Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
乾癬治療用テープ剤
説明

乾癬治療用テープ剤

【課題】関節などの可動部位への適用の際に、衣類との摩擦により、薬剤が擦れ落ちることがなく、また、患部を覆い隠すことができるため、被覆効果による外的刺激から保護できる、活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性に優れた乾癬治療用テープ剤を提供すること。
【解決手段】ゴム基剤としてポリイソブチレンを選択し、剥離材としてフッ素系剥離コーティングを施したものを使用することにより、有効成分である活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性に優れた乾癬治療用テープ剤に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性を良好にすることを目的とした乾癬治療用テープ剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、ゴム基剤としてポリイソブチレンを選択し、剥離材としてフッ素系剥離コーティングを施したものを使用することにより、有効成分である活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性に優れた、乾癬治療用テープ剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
活性型ビタミンDおよびその類縁物質は、乾癬の原因と考えられている表皮細胞の未分化および増殖亢進に対して正常化作用を示すことから乾癬の治療に使用されている。
当該薬物を含有した乾癬治療剤として、これまでに軟膏剤(ドボネックス軟膏50μg/g、オキサロール軟膏25μg/gなど)やクリーム剤(ボンアルファクリーム2μg/gなど)などの半固形製剤あるいは液剤(ボンアルファローション2μg/g、オキサロールローション25μg/gなど)が上市されている。
これらの製剤は、半固形製剤あるいは液剤であるため、塗布の際にべたつき感が残り、使用感が極めて悪いこと、関節などの可動部位への塗布の際に、衣類との摩擦により、薬剤が擦れ落ちてしまい、治療効果に影響を及ぼす場合があることなど、使用の際に多くの課題が存在する。
【0003】
新たに、活性型ビタミンDを含有する乾癬治療用の外用貼付剤を開発することは、適用の際、べたつかず、使用感が良好となること、衣類との摩擦で薬剤が擦れ落ちることがなくなることなど、従来の製剤では解決できなかった課題を解決でき、これまでよりも有用で簡便な乾癬治療の提供が可能となる。さらに、外用貼付剤による乾癬治療は、製剤で患部を覆い隠すことができるため、被覆効果による外的刺激からの保護作用やブラインド効果による患部外観を気にする患者の精神的苦痛の緩和作用も得られる。そのため、外用貼付剤の乾癬治療剤は、従来の乾癬治療剤を超える効果が付与された画期的な乾癬治療剤となる。中でもテープ剤は、他の外用貼付剤と比較して、厚みが薄く、伸縮性・柔軟性に富み、関節などの可動部位への貼付にも適した剤形であり、使用感も良好であることから、当該薬物を含有する乾癬治療用テープ剤の開発が望まれた。
しかしながら、活性型ビタミンDは、いずれも熱や光に対して不安定であり、酸化あるいは異性体化されやすい。このことは、活性型ビタミンDを含有するテープ剤においても同様である。そのため、テープ剤中での活性型ビタミンDの酸化および異性体化の抑制が重要な課題であった。
【0004】
テープ剤中において、酸化分解反応を抑制する技術としては、抗酸化剤を添加する技術が一般的に知られている。しかしながら、テープ剤中における活性型ビタミンDの異性体化に対する安定化技術は、これまで確立されていない。また、固形製剤中における活性型ビタミンDの酸化および異性体化に対する安定化技術としては、塩基性高分子および賦形剤により酸化および異性体化を同時に抑制する技術が公開(特許文献1)されているものの、この技術はテープ剤にそのまま応用できるものではない。そのため、活性型ビタミンDを含有したテープ剤の開発には、酸化の防止に加えて異性体化も防止し、活性型ビタミンDを安定な形でテープ剤中に含有させるための技術の開発が望まれた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−279260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の状況を鑑みてなされたもので、関節などの可動部位への適用の際に、衣類との摩擦により薬剤が擦れ落ちることがなく、また、患部を覆い隠すことができるため、被覆効果による外的刺激から保護できる、活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性に優れた乾癬治療用テープ剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム基剤としてポリイソブチレンを選択し、剥離材としてフッ素系剥離コーティングを施したものを使用することにより、有効成分である活性型ビタミンDまたはその類縁物質をテープ剤中に配合しても、成分安定性に優れた乾癬治療用テープ剤を得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)に示したものである。
(1)活性型ビタミンDまたはその類縁物質を有効成分とする乾癬治療用テープ剤であって、当該乾癬治療用テープ剤はゴム基剤としてポリイソブチレンを選択し、剥離材としてフッ素系剥離コーティングを施したものを使用し、粘着剤層に可塑剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤を含有することを特徴とする乾癬治療用テープ剤。
(2)前記可塑剤が、流動パラフィンであり、前記粘着付与樹脂が、脂環族系炭化水素樹脂であり、前記酸化防止剤が、EDTA・2Naおよびトコフェロール類の中から選ばれる少なくとも1種のものである上記(1)に記載の乾癬治療用テープ剤。
(3)活性型ビタミンDまたはその類縁物質が、カルシポトリオールである上記(1)または(2)に記載の乾癬治療用テープ剤。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように、本発明の乾癬治療用テープ剤は、有効成分である活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性を良好にすることができる乾癬治療用テープ剤を提供することにより、関節などの可動部位への塗布の際に、衣類との摩擦により薬剤が擦れ落ちることがなく、また、患部を覆い隠すことができるため、被覆効果による外的刺激から保護できる乾癬治療用テープ剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の乾癬治療用テープ剤を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の例示は、本発明を特に限定するものではない。
本発明の乾癬治療用テープ剤で使用するポリイソブチレンとしては、テトラックス3T、テトラックス4T、テトラックス5T、テトラックス6T、ハイモール4H、ハイモール5H、ハイモール5.5H、ハイモール6H(以上、JX日鉱日石エネルギー(株))、Oppanol B−10SFN、Oppanol B−11SFN、Oppanol B−12SFN、Oppanol B−13SFN、Oppanol B−15SFN、Oppanol B−30SF、Oppanol B−50SF、Oppanol B−80、Oppanol B−100、Oppanol B−150、Oppanol B−200(以上、BASFジャパン(株))などを挙げることができる。最終製剤において、テープ剤としての機能を十分に発揮することができる保形性および粘着性を保持することができる種類および添加量であれば、特に制限されることはない。また、二種以上のポリイソブチレンを組み合わせて使用しても良い。
【0010】
本発明の乾癬治療用テープ剤で使用する剥離材に施されるフッ素系剥離コーティングとしては、フッ素ポリマー、フルオロシリコンなどによるコーティングが例として挙げられる。フッ素系剥離コーティングされる剥離材の素材としては、フッ素系剥離コーティングが可能な限り特に限定はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンあるいは紙材などからなる単層フィルムあるいは積層フィルムなどが例として挙げられる。また、そのような剥離材の具体例としては、Scotchpak1020、Scotchpak1022、Scotchpak9741、Scotchpak9742、Scotchpak9744、Scotchpak9748(以上、スリーエムヘルスケア(株))、PET75FD(リンテック(株))、MediRelease2500(Mylan Technologies,Inc.)、SK1((株)フジコー)、SS1、SS4、SS5A2、SS5C2(以上、ニッパ(株))、SupraLiner9011、SupraLiner9015、SupraLiner9022、SupraLiner9030、SupraLiner9031(以上、サンゴバン(株))、PETセパレータYT−50FR、PETセパレータYT−75FR、PETセパレータYT−100FR(以上、YOUNGWOO Co.,Ltd.)などを挙げることができる。
【0011】
本発明の乾癬治療用テープ剤に配合する活性型ビタミンDまたはその類縁物質としては、カルシポトリオール、カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトールなどを挙げることができる。その中でも、カルシポトリオールが好ましい。
活性型ビタミンDまたはその類縁物質の配合量としては、製剤化が可能である限り、特に限定はないが、製剤総重量の0.001重量%〜0.1重量%の範囲であるのことが好ましい。活性型ビタミンDまたはその類縁物質の配合量が、製剤総重量の0.001重量%より少ないと、薬効作用が不十分となり、好ましくない。また、0.1重量%を越えると、利点がなく、経済的に不利であるため、好ましくない。
【0012】
本発明における乾癬治療用テープ剤の調製法について例示する。
活性型ビタミンDまたはその類縁物質を薬物溶解剤や可塑剤中に溶解あるいは分散させ、ポリイソブチレンおよび医学的あるいは薬学的に許容されるその他の添加剤と均一に混練または攪拌することで薬物組成物を得ることができる。
このように調製された活性型ビタミンDまたはその類縁物質を含有する組成物を適当な剥離材、例えばフッ素系剥離コーティングされたポリエチレンテレフタレート製フィルム上に展延し、次いでフィルムと相対する製剤の露出面に支持体、例えば、ポリエチレンテレフタレート製のメリヤスを貼着あるいは投錨して本発明のテープ剤とすることができる。
テープ剤中に含有した活性型ビタミンDの安定性に対し、ひどく影響を及ぼさなければ、ホットメルト法や溶媒法など、通常用いられる製造方法を特に限定なく用いることができる。
粘着付与樹脂を添加する場合、添加する粘着付与樹脂の種類および配合量は、テープ剤としての製剤化が可能な限り特に限定はないが、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂環族系炭化水素樹脂など、医学的あるいは薬学的に許容される粘着付与樹脂を使用することができる。
【0013】
ロジン系樹脂としては、エステルガムAAG、エステルガムAAL、エステルガムA、エステルガムAAV、エステルガム105、エステルガムAT、エステルガムH、エステルガムHP、ロジンエステルA、ロジンエステルAZ、重合ロジンエステルC、重合ロジンエステルD−125、重合ロジンエステルD−13、重合ロジンエステルD−160、重合ロジンエステルKK、特殊ロジンエステルL、特殊ロジンエステルA−18、特殊ロジンエステルA−75、特殊ロジンエステルA−100、特殊ロジンエステルA−115、特殊ロジンエステルA−125、ハイペールCH、KR−85、KR−612、KR−614、KE−100、KE−311、KE−359、KE−604、D−6011、KE−615−3、D−6250、KM−1500、R−50M(以上、荒川化学工業(株))などが例として挙げられる。
【0014】
テルペン系樹脂としては、YSレジン、YSレジンPX、PXN、YSポリスター、マイティエース、YSレジンTO、YSレジンTR、クリアロンP、クリアロンM、クリアロンK、ダイマロン、YSオイルDA(以上、ヤスハラケミカル(株))、タマノル803L、タマノル901(以上、荒川化学工業(株))などが例として挙げられる。
【0015】
脂環族系炭化水素樹脂としては、アルコンP−90、アルコンP−100、アルコンP−115、アルコンP−125、アルコンP−140、アルコンM−90、アルコンM−100、アルコンM−115、アルコンM135(以上、荒川化学工業(株))、クイントン1325、クイントン1345、クイントン1500、クイントン1525L、クイントン1700(以上、日本ゼオン(株))などが例として挙げられる。
【0016】
可塑剤を添加する場合、添加する可塑剤の種類および配合量は、テープ剤としての製剤化が可能な限り特に限定はないが、流動パラフィン、ポリブテンなど、医学的あるいは薬学的に許容される可塑剤を使用することができる。
流動パラフィンとしては、モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−55、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350、モレスコホワイトP−350P、モレスコバイオレスU−6、モレスコバイオレスU−7、モレスコバイオレスU−8(以上、(株)MORESCO)、ハイコールK−140N、ハイコールK−160、ハイコールK−230、ハイコールK−290、ハイコールK−350(以上、カネダ(株))コスモホワイトP60、コスモホワイトP70、コスモホワイトP120、コスモホワイトP200、コスモホワイトP260、コスモホワイトP350P(以上、コスモ石油(株))、流動パラフィン350(JX日鉱日石エネルギー(株))などが例として挙げられる。
【0017】
ポリブテンとしては、LV−7、LV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、HV−300、HV−1900、SV−7000(以上、JX日鉱日石エネルギー(株))、ニッサンポリブテン、パールリーム(以上、日油(株))、PB680、PB950、PB1300、PB1400、PB2000、PB2400(以上、大林産業(株))などが例として挙げられる。
【0018】
薬物溶解剤を添加する場合、添加する薬物溶解剤の種類は、アルコール類、高級脂肪酸類およびそのエステル類、動植物油、テルペン化合物などが挙げられるが、当該薬物の安定性に対し、ひどく影響を及ぼさなければ、医学的あるいは薬学的に許容される薬物溶解剤を使用することができる。
アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール類、プロピレングリコール、オクタンジオール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、D−ソルビトールなどの脂肪族多価アルコール類、ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族アルコール類などが例として挙げられる。
【0019】
高級脂肪酸類およびそのエステル類としてはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、乳酸ラウリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、モノカプリル酸グリセリン、モノイソオクタン酸エチレングリコールなどが例として挙げられる。
【0020】
動植物油およびテルペン化合物としてはアーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ハッカ油、ダイズ油、ゴマ油、シンク油、綿実油、トウモロコシ油、サフラワー油、ヤシ油、ユーカリ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、大豆レシチン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、スクワレン、dlあるいはl−メントール、l−メントン、リモネン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール、dl−カンフルなどが例として挙げられる。
【0021】
テープ剤中に添加する可塑剤および薬物溶解剤は、量が多すぎると、テープ剤中から成分が遊離し、また皮膚刺激性を生ずる場合もあるので、そのような現象をおこさない範囲で配合するのが好ましく、また、上記のとおり、当該薬物の安定性にひどく影響を及ぼさない範囲での添加が望ましい。
【0022】
更に、必要に応じて、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール類(酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、d−δ−トコフェロール)、エデト酸ナトリウム(EDTA・2Na)をはじめとする酸化防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ショ糖脂肪酸エステルをはじめとする界面活性剤、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、乳酸、プロピオン酸、ケイ皮酸、ニコチン酸、フタル酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸などをはじめとするpH調整剤、リン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、炭酸塩をはじめとする緩衝剤、カプリン酸ナトリウム、N−メチル−2−ピロリドンをはじめとする吸収促進剤、ベントナイト、カオリン、タルクをはじめとする鉱物由来物質、ペパーミント、デントミント、チェリーフレーバー、ヒノキフレーバーをはじめとする香料他、医学的あるいは薬学的に許容される添加剤を使用することができる。
【0023】
これらの粘着付与樹脂、可塑剤、薬物溶解剤およびその他成分は、テープ剤に含有した当該薬物の安定性に対し、ひどく影響を及ぼさなければ、一種または二種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0024】
剥離材と相対する製剤の露出面に貼着あるいは投錨される支持体としては、貼着あるいは投錨が可能な限り特に限定はないが、皮膚面に貼付した際に著しい違和感を生じない程度に伸縮性・柔軟性を有するものが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどを主体とした不織布、メリヤスあるいはフィルムなどが例として挙げられる。
なお、製剤にブラインド効果を付与するため、透明性のない支持体を使用したテープ剤、あるいは、透明性のない粘着剤層を有したテープ剤とするのが好ましい。
【実施例】
【0025】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合に基づき、後述する調製法1の方法により調製し、本発明の乾癬治療用テープ剤1を得た。得られた乾癬治療用テープ剤1を60℃で7日間保存した際の薬物残存量は94.3%であった。結果を表2に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
(調製法1)
ポリイソブチレンをヘキサンに溶解し、ポリイソブチレン溶液(ポリイソブチレン濃度10%)を調製する。カルシポトリオールを流動パラフィン中に分散させたのち、ポリイソブチレン溶液および残りの添加剤と均一に攪拌する。粘着剤層を形成すべき各成分の含有量は、その合計が100重量%となるように適時調整する。得られた溶液を、フッ素系剥離材(Scotchpak 1022、スリーエムヘルスケア(株))上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように展延して乾燥させたのち、剥離材と相対する製剤の露出面にポリエチレンテレフタレート製のメリヤス(RD1723−2024、(株)エイゼット)を貼着・投錨し、乾癬治療用テープ剤を得た。
【0028】
(試験例1)
前述の実施例1の乾癬治療用テープ剤、後述する実施例2から4の乾癬治療用テープ剤および後述する比較例1から6のテープ剤をポリエチレン/アルミニウム/紙素材の包材にて包装し、60℃で7日間保存した。次いで、テープ剤中のカルシポトリオールあるいはマキサカルシトール量をHPLCにて定量し、試験開始時のテープ剤中のカルシポトリオールあるいはマキサカルシトール量に対する60℃保存後のテープ剤中のカルシポトリオールあるいはマキサカルシトール量を百分率で算出し、90%を超える薬物残存率を示すものを、保存安定性が良好であるとした。
【0029】
【表2】

【0030】
(比較例1)
実施例1において、活性型ビタミンDおよびその類縁物質としてカルシポトリオール0.03重量%をマキサカルシトール0.03重量%に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤1を得た。得られたテープ剤1を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は81.6%であった。結果を表2に示す。
【0031】
(実施例2)
実施例1において、剥離材としてScotchpak 1022(フッ素系剥離材、スリーエムヘルスケア(株))をPET75FD(フッ素系剥離材、リンテック(株))に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して乾癬治療用テープ剤2を得た。得られた乾癬治療用テープ剤2を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は93.5%であった。結果を表2に示す。
【0032】
(比較例2)
実施例2において、ゴム基剤、可塑剤および粘着付与樹脂としてポリイソブチレン(Oppanol B−200、BASFジャパン(株))26.00重量%、流動パラフィン(ハイコール M352、カネダ(株))63.05重量%および脂環族系炭化水素樹脂(アルコンP125、荒川化学工業(株))10.00重量%をシリコン系基剤(BIO−PSA 7−4501、東レ・ダウコーニング(株))70.00重量%およびジメチルポリシロキサン(Q7−9120、東レ・ダウコーニング(株))29.05重量%に変えた以外は、実施例2と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤2を得た。得られたテープ剤2を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は74.3%であった。結果を表2に示す。
【0033】
(実施例3)
実施例2において、薬物溶解剤として中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT、トリエスターF−810、日光ケミカルズ(株))2.00重量%を加え、重量補正のため流動パラフィン63.05重量%を61.05重量%に変えた以外は、実施例2と全く同じ調製法を繰り返して乾癬治療用テープ剤3を得た。得られた乾癬治療用テープ剤3を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は95.8%であった。結果を表2に示す。
【0034】
(比較例3)
実施例3において、ゴム基剤としてポリイソブチレン(Oppanol B−200、BASFジャパン(株))26.00重量%をスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS 5002、JSR(株))26.00重量%に変えた以外は、実施例3と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤3を得た。得られたテープ剤3を60℃で7日間保存すると薬物は全く残存していなかった。結果を表2に示す。
【0035】
(比較例4)
実施例3において、ゴム基剤および粘着付与樹脂としてポリイソブチレン(Oppanol B−200、BASFジャパン(株))26.00重量%および脂環族系炭化水素樹脂(アルコンP125、荒川化学工業(株))10.00重量%をアクリル系基剤(DURO−TAK 87−4098、ヘンケルジャパン(株))97.05重量%に変え、可塑剤の流動パラフィン(ハイコール M352、カネダ(株))61.05重量%を配合不可のため除いた以外は、実施例3と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤4を得た。得られたテープ剤4を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は79.3%であった。結果を表2に示す。
【0036】
(比較例5)
実施例3において、剥離材としてPET75FD(フッ素系剥離材、リンテック(株))をBD(シリコン系剥離材、藤森工業(株))に変えた以外は、実施例3と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤5を得た。得られたテープ剤5を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は78.6%であった。結果を表2に示す。
【0037】
(実施例4)
実施例2において、ゴム基剤としてポリイソブチレン(Oppanol B−200、BASFジャパン(株))26.00重量%をポリイソブチレン(Oppanol B−100、BASFジャパン(株))30.00重量%およびポリイソブチレン(Oppanol B−50SF、BASFジャパン(株))10.00重量%に変え、重量補正のため流動パラフィン63.05重量%を49.05重量%に変えた以外は、実施例2と全く同じ調製法を繰り返して乾癬治療用テープ剤4を得た。得られた乾癬治療用テープ剤4を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は92.9%であった。結果を表2に示す。
【0038】
(比較例6)
実施例4において、剥離材としてPET75FD(フッ素系剥離材、リンテック(株))を0.1g/mとなるようにピーロイル1050(アルキルペンダント系剥離剤、一方社油脂工業(株))を塗布したポリエチレンテレフタレート製フィルムに変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返してテープ剤6を得た。得られたテープ剤6を60℃で7日間保存した際の薬物残存率は43.2%であった。結果を表2に示す。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、有効成分である活性型ビタミンDまたはその類縁物質の成分安定性を良好にすることができる乾癬治療用テープ剤を提供することを可能とし、関節などの可動部位への適用の際に、衣類との摩擦により薬剤が擦れ落ちることがなく、また、患部を覆い隠すことができるため、被覆効果による外的刺激から保護できる乾癬治療用テープ剤に関するものであって、産業上十分に利用できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性型ビタミンDまたはその類縁物質を有効成分とする乾癬治療用テープ剤であって、当該乾癬治療用テープ剤はゴム基剤としてポリイソブチレンを選択し、剥離材としてフッ素系剥離コーティングを施したものを使用し、粘着剤層に可塑剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤を含有することを特徴とする乾癬治療用テープ剤。
【請求項2】
前記可塑剤が、流動パラフィンであり、前記粘着付与樹脂が、脂環族系炭化水素樹脂であり、前記酸化防止剤が、EDTA・2Naおよびトコフェロール類の中から選ばれる少なくとも1種のものである請求項1に記載の乾癬治療用テープ剤。
【請求項3】
活性型ビタミンDまたはその類縁物質が、カルシポトリオールである請求項1または2に記載の乾癬治療用テープ剤。

【公開番号】特開2013−75866(P2013−75866A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217109(P2011−217109)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(390039468)三笠製薬株式会社 (7)
【Fターム(参考)】