説明

二官能性線状シロキサン、それに由来する段階成長重合体、及びその調製方法

【課題】低粘度、正確な分子量、及び異なった2つのポリマー末端を有する線状シロキサンポリマー、このようなシロキサンポリマーを生成する方法およびこのようなシロキサンポリマーからなるエラストマの提供。
【解決手段】1つの不飽和基末端及び1つのヒドリド基末端を有する線状シロキサンポリマーであって、シロキサンポリマーが6を超える重合度を有し、不飽和基末端とヒドリド基末端の比が実質的に1:1であるシロキサンポリマーであり、このようなシロキサンポリマーをPt錯体などの触媒の存在下において、150℃未満の温度で段階成長重合を経て、エラストマーを生成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の名称]
[0001]二官能性線状シロキサン、それに由来する段階成長重合体、及びその調製方法
【0002】
[関連出願の相互参照]
[0002]本出願は、2011年8月12日に出願された米国仮特許出願第61/522,999号の利益を主張するものであり、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
[発明の背景]
[0003]電気、光学、及び機械装置の組立ては、寸法が小さくなり、高速組立工程時における熱ストレス及び機械的ストレスに対する感受性が増大する方向に向かっている。組立て後、これらの装置は、熱ストレス及び機械的ストレスからの保護を継続することに加えて、周囲雰囲気からも保護しなければならないことが多い。室温加硫(RTV)シリコーンは、従来から部品保護において重要な役割を果たしてきた。より小型の形状で特に重要である、シリコーンRTVの望ましい性能改善としては、シリコーンプレポリマーの粘度低減、低温における急速硬化、及び機械的諸特性の向上が挙げられるはずである。
【0004】
[0004]室温加硫シリコーンエラストマーは、かなりの量の文献で確認される(例えば、E. Warrickら、Rubber Chem. Tech.、52(3):437 (1979)及びO. Dolgovら、「Organosilicon Liquid Rubbers」、Int’l Poly. Sci. & Techn.、Monograph #1、RAPRA (1975)を参照のこと)。さらに具体的には、ビニル付加シリコーンRTVは、典型的には0価白金を触媒とする、ビニル官能性テレケリックシリコーンとメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーの間の架橋反応により硬化する。
【0005】
[0005]低分子量前駆体に由来する本質的に線状の構造体であるシリコーンエラストマーの例を提供している先行技術はない。これは、400,000ダルトンを超える分子量の線状ポリジメチルシロキサンが10,000,000cStを超える粘度を有するものの、エラストマーの挙動ではなく依然として液体の挙動を示すことを考えると、驚くべきことではないかもしれない。大部分の市販シリコーンは平衡重合により生成され、多分散系であり(高分子量におけるPDI(Mw/Mn)が3に近い)、残留する低分子量の環状及び線状シロキサンは>5%である。
【0006】
[0006]したがって、シリコーンエラストマーを生成するための戦略として、単一モノマーの段階成長重合は実行されなかった。「単一モノマーの段階成長重合」は、二官能性モノマーが反応して、まずダイマー、次いでトリマー、最終的に長鎖ポリマーを生成する、1種の重合機構を指す。段階成長重合によって生成される合成ポリマーとしては、ポリアミド及びポリウレタンが挙げられる。重合機構の性質により、高分子量を実現するのに高い反応進行度が必要である。
【0007】
[0007]リビングアニオン開環重合(AROP)によって調製されたモノビニルを末端基とするシロキサンについて、DE 44 36 076に記載されているが、これらのポリマーはアルコキシシランを末端基としていることによって、段階成長重合の可能性は考慮されない。Shintaniら、Polymer Bulletin、37巻:705〜710頁(1996年)には、環状シロキサンを用いた有機リチウム試薬の分解反応及びクロロシランを用いたクエンチによる一連の二官能性モノマー及びオリゴマーの合成が記載されている。「オリゴマー」という用語は、公称2〜6個の範囲の少数のモノマー単位を含む分子を意味すると理解することができる(ολιγο?又はoligosは、「少数」を表すギリシャ語である)。3個のモノマー単位(4個のケイ素原子)を含むモノビニル、モノヒドリドを末端基とするオリゴマーがShintaniらによって調製され、種々の触媒の存在下に自己反応した。
【化1】

【0008】
[0008]Shintaniによって実現された最高のMnは5400ダルトンであった。これは、50〜100cStの粘度を有するわずかに粘性のある液体に相当するものである。高分子量を実現できないことは、低分子量材料が環状種、特に低分子量の環状種を生成する可能性が著しいことに起因し得る。あるいは又はさらに、ヒドリド末端が、おそらく酸化又は水との反応によりわずかな部分でも損失することによって、これらのモノマーが連鎖停止種に変換することになる。Shintaniは、モノマーの収率が低く、ことによると反応性副生成物の存在を示していたので、段階成長重合にとって必要な高純度レベルを実現することができなかった可能性もあり得る。有効な段階成長重合では、1分子内でビニルとヒドリドの置換比が正確に1:1である必要があり、高分子量ポリマーを生成する能力を抑制又は排除する不純物又は副生成物の反応がない。
【0009】
[0009]2つのシリコーンモノマーの段階成長重合は、M. Grunlanら、Polymer、44巻:981頁(2003年)によって例示される、ヒドリドを末端基とするテレケリックシロキサンとビニルを末端基とするテレケリックシロキサンをPt触媒の存在下に反応させる方法である。これらの系によって、典型的には高分散系である連鎖延長ポリマーが生じる。Grunlanは、PDIが1.5〜3の範囲で、14,000〜20,000の範囲の分子量を記述している。
【0010】
[0010]いずれにせよ、高分子量のポリジメチルシロキサンがエラストマーの特性を示すと予想される先例はほとんどない。500,000を超える分子量を有する非架橋シリコーンは、通常利用可能であり、シリコーンゴムと呼ばれる。ゴムというものは、架橋していない限りエラストマーとして挙動しない。
【0011】
[発明の概要]
[0011]本発明は、1つの不飽和基末端及び1つのヒドリド基末端を有する線状シロキサンポリマーであって、シロキサンポリマーが6を超える重合度を有し、不飽和基末端とヒドリド基末端の比が実質的に1:1であるシロキサンポリマーに関する。
【0012】
[0012]6を超える重合度を有する、モノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを生成する方法は、アルキル又はアリールリチウム化合物とトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンを反応させて、リチウムビニルアルキルメチルシラノラート又はリチウムビニルアリールメチルシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだシクロトリシロキサンと反応させるステップと、ヒドリドを含むクロロシランで停止させるステップとを含む。
【0013】
[0013]6を超える重合度を有する、一不飽和−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを生成する方法であって、アルキル又はアリールリチウム化合物とテトラメチルシクロテトラシロキサンを反応させて、リチウムアルキルメチルヒドロゲン(hydrogen)シラノラート又はリチウムアリールメチルヒドロゲンシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだシクロトリシロキサンと反応させるステップと、不飽和官能基を有するアルキルメチルクロロシラン又はアリールメチルクロロシランで停止させるステップとを含む。
【0014】
[発明の詳細な説明]
[0014]本発明は、1つのヒドリド官能基末端及び1つの不飽和官能基末端を含む低〜中分子量の二官能性線状シロキサンポリマーに関する。ヒドリド官能基及び不飽和官能基はそれぞれ、線状シロキサンポリマーの両端の異なるケイ素原子に結合している。これらの材料は、約5〜約20,000cStの範囲の粘度及び低多分散度を有する液体である。「低多分散度」という用語は、約1.6未満、より好ましくは約1.4未満、最も好ましくは約1.2未満の多分散度を指すと理解することができる。シロキサンの重合度は、好ましくは6を超え、より好ましくは6〜約1000、最も好ましくは約10〜約200である。二官能性材料は、各ポリマー分子内の不飽和基末端とヒドリド基末端の比が実質的に1:1であることが不可欠である。「実質的に1:1」という用語は、比が、1:1の約5%以内、より好ましくは1:1の約3%以内であることを意味する。不飽和基末端とヒドリド基末端の比は、H NMR、GPC、又は段階成長重合データの組合せに基づいて推定することができる。この1:1の比を実現する最も有効な方法は、以下に記載する「リビング」アニオン開環重合(「リビング」AROP)方法である。
【0015】
[0015]不飽和官能基は、特に限定されるものではなく、例えばビニル、スチリル、アリル、メタリル、ヘキセニル、又はオクテニル基とすることができる。好ましい不飽和官能基はビニル基である。シロキサン主鎖は、例えばジメチルシロキサン、エチルメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジメチルシリルエチルシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシロキサンなどシクロトリシロキサンに由来するジアルキルシロキサン、又はジフェニルシロキサンもしくはフェニルメチルシロキサンなどの芳香族置換シロキサンとすることができる。「リビング」AROPを損なわないシロキサン−炭化水素コポリマーを生じる他の可能なものとしては、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−オキサシクロペンタン及び環歪みをもつ関連した系が挙げられる。好ましいシロキサンポリマーは、式(I)に示すようにジメチルシロキサン主鎖、及び不飽和官能基としてビニル基を有する。
【化2】

【0016】
[0016]本発明による一不飽和−モノヒドリドを末端基とするシロキサンは、中粘度の安定した非引火性液体であり、注ぎ込むことによって、ポンプで汲み上げることによって、又はシリンジによって移動させることができる。本発明によるシロキサンは、ヒュームドシリカを含めて、種々の補強剤ならびにチキソトロープ及び非チキソトロープ充填剤と配合することができる。本発明によるモノビニルフェニルを末端基とするシロキサンは、光学特性(屈折率)及び熱特性を制御できるため有利である。
【0017】
[0017]モノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンを、ビニル基とシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、フランなどのジエンとのディールスアルダー(Diels−Adler)反応によってノルボルネン、置換ノルボルネン、及びオキソノルボルネン末端を有するものなどのより複雑なシロキサンを調製するための出発材料として利用することも可能である。このような材料は、ビニル基をマスクできるので非常に魅力がある。具体的には、モノメチルノルボルネニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサンなどのシロキサンは、約150℃より高い温度で加熱されると、逆ディールスアルダー反応を受け、メチルシクロペンタジエンが揮発性副生成物として遊離され、ビニルを末端基とするシロキサンが再形成される。これは、ノルボルネン置換シロキサンが白金触媒では室温において活性にならないので重要なことである。したがって、シロキサン及び触媒を含む系を作製し、材料を室温で貯蔵することが可能である。材料を加熱することによって、使用時に触媒を添加する必要なしにエラストマーが生成する。
【0018】
[0018]式(I)を有するモノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンは、リビングアニオン開環重合(AROP)で調製することができる。原理的に、反応は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)の開環重合をビニルリチウムで開始し、ジメチルクロロシランで停止させること(下記の反応(A)及び(B))、又はD3の重合をリチウムジメチルヒドロゲンシラノラートで開始し、続いてビニルジメチルクロロシランで停止させることによって進行することができる。
【化3】


類似した反応を使用して、様々な主鎖又は末端に様々な不飽和官能基を有するシロキサンポリマーを調製することができる。
【0019】
[0019]したがって、本発明は、6を超える重合度及び低多分散度を有する一不飽和−モノヒドリドを末端基とする線状シロキサンを合成する方法にも関する。先に説明したように、「低多分散度」という用語は、約1.6未満、より好ましくは約1.4未満、最も好ましくは約1.2未満の多分散度を指すと理解することができる。
【0020】
[0020]本発明によるモノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを合成する方法は、アルキル又はアリールリチウム(メチルリチウム、ブチルリチウム、又はフェニルリチウムなど)とトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンを反応させて、リチウムビニルアルキルメチルシラノラート又はリチウムビニルアリールメチルシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだ環状シロキサンと反応させるステップと、重合をヒドリドを含むクロロシランで停止させるステップとを含む。好ましい歪んだ環状シロキサンはヘキサメチルシクロトリシロキサンである。他の歪んだ化合物の例としては、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジサル−1−オキサシクロペンタン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、及びヘキサフェニルシクロトリシロキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。適切であるヒドリドを含むクロロシランとしては、例えばジメチルクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、及びジイソプロピルクロロシランが挙げられる。ジメチルクロロシランが、現在好ましい。この方法で、ジメチルシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシロキサン、ジメチルシリルエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、及びジフェニルシロキサンを含めて種々のシロキサンポリマーを調製することができる。
【0021】
[0021]一不飽和−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを合成する第2の本発明による方法は、アルキル又はアリールリチウム(メチルリチウム、ブチルリチウム、又はフェニルリチウムなど)とテトラメチルシクロテトラシロキサンを反応させて、リチウムメチルアルキルヒドロゲンシラノラート又はリチウムメチルアリールヒドロゲンシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだ環状シロキサンと反応させるステップと、重合をビニル又はアリルなどの不飽和官能基を有するアルキルメチルクロロシラン又はアリールメチルクロロシランで停止させるステップとを含む。好ましい歪んだ環状シロキサンは、ヘキサメチルシクロトリシロキサンである。他の歪んだ化合物の例としては、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジサル−1−オキサシクロペンタン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、及びヘキサフェニルシクロトリシロキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この方法で、ジメチルシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシロキサン、ジメチルシリルエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、及びジフェニルシロキサンを含めて種々のシロキサンポリマーを調製することができる。
【0022】
[0022]これらの合成手法は、中間体の単離及び精製を必要としない「ワンポット」合成であるので魅力がある。「リビング」AROPアニオン開環重合の適切な反応条件は、ルーチンの実験で決定することができ、且つ/又はシロキサン結合の再分布に伴う鎖のスクランブリング及びバックバイティングを最小限に抑制することが当技術分野において周知である。このような条件は、Arklesらの米国特許第7,799,888号にも記載されており、これは参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0023】
[0023]以前は実現されなかった6を超える重合度を有するシロキサンポリマーを生成できることは、重合反応において行われる特定のステップによるものと考えられる。標準リビングアニオンAROPは、開始、成長、停止の異なる3ステップからなる。開始は、有機リチウム試薬が環状シロキサンと反応すると起こる。線状シロキサン鎖の成長は、特定の極性非プロトン性「プロモーター」溶媒を重合混合物に添加することによって実現される。停止ステップは、クロロシランが添加されて、リチウムシロキサノラート鎖の末端と反応すると進行する。線状シロキサン鎖の成長は、環状シロキサンモノマーの成長速度が、鎖のスクランブリング及びバックバイティングの副反応より速いとき特定の時間枠内で行われる。停止は、その特定の時間枠内で行われて、ビニルとヒドリドの比が実質的に1:1であり、低多分散度を有するシロキサンを実現する必要がある。この時間枠の範囲外では、再分布副反応が優越し始め、低分子量不純物が存在している平衡化重合シロキサンに似ているシロキサンポリマーが生じる。Shintaniの方法など先行技術の手法は、合成時に成長ステップを含まず、6を超える重合度を実現できなくするものである。さらに、標準「プロモーター」は、反応混合物に添加されず、AROPステップの時間枠は過剰(1日)であり、再分布機構を招き、ジシロキサン及びテトラシロキサンが低収率で回収された理由が説明される。この手法は、本発明におけるように官能性末端基の比が実質的に1:1である、6を超える重合度のシロキサンを作製するのに適さない。
【0024】
[0024]最後に、本発明は、エラストマーを本発明によるシロキサンから生成する方法、及びそれによって生成されたエラストマーに関する。この方法は、配合又は未配合シロキサンに好ましいカールシュテット触媒などのPt触媒で触媒作用を及ぼすステップを含む。好ましい実施形態において、反応は約150℃以下の温度で行われる。ヒドロシリル化に基づいた段階成長重合が始まる。数分又は数時間内に、温度に応じて、粘度の顕著な増加と、その後に続いて液体からエラストマーの特性を有する固体に挙動の変化がある。場合によっては、得られるシリコーンエラストマーに明らかな架橋がなく、すなわちエラストマーは線状である。ヒュームドシリカ又は他の充填剤もしくは補強剤をエラストマーに組み込むと、機械的強度が向上した組成物が得られる。本発明による低多分散度及び十分な分子量を有する一不飽和−モノヒドリドを末端基とするポリシロキサンの使用によって、エラストマーを生成するときヒドロシリル化反応による環化の可能性が低減される。
【0025】
[0025]特定の理論に拘泥するものではないが、本明細書に記載される一不飽和−モノヒドリドを末端基とするポリアルキルシロキサンの段階成長重合において実現されるエラストマーの挙動は、この非平衡重合において低分子量種がなくなること及び100,000ダルトンを超えると推定される分子量を有するポリマーが生成することに起因すると考えられる。他の寄与する要因としては、主鎖における(ビニル基のヒドロシリル化によって生成された)エタンセグメントの存在及び3以上の多分散度を通常有するシリコーンゴムの多分散度より低い多分散度を挙げることができる。
【0026】
[0026]次に、以下の非限定的な例に関連して、本発明を説明する。
【0027】
例1(比較例)
[0027]この例では、Shintaniら、Polymer Bulletin;37巻:705〜710頁(1996年)によって記述された手順を繰り返す。20gのビニルテトラメチルジシロキサンと、約2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒(米国特許第3,715,334号の実施例1を参照のこと)3〜4滴(約0.1g)を混合した。3分以内で、発熱が観察され、粘度が増加した。混合物を4時間50℃で維持した。混合物は、粘度が約1cStから約50cStに増加した。この後、粘度がさらに増加することは観察されなかった。
【0028】
例2:モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=200)の合成
[0028]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、及び滴下漏斗を装備した5Lの4つ口フラスコを窒素で覆い、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン6.9g(0.027モル)及びヘキサン110gを加え、次いで窒素を30分間スパージした。n−ブチルリチウム(2.61Mヘキサン溶液30ml)を、滴下漏斗から反応混合物に10分かけて添加し、7℃の発熱があった。混合物を1時間撹拌し、その間に95%を超えるトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンの消費が観察された。ヘキサメチルシクロトリシロキサン1158g(5.2モル)のヘキサン(700g)溶液を20℃で反応混合物に添加し、続いてジメチルホルムアミド(DMF)145gを速やかに添加した。わずかな発熱が観察され、ポット温度が20℃から28℃に上昇し、混合物を1時間撹拌した。
【0029】
[0029]ジメチルクロロシラン7.7g(0.081モル)を15分かけて添加することによって、キャッピング反応を行った。発熱が観察された。混合物は透明から曇ったものに変化し、さらに14時間撹拌した。水(300g)を、撹拌しながら反応混合物に添加し、90分間撹拌した。フラスコの内容物を、分液漏斗で水層と非水層に分離した。水層を廃棄し、有機相を脱イオン水で1回、5%重炭酸ナトリウム溶液で1回、脱イオン水でもう1回洗浄した。有機相と接触している最後の水洗液は中性のままであった(pH7〜8)。最後に、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、ロータリーエバポレーターに移し、5mmHgの真空下で最高ポット温度100℃までストリッピングした。得られたオイル(942g)は、密度0.960g/ml及び粘度290cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:13,000;Mw/Mn:1.20。
【0030】
例3:モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)の合成
[0030]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、水浴、及び滴下漏斗を装備した5Lの4つ口フラスコを窒素で覆い、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン39.6g(0.15モル)及びヘキサン100gを加え、次いで窒素を30分間スパージした。メチルリチウム(3.22Mジエトキシメタン溶液140ml)を、滴下漏斗から反応混合物に15分かけて添加した。5℃の発熱が観察された後、冷却浴を使用して、メチルリチウムの添加中、40℃未満の温度を維持した。混合物を1時間撹拌し、その間に95%を超えるトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンの消費が観察された。この時間の終わりに、冷却浴を温まらせ、反応混合物の温度を25℃に戻らせた。その後、ヘキサメチルシクロトリシロキサン1671g(7.5モル)のヘキサン(1025g)溶液を添加し、続いてジメチルホルムアミド(DMF)186gを速やかに添加した。わずかな発熱が観察され、ポット温度が24℃から33℃に上昇し、混合物を1時間撹拌した。
【0031】
[0031]ジメチルクロロシラン45g(0.47モル)を15分かけて添加することによって、キャッピング反応を行った。発熱が観察された。混合物は透明から曇ったものに変化し、さらに17時間撹拌した。水(500g)を、撹拌しながら反応混合物に添加し、90分間撹拌した。フラスコの内容物を、分液漏斗で水層と非水層に分離した。水層を廃棄し、有機相を脱イオン水で1回、5%重炭酸ナトリウム溶液で1回、脱イオン水でもう1回洗浄した。有機相と接触している最後の水洗液は中性のままであった(pH7〜8)。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、ロータリーエバポレーターに移し、5mmHgの真空下で最高ポット温度100℃までストリッピングした。得られたオイル(1732g)は、密度0.960g/ml及び粘度49cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:4370;Mw/Mn:1.20。
【0032】
例4:モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=10)の合成
[0032]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、水浴、及び滴下漏斗を装備した5Lの4つ口フラスコを窒素で覆い、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン141.4g(0.547モル)及びヘキサン80gを加え、次いで窒素を30分間スパージした。メチルリチウム(3.22Mジエトキシメタン溶液500ml)を、滴下漏斗から反応混合物に45分かけて添加した。5℃の発熱が観察された後、冷却浴を使用して、メチルリチウムの添加中、40℃未満の温度を維持した。混合物を1.5時間撹拌し、その間に95%を超えるトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンの消費が観察された。この時間の終わりに、冷却浴を温まらせ、反応混合物の温度を25℃に戻らせた。その後、ヘキサメチルシクロトリシロキサン1202.5g(5.40モル)のヘキサン(736g)溶液を添加し、続いてジメチルホルムアミド(DMF)380gを速やかに添加した。わずかな発熱が観察され、ポット温度が26℃から31℃に上昇し、混合物を1時間撹拌した。
【0033】
[0033]ジメチルクロロシラン155g(1.64モル)を15分かけて添加することによって、キャッピング反応を行った。発熱が観察された。混合物は透明から曇ったものに変化し、さらに18時間撹拌した。水(500g)を、撹拌しながら反応混合物に添加し、90分間撹拌した。フラスコの内容物を、分液漏斗で水層と非水層に分離した。水層を廃棄し、有機相を脱イオン水で1回、5%重炭酸ナトリウム溶液で1回、脱イオン水でもう1回洗浄した。有機相と接触している最後の水洗液は中性のままであった(pH7〜8)。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、ロータリーエバポレーターに移し、3mmHgの真空下で最高ポット温度100℃までストリッピングした。得られたオイル(1304g)は、密度0.93g/ml及び粘度8.4cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:1170;Mw/Mn:1.38。
【0034】
例5:モノビニルフェニルメチル−モノヒドリドブチルメチルを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=20)の合成
[0034]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、水浴、及び滴下漏斗を装備した5Lの4つ口フラスコを窒素で覆い、テトラメチルシクロテトラシロキサン23.7g(0.099モル)及びヘキサン100gを加え、次いで窒素を30分間スパージした。反応混合物を氷水冷却浴で0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(2.61Mヘキサン溶液150ml)を、滴下漏斗から反応混合物に15分かけて添加した。n−ブチルリチウムの添加中、冷却浴に氷を加えて、発熱を制御し、5℃未満のポット温度を維持した。混合物を1時間撹拌し、その間に95%を超えるテトラメチルシクロテトラシロキサンの消費が観察された。この時間の終わりに、冷却浴を温まらせ、反応混合物の温度を20℃に戻らせた。その後、ヘキサメチルシクロトリシロキサン580g(2.6モル)のヘキサン(300g)溶液を添加し、続いてテトラヒドロフラン(THF)310gを速やかに添加した。わずかな発熱が観察され、反応混合物を加熱マントルで40℃に加熱し、3時間撹拌した。
【0035】
[0035]ビニルフェニルメチルクロロシラン75.4g(0.41モル)を25分かけて添加することによって、キャッピング反応を行った。発熱が観察され、加熱マントルを取り外した。混合物は透明から曇ったものに変化し、さらに16時間撹拌した。水(200g)を、撹拌しながら反応混合物に添加し、90分間撹拌した。フラスコの内容物を、分液漏斗で水層と非水層に分離した。水層を廃棄し、有機相を脱イオン水で1回、5%重炭酸ナトリウム溶液で1回、脱イオン水でもう1回洗浄した。有機相と接触している最後の水洗液は中性のままであった(pH7〜8)。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、ロータリーエバポレーターに移し、5mmHgの真空下で最高ポット温度100℃までストリッピングした。得られたオイル(596g)は、密度0.960g/ml及び粘度20cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:1650;Mw/Mn:1.30。
【0036】
例6:モノアリル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)の合成
[0036]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、水浴、及び滴下漏斗を装備した5Lの4つ口フラスコを窒素で覆い、テトラメチルシクロテトラシロキサン15.8g(0.066モル)及びヘキサン255gを加え、次いで窒素を30分間スパージした。反応混合物を氷水冷却浴で0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(2.61Mヘキサン溶液100ml)を、滴下漏斗から反応混合物に30分かけて添加した。n−ブチルリチウムの添加中、冷却浴に氷を加えて、発熱を制御し、5℃未満のポット温度を維持した。混合物を1時間撹拌し、その間に95%を超えるテトラメチルシクロテトラシロキサンの消費が観察された。この時間の終わりに、冷却浴を加熱マントルに換え、ヘキサメチルシクロトリシロキサン966g(4.3モル)のヘキサン(404g)溶液を添加し、続いてジメチルホルムアミド(DMF)106gを速やかに添加した。わずかな発熱が観察され、反応混合物を、加熱マントルで45℃に加熱し、1時間撹拌した。
【0037】
[0037]アリルジメチルクロロシラン39.9g(0.30モル)を40分かけて添加することによって、キャッピング反応を行った。発熱が観察され、加熱マントルを取り外した。混合物は透明から曇ったものに変化し、さらに18時間撹拌した。水(200g)を、撹拌しながら反応混合物に添加し、90分間撹拌した。フラスコの内容物を、分液漏斗で水層と非水層に分離した。水層を廃棄し、有機相を脱イオン水で1回、5%重炭酸ナトリウム溶液で1回、脱イオン水でもう1回洗浄した。有機相と接触している最後の水洗液は中性のままであった(pH7〜8)。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、ロータリーエバポレーターに移し、5mmHgの真空下で最高ポット温度100℃までストリッピングした。得られたオイル(880g)は、密度0.960g/ml及び粘度69cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:4630、Mw/Mn:1.58。
【0038】
例7:モノメチルノルボルネニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)の合成
[0038]オーバーヘッドスターラ、ポット用温度計、還流冷却器、及び加熱マントルを装備した1Lの4つ口フラスコに、例3に記載されたモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)278g及びメチルジシクロペンタジエン11g(0.068モル)を加えた。窒素のブランケット下で、反応混合物を190℃に6時間加熱撹拌した。反応混合物を100℃まで放冷し、0.6mmHgの真空下でストリッピングした。得られたオイル(279g)は、密度0.960g/ml及び粘度48cStであった。GPCデータ(相関関係のないポリスチレン標準):Mn:4260;Mw/Mn:1.30。
【0039】
例8:モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサンからエラストマーの生成
[0039]例3に記載されたモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)20gを、2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒3〜4滴(約0.1g)と混合した。3分以内で、発熱が観察された。混合物を50℃の温度で維持した。20分以内で、透明で強靱なエラストマーボディが形成した。分子量の測定は、エラストマーが取り扱い難くなる前に硬化プロセス中に、反応混合物の小部分をヒドロシリル化触媒毒でクエンチすることによって実現された。不完全な重合の場合、200,000ダルトンを超える分子量が測定された。50℃、歪み0.5%及び1Hzでの硬化のレオロジー測定は、5〜6分におけるtan δを示した。
【0040】
例9:10重量%のHMDZ処理ヒュームドシリカを充填したモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサンからエラストマーの生成
[0040]例3に記載されたモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)20gを、ヘキサメチルジシラザンで処理した表面積150〜200m/gのヒュームドシリカ2gと混合した。混合物の粘度は約100cStであった。2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒3〜4滴(約0.1g)と混合した後、発熱が3分以内で観察された。混合物を、オーブン中、50℃で約30分間維持した。半透明の強靱なエラストマーボディが形成した。
【0041】
例10:30重量%のHMDZヒュームドシリカを充填したモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサンからエラストマーの生成
[0041]例3に記載されたモノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)20gを、ヘキサメチルジシラザンで処理した表面積150〜200m/gのヒュームドシリカ8.5gと混合した。混合物の粘度は約10,000cStであった。2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒3〜4滴(約0.1g)と混合した後、発熱が3分以内で観察された。混合物を、オーブン中、50℃で約30分間維持した。半透明の強靱なエラストマーボディが形成した。
【0042】
例11:モノビニルフェニル−モノヒドリドを末端基とするPDMSからエラストマーの生成
[0042](例5に記載された)モノビニルフェニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=20)20gを、2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒3〜4滴(約0.1g)と混合した。3分以内で、発熱が観察された。混合物を50℃の温度で維持した。20分以内で、透明で強靱なエラストマーボディが形成した。
【0043】
例12:モノメチルノルボルネニル−モノヒドリドポリジメチルシロキサンからエラストマーの生成
[0043]例7に記載されたモノメチルノルボルネニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサン(DP=50)20gを、2重量%の白金を含有するカールシュテット触媒3〜4滴(約0.1g)と混合した。粘度は、室温で12時間かけて48cStから130cStに上昇し、次いで60時間にわたって不変のままであった。混合物を、1mmHgの真空下で190℃に加熱した。4時間以内で、エラストマーの特性を有する透明なシリコーンが回収された。
【0044】
[0044]その広範な発明の概念から逸脱することなく、上述する実施形態に変更を行うことができることは、当業者によって理解されよう。したがって、本発明は、開示する特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定められた本発明の趣旨及び範囲内である修正形態を包含するよう意図されていることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの不飽和基末端及び1つのヒドリド基末端を有する線状シロキサンポリマーであって、シロキサンポリマーが6を超える重合度を有し、不飽和基末端とヒドリド基末端の比が実質的に1:1であるシロキサンポリマー。
【請求項2】
重合度が6〜約1000である、請求項1に記載のシロキサンポリマー。
【請求項3】
重合度が約10〜約200である、請求項2に記載のシロキサンポリマー。
【請求項4】
不飽和基が、ビニル、スチリル、アリル、メタリル、ヘキセニル、及びオクテニルからなる群から選択される、請求項1に記載のシロキサンポリマー。
【請求項5】
シロキサン主鎖が、ジフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシロキサン、ジメチルシリルエチルシロキサン、及びアルキルメチルシロキサンからなる群から選択される、請求項1に記載のシロキサンポリマー。
【請求項6】
シロキサン主鎖がジメチルシロキサンであり、不飽和基がビニルである、請求項5に記載のシロキサンポリマー。
【請求項7】
ポリマーが約5〜約20,000cStの粘度を有する、請求項1に記載のシロキサンポリマー。
【請求項8】
ポリマーが約1.6未満の多分散度を有する、請求項1に記載のシロキサンポリマー。
【請求項9】
6を超える重合度を有する、モノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを生成する方法であって、アルキル又はアリールリチウム化合物とトリビニルトリメチルシクロトリシロキサンを反応させて、リチウムビニルアルキルメチルシラノラート又はリチウムビニルアリールメチルシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだシクロトリシロキサンと反応させるステップと、ヒドリドを含むクロロシランで停止させるステップとを含む方法。
【請求項10】
アルキル又はアリールリチウム化合物が、メチルリチウム、ブチルリチウム、及びフェニルリチウムからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
歪んだシクロトリシロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジサル−1−オキサシクロペンタン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、及びヘキサフェニルシクロトリシロキサンからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
モノビニル−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーが、約1.6未満の多分散度を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ヒドリドを含むクロロシランが、ジメチルクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、及びジイソプロピルクロロシランからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
6を超える重合度を有する、一不飽和−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーを生成する方法であって、アルキル又はアリールリチウム化合物とテトラメチルシクロテトラシロキサンを反応させて、リチウムアルキルメチルヒドロゲンシラノラート又はリチウムアリールメチルヒドロゲンシラノラートを生成するステップと、それに続く、歪んだシクロトリシロキサンと反応させるステップと、不飽和官能基を有するアルキルメチルクロロシラン又はアリールメチルクロロシランで停止させるステップとを含む方法。
【請求項15】
不飽和官能基がビニル又はアリルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アルキル又はアリールリチウム化合物が、メチルリチウム、ブチルリチウム、及びフェニルリチウムからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
歪んだシクロトリシロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジサル−1−オキサシクロペンタン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、及びヘキサフェニルシクロトリシロキサンからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
一不飽和−モノヒドリドを末端基とするシロキサンポリマーが、約1.6未満の多分散度を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載の線状シロキサンポリマーから形成されたエラストマー製品。
【請求項20】
線状シロキサンポリマーが、モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリシロキサンである、請求項19に記載のエラストマー製品。
【請求項21】
線状シロキサンポリマーのヒドロシリル化段階成長重合により形成される、請求項19に記載のエラストマー製品。
【請求項22】
線状シロキサンポリマーが、補強剤もしくは充填剤と配合されている又は配合されていない、請求項19に記載のエラストマー製品。
【請求項23】
明らかな架橋がない、請求項19に記載のエラストマー製品。
【請求項24】
請求項1に記載の線状シロキサンポリマーからエラストマー製品を生成する方法であって、シロキサンポリマーとPt触媒を反応させるステップを含む方法。
【請求項25】
シロキサンポリマーを、Pt触媒と反応させる前に充填剤又は補強剤と配合するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
充填剤がヒュームドシリカである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
線状シロキサンポリマーが、モノビニル−モノヒドリドを末端基とするポリジメチルシロキサンである、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
触媒との反応が約150℃以下の温度で行われる、請求項24に記載の方法。

【公開番号】特開2013−64110(P2013−64110A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−177215(P2012−177215)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【出願人】(511232363)ジェレスト テクノロジーズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】