現像剤を用いた補給
電子写真における乾式現像 | 現像部の機構 | 現像剤の担持 | 担持体の回転
電子写真における乾式現像 | 現像部の機構 | 現像剤の担持 | 形状、構造 | ロール
電子写真における乾式現像 | 現像部の機構 | 層の形成 | 形状、構造 | ブレード
電子写真における乾式現像 | 現像部の機構 | 現像バイアス | 特定のグループ、又は2つのグループの重畳
電子写真における乾式現像 | 現像剤の帯電 | 摩擦帯電によるもの | 帯電部材 | ブレード
電子写真における乾式現像 | 各部材の材料、材質及び作成方法 | 各部材の表面の粗さ
電子写真における乾式現像 | 各部材の材料、材質及び作成方法 | 磁性体
電子写真における乾式現像 | 各部材の材料、材質及び作成方法 | 弾性体