説明

二環式アニリドヘテロ環式CGRP受容体アンタゴニスト

CGRP受容体のアンタゴニストであり、CGRPが関与する疾患(例えば、偏頭痛)の治療または予防において有用である式I(式中、変数A、A、B、m、n、J、R、G、G、G及びYは本明細書中に記載されている通りである。)の化合物。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のCGRPが関与する前記疾患の予防または治療における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセシングにより生じる天然に存在する37アミノ酸ペプチドであり、中枢及び末梢神経系中に広く分布している。CGRPは主に感覚性求心性中枢ニューロンに局在しており、血管拡張を含めた幾つかの生物学的作用を媒介する。CGRPは、ラット及びヒトにおいてそれぞれ1個及び3個のアミノ酸だけ異なるα−及びβ−形態で発現する。CGRP−α及びCGRP−βは類似の生物学的特性を示す。細胞から遊離すると、CGRPは主にアデニリルシクラーゼの活性化にカップリングされる特定の細胞表面受容体に結合することによりその生物学的応答を開始する。CGRP受容体は同定されており、脳、心血管、内皮及び平滑筋起源のものを含めた幾つかの組織及び細胞において薬理学的に評価されている。
【0002】
薬理学的特性に基づいて、上記受容体はCGRP及びCGRPと称される少なくとも2つのサブタイプに分けられている。7個のN末端アミノ酸残基を欠くCGRPの断片であるヒトα−CGRP−(8−37)はCGRPの選択的アンタゴニストであり、ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)であるCGRPの線状アナログはCGRPの選択的アゴニストである。CGRPは、偏頭痛や群発頭痛のような脳血管障害の病理に関与する強力な神経調節物質である。臨床研究で、偏頭痛の発作中は頸静脈中のCGRPレベルが高いことが判明しており(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)、CGRPの唾液レベルは偏頭痛被験者において発作の間上昇しており(Bellamyら,Headache,2006,46,24−33)、CGRPそれ自体は偏頭痛様頭痛をトリガーすることが判明している(Lassenら,Cephalalgia,2002,22,54−61)。臨床トライアルで、CGRPアンタゴニストのBIBN4096BSは偏頭痛の急性発作を治療するのに有効であることが判明しており(Olesenら,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110)、対照群においてCGRP注入により誘導される頭痛を予防することができた(Petersenら,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213)。
【0003】
三叉神経血管系におけるCGRP媒介活性化は偏頭痛病因において重要な役割を果たし得る。加えて、CGRPは頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して、血管拡張を高める。これが偏頭痛発作中の頭痛の痛みに関与していると考えられる(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。硬膜の主要動脈である中硬膜動脈は、CGRPを含めた幾つかの神経ペプチドを含む三叉神経節由来の感覚線維により神経支配されている。ネコにおいて三叉神経節を刺激するとCGRPレベルが上昇し、ヒトにおいて三叉神経系を活性化すると顔面が紅潮し、外頸静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて硬膜を電気刺激すると中硬膜動脈の直径が大きくなる。この作用はペプチドCGRPアンタゴニストであるCGRP(8−37)を前投与するとブロックされた(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて三叉神経節を刺激すると顔面血流が増加し、これはCGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.,1995,669,93−99)。マーモセットにおいて三叉神経節を電気刺激すると顔面血流が増加するが、これは非ペプチドCGRPアンタゴニストBIBN4096BSによりブロックされ得た(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。よって、CGRPの血管作用はCGRPアンタゴニストにより減弱、防止または後退され得る。
【0004】
ラット中硬膜動脈のCGRP媒介血管拡張が尾部の三叉神経核のニューロンを感作することが判明した(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin、Landes Bioscience,2000,245−247)。また、偏頭痛中の硬膜血管の拡張は三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛及び顔面異疼痛を含めた偏頭痛の関連症状の幾つかは感作された三叉神経ニューロンの結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.,2000,47,614−624)。CGRPアンタゴニストはニューロン感作の作用を減弱、防止または後退させるのに有効であり得る。
【0005】
本発明の化合物がCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、該化合物はヒト及び動物、特にヒトにおいてCGRPが関与する障害のための有用な薬物となる。前記障害には偏頭痛及び群発頭痛(Doods,Curr.Opin.Inves.Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症及び炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.,1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管障害;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265)、関節炎、気管支過敏症、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血性(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1799);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358)、モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性及び女性の顔面潮紅(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾せん;脳炎、脳外傷、虚血、卒中、てんかん及び神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease,1999,6,15−34);皮膚疾患(Geppetti and Holzer編,Neurogenic Inflammation,1996,フロリダ州ボカ・ラトンに所在のCRC Press)、神経性皮膚発赤、酒さ及び紅斑;耳鳴(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)及び膀胱炎が含まれる。偏頭痛や群発頭痛を含めた頭痛の急性的または予防的治療が特に重要である。
【0006】
本発明は、CGRP受容体に対するリガンド、特にCGRP受容体に対するアンタゴニストとして有用である化合物、前記化合物の製造方法、前記化合物の治療における使用、前記化合物を含む医薬組成物及びこれらを用いる治療方法に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187
【非特許文献2】Bellamyら,Headache,2006,46,24−33
【非特許文献3】Lassenら,Cephalalgia,2002,22,54−61
【非特許文献4】Olesenら,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110
【非特許文献5】Petersenら,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213
【非特許文献6】Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9
【非特許文献7】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196
【非特許文献8】Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531
【非特許文献9】Escottら,Brain Res.,1995,669,93−99
【非特許文献10】Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423
【非特許文献11】Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin、Landes Bioscience,2000,245−247
【非特許文献12】Bursteinら,Ann.Neurol.,2000,47,614−624
【非特許文献13】Doods,Curr.Opin.Inves.Drugs,2001,2(9),1261−1268
【非特許文献14】Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327
【非特許文献15】Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340
【非特許文献16】Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282
【非特許文献17】Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175
【非特許文献18】Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768
【非特許文献19】Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.,1992,146,537−538
【非特許文献20】Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献21】Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196
【非特許文献22】Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36
【非特許文献23】Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265
【非特許文献24】Zhangら,Pain,2001,89,265
【非特許文献25】Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404
【非特許文献26】Schiniら,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490
【非特許文献27】Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791
【非特許文献28】Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1799
【非特許文献29】Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献30】Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351
【非特許文献31】Chenら,Lancet,1993,342,49;
【非特許文献32】Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723
【非特許文献33】Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143
【非特許文献34】Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease,1999,6,15−34
【非特許文献35】Geppetti and Holzer編,Neurogenic Inflammation,1996,フロリダ州ボカ・ラトンに所在のCRC Press
【非特許文献36】Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225
【非特許文献37】Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422
【発明の概要】
【0008】
本発明は、CGRP受容体のアンタゴニストであり、CGRPが関与する疾患(例えば、偏頭痛)の治療または予防において有用である式I
【0009】
【化1】

(式中、変数A、A、B、m、n、J、R、G、G、G及びYは本明細書中に記載されている通りである。)
を有する化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のCGRPが関与する前記疾患の予防または治療における使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、式Iの化合物、
【0011】
【化2】

[式中、
Bは
【0012】
【化3】

(T、U、V、W、X及びYは各々独立して炭素原子または窒素原子であり、T、U、V及びWの2個以下及びT、U、V、W、X及びZの3個以下が窒素原子である。)
からなる群から選択されるビシクロヘテロ環であり、
Bは置換されていないかまたは各々独立してR、R、R3a及びR3bから選択される1から5個の置換基で置換されており;
、R、R3a及びR3bは独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(f)−CO(Rは独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択される。)、
(g)−NR1011(R10及びR11は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、−COR及び−SO12から選択される。)、
(h)−SO12(R12は独立して置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択される。)、
(i)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結して、置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシル、フェニル及びベンジルから選択される1から5個の置換基で置換されており、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、
(j)トリフルオロメチル、
(k)−OCO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)トリフルオロメチル、及び
(e)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ及びトリフルオロメチルから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(3)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、
(b)ハロ、
(c)ヒドロキシ、
(d)置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ及びトリフルオロメチルから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(g)−CO
(h)−(CO)R
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)オキソ、
(1)−SR12
(m)−S(O)R12、及び
(n)−SO12
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アゼパニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、フリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピロリル、キナゾリニル、テトラヒドロフリル、チアゾリニル、プリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、1,3−ジオキソラニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)ヒドロキシ、
(7)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−NR1011
(11)−SO12
(12)−CONR10a11a
(13)−OCO
(14)−(NR10a)CO
(15)−O(CO)NR10a11a
(16)−(NR)(CO)NR10a11a
(17)−(CO)−(CO)NR10a11a
(18)−(CO)−(CO)OR、及び
(19)−SONR10a11a
から選択され;或いは、
3aとR3b及びこれらが結合している炭素原子と連結して、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル及びピペラジニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(xiii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、及び
(x)−(NR10a)CO
から選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(1)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)オキソ
から選択される1から5個の置換基で置換されており;
及びAは各々独立して結合及び−CR1314−(R13及びR14は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ及びハロから選択される。)から選択され、A及びAの1個は存在しなくてもよく;
、G及びGは各々独立して
(1)−C(R)=、
(2)−N=、及び
(3)−(N−O)=
から選択され、G、G及びGの2個以下は−C(R)=であるように選択され;或いは

(1)−C(R)=、
(2)−N=、及び
(3)−(N−O)=
から選択され、−G=G−は一緒になって
(1)−S−、
(2)−O−、
(3)−N(R10)−
から選択され;
Jは独立して
(1)=C(R6a)−、
(2)−CR1314−、
(3)−C(=O)−、及び
(4)−N(R15)−
から選択され;
Yは独立して
(1)=C(R6b)−、
(2)−CR1314−、
(3)−C(=O)−、
(4)−SO−、
(5)=N−、及び
(6)−N(R6b)−
から選択され;
は独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択され;
は独立して
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−OCF
(5)トリフルオロメチル、
(6)ハロ、
(7)ヒドロキシ、及び
(8)−CN
から選択され;
6a及びR6bは各々独立して
(1)水素;
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びモルホリニルから選択される。)
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル;
(3)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)ヒドロキシ、
(6)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−NR1011、及び
(10)−CONR10a11a
から選択され、或いは
6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル及びジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)置換されていないかまたは各々独立してC1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(xiii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、及び
(x)−(NR10a)CO
から選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されてる−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシル及び−C3−6シクロアルキルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(m)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)オキソ
から選択される1から5個の置換基で置換されており;
15
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)置換されていないかまたは各々独立して(i)−C1−6アルキル、(ii)−O−C1−6アルキル、(iii)ハロ、(iv)ヒドロキシ及び(v)トリフルオロメチルから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニル、
(f)−CO
(g)−NR1011
(h)−CONR1011
(i)−SO12、及び
(j)トリフルオロメチル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C1−6アルキルまたは−C3−6シクロアルキル;及び
(3)置換されていないかまたは各々独立して
(a)−C1−6アルキル、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、及び
(e)トリフルオロメチル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)
から選択され;
mは1または2であり;
nは1または2である。]
及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0013】
本発明の実施形態は、式Ia:
【0014】
【化4】

(式中、A、A、G、G、G、B、J、Y及びnは本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0015】
本発明の別の実施形態は、式Ib:
【0016】
【化5】

(式中、A、B、G、G、G、J、Y及びnは本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0017】
本発明の別の実施形態は、式Ic:
【0018】
【化6】

(式中、B、G、G、G、J及びYは本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0019】
本発明の別の実施形態は、式Id:
【0020】
【化7】

(式中、B、G、G、G及びR15は本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0021】
本発明の別の実施形態は、式Ie:
【0022】
【化8】

(式中、B、G、G及びGは本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0023】
本発明の別の実施形態は、式If:
【0024】
【化9】

(式中、B、G、G及びGは本明細書中に定義されている。)
を有する化合物、その医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0025】
本発明の実施形態において、Bは、
【0026】
【化10】

からなる群から選択され、Bは置換されていないかまたはR、R、R3a及びR3b(R、R、R3a及びR3bは本明細書中に定義されている。)から選択される1から5個の置換基で置換されている。
【0027】
本発明の実施形態において、Bは2−オキソベンゾイミダゾリニルである。
【0028】
本発明の実施形態において、Bはインドリルである。
【0029】
本発明の実施形態において、Bはインドリニルである。
【0030】
本発明の実施形態において、Bは2−オキソインドリニルである。
【0031】
本発明の実施形態において、Bは2−オキソアザベンゾイミダゾリニルである。
【0032】
本発明の実施形態において、Bはアザインドリルである。
【0033】
本発明の実施形態において、R、R、R3a及びR3bは独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)フルオロ、
(b)フェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)−CO(Rは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択される。)、
(d)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素及び−C1−6アルキルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、及び
(e)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、
(b)ハロ、
(c)−CO(Rは水素、−C1−4アルキル及び−C3−6シクロアルキルから選択される。)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、
(f)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、及び
(k)−SO−C1−4アルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、2−オキソピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される。)、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)−NR1011{ここで、R10及びR11は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、−C5−6シクロアルキル、及び−COR(Rは本明細書中に定義されている。)から選択される}、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択される。)、及び
(9)−CN
から選択される。
【0034】
本発明の実施形態において、R及びRは独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)フルオロ、
(b)フェニル、
(c)−CO(Rは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、
(d)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素及び−C1−4アルキルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、及び
(e)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、
(b)ハロ、
(c)−CO(Rは水素、−C1−4アルキル及び−C3−6シクロアルキルから選択される。)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、
(f)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、及び
(k)−SO−C1−4アルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される。)、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、
(6)−CN、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、
(9)−NR1011{ここで、R10及びR11は各々独立して水素、−C1−4アルキル、及び−COR(Rは本明細書中に定義されている。)から選択される}
から選択される。
【0035】
本発明の実施形態において、R3aとR3b及びこれらが結合している炭素原子は連結して、ピペリジニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して(i)ハロ及び(ii)フェニルから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)フェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル及びピラジニルから選択される。)、
(c)−CO(Rは(i)水素及び(ii)−C1−4アルキルから選択される。)、
(d)ヒドロキシ、及び
(e)オキソ
から選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0036】
本発明の実施形態において、R3aとR3b及びこれらが結合している炭素原子は連結して、ピペリジニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立してフルオロ及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)−CO−C1−4アルキル、
(c)ヒドロキシ、及び
(d)オキソ
から選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0037】
本発明の実施形態において、Aは結合である。
【0038】
本発明の実施形態において、Aは−CH−である。
【0039】
本発明の実施形態において、Jは=C(R6a)−、−CH−及び−N(R15)−(R6a及びR15は本明細書中に定義されている。)から選択される。本発明の別の実施形態において、Jは−CH−である。本発明の別の実施形態において、Jは−N(R15)−(R15は本明細書中に定義されている。)である。本発明の更に別の実施形態において、Jは=C(R6a)−(R6aは本明細書中に定義されている。)である。
【0040】
本発明の実施形態において、Yは=C(R6b)−(R6bは本明細書中に定義されている。)、−CH−及び−C(=O)−から選択される。本発明の別の実施形態において、Yは−CH−である。本発明の別の実施形態において、Yは−C(=O)−である。本発明の更に別の実施形態において、Yは=C(R6b)−(R6bは本明細書中に定義されている。)である。
【0041】
本発明の実施形態において、Rは水素、及び置換されていないかまたはフルオロで置換されている−C1−6アルキルから選択される。
【0042】
本発明の実施形態において、Rは水素である。
【0043】
本発明の実施形態において、Rは水素、C1−6アルキル及びハロから選択される。
【0044】
本発明の実施形態において、Rは水素及びハロから選択される。
【0045】
本発明の実施形態において、Rは水素である。
【0046】
本発明の実施形態において、R6a及びR6bは各々独立して
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは各々独立してハロ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(3)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ及びヒドロキシルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)−NR1011
(6)ヒドロキシ、及び
(7)置換されていないかまたは1から3個のハロで置換されている−O−C1−4アルキル、
から選択される。
【0047】
本発明の実施形態において、R6a及びR6bは各々独立して
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、及び
(3)フェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)
から選択される。
【0048】
本発明の実施形態において、R6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル及びチエニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立してハロ、−O−C1−6アルキル、−CO、−NR1011及び−CONR10a11aから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ及びヒドロキシルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、
(e)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)−NR1011
(h)−CONR10a11a、及び
(i)オキソ
から選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0049】
本発明の実施形態において、R6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、フェニル、ピリジル及びピリミジニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ及び−O−C1−4アルキルから選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0050】
本発明の実施形態において、R6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、ピリジル及びピリミジニルから選択される環を形成する。
【0051】
本発明の実施形態において、G、G及びGは各々独立して−C(R)=及び−N=から選択され、G、G及びGの2個以下が−C(R)=(Rは本明細書中に定義されている。)であるように選択される。
【0052】
本発明の別の実施形態において、Gは−C(R)=及び−N=から選択され、−G=G−は一緒になって−S−及び−N(R10)−から選択され、R及びR10は本明細書中に定義されている。
【0053】
本発明の更に別の実施形態において、G、G及びGの1つは−N=であり、G、G及びGの残り2つは−C(H)=である。
【0054】
本発明の実施形態において、R15
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは各々独立してハロ及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−4アルキル
から選択される。
【0055】
本発明の実施形態において、R15は水素またはメチルである。
【0056】
本発明の実施形態において、R15はメチルである。
【0057】
本発明の実施形態において、mは1である。
【0058】
本発明の実施形態において、nは1である。
【0059】
本発明の実施形態において、nは2である。
【0060】
1つ以上の上記構造またはサブ構造に同一の名称の置換基が複数挙げられている場合、前記変数のそれぞれは各々同様に呼称されている変数と同じでも異なっていてもよいと理解されるべきである。例えば、Rが式I中のある立体配置に複数回挙げられており、式I中の各Rは独立してRで定義されているサブ構造のいずれかであり得る。本発明は、所与の構造配置に関して各Rが同一でなければならない構造及びサブ構造に限定されない。構造またはサブ構造中に変数が複数回現れている場合にも当てはまる。
【0061】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含み得、よってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在することがある。各不斉中心により独立して2つの光学異性体が生じ、混合物の形態及び純粋もしくは部分的に精製された化合物としての考えられる光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれると意図される。本発明はこれらの化合物の異性体すべてを包含すると考えられる。
【0062】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかはオレフィン性二重結合を含み、別段の記載がない限りE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0063】
本発明は、1つ以上の水素原子が重水素で置換されている式Iを有する化合物を包含する。
【0064】
式Iで定義される化合物の互変異性体も本発明の範囲に含まれる。例えは、カルボニル−CHC(O)−基(ケト体)を含む化合物はヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール体)を形成すべく互変異性を受け得る。ケト及びエノール形態のいずれもが本発明の範囲に含まれる。
【0065】
ジアステレオマーの独立合成またはそのクロマトグラフ分離は当業界で公知のように本明細書中に開示されている方法を適当に修飾することにより達成され得る。絶対立体化学は所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により調べられ得る。
【0066】
所望により、化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離され得る。この分離は当業界で公知の方法により実施され得、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後、標準的方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離し得る。カップリング反応は多くの場合エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。その後、ジアステレオマー誘導体は付加されたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。また、化合物のラセミ混合物はキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法によっても直接分離され得、この方法は当業界で公知である。
【0067】
或いは、化合物のエナンチオマーは、当業界で公知の方法により公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質または試薬を用いる立体選択的合成により得られ得る。
【0068】
当業者には自明のように、R10及びR11置換基のすべてが環構造を形成できるのではない。更に、環を形成し得るこれらの置換基は環構造を形成することもしないこともある。
【0069】
当業者には自明のように、本明細書中で使用されているハロまたはハロゲンはクロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含むと意図される。
【0070】
本明細書中で使用されている「アルキル」は、炭素−炭素二重結合も三重結合も持たない線状、分岐状及び環状構造を意味すると意図される。よって、C1−6アルキルは、該基が線状または分岐状配置で1、2、3、4、5または6個の炭素を有するとして同定するように定義されており、C1−6アルキルの具体例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。「シクロアルキル」は、その一部及び全部が3個以上の原子を有する環を形成しているアルキルである。CまたはCアルキルは直接共有結合の存在を同定するように定義される。
【0071】
用語「アルケニル」は、指定数の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する線状または分岐状構造、及びその組合せを意味し、水素が追加の炭素−炭素二重結合で置換されていてもよい。C2−6アルケニルの例にはエテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニル等が含まれる。
【0072】
用語「アルキニル」は、指定数の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する線状または分岐状構造、及びその組合せを意味する。よって、C2−6アルキニルは線状または分岐状配置で2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基を同定するように定義され、よってC2−6アルキニルの具体例には2−ヘキシニル及び2−ペンチニルが含まれる。
【0073】
本明細書中で使用されている「アリール」は、各環が最高7個の員を有し、少なくとも1つの環が芳香族である安定な単環式または二環式炭素環を意味すると意図される。アリール基の例にはフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが含まれる。
【0074】
記載されている場合を除いて、本明細書中で使用されている用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」は、飽和または不飽和であり、炭素原子及び1から6個のN、O、S、P及びSiからなる群から選択されるヘテロ原子から構成されている安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式ヘテロ環式環系を表し、前記した窒素、硫黄及びリンヘテロ原子は酸化されていてもよく、前記窒素ヘテロ原子は4級化されていてもよい。この用語には上記したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合している二環式基も含まれる。ヘテロ環式環がヘテロ原子または炭素原子で結合して安定な構造を生じさせてもよい。ヘテロ環式基の例にはアゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリン及びそのN−オキシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
記載されている場合を除いて、本明細書中で使用されている用語「ヘテロアリール」は、ピペリジニルのように飽和であっても、部分飽和であっても、ピリジニルのように不飽和であってもよく、炭素原子及び1から6個のN、O、S、P及びSiからなる群から選択されるヘテロ原子から構成されている芳香環を含む安定な5から7員単環式または安定な9から10員縮合二環式ヘテロ環式環系を表し、前記した窒素、硫黄及びリンヘテロ原子は酸化されていてもよく、前記窒素ヘテロ原子は4級化されていてもよい。この用語には上記したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合している二環式基も含まれる。ヘテロ環式環がヘテロ原子または炭素原子で結合して安定な構造を生じさせてもよい。ヘテロアリール基の例には、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール及びそのN−オキシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
−Cアルコキシのような用語「アルコキシ」は、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐状及び環状配置のアルコキシ基を含むように指すと意図される。その例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれる。
【0077】
フレーズ「医薬的に許容され得る」は、しっかりした医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題または合併症を呈することなくヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比で釣り合う化合物、物質、組成物及び/または剤形を指すために本明細書中で使用されている。
【0078】
本明細書中で使用されている「医薬的に許容され得る塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を作成することにより修飾されている誘導体を指す。医薬的に許容され得る塩の例には塩基性残基(例えば、アミン)の無機または有機酸塩;酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリまたは有機塩;等が含まれるが、これらに限定されない。医薬的に許容され得る塩には、例えば非毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の慣用の非毒性の塩または第4級アンモニウム塩が含まれる。例えば、前記した慣用の非毒性塩には無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導される塩;及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等)から製造される塩が含まれる。
【0079】
場合により存在する特定の変数の数は存在する炭素の数の点で定義される。例えば、変数“p”は場合により「q個の炭素を有する置換基に対してpは0から2q+1である」のように定義される。置換基が「(F)1−3アルキル」である場合、これは1個の炭素が存在するときには最高2(1)+1=3個のフッ素が存在することを意味する。2個の炭素が存在するときには最高2(2)+1=5個のフッ素が存在すること、3個の炭素が存在するときには最高2(3)+1=7個のフッ素が存在することを意味する。
【0080】
本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機酸及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。本発明の1つの態様では、塩はクエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸の塩である。本明細書中で使用されている場合、式Iを有する化合物の言及は医薬的に許容され得る塩をも含むことを意味すると理解される。
【0081】
本発明の具体化は実施例及び本明細書中に開示されている化合物の使用である。本発明内の具体的化合物には下記実施例に開示されている化合物からなる群から選択される化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のジアステレオマーが含まれる。
【0082】
本発明の化合物は、有効量の当該化合物を投与することを含むCGRP受容体の拮抗を要する患者(例えば、哺乳動物)におけるCGRP受容体の拮抗方法において有用である。本発明は、本明細書中に開示されている化合物のCGRP受容体のアンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、各種の他の哺乳動物が本発明の方法に従って治療され得る。
【0083】
本発明の別の実施態様は、患者に対して治療有効量のCGRP受容体のアンタゴニストである化合物を投与することを含む前記患者におけるCGRP受容体が関与する疾患または障害の治療、コントロール、回復またはリスクの軽減方法に関する。
【0084】
本発明は更に、本発明の化合物を医薬用担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒト及び動物におけるCGRP受容体活性の拮抗用薬剤の製造方法に関する。
【0085】
本発明の方法で治療される被験者は通常、CGRP受容体活性を拮抗させたい哺乳動物、例えば男性または女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す本発明の化合物の量を意味する。本明細書中で使用されている用語「治療」は、挙げられている状態の特に前記疾患または障害の素因を有する患者における治療及び予防または予防的治療の両方を指す。
【0086】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は、特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連してこの用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物を包含する。「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0087】
本発明は、その範囲に本発明の化合物のプロドラッグを含む。通常、プロドラッグは、インビボで所要の化合物に容易に変換され得る本発明の化合物の官能誘導体である。よって、本発明の治療方法において、用語「化合物の投与」または「化合物を投与する」は、具体的に開示されている化合物、または具体的に開示されていないが患者に投与した後インビボで具体的化合物に変換し得る化合物を用いた本明細書中に挙げられている各種状態の治療を包含する。適当なプロドラッグ誘導体の選択及び製造についての一般的方法は、例えば“Design of Prodrugs”,H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載されている。これらの化合物の代謝物は、本発明の化合物を生体環境に導入すると生ずる活性部分を含む。
【0088】
本発明の化合物のCGRP受容体活性のアンタゴニストとしての有用性は当業界で公知の方法により立証され得る。125I−CGRPの受容体への結合の抑制及びCGRP受容体の機能性拮抗を以下のように調べた。
【0089】
未変性受容体結合アッセイ
125I−CGRPのSK−N−MC細胞膜中の受容体に対する結合は本質的にEdvinssonら(2001)Eur.J.Pharmacol.,415,39−44に記載されているように実施した。簡単に説明すると、膜(25μ)を、10pM 125I−CGRP及びアンタゴニストを含有する結合緩衝液[10mM HEPES,pH7.4、5mM MgCl及び0.2% ウシ血清アルブミン(BSA)](1ml)中で温置した。室温で3時間温置した後、予め0.5% ポリエチレンイミンで3時間ブロックしたGFBガラス繊維フィルタープレート(PerkinElmer)を介して濾過することによりアッセイを停止した。フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(10mM HEPES,pH7.4及び5mM MgCl)で3回洗浄した後、プレートを風乾した。シンチレーション流体(50μl)を添加し、放射能をTopcount(Packard Instrument)を用いてカウントした。データ分析はPrismを用いて実施し、Kはチェン−プルソフ式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.,22,3099−3108)を用いて測定した。
【0090】
組換え受容体
ヒトCL受容体(ジェンバンク寄託番号L76380)を5’NheI及び3’PmeI断片として発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローン化した。ヒトRAMP1(ジェンバンク寄託番号AJ001014)を5’NheI及び3’NotI断片として発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローン化した。HEK293細胞(ヒト胚腎臓細胞;ATCC #CRL−1573)を、10% ウシ胎児血清(FBS)、100単位/mLのペニシリン及び100ug/mlのストレプマイシンを補充した4.5g/L グルコース、1mM ピルビン酸ナトリウム及び2mM グルタミンを含むDMEMにおいて培養し、37℃及び湿度95%で維持した。HBSS中で0.1% EDTAを含む0.25% トリプシンで処理することにより細胞を継代培養した。75cm フラスコにおいて10ugのDNAに30ugのリポフェクタミン2000(Invitrogen)をコトランスフェクトすることにより安定な細胞株を作成した。CL受容体及びRAMP1発現構築物を等量ずつコトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、細胞を希釈し、翌日選択培地(増殖培地+300ug/ml ハイグロマイシン及び1ug/ml プロマイシン)を添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる1回細胞沈着によりクローン細胞株を作成した。細胞増殖のために増殖培地を150ug/ml ハイグロマイシン及び0.5ug/ml プロマイシンに調節した。
【0091】
組換え受容体結合アッセイ
組換えヒトCL受容体/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTA及び完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する収集緩衝液中で収集した。細胞懸濁液を実験室ホモジナイザーを用いて破壊し、48,000×gで遠心して、膜を単離した。ペレットを収集緩衝液+250mM スクロース中に再懸濁させ、−70℃で保存した。結合アッセイのために、20μgの膜を10pM 125I−hCGRP(CE Healthcare)及びアンタゴニストを含有する結合緩衝液(10mM HEPES,pH7.4、5mM MgCl及び0.2% BSA)(1ml)中、室温で3時間温置した。予め0.05% ポリエチレンイミンでブロックした96ウェルのGFBガラス繊維フィルタープレート(PerkinElmer)を介して濾過することによりアッセイを停止した。フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(10mM HEPES,pH7.4及び5mM MgCl)で3回洗浄した。シンチレーション流体を添加し、プレートをTopcount(Packard)を用いてカウントした。非特異的結合を測定し、データ分析は以下の式に対して結合CPMデータをフィッティングさせる非線形最小二乗法を用いることにより求めた見かけ解離定数(K)を用いて実施した。
【0092】
【数1】

上記式中、Yは観察された結合CPMであり、Ymaxは総結合カウントであり、Yminは非特異的結合カウントであり、(Ymax−Ymin)は特異的結合カウントであり、%Imaxは最大抑制%であり、%Iminは最小抑制%であり、放射標識はプローブであり、KはHot飽和実験により求めた受容体に対する放射リガンドについての見かけ解離定数である。
【0093】
組換え受容体機能アッセイ
細胞を96ウェルのポリ−D−リシン被覆したプレート(Corning)において完全増殖培地中で85,000細胞/ウェルで平板培養し、アッセイ前から19時間培養した。細胞をPBSで洗浄した後、L−グルタミン及び1g/L BSAを含むCellgro完全無血清/低タンパク質培地(Mediatech,Inc.)において37℃及び湿度95%で阻害剤と一緒に30分間温置した。細胞にイソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で添加し、37℃で30分間温置した。細胞にヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で添加し、37℃で5分間温置した。α−CGRP刺激後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;CE Healthcare)に従って2段階アッセイ手順を用いるcAMP測定のためにプロセシングした。用量応答曲線をプロットし、IC50値を式
y=((a−d)/(1+(x/c))+d
(y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、b=勾配)
により規定される4パラメーターロジスティックフィットから求めた。
【0094】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイにおいてCGRP受容体のアンタゴニストとしての活性を有しており、通常KまたはIC50値は約50μM未満であった。この結果は、CGRP受容体のアンタゴニストとしての使用における化合物の固有活性を示している。
【0095】
本発明の化合物のCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、本発明の化合物はヒト及び動物、特にヒトにおいてCGRPが関与する障害のための有用な薬物となる。
【0096】
本発明の化合物は、1つ以上の以下の状態または疾患、すなわち頭痛;偏頭痛;群発頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症及び炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気道過敏症、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性及び女性の顔面潮紅;アレルギー性皮膚炎;乾せん;脳炎;脳外傷;てんかん;神経変性疾患;皮膚疾患;神経性皮膚発赤、酒さ及び紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;及びCGRP受容体の拮抗により治療または予防され得る他の状態;の治療、予防、回復、コントロールまたはリスクの軽減において使用される。偏頭痛や群発頭痛を含めた頭痛の急性的または予防的治療が特に重要である。
【0097】
更に、本発明の化合物は本明細書中に挙げられている疾患、障害及び状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスクの軽減方法において有用である。
【0098】
更に、本発明の化合物は他の薬物との併用で上記した疾患、障害及び状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスクの軽減方法において有用である。
【0099】
本発明の化合物は、式Iを有する化合物または他の薬物が使用され得る疾患または状態の治療、予防、コントロール、回復またはリスクの軽減において1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物の組合せはいずれかの薬物単独の場合に比してより安全であるかまたはより有効である。前記した他の薬物は通常使用されているルート及び量で式Iを有する化合物と同時または順次投与され得る。式Iを有する化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、他の薬物及び式Iを有する化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用治療には式Iを有する化合物及び1つ以上の他の薬物を異なる重複スケジュールで投与する治療も含まれ得る。また、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用するとき、本発明の化合物及び他の活性成分は各成分を単独で使用する場合よりも低い用量で使用され得ると考えられる。従って、本発明の医薬組成物には式Iを有する化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。
【0100】
例えば、本発明の化合物は抗偏頭痛剤、例えばエルゴタミン及びジヒドロエルゴタミン、または他のセロトニンアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト(例:スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン及びリザトリプタン)、5−HT1Dアゴニスト(例:PNU−142633)及び5−HT1Fアゴニスト(例:LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例:ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブ);非ステロイド系抗炎症剤またはサイトカイン抑制性抗炎症剤(例:イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナック、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダプ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジンまたはスルファサラジン等のような化合物);またはグルココルチコイドと一緒に使用され得る。また、本発明の化合物は鎮痛剤、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルヒネと一緒に投与され得る。
【0101】
更に、本発明の化合物はインターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体アンタゴニスト、例えばアプレピタント;NMDAアンタゴニスト;NR2Bアンタゴニスト;ブラジキニン−1受容体アンタゴニスト;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネルブロッカー、例えばラモトリジン;アヘン剤アゴニスト、例えば酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体アンタゴニスト、例えばインドラミン;アルファ受容体アゴニスト;バニロイド受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;サブスタンスPアンタゴニスト;エンドセリンアンタゴニスト;ノルエピネフリン前駆体;抗不安剤、例えばジアゼパム、アルプラゾラム、クロロジアゼポキシド及びクロロアゼペート;セロトニン5HT受容体アンタゴニスト;オピオイドアゴニスト、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェン及びフェブタニル;mGluR5アゴニスト、アンタゴニストまたは増強剤;GABA A受容体モジュレーター、例えばアカムプロセートカルシウム;ニコチンを含めたニコチンアンタゴニストまたはアゴニスト;ムスカリン様アゴニストまたはアンタゴニスト;選択的セロトニン再取り込み阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ剤、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエンアンタゴニスト、例えばモンテルカストまたはザフィルルカスト;一酸化窒素抑制剤または一酸化窒素合成抑制剤と一緒に使用され得る。
【0102】
また、本発明の化合物はギャップ結合阻害剤;ニューロンカルシウムチャネルブロッカー、例えばシバミド;AMPA/KAアンタゴニスト、例えばLY29355;シグマ受容体アゴニスト;及びビタミンB2と一緒に使用され得る。
【0103】
また、本発明の化合物はエルゴタミン及びジヒドロエルゴタミン以外のエルゴットアルカロイド、例えばエルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチルセルギドと一緒に使用され得る。
【0104】
更に、本発明の化合物はβ−アドレナリン作動性アンタゴニスト、例えばチモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロール等;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばフルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロロペラジン;神経遮断剤、例えばオランザピン、ドロペリドール、プロクロロペラジン、クロロプロマジン及びクエチアピン;抗けいれん剤、例えばトピラメート、ゾニサミド、トナベルサト、カラベルサト、レベチラセタム、ラモトリジン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバルプロエクスナトリウム;降圧剤、例えばアンギオテンシンIIアンタゴニスト(例:ロサルタン、イルベサルチン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例:リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル及びトランドラプリル);或いはA型またはB型ボツリヌス毒素と一緒に使用され得る。
【0105】
本発明の化合物は増強剤、例えばカフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去剤、例えばオキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロフィルヘキセドリンまたはレボデスオキシエフェドリン;抗組織剤、例えばカラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿剤;プロカイネティック剤、例えばメトクロプラミドまたはドムペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン剤、例えばアクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロロフェニラミン、クレマスチン、デキスブロモフェニラミン、デキスクロロフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメサジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはシュウドエフェドリンと一緒に使用され得る。本発明の化合物を制吐剤と一緒に使用してもよい。
【0106】
特に好ましい実施態様では、本発明の化合物は抗偏頭痛剤、例えばエルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HTアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト(具体的には、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタン及びリザトリプタン)及び他のセロトニンアゴニスト;及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(具体的には、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブ)と一緒に使用される。
【0107】
上記した組合せは、本発明の化合物と1つの他の活性化合物の組合せのみならず、本発明の化合物と2つ以上の他の活性化合物の組合せを含む。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスクの軽減に使用される他の薬物と一緒に使用され得る。これらの他の薬物は通常使用されているルート及び量で、本発明の化合物と同時または順次投与され得る。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えて前記した他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分をも含有するものが含まれる。
【0108】
本発明の化合物:他の活性成分の重量比は変更可能であり、各成分の有効量に依存する。通常、各成分の有効量が使用される。よって、例えば本発明の化合物を別の物質と組み合わせるとき、本発明の化合物:他の物質の重量比は通常約1000:1から約1:1000または約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分の組合せも通常上記範囲内であるが、いずれの場合も各活性成分の有効量を使用すべきである。
【0109】
上記組合せにおいて、本発明の化合物と他の活性物質を別々に投与しても、一緒に投与してもよい。また、1つの成分を他の物質の投与前、投与と同時または投与後に同一または異なる投与ルートを介して投与してもよい。
【0110】
本発明の化合物は経口により、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸内、舌下または局所投与ルートにより投与され得、単独でまたは一緒に各投与ルートに適した慣用の非毒性で医薬的に許容され得る担体、佐剤及びビヒクルを含む適当な投与単位製剤に製剤化され得る。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトに使用するために効果的である。
【0111】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は有利には投与単位形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。いずれの方法も活性成分を1つ以上の補助成分からなる担体と混合するステップを含む。通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細な固体担体と均一及び均密に混合した後、所要により生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には病気の経過または状態に対して所望の効果を与えるのに十分な量の活性化合物が含まれている。本明細書中で使用されている用語「組成物」は特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品が含まれると意図される。
【0112】
活性成分を含有する医薬組成物は錠剤、トローチ剤、口内錠、水性または油性懸濁液剤、分散性散剤または顆粒剤、エマルション剤、溶液剤、硬または軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤のような経口用に適した形態をとり得る。経口用に意図されている組成物は医薬組成物を製造するために当業界で公知の方法に従って製造され得、医薬的に上品で口に合う製剤を提供するために前記組成物に甘味剤、着香剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の物質を配合してもよい。錠剤は活性成分を錠剤の製造に適している非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングが被せられていなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて長時間にわたり持続作用を与えるために公知の技術によりコーティングを被せてもよい。例えば、徐放性材料(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル)が使用され得る。米国特許第4,256,105号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載されている技術によりコーティングして、制御放出用浸透圧性治療錠剤を形成してもよい。即時放出用に経口錠剤、例えば即溶融性タブレットまたはウェファー、即効性タブレットまたは即溶解性フィルムも製剤化され得る。
【0113】
経口用製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されている硬ゼラチンカプセル剤;または活性成分が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されている軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。
【0114】
水性懸濁液剤は、活性物質を水性懸濁液を製造するのに適した賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤は、懸濁剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム)である。分散または湿潤剤は天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液剤は1つ以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤及び1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)をも含有し得る。
【0115】
油性懸濁液剤は、活性成分を植物油(例えば、アラキス油、オリーブ油、ゴマ油または落花生油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。この油性懸濁液剤は増粘剤(例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコール)も含有し得る。上品な経口製剤を提供するために上記したような甘味剤及び着香剤を配合してもよい。抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)を添加することにより上記組成物を保存することができる。
【0116】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散または湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤と混合して活性成分を含む。適当な分散または湿潤剤及び懸濁剤の例は既に上記されている。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤及び着色剤を存在させてもよい。
【0117】
本発明の医薬組成物は水中油型エマルション剤の形態もとり得る。油相は植物油(例えば、オリーブ油またはアラキス油)及び/または鉱油(例えば、流動パラフィン)であり得る。適当な乳化剤は天然に存在するガム(例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム)、天然に存在するリン脂質(例えば、大豆レシチン)、脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。エマルション剤は甘味剤及び着香剤をも含有し得る。
【0118】
シロップ剤及びエリキシル剤は甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて製剤化され得る。前記製剤は粘滑剤、保存剤、着香剤及び着色剤をも含有し得る。
【0119】
医薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態をとり得る。この懸濁液は、上に挙げた適当な分散または湿潤剤及び懸濁剤を用いて当業界で公知の方法に従って製剤化され得る。滅菌注射剤は非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)でもあり得る。使用可能な許容され得るビヒクル及び溶媒には水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌の固定油が通常溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的で、合成モノ−またはジグリセリドを含めた無刺激性固定油が使用され得る。加えて、注射剤の製造には脂肪酸(例えば、オレイン酸)が使用される。
【0120】
本発明の化合物は薬物を直腸内投与するための座剤の形態でも投与され得る。前記組成物は、常温では固体であるが直腸温で液体であり、よって直腸中で溶融して薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤と薬物を混合することにより製造され得る。前記材料はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0121】
局所用に、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、溶液剤または懸濁液剤等が使用される。局所適用のために、経皮パッチも使用され得る。
【0122】
本発明の医薬組成物及び方法は更に、上記した病的状態の治療に通常使用されている本明細書中に記載されている他の治療活性化合物を含み得る。
【0123】
CGRP受容体活性の拮抗を要する状態の治療、予防、コントロール、回復またはリスクの軽減において、適切な用量レベルは通常約0.01から500mg/患者の体重kg/日であり、これを1回でまたは複数回で投与し得る。適当な用量レベルは約0.01から250mg/kg/日、約0.05から100mg/kg/日、または約0.1から50mg/kg/日であり得る。この範囲内での用量は0.05から0.5、0.5から5、または5から50mg/kg/日であり得る。経口投与のためには、治療対象の患者に対する用量を症状に合わせて調節するために組成物は1.0から1000mgの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。化合物は1日1から4回のレジメンで投与され得、または1日1から2回投与され得る。
【0124】
頭痛、偏頭痛、群発頭痛、或いは本発明の化合物が適応される他の疾患を治療する、予防する、コントロールする、回復させるまたはリスクを軽減させる際、本発明の化合物を約0.1mgから約100mg/動物の体重kgの1日用量で投与したときに通常満足な結果が得られ、この用量を1日1回用量として、1日2から6回の分割用量で、または持続放出形態で投与する。多くの大型の哺乳動物に対する1日総用量は約1.0mgから約1000mgまたは約1mgから約50mgである。70kgの成人の場合の1日総用量は通常約7から約350mgである。この投与レジメンは最適の治療応答が得られるように調節され得る。
【0125】
しかしながら、特定患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用する具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード、投与時間、排泄率、薬物の組合せ、具体的状態の重症度及び治療を受ける宿主を含めた各種要因に依存する。
【0126】
本発明の化合物を製造するための幾つかの方法を以下のスキーム及び実施例において説明する。出発物質は当業界で公知であるかまたは本明細書中に説明されている手順に従って製造される。
【0127】
本発明の化合物は、容易に入手し得る出発物質、試薬及び一般的な合成手順を用いて以下のスキーム及び具体的実施例またはその改変に従って容易に製造され得る。これらの反応において、当業者に公知であるが詳細に記述されていない別のものを用いることもできる。本発明において特許請求されている化合物の一般的製造方法は以下のスキームにてらして当業者には容易に理解され、認識され得る。
【0128】
幾つかのヘテロ環式アミン中間体の合成はスキーム1から4に記載されているように実施され得る。これらのスキームに示されている方法は示されているアザオキシインドールに限定されず、対応のスピロ化合物を得るために各種のヘテロ環式系に適用され得る。各種置換基を有する関連中間体は、適切に置換されている出発物質を用いることにより、または公知の方法を用いて中間体及び/または最終生成物を所望通りに誘導体化することにより製造され得る。
【0129】
スキーム1は、主要なアザオキシインドール中間体を合成するための方法を示している。7−アザインドール()は各種保護基、例えばスキーム1に示す2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基を用いて保護され得る。Marfat and Carter[(1987)Tetrahedron Lett.,28,4027]の方法に従って、を臭化水素酸ピリジンペルブロミドで処理すると、ジブロモアザオキシインドールが生じ、これを亜鉛と反応させることにより対応のアザオキシインドールに還元し得る。
【0130】
【化11】

【0131】
スキーム2は、3−アミノピリジンへのルートを示している。アザオキシインドールを1,4−ジブロモブタン−2−オン[de Meijereら(2001)Eur.J.Org.Chem.,3789]を用いてビスアルキル化すると、シクロペンタノンが生ずる。ケトンを還流メタノール中でアンモニア及び1−メチル−3,5−ジニトロピリジン−2(1H)−オン[Tohdaら(1990)Bull.Chem.Soc.Japan,63,2820]と縮合すると、3−ニトロピリジン誘導体が生ずる。接触水素化すると、対応のアミンが生じ得る。酸及び塩基での順次処理を用いて標準脱保護にかけると、3−アミノピリジン中間体が生ずる。
【0132】
【化12】

【0133】
化合物の異性体の2−アミノピリジン15の代表的合成をスキーム3に示す。公知のピリジンジエステル10[Hashimotoら(1997)Heterocycles,46,581]はホウ水素化リチウムを用いて対応のジオール11に還元され得る。このジオールをTHF中で三臭化リンと反応させることによりジブロミド12に変換し得る。先に記載したアザオキシインドール[Marfat & Carter(1987)Tetrahedron Lett.,28,4027]を水性THF中で水酸化リチウムを用いてジブロミド12と反応させると、スピロアザオキシインドール13が生じ得る。このアルキル化反応において各種の他の塩基及び溶媒が使用され得、ここに示したジブロミド以外の別のアルキル化剤を使用すると他の生成物が得られ得る。化合物13を還流下で水性NaOHで処理すると、ニトリルが加水分解されて、カルボン酸塩14が生ずる。このカルボン酸塩を公知のクルチウス転位条件にかけると、脱保護後アミノピリジン15が得られ得る。
【0134】
【化13】

【0135】
化合物の別の異性体の2−アミノピリジン22への合成ルートをスキーム4に示す。公知のピリジンN−オキシド16[Niiyamiら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.,12,3041]をDME中でシアン化トリメチルシリル及びジメチルカルバモイルクロリドと反応させると、ニトリル17が生ずる。このジエステルはホウ水素化リチウムを用いて対応のジオール18に還元され得、ジオールはスキーム3に記載されている化学と同様にしてジブロミド19に変換され得る。保護アザオキシインドールをDMF中、塩基として炭酸セシウムを用いてジブロミド19と反応させると、スピロアザオキシインドール20が生じ得る。各種の他の塩基及び溶媒がこのアルキル化反応において使用され得、ここに示したジブロミド以外の別のアルキル化剤を使用すると、他の生成物が得られ得る。化合物20を還流下で水性HClで処理すると、ニトリルが加水分解されると同時にアザオキシインドールが脱保護されて、主要な酸中間体21が生ずる。このカルボン酸をスキーム3に示すのと同様のクルチウス転位及びその後の脱保護にかけると、所望のアミノピリジン22が得られ得る。
【0136】
【化14】

【0137】
これらのスキーム(上記参照)に示されているようなスピロアザオキシインドール中間体を当業者に周知の技術を用いて分割すると、純粋なエナンチオマーが生じ得る。例えば、適当な中間体をキラルカラムを用いるクロマトグラフィーにかけると、個々の立体異性体が得られ得る。分割は、ジアステレオマー塩の分別結晶のような他の方法によっても実施され得、他の合成中間体または最終生成物に対して実施され得る。或いは、主要中間体の不斉合成を使用すると、エナンチオマー的に富化された最終生成物が得られ得る。
【0138】
スキーム2から4に記載されているようなアミン中間体を各種のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とカップリングすると、アミド最終生成物が得られ得る。
【0139】
【化15】

【0140】
アミンをカルボン酸RCOHとカップリングすると、アミドが生じ得る。前記アミドの合成には他の一般的なカップリング条件、例えばPyBOP、PyCLUまたはHATUのような別のカップリング剤の使用、またはカルボン酸の酸無水物または酸クロリドとしての活性化が使用され得る。尿素は、アミン及び適当なアミンからホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダール、4−ニトロフェニルクロロホルメートまたは類似の試薬を用いても合成され得る。
【0141】
本発明の化合物を製造するために使用される酸(RCOH)の多くは容易に入手され得る。これらは市販業者から入手しても、または当業者に公知であり、化学文献に記載されているような方法により合成してもよい。多数の酸をスキーム6から13に概説されている方法を用いて合成した。
【0142】
【化16】

【0143】
スキーム6では、2−アミノフェノール()を1,1’−カルボニルジイミダゾールを用いてカルボニル化すると、ベンゾオキサゾロンが生じ、これを水素化ナトリウム、次いでブロモ酢酸tert−ブチルで処理すると、エステルが生ずる。トリフルオロ酢酸を用いて標準脱保護にかけると、酸中間体が生じる。この酸中間体は本発明の化合物を得るためにのようなアミンにカップリングするために使用され得る。
【0144】
【化17】

【0145】
スキーム7は置換ベンゾイミダゾロン誘導体への一般的ルートを示している。ベンゾイミダゾロンを簡単なアルキル化にかけると、酢酸誘導体が生じ、これはクロマトグラフィーによりビスアルキル化物質から分離され得る。各種アリールまたはヘテロアリールRに対して、対応のブロミド(RBr)を銅触媒を用いてと反応させると、N,N−ジ置換中間体が生ずる。tert−ブチルエステルを酸性条件下で脱保護すると、が生じ得、これは容易に最終生成物に変換される。スキーム7の化学は多数の方法で改変され得る。例えば、からへの主要変換のために代替条件を使用すると各種のR置換基が導入され得る。代替条件の例にはパラジウム触媒を用いるとのカップリング、または塩基性条件下での(例えば、水素化ナトリウム、次いでRClを用いる。)のアニオンのアルキル化またはアリール化が含まれる。置換基R及びRを更に化学的操作することも本発明の範囲内であると理解される。RまたはRを合成シーケンス中の1つ以上の中間ステップで各種条件下で修飾すると、いろいろな群の最終生成物が得られ得る。この方法の例をスキーム8に示す。
【0146】
【化18】

【0147】
スキーム8では、ベンゾイミダゾロンを2,4−ジブロモチアゾールと反応させると、ブロモチアゾールが生ずる。中のブロミドをチオメトキシドで置換すると、中間体が生じ、これを本明細書中に示されている他のスキームと同様にしてアルキル化するとエステルが生じ得る。を例えばオキソン(登録商標)を用いて酸化条件にかけると、対応のスルホキシドが生じ得、これを脱保護すると、酸が得られ得る。これらの条件を若干改変すると、対応のスルフィドまたはスルホキシドアナログが得られ得る。
【0148】
【化19】

【0149】
スキーム9には、置換ベンゾイミダゾロンへの代替ルートが示されている。このルートでは、アミン(RNH)を2−クロロニトロアレン誘導体()と縮合させると、アミンが生ずる。ニトロ基を例えば接触水素化条件下で還元すると、対応のアニリンが生じ得、これをトリホスゲンで処理すると、ベンゾイミダゾロンが生じ得る。先のスキームと同様にしてを操作すると、所望の酸中間体が生ずる。この方法の簡単な変更では、アレンをヘテロ環(例えば、2−クロロ−3−ニトロピリジン)で置換すると、のアザアナログが得られ得る。
【0150】
【化20】

【0151】
スキーム10には、対応のアントラニル酸から位置特異的に置換されているベンゾイミダゾロン中間体へのルートが示されている。アントラニル酸をホスゲンで処理すると、ベンゾオキサジンジオンが生じ得る。をブロモ酢酸tert−ブチルでアルキル化した後、ベンゾオキサジンジオ環をNaOHで開環すると、アルキル化アントラニル酸が生ずる。酸をジフェニルホスホリルアジドで処理すると、クルチウス転位が生じ、中間体イソシアネートがトラップされて、ベンゾイミダゾロンが生ずる。このルートにより、アントラニル酸出発物質の置換パターンにより示す位置にR置換基が導入される。
【0152】
【化21】

【0153】
N−スピロオキシインドール酢酸の合成をスキーム11に概説する。米国特許第5,849,780A(1998)号に記載されている化学に従って、例えばオキシインドール()をハライドまたはその均等物、例えば2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン及び塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシドまたはブチルリチウム)を用いてアルキル化すると、中間体が生ずる。臭素で処理するとトリブロミドが生じ、これを硫化ナトリウムと反応させるとスピロオキシインドールが生じ得る。或いは、をジハライドまたは他のビスアルキル化剤(例えば、2−ヨードエチルエーテル)を用いてアルキル化すると、直接スピロオキシインドールが生じ得る。オキシインドールをブロモ酢酸エチルを用いてアルキル化した後、加水分解すると、所望の酸中間体BBが生ずる。アリール環上の置換基を更に化学操作することは本発明の範囲であると理解される。この方法の例は、カルボン酸CCを得るために臭化エチルマグネシウム及びtert−ブチルリチウムで処理することにより臭素を除去する最終ステップに示されている。
【0154】
【化22】

【0155】
スピロオキソインドールを合成するための別の方法がスキーム12に概説されている。スキーム12では、をまず米国特許第6,573,386B1(2001)号に記載されている化学に従ってアクリル酸メチルを用いてトリアルキル化する。同一反応フラスコにおいて、次いで中間体をディークマン縮合、N−脱アルキル化及び脱カルボキシル化すると、スピロシクロヘキサノンDDが生ずる。先のスキームに記載されているように更に操作すると、FFのようなカルボン酸中間体が生成され得る。
【0156】
【化23】

【0157】
スキーム13は、置換インドール酢酸への一般的ルートを示している。置換インドール(GG)はN,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミンを用いてアルキル化した後、シアン化カリアムで置換するという2ステップシーケンスでインドールアセトニトリル(II)に変換され得る。或いは、最初の中間体(HH)は、インドールGGをマイクロ波反応装置においてジメチルアミン及びホルムアルデヒドと反応させることにより形成され得る。メタノール中で塩酸で処理すると、ニトリルはメチルエステルJJに変換され得る。先のスキームと同様にして更に操作すると、LLのようなカルボン酸中間体が生じ得る。アザインドール酢酸は、適切に置換されているアザインドールから出発しても同様のスキームにより合成され得る。
【0158】
中間体24から38(以下参照)に詳記されているような興味深い他の酸を得るために、別の保護基戦略、公知の方法の適用及び上記スキームに記載されている以外のヘテロ環及び試薬の使用を含めたこれらのルートの簡単な改変が使用され得る。
【0159】
幾つかの場合には、最終生成物は例えば置換基を操作することにより更に修飾され得る。これらの操作には、いずれにも当業者に通常公知の還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が含まれるが、これらに限定されない。
【0160】
幾つかの場合には、上記反応スキームを実施する順序は、反応を促進するためまたは望ましくない反応生成物を避けるために変更してもよい。以下の実施例は本発明がより十分に理解されるように提示されている。これらの実施例は例示にすぎず、本発明を限定するものと決して解釈してはならない。
【実施例】
【0161】
中間体1
【0162】
【化24】

【0163】
1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
ステップA.1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
7−アザインドール(39.8g,0.337モル)をDMF(200mL)中に含む溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物;16.2g,0.404モル)を25分間かけて少しずつ添加し、混合物を1時間攪拌した。次いで、反応混合物の温度を10℃以下に維持しながら、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(71.8mL,0.404モル)を15分間かけてゆっくり添加した。1時間後、反応物を水(500mL)でクエンチし、混合物をCHCl(5×300mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0164】
ステップB.3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
臭化水素酸ピリジンペルブロミド(277g,0.8677モル)をジオキサン(300mL)中に含む懸濁液にステップAからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(43.1g,0.1735モル)をジオキサン(300mL)中に含む溶液を30分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を周囲温度で頭上攪拌機を用いて攪拌すると、2層が生じた。60分後、反応物を水(300mL)でクエンチし、EtOAc(500mL)で抽出した。水性層を更にEtOAc(2×300mL)で抽出し、合わせた有機層をHO(4×300mL;最終洗浄液のpHは5から6)及びブライン(300mL)で順次洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物を直ちにCHCl中に溶解し、溶液をシリカプラグを介して濾過し、暗赤色がプラグから完全に溶出されるまでCHClで溶離した。濾液を飽和水性NaHCO(400mL)及びブライン(400mL)で順次洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=423(M+1)。
【0165】
ステップC.1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(65g,0.154モル)をTHF(880mL)及び飽和水性NHCl(220mL)中に含む溶液に亜鉛(100g,1.54モル)を添加した。3時間後、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣をEtOAcとHOに分配すると、白色沈殿が形成された。両層をセライトを介して濾過し、層を分離した。水性層をEtOAc(2×500mL)で洗浄し、合わせた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をCHCl:EtOAc−90:10で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=265(M+1)。
【0166】
中間体2
【0167】
【化25】

【0168】
(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸ナトリウム
ステップA.4,5−ビス(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−カルボニトリル
6−シアノピリジン−3,4−ジカルボン酸ジメチル(2.00g,9.08ミリモル)[Hashimotoら(1997)Heterocycles,46,581]をEtOH(50mL)中に含む溶液にホウ水素化リチウム(4.54mLのTHF中2M溶液,9.08ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で3時間攪拌した後、0℃まで冷却した。飽和水性NaHCO(20mL)をゆっくり添加し、クエンチした混合物をEtOAc(9×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH−100:0→85:15の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=165(M+1)。
【0169】
ステップB.4,5−ビス(ブロモメチル)ピリジン−2−カルボニトリル
ステップAからの4,5−ビス(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−カルボニトリル(750mg,4.57ミリモル)をTHF(15mL)中に含む溶液にTHF(5mL)中の三臭化リン(1.61g,5.94ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した後、0℃まで冷却した。飽和水性NaHCO(5mL)をゆっくり添加し、クエンチした混合物をCHCl(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→25:75の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=291(M+1)。
【0170】
ステップC.(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボニトリル
ステップBからの4,5−ビス(ブロモメチル)ピリジン−2−カルボニトリル(2.56g,8.83ミリモル)及び1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン[Marfat & Carta(1987)Tetrahedron Lett.,28,4027](1.18g,8.83ミリモル)をTHF(120mL)及びHO(60mL)中に含む溶液に水酸化リチウム一水和物(1.11g,26.5ミリモル)を添加した。20分後、反応混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH:NHOH−100:0:0→95:5:1の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=263(M+1)。
【0171】
ステップD.(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸ナトリウム
ステップCからの(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボニトリル(1.53g,5.83ミリモル)をEtOH(20mL)中に含む溶液に5M 水性NaOH(3.50mL)を添加した。混合物を72時間還流加熱し、6時間目に追加の5M 水性NaOH(2.00mL)を添加した。反応混合物を冷却し、真空中で濃縮乾固して、後続ステップで使用するのに十分な純度の標記化合物を得た。MS:m/z=282(M+1)。
【0172】
中間体3
【0173】
【化26】

【0174】
(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ステップA.(±)−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル
(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸ナトリウム(1.64g,5.83ミリモル,中間体2に記載されている。)及びトリエチルアミン(1.62mL,11.7ミリモル)をtert−ブタノール(50mL)中に含む懸濁液にジフェニルホスホリルアジド(1.89mL,8.75ミリモル)を添加し、混合物を72時間還流加熱した。24時間及び56時間後に追加のジフェニルホスホリルアジド(1.89mL,8.75ミリモル)を添加した。反応混合物を真空中で濃縮した後、CHCl(75mL)と飽和NaHCO(100mL)に分配した。有機層を分離し、水性層を更にCHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH:NHOH−100:0:0→95:5:1の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=353(M+1)。
【0175】
ステップB.(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オントリフルオロ酢酸
ステップAからの(±)−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル(131mg,0.372ミリモル)をCHCl(10mL)及びTFA(3mL)中に含む溶液を18時間攪拌した後、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=253(M+1)。
【0176】
中間体4
【0177】
【化27】

【0178】
(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オントリフルオロ酢酸
ステップA.(±)−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−3H−スピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン
1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(2.50g,9.46ミリモル,中間体1に記載されている。)及び炭酸セシウム(6.78g,20.8ミリモル)をDMF(45mL)中に含む溶液に1,4−ジブロモブタン−2−オン(1.59mL,12.3ミリモル)[de Meijereら(2001)Eur.J.Org.Chem.,3789]をDMF(45mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。68時間後、混合物をEtO(200mL)とHO(200mL)に分配した。有機層を分離し、水性層を更にEtO(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→75:25の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=333(M+1)。
【0179】
ステップB.(±)−3−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ステップAからの(±)−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−3H−スピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン(230mg,0.692ミリモル)及び1−メチル−3,5−ジニトロピリジン−2(1H)−オン(173mg,0.869ミリモル)[Tohdaら(1990)Bull.Chem.Soc.Japan,63,2820]をMeOH中2M アンモニア(3.5mL)中に含む混合物を18時間還流加熱した。混合物を真空中で濃縮し、ヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=413(M+1)。
【0180】
ステップC.(±)−3−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ][2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
10% Pd/C(20mg)及びステップBからの(±)−3−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン]−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(117mg,0.284ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む混合物を水素(約1気圧)雰囲気下で激しく攪拌した。4.5時間後、混合物をセライトパッドを介して濾過し、MeOHで十分洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=383(M+1)。
【0181】
ステップD.(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オントリフルオロ酢酸塩
ステップCからの(±)−3−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1H)−オン(117mg,0.306ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む溶液にHClガスを飽和した。混合物を30分間攪拌した後、真空中で濃縮した。残渣をMeOH(3mL)中に溶解し、エチレンジアミン(0.020mL,0.306ミリモル)で処理し、混合物のpΗを10に調節するために10N 水酸化ナトリウムを添加した。1時間後、反応混合物を逆相C18カラムを用い、ΗO:CΗCN:CFCOΗ−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCにより直接精製した。MS:m/z=253(M+1)。
【0182】
中間体5
【0183】
【化28】

【0184】
(±)−2−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ステップA.6−シアノピリジン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
ピリジン−2,3−ジカルボン酸ジメチル1−オキシド[Niiyamiら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.,12,3041](15.3g,72.5ミリモル)及びシアン化トリメチルシリル(15.7mL,117ミリモル)をDME(161mL)中に含む溶液にジメチルカルバモイルクロリド(10.5mL,114ミリモル)を添加した。反応混合物を72時間還流加熱した後、0℃まで冷却した。飽和水性NaHCO(800mL)をゆっくり添加し、クエンチした混合物をEtOAc(2×1L)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=221(M+1)。
【0185】
ステップB.5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−カルボニトリル
ステップAからの6−シアノピリジン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(13.0g,59.0ミリモル)をEtOH(295mL)中に含む溶液にホウ水素化リチウム(29.5mLのTHF中2M溶液,59.0ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で4時間攪拌した後、0℃まで冷却した。飽和水性NaHCO(200mL)をゆっくり添加し、クエンチした混合物をEtOAc(9×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH−100:0→85:15の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=165(M+1)。
【0186】
ステップC.5,6−ビス(ブロモメチル)ピリジン−2−カルボニトリル
ステップBからの5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−カルボニトリル(2.50g,15.2ミリモル)をTHF(76mL)中に含む溶液にTHF(20mL)中の三臭化リン(5.36g,19.8ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した後、0℃まで冷却した。飽和水性NaHCO(20mL)をゆっくり添加し、クエンチした混合物をCHCl(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→30:70の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=291(M+1)。
【0187】
ステップD.(±)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−カルボニトリル
ステップCからの5,6−ビス(ブロモメチル)ピリジン−2−カルボニトリル(1.80g,6.21ミリモル)及び1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(1.64g,6.21ミリモル,中間体1に記載されている。)をDMF(207mL)中に含む溶液に炭酸セシウム(6.07g,18.6ミリモル)を5分間かけて少しずつ添加した。18時間後、混合物をCHCl(100mL)と飽和水性NaHCO(100mL)とブライン(200mL)に分配した。有機層を除去し、水性層を更にCHCl(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→10:90の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=393(M+1)。
【0188】
ステップE.(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジンピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−カルボン酸
ステップDからの(±)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−カルボニトリル(690mg,1.76ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液に3N 水性HCl(36mL)を添加した。混合物を18時間還流加熱し、冷却し、真空中で濃縮乾固した。反応混合物を水(12mL)中に溶解し、逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−95:5:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製した。生成物含有画分を凍結乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=282(M+1)。
【0189】
ステップF.(±)−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
ステップEからの(±)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−カルボン酸(224mg,0.796ミリモル)及びトリエチルアミン(0.333mL,2.39ミリモル)をtert−ブタノール(5mL)中に含む懸濁液にジフェニルホスホリルアジド(0.258mL,1.20ミリモル)を添加し、混合物を1時間還流加熱した。反応混合物を真空中で濃縮した後、CHCl(20mL)と飽和NaHCO(20mL)に分配した。有機層を分離し、水性層を更にCHCl(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH:NHOH−100:0:0→95:5:1の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=353(M+1)。
【0190】
ステップG.(±)−2−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ステップFからの(±)−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(147mg,0.417ミリモル)をCHCl(6mL)及びTFA(1mL)中に含む溶液を3時間攪拌した後、真空中で濃縮して、標記化合物をTFA塩として得た。MS:m/z=253(M+1)。
【0191】
中間体7
【0192】
【化29】

【0193】
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップA.(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
2−ヒドロキシベンゾイミダゾール(4.00g,29.8ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(5.53g,28.3ミリモル)をDMF(50mL)中に含む混合物を0℃で攪拌し、ここに水素化ナトリウム(1.31gの鉱油中60%分散物,32.8ミリモル)を添加した。混合物を0℃で1時間攪拌した後、飽和水性NaHCOでクエンチし、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(500mL)とHO(300mL)に分配し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をCHCl:EtOAc−100:0→0:100の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0194】
ステップB.(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
ステップAからの(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル(1.75g,7.05ミリモル)、2−ブロモピリジン(3.36mL,35.2ミリモル)、銅粉(1.57g,24.7ミリモル)、CuCl(140mg,1.41ミリモル)及びKOAc(2.08g,21.1ミリモル)をピリジン(30mL)中に含む混合物を100℃で3時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(150mL)と10% 水性クエン酸(100mL)に分配し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→0:100の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=326(M+1)。
【0195】
ステップC.(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップBからの(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル(2.27g,6.98ミリモル)をEtOAc(100mL)中に含む溶液に0℃でHClガスを飽和させた。混合物を0℃で全部で3時間エージングし、30分毎にHClを再飽和させた。混合物を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=270(M+1)。
【0196】
中間体8
【0197】
【化30】

【0198】
(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップA.[3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチル
(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル(130mg,0.52ミリモル,中間体7に記載されている。)をDMF(0.7mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(15mgの鉱油中60%分散物,0.38ミリモル)を添加した。混合物を5分間攪拌した後、4,6−ジクロロピリミジン(234mg,1.57ミリモル)を添加し、アルゴンを混合物に5分間通気した。反応混合物をマイクロ波反応装置を用いて140℃で10分間加熱した。冷却した混合物をCHCl(10mL)と飽和水性NaHCO(5mL)に分配した。水性相を更にCHCl(10mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−95:5→75:25の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=361(M+1)。
【0199】
ステップB.(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
ステップAからの[3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチル(260mg,0.720ミリモル)、10% Pd/C(23mg)及びトリエチルアミン(0.150mL,1.08ミリモル)をEtOH(5mL)中に含む混合物を水素(約1気圧)雰囲気下で2時間攪拌した。混合物をセライトパッドを介して濾過し、EtOHで洗浄し、濾液を濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=327(M+1)。
【0200】
ステップC.(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
本質的に中間体7について記載されている手順に従って、ただし(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチルの代わりにステップBからの(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチルを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=271(M+1)。
【0201】
中間体9
【0202】
【化31】

【0203】
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸
ステップA.4,6−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン
4,6−ジメチル−2−ニトロアニリン(10.0g,60.2ミリモル)及び10% Pd/C(1.0g)をEtOH(300mL)中に含む混合物を水素(約1気圧)雰囲気下で3時間攪拌した後、セライトパッドを介して濾過し、真空中で濃縮した。粗な固体をCHCN(200mL)中に溶解し、トリホスゲン(15.0g,50.5ミリモル)を添加した。混合物を1時間攪拌した後、HO(200mL)をゆっくり添加し、1時間攪拌し続けた。沈殿を濾過により単離し、乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=163(M+1)。
【0204】
ステップB.(4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
ステップAからの4,6−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン(7.15g,44.1ミリモル)をDMF(200mL)中に含む溶液を攪拌し、ここに水素化ナトリウム(1.76gの鉱油中60%分散物,44.1ミリモル)を2分間かけて添加した。混合物を20分間攪拌した後、DMF(40mL)中のブロモ酢酸tert−ブチル(8.17g,41.9ミリモル)を添加し、1時間攪拌し続けた。反応混合物をHO(400mL)で注意深く希釈し、固体を沈殿させた。混合物を5分間エージングした後、濾過して、粗な固体を得た。これをCHCl:EtOAc−100:0→40:60の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=277(M+1)。
【0205】
ステップC.[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチル
ステップBからの(4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル(100mg,0.36ミリモル)をDMF(3mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(17mgの鉱油中60%分散物,0.43ミリモル)及びブロモ酢酸メチル(0.041mL,0.43ミリモル)を順次添加し、反応混合物を2時間攪拌した。反応物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製した。生成物含有画分を凍結乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=349(M+1)。
【0206】
ステップD.[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸
本質的に中間体7について記載されている手順に従って、ただし(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチルの代わりにステップCからの[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチルを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=293(M+1)。
【0207】
中間体10
【0208】
【化32】

【0209】
{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップA.{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸メチル
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸(中間体9)(305mg,1.04ミリモル)、N,N−ジメチルアミン塩酸塩(128mg,1.60ミリモル)、EDC(300mg,1.60ミリモル)、ΗOBT(240mg,1.60ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.909mL,5.20ミリモル)をDMF(3mL)中に含む溶液を周囲温度で16時間攪拌した。混合物をCHCl(10mL)と飽和NaHCO(10mL)に分配し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、化合物を得た。MS:m/z=320(M+1)。
【0210】
ステップB.{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップAからの{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸メチル(333mg,1.04ミリモル)をTΗF(3mL)及びHO(1mL)中に含む溶液に水酸化リチウム(131mg,3.12ミリモル)を添加した。72時間後、HOを添加し、沈殿を濾過により集めて、標記化合物を得た。MS:m/z=306(M+1)。
【0211】
中間体11
【0212】
【化33】

【0213】
2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸
ステップA.1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン
スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン[国際公開第0145707(2001)号パンフレット]トリフルオロ酢酸塩(3.66g,11.6ミリモル)、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホン酸塩(1.63mL,11.6ミリモル)及びトリエチルアミン(8.06mL,57.9ミリモル)をアセトン(30mL)中に含む混合物を16時間還流加熱した。混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCl(50mL)に取り、飽和水性NaHCO(50mL)で洗浄した。水性層を更にCHCl(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=285(M+1)。
【0214】
ステップB.2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸tert−ブチル
ステップAからの1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(3.30g,11.6ミリモル)をDMF(10mL)中に含む溶液を攪拌し、ここに水素化ナトリウム(697mgの鉱油中60%分散物,17.4ミリモル)を0℃で添加した。混合物を0℃で45分間攪拌した後、ブロモ酢酸tert−ブチル(1.88mL,12.8ミリモル)を添加し、室温で72時間攪拌し続けた。反応混合物をHOでクエンチした。水性層をCHCl(3×50mL)で抽出した。合わせたCHCl層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→80:20の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=399(M+1)。
【0215】
ステップC.2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸
ステップBからの2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸tert−ブチル(3.19g,8.01ミリモル)をCHCl(16mL)及びCFCOH(5mL)中に含む溶液を周囲温度で17時間攪拌した。CFCOH(1mL)を添加し、更に1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。生じた固体にHCl溶液(10mL,EtO中2.0M)を添加し、溶液を真空中で濃縮した。もう2回繰り返して、標記化合物の塩酸塩を白色固体として得た。MS:m/z=343(M+1)。
【0216】
中間体12
【0217】
【化34】

【0218】
[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸
ステップA.1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]
1−アセチル−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]塩酸塩[Chenら,Tetrahedron Lett.,1996,57(30),5233−5234](200mg,0.750ミリモル)、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホン酸塩(0.128mL,0.900ミリモル)及びトリエチルアミン(0.522mL,3.75ミリモル)をアセトン(2mL)中に含む混合物を15時間還流加熱した。混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCl(10mL)に取り、飽和水性NaHCO(10mL)で洗浄した。水性層を更にCHCl(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=271(M+1)。
【0219】
ステップB.[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸tert−ブチル
ステップAからの1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン](64.0mg,0.237ミリモル)、炭酸カリウム(49.0mg,0.355ミリモル)、ヨウ化カリウム(59.0mg,0.355ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(0.042mL,0.284ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液を50℃で1時間攪拌した。反応混合物をHOでクエンチした。水性層をCHCl(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=385(M+1)。
【0220】
ステップC.[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸
ステップBからの[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸tert−ブチル(91.0mg,0.237ミリモル)をCHCl(2mL)及びCFCOH(1mL)中に含む溶液を周囲温度で6時間攪拌した。CFCOH(1mL)を添加し、更に1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl(20mL)と飽和NaHCO(20mL)に分配した。層を分離し、水性層を更にCHCl(2×20mL)で抽出した。合わせたCHCl層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=329(M+1)。
【0221】
中間体13
【0222】
【化35】

【0223】
(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップA.1−(4−ブロモ−1,3−チアゾル−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン
2−ヒドロキシベンゾイミダゾール(1.20g,8.95ミリモル)、2,4−ジブロモチアゾール(6.50g,26.8ミリモル)、銅粉(1.42g,22.4ミリモル)、CuCl(177mg,1.79ミリモル)及びKOAc(2.20g,22.4ミリモル)をピリジン(10mL)中に含む混合物を60℃で2時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(40mL)と10% 水性クエン酸(20mL)に分配し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=298(M+1)。
【0224】
ステップB.1−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾル−2−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン
ステップAからの1−(4−ブロモ−1,3−チアゾル−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン(1.00g,3.38ミリモル)、ナトリウムメタンチオラート(710mg,10.13ミリモル)及びヨウ化銅(643mg,3.38ミリモル)をDMF(6mL)中に含む混合物を140℃で加熱した。3時間及び16時間後に追加量のナトリウムメタンチオラート(474mg,6.76ミリモル)を混合物に添加し、反応物を140℃で攪拌し続けた。20時間後、冷却した混合物を飽和水性NaHCO(30mL)とCHCl(50mL)に分配した。水性相を更にCHCl(50mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=264(M+1)。
【0225】
ステップC.{3−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸tert−ブチル
ステップBからの1−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾル−2−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン(710mg,2.67ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(578mg,2.97ミリモル)をDMF(15mL)中に含む混合物を0℃で攪拌し、ここに水素化ナトリウム(194mgの鉱油中60%分散物,4.85ミリモル)を添加した。混合物を0℃で15分間攪拌した後、飽和水性NaHCOでクエンチし、CHCl(2×35mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→70:30の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=378(M+1)。
【0226】
ステップD.(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
ステップCからの{3−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸tert−ブチル(110mg,0.291ミリモル)をイソプロパノール(1mL)及びCHCl(1mL)中に含む溶液に0℃でオキソン(登録商標)をHO(0.5mL)中に含む溶液を添加した。2時間後、混合物を飽和水性NaClでクエンチし、CHCl(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−90:10→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=394(M+1)。
【0227】
ステップE.(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップDからの(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1Η−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸tert−ブチル(100mg,0.254ミリモル)をCFCOH(3mL)及びCHCl(3mL)中に溶解し、混合物を周囲温度で3時間攪拌した後、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=338(M+1)。
【0228】
中間体14
【0229】
【化36】

【0230】
{3−[4−(メトキシカルボニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップA.[3−(4−ブロモ−1,3−チアゾル−2−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチル
本質的に中間体7について記載されている手順に従って、ただし2−ブロモピリジンの代わりに2,4−ジブロモチアゾールを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=412(M+1)。
【0231】
ステップB.2−[3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル
ステップAからの[3−(4−ブロモ−1,3−チアゾル−2−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸tert−ブチル(250mg,0.609ミリモル)及びトリエチルアミン(0.850mL,6.09ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む懸濁液にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(86.0mg,0.122ミリモル)を添加した。反応混合物を一酸化炭素(約1気圧)雰囲気下で48時間還流加熱した後、CHCl(20mL)と飽和水性NaHCO(5mL)に分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→60:40の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=412(M+23)。
【0232】
ステップC.{3−[4−(メトキシカルボニル)−1,3−チアゾル−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップBからの2−[3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(195mg,0.501ミリモル)をEtOAc(3mL)中に含む溶液に0℃でHClガスを5分間飽和させた。15分後、反応物に再びHClを5分間飽和させた。混合物を真空中で濃縮して、標記化合物を白色固体として得た。MS:m/z=334(M+1)。
【0233】
中間体15
【0234】
【化37】

【0235】
{3−[4−(エトキシカルボニル)フェニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
ステップA.4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチル
4−アミノ安息香酸エチル(1.00g,6.05ミリモル)及び2−フルオロニトロベンゼン(0.64mL,6.05ミリモル)の混合物を160℃で18時間加熱した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−70:30で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=287(M+1)。
【0236】
ステップB.4−[(2−アミノフェニル)アミノ]安息香酸エチル
ステップAからの4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチル(755mg,2.64ミリモル)及び10% Pd/C(505mg)をEtOH(25mL)中に含む混合物を水素(約1気圧)雰囲気下で4時間攪拌した。混合物をセライトパッドを介して濾過し、EtOHで洗浄し、濾液を濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=257(M+1)。
【0237】
ステップC.4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)安息香酸エチル
ステップBからの4−[(2−アミノフェニル)アミノ]安息香酸エチル(442mg,1.72ミリモル)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(652mg,4.02ミリモル)をTHF(10mL)中に含む混合物を75℃で3時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(100mL)と10% 水性クエン酸(50mL)に分配した。有機層をHO(30mL)及びブライン(30mL)で順次洗浄した後、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−95:5→75:25の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=283(M+1)。
【0238】
ステップD.4−[3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]安息香酸エチル
ステップCからの4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)安息香酸エチル(590mg,2.09ミリモル)をDMF(10mL)中に含む溶液を0℃で攪拌し、ここに水素化ナトリウム(104mgの鉱油中60%分散物,2.60ミリモル)を添加した。混合物を5分間攪拌した後、ブロモ酢酸tert−ブチル(489mg,2.51ミリモル)を添加し、3時間攪拌し続けた。反応混合物をEtOAc(200mL)とHO(100mL)に分配した。有機層をHO(50mL)及びブライン(50mL)で順次洗浄した後、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→0:100の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=397(M+1)。
【0239】
ステップE.{3−[4−(エトキシカルボニル)フェニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル}酢酸
本質的に中間体7について記載されている手順に従って、ただし(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチルの代わりにステップDからの4−[3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]安息香酸エチルを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=341(M+1)。
【0240】
中間体16
【0241】
【化38】

【0242】
(±)−(2−オキソ−3−テトラヒドロフラン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップA.(±)−N−(2−ニトロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミン
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.20mL,18.4ミリモル)、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(0.484mL,4.59ミリモル)及び(±)−テトラヒドロフラン−3−アミン(400mg,4.59ミリモル)をn−ブタノール(10mL)中に含む溶液をマイクロ波反応装置を用いて180℃に加熱した。20分後、反応物を周囲温度まで冷却し、濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0→0:100の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=209(M+1)。
【0243】
ステップB.(±)−(2−オキソ−3−テトラヒドロフラン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
本質的に中間体15について記載されている手順に従って、ただし4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチルの代わりに(±)−N−(2−ニトロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミンを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=263(M+1)。
【0244】
中間体17
【0245】
【化39】

【0246】
(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップA.2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(J.Org.Chem.,1995,60,1565−1582)(500mg,2.13ミリモル)、トリフェニルホスフィン(672mg,2.56ミリモル)及びテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オール(Chem.Comm.,2002,10,1070−1071)(303mg,2.56ミリモル)をTΗF(10mL)中に含む溶液にアゾジカルボン酸ジエチル(446mg,2.56ミリモル)を添加した。20時後、反応物を真空中で濃縮し、粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→95:5の勾配で溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=335(M+1)。
【0247】
ステップB.1−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン
ステップAからの2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(210mg,0.628ミリモル)をCHCl(3mL)中に含む溶液にCFCOH(1mL)を添加した。2時後、混合物を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=235(M+1)。
【0248】
ステップC.(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル
ステップBからの1−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾル−2−オン(200mg,0.854ミリモル)をDMF(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(68.3mgの鉱油中60%分散物,1.71ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(0.189mL,1.28ミリモル)を順次添加した。1時後、反応物をHO(10mL)でクエンチし、CHCl(10mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=349(M+1)。
【0249】
ステップD.(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸
ステップCからの(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸tert−ブチル(169mg,0.485ミリモル)をCHCl(3mL)中に含む溶液にCFCOH(1mL)を添加した。3時後、混合物を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=293(M+1)。
【0250】
中間体18
【0251】
【化40】

【0252】
(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸
ステップA.2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−2(1H)−オン
オキシインドール(500mg,3.76ミリモル)をTHF(40mL)中に含む−78℃の溶液にブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,3.76mL,9.39ミリモル)を添加した。添加が完了したら、内部温度を<−70℃に維持しながらN,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン(1.48mL,9.76ミリモル)を添加した。−78℃で1時間後,2−ヨードエチルエーテル(4.90g,15.0ミリモル)を添加し、反応物を周囲温度まで加温した。48時間後、反応物をHO(5mL)でクエンチし、混合物をEtOAc(100mL)とHO(100mL)に分配した。水溶液をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0→97:3の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=204(M+1)。
【0253】
ステップB.(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸tert−ブチル
ステップAからの2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−2(1H)−オン(35.0mg,0.172ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液に0℃で水素化ナトリウム(8.00mgの鉱油中60%分散物,0.207ミリモル)を添加した。1時間後、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.280mL,0.189ミリモル)を添加し、反応物を周囲温度に加温した。18時間後、反応物をCHCl(10mL)と飽和NHCl(10mL)に分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=318(M+1)。
【0254】
ステップC.(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸
ステップBからの(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸tert−ブチル(55.0mg,0.173ミリモル)をCHCl(3mL)中に含む溶液にCFCOH(1mL)を添加した。3時間後、混合物を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=262(M+1)。
【0255】
中間体19
【0256】
【化41】

【0257】
(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドル]−1’(2’H)−イル)酢酸
ステップA.4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1H)−ジオン
オキシインドール(5.00g,37.6ミリモル)及びカリウムtert−ブトキシド(211mg,1.88ミリモル)をジメチルスルホキシド(19mL)中に含む溶液に45℃でアクリル酸メチル(10.5mL,116.4ミリモル)を1時間かけて添加した。1時間後、内部温度を55から60℃に維持しながら、カリウムtert−ブトキシド(9.48g,84.5ミリモル)を30分間かけて少しずつ添加した。混合物を真空中で濃縮し、HO(100mL)に注ぎ、80℃に加熱した。23時間後、反応物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。MS:m/z=216(M+1)。
【0258】
ステップB.(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドル]−1’(2’H)−イル)酢酸tert−ブチル
ステップAからの4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1’H)−ジオン(523mg,2.43ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(0.431mL,2.92ミリモル)をDMF(10mL)中に含む溶液に炭酸セシウム(1.19g,3.64ミリモル)を添加した。22時間後、混合物をHO(100mL)とCHClに分配し、CHCl(3×75mL)で抽出した。合わせた有機物をHOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、所望生成物を得た。MS:m/z=330(M+1)。
【0259】
ステップC.(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドル]−1’(2’H)−イル)酢酸
ステップBからの(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドル]−1’(2’H)−イル)酢酸tert−ブチル(800mg,2.43ミリモル)をEtOAc(10mL)中に含む溶液にHClガスを5分間通気した。3時間後、反応物を真空中で濃縮して、所望生成物を得た。MS:m/z=274(M+1)。
【0260】
中間体20
【0261】
【化42】

【0262】
(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム
ステップA.3,3−ビス[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン
オキシインドール(3.00g,22.5ミリモル)をTΗF(50mL)中に含む溶液に−75℃でカリウムtert−ブトキシド(10.1g,90.1ミリモル)を添加し、混合物を周囲温度まで加温した。1時間後、反応物を−75℃まで冷却し、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(7.15mL,47.3ミリモル)を10分間かけて1滴ずつ添加した。18時間後、混合物をEtOAc(100mL)とHO(100mL)に分配した。層を分離し、水性層を更にEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0→80:20の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=390(M+1)。
【0263】
ステップB.5−ブロモ−3,3−ビス(2−ブロモエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン
ステップAからの3,3−ビス[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン(1.23g,3.16ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(3.64g,13.9ミリモル)をCHCl(20mL)中に含む溶液に0℃で臭素(0.712mL,13.9ミリモル)を添加した。22時間後、混合物をCHCl(50mL)とHO(50mL)に分配した。層を分離し、水性層を更にCHCl(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0→90:10の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=427(M+1)。
【0264】
ステップC.5−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−2(1H)−オン
ステップBからの5−ブロモ−3,3−ビス(2−ブロモエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン(532mg,1.25ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液に硫化ナトリウム(292mg,3.75ミリモル)を添加し、溶液を50℃に加熱した。2.5時間後、混合物をCHCl(20mL)とHO(20mL)に分配した。層を分離し、水性層を更にCHCl(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=300(M+1)。
【0265】
ステップD.(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’.5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸エチル
ステップCからの5−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−2(1H)−オン(372mg,1.25ミリモル)及びブロモ酢酸エチル(0.166mL,1.50ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液に炭酸セシウム(610mg,1.87ミリモル)を添加した。16時間後、HO(5mL)を反応物に添加し、生じた沈殿を濾過により集めて、標記化合物を得た。MS:m/z=386(M+1)。
【0266】
ステップE.(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム
ステップDからの(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸エチル(479mg,1.25ミリモル)をEtOH(2mL)中に含む溶液に5M 水酸化ナトリウム溶液(0.748mL,3.74ミリモル)を添加し、混合物を60℃に加熱した。14時間後、HO(5mL)を反応物に添加し、生じた沈殿を濾過により集めて、所望生成物を得た。MS:m/z=357(M+1)。
【0267】
中間体21
【0268】
【化43】

【0269】
(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸
ステップA.(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1−(2H)−イル)酢酸
(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム(194mg,0.545ミリモル,中間体20に記載されている。)をTΗF(5mL)中に含む溶液に−78℃で臭化エチルマグネシウム(EtO中3M,0.272mL,0.817ミリモル)を添加した後、tert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M,0.801mL,1,36ミリモル)を添加した。1時間後、反応物をHOでクエンチし、EtOAc(20mL)と10% HCl(20mL)に分配した。層を分離し、水性層を更にEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=278(M+1)。
【0270】
中間体22
【0271】
【化44】

【0272】
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−1H−インドル−1−イル]酢酸
ステップA.[(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)メチル]ジメチルアミン
4,6−ジメチル−1H−インドール(Choら,Tetrahedron,2001,57,3321−3330)(93.0mg,0.640ミリモル)及びN,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン(98.0mg,0.961ミリモル)をAcOH(3mL)中に含む混合物を周囲温度で2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和NaHCO(10mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。
【0273】
ステップB.(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)アセトニトリル
ステップAからの[(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)メチル]ジメチルアミン(98.0mg,0.484ミリモル)及びシアン化カリウム(315mg,4.84ミリモル)をDMF(2mL)及びHO(2mL)中に含む溶液を100℃で2時間加熱した。反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和NaCl(10mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH−100:0→98:2の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=185(M+1)。
【0274】
ステップC.(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)酢酸メチル
ステップBからの(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)アセトニトリル(83.0mg,0.450ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む溶液にHClガスを通気した。反応混合物を30分間攪拌した後、HO(1mL)を添加し、攪拌を2時間続けた。MeOHを真空下で除去し、反応混合物をEtOAc(5mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物を1滴の濃HSOを含有しているMeOH(2mL)中に溶解し、生じた混合物を16時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)と飽和NaCl(5mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→80:20の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=218(M+1)。
【0275】
ステップD.[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−1H−インドル−1−イル酢酸
本質的に中間体19に記載されている手順に従って、ただし4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1’H)−ジオンの代わりにステップCからの(4,6−ジメチル−1H−インドル−3−イル)酢酸メチルを用いて、標記化合物を製造した。MS:m/z=276(M+1)。
【0276】
中間体23
【0277】
【化45】

【0278】
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
ステップA.[(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)メチル]ジメチルアミン
4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(Zhangら,J.Org.Chem.,2002,67,2345−2347)(200mg,0.864ミリモル)、ホルムアルデヒド(HO中37重量%,0.500mL,6.17ミリモル)及びジメチルアミン(HO中40重量%,1.00mL,8.88ミリモル)をAcOH(6mL)中に含む混合物をマイクロ波反応装置を用いて100℃で40分間加熱した。溶媒を減圧下で除去した。粗な生成物をCHCl(15mL)と飽和NaHCO(10mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH−100:0→90:10の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=290(M+1)。
【0279】
ステップB.(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)アセトニトリル
ステップAからの[(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)メチル]ジメチルアミン(195mg,0.676ミリモル)及びシアン化カリウム(440mg,6.76ミリモル)をDMF(0.5mL)及びHO(0.5mL)中に含む溶液を100℃で2時間加熱した。反応混合物をEtOAc(20mL)とHO(10mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=272(M+1)。
【0280】
ステップC.(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)酢酸メチル
ステップBからの(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)アセトニトリル(165mg,0.610ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む溶液にHClガスを通気し、反応混合物を2時間攪拌した。MeOHを減圧下で除去し、HO(1mL)及び飽和NaHCO(5mL)を添加した。反応混合物をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(5mL)及び飽和NaCl(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をCHCl:MeOH−100:0→90:10の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=305(M+1)。
【0281】
ステップD.2,2’−(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1,3−ジイル)ジ酢酸tert−ブチルメチル
ステップCからの(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)酢酸メチル(115mg,0.379ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(0.0810mL,0.417ミリモル)をDMF(2mL)中に含む溶液に炭酸セシウム(185mg,0.568ミリモル)を添加した。30分後、混合物をHO(5mL)とEtOAc(10mL)に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=419(M+1)。
【0282】
ステップE.[4−ブロモ−7−クロロ−3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
ステップDからの2,2’−(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1,3−ジイル)ジ酢酸tert−ブチルメチル(153mg,0.366ミリモル)をMeOH(3mL)中に含む溶液に1M 水酸化ナトリウム溶液(0.300mL,3.00ミリモル)を添加し、混合物を周囲温度で2時間攪拌した。1M HCl(0.300mL)を添加して反応物をクエンチし、溶媒を減圧下で除去した。粗な生成物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=363(M+1)。
【0283】
ステップF.[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
ステップEからの[4−ブロモ−7−クロロ−3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸(27.0mg,0.075ミリモル)及び10% Pd/C(10mg)をMeOH(5mL)中に含む混合物を水素(約1気圧)雰囲気下で2時間攪拌した。混合物をセライトパッドを介して濾過し、MeOHで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0284】
中間体24から38
本質的に中間体7から23に概説されている手順と類似の手順に従って、表1にリストされている化合物を製造した。各中間体について最も適切な類似手順が表にリストされている。必要な出発物質は市販されており、文献に記載されており、または有機合成の当業者により容易に合成された。幾つかの場合には、簡単な保護基戦略を用いた。
【0285】
【表1】



【0286】
実施例1
【0287】
【化46】

【0288】
(±)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(11mg,0.040ミリモル,中間体7に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(10mg,0.040ミリモル,中間体3に記載されている。)、HATU(19mg,0.050ミリモル)及びN−メチルモルホリン(0.018mL,0.16ミリモル)をDMF(1mL)中に含む混合物を50℃で18時間攪拌した。追加のHATU(19mg,0.050ミリモル)及びN−メチルモルホリン(0.018mL,0.16ミリモル)を添加し、混合物を50℃で更に6時間攪拌した。反応混合物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCΝ:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製した。凍結乾燥すると、粗な生成物が生じた。これを更にCHCl:MeOH:NHOH−100:0:0→95:5:1の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=504(M+1)。HRMS:m/z=504.1809;計算値(C2822)m/z=504.1779。
【0289】
実施例2
【0290】
【化47】

【0291】
2−[2−オキソ−3−(テトラヒドロフラン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]−N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)アセトアミド
(±)−(2−オキソ−3−テトラヒドロフラン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(60mg,0.23ミリモル,中間体16に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(71mg,0.28ミリモル,中間体3に記載されている。)、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(153mg,0.46ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL,1.15ミリモル)をTHF(2mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌する。反応混合物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製する。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。
【0292】
実施例3
【0293】
【化48】

【0294】
N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)−2−[2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]アセトアミド
2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸(79mg,0.23ミリモル,中間体11に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(71mg,0.28ミリモル,中間体3に記載されている。)、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(153mg,0.46ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL,1.15ミリモル)をTΗF(2mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌する。反応混合物を逆相C18カラムを用い、ΗO:CΗCN:CFCOΗ−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCにより精製する。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。
【0295】
実施例4
【0296】
【化49】

【0297】
(5,7−ジメチル−2−オキソ−3−{2−オキソ−2−[(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アミノ]エチル}−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸メチル
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸(67mg,0.23ミリモル,中間体9に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(71mg,0.28ミリモル,中間体4に記載されている。)、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(153mg,0.46ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL,1.15ミリモル)をTΗF(2mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌する。反応混合物を逆相C18カラムを用い、ΗO:CΗCN:CFCOΗ−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCにより直接精製する。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。
【0298】
実施例5
【0299】
【化50】

【0300】
2−(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)アセトアミド
(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(62mg,0.23ミリモル,中間体8に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(71mg,0.28ミリモル,中間体4に記載されている。)、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホフェート(153mg,0.46ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL,1.15ミリモル)をTHF(2mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌する。反応混合物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製する。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。
【0301】
実施例6
【0302】
【化51】

【0303】
N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−イル)−2−[2−オキソ−3−(1,3−チアゾル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]アセトアミド
[2−オキソ−3−(1,3−チアゾル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル]酢酸(62mg,0.23ミリモル,中間体33に記載されている。)、(±)−2−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(71mg,0.28ミリモル,中間体5に記載されている。)、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(153mg,0.46ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL,1.15ミリモル)をTΗF(2mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌する。反応混合物を逆相C18カラムを用い、ΗO:CΗCN:CFCOΗ−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCにより直接精製する。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。
【0304】
実施例7
【0305】
【化52】

【0306】
(±)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン]−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル)アセトアミド
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(15mg,0.055ミリモル,中間体7に記載されている。)、(±)−3−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(14mg,0.055ミリモル,中間体4に記載されている。)、PyClu(26mg,0.072ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.048mL,0.277ミリモル)をTHF(1mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌した。反応混合物を逆相C18カラムを用い、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるHPLCにより直接精製した。純粋な生成物含有画分を合わせ、飽和水性NaHCOで塩基性とする。生じた混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得る。MS:m/z=504(M+1)。HRMS:m/z=504.1787;計算値(C2822)m/z=504.1779。
【0307】
実施例8
【0308】
【化53】

【0309】
(±)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2−イル)アセトアミド
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(16mg,0.060ミリモル,中間体7に記載されている。)、(±)−2−アミノ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(15mg,0.060ミリモル,中間体5に記載されている。)、PyClu(26mg,0.072ミリモル)及びDIEA(0.053mL,0.30ミリモル)をTΗF(1mL)中に含む混合物を周囲温度で18時間攪拌した。反応混合物を逆相C18カラムを用い、ΗO:CΗCN:CFCOΗ−90:10:0.1→5:95:0.1の勾配で溶離させるΗPLCにより直接精製した。凍結乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=504(M+1)。HRMS:m/z=504.1796;計算値(C2822)m/z=504.1779。
【0310】
具体的エナンチオマー及びジアステレオマーが上記実施例及び中間体に記載されているが、反応条件及び試薬に修飾を加える(非限定例として、出発物質に対して反対のキラルを用いる;別の触媒;試薬に対して反対のキラルを用いる;キラル分割後に別のエナンチオマー及びジアステレオマーを使用するための選択が挙げられる。)と代替のエナンチオマーまたはジアステレオマーが得られ、これらのすべてが本発明の趣旨及び範囲に含まれることを当業者は十分に理解している。混合物の形態及び純粋もしくは部分的に精製した化合物としての考えられる光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれると意図される。本発明はこれらの化合物のすべての異性体を包含するつもりである。
【0311】
本発明を特定の具体的実施態様を参照して記載し、説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコルに各種改変、変化、修飾、置換、削除または付加を加え得ることを認識している。例えば、上記した本発明の化合物を用いる適応症に対する治療対象の哺乳動物の応答性が異なる結果として本明細書中に上記した具体的用量以外の有効量を適用してもよい。また、観察された具体的薬理応答は、選択した特定の活性化合物または医薬用担体の存在の有無、使用する製剤のタイプ及び投与モードに従って及びこれらに応じて異なり得、結果の予想される違い及び差は本発明の目的及び実施に従って考えられる。従って、本発明は特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲は合理的に広く解釈されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

[式中、
Bは
【化2】

(T、U、V、W、X及びYは各々独立して炭素原子または窒素原子であり、T、U、V及びWの2個以下及びT、U、V、W、X及びZの3個以下が窒素原子である。)
からなる群から選択されるビシクロヘテロ環であり、
Bは置換されていないかまたは各々独立してR、R、R3a及びR3bから選択される1から5個の置換基で置換されており、R、R、R3a及びR3bは各々独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(f)−CO(Rは水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択される。)、
(g)−NR1011(R10及びR11は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、−COR及び−SO12から選択される。)、
(h)−SO12(R12は置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択される。)、
(i)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結して、置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシル、フェニル及びベンジルから選択される1から5個の置換基で置換されており、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、
(j)トリフルオロメチル、
(k)−OCO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)トリフルオロメチル、及び
(e)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ及びトリフルオロメチルから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(3)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、
(b)ハロ、
(c)ヒドロキシ、
(d)置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ及びトリフルオロメチルから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(g)−CO
(h)−(CO)R
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)オキソ、
(1)−SR12
(m)−S(O)R12、及び
(n)−SO12
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アゼパニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、フリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピロリル、キナゾリニル、テトラヒドロフリル、チアゾリニル、プリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、1,3−ジオキソラニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)ヒドロキシ、
(7)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−NR1011
(11)−SO12
(12)−CONR10a11a
(13)−OCO
(14)−(NR10a)CO
(15)−O(CO)NR10a11a
(16)−(NR)(CO)NR10a11a
(17)−(CO)−(CO)NR10a11a
(18)−(CO)−(CO)OR、及び
(19)−SONR10a11a
から選択され;
或いはR3aとR3b及びこれらが結合している炭素原子は連結して、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル及びピペラジニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(xiii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、及び
(x)−(NR10a)CO
から選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(1)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)オキソ
から選択される1から5個の置換基で置換されており;
及びAは各々独立して結合及び−CR1314−(R13及びR14は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ及びハロから選択される。)から選択され、
及びAの1個は場合により存在しなくてもよく;
、G及びGは各々独立して
(1)−C(R)=、
(2)−N=、及び
(3)−(N−O)=
から選択され、G、G及びGの2個以下が−C(R)=であるように選択され;或いは

(1)−C(R)=、
(2)−N=、及び
(3)−(N−O)=
から選択され、−G=G−は一緒になって
(1)−S−、
(2)−O−、
(3)−N(R10)−
から選択され;
Jは
(1)=C(R6a)−、
(2)−CR1314−、
(3)−C(=O)−、及び
(4)−N(R15)−
から選択され;
Yは
(1)=C(R6b)−、
(2)−CR1314−、
(3)−C(=O)−、
(4)−SO−、
(5)=N−、及び
(6)−N(R6b)−
から選択され;
は水素、置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、C5−6シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択され;
は独立して
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−OCF
(5)トリフルオロメチル、
(6)ハロ、
(7)ヒドロキシ、及び
(8)−CN
から選択され;
6a及びR6bは各々独立して
(1)水素;
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)置換されていないかまたは各々独立して−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びモルホリニルから選択される。)
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル;
(3)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)ヒドロキシ、
(6)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−NR1011、及び
(10)−CONR10a11a
から選択され、
或いはR6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル及びジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)置換されていないかまたは各々独立してC1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル及び−OCFから選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(xiii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、及び
(x)−(NR10a)CO
から選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、置換されていないかまたは1から6個のハロで置換されてる−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシル及び−C3−6シクロアルキルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(m)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、及び
(o)オキソ
から選択される1から5個の置換基で置換されており;
15
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)置換されていないかまたは各々独立して
(i)−C1−6アルキル、
(ii)−O−C1−6アルキル、
(iii)ハロ、
(iv)ヒドロキシ及び
(v)トリフルオロメチル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニル、
(f)−CO
(g)−NR1011
(h)−CONR1011
(i)−SO12、及び
(j)トリフルオロメチル
から選択される1から7個の置換基で置換されている−C1−6アルキルまたは−C3−6シクロアルキル;及び
(3)置換されていないかまたは各々独立して
(a)−C1−6アルキル、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、及び
(e)トリフルオロメチル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)
から選択され;
mは1または2であり;
nは1または2である。]
及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
式Ia:
【化3】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項3】
式Ib:
【化4】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項4】
式Ic:
【化5】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項5】
式Id:
【化6】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項6】
式Ie:
【化7】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項7】
式If:
【化8】

を有する請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項8】
Bは
【化9】

からなる群から選択され、Bは置換されていないかまたはR、R、R3aから選択される1から5個の置換基で置換されている請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項9】
Bは2−オキソベンゾイミダゾリニル、インドリル、インドリニル、2−オキソインドリニル、2−オキソアザベンゾイミダゾリニル及びアザインドリルからなる群から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項10】
、R、R3a及びR3bは独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)フルオロ、
(b)フェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)−CO(Rは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択される。)、
(d)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素及び−C1−6アルキルから選択され、
或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、及び
(e)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、
(b)ハロ、
(c)−CO(Rは水素、−C1−4アルキル及び−C3−6シクロアルキルから選択される。)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択され、或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、
(f)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、及び
(k)−SO−C1−4アルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、2−オキソピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される。)、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)−NR1011(R10及びR11は各々独立して水素、置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、−C5−6シクロアルキル及び−CORから選択される。)、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−6アルキルから選択される。)、及び
(9)−CN
から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項11】
及びRは独立して
(1)置換されていないかまたは各々独立して
(a)フルオロ、
(b)フェニル、
(c)−CO(Rは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、
(d)−CONR10a11a(R10a及びR11aは各々独立して水素及び−C1−4アルキルから選択され、
或いはR10a及びR11aは連結してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択される環を形成する。)、及び
(e)−O−C3−6シクロアルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(2)置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、
(b)ハロ、
(c)−CO(Rは水素、−C1−4アルキル及び−C3−6シクロアルキルから選択される。)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、
(f)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、及び
(k)−SO−C1−4アルキル
から選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される。)、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、
(6)−CN、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(R10a及びR11aは独立して水素及び−C1−4アルキルから選択される。)、及び
(9)−NR1011(R10及びR11は各々独立して水素、−C1−4アルキル及び−CORから選択される。)
から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項12】
3aとR3b及びこれらが結合している炭素原子は連結して、ピペリジニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立して
(i)ハロ及び
(ii)フェニル
から選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)フェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル及びピラジニルから選択される。)、
(c)−CO(R
(i)水素及び
(ii)−C1−4アルキル
から選択される。)、
(f)ヒドロキシ、及び
(g)オキソ
から選択される1から3個の置換基で置換されている請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項13】
Jは=C(R6a)−、−CH−及び−N(R15)−から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項14】
Yは=C(R6b)−、−CH−及び−C(=O)−から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項15】
6a及びR6bは各々独立して
(1)水素、
(2)置換されていないかまたは各々独立してハロ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(3)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ及びヒドロキシルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(4)ハロ、
(5)−NR1011
(6)ヒドロキシ、及び
(7)置換されていないかまたは1から3個のハロで置換されている−O−C1−4アルキル、
から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項16】
6aとR6b及びこれらが結合している原子は連結して、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル及びチエニルから選択される環を形成し、前記環は置換されていないかまたは各々独立して
(a)置換されていないかまたは各々独立してハロ、−O−C1−6アルキル、−CO、−NR1011及び−CONR10a11aから選択される1から3個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(b)置換されていないかまたは各々独立して置換されていないかまたは1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、置換されていないかまたは1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ及びヒドロキシルから選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルまたはヘテロ環(ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択される。)、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、
(e)置換されていないかまたは1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)−NR1011
(h)−CONR10a11a、及び
(i)オキソ
から選択される1から3個の置換基で置換されている請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項17】
、G及びGは各々独立して−C(R)=及び−N=から選択され、G、G及びGの2個以下が−C(R)=であるように選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項18】
は−C(R)=及び−N=から選択され、並びに−G=G−は一緒になって−S−及び−N(R10)−から選択される請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項19】
、G及びGの1つは−N=であり、G、G及びGの残り2つは−C(H)=である請求項1の化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項20】
【表1】

から選択される化合物、及びその医薬的に許容され得る塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項21】
不活性担体及び請求項1の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
有効量の請求項1の化合物を投与することを含む哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項23】
偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、回復またはそのリスクの低減を要する哺乳動物患者に対して治療有効量の請求項1の化合物を投与することを含む前記患者における頭痛、偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、回復またはそのリスクの低減方法。

【公表番号】特表2010−524931(P2010−524931A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504052(P2010−504052)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/004694
【国際公開番号】WO2008/130512
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】