説明

二多段式駐車装置とその入出庫方法

【課題】二多段式駐車装置の入出庫階において、パレット脇のスペースを大きくして、パレットからの車両の入出庫や、パレットに積載されている車両の脇における人の通行を便利にする。
【解決手段】入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレット2または3を入出庫パレットとする。入出庫階において、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させる。この状態で、入出庫パレットに車両1が乗り込み、または、入出庫パレットから車両1が乗り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットが配置可能なパレットスペースを水平方向に複数隣接して設けた階を、上下に2段または3段以上設けた二多段式駐車装置とその入出庫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来における二多段式駐車装置の概略構成例を示す。図1において、1階と2階と3階の各々には、パレット31が配置可能なパレットスペースSpが3つ設けられており、パレット31は2つ設けられている。一方、最上階の4階には、パレット31が配置可能なパレットスペースSpが3つ設けられており、パレット31は3つ設けられている。
【0003】
1階の各パレット31には、駆動輪33が設けられている。駆動輪33がレール35上を転動することにより、1階の各パレット31は、隣接するパレットスペースSpの間で水平方向に移動できる。
【0004】
2階と3階のパレット31毎に、横行フレーム37と昇降装置39が設けられている。横行フレーム37には、駆動輪38が設けられている。駆動輪38がレール42上を転動することにより、2階と3階の各パレット31は、隣接するパレットスペースSpの間で水平方向に移動できる。昇降装置39は、横行フレーム37に設けられている、昇降装置39は、対応するパレット31を線状体41で吊るし、線状体41を下方へ繰り出すことによりパレット31を下降させ、線状体41を上方へ繰り上げることによりパレット31を上昇させる。
【0005】
4階のパレット31毎に昇降装置43が設けられている。昇降装置43は、二多段式駐車装置の構造体45に設けられている。昇降装置43は、対応するパレット31を線状体47で吊るし、線状体47を下方へ繰り出すことによりパレット31を下降させ、線状体47を上方へ繰り上げることによりパレット31を上昇させる。4階の各パレット31は、水平方向には移動できないようになっている。なお、図1では、4階の中央のパレット31が1階に下降させられている。
【0006】
1階に車両1を駐車する場合には、1階の空の(即ち、車両1が積載されていない。以下同様)パレット31に自走して車両1が乗り込む。1階のパレット31に積載されている車両1を出庫させる場合には、当該パレット31から車両1が自走して乗り出す。
1階において、いずれのパレットスペースSpに位置する空のパレット31にも、車両1が乗り込み可能であり、いずれのパレットスペースSpに位置するパレット31からも、車両1が乗り出し可能である。
【0007】
2階に車両1を駐車する場合には、まず、空のパレット31を2階から1階へ下降させる。この時、当該パレット31の真下に他のパレット31が位置している場合には、1階の当該他のパレット31を、パレット31の下降に干渉しないように隣のパレットスペースSpへ左右方向に移動させておく。その後、1階へ下降した2階のパレット31に、車両1が自走して乗り込む。次いで、車両1が乗り込んだパレット31を2階へ上昇させる。なお、本願において、左右方向とは、各階においてパレットが隣接している方向を意味する。
【0008】
2階に駐車されている車両1を出庫させる場合には、2階のパレット31を1階へ下降させる。この時、当該パレット31の真下に他のパレット31が位置している場合には、1階の当該他のパレット31を、上記と同様に、隣のパレットスペースSpへ左右方向に移動させておく。その後、1階へ下降したパレット31から、車両1が自走して乗り出す。次いで、空になった当該パレット31を2階へ上昇させる。
【0009】
3階または4階に車両1を駐車する場合、および、3階または4階に駐車されている車両1を出庫させる場合にも、2階に車両1を駐車する場合、および、2階に駐車されている車両1を出庫させる場合と同様の動作を行う。ただし、3階または4階から1階へパレット31を下降させる時に、当該パレット31の真下に、下階のパレット31が位置する場合には、これらの下階のパレット31を、パレット31の下降に干渉しないように隣のパレットスペースSpへ左右方向に移動させる。同様に、1階から3階または4階へパレット31を上昇させる時も、当該上昇に他のパレット31が干渉しないようにしておく。
【0010】
上述のような二多段式駐車装置は、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−115674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、入出庫階(1階)において、パレット31脇のスペース幅W0が狭く設定されているため、パレット31からの車両の入出庫や、パレット31に積載されている車両の脇における人の通行が、不便になることがある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、入出庫階において、パレット脇のスペースを大きくして、パレットからの車両の入出庫や、パレットに積載されている車両の脇における人の通行を便利にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、本発明によると、パレットが配置可能な複数のパレットスペースを水平方向に隣接して設けた階が、上下に複数段設けられ、
入出庫階には、隣接するパレットスペースの間で水平移動可能なパレットが設けられており、入出庫階以外の階には、入出庫階との間で昇降可能なパレットが設けられており、
入出庫階において、入出庫階もしくは他階のパレットに車両が乗り込み、または、入出庫階もしくは他階のパレットから車両が乗り出すようになっている二多段式駐車装置の入出庫方法であって、
入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレットを入出庫パレットとして、
(A)入出庫階において、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させ、
(B)この状態で、入出庫パレットに車両が乗り込み、または、入出庫パレットから車両が乗り出す、ことを特徴とする二多段式駐車装置の入出庫方法が提供される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によると、入出庫パレットは、入出庫階以外の階のパレットであり、
入出庫パレットを入出庫階に垂直移動させる動作と並行して、前記(A)の動作を行い、これにより、入出庫パレットが入出庫階に垂直移動した時には、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットが、該入出庫パレットから離れる方向に移動されている。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によると、入出庫階において、最端部のパレットスペースよりも水平方向外側には、当該パレットスペースから入出庫階のパレットが移動可能な延長スペースが設けられており、
前記(A)の動作では、入出庫階のパレットを延長スペースに移動させることにより、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させる。
【0017】
また、上述の目的を達成するため、本発明によると、パレットが配置可能な複数のパレットスペースを水平方向に隣接して設けた階が、上下に複数段設けられ、
入出庫階には、隣接するパレットスペースの間で水平移動可能なパレットが設けられており、入出庫階以外の階には、入出庫階との間で昇降可能なパレットが設けられており、
入出庫階において、入出庫階もしくは他階のパレットに車両が乗り込み、または、入出庫階もしくは他階のパレットから車両が乗り出すようになっている二多段式駐車装置であって、
入出庫階において、最端部のパレットスペースよりも水平方向外側には、当該パレットスペースから入出庫階のパレットが移動可能な延長スペースが設けられており、
入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレットを入出庫パレットとして、入出庫階のパレットを延長スペースに移動させることにより、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動できるようになっている、ことを特徴とする二多段式駐車装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によると、入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレットを入出庫パレットとして、(A)入出庫階において、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させ、(B)この状態で、入出庫パレットに車両が乗り込み、または、入出庫パレットから車両が乗り出すので、入出庫パレットの脇のスペースを大きくすることができる。従って、パレットからの車両の入出庫や、パレットに積載されている車両の脇における人の通行が便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来における二多段式駐車装置の概略構成例を示す。
【図2】本発明の実施形態による二多段式駐車装置の構成を示す概略図である。
【図3】中間階または最上階のパレットに対して入出庫を行う場合の説明図である。
【図4】中間階または最上階のパレットに対して入出庫を行う場合の別の説明図である。
【図5】入出庫階のパレットに対して入出庫を行う場合の説明図である。
【図6】入出庫階のパレットに対して入出庫を行う場合の別の説明図である。
【図7】本発明の実施形態による二多段式駐車装置をより詳しく示した構成図である。
【図8】図7のA−A矢視図であり、入出庫階のパレットとその付近の構造を示す。
【図9】図9は、図7のB−B矢視図またはC−C矢視図であり、中間階のパレットとその付近の構造を示す。
【図10】図7のD−D矢視図であり、最上階のパレットとその付近の構造を示す。
【図11】(A)は、中間階におけるスプロケットおよびチェーンの一例を示す斜視図であり、(B)は、最上階におけるスプロケットおよびチェーンの一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態による二多段式駐車装置の他の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
図2は、本発明の実施形態による二多段式駐車装置10の構成を示す概略図である。
【0022】
二多段式駐車装置10は、パレットが配置可能なパレットスペースSpを水平方向(左右方向)にn個(n:2以上の整数)隣接して設けた階を、上下に2段または3段以上(図2では、4段)設けた構造を有する。
【0023】
入出庫階(図2の例では、最下階)には、隣接するパレットスペースSpの間で水平移動可能なパレット2が設けられている。入出庫階において、パレットスペースSpの数より1つ少ない数(n−1)だけ、パレット2が設けられている。
入出庫階以外の各階には、入出庫階との間で昇降可能なパレット3が設けられている。
入出庫階と最上階との間に中間階が存在する場合(例えば、図2の場合)には、中間階のパレット3は、隣接するパレットスペースSpの間で水平移動可能であるとともに当該中間階と入出庫階との間で昇降可能である。各中間階において、パレットスペースSpの数より1つ少ない数(n−1)だけ、パレット3が設けられている。
【0024】
最上階には、パレットスペースSpの数(n)だけ、パレット3が設けられている。
【0025】
入出庫階において、図2の紙面と垂直な方向に、入出庫階もしくは他階のパレット2、3に車両1が自走して乗り込み、または、入出庫階もしくは他階のパレット2、3から車両1が自走して乗り出すようになっている。入出庫階もしくは他階のパレット2、3が、入出庫階のどのパレットスペースSpに位置していても、当該パレットに車両1が乗り込み、または、当該パレットから車両1が乗り出すことができる。
【0026】
本実施形態によると、入出庫階において、左右方向に関して、最端部のパレットスペースSpよりも外側には、当該パレットスペースSpから入出庫階のパレット2が移動可能な延長スペースSeが設けられている。この延長スペースSeは、入出庫階のパレット2に設けた駆動輪4が走行する構造体(例えば、レール)5を延長することにより設けられる。すなわち、構造体5は、n個のパレットスペースSpに渡って連続して左右方向に延びている基本部分5aと、この基本部分5aから左右方向に延長して延びている延長部分5bとを有する。この延長部分5bが延長スペースSeに相当する。この例では、延長部分5b(延長スペースSe)の左右方向の長さは、各パレットスペースSpの左右方向の長さより短い。
【0027】
各中間階における各パレット3は、次の構成により水平移動し昇降する。
【0028】
各中間階の各パレット3毎に、昇降横行装置7が設けられている。各昇降横行装置7は、対応するパレット3を昇降させる昇降装置9と、該昇降装置9が設けられ隣接するパレットスペースSp間で水平方向に移動可能な横行フレーム11と、を有する。各昇降装置9は、対応するパレット3を吊るす線状体13と、該線状体13を横行フレーム11側から下方へ繰り出すことによりパレット3を下降させ、線状体13を横行フレーム11側に上方へ繰り上げることによりパレット3を上昇させる駆動装置14と、を有する。
【0029】
最上階の各パレット3は、次の構成により昇降する。
【0030】
最上階の各パレット3毎に、昇降装置15が設けられている。各昇降装置15は、対応するパレット3を吊るす線状体13と、二多段式駐車装置10の静止構造体27に設けられ線状体13を下方へ繰り出すことによりパレット3を下降させ、線状体13を上方へ繰り上げることによりパレット3を上昇させる駆動装置16と、を有する。
【0031】
本実施形態による入出庫方法を説明する。この方法は、上述の二多段式駐車装置10を用いて行われる。
【0032】
入出庫階において、車両1が乗り込まれ、または、車両1が乗り出されるパレット2、3を入出庫パレットとする。なお、この入出庫パレットは、入出庫階のパレット2、または、入出庫階以外の階のパレット3である。
【0033】
本実施形態による入出庫方法では、入出庫階のパレット2を延長スペースSeに移動させることにより、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させる。この状態で、入出庫パレットに車両1が乗り込み、または、入出庫パレットから車両1が乗り出す。
【0034】
(中間階または最上階のパレットに対する入出庫方法)
図3と図4は、入出庫階以外の階(例えば、中間階または最上階)のパレット3に対して入出庫を行う場合の説明図である。図3は、入出庫階より上階における左右方向端部のパレットスペースSpから入出庫パレット3を下降させる場合を示す。図4は、入出庫階より上階における左右方向中間のパレットスペースSpから入出庫パレット3を下降させる場合を示す。
【0035】
ステップS1において、図3(A)または図4(A)のように、入出庫階以外の階(他階という)のパレットスペースSpから入出庫パレット3を入出庫階のパレットスペースSpに下降(垂直移動)させる。この時、当該他階のパレットスペースSpの真下に、当該他階と入出庫階の間の階、または、入出庫階に他のパレット2、3が存在する場合には、ステップS1で行う入出庫パレット3の下降に干渉しないように、ステップS1の前に当該他のパレットを左右方向に移動させておく。
【0036】
後述する図12のように、入出庫階より下階のパレットスペースSpのパレット3が存在し、当該パレット3に対し入出庫を行う場合がある。この場合には、ステップS1において、入出庫階より下階(他階)のパレットスペースSpから入出庫パレット3を入出庫階のパレットスペースSpに上昇(垂直移動)させる。この時、当該他階のパレットスペースSpの真上に、当該他階と入出庫階の間の階、または、入出庫階に他のパレット2、3が存在する場合には、ステップS1で行う入出庫パレット3の上昇に干渉しないように、ステップS1の前に当該他のパレットを左右方向に移動させておく。
なお、入出庫階より下階のパレットスペースSpのパレット3が存在する場合であって、図12のように入出庫階より上階のパレットスペースSpのパレット3が存在する場合に、入出庫階より上階のパレットスペースSpのパレット3に対する入出庫方法におけるステップS1は、上述と同じである。
【0037】
次いで、ステップS2において、ステップS1で上述のように入出庫階に下降または上昇した入出庫パレット3に隣接する入出庫階のパレット2を、例えば図3(B)または図4(B)のように、該入出庫パレット3から離れる方向に水平移動させる。
これについて、ステップS2において、入出庫階のパレット2を延長スペースSeに移動させることにより、入出庫パレット3に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット3から離れる方向に水平移動させる。その結果、入出庫パレット3の両脇に広いスペースが確保される。
【0038】
その後、ステップS3において、例えば図3(C)または図4(C)のように、入出庫パレット3に車両1が乗り込み、または、入出庫パレット3から車両1が乗り出す。次いで、車両1の乗り込みまたは乗り出しが終わった入出庫パレット3を、元の前記他階に上昇または下降させる。
【0039】
例えば図3(A)のように、ステップS1において、入出庫パレット3が、入出庫階の端部に位置するパレットスペースSpに下降または上昇した場合には、例えば図3(B)のように、ステップS2において、入出庫パレット3と最も反対側に位置する入出庫階のパレット2を、延長スペースSeに進入させることにより、当該パレットを含む(n−1)個(図3の例では、3つ)のパレット2を、入出庫パレット3の反対側に水平移動させる。これにより、入出庫パレット3に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット3から離れる方向に水平移動させ、入出庫パレット3の両脇に広いスペースを確保する。
【0040】
例えば図4(A)のように、ステップS1において、入出庫パレット3が、入出庫階の複数のパレットスペースSpのうち中間に位置するパレットスペースSpに下降または上昇した場合には、例えば図4(B)のように、ステップS2において、入出庫パレット3の左右方向両側の各々において、最も左右方向外側に位置するパレット2を延長スペースSeへ進入させることにより、当該パレット2を含めた1つまたは複数のパレット2を延長スペースSe側へ水平移動させる。これにより、入出庫パレット3に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット3から離れる方向に水平移動させて、入出庫パレット3の両脇に広いスペースを確保する。
【0041】
ステップS1、S2を同時に行ってもよい。すなわち、ステップS1の動作と並行して、ステップS2の動作を行い、これにより、入出庫パレット3が入出庫階に下降または上昇した時には、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレット2が、該入出庫パレットから離れる方向に既に移動されているようにしてもよい。これにより、入出庫に要する駐車装置10の動作時間を短縮できる。
【0042】
(入出庫階のパレットに対する入出庫方法)
図5と図6は、入出庫階のパレット2に対して入出庫を行う場合の説明図である。図5は、左右方向端部のパレットスペースSpに対して入出庫を行う場合を示す。図6は、左右方向中間のパレットスペースSpに対して入出庫を行う場合を示す。
【0043】
ステップ11において、図5(A)または図6(A)のように、入出庫階の入出庫パレット2に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット2から離れる方向に水平移動させる。
これについて、ステップS11において、入出庫階のパレット2を延長スペースSeに移動させることにより、入出庫パレット2に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット2から離れる方向に水平移動させる。その結果、入出庫パレット2の両脇に広いスペースが確保される。
【0044】
その後、ステップS12において、図5(B)または図6(B)のように入出庫パレット2に車両1が乗り込み、または、入出庫パレット2から車両1が乗り出す。
【0045】
図5(A)の場合のように、ステップS11において、入出庫パレット2が、入出庫階の複数のパレット2のうち、左右方向端部に位置するものである場合には、ステップS11において、出庫パレット2に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット2から離れる方向に水平移動させ、入出庫パレット2の両脇に広いスペースを確保する。
この場合、パレット2を延長スペースSeに進入させなくても、入出庫パレット2の両脇に広いスペースを確保できる。一方、図5の例では、入出庫パレット2と最も反対側に位置する入出庫階のパレット2を、延長スペースSe側に進入させることにより、入出庫階の(n−1)個(図5の例では、2つ)のパレット2を、入出庫パレット2と反対側に水平移動させている。これにより、入出庫パレット2に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット2から離れる方向に水平移動させ、入出庫パレット2の左脇においてより広いスペースを確保している。
【0046】
図6(A)のように、ステップS11において、入出庫パレット2が、入出庫階の左右方向中間に位置する場合には、図6(B)のように、ステップS2において、入出庫パレット2の左右方向一方側または両側(図6では両側)において、最も左右方向外側に位置するパレット2を延長スペースSe側へ移動させることにより、当該パレット2を含めた1つまたは複数の(図6では1つの)パレット2を延長スペースSe側へ水平移動させる。これにより、入出庫パレット2に隣接する入出庫階のパレット2を、該入出庫パレット2から離れる方向に移動させて、入出庫パレット2の両脇に広いスペースを確保する。
なお、入出庫パレット2の左右方向一方側において、パレットスペースSpの数がパレット2の数より多い場合には(図6(A)の右側の場合)、パレット2を延長スペースSeに進入させなくても、入出庫パレット2の両脇に広いスペースを確保できる。一方、入出庫パレット2の左右方向一方側において、パレットスペースSpの数がパレット2の数と同じ場合には(図6(A)の左側の場合)、パレット2を延長スペースSeに進入させることにより、入出庫パレット2の両脇に広いスペースを確保する。
【0047】
本実施形態の二多段式駐車装置10をより詳しく説明する。
【0048】
図7は、二多段式駐車装置10全体をより詳しく示した構成図である。図7において、パレット2、3が配置可能なパレットスペースSpが、上下に複数段(図7の例では、4段)設けられている。図8は、図7のA−A矢視図であり、1階のパレット2とその付近の構造を示す。図9は、図7のB−B矢視図、または、図7のC−C矢視図であり、2階または3階のパレット3とその付近の構造を示す。図10は、図7のD−D矢視図であり、4階のパレット3とその付近の構造を示す。なお、パレット2、3を、図9、図10において1点鎖線で示し、車両(自動車)1を、図8〜図10において2点鎖線で示す。
【0049】
1階(入出庫階)には、パレット2が配置可能なパレットスペースSpが、左右にn個(図7の例では、3つ)設けられているが、車両1が乗り込み可能なパレット2は、左右に(n−1)個(図7の例では、2つ)設けられている(ここで、nは、2以上の数である)。従って、空いたパレットスペースSpを利用して、1階の各パレット2は、左右方向に移動可能である。この移動は、例えば、パレット2に設けられた駆動輪4によって行われる。すなわち、各駆動輪4は、下面が二多段式駐車装置10における静止側の構造体(例えば、レール)5の上面に接しており、当該駆動輪4が回転させられることにより、パレット2を左右方向に移動させる。
【0050】
本実施形態によると、構造体5は、n個のパレットスペースSpに渡って連続して左右方向に延びている基本部分5aと、この基本部分5aから左右方向に延長して延びている延長部分5bとを有する。延長部分5bは、左右方向に関して、当該延長部分5b側の端部に位置する各階のパレットスペースSpよりも外側に位置している。好ましくは、左右方向に関して、パレット2は、延長部分5bに進入することにより、当該パレット2全体を、各階における当該延長部分5b側の端部に位置するパレットスペースSpの左右方向中心よりも外側(延長部分5b側)へ移動可能にする。なお、各階のn個のパレットスペースSpは、それぞれ、他階のn個のパレットスペースSpと同じスペースに配置されている。
【0051】
なお、車両1が積載されていないパレット2だけでなく、車両1が積載されているパレット2も、延長スペースSeへ進入可能である。
【0052】
2階と3階(中間階)には、パレット3が配置可能なパレットスペースSpが、左右にn個(図7の例では、3つ)設けられているが、車両1が積載可能なパレット3は、左右に(n−1)個(図7の例では、2つ)設けられている。2階の各パレット3は、1階と2階との間で昇降可能である。3階の各パレット3は、1階と3階との間で昇降可能である。2階および3階の各パレット3は、それぞれ、2階および3階に設けられた横行フレーム11に対して昇降可能に線状体13で吊るされている。
【0053】
2階と3階の各パレット3には、図7または図9に示すように、パレット3を水平移動および昇降させる昇降横行装置7が設けられる。昇降横行装置7は、上述のように昇降装置9と横行フレーム11を有する。昇降装置9は、パレット3を吊るす線状体13と、線状体13を下方へ繰り出すことによりパレット3を下降させ、線状体13を上方へ繰り上げることによりパレット3を上昇させる駆動装置14と、を有する。この例では、線状体13は、チェーン13a、13b(後述の図11(A)を参照)である。駆動装置14は、横行フレーム11に設けられ回転駆動させられる駆動シャフト18と、駆動シャフト18の回転に伴って回転することによりチェーン13a、13bを駆動するスプロケット19a、19b、19c、19d、19eとを有する。
【0054】
図11(A)は、横行フレーム11における左側部分(即ち、図9の左側)に設けられたスプロケット19a、19b、19c、19d、19eおよびチェーン13a、13bを示す斜視図である。なお、2階および3階に関して、図7において、2階または3階のパレット3を吊るすチェーン13a、13bを符号13で示し、スプロケット19a、19b、19c、19d、19eのうちスプロケット19aのみを図示している。
【0055】
チェーン13aは、パレット3における前側の幅方向端部に一端が連結され、パレット3との当該連結部から上方に延びてきてスプロケット19aに掛けられた後、水平方向後側に延びてスプロケット19bに掛けられ、その後、さらに、水平方向前側に延びてスプロケット19cに掛けられ、その後、スプロケット19aとスプロケット19bの間に延びているチェーン13aにおける連結箇所21aに他端が連結させられる。
【0056】
一方、チェーン13bは、パレット3における後側の幅方向端部に一端が連結され、パレット3との当該連結部から上方に延びてきてスプロケット19dに掛けられた後、水平方向後側に延びてスプロケット19eに掛けられ、その後、さらに、スプロケット19bとスプロケット19cの間に延びているチェーン13aにおける連結箇所21bに他端が連結させられる。スプロケット19b、19eは、駆動シャフト18に同軸に固定されており、駆動シャフト18は、横行フレーム11に回転可能に支持されている。
【0057】
このような構成で、駆動シャフト18が回転駆動されると、スプロケット19a、19b、19c、19d、19eが回転することで、チェーン13a、13bがスプロケット19a、19dからパレット3側へ下方に繰り出されて、パレット3が下降する。駆動シャフト18が逆方向に回転駆動されると、チェーン13a、13bが、パレット3側からスプロケット19a、19d側へ繰り上げられて、パレット3が上昇する。
【0058】
横行フレーム11における右側部分に設けられたスプロケット19a、19b、19c、19d、19eおよびチェーン13a、13bの構成は、図11(A)と同じであるが、横行フレーム11の左側に設けられたスプロケット19a、19b、19c、19d、19eおよびチェーン13a、13bと配置が左右対称である。
【0059】
2階の各横行フレーム11は、左右方向の空いたパレットスペースSpを利用して、左右方向に移動できる。この移動は、例えば、2階において、横行フレーム11に設けられた駆動輪23によって行われる。すなわち、各駆動輪23は、下面が二多段式駐車装置10における静止側の構造体(例えば、レール)25の上面に接しており、当該駆動輪23が回転させられることにより、横行フレーム11を左右方向に移動させる。同様に、3階の各横行フレーム11は、左右方向の空いたパレットスペースSpを利用して、左右方向に移動できる。この移動は、3階において、横行フレーム11に設けられた駆動輪23によって行われる。
【0060】
2階の横行フレーム11に設けた上述のスプロケット19a、19dから延びるチェーン13a、13bで吊るされたパレット3が2階にある時に、当該横行フレーム11が左右方向に移動することにより、当該パレット3は、当該チェーン13a、13bで吊られた状態で、横行フレーム11と共に左右方向に移動する。同様に、3階の横行フレーム11に設けた上述のスプロケット19a、19dから延びるチェーン13a、13bで吊るされたパレット3が3階にある時に、当該横行フレーム11が左右方向に移動することにより、当該パレット3は、当該チェーン13a、13bで吊られた状態で、横行フレーム11と共に左右方向に移動する。
【0061】
4階(最上階)には、パレット3が配置可能なパレットスペースSpが左右にn個(図7の例では、4つ)設けられており、車両1が乗り込み可能なパレット3は、左右にn個設けられている。各パレット3は、4階に設けたパレット3の昇降装置15により1階と4階との間で昇降させられる。パレット3の昇降装置15は、図7に示すように、当該パレット3を吊るす線状体13と、線状体13を下方へ繰り出すことによりパレット3を下降させ、線状体13を上方へ繰り上げることによりパレット3を上昇させる駆動装置16を有する。この例では、線状体13は、チェーン13a、13b(後述の図11(B)を参照)である。駆動装置16は、図10に示すように、静止側の構造体27に設けられ回転駆動させられる駆動シャフト18と、駆動シャフト18により駆動させられるスプロケット19a、19b、19d、19eおよびチェーン13a、13bとを有する。
【0062】
図11(B)は、図10の左側において構造体27に設けられたスプロケット19a、19b、19d、19eおよびチェーン13a、13bを示す斜視図である。なお、4階に関して、図7において、4階のパレット3を吊るすチェーン13a、13bを符号13で示し、スプロケット19a、19b、19d、19eのうちスプロケット19aのみを図示している。
【0063】
図11(B)のチェーン13aは、パレット3における前側の幅方向端部に一端が連結され、パレット3との当該連結部から上方に延びてきてスプロケット19aに掛けられた後、水平方向後側に延びてスプロケット19bに掛けられ、その後、下方に延びてそのまま垂れ下がっていてよい。
【0064】
一方、図11(B)のチェーン13bは、パレット3における後側の幅方向端部に一端が連結され、パレット3との当該連結部から上方に延びてきてスプロケット19dに掛けられた後、水平方向後側に延びてスプロケット19eに掛けられ、その後、下方に延びてそのまま垂れ下がっていてよい。図11(B)のスプロケット19b、19eは、駆動シャフト18に同軸に固定されており、この駆動シャフト18は、構造体27に回転可能に支持されている。
【0065】
このような図11(B)の構成で、駆動シャフト18が回転駆動されると、スプロケット19a、19b、19d、19eが回転することにより、チェーン13a、13bが、スプロケット19a、19d側からパレット3側へ下方に繰り下げられて、パレット3が下降する。駆動シャフト18が逆方向に回転することにより、チェーン13a、13bが、パレット3側からスプロケット19a、19d側へ上方に繰り上げられて、パレット3が上昇する。
【0066】
図10の右側に設けられたスプロケット19a、19b、19d、19eおよびチェーン13a、13bの構成は、図11(B)と同じであるが、図10の左側に設けられたスプロケット19a、19b、19d、19eおよびチェーン13a、13bと配置が左右対称である。
【0067】
なお、この例では、各中間階と最上階のパレット3(即ち、当該パレット3における左右方向中心位置)は、当該階において、左右方向に関して、最も端部にあるパレットスペースSp(即ち、当該スペースSpにおける左右方向中心位置)よりも外側に移動できない。
【0068】
本実施形態の二多段式駐車装置10の別の構成例を、図12に基づいて説明する。
【0069】
図12は、入出庫階が最下階でない場合の構成例を示す。複数のパレットスペースSpを水平方向に隣接して設けた階を、上述のように上下に複数段設ける場合に、図12のように、これらの階に、入出庫階より下方に1つまたは複数(例えば、2つ)の階が含まれていてもよい。
図12は、入出庫階より下方に2つの階(例えば、地下1階と地下2階)が設けられている場合を示す。
【0070】
地下1階の各パレットスペースSpのパレット3は、当該パレットスペースSpの真下に位置する地下2階のパレットスペースSpのパレット3とフレーム29により一体的に結合されている。
このフレーム29を、昇降装置31により昇降させることにより、地下1階のパレット3は、地下1階と入出庫階との間で昇降可能であり、地下2階のパレット3は、地下2階と入出庫階との間で昇降可能である。なお、地下2階のパレット3を入出庫階へ上昇させると、地下1階のパレット3は、入出庫階より1つ上の階へ上昇するので、入出庫階より1つ上の階のパレット3を、予め左右方向に移動させておく。
【0071】
昇降装置31は、例えば、図12に示すように、フレーム29を吊るすチェーン31aと、駐車装置10の静止構造体(支柱)33に設置され回転駆動されることによりチェーン31aを繰り下げまたは繰り上げるスプロケット31bとを有する。
【0072】
図12の最も右側のパレットスペースSpのパレット3用の昇降装置31では、チェーン31aの一端は、入出庫階近傍の固定部32に固定され、チェーン31aの中間部は、当該パレット3に結合されたフレーム29の下部(または当該パレット3)に回転自在に設けられたスプロケット37、39に掛けられ、チェーン31aの他端側部は、スプロケット31bに掛けられる。
【0073】
図12の地下階において、最も左側のパレットスペースSpのパレット3とこれに隣接する中間のパレットスペースSpのパレット3との間では、1本のチェーン31aと1つのスプロケット31bが共用されている。すなわち、当該チェーン31aは、最も左側のパレットスペースSpの左側に位置する入出庫階近傍の固定部32に一端が固定され、この一端から下方に延びて、最も左側のパレットスペースSpのパレット3に結合されたフレーム29の下部(または当該パレット3)に回転自在に設けられたスプロケット39とスプロケット37をこの順で経由し、次いで、上方に延びて、スプロケット31bに掛けられ、その後、下方に延びて、中間のパレットスペースSpのパレット3に結合されたフレーム29の下部(または当該パレット3)に回転自在に設けられたスプロケット37とスプロケット39をこの順で経由し、次いで、上方に延びて、中間のパレットスペースSpの右側に位置する入出庫階近傍の固定部32に他端が固定されている。
【0074】
図12において、最も左側のパレットスペースSpと中間のパレットスペースSpに配置された地下2階のパレット3の下面は、図示しない部材に接触することにより下方から支持されている。従って、図12の状態から、地下階において、最も左側のパレットスペースSpのパレット3と中間のパレットスペースSpのパレット3とで共有されているスプロケット31bを一方向(時計回り)に回転駆動させると、最も左側のパレットスペースSpのパレット3は上昇するが、当該スプロケット31bから、その右側で下方に延びるチェーン31a部分は弛むので、中間のパレットスペースSpのパレット3は昇降しない。同様に、図12の状態から、地下階において、最も左側のパレットスペースSpのパレット3と中間のパレットスペースSpのパレット3とで共有されているスプロケット31bを逆方向(反時計回り)に回転駆動させると、中間のパレットスペースSpのパレット3は上昇するが、当該スプロケット31bから、その左側で下方に延びるチェーン31a部分は弛むので、最も左側のパレットスペースSpのパレット3は昇降しない。
【0075】
なお、図12の入出庫階において、入出庫パレットと、これに隣接するパレット2との間に生じる空間を、安全のため、例えば可動床で塞ぐようにするのがよい。なお、この可動床が、パレット2の移動に干渉する場合には、この可動床は、例えば、前記空間を塞ぐ位置と、パレット2の移動に干渉しない位置との間で、図12の紙面と直交する方向に往復動するものであってよい。
【0076】
図12の構成を採用する場合、他の点は、上述と同じであってよい。例えば、図12において、入出庫階、最上階、入出庫階と最上階との間の中間階の構成は、図7〜図11の場合と同じであってよい。
【0077】
なお、図12において、入出庫階より2つ下の階(地下2階)を省略する場合、には、フレーム29が省略され、スプロケット37、39は、入出庫階より1つ下の階のパレット3の下部に回転自在に設けられてよい。
【0078】
フレーム29、および、これに結合されるパレット3の前後方向(図12の紙面と垂直な方向)の寸法は、図8に示す入出庫階における1対のレール5の間隔より小さい。これにより、フレーム29、および、これに結合されるパレット3は、昇降時に、1対のレール5の間を通過できる。
【0079】
また、好ましくは、入出庫階より下の階が、k個(図12では、2個)だけ存在する場合には、入出庫階より上の階は、k個(図12では、2個)以上設けられる。入出庫階より下のk個の階のパレット3がフレーム29により一体で昇降し、最も下の階におけるパレットスペースSpのパレット3が入出庫階に位置する時に、当該パレット3とフレーム29で結合され入出庫階より1つ下の階におけるパレットスペースSpのパレット3は、入出庫階より(k−1)個だけ上の階に位置するので、当該パレット3に干渉しないように、入出庫階より(k−1)個だけ上の階におけるパレットスペースSpのパレット3を水平移動しておくためである。
【0080】
なお、図12のように、入出庫階より下方に1つまたは複数(例えば、2つ)の階が含まれている場合、入出庫階より上の階は無くてもよい。
【0081】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1、2を、単独で、若しくは、組み合わせて採用してもよい。この場合、他の点は上述と同様である。
【0082】
(変更例1)
線状体13は、チェーンでなくてもよい、例えば、線状体13はワイヤーロープであってもよい。この場合、昇降装置9は、回転ドラムとこれを回転駆動する駆動装置14を有していてよい。回転ドラムは、回転駆動されると、ワイヤーロープを巻き出すことによりワイヤーロープを下方に繰り下げ、逆方向に回転駆動されると、ワイヤーロープを巻き取ることによりワイヤーロープを上方に繰り上げる。
【0083】
(変更例2)
最上階のパレットは、中間階と同様の昇降横行装置7により、隣接するパレットスペースSp間で水平移動可能であってもよい。この場合、最上階において、互いに隣接するパレットスペースSpの数を、パレットの数よりも1つだけ多くする。
【符号の説明】
【0084】
1 車両、2、3 パレット、4 駆動輪、5 構造体、5a 基本部分、5b 延長部分、7 昇降横行装置、9 昇降装置、10 二多段式駐車装置、11 横行フレーム、13 線状体、13a、13b チェーン、14 駆動装置、15 昇降装置、16 駆動装置、18 駆動シャフト、19a、19b、19c、19d、19e スプロケット、21a、21b 連結箇所、23 駆動輪、25、27 構造体、29 フレーム、31 昇降装置,31a ワイヤーロープ、31b ドラム、32 固定位置、33 静止構造体、37、39 スプロケット、Sp パレットスペース、Se 延長スペース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットが配置可能な複数のパレットスペースを水平方向に隣接して設けた階が、上下に複数段設けられ、
入出庫階には、隣接するパレットスペースの間で水平移動可能なパレットが設けられており、入出庫階以外の階には、入出庫階との間で昇降可能なパレットが設けられており、
入出庫階において、入出庫階もしくは他階のパレットに車両が乗り込み、または、入出庫階もしくは他階のパレットから車両が乗り出すようになっている二多段式駐車装置の入出庫方法であって、
入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレットを入出庫パレットとして、
(A)入出庫階において、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させ、
(B)この状態で、入出庫パレットに車両が乗り込み、または、入出庫パレットから車両が乗り出す、ことを特徴とする二多段式駐車装置の入出庫方法。
【請求項2】
入出庫パレットは、入出庫階以外の階のパレットであり、
入出庫パレットを入出庫階に垂直移動させる動作と並行して、前記(A)の動作を行い、これにより、入出庫パレットが入出庫階に垂直移動した時には、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットが、該入出庫パレットから離れる方向に移動されている、ことを特徴とする請求項1に記載の二多段式駐車装置の入出庫方法。
【請求項3】
入出庫階において、最端部のパレットスペースよりも水平方向外側には、当該パレットスペースから入出庫階のパレットが移動可能な延長スペースが設けられており、
前記(A)の動作では、入出庫階のパレットを延長スペースに移動させることにより、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動させる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の二多段式駐車装置の入出庫方法。
【請求項4】
パレットが配置可能な複数のパレットスペースを水平方向に隣接して設けた階が、上下に複数段設けられ、
入出庫階には、隣接するパレットスペースの間で水平移動可能なパレットが設けられており、入出庫階以外の階には、入出庫階との間で昇降可能なパレットが設けられており、
入出庫階において、入出庫階もしくは他階のパレットに車両が乗り込み、または、入出庫階もしくは他階のパレットから車両が乗り出すようになっている二多段式駐車装置であって、
入出庫階において、最端部のパレットスペースよりも水平方向外側には、当該パレットスペースから入出庫階のパレットが移動可能な延長スペースが設けられており、
入出庫階において、車両が乗り込まれ、または、車両が乗り出されるパレットを入出庫パレットとして、入出庫階のパレットを延長スペースに移動させることにより、入出庫パレットに隣接する入出庫階のパレットを、該入出庫パレットから離れる方向に水平移動できるようになっている、ことを特徴とする二多段式駐車装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−2191(P2013−2191A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135931(P2011−135931)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)