説明

予約装置

【課題】宿泊施設等で発生するキャンセル処理を効率的に行う予約装置を提供する。
【解決手段】予約対象毎の予約の有無と予約キャンセルの有無を予約フラグのON/OFFとキャンセルフラグのON/OFFによって記憶し且つ予約対象毎の過去のキャンセル合計料金を記憶する予約状況データベース122と、予約対象毎の基本利用料金のデータとキャンセル料金計算テーブルとを記憶する予約対象基本データベース121とを有する予約サーバ装置10と、クライアント端末装置20と、ネットワーク30とを具備する。予約サーバ装置10は、各予約対象の内、予約フラグがOFFでキャンセルフラグがONの予約対象を抽出し、抽出した各予約対象について基本利用料金からキャンセル合計料金を減額した額を新たな利用料金とし、新たな利用料金とともに抽出した各予約対象をクライアント端末装置20にキャンセル物件一覧データとして送信して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊施設等において発生するキャンセルの処理が効率的に行え、同時に宿泊施設等の利用者に迅速かつタイムリーなキャンセル情報を提供することができる予約装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等のネットワークを利用して、宿泊施設、レンタカー会社、航空会社等のサービス提供者が提供する各種サービスに対して予約(宿泊予約、レンタカー予約、航空券予約等)が行われている。一方で上記各種サービスの予約のキャンセルも一般に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−326431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして一旦予約されたサービス(以下「商品」という)がキャンセルされた場合、キャンセルは予約日時の直前に行われる場合が多いので、サービス提供者側から見て改めてその商品の予約を取ることは困難であった。このためサービス提供者の各種商品に無駄な在庫が生じ、結局その在庫が利用されないまま無駄になってしまうという問題があった。
【0005】
一方利用者の側から見た場合、希望の商品を予約しようとして既に予約が入っているとして拒絶された場合、その後その商品への予約がキャンセルされても、その商品はもう予約できないものと考え、同じサービス提供者の他の商品、または他のサービス提供者の同等の商品を探すこととなり、みすみす最も希望する商品を予約することができなくなる等の不都合を生じていた。
【0006】
早くから予約が入る商品は一般に人気のある商品が多いが、そのような価値の高い商品に予約のキャンセルが生じて結局その商品が利用できなくなるということは、サービス提供者とサービス利用者の双方にとって大きな損失となる。
【0007】
一方、予約がキャンセルされた場合、キャンセル料としてその商品代金の一部がサービス提供者に支払われるため、その商品のキャンセル後の値段を安く設定することができ、安く設定すればたとえその商品の予約日時が近日に迫っているような場合であっても比較的容易に改めて予約を取ることができ、価値のある商品の無駄をなくすことができ、好適である。しかしながら従来、そのようなキャンセルに対応した効率のよい処理ができる予約装置はなかった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、宿泊施設等において発生するキャンセルの処理が効率的に行え、同時に宿泊施設等の利用者に迅速かつタイムリーなキャンセル情報を提供することができる予約装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願請求項1に記載の発明は、複数の予約対象それぞれの予約の有無の状態と予約キャンセルの有無の状態をそれぞれ予約フラグのON/OFFとキャンセルフラグのON/OFFによって記憶するとともに各予約対象毎の過去のキャンセル料金の合計金額をキャンセル合計料金として記憶してなる予約状況データベースと、複数の予約対象それぞれの基本利用料金のデータと予約をキャンセルした際のキャンセル料金を計算するキャンセル料金計算テーブルとを記憶してなる予約対象基本データベースと、を有する予約サーバ装置と、前記予約サーバ装置に対して予約と予約のキャンセルとを要求するクライアント端末装置と、前記予約サーバ装置とクライアント端末装置とをオンラインで接続するネットワークと、を具備し、前記予約サーバ装置は、前記クライアント端末装置からの予約要求に応じて前記予約フラグをONにする予約処理プログラムと、前記クライアント端末装置からの予約キャンセル要求に応じて前記予約フラグをOFFにすると同時に前記キャンセルフラグをONにし、さらにキャンセルした利用者の取引口座からキャンセル料金を引き落とすキャンセル処理プログラムとを有し、さらに前記予約サーバ装置は、前記クライアント端末装置からのキャンセル一覧要求に応じて、前記予約状況データベースの各予約対象毎にそれぞれ設定された予約フラグとキャンセルフラグとを検索し、予約フラグがOFFでキャンセルフラグがONの予約対象を抽出し、抽出した各予約対象について前記基本利用料金からキャンセル合計料金またはキャンセル合計料金を基に算出した料金を減額した額を新たな利用料金とし、この新たな利用料金とともに前記抽出した各予約対象をクライアント端末装置にキャンセル物件一覧データとして送信することを特徴とする予約装置にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一又は複数回予約された後にキャンセルされた予約対象を集めたキャンセル物件一覧データが得られるので、利用者に迅速かつタイムリーなキャンセル情報を提供することができ、キャンセルされた予約対象の再予約を容易に促進することができ効率的で円滑なオンライン予約サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】予約装置の全体構成図である。
【図2】予約サーバ装置10のハードウェアの構成例を示す図である。
【図3】クライアント端末装置20に表示される一連の画面例を示す図である。
【図4】端末予約処理プログラム211の流れ図である。
【図5】予約処理プログラム111の流れ図である。
【図6】予約対象基本データベース121に保存されている予約対象基本データテーブルの一例を示す図である。
【図7】予約状況データベース122に保存されている予約状況データテーブルの一例を示す図である。
【図8】キャンセル料金計算テーブル650を示す図である。
【図9】キャンセル処理プログラム112の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を宿泊施設の予約装置を例に詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる予約装置の全体構成図である。同図に示すようにこの予約装置は、宿泊施設のオンライン予約のサービスを提供する予約サーバ装置10と、宿泊施設を利用するクライアントのパソコン等からなり前記宿泊施設の予約を要求するクライアント端末装置20と、前記予約サーバ装置10とクライアント端末装置20とをオンラインで接続するインターネット等のネットワーク30とを具備して構成されている。
【0013】
図2は、予約サーバ装置10のハードウェアの構成例を示す図である。本実施形態では、予約サーバ装置10にたとえばワークステーションなどの高速で高度な情報処理機能を備えたサーバ用コンピュータを利用した。この予約サーバ装置10のサーバ用コンピュータは、CPU11、ROM12、RAM13、インターフェース14、入力デバイス15、表示デバイス16、ストレージデバイス17、通信デバイス18、システムバス19を備えて構成される。
【0014】
CPU11は、ROM12やRAM13に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。ROM12は、サーバ用コンピュータを機能させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶された読み取り専用メモリである。RAM13は、CPU11が実行するプログラムやプログラムの実行に必要なデータを記憶する、高速な読み出しと書き込みが可能なメモリである。
【0015】
システムバス19は、CPU11、ROM12、RAM13、インターフェース14などで共有される情報伝達路である。インターフェース14には、入力デバイス15、表示デバイス16、ストレージデバイス17、通信デバイス18などの各種デバイスが接続されている。入力デバイス15は、オペレータからの入力を処理するデバイスであり、たとえばキーボードやマウスなどである。
【0016】
表示デバイス16は、オペレータに演算結果や描画結果などを表示するデバイスであり、たとえばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。ストレージデバイス17は、プログラムやデータを蓄積しておくための大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスク装置などである。通信デバイス18は、サーバ用コンピュータをインターネット30に接続するための、たとえばモデムやNIC(Network Interface Card)などである。クライアント端末装置20は、たとえば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital(Data) Assistants)、携帯電話、その他インターネットへの接続機能を持った端末装置である。クライアント端末装置20のハードウェアの構成は、基本的には予約サーバ装置10のコンピュータと同等であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0017】
次に、予約サーバ装置10およびクライアント端末装置20のプログラムの構成について説明する。なお、この実施形態では、予約対象である施設がホテルなどの宿泊施設である場合のアプリケーションを示した。
【0018】
図1に示すように、予約サーバ装置10で実行されるオンライン予約のためのプログラムには、予約手段である予約処理プログラム111、キャンセル手段であるキャンセル処理プログラム112などが用意されている。また、オンライン予約のために必要なデータベースとしては、予約対象基本データベース121、予約状況データベース122などを有している。
【0019】
予約対象基本データベース121は、図6に示すように、オンライン予約システムに加盟しているすべての宿泊施設の各部屋(予約対象)に関する情報(各部屋ID番号、各部屋毎の収容人数、各部屋毎の基本利用料金など)が格納された予約対象基本データテーブルを有するデータベースである。ここで基本利用料金とは、キャンセル後に再設定される利用料金ではなく、全くキャンセルがない場合の当初の利用料金をいう。予約状況データベース122は、図7に示すように、利用者による各宿泊施設の予約状況に関する情報(各宿泊施設の各部屋毎の予約の状況、即ち各部屋ID番号毎に現在予約が入っているか否かのデータ(予約フラグ)、予約がキャンセルされたことがあるか否かのデータ(キャンセルフラグ)、1又は複数回のキャンセルによって生じたキャンセル料金の合計額(キャンセル合計料金)のデータなど)が格納された予約状況データテーブルを有するデータベースである。
【0020】
予約処理プログラム111は、クライアント端末装置20(利用者)からの宿泊施設の予約要求を処理するプログラムである。キャンセル処理プログラム112は、クライアント端末装置20(利用者)からの宿泊施設の予約のキャンセル要求を処理するプログラムである。キャンセル処理プログラム112は、ある宿泊施設の部屋の予約にキャンセルが発生した場合にそのキャンセル料金をキャンセルした利用者の口座から引き落とすと同時に、キャンセルが入ったこととそのキャンセル料金とを予約状況データベース122に通知する処理を行う。
【0021】
また、クライアント端末装置20上で実行されるオンライン予約のためのプログラムには、端末予約処理プログラム211がある。端末予約処理プログラム211は、予約サーバ装置10にオンライン接続して宿泊施設の部屋の予約やキャンセルなどを行うためのプログラムである。
【0022】
次に、この予約装置の動作を説明する。まず、利用者が宿泊施設を予約する場合の動作から説明する。図3はクライアント端末装置20に表示される一連の画面例を示す図である。図4はクライアント端末装置20の端末予約処理プログラム211の流れ図である。図5は予約サーバ装置10の予約処理プログラム111の流れ図である。
【0023】
予約サーバ装置10は、宿泊施設の予約サイトを開設している。この宿泊施設の予約サイトのホームページA1には予約条件入力画面A2へのリンクとキャンセル物件一覧画面A13へのリンクとが張られている。
【0024】
クライアント端末装置20の利用者は、まず、宿泊施設の予約サイトのホームページ画面A1にアクセスし(ステップ401)、このホームページ画面A1から宿泊施設の予約条件入力画面またはキャンセル物件一覧画面の何れかを選択する。
【0025】
予約条件入力画面を選択した場合、つまり通常の予約を行う場合、クライアント端末装置20の利用者は、ホームページ画面A1から予約条件入力画面A2にジャンプする。この予約条件入力画面A2には、利用者の希望する宿泊施設を検索するための条件、たとえば、宿泊日、宿泊人数、場所などを利用者に入力させるための検索条件入力エリアA4が設けられている。利用者は検索条件入力エリアA4へ宿泊施設の検索条件を入力し、検索ボタンA5を押す。するとこの検索条件入力エリアA4へ入力された検索条件は予約サーバ装置10に送られる(ステップ403)。
【0026】
予約サーバ装置10は、このオンライン予約システムに加盟している全ての宿泊施設の各部屋に関する情報(場所、部屋数、各部屋のID番号、各部屋毎の収容人数、各部屋毎の基本利用料金など)が蓄積された予約対象基本データベース121と、全ての宿泊施設における各部屋毎の現在の予約状況に関する情報が蓄積された予約状況データベース122とを有している。なお、本発明を会議室の予約に適用する場合、予約対象基本データベース121は、全ての会議室に関する情報(場所、部屋数、各部屋のID番号、各部屋毎の収容人数、各部屋毎の基本利用料金など)が蓄積されたデータベースに置換すればよい。その他の施設に適用する場合も同様である。予約サーバ装置10は、図示しない検索エンジンを用いて、予約対象基本データベース121から上記検索条件を満足する宿泊施設を検索し、さらに検索した宿泊施設の中で予約が入っていない部屋を有する宿泊施設を検索する。予約サーバ装置10は、宿泊施設の検索結果から予約可能な宿泊施設の候補一覧画面A6を作成し、クライアント端末装置20に送信する。
【0027】
これによってクライアント端末装置20に宿泊施設候補一覧画面A6が表示される(ステップ404)。この宿泊施設候補一覧画面A6には、各宿泊施設の予約可能な各部屋についての簡単な説明や利用料金(宿泊料金)とともに、それらの中から利用者が希望する部屋の詳細を記載した部屋詳細説明画面A8にジャンプする詳細確認ボタンA7が設けられている。そしてこの詳細確認ボタンA7が押されると、その情報は予約サーバ装置10に送られる(ステップ405)。予約サーバ装置10は予約対象基本データベース121にアクセスし、その部屋の詳細説明のデータから部屋詳細説明画面A8を作成し、クライアント端末装置20に送信する。これによってクライアント端末装置20に部屋詳細説明画面A8が表示される(ステップ406)。部屋詳細説明画面A8にはその宿泊施設の部屋の詳細説明(和室または洋室、広さ、何人部屋、設備、備品等)や食事の内容や特典等が表示される。
【0028】
そしてその宿泊施設の部屋を予約する場合は、部屋詳細説明画面A8に表示されている予約フォームボタンA9が押され、その情報は予約サーバ装置10に送信される(ステップ407)。予約サーバ装置10は予め記憶している予約フォーム入力画面のデータをクライアント端末装置20に送信する。これによってクライアント端末装置20に予約フォーム入力画面A10が表示される(ステップ408)。そして利用者によって部屋数、泊数、人数、食事の有無等の所望の条件が入力された後、予約ボタンA11が押されると、その入力内容が予約サーバ装置10へ予約要求として送られる(ステップ409)。予約サーバ装置10(予約処理プログラム111)は、予約要求を受信すると(ステップ501)、予約状況データベース122に保存された各宿泊施設の各部屋毎の予約状況を示すデータ(図7参照)にアクセスし、前記予約しようとする目的の宿泊施設の部屋が予約可能であること、すなわち下記する図7に示す予約状況データベース122のその部屋のフラグ(予約フラグ)がOFFであることを確認する(ステップ502)。
【0029】
前記確認の後、予約サーバ装置10は、新たに前記予約が入った内容で予約状況データベース122の内容を更新する(ステップ503)。すなわち、下記する予約状況データベース122の予約が入った部屋の予約の有無のフラグ(予約フラグ)をONにする。
【0030】
前記予約状況データベース122が更新されると、予約サーバ装置10からクライアント端末装置20へ予約の内容が送信されて(ステップ504)、利用者に予約確認画面A12を表示する(ステップ410)。
【0031】
図6は予約対象基本データベース121に保存されている予約対象基本データテーブルの一例を示す図である。同図に示すように予約対象基本データテーブルには、宿泊施設の各部屋毎に付されている部屋ID番号に対応してそれぞれの収容人数、基本利用料金等が記録されている。
【0032】
図7は予約状況データベース122に保存されている予約状況データテーブル600を示す図である。同図に示す予約状況データテーブル600は各日毎に設けられており、それぞれのテーブルにおいて、各宿泊施設の各部屋毎に付されている部屋ID番号に対応して、それぞれ予約の有無、キャンセルの有無、キャンセル合計料金等の各種データを記録している。ここで予約の有無は、現時点において予約が入っているか否かをフラグによって記録しておくものであり、例えば現在予約が入っている場合は予約フラグをONし、現在予約が入っていない場合(キャンセルを含む)は予約フラグをOFFにする。キャンセルの有無は過去から現在にかけて予約後にキャンセルが入ったことがあるか否かをフラグによって記録しておくものであり、現在または過去において一度でもキャンセルが入ったことがある場合はフラグ(キャンセルフラグ)をONし、一度もキャンセルが入ったことがない場合はキャンセルフラグをOFFにする。キャンセル合計料金は、現在までに発生したキャンセル料金の総額(累積総額)を記録しておくものであり、例えば1度もキャンセルが入っていない場合は0円、1度キャンセルが入るとその分のキャンセル料金、2度キャンセルが入ると前回のキャンセル料金と今回のキャンセル料金を合計した額がキャンセル合計料金となる。
【0033】
図8は予約状況データベース122に保存されているキャンセル料金計算テーブル650を示す図である。同図に示すようにキャンセル料金計算テーブル650には、全ての宿泊施設毎のキャンセル料金計算用比率(基本利用料金にこの比率(キャンセル%)を掛けた金額がキャンセル料金となる)が記録されており、例えば宿泊施設Aでは予約した日の3日前では20%、2日前では20%、1日前では50%、当日では80%としている。
【0034】
次に、宿泊施設の予約のキャンセルが発生した場合の動作を説明する。図9は、予約サーバ装置10のキャンセル処理プログラム112の流れ図である。
【0035】
予約サーバ装置10は、クライアント端末装置20からのキャンセル要求を受信すると(ステップ601)、キャンセル要求に係る宿泊施設の部屋の部屋ID番号に対応する予約フラグをONの状態からOFFにし、キャンセルフラグをONまたはOFFの状態からONにする(ステップ602)。
【0036】
次に予約サーバ装置10は、〔基本利用料金〕×〔キャンセル%〕の計算式から計算したキャンセル料金を、インターネット301を介して前記キャンセルした利用者の取引口座から引き落とす(ステップ603)。この取引口座からの引き落としの手順には従来周知の方法を用いる。なお予約時のその部屋の利用料金が下記するように基本利用料金よりも減額されており、且つその減額された利用料金が上記計算式で算出した料金に満たない場合は、その減額された利用料金の全額をキャンセル料金として引き落とす。
【0037】
次に予約サーバ装置10は、キャンセル要求に係る宿泊施設の部屋の部屋ID番号に対応して記憶している予約状況データベース122上の元々のキャンセル合計料金(0円の場合もある)に、前記新たに発生したキャンセル料金を加算し、加算した新たなキャンセル合計料金を元々のキャンセル合計料金に置き換えて記憶する(ステップ604)。
【0038】
一方、前記図3に示すホームページ画面A1において、キャンセル物件一覧画面を選択した場合(ステップ402)、クライアント端末装置20の利用者は、ホームページ画面A1からキャンセル物件一覧画面A13にジャンプする(ステップ411)。このキャンセル物件一覧画面A13には、1又は複数回キャンセルされた予約可能なキャンセル物件のみを表示している。キャンセル物件の抽出は、予約サーバ装置10において、CPU11が前記予約状況データベース122に記憶している各宿泊施設の各部屋毎にそれぞれ設定された予約フラグとキャンセルフラグとを検索し、予約フラグがOFFで、キャンセルフラグがONの部屋を全て抽出することによって行う。その際、例えば図3のキャンセル物件一覧画面A13に示すように、「本日宿泊の宿」、「明日宿泊の宿」、「明後日宿泊の宿」のように、宿泊日を分けてもっとも最近の宿泊日の物件から表示する。そして各部屋について、予約対象基本データベース121から取り出した基本利用料金と、予約状況データベース122から取り出したキャンセル合計料金を用い、〔基本利用料金〕−〔キャンセル合計料金〕の計算式によって各部屋の利用料金を算出する。そして例えば「本日宿泊の宿」のリストには、「○○ホテル、定価○○○○円→××××円 80%OFF」,「○○旅館、定価○○○○円→××××円 70%OFF」のように表示し、「明日宿泊の宿」のリストには、「○○ホテル、定価○○○○円→××××円 40%OFF」,「○○旅館、定価○○○○円→××××円 30%OFF」のように表示し、「明後日宿泊の宿」のリストには、「○○ホテル、定価○○○○円→××××円 20%OFF」,「○○旅館、定価○○○○円→××××円 20%OFF」のように表示する。
【0039】
これら表示された各部屋には、前記部屋詳細説明画面A8にジャンプする詳細確認ボタンA14が設けられている。そしてこの詳細確認ボタンA14が押されると、前記部屋詳細説明画面A8にジャンプする(ステップ412)。その後は前述したステップ406〜410の処理が行われ、予約状況データベース122の予約フラグがONに書き換えられ、利用者にはクライアント端末装置20に予約確認画面A12が表示される。
【0040】
以上説明したようにこの予約装置によれば、1又は複数回予約された後にキャンセルされた部屋(キャンセル物件、予約対象)のみを集めたキャンセル物件一覧データが得られるので、利用者に迅速かつタイムリーなキャンセル情報を提供することができ、キャンセルされた部屋の再予約を容易に促進することができ、宿泊施設とその利用者の双方にとって効率的で円滑なオンライン予約サービスを提供することができる。
【0041】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。上記においては、施設が宿泊施設である場合のアプリケーションを示したが、施設は予約によって利用者に運用される施設、例えば会議室等であってもよい。また予約対象としては、レンタカー、航空券等、ネットワークを利用して予約と予約のキャンセルを行うことができる他の各種予約対象であっても良い。
【0042】
また上記実施形態では宿泊施設の予約対象を、宿泊施設の各部屋としたが、その代りに宿泊施設の宿泊プランを予約対象としても良い。即ち同一の部屋に対して、提供する複数のプラン(例えば「1泊2食、伊勢海老付きプラン」、「1泊2食、オーシャンビュー客室プラン」、「素泊まりプラン」など)がある場合がある。このような場合は、予約対象を「部屋」とする代りに、「宿泊プラン」とし、「部屋ID番号」の代りに「プランID番号」を用い、各「プランID番号」に対する基本利用料金のデータやキャンセル料金計算テーブルなどを記憶した予約対象基本データベースと、各「プランID番号」に対する予約の有無、予約キャンセルの有無、キャンセル合計料金などを記憶した予約状況データベースとを用意し、上記実施形態と同様の方法で予約を行う。
【0043】
また上記実施形態ではキャンセル物件一覧データの利用料金(新たな利用料金)として、基本利用料金からキャンセル合計料金を減額した額を用いたが、場合によってはキャンセル合計料金と全く同一の金額を減額するのではなく、キャンセル合計料金を基に算出した料金、例えばキャンセル合計料金に所定の率(例えば0.8や1.2等)を乗算してその金額を減額するように構成しても良い。またそれ以外の各種基準で算出した金額を減額しても良い。
【符号の説明】
【0044】
10 予約サーバ装置
20 クライアント端末装置
30 ネットワーク
111 予約処理プログラム
112 キャンセル処理プログラム
121 予約対象基本データベース(施設データベース)
122 予約状況データベース
211 端末予約処理プログラム
600 予約状況データテーブル
650 キャンセル料金計算テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の予約対象それぞれの予約の有無の状態と予約キャンセルの有無の状態をそれぞれ予約フラグのON/OFFとキャンセルフラグのON/OFFによって記憶するとともに各予約対象毎の過去のキャンセル料金の合計金額をキャンセル合計料金として記憶してなる予約状況データベースと、複数の予約対象それぞれの基本利用料金のデータと予約をキャンセルした際のキャンセル料金を計算するキャンセル料金計算テーブルとを記憶してなる予約対象基本データベースと、を有する予約サーバ装置と、
前記予約サーバ装置に対して予約と予約のキャンセルとを要求するクライアント端末装置と、
前記予約サーバ装置とクライアント端末装置とをオンラインで接続するネットワークと、を具備し、
前記予約サーバ装置は、前記クライアント端末装置からの予約要求に応じて前記予約フラグをONにする予約処理プログラムと、前記クライアント端末装置からの予約キャンセル要求に応じて前記予約フラグをOFFにすると同時に前記キャンセルフラグをONにし、さらにキャンセルした利用者の取引口座からキャンセル料金を引き落とすキャンセル処理プログラムとを有し、
さらに前記予約サーバ装置は、前記クライアント端末装置からのキャンセル一覧要求に応じて、前記予約状況データベースの各予約対象毎にそれぞれ設定された予約フラグとキャンセルフラグとを検索し、予約フラグがOFFでキャンセルフラグがONの予約対象を抽出し、抽出した各予約対象について前記基本利用料金からキャンセル合計料金またはキャンセル合計料金を基に算出した料金を減額した額を新たな利用料金とし、この新たな利用料金とともに前記抽出した各予約対象をクライアント端末装置にキャンセル物件一覧データとして送信することを特徴とする予約装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−257837(P2011−257837A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129875(P2010−129875)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(300050242)クーコム株式会社 (1)