説明

乾燥粉砕された造粒顆粒および方法

本発明は、所望の平均粒径および粒径分布を有する、乾燥された湿った造粒顆粒を製造する方法ならびにその造粒顆粒から作製される投薬形態に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が引用により本明細書の一部をなす、2005年8月30日出願の米国仮特許出願第60/712,580号の出願日と2006年8月21日出願の米国特許出願第11/507,240号の出願日の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
従来より公知の味マスキングの一方法は、表面積を減少させることを伴う。これは、多数の方法で達成することができ、そのうちの一つは全体的な粒径を増大させることを伴う。表面積を増大させるための多数の技術が公知であり、それらのうちの1つが糖球体またはビーズの表面への活性医薬品成分(「API」)のコーティングである。しかし、全ての材料がこのようにコーティングすることはできず、一部の例では、適当な特性を提供できない場合があり得る。
【0003】
使用することのできる別の技術が造粒である。造粒は、一般に湿式または乾式技術を包含し、そのうち最も古く、おそらく最も一般的なものが湿式造粒である。湿式造粒では、様々な材料が結合剤および/または造粒液と一緒に混合され、その一方または両方は、より小さな粒子を一緒に接着して凝集体または顆粒を形成する役割を果たす。顆粒は乾燥され、錠剤、カプセル剤またはその他の投薬形態を形成するために使用できる。
【0004】
ある程度まで、粒径の増大度および得られる湿った造粒顆粒の粒径分布は、用いる装置の種類およびその設定(例えば、羽根車速度およびチョッパー速度など)、用いる材料の量、湿った成分および乾燥成分の相対部分ならびにそれらの特徴、材料が造粒機に入れられる時間などによって決まる。当然、前述のものによって、得られる湿った造粒顆粒が同じまたはなお一層小さな平均粒径を有することも可能である。しかし、一般に、湿式造粒は、粒径を増大させること、ならびに、味マスキングとの関連で、表面積を減少させることを意図する技術である。
【0005】
湿式造粒は、バッチごとに正確に制御することが困難であり得、湿式造粒によって所望の平均粒径(一般に約500μm未満)および適した粒径分布を得ることは困難であり得る。
【0006】
造粒顆粒の粒径の調節は多数の技術によって得ることができ、それには、限定されるものではないが、集合的に「粉砕」として公知のものが含まれる。粉砕は平均粒径を減少させることができる。しかし、これは表面積を増大させ、従って技術(造粒および粉砕)は多くの場合バランスをとる必要がある。さらに、粉砕は粒径分布を増大または拡大する傾向があり、特にそれは得られる粉砕造粒顆粒中の小さな粒子または「微粉」の数を増加させ得る。これらの「微粉」(その粒径および/または全体的な形状が105μmの篩(140メッシュ)を通過できなくする程度に十分に大きくない粒子)は、例えば、味マスキングコーティングの適用に関して、有害な効果を有し得る。微粉は大部分のコーティング装置において、より大きな粒子とは極めて異なった挙動をし、両方を適応させることは困難であり得る。さらに、微粉は、流れ、圧縮性および味にマイナスの影響を及ぼし得る。
【0007】
粉砕しながら比較的小さな平均粒径および狭い粒径分布を得ようと試みるには、一般に小さな篩(目開きの比較的小さな篩)の使用を必要とし、そのような篩は、たとえ真空を利用しても、造粒顆粒が湿っている場合には詰まる可能性がある。大きな篩および、例えば、真空を使用すると、処理量を向上させることができる。しかし、所望の粒径分布とともにより低い平均粒径を得ることは困難となり得る。
【0008】
従って、どのようにして狭い粒径分布で比較的小さな平均粒径および相対的に低下した微粉の含有量を得るかという難問は、湿っても乾燥してもいない粉砕の場合に解決できると思われる。本発明は、記載されている不利な点の少なくとも一部を解決するものである。
【発明の開示】
【0009】
一態様では、本発明は、初期水分含量を有し、多くの場合少なくとも1種類の活性医薬品成分(「API」)を含む湿った造粒顆粒(「WG」)を、所定の第1の相対水分含量まで乾燥させてある程度乾燥された(partially dried)湿った造粒顆粒(「PDWG」)を形成する段階;ある程度乾燥された湿った造粒顆粒を粉砕して、所定の平均粒径および/または粒径分布を有する、粉砕されたある程度乾燥された湿った造粒顆粒(本明細書において「粉砕された湿った造粒顆粒」、「粉砕された造粒顆粒」または「MWG」とも称される)を得る段階;ならびに粉砕されたある程度乾燥された湿った造粒顆粒を乾燥させて、最終乾燥された湿った造粒顆粒(「FDWG」)を製造する段階を含む、所望の粒径分布を有する湿った造粒顆粒を製造する方法を含む。
【0010】
一実施形態では、所定の第1の相対水分含量は、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない。
【0011】
もう1つの実施形態では、最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径は約150〜約600μmの間であり、粒子の約40重量%以下が、篩にかけることによって得た105μm/重量未満の粒径を有する。
【0012】
さらに別の実施形態では、所定の第1の相対水分含量は、初期水分含量よりも約30%少なく、平均粒径の範囲は約200〜約600μmの間である。
【0013】
もう1つの実施形態では、湿った造粒顆粒は、少なくとも1種類の賦形剤をさらに含み、それは、限定されないが、結合剤、崩壊剤、充填材(filler)、発泡対(effervescent couple)、放出制御材料または味マスキング材料であってよい。
【0014】
なお別の実施形態では、該方法は、最終乾燥された湿った造粒顆粒をコーティングすることをさらに含む。
【0015】
一実施形態では、コーティングは味マスキングコーティングである。
【0016】
コーティングされていようとなかろうと、組み合わせた処理段階のいずれかに従って製造された最終乾燥された湿った造粒顆粒も企図される。
【0017】
特に、本発明の一態様は、少なくとも1種類の医薬活性成分(「API」)造粒顆粒および少なくとも1種類の賦形剤を含む乾燥された湿った造粒顆粒であり、該乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径は約150〜約600μmの間であり、約40重量%以下の粒子が105μm未満の粒径を有する。本発明の別の態様は、少なくとも1種類の医薬活性成分造粒顆粒と少なくとも1種類の賦形剤を含み、該乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径は約150〜約600μmの間であり、約35重量%以下の粒子が105μm未満の粒径を有する、乾燥された湿った造粒顆粒である。さらにもう1つの態様では、本発明は、少なくとも1種類の医薬活性成分造粒顆粒と少なくとも1種類の賦形剤を含み、該乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径は約200〜約600μmの間であり、約30重量%以下の粒子が105μm未満の粒径を有する、乾燥された湿った造粒顆粒である。
【0018】
乾燥された湿った造粒顆粒は、さらに少なくとも1種類のコーティングを含んでよく、それは味マスキングコーティング、水分バリアコーティングまたは制御放出コーティングであってよい。
【0019】
一実施形態では、本発明に従って用いられるミルは、「スクリーンミル」である。もう1つの実施形態では、本発明のプロセスには、最終乾燥された湿った造粒顆粒を得る前にある程度乾燥された湿った造粒顆粒を球状化する(spherinizing)段階が含まれる。
【0020】
さらに別の実施形態では、造粒顆粒は、APIを含まないように製造される。これらの造粒顆粒は、投薬形態の製造に用いることができ、方法と、得られる非API含有造粒顆粒の双方が企図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書は、本発明を特に示し、明確に主張する特許請求の範囲をもって締め括られるが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。本明細書において用いられる全ての百分率および比率は、別に指定されなければ、総組成物の重量によるものであり、全ての測定値は25℃および常圧である。全ての温度は、特に指定されなければ摂氏温度である。本発明は、本発明の成分ならびに本明細書に記載されるその他の成分または要素を含み得る(オープンエンド)か、または本質的にそれらからなる。本明細書において、「含む(comprising)」とは、列挙される要素、またはそれらの構造または機能上の同等物に加えて列挙されていない任意のその他の要素を意味する。用語「有する(having)」および「含む(including)」もまた、前後関係から別のものが示唆される場合を除いてオープンエンドと解釈され得る。本明細書において、「本質的に〜からなる」とは、本発明には特許請求の範囲に列挙される成分に加えて成分を含んでよいが、ただしそれは該付加的成分が主張される本発明の基本的かつ新規な特徴を物質的に改変しない場合に限られることを意味する。そのような添加剤はまったく存在しないか、ごく微量存在することが好ましい。しかし、化合物の有用性が(有用性の程度とは対照的に)維持される限り、本発明の基本的かつ新規な特徴を物質的に改変し得る材料を約10重量%まで含むことも可能であり得る。本明細書において列挙される全ての範囲にはエンドポイントが含まれ、2つの値の「間の」範囲を列挙するものなどが含まれる。「約」、「一般に」、「実質的に」などの用語は、用語または値を、絶対ではないが、先行技術に読まれないように変更するものと解釈されるべきである。そのような用語は、それらの用語が当業者に理解されるようにそれらを変更する環境および用語により定義される。これには、極めて少なくとも、値を測定するために用いられる所与の技術に関して予測される実験誤差、技術的誤差および機器誤差の程度が含まれる。
【0022】
本発明のプロセスは、湿った造粒顆粒に作用することにより始まる。本発明に従う湿った造粒顆粒とは、結合剤および/または水、溶媒、または双方の混合物であってよい造粒液を用いて造粒された材料を意味する。さらに、プロセスが水分または水に関してしばしば本明細書に記載される(「水分含量」に関してなど)間、このような言及が、状況が許す限り溶媒および液体と置き換え可能であることは理解される。
【0023】
多くの周知の造粒装置があり、造粒技術およびそのいずれかまたは全てが用いられ得る。実際、湿った造粒顆粒という用語はまた、その後湿らされる、乾いた顆粒状材料を包含する。湿式造粒は、多数の処理パラメータを含み、それには、羽根車速度、チョッパー速度、湿った造粒顆粒が処理されることを許される時間(トルク、負荷、または時間で測定される)、水、アルコールまたはその他の溶媒もしくは共溶媒混合物などの造粒液の種類、供給源、量、および用いるAPIの性質および量、ならびに、造粒液のほかに、湿った造粒顆粒とそれらの相対百分率の一部を形成し得る、任意のその他の液体もしくは固体成分に対するその溶解度が含まれる。そのようなその他の材料としては、限定されないが、その他のAPI、充填材、結合剤および崩壊剤ならびに結合剤としても崩壊剤としても作用することができる特定の種類の微晶質セルロースなどの材料が挙げられる。完成した投薬形態の性質および種類も、成分および造粒パラメータの選択に役割を果たし得る。用いられ得る造粒液としては、容量25%以下の水を含有する有機溶媒として定義される非水性造粒液、または25%を超える水と75%未満の1種類以上の適した有機溶媒を含む、造粒液として定義される水性造粒液が含まれ得る。
【0024】
造粒顆粒はまた、結合剤、希釈液、崩壊剤、滑沢剤、充填材、および担体を含んでよい。賦形剤は吸湿性であっても非吸湿性であってもよい。これらの同じ材料は多くの場合、本明細書に記載される造粒顆粒とブレンドされた場合に投薬形態を製造する際に賦形剤として用いられ得る。結合剤としては、限定されるものではないが、デンプン(コーンスターチおよびα化デンプンを含む)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成ゴム(例えば、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系高分子(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)が挙げられる。
【0025】
希釈液または充填材としては、限定されるものではないが、噴霧乾燥した一水和物または無水ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、糖アルコール、ソルビトール、デンプン、セルロース(例えば、微晶質セルロース)、二水和物または無水物の二塩基リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。
【0026】
崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ゴムまたは架橋高分子が挙げられる。架橋ポリビニルピリリドン(pyrillidone)(PVP−XL)、グリコール酸ナトリウムデンプンおよびクロスカルメロースナトリウム、ならびに発泡剤。発泡剤としては、限定されるものではないが、ヒトが消費しても安全であるもので、一般に、食品酸、無水酸および酸性塩を含み得る酸放出源または酸が挙げられる。食品酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、およびコハク酸などが挙げられる。無水酸および上記の酸の酸も用いてよい。酸性塩としては、ナトリウム、リン酸二水素、二水素ピロリン酸二ナトリウム、酸性クエン酸塩および亜硫酸水素ナトリウムが挙げられる。炭酸源としては、乾燥固体炭酸および重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび炭酸カリウム、炭酸マグネシウムおよびセスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、L−リジン炭酸塩、炭酸アルギニンならびに無定形炭酸カルシウムが挙げられる。
【0027】
所望であれば、造粒は少量の無毒の物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、着色剤、滑沢剤を含有してもよい。
【0028】
しかし、本目的のため、恐らく湿った造粒顆粒に対して懸念対象の最も早急に重要なパラメータは、その初期水分含量である。「初期水分含量」(非水系溶媒の場合には「初期溶媒含量」、水性溶媒と混合されると「初期液体含量」が用いられ、それらは全て本明細書において同義語として用いられる)とは、造粒直後の造粒顆粒の水分含量を指す。この数は、例えば粉砕する直前に測定することができるか、または例えば湿った材料と乾燥した材料の相対比に基づいて計算することができる。しかし、本発明の目的において、初期水分含量は、湿った造粒顆粒を作製するために乾燥成分の割合に対して添加した造粒液の量の理論的計算に基づいて予測される。
【0029】
初期水分含量は、造粒顆粒の種類、添加する液体材料の程度などに大きく依存して変動し得る。実際に、得られる湿った造粒顆粒は、分離した粒子/顆粒を含まないペースト状でさえあり得る。本発明に従う水分含量の減少は、初期水分含量を前提とし、絶対水分含量を前提としないことは理解される。従って、減少は常に造粒顆粒自体の実際の水分量よりはむしろ初期水分量の百分率として測定される。しかし、造粒段階に存在する湿った造粒顆粒の水分含量が低すぎると、本質的に、それは既に考察した付随する問題を有する乾燥造粒顆粒として働くことは理解される。
【0030】
本発明の一態様によれば、湿った造粒顆粒はある程度乾燥している。具体的には、湿った造粒顆粒をある程度乾燥させた湿った造粒顆粒または「PDWG」を製造するために所定の第1の相対水分含量まで乾燥させる。
【0031】
「所定の第1の相対水分含量」は、少なくとも1回の第1の乾燥段階後の湿った造粒顆粒の水分含量であり、それは所望の目的水分含量または範囲となるよう事前に計算されたレベルである。既に記したように、この水分含量は、造粒顆粒の全体的な水分含量の関数としてではなく、初期総水分の減少として測定される。これは、重量減少、乾燥減量法、カールフィッシャー法またはその他の公知技術に基づいて計算することができる。Mettler Toledo HR−73水分分析計を製造業者により提供されるデフォルトプログラムを用いて、水分含量測定に用いた。しかし、その他の装置および技術を用いてもよい。
【0032】
本発明に従う所定の第1の相対水分含量は、なお湿っている、例えば、完全に乾燥していない材料を提供する。さらに、それは加工性の点で望ましい材料を提供することができる。具体的には、ある程度乾燥された湿った造粒顆粒を後で粉砕する場合、乾燥材料のように詰まることなく所望の平均粒径および粒径分布を得るために必要な比較的小さな篩を通り抜けるのに十分乾燥していて、さらに過剰な微粉、望ましくない粒径分布を生じないか、または本質的に未乾燥の湿った造粒顆粒がするように篩を詰まらせて粉砕を阻むことがない。
【0033】
一実施形態では、所定の第1の相対水分含量は、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない。つまり、PDWGの水分含量は湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない。
【0034】
一実施形態では、所定の第1の相対水分含量は、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも約30%〜約85%少ない。もう1つの実施形態では、PDWGは、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも約40%〜約80%少ない所定の第1の相対水分含量を有する。なお別の実施形態では、PDWGは、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも約50%〜約80%少ない所定の第1の相対水分含量を有する。さらに別では、PDWGは、湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも約60%〜約75%少ない所定の第1の相対水分含量を有する。
【0035】
その所定の第1の相対水分含量を有するある程度乾燥された湿った造粒顆粒は、直ちに使用しても、またはその後の処理段階に先立って保存してもよい。一般に、それはさらなる重大な水分の損失を阻止する方法で保存される。
【0036】
ある程度乾燥された湿った造粒顆粒をもたらすこの第1の乾燥段階は、任意の乾燥技術を用いて行うことができる。これらの技術としては、限定されないが、強制換気、周囲空気中での材料の乾燥、トレイまたはラック上のオーブン中での材料の乾燥、対流オーブン、強制換気オーブン、タンブル乾燥、赤外線またはマイクロ波乾燥機、ジャケット付き造粒機での乾燥、真空を用いるかまたは流動床での乾燥が挙げられる。この点で「所定の」とは、具体的な確定された目的を意味し得ることに注意されたい。また、それは、特に研究の設定において、本明細書において考察されるように実質的に完全な乾燥に達していない不特定量であり得る。また、所定の第1の相対水分含量に達するように多数の乾燥段階および/または装置を使用することも可能である。限定されない一例では、特定の乾燥装置を用いて目的の近似である減少した水分含量を得、さらに外気中でまたは他の何らかの装置もしくは技術によって問題の材料を乾燥させて、所望の所定の第1の相対水分含量を得ることができる。
【0037】
第1の部分的乾燥段階(上記のように多数の段階であってよい)の後、所定の第1の相対水分含量を有するPDWGの少なくとも一部を粉砕する。少なくとも一部によって、PDWGの全てを粉砕する必要がない(バランスは脇へ置いておき、最終的に粉砕されたPDWGと再び組み合わせる場合が多い)ことが理解される。例えば、一実施形態では、湿った造粒顆粒にフェキソフェナジンが含まれる場合、PDWGを最初に30メッシュ(590μm)および40メッシュ(420μm)の篩で篩にかける。40メッシュ篩を通過した粒子を取り除き、脇へ置く。40メッシュ篩に残った粒子と、この場合、30メッシュ篩に残った粒子を、本明細書に開示されるように粉砕する。これらの2種類の画分と、実際にはその他のもの全てを一緒にまたは別々に粉砕し、乾燥することができる。粉砕後、それらは、40メッシュ篩を通過した造粒顆粒と再び組み合わされ、第2の乾燥段階が開始される。
【0038】
また、これらの2つの部分を別々に乾燥させ、再び組み合わせるか、または完全に別々に用いることもできる。後者の場合にだけ、粉砕された材料の平均粒径およびその画分の粒径分布が、本発明の目的のために考慮される。2つの画分を再び組み合わせる場合、再び組み合わされた、粉砕および未粉砕材料の平均粒径および分布が考慮される。
【0039】
この活性物質を含む多数バッチでは、コーティングの前の平均粒径は、以下の篩、30、40、50、60、80、100、120メッシュおよびパンを用いて、重量による測定に基づき、篩にかけて測定して約196〜約279μmの範囲であった。これらの例では、約35重量%以下が105μmの篩を通過する。
【0040】
本発明に従うプロセスはまた、顆粒を含有するデスロラタジンを含有する錠剤の製造に関連して用いられている。この活性物質で製造された造粒顆粒は、既に記載されるように分割されなかった。代わりに、実質的に全部の造粒顆粒を一緒に粉砕し、その後乾燥した。平均(average)または平均(mean)粒径は、以下の篩、35、40、45、50、60、70、80、100、120メッシュ篩およびパンを用いることにより測定して約220〜約250μmの範囲であった。いずれの特定の活性物質に関しても平均粒径および/または粒径分布の測定に関連して用いられるこの数またはこれらの正確な篩は絶対必要ではない。前述のものは単なる提案である。十分に正確な平均(average)または平均(mean)の数をもたらすのであればどのような篩の数および種類を用いてもよい。その他の自動化技術も用いることができる。
【0041】
これは、例えば、比較的柔らかい造粒顆粒を製造する場合に使用するのに特に有用な技術である。上の例では、30および40メッシュ篩に残った湿った造粒顆粒を完全に乾燥させ、粉砕すると、微粉の数は著しく増大する。たとえこの材料を、30および40メッシュ篩の双方を通過する粒子に添加しても、得られる平均粒径は影響を受け、微粉の数が40、またさらには50重量%を超え得る。さらに、より小さな粒子を粉砕すると、たとえそれがある程度乾燥した造粒顆粒にしか行われないとしても、粒径および分布に逆の効果を与える可能性もある。微粉の数を減らすことおよび平均粒径を変えることは、材料の篩い落としを取り除くことで可能である。しかしそれは収率に深刻な影響を与え得る。一実施形態では、本発明の使用により造粒顆粒の一部を廃棄する必要性が制限され、さらにより好ましくは、約10%以下が意図的に廃棄される(但し、通常の処理結果に起因するさらなる損失はあり得る)。
【0042】
第1の部分的な乾燥段階(上記のように、多段階であり得る)の後、所定の第1の相対水分含量を有するPDWGの少なくとも一部分、および好ましくは、実質的に全てを粉砕する。既に記したように、粉砕されるPDWGのその一部分に関して、粉砕は、粒径を小さくし、所望の粒径分布および平均粒径を得る助けをする。しかし、このプロセスは一般に乾燥材料、特に比較的小さな平均粒径を得ることが望まれる場合に限られている。
【0043】
用いることのできるミルとしては、限定されないが、インパクトミル、例えばHammer Air Sweptミル(Alpine,Bepex,Sturtevant);Hammer Conventionalミル(Alpine,Fitzpatrick,Fluid Air,Mikro,Rietz,Stokes−Merrill);Pin/Discミル(Alpine,Kemutec,Sturtevant);およびCageミル(Stedman);カッティングミル(Alpine,Fitzpatrick,Urschel);および選別ミル、例えばRotating Impellerミル(Bepex,Fitzpatrick,Fluid Air,Jetpharma,Kemutec,Quadro)、Stokes−MerrillおよびZanchettaミル;Rotating Screenミル(Glatt);ならびにOscillating Barミル(Bepex,Frewitt,Jackson−Crockatt,Stokes−Merrill,Vector)が挙げられる。任意のその他の種類の粉砕ミルおよび技術はまた、所望の粒径、粒径分布および微粉含量を得るために用いることができる。しかし、本明細書に記載されるものを含む多くの理由で、フィッツミルまたは篩を用いるその他の装置が好ましい。
【0044】
本発明に従うある程度乾燥された湿った造粒顆粒を粉砕する場合、考慮しなければならないいくつかの変数がある。これらには、材料の体積および処理量(真空を用いても用いなくても)、ミルの構造、用いる篩のサイズ(適切な場合)、用いられるバーまたはナイフの数およびそれらの配置ならびにミルの速度および羽根車と篩との間のクリアランスが挙げられる。粉砕に用いられるパラメータの多くは、用いるミルの種類および粉砕される材料の種類によって変動する。しかし、一般に、用いる条件の種類の例として、フィッツミルなどの羽根車に基づくミルは、少なくとも約1,000RPM、より好ましくは、1,000〜5,000RPM、最も好ましくは、2,500〜3,000RPMの羽根車速度を用いる。用いられる篩は、本発明の粒径および粒度分布が実現されるならば、約20メッシュ(840μm)〜約140メッシュ(105μm)の範囲であってよい。また特に重要であるのが、望ましい平均粒径および粒径分布であり、それは多くの場所でプロセスに沿って測定することができるが、一般に最終乾燥段階の完了後に測定される。所望の粒径分布および平均粒径を有する本発明の造粒顆粒を提供することのできる粉砕装置、速度および構造の任意の組合せが企図される。平均粒径に関して望ましいとは、平均粒径が一般に約150〜600μm、より好ましくは、175〜600μmおよび最も好ましくは、約200〜約600μmの間の範囲であることを意味する。大部分の造粒技術が、余計な微粉および不都合な粒径分布を生じることなく、この範囲の大部分の中の平均粒径を提供することができないことを十分に分かっているためである。本明細書において余計な微粉は粒径分布の一つの基準であり、一般に、篩にかけて測定して約40%、より好ましくは、35%そしてさらにより好ましくは、30重量%を超える微粒子の数(105μmの篩を通過する微粒子)を指す。
【0045】
本発明に従う有利な粒径および粒径分布を提供することができるならばどのような粉砕装置を用いてもよいが、フィッツミルまたはその他の篩を含む装置の使用が特に有利である。特定の動作理論に縛られることを望むものではないが、フィッツミルで用いられる篩は押出機としての機能を果たすことができると考えられる。ミル中でまだなお湿っている材料は、乾燥したまたは実質的に乾燥した材料よりも一層柔軟であり、材料に強制して篩またはその他の類似構造を通過させる行為が、球状化(spherinization)として公知のプロセスを開始することができると考えられる。球状化は、顆粒状または微粒子状の材料をさらに球形に加工することに対して製薬業界で用いられる用語であり、従ってその有用な特性;特に操作する際および投薬形態に処方する際の特性を促進する。この状況において、篩を用いるミル(集合的に本明細書において「選別ミル」と称される)またはPDWGを押し出すように機能することができるか、または直接下流の篩と組み合わせて用いることのできるその他の装置が好ましい実施形態であり、驚くことにそのような選別ミルを使用すると球状化が促進される。
【0046】
また驚くことに、本発明の使用により、たとえ粉砕された造粒顆粒が湿ったままであっても効果的な粉砕を得ることができる。しかし、初期水分含量が、初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない所定の第1の水分含量まで減少しなければ、粉砕は、篩を通す処理ができない可能性があり、かつ/または余計な微粉を生じ、望ましくない平均粒径および/または粒径分布をもたらし得るという点で不成功となり得ると決定された。
【0047】
粉砕は、外気中、不活性環境中、または真空下で達成され得る。
【0048】
一度粉砕が達成されれば、今度は粉砕されたある程度乾燥された湿った造粒顆粒(粉砕された湿った造粒顆粒、粉砕された造粒顆粒、または「MWG」とも称される)をさらに乾燥させる。実際に、乾燥プロセスは粉砕中に開始することができる。例えば、真空を適用する場合、このプロセスは材料をさらに乾燥させることができ、従ってさらなる乾燥をもたらす。しかし、最終乾燥した造粒顆粒(「FDWG」)を製造するために、粉砕されたある程度乾燥された湿った造粒顆粒を乾燥する段階は、所望の目的最終水分含量を有する最終乾燥された湿った造粒顆粒を製造するために、粉砕された湿った造粒顆粒から十分な水分を引き出すことを目的としている。このことはFDWGが完全に乾燥していなければならないこと、またはその後水を加えることができない、かつ/または加えないことを意味するのではない。製薬業界で用いられる材料は、吸湿性があり、一度乾燥作業が完了すると、保存およびその他の考慮事項に応じて水を引き寄せることができる。従って、最終乾燥された湿った造粒顆粒は完全に乾燥している必要はないが、ただ「実質的に」乾燥している必要がある。本発明に従う実質的に乾燥しているとは、最終乾燥された湿った造粒顆粒の水分含量が、第2の所定かつ所望のレベル、一般に初期水分含量に基づいて約15%以下まで減少していることを意味する。この最終水分レベルは、好ましくは、通常条件下での通常のパッケージングで安定している。
【0049】
この第2の乾燥段階は、第1の乾燥段階に関して既に記載されるような任意の方法で達成することができる。材料は風乾させてよく、通常の乾燥剤を用いて乾燥させるか、オーブンで乾燥させるか、真空乾燥させるかまたは流動床で乾燥させてよい。乾燥は1以上の装置および/または1以上の段階で達成することができる。
【0050】
所定の第1の相対水分含量と、最終水分含量の双方は、既に記載されるように決定され得る。
【0051】
本発明に従う特定の好ましい実施形態では、球状化を促進する粉砕および/または乾燥装置が用いられる。この考え方は、「選別ミル」の使用が望ましいと記載された、粉砕との関連で既に簡単に考察されている。しかし、第2または最終乾燥段階中に球状化がさらに促進され得ることも見出されている。直ちに粉砕されたある程度乾燥された湿った造粒顆粒、特に選別ミルを通した造粒顆粒は、直接、例えば、流動床乾燥装置へ移すことができる。まだなおある程度に湿った材料は流動床に入り、さらなる負荷の作用と床の中で用いられている空気および真空の使用の双方により、流動床全体を循環する。従って、乾燥に最適な時間よりも長いが適切なレベルの乾燥および球状化の双方を達成する時間、流動床中に材料を維持することが必要でありまたは望ましい。この目的のため、その他の技術によって乾燥を継続させてそれらが完全に乾燥する前に、球状化した(spherinized)粒子を流動床から取り出すことが望ましい。球状化は、粉砕直後の材料と本明細書に記載されるようにさらに処理された材料とを比較する顕微鏡分析により、少なくとも主観的に測定することができる。
【0052】
流動床は初期乾燥段階と最終乾燥段階の双方に用いることができるので、双方の乾燥段階に同じ流動床を用いることが、より効率的な処理を可能にさせるため望ましい。
【0053】
球状化は、ある程度乾燥した粉砕された造粒顆粒がミルから最終乾燥装置に移される方法にさらに影響され得ることが見出された。一つの特定の好ましい実施形態では、この移動は、真空チューブの使用によって粉砕中に動的に、かつ、好ましくは継続的に起こる。真空ホース自体の中で、まだなお湿っている粉砕された湿った造粒顆粒がさらに球状化したことが見出された。特定の動作理論に縛られることを望むものではないが、粉砕された湿った造粒顆粒が真空チューブ類に引き寄せられてそれを通過する時に、曲面であるチューブ類の内壁と接触させられ、その曲面に沿って転がることによりさらに球状化が促進されると考えられる。
【0054】
実際、一実施形態では、移送チューブ類は球状化装置として役立ち、および最終乾燥は球状化に関与しない。従って、粉砕後、ある程度乾燥された湿った造粒顆粒をホース、好ましくは、ある程度乾燥された湿った造粒顆粒を球状化する(spherinize)ために十分に長さおよび内径を等しくした真空ホースに移すことができる。一度球状化しある程度乾燥された湿った造粒顆粒が移送ホースを出ると、それはオーブン内での静的な最終乾燥段階のためのトレイに流れ込み得る。この後者の乾燥段階は球状化を改善しない。
【0055】
この種の移送に用いられる真空チューブ類は球状化を促進する傾向があり、内径が約1〜約6インチの範囲であり、長さが約4〜約100フィートの間であることが好ましい。適用される真空の程度、チューブおよびその内径の長さが、全て相互に依存し、バッチのサイズ、用いる設備の種類などを含む、その他の因子に依存することは理解される。より少ない真空、より短いチューブ内径および短いチューブ類は、製造規模の設備に比べてパイロット規模のバッチ製造に必要であり得る。さらに、説明したばかりのチューブの長さは100フィート以上長いと示されているが、適切な設備との相互作用を可能にし、球状化の助けとなり、効率的な処理を可能にするために十分に長いのであれば上限は実際には重要ではないことは理解される。用いる真空の程度は設備の種類、バッチサイズ、チューブ類の内径などを含む多数の因子によって有意に変化し得る。特定の一実施形態では、長さ約15フィートの内径6インチのチューブ類からバッチが引かれている、Fluid Air社製造のMagnacoater流動床装置により生成された105馬力のファン負荷を使用することにより生成された真空は、効率的な移送に非常に適し、球状化に関して(from terms of)さらなる利益をもたらした。同じ装置から約80馬力のファン負荷で生成され得るものと同等の真空も有用であり得る。当然、真空は多くの手段により生成することができ、これは単に例として提供される。
【0056】
また、移送チューブ類の使用に加えて、または当該使用に代えて、従来の球状化装置を粉砕と最終乾燥段階の間に用いて球状化を達成することができることも留意されるべきである。従って、粉砕された湿った造粒顆粒は、球状化パンまたはその他の装置へ流入され、球状化され、次に、その後の乾燥のための乾燥装置に置かれ得る。
【0057】
その後の乾燥段階の後、最終乾燥された湿った造粒顆粒は、既に考察されたように測定された約150〜約600μmの間の平均粒径を有するべきである。より好ましくは、平均粒径および得られるFDWGの平均粒径は約175〜約600μmである。より好ましくは、最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径は約200〜約600μmの範囲である。これは、既に記載されるように篩に基づき重量で測定される。
【0058】
得られる最終乾燥された湿った造粒顆粒の粒径分布は、一般に105μmの篩を通過する粒子を約40重量%以下有する材料をもたらすと特徴付けることができる。さらにより好ましくは、材料は105μmの篩を通過するのに十分に小さな粒子を約30%以下有する。しかし、これは得られる材料の粒径分布を特徴付ける唯一の方法ではない。より好ましくは、粒子の約35重量%以下は、105μmの篩を通過するほど十分に小さな粒径を有する。本発明に従う有利な粒径分布を説明するもう一つの方法は、粒子の少なくとも約60%(w/w)以下が測定される平均(mean)または平均(average)粒径の50%以内に入ることである。最も好ましくは、粒子の40%以下が105μmの篩を通過するのに十分に小さく、粒子の約60%w/w以上が平均粒径の50%以内に入ることである。
【0059】
本発明に従う有用なもう一つの処理段階はコーティングである。コーティングは、乾燥および/または球状化と同じ流動床で達成することができ、第1の流動床と連通している(または控えめに)第2の流動床を用いて達成することができ、または利用できる任意のその他のコーティング装置および/または技術を用いて達成することができる。コーティングは多数の理由から行われ得るが、その一つは味マスキングである。しかし、コーティングはまた、例えば、制御放出をもたらすためにも行われ得る。本発明に従う制御放出は、胃における急速な放出(同量の医薬有効成分をコーティングされていない粉末または微粒子とすることに起因し得るものに類似する放出プロフィール)、または適切な部分、例えば、腸へ入る際に瞬時の放出(適切なpH環境に達すると即座に放出する腸溶コーティングの場合のように)を意味し得る。制御放出はまた、一定期間にわたり放出を延長する時限放出コーティングも意味し得る。実際に、投薬形態が所望の腸の部分に達するまで活性医薬品成分の放出を遅延させるだけでなく、腸を横切る間の長期間の放出ももたらす腸溶コーティングを提供することは可能であり得る。
【0060】
任意の適したコーティング技術を用いて、任意の適したコーティングを用いてよい。味マスキングのためには、コーティングは米国特許第5,178,878号および同6,740,341号に記載のとおり達成され得る。腸溶コーティングを含む制御放出コーティングのためには、 米国特許第6,787,155号;同第6,635,680号;同第6,077,533号;および同第6,572,885号に記載されるものなどのコーティング材料が用いられ得る。
【0061】
用いてよいカプセル封入またはマイクロカプセル化の方法(コーティングの方法)としては、限定されないが、Lieberman et al.,Pharmaceutical Dosage Form:Tablets Volume 1,Second Edition,New York,1989の372〜376頁に記載されているものが挙げられる。その開示は引用することにより本明細書の一部をなす。Liebermanの教示の一方法は、3種類の相互に不混和な相を処理することを含む相分離またはコアセルベーションの技術であり、相の1つは医薬品成分を含み、もう一つの相は保護コーティング材料を含有し、第3の相は製造段階でのみ用いられる液体媒体を含有する。この3つの相が混合されると、薬剤成分相での吸収により保護材料相が堆積する。この段階の後、保護材料相を架橋によるか、またはこの相からの溶媒の除去により、実質的に固体の形態に変換する。あるいは、薬剤成分と高分子溶液の混合物を不混和液相と混合し、溶媒をこの相によって除去してもよい。混合段階には、不混和液体相中に薬剤成分および保護材料を有する相の乳化が含まれ得る。バリアコーティング材料としては、限定されないが、変性セルロース、例えばエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、糖類および糖アルコール、ワックス、セラック、アクリル樹脂などおよびそれらの混合物が挙げられる。その他のコーティング材料としては、限定されないが、粘着防止剤、充填材、可塑剤、孔形成剤、光沢化剤、着色剤、ポリメタクリレート(例えば、Rohm Eudragit製品)、エチルセルロース、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、糖類、糖アルコール、ワックス、セラック、アクリル樹脂およびそれらの混合物が挙げられる。
【0062】
適した装置でのスプレーコーティングも用いることができる。
【0063】
コーティング材料は、従来法でコーティングに利用されるものなどの高分子を組み込むことができる。幅広い種類の高分子がこの目的のために公知である。従来マイクロカプセルおよびコーティングされた粒子の製造に用いられる、いずれかのそのような公知の高分子材料を用いてよい。これらの中には、天然に存在するセルロースおよび合成セルロース誘導体などのセルロース系材料;アクリル系高分子およびビニル系高分子がある。その他の適した高分子としては、タンパク性物質、例えばゼラチン、ポリペプチドならびに天然および合成のセラックおよびワックスが挙げられる。特に好ましい保護材料高分子としては、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびWeiterstadt、GermanyのRhone Pharma GmbHにより登録商標EUDRAGITで販売されているアクリル樹脂材料が挙げられる。
【0064】
上に考察されるコーティング材料高分子の多くは水への溶解に対する十分な抵抗性を有する。そのような水不溶性材料を用いて制御放出コーティングされた造粒顆粒を作製することができる。しかし、コーティング材料がこの性質をもつ水不溶性材料を組み込む場合、それにAPIのより急速な放出を促進するその他の成分も含むことが好ましい。そのような放出促進剤としては、可溶性高分子および、特に、マンニトールなどの多官能アルコール、ならびに酸化マグネシウムが挙げられる。例えば、EUDRAGIT(登録商標)RL30−Dとして公知の種類のアクリル材料は、メチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムなどの従来型の共成分と用いた場合、一般に30分後に約50%以下の持続放出をもたらす傾向がある。しかし、固形分でEUDRAGIT材料1部に対して約2〜約4、および好ましくは、約2.7部のマンニトールとともに、同じ高分子材料を組み込むコーティング材料、およびまた、固形分のEUDRAGIT1部に対して約0.05〜約0.2、および好ましくは、約0.09部の酸化マグネシウムを組み込むコーティング材料は、実質的な即時放出特性を有する保護材料をもたらす。EUDRAGITなどのアクリル系高分子とマンニトールなどの多官能アルコールと、望ましくは、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物のブレンドは、APIの即時の放出をもたらす。そのようなブレンドにはアクリル系保護材料によく用いられる可塑剤が含まれない。そのようなブレンドを用いてコーティングされた造粒顆粒は、通常、咀嚼時に放出されやすいが、本発明に従う錠剤において優れた味マスキング特性をもたらす。
【0065】
用いるコーティングの種類およびコーティング材料の量は、特に、活性材料の種類、コーティングの目的(味マスキング、時限放出など)、得られる投薬形態の体積、コーティングが投薬形態の処方に関して付与し得る特性、および用いるコーティング材料の種類によって変動する。しかし、一般に、コーティングは、全体的に、最終乾燥された湿った造粒顆粒の重量増加が1層あたり約0.10〜約300重量%、または好ましくは、約1〜約200重量%増加するように適用される。1〜50%の量のEudragit E−100が特に好ましい。
【0066】
最終乾燥された湿った造粒顆粒は、その後コーティングされてもされなくても、次にその他の湿ったまたは乾燥した造粒顆粒と同じように投薬形態に処方することができる。造粒顆粒は、好ましくは、それによりその他の錠剤化用賦形剤、例えば充填材、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、香料、着色剤、流動促進剤などと、例えば、Vブレンダー中で混合され、十分な時間ブレンドされて実質的な均質性がもたらされる、直接打錠法で用いることができる。材料は次に錠剤に圧縮される。あるいは、造粒顆粒を単独またはその他の薬剤または賦形剤とともにカプセルに詰めるかまたは任意のその他の適切な投薬形態で用いてもよい。
【0067】
本発明に従うAPIとしては、医薬品、ビタミン、無機物、栄養補助食品などが挙げられる。医薬品としては、限定されないが、Mantelle、米国特許第5,234,957号に開示されるものが挙げられ、および特に、18〜21段に開示されるものを用いてよく、それらは引用することにより本明細書の一部をなす。APIのクラスとしては、以下が挙げられる。
妊娠中絶薬/遮断薬(Interceptive)
Ace阻害薬
α−アドレナリン作動性アゴニスト
β−アドレナリン作動性アゴニスト
α−アドレナリン作動性遮断薬
β−アドレナリン作動性遮断薬
副腎皮質ステロイド
副腎皮質抑制薬
副腎皮質刺激ホルモン
アルコール抑止薬
アルドース還元酵素阻害薬
アルドステロンアンタゴニスト
5−α還元酵素阻害薬
Ampa受容体アンタゴニスト
タンパク質同化薬
中枢神経興奮薬
鎮痛薬(歯科用)
鎮痛薬(麻酔薬)
鎮痛薬(非麻酔薬)
アンドロゲン
麻酔薬(吸入)
麻酔薬(静注)
麻酔薬(局所)
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト
拒食症治療薬(Anorexic)
制酸薬
駆虫薬(条虫)
駆虫薬(線虫)
駆虫薬(住血吸虫)
駆虫薬(吸虫)
抗アクネ薬
抗アレルギー薬
抗アレルギー薬(減感作療法)
抗アレルギー薬(ステロイド性鼻腔)
抗脱毛症薬
抗アメーバ薬
抗アンドロゲン薬
抗狭心症薬
抗不整脈薬
抗動脈硬化薬
抗関節炎薬/抗リウマチ薬
抗喘息薬(非気管支拡張薬)
抗喘息薬(ステロイド性、吸入薬)
抗菌薬(抗生物質)
抗菌薬(合成)
抗菌薬(抗らい薬)
抗菌薬(リケッチア)
抗菌薬(抗結核薬)
抗菌薬補助薬
抗生物質
抗癌薬
抗胆石誘発薬(Anticholelithogenic)
コレステロール低下薬
抗コリン薬
抗凝固薬
抗痙攣薬
抗鬱薬
抗糖尿病薬
止痢薬
抗利尿薬
解毒薬(アセトアミノフェン中毒)
解毒薬(クラーレ)
解毒薬(シアン化物)
解毒薬(葉酸アンタゴニスト)
解毒薬(重金属中毒)
解毒薬(メタノールおよびエチレングリコール中毒)
解毒薬(有機リン中毒)
抗運動障害薬(Antidyskinetic)
抗湿疹薬(Antieczematic)
制吐薬
抗癲癇薬
抗エストロゲン薬
抗線維症薬
抗鼓腸薬
抗真菌薬(抗生物質)
抗真菌薬(合成)
抗緑内障薬
抗ゴナドトロピン薬
抗痛風薬
抗血友病因子
抗出血薬
抗ヒスタミン薬
抗高コレステロール血症薬
抗高脂血症薬(Antihyperlipidemic)
抗高リポタンパク血症薬
副甲状腺機能亢進治療薬
高リン血症治療薬
抗高血圧薬
甲状腺機能亢進症治療薬
抗降圧薬
甲状腺機能亢進治療薬
抗感染薬
抗炎症薬(胃腸)
抗炎症薬(非ステロイド性)
抗炎症薬(ステロイド性)
抗癩剤
抗白血病薬
抗高脂血症薬(Antilipemic)
抗高脂血症薬(Antilipidemic)
抗マラリア薬
抗躁薬
抗メトヘモグロビン血症薬
抗片頭痛薬
抗ムスカリン作用薬
抗真菌薬
制嘔吐剤
抗新生物薬
抗新生物薬(ホルモン性)
抗新生物薬(光増感剤)
抗新生物薬(放射線源)
抗新生物薬補助薬
好中球減少症治療薬
抗肥満薬
強迫神経症治療薬
抗骨粗鬆症薬
抗パジェット病薬(Antipagetic)
抗パーキンソン薬
蠕動抑制薬
褐色細胞腫治療薬
アンチニューモシスティック(Antipneumocystic)
アンチプログレスチン(Antiprogrestin)
前立腺肥大症治療薬
アンチプロゾトゾール(Antiprozotozoal)(アメーバ)
抗原虫薬(クリプトスポリジウム)
抗原虫薬(ジアルジア)
抗原虫薬(リーシュマニア)
抗原虫薬(マラリア)
抗原虫薬(ニューモシスチス)
抗原虫薬(トキソプラズマ)
抗原虫薬(トリコモナス)
抗原虫薬(トリパノソーマ)
鎮痒薬
アンチソリアティック(Antisoriatic)
抗精神病薬
解熱薬
抗リウマチ薬
抗リケッチア薬
抗脂漏薬
抗敗血症薬
消毒薬/殺菌薬
鎮痙薬
駆梅薬
アンチトロンボシセミック(Antithrombocythemic)
抗血栓薬
抗結核薬
抗腫瘍薬
鎮咳薬
抗潰瘍薬
抗尿路結石薬
アンチベニン
抗眩暈薬
抗ウイルス薬
抗不安薬
アロマターゼ(Arosmatase)阻害薬
収斂薬
アトリオペプチダーゼ阻害薬
ベンゾジアゼピンアンタゴニスト
βブロッカー
代用血液
骨吸収阻害剤
ブラディカリック剤(Bradycaric Agent)
ブラジキニンアンタゴニスト
気管支拡張薬
カルシウムチャネル遮断薬
カルシウム調節剤
カルシウムサプリメント
癌化学療法
毛細血管保護剤
炭酸脱水酵素阻害薬
心抑制薬(抗不整脈薬)
心保護薬
強心薬
下剤
陽イオン交換樹脂
CCKアンタゴニスト中枢神経刺激薬
大脳血管拡張薬
キレート化剤
コレシストキニンアンタゴニスト
胆石溶解薬
利胆薬
コリン作動薬
コリンエステラーゼ阻害薬
コリンエステラーゼ再賦活薬
中枢神経刺激薬
認識活性化剤
COMT阻害薬
避妊薬(埋め込み型)
避妊薬(注射剤型)
避妊薬(経口型)
眼内圧の制御
変換酵素阻害剤
冠動脈血管拡張薬
シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤
細胞保護剤(胃)
創傷清拭剤(Debriding Agent)
鬱血除去薬
歯垢阻害剤
脱色素剤(Depigmentor)
疱疹状皮膚炎抑制剤
診断補助薬
診断補助薬(MRI造影剤)
診断補助薬(放射性造影剤)
診断補助薬(放射不透性媒体)
診断補助薬(超音波造影剤)
消化剤
殺菌薬
利尿薬
ドーパミン受容体アゴニスト
ドーパミン受容体アンタゴニスト
外部寄生虫駆除剤
電解質補充剤
催吐薬
エンドセリン受容体アンタゴニスト
エンケファリナーゼ(Ekephalinease)阻害剤
酵素
酵素補助因子
酵素誘導物質(肝臓薬)
酵素補充療法
エストロゲン
エストロゲンアンタゴニスト
去痰薬
フィブリノーゲン(Fibrignogen)受容体アンタゴニスト
胃液および膵液分泌刺激薬
胃プロトンポンプ阻害剤
胃液分泌阻害剤
胃運動促進剤
グルココルチコイド
α−グロコシダーゼ(Glocosidase)阻害剤
性腺刺激成分
成長ホルモンアンタゴニスト/阻害剤
成長ホルモン放出因子
成長刺激薬
造血薬(Hematinic)
造血薬(Hematopoietic)
溶血薬
血液レオロジー薬
止血薬
ヘパリンアンタゴニスト
肝保護薬
ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト
ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト
HIV融合阻害剤
HIVプロテアーゼ阻害剤
HMG COA還元酵素阻害剤
催眠薬
ハイポコレステレミック(Hypocholesteremic)
脂質低下薬
降圧薬
免疫調節物質
免疫抑制薬
インスリン抵抗性改善薬
イオン交換樹脂
角質溶解薬
乳汁分泌刺激ホルモン
緩下薬/瀉下薬
ロイコトリン(Leukotrine)アンタゴニスト
LH−RGアゴニスト
LH−RHアンタゴニスト
脂肪作用薬
5−リポキシゲナーゼ阻害剤
局所麻酔薬
紅斑性狼瘡抑制薬
メジャートランキライザー
マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤
ミネラルコルチコイド
マイナートランキライザー
縮瞳薬
モノアミンオキシダーゼ阻害剤
粘液溶解薬
筋弛緩薬(骨格筋)
筋弛緩薬(平滑筋)
散瞳薬
麻薬性鎮痛薬
麻薬拮抗薬
鼻腔鬱血除去薬
ノイラミニダーゼ阻害剤
神経遮断薬
神経筋遮断薬
中性エンドペプチダーゼ阻害剤
神経保護薬
NMDA受容体アンタゴニスト
向知性薬
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
オピオイド鎮痛薬
経口避妊薬
卵巣ホルモン
子宮収縮薬
副交感神経作用薬
シラミ駆除剤
ペプシン阻害剤
末梢血管拡張薬
蠕動刺激薬
ホスホジエステラーゼ阻害剤
色素沈着薬
血漿増量剤
血小板活性化因子アンタゴニスト
カリウムチャネル活性化薬/開口薬
カリウムチャネル遮断薬
昇圧薬
プロゲストゲン
プロラクチン阻害剤
プロスタグランジン/プロスタグランジン類似体
プロテアーゼ阻害剤
プロトンポンプ阻害剤
肺胞界面活性物質
5α−レダクターゼ阻害剤
補充剤/サプリメント
呼吸刺激薬
レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤
逆転写酵素阻害剤
硬化薬(Scerosing Agent)
鎮静薬/ハイポノティック(Hyponotic)
セレニック(Serenic)
セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
セロトニン受容体アゴニスト
セロトニン受容体アンタゴニスト
セロトニン取り込み阻害剤
唾液分泌促進薬
骨格筋弛緩薬
SNRI
ソマトスタチン類似体
鎮痙薬
便軟化薬
サクシニルコリン共力剤
交感神経作用薬
血栓溶解薬
トロンボキサンA2シンセターゼ阻害剤
甲状腺ホルモン
甲状腺阻害剤
甲状腺刺激ホルモン
子宮収縮抑制薬
局所保護薬
トポイソメラーゼ(Topoismerase)I阻害剤
トポイソメラーゼII阻害剤
トランキライザー
紫外遮断薬
尿酸排泄促進薬
バドジレーター(Vadodilator)(脳)
血管拡張薬(冠動脈)
血管拡張薬(末梢)
バソペプチダーゼ阻害剤
血管収縮薬
血管保護薬
ビタミン/ビタミン源
傷薬
ウィルソン病治療薬
キサンチンオキシダーゼ阻害剤
【0068】
特に、APIにはフェキソフェナジン、デスロラタジン、トラマドール、モダフィニル、アルモダフィニル、クロザピン、アジスロマイシン、オキシコドン、フェンタニル、およびその塩が含まれ得る。
【0069】
一実施形態では、投薬形態には、球状化され、かつ/または味マスキングコーティングもしくは制御放出コーティングがされていてよい最終乾燥された湿った造粒顆粒、ならびに賦形剤として発泡剤または発泡対が含まれる。いずれの公知の発泡剤または発泡対の組合せを用いてもよい。これらには、米国特許第5,178,878号および同第5,503,846号に記載されるものが含まれ、その本文は、様々な発泡対およびその構築物について論じられている範囲で、引用することにより本明細書の一部をなす。発泡対は、一般に、水または唾液により活性化される物質であり、通常は吸収された水分がほとんどないか、もしくは全くない無水状態、または安定な水和物の形に保たれている。一般に、これらには少なくとも1つの酸源、および、通常、炭酸塩または重炭酸塩などの少なくとも1つの反応性塩基源が含まれる。発泡対のそれぞれの成分は、ヒトの摂取に安全なものであれば何であってもよい。
【0070】
酸には一般に、食物酸、無水酸および酸性塩が含まれる。食品酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、およびコハク酸が挙げられる。無水酸またはこれらの酸の塩を用いてよい。これに関連して、塩にはいずれの公知の塩が含まれてよいが、特に、ナトリウム、リン酸二水素、リン酸二水素二ナトリウム、クエン酸塩、および硫酸ナトリウム塩が含まれてよい。本発明において有用な塩基としては、一般に、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどが含まれる。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウムなどもまた、一対の発泡剤の一部として使用される範囲で使用されてよい。しかし、それらはpH調整物質として使用することがより好ましい。化学量論的に同量の酸、無水酸または酸塩および塩基を使用することが好ましい。しかし、多少の過剰量の酸または塩基を使用することも可能である。
【0071】
本発明の一態様において有用な発泡剤物質の量は有効量であり、患者の口腔内において適した崩壊特性(時間および感覚受容感)をもたらすために必要な量に基づいて決定されている。しかし、別の態様において、発泡はまた、口腔内、歯肉、直腸内、膣内、鼻腔内もしくは舌下投与経路において、またはたとえ胃もしくは腸内投与であっても、フェンタニルなどのAPIの粘膜通過の透過性を促進するための推進力として用いられてよい。その場合、発泡対の量は、通常は錠剤の投薬形態を崩壊させるために必要な量以外の何かに影響される。いずれの場合においても、その量は製剤の総重量に基づいて約5〜約85%、より好ましくは約15〜60%、さらにより好ましくは約30〜45%、最も好ましくは約35〜約40%の範囲となるべきである。当然、浸透を促進するために用いる場合、酸塩基の相対割合は、特定の成分(例えば、酸が一塩基酸、二塩基酸、または三塩基酸であるかどうか)、相対分子量などによって決まる。しかし、たとえ確かに過剰量が許容されるとしても、それぞれの化学量論量が与えられることが好ましい。
【0072】
本発明に従う製剤にはまた、賦形剤として少なくとも1つのpH調整物質が含まれ得る。特定の理論に縛られることを望むものではないが、pH調整物質は、イオン化状態の変化の影響を受けやすい薬物(本明細書ではAPIとも称される)の投与を、その溶解ならびに粘膜の横断など1以上の膜または組織を横切る透過に適した条件を確保することにより可能にする。本発明に従うpH調整物質はさらなる透過促進のために使用され得る。適したpH調整物質の選択は、特にそれがイオン化されるかまたは非イオン化されるpHまで投与される薬物、および、イオン化型または非イオン化型が粘膜を横切る透過を促進するかどうかに依存する。本発明に従うpH調整物質は、限定されるものではないが、一般に約3〜10、およびより好ましくは、約4〜約9の範囲のpHをもたらす量で粘膜を横切る輸送を促進するために局所的なpHを調整することのできる任意の物質を含み得る。該pHは、患者の口腔内の微小環境での粘膜の表面接触領域、および投薬形態またはその任意の部分(崩壊した時など)における「局所的なpH」である。本発明の目的において、局所的なpHは以下の通り測定することができ、問題の錠剤により示される動的なpH変化を特徴づけるためには、インビトロでのpH測定が用いられる。本方法は、適したサイズの試験管または類似の容器中の0.5〜10mLのリン酸緩衝生理食塩水を用いることからなる。媒体の量は、錠剤のサイズおよび投薬量に依存する。例えば、フェンタニル錠剤のpHプロフィールを測定する場合、重量100mgの錠剤に対して1mL量を用いた。錠剤を媒体と接触させた直後に、マイクロコンビネーションpH電極を用いて、溶液のpHプロフィールを時間の関数としてモニターする。
【0073】
好ましくは、本発明に従うpH調整物質として用いることのできる物質には、ナトリウム、カリウムもしくは炭酸カルシウムなどの炭酸塩、またはカルシウムもしくはリン酸ナトリウムなどのリン酸塩が含まれる。最も好ましいものは、炭酸ナトリウムである。本発明に従う有用なpH調整物質の量は、用いるpH調整物質の種類、発泡対由来の過剰な酸または塩基の量、残留成分の性質、および当然、APIにより変動し得る。
【0074】
最も好ましくは、pH調整物質の量は、製剤の総重量に基づいて約0.5〜約25%、より好ましくは、約2〜約20%、さらにより好ましくは、約5〜約15%、および最も好ましくは、約7〜約12重量%の範囲である。最も好ましいpH調整物質は、炭酸塩、重炭酸塩、またはリン酸塩である。適した量を加えた場合、pH調整物質を除いて同一の製剤と比較して、少なくとも約0.5pH単位、より好ましくは約1.0pH単位、およびさらにより好ましくは約2.0pH単位の局所的なpH変化をもたらすことのできるpH調整物質もまた好ましい。
【0075】
任意の充填材または任意の量の充填材は、得られる投薬形態が本明細書に記載される結果を達成するのであれば、賦形剤として用いられ得る。充填材の中でも最も好ましいものは糖および糖アルコールであり、これらには間接圧縮および直接圧縮充填材が含まれ得る。一般に、間接圧縮充填材は少なくとも製剤にされた場合、添加物または調整なしに高速打錠プロセスで用いるには非実用的な流動および/または圧縮特性を有する。例えば、製剤は十分に流動しない可能性があり、そのため、例えば二酸化ケイ素などの流動促進剤を添加する必要があるかもしれない。
【0076】
一方、直接圧縮充填材は、同様の許容度を必要としない。それらは一般に、直接使用されることを可能にする圧縮性および流動性という特徴を有する。製剤が作られる方法によって、間接圧縮充填材に直接圧縮充填材の特性を付与できることが知られている。その逆もまた真実である。一般的な事柄として、直接圧縮充填材と比較した場合、間接圧縮充填材は粒径が比較的小さい傾向がある。しかし、噴霧乾燥マンニトールなどのある種の増量剤は粒径が比較的小さく、さらにどのように加工されるかによるが、直接圧縮が可能である場合が多い。また、比較的大きな間接圧縮充填材もなお存在する。
【0077】
本発明に従う好ましい充填材には、それらの使用が本明細書に記載される結果をもたらす限りにおいて、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストロース、スクロース、キシリトール、およびグルコースが含まれる。本発明に従う最も好ましいのは噴霧乾燥されたマンニトールの使用である。充填材の量は、製剤の重量の10〜約80%、およびより好ましくは、約25〜約80%、最も好ましくは、35〜約60%である。
【0078】
非発泡性崩壊剤もまた本発明に従って賦形剤として使用され得る。これらには、崩壊特性を有する結合剤も含まれ得る。本発明に従う崩壊剤には、微結晶性セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP−XL)、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカラメロース(croscaramellose)ナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロースなどが含まれ得る。
【0079】
非発泡性崩壊剤の量は、公知の因子、例えば投薬形態のサイズ、使用する他の成分の性質および量などにより変動する。しかし、一般に、その量は最終製剤の約0.25〜約20重量%、より好ましくは、約0.5〜約15重量%、さらにより好ましくは、0.5〜約10重量%、ならびにさらにより好ましくは、約1〜約8重量%の範囲である。この場合も先と同様に、最終製剤の重量に基づいている。
【0080】
本発明に従う賦形剤として一般に有用なものは、打錠(tableting)または突出し(ejection)滑沢剤(labricant)である。最も一般的な公知の滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの使用が好ましい。一般に、打錠滑沢剤の一般通念は、少ないほど良いということである。ほとんどの状況において、用いられる打錠滑沢剤は約1%未満であることが好ましい。一般に、その量は0.5%以下であるべきである。しかし、用いられるステアリン酸マグネシウムの量は1.0%を超えてもよい。実際、その量は約1.5%を超えることが好ましく、約1.5%〜約3%の範囲が最も好ましい。最も好ましいのは、約2%ステアリン酸マグネシウムの使用である。また、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなどの、その他の標準的な打錠滑沢剤をステアリン酸マグネシウムの一部または全てに代えて用いてよい。
【0081】
本発明に従う錠剤は比較的軟らかいか、または頑強であってよい。それらは、例えば、米国特許第5,178,878号に記載された方法に従って製造され、一般に約15ニュートン未満の硬さを有する。米国特許第5,178,878号の特許は、錠剤製造の記述だけでなく、API含有顆粒のコーティングに関する記述も、引用することにより本明細書の一部をなす。錠剤が製造時と同じくらい軟らかく成形しやすい/もろい場合、それらは有利に米国特許第6,155,423号に見出されるブリスター包装に包装されてよい。それらはまた、引用することにより本明細書の一部をなす米国特許第6,024,981号に説明された方法に従って製造された場合、約15ニュートンを超える硬さを有し頑強となる可能性もある。
【0082】
本発明に従う製剤は、本明細書に記載された利点を損なわない限り、一般に公知の量(通常、約20重量%まで)で他の通常の賦形剤を含んでもよい。それらには、限定されるものではないが、結合剤、甘味料、着色成分、香味料、流動促進剤、防腐剤などが含まれ得る。
【0083】
本発明の好ましい投与形態である錠剤は、錠剤製造のそれらの開示に関して引用することにより本明細書の一部をなす、特許第5,178,878号特許および同第6,024,981号に記載されるものを含む、任意の公知の打錠技術により作られてよい。しかし、最終乾燥された湿った造粒顆粒を含む、用いられる材料は、ドライブレンドされ、直接圧縮されることが好ましい。
【0084】
当然、本発明の製剤に用いられる特定の賦形剤および材料は、APIとは別に乾式または湿式造粒されてよい。湿式造粒される場合は、本明細書に記載の通りに湿式造粒されることが好ましい。これらのAPIを含有しない湿った顆粒および最終乾燥された湿った造粒顆粒も、本発明の一態様であると考えられる。例えば、顆粒状マンニトールを増量剤として用いてよい。最終ブレンドおよび圧縮の前に、製剤のある一部を造粒または予混合することもまた望ましい。
【0085】
実施例1〜3
実質的に同一な湿った造粒顆粒の3つのバッチを、下の表Aに記載される成分から製造した。初期水分含量(計算)は、用いた材料の総重量に基づいて36.8%であったことに留意されたい。
【0086】
【表1】

【0087】
α化デンプンを精製水中で加熱および混合しながら混合することにより、9%デンプンのりを調製した。この材料を、残りの材料とともに高剪断造粒機に委ねた。用いた造粒機は、垂直、底部駆動型の湿式高剪断造粒機(Fluid Air Pharm X 1250)であった。その後、湿った造粒顆粒を流動床乾燥機(Fluid Air MagnaCoater)中で乾燥させ、ある程度乾燥された湿った造粒顆粒を得た。乾燥時の損失は18%〜25%の間であった。次に、その材料を、回転羽根車を備えた、具体的にはFluid Air Granumillというインパクトミル(従来型ハンマーミル/選別ミル)中で粉砕した。湿式粉砕が完了した後、ある程度乾燥した粉砕された湿った造粒顆粒を、最終乾燥段階のために、同じ流動床乾燥機に戻した。乾燥時の損失の最終測定値は、1.8%以下であった。この特定の例において、第2の乾燥段階の後に材料を篩にかけ、35メッシュの篩(約500μm)上に残るのに十分な粒径を有するものを、続いて乾燥、粉砕して、粒径が35メッシュより小さい顆粒と混合した。Sweco製の振動/振盪分離装置を用いて篩い分けを行った。個々のプロセスパラメーターについてのより詳細な説明を以下に示す。
【0088】
1.60±5℃にて攪拌しながらα化デンプンを水に加えることにより、デンプンのりを調製する。
【0089】
2.デスロラタジン、微結晶性セルロース、マンニトール、およびグリコール酸ナトリウムデンプンを高剪断混合機中で5分間混合する。
【0090】
3.速度70±10rpmの羽根車で混合しながら、デンプンのりを粉末混合物にゆっくりと加える。
【0091】
4.速度80±10rpmの羽根車で、造粒エンドポイント(2150ft−lbsトルク)に達するまで混合を継続する。
【0092】
5.製造された顆粒を、吸込み温度75±5℃の流動床乾燥機中で、LODが18〜25%(すなわち、理論上の初期水分含量からの水分含量減少が32.1〜51.1%)となるまで、ある程度乾燥させる。
【0093】
6.ある程度乾燥させた顆粒を、0.020”篩を取り付けた、羽根車の速度2500〜3000rpmのGranumillに通す。粉砕しながら、以下に示す流動床の設定の下で顆粒を吸引して流動床にもどす。吸引荷重バルブ設定:35%、吸引移送空気流量設定:0%、および送風機荷重設定値:105hp。
【0094】
7.ある程度乾燥させ、粉砕した顆粒を、吸込み温度75±5℃の流動床乾燥機中で、LODが1.8%以下になるまで(すなわち、理論上の初期水分含量からの水分含量減少が少なくとも95.1%)乾燥させる。
【0095】
8.乾燥顆粒を、Sweco製の篩または同等の装置を用いて、35番メッシュ篩にかける。
【0096】
9.35番メッシュ篩を通らなかった顆粒を、Granumillまたは同等の装置中で粉砕する。
【0097】
10.次のコーティングのために、粉砕された顆粒と、35番メッシュ篩を通過した顆粒を合わせる。
【0098】
水分レベル定量は、Mettler Toledo HR−73水分分析計を用いて、以下の設定で測定する。
乾燥プログラム:標準乾燥
乾燥温度:105℃
スイッチオフ基準:損失<1mg/50秒
乾燥時間:−−−−−−−−
表示モード結果:MC(水分含量)
印刷間隔:30秒
目標重量:4.000g
【0099】
上記のプロセスを用いて製造された3つのバッチでは、以下に示す特性を有する顆粒が製造された。
【0100】
【表2】

【0101】
部分的乾燥段階を行わない類似の湿った顆粒を用いていくつかのバッチを湿式粉砕する試みは、粉砕篩の目が詰まってしまったために成功しなかった。0.094”〜1.0”の広い範囲の篩サイズを試した。すべてが、湿った材料により目詰まりし、粉砕プロセスは成功しなかった。部分的乾燥段階は、0.020”相応の篩によって、ある程度乾燥させた材料の粉砕を成功させた。
【0102】
実施例4〜11
湿った顆粒を含有するフェキソフェナジンの8つのバッチを、下に記載されるように、実質的に表Bに示された処方を用いて製造した。バッチの初期水分含量(計算)は、23.5%であった。
【0103】
【表3】

【0104】
顆粒を含有する塩酸フェキソフェナジンの製造に用いられる一般的なプロセスは、実施例1〜3のプロセスと類似している。特に、高剪断造粒機、部分乾燥、粉砕、および篩段階は、それらの実施例で以前に指定されたものと同じ装置を用いて行った。塩酸フェキソフェナジン、ポビドン微結晶性セルロース、およびグリコール酸ナトリウムデンプンの重さを量って高剪断造粒機に入れ、アルコールは別に重さを量って加えた。造粒は下に記載されるように進み、造粒が完了した後、流動床の中で材料をある程度乾燥させて、ある程度乾燥された湿った造粒顆粒を製造した。最初の乾燥段階の後、得られたある程度乾燥された湿った造粒顆粒を、30および40メッシュ篩を用いて篩にかけた。30または40メッシュ篩上に残った粒子は、本明細書に記載されるように0.020インチの篩を通して粉砕した。40メッシュ篩を通過した材料は、別々に粉砕されなかった。その後、粉砕された大きすぎる顆粒と粉砕されなかった顆粒の双方は、最終乾燥のために流動床の中で再び組み合わされる。
【0105】
さらに具体的に言えば、製造プロセスは以下の通りであった。
【0106】
塩酸フェキソフェナジン、微結晶性セルロース、グリコール酸ナトリウムデンプン、およびポビドンを高剪断混合機中で5分間混合する。
【0107】
速度50rpmの羽根車で混合しながら、アルコール、SDA−3A、無水を、粉末混合物に加える。
【0108】
速度50rpmの羽根車で5分間、混合を続ける。
【0109】
製造された顆粒を、吸込み温度50±5℃の流動床乾燥機中で、LODが5〜8%(すなわち、理論上の初期水分含量からの水分含量減少が66.0〜78.8%)となるまで、ある程度乾燥させる。
【0110】
ある程度乾燥させた顆粒を、30番および40番のメッシュ篩を取り付けたSweco製の粒子分離装置を用いて篩にかける。顆粒は、以下に示す篩画分に分離される。>30メッシュ、<30/>40メッシュ、および<40メッシュ。<40メッシュの、ある程度乾燥させた顆粒は、最終乾燥プロセスまで保留しておく。>30および<30/>40メッシュの、ある程度乾燥させた顆粒は、粉砕プロセスに進める。
【0111】
>30メッシュおよび<30/>40メッシュのある程度乾燥させた顆粒を、0.020”篩を取り付けた、羽根車の速度1000rpmのGranumillに通した。粉砕の間、以下の流動床の設定:真空荷重バルブ設定:35%、真空移送空気流量設定:0%、および送風機荷重設定値:105hpを用いて、粉砕された顆粒を真空移送して流動床に戻す。
【0112】
一度粉砕が完了すると、<40メッシュのある程度乾燥させた顆粒を吸引して流動床に取り込み、粉砕された顆粒と合わせる。
【0113】
流動床乾燥機中のある程度乾燥した粉砕された顆粒、および粉砕されていない顆粒を、吸込み温度50±5℃で、LODが3.0%以下(すなわち、理論上の初期水分含量からの水分含量減少が少なくとも87.2%)となるまで乾燥させる。
【0114】
完成した顆粒を排出し、次のコーティングのために保管する。
【0115】
水分レベル定量は、Mettler Toledo HR−73水分分析計を用いて、以下の設定で測定する。
乾燥プログラム:標準乾燥
乾燥温度:105℃
スイッチオフ基準:損失<1mg/50秒
乾燥時間:−−−−−−−−
表示モード結果:MC(水分含量)
印刷間隔:30秒
目標重量:4.000g
【0116】
上記のプロセスを用いて製造された8つのバッチでは、以下に示す特性を有する顆粒が製造された。
【0117】
【表4】

【0118】
部分的乾燥段階を行わずに類似の湿った顆粒を用いていくつかのバッチを湿式粉砕する試みは、粉砕篩の目が詰まってしまったこと、および/または許容されない粒径分布のために成功しなかった。0.040”の篩を用いたが、すぐに粉砕篩の目詰まりが起こった。0.078”の篩を用い、約半分(49%)の造粒の粒径が40メッシュよりも大きくなり、わずか19%が、さらなる処理が可能な所望の粒径範囲内にあった。部分的乾燥段階は、0.020”相応の篩によって、ある程度乾燥させた材料の粉砕を成功させた。
【0119】
本明細書の本発明は、特定の実施形態に関して記載されてはいるが、これらの実施形態は本発明の原理および適用の単なる例示であることが理解される。従って、例示される実施形態に多数の変更がなされてよく、また添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、その他の配置も考案され得ることが理解されよう。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、製薬業界、具体的には、投薬形態および薬剤の製造に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部乾燥された湿った造粒顆粒を形成するために、少なくとも1種類の医薬活性成分を含む初期水分含量を有する湿った造粒顆粒を所定の第1の相対水分含量まで乾燥させる段階と;粉砕された一部乾燥された湿った造粒顆粒の所定の粒径分布を得るために、前記一部乾燥された湿った造粒顆粒を粉砕する段階と;最終乾燥された湿った造粒顆粒を製造するために、前記粉砕された一部乾燥された湿った造粒顆粒を乾燥させる段階とを含み、前記所定の第1の相対水分含量が前記湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない、所望の粒径分布を有する湿った造粒顆粒を製造する方法。
【請求項2】
前記最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径が約150〜約600μmの間であって、約40重量%未満の粒子が105μmの粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一部乾燥された湿った造粒顆粒を粉砕する前記段階が、20および140メッシュの篩を用いて達成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約30%〜約85%少ない、請求項1、2および3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約40%〜約80%少ない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約50%〜約80%少ない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約60%〜約75%少ない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径が約175〜約600μmの間であって、約35重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径が約200〜約600μmの間であって、約35重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一部乾燥された湿った造粒顆粒を形成するために、少なくとも1種類の医薬活性成分を含む湿った造粒顆粒を所定の第1の相対水分含量まで乾燥させる段階であって、前記所定の第1の相対水分含量が前記湿った造粒顆粒の初期水分含量よりも少なくとも約30%少ない段階と;所定の粒径分布を得るために、約20〜約140メッシュの篩を用いて前記一部乾燥された湿った造粒顆粒を粉砕する段階と;最終乾燥された湿った造粒顆粒を製造するために、前記粉砕された一部乾燥された湿った造粒顆粒を乾燥させる段階であって、平均粒径が約175〜約600μmであり、約35重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する段階とを含む、所望の粒径分布を有する湿った造粒顆粒を製造する方法。
【請求項11】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約40%〜約80%少ない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の第1の相対水分含量が、前記湿った造粒顆粒の前記初期水分含量よりも約50%〜約80%少ない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記最終乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径が約200〜約600μmの間であって、約30重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記湿った造粒顆粒が、少なくとも1種類の賦形剤をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種類の医薬活性成分が、フェキソフェナジン、デスロラタジン、フェンタニル、トラマドール、モダフィニル、アルモダフィニル、クロザピン、アジスロマイシンまたはオキシコドンである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記最終乾燥された湿った造粒顆粒をコーティングする段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記コーティングが味マスキングコーティングである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の段階に従って製造された、最終乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項19】
請求項4に記載の段階に従って製造された、最終乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項20】
請求項10に記載の段階に従って製造された、最終乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項21】
請求項17に記載の段階に従って製造された、最終乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項22】
少なくとも1種類の医薬活性成分造粒顆粒および少なくとも1種類の賦形剤を含み、前記乾燥された湿った造粒顆粒の平均粒径が約150〜約600μmの間であって、約40重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する、乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項23】
少なくとも1種類のコーティングをさらに含む、請求項22に記載の乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項24】
前記コーティングが味マスキングコーティングである、請求項23に記載の乾燥された湿った造粒顆粒。
【請求項25】
少なくとも1種類の医薬活性成分造粒顆粒および少なくとも1種類の賦形剤を含み、平均粒径が約150〜約600μmの間であり、約40重量%以下の粒子が105μmの粒径を有する乾燥された湿った造粒顆粒と;少なくとも1種類の賦形剤とを含む、圧縮されて錠剤となっている圧縮錠。
【請求項26】
前記少なくとも1種類の医薬活性成分が、フェキソフェナジン、デスロラタジン、フェンタニル、トラマドール、モダフィニル、アルモダフィニル、クロザピン、アジスロマイシンまたはオキシコドンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1種類の医薬活性成分が、フェキソフェナジン、デスロラタジン、またはフェンタニルである、請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2009−505798(P2009−505798A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529209(P2008−529209)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/033779
【国際公開番号】WO2007/027720
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(500117347)シーマ・ラブス、インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】