説明

二次元コード生成装置により生成される二次元コード

【課題】QRコード(登録商標)復号器で読み取れる自由度の高い二次元コードを作成する二次元コード生成装置を提供する。
【解決手段】二次元コード生成装置は、情報ブロックから情報ビットを除いた埋め草ビットの範囲を多く設定するようにして二次元コードを生成する。このため、符号化する情報に情報ビットの終端情報を付加して、それに続けて冗長な情報ビットを付加する。そのためのそれぞれの処理装置を備える。これより、これまで情報として意味を持たなかった埋め草ビットに対して、復号器が出力する情報に影響しない、新たな情報が付加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コード復号器で読み取れる自由度の高い二次元コードを作成することができる二次元コード生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
QRコード(登録商標)と呼ばれる二次元コード(JIS X 0510参照)は、暗モジュール・明モジュールと呼ばれる黒と白の正方形を半々の割合で表されるため、視覚的に自由なデザインが困難であった。
【0003】
QRコードの誤り訂正技術を利用し、誤り訂正可能な範囲を書き換えることによるデザインビジネス(株式会社IT DeSignの「デザインQR」:http://d-qr.net/)が展開されているが、ここで使われている技術は、誤り訂正に用いるパリティブロックと呼ばれる情報に着目した方法である。しかし、この方法では、符号の誤り訂正能力に依存した技術であったため、二次元コード中の数パーセントしか自由度を持たない。
【0004】
二次元コードの代表として普及しているQRコードは、1994年にデンソーの開発部門(現在は株式会社デンソーウェーブ)が開発したマトリックス型二次元コードの一種である。白と黒の格子状のパターンで情報を表すものとなっている。QRコードという名称(および単語)はデンソーウェーブ株式会社の登録商標となっており、QRは「Quick Response」に由来し、高速読み取りができるように開発されたもので、日本では最も普及している二次元コードである。
【0005】
バーコードは横方向にしか情報を持たないのに対し、QRコードは縦横に情報を持つ。そのため、格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字のデータも格納できる。また、推奨はされていないが、濃淡の判別が可能な色あいであれば、色も付けた状態でも読み込むことが可能である。
【0006】
QRコードには、最初に作られたモデル1と、大型化に対応したモデル2がある。大きさはバージョン1の21×21セルからバージョン40の177×177セルまで、4セル刻みで決められている。3隅の四角い切り出しシンボル(位置検出パターン、ファインダパターン)が特徴的である。加えて、7列目と7行目などのタイミングパターン、随所に入れられた小さい四角のアラインメントパターン(モデル2のみ)が固定で、それ以外の部分に符号が記録される。
【0007】
また、明暗の濃度を利用し、QRコードは変化させず、視覚的な効果を与えるデザインビジネス(http://e-ginga.net/ 銀河通信株式会社)も展開されているが、ここで用いられている技術による方法では、QRコード独自の黒と白のバランスやモジュールの位置に変化を加えられない。
【0008】
従来のQRコードはいずれも白黒のドットがランダムに配置されたような「点の羅列」でしかなかったが、デザインQRにおいては、コードの模様に好きなイラストを指定して描くことができる。デザインQRは人間の目に指定のイラストが浮かび上がるように最小限の箇所が書き換えられている仕掛けであり、デザインQRに記録される情報は従来のQRコードを使用した場合と全く同様となる。そのため、機能面においては従来のQRコードと完全な互換性を保っており、従来の読取装置で読み取ってもエラーにはならないような配慮がなされている。
【0009】
また、このような技術に関係する特許文献としては、特許文献1、特許文献2などが参照される。
【特許文献1】特開2006−309287号公報
【特許文献2】特開2004−070960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の二次元コード、特に、QRコードでは、生成される二次元コードが視覚的にはランダムな明暗とみえるように構成されていた。そのため、二次元コードの一部もしくは全部を、ランダムな明暗ではなく、特定のロゴや文字列となるようなパターンとすることを希望しても、そのようなデザインとすることはできなかった。
【0011】
従来の技術では、二次元コードで設定された誤り訂正法を利用し、明暗のドットを操作していたため、例えば、埋め草ビットのパターンを利用して、二次元コードの一部もしくは全部を、ランダムな明暗のドットではなく、特定のロゴや文字列となるようなパターンとすると、誤り訂正品質に劣化が生じる。
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、誤り訂正の品質を落とすことなく、自由な明暗のドットパターンを設計できる二次元コードを生成することができる二次元コード生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するために、本発明による二次元コード生成装置の基本的な構成では、情報ブロックから情報ビットを除いた埋め草ビットの範囲を多く設定するようにして二次元コードを生成する。このため、符号化する情報に情報ビットの終端情報を付加して、冗長な情報ビットを付加する。リードソロモン符号の最大距離分離性により、付加する冗長な情報ビット位置は、終端情報以降であれば任意に指定できる。そのためのそれぞれの処理を実行する処理装置により二次元コード生成装置を構成する。これより、これまで情報として意味を持たなかった埋め草ビットに対して、復号器が出力する情報に影響しない、新たな情報が付加される二次元コードを生成できる二次元コード生成装置が提供される。
【0014】
ここで、例えば、ロゴマークのデザインとして利用することができる埋め草ビットから成る情報をデザインブロックと呼ぶことにすると、真の情報ビットとデザインブロックとの全体に対し誤り訂正用のパリティブロックを付与する処理を実行する。埋め草ビットの範囲を多く設定するためには、例えば、二次元コードの情報サイズを予め大きく作成する。これにより、誤り訂正品質を劣化させることなく、二次元コードの一部の明暗を自由にデザインすることが可能となる二次元コードを生成することができる。
【0015】
具体的には、本発明による二次元コード生成装置は、QRコードのコードサイズを決める型番の1つを指定するコード型番指定装置(101)と、QRコードの仕様の4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する誤り訂正レベル情報指定装置(109)と、二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置(102)と、二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置(103)と、二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置(105)と、二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置(104)と、二次元コードの仕様のマスクの1つを指定するマスク指定装置(107)と、前記マスク指定装置で指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置(106)と、前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよび前記二次元コード型番指定装置により指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置(108)と、前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力するデータコード語出力装置(110)と、前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理した結果を出力する誤り訂正コード語出力装置(111)と、前記マスク指定装置により指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置(112)と、デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置(113)とを備える構成とされる。
【0016】
また、上記の構成において、コード型番指定装置、誤り訂正レベル情報指定装置、マスク指定装置については、これらの装置により指定される指定データまたは選択データを、あらかじめ指定または選択しておくことにより、これらの装置が省略されたシステム構成とすることができる。
【0017】
例えば、コード型番指定装置で指定するQRコードのコード型番は、40種類のうちの一部だけを選択するように制限し、または、あらかじめ1種類に限定することで、コード型番指定装置を省くことができる。その場合、コード型番の指定が必要とされる機能パターン出力装置、データ入力装置、およびデザインブロック入力装置にはコード型番をあらかじめ指定する。
【0018】
誤り訂正レベル情報指定装置で指定する4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hの選択をあらかじめ1種類に限定することで、誤り訂正レベル情報指定装置を省く構成とすることができる。その場合、データ入力装置、デザインブロック入力装置、および形式情報モジュール生成・出力装置に誤り訂正レベルをあらかじめ指定する。
【0019】
マスク指定装置で指定するマスクは8種類のうちから1つを選択するが、この選択を制限してあらかじめ1種類に限定することで、マスク指定装置を省くことができる。その場合、デザインブロックマスク処理装置、および形式情報モジュール生成・出力装置にマスクをあらかじめ指定しておく。
【0020】
また、本発明による二次元コードの生成処理をコンピュータにより実行するプログラムは、QRコード復号器で読み取れる自由度の高い二次元コードを作成する二次元コードの生成処理をコンピュータにより実行するプログラムであって、二次元コードのコードサイズを決める型番の1つを指定する二次元コード型番指定手段と、二次元コードの仕様の4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する誤り訂正レベル情報指定手段と、二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力手段と、二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力手段と、二次元コードの仕様に従い前記データ入力手段から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成手段と、二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力手段と、二次元コードの仕様のマスクの1つを指定するマスク指定手段と、前記マスク指定手段で指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理手段と、前記データコード語生成手段により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理手段により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定手段で指定された誤り訂正レベルおよび前記二次元コード型番指定手段により指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成手段と、前記データコード語生成手段により出力されたデータコード語に、前記マスク指定手段により指定されたマスクのマスク処理した結果を出力するデータコード語出力手段と、前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力する誤り訂正コード語出力手段と、前記マスク指定手段により指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力手段と、デザインブロック入力手段で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力手段として機能させるプログラムである。
【0021】
また、上記の構成においても、コード型番指定手段、誤り訂正レベル情報指定手段、マスク指定手段について、これらの機能により指定される指定データまたは選択データを、あらかじめ指定または選択をおくことにより省略された構成とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の二次元コード生成装置によれば、これにより生成された二次元コードは、同一の記号、文字列や文章に対し、既存のQRコードでは実現し得なかった視覚的効果をもたらすことができる。例えば、企業のロゴや、文字列そのものを二次元コードの一部として取り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明による二次元コード生成装置のシステム構成の基本部分を示すブロック図である。図1において、101はコード型番指定装置、102は機能パターン出力装置、103はデータ入力装置、104はデザインブロック入力装置、105はデータコード語生成装置、106はデザインブロックマスク処理装置、107はマスク指定装置、108は誤り訂正コード語生成装置、109は誤り訂正レベル情報指定装置、110はデータコード語出力装置、111は誤り訂正コード語出力装置、112は形式情報モジュール生成・出力装置、113はデザインブロック出力装置である。これらの各装置は、処理モジュールとして実現される。
【0024】
図1には、本発明による二次元コード生成装置を構成する各装置の処理モジュールを、データ処理の流れを示すブロック図として示しているが、これらの各処理モジュールを制御するための図示しないシステム制御部が設けられている。このシステム制御部がグラフィカルユーザインターフェイス処理を行い、利用者からの指示を受け付け、図1に示す各処理モジュールを制御して、二次元コード(QRコード)を作成する処理を実行する。これらの処理モジュールの処理により、二次元コードのQRコードが作成される。次に、各装置の処理モジュールの動作について説明する。
【0025】
まず、コード型番指定装置101が起動され、コード型番指定装置101によって、QRコードで二次元コードサイズを決める型番1〜40のうち1つを指定する。機能パターン出力装置102は、QRコードシンボルの構造のうち、機能パターンと呼ばれるパターンを出力する。これは、型番の情報が決まれば出力できる。
【0026】
誤り訂正レベル情報指定装置109は、QRコードの仕様で定められた4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する。
【0027】
データ入力装置103は、システム制御部によるユーザインタフェース処理を介して、キーボード、マウスなどハードウェアの入力装置からの利用者のデータ入力操作を受け付けて、数字や英文といったQRコードで符号化するテキスト情報のデータの入力を受け付ける。デザインブロック入力装置104は、任意のビット列を入力し、二次元コードの型番の情報で定められるデータ数により制限されたビット列を例えばロゴデザインとしたデザインブロックを入力する。データ入力装置103およびデザインブロック入力装置104によって入力される情報のデータ数の和は、二次元コードの型番の情報と誤り訂正レベルで定められるデータ数により上限が設定されている。
【0028】
データコード語生成装置105は、基本的にはQRコードの仕様に従い、データ入力装置103で入力されたテキスト情報をデータコード語に変換する。ただし、以下の点でQRコードの仕様と異なる。終端パターンである「0000」以降には、埋め草ビット及び埋め草符号語を付与しないものとする。
【0029】
デザインブロックマスク処理装置106は、マスク指定装置107で指定されたマスクをデザインブロック入力装置104で入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力する。
【0030】
マスク指定装置107は、QRコードの仕様で企画されている8つのマスクのうち、任意の1つを指定する。誤り訂正コード語生成装置108は、データコード語生成装置105で出力されたデータコード語の直後にデザインブロックマスク処理装置106で出力されたマスク処理されたデザインブロックを、誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された誤り訂正レベルとコード型番指定装置101で指定された型番の情報を元にQRコードの仕様で定められたリードソロモン多項式によって誤り訂正コード語を出力する。
【0031】
データコード語出力装置110は、データコード語生成装置105で出力されたデータコード語に、マスク指定装置107で指定されたマスクによるマスク処理をした結果を出力する。
【0032】
誤り訂正コード語出力装置111は、誤り訂正コード語生成装置108で出力された誤り訂正コード語に、マスク指定装置107で指定されたマスク処理した結果を出力する。また、形式情報モジュール生成・出力装置112は、マスク指定装置107で指定されたマスク情報と誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された誤り訂正レベル情報を元に、QRコードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する。
【0033】
デザインブロック出力装置113は、デザインブロック入力装置104で入力されたデザインブロックをそのまま出力する。これにより、ロゴデザインが含まれた二次元コードのQRコードが出力される。
【0034】
本発明の二次元コード生成装置により作成された二次元コードのQRコードは、その特徴部分として、別の言葉で表現すれば、埋め草ビット及び埋め草コード語を任意のビットパターンとされた二次元コードであり、また、符号化されるデータを少なくすることで、埋め草ビット数及び埋め草コード語数が多くされた二次元コードとなっている。
【0035】
また、符号化後の二次元コードサイズが必要に応じて多く指定されることで、埋め草ビット及び埋め草コード語数を多く確保している二次元コードでもあり、これにより、二次元コードの一部を任意のビットパターンとすることができる二次元コードである。
【0036】
図2は、本発明による二次元コード生成装置から出力されたQRコードの一例を示す図である。ここには、QRコードの領域の中モジュールの中に英文字「RCIS」が形成されたQRコードの例が示されている。このQRコードは、QRコード読み取り機で復号すると情報「http://www.rcis.jp/」が出力される。次に、上記のように構成されている二次元コード生成装置の各処理装置(処理モジュール)を用いて、符号化パターンの中にロゴ「RCIS」が中央部に表示されているような形態のQRコードを作成する場合の処理について説明する。
【0037】
ステップ1;まず、ここで作成するQRコードのサイズを指定する。これは、QRコードのサイズを意味する「型番」をコード型番指定装置101により指定することにより行う。システム制御部によるユーザインタフェース処理を介して、表示画面上で「JIS X0510」に従い、40種類のサイズから選ぶ。
【0038】
ステップ2;コード型番指定装置101によって指定された「型番」により、これに対応している「機能パターン」が決定されて、機能パターン出力装置102により出力される。「機能パターン」の決め方は「JIS X0510」に準拠する。この場合に、機能パターン出力装置102により、二次元コードの「機能パターン」を構成する「クワイエットゾーン」、「位置検出パターン」、「位置検出パターンの分離パターン」および「位置合わせパターン」は、「JIS X0510」に準拠させるが、この「機能パターン」中のさらに別の構成要素である「タイミングパターン」の領域は、任意の図形に置き換えることができる。これにより、後述するように、デザインブロックとしての領域は、多様なデザインのパターンに対応できるように広い領域が使用できるようになる。
【0039】
ステップ3;QRコードの中に符号化するテキスト情報の「http://www.rcis.jp/」を、データ入力装置103から入力する。データ入力装置103により入力されたテキスト情報は、データコード語生成装置105によってビット列に変換される。このビット列の変換処理は、「埋め草ビット」並びに「埋め草パターン」の付与処理を除いて「JIS X0510」に準拠した方法により行う。この変換処理は、データコード語生成装置105により構成されるビット列の終端が「終端パターン」と呼ばれる「0000」で終了するために行う処理である。以下、変換されたビット列のビット数を「K」で表す。
【0040】
ステップ4;次に、誤り訂正レベル情報指定装置109により「誤り訂正レベル」を指定する。「誤り訂正レベル」は「JIS X0510」に準拠した4段階のレベルL,M,Q,Hのうちの1つを指定する。誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された「誤り訂正レベル」とコード型番指定装置101で指定された「型番」により、誤り訂正符号化処理で用いられるリードソロモン多項式が決定される。このリードソロモン多項式の決定方法は「JIS X0510」に準拠している。以下、決定されたリードソロモン多項式によって与えられる「誤り訂正コード語」数を「P」で表す。
【0041】
ステップ5;デザインブロック入力装置104によりロゴ「RCIS」を指定する。これは、ロゴ「RCIS」をドット絵で表現するためにドットパターンとする処理である。つまり、明部を“0”に変換し、暗部を“1”に変換したビット列(ロゴマークのパターン)として指定する。ここでのロゴが配置できる箇所は、「符号化領域」における「データ及び誤り訂正コード語」を配置する範囲のうち先頭の「K」ビットを除いた範囲からP個の「ブロック」を任意に除いた範囲である。この範囲であれば利用者は自由に指定できる。ここで、ロゴの配置できる箇所(領域)をデザインブロックと呼び、例えば、この範囲を計算により求めて、使用可能な領域を、システムのユーザインタフェース処理を介して例えばディスプレイ装置の表示画面上に表示し、利用者がQRコードを作成する際に自由にデザインできるようにする。この計算から「データ及び誤り訂正コード語数」の総ビット数をNとすれば、デザインブロックの総ビット数は「N−K−8×P」と等しい。QRコードをビット列として表した時の、デザインブロックのビット位置は「JIS X0510」に準拠して配置される。
【0042】
ステップ6;次に、マスク指定装置107により「マスク」を指定する。「JIS X0510」により定められた8種類の「マスク」のうち1つを指定する。デザインブロック入力装置104により入力されたロゴから決まるデザインブロックに対し、マスク指定装置107によって指定されたマスク(マスクパターン)によるマスク処理した結果を、デザインブロックマスク処理装置106から出力する。
【0043】
ステップ7;次に、誤り訂正コード語生成装置108により、誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された誤り訂正レベルから定まるリードソロモン多項式を用いて、データコード語生成装置105で出力された情報とデザインブロックマスク処理装置106で出力された情報から「誤り訂正コード語」であるP個のブロックに対応するビット列を計算して出力する。デザインブロックを、テキスト情報の「http://www.rcis.jp/」の直後に配置すれば、誤り訂正コード語は最後のPブロックに配置される。誤り訂正コード語の計算は、テキスト情報「http://www.rcis.jp」をビット列に変換したもの、そしてその直後に、ロゴ「RCIS」のパターンをマスク処理したものを、添加したビット列をリードソロモン多項式で割った余りとして計算される。
【0044】
ステップ8;次に、データコード語出力装置110により、データコード語生成装置105で出力されたテキスト情報「http://www.rcis.jp/」をビット列に直したもの、にマスク指定装置107で指定された「マスクパターン」によるマスク処理した結果を出力して、QRコードの先頭からKビットに配置する。また、デザインブロック出力装置113により、デザインブロック入力装置104で指定されたデザインブロックをデザインブロック入力装置104により指定された位置に出力する。これによって、ロゴ「RCIS」が出力される。さらに、誤り訂正コード語出力装置111により、誤り訂正レベル情報指定装置109の出力に、マスク指定装置107にて指定されたマスクによるマスク処理した結果が出力される。
【0045】
ステップ9;そして、形式情報モジュール生成・出力装置112において、マスク指定装置107で指定された「マスクパターン」と誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された「誤り訂正レベル」に対するBCHビットとそのマスク処理を「JIS X0510」に従って出力する。これは「JIS X0510」でいう形式情報モジュールと呼ばれ、QRコード内での位置は「JISX 0510」により指定された位置とする。
【0046】
このようなステップ1〜ステップ9の処理により、図2に示すように、QRコードの読み取り機で復号すると情報「http://www.rcis.jp/」が出力され、符号化パターンの中にはロゴ「RCIS」が中央部に表示されているような形態のQRコードが作成される。
【0047】
コード型番指定装置101で指定するコード型番は、40種類のうちの一部だけを選択するように制限することもできる。また、あらかじめ1種類に限定することで、図3に示すように、コード型番指定装置101を省くことができる。その場合、機能パターン出力装置102、データ入力装置103、およびデザインブロック入力装置104にコード型番をあらかじめ指定する。
【0048】
誤り訂正レベル情報指定装置109で指定する誤り訂正レベルは、4種類のうち一部だけを選択するように制限することもできる。また、あらかじめ1種類に限定することで、図4に示すように、誤り訂正レベル情報指定装置109を省くことができる。その場合、データ入力装置103、デザインブロック入力装置104、および形式情報モジュール生成・出力装置112に誤り訂正レベルをあらかじめ指定する。
【0049】
マスク指定装置107で指定するマスクは8種類のうち一部だけを選択するように制限することもできる。また、あらかじめ1種類に限定することで、図5に示すように、マスク指定装置107を省くことができる。その場合、デザインブロックマスク処理装置106、および形式情報モジュール生成・出力装置112にマスクをあらかじめ指定する。
【0050】
また、デザインブロック入力装置104では、任意のデザインを入力して、二次元コードのデザインパターンとして使用できるように変形されたデザインブロックを出力するが、これについても、あらかじめ指定したデザインパターンのデザインブロックを出力するように変形することもできる。この場合にはデザインブロック入力装置104の処理機能は使用されない。
【0051】
上述したシステム要素の一部の処理モジュール(コード型番指定装置101、誤り訂正レベル情報指定装置109、マスク指定装置107、デザインブロック入力装置)を省略するシステム構成において、それぞれの省略は、それぞれ独立に行うことができる。図6には、コード型番指定装置101、誤り訂正レベル情報指定装置109、マスク指定装置107の3つの装置を省略したシステム構成を示している。
【0052】
ところで、前述した実施例の二次元コード生成装置では、「機能パターン」の領域のパターンについては、コード型番指定装置101によって指定された「型番」により、これに対応している「機能パターン」が決定されて、機能パターン出力装置102により出力されるようにしていたが、この「機能パターン」の中の「タイミングパターン」を、デザインブロックの一部の領域として使用することにより、多様なデザインのパターンに対応できるようになる。
【0053】
図7は、デザインタイミングパターン入力装置114を追加した構成の二次元コード生成装置のシステム構成を示すブロック図である。図7において、101はコード型番指定装置、102は機能パターン出力装置、103はデータ入力装置、104はデザインブロック入力装置、105はデータコード語生成装置、106はデザインブロックマスク処理装置、107はマスク指定装置、108は誤り訂正コード語生成装置、109は誤り訂正レベル情報指定装置、110はデータコード語出力装置、111は誤り訂正コード語出力装置、112は形式情報モジュール生成・出力装置、113はデザインブロック出力装置である。これらの各装置は、図1により説明したシステム構成における装置と同様なものであるので、詳細な説明については省略する。図7に示すシステム構成においては、さらに、デザインタイミングパターン入力装置114が追加された構成となっている。これらの各装置は、処理モジュールとして実現される。
【0054】
図7においても、二次元コード生成装置を構成する各装置の処理モジュールを、データ処理の流れを示すブロック図として示しているが、これらの各処理モジュールを制御するための図示しないシステム制御部が設けられている。このシステム制御部がグラフィカルユーザインターフェイス処理を行い、利用者からの指示を受け付け、図7に示す各処理モジュールを制御して、二次元コード(QRコード)を作成する処理を実行する。これらの処理モジュールの処理により、二次元コードのQRコードが作成される。
【0055】
ここでの二次元コードの「機能パターン」の決め方は、機能パターン出力装置102によって、「JIS X0510」に準拠して決められるが、この場合に、デザインタイミングパターン入力装置114により、デザインブロックのパターンに対応するように、機能パターンを構成する要素の「タイミングパターン」のパターン構成を変形させる。
【0056】
この場合に、機能パターン出力装置102により、二次元コードの「機能パターン」を構成する「クワイエットゾーン」、「位置検出パターン」、「位置検出パターンの分離パターン」および「位置合わせパターン」は、「JIS X0510」に準拠させるが、この「機能パターン」中のさらに別の構成要素である「タイミングパターン」の領域を、デザインタイミングパターン入力装置114により、任意の図形に置き換える。すなわち、デザインタイミングパターン入力装置114を用いて、タイミングパターンの構成を、デザインブロックのパターンに対応して変形することにより、デザインブロックとしての領域を一体化して、多様なデザインのパターンに対応できるようにする。結果として、デザインブロックの領域として広い領域が使用できるようになる。
【0057】
図8は、タイミングパターンをデザインブロックの一部として使用する二次元コード生成装置から出力されたQRコードの一例を示す図である。図8には、QRコードの領域の中のモジュールの中に、3つのサクランボ模様が形成されたQRコードの例が示されている。このQRコードは、QRコード読み取り機で復号すると、情報「Do you like cherries?」が出力される。二次元コード生成装置の各処理装置(処理モジュール)を用いて、符号化パターンの中に3つのサクランボ模様が中央部に表示されているような形態のQRコードを作成する場合の処理について説明する。ここでは、タイミングパターンをデザインブロックの一部として使用するため、デザインタイミングパターン入力装置114の処理機能が用いられる。
【0058】
ステップ1;まず、ここで作成するQRコードのサイズを指定する。これは、QRコードのサイズを意味する「型番」をコード型番指定装置101により指定することにより行う。システム制御部によるユーザインタフェース処理を介して、表示画面上で「JIS X0510」に従い、40種類のサイズから選ぶ。図8の例では指定された型番は5型である。図8の例では、QRコードを時計回りに270度回転させて表示している。
【0059】
ステップ2;コード型番指定装置101によって指定された「型番」により、これに対応している「機能パターン」のうち「タイミングパターン」以外が決定され、機能パターン出力装置102により出力される。「機能パターン」の決め方は「JIS X0510」に準拠する。図8では「タイミングパターン」以外の「機能パターン」である、「クワイエットゾーン」、「位置検出パターン」、「位置検出パターンの分離パターン」、「位置合わせパターン」を「JIS X0510」に従い出力している。
【0060】
ステップ3;デザインタイミングパターン入力装置114に入力された「デザインタイミングパターン」を「機能パターン」の中のタイミングパターン位置に配置する。図8の例では、左部のデザインタイミングパターンを上から下に「101010101011100010101」とし、下部のデザインタイミングパターンを左から右に「110011001100110011001」として出力している。図8左部のデザインタイミングパターンのうち、後述するステップ6の処理において、入力されるデザインブロックと重なる個所はどちらか一方を優先する。
【0061】
ステップ4;QRコードの中に符号化するテキスト情報の「Do you like cherries?」を、データ入力装置103から入力する。データ入力装置103により入力されたテキスト情報は、データコード語生成装置105によってビット列に変換される。このビット列の変換処理は、「埋め草ビット」並びに「埋め草パターン」の付与処理を除いて「JIS X0510」に準拠した方法により行う。この変換処理は、データコード語生成装置105により構成されるビット列の終端が「終端パターン」と呼ばれる「0000」で終了するために行う処理である。以下、変換されたビット列のビット数を「K」で表す。このビット列のパターンは、図13に示されるように生成される。
【0062】
図8の例では、符号化されるテキスト情報「Do you like cherries?」を、図8に示す二次元コードに対応する位置に配置する。つまり、図13に示されるテキスト情報のビット列のパターンが、図8の位置に対応するように、そのビット列が配置される。ここで変換されたビット列のビット数は「K=184」である。
【0063】
ステップ5;次に、誤り訂正レベル情報指定装置109により「誤り訂正レベル」を指定する。「誤り訂正レベル」は「JIS X0510」に準拠した4段階のレベルL,M,Q,Hのうちの1つを指定する。誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された「誤り訂正レベル」とコード型番指定装置101で指定された「型番」により、誤り訂正符号化処理で用いられるリードソロモン多項式が決定される。このリードソロモン多項式の決定方法は「JIS X0510」に準拠している。以下、決定されたリードソロモン多項式によって与えられる「誤り訂正コード語」数を「P」で表す。
【0064】
図8に示す二次元コードでは、誤り訂正レベルとして「L」が指定されている。指定されている型番は5型であるので、「JIS X0510」により誤り検出及び訂正の生成多項式は、
「x26173x25125x24158x232x22103x21182x20118x1917x18145x17201x16111x1528x14165x1353x13161x1121x10245x9142x813x7102x648x5227x4153x3145x2218x+α70
に決定され、誤り訂正コード語数は「P=26」に決まる。
【0065】
ステップ6;次にデザインブロック入力装置104により3つのサクランボ模様(ロゴマーク)を指定する。これは、3つのサクランボ模様をドット絵で表現するためにドットパターンとする処理である。つまり、明部を“0”に変換し、暗部を“1”に変換したビット列(ロゴマークのパターン)として指定する。ここでのロゴが配置できる箇所は、「符号化領域」における「データ及び誤り訂正コード語」を配置する範囲のうち、先頭の「K」ビットを除いた範囲からP個の「ブロック」を任意に除いた範囲である。この範囲であれば、利用者は自由に指定できる。ロゴマークのパターンの配置できる箇所(領域)はデザインブロックと呼び、例えば、この範囲を計算により求めて、使用可能な領域を、システムのユーザインタフェース処理を介して例えばディスプレイ装置の表示画面上に表示し、利用者がQRコードを作成する際に自由にデザインできるようにする。この計算から「データ及び誤り訂正コード語数」の総ビット数をNとすれば、デザインブロックの総ビット数は「N−K−8×P」と等しい。QRコードをビット列として表した時の、デザインブロックのビット位置は「JIS X0510」に準拠して配置される。
【0066】
図14は、二次元コード生成装置により出力されるデザインブロックの配置例を説明する図である。図14においては、図8に示す二次元コードのパターンを生成するために指定したデザインブロックの領域が表されている。QRコードの総ビット数は1072ビットであるから、デザインブロックの総ビット数は1072−184−8*26=680ビットである。
【0067】
ステップ7;次に、マスク指定装置107により「マスク」を指定する。「JIS X0510」により定められた8種類の「マスク」のうち1つを指定する。ここではマスク010を用いている。
【0068】
デザインブロック入力装置104により入力されたロゴから決まるデザインブロックに対し、マスク指定装置107によって指定されたマスク(マスクパターン)によるマスク処理した結果を、デザインブロックマスク処理装置106から出力する。
【0069】
ステップ8;次に、誤り訂正コード語生成装置108により、誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された誤り訂正レベルから定まるリードソロモン多項式を用いて、データコード語生成装置105で出力された情報とデザインブロックマスク処理装置106で出力された情報から「誤り訂正コード語」であるP個のブロックに対応するビット列を計算して出力する。ここで定まったリードソロモン多項式は、前述したようなデザインブロックを、テキスト情報の「Do you like cherries?」の直後に配置すれば、誤り訂正コード語は最後のPブロックに配置される。誤り訂正コード語の計算は、テキスト情報「Do you like cherries?」をビット列に変換したもの、そしてその直後に、3つのサクランボ模様をマスク処理したものを、添加したビット列をリードソロモン多項式で割った余りとして計算される。
【0070】
ステップ9;次に、データコード語出力装置110により、データコード語生成装置105で出力されたテキスト情報「Do you like cherries?」をビット列に直したもの、にマスク指定装置107で指定された「マスクパターン」によるマスク処理した結果を出力して、QRコードの先頭からKビットに配置する。また、デザインブロック出力装置113により、デザインブロック入力装置104で指定されたデザインブロックをデザインブロック入力装置104により指定された位置に出力する。これにより、3つのサクランボ模様が出力される。さらに、誤り訂正コード語出力装置111により、誤り訂正レベル情報指定装置109の出力に、マスク指定装置107にて指定されたマスクによるマスク処理した結果が出力される。
【0071】
ステップ10;そして、形式情報モジュール生成・出力装置112において、マスク指定装置107で指定された「マスクパターン」と誤り訂正レベル情報指定装置109で指定された「誤り訂正レベル」に対するBCHビットとそのマスク処理を「JIS X0510」に従って出力する。これは「JIS X0510」でいう形式情報モジュールと呼ばれ、QRコード内での位置は「JISX 0510」により指定された位置とする。
【0072】
ここでは誤り訂正レベルがLであり、マスクが010であることから、対応するBCHビットは「111110101101010」となる。図15は、二次元コード生成装置により出力されるBCHビットと検出位置シンボルの配置例を説明する図である。図15には、図8に示す二次元コートに対応するBCHビットと、検出シンボルの位置関係を表している。
【0073】
このようなステップ1〜ステップ9の処理により、図8に示すように、QRコードの読み取り機で復号すると情報「Do you like cherries?」が出力され、符号化パターンの中には3つのサクランボ模様が中央部に表示されているような形態のQRコードが作成される。
【0074】
ここで説明した図7の二次元コード生成装置についても、前述した変形例と同様に、一部の装置(処理モジュール)を省略したシステム構成とすることもできる。例えば、コード型番指定装置101で指定するコード型番は、40種類のうちの一部だけを選択するように制限することもできる。また、あらかじめ1種類に限定することで、図9に示すように、コード型番指定装置101を省くことができる。その場合、機能パターン出力装置102、データ入力装置103、およびデザインブロック入力装置104にコード型番をあらかじめ指定する。
【0075】
誤り訂正レベル情報指定装置109で指定する誤り訂正レベルは、4種類のうち一部だけを選択するように制限することもできる。また、あらかじめ1種類に限定することで、図10に示すように、誤り訂正レベル情報指定装置109を省くことができる。その場合、データ入力装置103、デザインブロック入力装置104、および形式情報モジュール生成・出力装置112に誤り訂正レベルをあらかじめ指定する。
【0076】
マスク指定装置107で指定するマスクは8種類のうち一部だけを選択するように制限することもできる。あらかじめ1種類に限定することで、図11に示すように、マスク指定装置107を省くことができる。その場合、デザインブロックマスク処理装置106、および形式情報モジュール生成・出力装置112にマスクをあらかじめ指定する。
【0077】
デザインブロック入力装置104で指定するデザインブロックはあらかじめ1種類に限定することで、デザインブロック入力装置104を省くことができる。
【0078】
上述したシステム要素の一部の処理モジュール(コード型番指定装置101、誤り訂正レベル情報指定装置109、マスク指定装置107)を省略するシステム構成において、それぞれの省略は、それぞれ独立に行うことができる。図12には、コード型番指定装置101、誤り訂正レベル情報指定装置109、マスク指定装置107の3つの装置を省略したシステム構成を示している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による二次元コード生成装置のシステム構成の基本部分を示すブロック図である。
【図2】本発明による二次元コード生成装置から出力されたQRコードの一例を示す図である。
【図3】コード型番指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図4】誤り訂正レベル情報指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図5】マスク指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図6】コード型番指定装置、誤り訂正レベル情報指定装置、マスク指定装置の3つの装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図7】デザインタイミングパターン入力装置を追加した構成の二次元コード生成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】タイミングパターンをデザインブロックの一部として使用する二次元コード生成装置から出力されたQRコードの一例を示す図である。
【図9】コード型番指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図10】誤り訂正レベル情報指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図11】マスク指定装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図12】コード型番指定装置、誤り訂正レベル情報指定装置、マスク指定装置の3つの装置を省略した構成の二次元コード生成装置のシステム構成のブロック図である。
【図13】本発明による二次元コード生成装置により符号化されたテキスト情報「Do you like cherries?」の配置例を示す図である。
【図14】二次元コード生成装置により出力されるデザインブロックの配置例を説明する図である。
【図15】本発明による二次元コード生成装置により出力されるBCHビットと検出位置シンボルの配置例を説明する図である。
【符号の説明】
【0080】
101 コード型番指定装置
102 機能パターン出力装置
103 データ入力装置
104 デザインブロック入力装置
105 データコード語生成装置
106 デザインブロックマスク処理装置
107 マスク指定装置
108 誤り訂正コード語生成装置
109 誤り訂正レベル情報指定装置
110 データコード語出力装置
111 誤り訂正コード語出力装置
112 形式情報モジュール生成・出力装置
113 デザインブロック出力装置
114 デザインタイミングパターン入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コードのコードサイズを決める型番の1つを指定する二次元コード型番指定装置と、
二次元コードの仕様の4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する誤り訂正レベル情報指定装置と、
二次元コードのタイミングパターンをデザインブロックの一部のパターンに修正して入力するデザインタイミングパターン入力装置と、
二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置と、
二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置と、
二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置と、
二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置と、
二次元コードの仕様のマスクの1つを指定するマスク指定装置と、
前記マスク指定装置で指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよび前記二次元コード型番指定装置により指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力するデータコード語出力装置と、
前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理した結果を出力する誤り訂正コード語出力装置と、
前記マスク指定装置により指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置と、
デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置と
を備えることを特徴とする二次元コード生成装置により生成される二次元コード。
【請求項2】
二次元コードの仕様の4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する誤り訂正レベル情報指定装置と、
二次元コードのタイミングパターンをデザインブロックの一部のパターンに修正して入力するデザインタイミングパターン入力装置と、
あらかじめ指定された型番の二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置と、
あらかじめ指定された型番の二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置と、
二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置と、
あらかじめ指定された型番の二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置と、
二次元コードの仕様のマスクの1つを指定するマスク指定装置と、
前記マスク指定装置で指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよびあらかじめ指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力するデータコード語出力装置と、
前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力する誤り訂正コード語出力装置と、
前記マスク指定装置により指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置と、
デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置と
を備えることを特徴とする二次元コード生成装置により生成される二次元コード。
【請求項3】
二次元コードのコードサイズを決める型番の1つを指定する二次元コード型番指定装置と、
二次元コードのタイミングパターンをデザインブロックの一部のパターンに修正して入力するデザインタイミングパターン入力装置と、
二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置と、
あらかじめ訂正レベルが指定された二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置と、
二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置と、
あらかじめ訂正レベルが指定された二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置と、
二次元コードの仕様のマスクの1つを指定するマスク指定装置と、
前記マスク指定装置で指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよび前記二次元コード型番指定装置により指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理した結果を出力するデータコード語出力装置と、
前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、前記マスク指定装置により指定されたマスクのマスク処理した結果を出力する誤り訂正コード語出力装置と、
前記マスク指定装置により指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、あらかじめ訂正レベルが指定された二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置と、
デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置と
を備えることを特徴とする二次元コード生成装置により生成される二次元コード。
【請求項4】
二次元コードのコードサイズを決める型番の1つを指定する二次元コード型番指定装置と、
二次元コードの仕様の4種類の誤り訂正レベルL,M,Q,Hのいずれかを指定する誤り訂正レベル情報指定装置と、
二次元コードのタイミングパターンをデザインブロックの一部のパターンに修正して入力するデザインタイミングパターン入力装置と、
二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置と、
二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置と、
二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置と、
二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置と、
あらかじめ指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよび前記二次元コード型番指定装置により指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、あらかじめ指定されたマスクのマスク処理をした結果を出力するデータコード語出力装置と、
前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、あらかじめ指定されたマスクのマスク処理した結果を出力する誤り訂正コード語出力装置と、
あらかじめ指定されたマスクの情報および前記誤り訂正レベル情報指定装置により指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置と、
デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置と
を備えることを特徴とする二次元コード生成装置により生成される二次元コード。
【請求項5】
二次元コードのタイミングパターンをデザインブロックの一部のパターンに修正して入力するデザインタイミングパターン入力装置と、
あらかじめ指定された型番の二次元コードのシンボルの構造の機能パターンを出力する機能パターン出力装置と、
あらかじめ指定された型番及び訂正レベルの二次元コードとして符号化するテキスト情報を入力するデータ入力装置と、
二次元コードの仕様に従い前記データ入力装置から入力されたテキスト情報をデータコード語に変換するデータコード語生成装置と、
あらかじめ指定された型番及び訂正レベルの二次元コードの型番の情報で定められる総コード語数と誤り訂正レベルで定められる誤り訂正コード語数とデータコード語のビット数により制限されたビット数の分だけデータ及び誤り訂正コード語位置からデータコード語位置を除いた任意のビット位置をデザインブロック位置として選びそれらのビット位置に対して任意のデザインを入力するデザインブロック入力装置と、
あらかじめ指定されたマスクにより前記デザインブロック入力装置により入力されたデザインブロックにマスク処理した結果を出力するデザインブロックマスク処理装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語の直後に、デザインブロックマスク処理装置により出力されたマスク処理されたデザインブロックを、前記誤り訂正レベル情報指定装置で指定された誤り訂正レベルおよびあらかじめ指定された型番の情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたリードソロモン多項式により誤り訂正コード語を出力する誤り訂正コード語生成装置と、
前記データコード語生成装置により出力されたデータコード語に、あらかじめ指定されたマスクのマスク処理した結果を出力するデータコード語出力装置と、
前記誤り訂正コード語生成装置により出力された誤り訂正コード語に、あらかじめ指定されたマスクのマスク処理した結果を出力する誤り訂正コード語出力装置と、
あらかじめ指定されたマスクの情報およびあらかじめ指定された誤り訂正レベル情報に基づいて、二次元コードの仕様で定められたBCHビットの付加とマスク処理の結果を出力する形式情報モジュール生成・出力装置と、
デザインブロック入力装置で入力されたデザインブロックをそのまま出力するデザインブロック出力装置と
を備えることを特徴とする二次元コード生成装置により生成される二次元コード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−238342(P2012−238342A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198744(P2012−198744)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−299216(P2008−299216)の分割
【原出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】