説明

乾燥品、水性懸濁液または分散液であり、無機物質および結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の製造方法

本発明は、乾燥品、または水性懸濁液または分散液であり、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥品、水性懸濁液または分散液であり、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の製造方法に関する。
【0002】
無機粒子およびポリマー結合剤は、さまざまな塗料の製造において使用される2つの不可欠な成分である。無機粒子、一般には炭酸カルシウム、は最終製品にある種の性質たとえば光学的性質などを与え、結合剤(一般にはラテックスの懸濁液または分散液の形態)は塗料組成物の製造方法において使用されるすべての構成要素に対して全体的な凝集性を与える。
【背景技術】
【0003】
しかし、炭酸カルシウムとあらゆる形態の結合剤との間には、複雑な相互作用が生じて塗料製品の最終的な性質が改変されることがあることは長年知られている。たとえば、「Physical and chemical modifications in latex binders and their effect on the coating colour rheology」(Advanced Coating Fundamentals Symposium,San Diego,CA,United States,May 4−5,2001,pp.108−123)は、スチレン−ブタジエン結合剤分散液における物理的および化学的改変の、含水顔料系塗料組成物のレオロジー特性への影響に関する。
【0004】
長年、自己結合性顔料粒子の製造が探求されてきた。すなわち、この粒子は、単一物質として振舞い、それ故に最終ユーザーが、さまざまな用途において望ましくない相互作用によって仕様が失われるのを防止する、ポリマー結合剤および無機顔料を含有する固体粒子である。
【0005】
当初は、このような自己結合性顔料は、これらの複合粒子の凝集を確かなものにしている力の性質を通じて周知の顔料顆粒とは異なると考えられた。
【0006】
たとえば、国際公開第01/00712号の文書は、5重量%〜99重量%の有機ポリマー顔料、0重量%〜94.5重量%の無機顔料および0.5重量%〜5重量%の結合剤または結合剤の混合物を含む乾燥顔料顆粒を紹介している。そのような顆粒は、すべての成分を分散液中で混合することによっておよび前記分散液をスプレー乾燥することによって製造される。
【0007】
加えて、国際公開第01/00713号の文書は、ポリマー、結合剤および無機顔料を含み、中空でも中身が詰まっていてもよく、乾燥形態で塗布可能な塑性ポリマー顔料を記載している。
【0008】
この発明者自身が述べているように、得られる複合体は静電気力によって一緒に結合された個々の球形粒子から成る。
【0009】
別の見方によれば、本明細書においては、自己結合性顔料の概念は、互いに結合している個々の粒子であり、そこにおける結合の機序は、静電気力だけではなく収着化学機序により創出された化学的結合、または(無機物質とポリマー結合剤の間の酸−塩基相互作用ならびにリフシッツ/ファンデルワールス相互作用などの)物理的結合も使用していると考えなければならない。
【0010】
この概念に従って、文献国際公開第93/11183号は、無機物質およびポリマーラテックス粒子の2つの水性懸濁液を形成し、懸濁液のゼータ電位を調節し、最後に2つの懸濁液を混合することによって安定な水性分散液を調製する方法を記載している。ゼータ電位は、表面電荷を調節することを可能にする添加物の使用によって改変することができる。ポリマーラテックス結合剤は、無機物質粒子上に強く吸着されると想定されている。
【0011】
加えて、国際公開第93/12183号文書は、ラテックスおよび無機物質を含む複合粒子の(ペイントおよび塗料において使用される)水性分散液の調製方法を教示している。前記ポリマーラテックス粒子は、結合剤として働き、最終製品に不透明性と光輝を与えるために無機粒子の間に必要な間隔を与える。この方法は、エマルジョン中の重合によって調製されたラテックスが、無機物質の水性懸濁液中に混合され、この無機物質の懸濁液は、あらかじめポリ(メタ)アクリル酸もしくはこれの塩、または(メタ)アクリル酸またはこれの塩のコポリマー高分子電解質によってあらかじめ分散されていることを特徴とする。この著者は、顔料の分散剤は、無機物質の全表面を覆わないこと、および前記表面の少なくとも一部分は、ポリマーラテックス粒子の吸着のために利用可能であることを想定している。
【0012】
最後に、文献米国特許第4025483号は、二酸化チタンをポリマーラテックス粒子と混合することによって二酸化チタンの水性懸濁液の安定性を高める方法を記載している。実施例によると、ポリマーラテックス粒子が、最初の無機物質の懸濁液に含有された分散剤の有効性を高める。
【0013】
先行技術に照らせば、顔料−ポリマー粒子は、常に(一方は無機物質を含み他方はポリマー化合物を含み、その後混合される、最初の水性懸濁液を配合するために、表面電荷が調節されることを可能にする分散剤または添加物などの)第3の成分の使用に言及している種々の方法によって得ることができる。第3の成分を導入することは、顔料−ポリマー粒子が組み入れられる塗料の最終的な性質を抜本的に改変するという結果になりうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明においては、乾燥品または水性懸濁液または分散液であり、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つのポリマー結合剤を含有し、自己結合性顔料粒子の、ボールミルを使用する調製方法が意外にも発見された。
【0015】
第1に、この方法は、国際公開第03/74786号文書に記載されている単純な混合とは異なる。
【0016】
第2に、本発明による方法によって当業者は、無機物質および結合剤を含有する水性懸濁液の調製の間、および共磨砕段階の間に第3の成分を使用しないで済む。
【0017】
加えて、および意外なことに、結合剤がミルに粘着したりミルを詰まらせたりせず、装置の汚れが満足に抑制されうる。
【0018】
最後に、本発明の別の目的は、本発明による方法によって得られ、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含む、乾燥形態の自己結合性顔料粒子である。
【0019】
本発明において使用される結合剤という用語は、結合性を有する任意の天然または合成の有機性の製品を言う。最初の鉱物の粒子間凝集力を高めるこれらの結合性は、本出願の実施例1に記載されている方法によって測定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の目的によれば、乾燥品または水性懸濁液または分散液である自己結合性顔料粒子を調製する方法は、
a)少なくとも1つの無機物質の1つまたは複数の水性懸濁液を形成し、これを段階c)を目的としてミル中に導入する段階と、
b)少なくとも1つの結合剤の1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンを形成するか取得し、これを段階c)を目的としてミル中に導入する段階と、
c)段階a)において得られた1つまたは複数の水性懸濁液を段階b)において得られた水性溶液または懸濁液またはエマルジョンと共に自己結合性顔料粒子の水性懸濁液が得られるように共磨砕する段階と、
d)段階c)において得られた水性懸濁液を少なくとも1つの結合剤の1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンと共に場合によっては共磨砕する段階と、
e)段階c)または段階d)において得られた水性懸濁液を場合によっては乾燥する段階
を含む。
【0021】
本発明によれば、段階a)において形成された水性懸濁液は、乾燥重量で無機物質1%〜80%、より好ましくは乾燥重量で無機物質15%〜60%を含有することを特徴とする。
【0022】
段階a)において形成された水性懸濁液は、1つまたは複数の無機物質、特に金属酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、珪酸塩および炭酸塩(たとえば炭酸カルシウム)、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、二酸化チタン、サテンホワイトまたは三水酸化アルミニウムおよびこれらの混合物を含有することができる。好ましくはこれは天然形態または沈殿形態の炭酸カルシウム、より優先的には天然の炭酸カルシウム、および非常に優先的には白亜、大理石、方解石またはこれらの混合物から選択された天然の炭酸カルシウムを含有する。
【0023】
本発明によれば、段階b)において形成された1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンは、少なくとも1つの結合剤1重量%〜50重量%、より好ましくは少なくとも1つの結合剤5重量%〜20重量%を含有することを特徴とする。
【0024】
段階b)において形成された1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンは、結合剤が、半結晶性ラテックスの中から、好ましくはポリエチレンワックスまたはこれらの中和されたポリエチレン形態の他のモノマー単位たとえばアクリル酸もしくは他のモノマーまたはこれらの混合物とのコポリマーのエマルジョンの中から、あるいはエマルジョンのラテックスまたは可溶性結合剤たとえばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、デンプン、カゼイン、タンパク質、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)もしくは他のものまたはこれらの混合物の溶液の中から選択されることを特徴とする。
【0025】
この変形形態によれば、半結晶性ラテックスはポリエチレンワックスのエマルジョンまたは他のモノマー単位(たとえばアクリル酸もしくは他のモノマーまたはこれらの混合物)とのコポリマー(中和されたポリエチレン形態で)の中から好ましくは選択され、エマルジョンのラテックスはアクリル酸エステルのコポリマーの中から優先的に選択される。
【0026】
本発明による方法の段階c)によれば、段階a)において得られた1つまたは複数の水性懸濁液および段階b)において得られた1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンは、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含む自己結合性顔料粒子の水性懸濁液を得るために続いて共磨砕される。
【0027】
本発明による方法の段階d)によれば、段階c)において得られた自己結合性顔料粒子の水性懸濁液は、少なくとも1つの結合剤を含む1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンと続いて共磨砕される。
【0028】
本出願人は、結合剤が鉱物質の表面に吸着し、したがって分散剤または第3の添加物を使用する必要なく、種々の実施例の数値によって例示されるように、自己結合性粒子の特徴である化学的および物理的結合を創り出すことを観察することができた。
【0029】
共磨砕工程は、当業者に周知のすべての方法によって行うことができる。
【0030】
本発明によれば、段階c)または段階d)において得られた水性懸濁液は、得られた懸濁液中に含有されている無機物質と結合剤の比が重量比で表して99〜1の間、好ましくは重量比で表して70〜30の間であることを特徴とする。
【0031】
好ましくは、前記水性懸濁液の組成は、無機物質が5重量%〜80重量%の間、結合剤が1重量%〜30重量%の間、および水が19重量%〜94重量%の間である。より好ましくは、前記水性懸濁液は、無機物質を20重量%〜40重量%の間、結合剤を5重量%〜20重量%の間、および水を40重量%〜75重量%の間含有する。
【0032】
加えて、本発明による方法の一変形形態によれば、段階c)または段階d)において形成された水性懸濁液の優先的形態は、自己結合性顔料粒子が、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して、0.1μm〜10μmの間、好ましくは0.1〜2μmの間の平均粒径を有することを特徴とする。
【0033】
本発明による方法の段階c)において得られるこの水性懸濁液または分散液は、実施例1によって示されるように自己結合性である。
【0034】
本発明による方法の可能な一変形形態は、段階c)または場合によっては段階d)の後の2つの段階によって特徴付けられる。
【0035】
f)段階c)またはd)において得られた水性懸濁液の濃度を熱的濃縮または機械的濃縮によって高めること。
【0036】
g)段階f)において得られた水性懸濁液を少なくとも1つの分散剤および/または少なくとも1つの湿潤剤を使用することによって分散させること。
【0037】
この変形形態によれば、前記1つまたは複数の分散剤は、アクリル酸、および/またはメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、またはイソクロトン酸、無水アコニット酸、無水メサコニン酸、無水シナピン酸、無水ウンデシレニン酸、アンゲリカ酸、および/またはそれぞれのエステル(たとえばアルキルの、アリールの、アルキルアリールの、アリールアルキルのアクリレートおよびメタクリレート、および特にエチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド、エチレングリコールのアクリレートホスフェート、エチレングリコールのメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートのアクリレートホスフェート、プロピレングリコールのメタクリレートホスフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドまたはサルフェート、エチルクロリドまたはアンモニウムトリメチルメタクリレートサルフェート、これらのアクリレートおよびアクリルアミド対応物(四級化の有無にかかわらず)、および/またはジメチルジアリルクロリド、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ジイソブチレン、酢酸ビニル、スチレン、α−メチル−スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルメチルエーテル、およびアリルアミンなどのモノマーの少なくとも1つからのアクリルポリマーまたはビニルポリマーまたはアリルポリマーおよび/またはコポリマー(たとえば完全に酸の形態、または一価または多価カチオンもしくはアミンまたはこれらの混合物を含有する中和剤を使用して、部分的に中和された形態、または完全に中和された形態のホモポリマーまたはコポリマーなど)の中から選択される。
【0038】
これらの分散剤は、前記モノマーまたはこれらの混合物の少なくとも1つを少なくとも1つの鉱物質の存在下で重合させたものの中から選択することもできる。
【0039】
加えて、これらの分散剤の分子量の最適化は、これらの化学的性質に依存することを留意されたい。
【0040】
加えて、前記自己結合性顔料粒子の水性分散液は、分散剤0.01重量%〜2重量%を含有する。
【0041】
この変形形態によれば、自己結合性顔料粒子の水性分散液は、湿潤剤0.01重量%〜5重量%を含有する。
【0042】
本発明の方法の最後の段階e)においては、段階c)または段階d)において得られた水性懸濁液または分散液は、(少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤、ならびに場合によっては少なくとも1つの分散剤および少なくとも1つの湿潤剤を含有する自己結合性顔料粒子を乾燥形態で得るために)乾燥されることができる。
【0043】
この段階は、知られているあらゆる乾燥方法、優先的には希釈媒体中においてスプレー乾燥法によって遂行される。
【0044】
本発明による方法において、段階e)の結果は、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する(無機物質70重量%〜97.5重量%、および結合剤2.5重量%〜30重量%、より好ましくは無機物質85重量%〜95重量%および結合剤5重量%〜15重量%を含有することを特徴とする)乾燥形態の自己結合性顔料粒子である。
【0045】
加えて、一変形形態においておよび好ましい形態によれば、前記自己結合性顔料粒子の平均直径は、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して、5μm〜100μmの間、より好ましくは10μm〜30μmの間である。
【0046】
ここで本発明は、これの範囲を限定することのできない実施例によって例示される。
【実施例1】
【0047】
本実施例は、大理石および2つの結合剤懸濁液から水性懸濁液の自己結合性顔料粒子を調製する方法に関する。
【0048】
これを遂行するためには、この方法の第1段階a)は、平均粒径0.8μmを有する大理石の乾燥重量で1000グラムの水性懸濁液を大理石を乾燥物質含有量20重量%で水中懸濁液とすることによって形成することである。
【0049】
この方法の段階b)は、BASF社によって販売されている結合剤Acronal(商標)S728の水性懸濁液を乾燥物質含有量20重量%まで希釈することによって遂行される。
【0050】
段階c)は、大理石の懸濁液および結合剤の懸濁液をDyno−Mill(商標)型のミル(固定シリンダー、回転パルサー付き、磨砕体は直径1.0mm〜1.4mmの間のガラス球である)に連続的に導入することによって遂行される。
【0051】
16分間磨砕後、段階d)は、BASF社によって販売されているPolygen(商標)WE4を乾燥物質含有量20重量%まで希釈することによって得た、第2の結合剤の水性懸濁液をミルに加えることによって継続される。
【0052】
磨砕体によって占められる全容積は、460cmであり、これの重量は820gである。
【0053】
磨砕室は600cmの容積である。
【0054】
ミルの周辺速度は10m.s−1である。
【0055】
炭酸カルシウム懸濁液は、33リットル/時間でリサイクルされる。
【0056】
各磨砕試験中の温度は約25℃に維持される。
【0057】
磨砕(85分間)の終了後すぐに、得られた自己結合性顔料粒子懸濁液の試料がフラスコに取り出される。懸濁液の粒度分布は、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定され、粒子の85%は1μm以下の平均直径を有するものである。
【0058】
こうして得られた生成物は、20%に等しい炭酸カルシウムの乾燥物質重量含有量、MasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して0.5μmに等しい平均粒径、大理石/Acronal(商標)S728/Polygen(商標)WE4の乾燥物質重量比100/9.5/0.5の比を有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液である。
【0059】
本実施例においては、一方の鉱物自己結合性顔料粒子結合剤対と、他方の単純混合物との相違の実例が、METTLER TOLEDO(商標)社によって販売されている示差熱分析器(ATD)TGA/SDTA851eを使用して例示されている。加熱条件は:昇温毎分5℃、25〜350℃である。
【0060】
比較として、純粋な生成物(大理石および結合剤)について同じ測定が行われた。
【0061】
図1は、本発明による鉱物自己結合性顔料粒子結合剤対と、鉱物−結合剤単純混合物との相違を例示している。
【0062】
こうして得られた顔料粒子の自己結合性適切性を実証するために、膜ろ過法を使用して錠剤が製剤された。
【0063】
中空鋼管で製作された高圧フィルタープレス型の機械が使用される。前記管は、上端を蓋で閉じられ、底にろ過膜を収容している。
【0064】
次いで容積80mlの無機物質のみを含有する懸濁液(比較例試料を製造するために使用した)、または本発明による懸濁液(試験用試料を製造するために使用した)が導入される。
【0065】
次いで水が排除されることを可能にする一定の圧力15バールを厚さ20mmの錠剤が得られるまで加える。
【0066】
試料は、次いで1週間風乾された。
【0067】
使用された装置および方法は、文献「Modified calcium carbonate coatings with rapid absorption and extensive liquid update capacity」(Colloids and Surfaces A,236(1−3),2003,pp.91−102)に詳細に記載されている。
【0068】
顔料粒子の円筒形に近い固体ブロックは、ディスクミル(Jean Wirtz,Phoenix 4000)を使用して直径25mmおよび厚さ約15mmの円盤型試料の形態に研磨された。この手順は文献「Fluid transport into porous coating structures:some novel findings」(Tappi Journal,83(5),2000,pp.77−78)に記載されている。
【0069】
得られた試料は、WN158988制御装置付のZwick−Roell張力試験機において(半球形先端を有する)ロッド/フラットシステムを使用する耐破砕性試験を受けた。セルの力は20kNである。
【0070】
試料は3mm.min−1の速度で10mmの長さにわたって破砕された。図2においては、本実施例および以後の実施例について2mmの変形のための力の値が例示されている。
【0071】
図2は、本発明による自己結合性顔料粒子について自己結合力を例示している。以下の試料についての破砕試験における2mmの変形のための力の測定。
【0072】
−本発明による自己結合性顔料粒子の懸濁液の試料、
−本発明において使用される鉱物質だけを含有する水性懸濁液から実施例1に記載されている方法によって作製された試料(2)
図2は、本発明による方法は、鉱物粒子間の粒子間凝集力が最初の鉱物質の場合よりも大幅に大きい自己結合性顔料粒子が得られることを可能にすることをはっきり示している。この現象は実施例1について観察されるが、続いて記載する実施例2から4についても観察される。
【0073】
表1および1の2は、本発明による粒子および最初の鉱物粒子の粒度分布を示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
表1および表1の2は、最初の無機物質と比較して、本発明によって得られた自己結合性顔料粒子の場合における粒子寸法の顕著な減少を示している。
【実施例2】
【0077】
本実施例は、大理石からおよびスチレン−ブタジエン結合剤からの水性懸濁液の自己結合性顔料粒子を調製する方法に関する。
【0078】
これを遂行するためには、この方法の第1段階a)は大理石を乾燥物質含有量20重量%で水中に懸濁させることによって平均粒径0.85μmを有する大理石の水性懸濁液を形成することである。
【0079】
この方法の第2段階b)のためには、DOW CHEMICALSの結合剤DL966の水性懸濁液が50重量%の含有量で使用される。
【0080】
次いでこの方法の段階c)は、段階a)で得られた大理石の懸濁液を段階b)で得られた結合剤懸濁液と共に実施例1において使用されたものと同じ装置を用いて共磨砕することによって行われる。
【0081】
磨砕(30分間)の終了後すぐに、得られた自己結合性顔料粒子懸濁液の試料がフラスコに取り出される。懸濁液の粒度分布は、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定され、75%の粒子が1μm以下の平均直径を有するものである。
【0082】
こうして得られた生成物は、21重量%に等しい炭酸カルシウムの乾燥物質含有量、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して0.65μmに等しい平均粒径、および100/10の重量比に等しい炭酸カルシウム/結合剤の比を有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液である。
【0083】
前記粒子の結合力は、実施例1において記載された方法による破砕試験によって測定され、図2に示されている。後者は、本発明による方法が、鉱物粒子間の粒子間凝集力が最初の鉱物質の場合よりも大幅に大きい自己結合性顔料粒子が得られることを可能にすることを示している。
【0084】
表2および表2の2は、本発明による粒子および最初の鉱物粒子の粒度分布を示している。
【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
表2および表2の2は、最初の無機物質と比較して、本発明によって得られた自己結合性顔料粒子の場合における粒子寸法の顕著な減少を示している。
【実施例3】
【0088】
本実施例は、沈降炭酸カルシウム(PCC)および2つの結合剤懸濁液から自己結合性顔料粒子の水性懸濁液を調製する方法に関する。
【0089】
これを遂行するために、この方法の第1段階a)は、平均直径1.8μmを有する沈降炭酸カルシウムの水性懸濁液を沈降炭酸カルシウムを20重量%に等しい乾燥物質含有量で水に懸濁させることによって形成することである。
【0090】
この方法の第2段階b)は、BASF社によって販売されているAcronal(商標)S728結合剤の20重量%に等しい乾燥物質含有量における第1の水性懸濁液およびBASF社によって販売されているPolygen(商標)WE4結合剤の20重量%に等しい乾燥物質含有量における第2の水性懸濁液が使用される。
【0091】
3つの懸濁液は、次いで実施例1のものと同じ装置を用いて共磨砕される。
【0092】
磨砕(30分間)の終了後すぐに、得られた自己結合性顔料粒子の懸濁液の試料がフラスコに取り出される。懸濁液の粒度分布はMALVERN(商標)社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定され、83%の粒子が1μm以下の平均直径を有するものである。
【0093】
こうして得られた生成物は、20重量%に等しい沈降炭酸カルシウムの乾燥物質含有量、MALVERN(商標)社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して0.53μmに等しい平均粒径、および100/9.5/0.5の乾燥物質重量比に等しいPCC/Acronal(商標)S728/Polygen(商標)WE4の比を有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液である。
【0094】
前記粒子の結合力は、実施例1において記載された方法による破砕試験によって測定され、図2に示されている。後者は、本発明による方法が、鉱物粒子間の粒子間凝集力が最初の鉱物質の場合よりも大幅に大きい自己結合性顔料粒子が得られることを可能にすることを示している。
【0095】
表3および表3の2は、本発明による粒子および最初の鉱物粒子の粒度分布を示している。
【0096】
【表5】

【0097】
【表6】

【0098】
表3および表3の2は、最初の無機物質と比較して、本発明によって得られた自己結合性顔料粒子の場合における粒子寸法の顕著な減少を示している。
【実施例4】
【0099】
本実施例は、タルクと二酸化チタンとの混合物およびデンプンとポリビニルアルコールを混合することによって得られた結合剤の溶液から自己結合性顔料粒子の水性懸濁液を調製する方法に関する。
【0100】
これを遂行するために、本発明による方法の第1段階a)は、平均直径が13μmのタルクおよび平均直径が0.2μm未満の二酸化チタンの水性懸濁液をタルクおよび二酸化チタンを(乾燥重量比1:1で)48重量%に等しい乾燥物質含有量で水に懸濁させることによって作製することである。
【0101】
本発明による方法の段階b)は、OMYA Peralta社によって販売されているポリビニルアルコールMowiol(商標)4−88の水性懸濁液を34重量%に等しい乾燥物質含有量に至るまで希釈することによって行われ、その間に温度90℃で20分間撹拌し、およびその間にデンプン溶液を22重量%に等しい乾燥物質含有量で調製し、その間に温度90℃で20分間撹拌する。
【0102】
これに続いて、得られた懸濁液は実施例1と同じ装置を用いて共磨砕される。
【0103】
磨砕(30分間)の終了後すぐに、得られた自己結合性顔料粒子懸濁液の試料がフラスコに取り出される。懸濁液の粒度分布がMALVERN(商標)社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定され、28%の粒子が1μm以下の平均直径を有するものである。
【0104】
こうして得られた生成物は、37重量%に等しいタルクおよび二酸化チタンの乾燥物質含有量、MALVERN(商標)社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して46μmに等しい平均粒径、および100/10の重量比に等しいタルクおよび二酸化チタン/ポリマー結合剤の比を有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液である。
【0105】
前記粒子の結合力は、実施例1において記載された方法による破砕試験によって測定され、図2に示されている。後者は、本発明による方法が、鉱物粒子間の粒子間凝集力が最初の鉱物質の場合よりも大幅に大きい自己結合性顔料粒子が得られることを可能にすることを示している。
【0106】
表4および表4の2は、本発明による粒子および最初の鉱物粒子の粒度分布を示している。
【0107】
【表7】

【0108】
【表8】

【0109】
表4および表4の2は、最初の無機物質と比較して、本発明によって得られた自己結合性顔料粒子の場合における粒子寸法の顕著な減少を示している。
【実施例5】
【0110】
本実施例は、大理石および2つの結合剤懸濁液からの自己結合性顔料粒子の水性懸濁液のための本発明による調製方法の一変形形態を説明するものである。
【0111】
これを行うために、実施例1と同じ物質および同じ操作条件を用いて、実施例1からの自己結合性顔料粒子の水性懸濁液(20重量%に等しい炭酸カルシウムの乾燥物質の含有量、MasterSizer(商標)Sによって測定した平均粒径0.50μm、および乾燥物質の重量部で100/9.5/0.5に等しい大理石/Acronal(商標)S728/Polygen(商標)WE4を有する)を製造する。
【0112】
この自己結合性顔料粒子の水性懸濁液が得られたら、乾燥物質濃度を高めるために回転数5,500rpmで回転するRouan YXY遠心分離機に入れる。
【0113】
遠心分離機中で6分後に、得られる水性懸濁液は58%の乾燥物質含有量を有する。
【0114】
得られたら、この濃縮された自己結合性顔料粒子の水性懸濁液はPendraulik(商標)撹拌機を300rpmで使用して分散させ、顔料粒子の乾燥重量の0.5%の乾燥重量の湿潤剤(スチレンコポリマー/ブチルアクリレート/メタクリル酸/アクリル酸)および顔料粒子の乾燥重量の0.1%の乾燥重量の分散剤(アクリル酸コポリマー/無水マレイン酸)、次いで乾燥物質濃度55%を得るのに必要な量の水を加える。
【0115】
得られたBrookfield(商標)粘度データは、100rpmにおいて106mPa.sである。
【実施例6】
【0116】
本実施例も、本発明による別の方法の変形形態を説明するものである。
【0117】
これを行うために、実施例1と同じ物質および同じ操作条件を用いて、実施例1からの自己結合性顔料粒子の水性懸濁液(20重量%に等しい炭酸カルシウムの乾燥物質の含有量)、MasterSizer(商標)Sによって測定した平均粒径0.50μm、および乾燥物質の重量部で100/9.5/0.5に等しい大理石/Acronal(商標)S728/Polygen(商標)WE4を有する)を製造する。
【0118】
この自己結合性顔料粒子の懸濁液が得られたら、懸濁液の乾燥物質濃度を65.4%まで高めるためにフィルタープレスが使用される。
【0119】
この濃縮された自己結合性顔料粒子の水性懸濁液が得られたら、Pendraulik(商標)撹拌機を3,000rpmの一定速度で使用してこれを分散し、引き続いて顔料粒子の乾燥重量に対して0.17%の乾燥重量の湿潤剤Tamol(商標)NN9104および0.59%の乾燥重量の分散剤Coatex P70を加える。
【0120】
14日貯蔵後のBrookfield(商標)粘度指数は、100rpmにおいて1630mPa.sである。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明による鉱物自己結合性顔料粒子結合剤対と、鉱物−結合剤単純混合物との相違を例示している。
【図2】本発明による自己結合性顔料粒子について自己結合力を例示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの無機物質の1つまたは複数の水性懸濁液を形成し、これを段階c)を目的としてミル中に導入する段階と、
b)少なくとも1つの結合剤の1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンを形成するか取得し、これを段階c)を目的としてミル中に導入する段階と、
c)段階a)において得られた1つまたは複数の水性懸濁液を段階b)において得られた水性溶液または懸濁液またはエマルジョンと共に自己結合性顔料粒子の水性懸濁液が得られるように共磨砕する段階と、
d)段階c)において得られた水性懸濁液を少なくとも1つの結合剤の1つまたは複数の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンと共に場合によっては共磨砕する段階と、
e)段階c)または段階d)において得られた水性懸濁液を場合によっては乾燥する段階
を含む、乾燥品または水性懸濁液または分散液である自己結合性顔料粒子を調製する方法。
【請求項2】
段階a)において形成された無機物質の1つまたは複数の水性懸濁液が、乾燥重量で無機物質1%から80%を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階a)において形成された無機物質の1つまたは複数の水性懸濁液が、乾燥重量で無機物質15%から60%を含有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
段階a)において形成された無機物質の前記1つまたは複数の水性懸濁液が、1つまたは複数の無機物質を含有することを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の方法。
【請求項5】
前記無機物質が、金属酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、ケイ酸塩および炭酸カルシウムなどの炭酸塩、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、二酸化チタン、サテンホワイト、または三水酸化アルミニウムおよびこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無機物質が、天然形態または沈殿形態の炭酸カルシウムまたはこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無機物質が、白亜、大理石、方解石、またはこれらの混合物の中から選択された天然の炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
段階b)において形成された少なくとも1つの結合剤の水性溶液または懸濁液またはエマルジョンが、少なくとも1つの結合剤1重量%から50重量%、より優先的には少なくとも1つの結合剤5重量%から20重量%を含有することを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
段階b)の1つまたは複数の結合剤が、半結晶性ラテックスの中から、あるいはエマルジョンのラテックスまたはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、デンプン、カゼイン、タンパク質、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、またはこれらの混合物などの可溶性結合剤の溶液の中から選択されることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の方法。
【請求項10】
半結晶性ラテックスが、ポリエチレンワックスのエマルジョンまたはポリエチレンとアクリル酸などの他のモノマー単位もしくは他のモノマーまたはこれらの混合物との中和された形態のコポリマーの中から優先的に選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
エマルジョンラテックスが、アクリル酸エステルのコポリマーの中から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
段階c)において形成された懸濁液が、得られた懸濁液中に含有されている無機物質と結合剤の比が重量比で表して99〜1の間であることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の方法。
【請求項13】
得られた懸濁液中に含有されている無機物質と結合剤の間の比が、重量比で表して70と30の間であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記のように形成された自己結合性顔料粒子が、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して、0.1μmと10μmの間の平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の方法。
【請求項15】
前記のように形成された自己結合性顔料粒子が、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して、0.1μmと2μmの間の平均粒径を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
a)少なくとも1つの無機物質を含有する1つまたは複数の水性懸濁液を段階c)を目的として磨砕機中において形成する段階と、
b)段階c)を目的として磨砕機中において、少なくとも1つの結合剤を含有する1つまたは複数の溶液または懸濁液またはエマルジョンを形成するか取得する段階と、
c)段階a)において得られた1つまたは複数の懸濁液を段階b)において得られた溶液または水性懸濁液またはエマルジョンと一緒に共磨砕して、自己結合性顔料粒子の水性懸濁液を得る段階と、
d)段階c)において得られた水性懸濁液を少なくとも1つの結合剤の1つまたは複数の溶液または水性懸濁液またはエマルジョンと一緒に場合によっては共磨砕する段階と、
f)段階c)またはd)において得られた水性懸濁液の濃度を熱的濃縮または機械的濃縮によって高める段階と、
g)段階f)において得られた水性懸濁液を少なくとも1つの分散剤および/または少なくとも1つの湿潤剤を使用することによって分散させる段階
を含むことを特徴とする請求項1から15の一項に記載の方法。
【請求項17】
1つまたは複数の分散剤が、アクリル酸および/またはメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸、またはイソクロトン酸、アコニット酸、メサコニン酸、シナピン酸、ウンデシレニン酸、アンゲリカ酸、および/またはそれぞれのエステル(たとえばアルキルの、アリールの、アルキルアリールの、アリールアルキルのアクリレートまたはメタクリレート、および特にエチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート)、スルホニックアクリルアミドメチルプロパン酸、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド、グリコールエチレンのアクリレートホスフェート、グリコールエチレンのメタクリレートホスフェート、グリコールプロピレンのアクリレートホスフェート、グリコールプロピレンのメタクリレートホスフェート、塩素またはアンモニウムトリメチルプロピルメタクリルアミドサルフェート、ならびにこれらのアクリレートおよびアクリルアミド対応物(四級化の有無にかかわらず)、および/またはジメチルジアリルクロレート、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ジイソブチレン、酢酸ビニル、スチレン、α−メチル−スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルメチルエーテル、アリルアミンなどのモノマーの少なくとも1つからのポリマーおよび/またはアクリルコポリマーまたはビニルコポリマーまたはアリルコポリマー(たとえば完全に酸の形態、または一価または多価カチオンもしくはアミンまたはこれらの混合物を含有する中和剤を使用して、部分的に中和された形態、または完全に中和された形態のホモポリマーまたはコポリマーなど)の中から選択されるか、または少なくとも1つの鉱物質の存在下で重合された前記モノマーまたはこれらの混合物の少なくとも1つから選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの分散剤0.01重量%から2重量%が添加されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの湿潤剤0.01重量%から5重量%が添加されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から15の一項に記載の方法によって得られることを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液。
【請求項21】
請求項1から15の一項に記載の方法によって得られることを特徴とし、自己結合性であることを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の水性懸濁液。
【請求項22】
無機物質5重量%と80重量%の間、結合剤1重量%と30重量%の間、および水19重量%と94重量%の間を含むこと、ならびに優先的には無機物質20重量%と40重量%の間、結合剤5重量%と20重量%の間、および水40重量%と75重量%の間を含むことを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する請求項20または21に記載の自己結合性顔料粒子の水性懸濁液。
【請求項23】
請求項16から19の一項に記載の方法によって得られることを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の水性分散液。
【請求項24】
請求項16から19の一項に記載の方法によって得られることを特徴とし、自己結合性であることを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の水性分散液。
【請求項25】
無機物質5重量%と80重量%の間、結合剤1重量%と30重量%の間、水19重量%と94重量%の間、少なくとも1つの分散剤0.01重量%と2重量%の間および/または少なくとも1つの湿潤剤0.01重量%と5重量%の間を含有すること、および優先的には無機物質20重量%と40重量%の間、結合剤5重量%と20重量%の間、水40重量%と75重量%の間、少なくとも1つの分散剤0.01重量%と2重量%の間および/または少なくとも1つの湿潤剤0.01重量%と5重量%の間を含有することを特徴とする、少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する請求項23または24に記載の自己結合性顔料粒子の水性分散液。
【請求項26】
段階e)において形成された自己結合性顔料粒子が、少なくとも1つの無機物質70重量%から97.5重量%および少なくとも1つの結合剤2.5重量%から30重量%を含有することを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の方法。
【請求項27】
段階e)において形成された自己結合性顔料粒子が、少なくとも1つの無機物質85重量%から95重量%および少なくとも1つの結合剤5重量%から15重量%を含有することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
段階e)において形成された自己結合性顔料粒子の平均直径が、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して5μmから100μmの間であることを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の、および請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
段階e)において形成された自己結合性顔料粒子の平均直径が、MALVERN社によって販売されているMasterSizer(商標)S粒度分析計を使用して測定して10μmから30μmの間であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1つの無機物質70重量%から97.5重量%までおよび少なくとも1つの結合剤2.5重量%から30重量%までを含有すること、および優先的には少なくとも1つの無機物質85重量%から95重量%までおよび少なくとも1つの結合剤5重量%から15重量%までを含有することを特徴とする、請求項1から19および26から29の一項に記載の方法によって得られる少なくとも1つの無機物質および少なくとも1つの結合剤を含有する自己結合性顔料粒子。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−506807(P2008−506807A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520923(P2007−520923)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002762
【国際公開番号】WO2006/008657
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(505351050)オムヤ・デベロツプメント・アー・ゲー (22)
【Fターム(参考)】