説明

予想練習量提供装置、サポート機能推薦方法、サポート機能推薦システム、並びにプログラム

【課題】演奏技術の習得を助けるサポート機能が用意されている電子楽器のユーザーに対し、任意の時点で予想される、サポート機能を使用して練習する場合の演奏技術の習得に要する予想練習量を知らせる。
【解決手段】複数の電子楽器2は、ユーザーによる練習時に、前回の練習から今回の練習までに使用されたサポート機能の使用量、練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を取得し、サーバー1へ供給する。サーバー1は、供給された上達度関連情報をデータベース14に記憶する。サーバー1の制御部12は、特定の電子楽器2から上達度関連情報が送られると、その情報と、データベース14に記憶されている、他のユーザーに関する目標となる上達度に対応する上達度を要素とする上達度関連情報を含む一連の上達度関連情報に基づいて、サポート機能を使用した場合に演奏技術の習得に要する予想練習量を取得し、特定の電子楽器3に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏技術の習得を助けるサポート機能を備えた電子楽器のユーザーに対し、任意の時点で予想されるサポート機能を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量を知らせる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子楽器の1つである電子ピアノ(電子キーボードを含む)においては、ユーザーが、予め用意されている練習曲を演奏(練習)して演奏技術を習得する際の助けとなるサポート機能を備えたものが実用化されている。サポート機能としては、例えば下記の特許文献1に記載されているように、予め用意されている練習曲の進行に合わせて、操作すべき鍵を示すLED(Light Emitting Diode)を順次点灯させたり、楽譜を拡大表示したり、伴奏のテンポを下げたりするものである。係るサポート機能を利用することにより、ユーザーは比較的楽に演奏技術を習得することが可能となる。
【0003】
また、例えば下記の特許文献2には、電子ピアノにおいて、練習曲をユーザーが演奏、つまり練習した際に、ユーザーが行った演奏の内容を示すデータを、手本とすべき練習曲の演奏内容を示すデータと比較することによって、演奏技術の上達度を取得し、その時間的な変化をユーザーに視覚的に提示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−237088号公報
【特許文献2】特開2004−184757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したサポート機能を用いれば、ユーザーは比較的楽に演奏技術を習得することが可能となり、また、前述したように演奏技術の上達の時間的な変化を知らせれば、ユーザーは、それまでの練習実績を確認することができる。
【0006】
ところで、電子ピアノ等の演奏技術の習得には、練習曲等の演奏を繰り返し練習することが不可欠である。係ることから、現在練習中の練習曲について演奏技術が習得できるようになるまでの練習量(練習時間や練習回数等)をユーザーに知らせることが望ましい。言い換えれば、演奏技術が習得できるまでの練習量をカウントダウン的にユーザーに知らせることが望ましい。しかしながら、前述したような技術では、それを実現することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、演奏技術の習得を助けるサポート機能が用意されている電子楽器のユーザーに対し、任意の時点で予想される、サポート機能を使用して練習する場合の演奏技術の習得に要する予想練習量を知らせる予想練習量提供装置、サポート機能推薦方法、サポート機能推薦システム、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明においては、練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶する記憶手段と、特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得手段と、前記予想練習量取得手段により取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、演奏技術の習得を助けるサポート機能が用意されている電子楽器のユーザーに対し、任意の時点で予想される、サポート機能を使用して練習する場合の演奏技術の習得に要する予想練習量を知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るサポート機能推薦システムを示すシステム構成図である。
【図2】電子楽器に予め記憶されている情報、及び電子楽器に随時記憶される情報を示す概念図である。
【図3】電子楽器から機能推薦サーバーへ送信される上達度関連情報を示す概念図である。
【図4】上達度情報データベースに格納されているデータを例示する概念図である。
【図5】機能推薦サーバーのサポート機能推薦処理を示すフローチャートである。
【図6】類似度リスト取得処理を示すフローチャートである。
【図7】機能合計リスト取得処理を示すフローチャートである。
【図8】機能合計値取得処理を示すフローチャートである。
【図9】上達能力リスト取得処理を示すフローチャートである。
【図10】予想練習時間リスト取得処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係るサポート機能推薦システムを示すシステム構成図である。このサポート機能推薦システムは、インターネット100を介して相互に接続可能な機能推薦サーバー1と、多数の電子楽器2,2,2,・・・とから構成されている。
【0012】
ここで、本実施形態において各々の電子楽器2は電子ピアノ、或いは電子キーボードである。また、各々の電子楽器2は、予め用意されている練習曲をユーザーが練習する際に演奏技術の習得を助けるための複数種類のサポート機能を有している。電子楽器2が有するサポート機能としては、背景技術において既説した電子楽器が有するものと同様に、例えば楽曲の演奏の進行に合わせて、操作すべき鍵を示すLEDを順次点灯させたり、楽譜を拡大表示したり、伴奏のテンポを下げたりするものである。さらに、各々の電子楽器2は、ユーザーが任意の練習曲を演奏したとき、その練習曲に関するユーザーの演奏技術の上達度を取得してユーザーに知らせる機能も有している。
一方、機能推薦サーバー1は、電子楽器2からの要求に応じ、今後、複数のサポート機能のどの機能をどの程度使用して練習を行えば演奏技術を習得できるのかといった機能別の練習時間の目安となる予想練習時間を示す機能推薦情報を電子楽器2に提供するものである。
【0013】
以下、サポート機能推薦システムの詳細を図に従い説明する。
(電子楽器)
電子楽器2は、図1に示したように、楽器全体を制御するCPU(Central Processing Unit)21と、ROM(read-only memory)22、RAM(random-access memory)23、サウンドシステム24、演奏操作の対象となる鍵盤25、表示部26、スイッチ部27、演奏履歴メモリ28、通信制御部29とを備えている。なお、図示しないがCPU21には、現在の日付と時刻とを得るためのカレンダー機能を有する内蔵時計が含まれる。
【0014】
ROM22には、CPU21に楽器全体を制御させるための複数種のプログラムや、複数の練習曲に関する種々の曲関連情報が格納されている。
【0015】
図2(a)は、その曲関連情報201を示した概念図である。曲関連情報201は、練習曲を識別する曲IDと、曲名と曲の拍子、その練習曲の音符と休止符の総数を示す前述した総ノート数、その練習曲の演奏用シーケンスデータを識別する番号を示すシーケンスIDから構成されている。図2(b)は、上記シーケンスIDによって示される練習曲のシーケンス情報202を示した概念図である。シーケンス情報202は、練習曲のシーケンスデータを識別する番号を示すシーケンスIDと、練習曲の内容、つまり練習曲の楽譜を表すシーケンスデータとで構成されている。
【0016】
RAM23はCPU21の作業用のメモリであり、RAM23には、必要に応じて種々のデータが記憶される。
【0017】
サウンドシステム24は、鍵盤25の操作に応じた音の波形データを生成する音源部や、波形データをアナログ信号に変換するD/A変換器、アナログ信号を増幅する増幅器、アナログ信号を音として出力するスピーカー等から構成される。
【0018】
表示部26は、図示しないLCD(Liquid Crystal Display)や、鍵盤25に鍵毎に配置された複数のLED等から構成される。
【0019】
スイッチ部27は、電源スイッチ、及びユーザーが電子楽器2の動作に関する各種設定を行うための複数のスイッチから構成される。なお、電子楽器2の動作に関する各種設定には、練習対象となる曲、つまり練習曲の設定や、曲の練習時におけるサポート機能の使用の有無や、使用するサポート機能の種類の設定等が含まれる。
【0020】
演奏履歴メモリ28は、フラッシュメモリ等の記憶データが随時書き換え可能な不揮発性メモリから構成される。演奏履歴メモリ28には、ユーザーが行った演奏の内容を表す演奏情報が随時記憶される。図2(c)は、その演奏情報203を示した概念図である。演奏情報203は、日時と、ユーザーによる実際の演奏内容を表す演奏データとで構成される。なお、日時は、演奏データの記憶が完了した時点の年月日時分秒であり、また、演奏データは、ROM22に記憶されているシーケンスデータと同様の構成をデータ構成を有するものである。
【0021】
さらに、演奏履歴メモリ28には、ユーザーによる前述したサポート機能の使用状況を示す機能使用情報が練習曲毎に記憶される。図2(d)は、各練習曲の機能使用情報204を示した概念図である。機能使用情報204は、練習曲を識別する曲IDと、電子楽器2に用意されているサポート機能の種類(図では機能1〜機能4)別にカウントされた、各々のサポート機能に関する使用時間とで構成される。なお、サポート機能に関する使用時間は、サポート機能の使用量を示す情報であれば使用回数等であっても構わない。
【0022】
通信制御部29は、CPU21の命令に従い機能推薦サーバー1との間のデータ通信を行う。
【0023】
そして、電子楽器2においては、CPU21が、ROM22に格納されたプログラムに従い動作することにより以下の処理を行う。すなわちCPU21は、ユーザーがいずれかのサポート機能を使用して練習曲を練習(演奏)する毎に、演奏履歴メモリ28に記憶されている前記機能使用情報204における対応する機能(サポート機能の種類)の使用時間を更新する。
【0024】
また、CPU21は、電子楽器2に上達度取得モードが設定されている状態で、ユーザーが練習曲を練習(演奏)した際には、演奏履歴メモリ28に前記演奏情報203を新たに記憶するとともに、その練習曲に関するユーザーの演奏技術の上達度を取得する。
【0025】
ここで、上達度は、ユーザーが任意の練習曲を演奏したときの演奏技術を数値化したものであり、具体的には、練習曲における音符と休止符の総数を示す総ノート数とし、演奏データと練習曲のシーケンスデータとが完全に一致したときの上達度の値を総ノート数とするものである。
【0026】
上達度の取得に際してCPU21は、ユーザーが行った演奏の内容を表す演奏データを演奏履歴メモリ28に随時記憶し、演奏終了後に、その演奏データを練習曲のシーケンスデータと比較することにより上達度を取得する。具体的には、演奏データをノート(音符及び休止符)毎にシーケンスデータと比較し、音階の誤りがあった場合や、余分な1音が存在する場合、逆に1音抜けている場合には、それぞれ総ノート数から1を引き、最終的なノート数、つまり正しく演奏されたノート数を上達度とする。
【0027】
なお、ここで述べた上達度の具体的な内容、及びその取得方法は一例であり、本発明において上達度の具体的な内容、及びその取得方法は任意である。
【0028】
そして、CPU21は、取得した上達度、及び演奏履歴メモリ28に種類毎に機能使用情報204として記憶されているサポート機能の使用時間等からなる上達度関連情報を通信制御部29を介して機能推薦サーバー1へ送信する。なお、送信後には、演奏履歴メモリ28に記憶されている、上達度を取得した練習曲に関する各々のサポート機能(機能1〜機能4)の使用時間を初期化する。
【0029】
図3は、CPU21が機能推薦サーバー1へ送信する上達度関連情報301の構成を示した概念図である。上達度関連情報301は、ユーザーIDと、曲ID、機能1〜機能4の値(使用時間)、上達度、日時の各データから構成される。
【0030】
ここで、ユーザーIDは、ユーザーを識別するユーザー番号である。なお、以下の説明においては、ユーザー番号は各々の電子楽器2のユーザーに予め登録されている1から始まるシリアル番号であるものとする。また、日時は、上達度関連情報301が収集されたとき、つまり上達度関連情報301が機能推薦サーバー1へ送信されたデータ登録時の年月日時分秒である。
【0031】
さらに、CPU21は、上記の上達度関連情報の送信に応答して機能推薦サーバー1から送信される機能推薦情報を受信し、受信した機能推薦情報により示されるサポート機能の種類毎に推薦順位、及び予想練習量を表示部26のLCDへ表示させる。
【0032】
ここで、CPU21がLCDへ表示させる推薦順位は、後述するように、ユーザーが上達度関連情報を送信した練習曲を練習する際の使用に適したサポート機能をユーザーに知らせるものであり、どの機能を使用すれば、より無理なく練習曲が弾けるようになるのかをユーザーに知らせるものである。
【0033】
また、CPU21がLCDへ表示させる予想練習量は、各々のサポート機能を使用した場合に、上達度関連情報を送信した練習曲について演奏技術の習得に要することが予想される練習量であり、今後、どの程度の練習を行えば練習曲が弾けるようになるのかを、サポート機能の種類毎にユーザーに知らせるものである。
【0034】
(機能推薦サーバー)
一方、機能推薦サーバー1は、図1に示したように通信制御部11と、制御部12、プログラムデータ記憶部13、上達度情報データベース14とを備えている。
【0035】
通信制御部11は、インターネット100を介して接続された各々の電子楽器2との間におけるデータの送受信を行う。
【0036】
制御部12は、プログラムデータ記憶部13に記憶されているプログラムに基づき通信制御部11の動作を制御するとともに、各々の電子楽器2から送信された前述した上達度関連情報を上達度情報データベース14に記憶する。なお、図示しないが制御部12は、CPU、及びCPUの周辺回路と、RAM等の作業用メモリ等とから構成される。
【0037】
図4は、上達度情報データベース14に格納されているデータ(上達度関連情報)の例を示した概念図である。上達度情報データベース14には、上達度関連情報を構成する各データが1レコードとして記憶されている。なお、図4に示した各フィールドの値は実際の値ではなく、識別可能にするために記号化して示したものである。
【0038】
また、ここでは、各レコードがユーザーID、曲ID、日時の順序で整理された状態を示したものである。つまり例えばユーザーIDが「uid1」、曲IDが「sid1」であるレコード群は、その日時の値「dt1101,dt1102,dt1103,・・・dt1108」が昇順となっている。
【0039】
また、本来、同じユーザーが同じ曲の演奏(練習)を繰り返す間には、上達度が上がったり、下がったりするが、ここでは、常に前回よりも上達度が上がっていたときのデータのみが上達度情報データベース14に新たなレコードして記憶されるものとする。つまり図4に示したユーザーIDが「uid1」、曲IDが「sid1」であるレコード群においては、上達度の値「sk1101,sk1102,sk1103,・・・sk1108」も、日時の値と同様に昇順に並んでいるものとする。
【0040】
そして、機能推薦サーバー1においては、制御部12が、任意の電子楽器2から送信された上達度関連情報を上達度情報データベース14に記憶した後、図5乃至図10に示した後述するサポート機能推薦処理を実行する。
【0041】
後述するサポート機能推薦処理は、上達度関連情報を送信してきた電子楽器2に対し、今後、複数のサポート機能のどの機能をどの程度使用して練習を行えば演奏技術を習得できるのかといった機能別の練習時間の目安となる予想練習時間を示す機能推薦情報を電子楽器2に提供するものである。なお、本実施形態において電子楽器2に提供される機能推薦情報には、ユーザーが任意の練習曲を練習する際、演奏技術の習得に適したサポート機能を示す情報が含まれる。
【0042】
まず、制御部12が実行するサポート機能推薦処理について、その概略を以下に述べる。電子楽器2のユーザーが練習曲を練習する際には任意の種類のサポート機能が適宜使用される。練習が繰り返されることにより練習曲の演奏技術が徐々に上達し、やがて、その練習曲を弾ける段階まで上達する。
【0043】
本実施形態のサポート機能推薦処理では、先に説明した上達度が、練習曲の総ノート数の90%以上になったときを、任意のユーザーにおいて特定の練習曲が弾けるようになったときと仮定する。図4に即して具体的に述べると、例えばユーザーIDがuid1のユーザーにおいて、曲IDがsid1の練習曲に関する上達度の値sk1107が、その練習曲の総ノート数の90%以上になっていたら、日時がdt1107の段階でその練習曲が弾けるようになっていたと仮定する。
【0044】
ここで、ユーザーIDがuid1のユーザーは、例えば上達度がsk1102からsk1107の段階になるまでの間には、何らかのサポート機能を使用して、上達していったことになる。視点を変えると、日時がdt1102からdt1107までの6レコードの各機能(機能1〜機能4)の値を個別に合計したとき、その値が最大となる特定の機能が、上達度がsk1102からsk1107に達するまでの間の練習過程で最も多用された機能であると判断できる。
【0045】
上記の各機能(機能1〜機能4)合計値をF1〜F4とすると、機能1の合計値F1は、(f1v1102+f1v1103+flv1104+f1v1105+nf1v106+f1v1107)、機能2の合計値F2は、(f2v1102+f2v1103+f2v1104+f2v1105+f2v1106+f2v1107)、機能3の合計値F3は、(f3v1102+f3v1103+f3v1104+f3v1105+f3v1106+f3v1107)、機能4の合計値F4は、(f4v1102+f4v1103+f4v1104+f4v1105+f4v1106+f4v1107)である。
【0046】
同様に、例えばユーザーIDがuid2の他のユーザーについて、上記と同一の練習曲に関する上記の上達度sk1102、及び上達度sk1107にそれぞれ対応する上達度がsk2104、及びsk2107であった場合には、以下のことが言える。すなわち、ユーザーIDがuid2の他のユーザーにおいては、日時がdt2104からdt2107までの4レコードの各機能(機能1〜機能4)の値を個別に合計したとき、その値が最大となる特定の機能が、上達度がsk2104からsk2107に達するまでの間の練習過程で最も多用された機能であると判断できる。
【0047】
その場合、機能1の合計値F1は、(f1v2104+f1v2105+flv2106+f1v2107)、機能2の合計値F2は、(f2v2104+f2v2105+f2v2106+f2v2107)、機能3の合計値F3は、(f3v2104+f3v2105+f3v2106+f3v2107)、機能4の合計値F4は、(f4v2104+f4v2105+f4v2106+f4v2107)である。
【0048】
したがって、多数のユーザーを対象としてユーザー毎に機能別の合計値(F1〜F4)を取得し、さらに各ユーザーの機能別の合計値(F1〜F4)を機能毎に合計したときその値が最大となる特定の機能が、多数のユーザーにおいて、上達度がsk1102(及びsk1102)に対応する段階から、sk1107(及びsk2107)の段階に達するまでの間に最も多用されたサポート機能(特定の機能)であると判断することができる。
【0049】
その場合、ユーザーIDがuid1のユーザーの機能1の合計値F1をZ11、ユーザーIDがuid2のユーザーの機能1の合計値F1をZ21、・・・というようにすると、多数のユーザー(n人)における機能1の合計値は、Z11+Z21+Z31+・・・Zn1となる。同様に、機能2の合計値は、Z12+Z22+Z32+・・・Zn2、機能3の合計値は、Z13+Z23+Z33+・・・Zn3、機能4の合計値は、Z14+Z24+Z34+・・・Zn4となる。
【0050】
ここで、サポート機能の使い方を練習方法とすると、上記の特定の機能を使った練習方法は、実際に特定の練習曲を弾けるようになった多数のユーザーの練習方法であり、言うなれば練習方法の成功例である。
【0051】
したがって、任意のユーザーにおいても、曲IDがsid1の練習曲に関する現在の上達度の値が、上記の上達度sk1102(及びsk1102)に対応する値であったときには、練習曲が弾けるようになった多数のユーザーと同様の練習方法を採用すれば、無理なくその練習曲が弾けるようになる可能性が高いと判断できる。
【0052】
つまり練習曲が弾けるようになった多数のユーザーの機能別の合計値(F1〜F4)を機能毎に合計したとき、その値がより高い機能ほど、演奏技術の習得する上での有効性がより高いと判断できる。
【0053】
一方、特定の練習曲を弾けるようになった多数のユーザーの練習方法を個別に考えると、実際に使用されたサポート機能の種類は個々のユーザーによって異なり、それには各ユーザーの嗜好が反映されている。
【0054】
係ることから、本実施形態のサポート機能推薦処理では、練習曲が弾けるようになった多数のユーザーの機能別の合計値(F1〜F4)を機能毎に合計した値ではなく、以下の値を、各機能(機能1〜機能4)における有効性の度合を示す評価値とする。
【0055】
すなわち、特定の練習曲を弾けるようになった各ユーザーにおけるサポート機能の推薦対象となるユーザーとの練習方法の類似度をウェートとして、機能別の合計値の加重平均を取得し、それを各機能(機能1〜機能4)における有効性の度合を示す評価値(後述するスコア)とする。そして、係る評価値に基づいて複数のサポート機能の各々について推薦順を決定する。
【0056】
なお、サポート機能の推薦対象となるユーザーと、他のユーザーとの間における練習方法の類似度、つまり練習方法が似通っているかどうかを示す度合は、いくつかの手法によって計算することができる。類似度の計算方法としては、例えばユークリッド距離やマンハッタン距離に1を足して逆数をとる方法や、ピアソン相関係数、Tanimoto係数、Jaccard係数等を類似度として求める方法があるが、後述するように本実施形態のサポート機能推薦処理ではピアソン相関係数を使用する。
【0057】
さらに、本実施形態のサポート機能推薦処理では、練習曲を弾けるようになるまでに、複数のサポート機能の各々を使用した練習をどの程度行えばよいのかを示す、機能別の練習時間の目安である予想練習時間を取得する。
【0058】
例えば、図4に示した例で、ユーザーIDがuid9のユーザーが、曲IDがsid1の練習曲の練習をしていて、そのときの上達度の値がsk9103であり、前述した有効性が最も高いサポート機能が機能3であるとき、機能3に関する予想練習時間は、以下のようにして得ることができる。
【0059】
ここでは、練習曲が弾けるようになった多数のユーザーのうちで、練習方法の類似度が最も高かった他のユーザーが、ユーザーIDがuid2のユーザーであり、uid2のユーザーにおいて、uid9のユーザーの現在の上達度sk9103に対応する上達度が、日時がdt2104のレコードの上達度sk2104、さらに練習曲の総ノート数の90%以上になったときの上達度が、日時がdt21047のレコードの上達度sk2107である場合を想定する。
【0060】
この場合、uid2のユーザーにおいて、前述した機能3の機能合計値F3、つまり(f3v2104+f3v2105+f3v2106+f3v2107)が、練習曲が弾けるようになるまでに機能3を実際に用いた合計時間となる。
【0061】
したがって、uid9のユーザーにおける演奏技術の上達能力が、uid2のユーザーの上達能力と同一であれば、機能3に関する予想練習時間は、機能3の機能合計値F3から、日時がdt9103のレコードの機能3の値を差し引いたときの時間となる。
【0062】
しかし、ユーザーIDがuid9のユーザーにおける演奏技術の上達能力と、ユーザーIDがuid2のユーザーの上達能力とは必ずしも同一ではない。そのため、予想練習時間を計算する際には、まず、機能3に関しuid2のユーザーの上達能力SP23と、uid9のユーザーの上達能力SP93とを取得する。
【0063】
uid2のユーザーの上達能力SP23は、日時がdt2104の時のレコードの上達度sk2104と、その直前のレコードである日時がdt2103の時の上達度sk2103との差分を、日時がdt2104の時の機能3の使用時間F3V2104で割った値とする。つまり、SP23=(sk2104−sk2103)/F3V2104とする。
【0064】
同様に、uid9のユーザーの上達能力SP93は、最新のレコードにおける現在の上達度sk9103と、その直前のレコードである日時がdt9102の時の上達度sk9102との差分を、最新のレコードにおける機能3の使用時間F3V9103で割った値とする。つまり、 SP93=(sk9103−sk9102)/F3V9103とする。
【0065】
次に、機能3の合計値F3を、両者間における上達能力SP93,SP23の相対比を乗じることにより、uid9のユーザーの上達能力SP93に応じた相対的な合計値である相対的機能合計値RF3に補正する。つまりRF3=F3×SP23/SP93とする。
【0066】
なお、機能3の合計値F3と相対的機能合計値RF3との関係は、uid9のユーザーの上達能力SP93とuid2のユーザーの上達能力SP23との関係がSP93>SP23であればF3>RF3となり、逆にSP93<SP23であればF3<RF3となる。
【0067】
そして、この補正後の相対的機能合計値RF3から、日時がdt9103のレコードの機能3の値を差し引いたときの時間を機能3に関する予想練習時間とする。つまり上達度の値がsk9103である時点において予想される、練習曲が弾けるようになるまでの機能3のサポート機能を使用した練習時間の目安とする。
【0068】
次に、制御部12によるサポート機能推薦処理の内容を図5乃至図10に示したフローチャートに従い具体的に説明する。
【0069】
図5に示したように、サポート機能推薦処理に際して制御部12は、まず、上達度情報データベース14に新たに記憶した上達度関連情報において、演奏技術の習得に適したサポート機能を推薦すべき処理対象であるユーザー本人(以下、単に本人ともいう。)のユーザーIDと、曲IDを確認する(ステップS1)。
【0070】
次に、制御部12は、図6に示した類似度リスト取得処理を実行する(ステップS2)。類似度リスト取得処理は、本人以外の他のユーザーについて、ステップS1で確認した曲IDで示される練習曲についての練習方法(サポート機能の使い方)が、本人とどの程度似通っているのかを示す類似度のリスト(W1〜Wn)を取得する処理である。
【0071】
図6に示したように、類似度リスト取得処理において制御部12は、まずユーザーを示すユーザー番号iに1をセットする(ステップS101)。そして、制御部12は、ユーザー番号iが本人のユーザーIDであれば(ステップS102:YES)、本人の類似度Wiを0として保存した後(ステップS103)、ユーザー番号iをインクリメントする(ステップS104)。以後、制御部12は、ユーザー番号iが最大値nを超えるまでの間(ステップS105:NO)、ステップS106〜ステップS111の処理を行う。
【0072】
また、制御部12は、ユーザー番号iが本人のユーザーIDでなければ(ステップS102:NO)、そのまま、ユーザー番号iが最大値nを超えるまでの間(ステップS105:NO)、ステップS106〜ステップS111の処理を行う。
【0073】
ステップS106の処理において制御部12は、上達度情報データベース14に記憶されている多数の上達度関連情報(図4)において、ユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の全レコードから、処理対象の練習曲と曲IDが同一で、かつ上達度の値が本人の上達度と最も近い値(ただし本人の上達度以上)である第1のレコードを検索する。
【0074】
その際、制御部12は、上達度情報データベース14に第1のレコードが存在しなければ(ステップS107:NO)、ステップS103の処理へ戻り、ユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の類似度Wiを0として保存する。
【0075】
一方、制御部12は、上達度情報データベース14に第1のレコードが存在する場合には(ステップS107:YES)、第1のレコードから、機能1〜機能4の値、つまりサポート機能の種類毎の使用量(使用時間、又は使用回数)を取得する(ステップS108)。
【0076】
次に、制御部12は、今回、上達度情報データベース14に新たに記憶した上達度関連情報である本人の最新レコードにおける機能1〜機能4の各値と、比較相手の第1のレコードにおける機能1〜機能4の各値とをパラメータとし、下記式(1)からピアソン相関係数γを計算する(ステップS109)。
【0077】
【数1】

【0078】
式(1)において、Xは、本人の最新レコードにおける機能1〜機能4の各値である。また、Yは、比較相手の第1のレコードにおける機能1〜機能4の各値である。また、Nは、機能1〜機能4(サポート機能の種類)の数、すなわち4である。
【0079】
式(1)の内容を図4に例示したデータに即して具体的に説明する。例えば曲IDがsid1、本人のユーザーIDがuid9で、かつ本人の最新レコードにおける上達度(現在の上達度)がsk9103であり、比較相手のユーザーIDがuid1で、かつ比較相手の第1のレコードにおける上達度がsk1102である場合には、式(1)の内容は以下となる。
【0080】
すなわち、ΣXは、(flv9103+f2v9103+f3v9103+f4v9103)となる。また、ΣXYは、(flv9103×flv1102+f2v9103×f2v2102+f3v9103×f3v1102+f4v9103×f4v1102)となる。また、Σ(X^2)は、(flv9103^2+f2v9103^2+f3v9103^2+f4v9103^2)となる。また、Σ(Y^2)は、(f1v1102^2+f2v1102^2+f3v1102^2+f4v1102^2)となる。
【0081】
また、例えば比較相手のユーザーIDがuid2で、かつ比較相手の第1のレコードにおける上達度がsk2104である場合には、式(1)の内容は以下となる。
【0082】
すなわち、ΣXは、(flv9103+f2v9103+f3v9103+f4v9103)となる。また、ΣXYは、(flv9103×flv2104+f2v9103×f2v2102+f3v9103×f3v2104+f4v9103×f4v2104)となる。また、Σ(X^2)は、(flv9103^2+f2v9103^2+f3v9103^2+f4v9103^2)、Σ(Y^2)は、(f1v2104^2+f2v2104^2+f3v2104^2+f4v2104^2)となる。
【0083】
しかる後、制御部12は、ステップS109で計算したピアソン相関係数γに1を加えた値「γ+1」を、ユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の、本人との間における練習方法の類似度Wiとして保存する(ステップS1010)。なお、ピアソン相関係数γをそのまま類似度として使用せず、ピアソン相関係数γに1を加えた値を使用する理由は、式(1)から得られるピアソン相関係数γが−1から1までの実数となるため、この後の処理の都合上、類似度Wiを正の値とするためである。
【0084】
その後、制御部12は、ユーザー番号iをインクリメントして比較相手を変更した後(ステップS111)、ステップS102の処理へ戻って上述した処理を繰り返す。そして、制御部12は、ユーザー番号iが最大値nを超えた時点で(ステップS105:YES)、各ユーザーの類似度W1〜nを戻り値として(ステップS112)、類似度リスト取得処理を終了して図5の処理に戻る。
【0085】
引き続き、制御部12は、図7に示した機能合計リスト取得処理を実行する(ステップS3)。機能合計リスト取得処理は、各ユーザーについての機能(サポート機能の種類)毎の使用量の合計値であって、上達度が、処理対象である本人の現在の上達度に対応する上達度から、前述した目標となる上達度に達するまでの間に使用された機能(サポート機能の種類)毎の使用量の合計値のリスト(Z11〜Zn1,Z12〜Zn2,Z13〜Zn3,Z14〜Zn4)を取得する処理である。
【0086】
図7に示したように、機能合計リスト取得処理において制御部12は、まずユーザーを示すユーザー番号iに1をセットする(ステップS201)。そして、制御部12は、ユーザー番号iが本人のユーザーIDであれば(ステップS202:YES)、本人に関する機能毎の使用量の合計値(以下、各機能の合計値という。)Zi1,Zi2,Zi3,Zi4を全て0として保存した後(ステップS203)、ユーザー番号iをインクリメントする(ステップS204)。以後、制御部12は、ユーザー番号iが最大値nを超えるまでの間(ステップS205:NO)、ステップS206〜ステップS208の処理を行う。
【0087】
また、制御部12は、ユーザー番号iが本人のユーザーIDでなければ(ステップS202:NO)、そのまま、ユーザー番号iが最大値nを超えるまでの間(ステップS205:NO)、ステップS206〜ステップS208の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS206において制御部12は、図8に示した機能合計値取得処理によって、ユーザーIDがユーザー番号iである特定の比較相手について機能(サポート機能の種類)毎の使用量の合計値F1〜F4を取得する。
【0089】
図8に示したように、機能合計値取得処理において制御部12は、まず上達度情報データベース14に記憶されている多数の上達度関連情報(図4)において、ユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の全レコードから、処理対象の練習曲と曲IDが同一で、かつ上達度が本人の上達度と最も近い値(ただし本人の上達度以上)である第1のレコードを検索する(ステップS211)。
【0090】
ここで、制御部12は、第1のレコードが存在する場合には(ステップS212:YES)、さらにユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の全レコードから、処理対象の練習曲と曲IDが同一で、かつ上達度が目標以上であるレコードを検索する(ステップS213)。なお、目標となる上達度の値は、先に述べたように練習曲の総ノート数の90%となるノート数と等しい値である。
【0091】
そして、制御部12は、上達度の値が目標以上の値であるレコードが1又は複数存在する場合には(ステップS214:YES)、それらのうちで上達度が最小のレコード(対応するレコードが1つの場合には、そのレコード)を第2のレコードとする(ステップS215)。
【0092】
しかる後、制御部12は、前述した第1のレコードから第2のレコードまでの全てのレコード、すなわち日時が第1のレコードの日時から第2のレコードの日時までの複数のレコードを対象として、各機能の合計値F1〜F4を計算する(ステップS216)。
【0093】
一方、制御部12は、上述した処理際して、上達度情報データベース14に前記第1のレコードが存在していない場合(ステップS212:NO)、及び上達度が目標以上であるレコードが存在していない場合(ステップS214:NO)については、ユーザーIDがユーザー番号iである比較相手の機能合計値F1〜F4をそれぞれ0とする(ステップS217)。
【0094】
そして、制御部12は、ステップS216で計算した機能合計値F1〜F4、又はステップS217で決定した機能合計値F1〜F4を戻り値として(ステップS218)、機能合計値取得処理を終了して図7の処理に戻る。
【0095】
この後、制御部12は、機能合計値取得処理で取得した機能合計値F1〜F4を、ユーザー毎の機能合計値のリスト(Z11〜Zn1,Z12〜Zn2,Z13〜Zn3,Z14〜Zn4)として保存する(ステップS207)。そして、制御部12は、ユーザー番号iをインクリメントして比較相手を変更した後(ステップS208)、ステップS202の処理へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0096】
そして、制御部12は、ユーザー番号iが最大値nを超えた時点で(ステップS205:YES)、全てのユーザーについての各機能の合計値Zi1,Zi2,Zi3,Zi4を戻り値として(ステップS209)、機能合計リスト取得処理を終了し図5の処理に戻る。
【0097】
引き続き、制御部12は、ステップS2の類似度リスト取得処理(図6)で取得した複数のユーザーの類似度W1〜Wnと、ステップS3の機能合計リスト取得処理(図7)で取得した複数のユーザーの機能別の合計値Z11〜Zn1,Z12〜Zn2,Z13〜Zn3,Z14〜Zn4とをパラメータとした下記式(2)からスコア(A1〜A4)を計算する(ステップS4)。
【0098】
【数2】

X: 本人の最新レコードにおける機能1〜機能4の各値
Y: 比較相手の第1のレコードにおける機能1〜機能4の各値
N: サポート機能の種類の数(=4)
i: ユーザー番号
n: ユーザー番号の最大値
j: サポート機能の番号
【0099】
すなわち、ステップS4の処理において制御部12は、各ユーザーの類似度W1〜Wnをウェートとして、機能別の合計値の加重平均を計算し、その計算結果を機能毎の有効性の度合を示すスコアとして取得する。
【0100】
そして、制御部12は、取得したスコアに応じた推薦順位を各機能に付与する。つまりスコアがより高い機能により高位の推薦順位を付与する(ステップS5)。
【0101】
引き続き、制御部12は、図9に示した上達能力リスト取得処理を実行する(ステップS6)。上達能力リスト取得処理は、サポート機能を推薦すべき処理対象である本人と、練習曲が弾けるようになった多数のユーザーのうちで、練習方法の類似度が最も高かった比較相手のユーザーにおける、ステップS1で確認した曲IDで示される練習曲についての演奏技術の上達能力であって、サポート機能の種類(機能1〜機能4)毎の上達能力のリスト(SPa1〜SPa4,SPb1〜SPb4)を取得する処理である。
【0102】
図9に示したように、上達能力リスト取得処理において制御部12は、まず、本人の全レコードから、最新のレコードの直前となるレコードを検索する(ステップS301)。
【0103】
ここで、直前となるレコードが存在する場合(ステップS302:YES)、制御部12は、本人について、最新レコードの各機能の値v1〜v4と、最新レコードの上達度s1と、直前のレコードの上達度s2とを確認する(ステップS303)。
【0104】
しかる後、制御部12は、本人の最新レコードの上達度s1と、最新レコードの直前のレコードの上達度s2との差分を、最新レコードにおける各機能の値で割る計算を行うことにより、本人についてサポート機能の種類(機能1〜機能4)毎の上達能力SPa1〜SPa4を取得する(ステップS304)。
【0105】
また、直前となるレコードが存在していない場合(ステップS302:NO)、制御部12は、本人におけるサポート機能の種類(機能1〜機能4)毎の上達能力SPa1〜SPa4の全てを0とする(ステップS305)。
【0106】
引き続き、制御部12は、ステップS2(図5)の類似度リスト取得処理によって取得した類似度リスト(W1〜Wn)によって、類似度が最大となる比較相手を特定し(ステップS306)、その比較相手の全レコードから、既説した第1のレコードの直前となる第3のレコードを検索する(ステップS307)。
【0107】
ここで、第3のレコードが存在する場合(ステップS308:YES)、制御部12は、処理対象である本人の最新レコードに対応する比較相手の第1のレコードの各機能の値v1〜v4と、第1のレコードの上達度s1と、第1のレコードの直前のレコードとなる第3のレコードの上達度s2とを確認する(ステップS309)。
【0108】
しかる後、制御部12は、比較相手の第1のレコードの上達度s1と、第3のレコードの上達度s2との差分を、第1のレコードの各機能の値v1〜v4で割る計算を行いうことにより、比較相手におけるサポート機能の種類(機能1〜機能4)毎の上達能力SPb1〜SPb4を取得する(ステップS310)。これにより、上達能力リスト取得処理を終了し、図5の処理に戻る。
【0109】
また、第3のレコードが存在していない場合(ステップS308:NO)、制御部12は、比較相手におけるサポート機能の種類(機能1〜機能4)毎の上達能力SPb1〜SPb4の全てを0とする(ステップS311)。これにより、上達能力リスト取得処理を終了し、図5の処理に戻る。
【0110】
図5の処理に戻ると制御部12は、引き続き図10に示した予想練習時間リスト取得処理を実行する(ステップS7)。予想練習時間リスト取得処理は、複数のサポート機能の各々を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習時間である予想練習時間のリスト(TF1〜TF4)を取得する処理である。
【0111】
図10に示したように、予想練習時間リスト取得処理において制御部12は、まず、ステップS3(図5)の機能合計値リスト取得処理によって取得した機能合計値リスト(Z11〜Zn1,Z12〜Zn2,Z13〜Zn3,Z14〜Zn4)から、練習方法の類似度が最大である比較相手の各機能の機能合計値(Zb1〜Zb4)、つまり機能別の合計使用時間を取得する(ステップS401)。
【0112】
次に、制御部12は、処理対象とする機能を示す機能番号jに1を設定する(ステップS402)。そして、制御部12は、処理対象である本人における機能番号jの機能(サポート機能)の上達能力SPaj、及び比較相手における機能番号jの機能(サポート機能)の上達能力SPbjの値が共に0でなければ(ステップS403:NO、ステップS404:NO)、相対的機能合計値RFjを以下の式で計算することにより取得する(ステップS405)。
RFj=Zbj×SPbj/SPaj
【0113】
すなわち相対的機能合計値RFjは、比較相手における機能番号jの機能の機能合計値Zbjを、機能番号jの機能に関する比較相手の上達能力SPbjと、本人の上達能力SPajとの相対比を乗じた値であって、機能合計値Zbjを、本人の上達能力に応じて補正した相対的な機能合計値である。
【0114】
なお、既説したように機能合計値Zbjと相対的機能合計値RFjとの関係は、本人の上達能力SPajと比較相手の上達能力SPbjとの関係がSPaj>SPbjであれば、Zbj>RFjとなり、逆にSPaj<SPbjであれば、Zbj<RFjとなる。
【0115】
また、制御部12は、処理対象である本人の上達能力SPajの値が0である場合(ステップS403:YES)、又は比較相手の上達能力SPbjの値が0である場合には(ステップS404:YES)、相対的機能合計値RFjを、比較相手における機能番号jの機能の機能合計値Zbjとする(ステップS406)。
【0116】
そして、制御部12は、相対的機能合計値RFjから、本人における機能番号jの機能の値vjを差し引くことによって、機能番号jの機能についての予想練習時間TFjを取得する(ステップS407)。
【0117】
以後、制御部12は、機能番号jをインクリメントした後(ステップS408)、前述したステップS403以降の処理を行い、これを機能番号jが4になるまで繰り返す(ステップS409:YES)。これにより他の全ての機能について予想練習時間TFjを取得する。
【0118】
その後、制御部12は、機能番号jが4を超えた時点で(ステップS409:NO)、それまでに取得した予想練習時間(TF1〜TF4)を戻り値として、予想練習時間リスト取得処理を終了し、図5の処理に戻る。
【0119】
そして、図5の処理に戻ると制御部12は、ステップS5の処理で取得した機能毎の推薦順位と、ステップS7の処理で取得した機能毎の予想練習時間とを示す機能推薦情報を、上達度関連情報を送信してきた電子楽器2に送信する(ステップS8)。これに伴い、電子楽器2においては、機能推薦情報に基づいてサポート機能の種類毎に、各々の推薦順位と予想練習時間とが表示部26のLCDへ表示される。
【0120】
したがって、電子楽器2のユーザーにおいては、種類毎の予想練習時間を確認することにより、現在練習中の練習曲について、今後、複数のサポート機能のどの機能をどの程度使用して練習を行えば演奏技術を習得できるのかを知ることができる。
【0121】
同時に、電子楽器2のユーザーにおいては、表示部26のLCDに表示されたサポート機能の種類毎の推薦順位を確認することにより、現在練習中の練習曲について、どのサポート機能を使用すれば、より確実に、かつより効率よく演奏技術を習得することができるのかを知ることができる。
【0122】
以上のように、本実施形態によれば、サポート機能を使用して予め用意されている練習曲を練習する場合における、任意の時点で予想される演奏技術の習得に要する練習量、つまり予想練習時間を知らせることができる。言い換えれば、演奏技術が習得できるまでの練習量をカウントダウン的にユーザーに知らせることができる。その結果、電子楽器2のユーザーに、演奏技術の習得に対するモチベーションを維持させることができる。
【0123】
しかも、本実施形態においては、サポート機能の種類毎の予想練習時間を、練習方法が最も類似する比較相手における機能合計値(Zbj)、比較相手の上達能力に対する本人の上達能力の相対比を乗じて補正した相対的機能合計値(RFj)から本人における機能の値vjを引くことにより取得した。したがって、より正確な予想練習時間(TFj)をユーザーに知らせることができる。
【0124】
なお、予想練習時間の精度は低下するが、本発明の実施に際しては、サポート機能の種類毎の予想練習時間(TFj)を、機能合計値(Zbj)から本人における機能の値vjを引くことにより取得するようにしても構わない。
【0125】
また、本実施形態においては、電子楽器2のユーザーに対し、サポート機能の種類毎に、演奏技術の習得する上で予想される有効性の度合に応じた推薦順を知らせる構成において、任意の時点での演奏技術の習得に要する予想練習時間をサポート機能の種類毎に知らせるようにした。この場合においては、電子楽器2のユーザーに、演奏技術の習得に要する予想練習時間をサポート機能の種類毎に知らせることによって、練習曲を練習する際にどのサポート機能を用いれば良いかを、より的確に判断させることができる。
【0126】
また、本実施形態においては、電子楽器2に複数のサポート機能が設けられており、任意の時点での演奏技術の習得に要する予想練習時間をサポート機能の種類毎に知らせるものについて説明した。しかし、本発明は、電子楽器2が単一のサポート機能しか有していない場合においても有効である。
【0127】
また、本実施形態においては、電子楽器2のユーザーに、今後、複数のサポート機能のどの機能をどの程度使用して練習を行えば演奏技術を習得できるのかといった練習量として練習時間を知らせるものについて説明したが、ユーザーに知らせる練習量は練習時間に限らず練習回数としても構わない。
【0128】
また、以上の説明においては、前述した電子楽器2が電子ピアノ、或いは電子キーボードである場合について説明したが、本発明は、演奏技術の習得を助けるサポート機能が複数用意されているものであれば、電子ピアノや電子キーボード等の鍵盤楽器以外の電子楽器にも適用することができる。
【0129】
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶する記憶手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得手段と、
前記予想練習量取得手段により取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供手段と
を備えた予想練習量提供装置。
[請求項2]
前記予想練習量取得手段は、
前記特定のユーザーの最新の上達度に対応する他のユーザーの第1の上達度を要素とする上達度関連情報と、前記特定ユーザーの練習目標となる上達度に対応する前記他のユーザーの第2の上達度を要素とする上達度関連情報を前記記憶手段から取得する上達度取得手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、前記取得手段にて取得された前記他のユーザー夫々の上達関連情報との間における前記各サポート機能の使用量に着目した類似度をユーザー毎に取得する類似度取得手段と、
前記類似度取得手段により取得された類似度が最大であるユーザーの前記第1の上達度から前記第2の上達度までの上達度をそれぞれ要素とする一連の上達度関連情報を対象として、各々の上達度関連情報における前記各サポート機能の使用量を合計した合計使用量を取得する合計使用量取得手段と
を含み、
前記合計使用量取得手段により取得された合計使用量と、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報における前記各サポート機能の使用量との差分を、当該各サポート機能を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量として取得する請求項1記載の予想練習量提供装置。
[請求項3]
前記特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報、及び最新の上達度関連情報に先立ち取得された上達度関連情報の各々における上達度に基づいて前記特定のユーザーにおける演奏技術の上達能力を取得する第1の上達能力取得手段と、
前記他のユーザーに関する前記第1の上達度、及び前記第1の上達度を要素とする上達度関連情報に先立ち取得された1又は複数の所定の上達度に基づいて、前記特定の他のユーザーにおける演奏技術の上達能力を取得する第2の上達能力取得手段と、
前記第1の上達能力取得手段により取得された前記特定のユーザーにおける演奏技術の上達能力の、前記第2の上達能力取得手段により取得された前記特定の他のユーザーにおける演奏技術の上達能力に対する相対比率に基づいて、前記合計使用量取得手段により取得された合計使用量を補正する補正手段と
をさらに備え、
前記予想練習量取得手段は、前記補正手段による補正後の前記合計使用量と、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報におけるサポート機能の使用量との差分を、各サポート機能を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量として取得する
を備えた請求項2記載の予想練習量提供装置。
[請求項4]
電子楽器は前記サポート機能を複数備え、
前記記憶手段は、前記上達度関連情報として、前記電子楽器により取得されたサポート機能の種類毎の使用量、練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶し、
前記予想練習量取得手段は、複数のサポート機能の各々を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量をそれぞれ取得し、
前記予想練習量提供手段は、前記予想練習量取得手段により取得されたサポート機能の種類毎の予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する請求項1又は2,3記載の予想練習量提供装置。
[請求項5]
前記記憶手段から、前記他のユーザーに関する、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報における上達度に対応する第1の上達度から、練習目標となる上達度に対応する第2の上達度までの上達度をそれぞれ要素とする同一ユーザーに関する一連の上達度関連情報を1又は複数組検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された1又は複数組の一連の上達度関連情報に基づいて、サポート機能の種類毎の有効性を判断する判断手段と
をさらに備え、
前記予想練習量提供手段は、前記予想練習量取得手段により取得されたサポート機能の種類毎の予想練習量を、前記判断手段により判断された有効性に応じたサポート機能の種類毎の推薦順と共に前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する請求項4記載の予想練習量提供装置。
[請求項6]
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶手段に記憶する工程と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得工程と、
前記取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供工程と
を含むサポート機能推薦方法。
[請求項7]
コンピュータを、
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶する記憶手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得手段と、
前記予想練習量取得手段により取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
[請求項8]
請求項1記載のサポート機能推薦装置と、演奏技術の習得を助けるサポート機能を備えた複数の電子楽器とから構成され、
前記複数の電子楽器は、
ユーザーによる練習曲の練習に際し、ユーザーに関する情報であって、前回の練習から今回の練習までに使用されたサポート機能の使用量、練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を個別に取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された上達度関連情報を前記サポート機能推薦装置に供給する供給手段と
を備えたことを特徴とするサポート機能推薦システム。
【符号の説明】
【0130】
1 機能推薦サーバー
2 電子楽器
11 通信制御部
12 制御部
13 プログラムデータ記憶部
14 上達度情報データベース
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 サウンドシステム
25 鍵盤
26 表示部
27 スイッチ部
28 演奏履歴メモリ
29 通信制御部
100 インターネット
201 曲関連情報
202 シーケンス情報
203 演奏情報
204 機能使用情報
301 上達度関連情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶する記憶手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得手段と、
前記予想練習量取得手段により取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供手段と
を備えた予想練習量提供装置。
【請求項2】
前記予想練習量取得手段は、
前記特定のユーザーの最新の上達度に対応する他のユーザーの第1の上達度を要素とする上達度関連情報と、前記特定ユーザーの練習目標となる上達度に対応する前記他のユーザーの第2の上達度を要素とする上達度関連情報を前記記憶手段から取得する上達度取得手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、前記取得手段にて取得された前記他のユーザー夫々の上達関連情報との間における前記各サポート機能の使用量に着目した類似度をユーザー毎に取得する類似度取得手段と、
前記類似度取得手段により取得された類似度が最大であるユーザーの前記第1の上達度から前記第2の上達度までの上達度をそれぞれ要素とする一連の上達度関連情報を対象として、各々の上達度関連情報における前記各サポート機能の使用量を合計した合計使用量を取得する合計使用量取得手段と
を含み、
前記合計使用量取得手段により取得された合計使用量と、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報における前記各サポート機能の使用量との差分を、当該各サポート機能を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量として取得する請求項1記載の予想練習量提供装置。
【請求項3】
前記特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報、及び最新の上達度関連情報に先立ち取得された上達度関連情報の各々における上達度に基づいて前記特定のユーザーにおける演奏技術の上達能力を取得する第1の上達能力取得手段と、
前記他のユーザーに関する前記第1の上達度、及び前記第1の上達度を要素とする上達度関連情報に先立ち取得された1又は複数の所定の上達度に基づいて、前記特定の他のユーザーにおける演奏技術の上達能力を取得する第2の上達能力取得手段と、
前記第1の上達能力取得手段により取得された前記特定のユーザーにおける演奏技術の上達能力の、前記第2の上達能力取得手段により取得された前記特定の他のユーザーにおける演奏技術の上達能力に対する相対比率に基づいて、前記合計使用量取得手段により取得された合計使用量を補正する補正手段と
をさらに備え、
前記予想練習量取得手段は、前記補正手段による補正後の前記合計使用量と、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報におけるサポート機能の使用量との差分を、各サポート機能を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量として取得する
を備えた請求項2記載の予想練習量提供装置。
【請求項4】
電子楽器は前記サポート機能を複数備え、
前記記憶手段は、前記上達度関連情報として、前記電子楽器により取得されたサポート機能の種類毎の使用量、練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶し、
前記予想練習量取得手段は、複数のサポート機能の各々を使用した場合に予想される演奏技術の習得に要する練習量である前記予想練習量をそれぞれ取得し、
前記予想練習量提供手段は、前記予想練習量取得手段により取得されたサポート機能の種類毎の予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する請求項1又は2,3記載の予想練習量提供装置。
【請求項5】
前記記憶手段から、前記他のユーザーに関する、前記特定のユーザーの最新の上達度関連情報における上達度に対応する第1の上達度から、練習目標となる上達度に対応する第2の上達度までの上達度をそれぞれ要素とする同一ユーザーに関する一連の上達度関連情報を1又は複数組検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された1又は複数組の一連の上達度関連情報に基づいて、サポート機能の種類毎の有効性を判断する判断手段と
をさらに備え、
前記予想練習量提供手段は、前記予想練習量取得手段により取得されたサポート機能の種類毎の予想練習量を、前記判断手段により判断された有効性に応じたサポート機能の種類毎の推薦順と共に前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する請求項4記載の予想練習量提供装置。
【請求項6】
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶手段に記憶する工程と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得工程と、
前記取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供工程と
を含むサポート機能推薦方法。
【請求項7】
コンピュータを、
練習曲の演奏練習を行う多数のユーザー夫々の前回の練習から今回の練習までに使用された各サポート機能の使用量、前記練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を記憶する記憶手段と、
特定のユーザーに関する最新の上達度関連情報と、当該特定のユーザーの練習目標となる他のユーザーの上達度を要素とする上達度関連情報を含み予め決められた条件に該当する複数の上達度関連情報とに基づいて、前記特定のユーザーが前記各サポート機能を使用して演奏練習した場合に演奏技術の習得に必要と予測される予想練習量を取得する予想練習量取得手段と、
前記予想練習量取得手段により取得された予想練習量を前記特定のユーザーが使用する電子楽器に提供する予想練習量提供手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1記載のサポート機能推薦装置と、演奏技術の習得を助けるサポート機能を備えた複数の電子楽器とから構成され、
前記複数の電子楽器は、
ユーザーによる練習曲の練習に際し、ユーザーに関する情報であって、前回の練習から今回の練習までに使用されたサポート機能の使用量、練習曲に関する演奏技術の上達度を要素とする上達度関連情報を個別に取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された上達度関連情報を前記サポート機能推薦装置に供給する供給手段と
を備えたことを特徴とするサポート機能推薦システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−68879(P2013−68879A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208683(P2011−208683)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】