説明

乾燥装置、その改造方法及び改造装置

【課題】ヒートポンプ装置を用いた乾燥装置において、乾燥空気の温度や風量の頻繁な変動に対しても、高い熱効率を維持し、安定した運転を可能とする。
【解決手段】第2の乾燥空気供給路30の一端に設けられた大気取入口31から、送風ファン34で外気aを吸入し、ヒートポンプ装置40の凝縮器404で加熱し、加熱した乾燥空気を第1の乾燥空気供給路14に供給する。第1の乾燥空気供給路14に設けられた給気ファン22a〜cで乾燥空気を乾燥器12の乾燥室16a〜cに供給する。送風ファン34の送風量と給気ファン22a〜cの送風量との差分を大気開放口28の空気の出し入れで許容する。風量センサ78及び温度センサ80の検出値に基づいて、コントローラ82で送風ファン34の送風量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ装置を用いた乾燥装置、及び既設乾燥装置をヒートポンプ装置を用いた乾燥装置に改造する方法、及び該改造方法によって改造された乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
グラビア印刷機、塗工機等は、食品や日用品の包装印刷、及び薄型テレビ、太陽電池等で使用する機能性フィルム等を生産する機器である。これらの機器では、フィルム等に印刷やコーティングを行なう際に、顔料や塗工液等の主成分を有機溶剤や水で希釈し、フィルム等に塗布する。その後、有機溶剤や水を熱によって除去し、フィルム等を乾燥させる。また、ラミネート加工機は、フィルム等に有機溶剤で希釈した接着剤を均一に塗付し、その後、有機溶剤を熱によって除去し、ラミネートフィルム等を乾燥させる。フィルム等の乾燥のために熱風を用い、熱風は、蒸気や燃料の燃焼を熱源として加熱された空気を用いている。
【0003】
グラビア印刷機等に用いられた従来の乾燥装置を図6により説明する。従来の乾燥装置100は、複数の乾燥室106a〜cを備えた乾燥器102と、乾燥室106a〜cに、分岐管104a〜cを介して乾燥空気を供給する乾燥空気供給路104とを備えている。各乾燥室に乾燥空気を吹き出すノズル108が設けられ、乾燥空気供給路104は、一端に空気取入口110を備え、空気取入口110から吸入された外気aからごみ等の夾雑物を除去するエアフィルタ112と、乾燥空気を加熱する熱風発生器114が設けられている。熱風発生器114は、バーナで燃料を燃焼して、空気取入口110から吸入された空気を加熱している。熱風発生器114の代わりに、蒸気ヒーターを用いた乾燥器も用いられている。
【0004】
分岐管104a〜cは乾燥室106a〜cに設けられた多数のノズル108に接続されている。分岐管104a〜cには、外気aを乾燥空気供給路104に吸入する給気ファン116a〜cが設けられている。乾燥室106a〜cには、フィルム等の被乾燥物fが出入する出入口が設けられている。
【0005】
かかる構成において、給気ファン116a〜cによって空気取入口110から外気aが導入され、導入された外気aは熱風発生器114で加熱され、加熱された乾燥空気は、乾燥室106a〜cでノズル108から被乾燥物fに向かって吹き出され、被乾燥物fを乾燥する。乾燥空気は乾燥室毎に温度が調整される。各分岐管104a〜cを流れる乾燥空気の温度は、給気管118a〜cから供給される外気aの量で調整される。あるいは各分岐路毎に加熱器を設けて、乾燥室毎に供給する乾燥空気の温度を変えるようにしてもよい。乾燥室106a〜cで乾燥に供した後の排気eは、排気路120から排気される。
【0006】
特許文献1には、グラビア印刷機の乾燥装置が開示されている。この乾燥装置は、印刷面にインキが転移され、ガイドロールに案内されて走行する基材(プラスチックフィルムを主体とした軟包装材等)に対し、走行方向に配置された複数のノズルから、オーブンヒータ等で加熱された熱風を放出してインキを乾燥するものである。前記ノズルの風量を、基材の走行方向下流側に向かって徐々に多くし、皮張り現象(インキ表面のみが蒸発乾燥され、内部は未乾燥状態となる現象)を防止している。
【0007】
特許文献2には、ラミネート加工機の乾燥装置が開示されている。この乾燥装置は、ラミネート加工され、ガイドロールで案内された基材が走行する乾燥室と、乾燥室内に基材の走行方向に沿って複数配置され、基材に向かって熱風を吹き付ける吹付ノズルと、電熱又は蒸気を熱源とし、該吹付ノズルに熱風を供給する加熱装置とを備えている。この乾燥装置では、乾燥用熱風の大部分を循環させ、反復使用して熱効率を向上させるようにしている。
【0008】
乾燥空気の温度は、生産性に繋がる乾燥速度及び皮張り現象の回避等の観点から選定される。通常、グラビア印刷では、例えば、50〜70℃の乾燥空気が乾燥室に供給され、ラミネート加工では60〜80℃、塗工機では、塗工液及び有機溶剤の量が多いため、100〜120℃程度の乾燥空気が乾燥室に供給される。
【0009】
乾燥空気の加熱には、前述のように、電熱加熱や蒸気加熱、あるいは燃料燃焼による加熱を行なっている。これらの加熱方法に対する省エネ対策は、乾燥器から排出される排気ガスと乾燥用空気とをガス―ガスプレート式熱交換器で熱回収する方式がある。しかし、この省エネ手段は、排気ガスの温度が低いため、熱回収効率が悪い。また、装置の大型化を招くと共に、ダクトのレイアウト上の問題がある。
【0010】
一方、衣類の乾燥や、その他の産業用乾燥装置に、加熱手段としてヒートポンプ装置を用いた乾燥装置が提案されている。この乾燥装置は、前記加熱手段に比べ、高い熱効率を得ることができる。例えば、特許文献3には、COを冷媒とし、空気加熱器及び水熱源蒸発器等から構成されるヒートポンプ装置を備えた熱風発生器で加熱された高温空気を木材、海産物、工業部品等の乾燥に用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−178235号公報
【特許文献2】特開昭62−110777号公報
【特許文献3】特開2010−281553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
グラビア印刷機では、印刷物が代わるたびに版、インクの交換や、色調の校正が必要であるため、装置の稼動、停止を繰り返す。また、印刷物が変わると、印刷の色数が増減したり、印刷ライン速度が増減するため、乾燥空気の温度や風量を頻繁に変える必要がある。また、ラミネート加工機や塗工機においても、フィルムの厚みやフィルム層の数、又は塗工液の量などに応じて乾燥空気の温度や風量を頻繁に変える必要がある。ヒートポンプ装置を用いた乾燥装置をこれらの装置に適用する場合、乾燥空気の温度や風量の頻繁な変動に対応しながら、安定運転を可能にする必要がある。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ヒートポンプ装置を用いた乾燥装置において、乾燥空気の温度や風量の頻繁な変動に対しても、高い熱効率を維持し、安定した運転を可能とする乾燥装置を実現することを目的とする。また、バーナーや蒸気ヒーター等の加熱装置を用いた従来の乾燥装置から、ヒートポンプ装置を用いた乾燥装置に改造する場合に、既設の機器を大幅改造することなく、そのまま利用することで、改造を容易にかつ低コストで可能にすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するため、本発明の乾燥装置は、被乾燥物が出入りする乾燥室を備えた乾燥器と、該乾燥器に送られる乾燥空気を加熱するヒートポンプ装置とを備えた乾燥装置において、一端に空気取入口を有し、ヒートポンプ装置の空気加熱器を経由して乾燥器まで導設され、ヒートポンプ装置と乾燥器との間に大気開放口を有する乾燥空気供給路と、ヒートポンプ装置の蒸発器に熱源水循環路が接続され、該蒸発器で冷却された熱源水を冷熱源とする冷却装置と、大気開放口より下流側の乾燥空気供給路に設けられ、ヒートポンプ装置で加熱された乾燥空気を乾燥器に供給する第1の送風機と、大気開放口より上流側の乾燥空気供給路に設けられ、空気取入口から空気を取り入れヒートポンプ装置の空気加熱器に供給する第2の送風機と、大気開放口と第1の送風機との間の乾燥空気供給路に設けられた空気流量センサ及び空気温度センサと、空気流量センサ及び空気温度センサの検出値に基づいて、ヒートポンプ装置の運転を制御すると共に、第2の送風機の送風量を制御するコントローラと、を備え、第1の送風機と第2の送風機との送風量の差を大気開放口の空気の出し入れで調整するようにしたものである。
【0015】
本発明装置では、ヒートポンプ装置の蒸発器に、熱源水循環路を接続すると共に、蒸発器で冷却された熱源水を冷熱源とする冷却装置を設けたことで、ヒートポンプ装置のフル稼働及び安定稼働を可能とする。これによって、外気から取り込んだ乾燥用空気を乾燥に必要な高温空気に加熱できる。また、大気開放口から外気を取り込んた場合でも、乾燥用空気を余裕をもって乾燥に必要な高温に保持できる。さらに、冷却装置を乾燥器側設備に必要な空調装置や生産ラインの冷却装置として用いることができる。
【0016】
また、第1の送風機と第2の送風機とを備え、夫々別々に稼動させることで、乾燥器に必要な乾燥空気の風量の確保と、ヒートポンプ装置の安定稼動とを可能にしている。また、前記空気流量センサ及び空気温度センサの検出値に基づいて、コントローラでヒートポンプ装置の運転又は第2の送風機の送風量を制御することで、乾燥器に必要な温度及び風量の乾燥空気の安定供給を可能している。さらに、乾燥空気供給路に大気開放口を設け、第1の送風機と第2の送風機との送風量の差を大気開放口の空気の出し入れで調整することで、乾燥器が要求する乾燥空気の温度及び風量の頻繁な変動に対応可能にすると共に、ヒートポンプ装置の省エネ安定運転を可能にすると共に、装置全体の安全性を高めることができる。
【0017】
なお、前記空気流量センサは、直接空気流量を検出せず、乾燥空気の圧力又は流速を検出し、それらの検出値から間接的に乾燥空気の流量を求める構成のものでもよい。また、本発明では、ヒートポンプ装置の冷媒として、CO,代替フロンを用いることができる。COを用いた場合、COは空気加熱器で凝縮せず、代替フロンを用いた場合、代替フロンは空気加熱器で凝縮する。
【0018】
本発明装置において、ヒートポンプ装置と大気開放口との間の乾燥空気供給路に、開度調整可能な空気流量調整ダンパーを設け、コントローラで空気温度センサの検出値が設定温度になるように空気流量調整ダンパーの開度を調整するようにするとよい。乾燥器に供給する乾燥空気の温度は、ヒートポンプ装置の運転や第2の送風機の送風量を制御することでも調整できるが、前記空気流量調整ダンパーを設けることで、乾燥空気の温度を応答性良くかつ広範囲で設定温度に調整できるようになる。そのため、乾燥空気の頻繁な温度変動の要求に対して早い対応が可能になる。
【0019】
本発明装置において、ヒートポンプ装置と大気開放口との間の乾燥空気供給路に、開度調整可能な大気開放ダンパーを設け、コントローラで大気開放ダンパーの開度を調整し、大気開放ダンパー上流側の乾燥空気供給路の空気圧力を調整するようにするとよい。これによって、頻繁な乾燥空気の要求風量の変動に対して早い対応が可能になる。
【0020】
本発明装置において、大気開放口の下流側乾燥空気供給路に補助空気加熱器を設けるとよい。これによって、頻繁な乾燥空気の要求温度の変動に対して早い対応が可能になる。そのため、本発明装置は、特に、乾燥空気の要求温度や要求風量が頻繁に変動するグラビア印刷機、ラミネート加工機、塗工機に付設される乾燥装置に用いるとよい。
【0021】
本発明の乾燥装置の改造方法は、被乾燥物を乾燥するための乾燥空間を備えた乾燥器と、一端に第1の空気取入口を有し、他端が乾燥器まで導設された第1の乾燥空気供給路と、該第1の乾燥空気供給路に設けられた第1の送風機及び第1の空気加熱器とを備えた乾燥装置の改造方法において、第1の乾燥空気供給路にヒートポンプ装置を併設し、一端に第2の空気取入口を有する第2の乾燥空気供給路をヒートポンプ装置の第2の空気加熱器に接続すると共に、他端を前記第1の空気取入口下流側の第1の乾燥空気供給路に接続する第1工程と、第2の乾燥空気供給路に、第2の空気取入口から空気を取り入れ、該空気を第2の空気加熱器を経由して第2の乾燥空気供給路に供給する第2の送風機を設ける第2工程と、第1の空気取入口の下流側で第1の送風機及び第1の空気加熱器の上流側の第1の乾燥空気供給路に、空気流量センサ及び空気温度センサを取り付ける第3工程と、ヒートポンプ装置の蒸発器に、該蒸発器で冷却される熱源水循環路を接続すると共に、該熱源水循環路を流れる熱源水を冷熱源とする冷却装置を設ける第4工程と、空気流量センサ及び空気温度センサの検出値に基づいて、ヒートポンプ装置の運転を制御すると共に、第2の送風機の送風量を制御するコントローラを設ける第5工程とからなるものである。
【0022】
本発明の改造方法によって、電熱ヒータや蒸気加熱を加熱源とし、あるいは燃料燃焼式熱風発生器を加熱源とした既存の乾燥装置から、熱効率が良いヒートポンプ装置を用いた乾燥装置に改造できる。しかも、既存の機器を大幅改造することなく、ほぼそのまま利用でき、ヒートポンプ装置等の新設機器を既存機器に追設するだけでよいので、改造工程を短期間かつ低コストで終了できる。
【0023】
また、第4工程で、熱源水循環路及び該熱源水循環路を流れる熱源水を冷熱源とする冷却装置を設けることで、ヒートポンプ装置のフル稼働及び安定稼働を可能とし、外気から取り込んだ乾燥用空気を乾燥に必要な高温空気に加熱できる。また、第1の空気取入口から外気を取り込んだ場合でも、乾燥用空気を余裕をもって乾燥に必要な高温に保持できる。さらに、冷却装置を乾燥器側設備に必要な空調装置や生産ラインの冷却装置として用いることができる。
【0024】
本発明の改造方法において、ヒートポンプ装置下流側の第2の乾燥空気供給路に、コントローラで空気温度センサの検出値が設定温度になるように開度調整される空気流量調整ダンパーを設ける第6工程をさらに付加するとよい。これによって、乾燥空気の温度を応答性良くかつ広範囲で設定温度に調整できるようになる。そのため、頻繁な乾燥空気の要求温度の変動に対して早い対応が可能になる。
【0025】
本発明の改造方法において、ヒートポンプ装置下流側の第2の乾燥空気供給路に、コントローラで開度調整され、下流側の第2の乾燥空気供給路の空気圧力を調整する大気開放ダンパーを設ける第7工程をさらに付加するとよい。これによって、頻繁な乾燥空気の要求風量の変動に対して早い対応が可能になる。
【0026】
本発明の改造方法によって改造された乾燥装置は、既存の乾燥装置を構成する機器を大幅改造することなく、既存の機器をそのまま利用して製作できるので、改造費が低コストで済む。また、前記本発明の乾燥装置で得られる前述の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の乾燥装置によれば、ヒートポンプ装置を用いて、熱効率を高め、ヒートポンプ装置の水熱源蒸発器に、蒸発器で冷却された熱源水を冷熱源とする冷却装置を設けたことで、ヒートポンプ装置のフル稼働及び安定稼働を可能にする。これによって、大気開放口から外気を取り込んた場合でも、被乾燥物の乾燥に必要な乾燥用空気の温度及び風量を余裕をもって確保でき、かつ冷却装置を乾燥器側設備に必要な空調装置や生産ラインの冷却装置として用いることができる。
【0028】
また、第1の送風機によって乾燥器に必要な乾燥空気の風量の確保し、第2の送風機によってヒートポンプ装置の安定稼動を可能にしている。また、空気流量センサ、空気温度センサ及びこれらの検出値に基づいて、コントローラでヒートポンプ装置の運転を制御すると共に、第2の送風機の送風量を制御することで、乾燥器に必要な温度及び風量の乾燥空気を供給可能している。さらに、乾燥空気供給路に設けられた大気開放口で、第1の送風機と第2の送風機との送風量の差を調整しているので、乾燥器が要求する乾燥空気の温度及び風量の頻繁な変動に対して、早い対応が可能であり、かつ装置全体の安全性を高めることができる。
【0029】
こうして、乾燥器の季節や製品に応じた運転条件の変動、又は乾燥器の頻繁な発停が行なわれるグラビア印刷機、ラミネート加工機、塗工機等の乾燥装置に適用されても早い対応が可能であり、かつ安定運転が可能である。
【0030】
また、本発明の改造方法によれば、既存の設備の大幅な改造を要せず、既設の機器をそのまま利用できるので、熱効率が良いヒートポンプ装置を用いた乾燥装置への改造が短期間かつ低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明装置の一実施形態に係る乾燥装置の全体構成図である。
【図2】前記乾燥装置の運転手順を示すフローチャートである。
【図3】前記乾燥装置の運転方法を示すフローチャートである。
【図4】前記乾燥装置の乾燥空気温度調整時の運転方法を示す線図である。
【図5】前記乾燥装置の乾燥空気圧力調整時の運転方法を示す線図である。
【図6】従来の乾燥装置の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0033】
(実施形態1)
本発明装置の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本実施形態の乾燥装置10の全体構成を示す。図1において、乾燥器12は、例えば、ラミネート加工機の乾燥器であり、直列配置された3個の乾燥室16a〜cを備え、乾燥室16a〜cは、ラミネートされるフィルムに接着剤が塗布された後、乾燥処理されるフィルムfが出入する出入口を備えている。第1の乾燥空気供給路14が分岐路14a〜cに分かれて、乾燥室16a〜cの内部に配設された多数のノズル18に接続されている。
【0034】
分岐路14a〜cには、蒸気又は電熱ヒータ等を熱源とする補助空気加熱器20a〜c及び給気ファン22a〜cが設けられている。乾燥室16a〜cには排気路24a〜cが設けられ、排気路24a〜cは主排気路24に接続されている。主排気路24には排気ファン26が設けられている。第1の乾燥空気供給路14の一端には大気開放口28が設けられている。また、大気開放口28の下流側には、乾燥空気中の夾雑物を除去するエアフィルタ29が設けられている。大気開放口28とエアフィルタ29間の第1の乾燥空気供給路14に、第2の乾燥空気供給路30が接続されている。第2の乾燥空気供給路30の他端は、エアフィルタ32を備えた空気取入口31が設けられている。
【0035】
空気取入口31の下流側には、送風ファン34及び送風ファン34の回転数を変更可能とするインバータ装置36が設けられている。送風ファン34の下流側には、ヒートポンプ装置40が設けられている。ヒートポンプ装置40は、冷媒循環路400に、圧縮機402、空気加熱器404、膨張弁406及び蒸発器408が介設され、COを冷媒とするヒートポンプサイクルを構成している。第2の乾燥空気供給路30は、空気加熱器404に接続されている。CO冷媒は、圧縮機402で高温高圧となり、大気取入口31から第2の乾燥空気供給路30に取り込まれた外気aは、空気加熱器404でCO冷媒と熱交換して加熱される。CO冷媒は膨張弁406で減圧され、蒸発器408に送られる。
【0036】
蒸発器408には、送水路42a及び返水路42bからなり、熱源水が循環する主循環路42が接続されている。送水路42aには熱源水の温度を検出する温度センサ44が装着されている。温度センサ44の下流側送水路42aに、第1分岐送水路46a及び第1分岐返水路46bからなる第1分岐循環路46と、第2分岐送水路50a及び第2分岐返水路50bからなる第2分岐循環路50とが接続されている。第1分岐循環路46は、例えば、空調機や冷凍機等の空調冷却装置48に接続され、第2分岐循環路50は、例えば、冷却塔や空冷チラー等の生産冷却装置52に接続されている。空調冷却装置48及び生産冷却装置52は、ラミネート加工機等の生産ラインに設けられている。
【0037】
返水路42bには、熱源水を矢印方向に循環させる熱源水ポンプ54が設けられ、熱源水ポンプ54の回転数を可変とし、熱源水の流量を可変とするインバータ装置56が設けられている。熱源水は、空調冷却装置48及び生産冷却装置52に冷却媒体として供給される。生産冷却装置52に、生産冷却装置52に供給された熱源水の温度を検出する温度センサ58が設けられ、返水路42bに熱源水の温度を検出する温度センサ60が設けられている。第2分岐送水路50aには、熱源水を生産冷却装置52又はバイパス路62に切替え供給可能な三方弁64が設けられている。温度センサ58及び60の検出値がコントローラ66に入力され、コントローラ66は、これらの検出値を設定温度にするため、三方弁64の動作を制御する。
【0038】
ヒートポンプ装置40の下流側で、第2の乾燥空気供給路30には、乾燥空気の圧力を検出する圧力センサ68が設けられている。圧力センサ68の下流側には大気開放口70と、大気開放口70の開閉及び開度調整を行なう大気開放ダンパー72が設けられている。大気開放口70の下流側には、第2の乾燥空気供給路30の流量を調整して乾燥空気の温度を調整する温度調整ダンパー74が設けられている。
【0039】
第1の乾燥空気供給路14には、大気開放口28の近傍に温度センサ76が設けられている。また、エアフィルタ29の下流側に、乾燥空気の流量を検出する風量センサ78及び乾燥空気の温度を検出する温度センサ80が設けられている。風量センサ78は、例えばピトー管を用い、乾燥空気の流速を検出している。あるいは、例えば、乾燥空気の圧力を検出するセンサを設け、その検出値から乾燥空気の流量を演算する構成のものでもよい。
【0040】
かかる構成において、送風ファン34により空気取入口31から外気aを取り込み、エアフィルタ32で夾雑物を除去し清浄空気とする。ヒートポンプ装置40の空気加熱器404で清浄空気を加熱する。加熱された乾燥空気は、必要に応じて補助空気加熱器20a〜cで再加熱され、給気ファン22a〜cによって乾燥室16a〜cに供給される。ラミネート加工されたフィルムfは、乾燥室16a〜cで乾燥空気によって乾燥処理される。
【0041】
蒸発器408で冷却され、送水路42aに送られた熱源水の温度を温度センサ44で検出し、この検出値がコントローラ82に入力される。熱源水が空調冷却装置48及び生産冷却装置52で設定温度(例えば、空調冷却装置48で7℃、生産冷却装置52で25℃)になるように、コントローラ82でインバータ装置56を制御し、主循環路42を流れる熱源水の流量を調整する。この時、蒸発器408における熱回収効率の低下を防ぐため、熱源水の流量は必要最低流量以上に保持される。
【0042】
蒸発器408の必要回収熱量に対し、空調冷却装置48から供給できる熱量が少ない場合、不足熱量を生産冷却装置52で補うようにする。冷却におけるエネルギー消費量は、空調冷却装置48のほうが大きい。よって、ヒートポンプ装置40からの熱源水送水は、優先的に空調冷却装置48へ供給し、空調冷却装置48の停止により、より多くの省エネルギー量を得ることが可能である。
【0043】
夏期などで空調冷却装置48の冷却負荷が十分大きいとき、空調冷却装置48から出る熱源水は適正な温度(例えば12℃)となり、ヒートポンプ装置40が熱効率の良い運転状態となる。しかし、中間期や冬期などで空調冷却装置48の冷却負荷が不足するとき、空調冷却装置48から出る熱源水は不適正な温度(12℃未満〜7℃)となる。そのため、ヒートポンプ装置40の運転が困難になるか、あるいは熱源水の熱量不足から、熱源水の流量を増加させる必要が生じ、消費電力量が増加する。これらの不具合いをなくすため、生産冷却装置52から熱源水に熱量を供給するようにしている。
【0044】
生産冷却装置52に供給された熱源水の温度を温度センサ58で検出し、設定温度(例えば25℃)となるように、コントローラ66で三方弁64を制御し、熱源水を生産冷却装置52又はバイパス路62に切替え供給する。また、温度センサ60で返水路42bの熱源水温度を検出し、送水路42aと返水路42bを流れる熱源水の温度差が適正温度(例えば5℃)となるように、三方弁64を制御する。
【0045】
これらの制御により、送水路42a及び返水路42bを流れる熱源水の温度を、ヒートポンプ装置40の省エネ運転に最適な温度に制御でき、これによって、季節や乾燥器12の運転条件の変化に対応して、ヒートポンプ装置40の省エネ運転を可能にする。
【0046】
送風ファン34で外気aが空気取入口31から取り込まれ、エアフィルタ32を経て清浄空気となる。この清浄空気は空気加熱器404でCO冷媒によって加熱される。加熱された乾燥空気は、第2の乾燥空気供給路30から第1の乾燥空気供給路14及び分岐路14a〜cを経て、乾燥器12の乾燥室16a〜cに供給される。各乾燥室16a〜cに必要な乾燥空気量は給気ファン22a〜cの稼動によって設定される。給気ファン22a〜cは、ラミネート加工機のオペレータにより手動発停される。第2の乾燥空気供給路30の送風量と給気ファン22a〜cの送風量の合計との差は、大気開放口28の外気の出し入れによって調整される。
【0047】
乾燥装置10の運転手順を図2により説明する。まず、ラミネート加工機等の生産機及び乾燥装置10が運転を開始する(S10)。生産機が運転中であり(S12)、かつ乾燥装置10も運転中のときであって(S14)、(乾燥器12の必要乾燥空気量)>(ヒートポンプ装置40で加熱後の乾燥空気量)のとき(S16)、給気ファン22a〜cの送風量と、送風ファン34の送風量との差分の空気量を大気開放口28から吸い込む(S18)。(乾燥器12の必要乾燥空気量)<(ヒートポンプ装置40で加熱後の乾燥空気量)のとき(S16)、大気開放口28から差分の空気量を吹き出す(S20)。生産機が運転中であり(S12)、かつ乾燥装置10が停止又は故障しているとき(S14)、大気開放口28から乾燥空気を吸い込む(S22)。
【0048】
乾燥空気が第1の乾燥空気供給路14に流入するとき、エアフィルタ29で夾雑物が除去される。エアフィルタ29を通過した乾燥空気の温度が不足しているとき、補助空気加熱器20a〜cで温度不足分を加熱する。乾燥空気は給気ファン22a〜cによってノズル18から吹き出し、フィルムfを乾燥させる。乾燥処理後の乾燥空気は、乾燥処理によって生じた有機溶剤等と共に、排気ファン26によって、排気路24a〜c及び主排気路24から外部に排出される。排気ガスは脱臭装置(図示省略)で処理した後、大気に放出される。なお、補助空気加熱器20a〜cは、分岐路14a〜c毎に設けられているが、代わりに、1個の補助空気加熱器又は1個の熱風発生器を第1の乾燥空気供給路14に設けるようにしてもよい。
【0049】
風量センサ78の検出値によって、コントローラ82で給気ファン22a〜cが稼動状態であることを判定し、送風ファン34及びヒートポンプ装置40の運転を開始する。また、風量センサ78の検出値から、コントローラ82で給気ファン22a〜cが停止していると判定したとき、送風ファン34及びヒートポンプ装置40を停止させる。また、圧力センサ68の検出値に応じて、コントローラ82でインバータ装置36を制御し、送風ファン34の送風量を制御する。
【0050】
給気ファン22a〜cの停止を判定する別の判定手段として、温度センサ76の検出値から判定するようにしてもよい。給気ファン22a〜cが停止するか、あるいは給気ファン22a〜cの送風量より送風ファン34の送風量が多いとき、加熱された乾燥空気が大気開放口28から流出する。温度センサ76の検出値により、加熱された乾燥空気の流出の有無を判定できる。
【0051】
乾燥空気の温度制御及び圧力制御の方法を図3により説明する。大気開放口28の下流側乾燥空気の温度制御は、温度調整ダンパー74の開度制御によって行なう。ヒートポンプ装置40の下流側乾燥空気の圧力制御は、高い圧力設定で送風ファン34の風量制御によって圧力制御を行なう。また、高い圧力設定で大気開放ダンパー72の開度制御によって圧力制御を行なう。この操作を図で示したのが図5である。
【0052】
例えば、温度センサ80で検出する乾燥空気の温度が、乾燥器12で必要とする温度より高いとき、コントローラ82で温度調整ダンパー74を作動させ、第2の乾燥空気供給路30の乾燥空気の流量を低減する。これによって、大気開放口28から不足分の空気が吸入されるので、乾燥空気の温度が低下し、設定温度となる。このとき、ヒートポンプ装置下流側乾燥空気の圧力が増加するが、このときの圧力制御方法を図5に示す。圧力センサ78で乾燥空気圧を検出し、乾燥空気圧を一定に保持するために、コントローラ82でインバータ装置36を制御し、送風ファン34の送風量を制御する。送風ファン34の風量増減は、ヒートポンプ装置40による乾燥空気の温度制御が追従できるように、インバータ装置36に加減速時間を設ける。
【0053】
急激な圧力変動が起こったときなど、送風ファン34の風量増減による乾燥空気の圧力制御が追従できないとき、コントローラ82で大気開放ダンパー72を制御して、大気開放口70の開度を制御し、乾燥空気圧を一定に保持する。図4は、大気開放口28の下流側乾燥空気の温度と温度調整ダンパー74の開度との関係を示す。乾燥空気の温度が設定温度になるように温度調整ダンパー74の開度を制御する。乾燥空気の温度が設定温度より高いときは、温度調整ダンパー74の開度を絞って設定温度にする。
【0054】
本実施形態によれば、ヒートポンプ装置40を用いることで、蒸気や電熱ヒータを加熱源とする加熱器、又は燃料燃焼方式の熱風発生器等と比べて、熱効率を向上できる。また、給気ファン22a〜cによって乾燥器12に必要な乾燥空気の風量を確保でき、送風ファン34によって、ヒートポンプ装置40の安定稼動に必要な乾燥空気の風量を確保できる。
【0055】
また、ヒートポンプ装置40の冷媒としてCOを用いると共に、ヒートポンプ装置40の蒸発器408に、主循環路42を接続すると共に、蒸発器408で冷却された熱源水を冷熱源とする空調冷却装置48及び生産冷却装置52を設けたことで、蒸発器408の十分な熱回収を可能とし、そのため、ヒートポンプ装置40のフル稼働及び安定稼働を可能とする。これによって、外気aから取り込んだ乾燥用空気を乾燥に必要な高温空気に加熱できる。また、大気開放口28から外気を取り込んた場合でも、乾燥用空気を余裕をもって乾燥に必要な高温に保持できる。さらに、空調冷却装置48及び生産冷却装置52をラミネート加工機等の生産ラインで必要な空調装置や冷却装置として用いることができる。
【0056】
また、三方弁64、温度センサー58,60及びコントローラ66を設けたことで、送水路42aを流れる熱源水と、返水路42bを流れる熱源水との温度差を最も熱効率が高い温度差に制御できる。そのため、乾燥器12の季節や運転条件の変化に対応したヒートポンプ装置40の省エネ運転が可能になる。
【0057】
また、給気ファン22a〜cと送風ファン34との送風量の差を、大気開放口28で空気を出し入れすることで許容するようにしているので、乾燥器12の運転条件の変動や運転の停止時に、給気ファン22a〜cと送風ファン34との間の風量増減のタイムラグを吸収できると共に、ヒートポンプ装置40が故障した時でも、大気開放口28から乾燥器12に乾燥空気を供給できる。このように、ラミネート加工機等の乾燥器12が要求する乾燥空気の温度及び風量の頻繁な変動に対して、早い対応が可能になると共に、乾燥装置全体の安全性を高めることができる。
【0058】
また、風量センサ78によって給気ファン22a〜cと送風ファン34との送風量の差を検出し、この検出値に基づいて送風ファン34の風量を調整しているので、乾燥器12で必要とする乾燥空気の風量の頻繁な変動に対し、早い対応が可能である。また、温度センサ80で大気開放口28の下流側の乾燥空気の温度を検出し、この検出値が設定温度となるように、温度調整ダンパー74の開度制御を行なっているので、乾燥器12が必要とする乾燥空気の温度の頻繁な変動に対しも、早い対応で乾燥空気の温度を精度良く調整できる。
【0059】
また、大気開放口70と、大気開放口70の開度を調整可能な大気開放ダンパー72を設け、ヒートポンプ装置40で加熱した後の乾燥空気の圧力を送風ファン34の風量増減で制御すると共に、送風ファン34の風量増減で追従できない圧力変動に対しては、大気開放ダンパー72の開度制御で行なうので、乾燥器12で要求する乾燥空気の急激な圧力変動に対しも、早い対応が可能になる。
【0060】
また、給気ファン22a〜cに補助空気加熱器20a〜cを設けているので、乾燥器12の乾燥空気の温度条件の変更に対して、早い対応が可能となる。また、ヒートポンプ装置40の冷媒として、COを用いているので、乾燥空気をラミネート加工されたフィルムfの乾燥に必要な60〜80℃の温度に容易に加熱できる。
【0061】
本実施形態では、補助空気加熱器20a〜cを設けているが、本発明では、補助空気加熱器20a〜cは、必ずしも設けなくともよい。また、冷媒としてCOの代わりに、代替フロンを用いることができる。また、主排気路24にガス―水熱交換器を設け、熱源水によって排気eの保有熱を回収するようにしてもよい。また、井戸水、排気路に設けられた脱臭装置の排熱、コージェネレーション排熱、又は大気等から熱源水に熱回収させるようにしてもよい。
【0062】
(実施形態2)
次に、本発明の改造方法の一実施形態を図1及び図6を参照して説明する。本実施形態は、図6に示す従来の乾燥装置100を、図1に示す乾燥装置10に改造する例である。まず第1ステップとして、乾燥空気供給路104に隣接してヒートポンプ装置40を併設する。次に、一端にエアフィルタ32付き空気取入口31を備えた第2の乾燥空気供給路30を、ヒートポンプ装置40の空気加熱器404に接続すると共に、第2の乾燥空気供給路30の他端を空気取入口110とエアフィルタ112との間の第1の乾燥空気供給路104に接続する。
【0063】
次に、第2ステップとして、空気取入口31とヒートポンプ装置40との間の第2の乾燥空気供給路30に、送風ファン34を介設する。次に、第3ステップとして、エアフィルタ112と熱風発生器114との間の第1の乾燥空気供給路104に、風量センサ78及び温度センサ80を装着する。次に、第4ステップとして、蒸発器408に接続される熱源水の主循環路42、第1分岐循環路46、第2分岐循環路50、空調冷却装置48、生産冷却装置52、及び熱源水ポンプ54等の付帯設備で構成される熱源水の熱回収設備を設置する。
【0064】
次に、第5ステップとして、第2の乾燥空気供給路30に温度調整ダンパー74を設ける。次に、第6ステップとして、第2の乾燥空気供給路30に、大気開放口70、大気開放ダンパー72及び圧力センサ68を設ける。次に、第7ステップとして、乾燥装置10の各種センサの検出値が入力され、これら検出値に基づいて乾燥装置10の機器類を制御するコントローラ82を設ける。こうして、図1に示す乾燥装置10に改造できる。なお、空気取入口110は、図1の大気開放口28として使用される。
【0065】
本実施形態によれば、従来の乾燥装置100を構成する機器類をほとんど手を加えることなく、ほぼそのまま利用して、乾燥装置10に改造できる。そのため、既設の機器を有効利用できると共に、改造工程を短縮でき、かつ改造費が低コストで済む。また、給気ファン22a〜cの運転又は停止の判定手段として、給気ファン22a〜cの運転信号や給気ファン22a〜cに取り付けられたフロースイッチからの信号で判定する場合、新たな電気配線工事が必要になるが、前記実施形態のように、風量センサ78や温度センサ76の検出値により判定する方式では、新たな電気配線工事を必要としない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、ヒートポンプ装置を用いて熱効率が高く、かつ乾燥空気の温度や風量の頻繁な変動に対しても、安定した運転を可能とする乾燥装置を実現できる。
【符号の説明】
【0067】
10,100 乾燥装置
12,102 乾燥器
14 第1の乾燥空気供給路
14a〜c、104a〜c 分岐路
16a〜c、106a〜c 乾燥室
18,108 ノズル
20a〜c 補助空気加熱器
22a〜c 給気ファン(第1の送風機)
24 主排気路
24a〜c 排気路
26 排気ファン
28,70 大気開放口
29,32,112 エアフィルタ
30 第2の乾燥空気供給路
31,110 空気取入口
34 送風ファン(第2の送風機)
36,56 インバータ装置
40 ヒートポンプ装置
400 冷媒循環路
402 圧縮機
404 空気加熱器
406 膨張弁
408 蒸発器
42 主循環路
42a 送水路
42b 返水路
44,58,60,76,80 温度センサ
46 第1分岐循環路
46a 第1分岐送水路
46b 第1分岐返水路
48 空調冷却装置
50 第2分岐循環路
50a 第2分岐送水路
50b 第2分岐返水路
52 生産冷却装置
54 熱源水ポンプ
62 バイパス路
64 三方弁
66,82 コントローラ
68 圧力センサ
72 大気開放ダンパー
74 温度調整ダンパー(空気流量調整ダンパー)
78 風量センサ
104 乾燥空気供給路
114 熱風発生器
a 外気
e 排気
f フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物が出入りする乾燥室を備えた乾燥器と、該乾燥器に送られる乾燥空気を加熱するヒートポンプ装置とを備えた乾燥装置において、
一端に空気取入口を有し、前記ヒートポンプ装置の空気加熱器を経由して前記乾燥器まで導設され、該ヒートポンプ装置と乾燥器との間に大気開放口を有する乾燥空気供給路と、
前記ヒートポンプ装置の蒸発器に熱源水循環路が接続され、該蒸発器で冷却された熱源水を冷熱源とする冷却装置と、
前記大気開放口より下流側の乾燥空気供給路に設けられ、ヒートポンプ装置で加熱された乾燥空気を前記乾燥器に供給する第1の送風機と、
前記大気開放口より上流側の乾燥空気供給路に設けられ、前記空気取入口から空気を取り入れヒートポンプ装置の空気加熱器に供給する第2の送風機と、
前記大気開放口と第1の送風機との間の乾燥空気供給路に設けられた空気流量センサ及び空気温度センサと、
前記空気流量センサ及び前記空気温度センサの検出値に基づいて、ヒートポンプ装置の運転を制御すると共に、第2の送風機の送風量を制御するコントローラと、を備え、
第1の送風機と第2の送風機との送風量の差を前記大気開放口の空気の出し入れで調整するようにしたことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記ヒートポンプ装置と前記大気開放口との間の乾燥空気供給路に、開度調整可能な空気流量調整ダンパーを設け、前記コントローラで前記空気温度センサの検出値が設定温度になるように空気流量調整ダンパーの開度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記ヒートポンプ装置と前記大気開放口との間の乾燥空気供給路に、開度調整可能な大気開放ダンパーを設け、前記コントローラで前記大気開放ダンパーの開度を調整し、大気開放ダンパー上流側の乾燥空気供給路の空気圧力を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記大気開放口の下流側乾燥空気供給路に補助空気加熱器を設けたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項5】
グラビア印刷機、ラミネート加工機又は塗工機の乾燥装置として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の乾燥装置。
【請求項6】
被乾燥物を乾燥するための乾燥空間を備えた乾燥器と、一端に第1の空気取入口を有し、他端が前記乾燥器まで導設された第1の乾燥空気供給路と、該第1の乾燥空気供給路に設けられた第1の送風機及び第1の空気加熱器とを備えた乾燥装置の改造方法において、
前記第1の乾燥空気供給路にヒートポンプ装置を併設し、一端に第2の空気取入口を有する第2の乾燥空気供給路をヒートポンプ装置の第2の空気加熱器に接続すると共に、他端を前記第1の空気取入口大気開放口下流側の第1の乾燥空気供給路に接続する第1工程と、
前記第2の乾燥空気供給路に、前記第2の空気取入口から空気を取り入れ、該空気を前記第2の空気加熱器を経由して第2の乾燥空気供給路に供給する第2の送風機を設ける第2工程と、
前記第1の空気取入口の下流側で第1の送風機及び第1の空気加熱器の上流側の第1の乾燥空気供給路に、空気流量センサ及び空気温度センサを取り付ける第3工程と、
前記ヒートポンプ装置の蒸発器に、該蒸発器で冷却される熱源水循環路を接続すると共に、該熱源水循環路を流れる熱源水を冷熱源とする冷却装置を設ける第4工程と、
前記空気流量センサ及び前記空気温度センサの検出値に基づいて、ヒートポンプ装置の運転を制御すると共に、第2の送風機の送風量を制御するコントローラを設ける第5工程とからなることを特徴とする乾燥装置の改造方法。
【請求項7】
前記ヒートポンプ装置下流側の第2の乾燥空気供給路に、前記コントローラで前記空気温度センサの検出値が設定温度になるように開度調整される空気流量調整ダンパーを設ける第6工程を付加することを特徴とする請求項6に記載の乾燥装置の改造方法。
【請求項8】
前記ヒートポンプ装置下流側の第2の乾燥空気供給路に、前記コントローラで開度調整され、下流側の第2の乾燥空気供給路の空気圧力を調整する大気開放ダンパーを設ける第7工程を付加することを特徴とする請求項6又は7に記載の乾燥装置の改造方法。
【請求項9】
乾燥装置が請求項6〜8のいずれかの項に記載の乾燥装置の改造方法によって改造されたものであることを特徴とする乾燥装置の改造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−68363(P2013−68363A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207272(P2011−207272)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(593193468)日本電技株式会社 (5)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】