説明

二環式アミノピラゾールアミド誘導体

【課題】糖尿病等の疾患の予防および/または治療薬として有用な11βHSD1阻害剤を提供する。
【解決手段】
式(1):


(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表し、Rは、水酸基または-CONH基を表し、Xは、単結合、メチレン、または−O−を表し、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基等を表し、nは、0〜3を表す。)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用なピラゾールアミド化合物に関する。より詳しくは、グルココルチコイドが関与する病態の治療剤または予防剤、もしくは11βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1酵素(以下に11βHSD1と記す)阻害剤または11βHSD1調整剤として有効なピラゾールアミド化合物に関する。更に11βHSD1阻害剤または11βHSD1調整剤として有効なピラゾールアミド化合物を有効成分とする糖尿病治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
グルココルチコイドは末梢での糖代謝やアミノ酸代謝を調節する。ヒトにおいて、グルココルチコイドは副腎で産生されるほかに、脂肪や肝臓などの末梢組織でも代謝が行われる。11βHSD1は不活性型コルチゾンを活性型コルチゾールに変換する酵素であり、主に脂肪や肝臓に発現することから、11βHSD1は脂肪や肝臓でのグルココルチコイド活性化に関与すると考えられている。コルチゾールは脂肪細胞への脂肪蓄積促進作用や肝臓での糖新生促進作用を有することから、11βHSD1は末梢での糖・脂質代謝を調節することによって、全身の恒常性維持に寄与しているものと考えられる。その一方で、ヒトにおいてはインスリン抵抗性患者で脂肪組織11βHSD1が有意に活性上昇しており、11βHSD1活性は皮下脂肪より内臓脂肪で顕著に高い。また、11βHSD1遺伝子欠損マウスは高脂肪食負荷時に内臓脂肪蓄積、糖・脂質代謝異常の発症が抑制され、さらに脂肪細胞特異的11βHSD1過剰発現マウスは顕著な内臓脂肪型肥満、糖・脂質代謝異常を呈する。これらの知見から、ヒトおよびマウスにおいて、11βHSD1の過剰な活性化が内臓脂肪蓄積・メタボリックシンドロームの発症と深く関連していることが示唆されている。すなわち、本酵素の活性を阻害することにより、肝臓における糖新生の抑制、脂肪細胞での脂肪蓄積の抑制、さらには全身の糖・脂質代謝の改善という効果が期待される。
糖代謝の改善については、膵臓β細胞の11βHSD1活性がインスリン分泌の低下に寄与する可能性や、ヒト筋肉細胞において11βHSD1活性が筋肉細胞の糖取込み低下に関与している可能性が報告されていることから、11βHSD1阻害剤は直接的に高血糖を是正できる可能性がある。
他に11βHSD1は、神経細胞、免疫細胞で機能することなども示されており、11βHSD1阻害剤はこれらの異常に起因する疾患の治療効果も期待される。
【0003】
種々の11βHSD1阻害剤が報告されており、例えば特許文献1ではピラゾール環を有する誘導体が、特許文献2ではアミド誘導体が報告されている。また、特許文献3では、ピペラジノ基で置換されたピラゾール環を有する誘導体がステアリン酸CoA脱飽和酵素阻害剤として報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/016877号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2004/089470号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006/034315号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、II型糖尿病、耐糖能異常、高血糖、インスリン抵抗性、低HDL症、高LDL症、脂質代謝異常症、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、高血圧、動脈硬化、血管狭窄、アテローム性動脈硬化、肥満、認知障害、緑内障、網膜症、痴呆症、アルツハイマー症、骨粗しょう症、免疫障害、シンドロームX、鬱、心血管疾患、神経変性疾患などの疾患の予防または/および治療できる治療薬として、11βHSD1阻害作用を有し医薬品として満足できる化合物の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これまでに11βHSD1阻害剤として、後述の〔1〕式(1)で表される、5位に2環性の環状アミノ基を有するピラゾール−3−カルボン酸アダマンチルアミド誘導体は全く製造されておらず、その阻害活性については全く知られていなかった。そこで、本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、これら誘導体の、1位にアルキル基等を導入し、かつ5位に芳香族環と縮環した環状アミノ基を導入した、ピラゾール−3−カルボン酸アダマンチルアミド誘導体が優れた11βHSD1阻害活性を示すことを見出した。さらには、これら誘導体から、阻害活性に加えて溶解度、薬物動態、類縁酵素との阻害選択性などの薬物として必要な性質のバランスに優れた誘導体を見出した。
【0007】
すなわち、5−二環式アミノピラゾール−3−カルボン酸アミド誘導体、またはその薬学上許容される塩(以下必要に応じ本発明化合物と略称することがある。)が優れた11βHSD1阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は:
〔1〕 式(1):
【0009】
【化1】

[式中、
は、置換されていてもよいアルキル基を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表し、
は、水酸基または-CONH基を表し、
Xは、単結合、メチレン、または−O−を表し、
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、-NR12、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基を表すか;
または、RおよびRはそれらが隣接する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい環状アミノ基を表し、
nは、0〜3を表す。]で表される化合物またはその薬学上許容される塩、
〔2〕
Xが単結合である、〔1〕記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔3〕
Xがメチレンである、〔1〕記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔4〕
Xが−O−である、〔1〕記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔5〕
が水素原子である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔6〕
がメチル基または塩素原子である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔7〕
がフッ素原子である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔8〕
がメチル基である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔9〕
Rcが水酸基である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔10〕
RcがCONH基である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
〔11〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬、
〔12〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するII 型糖尿病、耐糖能異常、高血糖、インスリン抵抗性、脂質代謝異常症、高血圧、動脈硬化、血管狭窄、肥満、認知障害、痴呆症、アルツハイマー症、シンドロームX、鬱、心血管疾患、またはアテローム性動脈硬化の治療剤、
〔13〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病、インスリン抵抗性、またはII 型糖尿病の治療剤、
〔14〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する動脈硬化またはアテローム性動脈硬化の治療剤、
〔15〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するシンドロームXの治療剤、
〔16〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する肥満の治療剤、
〔17〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する認知障害、痴呆症、アルツハイマー症または鬱の治療剤、
〔18〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する脂質代謝異常症の治療剤、または
〔19〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する高血圧の治療剤に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明化合物は、II型糖尿病、耐糖能異常、高血糖、インスリン抵抗性、低HDL症、高LDL症、脂質代謝異常症、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、高血圧、動脈硬化、血管狭窄、アテローム性動脈硬化、肥満、認知障害、緑内障、網膜症、痴呆症、アルツハイマー症、骨粗しょう症、免疫障害、シンドロームX、鬱、心血管疾患、神経変性疾患などの疾患の予防または/および治療薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
【0012】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられ、好ましくはフッ素原子または塩素原子が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチルまたは2,2−ジメチルプロピルなどが挙げられる。
「アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1から5のアルコキシ基等が挙げられ、具体的には例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ペンチルオキシまたは2,2−ジメチルプロポキシ等が挙げられる。
【0013】
「ハロアルキル基」としては、例えばハロゲン原子で置換された炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはパーフルオロエチルなどが挙げられる。
「ハロアルコキシ基」としては、例えばハロゲン原子で置換された炭素数1から5のアルコキシ基等が挙げられ、具体的には例えば、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシまたはパーフルオロプロポキシ等が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」としては、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝のアルキル基で置換されたスルホニル基が挙げられ、具体的には例えば、メチルスルホニル基またはエチルスルホニル基等が挙げられる。
【0014】
「アルキル基」および「アルコキシ基」の置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基等が挙げられる。
【0015】
「環状アミノ基」としては、例えば、窒素原子を1〜3個、硫黄原子を0〜1個、酸素原子を0〜1個含む、4〜7員環の環状アミノ基等が挙げられ、具体的には例えばアジリジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピペラジノ基、ジオキソチオモルホリノ基またはチオモルホリノ基等が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば炭素数3から8のシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル等が挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル基」としては、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1乃至3個)を含む、5から6員環のヘテロシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル等が挙げられる。
【0016】
置換ヘテロシクロアルキル基および置換環状アミノ基における置換基としては、例えばC〜C アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシアルキル基、水酸基、水酸基で置換されたアルキル基が挙げられる。
【0017】
ヘテロアリール基としては、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1乃至4個)を含む5乃至10員、単環または多環式の基等が挙げられる。具体的には例えば、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、ピラジル、トリアジニル、またはテトラゾリル等が挙げられる。好ましくは、例えばピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、チエニル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、またはピリダジニルなどが挙げられる。また、これらへテロアリール基に窒素原子が存在する場合、結合手は炭素原子または結合可能な窒素のいずれに有してもよい。
【0018】
置換されてもよいフェニル基、または置換されてもよいヘテロアリール基における置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、シアノ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、C〜Cアルキル基(該アルキル基は、例えばハロゲン原子、水酸基またはアルコキシアルコキシ基、シクロアルキル基、などで置換されていてもよい。)、C〜Cアルコキシ基(該アルコキシ基は、例えばハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基などで置換されていてもよい。)、またはアルキルスルホニル基等が挙げられる。
【0019】
また、式(1)のアダマンチル基が結合する窒素原子と置換基Rcとが、Eの立体配置を有するものが、より好ましい。
【0020】
【化2】

【0021】
「薬学上許容される塩」としては、例えば、カリウム塩またはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、N−メチルグルカミン(メグルミン)等の水溶性アミン付加塩、または有機アミンの低級アルカノールアンモニウム塩;および、
例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、またはパモエート[1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]との塩等が挙げられる。
【0022】
本発明化合物の塩を取得したいとき、本発明化合物が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解もしくは懸濁させ、酸または塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
また、本発明化合物およびその薬学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明に包含される。さらに、本発明は、本発明化合物のあらゆる互変異性体、存在するあらゆる立体異性体、およびあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
【0023】
本発明化合物またはその薬学上許容される塩は、これを医薬として用いるにあたり、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは点滴剤、筋肉内注射、皮下注射、鼻腔内服剤、目薬、坐剤、経皮投与剤(軟膏、クリーム、ローション等))として投与することができる。経口投与のための形体としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための形体としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。
これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。また、適宜矯味矯臭剤を用いることもできる。
【0024】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;などの有機系賦形剤;および軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩;などの無機系賦形剤を挙げることができる。
【0025】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸:アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;および、上記澱粉誘導体などを挙げることができる。
結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、マクロゴールおよび前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。
崩壊剤としては、例えば、前記賦形剤と同様の化合物およびクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;およびソルビン酸を挙げることができる。
矯味矯臭剤としては、例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。
【0026】
経口投与用には、賦形剤を含有する錠剤を、種々の崩壊剤の他に、造粒結合剤と一緒に用いてよい。また、滑沢剤は、しばしば錠剤成形用に極めて有用である。同様の種類の固体組成物を、ゼラチンカプセル中の充填剤として用いてもよい(この結合に好ましい材料には、ラクトースまたは乳糖、高分子量ポリエチレングリコールも含まれる)。
経口投与用に水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が望まれる場合、その活性成分は、種々の甘味剤、着香剤、着色剤または染料と一緒に、そして必要に応じて、乳化剤および/または懸濁化剤も、希釈剤と共に組み合わせることができる。該希釈剤としては、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびそれらの混合物が挙げられる。動物の場合、それらは、動物用飼料または飲料水中に5−5000ppm、好ましくは25−5000ppmの濃度で好都合に含まれる。
非経口投与用(筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内使用)には、通常、活性成分の滅菌注射用溶液を製造する。本発明化合物のゴマ油、ラッカセイ油、または水性プロピレングリコール溶液などを用いることができる。それら水溶液は、必要ならば、適切なpHに調整されたり、緩衝されたり、液体希釈剤で等張されてもよい。この水溶液は、静脈内注射用に用いることもできる。また油状溶液は、関節内、筋肉内および皮下注射用に用いることもできる。無菌条件下でのこれら全ての溶液の製造は、当業者に周知の標準的な製剤技術によって行われる。
【0027】
鼻腔内投与または吸入による投与には、本発明化合物またはその薬学上許容される塩は、患者が絞り出すもしくはポンプで放出するポンプスプレー容器からの溶液もしくは懸濁液の形で、または加圧式容器もしくはネブライザーからのエアゾルスプレー状態として、適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスの使用を伴って、供給される。加圧式エアゾルの場合、投与単位は、計量された一定量を供給するバルブを与えることによって決定ができる。加圧式容器またはネブライザーは、活性化合物の溶液または懸濁液を入れることができる。
吸入器または吹入器で用いるためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンから製造される)は、本発明化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤の粉末配合物を含有して製剤化されうる。
また、本発明化合物またはその薬学上許容される塩は、カカオ脂または他のグリセリドなどの慣用的な坐剤基材を含有する坐剤または停留浣腸剤などの肛門用組成物を用いて製剤化できる。
【0028】
本発明化合物またはその薬学上許容される塩を投与する場合、その使用量は、症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば、経口投与の場合には、成人に対して、1日当たり、下限として、0.01 mg(好ましくは1 mg)、上限として、5000 mg(好ましくは500mg)を、1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して、1日当たり、下限として、0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、1000mg(好ましくは30mg)を、1回または数回に分けて、症状に応じて投与することにより効果が期待される。
【0029】
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0030】
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−501、MCC−555、YM−440、KRP−297、CS−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤(例、シタグリプチンまたはそのリン酸塩、ビルダグリプチン、アログリプチンまたはその安息香酸塩、デナグリプチンまたはそのトシル酸塩等)、GLP−1、GLP−1アナログ(エキセナタイド、リラグルタイド、SUN−E7001、AVE010、BIM−51077、CJC1131等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、β3アゴニスト(例、GW−427353B、N−5984等)が挙げられる。
【0031】
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット、ラニレスタット、SK−860、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BDNF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。抗高脂血症剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、シラザプリル、テモカプリル、トランドラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮抗剤(例、塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムロジピン等)等が挙げられる。
【0032】
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、SR−141716A等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
【0033】
併用薬剤は、好ましくはGLP−1、GLP−1アナログ、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、DPP-IV阻害剤などである。上記併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
【0034】
本発明化合物が、併用薬剤と組み合せて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。例えば、ビグアナイド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。それに加えて、糖尿病合併症剤、抗高脂血症剤、降圧剤などの投与量は低減でき、その結果これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は効果的に防止できる。
【0035】
本発明によって得られる一般式(1)を有する化合物の具体例としては、例えば以下に示す化合物を挙げることができる。
【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

【0043】
以下に、本発明における式(1)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
【0044】
式(1)で表される化合物は、例えば、次の方法により合成することができる。
製造法1
【0045】
【化10】

【0046】
式(1)で表される化合物のうち、式(A-10)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、R、R、R、nおよびXは、前記記載と同義である。REはメチル、エチル等を表す。RFは水素原子または低級アルキル基である。Zはハロゲン原子等の脱離基を表す。)
【0047】
工程1:
本工程は、環状アミン(A-1)からチオセミカルバジド(A-2)を製造する工程である。
不活性溶媒中、通常−10℃から50℃で0.5時間から48時間、必要ならば塩基を添加し、アミン(A-1)またはその塩と1,1’-チオカルボニルジイミダゾールまたはチオホスゲンを反応させる。続いて、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から8時間ヒドラジンまたはヒドラジン1水和物を反応させる。その結果、チオセミカルバジド(A-2)を製造することができる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、またはピリジン等の含窒素有機塩基類が挙げられる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、またはジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0048】
または、不活性溶媒中、通常−40℃から50℃で、0.5時間から24時間、アミン(A-1)またはその塩とアリール ハロチオノホルメートを塩基存在下に反応させる。取得物のチオカーバメイトに対して、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から24時間ヒドラジンまたはヒドラジン1水和物を不活性溶媒中で反応させる。その結果、チオセミカルバジド(A-2)を得ることができる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、またはジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、またはN-メチルモルホリン(NMM)等の含窒素有機塩基類、または炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の無機塩基類から適宜なものを加えることができる。アリール ハロチオノホルメートとしては、例えば、フェニルチオノクロロフォルメートまたは4-クロロフェニルチオノクロロフォルメート等が挙げられる。
【0049】
なお、アミン(A-1)がインドリン誘導体の場合、当該インドリン誘導体は、2−オキシインドール誘導体のボラン還元やインドール誘導体のシアノ水素化ほう素ナトリウム−酢酸による還元(例えば、特許文献国際公開第95/01976号パンフレット、特許文献国際公開第97/48700号パンフレットに記載の方法および記載の置換インドリン)、トリエチルシランとトリフルオロボラン・ジエチルエーテル錯体による還元(例えば、特許文献国際公開第2006/080577号パンフレットに記載の方法)およびボラン−トリフルオロ酢酸による還元(例えば、journal of organic chemistry 43巻、2733ページ、1978年に記載の方法)等によって得ることができる。
【0050】
工程2:
不活性溶媒中、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から48時間、チオセミカルバジド(A-2)とエステル(A-3)と反応させることで、化合物(A-4)を製造することができる。この時、必要に応じて、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、またはN-メチルモルホリン(NMM)等の含窒素有機塩基類、または炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の無機塩基類を加えることができる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、メタノール、エタノール、または2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。なお、本工程において、化合物(A−5)が得られる場合もある。
【0051】
工程3:
不活性溶媒中または無溶媒で、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から48時間、化合物(A-4)を、プロピオン酸、酢酸、蟻酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸等の有機酸、または塩化水素、硫酸、または臭化水素等の鉱酸で処理することで、ピラゾール(A-5)を製造することができる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、メタノール、エタノール、または2−プロパノール等のアルコール系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、反応条件下で安定なものを用いることができる。
【0052】
工程4:
本工程は、化合物(A-4)を単離または精製することなしにピラゾール(A-5)を製造する工程である。
工程2の反応系または工程2の反応系を減圧濃縮した残渣に対して、−10℃から加熱還流温度で0.5〜48時間、工程3で示す酸を使用することで、ピラゾール(A-5)を製造することができる。ここで、工程3で示す酸を加えた後、反応系から溶媒を除しながら反応を実施してもピラゾール(A-5)を製造することができる。酸を加えるときに、必要ならば、溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、メタノール、エタノール、または2−プロパノール等のアルコール系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等の中から反応条件下で安定なものを添加することができる。
【0053】
工程5:
本工程は、−78℃から加熱還流温度で化合物(A-5)に塩基を加えた後、沃化メチル、沃化エチル、または臭化イソプロピルのようなアルキルハライドまたは硫酸ジアルキル等のアルキル化剤を作用させることより、式(A-6)を製造する工程である。
ここで、塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化リチウム、または水素化カリウム等の水素化金属、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシドまたはカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、またはリチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、または1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、またはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0054】
工程6:本工程は、化合物(A-6)においてRBがハロゲン原子の場合、水素原子をハロゲン原子に変換し、化合物(A-7)を製造する工程である。RBが低級アルキル基または水素原子の場合、化合物(A-6)と化合物(A-7)は同一であるから、本工程を省略して、工程7を実施することができる。
化合物(A-6)に、例えば、N-クロロスクシイミド、N-ブロモスクシイミド、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、塩化スルフリル、SELECTFLUOR(登録商標)、1-フルオロ-4-ヒドロキシ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボレート) 、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、N-フルオロ-O-ベンゼンジスルホンイミド 、1-フルオロピリジニウムトリフラート 、または1-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウム テトラフルオロボレート等のハロゲン化剤を、酸の存在下または非存在下に加えることで、Rの水素原子をハロゲン原子に変換することができる。酸としては、例えば、塩化水素または臭化水素などのハロゲン化水素、または酢酸またはプロピオン酸などの有機酸等が挙げられる。また、酸のかわりに塩基を用いて反応を実施することもできる。この場合、塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム等の無機塩基類などが挙げられる。溶媒は反応に不活性な溶媒であれば用いることができ、例えば酢酸エチルまたは酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、または四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、または1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒、水、またはそれらの混合溶媒が用いられる。反応温度は、通常-10℃から加熱還流温度で行われる。反応時間は、通常0.5時間から48時間である。
【0055】
工程7:
本工程は、化合物(A-7)のエステル基の脱保護により、カルボン酸化合物(A-8)を製造する工程である。本工程を実施するには、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)に記載されている方法等が挙げられる。
具体的には、例えば以下のような方法で実施される。
REが例えばメチル基、エチル基等の場合、アルカリ加水分解、または酸加水分解によってカルボン酸へと導くことができる。すなわち、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、または水酸化マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の存在下、水中、または例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、またはブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、または1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、またはキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、またはこれらの混合溶媒中、通常、室温から加熱還流の温度範囲で、0.5時間から48時間反応させることにより、化合物(A-8)を得ることができる。
【0056】
工程8:
本工程は、化合物(A-8)のカルボキシル基を活性化した後、アダマンチルアミン(A-9)またはその塩と反応させて化合物(A-10)を製造する工程である。
カルボキシ基の活性化方法としては、例えばカルボキシ基を酸無水物、混合酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、または酸アジドに変換する方法、または縮合剤を用いる方法等が挙げられる。
【0057】
酸ハロゲン化物法を用いるときは、化合物(A-8)と、例えばオギザリルクロリド、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン等のハロゲン化試薬を反応させて酸ハロゲン化物を調製した後、塩基の存在下でアダマンチルアミン(A-9)またはその塩と反応させ、化合物(A-10)を得ることができる。ここで、塩基としては特に限定はないが、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、またはN-メチルモルホリン(NMM)等の有機塩基類、または炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の無機塩基類などが挙げられる。溶媒は、本工程の反応条件で反応しない溶媒であれば使用できる。例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、または四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、または1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、またはキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸メチル等のエステル系溶媒、水、またはこれらの混合物が挙げられる。反応温度は、−80℃から加熱還流温度で行われ、通常−20℃から氷冷温度である。反応時間は、10分間から48時間である。
【0058】
混合酸無水物法を用いる場合、化合物(A-8)を、塩基の存在下、酸ハロゲン化物と反応させることによって混合酸無水物とした後、アダマンチルアミン(A-9)またはその塩と反応させ、化合物(A-10)に導くことができる。酸ハロゲン化物としては、例えばメトキシカルボニルクロリド、エトキシカルボニルクロリド、イソプロピルオキシカルボニルクロリド、イソブチルオキシカルボニルクロリド、パラニトロフェノキシカルボニルクロリド、またはt−ブチルカルボニルクロリドなどが挙げられる。塩基としては特に限定はないが、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、またはN-メチルモルホリン(NMM)等の有機塩基類、または、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム等の無機塩基類などが挙げられる。溶媒は本工程の反応条件で反応しない溶媒であれば使用できる。例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンまたは、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、または1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、またはキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸メチル等のエステル系溶媒、水、またはそれらの混合物が挙げられる。反応温度は、−80℃から加熱還流温度で行われ、通常-20℃から氷冷温である。反応時間は、30分間から48時間である。
【0059】
縮合剤により化合物(A-8)とアダマンチルアミン(A-9)またはその塩を、塩基存在下または非存在下に反応させ、化合物(A-10)を製造することもできる。ここで縮合剤としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)22巻に表記されているものなどが挙げられる。例えば、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルホスホリルアジド等のリン酸エステル類、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類、2,2’-ジピリジルジスルフィド等のジスルフィド類とトリフェニルホスフィンのようなホスフィンとの組合せ、N,N’-ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド等のリンハライド類、アゾジカルボン酸ジエチル等のアゾジカルボン酸ジエステルとトリフェニルホスフィン等のホスフィンの組み合わせ、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨーダイド等の2-ハロ-1-低級アルキルピリジニウムハライド類、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ジエチルホスホリルシアニド(DEPC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ウロニウム テトラヒドロボレイト(TBTU)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチル-ウロニウム ヘキサフルオロホスフェイト (HBTU)、または(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。溶媒は、特に限定されず、本工程の反応条件で反応しない溶媒であれば使用できる。具体的には酸ハロゲン化物法を用いるときと同じ溶媒か、さらにN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、またはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水、またはそれらの混合溶媒が用いられる。塩基としては特に限定はないが、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、またはN-メチルモルホリン(NMM)等の有機塩基類が挙げられる。反応は、通常−10℃から加熱還流温度で行われる。反応時間は、主に反応温度、使用される原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常0.5時間から48時間である。
【0060】
製造法2
【0061】
【化11】

【0062】
式(1)で表される化合物のうち、式(A-12)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、R、R、R、およびXは、前記記載と同義である。mは0〜2を表す。RD1は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。)
本工程はシアノ基を導入する工程である。
化合物(A-11)に対して、シアン化銅(I)やシアン化パラジウム等の金属シアン化物をピリジン、キノリンなどの芳香族アミン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、または1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒、または無溶媒中、通常加熱還流温度において、0.5時間から24時間反応させることにより、化合物(A-12)を製造することができる。
また、不活性溶媒中、通常室温から加熱還流温度で0.5時間から24時間、化合物(A-11)に対して、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化亜鉛またはトリメチルシリルシアニド等のシアン化物を、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビス(トリ−tert-ブチルホスフィン)パラジウム、またはテトラキストリフェニルホスフィンニッケル等、パラジウムやニッケル等の金属試薬存在下に反応させることにより、化合物(A-12)を製造することができる。ここで不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、または1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒、またはこれらの混合溶媒、などが挙げられる。
【0063】
製造法3
【0064】
【化12】

【0065】
式(1)で表される化合物のうち、式(A-13)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、R、R、R、R、RおよびXは、前記記載と同義である。mは0〜2を表す。RD1は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。)
本工程はアミノ基を導入する工程である。
本工程を実施するには、パラジウム・リエージェンツ・アンド・キャタリシス − ニュー・パースペクティブス・フォー・ザ・ツエンティファースト・センチュリー(Palladium Reagents and Catalysts - New Perspectives for the 21st Century)、ツジ ジロウ著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(2004年)に記載の方法等が挙げられる。
【0066】
具体的には、例えば以下のような方法で実施される。
不活性溶媒中、化合物(A-11)に対して、アミンHNRをパラジウム試薬の存在下、必要ならばリン試薬や塩基を加え、通常室温から加熱還流温度において、0.5時間から96時間反応させることにより、化合物(A-13)に導くことができる。ここで、パラジウム試薬としてはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、またはジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどが挙げられ、リン試薬としては、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(オルト−トルイル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、または2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルなどが挙げられ、塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、炭酸セシウム、またはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素類、またはtert−ブタノール等のアルコール類、またはこれらの混合溶媒、などが挙げられる。
【0067】
また、不活性溶媒中、化合物(A-11)に対して、アミンHNRを銅試薬の存在下、必要ならば塩基等の添加剤を加え、通常室温から加熱還流温度において、0.5時間から96時間反応させることによっても、化合物(A-13)に導くことができる。
ここで、銅試薬としては、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、または酢酸銅(I)などが挙げられ、添加剤としては、サルコシン、プロリン等のアミノ酸やアミノ酸誘導体、サリチル酸アミド、N,N'-ジメチルエチレンジアミン、N,N'-ビスジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン、エチレングリコール、および炭酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、リン酸カリウム等の塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、アセトニトリルまたは2−プロパノール等が挙げられる。
【0068】
製造法4
【0069】
【化13】

【0070】
式(1)で表される化合物のうち、式(A-14)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、R、R、R、およびXは、前記記載と同義である。mは0〜2を表す。RD1は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。Arは置換されてもよいアリール基または置換されてもよいヘテロアリール基を表す。)
本工程はアリール基またはヘテロアリール基を導入する工程である。
本工程を実施するには、パラジウム・リエージェンツ・アンド・キャタリスツ − ニュー・パースペクティブス・フォー・ザ・ツエンティファースト・センチュリー(Palladium Reagents and Catalysts - New Perspectives for the 21st Century)、ツジ ジロウ著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(2004年)に記載の方法等が挙げられる。
【0071】
具体的には、例えば以下のような方法で実施される。
不活性溶媒中、化合物(A-11)に対して、アリール試薬またはヘテロアリール試薬を金属試薬の存在下、必要ならば添加剤として、リン試薬、塩基または無機試薬から単数または複数を加え、通常室温から加熱還流温度において、0.5時間から96時間反応させることにより、化合物(A-14)に導くことができる。
ここで、アリール試薬としてはアリールトリブチルスタナン、アリールトリメチルスタナンなどのスズ試薬、アリールトリメトキシシランなどの珪素試薬、アリールボロン酸、アリールボロン酸ピナコールエステルなどのホウ素試薬、またはアリールジンクブロミドなどの亜鉛試薬、等が挙げられる。ヘテロアリール試薬についてもアリール試薬と同様である。金属試薬としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリ−tert-ブチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、またはパラジウム−カーボンなどのパラジウム試薬、酢酸ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ[ビス(1,2-ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどのニッケル試薬などが挙げられる。リン試薬としては、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、トリ(オルト−トルイル)ホスフィン、ジ−tert−ブチルメチルホスフィン、または1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどが挙げられ、塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸リチウムなどが挙げられ、無機試薬としてはフッ化カリウムまたはフッ化セシウム、等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素類、tert−ブタノール、メタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジン、アセトニトリル、または水、またはこれらの混合溶媒、などが挙げられる。
【0072】
製造法5
【0073】
【化14】

【0074】
式(1)で表される化合物のうち、式(A-15)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、R、R、R、およびXは、前記記載と同義である。mは0〜2を表す。RD1は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。Rはアルキル基を表す。)
本工程はアルキルスルホニル基を導入する工程である。本工程には直接アルキルスルホニル基を導入する方法と、最初にアルキルチオ基を導入した後、続いて酸化による2段階でアルキルスルホニル基に導く方法がある。
【0075】
直接スルホニル基を導入する方法としては、不活性溶媒中、化合物(A-11)に対して、アルキルスルフィン酸の金属塩を金属試薬の存在下、必要ならば添加剤を加え、通常室温から加熱還流温度において、0.5時間から96時間反応させることにより、化合物(A-15)に導くことができる。ここでアルキルスルフィン酸の金属塩としては、アルキルスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、金属試薬としてはヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(I)または酢酸銅(II)などが挙げられ、添加剤としてはサルコシン、プロリンなどのアミノ酸、またはそのナトリウム塩等の塩などが挙げられる。不活性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、N−メチルピロリジン等が挙げられる。
【0076】
2段階でアルキルスルホニル基に導く方法としては、第1段階として、不活性溶媒中、化合物(A-11)に対して、チオールRSHを金属試薬の存在下、必要ならば添加剤を加え、通常室温から加熱還流温度において、0.5時間から96時間反応させることにより、化合物(A-15)に導くことができる。ここで金属試薬がトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウムなどのパラジウム試薬の場合、添加剤としては、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンに加えて、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウムまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、N−メチルピロリジンまたはトルエン等が挙げられる。金属試薬がヨウ化銅(I)等の銅試薬の場合、添加剤としては、ネオクプロインに加えて、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、炭酸セシウム、またはリン酸カリウムなどの塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等が挙げられる。
第2段階は、不活性溶媒中、第1段階で得られたスルフィド化合物に対して、酸化剤を加え、通常-10℃から80℃において、0.5時間から24時間反応させることにより、化合物(A-15)に導くことができる。ここで、酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、OXONE(登録商標)(デュポン社製)、過酸化水素水、ナトリウムハイポクロリドまたはtert−ブチル ハイドロペロキサイドなどが挙げられ、必要ならばぺルオキソタングステン酸塩などの金属触媒を添加してもよい。不活性溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化溶媒、ジオキサン等のエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、または水、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0077】
製造法6
【0078】
【化15】

【0079】
式(A-1)で表される化合物のうち、式(A-19)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、R、nは、前記記載と同義である。)
工程1:
本工程は、フェノール(A-16)から環状アミド(A-18)を製造する工程である。最初にフェノール(A-16)と2−ハロ酢酸ハライドを反応させた後、次にその生成物に塩基を作用させることにより環状アミド(A-18)を得ることができる。
第一段階は、不活性溶媒中、通常−10℃から50℃で0.5時間から6時間、フェノール(A-16)に塩基存在下に、2−ブロモ酢酸ブロミドのような2−ハロ酢酸ハライドを反応させる。ここで塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
第二段階は、不活性溶媒中、通常室温から加熱還流温度で0.5時間から24時間、第一段階の生成物を塩基存在下におくことにより、環状アミド(A-18)を得る。ここで塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。不活性溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、またはジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0080】
工程2:
本工程は、フェノール(A-17)から環状アミド(A-18)を製造する工程である。最初にフェノール(A-17)と2−ハロ酢酸エステルを反応させ(第一段階)、次にその生成物のニトロ基を還元した後(第二段階)、酸を作用させる(第三段階)ことにより環状アミド(A-18)を得る工程である。
第一段階は、不活性溶媒中、通常−10℃から50℃で0.5時間から6時間、フェノール(A-16)に塩基存在下に、2−ブロモ酢酸エチルのような2−ハロ酢酸エステルを反応させる。ここで塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸リチウムなどが挙げられる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0081】
第二段階は、第一段階の生成物に対して、金属存在下でそのニトロ基をアミノ基に還元する工程である。還元は、不活性溶媒中、水素雰囲気下にパラジウム−カーボン、水酸化パラジウム、ロジウム−カーボンなどの金属存在下で行うことができる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、還元は、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から6時間、亜鉛、鉄などの金属存在下に、酸として酢酸などの有機酸を作用させるか、もしくは塩化水素、塩化アンモニウムなどの無機酸を作用させることによっても実施できる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
第三段階は、第二段階の生成物に対して、通常室温から加熱還流温度で0.5時間から48時間、酸を作用させることにより環状アミド(A-18)を製造する工程である。酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩化水素、臭化水素、トルエンスルホン酸、ベシル酸などを用いることができる。溶媒としては、酢酸、ジオキサン、トルエン、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどを用いることができる。なお、第二段段階で、環状アミド(A-18)が得られる場合もある。
【0082】
工程3:
本工程は環状アミド(A-18)から2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンズオキサジン誘導体またはその塩(A-19)を製造する工程である。不活性溶媒中、通常−10℃から加熱還流温度で0.5時間から48時間、環状アミド(A-18)に還元剤をさせることにより(A-19)を得ることができる。還元剤としては、ジボラン、ボラン−ジメチルスルフィド、ボラン−テトラヒドロフラン、リチウム水素化アルミニウム等が挙げられる。また、水素化ホウ素ナトリウムと酸の組み合わせによっても実施できる。このとき、酸としては例えば、酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウムまたは四塩化チタン等が挙げられる。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエンまたはベンゼン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0083】
上記において説明した製造法において、反応点以外の何れかの官能基が、説明した反応条件下で変化するか、または説明した方法を実施するのに不適切な場合は、反応点以外を保護し、反応させた後、脱保護することにより目的化合物を得ることができる。保護基としては、例えば前述のプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス等に記載されているような通常の保護基を用いることができ、更に具体的には、アミンの保護基としては、例えば、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチル、またはベンジル等を、また水酸基の保護基としては、例えば、トリ低級アルキルシリル、アセチル、またはベンジル等をあげることができる。
【0084】
保護基の導入および脱離は、有機合成化学で常用される方法(例えば、上記のプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス参照)、あるいはそれらに準じた方法により行うことができる。
また、上記製造方法における、中間体、または最終生成物は、その官能基を適宜変換することによって、本発明に含まれる別の化合物へ導く事もできる。官能基の変換は、通常行われる一般的方法(例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、R.C.ラロック(Larock)著(1989年)等参照)によって行うことができる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等によって単離精製することができる。また、中間体については、特に精製することなく次の反応に用いることも可能である。
【0085】
また、エナンチオマー、面不斉体、軸不斉体などの光学異性体は前記製造法の適切な工程で、光学活性カラムを用いた方法、分別結晶化法などの公知の分離工程を実施することで分離することができる。また、出発原料として光学活性体を使用することもできる。
本発明の化合物が、光学異性体、立体異性体、ケトエノール体のような互変異性体、および/または幾何異性体を有する場合、本発明は、これらを含め全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0086】
上記製造法における出発原料および中間体は、公知化合物であるか、公知化合物から公知の方法により合成することができる。
本発明化合物において、アダマンタン上の2つの置換基の立体配置は、参考文献(C. D. Jones, M. Kaselj, etal. J. Org. Chem. 63:2758-2760, 1998)に従ってZ又はE相対配置と定義する。
【0087】
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
【0088】
実施例および参考例において以下の略語を使用することがある。
THF:テトラヒドロフラン
NaBH(OAc)3:トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
(Boc)2O:ジ−tert−ブチルジカーボネート
Pd(OH)2:水酸化パラジウム
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
WSCI・HCl:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩
HOBt・H2O:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物
NMP:1-メチル-2-ピロリジノン
Me:メチル
Et:エチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Pd-C:パラジウム−炭素
NCS:N−クロロスクシイミド
NaBH3(CN):シアノ水素化ほう素ナトリウム
CbzまたはZ:ベンジルオキシカルボニル
N:規定(例として2NHClは2規定塩酸を示す。)
M:モル濃度(mol/L)(例:2Mメチルアミンは2mol/Lメチルアミン溶液を示す。)
tR:保持時間(分)
obsMS[M+1]: 観測されたプロトン分子
min:分
atm:気圧
【0089】
化合物同定のLC/MS分析条件は以下の通りである。
測定法SA:
検出機器: APIシリーズ用Agilent 1100 シリーズ(applied Biosystems社製)
HPLC :API150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column: YMC CombiScreen ODS-A(S-5μm, 12nm, 4.6x50mm)
Solvent: A液:0.05%TFA/ H2O, B液:0.035%TFA/ MeOH
Gradient Condition: 0.0-1.0 min A 75%, 1.0-4.7min Linear gradient from A 75% to 1%, 4.7-5.7min A 1%, 5.7-6.1min Linear gradient from A 1% to 75%, 6.1-7.1min A 75%, 7.1-7.2min Linear gradient from A 75% to 100%
Flow rate: 2.4mL/min
UV: 220nm
【実施例1】
【0090】
参考例1
(E)-メチル 4-アミノアダマンタン-1-カルボキシレート
【0091】
【化16】

【0092】
工程(i):
化合物I(40.0g)(参考文献:The Journal of Organic Chemistry 1983年、48号、1099頁)のメタノール(500mL)溶液に、チオニルクロリド(22.7mL)を加えた。3時間加熱還流後、減圧濃縮し、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、化合物II(44.0g)を得た。
工程(ii):
化合物II(55.4g)のジクロロメタン(1.25L)溶液に、 (R)-(+)-1-フェニルエチルアミン(32.2g)、NaBH(OAc)3(82.0g)および酢酸(10mL)を加え、室温で終夜攪拌した。6N塩酸で処理した後、2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0から98/2)で精製し、化合物III(73.6g)を得た。
【0093】
工程(iii):
化合物III(60.6g)をキラルカラム(CHIRALCEL OJ-H, 0.46cmI.D.×25cmL, n-ヘキサン/2-プロパノール/ジエチルアミン=95/5/0.1, 流速1.0mL/min)を用いて分取し、化合物IV(30.2g)得た。
工程(iv):
化合物IV(15.0g)、10%Pd(OH)2(10.0g)および酢酸(150mL)の混合物を水素雰囲気下(3atm)9時間攪拌した。反応液を濾別した後、濾液を減圧濃縮した。残渣を2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出し、表題化合物V(11.5g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.38-1.53(m, 4H), 1.62-1.72(m, 2H), 1.78-2.01(m, 7H), 2.13(m, 1H), 2.94(m, 1H), 3.69(m, 3H)
【0094】
参考例2
(E)-4-アミノ-1-アダマンタンカルボキサミド塩酸塩
【0095】
【化17】

【0096】
工程(i):
氷冷した化合物I(0.15g)、飽和重曹水(5mL)およびTHF(5mL)の混合液に、 (Boc)2O(188mg)を加えた。4時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣にメタノール(2mL)および1N水酸化ナトリウム溶液(2mL)を加え、室温で終夜撹拌した。その後50℃から60℃で5時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣に飽和クエン酸水を加え、pHを約4として得られた固体を濾取し、減圧乾燥し、化合物II(0.16g)を得た。
工程(ii):
化合物II(0.16g)、トリエチルアミン(0.38mL)、塩化アンモニウム(87mg)、WSCI・HCl(208mg)、 HOBt・H2O(166mg)およびDMF(5mL)の混合液を終夜撹拌した。飽和クエン酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水、炭酸ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、化合物IIIを得た。
【0097】
工程(iii):
工程(ii)で得られた化合物IIIに15%塩酸−エタノール(10mL)を加えた。室温で5時間放置後、減圧濃縮し、表題化合物IV(0.12g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ 1.44-1.47(m, 2H), 1.70-1.76(m, 2H), 1.80-1.86(m, 4H), 1.90(s, 1H), 1.95-1.98(m, 2H), 2.04(bs, 2H), 3.25(bs, 1H), 6.78(bs, 1H), 7.02(bs, 1H), 8.17(s, 3H)
【0098】
参考例3
(E)-4-アミノアダマンタン-1-オール 塩酸塩
【0099】
【化18】

【0100】
工程(i):
5-ヒドロキシ-2-アダマンタノン(10.0g)のジクロロメタン(200mL)溶液に、(S)-(-)-1-フェニルエチルアミン(7.2g)、NaBH(OAc)3(19g)および酢酸(2mL)を加え、室温で4時間攪拌した。1N塩酸を加え、クロロホルムで洗浄後、水層を2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性にした。クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、低極性成分として化合物II(5.9g)を、高極性成分として化合物III(4.2g)を得た。
工程(ii):
化合物II(5.9g)を酢酸(80mL)に溶解させ、Pd(OH)2(3.0g)を加え、水素雰囲気下(3atm)で8.5時間攪拌した。反応液をセライトを用いて濾過後、ろ液を濃縮した。残渣にTHF(100mL)、飽和重曹水(50mL)および(Boc)2O(4.7g)を加え、室温で4時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製した。これをクロロホルム(100mL)に溶解し、4N塩酸-ジオキサン(20mL)を加え、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮し、トルエン共沸し、減圧乾燥後、表題化合物IV(4.9g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ 1.35-1.39(m,2H), 1.59-1.69(m,7H), 1.86-1.90(m,2H), 2.01(m,1H), 2.06-2.12(m,2H), 4.50(bs,1H), 8.07(bs,3H)
【0101】
参考例4
6−トリフルオロメチルインドリン
【0102】
【化19】

【0103】
工程(i):50℃の水素化ナトリウム(2.67g)とTHF(150mL)の混合液にtert-ブチル エチル マロネート(11.6mL)と化合物I(8.4mL)のTHF(40mL)溶液を滴下した。8時間後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、化合物IIの粗生成物を得た。
工程(ii):工程(i)で得られた化合物IIの粗生成物に6N塩酸(100mL)を加えて100℃で6時間撹拌した。室温に戻した後、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣にメタノール(100mL)と濃硫酸(1mL)を加え、加熱還流下に3時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、化合物III(8.0g)を得た。
【0104】
工程(iii):化合物III(8g)、10%Pd−C(50%wet、1g)、メタノール(80mL)とジオキサン(80mL)の混合物を水素雰囲気下(3atm)で6時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し、化合物IVを得た。
工程(iv):工程(iii)で得られた化合物IV、メタノール(100mL)および濃硫酸(1mL)の混合物を加熱還流下に4時間撹拌した。減圧濃縮後、水を加え、得られた固体を濾取し、減圧乾燥し、化合物V(5.53g)を得た。
【0105】
工程(v):工程(iv)のようにして得られた化合物V(6.33g)のTHF(200mL)の混合物に、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(16mL)を室温で加えた。その後、加熱還流下に終夜撹拌した。氷冷した反応系に、メタノール(30mL)を滴下し、次いで4N塩酸−ジオキサン(40mL)を滴下した。1時間攪拌後、減圧濃縮した。残渣に炭酸ナトリウム水溶液を加えて約pH11とした。クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物VI(3.44g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 3.07(t,J=7.2Hz,2H), 3.62(t,J=7.2Hz,2H),3.91(br,1H), 6.81(brs,1H), 6.94(m,1H), 7.16(m,1H)
【0106】
参考例5
5−ブロモインドリン
【0107】
【化20】

5-ブロモインドール(3.0g)の酢酸(30ml)溶液に、シアノ水素化ほう素ナトリウム(1.92g)を加え、室温で3時間攪拌した。反応溶液を水(30mL)で希釈した後、2N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物IIの粗生成物(3.4g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 2.94(, J=8.0Hz, 2H), 3.54(t, J=8.0Hz, 2H), 6.04(s, 1H), 6.77(d, J=8.0Hz, 1H), 6.91(d, J=8.0Hz, 1H)
【0108】
同様にして参考例6〜12の化合物を合成した。
【0109】
【化21】

参考例6
1H-NMR(CDCl3)δ 3.02(t, 2H, J = 8.3 Hz), 3.57(t, 2H, J = 8.3 Hz), 3.64(brs, 1H), 6.52-6.56(m, 1H), 6.67-6.74(m, 1H), 6.82-6.86(m, 1H)
参考例7
1H-NMR(CDCl3)δ 3.08(t, 2H, J = 8.4 Hz), 3.60 (t, 2H, J = 8.4 Hz), 3.92(brs, 1H), 6.48-6.50(m, 1H), 6.64-6.67(m, 1H), 6.91-6.96(m, 1H)
参考例8
1H-NMR(CDCl3)δ 2.21(s, 3H), 2.97(t, J=8.0Hz, 2H), 3.59(t, J=8.0Hz, 2H), 6.62-6.64(m, 2H), 6.94(m, 1H)
参考例9
1H-NMR(CDCl3)δ 2.96-3.01(m, 2H), 3.54-3.60(m, 2H), 3.80(s, 3H), 5.80(brs, 1H), 6.31-6.38(m, 2H), 7.01(m, 1H)
参考例10
1H-NMR(CDCl3)δ 3.03(t, J=8.0Hz, 2H), 3.57(t, J=8.0Hz, 2H), 6.50(m, 1H), 6.78-6.87(m, 2H)
【0110】
参考例11
1H-NMR(CDCl3)δ 3.02(t, J=8.0Hz, 2H), 3.56(t, J=8.0Hz, 2H), 3.74(s, 3H), 6.60(m, 1H), 6.70-6.76(m, 2H), 7.65(brs, 1H)
参考例12
1H-NMR(CDCl3)δ 2.99(m, 2H), 3.58(m, 2H), 3.69(br, 1H), 6.60(m, 1H), 6.59(m, 1H), 6.89(m, 1H)
【0111】
参考例13
(E)-4-アミノアダマンタン-1-オール
【0112】
【化22】

工程(i):
化合物I(29.9g)、10%Pd−C(50%ウェット、5.0g)およびメタノール(200mL)の混合物を水素雰囲気下(4atm)で終夜攪拌した。反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にTHF(200mL)、飽和重曹水(100mL)を加えたのち、氷冷下でCbzCl(22.4g)を滴下後 、室温で終夜攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製し、化合物IIを得た(13.7g)。
工程(ii):
化合物II、10%Pd−C(50%ウェット、3.0g)およびメタノール(200mL)の混合液を、水素雰囲気下(4atm)で終夜攪拌した。反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物IIIを得た(7.8g)。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.22-1.25(m, 2H), 1.56-1.63(m, 5H), 1.82-1.85(m, 2H), 1.89-1.93(m, 3H), 2.48-2.50(m, 4H), 2.94(m, 1H), 4.23(bs, 2H)
【0113】
参考例14
3−ブロモ−2−オキソブタン酸メチル
【0114】
【化23】

加熱還流下の臭化銅(II)(194g)、酢酸メチル(500mL)混合物に、化合物I(41.41g)のクロロホルム(500mL)溶液を滴下し、21時間加熱還流した。反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、表題化合物II(61.30g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.82(d,J=6.84Hz,3H), 3.94(s,3H), 5.17(q,J=6.84Hz,1H)
【0115】
参考例15
5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンズオキサジン 塩酸塩
【0116】
【化24】

【0117】
工程(i):
氷冷下の化合物I(17g)、炭酸カリウム(22.2g)およびアセトン(150mL)の混合物に、ブロモ酢酸メチル(7.6mL)を加えた。その後、加熱還流下で2時間撹拌した。反応液をセライトを用いてろ別後、ろ液を減圧濃縮した。残渣に炭酸カリウム水溶液を加えて、ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣に水(10mL)、エタノール(100mL)、塩化アンモニウム(2.08g)を加えた後、亜鉛(40.8g)を加えた後、80℃で撹拌した。10分攪拌後、酢酸(10mL)を少しずつ加えた。4時間攪拌後、反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧乾燥した。残渣に水、1N塩酸を加えて、得られた固体を濾取し、減圧乾燥し、化合物II(9.26g)を得た。
工程(ii):
氷冷下の化合物II(9.26g)のTHF(200mL)溶液に、ボラン-ジメチルスルフィド錯体(19.3mL)を滴下後、室温で1時間撹拌した。その後、加熱還流下で5時間撹拌した。氷冷した反応液にメタノール(50mL)、4NHCl−ジオキサン(30mL)を順に滴下した。2時間攪拌後、固体を濾取した。ジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し、表題化合物III(8.8g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d3)δ 3.32(t,J=4Hz,2H), 4.22(t,J=4Hz,2H), 6.63(m, 2H), 6.80(m, 1H), 7.91(br, 2H)
【0118】
実施例1
4-クロロ-5-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0119】
【化25】

【0120】
工程(i):氷冷した化合物I(2.55mL)、炭酸水素ナトリウム(3.85g)、THF(80mL)および水(5mL)の混合液にクロロチオノぎ酸 4−クロロフェニル(5g)のTHF(20mL)溶液を滴下した。室温で終夜攪拌後、水(100mL)を加えて得られた固体を濾取し、減圧乾燥した。この固体にDMF(30mL)を加えた後、氷冷し、ヒドラジン1水和物(2.7mL)、THF(30mL)を加えた。50℃で4時間攪拌後、飽和塩化ナトリウム水に注いだ。得られた固体を濾取し、減圧乾燥し、化合物II(2.1g)を得た。
工程(ii):
氷冷した化合物II(2.1g)、炭酸水素ナトリウム(1.83g)、THF(100mL)およびエタノール(95%、関東化学製)の混合物に、エチル ブロモピルベート(1.7mL)を加えた。その後、加熱還流下に3時間撹拌した。酢酸(50mL)を加えて、 Dean−Stark装置で溶媒を除きながら120℃で7時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣に炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、化合物III(1.29g)を得た。
【0121】
工程(iii):氷冷した化合物III(1.29g)のTHF(50mL)溶液に水素化ナトリウム(240mg)を加えた後、室温で1時間撹拌した。再び氷冷したのち、ヨウ化メチル(0.374mL)を滴下した。2時間後、塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、化合物IV(1.14g)を得た。
工程(iv):化合物IV(1.14g)のDMF(14mL)溶液にNCS(672mg)を加えた。50℃で8時間撹拌し、飽和食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、化合物V(0.3g)を得た。
【0122】
工程(v):化合物V(0.3g)、エタノール(4mL)に1N水酸化リチウム(3mL)を加えた。4時間攪拌後、減圧濃縮した。残渣に1N塩酸を加えて約pH3として酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、化合物VI(0.25g)を得た。
工程(vi):化合物VI(0.16g)、(E)-4-アミノアダマンタン-1-オール(145mg)、トリエチルアミン(0.16mL)、WSCI・HCl(221mg)、 HOBt・H2O(176mg)、およびDMF(8mL)の混合液を終夜撹拌した。クエン酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物VII(0.2g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.39(brs, 1H), 1.55-1.58(m, 2H), 1.79-1.86(m, 8H), 2.20-2.25(m, 3H), 3.25(m, 2H), 3.79-3.84(m, 4H), 4.01(m, 1H), 4.22(m, 1H), 6.24(m, 1H), 6.83(m, 1H), 7.05(m, 2H), 7.20(m, 1H)
【0123】
実施例2
N-[(E)-5-カルバモイルアダマンタン-2-イル]-4-クロロ-5-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0124】
【化26】

化合物I(50mg)、(E)-4-アミノ-1-アダマンタンカルボキサミド塩酸塩(50mg)、トリエチルアミン(0.125mL)、WSCI・HCl(103mg)、 HOBt・H2O(73mg)、およびDMF(5mL)の混合液を終夜撹拌した。1.2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物II(38mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.54-1.60(m, 2H), 1.86-2.03(m, 8H), 2.13-2.18(m, 3H), 3.14-3.19(m, 2H), 3.72(s, 3H), 3.75(m, 1H), 3.94(m, 1H), 4.16(m, 1H), 5.23(s, 1H), 5.56(s, 1H), 6.17(m, 1H), 6.75(m, 1H), 6.97(m, 1H), 7.05(m, 1H), 7.13(m, 1H)
【0125】
実施例3
N-[(E)-5-カルバモイルアダマンタン-2-イル]-5-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0126】
【化27】

【0127】
工程(i):
1,1'−チオカルボニルジイミダゾール(3.0g)とTHF(50mL)の混合液に、化合物I(2.0g)を加え、室温で3時間攪拌した。ヒドラジン1水和物(8.0mL)を滴下し、室温で終夜攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、食塩水を加えた。得られた固体を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、化合物II(2.37g)を得た。
工程(ii):
化合物II(2.37g)、炭酸水素ナトリウム(2.3g)、95%エタノール(50mL、関東化学)の混合液にエチルブロモピルベート(2.86g)を加え、80℃で3時間撹拌した。反応溶液を濃縮後、酢酸(10mL)を加え130℃(油浴温度)で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残渣に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、化合物III(0.9g)を得た。
【0128】
工程(iii):
−5℃の化合物III(0.9g)のTHF(35mL)溶液に、ナトリウム tert−ブトキシド(370mg)を加え、1時間攪拌した。−5℃にてヨウ化メチル(0.21mL)を滴下し、終夜攪拌した。反応溶液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、化合物IV(0.59g)を得た。
工程(iv):
化合物IV(0.26g)をメタノール(5mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(3mL)を加え室温にて終夜攪拌した。反応終了後、減圧濃縮した。1.2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し化合物V(200mg)を得た。
【0129】
工程(v):
化合物V(100mg)、(E)-4-アミノ-1-アダマンタンカルボキサミド塩酸塩(172mg)、トリエチルアミン(0.114mL)、WSCI・HCl(156mg)、 HOBt・H2O(110mg)およびDMF(5mL)の混合液を終夜撹拌した。1.2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物VI(127mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.62-1.66(m, 2H), 1.90-2.10(m, 9H), 2.16-2.20(m, 2H), 3.13-3.17(m, 2H), 3.71-3.75(m, 2H), 3.79(s, 3H), 4.21(m, 1H), 5.20(s, 1H), 5.58(s, 1H), 6.39(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.79(m, 1H), 7.02(m, 1H), 7.19-7.21(m, 2H)
【0130】
実施例4
N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1,4-ジメチル-5-(5-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0131】
【化28】

【0132】
工程(i):
THF(110mL)中の1,1'−チオカルボニルジイミダゾール(9.35g)に、化合物I(5.10g)を加え、室温で10時間攪拌した。ヒドラジン1水和物(8mL)を滴下し、室温で終夜攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、食塩水と酢酸エチルを加え、攪拌後、濾取し、化合物II(7.05g)を得た。
工程(ii):
化合物II(3.5g)、炭酸水素ナトリウム(3.5g)、3−ブロモ−2−オキソブタン酸メチル(4.0g)および95%エタノール(50mL、関東化学)の混合液を80℃で6時間撹拌した。反応溶液に酢酸(50mL)を加え、Dean-Stark装置を取り付け溶媒を留去しながら、130℃(油浴温度)で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残渣に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1から1/1)で精製し、化合物III(2.60g)を得た。
【0133】
工程(iii):
氷冷下、化合物III(2.60g)のTHF(100mL)溶液に、ナトリウム tert−ブトキシド(1.0g)を加え、同温保持で1時間攪拌した。ヨウ化メチル(0.70mL)のTHF(2mL)溶液を滴下し、ゆっくり室温まで昇温し終夜攪拌した。反応溶液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=5/1)で精製し、化合物IV(2.72g)を得た。
工程(iv):
化合物IV(2.72g)のエタノール(25mL)溶液に2N水酸化リチウム水溶液(10mL)を加え、終夜攪拌した。反応終了後、減圧濃縮した。1.2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、化合物V(2.61g)を得た。
【0134】
工程(v):
化合物V(30mg)、(E)-4-アミノアダマンタン-1-オール(20mg)、トリエチルアミン(200μL)、WSCI・HCl(30mg)、 HOBt・H2O(30mg)およびDMF(1mL)の混合液を終夜撹拌した。1.2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N水酸化リチウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=20/1)で精製し、表題化合物VI(24.9mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.38(s,1H), 1.54 (m,2H), 1.79-1.95(m,8H), 2.10(s,3H), 2.18-2.27(m,6H), 3.17(m,2H), 3.68-3.84(m,5H), 4.18(m,1H), 6.11(m,1H) , 6.83(m,1H) , 7.00(s,1H) , 7.19(m,1H)
【0135】
実施例1〜4と同様の方法で、実施例5〜38の化合物を合成した。
【0136】
【化29】

【0137】
実施例5
1H-NMR(CDCl3)δ 1.65(m,2H), 1.94-2.09 (m,12H), 2.19(m,2H), 2.27(s,3H), 3.18(m,2H), 3.68-3.85(m,5H), 4.21(m,1H), 5.20(br,1H) , 5.60(br,1H) , 6.11(m,1H) , 6.83(m,1H) , 7.00(s,1H) , 7.27(m,1H)
実施例6
1H-NMR(CDCl3)δ 1.38(s,1H), 1.53 (m,2H), 1.79-1.95(m,8H), 2.19-2.28(m,6H), 3.12(m,2H), 3.27(m,2H), 3.80(s,3H),4.18(m,1H), 6.33(m,1H) , 6.57(s,1H),6.86(m,1H) , 7.02(s,1H) , 7.14(m,1H)
実施例7
1H-NMR(CDCl3)δ 1.65(m,2H), 1.94-2.09 (m,9H), 2.19(m,2H), 2.28(s,3H), 3.13(m,2H), 3.72(m,2H), 3.81 (s,3H), 4.22(m,1H), 5.23(br,1H) , 5.60(br,1H) , 6.33(m,1H) , 6.57(s,1H) ,6.86(m,1H) , 7.02(s,1H) , 7.21(m,1H)
実施例8
1H-NMR(CDCl3)δ 1.38(s,1H), 1.54 (m,2H), 1.79-1.95(m,8H), 2.20-2.28(m,6H), 3.20(m,2H), 3.76-3.82(m,4H), 3.94-4.02(m,1H), 4.21(m,1H), 6.15(m,1H) , 6.85(m,1H) , 7.02(s,1H) , 7.05(m,1H)
実施例9
1H-NMR(CDCl3)δ 1.66(m,2H), 1.93-2.07 (m,9H), 2.21(m,2H), 2.28(s,3H), 3.20(m,2H), 3.77-3.83(m,4H), 3.95-4.02 (m,1H), 4.23(m,1H), 5.23(br,1H) , 5.61(br,1H) , 6.15(m,1H) , 6.85(m,1H) , 7.02(s,1H) , 7.13(m,1H)
実施例10
1H-NMR(CDCl3)δ 1.44(s,1H), 1.56 (m,2H), 1.79-1.96(m,8H), 2.22(m,3H), 3.15(m,2H), 3.77(m,2H), 3.80(s,3H), 4.20(m,1H), 6.32(m,1H) , 6.59(s,1H) , 7.01(m,1H) , 7.13-7.15(m,2H)
【0138】
実施例11
1H-NMR(CDCl3)δ 1.41(s,1H), 1.54 (m,2H), 1.79-1.95(m,8H), 2.09(s,3H), 2.22(m,3H), 3.20(m,2H), 3.72-3.86(m,5H), 4.19(m,1H), 6.10(m,1H) , 6.98(m,1H) , 7.13(s,1H) , 7.18(m,1H)
実施例12
1H-NMR(CDCl3)δ 1.51-1.54(m, 3H), 1.76-1.79(m, 4H), 1.85-1.90(m, 4H), 2.16-2.22(m, 3H), 3.09-3.13(m, 2H), 3.67-3.71(m, 2H), 3.74(s, 3H), 3.79(s, 3H), 4.17(m, 1H), 6.34(m, 1H), 6.54(s, 1H), 6.58(m, 1H), 6.79(s, 1H), 7.12(m, 1H)
実施例13
1H-NMR(CDCl3)δ 1.46(s, 1H), 1.53-1.63(m, 2H), 1.79-1.96(m, 8H), 2.23(br, 3H), 3.12-3.18(m, 2H), 3.73-3.78(m, 2H), 3.81(s, 3H), 4.17-4.20(m, 1H), 6.31-6.35(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.71-6.78(m, 1H), 6.90-6.93(m, 1H), 7.13-7.16(m, 1H).
実施例14
1H-NMR(CDCl3)δ 1.51-1.60(m, 4H), 1.73-1.78(m, 4H), 1.84-1.93(m, 4H), 2.06(s, 3H), 2.15-2.23(m, 2H), 3.13-3.19(m, 2H), 3.72(s, 3H), 3.73(s, 3H), 3.76-3.81(m, 2H), 4.18(m, 1H), 6.09(m, 1H), 6.54(m, 1H), 6.78(s, 1H), 7.16(m, 1H)
実施例15
1H-NMR(CDCl3)δ 1.53-1.57(m, 2H), 1.69(s, 1H), 1.79-1.96(m, 8H), 2.09(s, 3H), 2.22(br, 3H), 3.17-3.23(m, 2H), 3.69-3.89(m, 2H), 3.75(s, 3H), 4.17-4.20(m, 1H), 6.07-6.12(m, 1H), 6.68-6.74(s, 1H), 6.88-6.92(m, 1H), 7.19-7.21(m, 1H).
【0139】
実施例16
1H-NMR(CDCl3)δ 1.57-1.60(m, 3H), 1.87-2.01(m, 8H), 2.12-2.14(m, 2H), 3.04-3.08(m, 2H), 3.63-3.67(m, 2H), 3.69(s, 3H), 3.75(s, 3H), 4.15(m, 1H), 5.23(s, 1H), 5.55(s, 1H), 6.29(m, 1H), 6.50(s, 1H), 6.53(m, 1H), 6.74(m, 1H), 7.16(m, 1H)
実施例17
1H-NMR(CDCl3)δ 1.63-1.68(m, 2H), 1.94-2.19(m, 11H), 3.12-3.18(m, 2H), 3.73-3.78(m, 2H), 3.81(s, 3H), 4.20-4.23(m, 1H), 5.40(brs, 1H), 5.64(brs, 1H), 6.31-6.35(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.71-6.78(m, 1H), 6.90-6.93(m, 1H), 7.20-7.23(m, 1H).
実施例18
1H-NMR(CDCl3)δ 1.63-1.76(m, 2H), 1.94-2.19(m, 11H), 2.09(s, 3H), 3.17-3.23(m, 2H), 3.69-3.90(m, 2H), 3.75(s, 3H), 4.19-4.22(m, 1H), 5.54(brs, 1H), 5.67(brs, 1H), 6.08-6.12(m, 1H), 6.68-6.75(m, 1H), 6.88-6.92(m, 1H), 7.26-7.28(m, 1H).
【0140】
【化30】

実施例19
1H-NMR(CDCl3)δ 1.54-1.60(m, 3H), 1.79-1.81(m, 4H), 1.88-1.95(m, 4H), 2.06-2.12(m, 2H), 2.20-2.25(m, 3H), 2.87-2.90(m, 2H), 3.47-3.50(m, 2H), 3.67(s, 3H), 4.19-4.21(m, 1H), 6.13-6.15(m, 1H), 6.61(s, 1H), 6.72-6.76(m, 1H), 6.93-6.97(m, 1H), 7.05-7.06(m, 1H), 7.15-7.17(m, 1H)
実施例20
1H-NMR(CDCl3)δ 1.64-1.67(m, 2H), 1.94-2.00(m, 4H), 2.03-2.13(m, 7H), 2.20(br, 2H), 2.87-2.91(m, 2H), 3.48-3.50(m, 2H), 3.67(s, 3H), 4.21-4.23(m, 1H), 5.33(br, 1H), 5.63(br, 1H), 6.13-6.15(m, 1H), 6.61(s, 1H), 6.72-6.76(m, 1H), 6.93-6.97(m, 1H), 7.05-7.06(m, 1H), 7.22-7.24(m, 1H)
【0141】
【化31】

【0142】
実施例21
1H-NMR(CDCl3)δ 1.52-1.56(m, 3H), 1.77-1.79(m, 4H), 1.85-1.91(m, 4H), 2.18-2.22(m, 3H), 3.13-3.17(m, 2H), 3.71-3.75(m, 2H), 3.79(s, 3H), 4.18(m, 1H), 6.39(m, 1H), 6.57(s, 1H), 6.83(m, 1H), 7.02(m, 1H), 7.12-7.18(m, 2H)
【0143】
【化32】

【0144】
実施例22
1H-NMR(CDCl3)δ 1.52-1.55(m, 3H), 1.67-1.79(m, 4H), 1.80-1.93(m, 4H), 2.08(s, 3H), 2.19-2.24(m, 3H), 3.25-3.27(m, 2H), 3.72(s, 3H), 3.75-3.79(m, 2H), 4.18(m, 1H), 6.32(s, 1H), 6.99(m, 1H), 7.18-7.22(m, 2H)
実施例23
1H-NMR(CDCl3)δ 1.56-1.62(m, 3H), 1.87-1.94(m, 8H), 2.04-2.08(m, 3H), 2.11-2.15(m, 2H), 3.20-3.23(m, 2H), 3.68(s, 3H), 3.70-3.75(m, 2H), 4.15(m, 1H), 5.29(s, 1H), 5.56(s, 1H), 6.28(s, 1H), 6.95(m, 1H), 7.16-7.22(m, 2H)
実施例24
1H-NMR(CDCl3)δ 1.60-1.63(m, 2H), 1.89-2.02(m, 8H), 2.08(s, 4H), 2.12-2.15(m, 2H), 3.16-3.18(m, 2H), 3.68-3.81(m, 5H), 4.14(m, 1H), 5.83(s, 1H), 6.01(s, 1H), 6.11(s, 1H), 6.69(m, 1H), 7.02(m, 1H), 7.28(m, 1H)
実施例25
1H-NMR(CDCl3)δ 1.62-1.72(m, 4H), 1.91-2.03(m, 7H), 2.13-2.17(m, 2H), 3.09-3.13(m, 2H), 3.74-3.78(m, 5H), 4.18(m, 1H), 5.42(s, 1H), 5.64(s, 1H), 6.32(s, 1H), 6.59(s, 1H), 6.75(m, 1H), 7.04(m, 1H), 7.19(m, 1H)
【0145】
実施例26
1H-NMR(CDCl3)δ 1.51-1.61(m, 4H), 1.75-1.80(m, 4H), 1.83-1.96(m, 3H), 2.16-2.23(m, 3H), 3.09-3.13(m, 2H), 3.74-3.78(m, 5H), 4.18(m, 1H), 6.32(s, 1H), 6.59(s, 1H), 6.75(m, 1H), 7.04(m, 1H), 7.14(m, 1H)
実施例27
1H-NMR(CDCl3)δ 1.55(m, 3H), 1.77-1.79(m, 4H), 1.85-1.94(m, 4H), 2.19-2.22(m, 3H), 3.08-3.12(m, 2H), 3.76-3.80(m, 5H), 4.16(m, 1H), 6.08(m, 1H), 6.47(m, 1H), 6.59(m, 1H), 7.05(m, 1H), 7.12(m, 1H)
実施例28
1H-NMR(CDCl3)δ 1.59-1.63(m, 2H), 1.89-1.95(m, 4H), 1.97-2.06(m, 5H), 2.12-2.16(m, 2H), 3.08-3.12(m, 2H), 3.70-3.78(m, 5H), 4.17(m, 1H), 5.84(s, 1H), 5.96(s, 1H), 6.06(m, 1H), 6.47(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.07(m, 1H), 7.25(m, 1H)
実施例29
1H-NMR(CDCl3)δ 1.50-1.54(m, 3H), 1.76-1.80(m, 4H), 1.82-1.95(m, 4H), 2.10(s, 3H), 2.15-2.20(m, 3H), 3.12-3.28(m, 2H), 3.71(s, 3H), 3.82-3.85(m, 2H), 4.18(m, 1H), 5.86(m, 1H), 6.38(m, 1H), 7.03(m, 1H), 7.16(m, 1H)
実施例30
1H-NMR(CDCl3)δ 1.61-1.64(m, 2H), 1.91-2.05(m, 9H), 2.09(s, 3H), 2.15-2.17(m, 2H), 3.13-3.15(m, 2H), 3.72(s, 3H), 3.77-3.83(m, 2H), 4.16(m, 1H), 5.54(s, 1H), 5.66(s, 1H), 5.85(m, 1H), 6.40(m, 1H), 7.02(m, 1H), 7.22(m, 1H)
【0146】
【化33】

実施例31
1H-NMR(CDCl3)δ 1.51-1.54(m, 2H), 1.77-1.80(m, 4H), 1.85-1.93(m, 4H), 2.20-2.22(m, 4H), 2.24(s, 3H), 3.04-3.08(m, 2H), 3.72-3.76(m, 2H), 3.78(s, 3H), 4.18(m, 1H), 6.22(m, 1H), 6.57(s, 1H), 6.64(m, 1H), 6.93(m, 1H), 7.12(m, 1H)
実施例32
1H-NMR(CDCl3)δ 1.45(bs,1H), 1.52-1.60(m,2H), 1.76-1.84(m,4H), 1.85-1.97(m,4H), 2.11(s,3H), 2.17-2.26(m,3H), 2.26(m,3H), 3.05-3.22(m,2H), 3.72-3.80(m,1H), 3.73(s,3H), 3.81-3.88(m,1H), 4.18-4.23(m,1H), 6.03(d,J=7.8Hz,1H), 6.60(d,J=7.6Hz,1H), 6.91-6.97(m,1H), 7.19(d,J=8.0Hz,1H)
実施例33
1H-NMR(CDCl3)δ 1.57-1.60(m, 2H), 1.87-2.02(m, 9H), 2.12-2.15(m, 2H), 2.20(s, 3H), 3.00-3.04(m, 2H), 3.64-3.68(m, 2H), 3.73(s, 3H), 4.16(m, 1H), 5.34(s, 1H), 5.59(s, 1H), 6.18(m, 1H), 6.52(s, 1H), 6.59(m, 1H), 6.90(m, 1H), 7.15(m, 1H)
実施例34
1H-NMR(CDCl3)δ 1.60-1.70(m,3H), 1.92-2.11(m,8H), 2.11(s,3H), 2.16-2.22(m,2H), 2.26(s,3H), 3.05-3.23(m,2H), 3.70-3.80(m,1H), 3.72(s,3H), 3.82-3.88(m,1H), 4.17-4.23(m,1H), 5.34(bs,1H), 5.62(bs,1H), 6.03(d,J=7.6Hz,1H), 6.60(d,J=7.6Hz,1H), 6.94(t,J=7.6Hz,1H), 7.25-7.28(m,1H)
【0147】
【化34】

実施例35
1H-NMR(CDCl3)δ 1.41(s,1H), 1.56 (m,2H), 1.79-1.96(m,8H), 2.24(m,3H), 3.18(m,2H), 3.80(s,3H), 3.84(m,2H),4.19(m,1H), 6.23(m,1H) , 6.63(s,1H),6.81(m,1H) , 7.14(m,1H)
実施例36
1H-NMR(CDCl3)δ 1.41(s,1H), 1.56 (m,2H), 1.79-1.95(m,8H), 2.13(s,3H), 2.23(m,3H), 3.13-3.31(m,2H), 3.73(s,3H), 3.79-3.94(m,2H), 4.18(m,1H), 6.02(m,1H) , 6.75(m,1H) , 7.18(m,1H)
【0148】
【化35】

【0149】
実施例37
1H-NMR(CDCl3)δ 1.43(br,1H), 1.57 (m,2H), 1.79-1.96(m,8H), 2.23(m,3H), 3.14(m,2H), 3.77(m,2H), 3.81(s.3H), 4.19(m,1H), 6.37(m,1H) , 6.61(s,1H) , 6.98(m,1H) , 7.15(m,1H)
実施例38
1H-NMR(CDCl3)δ 1.56 (m,2H), 1.79-1.96(m,8H), 2.11(s,3H), 2.23(m,3H), 3.19(m,2H), 3.72-3.90(m,5H), 4.18(m,1H), 6.14(m,1H) , 6.96(m,1H) , 7.19(m,1H)
【0150】
実施例39
N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1-メチル-5-(5-フェニルl-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0151】
【化36】

工程(i):化合物I(30mg)、フェニルボロン酸(12mg)、炭酸ナトリウム(10mg)、酢酸パラジウム(1.6mg)とトリフェニルホスフィン(5.5mg)を1、4-ジオキサン(1mL)と水(0.1mL)の混合溶媒に加え、100℃で4時間攪拌した。冷却後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=20/1)で精製し、化合物II(8.5mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.55-1.58(m, 2H), 1.79-1.81(m, 4H), 1.88-1.96(m, 5H), 2.21-2.24(m, 3H), 3.17-3.26(m, 2H), 3.81-3.84(m, 5H), 4.19-4.21(m, 1H), 6.48(m, 1H), 6.63(s, 1H), 7.15-7.17(m, 1H), 7.29-7.31(m, 2H), 7.38-7.44(m, 3H), 7.52-7.54(m, 2H)
【0152】
実施例39と同様にして実施例40を得た。
【0153】
【化37】

1H-NMR(CDCl3)δ 1.55-1.58(m, 2H), 1.79-1.82(m,4H), 1.87-1.96(m, 5H), 2.21-2.24(m, 3H), 3.24-3.28(m, 2H), 3.78-3.86(m, 5H), 4.19-4.21(m, 1H), 6.51-6.53(m, 1H), 6.64(s, 1H), 7.15-7.17(m, 1H), 7.28-7.30(m, 1H), 7.37-7.40(m, 1H), 7.43(br, 1H), 7.87-7.90(m, 1H), 8.52-8.54(m, 1H), 8.798-8.80(m, 1H)
【0154】
上記と同様の方法で、実施例41〜51を合成した。
【0155】
【化38】

【0156】
実施例41
1H-NMR(CDCl3)δ 1.44(s, 1H), 1.53-1.62(m, 2H), 1.79-1.96(m, 8H), 2.23(br, 3H), 3.18-3.24(m, 2H), 3.78-3.83(m, 2H), 3.80(s, 3H), 4.18-4.20(m, 1H), 6.27-6.29(m, 1H), 6.61(s, 1H), 6.79-6.82(m, 1H), 6.97-7.02(m, 1H), 7.13-7.16(m, 1H).
実施例42
1H-NMR(CDCl3)δ 1.53-1.58(m, 2H), 1.72(s, 1H), 1.79-1.96(m, 8H), 2.11(s, 3H), 2.23(br, 3H), 3.15-3.36(m, 2H), 3.73(s, 3H), 3.73-3.93(m, 2H), 4.18-4.20(m, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 6.73-6.76(s, 1H), 6.93-6.98(m, 1H), 7.18-7.21(m, 1H).
実施例43
1H-NMR(CDCl3)δ 1.62-1.68(m, 2H), 1.94-2.19(m, 11H), 3.19-3.24(m, 2H), 3.78-3.84(m, 2H), 3.80(s, 3H), 4.20-4.23(m, 1H), 5.30(brs, 1H), 5.62(brs, 1H), 6.27-6.30(m, 1H), 6.61(s, 1H), 6.79-6.82(m, 1H), 6.97-7.02(m, 1H), 7.20-7.23(m, 1H).
実施例44
1H-NMR(CDCl3)δ 1.63-1.76(m, 2H), 1.94-2.19(m, 11H), 2.11(s, 3H), 3.15-3.36(m, 2H), 3.74(s, 3H), 3.74-3.93(m, 2H), 4.19-4.22(m, 1H), 5.56(brs, 1H), 5.67(brs, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 6.73-6.76(m, 1H), 6.93-6.98(m, 1H), 7.25-7.28(m, 1H).
【0157】
【化39】

【0158】
実施例45
1H-NMR(CDCl3)δ 1.45(s, 1H), 1.53-1.58(m, 2H), 1.79-1.82(m, 4H), 1.87-1.97(m, 4H), 2.04-2.12(m, 2H), 2.22(s, 3H), 2.24(br, 3H), 2.83-2.87(m, 2H), 3.44-3.48(m, 2H), 3.67(s, 3H), 4.18-4.21(m, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 6.59(s, 1H), 6.74-6.78(m, 1H), 6.88(m, 1H), 7.15-7.17(m, 1H).
実施例46
1H-NMR(CDCl3)δ 1.42(s, 1H), 1.53-1.59(m, 2H), 1.79-1.82(m, 4H), 1.88-1.96(m, 4H), 2.05-2.13(m, 2H), 2.13(s, 3H), 2.22(s, 3H), 2.23(br, 3H), 2.84-2.90(m, 2H), 3.39-3.56(m, 2H), 3.64(s, 3H), 4.18-4.21(m, 1H), 5.94-5.97(m, 1H), 6.72-6.76(m, 1H), 6.88(m, 1H), 7.19-7.22(m, 1H).
実施例47
1H-NMR(CDCl3)δ 1.63-1.68(m, 2H), 1.94-2.10(m, 11H), 2.15-2.26(br, 2H), 2.22(s, 3H), 2.83-2.88(m, 2H), 3.44-3.48(m, 2H), 3.67(s, 3H), 4.21-4.24(m, 1H), 5.49(brs, 1H), 5.67(brs, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.74-6.78(m, 1H), 6.88(m, 1H), 7.22-7.24(m, 1H).
実施例48
1H-NMR(CDCl3)δ 1.65-1.67(m, 2H), 1.94-2.11(m, 11H), 2.14(s, 3H), 2.16-2.25(br, 2H), 2.22(s, 3H), 2.84-2.90(m, 2H), 3.39-3.56(m, 2H), 3.64(s, 3H), 4.20-4.23(m, 1H), 5.38(brs, 1H), 5.63(brs, 1H), 5.94-5.97(m, 1H), 6.72-6.76(m, 1H), 6.88(m, 1H), 7.26-7.29(m, 1H).
【0159】
【化40】

【0160】
実施例49
1H-NMR(CDCl3)δ 1.43(s,1H), 1.52-1.60(m,2H), 1.76-1.97(m,8H), 2.10(s,3H), 2.18-2.27(m,3H), 3.05-3.26(m,2H), 3.70-3.80(m,1H), 3.73(s,3H), 3.82-3.90(m,1H), 3.85(s,3H), 4.16-4.22(m,1H), 5.87(d,J=7.8Hz,1H), 6.36(d,J=8.3Hz,1H), 6.97-7.03(m,1H), 7.19(d,J=8.1Hz,1H)
実施例50
1H-NMR(CDCl3)δ 1.60-1.70(m,3H), 1.90-2.13(m.8H), 2.11(s,3H), 2.15-2.32(m,2H), 3.04-3.27(m,2H), 3.69-3.80(m,1H), 3.73(s,3H), 3.82-3.87(m,1H), 3.85(s,3H), 4.17-4.24(m,1H), 5.40(bs,1H), 5.63(bs,1H), 5.87(d,J=7.6Hz,1H), 6.36(d,J=8.3Hz,1H), 6.95-7.05(m,1H), 7.22-7.28(m,1H)
実施例51
1H-NMR(CDCl3)δ 1.58(m,2H), 1.74-1.96(m,9H), 2.21(m,3H), 3.16(m,2H), 3.76(m,2H), 3.79(s,3H),4.18(m,1H), 6.28(m,1H) , 6.59(s,1H),7.15(m,2H) , 7.27(m,1H)
【0161】
実施例52
5-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0162】
【化41】

化合物I(0.10g)、シアン化亜鉛(0.05g)、THF(1mL)、N−メチルピロリジン(0.5mL)およびビス(トリ−tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g)の混合液を、窒素雰囲気下80℃で終夜加熱攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮し、逆相カラム精製(HPLC:Gison preparative HPLC system、カラム:YMC Combiprep ODS−A S−5μm,12nm、溶媒:0.035%TFA/メタノール(A),0.05%TFA/水(B)、Gradient condition:10%−(13min) 0−1min A 10%,1−11min A 10−95%,11−13min A 95%、脱塩:MP−HCOカートリッジ(Pol−Benzyl−N(CH HCO))を行い、表題化合物II(9.95mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.45(s,1H), 1.58(m,2H), 1.80-1.96(m,8H), 2.21(m,3H), 3.24(m,2H), 3.79(s,3H), 3.88(m,2H), 4.19(m,1H), 6.37(m,1H), 6.64(s,1H), 7.14(m,1H), 7.37(m,1H), 7.41(s,1H)
【0163】
実施例53
N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1-メチル-5-[5-(1-ピロリジニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0164】
【化42】

アルゴン雰囲気下の化合物I(30mg)、炭酸カリウム(20mg)、N−メチルグリシン(12mg)のジメチルスルホキシド(0.5mL)の混合液にピロリジン(20μL)およびヨウ化銅(I)(12mg)を加え、100℃にて59時間加熱攪拌した。反応溶液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=20/1)で精製し、表題化合物IIを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.36(s,1H), 1.55 (m,2H), 1.78-2.00(m,12H), 2.23(m,3H), 3.12 (m,2H), 3.23(m,4H), 3.67(m,2H), 3.81(s,3H), 4.16(m,1H), 6.31(m,1H) , 6.41(m,1H) , 6.54(br, 2H), 7.14(m,1H)
LC/MS分析 obs[M+1]462.5, tR 3.13, 測定法 SA
【0165】
実施例53と同様の方法で実施例54を合成した。
【0166】
【化43】

1H-NMR(CDCl3)δ 1.38(s,1H), 1.55 (m,2H), 1.79-1.96(m,8H), 2.22(m,3H), 3.04(m,4H), 3.13(m,2H), 3.72(m,2H), 3.81(s,3H), 3.85(m,4H), 4.18(m,1H), 6.39(m,1H) , 6.57(s,1H) , 6.66(m,1H), 6.88(m,1H), 7.14(m,1H)
【0167】
実施例55
N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1-メチル-5-[5-(メチルスルホニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0168】
【化44】

窒素雰囲気下の化合物I(0.10g)のジメチルスルホキシド(400μL)溶液に、L−プロリン(14.5mg)、水酸化ナトリウム(6.3mg)、メタンスルフィン酸ナトリウム(39.8mg)およびヨウ化銅(I)(5.1mg)を加え、100℃で33時間加熱攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮し、逆相精製(HPLC:Gison preparative HPLC system、カラム:YMC Combiprep ODS−A S−5μm,12nm、溶媒:0.035%TFA/メタノール(A),0.05%TFA/水(B)、Gradient condition:10%−(13min) 0−1min A 10%,1−11min A 10−95%,11−13min A 95%、脱塩:MP−HCOカートリッジ(Pol−Benzyl−N(CH HCO))を行い、化合物II(35.0mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.46(s,1H), 1.57(m,2H), 1.80-1.96(m,8H), 2.23(m,3H), 3.03(s,3H), 3.27(m,2H), 3.80(s,3H), 3.91(m,2H), 4.19(m,1H), 6.43(m,1H) , 6.65(s,1H),7.15(m,1H) , 7.64(m,1H), 7.71(s,1H)
【0169】
上記と同様の方法で、実施例56〜61を合成した。
【0170】
【化45】

【0171】
実施例56
1H-NMR(CDCl3)δ 1.52-1.55(m, 3H), 1.77-1.79(m, 4H), 1.85-1.94(m, 4H), 2.21-2.25(m, 3H), 3.07-3.11(m, 2H), 3.73-3.77(m, 2H), 3.78(s, 3H), 4.18(m, 1H), 6.46(s, 1H), 6.59(s, 1H), 6.89(m, 1H), 6.99(m, 1H), 7.14(m, 1H)
実施例57
1H-NMR(CDCl3)δ 1.42 (s, 1H), 1.54-1.59(m, 2H), 1.79-1.96(m, 8H), 2.12(s, 3H), 2.22-2.26(m, 3H), 3.13-3.22(m, 2H), 3.73(s, 3H), 3.73-3.88(m, 2H), 4.18-4.20(m, 1H), 6.28-6.29(m, 1H), 6.86-6.88(m, 1H), 7.00-7.01(m, 1H), 7.18-7.20(m, 1H).
実施例58
1H-NMR(CDCl3)δ 1.62-1.65(m, 2H), 1.92-2.07(m, 9H), 2.13-2.18(m, 2H), 3.07-3.12(m, 2H), 3.67-3.71(m, 2H), 3.78(s, 3H), 4.21(m, 1H), 5.27(s, 1H), 5.60(s, 1H), 6.47(s, 1H), 6.59(s, 1H), 6.90(m, 1H), 7.00(m, 1H), 7.19(m, 1H)
実施例59
1H-NMR(CDCl3)δ 1.65-1.69(m, 2H), 1.94-2.12(m, 9H), 2.12(s, 3H), 2.18-2.21(m, 2H), 3.10-3.23(m, 2H), 3.74(s, 3H), 3.74-3.89(m, 2H), 4.20-4.22(m, 1H), 5.41(m, 1H), 5.64(brs, 1H), 6.28-6.29(m, 1H), 6.86-6.88(m, 1H), 7.00-7.02(m, 1H), 7.26-7.28(m, 1H).
【0172】
【化46】

【0173】
実施例60
1H-NMR(CDCl3)δ 1.43 (s, 1H), 1.54-1.57(m, 2H), 1.79-1.95(m, 8H), 2.09(s, 3H), 2.22 (m, 3H), 3.19-3.23(m, 2H), 3.71-3.88(m, 2H), 3.73(s, 3H), 4.17-4.19(m, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 7.10-7.13(m, 1H), 7.18-7.20(m, 1H), 7.26(m, 1H).
実施例61
1H-NMR(CDCl3)δ 1.64-1.67(m, 2H), 1.94-2.09(m, 9H), 2.09(s, 3H), 2.19(m, 2H), 3.19-3.24(m, 2H), 3.72-3.91(m, 2H), 3.73(s, 3H), 4.19-4.21(m, 1H), 5.44(brs, 1H), 5.65(brs, 1H), 6.05-6.07(m, 1H), 7.10-7.13(m, 1H), 7.25-7.27(m, 2H).
【0174】
実施例62
5-(2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンズオキサジン-4-イル)-N-[(E)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル]-1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
【0175】
【化47】

【0176】
工程(i):
氷冷した化合物I(5.22g)、炭酸水素ナトリウム(8.1g)、THF(80mL)および水(40mL)の混合液に、ブロモアセチルクロリド(4mL)を滴下した。2時間攪拌後、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣に炭酸カリウム(13.3g)とDMF(60mL)を加えて、80℃で6時間撹拌した。酢酸エチルと飽和食塩水を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル、ジクロロメタンを加えて、得られた固体を濾取し、減圧乾燥し、化合物II(5.65g)を得た。
工程(ii):
氷冷した化合物II(5.65g)のTHF(200mL)溶液にボラン−ジメチルスルフィド(18mL)を滴下した。室温で15分攪拌後、4時間加熱還流した。氷冷した反応溶液に、メタノール(30mL)、4NHCl−ジオキサン(40mL)を順に滴下し、1時間攪拌した。減圧濃縮し、残渣にトルエンを加えて、得られた固体を濾取、減圧乾燥し、化合物III(6.18g)を得た。
【0177】
工程(iii):
氷冷した化合物III(1g)のジクロロメタン(50mL)溶液に、トリエチルアミン(12.2mL)を加えた。15分間撹拌後、チオホスゲン(0.53mL)を滴下した。30分間攪拌後、ヒドラジン1水和物(0.54mL)を加えた。30分後、飽和食塩水を加えた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=10/1)で精製し、化合物IV(0.7g)を得た。
工程(iv):
化合物IV(0.7g)、炭酸水素ナトリウム(561mg)、95%メタノール(30mL)および1,4-ジオキサン(20mL)の混合液に対して、3−ブロモ−2−オキソブタン酸メチル(909mg)のメタノール(3mL)溶液を加えた。90℃で2時間攪拌後、4NHCl−ジオキサン(10mL)を加え、110℃で15時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、化合物V(0.27g)を得た。
【0178】
工程(v):
氷冷した化合物V(260mg)のTHF(3mL)溶液に、ナトリウム tert−ブトキシド(100mg)を加え、1時間攪拌した。0℃にてヨウ化メチル(0.065mL)を滴下し、終夜攪拌した。反応溶液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物VI(177mg)を得た。
工程(vi):
化合物VI(177mg)のメタノール(3mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(3mL)を加え2時間加熱還流した。反応終了後、減圧濃縮した。1.0N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し化合物VII(111mg)を得た。
【0179】
工程(vii):
VII(30mg)、(E)-4-アミノ-1-アダマンタン-1-オール(18mg)、トリエチルアミン(0.030mL)、WSCI・HCl(60mg)、 HOBt・H2O(29mg)、およびDMF(2mL)の混合液を終夜撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホロム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物VIII(45mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.52-1.55(m, 2H), 1.69-1.79(m, 5H), 1.85-1.93(m, 4H), 2.13(s, 3H), 2.18-2.22(m, 3H), 3.55(m, 1H), 3.66(s, 3H), 3.67(m, 1H), 4.16(m, 1H), 4.34-4.37(m, 2H), 6.14(m, 1H), 6.70-6.72(m, 2H), 6.85(m, 1H), 7.17(m, 1H)
【0180】
上記と同様の方法で、実施例63を合成した。
【0181】
【化48】

1H-NMR(CDCl3)δ 1.22-1.25(m, 2H), 1.92-2.07(m, 10H), 2.14(s, 2H), 2.16-2.18(m, 2H), 3.56(m, 1H), 3.66(s, 3H), 3.68(m, 1H), 4.09(m, 1H), 4.36-4.40(m, 2H), 5.38(brs, 1H), 5.61(brs, 1H), 6.14(m, 1H), 6.70-6.74(m, 2H), 6.87(m, 1H), 7.26(m, 1H)
【0182】
実験例1(培養ヒト脂肪細胞のコルチゾン還元活性に対する阻害活性試験)
48穴細胞培養プレートに正常ヒト前駆脂肪細胞(HPrAD−vis、Cambrex社製)を播種し、キット添付のプロトコールに従って分化誘導を行った。分化誘導9−11日目の細胞の培地を、100nM [1,2−H]コルチゾン(1μCi/ウェル、室町薬品社製)、0.5% DMSO、被検化合物(被験物質添加区、被験物質無添加区についてはDMSOのみ)を含む0.2mlのD−MEM培地(ギブコ社製)に交換した。37℃で3時間培養後、培地を全量回収した。バックグラウンド区として、細胞に添加していない培地を使用した。培地をエッペンドルフチューブ中で0.1mlの酢酸エチルと混合した。この混合液をボルテックス後、5,000rpm×1分、室温にて遠心分離することにより、酢酸エチル(上層)を分離した。酢酸エチル10μlを薄層クロマトグラフィー用アルミプレート(シリカゲル60オングストローム、メルク社、以下TLCプレート)上にスポットした。密閉容器にクロロホルム/メタノール(90:10、v/v)の展開溶媒を入れてTLCプレートを展開した後、TLCプレートを室温で乾燥した。乾燥されたTLCプレートにイメージングプレート(TR−2040、富士フィルム社)を16時間以上露光させた。露光終了後、イメージングプレートをバイオイメージアナライザー(BAS2500、富士フィルム社)で分析し、TLCプレート上のコルチゾールの展開位置に相当する部分の[H]放射活性を測定した。被験物質のコルチゾン還元活性阻害活性を以下のように算出した。
(阻害活性(%))=100×((被験物質無添加区)−(被験物質添加区))/((被験物質無添加区)−(バックグラウンド区))
【0183】
IC50値は、阻害活性が50%付近の値を示す2点のデータを用い、検体濃度の対数値と阻害活性値を一次回帰させることにより算出した。本発明化合物のヒト脂肪細胞コルチゾン還元活性に対するIC50値は、通常0.01−1000nMの範囲に存在する。下記の本発明化合物のヒト脂肪細胞コルチゾン還元活性に対するIC50値を測定した。
【0184】
【表1】

【0185】
表1の試験より、本化合物群は標的臓器であるヒト脂肪細胞において11βHSD1活性を阻害し、コルチゾール産生を抑制することが期待される。
【0186】
実験例2(マウス脂肪初代培養細胞のコルチゾン還元活性に対する阻害活性試験)
9〜11週齢のICR系雄マウス(日本エスエルシー社)10匹分の腸間膜および睾丸周囲に付着した脂肪組織(以下、内臓脂肪組織と記す。)を、リン酸緩衝液(0.20g/L KCl、0.20g/L KH2PO4、8.00g/L NaCl、2.16g/L Na2HPO4・7H2O、100ユニット/mlペニシリン(ギブコ社)、100μg/mlストレプトマイシン(ギブコ社)、250ng/mlアンフォテリシン(ギブコ社))約100mlに浸し、室温で洗浄した。
【0187】
上記で摘出された内臓脂肪組識を、コラゲナーゼ(タイプII、シグマ社)、ペニシリン(ギブコ社)、ストレプトマイシン(ギブコ社)及びアンフォテリシン(ギブコ社)をそれぞれ終濃度1mg/ml、100ユニット/ml、100μg/ml及び250ng/mlとなるように添加したダルベッコ改変イーグル培地(4.5g/L D−グルコース及び584mg/L L−グルタミン含有、ギブコ社)約50ml中でハサミを用いて約5mm角に細断した。次いで、これを37℃で30分間振とう(約170rpm)し、ナイロンメッシュ(80S[目の大きさが250μm]、三紳工業社)で濾過し、濾液(細胞懸濁液)を回収した。当該濾液を室温で1800rpm、5分間遠心分離した後、液層をデカンテーションにより静かに除去し、沈査を得た。この沈査を、ウシ胎児血清(以下、FBSと記す。)(ギブコ社)、アスコルビン酸(和光純薬工業社)、ペニシリン(ギブコ社)、ストレプトマイシン(ギブコ社)及びアンフォテリシン(ギブコ社)をそれぞれ終濃度10%、200μM、100ユニット/ml、100μg/ml及び250ng/mlとなるように添加したダルベッコ改変イーグル培地(4.5g/L D−グルコース及び584mg/L L−グルタミン含有、ギブコ社、以下、FBS含有培地と記すこともある。)30mlに懸濁し、懸濁液をナイロンメッシュ(420S[目の大きさが25μm]、三紳工業社)で濾過した。濾液を回収し、室温で1800rpm、5分間遠心分離した後、液層をデカンテーションにより静かに除去し、沈査を再度FBS含有培地30mlに懸濁した。当該懸濁液について、遠心分離、液層除去、FBS含有培地に懸濁するという操作を更に2回、前記と同様に行い、懸濁液90mlを調製した。当該懸濁液を細胞培養用フラスコ(接着細胞用T150、岩城硝子社)に30mlずつ分注し、37℃、5%CO2存在下で培養した。培養開始5〜6時間後に培地を除き、フラスコの器壁を15mlの前記リン酸緩衝液で洗浄した。洗液を除き、当該洗浄操作を再度行った後、リン酸緩衝液を除き、30mlのFBS含有培地をフラスコに添加し、37℃、5%CO2存在下で培養した。培養開始1日あるいは2日後に培地を除き、15mlのリン酸緩衝液でフラスコの器壁を1回洗浄した後、当該フラスコにトリプシン−エチレンジアミン四酢酸(以下、トリプシン−EDTAと記す。)溶液(0.05%トリプシン、0.53mM EDTA・4Na、ギブコ社)を細胞が浸る程度に添加し、37℃で5分放置した。これに、FBS含有培地をトリプシン−EDTA溶液の約10倍量添加し、細胞懸濁液を得た。
【0188】
細胞懸濁液中の細胞数を血球計算盤を用いて測定し、1.4×105細胞/mlになるようにFBS含有培地を加えることにより当該細胞懸濁液を希釈した。このようにして得られた希釈液を48穴プレート(接着細胞培養用、岩城硝子社)に1ウェルあたり300μlずつ分注し、5%CO2存在下、37℃にて1〜2日間培養した。48穴プレートの各ウェルから培地を除き、10μg/mlインスリン(シグマ社)、0.25μMデキサメサゾン(和光純薬工業社)、0.5mM 3−イソブチル−1−メチル−キサンチン(シグマ社)及び5μM 15−デオキシ−Δ12,14−プロスタグランジンJ2(Cayman社)を含むFBS含有培地300μlを各ウェルに添加して5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。次いで、各ウェルの培地を除き、10μg/mlインスリン及び5μM 15−デオキシ−Δ12,14−プロスタグランジンJ2を含むFBS含有培地300μlを各ウェルに添加し、2日間培養した。更に各ウェルの培地を除き、10μg/mlインスリン及び5μM 15−デオキシ−Δ12,14−プロスタグランジンJ2を含むFBS含有培地300μlを各ウェルに添加し、2日間培養した。
【0189】
上記のとおり分化誘導を行った脂肪細胞の培地を、100nM [1,2−H]コルチゾン(1μCi/ウェル、室町薬品社)、0.5% DMSO、被検化合物(被験物質添加区、被験物質無添加区についてはDMSOのみ)を含む0.2mlのD−MEM培地(ギブコ社)に交換した。37℃で3時間培養後、培地を全量回収した。バックグラウンド区として、細胞に添加していない培地を使用した。培地をエッペンドルフチューブ中で0.1mlの酢酸エチルと混合した。この混合液をボルテックス後、5,000rpm×1分、室温にて遠心分離することにより、酢酸エチル(上層)を分離した。酢酸エチル10μlを薄層クロマトグラフィー用アルミプレート(シリカゲル60オングストローム、メルク社、以下TLCプレート)上にスポットした。密閉容器にクロロホルム/メタノール(90:10、v/v)の展開溶媒を入れてTLCプレートを展開した後、TLCプレートを室温で乾燥した。乾燥されたTLCプレートにイメージングプレート(TR−2040、富士フィルム社)を16時間以上露光させた。露光終了後、イメージングプレートをバイオイメージアナライザー(BAS2500、富士フィルム社)で分析し、TLCプレート上のコルチゾールの展開位置に相当する部分の[H]放射活性を測定した。被験物質のコルチゾン還元活性阻害活性を以下のように算出した。
(阻害活性(%))=100×((被験物質無添加区)−(被験物質添加区))/((被験物質無添加区)−(バックグラウンド区))
IC50値は、阻害活性が50%付近の値を示す2点のデータを用い、検体濃度の対数値と阻害活性値を一次回帰させることにより算出した。本発明化合物のマウス脂肪細胞コルチゾン還元活性に対するIC50値は、通常0.01−1000nMの範囲に存在する。下記の本発明化合物のマウス脂肪細胞コルチゾン還元活性に対するIC50値を測定した。その結果を以下に示す。
【0190】
【表2】

【0191】
本発明化合物は医薬品として良好な物性を有する。当該物性としては、例えば代謝安定性を挙げることができ、代謝安定性については、例えば実験例3に記載の方法、その他公知の方法により測定することができる。
【0192】
実験例3 代謝安定性試験
化合物の100μMDMSO溶液(10μL)をアセトニトリル(90μL)と混合した。さらにアセトニトリルで10倍希釈した。この液(5μL)にCofactor液(250μL)を添加混合した(これを「中間希釈液」と呼ぶ)。
反応サンプルは、中間希釈液(50μL)とミクロソーム溶液(50μL)を混合し、37℃で30分間振とうしながらインキュベートし、2ウェル調製した。未反応サンプルは、中間希釈液(50μL)にミクロソーム溶液を添加せずに同様にインキュベートし、2ウェル調製した。
インキュベート終了後、反応サンプル、未反応サンプルの各ウェルに対してメタノール(400μL)を添加した。未反応サンプルのウェルに、メタノール添加後、ミクロソーム溶液50μLを加え、室温で15分間以上放置した。
各ウェルを除タンパクし、4℃で1時間静置した。次いで、遠心した上清をLC-MS/MS (Agilent社製HPLC、MDS Sciex社製API3000)で分析した。反応サンプル2ウェル及び未反応サンプル2ウェルの計4ウェルを測定し、各クロマトピーク面積値の相加平均値を算出した。これらを式:
-Ln(反応サンプル相加平均値÷未反応サンプル相加平均値)/30/0.1により化合物のクリアランス(mL/min/mg protein)を算出した。
Cofactor液:NADPH 220mg、25mMリン酸緩衝液(pH 7.4)40.5mLから調製した液
ミクロソーム溶液:125mM リン酸緩衝液(pH 7.4) 50mL、肝ミクロソーム0.5mL(ヒトあるいはラット
約20mg protein/ml、Xenotech社製)から調製した溶液
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明化合物は、II型糖尿病、耐糖能異常、高血糖、インスリン抵抗性、低HDL症、高LDL症、脂質代謝異常症、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、高血圧、動脈硬化、血管狭窄、アテローム性動脈硬化、肥満、認知障害、緑内障、網膜症、痴呆症、アルツハイマー症、骨粗しょう症、免疫障害、シンドロームX、鬱、心血管疾患、神経変性疾患などの疾患の予防または/および治療薬として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式中、
は、置換されていてもよいアルキル基を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表し、
は、水酸基または-CONH基を表し、
Xは、単結合、メチレン、または−O−を表し、
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、-NR12、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基を表すか;
または、RおよびRはそれらが隣接する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい環状アミノ基を表し、
nは、0〜3を表す。]で表される化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項2】
Xが単結合である、請求項1記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項3】
Xがメチレンである、請求項1記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項4】
Xが−O−である、請求項1記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項5】
が水素原子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項6】
がメチル基または塩素原子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項7】
がフッ素原子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項8】
がメチル基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項9】
Rcが水酸基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項10】
RcがCONH基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するII 型糖尿病、耐糖能異常、高血糖、インスリン抵抗性、脂質代謝異常症、高血圧、動脈硬化、血管狭窄、肥満、認知障害、痴呆症、アルツハイマー症、シンドロームX、鬱、心血管疾患、またはアテローム性動脈硬化の治療剤。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病、インスリン抵抗性、またはII 型糖尿病の治療剤。

【公開番号】特開2010−180178(P2010−180178A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26668(P2009−26668)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】