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二環式6−アルキリデンペネムβ−ラクタマーゼインヒビターおよびβ−ラクタム抗生物質の組み合わせ:広範なスペクトルの抗生物質
説明

二環式6−アルキリデンペネムβ−ラクタマーゼインヒビターおよびβ−ラクタム抗生物質の組み合わせ:広範なスペクトルの抗生物質

本発明は、βラクタム系抗生物質、例えば、セフェピムおよび式Iの化合物、細菌性の感染または疾患の処置の必要がある患者における細菌性の感染または疾患の処置のためのその薬学的組成物および用途を提供する。本発明は、低分子量の広域スペクトルのβ−ラクタム化合物、および詳細には、あるクラスの二環式ヘテロアリール置換の6−アルキリデンペネムであって、「第四世代」のセファロスポリン抗生物質、例えばセフェピム、ペニシリン系抗生物質、またはカルバペネム系抗生物質を含むβラクタム系抗生物質と組み合わせた場合、β−ラクタマーゼ阻害性特性を有する化合物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願全体にわたって、種々の刊行物が引用される。これらの刊行物のその全体の開示は、本出願に参照によって援用されて、本明細書に記載されかつ特許請求される本発明の時点の当業者にとって最先端技術が公知であるようにさらに詳細に記載する。
【0002】
本特許の開示は、著作権保護に制約されるものを含む。著作権所有者は、米国特許庁の特許ファイルまたは記録にみられるとおり、特許文書または特許開示の何者による複製をも拒絶しないが、その他はどんなものであれ任意のおよび全ての著作権の権利を留保する。
【0003】
発明の分野
本発明は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせた場合、広範なスペクトルのβ−ラクタマーゼインヒビターとして作用する特定の二環式6−アルキリデンペネムに関し、これには、「第四世代(「fourth−generation)」のセファロスポリン系抗生物質、例えば、セフェピム、ペニシリン系抗生物質、またはカルバペネム系抗生物質が挙げられる。β−ラクタマーゼは、β−ラクタム系抗生物質を加水分解し、従って、細菌の耐性の主な原因として作用する。本発明の化合物を、セフェピムのようなβ−ラクタム系抗生物質と組み合わせた場合、生命にかかわる細菌性感染に対する有効な処置が得られる。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
ペニシリンおよびセファロスポリンは、臨床において最も頻繁にかつ広範に用いられるβラクタム系抗生物質である。しかし、種々の病原体による、β−ラクタム系抗生物質に対する耐性の発達は、細菌の感染の有効な処置を維持するのに対して不利な影響を有する(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。β−ラクタム系抗生物質に対する細菌耐性の発達に関する最も重大な公知の機構は、クラスA、クラスBおよびクラスCのセリンβ−ラクタマーゼの産生である。これらの酵素は、β−ラクタム系抗生物質を分解して、抗菌活性の損失を生じる。クラスAの酵素はペニシリンを優先的に加水分解するが、クラスCのラクタマーゼは、セファロスポリン加水分解に都合のよい基質プロファイルを有する(非特許文献4)。現在までに250を上回る異なるβ−ラクタマーゼが報告されており(非特許文献5)、そして新世代の広範なスペクトルのβ−ラクタマーゼインヒビターの必要性がある。これらの抗生物質に対する細菌耐性は、これらの酵素を阻害する化合物と組み合わせてβ−ラクタム抗生物質を投与することによって大きく減少され得る。
【0005】
セフェピムは、非経口的なアミノチアゾリルアセトアミドセファロスポリン抗生物質である(非特許文献6)。セフェピムは、院内肺炎および他の重篤な感染を生じる多くの病原体に対して良好な活性を有することが示されたにもかかわらず、Enterococcus faecalis,Clostridium difficileおよびメチシリン耐性S.aureus.に対しては活性ではない(非特許文献7;非特許文献8)。セフェピムはまた、Enterobacteriaceaeのいくつかのメンバーによって生成される広域スペクトルのβ−ラクタマーゼ(ESBL)によって加水分解される。
【0006】
市販のβ−ラクタマーゼインヒビター、例えばクラブラン酸、スルバクタム(sulbactam)およびタゾバクタム(tazobactam)は全て、クラスA生成病原体に対して有効である。クブラン酸はアモキシリン(amoxicillin)およびチカルシリン(ticarcillin)と組み合わせて臨床上用いられる;同様に、スルバクタムとアンピシリンおよびタゾバクタム(tazobactam)とピペラシリン。しかし、これらの化合物は、クラスC産生生物体に対しては有効ではない。クラスAのβ−ラクタマーゼの不活性化の機構(例えば、PCIおよびTEM−1)は、解明されている(非特許文献9;非特許文献10)。
【0007】
近年では、一般式(III)の6−メチリデン誘導体が、βラクタム抗生物質と組み合わせた場合、有効な、広域スペクトルのβラクタマーゼインヒビターであることが示されている。特許文献1、特許文献2、特許文献3、およびUS2004 132708A1。
【0008】
【化7】

【特許文献1】国際公開第2003/093280号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2003/093279号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2003/093277号パンフレット
【非特許文献1】Coleman,K.Expert Opin.Invest.Drugs 1995,4,693
【非特許文献2】Sutherland,R.Infection 1995,23(4)191
【非特許文献3】Bush,K,Cur.Pharm.Design 1999,5,839〜845
【非特許文献4】Bush,K.;Jacoby,G.A.;Medeiros,A.A.Antimicrob.Agents Chemother.1995,39,1211
【非特許文献5】Payne,D.J,:Du,WおよびBateson,J.H.Exp.Opin.Invest.Drugs 2000,247
【非特許文献6】Sanders,C.C.1993.Cefepime:the next generation?Clin.Infect.Dis.17:369〜379
【非特許文献7】Jones,R.N.2001.Resistance patterns among nosocomial pathogens:trends over the past few years.Chest 119:397S−404S
【非特許文献8】Okamoto,M.P.,R.K.Nakahiro,A.Chin,A.Bedikian,およびM.V.Gill.1994.Cefepime:a new fourth−generation cephalosporin.Am.J.Hosp.Pharm.41:463〜477
【非特許文献9】Bush,K.;Antimicrob.Agents Chemother.1993,37,851
【非特許文献10】Yang,Y.;Janota,K.;Tabei,K.;Huang,N.;Seigal,M.M.;Lin,Y.I.;Rasmussen,B.A.およびShlaes,D.M.J.Biol.Chem.2000,35,26674−26682
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、生命にかかわる細菌性感染に対する有効な処置の必要性が残っている。本発明は、これらおよび他の重要な目的に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、低分子量の広域スペクトルのβ−ラクタム化合物、および詳細には、あるクラスの二環式ヘテロアリール置換の6−アルキリデンペネムであって、「第四世代」のセファロスポリン抗生物質、例えばセフェピム、ペニシリン系抗生物質、またはカルバペネム系抗生物質を含むβラクタム系抗生物質と組み合わせた場合、β−ラクタマーゼ阻害性特性を有する化合物に関する。
【0011】
1実施形態では、本発明は、細菌性感染または疾患を処置するための方法に関しており、この方法は、その必要がある患者に対して、有効な量のセフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、および本明細書に規定されるような一般式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを投与する工程を包含する。1実施形態では、一般式Iの化合物は、(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩;または(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩である。
【0012】
1実施形態では、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア;セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩;ならびに本明細書に規定されるような一般式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物に関する。1実施形態では、一般式Iの化合物は、(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩;または(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩である。
【0013】
1実施形態では、本発明は、ある組成物であって、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩と;本明細書に規定されるような一般式Iの化合物の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルとを含む組成物の、細菌性感染または疾患を処置するための医薬の製造のための使用に関する。
【0014】
1実施形態では、本発明は、本明細書に規定されるような一般式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルであって、セフェピムと組み合わせた場合、患者における抗菌性の感染の処置において有用である、化合物に関する。
【0015】
1実施形態では、本発明は、本明細書に規定されるような一般式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルであって、セファロスポリン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質またはカルバペネム抗生物質を含むβ−ラクタム抗生物質と組み合わせた場合、患者における抗菌性の感染の処置において有用である、化合物に関する。
【0016】
1実施形態では、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、本明細書に規定されるような式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルと、説明書であって、細菌性の感染または疾患を処置するための説明を含む説明書と、を備えるパッケージに関する。
【0017】
1実施形態では、本発明は、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩と、本明細書に規定されるような式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルとを;細菌性の感染または疾患を処置するために別の、同時のまたは連続的な投与のための併用調製物として含む、生成物に関する。
【0018】
1実施形態では、本発明は、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、ならびに本明細書に規定されるような式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルの使用であって、細菌性の感染または疾患を処置するための医薬の調製における、使用に関する。
【0019】
別の実施形態では、本発明の式Iの化合物およびβラクタム系抗生物質は、限定はしないが、デヒドロペプチダーゼ(DHP)インヒビター、例えば、患者における抗菌性感染の処置において有用であるシスプラチンを含む他の化合物とさらに組み合わされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
臨床的な定義
本明細書において用いる場合、Rは、H、必要に応じて置換される−C1−C6アルキル、必要に応じて置換される−アリール、必要に応じて置換される−ヘテロアリールまたは単環式または二環式の飽和複素環、必要に応じて置換される−C3−C7シクロアルキル、必要に応じて置換される−C3−C6アルケニル、必要に応じて置換される−C3−C6アルキニルであって、ただしこれは二重結合および三重結合の両方ともが、Nに直接連結される炭素原子に存在すべきでないという条件下であるアルキニル;必要に応じて置換される−C1−C6ペルフルオロアルキル、−S(O)必要に応じて置換されるアルキルまたはアリールであってpが2であるもの、必要に応じて置換される−C=Oヘテロアリール、必要に応じて置換される−C=Oアリール、必要に応じて置換される−C=O(C1−C6)アルキル、必要に応じて置換される−C=O(C3−C6)シクロアルキル、必要に応じて置換される−C=O単環式または二環式の飽和複素環、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリール−C1−C6アルキル、必要に応じて置換されるヘテロアリール−C1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル単環式または二環式の飽和複素環、8〜16個の炭素原子の必要に応じて置換されるアリールアルケニル、−CONR、−SONR、必要に応じて置換されるアリールアルキルオキシアルキル、必要に応じて置換される−アルキル−O−アルキル−アリール、必要に応じて置換される−アルキル−O−アルキル−ヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールオキシアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシヘテロアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリールオキシアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリールオキシヘテロアリール、必要に応じて置換されるアルキルアリールオキシアルキルアミン、必要に応じて置換されるアルコキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニルである。1実施形態では、RはH、必要に応じて置換されるアルキル、必要に応じて置換されるアリール、−C=O(C1−C6)アルキル、C3−C6アルケニル、C3−C6アルキニル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、SOアルキル、SOアリール、必要に応じて置換される複素環、−CONR、および必要に応じて置換されるヘテロアリールである。
【0021】
は水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、1〜2個の二重結合を有する必要に応じて置換されるC2−C6アルケニル、1〜2個の三重結合を有する必要に応じて置換されるC2−C6アルキニル、ハロゲン、シアノ、N−R、必要に応じて置換されるC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ;必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、COOR、必要に応じて置換されるアルキルアリールオキシアルキルアミン、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるC3−C6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されるC3−C6アルキニルオキシ、C1−C6アルキルアミノ−C1−C6アルコキシ、アルキレンジオキシ、必要に応じて置換されるアリールオキシ−C1−C6アルキルアミン、C1−C6ペルフルオロアルキル、S(O)−必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、S(O)−必要に応じて置換されるアリールであってqが0、1または2であるもの、CONR、グアニジドまたは環状グアニジド、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリール、必要に応じて置換されるアリールアルキル、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルヘテロアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール−C1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルの単環式または二環式の飽和複素環、8〜16個の炭素原子の必要に応じて置換されるアリールアルケニル、SONR、必要に応じて置換されるアリールアルキルオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールオキシアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシヘテロアリール、置換されたヘテロアリールオキシアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリールオキシアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリールオキシヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアルキルアリールオキシアルキルアミンである。1実施形態では、RはH、必要に応じて置換されるアルキル、必要に応じて置換されるアルコキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリール、ハロゲン、CN、ヒドロキシ、必要に応じて置換される複素環、−CONR、COOR、必要に応じて置換されるアリール、S(O)q−アルキル、およびS(O)q−アリールである。
【0022】
は水素、C1−C6アルキル、C5−C6シクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリールであり;1実施形態では、RはHまたはC1−C6アルキルである;
はH、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルであり、Rの一方は、OH、C1−C6アルコキシ、−S−C1−C6アルキル、COOR、−NR、−CONRであるか;またはRは一緒になって=Oであってもよく、またはRはそれらが結合される炭素と一緒になって、N、O、S=(O)n(ここでn=0〜2)、N−Rから選択されるヘテロ原子の存在の有無において5〜8員のスピロ系を形成してもよい;1実施形態では、Rは、H、C1−C6アルキル、NRまたはRであって、それらが結合される炭素と一緒になって、ヘテロ原子の存在の有無において5〜8員のスピロ系を形成してもよい。
【0023】
およびRは独立して、H、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルアリール、必要に応じて置換されるアリールアルキル、必要に応じて置換されるヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルヘテロアリールであり、RおよびRは一緒になって、N−R、O、S−(O) n=0〜2のような1つまたは2つのヘテロ原子を必要に応じて有する3−7員の飽和環系を形成し得る。1実施形態では、RおよびRは各々が独立して、H、C1−C6アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはRおよびRであって、一緒になって、1または2個のヘテロ原子を必要に応じて有する3〜7員の飽和環系を形成する。
【0024】
アルキルという用語は、他に特定しない限り、1〜12個の炭素の;1実施形態では、1〜8個の炭素原子の;1実施形態では、1〜6個の炭素原子の;そして1実施形態では、1〜4個の炭素原子の直鎖および分枝鎖のアルキル部分の両方をいう。例示的な(C−C)−アルキル基としては、限定はしないが、メチル、エチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルが挙げられる。
【0025】
シクロアルキルという用語は、他に特定しない限り、3〜7個の炭素原子;1実施形態では、7個の炭素原子;1実施形態では、6個の炭素原子;1実施形態では、5個の炭素原子;1実施形態では、4個の炭素原子;そして1実施形態では、3個の炭素原子を有する環状炭化水素基をいう。
【0026】
アリールとは、芳香族炭化水素部分、例えば、以下の基:フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル、ビフェニルエニル、アセナフテニル、の基から、例えば選択される、6〜14個の炭素原子をいう。1実施形態では、このアリール基は、フェニルまたはビフェニルである。
【0027】
ヘテロアリールとは、芳香族複素環系(単環式または二環式)であって、例えば、5〜10の環員、およびO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する方後続複素環系をいい、例えば、ヘテロアリール部分は以下から選択される:(1)フラン、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N−メチルピロール、ピラゾール、N−メチルピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、1−メチルテトラゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノリン、およびイソキノリン;(2)二環式芳香族複素環であって、フェニル、ピリジン、ピリミジン、またはピリミジン環が:(a)1つの窒素原子を有する6員の芳香族(不飽和)複素環に縮合されるか;(b)2つの窒素原子を有する5員または6員の芳香族(不飽和)複素環に縮合されるか;(c)1つの酸素または1つのイオウ原子のいずれかとともに1つの窒素原子を有する5員の芳香族(不飽和)複素環に縮合されるか;あるいは(d)O、NまたはSから選択される1つのヘテロ原子を有する5員の芳香族(不飽和)複素環に縮合される、二環式芳香族複素環。1実施形態では、ヘテロアリール基は、フラン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N−メチルピロール、ピラゾール、N−メチルピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、1−メチルテトラゾール、キノリン、イソキノリン、またはナフチリジンである。
【0028】
縮合された二環式ヘテロアリール基という用語は、2つの縮合された環であって、一方が芳香族の特徴を有し[すなわち、Huckelの法則(Huckel’s rule)(4n+2)]、かつ他方の環が非芳香族である環を含む基をいう。この縮合された二環式ヘテロアリール基は、O、S、NおよびN−Rからなる群より選択される1〜6個のヘテロ原子を含む。この縮合された二環式のヘテロアリール基は、芳香族環における炭素原子を通じて残りの分子に結合されてもよい。この縮合された二環式ヘテロアリール基の芳香族環は、CR、N、O、SまたはN−Rから選択される5または6個の環原子(橋頭原子を含む)を含む。この縮合された二環式ヘテロアリール基の芳香族環は、O、S、NおよびN−Rから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む。この縮合された二環式ヘテロアリール基の非芳香族環は、CR、N、N−R、O、S(O)(ここでn=0−2)から選択される5〜8個の環原子(橋頭原子を含む)を含む。この縮合された二環式ヘテロアリール基の非芳香族環は、N、N−R、OまたはS(O)n(ここでn=0〜2)から選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。
【0029】
縮合された二環式ヘテロアリール基は、必要に応じて置換される環系、例えば(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾールおよび(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン部分を含む。
【0030】
任意の基が、例えば、アリールまたはヘテロアリールのように「必要に応じて置換される(optionally subsituted)」といわれるならば、以下のうちの1つまたは2つが、可能な置換基(同じまたは異なる)である:ニトロ、−アリール、−ヘテロアリール、アルコキシカルボニル−、−アルコキシ、−アルコキシ−アルキル、アルキル−O−C2−C4アルキル−O−、−シアノ、−ハロゲン、−ヒドロキシ、−N−R、−トリフルオロメチル、−トリフルオロメトキシ、アリールアルキル、アルキルアリール、RN−アルキル−、HO−C1−C6−アルキル−、アルコキシアルキル−、アルキル−S−、−SON−R、−SONHR、−COH、CONR、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、−S(O)−アリール(ここでs=0−2)、−アルキル−O−アルキル−NR、−アルキル−アリール−O−アルキルN−R、C1−C6アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ−アルキル−O−、RN−アルキル−、および−S(O)−ヘテロアリール(ここでs=0−2)。1実施形態では、置換基は、例えば、アリールおよびヘテロアリールについては、以下が挙げられる:アルキル、ハロゲン、−N−R、トリフルオロメチル、−トリフルオロメトキシ、アリールアルキル、およびアルキルアリール。
【0031】
アリールアルキルとは、アリール−C1−C6アルキル−−−をいい;アリールアルキル部分とは、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピルなどが挙げられる。「必要に応じて置換される(optionally substituted)」という用語は、上記で規定されるようなアルキルもしくはアリール部分の上で未置換であるかまたは1もしくは2つの置換基で置換されることをいう。
【0032】
アルキルアリールとは、C1−C6アルキル−アリール−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、上記で規定されるようなアルキルもしくはアリール部分の上で未置換であるかまたは1もしくは2つの置換基で置換されることをいう。
【0033】
ヘテロアリール−C1−C6−アルキルとは、アルキル鎖が1〜6個の炭素原子(直鎖または分枝した)であるヘテロアリール置換されたアルキル部分をいう。アルキルヘテロアリール部分としては、ヘテロアリール−(CH1−6などが挙げられる。「必要に応じて置換される」という用語は、上記で規定されるようなアルキルもしくはヘテロアリール部分の上で未置換であるかまたは1もしくは2つの置換基で置換されることをいう。
【0034】
C1−C6アルキルヘテロアリールとは、ヘテロアリール部分であって、分子の残りに結合されたヘテロアリール部分に結合された1〜6個の炭素原子のアルキル鎖(直鎖または分枝鎖)をいう。例えば、C1−C6−アルキル−ヘテロアリール−。「必要に応じて置換される」という用語は、上記で規定されるようなアルキルもしくはヘテロアリール部分の上で未置換であるかまたは1もしくは2つの置換基で置換されることをいう。
【0035】
飽和されるかまたは部分的に飽和された複素環基とは、以下の部分から選択された複素環式の環をいう;アジリジニル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、ジヒドロ−1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロキノリニル、およびテトラヒドロイソキノリニル。1実施形態では、飽和または部分的に飽和された複素環としては以下が挙げられる:アジリジニル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロイミダゾリル、およびジヒドロイソオキサゾリル。
【0036】
C1−C6アルキルの単環式または二環式の飽和または部分的に飽和された複素環とは、炭素原子または窒素原子および分子の残りに結合されたアルキル鎖の他の末端を通じて複素環(前に規定された)に結合されたC1−C6のアルキル基(直鎖または分枝鎖)をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、上記で規定されるような分子のアルキルもしくは複素環部分の上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0037】
アリールアルキルオキシアルキルとは、アリール−C1−C6アルキル−O−C1−C6アルキル−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、上記で規定されるようなアルキルおよび/もしくはアリール部分の上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0038】
アルキルオキシアルキルとは、C1−C6アルキル−O−C1−C6アルキル−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキル部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0039】
アリールオキシアルキルは、アリール−O−C1−C6アルキル−−−として規定される。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキルまたはアリール部分の上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0040】
ヘテロアリールアルキルオキシアルキルとは、ヘテロアリール−C1−C6アルキル−O−C1−C6アルキル−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキルもしくはヘテロアリール部分上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0041】
アリールオキシアリールとは、アリール−O−アリール−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリール部分上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0042】
アリールオキシヘテロアリールとは、アリール−O−ヘテロアリール−または−アリール−O−ヘテロアリールをいい;この定義では、アリール部分またはヘテロアリール部分のいずれかが、その分子の残りの部分に結合され得る。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリール部分上に、もしくはヘテロアリール部分上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0043】
アルキルアリールオキシアリールとは、アリール−O−アリール−C1−C6アルキル−−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリールに存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0044】
アルキルアリールオキシヘテロアリールとは、ヘテロアリール−O−アリール−C1−C6アルキル−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリール部分上にもしくはヘテロアリール部分上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0045】
アルキルアリールオキシアルキルアミンとは、RN−C1−C6アルキル−O−アリール−C1−C6アルキル−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキルもしくはアリール部分上に存在する1もしくは2つの置換基;前に規定されるようなRおよびRで置換されないかまたは置換されることをいう。
【0046】
アルコキシカルボニルとは、C1−C6アルキル−O−C=O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルコキシ部分のアルキル部分上に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0047】
アリールオキシカルボニルとは、アリール−O−C=O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0048】
ヘテロアリールオキシカルボニルとは、ヘテロアリール−O−C=O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなヘテロアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0049】
アルコキシとは、C1−C6アルキル−O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキル部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0050】
アリールオキシとは、アリール−O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0051】
ヘテロアリールオキシとは、ヘテロアリール−O−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなヘテロアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0052】
アルケニルオキシとは、C3−C6アルケン−O−−;例としてはアリル−O−−、ブタ−2−エン−Oなどの部分をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルケン部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいうが、ただしこれは、O、SまたはN−Rのようなヘテロ原子が、二重結合に結合される炭素原子上に存在しないという条件下である。
【0053】
アルキニルオキシとは、C3−C6アルキン−O−−;例としてはCH≡C−CH−O−、などの部分をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキン部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいうが、ただしこれは、O、SまたはN−Rのようなヘテロ原子が、二重結合または三重結合に結合される炭素原子上に存在しないという条件下である。
【0054】
アルキルアミノアルコキシとは、RN−C1−C6−アルキル−O−C1−C6−アルキル−−−をいい、この酸素に結合された末端アルキル基は、分子の残りに接続される。RおよびRという用語は、上記のとおりである。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキル部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0055】
アルキレンジオキシとは、−O−CH−O−または−O−(CH−O−をいう。
【0056】
アリールオキシアルキルアミンとは、RN−C1−C6−アルキル−O−アリール−をいい、このアリールは、その分子の残りに結合される。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルキルまたはアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0057】
アリールアルケニルとは、アリール−C2−C8アルキン−−をいい、ただしこれは、O、SまたはN−Rのようなヘテロ原子が、二重結合に結合される炭素原子上に存在しないという条件下である。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなアルケンまたはアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0058】
ヘテロアリールオキシアルキルとは、ヘテロアリール−O−C1−C6アルキル−−−をいう。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなヘテロアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0059】
ヘテロアリールオキシアリールとは、ヘテロアリール−O−アリール−−−をいい、このアリール部分は、この分子の残りに結合されている。「必要に応じて置換される」という用語は、前に規定されるようなヘテロアリール部分もしくはアリール部分に存在する1もしくは2つの置換基で置換されないかまたは置換されることをいう。
【0060】
アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシおよびアルキルチオアルキルオキシとは、アルキル鎖が1〜6個の炭素原子(直鎖または分枝)である部分をいう。アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールチオおよびヘテロアリールチオとは、アリールおよびヘテロアリール基が、本明細書において前に規定されたとおりである部分である。アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アリールアルキルチオおよびヘテロアリールアルキルチオとは、アリールおよびヘテロアリール基が、本明細書において前に規定されたとおりであり、かつアルキル鎖が、1〜6個の炭素(直鎖または分枝鎖)である部分である。アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールオキシアルキルオキシおよびヘテロアリールオキシアルキルオキシとは、アルキルラジカルが1〜6個の炭素原子である置換基である。モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノという用語は、アルキル鎖が1〜6個の炭素であり、かつその基が同じであっても異なってもよい1つまたは2つのアルキル基を有する部分をいう。モノアルキルアミノアルキルおよびジアルキルアミノアルキルという用語は、1〜3個の炭素原子のアルキル基に結合されている窒素原子に結合された1つまたは2つのアルキル基(同じかまたは異なる)を有するモノアルキルアミノおよびジアルキルアミノ部分をいう。
【0061】
薬学的に受容可能な塩とは、ナトリウム、カリウムまたはカルシウムアルカリ土類金属塩を含む、温血動物に投与されるかまたは提供され得る塩である。
【0062】
本明細書に用いられる場合患者という用語は、限定はしないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒまたはアカゲザルを包含する。1実施形態では、患者は、温血動物である。別の実施形態では、患者はヒトである。
【0063】
本明細書において用いる場合有効量という用語は、患者に投与された場合、患者が罹患しているか、または被ると疑われる状態を予防するか、少なくとも部分的に寛解するか、または治癒させるのに有効である化合物または化合物の薬学的に受容可能な塩の量をいう。
【0064】
本明細書において用いる場合、その対応する相対するエナンチオマーを実質的に含まないという用語は、この化合物が、その対応する相対するエナンチオマーを約10重量%以下含むということを意味する。他の実施形態では、その対応する相対するエナンチオマーを実質的に含まない化合物は、その対応する相対するエナンチオマーの約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、または約0.1%以下を含む。その対応する相対するエナンチオマーを実質的に含まないエナンチオマーとは、単離されて精製されているか、またはその対応する相対するエナンチオマーを実質的に含まず調製されている化合物を含む。
【0065】
本明細書において用いる場合、単離されて精製されるという用語は、反応混合物または天然の供給源の他の成分から分離される単離物を指す。特定の実施形態では、この単離物は、化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を単離物の重量として、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%,または少なくとも約98%含む。
【0066】
本明細書において用いる場合、互変異性体という用語は、ある分子の1原子のプロトンが別の原子にシフトする現象によって生成される化合物を指す。Jerry March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structures,Fourth Edition,John Wiley & Sons 1992,69〜74。
【0067】
式Iの化合物
本発明において有用な化合物としては、式Iの化合物およびその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステル:
【0068】
【化8】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボの加水分解性エステルが挙げられ、ここで:
AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;
XがSまたはOであり;
が水素、インビボ加水分解性のエステル、例えば、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、CHROCOC−CアルキルまたはNa、K、Caのような塩であり;かつ
が水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、または必要に応じて置換されるヘテロアリールである。
【0069】
1実施形態では、XはSである。
【0070】
1実施形態では、Rは、水素または塩である。
【0071】
1実施形態では、Rは、水素またはC−Cアルキルである。
【0072】
1実施形態では、Aは、必要に応じて置換される二環式ヘテロアリール基を意味し、かつBは水素を意味する。
【0073】
1実施形態では、式Iの化合物は、以下の立体化学を有する:
【0074】
【化9】

二環式ヘテロアリール基の非限定的な例としては2−Aおよび2−Bが挙げられる:
【0075】
【化10】

本明細書において用いる場合、例えば、式2−Aおよび2−Bでは、
【0076】
【化11】

は、その分子の残りに対する二環式ヘテロアリール基の結合のポイントを意味する。
【0077】
1実施形態では、式Iの化合物は、以下である:(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩。
【0078】
1実施形態では、式Iの化合物は以下である:または(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩。
【0079】
1実施形態では、式Iの化合物は以下である:(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸。
【0080】
1実施形態では、式Iの化合物は以下である:(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸。
【0081】
必要に応じて置換される二環式ヘテロアリール基AおよびBのさらなる例としては、以下が挙げられる:
【0082】
【化12】

式1−Aでは、Z1、Z2およびZ3は独立して、CR、N、O、SまたはN−Rであり、そしてZ1−Z3のうちの1つは、炭素であり、そして式Iにおいて示されるとおり分子の残りに結合される。Zのうちの1つがCRである場合、他の2つのZは、2つのNまたは1つのNおよびO、S、N−Rのいずれかであって、芳香族性を失わない任意の組み合わせであってもよい;2つのZ=CRである場合、他方のZは、1つのN、O、SまたはN−Rから、芳香族性を失わない任意の組み合わせで、必要に応じて選択されてもよい;W、WおよびWは、独立してCR、S、SO、SO、O、N−R、C−Oであって;ただしこれは、どのS−SまたはO−OまたはS−O結合形成も、飽和環系を形成させ得ないという条件下である;t=1〜4である。
【0083】
式1−Bでは、Z1、Z2およびZ3は独立して、CR、N、O、SまたはN−Rであり、そしてZ1−Z3のうちの1つは炭素であり、そして式Iに示されるような分子の残りに結合される。Zのうちの1つがCRであるならば、他の2つのZは、独立して、CR、N、O、SまたはN−Rであって、芳香族性を失わない任意の組み合わせであってもよい;2つのZがNであるならば、この環における他の炭素は、式Iに示されるような分子のペネム部分に結合される。
、WおよびWは独立して、CR、S、SO、SO、O、N−Rであり、t=1〜4である;
およびYは、NまたはCであり;ただしこれは、芳香族複素環がイミダゾールである場合、飽和環が、橋頭炭素に隣接するSを含まなくてもよいという条件下である。
【0084】
式1−Cでは、Z1、Z2、Z3およびZ4は独立してCRまたはNであり、そしてZ1−Z4のうちの1つが、炭素であり、かつその分子の残りに結合される。
、WおよびWは独立して、CR、S、SO、SO、O、またはN−Rであり;ただしこれは、どのS−SまたはO−OまたはS−O結合形成も、飽和環系を形成し得ないという条件下である;t=1〜4である。
およびYは独立してCまたはNである。
【0085】
必要に応じて置換される二環式ヘテロアリール基AおよびBのさらなる例は、WO03/093279A1、WO03/093277A1、および米国特許出願公開第2004 132708 A1号に示される。
【0086】
本発明に有用な化合物としては、その薬学的に受容可能な塩またはインビボの加水分解性エステルが挙げられ、従って、本明細書において用いる場合、「化合物(compound)」という用語は、その薬学的に受容可能な塩またはインビボ加水分解性のエステルを包含する。ある化合物の構造式はまた、任意の互変異性体、任意の立体異性体(立体化学が明確に注記されない場合を除く)、および任意の結晶型を包含する。
【0087】
式Iの化合物は、不斉炭素原子を含んでもよく、そして式Iの化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、従って、光学異性体およびジアステレオマーを生じ得る。ある場合には、式Iの化合物における立体化学を考慮せずに示されるが、本発明は、このような光学異性体およびジアステレオマー、ならびにラセミおよび体のおよび分解された、鏡像異性的に純粋なRおよびS立体異性体、そしてまたRおよびS立体異性体およびそれらの薬学的に受容可能な塩の他の混合物を包含する。立体異性体が提供される場合、これは、ある実施形態では、その対応する相対するエナンチオマーを実質的に含まずに提供され得る。
【0088】
さらに、式Iの化合物は、互変異性体として存在してもよい。このような互変異性体は、一過性であってもよいし、または安定な生成物として単離可能であってもよい。これらの互変異性体は、本発明の範囲内である。
【0089】
式Iの化合物のプロドラッグも、本発明の範囲内である。
【0090】
式Iの化合物を作製する方法
式Iの化合物は、市販の化合物、公知の化合物、または公知の方法によって調製された化合物から出発して、種々の方法を用いて調製され得る。多くの化合物への一般的な合成経路は、以下のスキームに含まれる。このスキームに示されない保護および脱保護工程がこれらの合成に必要であり得るということ、ならびに工程の順序が標的分子での官能性を適応させるように変化されてもよいということが当業者に理解される。
【0091】
例えば、式Iの化合物は、WO03/093279A1、WO03/093277A1、および米国特許出願公開第2004 132708 A1号に概説される手順に従って合成されてもよい。
【0092】
治療的な投与
1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタマーゼ阻害性および抗菌特性を有しており、そしてセフェピムと組み合わせて用いられる場合、患者の感染の処置に有用である。本発明の1実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて、細菌の感染または疾患の有効な処置を提供する。
【0093】
1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタマーゼ阻害性および抗菌性の特性を有し、そしてβ−ラクタム系抗生物質と組み合わせた場合、患者における感染の処置に有用である。本発明の1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて、細菌の感染または疾患の有効な処置を提供する。
【0094】
本明細書において用いられるようなβ−ラクタム系抗生物質としては、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、およびカルバペネム系抗生物質が挙げられる。例えば、ペニシリン系抗生物質、例えば、カルベニシリン、アズロシリン(azlocillin)、メズロシリン(mezlocillin)、メシリナム(mecillinam)、ナフシリン(nafcillin)およびオキサシリン(oxacillin);セファロスポリン系抗生物質、例えば、セファクロル、セファマンドール、セフジニル、セフジトレン、セファタメト(cefatamet)、セフィキシム(cefixime)、セフメタゾール、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフポドキシム、セフチブテン(ceftibuten)、セフチゾキシムおよびセフロキシム;ならびにカルバペネム系抗生物質、例えばロラカルベフ(loracarbef)、イミペネム、メロペネム、およびエルタペネム(ertapenem);は、式Iの化合物と組み合わせた場合、患者の感染の処置に有用である。
【0095】
1実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスA産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスB産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスC産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスD産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。別の実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスAおよびクラスC産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。さらに別の実施形態では、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて用いた場合、クラスA、クラスCおよびクラスD産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。
【0096】
1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスA産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスB産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスC産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。1実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスD産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。別の実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスAおよびクラスC産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。さらに別の実施形態では、式Iの化合物は、β−ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いた場合、クラスA、クラスCおよびクラスD産生生物体に対して抗菌活性(相乗的な効果)の増大を生じる。
【0097】
1実施形態では、式Iの化合物の投与は、セフェピムの前投与、同時投与または引き続く投与と組み合わせて提供される(「同時投与(co−administration)」。「提供される(provided)」とは、直接投与、およびインビボ、例えば、プロドラッグを包含する。式Iの化合物がセフェピムと同時投与される場合、セフェピムの量に対する化合物の量の比は、広範な範囲で変化し得る。式Iの化合物に対するセフェピムの比は、1:1〜100:1(w/w)で変化してもよい。1実施形態では、式Iの化合物に対するセフェピムの比は、10:1(w/w)未満である。
【0098】
1実施形態では、式Iの化合物の投与は、βラクタム系抗生物質の前の投与、同時投与または引き続く投与と組み合わせて提供される(「同時投与(co−administration)」。式Iの化合物がβラクタム系抗生物質と同時投与される場合、セフェピムの量に対する化合物の量の比は、広範な範囲で変化し得る。式Iの化合物に対するβラクタム系抗生物質の比は、1:1〜100:1(w/w)で変化してもよい。1実施形態では、式Iの化合物に対するβラクタム系抗生物質の比は、10:1(w/w)未満である。
【0099】
1実施形態では、本発明の組成物は、経口(PO)、静脈内(IV)または局所投与に適切な形態である。1実施形態では、本発明の組成物は、錠剤、カプセル、クリーム、シロップ、懸濁液、滅菌溶液の形態であって、注射またはインフュージョンに適切な形態である。
【0100】
1実施形態では、式Iの化合物およびセフェピムは、このような因子が、細菌の感染または疾患の処置のために個々に用いられる場合に通常使用される用量で、投与される。
【0101】
1実施形態では、式Iの化合物およびβ−ラクタム系抗生物質は、このような因子が、細菌の感染または疾患の処置のために個々に用いられる場合に通常使用される用量で、投与される。
【0102】
別の実施形態では、式Iの化合物およびセフェピムは、相乗的に作用して、このような因子が、細菌の感染または疾患の処置のために個々に用いられる場合に通常使用される用量未満の用量で投与される。
【0103】
別の実施形態では、式Iの化合物およびβ−ラクタム系抗生物質は、相乗的に作用して、このような因子が、細菌の感染または疾患の処置のために個々に用いられる場合に通常使用される用量未満の用量で投与される。
【0104】
本明細書において用いる場合、セフェピムは、その薬学的に受容可能な塩を含む。
【0105】
セフェピムは、1投与あたり約250mg〜約2gにおよぶ投薬量で患者に投与され得る。1実施形態では、セフェピムの投薬量は、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.25g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.75g、約1.8g、または約1.9gである。セフェピムは、8時間ごとから48時間ごとにおよぶ時間で投与され得る。1実施形態では、セフェピムは、12時間ごと、16時間ごと、20時間ごと、24時間ごと、28時間ごと、32時間ごと、36時間ごと、40または44時間ごとに投与される。セフェピムは、約7日〜約10日におよぶ期間にわたって投与され得る。特定の実施形態では、セフェピムは、約8日または約9日間投与される。
【0106】
本明細書において用いる場合、β−ラクタム系抗生物質とは、その薬学的に受容可能な塩を包含する。
【0107】
患者に投与される場合、ある化合物(例えば、式Iの化合物、セフェピム、またはβ−ラクタム系抗生物質)は、そのままで投与されても、または生理学的に受容可能なキャリアもしくはビヒクルを含む組成物の成分として投与されてもよい。本発明の組成物は、化合物とこの化合物の薬学的に受容可能な塩および生理学的に受容可能なキャリア、賦形剤または希釈剤を混合する工程を包含する方法を用いて調製され得る。混合は、化合物とこの化合物の薬学的に受容可能な塩および生理的に受容可能なキャリア、賦形剤または希釈剤を混合するために周知の方法を用いて達成され得る。
【0108】
1実施形態では、本発明は、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物、ならびにセフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を提供する。
【0109】
1実施形態では、本発明は、β−ラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物、ならびにβ−ラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を提供する。
【0110】
本発明の組成物であって、化合物または化合物の薬学的に受容可能な塩を含む組成物は、経口投与されてもよい。本発明の組成物はまた、任意の他の従来の経路によって、例えば、連続注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜の裏層を通じた吸収によって(例えば、口腔、直腸、膣および腸の粘膜など)、投与されてもよく、そして別の治療因子と一緒に投与されてもよい。投与は、全身的でも局所的でもよい。リポソーム、微小粒子、マイクロカプセルおよびカプセルへの封入を含む種々の公知の送達系が用いられてもよい。
【0111】
投与方法としては、限定はしないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入による、または局所、特に耳、鼻、目または皮膚に対してが挙げられる。ある場合には、投与は、この化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩の血流中への放出を生じる。投与の方式は、医師の裁量にまかされる。
【0112】
1実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は経口投与される。
【0113】
1実施形態では、セフェピムは、経口投与される。
【0114】
1実施形態では、β−ラクタム系抗生物質が経口投与される。
【0115】
別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は静脈内投与される。
【0116】
1実施形態では、セフェピムは、静脈内投与される。
【0117】
1実施形態では、β−ラクタム系抗生物質は静脈内投与される。
【0118】
別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を局所的に投与することが所望され得る。これは、例えば、手術の間の局所注入、局所適用、例えば、外科手術後の創傷包帯と組み合わせて、注射によって、カテーテルによって、坐剤または浮腫によって、移植片によって達成されてもよく、この移植片は、多孔性、非多孔性またはゼラチン状物質であり、これには膜、例えばシアラスティック(sialastic)膜またはファイバーが挙げられる。
【0119】
特定の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の中枢神経系、循環系または胃腸管への、任意の適切な経路による導入が所望され得、この経路としては、静脈内、脳室(心室)内(intraventricular)注射、クモ膜下腔内注射、傍脊椎(paraspinal)注射、硬膜外注射、浣腸、および末梢神経付近への注射によるものが挙げられる。脳室内注射は、例えば、オマヤリザーバ(Ommaya reservoir)のようなリザーバに結合された脳室内カテーテルによって達成され得る。
【0120】
肺投与はまた、例えば、インヘイラーまたはネブライザーの使用、およびエアロゾル化剤との処方物によって、または過フッ化炭化水素もしくは合成肺サーファクタントにおける還流を介して、使用され得る。特定の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、伝統的な結合剤および賦形剤、例えばトリグリセリドとともに坐剤として処方されてもよい。
【0121】
別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、小胞中で、詳細にはリポソーム中で送達されてもよい(Langer,Science 1990,249,1527〜1533およびTreat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer 1989,317〜327および353〜365を参照のこと)。
【0122】
さらに別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、徐放性のシステムまたは持続放出性のシステムで送達されてもよい(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,vol.2,1984,115〜138を参照のこと)。Langer,Science 1990,249,1527 1533による概説に考察される他の徐放性または持続放出性のシステムが用いられてもよい。1実施形態では、ポンプが用いられてもよい(Langer,Science 1990,249,1527〜1533;Sefton、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.1987,14,201;Buchwald et al.,Surgery 1980,88,507;およびSaudek et al.,N.Engl.J Med.1989,321,574)。別の実施形態では、ポリマー性物質が用いられてもよい(Medical Applications of Controlled Release(LangerおよびWise編、1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance(SmolenおよびBall編,1984);RangerおよびPeppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.1983 2,61;Levy et al.,Science 1935,228,190;During et al.,Ann.Neural.1989,25,351;ならびにHoward et al.,J.Neurosurg.1989,71,105)。
【0123】
さらに別の実施形態では、徐放性または持続放出性のシステムは、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の標的の近位におかれてもよく、これによって全身性の用量のある画分しか必要としない。
【0124】
本発明の組成物は必要に応じて、適切な量の生理学的に受容可能な賦形剤を含んでもよい。
【0125】
このような生理学的に受容可能な賦形剤は、液体、例えば、水およびオイルであってもよく、オイルとしては、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ピーナツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などが挙げられる。この生理学的に受容可能な賦形剤は、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンのり、滑石、ケラチン、コロイダル・シリカ、尿素などであってもよい。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤および着色料が用いられてもよい。1実施形態では、生理学的に受容可能な賦形剤は、患者に投与される場合、無菌である。この生理学的に受容可能な賦形剤は、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、そして微生物の混入汚染作用に対して防御性でなければならない。水は、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩が静脈内に投与される場合に特に有用な賦形剤である。生理食塩水溶液および水性のデキストロースおよびグリセロール溶液はまた、特に注射溶液のために、液体賦形剤として使用されてもよい。適切な生理学的に受容可能な賦形剤としてはまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽(malt)、コメ(rice)、コムギコ(flour)、チョーク(chalk)、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、一ステアリン酸グリセロール、滑石、塩化ナトリウム、乾燥脂肪粉乳(dried skim milk)、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。本発明の組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝化剤を含んでもよい。
【0126】
液体キャリアが、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップおよびエリキシルを調製するのに用いられてもよい。この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、薬学的に受容可能な液体キャリア、例えば、水、有機溶媒、両方の混合物、または薬学的に受容可能なオイルもしくは脂肪に溶解されても、または懸濁されてもよい。この液体キャリアは、他の適切な薬学的な添加物を含んでもよく、これには、安定化剤、乳化剤、緩衝液、防腐剤、甘味料、香味量、懸濁剤、増粘剤、着色料、粘性調節剤、安定化剤または浸透圧調節剤が挙げられる。経口および非経口の投与のための液体キャリアの適切な例としては、水(特に、上記のような添加物、例えば、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム溶液を含むセルロース誘導体を含む水)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを含む)、およびそれらの誘導体、ならびにオイル(例えば、分画されたココナッツ油およびラッカセイ油)が挙げられる。経口投与のためには、キャリアはまた、油状エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルであってもよい。滅菌液体キャリアは、経口投与のための滅菌液型組成物で用いられる。加圧組成物のための液体キャリアは、ハロゲン化された炭化水素または他の薬学的に受容可能な噴霧剤であってもよい。
【0127】
本発明の組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体含有カプセル、粉末、持続放出性の処方物、坐剤、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁剤の形態、または使用に適切な任意の他の形態をとってもよい。1実施形態では、組成物はカプセルの形態である。適切な生理学的に受容可能な賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447 1676(Alfonso R.Gennaro編、第19版、1995)に記載される。
【0128】
1実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、ヒトへの経口投与のために適合された組成物として慣用的な手順に従って処方される。経口送達のための組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤(lozenges)、口腔内剤形(buccal forms)、トローチ(troches)、水性もしくは油性の懸濁液もしくは溶液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップまたはエリキシルの形態であってもよい。経口投与される組成物は、薬学的に快い調製物を提供するために、1つ以上の因子、例えば、甘味料、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味料、例えば、ペパーミント、ウインターグリーン油、またはチエリー;着色料;および防腐剤を含んでもよい。粉末では、キャリアは、微細分割された固体であってもよく、これは微細に分割された化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩と混合される。錠剤では、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩が、必要な圧縮特性を適切な特性で有するキャリアと混合されて、所望の形状およびサイズに圧縮される。この粉末および錠剤は、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を最大約99%まで含んでもよい。
【0129】
カプセルは、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩と、不活性な賦形剤(fillers)および/または希釈剤、例えば、薬学的に受容可能なデンプン(例えば、コーン、ジャガイモ、またはタピオカのデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶および微結晶性セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ガムなどの混合物を含んでもよい。
【0130】
錠剤処方物は、従来の圧縮、湿式造粒法、または乾式造粒法方法によって作成されてもよく、そして薬学的に受容可能な希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面改質剤(surface modifying agents)(サーファクタントを含む)、懸濁剤または安定化剤(限定はしないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、滑石、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、カルボキシルメチル・セルロース・カルシウム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、アカシア・ゴム、キサンタン・ガム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸錯塩(complex silicates)、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックス、およびイオン交換樹脂が挙げられる)を利用する。表面改質剤としては、非イオン性表面改質剤、および陰イオン性表面改質剤が挙げられる。表面改質剤の代表的な例としては、限定はしないが、poloxamer 188(ポロキサマー188)、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウムおよびトリエタノールアミンが挙げられる。
【0131】
さらに、錠剤または丸剤の形態である場合、この組成物は、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させるようにコーティングされてもよく、それによって、長期間にわたって徐放性の作用が得られる。浸透圧的に活性な運動化合物(driving compound)またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を囲む選択透過性の膜がまた、経口投与組成物に適切である。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルの周囲の環境由来の液体は、運動化合物によって水分を吸収され得、この化合物は膨張して、開口部を通じて因子または因子組成物を置き換える。これらの送達プラットフォームは、即時放出処方物のスパイクされたプロフィールと反対の本質的にゼロ次の送達プロフィールを提供し得る。遅延物質、例えば、グリセロールモノステアレート、またはグリセリルステアレートも用いられてもよい。経口組成物としては、標準的な賦形剤、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロースおよび炭酸マグネシウムを挙げることができる。1実施形態では、賦形剤は、薬学的等級のものである。
【0132】
別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、静脈投与のために処方され得る。代表的には、静脈内投与のための組成物は、滅菌の等張性水性緩衝液を含む。必要に応じて、この組成物はまた、可溶化剤を含んでもよい。静脈投与のための組成物は必要に応じて、注射部位の疼痛を軽減するために局所麻酔剤、例えば、リグノカインを含んでもよい。一般に、この成分は、別々に、または単位剤形で一緒に混合されていずれかで、例えば、乾燥された凍結乾燥粉末または水なしの濃縮物として、密封されたシールされた容器、例えば、活性因子の量を示しているアンプルまたは子袋(sachette)中で供給される。この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩が、注入によって投与されるべき場合、これは、例えば、滅菌の薬学的等級の水または生理食塩水を含有するインフュージョンボトルで分配されてもよい。この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩が注射によって投与される場合、この成分が投与前に混合できるように、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。
【0133】
別の実施形態では、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、経皮パッチの使用を通じて経皮的に投与され得る。経皮投与は、表皮および粘膜組織を含む、体表および身体的通路の内部の内層を横切る投与を包含する。このような投与は、本発明の化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を、ローション、クリーム、泡状物、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(例えば、直腸または膣の)中で用いて行ってもよい。
【0134】
経皮投与は、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を含む経皮パッチ、およびこの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩に対して不活性であり、皮膚に対して非毒性であり、皮膚を介した血流への全身的吸収のための因子の送達を可能にするキャリアの使用を通じて達成され得る。このキャリアは、任意の多数の形態、例えば、クリームもしくは軟膏、ペースト、ゲル、または閉塞性のデバイスの形態をとってもよい。クリームまたは軟膏は、水中油型または油中水型のタイプのいずれかの粘性の液体または半固体エマルジョンであってもよい。活性成分を含むワセリン(petroleum)または親水性ワセリン(hydrophilic petroleum)に分散された吸収性の粉末から構成されるペーストもまた適切であり得る。キャリアの有無のもとでこの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を含むリザーバを覆う半透過性の膜、または活性成分を含むマトリックスのような種々の閉塞性デバイスが、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩を血流中に放出するために用いられてもよい。
【0135】
この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、従来の坐剤の形態で直腸にまたは膣に投与され得る。坐剤処方物は、坐剤の融点を変更するためのワックスの添加の有無のもとで、ココアバターおよびグリセリンを含む伝統的な物質から、形成され得る。水溶性の坐剤基剤、例えば、種々の分子量のポリエチレングリコールも用いられ得る。
【0136】
この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、当業者に公知の徐放性の手段もしくは持続放出性の手段によって、または送達デバイスによって投与され得る。このような剤形は、種々の特性の所望の放出プロフィールを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマー物質、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、マイクロ粒子、リポソーム、マイクロスフェアまたはそれらの組み合わせを用いて、1つ以上の活性成分の徐放性放出または持続性放出を提供するために用いられ得る。本明細書において記載される処方物を含む、当業者に公知の適切な徐放性または持続放出性の処方物は、本発明の活性成分との使用のための容易に選択され得る。本発明はこのように、例えば、限定はしないが、錠剤、カプセル、ジェルキャップ(gelcaps)および徐放性または持続放出性に適合されるカプレットのような、経口投与のために適切な単一の単位剤形を包含する。
【0137】
1実施形態では、徐放性または持続放出性の組成物は、最小時間で細菌の感染または疾患を処置または予防するために最小量のこの化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を含む。徐放性または持続放出の組成物の利点としては、薬物の活性の増大、投与頻度の減少、および処置されている患者によるコンプライアンスの増大が挙げられる。さらに、徐放性または持続放出される遊離組成物は、作用発現時間または他の特徴、例えば、この化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩の血液レベルに好適に影響し得、従って、有害な副作用の発現を軽減し得る。
【0138】
徐放性または持続放出性の組成物は、所望の治療効果または予防効果を適切に生じる量のこの化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を最初に放出し得、そしてこの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩の他の量を徐々にかつ連続的に放出して、長期間にわたってこのレベルの治療または予防的な効果を維持し得る。この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の身体における一定レベルを維持するために、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、代謝されてかつ身体から排出されるこの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩の量を置き換える速度でこの剤形から放出され得る。活性成分の徐放性放出または持続性放出は、限定はしないがpHの変化、温度の変化、酵素の濃度もしくは利用性、水の濃度もしくは利用性、または他の整理学的な条件もしくは化合物を含む種々の条件によって刺激され得る。
【0139】
特定の実施形態では、本発明は、この化合物のプロドラッグまたは式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩に関する。種々の形態のプロドラッグは、例えば、Bundgaard(編),Design of Prodrugs,Elsevier 1985;Widderら(編),Methods in Enzymology,第4巻,Academic Press 1985;Kgrogsgaard−Larsenら(編);「Design and Application of Prodrugs」,Textbook of Drug Design and Development,1991,第5章,113−191;Bundgaard et al.,Journal of Drug Delivery Reviews,1992,8,1−38;Bundgaard et al.,J.Pharmaceutical Sciences,1988,77,285以下参照;ならびにHiguchiおよびStella(編),Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems,American Chemical Society(1975)に考察されるように、当該分野で公知である。
【0140】
この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の量とは、細菌の感染または疾患を処置するために有効である量である。さらに、インビトロまたはインビボアッセイが、最適の投薬範囲を特定することを補助するために必要に応じて使用されてもよい。使用されるべき正確な用量はまた、投与の経路、状態、処置されている状態の重篤性、ならびに処置されるべき個体に関する種々の物理的要因に依存し得、そして医療従事者の判断に従って決定され得る。等価な投薬量は、限定はしないが、約2時間ごと、約6時間ごと、約8時間ごと、約12時間ごと、約24時間ごと、約36時間ごと、約48時間ごと、約72時間ごと、ほぼ毎週、ほぼ2週ごと、ほぼ3週ごと、ほぼ毎月、そしてほぼ2ヶ月ごとを含む種々の時間にまたがって投与され得る。治療の完了した経過に対応する投与の回数および頻度は、医療従事者の判定に従って決定される。本明細書に記載される有効な投薬量とは、投与される総量をいう;すなわち、2つ以上の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩が投与される場合に、有効な投薬量とは投与される総量に相当する。
【0141】
細菌性の感染または疾患を処置するために有効である、この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の量は代表的には、1実施形態では、1日あたり、体重1kgあたり約0.001mg/kg〜約250mg/kg、別の実施形態では、1日あたり体重1kgあたり、約1mg/kg〜約250mg/kg、1日あたり、体重1kgあたり約1mg/kg〜約50mg/kg、そして別の実施形態では、1日あたり体重1kgあたり約1mg/kg〜約20mg/kgにおよぶ。
【0142】
1実施形態では、薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒または坐剤のような単位剤形中にある。このような形態では、この組成物は、活性成分の適切な量を含む単位用量に小分割される;この単位剤形は、パッケージされた組成物、例えば、パックされた粉末、バイアル、アンプル、事前充填された(プレフィルド)シリンジまたは液体を含む子袋(sachets)であってもよい。この単位剤形は例えば、カプセルもしくは錠剤自体であってもよく、またはパッケージ型の適切な数の任意のこのような組成物であってもよい。このような単位剤形は、約1mg/kg〜約250mg/kgを含んでもよく、そして単一用量で、または2つ以上の分割用量で与えられてもよい。
【0143】
この化合物または式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩は、ヒトでの使用の前に、所望の治療活性または予防活性についてインビトロまたはインビボでアッセイされ得る。安全性および有効性を実証するために、動物モデルシステムを用いてもよい。
【0144】
治療用途
1実施形態では、本発明は、細菌性の感染または疾患を処置するための方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に対して、有効な量のセフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルを提供する工程を包含する。
【0145】
1実施形態では、本発明は、細菌性の感染または疾患を処置するための方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に対して、有効な量のβラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルを提供する工程を包含する。
【0146】
別の実施形態では、細菌性の感染または疾患を処置するための方法は、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルを同時投与する工程を包含する。例えば、式Iの化合物は、セフェピムと組み合わせて、その前に、同時に、または引き続いて提供されてもよい。
【0147】
別の実施形態では、細菌性の感染または疾患を処置するための方法は、βラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルを同時投与する工程を包含する。例えば、式Iの化合物は、βラクタム系抗生物質と組み合わせて、その前に、同時に、または引き続いて提供され得る。
【0148】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比は、約1:1〜約100:1(w/w)である。
【0149】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、βラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩の比は、約1:1〜約100:1(w/w)である。
【0150】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比は、約1:1〜約80:1;1:1〜約70:1;1:1〜約60:1;約1:1〜約50:1;1:1〜約40:1;約1:1〜約30:1;約1:1〜約20:1;約1:1〜約15:1;1:1〜約14:1;1:1〜約13:1;約1:1〜約12:1;約1:1〜約11:1;約1:1〜約10:1;約1:1〜約9:1;約1:1〜約8:1;約1:1〜約7:1;約1:1〜約6:1;約1:1〜約5:1;約1:1〜約4:1;約1:1〜約3:1;または約1:1〜約2:1(w/w)である。
【0151】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、βラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩の比は、約1:1〜約80:1;1:1〜約70:1;1:1〜約60:1;約1:1〜約50:1;1:1〜約40:1;約1:1〜約30:1;約1:1〜約20:1;約1:1〜約15:1;1:1〜約14:1;1:1〜約13:1;約1:1〜約12:1;約1:1〜約11:1;約1:1〜約10:1;約1:1〜約9:1;約1:1〜約8:1;約1:1〜約7:1;約1:1〜約6:1;約1:1〜約5:1;約1:1〜約4:1;約1:1〜約3:1;または約1:1〜約2:1(w/w)である。
【0152】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比は、約10:1(w/w)未満である。
【0153】
1実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性エステルに対する、βラクタム系抗生物質またはその薬学的に受容可能な塩の比は、約10:1(w/w)未満である。
【0154】
1実施形態では、この方法は、患者に対して経口投与する工程を包含する。
【0155】
別の実施形態では、この方法は、患者に対して静脈内投与する工程を包含する。
【0156】
1実施形態では、本発明の方法は、セフェピム耐性である細菌性の感染または疾患を処置するために有用である。
【0157】
1実施形態では、本発明の方法は、βラクタム系抗生物質耐性である細菌性の感染または疾患を処置するために有用である。
【0158】
1実施形態では、本発明の方法は、皮膚感染、皮膚構造の感染、腹内感染、糖尿病足感染、院内肺炎(nosocomial pneumonia)、院内肺炎(hospital acquired pneumonia)、または発熱性好中球減少症から選択される細菌性の感染または疾患を処置するために有用である。
【0159】
1実施形態では、本発明の方法は、腸内細菌科、非腸内細菌科のグラム陰性の桿菌、Pseudomonas aeruginosa、ブドウ球菌または連鎖球菌によって生じる細菌性の感染または疾患を処置するために有用である。
【実施例】
【0160】
実施例1:ペネムインヒビターのIC50決定
ペネムインヒビターのβラクタマーゼ阻害性活性は、Bushら[Bush,K.,Macalintal,C.,Rasmussen,B.A.,Lee,V.およびYang,Y.Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1993,37,851]によって記載されるとおり分光光度的に決定した。E.coli由来の均質に精製したクラスAのβラクタマーゼ TEM−1およびEnterobacter cloacae由来のImi−1、Bacteroides fragilis由来のクラスB酵素CcrA、およびEnterobacter cloacae由来のクラスC酵素AmpCをこのアッセイで使用した。TEM−1、Imi−1、CcrAおよびAmpCについての酵素濃度は、それぞれ、4.3、7.1、1.2および2.1nMであった。広範な範囲のインヒビター濃度は、可能なIc50値を含むように、50mMのPO、pH7.0中に調製した。酵素反応を開始するために用いられる基質は、インヒビターと同じ緩衝液中で、ニトロセフィン50μg/mlであった。最初に、酵素およびインヒビター(各々20μl)を、160μlの容積のニトロセフィンの添加の前に25℃で10分間プレインキュベートした。加水分解の最初の速度は、SoftMax Programの動態学的なプロトコールを用いるMolecular Devices Spectra Max 250を用いて495nmで5分間モニターした。Spectra Max 250からの読み取りを出力して、Microsoft Excelに移した。各々のインヒビター濃度の阻害のパーセントは、コントロールの酵素活性に基づいて算出した。酵素活性の50%減少を生じるインヒビター濃度(IC50)はグラフ的に決定した。
【0161】
【化13】

実施例2:抗菌性感受性試験
抗生物質のインビトロ活性は、National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)によって推奨されるようなマイクロブロス希釈法(microbroth dilution method)によって決定した(NCCLS.2000.Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standards:M7−A5,第19巻.National Committee for Clinical Laboratory Standards,Villanova,PA)。Mueller−Hinton IIブロス(MHBII)(BBL Cockeysville,MD)を試験手順に用いた。一定量(4μg/ml)のβラクタマーゼインヒビター(最終濃度)と組み合わせたセフェピムの2倍階段希釈の1ウェルあたり50μlを含有するマイクロタイタープレートを、50μlの接種物とともに接種して、100μl中に適切な密度(10CFU/ml)を得る。このプレートを、外気中で35℃で18〜22時間インキュベートした。全ての単離物についての最小発育阻止濃度(MIC)は、肉眼によって検出される場合、生物体の増殖を完全に阻害する最低濃度の抗菌剤として規定した。上記のこの手順によって得られたMICデータを表2に列挙する。
【0162】
【化14】

【0163】
【化15】

【0164】
【化16】

【0165】
【化17】

【0166】
【化18】

実施例3:インビボの抗菌性防御
物質:
動物:
ほぼ18〜22グラムの雌性マウス株CD−1を、Charles River Laboratoriesから受け取り、そして使用の7日前に検疫する。さらに、マウスは、特定の研究のためにはサイトキサン(シクロフォスファミド)(cytoxan)を用いて好中球減少にさせてもよい。
【0167】
感染:
マウスで感染を生じるように適合されている臨床単離物を、E.coli、K.pneumoniae、M.morganii、E.cloacae、S.marcescens、C.freundii、staphylococci、streptococci、P.aeruginosaおよびN.gonorrhoeaeの株での感染を含む実験で用いる。
【0168】
調製:動物は、NIHのガイドラインに従って、食物および水への自由なアクセスができるケージで5匹飼育する。
【0169】
実験的プロトコール:
ブロス、生理食塩水またはブタの胃粘素(hog gastricmucin)(N.gonorrhoeaeについては乾燥ウシヘモグロビンを補充)に懸濁した、予め決定した細菌接種物の0.5mlを腹腔内的に、または0.05mlを経鼻的に注射することによって、マウスをチャレンジした。細菌接種物は、特定の感染株の10〜100LD50に等しく、そして7日内の非処置コントロール動物の死亡を生じる:「マウスでの細菌毒性(Bacterial Virulence in Mice)」。抗菌用量(抗生物質の2倍階段希釈によって調製した用量濃度)を、0.2%の水性寒天またはメトセル(methocel)に溶解または懸濁して、リン酸緩衝化生理食塩水またはアジュバントを経口的に、皮下に、または静脈内に、以下の方式で投与する。
【0170】
a)経口的にまたは皮下的に:感染の1/2時間後に0.5mlの投与容積を投与した。第二の用量は、さらに毒性の生物体での感染の処置のために感染後3時間で投与してもよい。
【0171】
b)静脈内:感染の1/2時間後に0.2mlの用量容積を投与した。より毒性の生物体での感染の処置のために、より多くの用量を、48時間まで投与してもよい。(静脈内投与は、24時間の間隔にわたって3要領を超えない)。
【0172】
c)経口前処置:特別な環境下、抗生物質の胃での安定性を増大するために、胃のpHを調節する必要がある。この目的のためには、0.5mlのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.8、0.06M)(または特定の承認されたアジュバント)を、注射後1/2時間で経口的に投与して、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.8、0.06M)に含まれる0.5mlの抗生物質を5分後に投与する(これも経口)。
【0173】
動物種
インビボの有効性の決定のために必要な動物の数に関する詳細な説明は以下である:
A)新規な抗生物質は、各々3つの投与経路で1用量レベルあたり5匹のマウスで5つの異なる用量レベルで試験する(経口、皮下および静脈内)。最初に、薬物が経口吸収されるか否か、および/または最も有効な経路がどれかを決定するために、3つの投与経路を検討すべきである。これは、1抗生物質あたり3つの経路で1経路あたり25匹のマウス、または試験される新規な化合物あたり75匹のマウスを必要とする。1実験あたり1〜2個の新規な抗生物質を試験する(75〜150匹のマウス)。
【0174】
B)新規な化合物の有効性は、標準的な化合物、または公知の有効性の抗生物質の有効性と比較しなければならない。公知のまたは以前に試験した抗生物質は、単一経路の投与によって1用量レベルあたり5匹のマウスで、5つの用量レベルで、1抗生物質あたり全部で25匹のマウスについて試験する。通常は、1実験あたり3〜6の抗生物質を試験する(75〜150匹のマウス)。
【0175】
C)未処理コントロール−上記の試験の各々について、未処理の動物を1つの濃度あたり10匹のマウスで3つの異なる濃度の細菌接種物を用いて感染させる(各々のおよびあらゆる試験において全部で30匹のマウス)。これらの未処理コントロールを用いて、試験間の比較および確証のために必要な場合、10〜100LD50の間の感染レベルを決定して維持する。
【0176】
抗菌性因子の防御効果の決定:
抗菌剤(単数または複数)の防御効果は、処置された動物に比較した場合、未処理で感染された動物の生存として測定する。この決定のために、動物は、処置後7日間観察する。生存動物の個体数調査は、2週ごとおよび死亡時点ならびに瀕死の動物を取り出した時点で行う。3匹の別の試験からの7日生存率を、プロビット解析のためのコンピュータープログラムによる半有効用量(median effective dose(ED50)の評価のためにプールする(Cleeland,R.およびE.Squires.1991.Evaluation of New Antimicrobials in Vitro and in Experimental Animal Infections.In Antibiotics in Laboratory Medicine,第3版,編集Victor Lorian.Williams and Wilkins Baltimore,Maryland.pp.752〜783)。試験は、別の日に3回行って、動物の統計学的に有効な数を得て、日々の間、および試験の間に基づく試験結果の変動を最小化する。
【0177】
実施例4:(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩(化合物1)の合成
工程1:6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−カルバルデヒド:
28%のナトリウムメトキシド(5.26g)を、室温で4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イルアミンヒドロクロライド(3.27g)のエタノール(EtOH)溶液(250mL)に室温で添加した。室温で5分の撹拌後、2−ブロモ−3−プロポキシ−プロペナール(5.79g)を、この混合物に室温で添加し、次いで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で乾燥させて、その残滓をCHCl(300mL)に溶解して、トリエチルアミン(3.8mL)を添加した。その混合物を3時間加熱還流させた。その反応混合物を室温まで冷却して、50%KCOで洗浄し、無水KCOで乾燥して、濾過し、そして減圧下でエバポレートした。その残滓をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、CHCl:アセトン(2:1)で溶出し、そして6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−カルバルデヒド(41%,1.51g)を淡黄色固体として得た。
【0178】
【化19】

工程2:(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩:
6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−カルバルデヒド(1.36g)を、室温でアルゴン雰囲気下において無水MgBr(5.64g)の無水アセトニトリル溶液(155mL)に添加した。(5R,6S)−6−ブロモ−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸4−ニトロ−ベンジルエステル(3.86g)の乾燥THF溶液(155mL)を、この混合物に添加して、−20℃まで冷却し、そしてEtN(4.18mL)を1部で添加した。この反応容器をホイルでカバーして、光を遮った。その反応混合物を−20℃で6時間撹拌して、無水酢酸(1.89mL)およびDMAP(370mg)を一部で用いて処理した。この反応混合物を、0℃に温めて、0℃で14.5時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈して、1Mのクエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。その有機層を乾燥して(MgSO)濾過した。そのパッドを酢酸エチルで洗浄して、その濾液を減圧下で濃縮した。その残滓をTHF(166mL)およびアセトニトリル(77mL)に溶解した。新鮮に活性化したZnダスト(23.2g)を0.5Mのリン酸緩衝液とともに急速に添加した(pH6.5、243mL)。反応容器をホイルでカバーして、光を遮った。その反応混合物を、室温で2時間、活発に撹拌し、次いで濾過して、3℃に冷却して、1M NOHを添加してpHを8に調節した。その濾液を酢酸エチルで洗浄して、水層を分離した。1MのNaOHをその水層に添加して、再度pHを8に調節した。得られた混合物を高真空下で35℃で濃縮した。その濃縮液をDiaion HP−21(20mL,Mitsubishi Kasei Co.Ltd.)樹脂カラムクロマトグラフィーに加えた。吸着後、そのカラムをHO:MeCN(1:0〜9:1)で溶出して、(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩の精製された活性画分を得た。合わせた画分を35℃で高真空下で濃縮して、凍結乾燥して、表題の化合物を黄色の非結晶性固体として得た(681mg、24%、pH7.8)。
融点190℃(dec);
【0179】
【化20】

実施例5:(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2.1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩(化合物2)の調製
工程1:モルホリン−3−オン
モルホリン−3−オンは、米国特許第5,349,045号の方法で調製した。
【0180】
工程2:モルホリン−3−チオン
モルホリン−3−オン(4.7g)およびLawesson試薬(10.3g)を含有する無水THF(94mL)の混合物を1.5時間加熱還流させた。この反応混合物を室温に冷却して、反応溶媒を減圧下で取り除いた。その残滓をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに加えて、CHCl:メタノール(50:1)で溶出して、黄色固体を得た。ヘキサン:エチルアセテートからの粗生成物の再結晶化によって、表題の化合物(4.0g,72.2%)を黄色の粉末として得た。
【0181】
【化21】

工程3:5−メチルチオ−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン
モルホリン−3−チオン(4.7g)およびヨウ化メチル(13mL)含有無水CHClの混合物(140mL)を室温で15時間撹拌した。この反応混合物を濾過して、その固体をCHClで洗浄した。その固体を50%のKCO水溶液(150mL)で溶解して、その水層をCHCl(8×100mL)で抽出した。合わせたCHCl層を乾燥して(MgSO)濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、表題の化合物を淡黄色の油状物として得た(3.6g,67.8%)。
【0182】
【化22】

工程4:3−イミノモルホリン塩酸塩
5−メチルチオ−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン(3.6g)および塩化アンモニウム(1.5g)の混合物を含有する無水エタノール(136mL)を1時間加熱還流した。その反応混合物を室温まで冷却した。その反応溶媒を減圧下で取り出して、表題のものを淡褐色の固体として得た(3.6g,97.7%)。
【0183】
【化23】

工程5:5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルバルデヒドおよび5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−カルバルデヒド
シクロヘキサン(42mL)に含有される2−ブロモ−3−ヒドロキシプロペナール(4.1g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(52mg)および2−プロパノール(5.2mL)の混合物を、80℃を超える蒸発温度に達するまで共沸させた。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残滓を無水エタノール(50mL)中で溶解した。3−イミノモルホリン塩酸塩(3.4g)の無水エタノール(200mL)溶液およびナトリウムメトキシド(4.8g)の28%メタノール溶液の混合物を、室温で添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでその反応溶媒を減圧下で取り出した。その残滓をクロロホルム(125mL)に溶解しトリエチルアミン(3.5mL)を添加し、次いでその反応混合物を2時間加熱還流させた。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで減圧下で濃縮した。その残滓をジクロロメタン(300mL)に溶解して、50%のKCO水溶液(2×100mL)で洗浄した。その有機層を乾燥し(MgSO)、そして濾過した。その濾液を減圧下で濃縮した。その残滓をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに加えて、CHCl:アセトン(4:1)で溶出して、表題の化合物(淡いオレンジ色の固体、1.4g,36.3%)および他の位置異性体(淡いオレンジ色の固体,609mg,16.1%)を得た。
所望の生成物:
【0184】
【化24】

工程6:(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸,ナトリウム塩
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルバルデヒド(1.2g)の無水アセトニトリル(66mL)溶液を、室温で窒素雰囲気下においてMgBr(3.6g)の無水アセトニトリル溶液(66mL)に添加し、次いで、その混合物を10分間撹拌させた。p−ニトロベンジル(5R,6S)−6−ブロモペネム−3−カルボキシレート(3.4g)の無水THF(132mL)溶液を添加して、その混合物を−20℃に冷却し、次いで、トリエチルアミン(2.8mL)を一部で添加した。その反応容器をホイルで覆って、光を遮断した。その反応混合物を−20℃で4時間撹拌して、4−ジメチルアミノピリジン(100mg)および無水酢酸(1.5mL)を一部で用いて処理した。その反応混合物を0℃まで温めて、0℃で18時間撹拌した。10%クエン酸水溶液(1L)を反応混合物に添加して、その水相を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。その合わせた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄して、乾燥して(MgSO)、濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、粗(5R)−6−[アセトキシ−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)メチル]−6−ブロモ−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸p−ニトロベンジルエステルを、褐色の非結晶性固体として得た。
【0185】
新鮮に活性化されたZnダスト(14g)を、急速に0.5mol/Lのリン酸緩衝液(pH6.5、72mL)とともに、(5R)−6−[アセトキシ−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)メチル]−6−ブロモ−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸p−ニトロベンジルエステルのTHF(72mL)溶液に添加した。その反応容器をホイルで覆って、光を遮った。その反応混合物を室温で2.5時間徹底的に撹拌した。その反応溶液を、Celiteのパッドを通して濾過し、そしてそのパッドを水(170mL)およびn−ブタノール(170mL)で洗浄した。水層を分離し、次いで有機層を0.5mol/Lのリン酸緩衝液(pH6.5、2×50mL)を用いて抽出した。その合わせた水層を90gに濃縮して、1mol/LのNaOHを添加してpHを7.5に調節し、そしてDiaion HP−21樹脂(120mL,Mitsubishi Kasei Co.Ltd.)カラムクロマトグラフィーに加えた。吸着後、そのカラムを、水を用いて、次いで5%のアセトニトリル水溶液を用いて抽出した。この合わせた活性画分を35℃で高真空下で濃縮して、凍結乾燥し、表題の化合物を黄色の非結晶性固体として得た(756mg、29.1%)。Mp 130℃(dec);
【0186】
【化25】

本発明の特定の実施形態を例示しかつ記載してきたが、種々の他の変化および改変が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得るということが当業者には明白である。従って、本発明の範囲内であるこのような変化および改変の全てが、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌性感染または疾患を処置するための方法であって、その必要がある患者に対して、有効な量のセフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、および式Iの化合物
【化1】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステル
を投与する工程を包含し、
ここで:
AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;
XがSまたはOであり;
が水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、またはCHROCOC−Cアルキルであり;かつ
が水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、または必要に応じて置換されるヘテロアリールである、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記二環式ヘテロアリール基が、式2−Aまたは2−B:
【化2】

を有する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、式Iの化合物が、(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩;または(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩である、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを同時投与する工程を包含する、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、前記式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルに対する前記セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比が約1:1w/w〜約100:1w/wである、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルに対する前記セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比が約10:1w/wである、方法。
【請求項7】
患者に対して経口投与する工程を包含する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
患者に対して静脈内投与する工程を包含する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
薬学的に受容可能なキャリア、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、および式Iの化合物
【化3】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルを含む組成物であって、
ここで:
AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;かつ
X、RおよびRが請求項1に記載されたとおりである、組成物。
【請求項10】
前記二環式ヘテロアリール基が、請求項2に上記されるとおり、式2−Aまたは2−Bを有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項9に記載の組成物であって、式Iの化合物が、(5R),(6Z)−6−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩;または(5R),(6Z)−6−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イルメチレン)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、ナトリウム塩である、組成物。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルに対する前記セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比が約1:1w/w〜約100:1w/wである、組成物。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の組成物であって、前記式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルに対する前記セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩の比が約10:1w/wである、組成物。
【請求項14】
薬学的に受容可能なキャリアと、セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩と、式Iの化合物
【化4】

であって、AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;かつ
X、R、Rが請求項1について上記されたとおりである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルと、
説明書であって、細菌性の感染または疾患を処置するための説明を含む説明書と、を備えるパッケージ。
【請求項15】
セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩と、式Iの化合物
【化5】

であって、AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;かつ
X、R、Rが請求項1について上記されたとおりである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルとを;細菌性の感染または疾患を処置するために、別の、同時のまたは連続的な投与のための併用調製物として含む、生成物。
【請求項16】
セフェピムまたはその薬学的に受容可能な塩、ならびに式Iの化合物
【化6】

であって、AおよびBのうちの一方が水素を意味し、そしてAおよびBのうちのもう一方が必要に応じて置換される縮合二環式ヘテロアリール基を意味し;かつ
X、R、Rが請求項1について上記されたとおりである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボ加水分解性のエステルの、細菌性の感染または疾患を処置するための医薬の調製における、使用。

【公表番号】特表2009−502934(P2009−502934A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524089(P2008−524089)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/028948
【国際公開番号】WO2007/016134
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】