説明

二液収容可能型容器

【課題】従来のゲル押出ガンに設けられるトリガーを引くことにより、ゲルと硬化剤を同時に押出すことができ、そうすると、ゲルと硬化剤が混合され、ゲルを快速に固化することができる二液収容可能型容器を提供する。
【解決手段】中空なチューブ11であり、その前端に原料排出チューブ部12が成形されるメーン原料チューブ1と、メーン原料チューブ1内に組み付けられ、小径なブッシュから大径なブッシュへ順次に嵌合して構成されるスリーブ21と、原料排出チューブ部22と、を含み、スリーブ21の開口224がメーン原料チューブ1の原料排出チューブ部12に対応する補助原料チューブ2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二液収容可能型容器に関し、特に、メーン原料チューブと、前記メーン原料チューブ内に設けられる補助原料チューブと、から構成され、メーン原料チューブにゲルが収容され、補助原料チューブに硬化剤が収容され、従来のゲル押出ガンに設けられるトリガーを引くことにより、ゲルと硬化剤を同時に押出すことができ、そうすると、ゲルと硬化剤が混合され、ゲルを快速に固化することができる二液収容可能型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防水性を有する市販しているエポキシなどの樹脂は、浴室のタイルにある隙間の補修、養魚槽やガラスの補強、又は屋根の隙間の補修などに適用される。一般のゲルは、ゲル押出ガンにより押し出された後、所定時間を過ごさないと固化しない。これにより、垂直面にゲルを押出した直後に、固化しないゲルが垂れ易い。そのため、補修したい箇所を良く補修できないことの他に、ゲルが補修したくない箇所に垂れてゴミやホコリなどが補修したくない箇所に付着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記した問題を解消することを目的とするもので、メーン原料チューブと、前記メーン原料チューブ内に設けられる補助原料チューブと、から構成され、メーン原料チューブにゲルが収容され、補助原料チューブに硬化剤が収容され、従来のゲル押出ガンに設けられるトリガーを引くことにより、メーン原料チューブと補助原料チューブを同時に押出すことができ、そうすると、ゲルと硬化剤が混合され、ゲルを快速に固化することができる二液収容可能型容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の二液収容可能型容器によると、中空なチューブであり、その前端に原料排出チューブ部が成形されるメーン原料チューブと、
前記メーン原料チューブ内に組み付けられ、小径なブッシュから大径なブッシュへ順次に嵌合して構成されるスリーブと、原料排出チューブ部と、を含み、前記スリーブの開口が前記メーン原料チューブの前記原料排出チューブ部に対応する補助原料チューブと、
を備えることを特徴とする。
【0005】
本発明の二液収容可能型容器によると、更に、前記メーン原料チューブの前端にある原料排出チューブ部の内周面には、定位リブが複数設けられ、前記複数の定位リブにより環状穴が形成され、前記補助原料チューブには、更に、前記環状穴に挿入可能な原料排出チューブ部が設けられ、前記原料排出チューブ部の後端には、前記スリーブの前記開口に嵌合可能な接合段が形成され、前記接合段の前側には、前記定位リブの後端に押付ける押付縁が形成され、前記原料排出チューブ部には、前記定位リブの前端に係止する係止縁が成形され、前記補助原料チューブの前記原料排出チューブ部の前段に開口が形成されることを特徴とする。
【0006】
本発明の二液収容可能型容器によると、更に、塞ぎブッシュを含み、前記塞ぎブッシュにより前記メーン原料チューブと前記補助原料チューブとの前端がカバーされ、前記塞ぎブッシュには、前記メーン原料チューブの前端にある前記原料排出チューブ部に対応する収容空間が設けられ、前記収容空間の底部には、前記補助原料チューブの前記原料排出チューブ部の前記開口に対応するチェンバーが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の二液収容可能型容器によれば、メーン原料チューブにゲルが収容され、補助原料チューブに硬化剤が収容され、従来のゲル押出ガンに設けられるトリガーを引くことにより、ゲルと硬化剤を同時に押出すことができる。そのため、ゲルと硬化剤が混合され、ゲルを快速に固化することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の一部の拡大剖開図である。
【図3】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の断面図である。
【図4】ゲル押出ガンに本発明の一実施形態の二液収容可能型容器を組付けた状態の模式図である。
【図5】ゲル押出ガンに本発明の一実施形態の二液収容可能型容器を組付けた状態の模式図である。
【図6】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の使用状態を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の使用状態を示す模式図である。
【図8】本発明の一実施形態の二液収容可能型容器の使用状態を示す模式図である。
【図9】従来のものの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を参照する。
本発明の一実施形態の二液収容可能型容器は、メーン原料チューブ1と、補助原料チューブ2と、から構成される。
前記メーン原料チューブ1は、中空なチューブ11であり、その前端に原料排出チューブ部12が成形され、前記原料排出チューブ部12の内周面には、定位リブ13が複数設けられ、前記複数の定位リブ13により環状穴14が形成され、前記原料排出チューブ部12の外周面に外ねじ段15が成形される。
【0010】
図3に示すように、前記補助原料チューブ2は、前記メーン原料チューブ1内に組み付けられ、小径なブッシュから大径なブッシュへ順次に嵌合して構成されるスリーブ21と、原料排出チューブ部22と、を含み、前記メーン原料チューブ1の前記定位リブ13で形成される環状穴14に前記原料排出チューブ部22が挿入され、前記原料排出チューブ部22の後端には、前記スリーブ21に嵌合可能な接合段221が形成され、前記接合段221の前側には、前記定位リブ13の後端に押付ける押付縁222が形成され、前記原料排出チューブ部22には、前記定位リブ13の前端に係止する係止縁223が成形され、前記原料排出チューブ部22の前段に開口224が形成される。
【0011】
更に、塞ぎブッシュ3を含む。前記塞ぎブッシュ3には、前記メーン原料チューブ1の前端にある前記原料排出チューブ部12に対応する収容空間31が設けられ、前記収容空間31の壁面には、前記メーン原料チューブ1の前記原料排出チューブ部12に設けられた外ねじ段15に螺合する内ねじ段32が設けられ、前記収容空間31の底部には、前記補助原料チューブ2の前記原料排出チューブ部22の前記開口224に対応するチェンバー33が設けられる。
【0012】
次に、図4及び図5を参照しながら本発明の使用方法を説明する。
まず、前記メーン原料チューブ1と前記補助原料チューブ2とをカバーする塞ぎブッシュ3を取外して、ゲル押出ガン4の原料押えロッド41が前記メーン原料チューブ1と前記補助原料チューブ2の後端に押付けるように、前記ゲル押出ガン4に前記メーン原料チューブ1と前記補助原料チューブ2を取り付ける。このとき、前記メーン原料チューブ1にゲルが充填され、前記補助原料チューブ2に硬化剤が充填される。前記メーン原料チューブ1と前記補助原料チューブ2は一体に組み付けられる。
前記ゲル押出ガン4は、例えば台湾特許第540431号、台湾特許第469879号、台湾特許第469881号や台湾特許第121307号などに提案され市販している、原料押えロッド41を有するゲル押出ガンが適用可能である。
【0013】
図6から図8を参照する。この後、前記メーン原料チューブ1の前記原料排出チューブ部12と、前記補助原料チューブ2の前記原料排出チューブ部22とに、内部に螺旋形状を呈する攪拌ロッド441が設けられた注入チューブ44を組付ける。
前記ゲル押出ガン4のハンドル42を握って、前記ゲル押出ガン4のトリガー43を引くときに、前記トリガー43と連動する原料押えロッド41が前記メーン原料チューブ1と前記補助原料チューブ2を前へ押す。このとき、前記ゲルと前記硬化剤は、前記原料押えロッド41に絞られて、それぞれ前記原料排出チューブ部12、22から流出して、前記注入チューブ44で前記攪拌ロッド441に攪拌されて混合して、前記注入チューブ44から押し出される。
前記注入チューブ44から押出された前記ゲルと前記硬化剤の混合物は、浴室のタイルにある隙間の補修、養魚槽やガラスの補強、屋根の隙間の補修、又は鉄筋やボルトのコンクリートへの植えなどに適用することができる。ゲルを快速に固化することができるので、垂直面に付けられるゲルが垂れず、これにより、補修したい箇所を良く補修することができ、そしてゲルで補修したくない箇所には、ゴミやホコリなどが付着しなくなる。
【0014】
また、ゲル押出ガン4は、市販しているものを利用することができるので、特殊な仕様を有するものを別に購入して利用する必要がないので、工事の費用を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、二種類のゲルを同時に収容することができる二液収容可能型容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0016】
1:メーン原料チューブ、2:補助原料チューブ、3:塞ぎブッシュ、4:ゲル押出ガン、11:チューブ、12:原料排出チューブ部、13:定位リブ、14:環状穴、15:外ねじ段、21:スリーブ、22:原料排出チューブ部、31:収容空間、32:内ねじ段、33:チェンバー、41:原料押えロッド、42:ハンドル、43:トリガー、44:注入チューブ、221:接合段、222:押付縁、223:係止縁、224:開口、441:攪拌ロッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空なチューブであり、その前端に原料排出チューブ部が成形されるメーン原料チューブと、
前記メーン原料チューブ内に組み付けられ、小径なブッシュから大径なブッシュへ順次に嵌合して構成されるスリーブと、原料排出チューブ部と、を含み、前記スリーブの開口が前記メーン原料チューブの前記原料排出チューブ部に対応する補助原料チューブと、を備えることを特徴とする二液収容可能型容器。
【請求項2】
更に、前記メーン原料チューブの前端にある原料排出チューブ部の内周面には、定位リブが複数設けられ、前記複数の定位リブにより環状穴が形成され、前記補助原料チューブには、更に、前記環状穴に挿入可能な原料排出チューブ部が設けられ、前記原料排出チューブ部の後端には、前記スリーブの前記開口に嵌合可能な接合段が形成され、前記接合段の前側には、前記定位リブの後端に押付ける押付縁が形成され、前記原料排出チューブ部には、前記定位リブの前端に係止する係止縁が成形され、前記補助原料チューブの前記原料排出チューブ部の前段に開口が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二液収容可能型容器。
【請求項3】
更に、塞ぎブッシュを含み、前記塞ぎブッシュにより前記メーン原料チューブと前記補助原料チューブとの前端がカバーされ、前記塞ぎブッシュには、前記メーン原料チューブの前端にある前記原料排出チューブ部に対応する収容空間が設けられ、前記収容空間の底部には、前記補助原料チューブの前記原料排出チューブ部の前記開口に対応するチェンバーが設けられることを特徴とする、請求項2に記載の二液収容可能型容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−143643(P2010−143643A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257016(P2009−257016)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(509310668)南美工業有限公司 (1)
【Fターム(参考)】