説明

二つの取手を備えたハンド・ヘア・ドライヤー

本発明は、チューブセクション(5)から空気流(4)を発生させるための電気ファン(2)および直列配置の電気加熱装置(3)を含み、ファン(2)がハウジングセクション(6)内に、加熱装置(3)がチューブセクション(6)に配置されているハンド・ヘア・ドライヤー(1)に関する。操作エレメント(7)を有する第一の取手(8)が、チューブセクション(5)に対して約90度の角度でハウジングセクション(6)に設けられている。チューブセクション(5)は、第二の取手(9)として具現化され、ハンド・ヘア・ドライヤー(1)の操作の際に人間工学的な利点を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に係るハンド・ヘア・ドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
チューブセクションから空気流を発生させるために電気ファンおよび直列配置の電気加熱装置を備えたこの種のハンド・ヘア・ドライヤーは、例えばEP1086631A1号から公知である。ファンはハウジングセクション中に、加熱装置はチューブセクション中に配置されている。ハウジングセクションには、チューブセクションに対して約90度の角度で、操作エレメント(スイッチ)を有する取手が設けられている。取手を手で握った所定の位置で、所定の乾燥のために操作エレメントを用いて、所定の温度および送風段階を、通常、処置中ほとんど変化させずに用いて、調節できる。ブラシで整えた毛髪の仕上がりの崩れにくさ(調整(Konditionierung))を改良するために、短時間冷風を当てるが、このためには、冷気キーを押さえて加熱装置を短時間遮断する。所定の保持位置では、ハンド・ヘア・ドライヤーでの人間工学的な作業は不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、単純な措置により、人間工学的な改良を達成する、同種のハンド・ヘア・ドライヤーを製造することを課題とする。
これらの課題は、請求項1の特徴的部分の特性により解決される。本発明の有利な展開が、従属請求項から可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明を、実施例に従いさらに詳しく記載する。
図1は、チューブセクション5から空気流4を発生させるための電気ファン2と直列配置の電気加熱装置3を有し、ハウジングセクション6中にファン2を、チューブセクション5中に加熱装置3を配置して成るハンド・ヘア・ドライヤー1を示す。チューブセクション5に対して約90度の角度で、操作エレメント7(ファン段階スイッチ26、加熱段階スイッチ27)を有する第一の取手8が、ハウジングセクション6に設けられている。チューブセクション5は、第一の取手8とほぼ同一の口径(寸法)を示す第二の取手9として形成されたものである。これにより、ハンド・ヘア・ドライヤーの使用時に、第二の取手9の選択もまた可能となり、例えば図2〜5から明らかな、ハンド・ヘア・ドライヤーの操作の人間工学的な改良が達成される。
【0005】
第二の取手9は、熱絶縁形成されており(図9にも示す)、これにより熱くなり得ないようになっている(低温取手ゾーン)。
別に、または追加的に、チューブ5は外部を熱絶縁性に形成して、第二の取手9が熱くなり得ないようにすることもできる。
第二の取手9は、簡単に握ったり持ったりできるよう、円筒形に形成されている。
第一および第二の取手8、9は適宜、滑り止め付の表面13を、選択により装着する。これにより、ハンド・ヘア・ドライヤー1を持つ時に、確実に握ることができるようになる。
【0006】
第一の取手8には第一の冷気組合せスイッチ10が設けられており、第二の取手9には第二の冷気組合せスイッチ11が設けられている。第二の冷気組合せスイッチ11は、ハウジングセクション6の近傍12または内側に設けられている。これにより、第二の取手9を持った時に、第二の冷気組合せスイッチ11の人間工学的な操作が得られる。特に、冷気組合せスイッチ10、11は、キースイッチ10、11として企画される。冷気組合せスイッチ10、11の適宜の操作により、加熱装置3の電力供給を絶ち、ファン2からの冷気31(図9)のみが空気流出口35から発生する。
【0007】
図2は、理髪師20による頭部毛髪14から後部毛髪領域14.1の空気流処理の際の、ハンド・ヘア・ドライヤー1の第一の取手8を用いる通常の操作の位置を示す。
図3は、理髪師20による上部毛髪14.2の空気流処理の際の、ハンド・ヘア・ドライヤー1の第一の取手8を用いる通常の操作の位置を示す。これに関しては、理髪師20の不都合な腕の姿勢が明らかである。この他、ネットケーブル25が客15の近傍に来る不都合が生じる。
【0008】
図4は、ハンド・ヘア・ドライヤー1の第二の取手9の使用による、ハンド・ヘア・ドライヤー1の人間工学的な操作上の利点を、図3と比較して示す。理髪師20の腕の姿勢が人間工学的に好都合に低くなっていることが明らかである。加えて、ネットケーブル25が客15から離れる好都合が生じる。
図5は、第一および第二の取手8、9を有するハンド・ヘア・ドライヤー1での自己処理操作の際の、人間工学的な相違を示す。これに関し、頭部毛髪14に対して同様に位置づけるに際しての、2つの主要な相違が明らかである。
【0009】
1.ハンド・ヘア・ドライヤー1を第一の取手8で持つ場合、ハンド・ヘア・ドライヤー1を第二の取手9で持つ場合の左手22よりも、右手21を明らかに高く保持しなければならない。
2.手の関節点23とハンド・ヘア・ドライヤー1の重心24との間隔X1が大きいことにより、ハンド・ヘア・ドライヤー1の保持が加重される。加えて、空気流出口25と頭部毛髪14の間の適当な間隔が非常に制御しにくい。手の関節点23とハンド・ヘア・ドライヤー1の重心24との間隔X2が狭いことにより、空気流出口25と頭髪14の間の適当な間隔が制御し易く、ハンド・ヘア・ドライヤー1の保持が、人間工学的に好都合となる。
【0010】
図6は、第一と第二の取手8、9の間に第一の冷気組合せスイッチ16を設けて成る、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤー1の側面図を示す。第一の冷気組合せスイッチ16として、ここでは、第一または第二の取手8、9の選択により、指での操作(F1)が可能なキースイッチ17を示す。そのため、第二の冷気スイッチ11はなくなる。
図7は、第一と第二の取手8、9の間に第二の冷気組合せスイッチ16.1を有する、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤー1の側面図を示す。第二の冷気組合せスイッチ16.1として、ここでは、第一または第二の取手8、9の選択により、指での操作(F2、F3)が可能な、一柄回動キースイッチ(einschenklinger Kipptastschalter)18を示す。そのため、第二の冷気スイッチ11はなくなる。
【0011】
図8は、第一と第二の取手8、9の間に第二の冷気組合せスイッチ16.2を有する、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤー1の側面図を示す。第二の冷気組合せスイッチ16.2として、ここでは、第一または第二の取手8、9の選択により、指での操作(F2、F3)が可能な、二柄(V−型)回動キースイッチ19を示す。そのため、第二の冷気スイッチ11はなくなる。
【0012】
図9は、図6に示すハンド・ヘア・ドライヤー1に関し、チューブセクション5内に、同心状に配置された暖気管28と同軸の冷気管29が設けられているために、第二の取手9の近傍で特に冷却状態が持続する、特に好ましいハンド・ヘア・ドライヤー1を記載する。同心の暖気管28は、加熱装置3を内部に備えた中空円筒管30により形成されている。同軸の冷気管29は、チューブセクション5と同心暖気管28により形成されている。同心暖気管28および同軸冷気管29は、ファン2の冷気流31に関して開口して、同心暖気管28から暖気流出口32へと加熱装置3を経、かつ、同軸冷気管29から冷気流33を生じ、この際、同軸冷気管29中の一定の冷気流31が第二の取手9を冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第一および第二の取手を有するハンド・ヘア・ドライヤーの一側面図である。
【図2】図2は、理髪師による頭部毛髪部の空気流処理の際の、ハンド・ヘア・ドライヤーの第一の取手を用いる通常の操作の位置を示す。
【図3】図3は、理髪師による上部毛髪の空気流処理の際の、ハンド・ヘア・ドライヤーの第一の取手を用いる通常の操作の位置を示す。
【図4】図4は、ハンド・ヘア・ドライヤーの第二の取手の使用による、ハンド・ヘア・ドライヤーの人間工学的な操作上の利点を、図3と比較して示す。
【図5】図5は、第一および第二の取手を有するハンド・ヘア・ドライヤーでの自己処理操作の際の、人間工学的な相違を示す。
【図6】図6は、第一の冷気組合せスイッチを有する、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤーの側面図を示す。
【図7】図7は、第二の冷気組合せスイッチを有する、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤーの側面図を示す。
【図8】図8は、第三の冷気組合せスイッチを有する、図1に示すハンド・ヘア・ドライヤーの側面図を示す。
【図9】図9は、冷却状態の第二の取手を有する、図6に示すハンド・ヘア・ドライヤーの側面図を示す。
【符号の説明】
【0014】
1 ハンド・ヘア・ドライヤー
2 ファン
3 加熱装置
4 空気流
5 チューブセクション
6 ハウジングセクション
7 操作エレメント
8 第一の取手
9 第二の取手
10 第一の冷気スイッチ
11 第二の冷気スイッチ
12 ハウジングチャンバー6の近傍
13 滑り止め付の表面
14 頭部毛髪
14.1 後部毛髪領域
14.2 上部毛髪
15 客
16 第一の冷気組合せスイッチ
16.1 第二の冷気組合せスイッチ
16.2 第三の冷気組合せスイッチ
17 キースイッチ
18 一柄回動キースイッチ
19 二柄回動キースイッチ
20 理髪師
21 右腕
22 左腕
23 手の関節点
24 ハンド・ヘア・ドライヤーの重心
25 ネットケーブル
26 ファン段階スイッチ
27 加熱段階スイッチ
28 同心暖気管
29 同軸冷気管
30 管
31 冷気流/ファン2
32 暖気流出口
33 冷気流出口
34 空気取入セクション
35 空気流出口
F1−3 スイッチ操作の向き
X1、X2 手の関節点/ハンド・ヘア・ドライアー間の重心の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブセクション(5)から空気流(4)を発生させるための電気ファン(2)および直列配置の電気加熱装置(3)を備え、ファン(2)がハウジングセクション(6)に、加熱装置(3)がチューブセクション(5)内に設けられており、ハウジングセクション(6)に、操作エレメント(7)を有する第一の取手(8)を、チューブセクション(5)に対して約90度の角度で設けて成り、チューブセクション(5)が第二の取手(9)として形成されていることを特徴とするハンド・ヘア・ドライヤー(1)。
【請求項2】
前記第二の取手(9)が熱絶縁形成されていることを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項3】
前記チューブセクション(5)が外部を熱絶縁性に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項4】
前記第二の取手(9)と前記チューブセクション(5)が外部を熱絶縁性に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項5】
前記第二の取手(9)が円筒形に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項6】
前記第一および第二の取手(8、9)に適宜各々滑り止め付表面(13)を装着したことを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項7】
前記第一の取手(8)に第一の冷気スイッチ(10)を、前記第二の取手(9)に第二の冷気スイッチ(11)を配置したことを特徴とする、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項8】
前記第一の取手(8)と前記第二の取手(9)の間に、共通操作性の第一、第二、または第三の冷気組合せスイッチ(16、16.1、16.2)を配置して成ることに特徴づけられる、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項9】
前記第一の冷気組合せスイッチ(16)として、キースイッチ(17)を装着して成ることに特徴づけられる、請求項8記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項10】
前記第二の冷気組合せスイッチ(16.1)として、一柄回動キースイッチ(18)を装着して成ることを特徴とする、請求項8記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項11】
前記第三の冷気組合せスイッチ(16.2)として、二柄回動キースイッチ(19)を装着して成ることを特徴とする、請求項8記載のハンド・ヘア・ドライヤー。
【請求項12】
前記チューブセクション(5)内に、同心状に配置された暖気管(28)と同軸の冷気管(29)が設けられており、同心暖気管(28)が、加熱装置(3)を内部に備えた中空円筒管(30)により形成されており、同軸の冷気管(29)が、チューブセクション(5)と同心暖気管(28)とで形成されており、同心暖気管(28)および同軸冷気管(29)が、ファン(2)の冷気流(31)に関して開口して、同心暖気管(28)から暖気流出口(32)へと加熱装置(3)を経、かつ、同軸冷気管(29)から冷気流(33)を生じることに特徴づけられる、請求項1記載のハンド・ヘア・ドライヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−528504(P2006−528504A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520814(P2006−520814)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008360
【国際公開番号】WO2005/009171
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】