二画面表示装置およびその方法
【課題】 順位の決まっていないような図形であっても、これに対応する文字ウインドウにおけるブロックの位置を連動させる。
【解決手段】 CPU23は、y座標が半分以上重複するか否か判断し(ステップS21)、y座標が半分以上重複すれば、左側に位置するブロックを上位に判断する(ステップS24)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更するとともに、文字列記憶部26mtの順位を入れ替える(ステップS27)。これにより、テキストウインドウにおける対応ブロックの位置が移動される。
【解決手段】 CPU23は、y座標が半分以上重複するか否か判断し(ステップS21)、y座標が半分以上重複すれば、左側に位置するブロックを上位に判断する(ステップS24)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更するとともに、文字列記憶部26mtの順位を入れ替える(ステップS27)。これにより、テキストウインドウにおける対応ブロックの位置が移動される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文字入力表示領域と図形表示領域を表示する二画面表示装置に関し、特に両者の連動移動処理に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、定型的な作図処理を簡単に作成できる作図処理機能が開示されている。ユーザは、予め記憶されている図形オブジェクトのタイプおよびスタイルを選択する。次に文字領域にキーワードを入力すると、図形オブジェクト内に対応する文字列が表示される。
【0003】
【特許文献1】特開2005-165450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術には、以下のような問題があった。
【0005】
上記の手法では、あらかじめ図形オブジェクトを選択してから、各キーワードを入力する必要がある。このため、適当に思いつくまま文字列を入力して、ある程度整理がされたあとで、図形オブジェクトを選択し、記述するというように、人間の思考パターンに合致させた入力ができなかった。
【0006】
また、特許文献1には、登録されたパターンについては図形オブジェクトの位置を順序を入れ替えると、これに合わせて文字領域の対応ブロック文字列も入れ替えることができるとの開示がある(段落番号0031参照)。したがって、ユーザは、図形内の文字列を直接編集することもできるし、図形内の文字列を参照することなく、文字領域だけを見て、ブロックごとの文字列を編集することができる。
【0007】
しかし、複数の図形オブジェクトを任意に配置したような場合に、各図形オブジェクトの順位がそもそも不明な場合には、そのような対応ができない。
【0008】
この発明は、上記問題を解決し、文字および図形の入力について柔軟な入力が可能であるとともに、柔軟な入力をした場合でも、図形内の文字列と文字領域内の文字列の対応を明確にできる文字列表示装置またはその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1)本発明にかかる二画面表示装置は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する文字列データ記憶手段、B)前記文字列データ記憶手段に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する図形配置情報記憶手段、C)前記文字列データ記憶手段および前記図形配置情報記憶手段に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う表示制御手段、D)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与えるととともに、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更する図形配置位置変更手段、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、順位が逆転した場合には、前記文字列記憶手段における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与える文字列位置変動手段を備えている。
【0010】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0011】
2)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合のみ、前記重複関係配置されているか否か判断する。したがって、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合に、前記文字列位置変動がなされる。
【0012】
3)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複する場合にのみ、前記重複関係配置されているか否か判断する。したがって、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合に、前記文字列位置変動がなされる。
【0013】
4)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、重複関係配置されており、かつ、上辺が重なる場合には、左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0014】
5)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、さらに、左辺も重なる場合には、下辺が上に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺および左辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0015】
6)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、さらに、下辺も重なる場合には、右辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺、左辺および下辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0016】
7)本発明にかかる二画面表示方法は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに文字列データ記憶手段に記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を図形配置情報記憶手段に記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更し、D)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0017】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0018】
8)本発明にかかる二画面表示方法は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、D)変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0019】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0020】
9)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムは、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、以下の処理をコンピュータに実行させる。A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、D)変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0021】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0022】
10)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記複数の図形オブジェクトは1のグループとして登録可能であり、登録された図形オブジェクトは、1の図形オブジェクトとして、文字入力表示領域におけるブロックの位置の決定および位置変更が行われる。したがって、1のグループとして前記文字入力表示領域にて取り扱われる。
【0023】
11)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムにおいては、前記図形表示領域は、x方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される水平分割可能に設定されており、前記2つのグループに分割された場合には、左側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、右側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置する。したがって、見開き状態で前記図形表示領域に複数のブロックを配置した場合には、ユーザの意図に沿った並びで各ブロック内の文字入力表示領域に表示させることができる。
【0024】
本件明細書において、「重複関係配置」とは、一方の辺と対応する他方の辺が重複する場合はもちろん、これに直交する方向には離れているが、平行移動させると、重複する場合も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
1.全体構成の概略
図1に、本件発明にかかる二画面表示装置1の全体システム構成の概略を示す。二画面表示装置1は、xy座標にて領域が定義される画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、文字列データ記憶手段3、図形配置情報記憶手段4、表示制御手段9、図形配置位置変更手段5、判断手段6、文字列位置変動手段7を備えている。
【0026】
文字列データ記憶手段3は、前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する。図形配置情報記憶手段4は、文字列データ記憶手段3に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する。表示制御手段9は、文字列データ記憶手段3および図形配置情報記憶手段4に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う。図形配置位置変更手段5は、配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を表示制御手段9に与えるととともに、図形配置情報記憶手段4に記憶された配置位置情報を変更する。
【0027】
文字列位置変動手段7は、前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字列記憶手段3における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を表示制御手段9に与える。
【0028】
また、判断手段6は、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する。
【0029】
これにより、順位が定まっていない場合でも図形オブジェクトを移動させた場合、前記文字入力表示領域におけるブロックも併せて変動することができる。
【0030】
2.ハードウェア構成
図1に示す二画面表示装置1のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。図2は、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0031】
二画面表示装置1は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、マウス28、キーボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0032】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26m、文字列記憶部26mt、図形記憶部26mdが記憶される。メインプログラム26mは二画面表示制御を行うとともに、後述するように、順位決定処理をおこなう。
【0033】
文字列記憶部26mtおよび図形記憶部26mdのデータ構造について、図3、図4を用いて説明する。文字列記憶部26mtは、頁毎に、1又は2以上のブロックデータが記憶されている。各ブロックデータは、対応する図形番号、文字付き図形の種類、およびテキストデータで構成される。図形記憶部26mdは、図4に示すように、インデックスデータ36および各図形データから構成されている。各図形データは、図形としてのデータを記憶している領域であり、図形、文字枠、およびイメージデータで構成されている。
【0034】
なお、文字列記憶部26mtのテキストデータは、図形記憶部26mdの文字枠のデータのうち、飾り情報などのないテキストデータのみが記憶されたものである。かかる連動処理については従来と同様であるので説明は省略する。
【0035】
インデックスデータ36は、総インデックスデータ37および図面インデックスデータ38から構成されている。図面インデックスデータ38は、各図形毎に、先頭からのオフセット、図形の種類および図形領域が記憶されている。総インデックスデータ37は、図形データの先頭アドレスおよび図形数が記憶される。CPU23は、図形番号がわかれば、図面インデックスデータ38から、その図形番号の図形について、先頭からのオフセット、図形の種類および図形領域を読み出す。また、総インデックスデータ37から図形データの先頭アドレスを読み出し、先頭からのオフセットを加算することにより、指定された図形データの実アドレスがわかる。したがって、これを読み出すことにより、各図形データを図形ウインドウに表示することができる。
【0036】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、WindowsXP(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0037】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD−ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0038】
本実施形態においては、プログラムをCD−ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD−ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD−ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0039】
3.二画面表示処理
以下、メインプログラム26mによる処理について説明する。
【0040】
まず、文字列の入力について説明する。テキストウインドウがマウスで選択され、キーボードから文字列が与えられると、CPU23は、文字列記憶部26mtに入力された文字列を記憶するとともに、テキストウインドウに表示する。CPU23は、ブロック区切り命令が与えられるか否か判断しており、ブロック区切り命令が与えられると、それまで入力された文字列を1のブロックとして文字列記憶部26mtに記憶する。本実施形態においては、CTRLキーを押しつつエンターキーが押下された場合には、ブロックの区切り命令が与えられたと判断するようにした。
【0041】
このように、ユーザから文字列が入力され、ブロック区切り命令が与えられると、入力されたブロックごとに図形ウインドウにこれが表示される。各ブロックについては、図形領域に表示される初期形状が定められている。本実施形態においては、初期形状として矩形とした。また、各図形距離は距離kだけ離れるように配置するようにした。これにより、図5に示すようなブロック61〜65がテキストウインドウ60に入力された場合には、図形ウインドウ70には、ブロック71〜75が表示される。また、図形記憶部26mdにかかる図形を表示するためのデータが追加される。図形番号は例えば作成順に付与するようにすればよい。
【0042】
つぎに、図形ウインドウ70に表示されたブロックの属性を変更する場合について説明する。例えば、ブロック73について形状を長円にする場合には、ユーザは、ブロック73をマウス28(図2参照)で右クリックし、メニューにて「形状変更長円」を選択する(図示せず)。これにより、CPU23は、図形記憶部26mdの該当ブロックにおける図形データの「図形の種類」を「矩形」から「長円」に変更する。また、文字列記憶部26mtの文字付き図形の種類を「矩形」から「長円」に変更する。これにより、図6に示すように、ブロック73の形状が変更される。同様にして、ブロック74,75の形状も変更される。
【0043】
つぎに、マウス28で選択したブロック72を、ブロック71の真下から右上に位置するようにドラッグアンドドロップした場合の処理について図8を用いて説明する。
【0044】
CPU23は、移動させたブロック72と隣接するブロック71について、両者が少なくとも一部重複するか否か判断する(ステップS1)。かかる判断は、ブロック72およびブロック71の領域を、図形記憶部26mdから取得し、これが重複しているか否かで判断すればよい。この場合、図7に示すように、ブロック71の領域が座標P1(x1,y1),p2(x2,y2)で、ブロック72の領域が座標P3(x3,y3),p4(x4,y4)であるとすると、これらで定義される領域が重複していないで判断することができる。
【0045】
この場合、領域は重複していないので、CPU23は、y座標が半分以上重複するか否か判断する(図8ステップS21)。y座標が半分以上重複するとは、2つのブロックが重複していない場合でも、y座標で比較した場合に、重複するのが半分以上であれば該当する。たとえば、図7に示す点P1のy座標「y1」と、点p4のy座標「y4」の差分が、点P1のy座標「y1」と点p2のy座標「y2」の差分または、点P3のy座標「y3」と点p4のy座標「y4」の差分のいずれかよりも大きいかで判断すればよい。
【0046】
y座標が半分以上重複すれば、CPU23は、左側に位置するブロックを上位に判断する(図8ステップS24)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更するとともに、文字列記憶部26mtの順位を入れ替える(ステップS27)。これにより、図7のテキストウインドウ60に示すように、ブロック62がブロック61の上に位置するよう変動する。
【0047】
一方、図9に示すようにブロック72が座標P5(x5,y5),p4(x6,y6)で定義される領域に配置された場合、y座標が半分以上重複しないように位置変更されたこととなるので、図8ステップS1からステップS21に進み、上側に位置するブロックを上位に判断する(図8ステップS23)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更する(ステップS27)。この場合、図9のテキストウインドウ60に示すように、ブロック61がブロック62の上に位置するように位置を変更する。
【0048】
このように、図形ウインドウにて、あるブロックの位置を移動させると、隣接するブロックのy座標との重複関係に応じて、テキストウインドウ60におけるブロックの位置関係も連動して表示される。
【0049】
本実施形態においては、y座標との重複関係によって、文字入力ウインドウのテキストデータも、対応するように入れ替わるようにしている。したがって、隣接するブロックをy方向に大体そろえて移動させれば、左側が上位と表示されることとなる。したがって、操作者の意図に沿った順位でテキスト60に表示がなされる。
【0050】
つぎに、図形ウインドウにて移動させたブロックが、他のブロックと一部重複するような配置になった場合の処理について図8を用いて説明する。例えば、図10Aのように、いずれの辺が一致しないように重複している場合には、ステップS1からステップS3に進み、上辺が上に位置するブロックを上位とし(ステップS5)、文字ウインドウ60の配置を変動する(ステップS27)。また、図10Bに示すように、上辺だけが一致する場合、ステップS3からステップS7に進み、左辺が左に位置するブロックを上位とする(ステップS9)。また、図10Cに示すように、上辺および左辺だけが一致する場合、ステップS3からステップS7、ステップS11に進み、下辺が上に位置するブロックを上位とする(ステップS13)。また、図10Dに示すように、上辺、左辺および下辺が一致する場合、ステップS3からステップS7、ステップS11、ステップS15に進み、右辺が左に位置するブロックを上位とする(ステップS17)。また、全ての辺が重なる場合には、ステップS3からステップS7、ステップS11、ステップS15に進み、図面番号が若い方を上位とする(ステップS19)。そして、ステップS27の処理をおこなう。
【0051】
このように、一部の領域が重複する場合も、順位を定めることができる。
【0052】
4.他の実施形態
図9における図形ウインドウ70のようにブロック73〜75については形状が矩形ではない。このような場合でも、領域データとしては矩形で記憶しておくことにより、図8のフローチャートで順位を決定し、位置変更をするようにすればよい。
【0053】
本実施形態においては、y座標で定義される辺の長さが短いブロックにおける半分以上である場合としたが、辺の長さが長いブロックとだけ比較するようにしてもよい。
【0054】
本実施形態においてはブロック定義命令が与えられると、文字ウインドウ60に入力された文字列を、図形ウインドウ70に対応するブロックとして表示するようにしたが、文字ウインドウ60に入力しているときに、順次図形ウインドウ70に表示するようにしてもよい。
【0055】
また、初期設定として、配置する場合には、上位のブロックに対して、y方向に所定距離離れた位置に配置するようにしたが、これに限定されるものではない。たとえば、テキストウインドウにはブロックをy方向に配置し、図形ウインドウには、x方向に配置するようにしてもよい。かかる判断は、ユーザが設定できるようにしてもよいし、図形ウインドウの縦横比を変えられるようにしておき、たとえば縦よりも横の方が長い場合は、上記配置方向を決定するようにしてもよい。
【0056】
このようにしてテキスト領域に、使用者の思いつくまま、文字列を入力することにより、テキストデータをブロック単位で入力してから、ブロック単位で位置変更、属性変更などが可能である。また、位置変更に伴い、テキストウインドウ60の順位が変動し、図形ウインドウ70との対応付けの把握が容易となる。
【0057】
上記実施形態においては、横書きの場合について説明したが、縦書きの場合も同様にして、順位を決定することができる。縦書きの場合には、以下のようなルールを定めればよい。
【0058】
1)隣接するブロックの少なくとも一部が重なる場合:
(1)いずれの辺も重ならない場合には、右辺が右側のブロックが上位
(2)右辺のみが重なる場合には、上辺が上側のブロックが上位
(3)右辺および上辺のみが重なる場合には、左辺が右側のブロックが上位
(4)右辺、上辺および左辺のみが重なる場合には、下辺が上側のブロックが上位
(5)全ての辺が重なる場合には、図面番号の若いブロックが上位
2)隣接するブロックが重ならない場合:
(1)x座標が半分以上重複する場合には、上側のブロックが上位
(2)x座標が半分以上重複しない場合には、右側のブロックが上位
なお、上記規則では以下のような場合には、ユーザの意図とは異なるようにテキスト領域60にブロックごとのテキストが表示される場合がある。例えば、図11Aに示すように、時間割を図形ウインドウ70に記載した場合、テキストウインドウ60には、該当部分として、図11Bに示すように表示される。そこで、このような場合には複数のブロックをグループ指定できるようにし、グループ毎に図8に示す順位を決定し、各グループ毎にテキストウインドウ60に表示すればよい。図11Aに示す時間割を、図12Aに示すように、グループG1〜G5にグループ化すると、図11Bに示すように表示される。これにより、操作者の意図に沿った表示が可能となる。
【0059】
なお、グループとしての登録は、例えば、複数の図形オブジェクトを選択したあと、画面上に配置されているグループ化ボタン(図示せず)を選択させるようにすればよい。これにより、指定された図形オブジェクトはグループ化されて記憶され、1の図形オブジェクトとして取り扱うことができる。なお、グループ化されたオブジェクトについては、これらを全て含む領域が、当該グループ化された図形オブジェクトの領域であるとして、取り扱うようにすればよい。
【0060】
また、図13に示すように、図形ウインドウ70にユーザが見開き状態にてブロックを配置したい場合もある。この場合、各ブロックの並びは、上記原則に従うと、図14Aに示すような並び方で、テキストウインドウ60に表示されることとなる。理由は以下の通りである。ブロック71とブロック72は、Y方向が半分以上重なっているため、左側に位置するブロック71が上位で、ブロック72が下位となる。ブロック72とブロック73を比較すると、Y方向が半分以上重なっていないため、上側に位置するブロック72が上位で、ブロック73が下位となる。以下同様にして、ブロック71,ブロック72、ブロック73,ブロック74、ブロック75,ブロック76の順でテキストウインドウ60に表示される。
【0061】
本実施形態においてはこのような見開きであることを指定できるようにした。かかる指定がなされると、CPU23はこれをメモリに記憶する。また、CPU23は、中央に分割線があると判断して、ブロック71,73,75がブロック81に、ブロック72,74,76がブロック82にグループ化されていると判断して、順位を決定する。この場合、ブロック81とブロック82は、Y方向が半分以上重なっているため、左側に位置するブロック81が上位で、ブロック82が下位となる。また、ブロック81の中では、ブロック71,73,75の順位となる。また、ブロック82の中では、ブロック72,74,76の順位となる。従って、図14Bに示すような順位でテキストウインドウ60に表示される。
【0062】
なお、図13では横書きの見開きについて説明したが、縦書きの場合も同様の処理が可能である。具体的には、縦書きの場合は横分割(y方向のほぼ中央にて2つのグループに分割)として判断するようにすればよい。
【0063】
すなわち、前記図形表示領域は、y方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される垂直分割可能に設定されており、前記2つのグループに分割された場合には、上側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、下側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置するようにすればよい。このように、縦書きの場合も横書きの場合も、グループごとに順位を設定できるようにすることにより、順位の高いグループに並べた上、さらにグループ内のブロックをその順位にて文字入力表示領域に表示することができる。
【0064】
上記実施形態においては、各機能を実現する為に、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部若しくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【0065】
なお、上記プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明にかかる二画面表示装置1の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す二画面表示装置1のハードウェア構成の一例である。
【図3】文字列記憶部26mtのデータ構造を示す。
【図4】図形記憶部26mdのデータ構造を示す。
【図5】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図6】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図7】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図8】順位決定移動処理のフローチャートである。
【図9】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図10】ブロックの領域が重複する場合のルールを説明するための図である。
【図11】グループ処理をした場合の処理を説明するための図である。
【図12】グループ処理をした場合のテキストウインドウ60の表示順序を示す図である。
【図13】見開きの場合の処理を説明するための図である。
【図14】見開きの場合のテキストウインドウ60の表示順序を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1・・・・二画面表示装置
23・・・CPU
27・・・メモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、文字入力表示領域と図形表示領域を表示する二画面表示装置に関し、特に両者の連動移動処理に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、定型的な作図処理を簡単に作成できる作図処理機能が開示されている。ユーザは、予め記憶されている図形オブジェクトのタイプおよびスタイルを選択する。次に文字領域にキーワードを入力すると、図形オブジェクト内に対応する文字列が表示される。
【0003】
【特許文献1】特開2005-165450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術には、以下のような問題があった。
【0005】
上記の手法では、あらかじめ図形オブジェクトを選択してから、各キーワードを入力する必要がある。このため、適当に思いつくまま文字列を入力して、ある程度整理がされたあとで、図形オブジェクトを選択し、記述するというように、人間の思考パターンに合致させた入力ができなかった。
【0006】
また、特許文献1には、登録されたパターンについては図形オブジェクトの位置を順序を入れ替えると、これに合わせて文字領域の対応ブロック文字列も入れ替えることができるとの開示がある(段落番号0031参照)。したがって、ユーザは、図形内の文字列を直接編集することもできるし、図形内の文字列を参照することなく、文字領域だけを見て、ブロックごとの文字列を編集することができる。
【0007】
しかし、複数の図形オブジェクトを任意に配置したような場合に、各図形オブジェクトの順位がそもそも不明な場合には、そのような対応ができない。
【0008】
この発明は、上記問題を解決し、文字および図形の入力について柔軟な入力が可能であるとともに、柔軟な入力をした場合でも、図形内の文字列と文字領域内の文字列の対応を明確にできる文字列表示装置またはその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1)本発明にかかる二画面表示装置は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する文字列データ記憶手段、B)前記文字列データ記憶手段に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する図形配置情報記憶手段、C)前記文字列データ記憶手段および前記図形配置情報記憶手段に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う表示制御手段、D)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与えるととともに、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更する図形配置位置変更手段、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、順位が逆転した場合には、前記文字列記憶手段における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与える文字列位置変動手段を備えている。
【0010】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0011】
2)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合のみ、前記重複関係配置されているか否か判断する。したがって、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合に、前記文字列位置変動がなされる。
【0012】
3)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複する場合にのみ、前記重複関係配置されているか否か判断する。したがって、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合に、前記文字列位置変動がなされる。
【0013】
4)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、重複関係配置されており、かつ、上辺が重なる場合には、左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0014】
5)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、さらに、左辺も重なる場合には、下辺が上に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺および左辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0015】
6)本発明にかかる二画面表示装置においては、前記文字列位置変動手段は、さらに、下辺も重なる場合には、右辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。したがって、上辺、左辺および下辺が重なる場合も順位を決定することができる。
【0016】
7)本発明にかかる二画面表示方法は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに文字列データ記憶手段に記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を図形配置情報記憶手段に記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更し、D)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0017】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0018】
8)本発明にかかる二画面表示方法は、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、D)変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0019】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0020】
9)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムは、画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、以下の処理をコンピュータに実行させる。A)前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、B)前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、C)配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、D)変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、E)前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する。
【0021】
したがって、ブロックの順位が決定していない場合でも、図形オブジェクトの図形配置に応じて、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更することができる。
【0022】
10)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記複数の図形オブジェクトは1のグループとして登録可能であり、登録された図形オブジェクトは、1の図形オブジェクトとして、文字入力表示領域におけるブロックの位置の決定および位置変更が行われる。したがって、1のグループとして前記文字入力表示領域にて取り扱われる。
【0023】
11)本発明にかかるコンピュータ読み取り可能なプログラムにおいては、前記図形表示領域は、x方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される水平分割可能に設定されており、前記2つのグループに分割された場合には、左側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、右側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置する。したがって、見開き状態で前記図形表示領域に複数のブロックを配置した場合には、ユーザの意図に沿った並びで各ブロック内の文字入力表示領域に表示させることができる。
【0024】
本件明細書において、「重複関係配置」とは、一方の辺と対応する他方の辺が重複する場合はもちろん、これに直交する方向には離れているが、平行移動させると、重複する場合も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
1.全体構成の概略
図1に、本件発明にかかる二画面表示装置1の全体システム構成の概略を示す。二画面表示装置1は、xy座標にて領域が定義される画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、文字列データ記憶手段3、図形配置情報記憶手段4、表示制御手段9、図形配置位置変更手段5、判断手段6、文字列位置変動手段7を備えている。
【0026】
文字列データ記憶手段3は、前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する。図形配置情報記憶手段4は、文字列データ記憶手段3に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する。表示制御手段9は、文字列データ記憶手段3および図形配置情報記憶手段4に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う。図形配置位置変更手段5は、配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を表示制御手段9に与えるととともに、図形配置情報記憶手段4に記憶された配置位置情報を変更する。
【0027】
文字列位置変動手段7は、前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字列記憶手段3における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を表示制御手段9に与える。
【0028】
また、判断手段6は、前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する。
【0029】
これにより、順位が定まっていない場合でも図形オブジェクトを移動させた場合、前記文字入力表示領域におけるブロックも併せて変動することができる。
【0030】
2.ハードウェア構成
図1に示す二画面表示装置1のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。図2は、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0031】
二画面表示装置1は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、マウス28、キーボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0032】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26m、文字列記憶部26mt、図形記憶部26mdが記憶される。メインプログラム26mは二画面表示制御を行うとともに、後述するように、順位決定処理をおこなう。
【0033】
文字列記憶部26mtおよび図形記憶部26mdのデータ構造について、図3、図4を用いて説明する。文字列記憶部26mtは、頁毎に、1又は2以上のブロックデータが記憶されている。各ブロックデータは、対応する図形番号、文字付き図形の種類、およびテキストデータで構成される。図形記憶部26mdは、図4に示すように、インデックスデータ36および各図形データから構成されている。各図形データは、図形としてのデータを記憶している領域であり、図形、文字枠、およびイメージデータで構成されている。
【0034】
なお、文字列記憶部26mtのテキストデータは、図形記憶部26mdの文字枠のデータのうち、飾り情報などのないテキストデータのみが記憶されたものである。かかる連動処理については従来と同様であるので説明は省略する。
【0035】
インデックスデータ36は、総インデックスデータ37および図面インデックスデータ38から構成されている。図面インデックスデータ38は、各図形毎に、先頭からのオフセット、図形の種類および図形領域が記憶されている。総インデックスデータ37は、図形データの先頭アドレスおよび図形数が記憶される。CPU23は、図形番号がわかれば、図面インデックスデータ38から、その図形番号の図形について、先頭からのオフセット、図形の種類および図形領域を読み出す。また、総インデックスデータ37から図形データの先頭アドレスを読み出し、先頭からのオフセットを加算することにより、指定された図形データの実アドレスがわかる。したがって、これを読み出すことにより、各図形データを図形ウインドウに表示することができる。
【0036】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、WindowsXP(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0037】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD−ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0038】
本実施形態においては、プログラムをCD−ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD−ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD−ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0039】
3.二画面表示処理
以下、メインプログラム26mによる処理について説明する。
【0040】
まず、文字列の入力について説明する。テキストウインドウがマウスで選択され、キーボードから文字列が与えられると、CPU23は、文字列記憶部26mtに入力された文字列を記憶するとともに、テキストウインドウに表示する。CPU23は、ブロック区切り命令が与えられるか否か判断しており、ブロック区切り命令が与えられると、それまで入力された文字列を1のブロックとして文字列記憶部26mtに記憶する。本実施形態においては、CTRLキーを押しつつエンターキーが押下された場合には、ブロックの区切り命令が与えられたと判断するようにした。
【0041】
このように、ユーザから文字列が入力され、ブロック区切り命令が与えられると、入力されたブロックごとに図形ウインドウにこれが表示される。各ブロックについては、図形領域に表示される初期形状が定められている。本実施形態においては、初期形状として矩形とした。また、各図形距離は距離kだけ離れるように配置するようにした。これにより、図5に示すようなブロック61〜65がテキストウインドウ60に入力された場合には、図形ウインドウ70には、ブロック71〜75が表示される。また、図形記憶部26mdにかかる図形を表示するためのデータが追加される。図形番号は例えば作成順に付与するようにすればよい。
【0042】
つぎに、図形ウインドウ70に表示されたブロックの属性を変更する場合について説明する。例えば、ブロック73について形状を長円にする場合には、ユーザは、ブロック73をマウス28(図2参照)で右クリックし、メニューにて「形状変更長円」を選択する(図示せず)。これにより、CPU23は、図形記憶部26mdの該当ブロックにおける図形データの「図形の種類」を「矩形」から「長円」に変更する。また、文字列記憶部26mtの文字付き図形の種類を「矩形」から「長円」に変更する。これにより、図6に示すように、ブロック73の形状が変更される。同様にして、ブロック74,75の形状も変更される。
【0043】
つぎに、マウス28で選択したブロック72を、ブロック71の真下から右上に位置するようにドラッグアンドドロップした場合の処理について図8を用いて説明する。
【0044】
CPU23は、移動させたブロック72と隣接するブロック71について、両者が少なくとも一部重複するか否か判断する(ステップS1)。かかる判断は、ブロック72およびブロック71の領域を、図形記憶部26mdから取得し、これが重複しているか否かで判断すればよい。この場合、図7に示すように、ブロック71の領域が座標P1(x1,y1),p2(x2,y2)で、ブロック72の領域が座標P3(x3,y3),p4(x4,y4)であるとすると、これらで定義される領域が重複していないで判断することができる。
【0045】
この場合、領域は重複していないので、CPU23は、y座標が半分以上重複するか否か判断する(図8ステップS21)。y座標が半分以上重複するとは、2つのブロックが重複していない場合でも、y座標で比較した場合に、重複するのが半分以上であれば該当する。たとえば、図7に示す点P1のy座標「y1」と、点p4のy座標「y4」の差分が、点P1のy座標「y1」と点p2のy座標「y2」の差分または、点P3のy座標「y3」と点p4のy座標「y4」の差分のいずれかよりも大きいかで判断すればよい。
【0046】
y座標が半分以上重複すれば、CPU23は、左側に位置するブロックを上位に判断する(図8ステップS24)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更するとともに、文字列記憶部26mtの順位を入れ替える(ステップS27)。これにより、図7のテキストウインドウ60に示すように、ブロック62がブロック61の上に位置するよう変動する。
【0047】
一方、図9に示すようにブロック72が座標P5(x5,y5),p4(x6,y6)で定義される領域に配置された場合、y座標が半分以上重複しないように位置変更されたこととなるので、図8ステップS1からステップS21に進み、上側に位置するブロックを上位に判断する(図8ステップS23)。CPU23は、決定した順位に基づき、テキストウインドウにおける当該ブロックの位置を変更する(ステップS27)。この場合、図9のテキストウインドウ60に示すように、ブロック61がブロック62の上に位置するように位置を変更する。
【0048】
このように、図形ウインドウにて、あるブロックの位置を移動させると、隣接するブロックのy座標との重複関係に応じて、テキストウインドウ60におけるブロックの位置関係も連動して表示される。
【0049】
本実施形態においては、y座標との重複関係によって、文字入力ウインドウのテキストデータも、対応するように入れ替わるようにしている。したがって、隣接するブロックをy方向に大体そろえて移動させれば、左側が上位と表示されることとなる。したがって、操作者の意図に沿った順位でテキスト60に表示がなされる。
【0050】
つぎに、図形ウインドウにて移動させたブロックが、他のブロックと一部重複するような配置になった場合の処理について図8を用いて説明する。例えば、図10Aのように、いずれの辺が一致しないように重複している場合には、ステップS1からステップS3に進み、上辺が上に位置するブロックを上位とし(ステップS5)、文字ウインドウ60の配置を変動する(ステップS27)。また、図10Bに示すように、上辺だけが一致する場合、ステップS3からステップS7に進み、左辺が左に位置するブロックを上位とする(ステップS9)。また、図10Cに示すように、上辺および左辺だけが一致する場合、ステップS3からステップS7、ステップS11に進み、下辺が上に位置するブロックを上位とする(ステップS13)。また、図10Dに示すように、上辺、左辺および下辺が一致する場合、ステップS3からステップS7、ステップS11、ステップS15に進み、右辺が左に位置するブロックを上位とする(ステップS17)。また、全ての辺が重なる場合には、ステップS3からステップS7、ステップS11、ステップS15に進み、図面番号が若い方を上位とする(ステップS19)。そして、ステップS27の処理をおこなう。
【0051】
このように、一部の領域が重複する場合も、順位を定めることができる。
【0052】
4.他の実施形態
図9における図形ウインドウ70のようにブロック73〜75については形状が矩形ではない。このような場合でも、領域データとしては矩形で記憶しておくことにより、図8のフローチャートで順位を決定し、位置変更をするようにすればよい。
【0053】
本実施形態においては、y座標で定義される辺の長さが短いブロックにおける半分以上である場合としたが、辺の長さが長いブロックとだけ比較するようにしてもよい。
【0054】
本実施形態においてはブロック定義命令が与えられると、文字ウインドウ60に入力された文字列を、図形ウインドウ70に対応するブロックとして表示するようにしたが、文字ウインドウ60に入力しているときに、順次図形ウインドウ70に表示するようにしてもよい。
【0055】
また、初期設定として、配置する場合には、上位のブロックに対して、y方向に所定距離離れた位置に配置するようにしたが、これに限定されるものではない。たとえば、テキストウインドウにはブロックをy方向に配置し、図形ウインドウには、x方向に配置するようにしてもよい。かかる判断は、ユーザが設定できるようにしてもよいし、図形ウインドウの縦横比を変えられるようにしておき、たとえば縦よりも横の方が長い場合は、上記配置方向を決定するようにしてもよい。
【0056】
このようにしてテキスト領域に、使用者の思いつくまま、文字列を入力することにより、テキストデータをブロック単位で入力してから、ブロック単位で位置変更、属性変更などが可能である。また、位置変更に伴い、テキストウインドウ60の順位が変動し、図形ウインドウ70との対応付けの把握が容易となる。
【0057】
上記実施形態においては、横書きの場合について説明したが、縦書きの場合も同様にして、順位を決定することができる。縦書きの場合には、以下のようなルールを定めればよい。
【0058】
1)隣接するブロックの少なくとも一部が重なる場合:
(1)いずれの辺も重ならない場合には、右辺が右側のブロックが上位
(2)右辺のみが重なる場合には、上辺が上側のブロックが上位
(3)右辺および上辺のみが重なる場合には、左辺が右側のブロックが上位
(4)右辺、上辺および左辺のみが重なる場合には、下辺が上側のブロックが上位
(5)全ての辺が重なる場合には、図面番号の若いブロックが上位
2)隣接するブロックが重ならない場合:
(1)x座標が半分以上重複する場合には、上側のブロックが上位
(2)x座標が半分以上重複しない場合には、右側のブロックが上位
なお、上記規則では以下のような場合には、ユーザの意図とは異なるようにテキスト領域60にブロックごとのテキストが表示される場合がある。例えば、図11Aに示すように、時間割を図形ウインドウ70に記載した場合、テキストウインドウ60には、該当部分として、図11Bに示すように表示される。そこで、このような場合には複数のブロックをグループ指定できるようにし、グループ毎に図8に示す順位を決定し、各グループ毎にテキストウインドウ60に表示すればよい。図11Aに示す時間割を、図12Aに示すように、グループG1〜G5にグループ化すると、図11Bに示すように表示される。これにより、操作者の意図に沿った表示が可能となる。
【0059】
なお、グループとしての登録は、例えば、複数の図形オブジェクトを選択したあと、画面上に配置されているグループ化ボタン(図示せず)を選択させるようにすればよい。これにより、指定された図形オブジェクトはグループ化されて記憶され、1の図形オブジェクトとして取り扱うことができる。なお、グループ化されたオブジェクトについては、これらを全て含む領域が、当該グループ化された図形オブジェクトの領域であるとして、取り扱うようにすればよい。
【0060】
また、図13に示すように、図形ウインドウ70にユーザが見開き状態にてブロックを配置したい場合もある。この場合、各ブロックの並びは、上記原則に従うと、図14Aに示すような並び方で、テキストウインドウ60に表示されることとなる。理由は以下の通りである。ブロック71とブロック72は、Y方向が半分以上重なっているため、左側に位置するブロック71が上位で、ブロック72が下位となる。ブロック72とブロック73を比較すると、Y方向が半分以上重なっていないため、上側に位置するブロック72が上位で、ブロック73が下位となる。以下同様にして、ブロック71,ブロック72、ブロック73,ブロック74、ブロック75,ブロック76の順でテキストウインドウ60に表示される。
【0061】
本実施形態においてはこのような見開きであることを指定できるようにした。かかる指定がなされると、CPU23はこれをメモリに記憶する。また、CPU23は、中央に分割線があると判断して、ブロック71,73,75がブロック81に、ブロック72,74,76がブロック82にグループ化されていると判断して、順位を決定する。この場合、ブロック81とブロック82は、Y方向が半分以上重なっているため、左側に位置するブロック81が上位で、ブロック82が下位となる。また、ブロック81の中では、ブロック71,73,75の順位となる。また、ブロック82の中では、ブロック72,74,76の順位となる。従って、図14Bに示すような順位でテキストウインドウ60に表示される。
【0062】
なお、図13では横書きの見開きについて説明したが、縦書きの場合も同様の処理が可能である。具体的には、縦書きの場合は横分割(y方向のほぼ中央にて2つのグループに分割)として判断するようにすればよい。
【0063】
すなわち、前記図形表示領域は、y方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される垂直分割可能に設定されており、前記2つのグループに分割された場合には、上側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、下側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置するようにすればよい。このように、縦書きの場合も横書きの場合も、グループごとに順位を設定できるようにすることにより、順位の高いグループに並べた上、さらにグループ内のブロックをその順位にて文字入力表示領域に表示することができる。
【0064】
上記実施形態においては、各機能を実現する為に、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部若しくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【0065】
なお、上記プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明にかかる二画面表示装置1の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す二画面表示装置1のハードウェア構成の一例である。
【図3】文字列記憶部26mtのデータ構造を示す。
【図4】図形記憶部26mdのデータ構造を示す。
【図5】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図6】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図7】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図8】順位決定移動処理のフローチャートである。
【図9】テキストウインドウと図形ウインドウを表示した画面の例である。
【図10】ブロックの領域が重複する場合のルールを説明するための図である。
【図11】グループ処理をした場合の処理を説明するための図である。
【図12】グループ処理をした場合のテキストウインドウ60の表示順序を示す図である。
【図13】見開きの場合の処理を説明するための図である。
【図14】見開きの場合のテキストウインドウ60の表示順序を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1・・・・二画面表示装置
23・・・CPU
27・・・メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する文字列データ記憶手段、
前記文字列データ記憶手段に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する図形配置情報記憶手段、
前記文字列データ記憶手段および前記図形配置情報記憶手段に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う表示制御手段、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与えるととともに、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更する図形配置位置変更手段、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、順位が逆転した場合には、前記文字列記憶手段における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与える文字列位置変動手段、
を備えていることを特徴とする二画面表示装置。
【請求項2】
請求項1の二画面表示装置において、
前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、
前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合のみ、前記重複関係配置されているか否か判断すること、
を特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1の二画面表示装置において、
前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、
前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複する場合にのみ、前記重複関係配置されているか否か判断すること、
を特徴とするもの。
【請求項4】
請求項3の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、重複関係配置されており、かつ、上辺が重なる場合には、左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項5】
請求項4の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、さらに、左辺も重なる場合には、下辺が上に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項6】
請求項5の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、さらに、下辺も重なる場合には、右辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項7】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに文字列データ記憶手段に記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を図形配置情報記憶手段に記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とする二画面表示方法。
【請求項8】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、
変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とする二画面表示方法。
【請求項9】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、以下の処理をコンピュータに実行させること、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、
変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する、
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムにおいて、
前記複数の図形オブジェクトは1のグループとして登録可能であり、
登録された図形オブジェクトは、1の図形オブジェクトとして、文字入力表示領域におけるブロックの位置の決定および位置変更が行われること、
を特徴とするもの。
【請求項11】
請求項9のプログラムにおいて、
前記図形表示領域は、x方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される水平分割可能に設定されており、
前記2つのグループに分割された場合には、左側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、右側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置すること、
を特徴とするもの。
【請求項1】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示装置であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとにブロックの順位毎に記憶する文字列データ記憶手段、
前記文字列データ記憶手段に記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶する図形配置情報記憶手段、
前記文字列データ記憶手段および前記図形配置情報記憶手段に記憶された各ブロックごとのデータに基づいて、画面上に表示するための表示制御を行う表示制御手段、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与えるととともに、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更する図形配置位置変更手段、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトの図形配置情報に基づいて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、順位が逆転した場合には、前記文字列記憶手段における当該ブロックの順位を変更するとともに、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変更する変更命令を前記表示制御手段に与える文字列位置変動手段、
を備えていることを特徴とする二画面表示装置。
【請求項2】
請求項1の二画面表示装置において、
前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、
前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複しない場合のみ、前記重複関係配置されているか否か判断すること、
を特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1の二画面表示装置において、
前記図形オブジェクトの配置が変更されると、隣接する図形オブジェクトが重複しているか否か判断する判断手段を備え、
前記文字列位置配置手段は、隣接する図形オブジェクトの少なくとも一部が重複する場合にのみ、前記重複関係配置されているか否か判断すること、
を特徴とするもの。
【請求項4】
請求項3の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、重複関係配置されており、かつ、上辺が重なる場合には、左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項5】
請求項4の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、さらに、左辺も重なる場合には、下辺が上に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項6】
請求項5の二画面表示装置において、
前記文字列位置変動手段は、さらに、下辺も重なる場合には、右辺が左に位置するブロックの順位を上位として、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とするもの。
【請求項7】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに文字列データ記憶手段に記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけられており、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を図形配置情報記憶手段に記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記図形配置情報記憶手段に記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とする二画面表示方法。
【請求項8】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示方法であって、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、
変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動すること、
を特徴とする二画面表示方法。
【請求項9】
画面上に、テキスト文字列をブロックごとに表示する文字入力表示領域および、前記文字入力表示領域のブロックごとのテキスト文字列を指定された属性で図形オブジェクトとして飾り表示する図形表示領域を表示する二画面表示をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、以下の処理をコンピュータに実行させること、
前記文字入力表示領域に表示する文字列データを、前記各ブロックごとに記憶しておき、
前記記憶された各ブロックごとの文字列データと対応づけて、前記図形オブジェクトの表示属性および配置位置情報を記憶しておき、
配置を変更する変更命令が与えられると、前記各図形オブジェクトの配置を変更し、
変更後の配置位置によって前記記憶された配置位置情報を変更し、
前記図形表示領域に配置された図形オブジェクトについて、隣接する図形オブジェクト間で、その領域に関するy方向の辺が半分以上重複関係配置されているか否か判断し、重複関係配置されている場合には左辺が左に位置するブロックの順位を上位として、そうでない場合には上辺が上に位置するブロックの順位を上位として、文字入力表示領域におけるブロックの位置を変動する、
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムにおいて、
前記複数の図形オブジェクトは1のグループとして登録可能であり、
登録された図形オブジェクトは、1の図形オブジェクトとして、文字入力表示領域におけるブロックの位置の決定および位置変更が行われること、
を特徴とするもの。
【請求項11】
請求項9のプログラムにおいて、
前記図形表示領域は、x方向のほぼ中央にて2つのグループに分割される水平分割可能に設定されており、
前記2つのグループに分割された場合には、左側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置し、その後ろに、右側のグループに位置する図形オブジェクトについて、前記文字入力表示領域におけるブロックの位置を配置すること、
を特徴とするもの。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−123323(P2008−123323A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307622(P2006−307622)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】
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