二次イオン質量分析の固形試料保持方法

【課題】固形試料を容易に固形試料保持体に固定することができる二次イオン質量分析の固形試料保持方法を提供する。
【解決手段】本発明は、脆い固形試料を二次イオン質量分析装置で再現性よく正確に測定するために、固形試料を容易に固形試料保持体に固定することができる二次イオン質量分析の固形試料保持方法を提供するものである。本発明の二次イオン質量分析の固形試料保持方法は、上面に交互に並んだ凸部及び凹部を複数有しかつ可塑性を有する金属塊の複数の前記凸部の上に配置した固形試料に、前記固形試料の上に配置した板を介して上から力を加えることにより、前記金属塊を塑性変形させ、前記固形試料の上面と前記金属塊の上面とを同じ高さにし、かつ前記固形試料を前記金属塊に固定する工程を備え、前記固形試料の底面と接触した前記金属塊及びその下部の前記金属塊が前記凹部に向かって塑性変形することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次イオン質量分析の固形試料保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの不純物元素の原子濃度や分布を分析するために二次イオン質量分析装置(SIMS : Secondary Ion Mass Spectrometer)(以下、SIMSともいう)が一般的に用いられる。
【0003】
まず、図3を用いてSIMSで使用されるサンプルホルダーについて説明する。図3(a)は、サンプルホルダー6の構造を示す概略斜視図であり、図3(b)は、図3(a)中のX−Yの概略断面図である。サンプルホルダー6は、ステンレス製の筐体の上面に9個の窓部7を備える。この窓部7の大きさは、例えば5×5mm程度である。この窓部7に試料9としてイオンビーム調整用試料、原子濃度決定用の標準試料および検体となる固形試料を装着する。サンプルホルダー6には窓部の数、つまり9個の試料9が装着可能である。また固形試料の大きさや使用目的に合わせて、9個以下または9個以上の窓部7を備えるサンプルホルダーも存在する。
【0004】
図3(b)に示すように窓部7には内側から試料9を装着する。試料9は、窓部7より少し大きめである必要がある。また、試料9の測定面を上にして窓部7から試料測定面が見えるように装着する。試料9は下に落ちないようにバネ10とカバー11を用いて固定する。カバー11は、サンプルホルダー6の側面のネジ8で固定する。このことにより試料9、バネ10、カバー11が下に落ちないように固定することができる。
試料9の上面が平面である場合、試料9はバネ10によりサンプルホルダーの窓部7の内側に押し付けてあるため各試料の測定面の高さは同じになる。
【0005】
次に二次イオン質量分析方法について説明する。サンプルホルダー6に固定された試料9をSIMSの試料導入室に入れ、試料導入室を真空状態にし、その後、サンプルホルダー6を、超高真空に保たれた主室の試料ステージに搬入する。次にサンプルホルダー6に装着したイオンビーム調整用試料を用いて一次イオン系及び二次イオン光学系の調整を行う。イオンビーム調整用試料で調整が終わったら、標準試料や固形試料を測定する。各試料ごとに一次イオンビームが照射されるように試料ステージを移動させ、一次イオンを試料表面に照射し、試料9から発生した二次イオンが、二次イオン光学系を経由して質量分離されイオン計数管で二次イオンの数が計数される。試料9表面は一次イオンのスパッタエッチによって掘り進められるため、質量分析を連続的に行うことで原子濃度の深さ方向分布を得ることが出来る。
【0006】
固形試料が板状の形状を有し、サンプルホルダー6の窓部より少し大きめの場合、固形試料がサンプルホルダー6の窓部にバネ10により押し付けてあるため、サンプルホルダー6に装着したイオンビーム調整用試料、標準試料および検体となる固形試料の測定する面の高さは、同じになる。このため、各試料から発生する二次イオンは、同じ軌道でイオン計数管に達することになる。従って、各試料9の測定ごとに二次イオン光学系の調整を行うことは不要である。もし各試料9の高さが異なるとイオンの軌道が変わるため再現性の良い正確な測定ができない。
【0007】
最近は、例えば、不良解析のため半導体デバイスのチップ現物、ウェハから切り出した大きさが数百ミクロン程度の小片などの様々な形状や大きさの固形試料をSIMSで測定することが求められている。このような固形試料を測定するには、固形試料をサンプルホルダー6に装着できる固形試料保持体に固定し、SIMSで測定する方法がある。なお、この方法では、固形試料の上面と固形試料保持体の上面が同じ高さである必要がある。このような固形試料保持体の条件として、(1)測定を超高真空中で行うため脱ガスが少ないこと、(2)測定中にチャージアップしないために導電性のものであること、(3)再現性の良い正確な測定を行うためにサンプルホルダーにセットしたときにイオンビーム調整用試料、標準試料および固形試料が同じ高さになることが必要である。
【0008】
このような固形試料保持体として、例えば特許文献1では固形試料をネジで挟み込んで固定する固形試料保持体が開示されている。しかし、この方法では数ミリ程度の大きさの固形試料であれば固定可能であるが、数百ミクロンの大きさの固形試料を挟み込むことは難しい。また、特許文献2では低融点金属と冷却機能を備えた固形試料保持体を用いる固形試料の固定方法が開示されている。しかしこの方法では、固形試料保持体が大きくなり、また、機構が複雑になる。また、他には固形試料保持体である比較的柔らかい金属塊に固形試料を埋め込むことにより固定する方法がある。この方法は、様々な形状や様々な大きさの固形試料を固定することができ、有効な固形試料を固定する保持方法である。
【特許文献1】特開昭62−83637号公報
【特許文献2】特開平11−160256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、二次イオン質量分析を行うために固形試料を固形試料保持体である前記金属塊に埋め込むためには、前記金属塊を塑性変形させる必要があり、このため、ある程度強い力で固形試料を押し込むことが必要である。従って、脆い固形試料を前記金属塊に押し込むと、固形試料に大きな圧力がかかり固形試料が壊れる問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、脆い固形試料を二次イオン質量分析装置で再現性よく正確に測定するために、固形試料を容易に固形試料保持体に固定することができる二次イオン質量分析の固形試料保持方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明の二次イオン質量分析の固形試料保持方法は、上面に交互に並んだ凸部及び凹部を複数有しかつ可塑性を有する金属塊の複数の前記凸部の上に配置した固形試料に、前記固形試料の上に配置した板を介して上から力を加えることにより、前記金属塊を塑性変形させ、前記固形試料の上面と前記金属塊の上面とを同じ高さにし、かつ前記固形試料を前記金属塊に固定する工程を備え、前記固形試料の底面と接触した前記金属塊及びその下部の前記金属塊が前記凹部に向かって塑性変形することを特徴とする。
【0011】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、上記金属塊の上面に凸部及び凹部を形成することにより、固形試料にかかる圧力をより小さくして固形試料を上記金属塊に押し込み固定することができることを見出し、本発明の完成に至った。以下にこのことを説明する。
【0012】
まず、比較例として上面に凸部及び凹部を有さない金属塊に固形試料を固定する場合について説明する。図4(a)〜(f)は、比較例の上面に凸部及び凹部を有さない金属塊1に固形試料2を固定するときの変化を示す概略斜視図または概略断面図である。まず、図4(a)、図4(b)のように固形試料2を金属塊1の上に置き、図4(c)のように板3の上から力を加えると、固形試料2の底面は、金属塊1に圧力を加え金属塊1を塑性変形させる。固形試料1の底面と接触した金属塊1及びその下部の金属塊1は、この圧力により横方向などに塑性変形する。しかし、この変形方向にも金属塊1が存在するため、この変形方向に存在する金属塊1は、上方向や斜め上方向などに塑性変形する。板3に力を加え続けると、このような金属塊1の塑性変形が起こり、最終的には図4(f)のようになる。このとき、固形試料2の底面には、底面全体と接触した金属塊1及びその下部の金属塊1を横方向などに塑性変形させる力と、この変形方向に存在する金属塊1を塑性変形させる力の両方から生じる圧力がかかる。
【0013】
次に、本発明である上面に交互に並んだ凸部及び凹部を複数有する金属塊1に固形試料2を固定する場合について説明する。図1(a)〜(h)は、本発明の一実施形態の上面に交互に並んだ凸部4及び凹部5を複数有する金属塊1に固形試料2を固定するときの変化を示す概略斜視図または概略断面図である。まず、図1(a)、図1(b)のように固形試料2を金属塊1の上に置き、図1(c)のように板3の上から力を加えると、固形試料2の底面は、この底面と接触した凸部4の金属塊1及びその下部の金属塊1に圧力を加え金属塊1を塑性変形させる。この塑性変形する金属塊1は、図1(d)のように横方向または斜め下方向などに塑性変形する。この横方向または斜め下方向などは、凹部5であるため、金属塊は存在しない。板3に力を加え続けると、このような金属塊1の塑性変形が起こり、最終的には図1(h)のようになる。このとき、固形試料2の底面には、固形試料2の底面と接触した金属塊1とその下部の金属塊1を凹部へ5と塑性変形させる力から生じる圧力がかかる。
【0014】
以上のことから、比較例の場合、固形試料2の底面には、底面全体と接触した金属塊1及びその下部の金属塊1を横方向などに塑性変形させる力と、この変形方向に存在する金属塊1を塑性変形させる力の両方から生じる圧力がかかる。これに対し、本発明の場合、固形試料2の底面には、固形試料2の底面と接触した金属塊1とその下部の金属塊1を凹部5へと塑性変形させる力から生じる圧力しかかからない。つまり、本発明によると、比較例に比べ、固形試料2にかかる圧力をより小さくして、固形試料2を固定することができる。従って、固形試料2が脆いものであっても、固形試料保持体である金属塊1に凸部及び凹部をつけることにより固形試料2にかかる圧力を小さくすることができる。その結果、本発明により脆い固形試料2を壊すことなく固定することができ、二次イオン質量分析を行うことができる。また、本発明により、たとえば、微小チップなどの小さな試料を確実に容易に固定することができ、二次イオン質量分析を行うことができる。
また、本発明により、分析時に複数の測定試料の高さが同一となるように固形試料2を固定することができるため、再現性のよい正確な二次イオン質量分析を行うことができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。
【0015】
前記金属塊は、インジウムであってもよい。
前記固形試料は、扁平な固形物であってもよい。
前記凸部は、同じ高さであってもよい。
前記凸部は、一定の間隔で並んでもよい。
前記凹部は、前記固形試料の厚さの1〜10倍の深さを有してもよい。
前記固形試料は、200μm2以上5mm2以下の大きさを有し、かつ50μm以上1000μm以下の厚さを有してもよい。
ここで示した種々の実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0017】
1.本発明の方法の各構成要素
1−1.金属塊
金属塊1は、上面に交互に並んだ凸部4及び凹部5を複数有しかつ可塑性を有する。
金属塊1が上面に有する凸部4とは、金属塊が突出した部分である。また、金属塊1が上面に有する凹5部とは、凸部4と凸部4との間又は凸部4と金属塊の端部との間の金属塊が存在しない部分である。
金属塊1の材料は、可塑性を有すれば、特に限定されないが、たとえばインジウムである。インジウムは、室温でも比較的軟らかく加工が容易である、また、超高真空に導入しても脱ガスが少ないので固形試料2を固定する材料として好ましい。
なお、金属塊1は、固形試料2を埋め込むことができるだけの可塑性を有し、サンプルホルダー6に装着後は塑性変形しない材料であることが好ましい。
金属塊1の大きさは、固形試料2を埋め込み固定することができ、SIMSのサンプルホルダー6に装着することができる大きさであれば、特に限定されない。たとえば、金属塊1の厚さは、固形試料2の厚さよりも厚い厚さとすることができる。また、金属塊1の上面の広さは、固形試料2の埋め込み後にSIMSのサンプルホルダー6の窓部7の広さより少し大きい広さとすることができる。
金属塊1の上面の複数の交互に並んだ凸部4及び凹部5は、複数の凸部4の上に固形試料2を配置することができれば特に限定されない。
図2(a)及び(b)は、本発明の一実施形態の金属塊1の概略斜視図である。金属塊1は、たとえば、図2(a)のように凸部4と凹部5とが平行に形成した形状を有することができ、また、たとえば図2(b)のように凸部4の周りに凹部5を形成した形状を有することもできる。
【0018】
また、凸部4は、同じ高さであってもよい。凸部4が同じ高さであることにより、固形試料2を金属塊1の上に水平に配置することができる。この固形試料2を板3により押し込むことにより、固形試料2の上面と金属塊1の上面とを同じ高さにすることができる。
また、凸部4は、一定の間隔で並んでもよい。このことにより、固形試料2を金属塊1の上面のいずれの箇所にも配置することができる。
また、金属塊1が有する凹部5の深さは、固形試料2の厚さの1〜10倍(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10倍の何れか2つの間の範囲)の深さであってもよい。
また、固形試料2が配置される金属塊1の凸部4は、2〜20箇所(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18及び20箇所の何れか2つの間の範囲)であってもよい。
なお、固形試料2を金属塊1に埋め込むときに凸部4の金属塊1が凹部5の方向に塑性変形するため、凹部4は、凸部4の金属塊が凹部5に向けて塑性変形できるだけの深さや広さを有することが好ましい。
【0019】
1−2.固形試料
固形試料2は、SIMSで測定できる固形試料2であれば特に限定されない。
固形試料2は、例えば、半導体デバイスのチップであり、また、ウェハから切り出した小片である。
固形試料2の大きさは、特に限定されないが、例えば、200μm2以上5mm2以下の大きさであり、固形試料2の厚さは、50μm以上1000μm以下の厚さである。固形試料2の大きさが5mm2以上であれば、金属塊1に埋め込むことなくサンプルホルダー6に固定することができるためである。また、200μm2以下であると、ピンセットで固形試料2を取り扱うことが難しい場合がある。
【0020】
1−3.板
板3は、金属塊1の上に配置した固形試料2を金属塊1に押し込むことができれば、特に限定されないが、たとえば、硬い平面を持つガラス板、金属板、プラスチック板及びセラミックス板などである。
板3の広さは、固形試料2の上面と金属塊1の上面とを同じ高さにすることができれば、特に限定されないが、たとえば、金属塊1の上面の広さよりも広い広さである。
【0021】
2.本発明の一実施形態の固形試料の保持方法
2−1.凸部および凹部の形成工程
まず、金属塊1の上面に、例えば図2(a)及び図2(b)のような複数の交互に並んだ凸部4および凹部5を形成することができる。凸部4および凹部5の形成方法は、特に限定されないが、たとえば、板状の金属塊1を形成後、凸部および凹部を有する金型に押し付けることにより凸部4および凹部5を形成することができる。
【0022】
2−2.金属塊への固形試料の固定工程
まず、固形試料2を上面に複数の交互に並んだ凸部4および凹部5を有する金属塊1の複数の凸部4の上に配置する。例えば図1(a)及び図1(b)のように固形試料2を金属塊1の上面の複数の凸部4の上に配置することができる。
次に、例えば図1(c)のように板3を固形試料2の上面に置き、板3に上から力を加える。このことにより、固形試料2の底面が金属塊1を押し込み、金属塊1を塑性変形させる。そして、図1(h)のように固形試料2の上面と金属塊1の上面が同じ高さになるまで押し込む。このことにより、固形試料2を金属塊1に固定することができる。
【0023】
固形試料2の底面が金属塊1を塑性変形させることについて説明する。固形試料2は、固形試料2の底面と金属塊1との接触部及びこの下部の凸部4の金属塊1を横方向又は斜め下方向などに塑性変形させる。この塑性変形する方向は凹部5であるため、金属塊1が存在しない。従って、固形試料2の底面には、底面と金属塊1との接触部及びその下部の凸部の金属塊1を塑性変形させる力から生じる圧力のみがかかる。それに対して、金属塊1の上面が凸部4および凹部5を有さない場合、固形試料1の底面には、底面と金属塊1との接触部及びその下部の金属塊1を塑性変形させる力とその塑性変形方向に存在する金属塊1を塑性変形させる力の両方から生じる圧力がかかる。
従って、凸部4及び凹部5を有さない金属塊1に固形試料2を埋め込む場合に比べ、複数の交互に並んだ凸部4および凹部5を有する金属塊1に固形試料2を埋め込むほうが、固形試料2にかかる圧力をより小さくすることができる。
【0024】
2−3.サンプルホルダーへの装着工程
試料9として、固形試料2を固定した金属塊1をサンプルホルダー6に装着する。具体的には、試料9として、固形試料2を固定した金属塊1をサンプルホルダー6の内側からサンプルホルダー6の窓部7に装着し、試料9が落ちないようにバネ10とカバー11で試料9を固定する。固形試料2の上面は、金属塊1の上面と同じ高さである。また、固形試料2を固定した金属塊1は、サンプルホルダー6の窓部7にバネ10により押し付けられているため、固形試料2の上面の高さと、イオンビーム調整用試料など他にサンプルホルダー6に装着したすべての試料9の測定部の高さは、同じとなる。各試料9の高さを同一にすることにより、二次イオン質量分析において再現性および精度よく測定することができる。
【0025】
3.実施例
3−1.凸部および凹部の形成工程
まず、金属塊1であるインジウムを必要分取り分けた後、平らなガラス板で挟んで上から手で押さえつけることにより、縦、横が4〜5mm、厚みが1.5〜2mmのインジウムの板を作製した。
次に予め表面に凸部及び凹部を形成した金型に作製したインジウムの板を押し付けて、インジウムの板に凸部4及び凹部5を転写した。なお、形成した凸部4及び凹部5は、図2(a)のように凸部4と凹部5とが平行した形状とし、凸部4の高さ及び凹部5の深さがすべて同一とした。また、隣り合う凸部4の間の長さは1mmとし、凹部5の深さは1mmとした。
【0026】
3−2.金属塊への固形試料の固定工程
まず、大きさが2mm角で厚さが500μmの固形試料2を、凸部4及び凹部5を形成したインジウム板の上に配置した。その後、板3であるガラス板を固形試料2の上に置き、板3の上から手で力を加えた。固形試料2の上面とインジウム板の上面とが同じ高さになるまで力を加え、固形試料2をインジウム板に埋め込み固定した。この固形試料2を固定したインジウム板の大きさは、5mm角より少し大きい大きさであった。
【0027】
3−3.サンプルホルダーへの装着工程
固形試料2を固定したインジウム板を窓部7が5mm角のサンプルホルダー6の内側から固形試料2の測定面が窓部7から見えるように装着した。その後、バネ10とカバー11を用いて固形試料2を固定したインジウム板を固定した。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)〜(h)は、本発明の一実施形態の複数の交互に並んだ凸部および凹部を有する金属塊に固形試料を固定するときの変化を示す概略斜視図または概略断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態の複数の交互に並んだ凸部および凹部を有する金属塊である。
【図3】(a)は、SIMSのサンプルホルダーの構造を示す概略斜視図であり、(b)は、(a)中のX−Yの概略断面図である。
【図4】(a)〜(f)は、比較例の凸部及び凹部を有さない金属塊に固形試料を固定するときの変化を示す概略斜視図または概略断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1:金属塊 2:固形試料 3:板 4:凸部 5:凹部 6:サンプルホルダー 7:窓部 8:ねじ 9:試料 10:ばね 11:カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に交互に並んだ凸部及び凹部を複数有しかつ可塑性を有する金属塊の複数の前記凸部の上に配置した固形試料に、前記固形試料の上に配置した板を介して上から力を加えることにより、前記金属塊を塑性変形させ、前記固形試料の上面と前記金属塊の上面とを同じ高さにし、かつ前記固形試料を前記金属塊に固定する工程を備え、
前記固形試料の底面と接触した前記金属塊及びその下部の前記金属塊が前記凹部に向かって塑性変形することを特徴とする二次イオン質量分析の固形試料保持方法。
【請求項2】
前記金属塊は、インジウムである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固形試料は、扁平な固形物である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記凸部は、同じ高さである請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記凸部は、一定の間隔で並ぶ請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記凹部は、前記固形試料の厚さの1〜10倍の深さを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記固形試料は、200μm2以上5mm2以下の大きさを有し、かつ50μm以上1000μm以下の厚さを有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−54433(P2010−54433A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221604(P2008−221604)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】