説明

予約管理システム

【課題】施設で提供されるサービスの予約を管理するときに、予約者の現在位置と施設の位置との関係、及びサービス利用予定時刻迄の残り時間に応じて切な予約管理を行う予約者の現在位置に応じて適切な管理を行うとともに、キャンセルにより空きが出た利用枠を活用する。
【解決手段】処理サーバ2の端末位置確認部21は、予約者の携帯端末装置から送信される現在位置情報を基に予約者の現在位置を特定する。位置判定部22は、特定された位置が施設から所定距離以内の設定範囲外か否かを判定する。予約登録部12は、予約者の携帯端末装置の現在位置が設定範囲外であった場合は、予約をキャンセルし、設定範囲内の他の携帯端末装置からの新規予約を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーマパーク内で開催されるアトラクションの鑑賞、レストランや飲食店での飲食、コンサートホールにおけるコンサートの鑑賞等、様々な施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
これらのサービスの予約方法としては、現地予約、電話予約、インターネット予約等がある。ここで、サービス提供者が抱える問題は、予約者が連絡せずに予約をキャンセルすることである。即ち、例えばテーマパークで開催されるアトラクションを所定のアトラクション開始時刻から鑑賞する予約を行った予約者が、そのアトラクション開始時刻にテーマパークの園外に移動してしまうことがある。
【0003】
この場合、サービス提供者であるアトラクション開催者は予約者の人数を把握できるものの、実際にアトラクションを利用する人数を正確に把握できないため、他の利用希望者が利用できないことがあり、客さばきが悪いという不都合がある。
【0004】
このような問題に対処したシステムとして、管理サーバにより、アミューズメントパークのアトラクション施設などの施設を利用する予約を行った予約者の所持する携帯端末装置の現在位置を監視し、予約者が予約日(利用予定日)に所定のエリア(例えばアミューズメントパーク)の外部に移動してしまった場合には、自動的に予約をキャンセルする施設予約システムがある(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、この施設予約システムでは、予約を自動的にキャンセルするための判定基準が所定のエリアから出たか否かであるため、例えば、施設利用予定時刻迄に施設に到着できない場合でも所定のエリア内に滞在していれば予約がキャンセルされず、逆に到着できる場合でも所定のエリア外に出れば予約がキャンセルされる等、適切な予約管理ができないという問題がある。また、キャンセルにより空きが出た利用枠の活用については考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−157381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムにおいて、予約者の現在位置と施設の位置との関係、及びサービス利用予定時刻迄の残り時間に応じて適切な予約管理を可能にするとともに、キャンセルにより空きが出た利用枠の活用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の予約管理システムは、施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムであって、前記サービスの予約を行った予約者の予約管理情報としてサービス利用予定時刻情報及び端末装置識別情報を記憶する予約管理情報データベースと、前記予約者の端末装置の現在位置情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記端末装置の現在位置と前記施設の位置との関係を基に、前記予約者が前記サービス利用予定時刻情報が示す利用予定時刻迄に前記施設に到着することができるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により、到着できないと判定されたとき、前記予約者の予約管理情報を前記予約管理情報データベースから削除する予約キャンセル手段と、予め登録されたユーザの端末装置の現在位置情報を取得する登録ユーザ位置情報取得手段と、前記予約キャンセル手段によりキャンセルが行われたとき、前記サービス利用予定時刻迄に前記施設に到着する位置に存在するユーザの端末装置を抽出する端末装置抽出手段と、該抽出された端末装置に対して、前記施設の予約が可能であることを通知する予約可能情報通知手段と、該通知に応じて、予約する旨の連絡を受けたとき、該連絡者の予約管理情報を前記予約管理情報データベースに登録する予約登録手段とを有する予約管理システムである。
【0009】
[作用]
本発明によれば、施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムは、予約時刻(サービスの利用予定時刻)迄に予約者が現在位置から施設に到着できると判定したとき予約を継続し、到着できないと判定したとき予約をキャンセルする。従って、予約者の現在位置が所定のエリア外であっても予約時刻迄に施設に到着できる位置であれば予約が継続され、予約者の現在位置が所定のエリア内であっても予約時刻迄に施設に到着できない位置であれば予約がキャンセルされる。また、キャンセルがあったとき、キャンセルされた予約時刻迄に施設に到着できる位置に存在する登録ユーザに予約が可能であることを通知し、予約する旨の返答を受けたとき、予約を登録する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムにおいて、予約者の現在位置と施設の位置との関係、及びサービス利用予定時刻迄の残り時間に応じて適切な予約管理を行うことができる。また、キャンセルにより空きが出た利用枠を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態の予約管理システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の予約管理システムの管理対象を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおけるユーザデータベースに記憶されているユーザ情報を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおけるアトラクションデータベースに記憶されているアトラクション予約管理情報を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおいて、携帯端末装置に表示される予約入力画面を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおいて、携帯端末装置に表示される予約確認画面を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおける予約管理処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおいて、携帯端末装置に送信する予約キャンセル通知メールを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおいて、予約がキャンセルされるユーザの携帯端末装置及び新規予約のために抽出される携帯端末装置を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の予約管理システムにおいて、予約キャンセルが発生した時に、新規予約可能なユーザの携帯端末装置に表示される予約案内メールを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の予約管理システムの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の予約管理システムにおけるアトラクションデータベースに記憶されているアトラクション予約管理情報を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の予約管理システムにおける予約管理処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態の予約管理システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
〈予約管理システムの構成及び管理対象〉
図1は、本発明の第1の実施形態の予約管理システムの機能ブロック図である。この予約管理システムは、予約サーバ1と、処理サーバ2と、ユーザデータベース(以下、データベースをDBという)3と、地図DB4と、アトラクションDB5とがネットワーク7により互いに通信可能に接続されたシステムである。また、予約サーバ1、処理サーバ2は、ネットワーク8により、携帯端末装置6と通信可能に構成されている。ここでは、携帯端末装置6を1台のみ図示したが、実際にはこの予約管理システムは複数の携帯端末装置6と通信を行うことができる。また、各DBを共通のハードウェア(記憶装置)に設けることもできるし、予約サーバ1及び処理サーバ2を共通のハードウェア(コンピュータ)に設けることもできる。
【0013】
予約サーバ1は、予約受付部11と、予約登録部12と、送受信部13とが内部バス10により互いに通信可能に接続された構成を有する。また、処理サーバ2は、端末位置確認部21と、位置判定部22と、ユーザ抽出部23と、送受信部24とが内部バス20により互いに通信可能に接続された構成を有する。
【0014】
図2は、本実施形態の予約管理システムの管理対象を示す図である。この予約管理システムは、所定のエリアであるテーマパーク100内に設けられている施設101で開催されるアトラクションに関する予約を管理する。設定範囲102は施設101から所定の半径の円内、つまり施設101から所定の直線距離以内である。
【0015】
図1の説明に戻る。予約サーバ1の予約受付部11は、携帯端末装置6のユーザからの予約を、送受信部13を通して受け付ける。予約登録部12は、予約受付部11が受け付けた予約をアトラクションDB5に登録する。
【0016】
処理サーバ2の端末位置確認部21は、アトラクションDB5に予約されているユーザの携帯端末装置6から送信されるGPS情報などの現在位置情報を、送受信部24を通して受け取り、その携帯端末装置6の現在位置を特定する。位置判定部22は、端末位置確認部21で特定された携帯端末装置6の現在位置が設定範囲102内であるか否かを判定する。ユーザ抽出部23は、端末位置確認部21で確認された携帯端末装置6の現在位置を基に、設定範囲102内に存在するユーザの携帯端末装置6を抽出する。
【0017】
〈ユーザDB、アトラクションDB、及び地図DBの内容〉
図3は、ユーザDB3に記憶されているユーザ情報を示す図である。図示のように、ユーザDB3には、ユーザ情報として、「ユーザID(端末ID)」、「氏名」、「メールアドレス」、「住所」、「電話番号」等が記憶される。
【0018】
図4は、アトラクションDB5に記憶されているアトラクション予約管理情報を示す図である。アトラクションDB5が本発明の予約管理情報DBに対応する。図示のように、アトラクションDB5には、アトラクション予約管理情報として、「アトラクション名」、「アトラクションID」、「位置情報(緯度、経度)」、「アトラクション開始時刻」、「予約者ID」、「確認時刻」、「設定した範囲」、「予約者の現在位置」、「設定した範囲内・外」、「予約」、「新規予約者ID」、「確認時刻」、「設定した範囲」、「予約者・新規予約者の現在位置」、「設定した範囲内・外」、及び「予約」等が記憶される。ユーザが所定の「アトラクション名」の所定の「アトラクション開始時刻」のアトラクションを予約すると、「予約者ID」にそのユーザのIDが記憶される。その予約されたアトラクション開始時刻がサービス利用予定時刻(予約時刻)である。また、上記アトラクション予約管理情報として、予約手続実行時刻(予約者が予約手続を行った時刻)を追加することもできる。
【0019】
ここで、「位置情報(緯度、経度)」は、アトラクションが開催される施設の位置(緯度、経度)を示す情報である。「予約者ID」は後述する予約管理処理(図7)を実行する前に予約済のユーザの携帯端末装置6の端末IDであり、その右隣の「確認時刻」は、予約管理処理を実行した時刻である。「確認時刻」の右隣の「設定した範囲」は、上記予約管理処理において、予約を継続するかキャンセルするかを判定する基準となる施設101からの所定の直線距離以内の設定範囲102を示す。「予約者の現在位置」は、上記「確認時刻」における予約者の携帯端末装置6の現在位置情報である。その右隣の「設定した範囲内・外」は、上記「予約者の現在位置」が上記「設定した範囲」の内にあるか外にあるかを示す情報である。「設定した範囲内・外」の右隣の「予約」は、「設定した範囲内・外」に応じて更新した予約状態(継続、キャンセル)を示す。即ち、設定範囲内であれば、「アトラクション開始時刻」迄に施設101に到着することができると判定した結果を基に予約を継続し、設定範囲外であれば、「アトラクション開始時刻」迄に施設101に到着することができないと判定した結果を基に予約をキャンセルする。
【0020】
「新規予約者ID」は、上記「予約」がキャンセルになった場合に新規に予約を行ったユーザの携帯端末装置6の端末IDであり、その右隣の「確認時刻」は、上記予約管理処理の結果、予約が継続された予約者、及び新規予約者に対して、次回に予約管理処理を実行した時刻である。その「確認時刻」の右隣の「設定した範囲」は、上記次回の予約管理処理において、予約を継続するかキャンセルするかを判定する基準となる施設101からの所定の直線距離以内の設定範囲102を示す。「確認時刻」から「アトラクション開始時刻」までの時間が前回の予約管理処理よりも短いため、「設定した範囲」を狭くしている。「予約者・新規予約者の現在位置」は、上記次回の「確認時刻」における予約者及び新規予約者の携帯端末装置6の現在位置情報である。その右隣の「設定した範囲内・外」は、上記「予約者・新規予約者の現在位置」が上記「設定した範囲」の内にあるか外にあるかを示す情報である。「設定した範囲内・外」の右隣の「予約」は、「設定した範囲内・外」に応じて更新した予約状態を示す情報である。
【0021】
地図DB4には、携帯端末装置6に供給する地図データとして、道路、橋、川、山、建物等の地図情報と、地図を矩形の枠(ブロック)で区切り、そのブロックの各頂点の位置情報(経度、緯度)が各縮尺に合わせた上記ブロック毎に保存されている。
【0022】
〈予約入力画面及び予約確認画面〉
図5は、携帯端末装置6のユーザが事前にアトラクションの予約を行う際に携帯端末装置6に表示される予約入力画面を示す図である。この予約入力画面を携帯端末装置6に表示するためのデータは、予約サーバ1内の予約受付部11が生成する。ユーザは携帯端末装置6からネットワーク8を通じて予約サーバ1にアクセスすると、携帯端末装置6のディスプレイに予約入力画面200が表示される。予約入力画面200には、アトラクション名選択欄201、予約日時入力欄202、送信ボタン203、キャンセルボタン204、確認事項の文章等が表示される。
【0023】
ユーザがアトラクション名選択欄201で予約を希望するアトラクション名を選択し、予約日時入力欄202に予約日時を入力した後に、送信ボタン203を押すと、予約サーバ1の予約受付部11が予約を受け付け、予約登録部12が予約管理情報をアトラクションDB5に記憶する。この結果、図4に示す「アトラクション名」、「アトラクションID」、「位置情報(緯度、経度)」、「アトラクション開始時刻」、「予約者ID」が関連付けられて記憶される。キャンセルボタン204を押すと、アトラクション名選択欄201及び予約日時入力欄202の内容がクリアされる。なお、上記予約入力手続は、予約手続に必要な情報を携帯端末装置6からネットワーク8を通じて、予約サーバ1にメールで送信することにより実施することもできる。また、携帯端末装置6以外で予約サーバ1にアクセスできる装置(パーソナルコンピュータなど)でも予約手続を行うことができる。
【0024】
図6は、予約受付部11が予約を受け付けたときに携帯端末装置6に表示される予約確認画面を示す図である。この予約確認画面を携帯端末装置6に表示するためのデータは、予約サーバ1内の予約受付部11が生成し、送受信部13を通して携帯端末装置6へメールで送信する。図示のように、予約確認画面300には、ユーザID、予約を受け付けたアトラクション名及び開催日時、確認事項の文章等が表示される。
【0025】
〈予約管理処理〉
図7は、本実施形態の予約管理システムにおける予約管理処理のフローチャートである。この処理はアトラクションDB5に記憶されているアトラクション開始時刻の所定時間前から所定の間隔で処理サーバ2により実行される。
【0026】
まず端末位置確認部21は、アトラクションDB5に記憶されている予約者IDを有する携帯端末装置6の現在位置をその携帯端末装置6から送信されてくる位置情報を用いて特定する(ステップS1)。例えば図4において、アトラクションIDが0101a、アトラクション開始時刻が10:00の場合、予約者IDがaaa、bbb、…、fff、zzzの携帯端末装置6の現在位置を特定する。
【0027】
次に位置判定部22は、端末位置確認部21により特定された携帯端末装置6の現在位置と地図DB4に記憶されている地図情報とに基づいて、携帯端末装置6の現在位置が設定範囲102外であるか否かを判定する(ステップS2)。例えば、図4において、アトラクションIDが0101a、アトラクション開始時刻が10:00の場合、設定範囲102はアトラクションを開催する施設101から半径500m内である。
【0028】
位置判定部22による判定の結果、設定範囲102外の場合は(ステップS2:YES)、予約登録部12は予約をキャンセルし(ステップS3)、設定範囲102内の場合は(ステップS2:NO)、予約登録部12は予約を継続する(ステップS8)。例えば、図4において、予約者IDがaaa、bbb、…については、設定範囲102内であるから予約を継続し、fff、zzzについては設定範囲102外であるから予約をキャンセルする。予約登録部12は予約をキャンセルした場合、キャンセルされたユーザの携帯端末装置6に対して、送受信部13を通して図8に示すキャンセル通知メールを送信する。
【0029】
また予約がキャンセルされた場合、ユーザ抽出部23は、アトラクションDB5に予約されていないユーザの携帯端末装置6のうち、設定範囲102内に存在する携帯端末装置6を抽出する(ステップS4)。例えば図9に示す携帯端末装置6-2のユーザの予約がキャンセルされた場合、携帯端末装置6-1のユーザが予約済みでなければ、携帯端末装置6-1が抽出される。
【0030】
次に予約受付部11は、ユーザ抽出部23で抽出された携帯端末装置6に対して予約案内メールを送信する。図10に携帯端末装置6に表示される予約案内メールを示す。この画面内の送信ボタンを押すと、携帯端末装置6から予約サーバ1に対して、予約連絡メールが送信される(ステップS5)。ここで、予約案内メールの送信先は、ステップS4で抽出された全ての携帯端末装置6に送信してもよいし、キャンセル数と同じ数の携帯端末装置6に送信してもよい。数を制限する場合は、施設からの現在位置が近い順に優先的に送信してもよいし、予め仮予約(キャンセル待ち)を行ったユーザの携帯端末装置に優先的に送信してもよい。また、予約案内メールを受信したユーザが携帯端末装置6からネットワーク8を通じて予約サーバ1にアクセスし、予約を行うように構成することもできる。
【0031】
予約受付部11は、予約案内メールの送信先から予約連絡メールが送信されてきたか否かを判定し(ステップS6)、送信されてきた場合は(ステップS6:YES)、予約登録部12が予約処理を行う(ステップS7)。このとき、予約連絡メールを送信した携帯端末装置6には、予約サーバ1の予約登録部12から、図6に示すような予約確認画面を表示するためのメールが送信される。なお、予約処理(ステップS7)を行って新たに予約者となったユーザに対して、ステップS2へ移行して既存の予約者と同じ処理を行うように構成することもできる。
【0032】
予約案内メールの送信先から予約連絡メールが送信されてこなかった場合は(ステップS6:NO)、ステップS4に進み、他の携帯端末装置6を抽出する処理を実行する。
【0033】
ステップS8で予約を継続した場合は、携帯端末装置が対象物(アトラクションを開催する施設101)に到着したか否かを判定し(ステップS9)、到着していれば(ステップS9:YES)、この図の処理を終了する。一方、到着していなければ(ステップS9:NO)、ステップS2に移行する。
【0034】
以上詳細に説明したように、本発明の第1の実施形態の予約管理システムによれば、施設101で開催されるアトラクションを予約したユーザの携帯端末装置6の現在位置が施設101から所定の直線距離以内の設定範囲102内である場合は予約を継続し、設定範囲102外である場合は予約をキャンセルするとともに、予約のキャンセルが発生した場合には、設定範囲内に位置する携帯端末装置に対して、予約案内メールを送信し、予約を可能としたので、アトラクションの利用効率を向上させることができる。
【0035】
また、アトラクション開始時刻迄の残り時間が短くなるに従って設定範囲を狭くすることで、アトラクション開始時刻迄の残り時間にかかわらず予約継続、キャンセルの判定を正確に行うことができる。
【0036】
また、アトラクション開始時刻迄の残り時間が十分に長い場合、設定範囲をテーマパーク100よりも広くすることで、予約者が一時的にテーマパーク100の外に出たとしても、予約がキャンセルされないようにすることができる。
【0037】
なお、本実施形態において下記(1)〜(2)のように変形することで、設定範囲内・外の判定精度を向上させることができる。
(1)設定範囲102の境界を施設101からの直線距離で定める代わりに通路に沿った距離で定める。
(2)設定範囲の広さを天候、テーマパークの混雑度、アトラクションの人気度等に応じて自由に設定できるようにする。
【0038】
[第2の実施形態]
〈予約管理システムの構成〉
図11は、本発明の第2の実施形態の予約管理システムの機能ブロック図である。この図において、図1(第1の実施形態)と対応する部分には図1と同じ参照符号を付した。
【0039】
本実施形態の予約管理システムは、第1の実施形態の予約管理システムにおいて、処理サーバ2に方向確認部25及び方向判定部26を付加した構成を有する。方向確認部25は、端末位置確認部21で特定された現在位置の時間的変化から、携帯端末方向の移動方向を特定し、方向判定部26は、方向確認部25で特定された移動方向がアトラクションを開催する施設101に向かう方向であるか否かを判定する。
【0040】
〈アトラクションDBの内容〉
図12は、本実施形態のアトラクションDB5に記憶されているアトラクション予約管理情報を示す図である。このアトラクション予約管理情報は、図4に示す第1の実施形態におけるアトラクション予約管理情報に対して、「新規予約者の現在位置」及び「アトラクションに向かって移動しているか」を付加するとともに、「設定した範囲」、「予約」、「新規予約者ID」の数を増やしたものである。ここで、「アトラクションに向かって移動しているか」は、方向判定部26による判定結果を示す情報である。
【0041】
〈予約管理処理〉
図13は、本実施形態の予約管理システムにおける予約管理処理のフローチャートである。この処理はアトラクションDB5に記憶されているアトラクション開始時刻の所定時間前から所定の間隔で処理サーバ2により実行される。
【0042】
この図において、ステップS11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S18は、それぞれ図7(第1の実施形態)におけるステップS1、S2、S3、S8、S4、S5、S6、S7と同じである。
【0043】
ステップS19では、ステップS18で予約処理を行った新規予約者及びステップS14で予約継続を行った予約者の携帯端末装置の移動方向をプローブ情報(携帯端末装置の現在位置情報の履歴)より特定する。
【0044】
ステップS20では、ステップS19で確認された移動方向が対象物(施設101)に向かっている方向であるか否かを判定する。判定の結果、向かっていない場合は(ステップS20:NO)、ステップS13に移行して予約をキャンセルした後にステップS15〜S19を実行する。図12の場合、予約者IDaaa、bbb、…、及び新規予約者IDDdddについては、9時15分及び9時30分の現在位置の変化から、対象物に向かって移動していると判定されているのに対し、新規予約者IDwwwについては対象物に向かって移動していないと判定されている。
【0045】
移動方向が対象物に向かっている方向であると判定した場合は(ステップS20:YES)、次に現在位置が設定範囲102外か否かを判定する(ステップS21)。判定の結果、設定範囲102外であった場合は(ステップS21:YES)、ステップS13に移行して予約をキャンセルした後にステップS15〜S19を実行する。
【0046】
一方、設定範囲102内であった場合は(ステップS21:NO)、対象物に到着したか否かを判定する(ステップS22)。判定の結果、到着していれば(ステップS22:YES)、この図の予約確認処理を終了し、到着していなければ(ステップS22:NO)、ステップS20に移行する。
【0047】
例えば図14に示す携帯端末装置6−3の場合、直近に一点鎖線で示す前回位置から実線で示す現在位置への移動方向が施設101に向かう方向であるから「S20:YES」となり、実線で示す現在位置が設定範囲102内であるから、「S21:NO」となる。また、携帯端末装置6−4の場合、直近に一点鎖線で示す前回位置から実線で示す現在位置への移動方向が施設101から離れる方向であるから「S20:NO」となり、S13に進んで予約がキャンセルされる。
【0048】
以上詳細に説明したように、本発明の第2の実施形態の予約管理システムによれば、予約継続、キャンセルの判定基準として、事前予約者、新規予約者の現在位置が設定範囲102外か否かに加えて、対象物に向かって移動しているか否かを採用するので、判定精度が向上する。なお、対象物に向かっているか否かの判定は、テーマパーク内を徒歩で歩く場合に限らず、例えば、テーマパーク外からテーマパークに向かって自動車や鉄道車両で移動しているときの移動方向の判定にも適用することができる。この場合、地図DB4に記憶されている情報を基に、携帯端末装置6の現在位置から施設101迄の経路を探索し、その経路に沿って従って移動している方向が施設101に向かっているか否かを判定するように構成することができる。
【0049】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において、キャンセルが発生したとき、予め登録されているユーザの携帯端末装置に対して、新規予約が可能であることを知らせるメールを送信し、このメールを受信したユーザから予約を受けた際に現在位置情報を受信して、新規予約者とするか否かを判断するように構成することもできる。
【0050】
また、第2の実施形態において、設定範囲の境界線の外側の所定の距離の範囲を予約キャンセル保留範囲とし、予約者が対象物に向かって移動しているときは、現在位置が設定範囲外であっても予約キャンセル保留範囲内であれば予約をキャンセルせず保留とし、最後の現在位置(アトラクション開始時刻の現在位置)が設定範囲外であった場合に予約をキャンセルするように構成することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…予約サーバ、2…処理サーバ、5…アトラクションDB、6,6−1,6−2…携帯端末装置、11…予約受付部、12…予約登録部、13,24…送受信部、21…端末位置確認部、22…位置判定部、23…ユーザ抽出部、100…テーマパーク、101…施設、102…設定範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設で提供されるサービスの予約を管理する予約管理システムであって、
前記サービスの予約を行った予約者の予約管理情報としてサービス利用予定時刻情報及び端末装置識別情報を記憶する予約管理情報データベースと、
前記予約者の端末装置の現在位置情報を取得する端末位置情報取得手段と、
前記端末装置の現在位置と前記施設の位置との関係を基に、前記予約者が前記サービス利用予定時刻情報が示す利用予定時刻迄に前記施設に到着することができるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により、到着できないと判定されたとき、前記予約者の予約管理情報を前記予約管理情報データベースから削除する第1の予約キャンセル手段と、
予め登録されたユーザの端末装置の現在位置情報を取得する登録ユーザ位置情報取得手段と、
前記第1の予約キャンセル手段によりキャンセルが行われたとき、前記サービス利用予定時刻迄に前記施設に到着する位置に存在するユーザの端末装置を抽出する端末装置抽出手段と、
該抽出された端末装置に対して、前記施設の予約が可能であることを通知する予約可能情報通知手段と、
該通知に応じて、予約する旨の連絡を受けたとき、該連絡者の予約管理情報を前記予約管理情報データベースに登録する予約登録手段と
を有する予約管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載された予約管理システムにおいて、
前記予約管理情報データベースに記憶されている端末装置の現在位置情報の変化を基に、該端末装置の移動方向を判定する移動方向判定手段と、
該移動方向判定手段により判定された移動方向が前記施設の方向ではないと判定されたとき、該端末装置のユーザの予約管理情報を前記予約管理情報データベースから削除する第2の予約キャンセル手段と
を有する予約管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−164125(P2012−164125A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23881(P2011−23881)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】