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亀裂検出装置
説明

亀裂検出装置

【課題】センサの個数を増やしたり、配線を複雑化したりすることなく、大型の構造物の亀裂発生の連続監視を確実且つ安価に行い得る亀裂検出装置を提供する。
【解決手段】二枚の非導電性薄膜16,17の間に導電性薄膜18を挟み込んで形成される薄膜状センサ19の前記導電性薄膜18を、薄膜状センサ19の長手方向へ延びる波状のパターンとし、該波状のパターンとした導電性薄膜18の両端に、電気抵抗値監視用の制御器20から延びる通電配線21,22を接続し、前記薄膜状センサ19を構造物23の被検査箇所23aに貼り付け、前記導電性薄膜18に通電して電気抵抗値を監視することにより、前記被検査箇所23aの亀裂発生に伴う前記導電性薄膜18の破断による電気抵抗値の増加に基づいて前記被検査箇所23aの亀裂発生を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型の各種構造物等に適用される亀裂検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大型の各種構造物としては橋梁や運搬機械その他を挙げることができるが、その一例として港湾の荷役に使用されるアンローダがある。
【0003】
図7はアンローダの一例を示すものであって、図7に示されるアンローダ1は、岸壁に敷設されたレール2に沿い走行可能に立設された海側脚3及び陸側脚4の上部に、陸側から海側へ向けて水平に延びるようガーダ5を設け、該ガーダ5の海側先端部にブーム6を起伏可能且つ水平倒伏状態で海側に突出し得るよう枢支せしめ、前記ガーダ5及びブーム6上に敷設されたレール(図示せず)上に、トロリ7を横行モータ8の駆動により車輪9を介して横行可能となるよう配設し、該トロリ7に、船舶10に積載されたバラ物を掴み取るためのバケット11を、巻上モータ12の駆動によりワイヤロープ13を介して昇降可能且つ開閉可能に吊り下げ、前記海側脚3及び陸側脚4の下部に、前記バケット11によって掴み取られたバラ物を受けるためのホッパ14と、該ホッパ14の下部から払い出されるバラ物を搬送するためのコンベヤ15とを配置してなる構成を有している。
【0004】
前記船舶10からバラ物を荷揚げする際には、トロリ7がガーダ5からブーム6上の所望位置まで横行し、バケット11が下降して船舶10に積載されているバラ物を掴み取り、該バラ物を掴み取ったバケット11が上昇すると共に、前記トロリ7がブーム6からガーダ5へ横行してホッパ14の上方位置で停止した後、前記バケット11が下降し、該バケット11が開かれてバラ物がホッパ14内へ投下され、該ホッパ14内に投下されたバラ物が適宜その下部からコンベヤ15上に払い出されて搬送されるようになっている。
【0005】
ところで、前述の如きアンローダ1のブーム6には非常に大きな荷重が作用するため、その先端部における溶接箇所等に亀裂が発生していないかを検出することは非常に重要となっている。
【0006】
このため、従来においては、浸透探傷法や磁粉探傷、渦流探傷、超音波探傷のようにJIS等で規格化されている技術が用いられているが、これらの技術は探傷検査員の高度な技能が必要であって、しかも、検査の度毎に高所での作業を行わねばならず、又、自動装置とする場合には非常に高価になるといった問題があり、大型の構造物の亀裂発生の連続監視に適用するには、あまり相応しい技術であるとは言えなかった。
【0007】
一方、二枚の非導電性薄膜の間に導電性薄膜が挟み込まれた薄膜状センサを航空機等の構造物の被検査箇所に貼り付け、前記導電性薄膜に通電して電気抵抗値を監視することにより、前記被検査箇所の亀裂発生に伴う前記導電性薄膜の破断による電気抵抗値の増加に基づいて前記被検査箇所の亀裂発生を検出するようにした亀裂検出装置の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【0008】
前記特許文献1に記載されている導電性薄膜には、構造物の被検査箇所に作用する荷重方向へ延びる複数の櫛歯をもつ櫛状の亀裂検出用のセンサ回路部と、該センサ回路部に接続された配線回路部とが形成され、多数のセンサ回路部が構造物の被検査箇所に貼り付けられると共に、各々のセンサ回路部に、配線回路部を介して集中監視部が接続されるようになっている。
【特許文献1】特開平5−133925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1に記載されているような従来の亀裂検出装置を、大型の構造物の亀裂発生の連続監視に適用しようとした場合、前記センサ回路部が非常に多く必要となり、配線も複雑となってしまうという欠点を有していた。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、センサの個数を増やしたり、配線を複雑化したりすることなく、大型の構造物の亀裂発生の連続監視を確実且つ安価に行い得る亀裂検出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、二枚の非導電性薄膜の間に導電性薄膜が挟み込まれた薄膜状センサを構造物の被検査箇所に貼り付け、前記導電性薄膜に通電して電気抵抗値を監視することにより、前記被検査箇所の亀裂発生に伴う前記導電性薄膜の破断による電気抵抗値の増加に基づいて前記被検査箇所の亀裂発生を検出するようにした亀裂検出装置において、
前記導電性薄膜を、薄膜状センサの長手方向へ延びる波状のパターンとし、該波状のパターンとした導電性薄膜の両端に、電気抵抗値監視用の制御器から延びる通電配線を接続したことを特徴とする亀裂検出装置にかかるものである。
【0012】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0013】
亀裂が発生して進展していくと予想される方向に対して薄膜状センサの長手方向が一致するよう、該薄膜状センサを構造物の被検査箇所に貼り付けておきさえすれば、該被検査箇所の長さが長くそのどの位置に亀裂が発生するか分からないような場合であっても、一枚の薄膜状センサにより簡単な通電配線で亀裂発生の連続監視を確実に行うことが可能となり、費用が嵩む心配もない。
【0014】
又、導電性薄膜は、薄膜状センサの長手方向へ延びる波状のパターンとなっているため、被検査箇所が円弧状に湾曲しているような場合であっても、その形状に追従させやすくなる。
【0015】
前記亀裂検出装置においては、前記導電性薄膜の波状のパターンを矩形波とし、その波長λを許容亀裂長さと等しく設定すると共に、前記薄膜状センサの長手方向における矩形波の幅wを、
w<λ/2
の関係を満たす範囲内で幅広とすることができ、このようにすると、構造物の被検査箇所に、薄膜状センサの長手方向へ延びる亀裂が発生した際には、該亀裂が許容亀裂長さに達する前の時点で必ず導電性薄膜が破断し、亀裂の発生を確実に検出可能となる。
【0016】
又、前記亀裂検出装置においては、前記導電性薄膜の波状のパターンと直角方向へ延びる波状のパターンとした補助用導電性薄膜が二枚の補助用非導電性薄膜の間に挟み込まれ且つ前記補助用導電性薄膜の両端に前記制御器から延びる補助用通電配線が接続された補助用薄膜状センサを、前記薄膜状センサと重ねて構造物の被検査箇所に貼り付けるようにしても良く、このようにすると、亀裂が発生して進展していくと予想される方向が互いに直角となる二方向であるような場合にも対応可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の亀裂検出装置によれば、センサの個数を増やしたり、配線を複雑化したりすることなく、大型の構造物の亀裂発生の連続監視を確実且つ安価に行い得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例であって、二枚の非導電性薄膜16,17の間に導電性薄膜18を挟み込んで形成される薄膜状センサ19の前記導電性薄膜18を、薄膜状センサ19の長手方向へ延びる波状のパターンとし、該波状のパターンとした導電性薄膜18の両端に、電気抵抗値監視用の制御器20から延びる通電配線21,22を接続し、前記薄膜状センサ19を構造物23(例えば、図7に示すアンローダ1のブーム6等)の被検査箇所23a(例えば、溶接箇所等)に接着剤24で貼り付け、前記導電性薄膜18に通電して電気抵抗値を監視することにより、前記被検査箇所23aの亀裂発生に伴う前記導電性薄膜18の破断による電気抵抗値の増加に基づいて前記被検査箇所23aの亀裂発生を検出するようにしたものである。
【0020】
本図示例の場合、図3に示す如く、前記導電性薄膜18の波状のパターンを矩形波とし、その波長λを許容亀裂長さと等しく設定すると共に、前記薄膜状センサ19の長手方向における矩形波の幅wを、
w<λ/2
の関係を満たす範囲内で幅広としてある。
【0021】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0022】
亀裂が発生して進展していくと予想される方向に対して薄膜状センサ19の長手方向が一致するよう、該薄膜状センサ19を構造物23の被検査箇所23aに貼り付けておきさえすれば、該被検査箇所23aの長さが長くそのどの位置に亀裂が発生するか分からないような場合であっても、一枚の薄膜状センサ19により簡単な通電配線21,22で亀裂発生の連続監視を確実に行うことが可能となり、費用が嵩む心配もない。
【0023】
しかも、本図示例の場合、図3に示す如く、前記導電性薄膜18の波状のパターンを矩形波とし、その波長λを許容亀裂長さと等しく設定すると共に、前記薄膜状センサ19の長手方向における矩形波の幅wを、
w<λ/2
の関係を満たす範囲内で幅広としてあるため、構造物23の被検査箇所23aに、薄膜状センサ19の長手方向へ延びる亀裂が発生した際には、該亀裂が許容亀裂長さに達する前の時点で必ず導電性薄膜18が破断し、亀裂の発生を確実に検出可能となる。因みに、亀裂の発生位置が前記矩形波の幅wの位置とちょうど一致している場合には、該亀裂の長さがwとなった時点で導電性薄膜18が破断するが、これは亀裂監視の観点からすれば、亀裂がある程度進展した後の早期発見を可能とする一方、図3中、仮想線で示すように亀裂が矩形波の二本の波を跨ぐように発生した場合には、前記亀裂の長さがλと略等しくなった時点で導電性薄膜18が破断する形となり、前記亀裂が許容亀裂長さ以上に進展する前に確実に亀裂の発生が検出される。
【0024】
又、導電性薄膜18は、薄膜状センサ19の長手方向へ延びる波状のパターンとなっているため、図4に示す如く、被検査箇所23aが円弧状に湾曲しているような場合であっても、その形状に追従させやすくなる。
【0025】
こうして、センサの個数を増やしたり、配線を複雑化したりすることなく、大型の構造物23の亀裂発生の連続監視を確実且つ安価に行い得る。
【0026】
図5及び図6は本発明を実施する形態の他の例であって、図中、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1〜図4に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図5及び図6に示す如く、前記導電性薄膜18の波状のパターンと直角方向へ延びる波状のパターンとした補助用導電性薄膜27が二枚の補助用非導電性薄膜25,26の間に挟み込まれ且つ前記補助用導電性薄膜27の両端に前記制御器20から延びる補助用通電配線29,30が接続された補助用薄膜状センサ28を、接着剤31により前記薄膜状センサ19と重ねて構造物23の被検査箇所23aに貼り付けるようにした点にある。
【0027】
図5及び図6に示す例のように構成すると、構造物23の被検査箇所23aに、薄膜状センサ19及び補助用薄膜状センサ28の長手方向へ延びる亀裂が発生した際には、該薄膜状センサ19の導電性薄膜18が破断することにより、亀裂の発生が検出可能となる一方、前記薄膜状センサ19及び補助用薄膜状センサ28の長手方向と直角な方向へ延びる亀裂が発生した際には、該補助用薄膜状センサ28の補助用導電性薄膜27が破断することにより、亀裂の発生が検出可能となり、亀裂が発生して進展していくと予想される方向が互いに直角となる二方向であるような場合にも対応可能となる。
【0028】
尚、本発明の亀裂検出装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、薄膜状センサ19の導電性薄膜18や補助用薄膜状センサ28の補助用導電性薄膜27の波状のパターンは矩形波に限らず、正弦波やジグザク状のパターンであっても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例を示す断面図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例を示す要部拡大平面図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における薄膜状センサを円弧状に撓ませた状態を示す平面図である。
【図5】本発明を実施する形態の他の例を示す拡大平面図である。
【図6】本発明を実施する形態の他の例を示す拡大断面図である。
【図7】大型の構造物としてのアンローダの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0030】
16 非導電性薄膜
17 非導電性薄膜
18 導電性薄膜
19 薄膜状センサ
20 制御器
21 通電配線
22 通電配線
23 構造物
23a 被検査箇所
24 接着剤
25 補助用非導電性薄膜
26 補助用非導電性薄膜
27 補助用導電性薄膜
28 補助用薄膜状センサ
29 補助用通電配線
30 補助用通電配線
31 接着剤
w 幅
λ 波長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の非導電性薄膜の間に導電性薄膜が挟み込まれた薄膜状センサを構造物の被検査箇所に貼り付け、前記導電性薄膜に通電して電気抵抗値を監視することにより、前記被検査箇所の亀裂発生に伴う前記導電性薄膜の破断による電気抵抗値の増加に基づいて前記被検査箇所の亀裂発生を検出するようにした亀裂検出装置において、
前記導電性薄膜を、薄膜状センサの長手方向へ延びる波状のパターンとし、該波状のパターンとした導電性薄膜の両端に、電気抵抗値監視用の制御器から延びる通電配線を接続したことを特徴とする亀裂検出装置。
【請求項2】
前記導電性薄膜の波状のパターンを矩形波とし、その波長λを許容亀裂長さと等しく設定すると共に、前記薄膜状センサの長手方向における矩形波の幅wを、
w<λ/2
の関係を満たす範囲内で幅広とした請求項1記載の亀裂検出装置。
【請求項3】
前記導電性薄膜の波状のパターンと直角方向へ延びる波状のパターンとした補助用導電性薄膜が二枚の補助用非導電性薄膜の間に挟み込まれ且つ前記補助用導電性薄膜の両端に前記制御器から延びる補助用通電配線が接続された補助用薄膜状センサを、前記薄膜状センサと重ねて構造物の被検査箇所に貼り付けるようにした請求項1又は2記載の亀裂検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−63532(P2009−63532A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233655(P2007−233655)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】