説明

予備成形体およびその製造方法

【課題】予備成形体のマトリックス樹脂のインサート成形用に供給される樹脂との接合部分についてのみ、供給される樹脂との間で容易に十分に高い接着強度が得られるように制御可能な予備成形体の製造方法、およびその方法により製造された予備成形体を提供する。
【解決手段】マトリックス樹脂が結晶性の熱可塑性樹脂である繊維強化樹脂Aを予備成形体とし、液状化した樹脂Bを供給して繊維強化樹脂Aをインサート成形するための前記予備成形体の製造方法であって、繊維強化樹脂Aの樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を例えば急冷により結晶化度5〜15%の範囲内に制御することを特徴とする予備成形体の製造方法、およびその方法により製造された予備成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂を供給して予備成形体をインサート成形するための、繊維強化樹脂からなる予備成形体およびその製造方法に関し、とくに、供給樹脂との接着性を向上し、成形性を改良可能な予備成形体の製造方法と、その方法により製造された予備成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
予め成形した繊維強化樹脂の予備成形体の周りに溶融樹脂を供給して複合成形体をインサート成形する方法はよく知られている。このようなインサート成形に用いられる予備成形体は、通常、例えば図2に示すように、強化繊維101(例えば、一方向に並行に配置された強化繊維)に単にマトリックスとなる樹脂102を含浸させた、成形体またはプリプレグの予備成形体100からなる。このような予備成形体100を、例えば型内に配置しておき、その周囲に溶融樹脂を例えば射出により供給してインサート成形を行い、予備成形体100と供給樹脂とが一体化された成形品を得るようにしている。
【0003】
しかし、上記のような予備成形体100を用いたインサート成形においては、とくに予備成形体100を構成しているマトリックス樹脂102とその周囲に供給される樹脂が異なる場合、それらの界面の接着性が問題となる。すなわち、界面における接着性が低いと、成形中に予備成形体が剥離したり、成形された複合材料が全体として所望の機械特性(強度、弾性率)を発現できなくなったりする。また、成形中に界面で剥離やずれが生じると、成形性が著しく損なわれることになる。
【0004】
特許文献1には、強化繊維とバインダーの繊維強化樹脂からなる予備成形体としての補強材を金型内に配置し、樹脂を供給して複合成形体をインサート成形する方法が例示されている。しかしこの特許文献1に開示の方法においても、予備成形体のマトリックス樹脂とインサート成形用に供給される樹脂には基本的に異なる樹脂が用いられており、これら樹脂が直接接合されるため、これら樹脂の組み合わせによっては両樹脂間に十分に高い接着強度が達成されず、予備成形体による複合成形体全体に対する十分に高い補強効果が得られないことがある。また、接着性が不足すると、上述の如く良好な成形性が得られない。
【0005】
予備成形体のマトリックス樹脂と周囲に供給される樹脂との接着性を改善するために、予備成形体の表面に周囲に供給される樹脂との接着性の高い別の樹脂層をあらかじめ設けておくことも考えられるが、その別の樹脂層を設けるための工程が増えて生産性が低下するとともに、その別の樹脂層と予備成形体のマトリックス樹脂との間の接合性に配慮する必要が新たに生じ、この接合性が低いと、結局、前記同様の剥離やずれの問題、成形性低下の問題が生じることになる。したがって、理想的には、予備成形体のマトリックス樹脂は1種類のものを使用し、インサート成形時に周囲に供給される樹脂との接合面についてのみ、接着性を向上させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−293746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、繊維強化樹脂の予備成形体を用いてインサート成形する場合の上記のような問題点に着目し、予備成形体のマトリックス樹脂のインサート成形用に供給される樹脂に接合される部分についてのみ、その特性を、供給される樹脂との間で容易に十分に高い接着強度が得られるように制御可能な予備成形体の製造方法、およびその方法により製造された予備成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る予備成形体の製造方法は、マトリックス樹脂が結晶性の熱可塑性樹脂である繊維強化樹脂Aを予備成形体とし、液状化した樹脂Bを供給して前記繊維強化樹脂Aをインサート成形するための前記予備成形体の製造方法であって、前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を結晶化度5〜15%の範囲内に制御することを特徴とする方法からなる。
【0009】
ここで、結晶化度について説明するに、結晶化度は理論的には以下のように定義できる。すなわち、熱可塑性樹脂には、結晶性樹脂と非晶性樹脂の二種類があり、結晶性樹脂にのみ、「結晶」と呼ばれる規則構造を伴ってポリマー鎖が配列(配向)した領域が存在する。一方で非晶性樹脂には、そのような規則的な構造はなく、糸くずが絡み合ったように無配向・ランダムな状態になっている。結晶化度とは、樹脂固体の結晶領域と非晶領域との全体の中で、結晶領域が占める重量の割合を以下のように算出したものである。
結晶化度(%)=結晶領域の重量/(結晶領域の重量+非晶領域の重量)×100
本発明では、この結晶化度が樹脂の接着性に大きな影響を及ぼすことに着目し、結晶化度を適切な範囲内に制御することで、優れた接着性を実現させたものである。
【0010】
理論的にはこの結晶化度は上記式で定義できるが、現実的には結晶領域の重量と非晶領域の重量を正確に測定することは困難であるので、結晶化度を精度よく定量的に測定する手法として、(1)X線回折法:X線回折を測定し、観測される全回折ピーク面積に占める結晶性構造に由来するピーク面積比(%)により、結晶化度を算出する方法、(2)熱分析法とがある。本発明では、繊維強化樹脂を対象としているので、後者の熱分析法にて結晶化度を測定することとした。
(2)熱分析法
DSC(示差走査熱量計)を用いて、結晶化に起因する発熱ピーク及び結晶融解に起因する吸熱ピークを測定し、ピーク面積J(縦軸:W[重量]×横軸:時間)と試料量(g)より融解熱量(J/g)を算出し、以下の式により結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=(測定融解熱量−結晶生成に伴う発熱量)/完全結晶体融解熱量×100
【0011】
上記本発明に係る予備成形体の製造方法においては、このような結晶化度を適切な範囲内に制御することにより、他の樹脂との接着性を向上できることを見出したものである。すなわち、予備成形体を構成する繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂を全体として一種類の結晶性の熱可塑性樹脂とした上で(つまり、別の樹脂の層等を設けることなく)、繊維強化樹脂Aの樹脂Bと接合される面の少なくとも一部(つまり、樹脂Bと接合されるマトリックス樹脂の表層の一部)を結晶化度5〜15%の範囲内に制御するようにしている。同じマトリックス樹脂でありながら表層の特定部位のみ特定範囲の結晶化度に制御することにより、マトリックス樹脂中に特別な界面を生じさせることなく表層の特定部位のみの接着性を向上することができる。したがって、この予備成形体を用いたインサート成形品の機械特性を損なうことなく、インサート成形における樹脂Bとの接着性を向上することが可能になり、成形後の成形品の優れた機械特性の確保が可能になるとともに、成形を不都合なく容易に行うことが可能になって、成形性も大幅に改善される。また、繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂として同じ樹脂を用い、繊維強化樹脂Aの表層の特定部位の特性(結晶化度)を変化させるだけであるから、本発明に係る予備成形体は容易にかつ安価に製造可能である。
【0012】
このような本発明に係る予備成形体の製造方法において、上記結晶化度は冷却速度、特に急冷によって所望の範囲内に制御することが可能である。例えば、上記繊維強化樹脂Aの強化繊維に上記マトリックス樹脂を含浸させた後、その表層部を急冷することにより、上記繊維強化樹脂Aの上記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を結晶化度5〜15%の範囲内に制御し、かつ、上記樹脂Bと接合されない面の少なくとも一部を結晶化度15%を越えるように制御することができる。すなわち、冷却速度を速めることにより結晶化度を低下する方向に制御できるので、特定の表層部を急冷して結晶化度5〜15%の範囲内に制御し、樹脂Bと接合されない面の少なくとも一部については(つまり、樹脂Bとの高い接着性が要求されない部位に対しては)、とくに冷却速度を速めることなく、結果的に結晶化度15%を越えるように制御するのである。このような制御により、必要な部位のみ樹脂Bとの接着性を確実に向上することができ、接着性の向上が不要な部位に対しては単に所望の機械特性を確保できるようにすればよい。
【0013】
本発明に係る予備成形体の製造方法においては、繊維強化樹脂Aの形態はとくに限定されないが、インサート成形のための予備成形体であること、特定の表層部の結晶化度を制御すること、とくに特定の表層部を急冷して結晶化度を特定の範囲内に制御することを考慮すれば、繊維強化樹脂Aが板状またはシート状の成形体またはプリプレグからなることが好ましい。
【0014】
また、繊維強化樹脂Aの樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を結晶化度5〜15%の範囲内に制御できれば、繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂はとくに限定されず、例えば、結晶性の熱可塑性樹脂であるポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン等を用いることができるが、結晶化度をより確実にこの特定範囲内に制御し、それによって良好な接着性を発現させるためには、繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂の主成分が重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドからなることが好ましい。なお、ここで、主成分とは、重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドを50wt%以上含む樹脂組成物を指し、例えば、その他のポリマーやエラストマーに加え、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、フィラー等も配合することができる。もちろん、重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドが100wt%でもよい。
【0015】
前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部におけるマトリックス樹脂が、重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドと、下記一般式(1)で表される環状ポリフェニレンスルフィドとのポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなることが好ましい。前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、環状ポリフェニレンスルフィドが1〜40wt%の範囲内であるのが好ましい。より好ましくは4〜30wt%、更に好ましくは7〜20wt%の範囲内である。かかる環状ポリフェニレンスルフィドを上記範囲内で配合することにより、より容易に上記結晶化度を5〜15%の範囲内に制御することが可能となる。
【0016】
【化1】

【0017】
前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部におけるマトリックス樹脂と、前記樹脂Bと接合されない面の少なくとも一部におけるマトリックス樹脂とでは、異なるマトリックス樹脂の組成物を適用するのが好ましい。例えば、ポリフェニレンスルフィドを適用する場合では、前述の高分子量ポリフェニレンスルフィドと環状ポリフェニレンスルフィドとのポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を、前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部に偏在するように配置されるのが好ましい態様である一方、高分子量ポリフェニレンスルフィドを前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合されない面の少なくとも一部に偏在するように配置されるのも好ましい態様といえる。前記態様とすることにより、結晶化度を特定の範囲内に制御することによりインサート成形において接着性を向上させつつ、また、機械特性を低下させることなく、収縮を制御して外観品位や耐環境特性にも優れる複合材料を得ることができる。
【0018】
また、繊維強化樹脂Aの強化繊維の形態についてもとくに限定されないが、予備成形体がインサート成形における補強材の役目を担うことを考慮すれば、繊維強化樹脂Aは、繊維長1mm以上の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなることが好ましい。また、繊維強化樹脂Aの強化繊維が一方向に配向されていると、成形品に対し特定の方向について効率よく補強して高い機械強度を発現させることができるので、このような要求がある場合にとくに好ましい。ただし、強化繊維織物等の他の形態も採用可能である。
【0019】
また、繊維強化樹脂Aの強化繊維の種類も特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、あるいはこれらのいずれかを組み合わせた混在形態の強化繊維等が適用可能であるが、強化繊維が炭素繊維を含む構成であると、容易に高い機械特性(強度、弾性率)を得ることができる
【0020】
また、インサート成形のために供給される液状化した(とくに、溶融された)樹脂Bについては、成形の容易化、さらには大量生産へも対応できることから、射出により型内に供給されることが好ましい。
【0021】
この樹脂Bの種類はインサート成形できるものであれば特に限定されないが、樹脂Bが熱可塑性樹脂からなると、結晶性の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化樹脂Aとの良好な接着性が得られやすく、また、射出成形等における成形性も良好に保たれる。
【0022】
この樹脂Bは樹脂単独でもよく、強化繊維(例えば、短繊維の強化繊維)を含むものであってもよい。樹脂Bが強化繊維を含むと、成形品全体としての機械強度をより高く保つことが可能になる。樹脂Bの強化繊維としても、上記同様に理由から炭素繊維であることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記のような方法により製造されたインサート成形用の予備成形体についても提供する。この予備成形体は、繊維強化樹脂Aの樹脂Bと接合される面の少なくとも一部が結晶化度5〜15%の範囲内に制御されているので、インサート成形の際、樹脂Bとの間に優れた接着性を発揮でき、成形性を改善できるとともに、得られる成形品についても高い機械特性が実現される。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明に係る予備成形体およびその製造方法によれば、予備成形体を構成する繊維強化樹脂Aの特定の表層部位の結晶化度を適切な範囲内に制御するようにしたので、インサート成形時に供給される樹脂Bに対し優れた接着性を発現でき、成形性を向上できるとともに、得られる成形品の高い機械特性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施態様に係る予備成形体の概略断面図である。
【図2】従来一般の予備成形体の概略断面図である
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る予備成形体1の概略断面を示している。本実施態様では、予備成形体1はシート状の成形体またはプリプレグとして構成されている。この予備成形体1は、全体として、強化繊維2(本実施態様では炭素繊維、例えば、一方向に配向された炭素繊維)と、結晶性の熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂3(本実施態様では、重量平均分子量が10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィド)とで構成される繊維強化樹脂Aからなる。この繊維強化樹脂Aの、インサート成形の際に繊維強化樹脂A周りに供給される液状化した(とくに、溶融した)樹脂Bと接合される面の少なくとも一部(図示例では、上下面)が、結晶化度5〜15%の範囲内に制御された低結晶化度層4に構成されている。この結晶化度の5〜15%の範囲内への制御は、前述したように、例えば、繊維強化樹脂Aの強化繊維2に上記マトリックス樹脂3を含浸させた後、その表層部を急冷することにより、行われている。図示例では、上下の低結晶化度層4の結晶化度が、それらの間に位置する内層の結晶化度よりも低くされている。
【0027】
このように構成された予備成形体1を、例えば型内の所定位置に配置し、その周りに樹脂Bを射出により供給してインサート成形すると、繊維強化樹脂Aの樹脂Bと接合される面の少なくとも一部(図示例では、上下の低結晶化度層4で形成される上下面)の樹脂Bとの接着性が大幅に向上される。接着性の向上により、インサート成形における成形性が改善されるとともに、成形される成形品の機械特性が向上される。
【0028】
また、この予備成形体1は、基本的には全体が繊維強化樹脂Aで構成され、その特定の表層部のみ低結晶化度層4として構成されているので、結晶化度以外、全体にわたって同一のマトリックス樹脂3が用いられている。したがって、低結晶化度層4を異なる樹脂種の層として設ける必要はなく、実質的に予備成形体1の製造工程の複雑化を招くことなく、容易にかつ安価に製造できる。さらに、全体にわたって同一のマトリックス樹脂3からなるので、内部で剥離が生じたりすることもない。
【0029】
したがって、インサート成形の際に望まれる優れた接着性と成形性、インサート成形後の成形品に望まれる高い機械特性を、ともに容易にかつ効率よく達成できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る予備成形体およびその製造方法は、結晶性の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした繊維強化樹脂Aを予備成形体として用いるあらゆるインサート成形に適用可能である。具体的には、自動車、航空機、船舶等の輸送機器、レジャー・スポーツ部材、圧力容器、油田掘削、土木建築の構造部材・準構造部材などに好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 予備成形体
2 強化繊維
3 マトリックス樹脂
4 低結晶化度層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス樹脂が結晶性の熱可塑性樹脂である繊維強化樹脂Aを予備成形体とし、液状化した樹脂Bを供給して前記繊維強化樹脂Aをインサート成形するための前記予備成形体の製造方法であって、前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を結晶化度5〜15%の範囲内に制御することを特徴とする、予備成形体の製造方法。
【請求項2】
前記繊維強化樹脂Aの強化繊維に前記マトリックス樹脂を含浸させた後、その表層部を急冷することにより、前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部を結晶化度5〜15%の範囲内に制御し、かつ、前記樹脂Bと接合されない面の少なくとも一部を結晶化度15%を越えるように制御する、請求項1に記載の予備成形体の製造方法。
【請求項3】
前記繊維強化樹脂Aが板状またはシート状の成形体またはプリプレグからなる、請求項1または2に記載の予備成形体の製造方法。
【請求項4】
前記繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂の主成分が重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項5】
前記繊維強化樹脂Aの前記樹脂Bと接合される面の少なくとも一部におけるマトリックス樹脂が、重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィドと、環状ポリフェニレンスルフィドとの樹脂組成物からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項6】
前記繊維強化樹脂Aが、繊維長1mm以上の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項7】
前記繊維強化樹脂Aの強化繊維が一方向に配向されている、請求項1〜6のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項8】
前記繊維強化樹脂Aの強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項9】
前記液状化した樹脂Bが射出により型内に供給される、請求項1〜8のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項10】
前記樹脂Bが熱可塑性樹脂からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項11】
前記樹脂Bが強化繊維を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の予備成形体の製造方法。
【請求項12】
前記樹脂Bの強化繊維が炭素繊維を含む、請求項11に記載の予備成形体の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の方法により製造されたインサート成形用の予備成形体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−18858(P2013−18858A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152826(P2011−152826)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】