説明

二次電池

【課題】容量の損失がなく、安全性に優れた二次電池を提供する。
【解決手段】本発明は、集電体に第1活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第1極板と、集電体に第2活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第2極板と、前記極板の間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、濃度が0.5M〜1Mであるリチウム塩及び有機溶媒で構成される電解液と、前記電極組立体及び電解液を収容するケースとを含む二次電池に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池に関し、更に詳しくは、安全性に優れたリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電極組立体は正極板及び負極板と前記極板の間に介在されるセパレータを含む。前記セパレータは、前記極板が直接対面して電気的に連結されるのを防止する。
【0003】
また、前記セパレータを通じて電解液及び電解液中に含まれているリチウム塩が移動する。前記リチウム塩は、正極板及び負極板の表面で化学反応して電気エネルギーを発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電解液中に含まれるリチウム塩の濃度を変化させることで、容量の損失がなく、安全性に優れた二次電池を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的は、電極組立体に含まれるセパレータを変化させることで、安全性に優れた二次電池を提供することにある。
【0006】
更に、本発明はリチウム塩の濃度と共に、セパレータの空気透過度を調節することによって安全性、特に、圧縮特性に優れた二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するために、本発明は、次のような二次電池を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、集電体に第1活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第1極板と、集電体に第2活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第2極板と、前記極板の間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、濃度が0.5M〜1Mであるリチウム塩及び有機溶媒で構成される電解液と、前記電極組立体及び電解液を収容するケースとを含む。
【0009】
また、前記セパレータは多数の気孔を含み、前記セパレータの気孔度(porosity)は25%〜65%であり得る。好ましくは、前記セパレータの気孔度は45%である。
【0010】
更に、前記セパレータの空気透過度(air permeability)は、75sec/100cc〜200sec/100ccであり得る。好ましくは、前記セパレータの空気透過度は、75sec/100cc〜100sec/100ccである。
【0011】
また、前記リチウム塩は、LIPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiN(SOCF、LiCSO、LiAlO、LiAlCl、LiCl及びLiIからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることができる。
【0012】
更に、前記リチウム塩はLIPFであり得る。
【0013】
また、前記リチウム塩の濃度は0.8M〜1.0Mであり得る。
【0014】
更に、前記有機溶媒は非水性有機溶媒であって、カーボネート、エーテル、エステル又はケトンからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることができる。
【0015】
好ましくは、前記カーボネートは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート及び2,3−ペンチレンカーボネートからなる群より少なくともいずれか1つ選択される。
【0016】
また、好ましくは、前記エステルは、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンからなる群より少なくともいずれか1つ選択される。
【0017】
好ましくは、前記エーテルは、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジブチルエーテルからなる群より少なくともいずれか1つ選択される。
【0018】
好ましくは、前記ケトンはポリメチルビニルケトンである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る二次電池は、リチウム塩の濃度が低い電解液を用いて安全性が向上すると同時に、前記二次電池の設計容量の損失がないという効果を奏する。
【0020】
また、本発明に係る二次電池は、安全性において有利であると同時に、寿命特性にも好適な空気透過度を有するセパレータを用いる。
【0021】
このようなリチウム塩の濃度及びセパレータを用いることによって、二次電池の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る二次電池の分解図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電極組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態及びその他に当業者が本発明の内容を容易に理解するために必要な事項について詳細に記載する。ただし、本発明は特許請求の範囲に記載された範囲内で多様な形態に変形及び変更できるので、以下で説明する実施形態は例示的なものに過ぎないことを当業者は理解できる。
【0024】
本実施形態を説明するにおいて、関連する公知となった技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。また、図面において同じ構成要素がたとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り、同じ参照番号又は符号で示していることに留意しなければならない。なお、図面において各厚みや大きさは説明の便宜性及び明確性のために、誇張又は縮小され得るので、実際の層厚みや大きさとは異なり得る。
【0025】
以下、添付する図面を参照して本発明の他の実施形態の構成及び作用を詳細に説明する。
【0026】
本発明に係る電解液果セパレータを含む電極組立体及びこれを備える二次電池を説明すれば、以下の通りである。
【0027】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す図である。
【0028】
図1は、角形二次電池の分解図であり、図2は、図1に示す電極組立体の斜視図である。
【0029】
図1において、角形二次電池10は、電極組立体100、缶200及びキャップ組立体300を含んで構成される。また、図2において、前記電極組立体100は第1極板110、第2極板120及びセパレータ130を含む。
【0030】
図1及び図2を参照すれば、前記電極組立体100を構成する前記第1及び第2極板110、120にはそれぞれ第1及び第2電極リード140、150が備えられる。前記第1極板110には第1電極リード140が取り付けられ、第2極板120には第2電極リード150が取り付けられる。前記極板に取り付けられた第1及び第2電極リード140、150によって、前記電極組立体100は外部と電気的に連結される。以下では、便宜上、前記第1極板110を正極板とし、第2極板120は負極板とする。
【0031】
前記正極板110は、第1活物質層である正極活物質層と無地部を含む。前記正極活物質層は、正極集電体に正極活物質が塗布された部分であり、前記無地部は、前記正極集電体に正極活物質が塗布されていない部分である。
【0032】
一般に、正極集電体は高い導電性を有する物質であって、化学的変化を誘発しないものであれば、特に制限されない。例えば、前記正極集電体は、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素などが使用され得る。正極活物質層は、リチウムを含む層状化合物である正極活物質と、伝導性を向上させる導電剤と、前記層状化合物と導電剤間の結合力を向上させるバインダを含む。正極活物質層は、前記正極活物質と導電剤及びバインダを溶媒と共に混合してスラリ状にした後、前記スラリを正極集電体に塗布することによって形成される。好ましくは、溶媒としてはNMP(N−Methyl−2−Pyrrolidone)、正極活物質としてはリチウムコバルト酸化物(LiCoO)、導電剤としてはアセチレンブラック、バインダとしてはポリフッ化ビニリデンを使用できるが、これに制限されるものではない。
【0033】
前記負極板は、第2活物質層である負極活物質層と無地部を含む。前記負極活物質層は、負極集電体に負極活物質が塗布された部分であり、前記第2無地部は、前記負極集電体に負極活物質が塗布されていない部分である。
【0034】
一般に、負極集電体は伝導性金属板であって、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケルなどで形成されることができる。負極活物質層は、負極活物質及び前記負極活物質の結合力を向上させるバインダ及び増粘剤を溶媒と混合してスラリ状にした後、前記スラリを負極集電体に塗布して形成される。好ましくは、溶媒としては水、負極活物質としては黒鉛、バインダとしてはスチレン−ブタジエンゴム及び増粘剤としてはカルボキシメチルセルロースを使用できるが、これに制限されるものではない。このように、前記負極活物質として黒鉛が用いられる場合には、前記負極板120に対応する正極板110は負極板120に比べて小さな面積で形成されることができる。反面、前記負極活物質としては、錫酸化物(SnO)又はリチウムチタン酸化物(LTO)が用いられる場合には、前記負極板に対応する正極板が負極板に比べて大きな面積で形成されることができる。
【0035】
セパレータ130は、前記正極板110及び負極板120の間に介在される。前記セパレータ130は、イオンの通路となると同時に、正極板110と負極板120が直接接触して前記極板が電気的に連結されるのを防止する。従って、セパレータ130は、高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜であることが好ましい。例えば、前記セパレータ130としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンなどのポリオレフィン系高分子膜又はこれらの多重膜、微細多孔性フィルム、織布及び不織布を使用できる。また、多孔性のポリオレフィンフィルムに安全性が優れた高分子樹脂が塗布されたフィルムを使用できる。
【0036】
前述したように、二次電池10において前記セパレータ130の主な役割は正極板110及び負極板120の電気的接触を防止すると同時に、前記極板間のイオンの通路を提供するものである。従って、前記セパレータ130は絶縁体であり、同時に電解液が含浸された状態での電気抵抗が小さいことが好ましい。また、前記セパレータ130は、内部或いは外部短絡によって大電流が流れるとき、微細気孔を閉鎖して電池回路を遮断できることが好ましい。
【0037】
電池性能に影響を及ぼすセパレータ130の特性としては、厚さ、膜構造、空気透過度、気孔度、気孔の大きさなどが挙げられる。これらのうち、空気透過度と気孔度は測定が容易であり、電池性能に直接的な影響を与える値であって、頻繁に用いられる測定値である。
【0038】
前記電極組立体100を構成するセパレータ130の気孔度は25%〜65%であり、好ましくは、45%である。前記気孔度が25%未満である場合にはセパレータ内の気孔が少ないため、イオンなどの移動が円滑でないので、前記二次電池10の寿命などの特性に悪い影響を及ぼす。また、前記気孔度が65%を超える場合には、セパレータ130内の気孔があまりにも多くなるので、イオンの移動は円滑であるが、安全性の側面から問題を発生させる。即ち、セパレータ130は外部衝撃によって損傷しやすくなり、前記正極板110及び負極板120間の短絡が発生し得る。
【0039】
前記空気透過度は、一定の圧力及び一定の面積で任意に規定された空気量の通過時間を示すものであって、通常、gurely値で明示される。気孔の大きさはリチウムデンドライト(dendrite)の成長及び異物による内部短絡を防止するために、μm以下の大きさであり、空気透過度は前記セパレータ130において空いている部分がその全体体積に占める割合を示す。
【0040】
図2に示すように、電極組立体100は、正極板110及び負極板120と前記極板の間にセパレータ130が介在された巻取軸160を中心に巻き取って形成される。このように形成された電極組立体100は、図1に示すように、角形缶200に収容される。このとき、前記電極組立体100と共に電解液を収容し、前記缶200の開口部はキャップ組立体300で封止される。
【0041】
前記キャップ組立体300は、キャッププレート310を基板に、負極ピン320、電解液注入口330及び安全ベント340を含む。
【0042】
前記負極ピン320は第2電極リード150に連結されて負極端子として作用する。従って、前記負極ピン320の下端部には第2電極リード150はジグザグ状に折り曲げられて溶接される。また、第1電極リード140はキャッププレート310に溶接される。このとき、前記第1及び第2電極リード140、150を結合させる溶接方法としては、抵抗溶接又はレーザ溶接などが用いられ、一般には抵抗溶接が用いられる。
【0043】
キャップ組立体300の一側には電解液注入口330が形成されている。前記キャップ組立体300が前記電池ケース200の上端開口部に組み立てられた後、電解液注入口330を介して電解液が注入される。次に、前記電解液注入口300は、アルミニウム含有金属で形成されたボール状の母材のような別途の密閉手段によって前記電解液注入口300に圧入及び溶接して密閉させる。また、キャップ組立体300の他側には二次電池10の内圧が上昇して一定圧力以上に到達すると、ガスが放出され得るようにする安全ベント340が形成されている。
【0044】
本発明のリチウム二次電池は図示した角形以外にも円筒状、パウチ状など他の形状からなることができる。
【0045】
図1及び図2に示すように、本発明に係るセパレータを含む電極組立体100を本発明に係る電解液と共に缶200に収納した後、キャップ組立体300によって封止して二次電池10を製作する。
【0046】
前記電解液はリチウム塩と非水性有機溶媒を含み、充放電特性の向上又は過充電の防止などのために添加剤を更に含むことができる。前記リチウム塩は電池内でリチウムイオンの供給源として作用して基本的なリチウム電池の作動を可能にし、前記非水性有機溶媒は電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質としての役割を果たす。
【0047】
前記リチウム塩としては、LIPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiN(SOCF、LiCSO、LiAlO、LiAlCl、LiCl及びLiIからなる群より選択される1種以上を混合して使用できる。
【0048】
前記非水性有機溶媒としては、カーボネート、エステル、エーテル又はケトンを単独又は混合して使用できる。また、このような有機溶媒はイオンの解離度を上げてイオンの伝達を円滑にするために、高誘電率、高粘度を有する溶媒と低誘電率、低粘度を有する溶媒で構成された2種類以上の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0049】
前記非水性有機溶媒のうち、カーボネート系溶媒の場合、環状(cyclic)カーボネートと線状(chain)カーボネートを混合して用いることが好ましい。例えば、環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが使用され得る。誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好ましく、負極活物質として人造黒鉛が用いられる場合にはエチレンカーボネートが特に好ましい。例えば、線状カーボネートとして、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネートなどが使用され得る。これらの中では、粘度が低いジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好ましい。
【0050】
前記エステルは、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
【0051】
また、前記エーテルは、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどが使用され得る。
【0052】
前記ケトンとしては、ポリメチルビニルケトンなどが使用され得る。
【0053】
以下に本発明の実施形態及び比較例を記載する。しかしながら、下記の実施形態は本発明の好適な一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲が下記の実施形態によって制限されるものではない。
【0054】
<実施形態1>
正極活物質であるリチウムコバルト酸化物(LiCoO)と、バインダであるポリフッ化ビニリデン及び導電剤であるアセチレンブラックを92:4:4の重量比で混合した。前記混合した物質をNMP(N−Methyl−2−Pyrrolidone)に分散させて正極活物質を含むスラリを製造した。このスラリを厚さ20μmのアルミニウムホイルに塗布した後、乾燥、圧延して正極板を製造した。前記正極板の無地部に第1電極リードを取り付けた。
【0055】
負極活物質である人造黒鉛、バインダとしてスチレン−ブタジエンゴム及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを96:2:2の重量比で混合した。これらの混合物を水に分散させて負極活物質を含むスラリを製造した。このスラリを厚さ15μmの銅ホイルにコーティングした後、乾燥、圧延して負極板を製造した。前記負極板の無地部に第2電極リードを取り付けた。
【0056】
前記製造された正極板及び負極板の間に厚さ20μmのポリエチレン(PE)材質のフィルム状のセパレータを介在した。このとき、前記セパレータは気孔度が45%であり、空気透過度が200sec/100ccのものを用いた。前記極板と前記極板の間に介在されたセパレータを渦形に巻き取って電極組立体を形成した。前記電極組立体は、前記電極組立体から引き出される第1及び第2電極リードを上部にして角形缶に挿入した。前記電極リードをそれぞれ負極ピンの下部及びキャップ組立体に取り付けた後、前記キャップ組立体を用いて角形缶の開口部を封止させた。前記キャップ組立体に備えられた電解液注入口を介して電解液を注入し、前記電解液注入口を封止してリチウム二次電池を製造した。電解液としては、0.5MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)/エチルメチルカーボネート(ethylmethyl carbonate、EMC)混合溶液(3:7体積比)を用いた。
【0057】
<実施形態2>
電解液として、0.6MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0058】
<実施形態3>
電解液として、0.7MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0059】
<実施形態4>
電解液として、0.8MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0060】
<実施形態5>
電解液として、0.9MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0061】
<実施形態6>
電解液として、1.0MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0062】
<実施形態7>
前記極板の間に介在されるセパレータは、空気透過度が110sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0063】
<実施形態8>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が100sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0064】
<実施形態9>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が95sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0065】
<実施形態10>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が75sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0066】
<比較例1>
電解液として、1.1MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0067】
<比較例2>
電解液として、1.15MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0068】
<比較例3>
電解液として、1.2MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0069】
<比較例4>
電解液として、1.3MのLIPFが溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートの混合溶液(3:7体積比)を用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0070】
<比較例5>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が70sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0071】
<比較例6>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が50sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0072】
<比較例7>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が220sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0073】
<比較例8>
前記極板の間に介在されるセパレータとして、空気透過度が250sec/100ccのものを用いたことを除いては、前記実施形態1と同一に実施した。
【0074】
<容量確認及び圧縮テスト>
前記実施形態1〜10、比較例1〜8の二次電池の特性で容量を確認し、圧縮特性をテストした。
【0075】
1.容量確認
実施形態及び比較例によって製造された二次電池の容量を確認した。前記二次電池は充放電器を用いて室温で1C/4.2Vで定電流−定電圧で3時間充電した。次に、充電された二次電池を1C/2.75Vで定電流放電した。このような条件で充電した後、放電した放電容量は二次電池の容量で表1及び表2に百分率で示した。
【0076】
2.圧縮特性の確認
実施形態及び比較例によって製造された二次電池を1C/4.2Vで定電流−定電圧で3時間充電した。このように満充電状態の二次電池を2つの平らな面の間に置き、直径が1.25インチ(32mm)のピストンを有する油圧ラム(hydraulic ram)を用いて圧縮させた。前記圧縮は、油圧ラムによって2500psig(17.2MPa)の圧力が加えられるまで持続的に3000pounds(13kN)の圧力を二次電池に加えた。このように、圧縮テストを行った後、二次電池の状態を確認し、その結果を表1及び表2に示す。前記二次電池の状態が漏液又は熱暴走などを伴わない場合は、圧縮テスト結果は良好なものであって、表1及び表2ではOKで示した。反対に、前記二次電池が発火又は破裂される場合は前記圧縮テストを通過できず、表1及び表2ではNGで示した。
【0077】
以下で、表1及び表2に基づいて前述した実施形態及び比較例を検討する。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
表1は空気透過度が200sec/100ccのセパレータを同一に用い、電解液中のLIPFの濃度、即ち、リチウム塩の濃度を変化させながら、二次電池の容量及び圧縮特性を確認した。
【0081】
表1を参照すれば、前記リチウム塩の濃度が減少することにより、圧縮特性が向上することを確認できた。具体的には、実施形態1〜実施形態6において、前記リチウム塩の濃度を0.5Mから1.0Mまで0.1M単位で順次減少させながら容量及び圧縮テストを行った結果は次のようであった。前記リチウム塩の濃度が0.5M〜1.0Mの場合には過半数以上の二次電池が圧縮テストで良好であることが確認できた。特に、実施形態1〜実施形態4において、リチウム塩の濃度が0.5M〜0.8Mではテストした二次電池全部が圧縮テストを通過した。反面、比較例1〜比較例4を参照すれば、リチウム塩の濃度を1.1M以上に増加させた場合、テストした二次電池の50%のみが前記圧縮テストを通過できた。また、前記リチウム塩の濃度を増加させるほど、前記圧縮テストを通過する二次電池の数が減少することが確認できた。
【0082】
一方、実施形態1〜実施形態3において、リチウム塩の濃度が0.7M以下の場合には二次電池の容量が前記二次電池の設計容量の100%に達していないことが確認できた。反面、実施形態4〜実施形態6と、比較例1〜比較例4を検討すれば、前記リチウム塩の濃度が0.8M以上の場合には、前記設計容量と類似する容量を確認できた。しかしながら、前記リチウム塩の濃度を0.9Mから1.3Mに増加させても、前記容量は類似する結果を示すことが確認できた。
【0083】
表2は、電解液中のLIPFの濃度、即ち、リチウム塩の濃度は0.1Mで同一にし、電極組立体を構成するセパレータの空気透過度を多様に変化させながら、二次電池の容量及び圧縮特性を確認した。
【0084】
表2を参照すれば、前記リチウム塩の濃度が同一である場合、セパレータの空気透過度が75sec/100cc〜200sec/100ccである場合、二次電池の圧縮特性が良好であることが確認できた。具体的には、実施形態6〜10でセパレータの空気透過度を200sec/100ccから75sec/100ccに変化させるとき、圧縮テストで通過する二次電池の確率が増加することが確認できた。特に、実施形態8〜実施形態10のように、前記セパレータの空気透過度が75sec/100cc〜100sec/100ccである場合は、テストされた二次電池全部が圧縮テストを通過することが確認できた。反面、比較例5及び比較例6を参照すれば、セパレータの空気透過度が70sec/100cc以下である場合には、セパレータ内の多孔性が大きくなるので、前記セパレータを間に挟んで正極板及び負極板が容易に接触して短絡されやすい。従って、前記セパレータの空気透過度が70sec/100cc以下である場合には、二次電池の圧縮特性が悪いことが確認できた。また、比較例7及び比較例8を参照すれば、セパレータの空気透過度が220sec/100cc以上である場合には、前記セパレータの内部は多孔性が低いので、前記二次電池の内部で発生する熱を十分に放出させることができない。従って、二次電池の過半数が圧縮テストに通過できないことが確認できた。
【0085】
即ち、表1及び表2を参照すれば、電解液中のリチウム塩の濃度は低いほど圧縮特性が向上するが、前記リチウム塩の濃度があまりに低ければ、二次電池の容量は減少する。また、セパレータの空気透過度が良くなるほど、二次電池の圧縮特性が向上する傾向を示すが、前記空気透過度が70sec/100cc以下又は200sec/100cc以上である場合には、むしろ前記二次電池の圧縮特性に悪い影響を与えることが確認できた。
前述したように、二次電池の容量及び圧縮特性を考慮すると、前記二次電池で電解液中のリチウム塩の濃度は0.5M〜1.0Mであり、好ましくは、前記リチウム塩の濃度は0.8M〜1.0Mである。また、前記二次電池でセパレータの空気透過度は75sec/100cc〜200sec/100ccであり、好ましくは、75sec/100cc〜100sec/100ccである。
【0086】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0087】
10 角形二次電池
100 電極組立体
110 第1極板
120 第2極板
130 セパレータ
140 第1電極リード
150 第2電極リード
200 缶
300 キャップ組立体
310 キャッププレート
320 負極ピン
330 電解液注入口
340 安全ベント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体に第1活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第1極板と、
集電体に第2活物質が塗布された活物質層と前記活物質が塗布されていない無地部を備える第2極板と、
前記極板の間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、
濃度が0.5M〜1Mであるリチウム塩及び有機溶媒で構成される電解液と、
前記電極組立体及び電解液を収容するケースと
を含む二次電池。
【請求項2】
前記セパレータは多数の気孔を含み、前記セパレータの気孔度は25%〜65%であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記セパレータの気孔度は、45%であることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記セパレータの空気透過度は、75sec/100cc〜200sec/100ccであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記セパレータの空気透過度は、75sec/100cc〜100sec/100ccであることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記リチウム塩は、LIPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiN(SOCF、LiCSO、LiAlO、LiAlCl、LiCl及びLiIからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記リチウム塩は、LIPFであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記リチウム塩の濃度は、0.8M〜1.0Mであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記有機溶媒は非水性有機溶媒であって、カーボネート、エーテル、エステル又はケトンからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項10】
前記カーボネートは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート及び2,3−ペンチレンカーボネートからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記エステルは、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項12】
前記エーテルは、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジブチルエーテルからなる群より少なくともいずれか1つ選択されることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項13】
前記ケトンは、ポリメチルビニルケトンであることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−23005(P2012−23005A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232527(P2010−232527)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】