説明

二峰性単層単成分媒体を用いたプリーツ状フィルタ

プリーツ状フィルタは、同一高分子組成の、大寸法及び小寸法が混ざり合った連続単成分高分子繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含む、単成分単層不織布ウェブで作製される。プリーツの列が不織布ウェブに形成され、該プリーツ状ウェブは、所望の寸法及び形状に切断され、少なくともいくつかの繊維交点で互いに固着される繊維の自己支持型多孔質単成分単層マトリックスを含み、前面風速1.52m/秒で少なくとも15%の平均初期サブミクロン効率を有するフィルタ要素を提供する。該フィルタ要素は、フィルタ媒体層に硬化層、2成分繊維、又は他の補強策を必要とすることなく、変形に耐える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリーツ状フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
メルトブロー不織布繊維ウェブは、濾過(例えば、フラットウェブ及びプリーツ状フィルタ)、絶縁、パディング、及び織物代替物を含む、様々な目的に用いられる。不織布ウェブ又はその製造に関連する特許及び出願には、米国特許第3,981,650号(ペイジ(Page))、同第4,100,324号(アンダーソン(Anderson))、同第4,118,531号(ハウザー(Hauser))、同第4,818,464号(ラウ(Lau))、同第4,931,355号(ラドワンスキー(Radwanski)ら)、同第4,988,560号(マイアー(Meyer)ら)、同第5,227,107号(ディッケンソン(Dickenson)ら)、同第5,273,565号(ミリガン(Milligan)ら)、同第5,382,400号(パイク(Pike)ら’400)、同第5,679,042号(バローナ(Varona))、同第5,679,379号(ファッブリカンテ(Fabbricante)ら)、同第5,695,376号(ダッタ(Datta)ら)、同第5,707,468号(アーノルド(Arnold)ら)、同第5,721,180号(パイク(Pike)ら’80)、同第5,877,098号(タナカ(Tanaka)ら)、同第5,902,540号(カク(Kwok))、同第5,904,298号(カク(Kwok)ら)、同第5,993,543号(ボダギー(Bodaghi)ら)、同第6,176,955(B1)号(ヘインズ(Haynes)ら)、同第6,183,670(B1)号(トロビン(Torobin)ら)、同第6,230,901(B1)号(オガタ(Ogata)ら)、同第6,319,865(B1)号(ミカミ(Mikami))、同第6,607,624(B2)号(ベリガン(Berrigan)ら’624)、同第6,667,254(B1)号(トンプソン(Thompson)ら)、同第6,858,297(B1)号(シャー(Shah)ら)、及び同第6,916,752(B2)号(ベリガン(Berrigan)ら’752);欧州特許第0322136(B1)号(ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Co.));特開2001−049560号(日産自動車株式会社(Nissan Motor Co. Ltd.))、同2002−180331号(チッソ株式会社(Chisso Corp.)’331)、及び同2002−348737号(チッソ株式会社(Chisso Corp.)’737);及び米国特許出願公開第2004/0097155(A1)号(オルソン(Olson)ら)が挙げられる。プリーツ状フィルタに関連する特許又は出願には、米国特許第4,547,950号(トンプソン(Thompson))、同第5,240,479号(バチンスキー(Bachinski))、同第5,709,735号(ミドキフ(Midkiff)ら)、同第5,820,645号(マーフィー・ジュニア(Murphy, Jr.))、同第6,165,244号(チョイ(Choi))、同第6,521,011(B1)号(サンデット(Sundet)ら’011)、同第6,740,137(B2)号(クボカワ(Kubokawa)ら)、及び同第D449,100S号(サンデット(Sundet)ら’100)、及び米国特許出願公開第US2003/0089090(A1)号(サンデット(Sundet)ら’090)、同第2003/0089091(A1)号(サンデット(Sundet)ら’091)、及び同第2005/0217226(A1)号(サンデット(Sundet)ら’226)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第0322136(B1)号
【特許文献2】日本特許公開番号第2001−049560号
【特許文献3】日本特許公開番号第2002−180331号
【特許文献4】日本特許公開番号第2002−348737号
【特許文献5】米国意匠特許第D449,100S号
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0089090(A1)号
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0089091(A1)号
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/0134515(A1)号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0097155(A1)号
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0217226(A1)号
【特許文献11】米国特許第3,981,650号
【特許文献12】米国特許第4,100,324号
【特許文献13】米国特許第4,118,531号
【特許文献14】米国特許第4,547,950号
【特許文献15】米国特許第4,588,537号
【特許文献16】米国特許第4,818,464号
【特許文献17】米国特許第4,931,355号
【特許文献18】米国特許第4,988,560号
【特許文献19】米国特許第5,227,107号
【特許文献20】米国特許第5,240,479号
【特許文献21】米国特許第5,273,565号
【特許文献22】米国特許第5,382,400号
【特許文献23】米国特許第5,496,507号
【特許文献24】米国特許第5,679,042号
【特許文献25】米国特許第5,679,379号
【特許文献26】米国特許第5,695,376号
【特許文献27】米国特許第5,707,468号
【特許文献28】米国特許第5,709,735号
【特許文献29】米国特許第5,721,180号
【特許文献30】米国特許第5,820,645号
【特許文献31】米国特許第5,877,098号
【特許文献32】米国特許第5,902,540号
【特許文献33】米国特許第5,904,298号
【特許文献34】米国特許第5,908,598号
【特許文献35】米国特許第5,993,543号
【特許文献36】米国特許第5,993,943号
【特許文献37】米国特許第6,165,244号
【特許文献38】米国特許第6,176,955(B1)号
【特許文献39】米国特許第6,183,670(B1)号
【特許文献40】米国特許第6,230,901(B1)号
【特許文献41】米国特許第6,319,865(B1)号
【特許文献42】米国特許第6,397,458(B1)号
【特許文献43】米国特許第6,398,847(B1)号
【特許文献44】米国特許第6,409,806(B1)号
【特許文献45】米国特許第6,521,011(B1)号
【特許文献46】米国特許第6,562,112(B2)号
【特許文献47】米国特許第6,607,624(B2)号
【特許文献48】米国特許第6,667,254(B1)号
【特許文献49】米国特許第6,740,137(B2)号
【特許文献50】米国特許第6,743,273(B2)号
【特許文献51】米国特許第6,800,226(B1)号
【特許文献52】米国特許第6,858,297(B1)号
【特許文献53】米国特許第6,916,752(B2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリーツ状フィルタの既存の製造方法には、概して、ウェブ又はフィルタ特性の何らかの妥協を伴う。例えば、エレクトレット帯電繊維を含有する高効率フィルタが望ましい場合、一手法には、静電気的に帯電した主要なメルトブロウン・ウェブ濾過媒体を用いる多層フィルタの形成がある。メルトブロー繊維は、一般的に、分子的に無配向又は弱く配向しているかのいずれかであり、並びに、一般的に、それら自体で高効率及び適切な強度の両方を有する単層濾材を提供するほど十分な硬度及び強度を持たない。不適切な強度では、例えば変換中の損傷、又は高流量状態で使用中のプリーツの変形又はプリーツの潰れが現れる場合がある。1つ以上の付加的な層が、濾材に追加されて、濾材を保護し、全体のフィルタ構造を硬化してよい。該多層フィルタに用いられ得る付加的な層には、人造繊維ウェブ、溶融紡糸ウェブ、スクリム(例えば繊維ガラス又は短繊維マット)、及びワイヤーメッシュが挙げられる。多層フィルタの製造では、フィルタ製品に追加費用及び複雑さが発生する。支持層は、効率性を提供することなく、圧力低下を増加し得る。多層の使用により、廃棄物又は使用済みフィルタの利用が困難、又は非実用的なものになる場合がある。
【0005】
単層のプリーツ状製品は、いくつかの用途で用いられてきた。例えば、住宅用の炉フィルタは、キンバリークラーク(Kimberley Clark)の、単層のアキュエアー(ACCUAIR)(商標)2成分溶融紡糸媒体で製造されてきた。アキュエアー(ACCUAIR)媒体は、商業又は工業用途において生じ得る、典型的な流量又は圧力にさらされることを意図した単層プリーツ状の冷暖房空調設備用フィルタとして用いるほど十分に硬くはない。上述のサンデット(Sundet)ら’226出願は、大半がプリーツ列方向に対して90°±20°に揃えられた、単層のメルトブロー繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、又はナイロン繊維)から製造されるプリーツ状炉フィルタについて記載している。繊維ガラス濾過媒体もまた、単層プリーツ状フィルタとして用いられてきたが、繊維ガラスは非荷電性であり、大きな圧力低下を生じる場合があり、ガラス繊維を減らし、またいくつかの形状に形成するのが困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
我々は、プリーツ成形性、プリーツ状の場合の硬度、小さな圧力低下、及び効率的な微粒子捕捉の有用な組み合わせを有するプリーツ状フィルタに形成され得る単成分の単層ウェブを見出した。
【0007】
本発明は、一態様において、プリーツ状フィルタの製造プロセスであって、
a)同一高分子組成の、大寸法及び小寸法が混ざり合った連続単成分高分子繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含む、単成分単層不織布ウェブを形成する工程であって、該ウェブは少なくとも100mgのガーレー剛性を有する工程と、
b)該不織布ウェブにプリーツの列を形成する工程と、
c)該プリーツ状ウェブを所望の寸法及び形状に切断し、少なくともいくつかの繊維交点で互いに固着される繊維の自己支持型多孔質単成分単層マトリックスを含み、前面風速1.52m/秒で少なくとも15%の平均初期サブミクロン効率を有する、プリーツ状フィルタ要素を形成する工程と、を含むプロセスを提供する。
【0008】
本発明は、別の態様において、プリーツ状フィルタであって、同一高分子組成の、大寸法及び小寸法が混ざり合った連続単成分高分子繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含有する、自己支持型多孔質単成分単層マトリックスを含み、前記繊維は少なくともいくつかの繊維交点で互いに固着され、前記マトリックスは、襞状又は波形のプリーツの列を形成し、前面風速1.52m/秒で少なくとも15%の平均初期サブミクロン効率を有する、プリーツ状フィルタを提供する。
【0009】
開示されたプリーツ状フィルタは、多くの有益かつ特有な性質を有する。例えば、完成品のプリーツ状フィルタは、単層のみからなり、拡張した濾過性能及び増大した繊維表面積を有する、大及び小寸法繊維の混合物を含んで調製されてよい。そのようなプリーツ状フィルタは、重要な効率性を提示する―製品の複雑さ及び廃棄物は、積層プロセス及び設備を排除することにより、また中間材料の数を削減することにより、軽減される。繊維形成ポリマー材料が1つの本質的に直接である動作でウェブに変換される直接ウェブ形成製造設備を使用することにより、開示されたウェブ及びマトリックスは、非常に経済的に調製され得る。また、マトリックス繊維がすべて同一の高分子組成を有し、異質な固着材料が用いられない場合、マトリックスは完全に再利用され得る。
【0010】
開示されたいくつかの実施形態において、非常に小さな寸法のマイクロファイバーを含むことにより、開示されたウェブ及びマトリックスの繊維表面積が増大し、そのような有益な効果は改善された濾過性能となる。大及び小寸法繊維を用いることにより、濾過及びプリーツ付け特性が特定の使用に合わせられ得る。また、マイクロファイバーウェブにしばしば特有である大きな圧力低下とは対照的に、大きな繊維は、物理的にマイクロファイバーを分離し、間隔を開けるため、開示されたマイクロファイバー含有ウェブ実施形態及びマトリックスの圧力低下は小さく保たれる。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。しかし、上記要約は、請求された主題に関する限定として決して解釈されるべきでなく、主題は、手続処理中に補正され得る添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】プリーツ状の濾過媒体の斜視図。
【図2】概略的側面図。
【図3】概略的側面図。
【図4】概略的側面図。
【図5】同一高分子組成からなる溶融紡糸及び別々に製造された小寸法繊維を用い、単成分単層ウェブを製造するための例示のプロセスの部分的に断面である、概略的側面図。
【図6】同一高分子組成からなる大寸法繊維及び別々に製造された小寸法繊維のメルトブローを用い、プリーツ化が可能な単成分単層ウェブを製造するための例示的プロセスの概略的側面図。
【図7】複数の大開口部及び小開口部を有する例示的溶解紡糸ダイ紡糸口金の出口端面図。
【図8】複数の大開口部及び小開口部を有する例示的メルトブローダイの出口端斜視図。
【図9】異なる流量で流れる同一高分子組成のポリマー及び異なる粘度で供給される複数の開口部を有する例示的溶融紡糸ダイの分解組立て概略図。
【図10】断面図。
【図11】異なる流量で流れる同一高分子組成のポリマー及び異なる粘度で供給される複数の開口部を有する例示的メルトブローダイの出口端面図。
【図12a】質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図12b】質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図13】実施例1〜7のウェブに対する繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図14a】実施例2のウェブに対するヒストグラム対μm単位での繊維寸法。
【図14b】実施例2のウェブに対するヒストグラム対μm単位での繊維寸法。
【図15】実施例5の一連のウェブに対する、質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図16】実施例5の一連のウェブに対する、質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図17】繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図18】実施例5の一連のウェブに対する、質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【図19】繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラム。
【0013】
図面の様々な図における同様の参照記号は、同様の要素を指し示す。図面の要素は、正確な縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「多孔質」という用語は、空気浸透性を意味する。
【0015】
「単成分」という用語は、繊維又は繊維群に関して使用する場合、横断面に渡って本質的に同一の組成を有する繊維を意味し、単成分は、均一な組成の連続相が繊維の横断面及び縦方向に渡って延在する、混紡(つまりポリマー合金)又は添加剤含有材料を含む。
【0016】
「同一高分子組成」という用語は、本質的に同一の繰り返し分子単位を有するが、分子量、メルトインデックス、製造方法、商業形態等が異なってよい、ポリマーを意味する。
【0017】
「寸法」という用語は、繊維に関して使用する場合、円形断面を有する繊維の繊維直径、又は非円形横断面を有する繊維に対して構成され得る最長断面コードの長さを意味する。
【0018】
「連続的な」という用語は、繊維又は繊維群に関して使用する場合、本質的に無限の縦横比(即ち、例えば、少なくとも約10,000以上の長さの寸法に対する比率)を有する繊維を意味する。
【0019】
「有効繊維直径」という用語は、繊維群に関して使用する場合、「空中浮遊ダスト及び粒子の分離(The Separation of Airborne Dust and Particles)」(デービス(Davies)C.N.)(インスティテューション・オブ・メカニカル・エンジニア(Institution of Mechanical Engineers)、ロンドン、議事録(Proceedings)1B、(1952年)で説明される、円形又は非円形の任意の断面形状の繊維のウェブに対する方法に従い確定される値を意味する。
【0020】
「最頻値」という用語は、質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラム、又は繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムに関して使用する場合、高さが、局所的なピークより1及び2μm小さいもの、並びに1及び2μm大きいものである繊維寸法より大きい局所的なピークを意味する。
【0021】
「二峰性質量分率/繊維寸法混合物」という用語は、少なくとも2つの最頻値を呈する、質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを有する繊維群を意味する。二峰性質量分率/繊維寸法混合物は、2を超える再頻値を含んでもよく、例えば三峰性又はそれ以上の質量分率/繊維寸法混合物であってよい。
【0022】
「二峰性繊維数/繊維寸法混合物」という用語は、対応する繊維寸法が小繊維寸法の少なくとも50%異なる、少なくとも2つの最頻値を呈する、繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを有する繊維群を意味する。二峰性繊維数/繊維寸法混合物は、2を超える再頻値を含んでもよく、例えば三峰性又はそれ以上の質量分率/繊維寸法混合物であってよい。
【0023】
「固着する」という用語は、繊維又は繊維群に関して使用する場合、共にしっかりと接着することを意味し、固着された繊維は、ウェブが通常の取り扱いを受ける場合、概して分離しない。
【0024】
「不織布ウェブ」という用語は、繊維のもつれ又は固着点を特徴とする繊維ウェブを意味する。
【0025】
「単層マトリックス」という用語は、繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含有する不織布ウェブに関して使用する場合、(繊維寸法以外に関して)ウェブの横断面を通じて類似繊維の概して一様な分布を有し、(繊維寸法に関して)ウェブの横断面を通じて存在する各最頻値の集合を表す繊維を有することを意味する。該炭層マトリックスは、ウェブの横断面を通じて、繊維寸法の概して一様な分布を有してよく、或いは例えば、ウェブの一方の主要な面に隣接した圧倒的多数の大寸法繊維、及びウェブの他方の主要な面に隣接した圧倒的多数の小寸法繊維等の繊維寸法の深度勾配を有してよい。
【0026】
「フィラメントを繊維に減衰する」という用語は、フィラメントのセグメントを、より長い及びより小さな寸法のセグメントに変換することを意味する。
【0027】
「溶融紡糸」という用語は、不織布ウェブに関して使用する場合、低粘度の溶解物を複数個の開口部を通じて押し出してフィラメントを形成し、フィラメントを空気又は他の流体で急冷してフィラメントの少なくとも表面を固結させ、少なくとも部分的に固結したフィラメントを空気又は他の流体に接触させてフィラメントを繊維に減衰し、減衰した繊維層を集めることにより、形成されるウェブを意味する。
【0028】
「溶融紡糸繊維」という用語は、ダイから出て、繊維が永久的に延伸され、該繊維内の高分子が、永久的に繊維の長手方向に整合するように配向される処理所を通って移動する繊維を意味する。該繊維は本質的に連続的であり、通常、完全な1つの溶融紡糸繊維をそのような繊維塊から取り除くことは不可能であるほど十分に絡み合っている。
【0029】
「配向された」という用語は、高分子繊維又は該繊維群に関して使用する場合、該繊維の高分子の少なくとも一部分が、繊維が減衰チャンバ又は機械的な延伸機等の装置を通過する結果、繊維の縦方向に整合されることを意味する。繊維における配向の有無は、複屈折測定及び広角X線回折を含む様々な手段により検出され得る。
【0030】
「公称融点」という用語は、その領域に最大値が1つだけある場合、ポリマーの溶融領域において、第2熱、全熱流の示差走査熱量測定(DSC)グラフのピーク最大値を意味し、1つを上回る融点を示す1つを上回る最大値がある場合、(例えば、2つの異なる結晶相が存在するため)、最高振幅溶融ピークが発生する温度を意味する。
【0031】
「メルトブロー(メルトブロウン)」という用語は、不織布ウェブに関して使用する場合、繊維形成材料を複数個の開口部を通じて押し出し、フィラメントを空気又は他の減衰流体と接触させてフィラメントを繊維に減衰しながらフィラメントを形成し、その後減衰された繊維の層を集めることにより形成されるウェブを意味する。
【0032】
「メルトブロー繊維」という用語は、融解された繊維形成材料をダイの開口部を通じて高速ガス流の中に押し出すことにより調製される繊維を意味し、押し出された材料は先ず減衰され、次いで繊維塊として固化する。メルトブロー繊維は、非連続性であると報告される場合があるが、該繊維は概して長く、完全な1つのメルトブロー繊維をそのような繊維塊から取り除くこと、又は1つのメルトブロー繊維の先頭と末端をたどるのは不可能であるほど十分に絡み合っている。
【0033】
「マイクロファイバー」という用語は、10μm以下の平均寸法(顕微鏡法を用いて決定される)を有する繊維を意味し、「極細マイクロファイバー」は、2μm以下の平均寸法を有するマイクロファイバーを意味し、「サブミクロンマイクロファイバー」は、1μm以下の平均寸法を有するマイクロファイバーを意味する。本明細書において、例えば「サブミクロンマイクロファイバーの配列」のような、特定の種類のマイクロファイバーのバッチ、群、配列等を参照する場合、その配列にあるマイクロファイバーの完全な集合、又はマイクロファイバーの単独バッチの完全な集合を意味し、サブミクロンの寸法である配列又はバッチ部分自体のみではない。
【0034】
「個別に調製された小寸法繊維」という用語は、小寸法繊維の流れが、大寸法繊維の流れから初めは空間的に離れている(例えば約25mm(1インチ)以上の距離で)が、大寸法繊維の流れに空中で合流しその中に分散するように位置付けられる、繊維形成装置(例えばダイ)から製造される小寸法繊維の流れを意味する。
【0035】
「帯電された」という用語は、繊維群に関して使用する場合、前面風速7cm/秒でのパーセントジオクチルフタレート(%DOP)貫通について評価される際、20グレイの吸収線量の1mmのベリリウムで濾過した80KVpのX線に暴露後、線質係数QF(後述)において少なくとも50%の低下を呈する繊維を意味する。
【0036】
「自己支持型」という用語は、単層マトリックスに関して使用する場合、該マトリックスを含むプリーツ状フィルタ要素が、フィルタ要素の選択された部分を強化するための、先端の安定化(例えば平面ワイヤ面層)又は周囲の補強(例えば端の接着剤又はフィルタ枠)をたとえ含んだとしても、マトリックスはワイヤ、メッシュ、又は他の硬化材の近接する補強層を含まないことを意味する。
【0037】
図1は、間隔を開けたプリーツ4の列の中に形成された、開示された単成分単層ウェブ2で製造される例示のプリーツ状フィルタ1の斜視図である。当業者は、フィルタ1がそのままで用いられてよく、又はフィルタ1の選択された部分が、(例えば、平面的拡張金属面層、ホットメルト接着剤の補強線、接着剤固着補強棒、又は他の選択的補強支持体で)安定化又は補強され、また例えば冷暖房空調システムで使用するための交換式のフィルタを提供するために、所望により好適な枠(例えば金属又は厚紙の枠)に実装されてよいことを認識するであろう。プリーツ状ウェブ2は、それ自身でプリーツ4の形成を助け、プリーツ付け後は、プリーツ4の高フィルタ前面風速での変形に耐える、改善された剛性を有する多孔質の単層マトリックスを形成する。単成分単層ウェブ2を除いて、当業者は、フィルタ1の構造に関する更なる詳細に精通しているであろう。
【0038】
開示された単成分単層ウェブは、プリーツ付け前に少なくとも約100mgのガーレー剛性を有し、またプリーツ付け前に少なくとも約200mg、少なくとも約300mg、少なくとも約400mg、少なくとも約600mg、又は少なくとも約1000mgのガーレー剛性を有してもよい。13.8cm/秒の前面風速でDOPチャレンジを用いて評価された場合、フラットウェブは、少なくとも約0.3、より好ましくは少なくとも約0.4の初期濾過線質係数QFを有する。プリーツ付け後、開示された単成分単層マトリックスは、前面風速1.52m/秒(300フィート/分)で少なくとも約15%の平均初期サブミクロン効率有し、また少なくとも約25%又は少なくとも約50%の平均初期サブミクロン効率を有してよい。プリーツ状フィルタは、好ましくは0.19kPa(20mmHO)未満、より好ましくは0.09kPa(10mmHO)未満の圧力低下を有し、また好ましくは、約5%未満、より好ましくは約1%未満の%DOP貫通を有する。
【0039】
開示された単成分単層ウェブは、大寸法及び小寸法繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含有する。大寸法繊維は、例えば約10〜約60μm、約10〜約50μm、又は約20〜約50μmの寸法範囲を有してよい。小寸法繊維は、例えば約0.1〜約20μm、約0.10〜約10μm、約0.1〜約5μm、又は約0.1〜約1μmの寸法範囲を有してよい。質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムは、例えば、約0.1から約20μm、約0.1から約15μm、約0.1から約10μm、約0.5から約8μm、又は約1から約5μmの小寸法最頻値、及び約10μmを超える(小寸法繊維が10μmを超える最頻値を有する場合はそれ以上)、約10から約50μm、約10から約40μm、又は約12から約30μmの大寸法繊維最頻値を有してよい。また、開示されたウェブは、繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、対応する繊維寸法が小繊維寸法の少なくとも50%、少なくとも100%、又は少なくとも200%異なる、少なくとも2つの最頻値を呈する、二峰性繊維数/繊維寸法混合物を有してもよい。また、小寸法繊維は、例えば、ウェブの繊維表面積の少なくとも20%、少なくとも40%、又は少なくとも60%を提供してもよい。ウェブは、様々な有効繊維直径(EFD)値、例えば約5から約40μm、又は約6から約35μmの、EFDを有してよい。また、ウェブは様々な坪量、例えば約60から約300g/m、又は約80から250g/mの坪量を有してもよい。
【0040】
図2〜図9は、好ましい単成分単層ウェブの製造に用いられ得る、様々なプロセス及び設備を図解する。図2〜図5に示すプロセスは、溶融紡糸ダイからの大寸法溶融紡糸繊維を、メルトブローダイからの小寸法メルトブロー繊維と組み合わせる。図6に示すプロセスは、2つのメルトブローダイからの大寸法及び小寸法メルトブロー繊維を組み合わせる。図7に示すダイは、単一押出成形機から液化した繊維形成材料を供給されてよい単一溶融紡糸ダイから、大寸法及び小寸法溶融紡糸繊維を形成する。図8に示すダイは、単一押出成形機から液化した繊維形成材料を供給されてよい単一メルトブローダイから、大寸法及び小寸法メルトブロー繊維を形成する。図9に示すダイは、2つの押出成形機から液化した繊維形成材料を供給されてよい単一溶融紡糸ダイから、大寸法及び小寸法溶融紡糸繊維を形成する。図10及び図11に示すダイは、2つの押出成形機から液化した繊維形成材料を供給されてよい単一メルトブローダイから、大寸法及び小寸法メルトブロー繊維を形成する。
【0041】
図2を参照すると、大寸法繊維を形成するために溶融紡糸を、同一高分子組成の、個別に調製された小寸法繊維(例えばマイクロファイバー)を形成するためにメルトブローを用いて、プリーツ化可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブを製造するためのプロセスを、概略的側面図で示す。本プロセス及びそうして製造される不織布ウェブに関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願された「固着溶融紡糸繊維に分散させたマイクロファイバーを備える繊維ウェブ(FIBROUS WEB COMPRISING MICROFIBERS DISPERSED AMONG BONDED MELTSPUN FIBERS)」と題する米国特許出願番号(代理人整理番号60928US002)に示され、その開示全体を参照として本明細書に援用する。図2に示す装置において、繊維形成材料が、―本例示的装置においては、高分子繊維形成材料をホッパー11に導入し、該材料を押出成形機12で溶融し、融解した材料をポンプ13で押出ヘッド10の中に送り込むことにより―溶融紡糸押出ヘッド10にもたらされる。ペレット又は他の微粒子型の固体の高分子材料が最も一般的に用いられ、液体のポンプ送給可能な状態に溶融される。
【0042】
押出ヘッド10は、概して、例えば直線の列のような規則的なパターンに配置される複数の開口部を含む従来の紡糸口金又は紡糸パックであってよい。繊維形成液体のフィラメント15は、押出ヘッド10から押し出され、処理チャンバ又は減衰器16に搬送される。減衰器は、例えば、壁が矢印50の方向に自由かつ容易に移動するように実装される、米国特許第6,607,624(B2)号(ベリガン(Berrigan)ら)に示されているような可動壁減衰器であってよい。押し出されたフィラメント15が、減衰器16に到達するまでに進む距離17は、それらがさらされる状態と同様に、様々であり得る。空気又は他のガス18の急冷流が、押し出されたフィラメントに提示され、押し出されたフィラメント15の温度を低下させてよい。別の方法としては、繊維の延伸が容易になるように空気又は他のガス流が加熱されてよい。例えば、押出し中に放出された望ましくないガス状物質又は煙を除去することができる、フィラメント流の横方向に吹かれる第1の空気流18a、及び主要な、望ましい温度の低下を達成する第2の急冷空気流18bのような、1つ以上の空気又は他の流体があってよい。さらに多くの急冷流が用いられてよく、例えば、急冷空気流18bは、それ自体が所望の急冷度を達成するために、1つ以上の空気流を含むことが可能である。用いられるプロセス又は所望の完成品の形態により、減衰器16に到達するまでに押し出されたフィラメント15の固結には、急冷空気が十分であり得る。他の事例では、押し出されたフィラメントは、減衰器に入る時点では、まだ柔らかい又は融解状態である。別の方法としては、急冷流が用いられない、つまりそのような場合には、押出ヘッド10と減衰器16との間の周囲空気又は他の流体は、減衰器に入る前の押し出されたフィラメントにおける任意の変化のための媒体であってもよい。
【0043】
連続的な溶融紡糸フィラメント15は、減衰器16で配向され、大寸法繊維流501(即ち、ウェブに加えられる小寸法溶融紡糸繊維との関連で大きいが、減衰された流れ501内の繊維は、押出ヘッド10から押し出されたフィラメントより寸法としては小さい)として、コレクタ19に方向付けられる。減衰器16からコレクタ19へ進む途中で、減衰された大寸法繊維流501は、メルトブローダイ504から生じるメルトブロー小寸法繊維流502により遮られ、合流した大及び小寸法繊維の二峰性質量分率/繊維寸法流503を形成する。合流した流れは、メルトブロー小寸法繊維がその中に分散された、配向された連続的な溶融紡糸大寸法繊維を含有する自己支持形ウェブ20として、コレクタ19上に付着する。コレクタ19は、概して多孔質であり、ガス取出デバイス114がコレクタの下に位置付けられ、繊維のコレクタへの付着を助けることが可能である。減衰器出口とコレクタとの間の距離21を様々に変えて、異なる効果を得てもよい。また、回収前に、押し出されたフィラメント又は繊維は、例えば更なる延伸、吹き付け等、図2には示されない多数の追加処理工程にさらされてよい。回収後、回収された塊20は、以下により詳しく説明するように、加熱及び急冷されてよく、又はカレンダー、エンボス加工装置、ラミネータ、切断機等の他の装置へ搬送されてよく、或いは単に、更なる処理又は変換を経ずに、保管ロール23に巻きつけられてよい。
【0044】
メルトブローダイ504は、既知の構造のものであってよく、既知の方法で動作され、開示されたプロセスで用いられるメルトブロー小寸法繊維(例えばマイクロファイバー)を製造することが可能である。基本的なメルトブロー方法及び装置の初期の説明は、ウェンテ・バンA(Wente, Van A.)による「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、産業応用化学(Industrial Engineering Chemistry)、第48巻、1342頁以降参照(1956)、又はウェンテ・バンA(Wente, Van A.)、ブーン・C.D.(Boone, C. D.)、及びフルハーティ・E.L.(Fluharty, E. L.)による「超微細有機繊維の製造(Manufacture of Superfine Organic Fibers)」と題する海軍研究試験所(Naval Research Laboratories)、報告書番号4364(1954年5月25日出版)に見出される。典型的なメルトブロー装置は、ダイ504に液化した繊維形成材料を供給するホッパー506及び押出成形機508を含む。図3を参照すると、ダイ504は、入口512及びダイキャビティ514を含み、そこを通って液化した繊維形成材料が、ダイの前方端に対して一直線に配置されるダイ開口部516に運ばれ、またそこを通って繊維形成材料が押し出され、並びに協同ガス開口部518も含み、そこを通ってガス、一般的には熱風が、非常に高速で追い込まれる。高速ガス流が押し出された繊維形成材料を引き出して減衰するとすぐ、繊維形成材料は固結(様々な程度の固結性)し、溶融紡糸大寸法繊維流501との合流地点まで進む間、メルトブロー小寸法繊維流502を形成する。
【0045】
サブミクロン寸法を含む非常に小さな寸法の繊維のメルトブロー方法は既知であり、例えば、米国特許第5,993,943号(ボダギー(Bodaghi)ら)の、例えば、第8欄11行〜第9欄25行を参照のこと。小寸法繊維を形成するための他の技術、例えば、米国特許第6,743,273(B2)号(チュン(Chung)ら)、及び同第6,800,226(B1)号(ガーキン(Gerking))に記載されるものもまた用いられ得る。
【0046】
メルトブローダイ504は、溶融紡糸大寸法繊維による、メルトブロー小寸法繊維の最良の捕捉を達成するために、溶融紡糸大寸法繊維流501に接近して位置付けられることが好ましく、メルトブローダイを溶融紡糸流の近くに設置することは、サブミクロンマイクロファイバーの捕捉に特に重要である。例えば図3に示すように、ダイ504の出口から溶融紡糸流501の中心線までの距離520は、極小マイクロファイバーについては、好ましくは約5cm(2インチ)から25cm(12インチ)、より好ましくは約15cm(6インチ)又は20cm(8インチ)以下である。また、溶融紡糸繊維流501が図3に示す通り垂直に付着される場合、メルトブロー小寸法繊維流502は、水平方向に対して鋭角θに付着されることが好ましく、メルトブロー流502のベクトルは、溶融紡糸流501と一方向に配列される。好ましくは、θは、約0から約45度の間、より好ましくは約10から約30度の間である。メルトブロー及び溶融紡糸流のコレクタ19への接合点からの距離522は、一般的に少なくとも約10cm(4インチ)であるが、過剰なもつれを避け、ウェブの均一性を保持するためには、約40cm(16インチ)未満である。溶融紡糸流501の勢いを減じるための距離524は、概して、少なくとも15cm(6インチ)で十分であり、それによりメルトブロー流502が溶融紡糸流501とより上手く合流することが可能になる。メルトブロー及び溶融紡糸繊維流が合流するにつれ、メルトブロー繊維が溶融紡糸繊維の中に分散されるようになる。幾分均質な混合物が、特にx−y(面内ウェブ)次元で得られ、z次元の分布は、距離520、角度θ、並びに合流する流れの質量及び速度の制御等の、特定の処理工程により制御される合流された流れ503は、コレクタ19へと続き、ウェブ様の塊20として回収される。
【0047】
溶融紡糸及びメルトブロー繊維の状態により、回収中に繊維間でいくらか接着が生じる場合がある。しかし、回収されたウェブ中の溶融紡糸繊維間のさらなる接着が、通常、所望の程度の一貫性及び剛性を有するマトリックスを提供するために必要とされてよく、ウェブがより扱い易く、またマトリックス内にメルトブロー繊維をより上手く維持できるようになる。しかし、ウェブのプリーツ状フィルタへの形成を容易にするために、過剰な接着は避けるべきである。
【0048】
点接着プロセス又は円滑なカレンダーロールにより印加される熱及び圧力を用いる従来の接着技術が用いられ得るが、かかるプロセスは、繊維の望ましくない変形又はウェブの圧縮を引き起こす場合がある。溶融紡糸繊維を接着させるより好ましい技術は、本出願と同日付けで出願された「軟化性配向半結晶性高分子繊維を含有する接着不織布繊維ウェブ並びにかかるウェブの調製装置及び方法(BONDED NONWOVEN FIBROUS WEBS COMPRISING SOFTENABLE ORIENTED SEMICRYSTALLINE POLYMERIC FIBERS AND APPARATUS AND METHODS FOR PREPARING SUCH WEBS)」と題する米国特許出願番号(代理人整理番号60632US002)において教示され、その開示全体を参照として本明細書に援用する。概要として、本発明に適用されるように、この好ましい技術は、同一高分子組成のメルトブロー繊維と混ざり合った非晶質特徴相を含有する配向された半結晶性溶融紡糸繊維の回収されたウェブを、a)溶融紡糸繊維の非晶質特徴相を軟化するのに十分高い温度(概して該繊維材料の初期融解温度より高い)に加熱された流体に、溶融紡糸繊維全体を融解するには短い時間の間(即ち、該繊維に分離した繊維性を失わせるが、繊維横断面の有意なひずみが生じるには短い加熱時間であることが好ましい)、強制的にウェブを通過させる工程と、b)軟化した繊維を固結する(即ち、加熱処理の間に軟化した繊維の非晶質特徴相を固結する)のに十分な熱容量を有する流体に、強制的にウェブを通過させる工程によりウェブを直後に急冷する工程と、を含む、制御された加熱及び急冷動作にさらす工程を伴う。ウェブを通過させる流体は、好ましくはガス流であり、それらが空気であることが好ましい。この文脈において、「強制的に」流体又はガス流にウェブを通過させるとは、通常の室内圧力に加えて力を流体に印加し、流体のウェブの通過を推進することを意味する。好ましい実施形態において、開示された急冷工程は、コンベヤー上のウェブに、我々が急冷流加熱器、又はより簡潔に急冷加熱器と名付ける装置を通過させる工程を含む。本明細書で示すように、該急冷流加熱器は、加圧下の加熱器から出てウェブの片側と係合する集中的な又はナイフ様の加熱ガス(一般的に空気)流を提供し、ウェブのもう片側上のガス取出デバイスは、ウェブを通って加熱ガスを引き出すのを助けるが、概して加熱流は、ウェブ幅全体に延在する。加熱流は、従来の「空気通過接着器」又は「ホットエアーナイフ」からの加熱流に酷似するが、流量を調節し、ウェブ幅を通じて均一に、かつ制御された速度で加熱ガスを分布させ、有用に高い温度に溶融紡糸繊維を完全、均一、かつ急速に加熱及び軟化させる、特別な制御を条件とする。強制急冷工程を加熱工程の直後に続け、繊維を精製した形態に急速に凍結させる(「直後」とは、同一動作の一部を意味する、即ち、ウェブが次の処理工程に移る前にロールに巻き付けられる際に生じる中断時間なしに)。好ましい実施形態において、ガス取出デバイスは、加熱後、直ちにウェブを通して、冷却ガス、又は例えば、周囲空気等のその他の流体を出し、それにより繊維を急冷するために、加熱ガス流からのダウンウェブに配置される。加熱の長さは、例えば、ウェブ上の移動のパスに沿った加熱領域の長さ及び加熱領域から冷却領域までのウェブを移動する速度により、制御され、溶融紡糸繊維全体を融解することなく、非晶質特徴相の所望の融解/軟化を生じる。
【0049】
図2、図4、及び図5を参照すると、急冷流加熱法を実行するための一例示の方法において、回収された溶融紡糸及びメルトブロー繊維の塊20は、コレクタ19上に実装された制御加熱デバイス200下の移動コレクタ19により運ばれる。例示的加熱デバイス200は、上部プレナム202及び下部プレナム203に分けられるハウジング201を備える。上部及び下部プレナムは、寸法及び空隙部において一般に均一である一連の穴205で穿孔されるプレート204により分割される。ガス、一般に空気は、導管207から開口部206を通って上部プレナム202に流れ込み、プレート204は、プレートを通って下部プレナム203に通過する場合、幾分均一に分布させるために、空気を上部プレナムに流し込むための流量分布手段としての役割を果たす。その他の有用な流量分布手段には、フィン、バッフル、連結管、エアダム、スクリーン又は焼結板、即ち、空気の分布を均一にするデバイスが挙げられる。
【0050】
例示的な加熱デバイス200においては、下部プレナム203の底部壁208は、伸長する溝209を介して下部プレナムからの加熱した空気の伸長する、又はナイフのような流れ210が、加熱デバイス200の下にあるコレクタ19上で移動している塊20に吹き込まれる、伸長する溝209から形成される(塊20及びコレクタ19は、部分切り欠きで図5に示す)。ガス取出デバイス114は、加熱デバイス200の溝209下に設置するために十分に延在すること(とともに、下記に記載のように加熱流210を超え、領域印220を通って距離218に延在すること)が好ましい。従って、プレナム中の加熱した空気は、プレナム203内で内圧下であり、溝209で、さらにガス取出デバイス114の排気真空下である。排気力をさらに制御するために、穿孔プレート211を、一種の背圧を与えるためにコレクタ19下に位置付けてよく、又は加熱された空気の流れ210を確保する流量制限手段は、回収された塊20の幅又は加熱された領域にわたって所望の範囲に広がり、回収された塊の可能性のある低密度部分を通って流動に抑制される。その他の有用な流量制限手段には、スクリーン又は焼結板が挙げられる。プレート211中の開口部の数、寸法、及び密度は、所望の制御を達成するために異なる領域により変化する場合がある。多量の空気は、繊維形成装置を通過し、領域215中において、繊維がコレクタに達する場合、排気しなければならない。十分な空気は、処理する空気の様々な流下で適所にウェブを維持するために、領域216中のウェブ及びコレクタを通過する。加熱領域217の下にあるプレートは、空気がウェブを通過できるように処理するのに十分な開放性が必要となるが、空気を均一に分布することを確実にするために、十分な抵抗を提供する。温度と時間の条件は、塊の加熱した全エリアに渡って制御するべきである。最善の結果が得られるのは、処理された塊の幅に渡って、ウェブを通過する加熱された空気の流れ210の温度が5℃、好ましくは2℃又は1℃でも範囲内である場合である(加熱された空気の温度は、多くの場合、ハウジング201への加熱された空気に対する入口で操作の便宜的制御のために測定されるが、熱電対を伴う回収されたウェブの隣接部で測定することも可能である)。さらに、加熱装置は、例えば、過熱又は不過熱を回避するために断続的に加熱器を急速に循環させることにより、時間に渡って定常温度を維持するために操作される。さらに加熱を制御するために、塊20は、加熱された空気の流れ210の使用後、急速に急冷させる。このような急冷は、一般に、塊が制御された熱風流210を離れた直後に、塊20にわたり、塊20を通って、周囲空気を延伸することにより、得ることが可能である。図4の数字220は、ウェブが熱風流を通過後、ガス取出デバイス114によりウェブを通して周囲空気を取り出すエリアを示す。実際には、該空気を、例えば、図4に示されるエリア220aにおいて、ハウジング201の底部の下に取り出すことができるため、ウェブが熱風流210を離れたほぼ直後に、空気がウェブに到達する。そして、ガス取出デバイス114は、全塊20の完全冷却及び急冷を確実にするために加熱デバイス200を超える距離218間に、コレクタ19に沿って延在してもよい。短縮目的で、混合した加熱及び急冷装置を急冷流加熱器と称する。
【0051】
塊20を通過し、加熱された空気の量及び温度を選択し、大寸法繊維の形態の適切な修正を行う。特に、大寸法繊維を加熱し、a)繊維の横断面、例えば、繊維の非晶質特徴相内の有意な分子部分の融解/軟化を生じるが、b)別の有意な相、例えば、結晶特徴相の完全な融解を生じない、量及び温度を選択する。我々が「融解/軟化」という用語を使用するのは、非晶質特徴相にある程度存在する場合がある結晶材料は通常、融解する一方、非晶質高分子材料は、融解よりむしろ通常、軟化するためである。また、これには、相を参照することなく、単に、繊維内でより下位の晶子の融解を生じるために加熱されると、記載することもできる。概して、大寸法繊維は、融解しない状態であり、例えば、繊維は一般に、処理前にそれらが有するものと同一の繊維の形状及び寸法を保持する。結晶特徴相の大部分は、加熱処理後、既存の結晶構造を維持することが理解される。結晶構造を存在する結晶構造に追加したこと、又は、高位な場合、繊維結晶構造を識別可能な非晶質特徴相及び結晶特徴相を作るために除去することが考えられる。
【0052】
急冷の一目的は、ウェブ内に含まれる小寸法繊維に望ましくない変化が生じる前に加熱を停止することである。急冷の別の目的は、ウェブ及び大寸法繊維から熱を急速に取り除き、それにより、大寸法繊維において実質的に生じる結晶化又は分子秩序の範囲及び性質を限定することである。融解/軟化状態から固化した状態への急冷により、非晶質特徴相は、大寸法繊維の軟化、又は反復可能な軟化を妨げることができる、還元した、より低位な分子材料を用い、さらに精製された結晶型へ凍結されることが理解される。このような目的に対し、塊20は、基準融点よりも低い少なくとも50℃で、又は大寸法繊維で、ガスにより冷却されることが望ましく、また、急冷ガスは、少なくとも約1秒間、適用されることが望ましい。いずれにしても、急冷ガス又はその他の流体は、繊維を急速に凝固するのに十分な熱容量を有する。
【0053】
開示された急冷流加熱器の利点は、小寸法繊維だけで(例えば、マイクロファイバーだけで)構成される層に存在する場合に比べて、開示されたウェブ内で保持されている小寸法メルトブロー繊維の方が、圧縮に対してより保護されることである。配向された溶融紡糸繊維は一般に、メルトブロー小寸法繊維よりも大きく、より堅く及び強固であるため、メルトブロー繊維と圧力を印加する物質との間での溶融紡糸繊維の存在は、小寸法メルトブロー繊維上の破砕力の適用を限定する。特に、非常に壊れやすいサブミクロン繊維の場合、大寸法繊維により提供される圧縮又は破砕に対する抵抗性の増加は、重要な利点をもたらす。開示されたウェブが圧力を受ける場合でも(例えば、巨大な保存ロールに巻き込まれる場合)又は第2のプロセス中の場合でも、ウェブは、圧縮への良好な抵抗性を提供し、そうでなければ、圧力低下の増加及びそのようなウェブから製造されるフィルタへの荷重性能の低下につながることが考えられる。また、大寸法溶融紡糸繊維の存在はウェブ強度、剛性及び取り扱い適性等のその他の特性を加える。
【0054】
メルトブロー小寸法繊維は、固着操作中、実質的に融解しない、又はそれらの繊維構造を損なわないが、本来の繊維寸法を有する個別の小寸法繊維のままであることが分かった。メルトブロー繊維が、異なる、溶融紡糸繊維よりも少ない結晶性形態を有し、ウェブに加えられる限定された熱は、固着及び急冷操作中、メルトブロー繊維の融解が生じる前に、メルトブロー繊維内で結晶性成長の発達に使い尽すと理論を立てた。本理論の正当性に関わらず、十分な融解又はメルトブロー小寸法繊維のひずみのない溶融紡糸繊維の固着はなく、完成した二峰性質量分率/繊維寸法ウェブの特性に有用である。
【0055】
図6を参照すると、別のプロセスを、同一高分子組成からなる大寸法繊維及び別々に製造された小寸法繊維の両方を形成するためにメルトブローを用い、プリーツ化可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブを製造するための概略側面図に示す。図6の装置は、2つのメルトブローダイ600及び602を用いる。ダイ600に、ホッパー604、押出成形機606及び導管608から送り出される液化された繊維形成材料を供給する。また、ダイ602に、任意の導管610を介して押出成形機606から液化した繊維形成材料を供給してもよい。或いは、ダイ602に、任意のホッパー612、押出成形機614及び導管616から送り出される同一高分子組成の液化した繊維形成材料を別々に供給してよい。ダイ600からの大寸法繊維流618及びダイ602からの小寸法繊維流620は、二峰性質量分率/該繊維の繊維寸法混合物を含む独立した不織布ウェブ626を提供するために回転コレクタドラム624上に付着することが可能な大繊維と小繊維との混合からなる流れ622を提供するためにフライトに融合する。図6に示す装置を、1つのダイからの大寸法繊維と別のダイからの小寸法繊維からなる流れを提供するためにいくつかのモードに作動させてよい。例えば、同一のポリマーを、ダイ600で大寸法繊維及びダイ602で小寸法繊維を形成可能にするために、ダイ600に提供される大寸法開口部及びダイ602に提供される小寸法開口部で、単一の押出成形機からダイ600及びダイ602に供給してよい。ダイ602へ、より高い流量率又はより低い粘度でポリマーを供給し、ダイ600で大寸法繊維、及びダイ602で小寸法繊維の製造を可能にするために、押出成形機606よりも大きい直径又はより高い動作温度を有する押出成形機614を用い、同一ポリマーを押出成形機606からダイ600、及び押出成形機614からダイ602に供給してもよい。ダイ600で大寸法繊維、及びダイ602で小寸法繊維を形成するために、類似寸法の開口部を、ダイ600及びダイ602において、低温で操作されるダイ600、及び高温で操作されるダイ602を用い、提供してよい。同一高分子組成であるが、異なるメルトインデックスからなるポリマーを、ダイ600で大寸法繊維、及びダイ602で小寸法繊維を形成するために、(例えば、押出成形機606にメルトインデックスの低いバージョンのポリマー及び押出成形機614にメルトインデックスの高いバージョンのポリマーを用いて)押出成形機606からダイ600へ、また押出成形機614からダイ602へ供給してよい。当業者は、その他の技法(例えば、ダイ602に流れる液化した繊維形成材料の流れにおける溶媒の含有、又はダイ600のより短い流路及びダイ602のより長い流路を有するダイ空洞の使用)及びそのような技法の組み合わせ及び上記に論じられる様々な操作モードを活用してもよいことを理解するであろう。メルトブローダイ600及び602は、大寸法繊維流618及び小寸法繊維流620が適切に混ざるように配置されることが好ましい。例えば、大寸法繊維ダイ600の出口から融合された繊維流622の中心線までの距離628は、約5cm(約2インチ)〜約25cm(約12インチ)であることが好ましく、約15cm(約6インチ)〜約20cm(約8インチ)であることがさらに好ましい。小寸法繊維ダイ602の出口から融合された繊維流622の中心線までの距離630は、約5cm(約2インチ)〜約25cm(約12インチ)であることが好ましく、約15cm(約6インチ)〜約20cm(約8インチ)又は非常に小さいマイクロファイバーよりも小さいことがさらに好ましい。距離628及び630は、同一である必要はない。また、大寸法繊維の流れ618は、小寸法繊維の流れ620に対して鋭角θ’で配置されることが好ましい。θ’は、好ましくは約0から約45度の間、より好ましくは約10から約30度の間である。大寸法繊維及び小寸法繊維のコレクタドラム624への接合点からの距離632は、一般的に少なくとも約13cm(5インチ)であるが、過剰なもつれを避け、ウェブの均一性を保持するためには、約38cm(15インチ)未満である。
【0056】
図7を参照すると、さらに別のプロセスを介してプリーツ化が可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブを製造するために用いられる溶解紡糸ダイ紡糸口金700を出口端面図に示す。紡糸口金700は、ボルト704で適所に保つ本体部材702を含む。大開口部706及び小開口部708のアレイは、液化した繊維形成材料が紡糸口金700を出て、フィラメントを形成する複数の流路を画定する。図7に示される実施形態では、大開口部706及び小開口部708は、2:1の寸法比を有し、大開口部706のそれぞれに対して9つの小開口部708がある。大開口部:小開口部のその他の寸法比は、例えば、1.5:1以上、2:1以上、2.5:1以上、3:1以上、又は3.5:1以上を用いてよい。大開口部に対する小開口部のその他の数の比は、例えば、5:1以上、6:1以上、10:1以上、12:1以上、15:1以上、20:1以上、又は30:1以上を用いてよい。通常、大開口部に対する小開口部の数と回収されたウェブにおける大寸法繊維に対する小寸法繊維(例えば、適切な操作条件下でのマイクロファイバー)の数との間の直接対応がある。当該技術分野において当業者により理解されるように、適切なポリマー流量率、ダイ動作温度及び配向条件は、小寸法繊維が小開口部から形成される配向フィラメントから製造され、大寸法繊維が大開口部から形成される配向フィラメントから製造され、完成したウェブが所望のガーレー剛性を有するように選択されるべきである。関連した溶融紡糸装置の残りの部分は、当業者には周知である。
【0057】
図8を参照すると、さらに別のプロセスを通してプリーツ化可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブの製造に用いるためのメルトブローダイ800を、取り出した第2の減衰ガス偏向器プレートと共に、出口端斜視図に示す。ダイ800は、液化した繊維形成材料がダイ800を出て、フィラメントを形成する複数の流路を画定する大開口部806及び小開口部808からなる列804を有する突き出しチップ部802を含む。穴810は、ダイの様々な部分をまとめる貫通ボルト(図8に図示せず)を受容する。図8に示される実施形態において、大開口部806及び小開口部808は、2:1の寸法比を有し、大開口部806のそれぞれに対して9つの小開口部808がある。大開口部:小開口部のその他の寸法比には、例えば、1:1以上、1.5:1以上、2:1以上、2.5:1以上、3:1以上、又は3.5:1以上を用いてよい。大開口部に対する小開口部のその他の数の比には、例えば、5:1以上、6:1以上、10:1以上、12:1以上、15:1以上、20:1以上、又は30:1以上を用いてよい。通常、大開口部に対する小開口部の数と回収されたウェブにおける大寸法繊維に対する小寸法繊維(例えば、適切な操作条件下で、マイクロファイバー)の数との間で直接対応がある。当該技術分野において当業者により理解されるように、適切なポリマー流量率、ダイ動作温度及び減衰気流速度は、小寸法繊維が小開口部から形成される減衰フィラメントから製造され、大寸法繊維が大開口部から形成される減衰フィラメントから製造され、完成したウェブが所望のガーレー剛性を有するように選択されるべきである。関連したプロセス及びそのように製造される不織布ウェブに関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願された「単成分単層メルトブロウン・ウェブ及びメルトブロー装置(MONOCOMPONENT MONOLAYER MELTBLOWN WEB AND MELTBLOWING APPARATUS)」と題する米国特許出願番号(代理人整理番号61726US003)に示され、その開示全体を参照として本明細書に援用する。
【0058】
図9を参照すると、さらに別のプロセスを介してプリーツ化可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブを製造するために用いられる溶融紡糸ダイ900を、分解概略図に示す。ダイ900は、「プレートダイ」、「シムダイ」、又は「積み重ねダイ」を意味し、流体入口904及び906のそれぞれが、液化した繊維形成材料の流れを受容する入口プレート902を含む。流れは、同一高分子組成であるが、異なる流量率又は異なる融解粘度を有する。ポリマー流は、通路910a、910b等が流れを反復して分割する一連の中間プレート908a、908b等を貫流する。従って、逐次に分割された流れは、出口プレート916中の複数(例えば、256、512又はいくつかのその他多数からなる流体入口)の流体出口開口部914を貫流する。様々なプレートは、穴918を通して、ボルト又はその他の締結具を介して固定してよい(図9に示さず)。各流体出口開口部914は、流体入口904又は906のどちらか一方で独自の流路を介して通じる。関連した溶融紡糸装置の残りの部分は、当業者に周知であり、同一高分子組成の大寸法繊維及び小寸法繊維が混ざり合った二峰性質量分率/繊維寸法混合物を有する溶融紡糸フィラメントの不織布ウェブに液化した繊維形成材料を処理するために用いてよい。
【0059】
図10及び図11を参照すると、さらに別のプロセスを通してプリーツ化可能な単成分単層二峰性質量分率/繊維寸法ウェブの製造に用いるためのメルトブローダイ1000を、出口端図に示す。ダイ1000は、第1の流量率又は第1の粘度で、ホッパー1004、押出成形機1006及び導管1008から送り出される液化した繊維形成材料で供給される。ダイ1000は、第2の異なる量率又は粘度で、ホッパー1012、押出成形機1014及び導管1016から送り出される同一高分子組成の液化した繊維形成材料で別々に供給される。導管1008及び1016はそれぞれ、ダイ空洞1018及び1020に対する外壁を形成する第1及び第2の通常対称部1022及び1024に位置する第1及び第2のダイ空洞1018及び1020を伴い流体連通にある。第1及び第2の通常対称部1026及び1028は、ダイ空洞1018及び1020に対する内壁を形成し、シーム1030で接触する。部1026及び1028は、絶縁部1032によるほとんどの全長に沿って分離されてよい図11にさらに示されるように、ダイ空洞1018及び1020はそれぞれ、開口部1042及び1044の列1040を伴い、通路1034、1036及び1038を介して流体連通にある。ダイ空洞1018及び1020への流量により、大寸法及び小寸法のフィラメントは、開口部1042及び1044を通して押し出してよく、それにより、同一高分子組成の大寸法繊維及び小寸法繊維が混ざり合った二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含む不織布ウェブの形成を可能にする。関連したメルトブロー装置の残りの部分は、当業者に周知であり、同一高分子組成の大寸法繊維及び小寸法繊維が混ざり合った二峰性質量分率/繊維寸法混合物を有するメルトブローフィラメントの不織布ウェブに液化した繊維形成材料を処理するために用いてよい。
【0060】
図11に示される実施形態において、開口部1042及び1044は、交互に配列され、それぞれは、ダイ空洞1018及び1020を伴い、流体連通にある。当業者に理解されるように、その他の開口部の配列及びその他の流体連通の比率は、不織布ウェブに代替繊維寸法分布を提供するために用いてよい。また、当業者は、その他の操作モード及び技法(例えば、上述のように、図6の装置に接続して)並びに該技法及び操作モードの組み合わせを用いてもよいことを理解するであろう。
【0061】
開示された不織布ウェブは、ランダム繊維配列及び一般に等方性面内の物理特性(例えば、引張り強度)を有してよく、又は所望により、配列した繊維構造物(例えば、上記米国特許第6,858,297号(シャー(Shah)ら)に記載されるように、縦方向に配列される繊維)及び等方性面内の物理特性を有してよい。
【0062】
様々な高分子繊維形成材料は、開示されたプロセスに用いられてよい。ポリマーは、本質的に、不織布ウェブを提供し得るいかなる熱可塑性繊維形成材料であってもよい。帯電されるウェブに対し、ポリマーは、本質的に、十分なエレクトレット特性又は電荷分離を保持し得るいかなる熱可塑性繊維形成材料であってもよい。電荷可能なウェブに対して、好ましい高分子繊維形成材料は、室温(22℃)で、1014オームセンチメートル以上の体積抵抗率を有する非導電性樹脂である。好ましくは、体積抵抗率は、約1016オームセンチメートル以上である。高分子繊維形成材料の抵抗率は、標準試験ASTM D 257−93に従い測定してもよい。また、帯電可能なウェブで用いる高分子繊維形成材料は、実質的に、有意に電気伝導度を増加するか、或いは帯電を受け入れ、保持する繊維の能力を干渉する可能性がある静電気防止剤等の構成要素を含まないことが好ましい。帯電可能なウェブに用いてよいポリマーのいくつかの例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のポリオレフィンを含む熱可塑性ポリマー及び環状オレフィンコポリマー、及び該ポリマーの混合が挙げられる。用いてよいが、帯電することが困難であったり、急速に帯電を損失する可能性のあるその他のポリマーには、ポリカーボネート、スチレンブタジエンスチレン及びスチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー等のブロックコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン等のポリエステル及び当業者に周知のその他のポリマーが挙げられる。好ましくは、ポリ−4−メチル−1ペンテン又はポリプロピレンから繊維を調製する。最も好ましくは、帯電を保持する能力があるため、繊維を、特に湿潤環境において、ポリプロピレンホモポリマーから調製する。
【0063】
帯電は、様々な方法において、開示された不織布ウェブに付与することが可能である。これを、例えば、米国特許第5,496,507号(アンガドジバンド(Angadjivand)ら)に開示のウェブと水との接触(contacting the web with water)、米国特許第4,588,537号(クラッセ(Klasse)ら)に開示のコロナ処理(corona-treating)、例えば、米国特許第5,908,598号(ルソー(Rousseau)ら)に開示のハイドロチャージ(hydrocharging)、米国特許第6,562,112(B2)号(ジョーンズ(Jones)ら)及び米国特許出願公開第2003/0134515(A1)号(デイビット(David)ら)に開示のプラズマ処理(plasma treating)、又はその組み合わせにより実施してよい。
【0064】
ウェブの濾過性能、エレクトレット帯電能力、機械的特性、劣化性、着色、表面特性、又はその他の該当する特性を強化するために、添加剤をポリマーに添加してもよい。典型的な添加剤には、充填剤、核剤(例えば、ミリケンケミカル(Milliken Chemical)から市販のミラド(MILLAD)(商標)3988ジベンジリデンソルビトール)、エレクトレット帯電増大添加剤(例えば、トリステアリルメラミン、及びチバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から市販のCHIMASSORB(商標)119及びCHIMASSORB 944等の様々な光安定剤)、硬化反応開始剤、硬化剤(例えば、ポリ(4−メチル−1−ペンテン))、界面活性剤及び表面処理(例えば、米国特許第6,398,847(B1)号(ジョーンズ(Jones)ら)、同第6,397,458(B1)号、及び同第6,409,806(B1)号に記載のオイルミスト環境で濾過性能を向上するフッ素原子処理(fluorine atom treatments to improve filtration performance in an oily mist environment))が挙げられる。このような添加剤の種類及び量は、当業者には周知であろう。例えば、エレクトレット帯電増大添加剤は、一般に、約5重量%未満、さらに一般的には、約2重量%未満の量において存在する。
【0065】
開示された不織布ウェブは、上記の米国特許第6,740,137(B2)号(クボカワ(Kubokawa)ら)及び上記の’226出願(サンデット(Sundet)ら)に記載されているような方法及び構成要素を用いて、プリーツ状フィルタに形成してよい。一般に、少なくともいくつかの繊維交点で互いに繊維を固着する(又はさらに固着する)加熱の使用により、プリーツ成形を補助するであろう。プリーツ成形は、当業者に周知のその他の方法及び構成要素を用い、実施又は増大してもよい。自己支持型フィルタ要素を提供する必要はないが、開示されたプリーツ状フィルタは、所望により、1つ以上の付加的要素又は開示された単層マトリックス以外の層を含んでもよい。例えば、フィルタ要素の選択部分を、チップの安定化を加える(例えば、ホットメルト接着剤の平面のワイヤ表面層又は線)又は周辺を強化する(例えば、端接着又はフィルタフレーム)ことにより、安定又は強化させてよい。該当する蒸気を吸着させるために濾過要素に1つ以上の追加層(例えば、吸着粒子を含む多孔質層)を含んでよい。
【0066】
プリーツ成形前に、坪量、ウェブの厚さ、固体性、EFD、ガーレー剛性、テーバー剛性、DOP透過率、NaClの初期透過率、圧力低下又は線質係数QF等のフラットウェブ特性を観測することが望ましい場合がある。プリーツ成形後、平均初期サブミクロン効率又は圧力低下等のプリーツ状ウェブ特性を観測することは、有用であり得る。
【0067】
デービス(Davies),C.N.の「空気によって運ばれてくるホコリと粒子の分離(The Separation of Airborne Dust and Particles)」、インスティテューション・オブ・メカニカル・エンジニアズ(Institution of Mechanical Engineers)(ロンドン(London))、議事録(Proceedings)1B(1952年)に記載の方法を用いて、32L/分の気流速度(5.3cm/秒の前面風速に対応)を用いて、(特に規定がない限り)EFDを確定してよい。
【0068】
ガーレー剛性を、ガーレー・プレシジョン・インストルメント(Gurley Precision Instruments)から市販のモデル4171E GURLEY(商標)剛軟度試験機(Bending Resistance Tester)を用いて、確定してよい。長方形の3.8cm×5.1cmの矩形は、ウェブ横断(クロスウェブ)方向に合わせてサンプルの長い側面での、ウェブからのダイカットである。サンプルは、ウェブ保持クランプにおいて、サンプルの長い側面を有する剛軟度試験機に装填する。サンプルは、双方の方向、即ち、第1の主要なサンプル面、及び第2の主要なサンプル面に対して押圧した試験アームで曲げられ、2つの測定値の平均がミリグラムの剛性として記録される。試験は、破壊試験として処理され、更なる測定を必要とする場合、新規のサンプルを用いる。
【0069】
テーバー剛性を、(テーバー産業(Taber Industries)から市販の)モデル150−B TABER(商標)剛性試験機を用いて、確定してよい。正方形3.8cm×3.8cmの部分を繊維融解を避けるために鋭いかみそりの刃を用い、ウェブから慎重に生体解剖を行い、3つから4つのサンプル及び15°のサンプル偏向を用い、機械及び横方向における剛性を決定するために評価した。
【0070】
透過率、圧力低下及び濾過線質係数QFは、NaCl又はDOP粒子を含むチャレンジエアゾール(challenge aerosol)を用いて確定し、85L/分の流量で(特に指示がない限り)供給され、(TSI社(TSI Inc.)から市販の)TSI(商標)モデル8130高速自動濾過試験機を用い、評価された。NaCl試験において、粒子は、2%のNaCl溶液から生成してよく、約16〜23mg/mの大気中濃度で、約0.075μmの直径を有する粒子を含むエアゾールを提供し、自動濾過試験機は、加熱機及び粒子中和器を稼動しながら操作してよい。DOP試験において、エアゾールは、約100mg/mの濃度で、約0.185μmの直径を有する粒子を含んでよく、自動濾過試験機は、加熱機及び粒子中和器を稼動させずに操作してよい。サンプルは、試験中断前に、フラットウェブサンプル(85L/分の流量に対応)に対して13.8cm/秒の前面風速で、NaCl又はDOP粒子の最大透過率にさらしてよい。フィルタを介して粒子濃度及び粒子透過率を測定するために、フィルタ入口及び出口で、較正用光度形を用いてよい。フィルタを通して圧力低下(ΔP、mmHO)を測定するために、(エムケーエス・インストルメント(MKS Instruments)から市販の)MKS圧力変換器を用いてよい。次式:
【0071】
【数1】

【0072】
は、QFを算出するために用いてよい。選択されたチャレンジエアゾールを測定又は計算することができるパラメータは、初期粒子透過率、初期圧力低下、初期線質係数QF、最大粒子透過率、最大透過率での圧力低下、最大透過率でのミリグラムの粒子荷重(最大透過率の時間までフィルタに対する総重量チャレンジ)を含む。初期線質係数QF値は、通常、全体的性能の信頼性のある指標を提供し、初期QF値が高いほど、濾過性能が良好であることを示し、初期QF値が低いほど、濾過性能が不良であることを示す。
【0073】
平均初期サブミクロン効率は、試験ダクトに構造化されたフィルタを設定し、乾燥させ、帯電中和させた塩化カリウム粒子にフィルタ処理を行うことにより、確定してよい。1.52m/秒(300フィート/分)の試験前面風速を用いてよい。光学粒子数を、一連の12の粒子寸法範囲又はチャネルに渡って試験フィルタから上流及び下流の粒子濃度を測定するために用いてよい。それぞれのチャネルの粒子寸法は、ASHRAE標準52.2(「粒子寸法により除去効率のための一般循環空気清浄デバイスの試験方法(Method of Testing General Ventilation Air-Cleaning Devices for Removal Efficiency by Particle Size)」)より採用する。次式:
【0074】
【数2】

【0075】
は、それぞれのチャネルのための捕捉効率を確定するために用いてよい。4つのサブミクロンのチャネルのそれぞれの捕捉効率(即ち、0.3〜0.4μm、0.4〜0.55μm、0.55〜0.7μm及び0.7〜1.0μmの粒子直径)を「平均初期サブミクロン効率」の単一の値を得るために平均化してよい。試験速度、効率及び圧力低下の結果は、通常、すべて報告される。
【0076】
本発明は、以下の例示的実施例にさらに図示され、すべての部分及び割合は、特に指示がない限り重量による。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
図2〜図5に示す装置を用い、ポリプロピレン溶融紡糸繊維及びポリプロピレンメルトブローマイクロファイバーから、9つのウェブを調製した。溶融紡糸繊維は、チバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から市販の0.75重量%のCHIMASSORB 944ヒンダードアミン光安定剤を添加し、メルトフローインデックス(melt flow index)70を有するトータルペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から市販のFINA(商標)3860ポリプロピレンから調製された。押出ヘッド10は、合計で512個の開口部、一列あたり32個の開口部を備える16列の開口部を有する。開口部は、6.4mm(0.25インチ)間隔で、正方形模様に配列された(開口部は、長手方向に加えて横方向に配列され、横方向及び長手方向の双方に等間隔であることを意味する)。ポリマーは、0.8g/穴/分で押出ヘッドに与えられ、ポリマーは、235℃(455°F)の温度まで加熱された。2つの急冷空気流(図2の18b;流れ18aは用いず)を、約0.47m/秒(93フィート/分)の表面速度で、7.2℃(45°F)の温度で、急冷ボックスの高さ406mm(16インチ)からの上流、及び約0.22m/秒(43フィート/分)の表面速度で、周辺室温にて、急冷ボックスの高さ197mm(7.75インチ)からの下流として供給した。米国特許第6,607,624(B2)号(ベリガン(Berrigan)ら)に示されているような移動可能な壁減衰器を採用して、0.76mm(0.030インチ)のエアーナイフ間隙(ベリガン(Berrigan)らでは30)を用い、空気は、0.1MPa(14psig)の圧力、5mm(0.20インチ)の減衰器上部間隙幅、4.7mm(0.185インチ)の減衰器底部間隙幅、及び152mm(6インチ)の減衰器の長い側面(ベリガン(Berrigan)らでは36)でエアーナイフに供給した。押出ヘッド10から減衰器16までの距離(図2の17)は、78.7cm(31インチ)であり、減衰器16から回収ベルト19までの距離(図3の524及び522)は、68.6cm(27インチ)であった。溶融紡糸繊維流は、約36cm(約14インチ)の幅で、回収ベルト19上に付着させた。回収ベルト19は、20メッシュのステンレスで作られ、約14.3m/分(47フィート/分)の速度で除去された。回収ベルト19は、20メッシュのステンレスで作られ、約14.3m/分(47フィート/分)の速度で除去された。
【0078】
メルトブロー繊維は、0.75重量%のCHIMASSORB944ヒンダードアミン光安定剤を添加し、メルトフローインデックス(melt flow index)350を有するトータルペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から市販のFINA(商標)3960ポリプロピレンから調製された。ポリマーは、下表1Aに示されるように、ダイ幅2.54cm(1インチあたり)の0.23kg/時間(0.5ポンド/時間)から0.45kg/時間(1.0ポンド/時間)の速度で、幅254mm(10インチ)のノーズチップを有し、25の1インチあたり直径0.38mm(0.015インチ)の開口部(1mmあたり1つの開口部)を有する穴あけ開口部メルトブローダイ(図2及び図3の504)に送り込まれた。ダイ温度は、325℃(617°F)であり、第1の空気流温度は、393℃(740°F)であった。第1の空気流の空気流量は、約7.1標準m/分(250scfm)であると推測された。メルトブローダイとスパンボンド繊維流1との関係を以下のように示す。下表1Aに示されるように、距離520、522、及び524は異なり、角度θは20°であった。メルトブロー繊維流を幅約30cm(約12インチ)で、回収ベルト19に付着させた。
【0079】
回収ベルト19下の真空は、1.5kPa(6inHO)〜3kPa(12inHO)であると推測された。プレート211の領域215は、開口エリアの23%を生じる交互間隔において、1.6mm(0.062インチ)の直径開口部があり、ウェブ押さえ領域216は、開口エリアの30%を生じる交互間隔において、1.6mm(0.062インチ)の直径開口部があり、加熱/固着領域217及び急冷領域218は、開口エリアの63%を生じる交互間隔において、4.0mm(0.156インチ)の直径開口部があった。空気は、導管207を通して、溝209で空気の約14.2m/分(500フィート/分)があるのに十分な速度で、3.8cm×55.9cm(1.5インチ×22インチ)で供給された。プレート208の底部は、コレクタ19上の回収されたウェブ20から1.9cm(3/4インチ)から2.54cm(1インチ)までであった。ハウジング201に加熱された空気に対して入口で測定される場合、溝209を通過する空気の温度を、各ウェブに対して表1Aに示す。
【0080】
本質的に、100%のメルトブロー繊維を溶融紡糸流内で獲得した。マイクロファイバーはウェブの全層を通して分布されることが観察された。下表1Aに示されるように、ウェブは、メルトブロー繊維の約10〜約18%を含有した。急冷エリア220を離れるウェブは、通常のプロセス及び装置で処理される十分な一体性を持ち、固着される。ウェブは、保存ロールへ通常のネジ巻きにより巻きつけることができ、プリーツ付け及びプリーツ状フィルタパネル等の濾過デバイスへのアセンブリ等の様々な作業の対象になり得る。顕微鏡検査で、溶融紡糸繊維は、繊維交点で固着することが認められ、メルトブロー繊維は、実質的に融解され、(溶融紡糸とマイクロファイバー流との混合中、少なくとも一部に現れ得る)溶融紡糸繊維に限定される固着を有することが認められた。
【0081】
その他のウェブ及び形成パラメータは、下表1Aに記載され、「QFH」及び「BMF」の略語はそれぞれ、「急冷流加熱器」及び「メルトブローマイクロファイバー」を意味する。
【0082】
【表1】

表1A
【0083】
回収されたウェブを、米国特許第5,496,507号(アンガドジバンド(Angadjivand)ら)に教示された手法に従い、脱イオン水でハイドロチャージし、周囲条件で一晩ラインに吊るすことにより乾燥させ、初期圧力低下、13.8cm/秒の前面風速(用いたサンプル寸法の8.28m/分の前面風速、及び85L/分の流量に対応)での初期DOP透過率、線質係数QF及びガーレー剛性を確定するために評価した。また、帯電したウェブを、市販のHVAC冷暖房空調設備用フィルタ、即ち、5mmのプリーツ空隙部がある、深さ50mm(2インチ)のプリーツ状フィルタ、17gsmのポリプロピレンスパンボンドカバーウェブ、40gsmの帯電されたメルトブロー濾材、90gsmのポリエステルスパンボンド剛性層を含む3層のラミネートである濾材のフラットウェブ特性と比較した。市販のプリーツ状フィルタを製造するために用いられたウェブを、プリーツ状の形状に折り畳む前に平らな状態で試験した。以下、表1Bに結果を示す。
【0084】
【表2】

表1B
【0085】
試験番号1−8のウェブは、最低の圧力低下を示した。試験番号1−1及び1−4のウェブは、やや高い圧力低下を示したが、より低い浸透率とより高い剛性を示した。増大した坪量を用いることなく、より高い剛性を得た。試験番号1−1〜1−8ウェブの特性は、わずかな最適化により、市販の3層材が市販の3層材用の150gsmの坪量よりも大幅に少ない坪量で、容易に複製することができ、得られる単層ウェブは、プリーツ化前に良好なガーレー剛性プリーツ及びプリーツ化後に良好な変形抵抗を有することを示した。
【0086】
自動濾過試験機のTSI 8130を用い、NaCl透過率に対し、試験番号1−1〜1−8のウェブを荷重試験により、更なる評価を実行した。約0.075μmの直径を有する粒子及び約16〜23mg/mの大気中濃度を2%のNaCl溶液から生成した。自動濾過試験機は、加熱機と粒子中和器を稼動させながら起動させた。いくつかのウェブを、繊維の混合又はコレクタ表面が荷重挙動に影響を及ぼすか否かを調べるために、上下の両方のウェブのコレクタ側面で試験した。サンプルは、60L/分(10cm/秒の前面風速)流量で最大透過率へ負荷し、試験を停止した。以下表1Cに結果を示す。
【0087】
【表3】

表1C
【0088】
表1Cの結果は、開示されたウェブが、最大でも6.49%のNaCl透過率を呈することを示す(フィルタウェブを試験し、フィルタ上に回収されたチャレンジの濾過効果のため、透過率が減少するとすぐに、最高値に到達するまで徐々に透過率が増加する場合)。コレクタ側を下にして試験した試験番号1−5及び1−6のウェブは、市販の3層材の値に近い初期圧力低下値を呈したが、チャレンジの機能としては、より低い初期透過率、より高い初期線質係数、より低い最大透過率、類似の圧力低下の増加を示した。市販の3層材と比較すると、試験番号1−8のウェブは、若干低い初期圧力の低下、やや高い最大透過率、より良好な荷重フィルタに対応してほぼ同等の圧力低下の増加のための最大透過率で、ほぼ3倍の質量チャレンジを呈した。コレクタ側を上にして試験した試験番号1−5及び1−6のウェブ、並びにコレクタ側を下にして試験した試験番号1−1、1−4、1−7及び1−9のウェブは、中程度の圧力低下、低い初期透過率、中程度から高い初期線質係数、及び市販の3層材よりも少ない最大透過率を呈した。表1Bと表1−Cとの比較では、試験番号1−8のウェブは、平らな媒体物理特性及び濾過性能の特に望ましい平衡性を有した。
【0089】
試験番号1−7のウェブは、走査型電子顕微鏡での分析で提示した。151のメルトブロー繊維及び28の溶融紡糸繊維を含むサンプルを用い、10μm未満の寸法のすべての繊維が、メルトブロー繊維であると仮定すると、メルトブロー繊維の寸法は、0.65μmの中央値、0.88μmの平均値、及び0.67μmの標準偏差を有し、メルトブロー繊維の最大寸法は、4.86μmであり、メルトブロー繊維の最小寸法は、0.20μmであることがわかった。溶融紡糸繊維の寸法は、15.8μmの中央値、15.7μmの平均値、1.1μmの標準偏差を有することがわかった。試験番号1−7のウェブのサブミクロン繊維は、ウェブ成形のプロセス中、本質的に100%の効率で回収され、得られる固着したウェブは、プリーツ状フィルタ成形のプロセスにおいて、通常の取り扱いに対し十分な強度及び一体性を有した。
【0090】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを、横座標に繊維寸法を示し、縦座標に質量分率(特定の寸法範囲の繊維により表される総繊維質量の割合)を示して、図12aに図示する。累積質量分率を実線で示す。小繊維モードを容易に認証するために、10μm以下の繊維寸法を有する繊維の質量分率対μm単位での繊維寸法のさらなるヒストグラムを、図12bに図示する。ウェブは、1〜2、4〜5及び14〜15μmで最頻値を呈した。メルトブロー及び溶融紡糸繊維寸法の構成要素質量百分率及びSEM測定に基づき、メルトブローマイクロファイバーの表面積は、総ウェブ表面積の約51%を示すと確認され、サブミクロン繊維の表面積は、総ウェブ表面積の約23%を示すと確認された。繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを、横座標に繊維寸法を示し、縦座標に頻度を示して、図13に図示する。
【0091】
(実施例2)
試験番号1−8の帯電したウェブを評価し、下表2Aに示すように、付加的なフラットウェブ特性を判定した。
【0092】
【表4】

表2A
【0093】
プリーツの高さ20mm、プリーツの間隔4.6mmを有するプリーツ状フィルタ要素にウェブを形成した。フィルタの両側にあるプリーツ先端に延在したワイヤスクリーンを接着させ、プリーツを安定させた。フィルタ要素の両側にあるフィルタ周辺上に折り曲げた12.7mm(0.5インチ)のフラップを有する一枚のボール紙の枠組みのあるフィルタを構成した。フィルタの開口エリアは、約188×305mm(7.4×12.0インチ)であった。1.52m/秒(300フィート/分)の前面風速で、初期圧力低下及び初期分離効率のフィルタ要素を試験した。初期圧力低下は、62.8Pa(0.252in(6.4mm)HO)であった。個々の粒径範囲の結果を下表2Bに示す。
【0094】
【表5】

表2B
【0095】
表1Cの結果は、本フィルタの平均初期サブミクロン効率が84.4%であったことを示す。
【0096】
溝209において、より低温の空気(155℃よりもむしろ147℃)を用いて調製された(試験番号1−5からの)類似のウェブサンプルを走査型電子顕微鏡を用いた分析で提示した。339のメルトブロー繊維及び51の溶融紡糸繊維を含むサンプルを用い、10μm未満の寸法のすべての繊維は、メルトブロー繊維であると仮定すれば、メルトブロー繊維の寸法は、0.95μmの中央値であり、溶融紡糸繊維の寸法は、15μmの中央値であることがわかった。本質的に、100%のメルトブロー繊維を溶融紡糸流内で獲得した。ウェブサンプルは横断し、マイクロファイバーは、ウェブの全層を通して分布することがわかった。
【0097】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを、図14aに示し、さらに10μm以下の繊維寸法を有する繊維の質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムを、図14bに示す。ウェブは、1〜2、8〜9及び16〜17μmで最頻値を呈した。また、局所的ピークは、6〜7、12〜13、14〜15及び19〜20μmで示したが、2μmより大きい(又は、19〜20μm、2μmより小さい、局所的ピークの場合)繊維寸法より大きい高さを有さず、最頻値を示さなかった。
【0098】
(実施例3)
単一の押出成形機、図8に示されるような複数の大開口部及び小開口部を有するメルトブローダイチップ、及び「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fiber)」、産業応用化学(Industrial Engineering Chemistry)、第48巻、第8号、1342〜1346頁(1956年)、及び海軍研究試験所(Naval Research Laboratory)の報告書番号111437(1954年4月15日)に記載されるような工程を用い、単成分単層メルトブロウン・ウェブを、TOTAL(商標)EOD−12ポリプロピレン、エレクトレット帯電増大添加剤として1%のトリステアリルメラミンを添加したトータルペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から市販の1200メルトフローレートポリマーから形成した。ポリマーは、クロンプトン・アンド・ノールズ社(Crompton & Knowles Corp)のデービス基準部(Davis Standard Division)から50.8mm(2インチ)の単軸押出成形機のモデル20 DAVIS STANDARD(商標)に供給した。押出成形機は、全長152cm(60インチ)、長さ/直径の比率30/1を有した。頂点10cc/revの融解ポンプは、元の0.3mm(0.012インチ)の開口部を、すべての21番目の開口部に0.8mm(0.033インチ)の穴を開けることにより変性した25.4cm(10インチ)の幅広く穴あけした開口部のメルトブローダイへのポリマーの流量を測定し、それにより、小寸法と大寸法の穴の数に比率を20:1、大穴寸法と小穴寸法の比率を2.67:1に提供する。開口部の線は、10穴/cm(25穴/インチ)の穴隙を有した。加熱した空気は、ダイチップで、繊維を減衰した。エアーナイフには、0.51mm(0.020インチ)の負の戻り及び0.76mm(0.030インチ)の空隙を用いた。ゼロから中程度の真空は、ウェブ成形の時点で、中型のメッシュコレクタスクリーンを貫通した。押出成形機からのポリマー出力率は、0.36kg/cm/時間(2.0ポンド/インチ/時間)であり、DCD(ダイからコレクタの距離)は、58.4cm(23.0インチ)及び気圧は、必要に応じて調整され、ウェブに約93gsmの坪量及び約22μmのEFDを提供された。ウェブは、米国特許第5,496,507号(アンガドジバンド(Angadjivand)ら’507)に教示された技法に従い、脱イオン水でハイドロチャージされ、乾燥させ、評価し、下表3Aに示されるフラットウェブ特性を確定した。8つのサンプルを試験し、ガーレー剛性、NaCl透過率及びDOP透過率を測定して平均化した。
【0099】
【表6】

表3A
【0100】
実施例2の方法を用い、ウェブをプリーツ状フィルタ要素に形成し、プリーツを安定させ、フィルタを一枚のボール紙の枠組みのあるフィルタに構成し、フィルタ要素を1.52m/秒(300フィート/分)の前面風速で、初期圧力低下及び初期分離効率のフィルタ要素を試験した。初期圧力低下は、61Pa(0.245in(6.2mm)HO)であった。初期粒径範囲の結果を下表3Bに示す。
【0101】
【表7】

表3B
【0102】
表3Bの結果は、本フィルタの平均初期サブミクロン効率が81.8%であったことを示す。
【0103】
(実施例4)
図6に示すような装置及びウェンテ・バンA(Wente, Van A.)、「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fiber)」、産業応用化学(Industrial and Engineering Chemistry)、第48巻、第8号、1342〜1346頁(1956年)及び海軍研究試験所(Naval Research Laboratoriy)の報告書番号111437(1954年4月15日)に記載されるような工程を用いて、単成分単層ウェブを、同一高分子組成からなる大寸法繊維及び個々に調製された小寸法繊維のメルトブローを用いて形成した。トータルペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から入手可能なメルトフローインデックス(melt flow index)350を有するTOTAL 3960を用いて、大寸法繊維を形成し、エレクトレット帯電増大添加剤として0.8%のCHIMASSORB 944ヒンダードアミン光安定剤及びポリワン社(PolyOne Corp.)から入手可能な1%のPOLYONE(商標)番号CC10054018WEの青色の色素に添加し、ウェブ内の大寸法繊維の分布を評価するために役立てた。得られた青色のポリマーブレンドをクロンプトン・アンド・ノールズ社(Crompton & Knowles Corp.)のデービス基準部(Davis Standard Division)からモデル20 Davis Standard(商標)50.8mm(2インチ)の単軸押出成形機に供給した。押出成形機は、全長152cm(60インチ)及び30/1の長さ/直径比を有した。0.8%のCHIMASSORB 944ヒンダードアミン光安定剤に添加し、エクソンモービル社(Exxon Mobil Corporation)製のメルトフローインデックス(melt flow index)1475を有するExxon PP3746ポリプロピレンを用いて小寸法繊維を形成した。後者のポリマーは、白色であり、クロンプトン・アンド・ノールズ社(Crompton & Knowles Corp.)のデービス基準部(Davis Standard Division)からKILLION(商標)19mm(0.75インチ)単軸押出成形機に供給した。ゼニスポンプ(Zenith Pump)からの10cc/revZENITH(商標)融解ポンプを用いて、それぞれのポリマーの流量を測定し、それぞれのダイ空洞に供給される交互の開口部を有する10穴/cm(25穴/インチ)の空隙部で、直径0.38mm(0.015インチ)の開口部を用いて、50.8cm(20インチ)の広い穴があいた開口部メルトブローダイにダイ空洞を分離した。加熱した空気は、ダイチップで繊維を減衰した。エアーナイフには、0.25mm(0.010インチ)の正の戻り及び0.76mm(0.030インチ)の空隙を用いた。中程度の真空は、ウェブ成形の時点で、中型のメッシュコレクタスクリーンを貫通した。押出成形機からのポリマー出力率は、0.18kg/cm/時間(1.0ポンド/インチ/時間)であり、DCD(ダイからコレクタの距離)は、57.2cm(22.5インチ)及びコレクタ速度は、必要に応じて調整され、ウェブに208gsmの坪量が提供された。必要に応じて、押出し流量、押出し温度及び加熱された空気圧を変えることにより、20μmの標的EFDを達成した。それぞれの押出成形機からのポリマー率を調整することにより、75%の大寸法繊維及び25%の小寸法繊維を有するウェブを製造した。ウェブは、米国特許第5,496,507号(アンガドジバンド(Angadjivand)ら’507)に教示された手法に従い、脱イオン水でハイドロチャージされ、乾燥させた。13.8cm/秒の前面風速で、坪量、厚さ、EFD、ガーレー剛性、初期圧力低下、NaClの初期透過率及びフラットウェブのための線質係数QFを下表4Aに設定した。
【0104】
【表8】

表4A
【0105】
実施例2の一般方法を用い(但し、11mmのプリーツ間隔を用いて)、ウェブをプリーツ状フィルタ要素に成形形成し、プリーツを安定させ、フィルタを一枚のボール紙の枠組みのあるフィルタを構成し、フィルタ要素を1.52m/秒(300フィート/分)の前面風速で、初期圧力低下及び初期分離効率のフィルタ要素を試験した。初期圧力低下は、207Pa(0.831in(21.1mm)HO)であると推測された。個別の粒径範囲の結果を下表4Bに示す。
【0106】
【表9】

表4B
【0107】
表4Bの結果は、本フィルタの平均初期サブミクロン効率が96.2%であったことを示す。
【0108】
(実施例5)
米国特許第6,319,865(B1)号(ミカミ(Mikami))の比較例3の方法を用いて、大寸法及び小寸法開口部の列を提供するためにチップを修正した25.4cm(10インチ)の広く穴あけした開口部ダイを用いてウェブを調製した。大開口部は、0.6mmの直径(Da)であり、小開口部は、0.4mmの直径(Db)であり、開口部の直径比R(Da/Db)は、1.5であり、大開口部のそれぞれの組の間に5つの小開口部があり、開口部を11.8開口部/cm(30開口部/インチ)で間隔をあけた。直径50mmのネジを有する単軸押出成形機及び10ccの融解ポンプを、ダイに100%のTOTAL 3868ポリプロピレンを供給するために用いた。また、ダイは、0.20mmの空気のスリット幅、60°のノズル端角、0.58mmの空気リップ開口部を有した。1〜50m/分で移動する細目スクリーンは、繊維を回収するために用いた。その他の操作パラメータを下表5Aに示す。
【0109】
【表10】

表5A
【0110】
上記の操作パラメータを用いて、ショットのないウェブは得られなかった。ショットのないウェブを形成する場合、観察された有効繊維直径値は、上記に報告された9.4μm未満であり得る。しかし、ショットを含有するウェブは、コレクタ速度を変えることにより、4つの異なる坪量、即ち、60、100、150及び200gsmで、調製される。
【0111】
図15は、200gsmのウェブに対する質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムである。ウェブは、2及び7μmで最頻値を呈した。また、局所的なピークは、4及び10μmで示した。4μmのピークは、2μm小さい及び2μm大きい繊維寸法より高い高度はなく、最頻値を示さなかった。10μmのピークは、2μm小さい繊維寸法より高い高度はなく、最頻値を示さなかった。図15に示されるように、ウェブは、10μmを超える大寸法繊維の最頻値を有さなかった。
【0112】
ショットは、より高いメルトフローインデックスポリマーを用い、DCD値を増加させることにより、削減できることが確定した。トータルペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から市販の100%のTOTAL 3860X 100メルトフローレートポリプロピレン及び下表5Bに示される操作パラメータを用いて、実質的に削減されたショットを有するウェブを、コレクタ速度を変更することにより、60、100、150及び200gsmで形成した。得られるウェブは、表5Aの操作パラメータを用いて、製造されたウェブの場合よりも、10μmを超える直径を有するかなり多くの繊維を有した。
【0113】
【表11】

表5B
【0114】
図16は、200gsmのウェブに対する質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムである。ウェブは、4、10、17及び22μmで最頻値を呈した。また、局所的で、最頻値でないピークは、8及び13μmを示した。図17は、同一の200gsmのウェブに対する繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムである。
【0115】
また、ミカミ(Mikami)らのダイよりも大開口部あたりの小開口部の数が多いダイを用いて、ショットを削減することができることを確定した。また、最小のショットを有するウェブを、TOTAL 3868及びTOTAL 3860Xポリマーの両方及び異なる25.4cm(10インチ)幅で穴をあけた開口部ダイを用いて、60、100、150及び200gsmで製造した。後者のダイのためのダイチップは、ミカミ(Mikami)らに開示されたものよりも大開口部間の小開口部の数を多く提供するために修正された。大開口部は、0.63mmの直径(Da)を有し、小開口部は、0.3mmの直径(Db)を有し、開口部の直径比R(Da/Db)は2.1であり、大開口部のそれぞれの組の間に9つの小開口部があり、開口部を9.8開口部/cm(25開口部/インチ)で間隔をあけた。直径50mmのネジを有する単軸押出成形機及び10ccの融解ポンプを、ダイに1ポリマーを供給するために用いた。また、ダイは、0.76mmの空気のスリット幅、60°のノズル端角、0.86mmの空気リップ開口部を有した。1〜50m/分で移動する細目スクリーン及び下表5Cに示される操作パラメータを、60、100、150及び200gsmでウェブを回収するために用いた。
【0116】
【表12】

表5C
【0117】
図18は、200gsmの100MFRウェブに対する質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムである。ウェブは、15、30及び40μmで最頻値を呈した。図19は、同一の200gsmのウェブに対する繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムである。
【0118】
本発明の多数の実施形態を記載してきた。本発明から逸脱することなく、様々な修正を実施できることは理解されよう。従って、その他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリーツ状フィルタの作製プロセスであって、
a)同一高分子組成の、大寸法及び小寸法が混ざり合った連続単成分高分子繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含む、単成分単層不織布ウェブを形成する工程であって、該ウェブが少なくとも100mgのガーレー剛性を有する工程と、
b)前記不織布ウェブにプリーツの列を形成する工程と、
c)前記プリーツ状ウェブを所望の寸法及び形状に切断し、少なくともいくつかの繊維交点で互いに固着される繊維の多孔質単成分単層マトリックスを含み、前面風速1.52m/秒で少なくとも15%の平均初期サブミクロン効率を有する自己支持型プリーツ状フィルタ要素を形成する工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
μm単位の質量分率対繊維寸法のヒストグラムが、約10〜約50μmの大寸法繊維の最頻値を呈する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、約10〜約40μmの大寸法繊維の最頻値を呈する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、約1〜約5μmの小寸法繊維の最頻値と、約12〜約30μmの大寸法繊維の最頻値とを呈する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムは、対応する繊維寸法が前記小繊維寸法の少なくとも50%異なる、少なくとも2つの最頻値を呈する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記大寸法繊維は、約10〜約60μmの寸法を有し、前記小寸法繊維は、約0.5〜約20μmの寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記大寸法繊維は、約20〜約50μmの寸法を有し、前記小寸法繊維は、約0.5〜約10μmの寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
大寸法繊維あたりの小寸法繊維の数の比率が、6:1以上である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記小寸法繊維が、前記ウェブの繊維表面積の少なくとも20%を提供する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記小寸法繊維が、前記ウェブの繊維表面積の少なくとも40%を提供する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記ウェブが、約8〜約40μmの有効繊維直径(Effective Fiber Diameter)を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ウェブが、約65〜約250gsmの坪量を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ウェブが、少なくとも約200mgのガーレー剛性を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記ウェブが、少なくとも約300mgのガーレー剛性を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記大及び小寸法繊維を溶融紡糸する工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記大寸法繊維を溶融紡糸する工程と、前記小寸法繊維をメルトブローする工程とを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記大及び小寸法繊維をメルトブローする工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記ポリマーは、ポリプロピレンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プリーツ状フィルタ要素は、少なくとも約25%の平均初期サブミクロン効率を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
前記プリーツ状フィルタ要素は、少なくとも約50%の平均初期サブミクロン効率を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
前記ウェブをカレンダリングする工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ウェブを充電させる工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ウェブをハイドロチャージする工程をさらに含む、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
プリーツ状フィルタであって、同一高分子組成の、大寸法及び小寸法が混ざり合った連続単成分高分子繊維の二峰性質量分率/繊維寸法混合物を含有する、自己支持型多孔質単成分単層マトリックスを含み、前記繊維は少なくともいくつかの繊維交点で互いに固着され、前記マトリックスは、襞状又は波形のプリーツの列を形成し、前面風速1.52m/秒で少なくとも15%の平均初期サブミクロン効率を有する、プリーツ状フィルタ。
【請求項25】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、約10〜約50μmの大寸法繊維の最頻値を呈する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項26】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、約10〜約40μmの大寸法繊維の最頻値を呈する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項27】
質量分率対μm単位での繊維寸法のヒストグラムが、約1〜約5μmの小寸法繊維の最頻値と、約12〜約30μmの大寸法繊維の最頻値とを呈する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項28】
繊維数(頻度)対μm単位での繊維寸法のヒストグラムは、対応する繊維寸法が、前記小繊維寸法の少なくとも50%異なる、少なくとも2つの最頻値を呈する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項29】
前記大寸法繊維が、約10〜約60μmの寸法を有し、前記小寸法繊維が、約0.5〜約20μmの寸法を有する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項30】
前記大寸法繊維が、約20〜約50μmの寸法を有し、前記小寸法繊維が、約0.5〜約10μmの寸法を有する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項31】
大寸法繊維あたりの小寸法繊維の数の比率が、6:1以上である、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項32】
前記小寸法繊維が、前記マトリックスの繊維表面積の少なくとも20%を提供する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項33】
前記小寸法繊維が、前記マトリックスの繊維表面積の少なくとも40%を提供する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項34】
前記マトリックスが、約65〜約250gsmの坪量を有する、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項35】
前記大及び小寸法繊維が、溶融紡糸される、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項36】
前記大寸法繊維が溶融紡糸され、前記小寸法繊維がメルトブローされる、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項37】
前記大及び小寸法繊維が、メルトブローされる、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。
【請求項38】
前記ポリマーは、ポリプロピレンである、請求項24に記載のプリーツ状フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2009−545440(P2009−545440A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522933(P2009−522933)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/073885
【国際公開番号】WO2008/016790
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】