説明

乾癬を治療または予防するためのα2アドレナリン受容体作動薬の使用

対象の乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するための方法およびキットについて、記述する。この方法では、治療上有効な量のブリモニジンなどのα2アドレナリン受容体作動薬の対象への局所施用が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
乾癬は、肘、膝、頭皮、および体幹に主に生じる、限局性の離散的および集密的な赤味をおびた、銀色の鱗屑を伴った斑状丘疹の発生を特徴とする、一般的な慢性の再発性状態である。皮膚は、乾癬プラーク、即ち鱗状の紅斑で急速に成長し蓄積される。乾癬は、その重症度が、少量の局在化した斑から、身体を完全に覆う状態まで様々である。この疾患の一般的な形には、例えば、尋常性乾癬、滴状乾癬、間擦疹型乾癬、乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬、および局在性膿疱性乾癬が含まれる。乾癬の原因はわかっていないが、先天的なものと考えられる。乾癬は、ストレス、全身性コルチコステロイドの中止、過剰なアルコール消費、および喫煙など、多くの要因によって悪化する可能性がある。
【背景技術】
【0002】
乾癬は、治療が困難である。乾癬に関して現在利用可能な治療は、多くの患者にとってその有効性が限られており、一般に、限られた期間でしか使用することができない。例えば、コールタール、ジスラノール(アントラリン)、デソキシメタゾンなどのコルチコステロイド(Topicort)、フルオシノニド、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール)、レチノイド、アルガンオイルなどでの局所治療は、しばしば正常な皮膚を刺激し、長期間使用することができず、治療をやめたときにその状態の侵襲的再発を引き起こす可能性がある。日光または紫外線B(UVB)(315〜280nm)に、毎日短時間、火傷をしない状態で露光するような光線療法は、全てではないが一部の患者で乾癬を除去しまたは改善するのを助けた。光化学療法、即ち、ソラレンおよび紫外線A光線療法の併用療法(PUVA)も、乾癬を治療するのに使用されてきた。しかし、PUVAは、悪心、頭痛、疲労、火傷、掻痒を伴う。長期PUVA治療は、扁平上皮癌を伴う。乾癬は、全身治療によって、例えばメトトレキセート、シクロスポリン、およびレチノイドなどの薬剤の注射または経口投与によって治療することもできる。しかし、これらの薬剤は毒性的な副作用があることが知られており、したがってあまり頻繁に使用することができない。全身治療を受ける患者は、定期的な血液検査および肝機能検査をする必要があり、これらの治療の大半では妊娠を避けなければならない。ほとんどの人は、全身治療を中断した後に乾癬の再発を経験する。Amevive(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Humira(登録商標)、Remicade(登録商標)、およびRaptiva(登録商標)などの生物製剤は、乾癬をもたらす免疫機能の特定の態様に焦点を当てた、比較的新しい療法である。しかし、免疫機能に対する生物製剤の長期にわたる影響は、わかっていない。Raptiva(登録商標)については、2009年4月に米国市場からその製造業者が撤退した。この製剤は非常に高価であり、乾癬が重症であるごくわずかな患者にしか適さない。
【0003】
α2アドレノセプターの作動薬は、高血圧、鬱血性心不全、狭心症、痙縮、緑内障、下痢を含むいくつかの状態のために、およびオピエート禁断症状の抑制のために、治療的に使用されてきた(J.P.HeibleおよびR.R.Ruffolo Therapeutic Applications of Agents Interacting with α-Adrenoceptors、180〜206頁、Progress in Basic and Clinical Pharmacology Vol.8、P.LomaxおよびE.S.Vesell編、Karger、1991)。クロニジンなどのアドレノレセプター作動薬は、主に経口的に使用されてきたが、パッチ製剤が知られている。
【0004】
米国公開特許出願第20050276830号は、α2アドレナリン受容体作動薬と、炎症性皮膚障害を治療または予防するためのその使用とを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開特許出願第20050276830号
【特許文献2】米国特許第6,387,383号
【特許文献3】米国特許第6,517,847号
【特許文献4】米国特許第6,468,989号
【特許文献5】米国特許第5,424,078号
【特許文献6】米国特許第5,736,165号
【特許文献7】米国特許第6,194,415号
【特許文献8】米国特許第6,248,741号
【特許文献9】米国特許第6,465,464号
【特許文献10】米国特許第3,278,447号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.P.HeibleおよびR.R.Ruffolo Therapeutic Applications of Agents Interacting with α-Adrenoceptors、180〜206頁、Progress in Basic and Clinical Pharmacology Vol.8、P.LomaxおよびE.S.Vesell編、Karger、1991
【非特許文献2】BERGEら、66 J.PHARM.SCI.1〜19(1977)
【非特許文献3】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1577〜1591、1672〜1673、866〜885(Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)
【非特許文献4】Ghosh,T.K.;ら TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS (1997)
【非特許文献5】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 282〜291 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)
【非特許文献6】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1517〜1518 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)
【非特許文献7】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1585〜1591 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)
【非特許文献8】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1563〜1576 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
乾癬および関連する症状を治療または予防するための、新規な、有効で安全な方法および組成物が依然求められている。そのような方法および組成物について、本出願で記述する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
α2アドレナリン受容体作動薬は、副作用が全くまたはほとんどなく、乾癬を治療または予防するのに有効であることがついに発見された。
【0009】
ある一般的な態様では、本発明の実施形態は、対象の乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防する方法に関する。この方法は、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬と、医薬品として許容される担体とを含む局所組成物を、対象の皮膚領域に局所投与するステップを含み、この皮膚領域は、乾癬またはそれに伴う症状に罹患しているまたは罹患し易いものである。
【0010】
別の一般的な態様では、本発明の実施形態は、乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するためのキットに関する。キットは、
(1)治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬と、医薬品として許容される担体とを含む、局所投与可能な組成物と;
(2)局所投与可能な組成物を、乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するために、乾癬またはそれに伴う症状に罹患しているまたは罹患し易い対象の皮膚領域に局所投与するための取扱説明書と
を含む。
【0011】
好ましい実施形態では、本発明の実施形態で使用されるα2アドレナリン受容体作動薬は、ブリモニジンである。
【0012】
本発明のその他の態様、特徴、および利点は、本発明の詳細な説明およびその好ましい実施形態と添付される特許請求の範囲とを含む以下の開示から明らかにされよう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な刊行物、論文、および特許が、背景技術および本明細書の全体を通して引用されかつ記述されており;これらの参考文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれている文書、動作、材料、デバイス、または物品に関する考察は、本発明に文脈を提供するためのものである。そのような考察は、これらの事項のいずれかまたは全てが、開示されまたは特許請求の範囲に記載される任意の本発明に関して従来技術の一部を形成することを認めるものではない。
【0014】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が関係する当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。そうでない場合には、本明細書で使用されるある用語は、本明細書に記載されるような意味を有する。本明細書に引用される全ての特許、公開特許出願、および刊行物は、本明細書に完全に記載されたかのように、参照により組み込まれる。本明細書および添付される特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明示しない限り、複数形を含むことに留意されるべきである。
【0015】
本明細書で使用される「乾癬またはそれに伴う症状」は、任意のタイプまたは種類の乾癬およびそれに伴うあらゆる症状を包含するものとする。例えば、「乾癬またはそれに伴う症状」という用語は、斑性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬(小さな、液滴状の斑点)、および間擦疹型乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎、および紅皮症性乾癬、およびこれらに伴う症状を含む。この用語は、非膿疱性乾癬、例えば尋常性乾癬(慢性定常性乾癬、斑様乾癬)、乾癬性紅皮症(紅皮症性乾癬)と膿疱性乾癬、例えば全身性膿疱性乾癬(von Zumbusch型膿疱性乾癬)(液体が満たされた、黄色がかった小さな水疱)、掌しょ膿疱症状(掌および足の裏に主に罹患する。)、Barber型膿疱性乾癬、四肢の膿疱性乾癬)、環状膿疱性乾癬、連続性肢端皮膚炎、および疱疹状膿痂疹、およびそれらに伴う症状も含む。この用語は、薬物誘導性乾癬、逆乾癬(脇の下、臍、および臀部の襞など)、おむつ部乾癬、および脂漏性乾癬と、これらに伴う症状も包含する。
【0016】
乾癬の重症度は、様々であってもよい。重症度は、一般に、罹患した体表面積の割合、疾患の活動性(プラークの赤みの程度、厚さ、および落屑)、前の療法に対する応答、および疾患が人に及ぼす影響に基づく。「乾癬またはそれに伴う症状」という用語は、軽度(体面積の3%未満が罹患。)、中程度(体面積の3〜10%が罹患。)、または重度(体面積の10%超が罹患。)の乾癬およびその症状を包含する。
【0017】
乾癬は、典型的には、肥厚し、隆起し、乾燥した皮膚の、赤またはピンクの領域のように見える。乾癬は、伝統的には、肘、膝、および頭皮の領域が罹患する。本質的に、任意の身体領域を含めてもよい。乾癬は、外傷、反復的な摩擦、使用、擦過の領域でより一般的になる傾向がある。乾癬は、多くの異なる外観を有する。乾癬は、小さな偏平状の瘤、隆起した皮膚の大きな厚みのあるプラーク、赤い斑、およびピンク色のやや乾燥した皮膚から、剥げ落ちる乾燥皮膚の大きな薄片である可能性もある。場合によっては、皮膚のこれら小さな乾燥した白色薄片の1つを引っ張ることによって、皮膚上に極めて小さな血斑が生じる。これは、アウスピッツ徴候と呼ばれる乾癬の特殊な診断徴候であると医学的に見なされる。
【0018】
生殖器病変、特に陰茎頭部の病変が一般的である。臍や、臀部間の領域(殿間ひだ状部)のような、湿った領域での乾癬は、平らな赤い斑のように見える可能性がある。これらの非定型的外観は、真菌感染症、イースト感染症、皮膚炎、または細菌性ブドウ球菌感染症などのその他の皮膚状態と混同される可能性がある。
【0019】
爪の場合、乾癬は、非常に小さな穴(爪上のピンポイント陥凹部または白色斑点)、または、「オイルスポット」と呼ばれる爪床のより大きな黄色がかった褐色の分離のように見える可能性がある。爪の乾癬は、真菌性爪感染症と混同されかつ間違って診断される可能性がある。
【0020】
頭皮の場合、乾癬は、乾燥した薄片を伴う重度のふけ、および皮膚の赤色領域のように見える可能性がある。
【0021】
本発明の開示を考慮すれば、乾癬に罹患しているまたは罹患し易い皮膚領域は、任意の診断徴候または当技術分野で公知の手段を使用して確認することができ、本発明の実施形態による方法によって治療することができる。
【0022】
本明細書で使用される「α2アドレナリン受容体作動薬」または「α2アドレノセプターの作動薬」は、αアドレナリン受容体サブクラスα2に結合しかつ選択的に刺激を与える化合物を意味する。そのような化合物は、哺乳類、特にヒトの体内に導入されたとき、強力な血管収縮作用を発揮することができる。
【0023】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和した1価の非分枝状または分枝状炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例には、(C1〜C3)アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルと、(C4〜C8)アルキル基、例えば2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルなどが含まれるが、これらに限定するものではない。アルキル基は、置換されていなくてもよく、または1個もしくは複数の適切な置換基で置換することができる。
【0024】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、アルキルの酸素エーテル残基を意味する。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、およびn-ヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定するものではない。アルコキシ基は、置換されていなくてもよく、または1個もしくは複数の適切な置換基で置換されていてもよい。
【0025】
特定の基が「置換され」ている場合(例えば、アルキル、アルコキシ)、この基は、置換基のリストから独立して選択される1個または複数置換基、好ましくは1から5個の置換基、より好ましくは1から3個の置換基、最も好ましくは1から2個の置換基を有することができる。
【0026】
置換基に関し、「独立して」という用語は、そのような置換基の複数が可能である場合、そのような置換基は同じでもよくまたは互いに異なっていてもよいことを意味する。
【0027】
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。それに応じて、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
【0028】
本明細書で使用される化合物の名称は、化合物の、全ての可能な既存の異性体(例えば、光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはラセミ混合物)、エステル、プロドラッグ、代謝産物、または医薬品として許容される塩を包含するものとする。例えば、「ブリモニジン」は、化合物(5-ブロモ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、およびこの化合物の任意の医薬品として許容される塩、例えば酒石酸ブリモニジンとすることができる。
【0029】
本明細書で使用される「医薬品として許容される塩」は、哺乳類での局所使用に安全で有効でありかつ所望の生物活性を保有する、問題となっている化合物の塩を意味する。医薬品として許容される塩には、指定された化合物中に存在する酸性または塩基性基の塩が含まれる。医薬品として許容される酸付加塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(即ち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))が含まれるが、これらに限定するものではない。本発明で使用されるある化合物は、様々なアミノ酸を有する医薬品として許容される塩を形成することができる。適切な塩基塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびジエタノールアミン塩が含まれるが、これらに限定するものではない。医薬品として許容される塩の概説に関しては、参照により本明細書に組み込まれるBERGEら、66 J.PHARM.SCI.1〜19(1977)を参照されたい。
【0030】
本明細書で使用される「水和物」という用語は、非共有分子間力によってそこに結合された化学量論的なまたは非化学量論的な量の水をさらに含む、問題となっている化合物または医薬品として許容されるその塩を意味する。
【0031】
本明細書で使用される「局所投与可能な組成物」、「局所組成物」、または「局所製剤」という用語は、本発明の実施形態による指定された化合物を局所送達するための、医薬品としてかつ/または化粧品として許容される任意の製剤または組成物を意味する。本発明の実施形態で局所投与するのに使用することができる、製剤の例示的な形には、スプレー、ミスト、エアロゾル、溶液、ローション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、軟膏剤、エマルジョン、および懸濁液が含まれるが、これらに限定するものではない。局所投与可能な組成物の選択は、治療または予防される症状の性質、投与される特定の化合物および存在する添加物の生理化学的特性、製剤中でのそれらの安定性、利用可能な製造設備、およびコスト制約条件を含めたいくつかの要因に左右されることになる。
【0032】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された成分を指定された量で含む生成物、ならびに指定された量の指定された成分の組合せから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0033】
本明細書で使用される「カルボマー」は、水に分散可能であるが不溶性の、様々なポリマー酸に対するUSPによる呼称である。酸分散液が塩基で中和されると、透明で安定なゲルが形成される。カルボマー934Pは、生理学的に不活性であり、主要な刺激物または感作物質ではない。その他のカルボマーには、910、940、941、および1342が含まれる。
【0034】
本明細書で使用される「対象」という用語は、本発明の実施形態による化合物または局所製剤が投与されることになるかまたは投与された、任意の動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用される「哺乳類」という用語は、任意の哺乳類を包含する。哺乳類の例には、限定するものではないがウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなどが含まれ、より好ましくはヒトである。好ましくは、対象は、乾癬およびそれに伴う症状の治療もしくは予防を必要とし、またはそのような治療もしくは予防の観察もしくは実験の目標物であった。
【0035】
本明細書で使用される、キットの文脈において使用される「取扱説明書」という用語は、その指定された用途に向けたキットの有用性を伝えるのに使用することができる、刊行物、記録、図、または任意のその他の説明媒体を含む。取扱説明書は、例えば、キット用の容器内に添着されまたは含めることができる。
【0036】
一実施形態では、「治療」または「治療する」は、疾患もしくは障害またはそれらの少なくとも1つの認識可能な症状の、改善、予防、または好転を指し、例えば、皮膚表面の赤みおよび/または鱗状斑を低減させることによる乾癬の治療である。別の実施形態では、「治療」または「治療する」は、哺乳類においてまたは哺乳類により必ずしも認識可能ではない、治療がなされている疾患または障害に関連した、少なくとも1つの測定可能な身体パラメーターの改善、予防、または好転を指す。さらに別の実施形態では、「治療」または「治療する」は、疾患または障害の進行を、物理的に阻害しまたは遅らせること、例えば認識可能な症状を安定化させること、生理学的に阻害しまたは遅らせること、例えば身体パラメーターを安定化させること、またはこれらの両方を指す。さらに別の実施形態では、「治療」または「治療する」は、疾患または障害の発症を遅延させることを指す。
【0037】
ある実施形態では、問題となっている化合物は、予防策として投与される。本明細書で使用される「予防」または「予防する」は、所与の疾患または障害が生じる危険性の低減を指す。実施形態の好ましい形態では、指定された化合物は、乾癬の症状が存在せずまたは最小限に抑えられているとしても、先天的疾患である乾癬の素因を有する対象に予防策として投与される。
【0038】
本明細書で使用される「治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬」は、治療がなされる疾患または障害の症状の緩和を含む、研究者、獣医、医師、またはその他の臨床家によって求められている組織系、動物、またはヒトでの生物学的または医学的応答を引き出す、α2アドレナリン受容体作動薬の量を意味する。好ましい実施形態では、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬は、乾癬もしくはそれに伴う症状を治療し、この治療を改善し、または乾癬もしくはそれに伴う症状を予防的に防ぐのに有効である。
【0039】
ある一般的な態様では、本発明は、対象の乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防する方法に関する。この方法は、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬と、医薬品として許容される担体とを含む組成物を、対象の皮膚領域に局所投与するステップであって、この皮膚領域が、治療または予防の下で乾癬またはそれに伴う症状に罹患しているまたは罹患し易いものであるステップを含む。
【0040】
本発明のある実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる公開米国特許出願第20050276830号に開示されたα2アドレナリン受容体作動薬を含むが、これに限定するものではない。
【0041】
本発明の一実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(I):
【0042】
【化1】

【0043】
(式中、R1、R2、およびR3のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシであり; R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシであり; R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素、ニトロ、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。)
の化合物である。
【0044】
好ましい実施形態では、R6およびR7は共に、式(I)において水素である。
【0045】
別の好ましい実施形態では、R4およびR5は共に、式(I)において水素である。
【0046】
本発明の一実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(Ia):
【0047】
【化2】

【0048】
(式中、R1、R2、およびR3のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシであり; R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシであり; R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素、ニトロ、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。)
の化合物である。
【0049】
好ましい実施形態では、R6およびR7は共に、式(Ia)において水素である。
【0050】
別の好ましい実施形態では、R4およびR5は共に、式(Ia)において水素である。
【0051】
さらに別の好ましい実施形態では、式(Ia)において、R2およびR3は共に水素であり、R1はハロであり、好ましくはブロモである。
【0052】
本発明の一実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(Ib):
【0053】
【化3】

【0054】
(式中、R1、R2、およびR3のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。)
の化合物である。
【0055】
好ましい実施形態では、式(Ib)において、R2およびR3は共に水素であり、R1はハロであり、好ましくはブロモである。
【0056】
本発明の一実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(Ic):
【0057】
【化4】

【0058】
(式中、R1は、水素、ハロゲン、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。)
の化合物である。
【0059】
好ましい実施形態では、式(Ic)において、R1はハロであり、より好ましくはブロモであり; R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。
【0060】
好ましい実施形態では、R4およびR5の少なくとも1つは、式(Ic)において水素である。
【0061】
本発明の一実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(Id):
【0062】
【化5】

【0063】
(式中、R1は、水素、ハロゲン、アルキル、好ましくは非置換アルキル、またはアルコキシ、好ましくは非置換アルコキシである。)
の化合物である。
【0064】
好ましい実施形態では、式(Id)において、R1はハロであり、より好ましくはブロモである。
【0065】
本発明の別の実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(II):
【0066】
【化6】

【0067】
(式中、A1、A3、およびA4のそれぞれは、独立して、水素またはアルキルであり; A2は独立して水素またはヒドロキシである。)
の化合物である。
【0068】
本発明の別の実施形態では、α2アドレナリン受容体作動薬は、式(III):
【0069】
【化7】

【0070】
(式中、B1、B2、およびB3のそれぞれは、独立して、水素、ヒドロキシ、またはアルコキシ、好ましくはメトキシであり; B4およびB5のそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである。)
の化合物である。
【0071】
本発明で使用することができる代表的なα2アドレナリン受容体作動薬には、Table 1(表1)に列挙されるものが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0072】
【表1A】

【0073】
【表1B】

【0074】
【表1C】

【0075】
最も好ましいα2アドレナリン受容体作動薬は、ブリモニジン、(5-ブロモ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、および医薬品として許容されるその塩、例えば酒石酸塩である。
【0076】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、医薬品として許容される担体および治療上有効な量のブリモニジンを含む組成物を、対象の皮膚に局所投与するステップを含む。
【0077】
当業者なら、本発明で使用されるα2アドレナリン受容体作動薬の治療上有効な量は、特定の対象、例えば年齢、食事、健康など、治療または予防がなされようとする乾癬の重症度および合併症およびタイプ、使用される製剤などの因子によって変えることができることが理解されよう。
【0078】
本発明の開示を考慮すれば、標準的な手順を行って、対象に対する局所組成物の投与の効果を評価することができ、したがって、当業者は、α2アドレナリン受容体作動薬の治療上有効な量を決定することが可能になる。例えば、局所投与されたα2アドレナリン受容体作動薬の臨床上観察可能な有益な作用は、例えば治療の前後に乾癬面積重症度指数(PASI)を測定することによって、対象から直接観察しまたはモニターすることができる。PASIは、病変の重症度の評価と罹患面積とを組み合わせて、範囲0(疾患なし)から72(最大疾患)の単一スコアにする。
【0079】
臨床上観察可能な有益な作用は、乾癬に関連した症状が観察できた後に本発明の組成物が対象に投与されたとき、症状がさらに発症しもしくは悪化することがなく、または本発明の実施形態による指定された組成物の投与がない場合よりも低い程度で発症する状況とすることができる。臨床上観察可能な有益な作用は、乾癬に関連した症状が観察可能になる前に本発明の組成物が対象に投与されたとき、症状が現れないような、または本発明の組成物が投与されない場合よりも低い程度で、後に現れる場合とすることもできる。
【0080】
一実施形態では、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬は、乾癬またはそれに伴う症状に関連した、対象の不快な症候群または状態を、少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低減させることになる。
【0081】
別の実施形態では、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬は、乾癬またはそれに伴う症状に関連した、対象の不快な症候群または状態を予防することになり、またはその発症の可能性を少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低減させることになる。
【0082】
投薬量および投与頻度は、使用される化合物の活性、特定の局所製剤の特徴、治療または予防される皮膚科障害の詳細および重症度に応じて、訓練を受けた医療専門家により決定されることになる。
【0083】
本発明のある実施形態では、局所投与可能な組成物は、α2アドレナリン受容体作動薬を0.01重量%から5重量%含む。例えば組成物は、α2アドレナリン受容体作動薬を、重量で0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、または5%含むことができる。
【0084】
好ましい実施形態では、局所投与可能な組成物は、α2アドレナリン受容体作動薬を0.05〜0.5重量%、0.07〜0.7重量%、または0.1〜0.6重量%含む。
【0085】
乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するために、本発明の開示を考慮すれば、本発明の局所投与可能な組成物は、当技術分野で公知の任意の従来の手法で、例えばドロッパーまたはアプリケータースティックによって、エアロゾルアプリケーターを介したミストとして、皮内または経皮パッチを介して、または罹患領域上に本発明の製剤を単に指で塗り拡げることによって、罹患領域に直接、局所的に施用することができる。一般に、罹患した皮膚領域に施用された本発明の局所製剤の量は、約0.1g/cm2皮膚表面積から約5g/cm2皮膚表面積、好ましくは0.2g/cm2から約0.5g/cm2皮膚表面積に及ぶ。典型的には、治療期間中、1日当たり1から4回の施用が推奨される。
【0086】
本発明の方法は、乾癬またはそれに伴う症状のために、1種または複数のその他の治療薬および薬剤と併せて使用することができる。
【0087】
その他の薬剤または治療薬は、活性成分または作用物質が一緒に働いて乾癬およびそれに伴う症状を治療または予防することができるように、α2アドレナリン受容体作動薬の投与と同時にまたは順次およびある時間間隔の範囲内で、対象に投与することができる。例えば、その他の薬剤または治療薬およびα2アドレナリン受容体作動薬は、同じまたは個別の製剤にして同時にまたは異なる時間で投与することができる。
【0088】
任意の適切な投与経路は、経口、口腔内、直腸、非経口、局所、皮膚上、経皮、皮下、筋肉内、鼻腔内、舌下、頬側、硬膜内、眼内、呼吸器内、または鼻孔吸入を含むがこれらに限定することなく、追加の治療薬または薬剤を送達するのに用いることができる。
【0089】
一実施形態では、本発明の実施形態によるα2アドレナリン受容体作動薬は、コールタール、ジスラノール(アントラリン)、デソキシメタゾンなどのコルチコステロイド(Topicort)、フルオシノニド、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール)、レチノイド、アルガンオイルなどと共に、局所治療薬と組み合わせて使用される。
【0090】
別の実施形態では、本発明の実施形態によるα2アドレナリン受容体作動薬は、日光にまたは紫外線B(UVB)(315〜280nm)で、毎日短時間、火傷をしない状態で露光するような光線療法と組み合わせて使用される。
【0091】
別の実施形態では、本発明の実施形態によるα2アドレナリン受容体作動薬は、光化学療法と組み合わせて使用され、即ち、ソラレンおよび紫外線A光線療法の併用療法(PUVA)である。
【0092】
さらに別の実施形態では、本発明の実施形態によるα2アドレナリン受容体作動薬は、全身治療と組み合わせて、例えばメトトレキセート、シクロスポリン、およびレチノイド(合成形態のビタミンA)などの薬剤の注射または経口投与と組み合わせて使用される。
【0093】
さらに別の実施形態では、本発明の実施形態によるα2アドレナリン受容体作動薬は、Amevive(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Humira(登録商標)、およびRemicade(登録商標)などの生物製剤と組み合わせて使用される。
【0094】
本発明の別の態様は、乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するためのキットに関する。キットは、
(1)治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬、および医薬品として許容される担体を含む局所投与可能な組成物と;
(2)乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するために、対象の皮膚領域に、局所投与可能な組成物を局所投与するための取扱説明書と
を含み、この皮膚領域は、治療または予防の下、乾癬またはそれに伴う症状に罹患しているまたは罹患し易いものである。
【0095】
本発明の一実施形態では、局所投与可能な組成物は、任意の医薬品として適切な材料で作製された、ドロッパー、ジャー、または細長い先端のチューブなどの適切に小さなオリフィスサイズを有するチューブなど、1つの適切な容器内に含有される。本発明の局所製剤は、プラスチックのスクイーズボトルまたはチューブに充填し包装することができる。本発明の局所製剤を包装するのに適切な容器-クロージャーシステムは、例えばWheaton Plastic Products、1101 Wheaton Avenue、Millville、N.J. 08332から市販されている。
【0096】
好ましくは、取扱説明書は、本発明の製剤と共に包装され、例えば、パンフレットまたはパッケージのラベルである。ラベリングの取扱説明書は、乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するのに十分な量および期間で、本発明の局所製剤をどのように投与するかを説明する。好ましくは、ラベルは、投薬量および投与に関する指示、局所製剤の組成、臨床薬理学、薬剤耐性、薬物動態、吸収、バイオアベイラビリティー、および禁忌を含む。
【0097】
本発明の実施形態で使用することができる、局所投与可能な組成物は、医薬品として許容される担体と、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬とを含む。本発明の実施形態による指定された化合物の局所送達に有用な担体は、多価アルコールまたは水などの医薬品として許容される溶媒;クリームまたはローションなどのエマルジョン(水中油または油中水のいずれかのエマルジョン);ミクロエマルジョン;ゲル;軟膏;リポソーム;粉末;および水性溶液または懸濁液を含むがこれらに限定することのない、医薬品を局所投与するための当技術分野で公知の任意の担体とすることができる。医薬品として許容される担体は、結合剤、懸濁剤、潤滑剤、香料、保存料、染料、およびコーティングを含むがこれらに限定されることのない、必要でありかつ不活性な医薬品添加物を含む。
【0098】
局所投与可能な組成物は、当技術分野で公知の方法、例えば共に参照により本明細書に組み込まれるREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1577〜1591、1672〜1673、866〜885(Alfonso R.Gennaro編 19版 1995); Ghosh,T.K.;ら TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS (1997)などの標準的な参考テキストにより提供される方法に従って、医薬品として許容される担体と、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬とを混合することによって調製される。
【0099】
一実施形態では、局所投与可能な組成物は、エマルジョンの形をとる。クリームおよびローションなどのエマルジョンは、本発明で使用するのに適切な局所製剤である。エマルジョンは、少なくとも2種の不混和相を含む分散系であり、1つの相が、その直径が0.1μmから100μmに及ぶ液滴として、その他の相に分散されている。乳化剤は、安定性を改善するために典型的には含まれる。水が分散相であり油が分散媒体である場合、このエマルジョンを油中水エマルジョンと呼ぶ。油が、液滴として水性層全体にわたって液滴として分散されている場合、このエマルジョンを水中油エマルジョンと呼ぶ。局所担体およびその調製物として使用することができるクリームおよびローションなどのエマルジョンは、参照により本明細書に組み込まれているREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 282〜291 (Alfonso R.Gennaroら 19版 1995)に開示されている。
【0100】
別の実施形態では、局所投与可能な組成物はゲルの形をとり、例えば2相ゲルまたは単相ゲルの形をとる。ゲルは、液体が浸入している小さな無機粒子または大きな有機分子の懸濁液からなる半固体系である。ゲルの塊が、小さな離散した無機粒子の網状構造を含む場合、このゲルは2相ゲルとして分類される。単層ゲルは、分散した高分子と液体との間に明らかな境界が存在しないように、液体全体に均一に分布された有機高分子からなる。本発明で使用するのに適切なゲルは、参照により本明細書に組み込まれるREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1517〜1518 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)に開示されている。本発明と共に使用されるその他の適切なゲルは、米国特許第6,387,383号(2002年5月14日発行);米国特許第6,517,847号(2003年2月11日発行);および米国特許第6,468,989号(2002年10月22日)に開示されており、これらの特許のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0101】
ある実施形態では、局所投与可能な組成物は、水と、水でゲル化する量のカルボマー、ポリアクリル酸グリセリン、およびこれらの混合物からなる群から選択される医薬品として許容されるゲル化剤とを含む水性ゲルを含み、この局所組成物は生理学的に許容されるpHを有する。
【0102】
本発明の実施形態による組成物中で使用されてもよいポリマー増粘剤(ゲル化剤)は、化粧品および医薬品産業で頻繁に使用される親水性および水性アルコール性ゲル化剤など、当業者に公知のものを含む。好ましくは、親水性または水性アルコール性ゲル化剤は、「CARBOPOL(登録商標)」(B.F.Goodrich、Cleveland、Ohio)、「HYPAN(登録商標)」(Kingston Technologies、Dayton、N.J.)、「NATROSOL(登録商標)」(Aqualon、Wilmington、Del.)、「KLUCEL(登録商標)」(Aqualon、Wilmington、Del.)、または「STABILEZE(登録商標)」(ISP Technologies、Wayne、N.J.)を含む。好ましくは、ゲル化剤は、組成物の約0.2重量%から約4重量%の間を構成する。より具体的には、「CARBOPOL(登録商標)」に関する好ましい組成重量パーセント範囲は約0.5%から約2%の間であり、一方、「NATROSOL(登録商標)」および「KLUCEL(登録商標)」に関する好ましい重量パーセント範囲は、約0.5%から約4%の間である。「HYPAN(登録商標)」および「STABILEZE(登録商標)」の両方に関する好ましい組成重量パーセント範囲は、0.5%から約4%の間である。
【0103】
「CARBOPOL(登録商標)」は、一般的に採用された名称のカルボマーが与えられる、数多くの架橋アクリル酸ポリマーの1種である。これらのポリマーは、水に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、またはその他のアミン塩基などの苛性材料で中和することにより、透明なまたはわずかに曇ったゲルを形成する。「KLUCEL(登録商標)」は、水中に分散されたセルロースポリマーであり、完全水和によって均一なゲルを形成する。その他の好ましいゲル化ポリマーは、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、MVE/MAデカジエンクロスポリマー、PVM/MAコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む。
【0104】
別の好ましい実施形態では、局所投与可能な組成物は、軟膏の形をとる。軟膏は、水を含有するとしても、ほとんど含有しない油性半固形分である。好ましくは、軟膏は、ワックス、ワセリン、またはゲル化した鉱油など、炭化水素をベースにする。本発明で使用される適切な軟膏は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれるREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1585〜1591 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)に開示されている。
【0105】
本発明の実施形態では、局所投与可能な組成物は、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、グリセリン、水、およびこれらの混合物からなる群から選択される作用物質を含むクリームおよび軟膏の少なくとも1種を含み、この局所組成物は、生理学的に許容されるpHを有する。
【0106】
別の実施形態では、局所投与可能な組成物は、水性溶液または懸濁液の形をとり、好ましくは水性溶液である。本発明で使用される適切な水性局所製剤には、参照により本明細書に組み込まれるREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1563〜1576 (Alfonso R.Gennaro編 19版 1995)に開示されたものが含まれる。その他の適切な水性局所担体系には、米国特許第5,424,078号(1995年6月13日発行);米国特許第5,736,165号(1998年4月7日発行);米国特許第6,194,415号(2001年2月27日発行);米国特許第6,248,741号(2001年6月19日発行);第6,465,464号(2002年10月15日発行)に開示されたものが含まれ、これら特許の全ては参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0107】
本発明の局所製剤のpHは、好ましくは生理学的に許容されるpHの範囲内にあり、例えば、約6から約8、より好ましくは約6.3から約6.5の範囲内にある。pHを安定化させるには、好ましくは有効量の緩衝剤が含まれる。一実施形態では、緩衝剤は、製剤の約0.05から約1重量パーセントの量で、水性局所製剤中に存在する。酸または塩基を使用して、必要に応じてpHを調節することができる。
【0108】
等張性調節剤を、本発明の実施形態で使用される水性局所製剤に含めることができる。適切な等張性調節剤の例には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、グリセリン、およびプロピレングリコールが含まれるが、これらに限定するものではない。等張剤の量は、製剤の所望の性質に応じて広く変えることができる。一実施形態では、等張性調節剤は、製剤の約0.5から約0.9重量パーセントの量で水性局所製剤中に存在する。
【0109】
好ましくは、水性局所製剤は、約15cpsから約25cpsの範囲の粘度を有する。本発明の水性溶液の粘度は、粘度調節剤、例えばポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、またはヒドロキシエチルセルロースであるがこれらに限定されない粘度調節剤を添加することによって、調節することができる。
【0110】
好ましい実施形態では、水性局所製剤は、塩化ベンザルコニウムまたは二酸化塩素などの保存料、ポリビニルアルコールなどの粘度調節剤、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸などの緩衝系を含む、等張性塩類溶液である。
【0111】
局所投与可能な組成物は、保護剤、吸着剤、粘滑剤、皮膚軟化剤、保存料、酸化防止剤、保湿剤、緩衝剤、可溶化剤、皮膚浸透剤、および界面活性剤を含むがこれらに限定することのない、参照により本明細書に組み込まれるREMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 866〜885(Alfonso R.Gennaro編 19版 1995; Ghosh,T.K;ら TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS (1997)に列挙されるものなどの医薬品として許容される添加物を含むことができる。
【0112】
適切な保護剤および吸着剤には、散布剤、ステアリン酸亜鉛、コロジオン、ジメチコン、シリコーン、炭酸亜鉛、アロエベラゲル、およびその他のアロエ産物、ビタミンE油、アラトイン、グリセリン、ワセリン、および酸化亜鉛が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0113】
適切な粘滑剤には、ベンゾイン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルアルコールが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0114】
適切な皮膚軟化剤には、動物および植物油脂、ミリスチルアルコール、ミョウバン、および酢酸アルミニウムが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0115】
本発明の実施形態では、局所投与可能な組成物は、保存料、局所麻酔薬、および皮膚保湿剤からなる群から選択される1種または複数の作用物質をさらに含む。
【0116】
適切な保存料には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化デクアリニウム、および塩化セチルピリジニウムなどの第4級アンモニウム化合物;硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、およびチメロサールなどの水銀剤;アルコール剤、例えばクロロブタノール、フェニルエチルアルコール、およびベンジルアルコール;抗細菌性エステル、例えばパラヒドロキシ安息香酸のエステル;クロルヘキシジン、クロロクレゾール、安息香酸、およびポリミキシンなどのその他の抗微生物剤が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0117】
二酸化塩素(C102)、好ましくは、安定化二酸化塩素は、本発明の局所製剤と共に使用するのに好ましい保存料である。「安定化二酸化塩素」という用語は、当産業でかつ当業者に周知である。安定化二酸化塩素は、1種もしくは複数の二酸化塩素含有複合体、および/または1種もしくは複数の亜塩素酸塩含有成分、および/または二酸化塩素を形成するために水性媒体中で分解することが可能なまたは分解している1種もしくは複数のその他の物体などの、1種または複数の二酸化塩素前駆体を含む。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,424,078号(1995年6月13日発行)は、ある形の安定化二酸化塩素とこれを生成するための方法とを開示し、これは水性の眼科用溶液の保存料として使用することができ、本発明の局所製剤に有用である。ある安定化二酸化塩素生成物の製造または生成は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,278,447号に記載されている。本発明の実施に際して利用することができる、市販されている安定化二酸化塩素は、Purogene(商標)またはPurite(商標)という商標で販売されている、BioCide International,Inc.、Norman、Okla所有の安定化二酸化塩素である。その他の適切な安定化二酸化塩素生成物には、Rio Linda Chemical Company,Inc.からDuraKlorという商標で販売されているもの、およびInternational Dioxide,Inc.からAntheium Dioxideという商標で販売されているものが含まれる。
【0118】
適切な酸化防止剤には、アスコルビン酸およびそのエステル、重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、およびEDTAやクエン酸などのキレート剤が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0119】
適切な保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、尿素、およびプロピレングリコールが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0120】
本発明と共に用いられる適切な緩衝剤には、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、およびホウ酸緩衝剤が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0121】
適切な可溶化剤には、第4級塩化アンモニウム、シクロデキストリン、安息香酸ベンジル、レシチン、およびポリソルベートが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0122】
適切な皮膚浸透剤には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクチルフェニルポリエチレングリコール、オレイン酸、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、N-デシルメチルスルホキシド、脂肪酸エスエル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸メチル、モノオレイン酸グリセロール、およびモノオレイン酸プロピレングリコール);およびN-メチルピロリドンが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0123】
好ましい実施形態では、本発明の実施形態による局所投与可能な組成物は、好ましくは製剤中のブリモニジンまたはその他の着色成分の色をマスクするのに十分な量で、しかし皮膚に刺激を与えることのない量で、二酸化チタン(TiO2)をさらに含む。Ti02は、眼に軽い刺激及び発赤を引き起こす可能性があり、したがって、TiO2を含有する局所投与可能な組成物との眼の接触は避けるべきである。
【0124】
本発明の実施形態による局所投与可能な組成物は、医薬品または医薬品として許容されるその塩、例えば、α2アドレナリン受容体作動薬および任意選択で1種または複数の、医薬品活性成分を含むことができ、限定するものではないが、コールタール、ジスラノール(アントラリン)、デソキシメタゾンのようなコルチコステロイド(Topicort)、フルオシノニド、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール)、レチノイド、アルガンオイル、ソラレン、メトトレキセート、シクロスポリン、レチノイドまたはその他の合成形態のビタミンA、Amevive(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Humira(登録商標)、およびRemicade(登録商標)が含まれる。
【0125】
本発明の実施形態による局所投与可能な組成物は、カンファー、メンソール、リドカイン、およびジブカイン、およびプラモキシンなどの局所麻酔薬および鎮痛薬;シクロピロックス、クロロキシレノール、トリアセチン、スルコナゾール、ニスタチン、ウンデシレン酸、トルナフテート、ミコニゾール、クロトリマゾール、オキシコナゾール、グリセオフルビン、エコナゾール、ケトコナゾール、およびアムフォテリシンBなどの抗真菌薬;ムピロシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ゲンタマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、および銀スルファジアジンなどの抗生剤および抗感染薬;ヨウ素、ポビドンヨウ素、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、クロルヘキシジン、ニトロフラジン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ヘキサクロロフェン、フェノール、レゾルシノール、および塩化セチルピリジニウムなどの防腐剤をさらに含むことができる。
【0126】
本発明は、下記の非限定的な実施例を参照することによってより良く理解され、しかし当業者なら、これら実施例は、その後に続く特許請求の範囲でより十分に記述される本発明の単なる例示であることを容易に理解するであろう。
【実施例】
【0127】
(実施例1:ゲル製剤)
例示的なゲル製剤は、当技術分野で公知の方法を使用して、例えば下記の成分を指定された濃度で混合することによって、調製される:
【0128】
【表2】

【0129】
(実施例2)
ヒト対象の乾癬を治療するための試験溶液としてAlphagan(登録商標)-P(0.15%酒石酸ブリモニジン)を使用して、発見のための実験を実施した。
【0130】
対象である52才の女性は、両肘、背中全体、および足の一部に重度の乾癬を示した。最初の30日間は、乾癬用薬剤による治療は全く行わず、石鹸および水だけに限定した皮膚の処置を行った。次いで、1mlのAlphagan(登録商標)-Pを1日2回、左肘の約3インチ×6インチの乾癬皮膚領域に施用することによって、Alphagan(登録商標)-P(0.15%酒石酸ブリモニジン)による10日間の治療レジメンを行った。この施用は、乾癬領域を完全に湿潤させ、次いで空気乾燥されるように、非吸収性綿棒で行った。対照として、対象の右肘に、石鹸および水による処置のみを続けて行った。全体で40日のプロトコールを2回繰り返した。
【0131】
Alphagan(登録商標)-Pで治療した乾癬領域で、2つの望ましい作用、(1)乾癬プラークの周りの発赤が劇的に低減し、かつ(2)掻痒感が完全になくなるという作用が観察されたが、プラークのサイズは、著しくは減少しなかった。処置を停止すると、発赤および掻痒感は元に戻った。結果は、反復試験で再現可能であった。
【0132】
この実験の結果は、乾癬に罹患した皮膚領域へのブリモニジンなどのα2アドレナリン受容体作動薬の局所施用が、乾癬の症状を改善するのに有効であることを実証し、例えば発赤の低減および掻痒感の排除がもたらされる。
【0133】
理論に拘泥するものではないが、ブリモニジンなどのα2アドレナリン受容体作動薬は、乾癬に罹患した皮膚領域の血流を低減させ、かつ罹患皮膚領域での急速な皮膚成長を遅くらせる可能性があり、それによって乾癬およびその症状の治療または予防がもたらされると考えられる。
【0134】
上述の実施形態に対し、その広範な本発明の概念から逸脱することなく変更を行うことができることが、当業者により理解されよう。したがって本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内の修正例を包含するものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防する薬剤を製造するための、治療上有効な量のα2アドレナリン受容体作動薬および医薬品として許容される担体の使用であって、薬剤が、乾癬またはそれに伴う症状に罹患しているまたは罹患し易い対象の皮膚領域への局所投与のためのものである使用。
【請求項2】
α2アドレナリン受容体作動薬が:
(1)式(I):
【化1】

(式中、R1、R2、およびR3のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、またはアルコキシであり; R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、またはアルコキシであり; R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素、ニトロ、アルキル、またはアルコキシである。)
の化合物と;
(2)式(II):
【化2】

(式中、A1、A3、およびA4のそれぞれは、独立して、水素またはアルキルであり; A2は独立して水素またはヒドロキシである。)
の化合物と;
(3)式(III):
【化3】

(式中、B1、B2、およびB3のそれぞれは、独立して、水素、ヒドロキシ、またはアルコキシであり; B4およびB5のそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである。)
の化合物と;
(4)式(IV):
【化4】

の化合物と;
(5)式(V):
【化5】

の化合物と
からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
α2アドレナリン受容体作動薬が、ブリモニジン、(8-ブロモ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、(8-ブロモ-キノキサリン-5-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、(5-ブロモ-3-メチル-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、(5-ブロモ-2-メトキシ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-(8-メチル-キノキサリン-6-イル)-アミン、(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-キノキサリン-5-イル-アミン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、フェニレフリン、およびメトキサミンからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
α2アドレナリン受容体作動薬がブリモニジンである、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
薬剤が、α2アドレナリン受容体作動薬を0.01重量%から5重量%含む、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
薬剤が、α2アドレナリン受容体作動薬を0.05〜0.5重量%、0.07〜0.7重量%、または0.1〜0.6重量%含む、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
薬剤が、約0.1g/cm2から約5g/cm2皮膚領域で、1日当たり1から4回の施用で皮膚領域に投与される、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
対象に、乾癬またはそれに伴う症状のための少なくとも1種の治療薬および薬剤がさらに投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
薬剤が二酸化チタンをさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
薬剤が、スプレー、ミスト、エアロゾル、溶液、ローション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、軟膏剤、エマルジョン、および懸濁液からなる群から選択される形態である、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
薬剤が、水と、水でゲル化する量のカルボマー、ポリアクリル酸グリセリン、およびこれらの混合物からなる群から選択される医薬品として許容されるゲル化剤とを含む、水性ゲルを含み、薬剤が、生理学的に許容されるpHを有する、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
薬剤が、クリームおよび軟膏の少なくとも1種を含み、それぞれが、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、グリセリン、水、およびこれらの混合物からなる群から選択される作用物質を含んでおり、薬剤は、生理学的に許容されるpHを有する、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
薬剤が、乾癬またはそれに伴う症状を治療または予防するための少なくとも1種の追加の医薬品活性成分をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
薬剤が、保存料、局所麻酔薬、および皮膚保湿剤をさらに含む、請求項1に記載の使用。

【公表番号】特表2013−511534(P2013−511534A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540047(P2012−540047)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/057184
【国際公開番号】WO2011/075267
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512130981)ガルデルマ・ラボラトリーズ・エルピー (1)
【Fターム(参考)】