説明

二次弁の機能をロックするロック組立て体、及びこのロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ

【課題】二次弁のロック性能にバラツキが少ない、二次弁のロック組立て体、及びこのロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサを提供する。
【解決手段】ノズル32と中空状ピストン33とスピンナーアッセンブリ34とから構成される二次弁31の機能をロックするロック組立て体30であって、ノズルのめねじ部32aが中空状ピストンの外周のおねじ部33aにねじ込まれ、スピンナーアッセンブリが中空状ピストンの中空部33b内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばね36を介してスピンナー35と二次弁用弁体37が一体的に連結されて構成され、二次弁用弁体は中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座33cに対向しており、二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部36aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次弁の機能をロックするロック組立て体、及びこのロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トリガー式ポンプディスペンサは、液体の入った容器の口部に取り付けられているため、容器にうっかり触れて倒した場合、トリガーが何かに当たって液体を流出させ、不測の事故を招くことがある。
また、乳幼児等の子供が誤ってトリガーを引くと、流出した液体が肌に付いたり極端には目に入ったりして、事故が生じるおそれがある。
このような事故を防止するために、いわゆる事故防止機構がトリガー式ポンプディスペンサに設けられている。
【0003】
上記の事故防止機構として、トリガーそのものをロックしてトリガーの揺動を強制的に防止するものや、ノズルのオリフィスをノズルカバーで覆うもの等がある。
【0004】
また、上記のトリガーそのものをロックしてトリガーの揺動を強制的に防止するものや、上記のノズルのオリフィスをノズルカバーで覆うものとは異なったタイプで、二次弁の機能をロックするものが、提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
そして、特許文献1の二次弁の機能をロックするものは、以下のような構造である。
すなわち、トリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブは、バネ部と、該バネ部の一端側に形成されたスピンナー部と、前記バネ部の他端側に形成されたバルブ部と、を有し、一体成形されたものであって、前記スピンナー部には、前記バネ部に沿って前記バルブ部側に延出するスピンナー腕部が形成され、前記バルブ部には、前記バネ部に沿って前記スピンナー部側に延出するバルブ腕部が形成され、スピンナー腕部とバルブ腕部とが相互に切り離し可能に連結されている。
さらに、上記噴射ノズルバルブは、シリンダ部材内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、シリンダ部材の外周部のおねじ部に捩込みノズルのめねじ部を螺合し、捩込みノズルを捩込み方向に回転させて噴射ノズルバルブを液体流出方向と逆方向に移動させ、バルブ部の球面をシリンダ部材の弁座部に当接してバルブ機能をロックすることができることができる。
また、バルブ機能をアンロックするには、捩込みノズルを逆回転させることで、バルブ部の球面のシリンダ部材の弁座部への押圧が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−136306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載の、捩込みノズルと、シリンダ部材と、噴射ノズルバルブと、から構成され二次弁の機能をロックするロック組立て体では、各部部品の累積誤差によりロック性能にバラツキが出易い、という問題がある。
また、二次弁の機能をロック状態にするときの、捩込みノズルの端部が当接する箇所をシリンダ部材に正確に設けなければならない、という問題もある。
【0008】
なお、上記特許文献1記載の捩込みノズルと、シリンダ部材と、噴射ノズルバルブは、以下に説明する本発明では、それぞれ、ノズル32、中空状ピストン33、スピンナーアッセンブリ34に対応するものである。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二次弁のロック性能にバラツキが少ない、二次弁の機能をロックするロック組立て体、及びこのロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、上記の対策として、二次弁の機能をロック状態にするときの、二次弁用ばねの圧縮量を一定にすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、(1)、ノズルと中空状ピストンとスピンナーアッセンブリとから構成される二次弁の機能をロックするロック組立て体であって、前記ノズルのめねじ部が前記中空状ピストンの外周のおねじ部にねじ込まれ、前記スピンナーアッセンブリが前記中空状ピストンの中空部内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、前記スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばねを介してスピンナーと二次弁用弁体が一体的に連結されて構成され、前記二次弁用弁体は前記中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座に対向しており、前記二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部を有し、前記二次弁用ばねと前記二次弁用弁体と前記二次弁用弁座とで前記二次弁が構成される二次弁の機能をロックするロック組立て体に存する。
【0012】
本発明は、(2)、前記中空状ピストンは、トリガーの揺動運動により軸方向に往復動する上記(1)に記載の二次弁の機能をロックするロック組立て体に存する。
【0013】
本発明は、(3)、上記(1)に記載の二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサに存する。
【0014】
本発明は、(4)、二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサであって、前記二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込むシリンダ部が本体に形成され、前記シリンダ部の底部に開口する流路が形成されるとともに前記流路に対向する位置に一次弁が配置され、前記本体にヒンジを介してトリガーが揺動可能に取り付けられ、前記二次弁の機能をロックするロック組立て体は、ノズルと中空状ピストンとスピンナーアッセンブリとから構成され、前記ノズルのめねじ部が前記中空状ピストンの外周のおねじ部にねじ込まれ、前記スピンナーアッセンブリが前記中空状ピストンの中空部内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、前記スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばねを介してスピンナーと二次弁用弁体が一体的に連結されて構成され、前記二次弁用弁体は前記中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座に対向しており、前記二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部を有し、前記二次弁用ばねと前記二次弁用弁体と前記二次弁用弁座とで前記二次弁が構成され、前記中空状ピストンは、トリガーの揺動運動により軸方向に往復動するトリガー式ポンプディスペンサに存する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る二次弁のロック組立て体、及びこのロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサによれば、以下のような効果を有する。
【0016】
本発明に係る前記二次弁のロック組立て体は、前記ノズルのめねじ部が前記中空状ピストンの外周のおねじ部にねじ込まれ、前記スピンナーアッセンブリが前記中空状ピストンの中空部内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、前記スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばねを介してスピンナーと二次弁用弁体が一体的に連結されて構成され、前記二次弁用弁体は前記中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座に対向しており、前記二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部を有し、前記二次弁用ばねと前記二次弁用弁体と前記二次弁用弁座とで前記二次弁が構成されているので、前記ノズルを前記中空状ピストンに対してねじ込むことができなくなるまでねじ込むだけで、前記二次弁がロックされた状態となる。
そして、前記二次弁がロックされた状態では、不用意にトリガーが引かれても、液体がノズルの噴射口から噴射するおそれはなく、事故防止機構として有効に機能する。
また、前記二次弁のロック性能にバラツキが少ない利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサにおいて、二次弁がロックされている状態で、トリガーを引く前の状態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサにおいて、二次弁がアンロックされているが、トリガーを引く前の状態で、二次弁は閉じている状態を示す縦断面図である。
【図3】図3は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサにおいて、二次弁がアンロックされているが、トリガーを引いた状態で、二次弁は開いている状態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサにおいて、二次弁がアンロックされている状態で、トリガーを引き終わった状態で、二次弁は閉じている状態を示す縦断面図である。
【図5】図5は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサの本体及びトリガーの縦断面図である。
【図6】図6は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサの本体の一部分の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサのカバーを示すもので、図7(A)はその正面図、図7(B)はその側面断面図である。
【図8】図8は、中空状ピストンを示し、図8(A)はその正面図、図8(B)はその側面断面図である。
【図9】図9は、本発明に係るトリガー式ポンプディスペンサに組み込まれる、ノズルとピストン部とスピンナーアッセンブリから構成される二次弁の機能をロックするロック組立て体(以下、単に、二次弁のロック組立て体30という。)の断面図で、図9(A)は二次弁がロックされている状態を示し、図9(B)は二次弁がアンロックされているが、二次弁は閉じている状態を示し、図9(C)は二次弁がアンロックされ、二次弁は開いている状態を示す。
【図10】図10は、二次弁のロック組立て体を構成するスピンナーアッセンブリの外観図である。
【図11】図11は、二次弁のロック組立て体を構成するノズルを示し、図11(A)は正面図、図11(B)は側面図、図11(C)は断面図である。
【図12】図12は、一次弁を示し、図12(A)は正面図、図12(B)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1〜図4は、本発明の、二次弁31〔図1〜図4、及び図9(A),図9(B),図9(C)参照〕の機能をロックするロック組立て体30(以下、単に、二次弁のロック組立て体30という。)を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ10の一実施形態に示している。
図1〜図4に示すように、ロック組立て体30を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ10(以下、単に、トリガー式ポンプディスペンサ10という。)は、本体部11と、カバー23(図7(A),図7(B)参照)と、液体の入った容器(図示しない)の口部に螺合して取り付けられるキャップ21と、サクションチューブ20と、を有している。
なお、この取り付けは、螺合以外にバヨネット結合による取り付け構造も採用される。
【0020】
本体部11には、図1〜図4、及び図5,6に示すように、シリンダ部16と、流路17と、負圧解消シリンダ部18と、が形成されている。
また、本体部11には、図1〜図4、及び図5に示すように、ヒンジ部13を介してトリガー14が取り付けられている。
また、トリガー14には、図5に示すように、復帰ばね15の一端が取り付けられており、復帰ばね15の他端は、図1〜図4に示すように、本体部11の支持片12に係止されるように取り付けられる。
また、トリガー14には、図5に示すように、ヒンジ部13から離れた位置に、後述する中空状ピストン33の支軸33d(図8(A)参照)がそれぞれ嵌め込まれる嵌合部14a(図5参照)が形成されている。
【0021】
トリガー式ポンプディスペンサ10には、図1〜図4に示すように、後述する二次弁のロック組立て体30が組み込まれている。
すなわち、二次弁のロック組立て体30を構成する中空状ピストン33がシリンダ部16内を軸方向に移動可能に組み込まれており、負圧解消ピストン部33eも負圧解消シリンダ部18内を軸方向に移動可能に組み込まれている。
そして、図8(A)に示すように、中空状ピストン33には直径方向に2個の支軸33dが突出して設けられており、この支軸33dがトリガー14の嵌合部14a(図5参照)に嵌め込まれているので、中空状ピストン33はトリガー14の揺動運動により軸方向に往復動する。
すなわち、中空状ピストン33の軸方向の往復動は、二次弁のロック組立て体30の往復動を意味する。
【0022】
トリガー式ポンプディスペンサ10には、図1〜図4に示すように、シリンダ部16の底部に一次弁22(図12(A),図12(B)参照)が組み込まれている。
そして、一次弁22は、図12(A)に示すように、一次弁用弁体22aと、一次弁用弁体22aを付勢する板ばね部22bとを備えている。
また、図6に示すように、シリンダ部16の底部には、上下方向の流路17と連通する左右方向の流路16aが開口しており、流路16aのまわりには一次弁用弁座16bが形成されている。
【0023】
次に、トリガー式ポンプディスペンサ10の作動について説明する。
【0024】
図1は、トリガー式ポンプディスペンサ10において、二次弁31がロックされている状態で、トリガー14を引く前の状態を示す縦断面図である。
図1の状態では、二次弁31がロックされている状態、すなわち、二次弁31が機能しない状態であるので、仮にトリガー14を引いても液体は噴出しない。
次に、図2の状態は、詳しくは後述するが、ノズル32を緩めるように(図でいう左方向に)操作して、二次弁31がアンロックされている状態、すなわち、二次弁31が機能する状態にあることを示し、トリガー14を引く前の状態を示している。
尚、アンロックされている状態では空間S(図10参照)が形成されている。
次に、図3の状態は、二次弁31がアンロックされている状態、すなわち、二次弁31が機能する状態にあることを示し、トリガー14を引いた状態で、液体の内圧が発生し液体が噴出する。
トリガー14を引くと、トリガー14の動きに連動して中空状ピストン33が右方向に押し込まれ、一次弁22が閉じるとともに、シリンダ部16内の液圧によって二次弁31が開き、液体は中空状ピストン33の中空部33b内を通って噴射口32bから噴射される。
また、図3に示す状態では負圧解消ピストン部33eは、負圧解消シリンダ部18の奥まで移動しており、外気が空気流通路24を通じて容器内に入り、負圧化を防止している。
次に、図4の状態は、トリガー14を引き終わった状態で、シリンダ部16内の液体の内圧がなくなり、二次弁用ばね36により二次弁31は閉じている状態を示している。
つまり、トリガー式ポンプディスペンサ10の作動が終了した状態を示している。
また、図4の状態で、トリガー14から手を離すと、復帰ばね15の付勢力によりトリガー14は元の位置、すなわち図2の状態に復帰する。
このトリガー14の復帰に連動して中空状ピストン33が左方向に移動すると、シリンダ部16内が負圧となり、一次弁22が開き、二次弁31は閉じているので、サクションチューブ20を通じてシリンダ部16内に液体が吸い上げられる。
なお、中空状ピストン33の左方向への移動と同時に負圧解消ピストン部33eも負圧解消シリンダ部18内を左方向へと移動し、外気との連通を遮断している。
つまり、トリガー14から手を離すことで、図2の状態に戻り、次の動作の待機状態になる。
【0025】
次に、二次弁のロック組立て体30について説明する。
図9(A),図9(B),図9(C)に示すように、二次弁のロック組立て体30は、ノズル32と中空状ピストン33とスピンナーアッセンブリ34とから構成される。
ノズル32は、図11(A),図11(B),図11(C)に示すように、内周にめねじ部32aを、端部に噴射口32bを、外周に滑り止め部32cを有している。
中空状ピストン33は、図8(A),図8(B)に示すように、外周に上記めねじ部32aと螺合するおねじ部33aを有し、中心軸に沿って中空部33bを有し、一端部に二次弁用弁座33cを有し、直径方向に突出した二個の支軸33dを有し、側方に延出するようにして負圧解消ピストン部33eが一体的に設けられている。
また、スピンナーアッセンブリ34は、図10に示すように、二次弁用ばね36を介してスピンナー35と二次弁用弁体37が一体的に連結されて構成されている。
また、二次弁用ばね36は蛇行状に形成されており(すなわち帯体が繰り返し屈曲するように形成されており)、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部36aを有している。
そして、二次弁用ばね36と二次弁用弁体37と二次弁用弁座33cとで二次弁31が構成されている。
そして、ノズル32のめねじ部32aが中空状ピストン33の外周のおねじ部33aにねじ込まれ、スピンナーアッセンブリ34が中空状ピストン33の中空部33b内を軸方向に移動可能に嵌め込まれている。
二次弁用弁体37は前記中空状ピストン33の先端部に形成された二次弁用弁座33cに対向している。
【0026】
次に、二次弁のロック組立て体30の操作について説明する。
図9(A),図9(B),図9(C)は、二次弁のロック組立て体30の断面図で、図9(A)は、二次弁31がロックされている状態を示し、図9(B)は、二次弁31がアンロックされているが、二次弁31は閉じている状態を示し、図9(C)は、二次弁31がアンロックされ、二次弁31は開いている状態を示す。
【0027】
まず、二次弁31をロック(すなわち二次弁31の機能をオフにする)するには、図9(A)に示すように、ノズル32を中空状ピストン33に対してねじ込んで、ノズル32の内端面でスピンナーアッセンブリ34のスピナー前端部35a(図10参照)を押し込むと、二次弁用弁体37(図10参照)が二次弁用弁座33c(図8(B)参照)に当接する。
さらに、続いてノズル32をねじ込むと、二次弁用ばね36の当接部36a(図10参照)同士が圧接し、二次弁用弁体37も二次弁用弁座33cに圧接した状態になり、これ以上ノズル32を中空状ピストン33に対してねじ込むことができなくなる。
この状態が二次弁31がロックされた状態(図9(A)に示す状態)である。
このように、二次弁31がロックされた状態では、不用意にトリガー14が引かれても、液体が噴出するおそれはなく、事故防止機構として有効に機能する。
【0028】
次に、二次弁31をアンロック(すなわち二次弁31の機能をオンにする)するには、図9(B)に示すように、二次弁31のロック状態(図9(A)に示す状態)から、ノズル32をねじ込む方向と逆方向に回転すると、当接部36a同士の圧接状態、及び二次弁用弁体37と二次弁用弁座33cの圧接状態がともに解除され、二次弁31がアンロックされた状態(図9(B)に示す状態)となる。
尚、この状態では当接部36aの間には空間Sが生じている。
このように、二次弁31がアンロックされた状態では、二次弁用弁体37が軸方向に(すなわち左右方向に)移動可能であり、液圧によって二次弁31が機能する状態となっている。
【0029】
次に、図9(B)に示すような、二次弁31がアンロックされた状態(すなわち二次弁31の機能がオンにされた状態)で、トリガー14が引かれると、図9(C)に示すように、二次弁31が開き、ノズル32の噴射口32bから液体が噴射する。
【0030】
本発明の一実施形態係る二次弁のロック組立て体30、及びこのロック組立て体30を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ10によれば、以下のような効果を有する。
【0031】
本発明の一実施形態係る二次弁のロック組立て体30、ノズル32のめねじ部32aが中空状ピストン33の外周のおねじ部33aにねじ込まれ、スピンナーアッセンブリ34が中空状ピストン33の中空部33b内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、スピンナーアッセンブリ34は、二次弁用ばね36を介してスピンナー35と二次弁用弁体37が一体的に連結されて構成され、二次弁用弁体37は中空状ピストン33の先端部に形成された二次弁用弁座33cに対向しており、二次弁用ばね36は蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部36aを有し、二次弁用ばね36と二次弁用弁体37と二次弁用弁座33cとで二次弁31が構成されているので、ノズル32を中空状ピストン33に対して、それ以上、ねじ込むことができなくなるまでねじ込むだけで、二次弁31がロックされた状態となる。
そして、二次弁31がロックされた状態では、不用意にトリガー14が引かれても、液体がノズル32の噴射口32bから噴射するおそれはなく、事故防止機構として有効に機能する。
また、二次弁31のロック性能にバラツキが少ない利点もある。
【符号の説明】
【0032】
10 トリガー式ポンプディスペンサ
11 本体部
12 復帰ばねの他端の支持片
13 ヒンジ部
14 トリガー
14a 嵌合部
15 復帰ばね
16 シリンダ部
16a 流路
16b 一次弁用弁座
17 流路
18 負圧解消シリンダ部
19 流路
20 サクションチューブ
21 キャップ
22 一次弁
22a 一次弁用弁体
22b 一次弁用弁体を付勢する板ばね部
23 カバー
24 空気流通路
30 二次弁のロック組立て体
31 二次弁
32 ノズル
32a めねじ部
32b 噴射口
32c 滑り止め部
33 中空状ピストン
33a おねじ部
33b 中空部
33c 二次弁用弁座
33d 支軸
33e 負圧解消ピストン部
34 スピンナーアッセンブリ
35 スピンナー
35a スピナー前端部
36 二次弁用ばね
36a 当接部
37 二次弁用弁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルと中空状ピストンとスピンナーアッセンブリとから構成される二次弁の機能をロックするロック組立て体であって、
前記ノズルのめねじ部が前記中空状ピストンの外周のおねじ部にねじ込まれ、
前記スピンナーアッセンブリが前記中空状ピストンの中空部内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、
前記スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばねを介してスピンナーと二次弁用弁体が一体的に連結されて構成され、
前記二次弁用弁体は前記中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座に対向しており、
前記二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部を有し、
前記二次弁用ばねと前記二次弁用弁体と前記二次弁用弁座とで前記二次弁が構成されることを特徴とする二次弁の機能をロックするロック組立て体。
【請求項2】
前記中空状ピストンは、トリガーの揺動運動により軸方向に往復動することを特徴とする請求項1に記載の二次弁の機能をロックするロック組立て体。
【請求項3】
請求項1に記載の二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込んだことを特徴とするトリガー式ポンプディスペンサ。
【請求項4】
二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込んだトリガー式ポンプディスペンサであって、
前記二次弁の機能をロックするロック組立て体を組み込むシリンダ部が本体に形成され、
前記シリンダ部の底部に開口する流路が形成されるとともに前記流路に対向する位置に一次弁が配置され、
前記本体にヒンジを介してトリガーが揺動可能に取り付けられ、
前記二次弁の機能をロックするロック組立て体は、ノズルと中空状ピストンとスピンナーアッセンブリとから構成され、
前記ノズルのめねじ部が前記中空状ピストンの外周のおねじ部にねじ込まれ、
前記スピンナーアッセンブリが前記中空状ピストンの中空部内に軸方向に移動可能に嵌め込まれ、
前記スピンナーアッセンブリは、二次弁用ばねを介してスピンナーと二次弁用弁体が一体的に連結されて構成され、
前記二次弁用弁体は前記中空状ピストンの先端部に形成された二次弁用弁座に対向しており、
前記二次弁用ばねは蛇行状に形成されており、この蛇行状に形成された対向する各部分には突起状の当接部を有し、
前記二次弁用ばねと前記二次弁用弁体と前記二次弁用弁座とで前記二次弁が構成され、 前記中空状ピストンは、トリガーの揺動運動により軸方向に往復動することを特徴とするトリガー式ポンプディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−111564(P2013−111564A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263051(P2011−263051)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(391050961)
【Fターム(参考)】