説明

乾燥機

【課題】 種々の環境下に応じて用いることができ、しかも使い勝手の良い乾燥機の提供を目的とする。
【解決手段】 箱状の本体部に内装された送風機の送風口に基端部が連通接続される送風ホースの長手方向途中部分を、前記本体部に対して外側に離れた位置で曲げるよう長手方向に巻き掛ける巻掛部を備え、前記送風ホースが巻掛部に保持された状態で該送風ホースはその先端部が前記本体部の一端側部の上側に位置するよう構成されており、前記本体部において、巻掛部に保持された状態の前記送風ホースの先端部の下側位置に、乾燥用袋体の収納部が設けられている乾燥機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふとんの乾燥等に用いられる乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機の一例として、下記特許文献1に示すふとん乾燥機が提案されている。該乾燥機は、箱状の乾燥機本体に内装された送風機の送風口に基端部が連通接続された送風ホースを備え、送風ホースを保持する保持部が、乾燥機本体側方の凹部に上下方向に沿うよう形成されている。
【0003】
上記従来の乾燥機は、送風ホースの先端部および長手方向途中部分を保持部から取り外して使用されるものであり、ふとんがベッドに敷かれていれば、乾燥機をベッドの脇に置くようにして送風ホースを保持部から外して用い、乾燥機の使用が終われば送風ホースを再び保持部に保持させるように戻している。
【0004】
また、下記特許文献1には、ふとん乾燥用袋体を収納するための収納室を、乾燥機本体の裏面部に形成し、収納室カバーを着脱自在に設けた例が開示されている(図4参照)。乾燥機本体の裏面部に収納室を形成したものでは、乾燥機の使用時には、収納室カバーを乾燥機本体から外してふとん乾燥用袋体を収納室から取り出す。また、乾燥機の非使用時にも収納室カバーを外してふとん乾燥用袋体を収納室に収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−319897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ベッドの高さは種類に応じて様々である。特に介護ベッドや下部に収納用引出しを備えたような特殊なベッドは、通常のベッドに比べて脚が高く、その分だけふとんも床面から高い位置にある。
【0007】
しかしながら、上記従来の乾燥機では、送風ホースを保持する保持部が乾燥機本体側方の凹部に、その上下方向に沿うよう形成されており、保持部の長さに対応する長さの送風ホースを備えている。このため、脚の高いベッド等に敷かれたふとんを乾燥させる場合等には、送風ホースの長さが不足して送風ホースがふとん乾燥用袋体に届かないことがある。
【0008】
そこで、送風ホースを長尺にすることで対応することが考えられる。しかしながら、送風ホースを長尺にすると、保持部は乾燥機本体側方の凹部に上下方向に沿うよう形成されているのみであるから、保持部に保持させることができないという問題が生じる。したがって、結果的に送風ホースの長さが不足する場合では、乾燥機本体をできるだけふとんの近くに設置する等の工夫(作業)が必要であり、使い勝手が悪かった。
【0009】
そしてこのような問題は、ベッドに敷かれたふとんを乾燥するのみならず、例えば、床に敷かれたふとんの周辺に乾燥に無関係な物が置かれていて乾燥機本体をふとんの近くに設置できない場合にも発生する。あるいは、ふとん乾燥機のみならず、衣類や靴用の乾燥機等、他の乾燥機であっても、乾燥対象となる物品を乾燥させようとする場合にも同様に発生していた。
【0010】
また、乾燥機本体の裏面に、乾燥用袋体(ふとん乾燥用袋体)を収納するための収納部が形成されている乾燥機では、乾燥用袋体の使用時および非使用時には、収納室カバーを乾燥機本体から着脱する必要があり、その分だけ乾燥機の使い勝手が悪かった。
【0011】
そこで本発明は、種々の環境下に応じて用いることができ、しかも使い勝手の良い乾燥機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の乾燥機は、箱状の本体部に内装された送風機の送風口に基端部が連通接続される送風ホースの長手方向途中部分を、前記本体部に対して外側に離れた位置で曲げるよう長手方向に巻き掛ける巻掛部を備え、前記送風ホースが巻掛部に保持された状態で該送風ホースはその先端部が前記本体部の一端側部の上側に位置するよう構成されており、前記本体部において、巻掛部に保持された状態の前記送風ホースの先端部の下側位置に、乾燥用袋体の収納部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
上記構成において、送風機の送風口に基端部が連通接続される送風ホースの長手方向途中部分を、本体部に対して外側に離れた位置で曲げるよう長手方向に巻き掛ける巻掛部を備えているから、巻掛部が本体部に対して外側に離れた位置で曲げられる分だけ長手方向に長い送風ホースを備えることが可能になる。
【0014】
また、送風ホースは本体部の外側で巻き掛けられる構成としていることで、その分だけ乾燥用袋体の収納部を設けるスペースを大きく確保することが可能であるから、乾燥用袋体の収納、取り出し作業が容易である。
【0015】
本発明の乾燥機では、送風ホースの基端部は本体部の他端側部において送風機の送風口に連通接続され、巻掛部は本体部に対して上方に離れた位置で送風ホースの長手方向途中部分を巻き掛ける構成を採用することができる。
【0016】
上記構成によれば、送風ホースはその基端部が本体部の他端側部にあって、送風ホースの長手方向途中部分は巻掛部によって本体部に対して上方に離れた位置に保持することができるので、その分だけ長手方向に長い送付ホースを装着することが可能になり、しかも送風ホースの長手方向途中は本体部の上方に離れているから、その分だけ送風ホースの先端部(送風ホースの先端部に装着した乾燥用袋体)を高い位置にセッティングすることが可能である。
【0017】
本発明の乾燥機では、巻掛部は、本体部の上側にその幅方向一端部から他端部の全域に亘るよう設けられるとともに送風ホースを長手方向全域で装着する装着溝を備えた構成を採用することができる。この構成では、送風ホースをその長手方向で装着溝に装着することで、巻掛部に確実に保持される。
【0018】
本発明の乾燥機では、送風ホースは、巻掛部に保持された状態において、基端部が先端部に比して上方になるように、該先端部が巻掛部の端部に保持される構成を採用することができる。
【0019】
上記構成によれば、長手方向に長いホースを備えることを可能としたうえで、送風ホースの基端部を先端部に比して上方に配置しているから、その分だけ送風ホースの先端部(送風ホースの先端部に装着した乾燥用袋体)を高い位置にセッティングすることが可能である。
【0020】
本発明の乾燥機では、収納部は少なくとも一部を開放した箱体から形成され、該収納部は本体部の一端側部に、本体部内方へ向けてくぼむよう形成された装着空間に出し入れ自在に設けられている構成を採用することができる。
【0021】
上記構成によれば、収納部である箱体を本体部の装着空間から出すという動作で箱体に乾燥用袋体を容易に収納し、しかもその後は、箱体を再び装着空間に装着するという容易な動作で、乾燥用袋体を本体部内に収納することが可能である。
【0022】
また、送風ホースは本体部の外側で巻き掛けて保持されて本体部内にないため、本体部内に送風ホースを収納する構成に比べて収納部(箱体)を大きく形成することが可能となり、その分だけ乾燥用袋体の収納作業がし易くなる。
【0023】
本発明の乾燥機では、箱体は、底面および該底面から立設する四側面を備えて、上面が開口とされた構成を採用することができる。この構成によれば、箱体を引き出し、その上面の開口から箱体内に乾燥用袋体を容易に収納し、また、箱体に乾燥用袋体が収納されていれば、乾燥用袋体も一緒に引き出されるから、上面の開口から乾燥用袋体の取り出しをする。
【0024】
本発明の乾燥機では、送風ホースが巻掛部に保持された状態において、送風ホースの先端部と収納部とが互いに連通する構成を採用することができる。この構成によれば、送風ホースを巻掛部に巻き掛けられた状態で、先端部は収納部の直上にあって、本体部の一端側部と収納部とが連通していることにより、乾燥用袋体を送風ホースの先端部に接続したままで、乾燥用袋体を収納部に収納することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の乾燥機によれば、送風ホースの長手方向途中部分を、箱状の本体部に対して外側に離れた位置で曲げるよう長手方向に巻き掛ける巻掛部を備えているから、その分だけ長手方向に長い送風ホースを備えることができ、したがって、送風ホースが長くなった分だけ種々の環境下に応じ、乾燥用袋体を用いて乾燥対象物を乾燥することができる。また、巻掛部に保持された状態の送風ホースの先端部の下側位置には、乾燥用袋体の収納部が設けられているから、収納部に対して乾燥用袋体を収納する作業が極めて楽で、且つ容易であり、したがって使い勝手が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態であるふとん乾燥機の、正面上方側からの斜視図である。
【図2】同ふとん乾燥機の背面下方側からの斜視図である。
【図3】同ふとん乾燥機の正面図である。
【図4】同ふとん乾燥機の右側面図である。
【図5】同ふとん乾燥機の平面図である。
【図6】同ふとん乾燥機の底面図である。
【図7】同ふとん乾燥機の左右方向中心部における縦断面図である。
【図8】同ふとん乾燥機の本体部に内装された電気機器を表した一部破断縦断面図である。
【図9】同ふとん乾燥機の前後方向中心からわずかに位置ずれした位置における縦断面図である。
【図10】同ふとん乾燥機の係脱手段を表す横断面図である。
【図11】同ふとん乾燥機の使用状態の一例を表す斜視図である。
【図12】同ふとん乾燥機のふとん乾燥用袋体を収納箱に収納する状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る乾燥機を、ふとん乾燥機を例に、図1ないし図12を参照しつつ説明する。図1ないし図6に示すように、このふとん乾燥機(以下、単に乾燥機と称する)1は、乾燥機本体(本体部に相当する)2と、蛇腹構造により長手方向に伸縮自在な送風ホース3と、送風ホース3に連通接続されて用いられるふとん乾燥用袋体(以下、単に袋体と称する)4と、送風ホース3を巻き掛けて保持する巻掛部6とを備えている。図3に示すように、乾燥機本体2は、電気機器を内装する部分であって、乾燥機1の下部を構成している。巻掛部6は、乾燥機本体2の上側に配置されている構成である。
【0028】
図1ないし図6に戻って、乾燥機1は、全体形状として下方ほど左右の幅が広く、かつ前後の厚み(奥行)が厚くなる形状に形成されている。これにより、安定感のある(床面に設置した際に安定し易い)形状となっている。また、乾燥機1(乾燥機本体2、巻掛部6)の外殻は合成樹脂から形成され、図2に示すように、前側の半分部分と後側の半分部分とで二つ割りになっており、前側の半分部分と後側の半分部分とを前後で組み合わせて構成されている。
【0029】
乾燥機本体2は箱状に形成されている。すなわち図6ないし図9に示すように、乾燥機本体2は、本体底壁7と、四方の本体側壁と、本体天壁8とから構成されており、内部に、後述する複数種の電気機器が配置されている。図6に示すように、本体底壁7は底面視して、角部を面取りした略矩形(左右方向に長い長方形)に形成されており、その下面の四隅部には、高さの低い脚部材9が固定されている。
【0030】
前記本体側壁は、本体前壁10と、本体前壁10に後方で対向する本体後壁11と、互いに左右方向で対向する左右の本体横壁13,22とから形成されている。図8および図9に示すように、本体前壁10および本体後壁11のそれぞれの左右両側は、上部ほど左右幅が狭くなるよう傾斜して形成されている。しかも図7に示すように、本体前壁10および本体後壁11は、全体的に前後中心に向けて互いに上部ほど接近するよう緩やかに傾斜している。
【0031】
本体前壁10には、タイマー設定兼電源用のダイヤル14(図1、図7等参照)が、略前後方向に沿う支軸14a回りに回転自在に装着されている。本体後壁11の下部には、外気を乾燥機本体2内に取り入れるための吸気用スリット15が複数条形成されている。
【0032】
これら本体前壁10および本体後壁11は、後述するように、乾燥機本体2の本体天壁8に対応する領域からさらに斜め上方に向けて延長されて、延長された部分が、巻掛部6の前壁および後壁を構成している。
【0033】
左右の本体横壁13,22は、その前後端縁が本体前壁10および本体後壁11の前後方向の傾斜に一致するよう、上部ほど前後幅が狭くなるよう傾斜して形成され、しかも上方ほど左右中心に位置するよう略同一角度で傾斜している。
【0034】
また、乾燥機本体2はその左右方向一端側部に、袋体4を収納する収納部を備えている。該収納部は、袋体4を収納する収納箱(箱体に相当する)16と、収納箱16を装着する装着空間17から構成されている。装着空間17は、乾燥機本体2の一端側部に形成されている。装着空間17は、奥壁12と、前後壁17a,17bと、底壁17cによって形成されている。奥壁12は、後述する右天壁部30と、右天壁部30の下方に向けて延長された延設部12aとから形成されている。奥壁12は、乾燥機本体2の一端側部から左右方向中心へ奥まった位置に配置されている。延設部12aは、底壁17cの最奥部に一体的に形成されている。前壁17aは乾燥機本体2の本体前壁10の右側部にその後側に対向するよう配置されている。後壁17bは乾燥機本体2の本体後壁11の右側部にその前側に対向するよう配置されている。
【0035】
奥壁12の傾斜は、他方の横壁である本体左横壁13に比べて急峻になっている。奥壁12は、左右方向において全体が中心側へ奥まった位置に配置されることで、乾燥機本体2の一側端部には、袋体4を収納する収納箱16が装着される装着空間17を形成できるようになっている。
【0036】
図8および図9、図12に示すように、収納箱16は、底板18と、四方の側板19,20,21,22とから上方部を開放部23としており、全体として略角錐台形状に形成されている。収納箱16は、装着空間17に収容された収容姿勢Yと、装着空間17(乾燥機本体2)から側方(右側)へ突出した突出姿勢Zとに切替自在(出し入れ自在)に構成されている。収納箱16の側壁22は、本体横壁を兼用している。
【0037】
乾燥機1は、収納箱16を収容姿勢Yと突出姿勢Zとに切替える切替手段を備えている。切替手段は、装着空間17の底壁17cに形成された凹部17dに、嵌入して係合する収納箱16の底板18に形成された凸部18aと、前壁17aおよび後壁17bのそれぞれの下部から前後に対向するよう突出したピン24と、収納箱16の前後の側板19,20に形成されてピン24に緩やかに嵌合する下溝26と、収納箱16の前後の側板19,20において下溝26の上方に形成された各突起25とから構成されている。なお、下溝26は上方へ向けて凸となる円弧状に形成されている。
【0038】
この構成により、収納箱16は、凸部18aと凹部17dの係合点を支点にして、傾斜して側方(右側)へ回動可能に構成されるとともに、装着空間17に対しその側方に突出可能に構成されている。収容姿勢Yは、収納箱16が装着空間17内に収納されている姿勢である。収容姿勢Yにおいて、収納箱16の右側板22(その側面)が、乾燥機本体2の表面として露出する構成となっている。突出姿勢Zは、収容姿勢Yから切替手段を用いて収納箱16を乾燥機本体2の側方へ突出させた姿勢である。そして、突出姿勢Zにおいて開放部23から、袋体4を収納箱16内に収納できるようになっている。
【0039】
右側板22の上縁部は、側面視して円弧状に切欠かれて、開放されている開放部が形成されている。切替手段を用いて収納箱16を突出姿勢Zとするには、開放部から手指を挿入して、収納箱16を側方へ回動させるように、手で側方に引き出すことで、ピン24に下溝26が案内され、最も側方へ回動させた状態で各突起25がそれぞれ前壁17a,後壁17bに係止されて、突出姿勢Zが保持される。また、下溝26がピン24に案内されることで、収納箱16は、前壁17aおよび後壁17bに対して傾くことなく、スムーズに引き出すことができる。
【0040】
前記本体天壁8は、奥壁12の上下方向途中から本体左横壁13へ向けて水平方向に延長された横天壁部28と、横天壁部28の本体左横壁13側端部から上方向けて延長された左天壁部29と、奥壁12の上端部から、収納箱16の収容姿勢Yにおける開放部23に沿う右天壁部30とを備えている。
【0041】
乾燥機本体2には、前記電気機器として、送風機(送風ファンとしてのシロッコファン)31が内装されている。送風機31の送風口32は上方に開放(開口)した形態で装着されている。送風口32は、乾燥機本体2の立ち姿勢において、その上部他端側部(収納部に対する反対側の一端側部)において、上方に開放されている。また、送風機31のファン部33は、乾燥機本体2内の最も下方寄りに装着されている。
【0042】
ファン部33は本体後壁11において吸気用スリット15を形成した領域に対応した位置に設定されている。また、送風口32にはヒータ34が内装され、送風口32に送風ホース3の基端部35が上方から連通接続されている。なお、基端部35は、外部からは観て取ることができないように、遮蔽用壁部36を挿通して乾燥機本体2の上端部に位置している。
【0043】
図7および図8において、符号37は、電子部品であるタイマー設定兼電源スイッチを示しており、前記ダイヤル14と機構的に連結(接続)されている。タイマー設定兼電源スイッチ37は、横天壁部28の上側に配置されている。このタイマー設定兼電源スイッチ37は、ダイヤル14の操作によってオン・オフされ、オン(回転)操作によって送風機31等の電気機器を駆動させ得るよう構成されている。
【0044】
巻掛部6は、送風ホース3をアーチ状(円弧状)に巻き掛けて保持することが可能な構成を備えている。この巻掛部6は乾燥機本体2に対し、その左天壁部29および右天壁部30よりも上側に配置され、乾燥機本体2の上方に突出するよう設けられている。しかも巻掛部6は、乾燥機本体2の上側に、一端部から他端部に亘る全域に設けられている。
【0045】
巻掛部6の長手方向の距離(アーチ状の長手方向距離)は、送風ホース3の長手方向全長が最小になるように縮めた距離よりも大きく、送風ホース3の長手方向全長が最大になるように縮めた距離よりも小さく設定されている。これにより、送風ホース3を長手方向で縮めた状態で、その長手方向全域に亘って保持することができるよう構成されている。
【0046】
前述したように、乾燥機本体2の本体前壁10および本体後壁11が斜め上方に向けて延長されて、延長された部分が、巻掛部6の前壁および後壁を構成している。以下、本体前壁10を延長してなる前壁を巻掛前壁40と称し、本体後壁11を延長してなる後壁を巻掛後壁41と称し、この構成を前提として、巻掛部6の構成を説明する。
【0047】
巻掛部6は、穴部42と、送風ホース3をその長手方向途中部分3Aで保持する保持部43Aと、乾燥機本体2の一端側部の上側(直上位置)において、送風ホース3の先端部48を係脱自在に保持する保持部43Bとを備えている。
【0048】
図1、図2、図3、図7ないし図9に示すように、穴部42は巻掛部6の中心部に形成されており、穴部42は巻掛部6の前後方向に貫通して形成されている。穴部42は、巻掛前壁40の上下左右方向の略中心部を穿ってしかも後方へ向けて延長し、巻掛後壁41の上下左右方向の略中心部を穿ってしかも前方へ向けて延長して、巻掛前壁40および巻掛後壁41を穴部42においてその前後方向中心部で一体的に連結させることで形成されている。この構成により、穴部42を構成する周壁部分は、後述の巻掛底壁44として兼用されている。
【0049】
保持部43Aは、穴部42の外側(径方向外方)に配置され、正面視して、乾燥機本体2から上方に向けて突出するアーチ状(上方に向けて凸となる円弧条)の部分である。図7に示すように、保持部43Aは、その径方向断面が溝状に形成されている。すなわち保持部43Aは、本体前壁10を延長してなる巻掛前壁40と、本体後壁11を延長してなる巻掛後壁41と、前記巻掛底壁44とを備えることで、穴部42に対して径方向外方側が開放された溝状に形成され、その長手方向全域に亘って送風ホース3(縮めた状態)をその長手方向全域で装着することのできる装着溝45Aを備えている。
【0050】
そして装着溝45Aは、保持部43Bにおいて袋体4を収納する収納部に直接的に連通している。換言すれば、巻掛部6に送風ホース3を装着し、且つ袋体4を先端部48に装着していない状態において、先端部48と、収納部である収納箱16の開放部23との間に両者を遮る物がなく、したがって、送風ホース3の先端部48における吹出口と、収納箱16の開放部23とが連通した状態となる。
【0051】
なお、巻掛底壁44はその前後中心側が穴部42の中心に向かって凸となる円弧状に形成されている。また、保持部43Aにおいて、巻掛前壁40および巻掛後壁41の径方向外側端縁は、正面視してアーチ状に形成されている。
【0052】
さらに、巻掛底壁44の外周面に、本体天壁8の左天壁部29、右天壁部30を上方に延長し、しかも巻掛底壁44に沿ってその径方向外方に重なるよう延長して形成した積層底壁45が設けられている。この積層底壁45の前後端部には、それぞれ巻掛前壁40、巻掛後壁41の径方向外端部に連続する押え壁46,47が形成されている。この押え壁46,47の前後離間幅は送風ホース3の径と同等か、わずかに大きくなるよう設定されている。
【0053】
また、積層底壁45を底面とした装着溝45Aの深さは、送風ホース3の外径よりも小さく設定されている。これにより、送風ホース3の外周面が積層底壁45に当接するように送風ホース3を装着溝45Aに装着すると、送風ホース3の径方向外側の外周面部が保持部43Aの外径端部から突出するよう構成されている。換言すれば、送風ホース3をその外周面が積層底壁45に当接するように装着溝45Aに装着した状態において、保持部43Aの外径端部の長手方向全域が、送風ホース3の径方向中心よりも径方向外方で、しかも送風ホース3の径方向外側端よりも内方に位置するよう、装着溝45Aの深さと送風ホース3の直径とが関係付けられている。
【0054】
図8および図9に示すように、保持部43Bは、保持部43Aの一端部を斜め下方に、且つ直線状に延長することで設けられている。保持部43Bの底壁43bは、本体天壁8の右天壁部30を緩やかに斜め上方に延長することで形成されている。保持部43Bには、送風ホース3の先端部48を巻掛部6に係脱自在に保持する係止手段が設けられている。なお、先端部48は、長手方向途中部分3Aに比べて大径に形成された大径部48aを備えている。
【0055】
図10に示すように、前記係止手段は、保持部43Bの底壁43bの前後端部から外方へ立ち上げた押え壁46,47(図4参照)を部分的に成形加工することで設けられている。すなわち係止手段は、押え壁46,47を互いに接近させるよう段付きされた押え板部49,50から形成されている。そして、押え板部49,50の外方端部には、さらに押え板部49,50どうしを接近させるよう膨出されて係止爪51,52が形成されている。
【0056】
押え板部49,50の前後方向の離間距離は、送風ホース3の大径部48aの径に比べてわずかに小さく設定されている。したがって、係止爪51,52の離間距離は、大径部48aの径に比べてさらに小さくなっている。
【0057】
前述のように、保持部43A(積層底壁45)の溝深さは、送風ホース3の径に比べて浅く設定されているから、基端部35が送風機31の送風口32に連通接続された送風ホース3を長手方向で縮め、保持部43Aに嵌め込んで、先端部48を保持部43Bにおいて係止手段に係止させることで巻掛部6にアーチ状に装着すると、送風ホース3の径方向外側部が、保持部43Aから露出した状態となる(図1ないし図3参照)。
【0058】
また、基端部35と先端部48の位置関係として、送風ホース3を巻掛部6に保持させた状態において、基端部35が先端部48に比して上方にある。換言すれば、基端部35がより高い位置になるよう、送風口32における送風ホース3が連通接続される部分が位置決めされている。
【0059】
次に、上記構成の乾燥機1の使用方法を説明する。図11は、この実施形態における乾燥機1の使用状態を表しており、乾燥機1を床面Dに設置した立ち姿勢で使用している。立ち姿勢は、脚部材9を床面Dに設置する姿勢である。図11ではベッドBの上に敷いた敷きふとんF1、掛けふとんF2を乾燥させる場合である。この場合、敷きふとんF1と掛けふとんF2の間に袋体4を延ばして敷き、送風ホース3を巻掛部6の装着溝45Aから外してその先端部48を袋体4に接続する。
【0060】
このような作業をする場合、送風ホース3の外周面が積層底壁45に当接するように送風ホース3を装着溝45Aに装着した状態で送風ホース3の径方向外側の外周面部が保持部43Aの外径端部から突出するよう構成されていることにより、送風ホース3を装着溝45Aから外して送風ホース3の長手方向途中部分を保持部43Aの上側で保持部43Aに交叉する方向に移動させても、保持部43Aが送風ホース3の動きを邪魔しにくい。
【0061】
続いて、ダイヤル14を回転すると、送風機31が駆動し、その送風口32から、例えば熱風が吐出供給されて、基端部35が送風口32に連通接続されている送風ホース3を通って、その先端部48から袋体4の内部に供給され、ふとんF1,F2を温風により乾燥させることができる。
【0062】
例えば、ベッドBが介護ベッドや下部に収納用引出しを備えたような特殊なベッドでは、通常のベッドに比べて脚が高い(長い)等の理由で、その分だけふとんF1,F2の位置も床面Dから高い位置に敷かれる。しかしながら、この実施形態における乾燥機1では、乾燥機本体2の一端側部の上側から他端側部の上側に亘る巻掛部6を備えており、しかも巻掛部6は、乾燥機本体2から上方へ突出するアーチ状に湾曲して形成されている。このため、送風ホース3を乾燥機本体2に直線状に保持する場合に比べて長手方向に長い送風ホース3を保持することができ、送風ホース3も、このような長手方向に長い巻掛部6に沿うよう巻掛けられるものを用いることができる。
【0063】
また、送風機31の送風口32は、乾燥機本体2の他端側部において上方に開口するよう設けられている。したがって、送風口32を乾燥機本体2の側方に開口するよう配置した場合に比べて、同様の高さの乾燥機本体2であれば、送風口32を上方に開口した分だけ、送風ホース3の先端部48は遠くの位置まで届かせることが可能になる。
【0064】
したがって、高い位置に敷かれたふとんF1,F2であっても、その間に挿入した袋体4まで送風ホース3の先端部48を届かせることが可能であり、乾燥機1を床面Dに置いた状態でも、ふとんF1,F2を乾燥させることができる。
【0065】
さらには、図3,図8,図9に示すように、乾燥機本体2の上部において送風口32の開口は、保持部43Bより高い位置に配置されている。換言すれば、送風機31の送風口32に連通接続された基端部35は、送風ホース3を巻掛部6に保持させた状態において、先端部48に比して上方になるように設けられている。したがって、同じ長さの送風ホース3を備えた乾燥機1において、基端部35と先端部48が同じ位置(高さ)、または基端部35が先端部48より下方になるように設けられた場合に比べて、基端部35を上方に配置した分だけ、送風ホース3の先端部48を、より上方の遠方まで届かせることが可能になる。
【0066】
なお、単に送風ホース3を巻掛部6から離脱させただけでは、先端部48が袋体4に届かない状況も考えられる。しかしながら、送風ホース3は、長手方向に伸縮自在であって、縮めた状態で巻掛部6に装着してあるから、送風ホース3はさらに伸長させることができる。このため、乾燥機本体2から大きく離れた位置にあるふとんF1,F2であっても乾燥させることができる。そして、ふとんF1,F2を乾燥させる際に、ダイヤル14を回転させてタイマー設定することで、乾燥時間を所望の時間に設定することができる。
【0067】
乾燥が終了すると、別のふとんF1,F2を乾燥させる場合と、送風ホース3の先端部48を袋体4から取り外し、袋体4をふとんF1,F2の間から取り出して畳む場合とが考えられる。何れの場合でも、送風ホース3の先端部48を袋体4から取り外し、袋体4をふとんF1,F2の間から取り出すことは同様として、別のふとんF1,F2を乾燥させる場合では、例えば、送風ホース3を特に巻掛部6に保持させることなく、乾燥機本体2を把持して移動させるよう用いることができる。この場合、作業者は穴部42に手指を入れて巻掛部6を把持することで、別の場所に乾燥機1(乾燥機本体2)を移動させることができる。すなわち、巻掛部6は把持部として用いることができ、利便性が高い。
【0068】
ふとんF1,F2の間から取り出した袋体4は、収納箱16に収納しておくことで、紛失を回避したり損傷を回避したりすることができる。収納箱16は、右側板22の上縁部が切欠かれて開放されているから、例えばこの開放部から手指を挿入して側方に引き出すことで、収納箱16は収容姿勢Yから突出姿勢Zとなり、袋体4を開放部23から収納箱16へ収納することができる。袋体4を収納した後は、装着空間17へ向けて押圧することで、収納箱16を収容姿勢Yとすることができる。
【0069】
このように、乾燥機本体2の一端側部の下方に、収納箱16と装着空間17から構成された収納部を乾燥機本体2に備えることで、乾燥機本体2の高さ分全体に袋体4が収納できる空間を、乾燥機本体2そのものの横方向幅や前後方向幅を大きくして大型化する必要なく形成することができる。また、乾燥機本体2の一側方に凹部を形成し、その凹部にホースを保持する構成と比較して、ホースを保持する本体一側方の凹部に相当する空間分だけ袋体4の収納部を大きく形成できる。このため、袋体4を畳むことなく、ラフに押し込むなどして容易に収納することができる。
【0070】
また、収納箱16を側方に切替自在(出し入れ自在)に構成することで、送風ホース3を巻掛部6に巻き掛けて先端部48が保持された状態であるか否かに関わらず、袋体4の収納を極めて容易に行うことができる。さらには、収納部を底板18と、四方の側板19,20,21,22とを備えかつ上方部を開口する開放部23を形成した箱状に構成することで、手で側方に引き出す際に、袋体4が収納箱16と一緒に引き出されるため、袋体4の取り出しを容易に行うことができる。
【0071】
そして、送風ホース3は、巻掛部6に装着することで保持(収納)する。この場合、送風ホース3を伸長させて用いていたのであれば縮めた状態とし、その長手方向途中部分3Aを巻掛部6の保持部43Aに巻き掛け、先端部48を保持部43Bに装着する。このとき、先端部48の大径部48aを、押え板部49,50の弾性に抗して押し込むようにすると、大径部48aの外周部が係止爪51,52を乗り越えて先端部48を係止するから、先端部48を保持部43Bに確実に保持することができる。このようにすることで、仮に送風ホース3の長手方向途中部分3Aが保持部43Aに対しては、単に巻き掛けられているだけであっても、送風ホース3全体を巻掛部6に確実に保持することができる。
【0072】
なお、保持部43Bと収納箱16の開放部23は連通しているため、袋体4を収納箱16へ収納する際、送風ホース3を袋体4から取り外すのが面倒であれば、袋体4と送風ホース3を接続したままで、袋体4を収納することができる。このとき、保持部43A、保持部43B、収納箱16が、乾燥機本体2の上側でその他端部から一端部にかけて、送風口32から順に延長上に配置されている。このため、送風ホース3を巻掛部6に巻き掛けるようにするだけで、袋体4と送風ホース3を接続したまま、袋体4を畳むまたは押し込むなどして、収納箱16へ容易に収納することができる。
【0073】
ここで、仮に袋体4と送風ホース3を接続したままで、袋体4を収納箱16に収納して、誤ってダイヤル14が回転されたことを想定した場合、収納箱16は、右側板22の上縁部が切欠かれて開放されているから、この開放部分から送風機31からの送気が外部へ逃げる。このようにして、袋体4が収納箱16の容量を超えて膨張することがないよう、安全性を確保している。また、右側板22の上縁部が切欠かれて開放されているから、安全性を確保しつつ、送風ホース3の先端部48を収納箱16に当接または近接配置でき、その分だけ送風ホース3を長くできる。
【0074】
送風ホース3を巻掛部6に保持させ、袋体4を収納箱16に収納した後は、作業者は穴部42に手指を入れて巻掛部6を把持することで巻掛部6を把手として用い、別の場所に乾燥機1(乾燥機本体2)を移動させることができる。
【0075】
上記のように、この乾燥機1はアーチ状の巻掛部6を備え、巻掛部6の長さに応じた長さの送風ホース3を備えるから、高い位置にあるふとんF1,F2や、離れた位置にあるふとんF1,F2を乾燥することができる。そして、使用後は乾燥機本体2の何れかの部分を開放して送風ホース3を収納するような手間をかけずに、巻掛部6に送風ホース3を沿わせるようにすることで、簡単に送風ホース3を保持することができるから、使い勝手が良好である。
【0076】
なお、単に長尺の送風ホース3を備えることでも、高い位置にあるふとんF1,F2を乾燥させることは可能である。しかしながら、このような送風ホース3を用い、これを乾燥機本体2に収納するように構成した場合では、乾燥機1全体を大型化させなければならなくなる。そこでこの乾燥機1では、送風ホース3を乾燥機本体2内に収容せず、乾燥機本体2外へ突出させた巻掛部6に保持することで、送風ホース3の収容の代わりを行うことができる。したがって、乾燥機1全体としてとらえると、その分だけ上方に高くなる。しかしながら、乾燥機本体2そのものの横方向幅や前後方向幅を大きくして大型化する必要はない。そして、上方に高くなれば送風ホース3も高い位置で用いることができる。
【0077】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、上記実施形態では、巻掛部6(保持部43A)は乾燥機本体2の一端側から他端側に亘るアーチ状に形成した。しかしながら、巻掛部6は、送風ホース3の長手方向途中部分を乾燥機本体から上側に離れる位置で保持するよう構成されていれば、例えば、送風ホース3の長手方向途中部分の一部のみを保持(例えば載置)するものであってもよい。
【0078】
また、巻掛部(保持部)6はアーチ状に形成したが、これに限定されない。例えば、巻掛部を乾燥機本体の上側に、正面視して門形に形成し、断面は溝状に形成して、送風ホースを巻掛部の長手方向に亘って巻掛けて保持すること可能である。また、巻掛部は乾燥機本体に対して上方に突出する形態で設けたがこれに限定されない。例えば、乾燥機本体の前方や後方に突出するよう設けることも可能である。この場合でも、収納部は送風ホースを巻掛部に装着した際には、送風ホースの先端部の下側位置に乾燥用袋体の収納部を設けるように構成する。また、巻掛部は、送風ホースを装着した際に先端部が乾燥機本体内に入るよう、送風ホースの長手方向途中部分を折り曲げて装着(保持)する構成であってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、巻掛部6に装着溝45Aを形成し、装着溝45Aと収納部とが互いに連通している例について述べた。しかしながらこれに限定されず、送風ホース3を巻掛部に巻き掛けた際に、送風ホース3の先端部48と収納部とが互いに連通する構成であればよい。具体的には、送風ホース3に装着溝45Aが形成されていない巻掛部の構成、例えば上記したように、送風ホース3の長手方向途中部分の一部のみを保持(載置)するような巻掛部であれば、送風ホース3の先端部48が乾燥機本体2の一端側部の上側に位置するよう送風ホース3の長手方向途中部分を巻掛部に保持した際に、送風ホース3の先端部48が収納部に連通するようにさせる。
【0080】
このように、送風ホース3を巻掛部に巻き掛けた状態で、先端部48が収納部の直上にあって、送風ホース3の先端部48が収納部と連通する構成としていることにより、先端部48と収納部(例えば収納箱16の開放部23)との間に両者を遮る物がないから、袋体4を送風ホース3の先端部48に接続したままで、袋体4を収納部に収納することが可能となる。
【0081】
上記実施形態では、送風ホース3をその外周面が積層底壁45に当接するように装着溝45Aに装着した状態において、保持部43Aの外径端部は、その長手方向全域が、送風ホース3の径方向中心よりも径方向外方で、しかも送風ホース3の径方向外側端よりも内方に位置するよう、装着溝45Aの深さと送風ホース3の直径とが関係付けた。しかしながら、保持部43Aの外径端部の長手方向全域でなく、長手方向の一部のみを送風ホース3の径方向中心よりも径方向外方で、しかも送風ホース3の径方向外側端よりも内方に位置するようにしてもよい。また、保持部43Aの外径端部の長手方向全域を、送風ホース3の径方向中心よりも径方向外方で、しかも送風ホース3の径方向外側端よりも内方に位置するようにしたうえで、さらに保持部43Aの外径端部の長手方向一部(例えば、送風ホース3の基端部35側に相当する部分)の高さを低く形成することも好ましい。
【0082】
このようにして、装着溝45Aから外した送風ホース3の向きや動きを保持部43Aにおいて他の部分よりも低くした部分に送風ホース3の長手方向途中部分3Aを載せる(跨がせる)ようにすると、送風ホース3の姿勢を保持させ易い。
【0083】
さらに、袋体4の収納部は、収納箱16と装着空間17から構成される例で説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば収納箱16を設けずに、単に上方が開口した凹所(装着空間17)とし、該凹所を覆うカバー(右側板22に相当する部分)を設ける構成や、収納箱16を装着空間17に着脱自在とした構成などを適宜採用することが可能である。
【0084】
収納箱16は、これを側方へ回動させる例について述べた。しかしながら、例えば、収納箱16は、容器状に形成した蓋体(側板21部分を開口した収納箱16)を側方へ回動させる構成や、蓋体(右側板22)を側方へ回動させる構成でもよい。切替手段として、収納箱16を回動させる例について述べたが、これに限定されず、例えば、単に引き出しのように、収納箱16を側方に引き出す構成でもよい。
【0085】
また、収納箱16は、底板18と、四方の側板19,20,21,22とから上方部を開放部23とした例について述べた。しかしながら、上方を開口したものに限らず、少なくとも一部が開口した収納箱16としても良い。例えば、上板、底板18、四方の側板19,20,21,22を有し、収納箱16の四方の何れかの側板の一部を開口させ、その開口から袋体4を挿入、取り出しする構成などを適宜採用することが可能である。
【0086】
くわえて、上記実施形態では乾燥機をふとん乾燥機として用いた例で説明した。しかしながら、本発明の乾燥機は、ふとん乾燥機以外の乾燥機、あるいはふとん乾燥機を兼用した他の乾燥機としても使用可能である。すなわち、送風ホースの先端部(送風口)から吐出する温風、乾燥風を用いて濡れた靴の乾燥や、衣類の乾燥をすることもできる。特に、衣類の乾燥では、屋内に設置する物干し全体を覆うことが可能な袋体を準備し、これに送風ホースの先端部を連通接続して乾燥機を運転することで、衣類を乾燥させることができる。
【符号の説明】
【0087】
1…乾燥機、2…乾燥機本体、3…送風ホース、3A…長手方向途中部分、4…袋体、6…巻掛部、10…本体前壁、11…本体後壁、12…奥壁、13,22…本体横壁、16…収納箱、17…装着空間、17a,17b…前後壁、17c…底壁、18…底板、19,20,21,22…側板、23…開放部、31…送風機、32…送風口、35…基端部、40…巻掛前壁、41…巻掛後壁、42…穴部、43A…保持部、43B…保持部、44…巻掛底壁、45…積層底壁、45A…装着溝、46,47…押え壁、48…先端部、48a…大径部、49,50…押え板部、51,52…係止爪、B…ベッド、D…床面、Y…収容姿勢、Z…突出姿勢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状の本体部に内装された送風機の送風口に基端部が連通接続される送風ホースの長手方向途中部分を、前記本体部に対して外側に離れた位置で曲げるよう長手方向に巻き掛ける巻掛部を備え、前記送風ホースが巻掛部に保持された状態で該送風ホースはその先端部が前記本体部の一端側部の上側に位置するよう構成されており、前記本体部において、巻掛部に保持された状態の前記送風ホースの先端部の下側位置に、乾燥用袋体の収納部が設けられていることを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
送風ホースの基端部は本体部の他端側部において送風機の送風口に連通接続され、巻掛部は本体部に対して上方に離れた位置で送風ホースの長手方向途中部分を巻き掛けるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の乾燥機。
【請求項3】
巻掛部は、本体部の上側にその幅方向一端部から他端部の全域に亘るよう設けられるとともに送風ホースを長手方向全域で装着する装着溝を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の乾燥機。
【請求項4】
送風ホースは、巻掛部に保持された状態において、基端部が先端部に比して上方になるように、該先端部が巻掛部の端部に保持されることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の乾燥機。
【請求項5】
収納部は少なくとも一部を開放した箱体から形成され、該収納部は本体部の一端側部に、本体部内方へ向けてくぼむように形成した装着空間に出し入れ自在に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の乾燥機。
【請求項6】
箱体は、底面および該底面から立設する四側面を備えて、上面が開口とされていることを特徴とする請求項5記載の乾燥機。
【請求項7】
送風ホースが巻掛部に保持された状態において、送風ホースの先端部と収納部とが互いに連通するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−176090(P2012−176090A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40173(P2011−40173)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)