説明

二次電池

【課題】本発明は、二次電池の上部ケースに形成される外部端子と保護回路モジュールを電気的に接続する際に要するハンダ付け工程を自動化することで品質を改善させて、工程を単純化させるためのものである。
【解決手段】本発明は、前記のような目的を達成するために電極組立体と、前記電極組立体を収容する缶と、前記缶を封止するキャップ組立体と、前記キャップ組立体を覆う上部ケースと、前記キャップ組立体と上部ケースとの間に位置し、印刷回路基板及び第1ハンダによって前記印刷回路基板に結合される第1保護回路素子を含む保護回路モジュールと、第2ハンダによって前記印刷回路基板に結合される外部端子を含め、前記第1ハンダの融点は前記第2ハンダの融点と同様であるかまたはより大きいことを特徴とする二次電池を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、一般的に上部ケースに外部機器との電気的接続のための外部端子が形成される。この外部端子は、ベアセルの上部に電気的に結合される保護回路モジュールと電気的に接続される。また、外部端子と保護回路モジュールとの間の電気的接続は、外部端子を保護回路モジュールを構成する印刷回路基板上に手作業でハンダ付けを行うことで実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、二次電池の上部ケースに形成される外部端子と保護回路モジュールとを電気的に接続の際に要するハンダ付け工程を自動化することで品質を改善させて、工程を単純化させるためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために本発明による二次電池は電極組立体と、前記電極組立体を収容する缶と、前記缶を封止するキャップ組立体と、前記キャップ組立体を覆う上部ケースと、前記キャップ組立体と上部ケースとの間に位置し、印刷回路基板及び第1ハンダによって前記印刷回路基板に結合される第1保護回路素子を含む保護回路モジュールと、第2ハンダによって前記印刷回路基板に結合される外部端子を含め、前記第1ハンダの融点は前記第2ハンダの融点と同様であってもよくまたはより高くてもよい。
【0005】
また、前記第2ハンダはスズ(Sn)とビスマス(Bismuth)の合金を含めてもよく、前記第2ハンダは少なくとも45%のビスマス(Bismuth)を含めてもよい。
【0006】
また、前記第2ハンダの融点は138℃であってもよく、前記第2ハンダの融点は前記上部ケースの軟化点より低くてもよい。
【0007】
また、前記上部ケースはガラス繊維(Glass Fiber)が50〜60%の比率で添加された樹脂を含めてもよく、前記上部ケースの軟化点は170℃であってもよい。
【0008】
また、前記第1ハンダは前記印刷回路基板のうち前記二次電池の外側に向かう面上に位置して、前記第2ハンダは前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置し、前記第1ハンダの融点は前記第2ハンダの融点より高くてもよい。
【0009】
また、前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置する第2保護回路素子をさらに含め、前記第2保護回路素子は第3ハンダによって前記印刷回路基板に結合されてもよく、前記第2ハンダの融点と前記第3ハンダの融点は同じでもよい。
【0010】
また、前記第2ハンダと前記第3ハンダは同様の材質を含んでもよい。
【0011】
また、前記第1ハンダと前記第2ハンダは前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置し、前記第1ハンダと前記第2ハンダの融点は同じでもよい。
【0012】
また、前記上部ケースは第1支持部を具備して、前記第1支持部には第1リードプレートが結合され、前記第1リードプレートは前記印刷回路基板及び前記キャップ組立体と電気的に結合されてもよく、前記外部端子は溶接リードによって前記印刷回路基板を貫通して前記第2ハンダに結合されてもよい。
【0013】
また、上述の目的を達成するための本発明による二次電池の製造方法は、第1保護回路素子を第1ハンダを用いて印刷回路基板の上にハンダ付けすることで前記第1保護回路素子を前記印刷回路基板に電気的に結合させるステップと、上部ケース上に位置した外部端子を第2ハンダを用いて前記印刷回路基板にハンダ付けすることで前記第1保護回路素子を前記印刷回路基板に電気的に結合させるステップと、前記上部ケースと前記印刷回路基板を電極組立体及び缶を含むベアセルのキャッププレートに結合させるステップと、を含み、前記第2ハンダは前記第1ハンダと異なる材質を含み、前記キャッププレートは前記缶を封止し、前記印刷回路基板は前記ベアセルと前記上部ケースとの間に位置し、前記外部端子は前記上部ケースを介して外部へ露出されてもよい。
【0014】
また、前記第1保護回路素子のハンダ付けは前記外部端子のハンダ付けより高い温度で行われてもよく、前記外部端子のハンダ付けはリフローハンダ付けによってもよい。
【0015】
また、前記第2保護回路素子を第3ハンダを用いて前記印刷回路基板にハンダ付けするステップをさらに含み、前記第2ハンダと前記第3ハンダは同様の材質を含んでもよく、前記第1保護回路素子と前記第2保護回路素子は前記印刷回路基板の互いに反対の面に位置してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例による二次電池は、外部端子と保護回路モジュールを電気的に接続するためのハンダ付け工程を自動化することで手作業の際に発生することがあるハンダボール除去のための洗浄工程の省略を介して工程の単純化及び作業人力を減らす効果がある。また、本発明の実施例による二次電池は、外部端子と保護回路モジュールを電気的に接続するためのハンダ付け工程を自動化することで手作業によるハンダ山の高さ分散によってベアセルと保護回路モジュールとの間で短絡が発生することを防止し、工程作業者間の分散発生を減らす効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による二次電池の分解斜視図である。
【図2】図1に示すX−X’に沿って切断された断面を示す図であって、本発明の一実施例による二次電池の上部ケースと保護回路モジュールの結合断面図である。
【図3】本発明の他の実施例による二次電池の上部ケースと保護回路モジュールの結合断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施例を介して本発明をより詳しく説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例による二次電池の分解斜視図であり、図2は、図1に示すX−X’に沿って切断された断面を示す図であって、本発明の一実施例による二次電池の上部ケースと保護回路モジュールとの結合断面図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明の一実施例による二次電池はベアセル50と、前記ベアセル50の上部に形成されて前記ベアセル50と電気的に接続される保護回路モジュール60と、前記保護回路モジュール60を覆いつつ前記ベアセル50に固定される上部ケース70を含めて構成される。この際、前記ベアセル50は、電極組立体10と、前記電極組立体10を内部に収容する缶20と、前記缶20の上端開口部に挿入される絶縁ケース30と、前記絶縁ケース30の上部に形成されて前記電極組立体10と電気的に接続されるキャップ組立体40を含めて構成される。
【0021】
前記電極組立体10は、負極板(図示せず)と正極板(図示せず)及びセパレーター(図示せず)を含めて構成される。前記負極板及び正極板は、セパレーターを介在して積層された後ゼリーロール形に巻取りされてもよい。前記負極板には負極タブ11が溶接されており、この負極タブ11の一端部は前記電極組立体10の上方に突出されている。また、前記正極板には正極タブ12が溶接されており、この正極タブ12の一端部は前記電極組立体10の上方に突出されている。
【0022】
前記負極タブ11と正極タブ12の極性は、互いに切り替えられることを当業者であれば十分に理解できるだろう。
【0023】
前記缶20は、略直六面体の形状を有する金属材で形成されることができる。また、前記缶20は、上端が開口されて上端開口部が形成され、この上端開口部を介して電極組立体10が収容される。前記缶20は、その自体が端子役割を行うことが可能であり、通常後述する電極端子44とは反対の極性を有する。説明したように負極タブ11と正極タブ12の極性が互いに切り替えることが可能であるので、電極端子44は負極端子であってもよく、正極端子であってもよい。また、電極端子44が正極端子である場合は前記缶20自体の極性は負極になり、電極端子44が負極端子である場合は前記缶自体の極性は正極になる。本発明の詳しい説明では、前記缶20自体の極性が正極であって、前記電極端子44が負極であるものとして説明する。
【0024】
前記絶縁ケース30は、前記負極タブ11と対応する位置に前記負極タブ11と対応する大きさ及び形状に形成された負極タブホール31を具備し、前記正極タブ12と対応する位置に前記正極タブ12と対応する大きさ及び形状に形成された正極タブホール32を具備する。また、前記絶縁ケース30は、一側に電解液が通過できる電解液ホール33を具備する。
【0025】
前記絶縁ケース30は、前記缶20の上端開口部に対応する形状を有し、上端開口部に挿入されて結合される。また、前記絶縁ケース30は、前記電極組立体10と前記キャップ組立体40との間を絶縁する役割を果たす。従って、前記絶縁ケース30は、電気的な絶縁物質で形成される。
【0026】
前記キャップ組立体40は、キャッププレート41と、前記キャッププレート41の中央を貫通する電極端子ホール42に挿入される電極端子44と、前記電極端子ホール42と電極端子44との間に介在する絶縁ガスケット43を含めて構成される。前記キャッププレート41は、長さ方向に一側及び他側に各々形成された第1ネジ溝41a及び第2ネジ溝41bを具備する。また、前記キャッププレート41は、前記電解液ホール33と対応する位置に対応する大きさ及び形状を有する電解液注入口45を具備する。
【0027】
前記キャッププレート41は、前記缶20の上端開口部及び絶縁ケース30に対応する大きさと形状を有する金属板で形成されることができる。前記キャッププレート41下面には、前記正極タブ12が溶接によって結合されることでキャッププレート41と電極組立体10の正極が電気的に接続される。また、前記キャッププレート41は、前記缶20の上端開口部を封止する役割を果たす。
【0028】
前記電極端子44の下面は、前記負極タブ11と溶接によって結合されることで電極組立体10の負極と電気的に接続される。
【0029】
前記絶縁ガスケット43は、上述のように前記電極端子ホール42と電極端子44との間に介在することで、互いに異なる極性を有する前記キャッププレート41と電極端子44との間を電気的に絶縁させる役割を果たす。
【0030】
次に、図1及び図2を参照して本発明の一実施例による二次電池の保護回路モジュール60及び上部ケース70の構成及び前記保護回路モジュール60と上部ケース70が結合された構成に対して説明する。
【0031】
前記保護回路モジュール60は印刷回路基板61、前記印刷回路基板61下面の一側及び他側の端部に各々付着された第1リードプレート61a及び第2リードプレート61b、前記印刷回路基板61下面の中央に付着された端子プレート61cを含めて構成される。また、前記保護回路モジュール60は、前記印刷回路基板61の上面(二次電池の他側に向かう面)に塗布された第1ハンダ62aを用いてハンダ付け(第1ハンダ付け)することで前記印刷回路基板61と結合される第1保護回路素子62を含めて構成される。また、前記印刷回路基板61の他側には後述する外部端子73が挿入される挿入ホール68が形成される。
【0032】
前記印刷回路基板61には、導線パターン(図示せず)が実装されており、印刷回路基板61の上面(二次電池の外側に向かう面)または下面(二次電池の内側に向かう面)に付着された保護回路素子やリードプレートのような部品が電気的に接続されることができる。
【0033】
前記第1リードプレート61aは、前記第1ネジ溝41aと対応する位置に対応する形状及び大きさを有する第1ネジホール61dを具備する。前記第1リードプレート61aは、前記上部ケース70に形成された第1支持部71a及び前記キャッププレート41の上面に結合されることで、前記保護回路モジュール60を前記上部ケース70及びベアセル50と結合されるように働く。
【0034】
前記第2リードプレート61bは、前記第2ネジ溝41bと対応する位置に対応する形状及び大きさを有する第2ネジホール61eを具備する。前記第2リードプレート61bは、前記上部ケース70に形成された第2支持部71b及び前記キャッププレート41の上面に結合されることで、前記保護回路モジュール60を前記上部ケース70及びベアセル50と結合されるように働く。また、前記第2リードプレート61bは、前記導線パターン(図示せず)と電気的に接続される。
【0035】
前記端子プレート61cは、前記導線パターンと電気的に接続されている。また、前記端子プレート61cは、前記保護回路モジュール60がベアセル50と結合する際、前記電極端子44と結合されることで前記電極組立体10の負極と前記保護回路モジュール60を電気的に接続する役割を果たす。
【0036】
前記第1保護回路素子62は、前記導線パターンと電気的に接続され、二次電池の充/放電を制御する役割を果たすことで二次電池を保護する。本発明の一実施例による保護回路モジュール60と上部ケース70の結合品を示す図2にでは、印刷回路基板61の上面に第1保護回路素子62が3個実装された構成のみを示しているが、これは例示的なものに過ぎず、本発明で第1保護回路素子62の個数を制限するものではない。
【0037】
前記第1ハンダ62aは、Sn、Ag、Cuで構成された合金材質である。前記合金の組成比率は、略Sn96.5%、Ag3.0%、Cu0.5%であるものが好ましい。この場合、前記第1ハンダ62aの融点は略220℃であるので第1ハンダ付けが行われる温度は少なくとも220℃以上になる。第1ハンダ付けは、フローハンダ付けまたはリフローハンダ付けのうち何れでも可能である。但し、リフロー方式による場合のリフロー条件は、ピーク温度(peak temperature)は略250℃以上255℃以下に設定され、ピーク時間(peak time)は略30秒以上70秒以下に設定される。
【0038】
フローハンダ付けはハンダをハンダポット(solder−pot)に溶かし入れ、ハンダをウェーブ(wave)させた後、部品が実装された印刷回路基板をコンベヤーで移送させてウェーブ(wave)されるハンダを通り過ぎさせながらハンダ付けすることを意味する。これに対し、リフローハンダ付けは一般的に表面実装技術(Surface Mount Technology:SMT)とも呼ばれるものであって、プリント基板(PCB)にクリームハンダを印刷して部品を貼った後、リフローハンダ付けマシーンを通過させる方式を意味する。この場合、リフローハンダ付けマシーンはクリームハンダを溶かしてハンダ付けするものである。
【0039】
前記上部ケース70は、前記保護回路モジュール60及びキャップ組立体40を覆う蓋部71と前記上部ケース上面から前記缶20に向かう方向に延長されて形成された側壁72を含めて構成される。また、前記蓋部71の一側及び他側には、前記缶20に向かう方向に第1支持部71a及び第2支持部71bが各々形成される。前記第1支持部71aは、前記第1ネジホール61dと対応する位置に対応する大きさ及び形状を有する第3ネジホール71cを具備する。また、前記第2支持部71bは、前記第2ネジホール61eと対応する位置に対応する大きさ及び形状を有する第4ネジホール71dを具備する。また、前記蓋部71には、前記印刷回路基板61に形成された挿入ホール68と対応する位置に外部端子73が形成され、前記外部端子73の下面には溶接リード73aが形成される。
【0040】
前記上部ケース70は、前記キャッププレート41及び缶20の開口部に対応する形状及び大きさで形成される。前記上部ケース70は、ガラス繊維(Glass fiber)が50〜60%の比率で添加された樹脂で構成されるのが好ましい。この場合、上部ケース70の軟化点(固体物質が加熱により変形を起こし始める温度)は、少なくとも170℃以上である。
【0041】
ガラス繊維が50%未満で含まれた樹脂の場合、軟化点が低くて前記溶接リード73aをハンダ付け(第2ハンダ付け)する過程で上部ケース70が変形を起こす恐れがある。一方、ガラス繊維が60%を超えて含まれた樹脂の場合、ケースの成型が容易でないという問題が生じる恐れがある。
【0042】
前記のようなガラス繊維の含有範囲から、前記上部ケース70の成型収縮率(直角方向)は略0.5以上1以下の値を有し、前記成型収縮率(直角方向)は略0.7の値を有するのが好ましい。
【0043】
前記第1支持部71aは、前記保護回路モジュール60を構成する第1リードプレート61aと第1ネジ75aにより結合されることで、前記保護回路モジュール60を前記上部ケース70に固定する役割を果たす。前記第2支持部71bは、前記保護回路モジュール60を構成する第2リードプレート61bと第2ネジ75bにより結合されることで、前記保護回路モジュール60を前記上部ケース70に固定する役割を果たす。
【0044】
前記外部端子73は、下面に形成された溶接リード73aが前記印刷回路基板61を貫通して形成された挿入ホール68に挿入された後、前記印刷回路基板61の下面に塗布された第2ハンダ73bを用いてハンダ付け(第2ハンダ付け)されることで印刷回路基板61と電気的に結合される。
【0045】
前記第2ハンダ73bは、前記第1ハンダ62aとは異なる材質で構成される。前記第2ハンダ73bは、Sn、Bi(Bismuth)で構成された合金材質である。Biは、異なる金属と合金を行うとそれ自体の融点(271℃)より低い温度で溶ける性質を有する。
【0046】
前記第2ハンダ73bを構成する合金の組成は、Biの添加比率が略45%以上であり、好ましくは略58%比率で添加される。この場合、前記第2ハンダ73bの融点は略138℃程度である。よって、前記第3ハンダ73bを溶けるための第2ハンダ付けが実行される温度は、少なくとも138℃より高くなければならない。
【0047】
また、第2ハンダ付けが実行される温度は、前記上部ケース70の軟化点及び前記第1ハンダ62aの融点よりは低くなければならないので、170℃よりは低くあるべきである。すなわち、第2ハンダ付けが実行される温度は、138℃を超えて170℃未満に設定され、好ましくは150℃〜160℃に設定される。
【0048】
一方、前記第2ハンダ付けは、リフロー方式によることが好ましい。前記印刷回路基板61の上面に部品を実装した後、前記印刷回路基板61の下面にハンダクリームを塗布して前記上部ケース70に結合させた状態でリフローマシーンを通過させることで工程を自動化することができるためである。前記リフロー方式による場合、リフロー条件はピーク温度(peak temperature)が150℃以上165℃以下に設定されるのが好ましく、ピーク時間(peak time)が略30秒以上100秒以下に設定されるのが好ましい。この第2ハンダ付けをリフロー方式によることとしても第1ハンダ62aの融点が第2ハンダ付けが行われる温度より高いので第2ハンダ付け過程で前記第1ハンダ62aが溶けるなどのような問題は発生しない。
【0049】
上述のように前記保護回路モジュール60は、上部ケース70に結合された後に前記第1リードプレート61a及び第2リードプレート61bが各々前記キャッププレート41上に結合されることで、前記ベアセル50と結合される。この場合、前記保護回路モジュール60と前記ベアセル50間の結合は、前記第1ネジ75a及び第2ネジ75bが前記キャッププレート41上の第1ネジ溝41a及び第2ネジ溝41bに締まることで実現される。
【0050】
このように本発明の一実施例による二次電池は、保護回路モジュール60が上部ケース70に先に結合された後に、前記保護回路モジュール60が結合された上部ケース70がベアセル50と結合されることで完成される。
【0051】
また、本発明の一実施例による二次電池は、製造過程において第2ハンダ付けの温度が第1ハンダ付けの温度より低く設定されるようにした。よって、前記保護回路モジュール60及び上部ケース70を結合させる作業が一回のリフロー工程を介して行われるようにすることで生産効率を高める効果がある。
【0052】
次に、本発明の他の実施形態による二次電池に対して説明する。
【0053】
図3は、本発明の他の実施例による二次電池の上部ケースと保護回路モジュールの結合断面図である。
【0054】
図3を参照すると、本発明の他の実施例による二次電池は、本発明の一実施例による二次電池と比較して印刷回路基板61の下面に第2保護回路素子63及び第3ハンダ63aがさらに形成されるということが異なるだけで、他の構成は同じであり同じ作用を奏する。よって、本発明の他の実施例による二次電池に対しては上述の差異についてのみ説明し、残りの構成についての説明は省略する。
【0055】
前記印刷回路基板61の下面に形成された第2保護回路素子63は、前記印刷回路基板61の下面に塗布された第3ハンダ63aを用いてハンダ付け(第3ハンダ付け)することで前記印刷回路基板61の下面に結合される。本発明による二次電池の他の実施例に関する図3においては、保護回路素子が印刷回路基板61の上面と下面に各々に3個実装されている場合を示しているが、固これは例に過ぎず本発明で保護回路素子の個数を制限しようとするものではない。
【0056】
前記第3ハンダ63aは、前記第1ハンダ62aとは異なる材質で構成され、前記第2ハンダ73bと同じ材質で構成されるのが好ましい。すなわち、前記第3ハンダ63aは、Sn、Bi(Bismuth)で構成された合金材質で構成されるのが好ましい。よって、前記第3ハンダ63aを構成する合金の組成は、Biの添加比率が略略45%以上であり、好ましくは略58%比率で添加される。
【0057】
この場合、前記第3ハンダ63aの融点は略138℃程度である。よって、前記第3ハンダ63aを溶かすための第3ハンダ付けが実行される温度は、少なくとも138℃より高くなければならない。また、第3ハンダ付けが実行される温度は、前記上部ケース70の軟化点及び前記第1ハンダ62aの融点よりは低くなければならないので、170℃よりは低くあるべきである。すなわち、第3ハンダ付けが実行される温度は、138℃超過170℃未満に設定され、好ましくは150℃〜160℃に設定される。
【0058】
一方、前記第3ハンダ付けは、リフロー方式によることが好ましい。前記印刷回路基板61の下面にハンダクリームを塗布して、前記印刷回路基板61の下面に部品を実装した後、前記上部ケース70に結合させた状態で一気にリフローマシーンを通過させることで工程を自動化することができるためである。
【0059】
よって、第2ハンダ付け及び第3ハンダ付けを同時に実行することが最も好ましい。このようにリフロー方式により第3ハンダ付けを実行してたとしても第3ハンダ付け過程で前記第1ハンダ62aが溶けるなどのような問題を発生しない。これは第1ハンダ62aの融点が第3ハンダ付けが行われる温度より高いためである。
【0060】
図3による実施例は、印刷回路基板61の上面に部品を第1ハンダ付けにより実装した後、印刷回路基板61の下面に部品を追加して実装しようとする場合についての実施例である。しかし、印刷回路基板61の上面に部品を実装しないで、印刷回路基板61の下面にすべての部品を実装した後、外部端子73の下面に形成された溶接リード73aを印刷回路基板61に結合させた状態で一気にリフローマシーンを通過させることで部品組立及び端子締結を行うことも可能である。
【0061】
次に、本発明の一実施例による二次電池の製造方法に対して説明する。
【0062】
本発明の実施例による二次電池の製造方法は、第1保護回路素子62実装ステップ(S1)、第1ハンダ付けステップ(S2)、印刷回路基板61及び上部ケース70結合ステップ(S3)、第2ハンダ付けステップ(S4)及び上部ケース70及びベアセル50結合ステップ(S5)を含めて構成される。
【0063】
前記第1保護回路素子62実装ステップ(S1)は、印刷回路基板61の上面のうち第1保護回路素子62が実装される位置に第1ハンダ62aを塗布した後、第1保護回路素子62を挿入するステップである。
【0064】
前記第1ハンダ付けステップ(S2)は、第1ハンダ62aを用いて第1ハンダ付け温度で第1ハンダ付けを行うことで第1保護回路素子62を印刷回路基板の上面に固定させて、第1保護回路素子62と印刷回路基板61が電気的に接続されるように行うステップである。
【0065】
前記印刷回路基板61及び上部ケース70結合ステップ(S3)は、印刷回路基板61の下面のうち挿入ホール68が形成された部分に第2ハンダ73bを塗布した後、上部ケース70の外部端子73の下面に形成された溶接リード73aを挿入ホール68に挿入するステップである。この際、前記第2ハンダ73bは、上述のように第1ハンダ62aより融点が低いものを用いるのが好ましい。
【0066】
前記第2ハンダ付けステップ(S4)は第2ハンダ73bを用いて第2ハンダ付け温度で第2ハンダ付けを行うことで外部端子73が溶接リード73aを介して印刷回路基板61に固定されるように実施するステップである。また、前記第2ハンダ付けステップ(S5)を経過することで外部端子73と印刷回路基板61が電気的に接続される。この際、前記第2ハンダ付け温度は、上述のように第1ハンダ付け温度よりは低く設定されるのが好ましく、第2ハンダ付けはリフロー方式によるものが好ましい。
【0067】
前記上部ケース70及びベアセル50結合ステップ(S5)は印刷回路基板61と結合された状態の上部ケース70をベアセル50を構成するキャッププレート41上に結合させるステップである。前記結合は、第1ネジ75a及び第2ネジ75bを用いたネジ締め方式で行われる。
【0068】
次に、本発明の他の実施形態による二次電池の製造方法に対して説明する。本発明の他の実施例による二次電池の製造方法は、本発明の一実施例による二次電池の製造方法と比較して、第2保護回路素子63実装ステップ(S21)をさらに含むことのみが異なる。よって、重なるステップに対してはその説明を省略する。
【0069】
前記第2保護回路素子63実装ステップ(S21)は、第1ハンダ付けステップ(S2)と印刷回路基板61及び上部ケース70結合ステップ(S3)の間で行われるステップである。前記第2保護回路素子63実装ステップ(S21)は、第2保護回路素子63が実装される位置に第3ハンダ63aを塗布した後、第2保護回路素子63を挿入するステップである。この場合、上述のように第3ハンダ63aの融点は、第1ハンダ62aの融点より低く設定されるのが好ましい。また、前記第3ハンダ63aは、第2ハンダ73bを用いたハンダ付けの際にともにハンダ付けするのが好ましい。
【0070】
上述のように、本発明による二次電池は、外部端子と保護回路モジュールを電気的に接続するためのハンダ付け工程を自動化することで手作業の際に発生することがあるハンダボール除去のための洗浄工程の省略を介して工程の単純化及び作業人力を減らす効果がある。
【0071】
また、本発明の実施例による二次電池は、外部端子と保護回路モジュールを電気的に接続するためのハンダ付け工程を自動化することで手作業によるハンダ山の高さ分散によってベアセルと保護回路モジュールとの間で短絡が発生することを防止し、工程作業者間の分散発生を減らす効果がある。
【0072】
以上本発明の実施例で説明されたことは例に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を持つものであれば、多様な変更及び均等な他の実施形態が可能であることは理解しえるだろう。
【符号の説明】
【0073】
10:電極組立体
11:負極タブ
12:正極タブ
20:缶
30:絶縁ケース
31:負極タブホール
32:正極タブホール
33:電解液ホール
40:キャップ組立体
41:キャッププレート
42:電極端子ホール
43:絶縁ガスケット
44:電極端子
45:電解液注入口
50:ベアセル
60:保護回路モジュール
61:印刷回路基板
61a:第1リードプレート
61b:第2リードプレート
61c:端子プレート
62:第1保護回路素子
62a:第1ハンダ
63:第2保護回路素子
63a:第3ハンダ
68:外部端子挿入ホール
70:上部ケース
71:蓋部
71a:第1支持部
71b:第2支持部
72:側壁
73:外部端子
73a:溶接リード
73b:第2ハンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体を収容する缶と、
前記缶を封止するキャップ組立体と、
前記キャップ組立体を覆う上部ケースと、
前記キャップ組立体と前記上部ケースとの間に位置し、印刷回路基板及び第1ハンダにより前記印刷回路基板に結合される第1保護回路素子を含む保護回路モジュールと、
第2ハンダにより前記印刷回路基板に結合される外部端子と、を含み、
前記第1ハンダの融点は、前記第2ハンダの融点と同じであるかまたはより高いことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記第2ハンダは、スズ(Sn)及びビスマス(Bismuth)の合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第2ハンダは、少なくとも45%のビスマス(Bismuth)を含むことを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第2ハンダの融点は、138℃であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第2ハンダの融点は、前記上部ケースの軟化点より低いことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記上部ケースは、ガラス繊維(Glass fiber)が50〜60%の比率で添加された樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記上部ケースの軟化点は、170℃であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1ハンダは、前記印刷回路基板のうち前記二次電池の外側に向かう面上に位置し、
前記第2ハンダは、前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置し、
前記第1ハンダの融点は、前記第2ハンダの融点より高いことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置する第2保護回路素子をさらに含み、
前記第2保護回路素子は、第3ハンダにより前記印刷回路基板に結合されることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第2ハンダの融点は、前記第3ハンダの融点と同じであることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第2ハンダと前記第3ハンダは、同じ材質であることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第1ハンダと前記第2ハンダは、前記印刷回路基板のうち前記二次電池の内側に向かう面上に位置し、
前記第1ハンダと前記第2ハンダの融点は、同じであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記上部ケースは、第1支持部を具備し、
前記第1支持部には、第1リードプレートが結合され、
前記第1リードプレートは、前記印刷回路基板及び前記キャップ組立体と電気的に結合されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記外部端子は、溶接リードにより前記印刷回路基板を貫通して前記第2ハンダに結合されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
第1保護回路素子を第1ハンダを用いて印刷回路基板の上にハンダ付けすることで前記第1保護回路素子を前記印刷回路基板に電気的に結合させるステップと、
上部ケース上に位置する外部端子を第2ハンダを用いて前記印刷回路基板にハンダ付けすることで前記第1保護回路素子を前記印刷回路基板に電気的に結合させるステップと、
前記上部ケースと前記印刷回路基板を電極組立体及び缶を含むベアセルのキャッププレートに結合させるステップと、を含み、
前記第2ハンダは前記第1ハンダと異なる材質を含み、
前記キャッププレートは前記缶を封止し、
前記印刷回路基板は前記ベアセルと前記上部ケースとの間に位置し、
前記外部端子は前記上部ケースを介して外部へ露出されることを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項16】
前記第1保護回路素子のハンダ付けは、前記外部端子のハンダ付けより高い温度で行われることを特徴とする請求項15に記載の二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記外部端子のハンダ付けは、リフローハンダ付けによることを特徴とする請求項15に記載の二次電池の製造方法。
【請求項18】
第2保護回路素子を第3ハンダを用いて前記印刷回路基板にハンダ付けするステップをさらに含み、
前記第2ハンダと前記第3ハンダは、同じ材質であることを特徴とする請求項15に記載の二次電池の製造方法。
【請求項19】
前記第1保護回路素子と前記第2保護回路素子は、前記印刷回路基板の互いに反対の面に位置することを特徴とする請求項18に記載の二次電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−142262(P2012−142262A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207369(P2011−207369)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】