説明

予め選択された生体分子の移動度を変化させる作動手段を有するバイオテクノロジー装置

本発明は、サンプル中の予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させる作動手段を有する、サンプルを解析する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオテクノロジー装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、解析バイオテクノロジー装置のようないくつかのバイオテクノロジー装置が記述されている。通常、解析されるべき流体が、検出を受ける標的分子のための捕捉部位を含む基板材料上に提供されるような態様で、検出が行われる。このような捕捉部位は、標的分子がまたDNAストランドである場合は対応するDNAストランドを有し、又はタンパク質アッセイの場合は抗体を有することができる。流体中の標的分子は、捕捉部位に特異的に結合し、流体が除去された後でもそこに残る。標的分子は、標識を含み、よって検出されることができる。標識は、検出手段、すなわち光学又は磁気センサのようなバイオセンサの型に依存して、蛍光標識又は磁気標識でありえる。
【0003】
近年、浸透層を使用するいくつかのバイオテクノロジー装置が記述されている。浸透層は、核酸(又は他の予め選択された生体分子若しくは標的分子)の固定化のための捕捉部位を提供する。電気的に支援されるアッセイの場合、浸透層の主な機能は、電極表面すぐのところに生成される高度に反応性の電気化学周囲物から、捕捉された標的分子を、分離することである。浸透層は更に、電極における電気化学反応から生じるイオン及びガスが、生物学的水溶液に徐々に拡散することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば米国特許第6,960,298号及び関連特許の明細書から、バイオアッセイ用の電子マトリクス装置上で使用される合成ポリマーヒドロゲル浸透層が知られている。上記明細書の内容は、参照によって本願明細書に盛り込まれるものとする。
【0005】
しかしながら、従来技術において知られる浸透層は、受動的なヒドロゲルであり、すなわち外部刺激に対して非感受的な湿潤条件にあるヒドロゲルである。更に、浸透層の一様な膨潤又は多孔性のため、予め選択された生体分子又は標的分子が、多くの場合、浸透層に一様に入り、すなわち捕捉部位が存在しない位置にも入る。
【0006】
従って、本発明の目的は、上述の欠点のいくつかを少なくとも部分的に克服することが可能であり、解析の特定性及び有効性を高めることを支援する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明の請求項1に従う構成によって解決される。従って、少なくとも1つの浸透層と、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる少なくとも1つの作動手段と、を有するバイオテクノロジー装置が提供される。
【0008】
「バイオテクノロジー装置」なる語は、その最も広い意味で理解されるべきであり、特に以下の装置の1又は複数を含む:
−流体サンプル中の1又は複数のあらかじめ選択された生体分子を検出する装置、特に水溶液中の生体分子を検出する装置;
−化合物の制御放出、特に薬剤放出、のための装置;
−例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、QPCR(定量的PCR)、RTPCR(リアルタイムPCR)のような増幅反応を実施する装置;
−セルの成長又は増殖を刺激する成長因子、サイトカイン等の分子の放出のための装置、及びセルの方へ栄養分をポンプし、又は要求時に足場の崩壊を加速させる装置を含む、組織工学及び(ステム)細胞療法のための人工足場。
【0009】
本発明による「生体分子」、「標的分子」、「捕捉部位」、「薬剤」なる語は、最も広い意味で理解されるべきであり、特に、(標的及び信号増幅の両方を含む増幅反応の(複数の)製品;精製されたゲノムDNA、RNA、タンパク質等のような精製されたサンプル;生サンプル(細菌、ウイルス、ゲノムDNA、その他);限定的ではないが核酸及び関連化合物(例えばDNA、RNA、オリゴヌクレオチド又はその類似体、PCR製品、ゲノムDNA、細菌人工染色体、プラスミド、その他)、タンパク質及び関連化合物(例えば、ポリペプチド、ペプチド、モノクローナル又はポリクローナル抗体、可溶の又は結合されたレセプタ、転写因子、その他)、抗原、リガンド、ハプテン、炭水化物及び関連化合物(例えば多糖類、オリゴ糖、その他)、膜断片のような細胞断片、細胞器官、無傷細胞、細菌、ウイルス、原生動物、その他、のような生物学的分子化合物、を含み及び/又は意味する。
【0010】
本発明の意味において「移動度」なる語は、特に、作動手段によって影響を及ぼされる少なくとも1つの浸透層の一部における拡散速度、及び/又は作動手段によって影響を及ぼされる少なくとも1つの浸透層の一部における予め選択された生体分子の平均電気泳動移動度を、意味し及び/又は含む。
【0011】
本発明の一実施例によれば、捕捉部位への生物学的粒子の輸送は、浸透層を作動させるために使用されるのと同じ電極又は捕捉部位のほうを向く電界を生成することが特に意図される別個の電極のいずれかによって生成される電界を使用することによって、増大され及び/又は影響を及ぼされる。
【0012】
特に、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて負電荷を保持するDNAの場合、輸送は、捕捉部位の近くの電極を正電圧に帯電させることによって加速される。タンパク質の場合、電荷の極性はpHに依存し、従って、これは、本発明の他の実施例により、輸送を加速するために必要とされる電圧の極性を選択する際に考慮されることに注意すべきである。この文脈において、本発明の他の実施例によれば、捕捉後に電圧の極性が反転され、それによって非特異的に結合された生体粒子を反発する。これは、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションに関して、バックグラウンド信号を更に低下させることを示している。
【0013】
本発明の一実施例によれば、誘電泳動効果は、帯電していない生体粒子(例えば細胞)の輸送をも改善するために使用される。この実施例は、電気双極子が生体粒子上に誘起されることができる場合に特に有用である。この文脈において、本発明の他の実施例によれば、捕捉後、印加される電圧の周波数が、非特異的に結合された生体粒子を反発するように変更される。これは、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて、バックグラウンド信号を更に低下させることを示している。
【0014】
本発明の意味において移動度に関連する「距離」なる語は、−特に作動手段によって影響を及ぼされる少なくとも1つの浸透層の部分における−浸透層の表面から捕捉部位/プローブまでの平均距離を特に意味し及び/又は含む。
【0015】
この距離は、本発明によれば、巨視的なディメンジョンとして特に意味され、直線において測定される。ただし、前記表面から前記捕捉部位/プローブの方へ流れる分子にとって最も短い「移動距離」は、ナノポーラス、メソポーラス又はネットワークのような構造においてずっと大きいことがありうる。
【0016】
本発明の意味において「捕捉部位」なる語は、特に、1又は複数(通常は同じ)の捕捉プローブが位置する装置内の特定の領域である。本発明の意味において「捕捉プローブ」は、予め選択された生体分子と特異的に対話することが可能である分子(又は分子の集まり)を特に意味し及び/又は含む。
【0017】
捕捉プローブの性質に依存して、(複数の)捕捉部位の各々は、(例えば捕捉プローブが抗体又は細胞である場合)ただ1つの捕捉プローブを有することができ、又は(例えば捕捉プローブがDNAストランドである場合)多数の捕捉プローブを有することができる。捕捉プローブのタイプは、アレイ上の部位ごとに異なりうる。
【0018】
このような装置を使用することによって、以下の利点の少なくとも1つ又は複数が、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて達成されることができる。
−予め選択された生体分子の移動度/距離比率を局所的に高める可能性により、捕捉部位への予め選択された生体分子の流れが、増大されることができ、他方、浸透層の他の領域においては、移動度/距離比率が、一定に保たれる又は低減されさえする。これは、スポット/バックグラウンド比率を高めることを可能にし、検出されるより低いレベルの病原体を達成することを助ける。
−装置の設計は、よりコンパクトにされることができる。
−本発明の多くのアプリケーションにおいて、予め選択された生体分子を含む流体のより良好な制御が得られることができる。
−更に、受動的な浸透層を有するアッセイと比較して、洗浄ステップの効果を増加させることも可能である。予め選択された生体分子の結合後、捕捉部位と関連する浸透層の一部において、移動度/距離比率は増加され、その結果、結合されていない予め選択された生体分子が容易に除去される。実際、これは、より詳しく後述する本発明の一実施例である。
【0019】
本発明は、一実施例において、サンプル中の関心のある1つ又は複数の予め選択された生体分子(この文脈において標的分子と呼ばれる)の存在、量又はアイデンティティについて、1又は複数のサンプル、特に流体サンプルを解析する装置を提供する。当業者であれば分かるように、(複数の)標的分子及び(複数の)捕捉部位及び(複数の)プローブは、以下に制限されないが、標的及び信号増幅の両方を含む増幅反応の(複数の)製品;例えば精製されたゲノムDNA、RNA、タンパク質等の精製されたサンプル;生サンプル(細菌、ウイルス、ゲノムDNA、その他);限定的ではないが、例えば核酸及び関連化合物(例えばDNA、RNA、オリゴヌクレオチド又はその類似体、PCR製品、ゲノムDNA、細菌人工染色体、プラスミド、その他)、タンパク質及び関連化合物(例えば、ポリペプチド、ペプチド、モノクローナル又はポリクローナル抗体、可溶の又は結合されたレセプタ、転写因子、その他)、抗原、リガンド、ハプテン、炭水化物及び関連化合物(例えば多糖類、オリゴ糖、その他)、膜断片のような細胞断片、細胞器官、無傷細胞、細菌、ウイルス、原生動物、その他、のような生物学的分子化合物、を含む。
【0020】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)1.2倍以上、変化させることができる。
【0021】
本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて、これが、更に解析の特定性及び有効性を高めることを支援することが分かった。
【0022】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)2倍以上、好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、変化させることができる。
【0023】
本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)1.2倍以上高めることができることに注意すべきである。本実施例において、作動手段は、本発明の他の実施例により、(複数の)捕捉部位のうち少なくとも1つに関連付けられ、これが、予め選択された生体分子を(複数の)捕捉部位に方向付けることを助ける。
【0024】
本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)2倍以上、好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、高めることができる。
【0025】
しかしながら、本発明の他の実施例によれば、少なくとも1つの作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)1.2倍以上、低下させることができる。本実施例において、作動手段は、本発明の他の実施例により、(複数の)捕捉部位の1つに関連しない浸透層の部分に関連する。
【0026】
本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、(湿潤条件下において)2倍以上、好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、低下させることができる。
【0027】
言うまでもなく、移動度/距離比率を低下させる作動手段及び移動度/距離比率を高める作動手段の組み合わせもまた実現可能であり、本発明の他の実施例である。
【0028】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の選択された部分の膨潤を変化させることによって、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0029】
さまざまなアプリケーションにおいて、浸透層(又はその一部)の膨潤を変化させることによって、移動度/距離比率が、容易に且つ大きな効果を伴って、所望のレートにセットされることができることが示された。
【0030】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の選択された部分の膨潤を、(湿潤条件下において)1.2倍以上、好適には2倍以上、好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、変化させることができる。
【0031】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の選択された部分の浸透率を(湿潤条件下において)1.2倍以上変化させることによって、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0032】
さまざまなアプリケーションについて、浸透層(又はその一部)の浸透率を変化させることによって、移動度/距離比率が、容易に且つ大きな効果を伴って、所望のレートにセットされることができることが分かった。
【0033】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の選択された部分の浸透率を、(湿潤条件下において)2倍以上、好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、変化させることができる。
【0034】
本発明によれば、「浸透率」なる語(一般にκ又はkと表される)は、流体を伝えるための多孔材料の能力の尺度として理解されるべきであることに注意すべきである。
【0035】
任意の多孔材料の固有浸透率は、κ=C・dである。ここで、κは、固有浸透率[L2]であり、Cは、フロー−パスの構成に関連する無次元の定数であり、dは、平均の又は実効孔直径[L]である。
【0036】
浸透率は、(例えばDarcy法を使用して)直接的に、又は経験的に導出された式を使用する評価を通じて、測定されることができる。浸透率の一般的な単位は、ダルシー(Darcy)(1D=10−12)又はより一般的にはミリダルシー(mD)、である。他の単位は、SI単位のcm及びmである。
【0037】
本発明の一実施例によれば、装置は、少なくとも1つの捕捉部位を有し、作動手段は、少なくとも1つの捕捉部位と関連する浸透層の領域の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち1つの特性/パラメータを変化させることによって、移動度/距離比率を変化させることができる。
【0038】
本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの捕捉部位の平均サイズは、10μm以上1000μm以下であり、好適には20μm以上500μm以下であり、最も好適には50μm以上200μm以下である。
【0039】
本発明の一実施例によれば、装置は、10以上、好適には100以上、最も好適には1000以上、の捕捉部位を有する。
【0040】
本発明の他の実施例によれば、装置は、あらゆる捕捉部位と関連する少なくとも1つの活性層部分を有する。ここで、「活性層部分」なる語は、移動度/距離比率が作動手段によって変えられる少なくとも1つの浸透層の一部を意味する。
【0041】
他の実施例によれば、関連する捕捉部位のサイズに対する活性層のサイズ(mm対mm)の平均比率は、1:1以上10:1以下であり、好適には1.5:1以上3:1以下である。
【0042】
本発明の他の実施例によれば、装置は、(複数の)捕捉部位及び/又は(複数の)活性層部分の間に、少なくとも1つの作動手段によって影響を及ぼされない少なくとも1つの遷移領域を有する。
【0043】
本発明の他の実施例によれば、少なくとも1つの遷移領域の平均直径は、5μm以上5000μm以下であり、好適には10μm以上1000μm以下であり、より好適には20μm以上500μm以下であり、最も好適には50μm以上200μm以下である。
【0044】
本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの浸透層は、1μm以上500μm以下の、好適には5μm以上200μm以下の、より好適には10μm以上100μm以下のレンジの湿潤状態における(しかし、特定の領域の浸透率及び/又は膨潤を変化させる前の)平均厚さを有する。
【0045】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、pHの変化を介して、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0046】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、pH変化を介して、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることによって、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0047】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、0.5pHあたり1.2倍以上、好適には0.5pHあたり2倍以上、より好適には0.5pHあたり5倍以上、最も好適には0.5pHあたり10倍以上、変化させることができる。
【0048】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、2以上12以下、好適には4以上9以下、より好適には5以上8以下、最も好適には6.5以上7.5以下、のpHレンジで動作する。
【0049】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、電気的に及び/又は電気化学的に変化させることができる。
【0050】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを電気的に及び/又は電気化学的に変化させることによって、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0051】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、電界を印加することによって、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることにより、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。この文脈において、他の実施例により、ガスが生成されないように印加電圧が選択される。多くのアプリケーションにおいて、印加電圧は、約2−3Vである。
【0052】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、電気分解によって、すなわち電気的に又は電気化学的にイオンを生成することによって、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることによって、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0053】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、電流を印加することによって、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることにより、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0054】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、温度の変化を介して、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0055】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、温度の変化を介して、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることができる。
【0056】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透率及び/又は膨潤を、0.5℃あたり1.2倍以上、好適には2倍以上、より好適には5倍以上、最も好適には10倍以上変化させることができる。
【0057】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、入射放射線を介して、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0058】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、入射放射線を介して、浸透層の少なくとも一部の移動度、距離、浸透率及び膨潤を含むグループのうち少なくとも1つの特性/パラメータを変化させることができる。
【0059】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、前記浸透層の予め規定された領域において温度を局所的に変化させることができる少なくとも1つの抵抗加熱素子を有する。
【0060】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、電位を印加することを介して、浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる。
【0061】
このために、本発明の一実施例によれば、本発明による装置は、少なくとも1つの電極及び/又は少なくとも1つの電極セットを有する。
【0062】
そうすることによって、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて、前記予め選択された生体分子の移動さえも制御することができ、かかる制御は、DC又はAC電界を印加することによって、すなわち電気泳動又は誘電泳動によって、予め規定された位置の方へ予め選択された生体分子を作動させ、加速し又は退けることを含むことができる。
【0063】
本発明の一実施例によれば、浸透層は、少なくとも1つの電極及び/又は少なくとも1つの電極セットのすぐ近くに提供される。
【0064】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層において、相転移を誘導し、連続する流体/水相によるミクロ相分離をもたらすことによって、少なくとも1つの浸透層の移動度、距離、浸透率及び/又は膨潤を含むパラメータの1つを変更することができる。
【0065】
本発明の一実施例によれば、作動手段は、浸透層においてLCST(下限臨界溶液温度)相転移を誘導することによって、少なくとも1つの浸透層の移動度、距離、浸透率及び/又は膨潤を含むパラメータの1つを変更することができる。
【0066】
本発明の一実施例によれば、装置は、ヒドロゲル材料を含み、好適には、浸透層が、ヒドロゲル材料を含む。
【0067】
本発明の意味において「ヒドロゲル」なる語は、ヒドロゲル材料の少なくとも一部が、水中で、膨潤ネットワーク又は水溶性のポリマー鎖のネットワークを形成することを特に意味する。好適には、ヒドロゲル材料は、膨潤状態において、50%以上の、より好適には70%以上の、最も好適には90%以上の水及び/又は溶媒を含み、好適な溶媒は、有機溶剤、好適には有機極性溶剤、最も好適にはエタノール、メタノール及び/又は(イソ−)プロパノールのようなアルカノールを含む。
【0068】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、ポリ(メタ)アクリル材料、置換ビニル材料又はその混合物を含むグループから選択された材料を含む。
【0069】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー及び少なくとも1つの多官能(メタ)アクリルモノマーの重合から作られるポリ(メタ)アクリル材料を含む。
【0070】
本発明の一実施例によれば、(メタ)アクリルモノマーは、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート又はその混合物を含むグループから選択される。
【0071】
本発明の一実施例によれば、多官能(メタ)アクリルモノマーは、ビス−(メタ)アクリル及び/又はトリ−(メタ)アクリル及び/又はテトラ−(メタ)アクリル及び/又はペンタ−(メタ)アクリルモノマーである。
【0072】
本発明の一実施例によれば、多官能(メタ)アクリルモノマーは、ビス(メタ)アクリルアミド、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート又はその混合物を含むグループから選択される。
【0073】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、中性モノマー基から選択される、好適にはビニルアセテート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(メタ)アクリルアミド、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート又はその混合物を含むグループからから選択される少なくとも1つのモノマーと共重合される、(メタ)アクリル酸、アリールスルホン酸、特にスチレンスルホン酸、イタコン酸、クロトン酸、スルホンアミド又はその混合物を含むグループから好適には選択されるアニオン性ポリ(メタ)アクリル材料、及び/又はビニルピリジン、ビニルイミダゾール、アミノエチル(メタ)アクリレート又はその混合物を含むグループから好適には選択されるカチオンポリ(メタ)アクリル材料、を含む。
【0074】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、置換ビニル材料を、好適にはビニルカプロラクタム及び/又は置換ビニルカプロラクタムを含む。
【0075】
本発明の一実施例によれば、ポリ(メタ)アクリル材料の架橋密度は、0.0001以上0.1以下、好適には0.001以上0.05以下、最も好適には0.005以上0.01以下のレンジにある。
【0076】
本発明の意味において、「架橋密度」なる語は、特に以下の規定を意味し又は含む:架橋密度δは、δ=X/L+Xと規定される。ここで、Xは、多官能モノマーのモル分率であり、Lは、モノマーを形成する線状鎖(=非多官能)のモル分率である。線状高分子において、δ=0であり、完全に架橋されたシステムにおいて、δ=1である。
【0077】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、好適にはアリールスルホン酸、特にスチレンスルホン酸、イタコン酸、クロトン酸又はその混合物を含むグループから選択されるアニオン性モノマー基から選択される少なくとも1つのモノマー、好適にはビニルピリジン、アミノエチル(メタ)アクリレート又はその混合物から選択されるカチオンポリマー、好適にはビニルアセテート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はその混合物のグループから選択される中性モノマー、又はその混合物、と共重合されるポリ(メタ)アクリル材料を含む。
【0078】
これらの材料は、それらが反応性を有し、特にpH反応性を有する場合、特に本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションについて実際的であることが分かった。
【0079】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、N−イソプロピルアミド、ジエチルアクリルアミド、カルボキシイソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシメチルプロピルメタクリルアミド、アクリロイルアルキルピペラジン、及び、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はその混合物を含む親水性モノマー基から選択されるモノマーとのその共重合体、を含むグループから選択され、及び/又は(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート又はその混合物を含む疎水性モノマー基から選択されるモノマーと共重合される熱反応性モノマーに基づくものである。これらの共重合体は、熱反応性であることが知られており、従って、本発明の範囲内のさまざまなアプリケーションにとって有用でありうる。
【0080】
本発明の一実施例によれば、ヒドロゲル材料は、特にDNA又は抗体のin−situ「架橋」を実施するために、アミン又は活性エステルのような反応性側基によって官能化される。
【0081】
本発明による構成、方法及び/又は装置は、多くの種類のシステム及び/又はアプリケーションにおいて有用でありえ、それらのうちの1又は複数は以下の通りである:
−分子診断のために使用されるバイオセンサ、
−例えば血液又は唾液のような複雑な生物学的混合物のタンパク質及び核酸の迅速且つ感度の良い検出、
−化学、医薬又は分子生物学のための高スループットスクリーニング装置、
−例えば犯罪学、オンサイトテスト(病院内)、集中検査室における診断、又は科学研究における、例えばDNA又はタンパク質のテスト装置、
−心臓学、感染性疾患及び腫瘍学、食品及び環境診断のための、DNA又はタンパク質診断用のツール、
−コンビナトリアルケミストリ用のツール、
−DNA、RNA又はペプチドの増幅用のツール、
−解析装置。
【0082】
上述したコンポーネント、請求項に記載のコンポーネント、及び記述された実施例において本発明に従って使用されるコンポーネントは、当該分野において知られている選択基準が制限なく適用されることができるように、それらのサイズ、形状、材料選択及び技術的概念に関していかなる特別な例外も受けない。
【0083】
本発明の目的の付加の詳細、特徴、特性及び利点は、従属請求項、図面、及び個々の図面及び例示の以下の説明において、開示される。個々の図面は、例示的なやり方で、本発明による装置のいくつかの好適な実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層によって覆われる複数の捕捉部位を有する、本発明の第1の実施例による装置を示す非常に概略的な断面部分図。
【図2】電圧を印加した後の図1の装置を示す図。
【図3】その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層によって覆われる複数の捕捉部位を有する、本発明の第2の実施例による装置を示す非常に概略的な断面部分図。
【図4】電圧を印加した後の図3の装置を示す図。
【図5】その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層によって各々が覆われる複数の捕捉部位を有する、本発明の第3の実施例による装置を示す非常に概略的な断面部分図。
【図6】電圧を印加した後の図5の装置を示す図。
【図7】2つの異なる材料を含む浸透層を有する、本発明の第4の実施例による装置を示す非常に概略的な断面部分図。
【図8】2つの異なる材料を含む浸透層を有する、本発明の第5の実施例による装置を示す非常に概略的な断面部分図。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層20によって覆われる複数の捕捉部位を有する、本発明の第1の実施例による装置1を示す非常に概略的な断面部分図を示す。
【0086】
電極10a−eは、捕捉部位の各々に関連する。捕捉部位は、理解しやすくするため、図に明示的に示されていない。図1は、部分図にすぎず、本発明の範囲内の多くのアプリケーションにおいて、より多くの捕捉部位及び電極が使用されることに注意すべきである。
【0087】
浸透層20が、基板50上に設けられる。装置は、更に、電極10a−eに対する逆電極を保持する第2の基板60を有する。電極70及び層20の間に、バイオ液(多くのアプリケーションにおいて水溶液)が存在する(明示的に示さず)。
【0088】
図2は、電圧を印加した後の図1の装置を示す。簡潔さのために、図1と同じコンポーネントは、明示的に言及されていない。
【0089】
浸透層の膨潤は電気的に変えられることができるので、浸透層20は、捕捉部位に関連する領域において膨潤する。図2は、説明的な理由のためだけにあり、多くのアプリケーションにおける実際の膨潤を反映していないことを述べなければならない。本発明の範囲内の多くのアプリケーションにおいて、膨潤の量は、図2よりも非常に大きい。
【0090】
この膨潤は、バイオ液中に存在する予め選択された生体分子が、浸透層20に入り、捕捉部位10a−eに到達する速度を上げる。
【0091】
図3は、その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層によって覆われる複数の捕捉部位を有する、本発明の第2の実施例による装置1'を示す非常に概略的な断面部分図を示している。
【0092】
理解されるように、図3による装置の設計は、図1のものとある程度同様であり、従って、簡潔さのために、図1と同じコンポーネントは、明示的に言及されていない。
【0093】
図3の装置は、向かい側の対向電極が存在せず、基板50上に、第1の電極10a−c及び第2の電極11a−bが存在する点で、図1のものとは異なる。図3は、部分図にすぎず、本発明の範囲内の多くのアプリケーションにおいて、より多くの電極が使用されることに注意すべきである。しかしながら、第1の電極10a−cのみが、それらに関連する捕捉部位を有する。1つの共用の共通電極を有することも可能である。11及び10のサイズ比は、ほぼ1であるべきである。
【0094】
図4は、電圧を印加した後の図3の装置を示している。電圧を印加すると、第1の電極は、アノードを形成し、第2の電極は、カソードを形成する(又は実際のアプリケーションに依存して、その逆である)。これは、浸透層が、電極10a−cと関連する領域において膨潤し、電極11a−bと関連する領域において縮むようにさせる。
【0095】
上述したような膨潤は、バイオ液中に存在する予め選択された生体分子が、浸透層20に入り、捕捉部位10a−cに達する速度及び量を増大させる。しかしながら、浸透層が、電極11a−bと関連する領域において縮むという事実により、予め選択された生体分子がそこの浸透層20に入る量は少なく、ゆえに本発明の範囲内の多数のアプリケーションにおいて、装置の効果を更に増加させる。
【0096】
図5は、その膨潤が電気的に変えられることができる浸透層20a−eによって各々が覆われる複数の捕捉部位10a−eを有する、本発明の第3の実施例による装置1''を示す非常に概略的な断面部分図を示す。
【0097】
この装置は、図5に示すように、いくつかのアプリケーションについて、より速い応答が、ヒドロゲルのディメンジョンを低減することによって達成されることができるという利点をもつ。更に、このような機構は、本発明の範囲内の多数のアプリケーションについて、ヒドロゲルの作動領域及び非作動領域の間の内部応力及び起こりうる付着問題を回避する。
【0098】
図5に見られるように、装置1''は、個別にアドレス可能な電極を有する。本発明の一実施例(図示せず)によれば、これらの電極及び装置の他の適切なコンポーネントは、例えばガラス上又はプラスチック基板上のアモルファスシリコン又は低温多結晶シリコン(LTPS)のような大面積エレクトロニクスプラットフォームに接続される。
【0099】
図6は、電圧を印加した後の図5の装置を示している。印加される電圧の量に依存して、それぞれ異なる浸透層が、異なって振る舞うことが明らかに分かる。
【0100】
図7は、2つの異なる材料22、24を含む浸透層20を有する、本発明の第4の実施例による装置1'''を示す非常に概略的な断面部分図を示す。装置は、部分的に示されるにすぎず、装置の全体設計は、図5と類似する。従って、電極10及び基板50が同様に存在する。
【0101】
図7において、浸透層は、電圧を印加するとその浸透率が変えられることができる第1の材料22と、その浸透率が変化しない又はわずかな程度だけ変化する第2の材料24と、を有する。好適には、第1の材料22は、捕捉部位の近傍に与えられ、又は捕捉部位は、第1の材料22内に与えられる。
【0102】
このような実施例は、さまざまなアプリケーションにおいて、材料のより良好な微調整及び装置のよりコンパクトなセットアップを可能にする。
【0103】
図8は、図7の変形例を示している。この装置1'''において、第1の材料22は、基板から空間的に隔てられている。好適には、捕捉部位が、同様に第1の材料22内に設けられる。
【0104】
上記の詳細な実施例の構成要素及びフィーチャの特定の組み合わせは、例示にすぎず、これらの教示を、本明細書及び参照によって盛り込まれる特許/アプリケーションにおける教示と交換し、置き換えることも、明白に企図される。当業者であれば分かるように、本願明細書に記述されるものの変更、変形及び他の実現は、請求項に記載される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者に思いつくであろう。従って、前述の説明は、例示にすぎず、制限することを意図しない。本発明の範囲は、以下の請求項及びそれと等価なものに規定される。更に、説明及び請求項において使用される参照符号は、請求項に記載される本発明の範囲を制限しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの浸透層と、
前記浸透層の少なくとも選択された部分における予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる少なくとも1つの作動手段と、
を有するバイオテクノロジー装置。
【請求項2】
前記作動手段は、前記浸透層の前記少なくとも選択された部分における前記予め選択された生体分子の移動度/距離比率を、1.2倍以上変化させることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動手段が、前記浸透層の前記選択された部分の浸透率及び/又は膨潤を変化させることができる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記作動手段は、前記浸透層の前記選択された部分の膨潤を、1.2倍以上、好適には2倍以上、より好適には5倍以上、最も好適には10倍以上、変化させることができる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記作動手段は、前記浸透層の前記選択された部分の浸透率を、1.2倍以上変化させることによって、前記浸透層の前記少なくとも選択された部分における前記予め選択された生体分子の移動度/距離比率を変化させることができる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、あらゆる捕捉部位と関連する少なくとも1つの活性層部分を有し、前記活性層部分は、前記移動度/距離比率が前記作動手段によって変更される前記少なくとも1つの浸透層の一部である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
関連する捕捉部位のサイズに対する活性層部分のサイズの平均比率は、1:1以上10:1以下であり、好適には1.5:1以上3:1以下である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、複数の捕捉部位及び/又は複数の活性層部分間に、前記少なくとも1つの作動手段によって影響を及ぼされない少なくとも1つの遷移領域を有し、前記少なくとも1つの遷移領域の平均直径は、5μm以上5000μm以下であり、好適には10μm以上1000μm以下であり、より好適には20μm以上500μm以下であり、最も好適には50μm以上200μm以下である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記捕捉部位への前記生物学的粒子の輸送は、前記浸透層を作動させるために使用されるのと同じ電極及び/又は前記捕捉部位の方を向く電界を生成する別個の電極のいずれかによって生成される電界を使用することによって、増大され及び/又は影響を与えられる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置を組み込んだシステムであって、
分子診断に使用されるバイオセンサ、
血液又は唾液のような複雑な生物学的混合物中のタンパク質及び核酸の迅速且つ感度のよい検出、
化学、医薬又は分子生物学のための高スループットスクリーニング装置、
例えば犯罪学、病院内のオンサイトテスト、集中検査室における診断又は科学研究のための、DNA又はタンパク質のテスト装置、
心臓学、感染性疾患及び腫瘍学、食品及び環境診断のためのDNA又はタンパク質診断用のツール、
コンビナトリアルケミストリ用のツール、及び
解析装置、
のうち1又は複数において使用されるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−511490(P2010−511490A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538839(P2009−538839)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054838
【国際公開番号】WO2008/068678
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)