説明

事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体

本発明は、事務機器の通気口に付着され、前記通気口の周辺を密閉する密着板;前記密着板に連結され、内部にフィルター収容空間を形成するフィルターケース;及び前記フィルターケースの内部に収納され、複数の層で形成され、少なくとも一つの層には静電気が充電されているフィルター体;を含む事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター、コピー機などのトナーを使用する印刷装置、又はコンピューターなどの通気口又は吸気口に付着され、事務機器の内部に発生する粉塵を捕集したり、事務機器の内部に吸気される空気中の粉塵を捕集したりするフィルター組立体に関し、より詳細には、多様な形状の事務機器の外部に密着して固定できる粉塵捕集フィルター組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式プリンターは、現象方式に従って粉末トナーを現象剤として使用する乾式と、ノッパー(noppar)などの液状のキャリアにトナーを混合して使用する湿式とに区分される。これら二つの方式は、両方とも静電潜像が形成される感光ドラムなどの感光媒体にトナーを供給し、所定の画像を現像した後、その感光ドラムと接触して回転する転写媒体に用紙を通過させることによって、現像された画像を紙に印刷させる。
【0003】
乾式電子写真方式プリンターは、粉末トナーを用いるため、粉末トナーによる有害なトナー粉塵が発生するという問題を有する。
【0004】
しかし、現在市販されているプリンター及びコピー機のほとんどは、トナー粉塵を回収するための適切な手段を備えておらず、排風口を介して微細粉塵状態のトナーを外部に排出している実情にある。
【0005】
また、コンピューターなどの事務機器は、内部の冷却のために外部の空気を吸気する吸気口を備えているが、このような吸気口を介して埃などの異物が共に流入して事務機器の内部に堆積されるので、これら異物によって誤作動や故障が発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記のような乾式プリンター及びコピー機のトナー粉塵を効果的に吸着して外部に排出させない粉塵捕集フィルター組立体を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、コンピューター、ファクシミリなどの事務機器の吸気口に流入する埃を効果的に除去できる粉塵捕集フィルター組立体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、多様な形態の事務機器の外周面に密着できる粉塵捕集フィルター組立体を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、フィルターの取替えが容易な粉塵捕集フィルター組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、事務機器の通気口に付着されて前記通気口の周辺を密閉する密着板;前記密着板に連結され、内部にフィルター収容空間を形成するフィルターケース;及び前記フィルターケースの内部に収納され、複数の層で形成され、少なくとも一つの層には静電気が充電されているフィルター体;を含む事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体を提供する。
【0011】
前記密着板はEPDM(Ethylene Propylene Terpolymers)材質であることが望ましく、前記密着板は、前記フィルターケースと嵌め合わせたり、前記フィルターケースと一体に形成したりすることができる。
【0012】
また、前記フィルターケースは、前面ケースと後面ケースとに分割形成され、前記前面ケースと後面ケースは互いに嵌め合わされることが望ましく、前記前面ケースのコーナー部には、前記後面ケース方向に延長形成されたL字状の挿入突起を備えており、前記後面ケースのコーナー部には前記挿入突起を収容する収容溝を備えることがより望ましい。
【0013】
このとき、前記後面ケースの一側面に結合孔を備えており、前記前面ケースの一側面には、前記後面ケース方向に延長形成されて前記結合孔に挿入される押下突起を備えることができる。
【0014】
一方、前記密着板は、インサート射出成型方式で前記背面ケースと一体に形成することができる。
【0015】
前記密着板の背面には、端部に行くほど厚さが薄くなる形態で形成される密閉羽根をさらに備えており、前記密閉羽根は閉断面を形成し、端部に行くほど閉断面の面積が広くなる形態で形成されることがより望ましい。
【0016】
前記密着板は、前記密閉羽根の内側に付着手段を備えており、前記付着手段は前記密閉羽根より低い高さで形成されることが望ましい。
【0017】
前記付着手段は、接着剤、粘着剤、両面テープ及びマグネチックのうちいずれか一つで形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体は、多様な形態のプリンター又はコピー機の排風口、又はコンピューター及びファクシミリなどの吸気口に密着できる構造を提供し、トナー粉塵をプリンターやコピー機の外部に流出させないか、外部の異物を事務機器の内部に流入させないという効果をもたらす。したがって、事務機器の誤作動や故障を防止することができ、掃除や整備周期を延長させるという効果ももたらす。
【0019】
また、本発明に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体は、通気口の周辺が曲面に形成される場合にも、それに対応して密着固定できるので、多様な形態のプリンター及びコピー機に適用できるという効果をもたらす。
【0020】
そして、本発明に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体は、内部に活性炭を含むので、事務機器の作動過程で発生する有害ガスを浄化できるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の分離斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の結合斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の縦断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体について説明する。
【0023】
本発明の長所及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現される。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一構成要素を示す。
【0024】
また、図面で発明を構成する各構成要素の大きさは、明細書の明確性のために誇張して図示したものであり、一つの構成要素が他の構成要素の「内部に存在したり、連結されたりして設置される」と記載された場合、前記一つの構成要素を前記他の構成要素と接して設置することができ、所定の離隔距離を置いて設置することもでき、離隔距離を置いて設置される場合は、前記一つの構成要素を前記他の構成要素に固定・連結するための第3の手段についての説明を省略することもできる。
【0025】
図1は、本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の分離斜視図で、図2は、本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の結合斜視図である。
【0026】
図示したように、本発明に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体は、事務機器の通気口に密着固定される密着板120と、前記密着板120に結合され、内部にフィルター体140を収容するフィルターケース160と、前記フィルターケース160に取り替え可能に設置され、静電気でトナー粉塵又は空気中の浮遊異物を吸着するフィルター体140とを含む。
【0027】
フィルターケース160は、内部にフィルター体140を収容できる空間を形成しており、略フレーム状を有している。
【0028】
そして、フィルターケース160は、前面ケース162と後面ケース164とに分割形成され、互いに着脱可能に嵌め合わされる構造を有する。前面ケース162と後面ケース164との間にフィルター体140が固定されるが、フィルター体140の取替えを容易にするために、前面ケース162と後面ケース164は、別途の工具なしに容易に着脱できるように形成されることが望ましい。
【0029】
このために、前面ケース162の四つのコーナーには、L字状の挿入突起162aが形成されており、後面ケース164には、前記挿入突起162aに対応する位置に収容溝164aを備えている。
【0030】
前面ケース162を後面ケース164に嵌め込むと、前記挿入突起162aが前記収容溝164aに挿入され、前面ケース162と後面ケース164とが合う四つのコーナーを密閉するようになる。
【0031】
また、前面ケース162の一側にはフック部162bが形成されている。フック部162bは、後面ケース164の一側に挿入され、後面ケース164を外側に押し出す方向に支持するようになり、後面ケース164の側面と前面ケース162の側面とを一致させる役割をする。
【0032】
前面ケース162のフック部162bが形成された他側には、押下突起162cが形成されており、押下突起162cに対応する位置の後面ケース164には結合孔164cが形成されている。
【0033】
前面ケース162を後面ケース164に結合すると、押下突起162cの一部が前記結合孔164cに係止されながら外部に露出するように結合される。結合状態を分離するときは、前記結合孔164cを通して押下突起162cを内側に押し込み、前面ケース162を引っ張る方式で分離するようになる。
【0034】
前面ケース162と後面ケース164は、いずれもフレーム状に形成され、中央に貫通孔を備えており、側面部を密閉するように形成されている。
【0035】
図3は、本発明の実施例に係る事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の縦断面図である。
【0036】
図示したように、前面ケース162と後面ケース164の側面は、互いに結合されて側面を密閉するので、密着板120を通して流入する空気は、内部のフィルター体140を経て外側に排出することができる。
【0037】
密着板120は、後面ケース164と嵌め合わされる。このために、密着板120の前面には「コ」字状の嵌め溝122が形成される。嵌め溝122は、後面ケース164の背面にフレーム状に形成される背面枠165に嵌め合わされる。
【0038】
密着板120は、プリンター又はコピー機の表面に密着され、トナーが密着板120の隙間に漏れないように密閉する役割をするものであって、弾性を有する材質で製作されることが望ましい。
【0039】
また、プリンターやコピー機の外部形状に柔軟に対応するために、材質自体が柔軟に可変可能な形態で形成されることが望ましい。
【0040】
密着板120は、全体が弾性を有する材質で製作されることが望ましいが、代表的にエチレンプロピレンゴム、EPDM(Ethylene Propylene Terpolymers)を使用することができる。
【0041】
EPDMは、エチレン、プロピレン、非共役ジエン(non―conjugated Diene)からなる合成ゴムであって、硫黄、ペルオキシド、フェノール樹脂、放射線などで加硫することができ、特に、ジエンは、硫黄加硫を可能にするものである。EPDMは、耐オゾン性、耐候性、耐熱性、耐溶剤性などに優れ、他の合成ゴムに比べて比重が小さく、充填剤、オイルなどの高充填が可能であり、経済性に非常に優れた合成ゴムである。
【0042】
図示した実施例の場合、密着板120が後面ケース164と嵌め合わされる構造であるが、密着板120を後面ケース164と一体に形成することもできる。密着板120を後面ケース164と一体に形成する場合、インサート射出成型方式を用いて製造することができる。
【0043】
密着板120は、事務機器の通気口と後面ケース164との間を密閉する役割をするが、上述したように後面ケース164と嵌め合わされて密閉され、接着剤、粘着剤、両面テープ、マグネチックなどを用いて印刷装置の通気口と結合することができる。
【0044】
密着板120は、下端部に密閉羽根125を備えている。密閉羽根125は、印刷装置の通気口に密着できるように端部に行くほど厚さが薄くなる形態で形成され、下端に行くほど面積が広くなる形態で形成される。
【0045】
そして、密着板120の下部には、事務機器の通気口に結合するための付着手段128が備えられる。付着手段128は、密閉羽根125より上側に形成され、付着手段128が事務機器の通気口に結合されたとき、密閉羽根125が弾性的に変形して事務機器の通気口の表面に密着されるようにすることが望ましい。
【0046】
付着手段128は、表面に接着剤、粘着剤、両面テープなどを備えることによって、密着板120を事務機器の通気口に接着力又は粘着力で固定することができ、他の方式では、事務機器の通気口が金属材質である場合、マグネチックを備えることによって、密着板120を事務機器の通気口に磁力で固定することもできる。
【0047】
図4は、本発明の実施例に係る印刷装置の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体の一部断面図である。
【0048】
フィルター体140は、トナー粉塵が含まれた空気との接触面積を確保するために、折り曲げて形成することが望ましく、不織布形態で形成することができる。
【0049】
フィルター体140は複数の層で形成することができ、それぞれの層は互いに異なる気孔の大きさを有することができる。ここで、気孔とは、粒子が通過できる穴の大きさを意味する。
【0050】
フィルター体140を複数の層で形成し、それぞれの層が互いに異なる気孔の大きさを有する場合、密着板120に近接した層が最も大きな気孔の大きさを有し、密着板120から最も遠い層が最も小さい気孔の大きさを有するようにすることが望ましい。
【0051】
気孔の大きさは0.1〜5μmの範囲であることが望ましい。通常、トナー粉塵の粒径は約0.1μmであるが、気孔の大きさを過度に微細にすると、排気抵抗が大きくなり、事務機器の過熱をもたらすおそれがあり、気孔の大きさが過度に大きいと、粉塵捕集性能が低下する。
【0052】
フィルター体140を形成する複数の層のうち少なくとも一つの層には静電気が充電されることが望ましい。これは、トナー粒子を静電気で吸着してフィルタリンクすることによって粉塵捕集性能を向上させるためである。
【0053】
静電気が充電されたフィルターを使用すると、気孔の大きさより小さい粉塵も効果的に捕集することができ、排気抵抗を高めなくても粉塵捕集性能を向上させることができる。
【0054】
また、フィルター体140には活性炭を含ませることができる。事務機器の作動過程で有害ガスが発生し得るが、このような有害ガスは活性炭によって浄化することができる。
【0055】
以上、添付の図面を参照して本発明の各実施例を説明したが、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができ、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるだろう。したがって、以上説明した各実施例は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものでないことを理解しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事務機器の通気口に付着され、前記通気口の周辺を密閉する密着板;
前記密着板に連結され、内部にフィルター収容空間を形成するフィルターケース;及び
前記フィルターケースの内部に収納され、複数の層で形成され、少なくとも一つの層には静電気が充電されているフィルター体;を含む事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項2】
前記密着板は、EPDM(Ethylene Propylene Terpolymers)材質で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項3】
前記密着板は、前記フィルターケースと嵌め合わされることを特徴とする、請求項2に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項4】
前記密着板は、前記フィルターケースと一体に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項5】
前記フィルターケースは、前面ケースと後面ケースとに分割形成され、
前記前面ケースと後面ケースは互いに嵌め合わされることを特徴とする、請求項1に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項6】
前記前面ケースのコーナー部には、前記後面ケース方向に延長形成されたL字状の挿入突起を備えており、
前記後面ケースのコーナー部には、前記挿入突起を収容する収容溝を備えることを特徴とする、請求項5に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項7】
前記後面ケースの一側面には結合孔を備えており、
前記前面ケースの一側面には、前記後面ケース方向に延長形成され、前記結合孔に挿入される押下突起を備えることを特徴とする、請求項6に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項8】
前記密着板は、インサート射出成型方式で前記背面ケースと一体に形成されることを特徴とする、請求項7に記載の事務機器の外部付着型粉塵フィルター組立体。
【請求項9】
前記密着板の背面には、端部に行くほど厚さが薄くなる形態で形成される密閉羽根をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項10】
前記密閉羽根は、閉断面を形成し、端部に行くほど閉断面の面積が広くなる形態で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター。
【請求項11】
前記密着板は、前記密閉羽根の内側に付着手段を備えることを特徴とする、請求項9に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項12】
前記付着手段は、前記密閉羽根より低い高さで形成されることを特徴とする、請求項11に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。
【請求項13】
前記付着手段は、接着剤、粘着剤、両面テープ及びマグネチックのうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項12に記載の事務機器の外部付着型粉塵捕集フィルター組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−518712(P2013−518712A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551905(P2012−551905)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000189
【国際公開番号】WO2011/102604
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(509286787)エルジー・ハウシス・リミテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
【住所又は居所原語表記】One IFC Building,10 Gukjegeumyung−ro,Yeongdeungpo−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】