説明

二種液体攪拌混合装置

【課題】 比較的簡単な構成でもって二種液体を攪拌混合して所望の通りにエマルジョン化することができる二種液体攪拌混合装置を提供すること。
【解決手段】 攪拌混合室4を規定する攪拌混合装置本体2と、攪拌混合室4の下部に連通する第1及び第2流入部12,14と、攪拌混合室4の上部に連通する流出部16と、攪拌混合するための攪拌手段28と、攪拌手段28を駆動するための駆動源42と、第1液体(重油)が収容された第1液体容器20と、第1液体よりも比重の大きい第2液体(水)が収容された第2液体容器24と、を備えた二種液体攪拌混合装置。第1流入部12は、第2流入部14よりも上下方向において下側に配設され、攪拌混合室4の内周面には邪魔部材44が設けられ、この邪魔部材44は攪拌手段28に対向して径方向外周側に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重油などの第1液体と水などの第2液体とを攪拌混合してエマルジョン混合液を生成するための二種液体攪拌混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
重油などの油(第1液体)と水(第2液体)とを攪拌混合させてエマルジョン化して燃焼させる燃焼装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような燃焼装置は、油と水とを攪拌混合する攪拌混合装置を備え、この攪拌混合装置にて攪拌混合することによって、水と油とを混合した水混合燃料が生成され、このエマルジョン化された水混合燃料が燃焼バーナ装置に送給されて燃焼され、このようなエマルジョン混合液を燃焼させることによって、燃料としての油の消費量を削減することができる。
【0003】
このような攪拌混合装置は、攪拌混合室を規定する攪拌混合装置本体を備え、この攪拌混合装置本体に第1及び第2流入部が設けられ、例えば油(第1液体)が第1供給流路を通して攪拌混合室に供給され、例えば水(第2液体)が第2供給流路を通して攪拌混合室に供給される。攪拌混合室には攪拌手段が配設され、かかる攪拌手段によって油及び水が攪拌混合されてエマルジョン化され、このエマルジョン混合液が燃焼バーナ装置に送給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−190845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来の攪拌混合装置は、第1液体としての油及び第2液体としての水を第1及び第2供給流路を通して攪拌混合室に単に供給する構成であるために、攪拌手段によって攪拌混合しても、攪拌混合室における攪拌混合が充分に行われず、それ故に、油及び水のエマルジョン化が充分に達成されず、燃焼バーナ装置にて所望の燃焼が行われない。また、このような攪拌混合装置では、第1供給流路には、第1液体を供給するための第1供給ポンプが配設され、また第2供給流路には、第2液体を供給するための第2供給ポンプが配設され、更に、第1及び第2供給ポンプをそれぞれ駆動するための第1及び第2ポンプ用駆動モータが設けられているので、この攪拌混合装置に関連する構成が複雑となり、装置全体が大型化するとともに、その製造コストが上昇する。
【0006】
本発明の目的は、比較的簡単な構成でもって二種液体を攪拌混合して所望の通りにエマルジョン化することができる二種液体攪拌混合装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、全体の構成を簡単にして小型のものとして好都合に提供することができる二種液体攪拌混合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の二種液体攪拌混合装置は、攪拌混合するための攪拌混合室を規定する攪拌混合装置本体と、前記攪拌混合室の下部に連通する第1及び第2流入部と、前記攪拌混合室の上部に連通する流出部と、液体を攪拌混合するための攪拌手段と、前記攪拌手段を駆動するための駆動源と、攪拌混合すべき第1液体が収容された第1液体容器と、前記第1液体よりも比重の大きい第2液体が収容された第2液体容器と、前記第1液体容器と前記第1流入部とを連通する第1供給流路と、前記第2液体容器と前記第2流入部とを連通する第2供給流路と、前記第1供給流路に配設された第1供給ポンプと、前記第2供給流路に配設された第2供給ポンプと、前記第1及び第2供給ポンプを駆動するための駆動手段と、を備え、
前記第1流入部は、前記第2流入部よりも上下方向において下側に配設され、前記攪拌混合室の内周面には、少なくとも一つの邪魔部材が設けられ、前記邪魔部材は前記第1流入部のレベル配置位置から前記第2流入部のレベル配置位置まで上下方向に延び、前記攪拌手段は、前記第1流入部のレベル配置位置と前記第2流入部のレベル配置位置との間に配設されており、
前記駆動手段により前記第1供給ポンプが駆動されると、前記第1液体容器に収容された前記第1液体が前記第1供給流路を通して前記第1流入部に供給され、また前記駆動手段により前記第2供給ポンプが駆動されると、前記第2液体容器に収容された前記第2液体が前記第2供給流路を通して前記第2流入部に供給されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記邪魔部材は、上下方向下端部から中央部に向けて径方向内方に凸状に突出しているとともに、上下方向上端部から前記中央部に向けて径方向内方に凸状に突出していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記邪魔部材には、複数の小孔が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記第1液体は重油であり、前記第2液体は水であり、70〜90重量%の重油と10〜30重量%の水とが攪拌混合されて水混合燃料が生成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記第1供給ポンプは、前記第1供給流路と連通された第1ポンプ流路を有する第1供給ポンプ本体と、前記第1ポンプ流路に配設された第1ダイヤフラムと、を有し、前記第2供給ポンプは、前記第2供給流路と連通された第2ポンプ流路を有する第2供給ポンプ本体と、前記第2ポンプ流路に配設された第2ダイヤフラムと、を有し、また前記駆動手段は、偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動させるためのポンプ用駆動源と、前記偏心カムの回転を前記第1及び第2ダイヤフラムの振動にそれぞれ変換するための第1及び第2変換手段と、を備え、
前記偏心カムが回転されると、前記第1変換手段によって前記第1ダイヤフラムが振動されて前記第1ポンプ流路の容積が膨張及び収縮されるとともに、前記第2変換手段によって前記第2ダイヤフラムが振動されて前記第2ポンプ流路の容積が収縮及び膨張されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記第1変換手段は、前記第1ダイヤフラムと前記偏心カムとの間に往復移動自在に配設された第1ピストンと、前記第1ピストンを前記偏心カムに向けて弾性的に偏倚させるための第1弾性偏倚手段と、を備え、前記第2変換手段は、前記第2ダイヤフラムと前記偏心カムとの間に往復移動自在に配設された第2ピストンと、前記第2ピストンを前記偏心カムに向けて弾性的に偏倚させるための第2弾性偏倚手段と、を備え、前記第1及び第2ピストンの一端部はそれぞれ前記第1及び第2ダイヤフラムに駆動連結され、それらの他端部はそれぞれ前記偏心カムの外周面に接触乃至近接して配設されており、
前記偏心カムが回転されると、前記第1ピストンが往復移動されることによって前記第1ダイヤフラムが振動されるとともに、前記第2ピストンが往復移動されることによって前記第2ダイヤフラムが振動されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の二種液体攪拌混合装置では、前記第1及び/又は第2ピストンのストローク量を調節するためのストローク量調節手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、第1液体が供給される第1流入部は、第1液体よりも比重の大きい第2液体が供給される第2流入部よりも下側に配設され、攪拌手段は第1流入部の上下方向のレベル配置位置と第2流入部の上下方向のレベル配置位置との間に配設されているので、第1流入部から流入した第1液体は上方に攪拌手段に向けて流れ、また第2流入部から流入した第2液体は下方に攪拌手段に向けて流れ、従って、第1及び第2液体は攪拌手段にて所要の通りに攪拌混合され、第1及び第2液体を所要の通りに攪拌混合することができる。また、攪拌混合室の内周面には、少なくとも一つの邪魔部材が設けられ、邪魔部材は第1流入部のレベル配置位置から第2流入部のレベル配置位置まで上下方向に延びているので、この邪魔部材は、攪拌手段によって攪拌混合される第1及び第2液体を剪断するように作用し、これによって、第1及び第2液体をより効果的に混合してエマルジョン化することができる。尚、邪魔部材による剪断効果を高めるためには、攪拌混合室の内周面に周方向に間隔をおいて2つ又は三つ以上設けることができる。また、第1及び第2供給ポンプを1つの駆動手段によって駆動させるので、攪拌混合装置自体の構成を簡単にし、その製造コストを削減することができ、小型のものとして好適なものを提供することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、邪魔部材は、上下方向下端部から中央部に向けて径方向内方に凸状に突出しているので、第1流入部から流入した第1液体は、邪魔部材の下部の上述した凸状面に沿って上方にスムースに流れ、また第2流入部から流入した第2液体は、邪魔部材の上部の凸状面に沿って下方にスムースに流れ、第1及び第2液体を攪拌手段によって効果的に攪拌混合することができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、邪魔部材に複数の小孔が設けられているので、攪拌手段によって攪拌混合される第1及び第2液体の一部は邪魔部材の複数の小孔を通して流れるので、第1及び第2液体をより効果的にエマルジョン化することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、70〜90重量%の重油と10〜30重量%の水とを攪拌混合する攪拌混合装置として好都合に適用することができ、そしてこのように攪拌混合してエマルジョンされた水混合燃料を生成することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、偏心カムが回転されると、第1変換手段によって第1ダイヤフラムが振動されて第1ポンプ流路の容積が膨張及び収縮されるとともに、第2変換手段によって第2ダイヤフラムが振動されて第2ポンプ流路の容積が収縮及び膨張されるので、第1及び第2ダイヤフラムがそれぞれ一定の比率で振動され、それ故に、第1及び第2液体を一定の流量比で攪拌混合室に効率良く供給することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、第1及び第2ピストンの一端部はそれぞれ第1及び第2ダイヤフラムに駆動連結され、それらの他端部はそれぞれ偏心カムの外周面に接触乃至近接して配設されているので、第1及び第2ピストンの往復移動によって、偏心カムの回転を第1及び第2ダイヤフラムの振動に効率良く変換することができる。
【0021】
また、本発明の請求項7に記載の二種液体攪拌混合装置によれば、第1及び/又は第2ピストンのストローク量を調節するためのストローク量調節手段が設けられているので、第1及び/又は第2ダイヤフラムの振動数を調節することができ、第1及び第2供給ポンプから供給される第1及び/又は第2液体の流量を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に従う二種液体攪拌混合装置の一実施形態を簡略的に示す断面図。
【図2】図1におけるII−II線による断面図。
【図3】図1の二種液体攪拌近藤装置における攪拌手段の要部を示す正面図。
【図4】図3の攪拌手段を示す側面図。
【図5】二種液体攪拌混合装置の変形形態の一部を簡略的に示す断面図。
【図6】二種液体攪拌混合装置の他の変形形態を簡略的に示す断面図。
【図7】図6の第1及び第2供給ポンプを示す断面図。
【図8】図6の偏心カムと第1及び第2ピストンとの位置関係を示す説明図。
【図9】図8において第2ピストンのストローク量を変更した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う二種液体攪拌混合装置の最良の形態について説明する。図1は、一実施形態の二種液体攪拌混合装置を簡略的に示す断面図であり、図2は、図1におけるII−II線による断面図であり、図3は、図1の二種液体攪拌近藤装置における攪拌手段の要部を示す正面図であり、図4は、図3の攪拌手段を示す側面図である。
【0024】
図1及び図2において、図示の二種液体攪拌混合装置は、支持脚(図示せず)などを介して床面などに設置される攪拌混合装置本体2を備え、この攪拌混合装置本体2は、二種液体を攪拌混合するための攪拌混合室4を規定する。この攪拌混合装置本体2は、円筒状の周側壁6と、周側壁6の下面を閉塞する下壁8と、この周側壁6の上面を閉塞する上壁10とを有し、これら周側壁6、下壁8及び上壁10によって、実質上密閉された攪拌混合室4を規定する。
【0025】
この攪拌混合装置本体2の下部には、液体が流入する第1及び第2流入部12,14が設けられ、これら第1及び第2流入部12,14は攪拌混合室4に連通している。第1流入部12は第2流入部14よりも上下方向(図1において上下方向)下側に配設されている。
【0026】
この実施形態では、図1及び図2から理解されるように、第1及び第2流入部12,14は攪拌混合室4の周方向の同じ角度位置に上下方向に所定間隔をおいて配設されているが、第1及び第2流入部12,14はその周方向にずれた任意の角度位置(例えば、180度ずれた対向する角度位置)に配設するようにしてもよく、この場合においても、第1流入部12の上下方向のレベル配置位置h1(即ち、底壁8から第1流入部12の中心までの高さ配置位置)が第2流入部14の上下方向のレベル配置位置h2(即ち、底壁8から第2流入部14の中心までの高さ配置位置)よりも低くなるように構成することが重要である。
【0027】
攪拌混合装置本体2の上部には、液体が流出する流出部16が設けられ、この流出部16が攪拌混合室4に連通されている。この実施形態では、図1及び図2に示すように、流出部16は第1及び第2流入部12,14に対して周方向に180度の間隔をおいた対向する角度位置に配設されているが、必ずしもこのような角度位置関係に設ける必要はなく、第1及び第2流入部12,14より上方の位置であって、周方向の任意の角度位置に配設することができる。
【0028】
第1及び第2流入部12,14の上述した配置に関連して、第1流入部12を通して第1液体としての重油が供給され、第2流入部14を通して、第1液体よりも比重の大きい第2液体としての水が供給されるように構成されている。第1流入部12には第1供給流路18の一端部が接続され、その他端部が第1液体容器20としての重油タンクに接続されている。また、第2流入部14には第2供給流路22の一端部が接続され、その他端部が第2液体容器24としての水タンクに接続されている。
【0029】
この実施形態では、重油(第1液体)が70〜90重量%、例えば80重量%で、水(第2液体)が10〜30重量%、例えば20重量%の割合で攪拌混合室4に供給されるように構成され、このことに関連して、第1液体容器20は第2液体容器24よりも上下方向上方に配設され、第1液体容器20の上下方向のレベル配置位置H1は第2液体容器24の上下方向のレベル配置位置H2よりも高くなるように構成されている。そして、供給量の多い重油(第1液体)は、重力による圧力を利用して第1液体容器20から第1供給流路18を通して攪拌混合室4に供給される。また、第2供給流路22には、液体を送給するための送給ポンプ26が配設され、供給量の少ない水(第2液体)は、送給ポンプ26の作用によって第2供給流路22を通して攪拌混合室4に供給される。このように重油の供給については重力を利用して供給するので、専用の送給ポンプを省略することができ、このことに関連して、攪拌混合装置の構成を簡単にし、製造コストの低減を図ることができる。また、供給量の多い重油の供給に重力を利用するので、その供給量の制御を容易に行うことが可能となる。
【0030】
この二種液体攪拌混合装置は、更に、液体を攪拌混合するための攪拌手段28を備えている。図3及び図4をも参照して、図示の攪拌手段28は一対の攪拌羽根30から構成されている。攪拌混合装置本体2の上壁10には回転軸32が回転自在に支持され、回転軸32の一端側(先端側)は上壁10を通して攪拌混合室4内を下方に延び、この回転軸32の一端部に一対の攪拌羽根30が取り付けられている。
【0031】
各攪拌羽根30は、攪拌混合するための羽根部34を有し、この羽根部34は、回転軸32に取り付けられた取付基部36から上下方向に拡がるように設けられている。これら攪拌羽根30は、図4に示すように、矢印38で示す回転方向に見て、上側側部が下流側となり、下側側部が上流側となるように傾斜して取り付けられており、このように攪拌羽根30を傾斜させることにより、矢印38で示す方向に回転したときに、重油及び水の混合液を下方に押すように作用する。従って、攪拌混合室4内の混合液は、攪拌混合室4の径方向中央部(回転軸32の付近)においては上方から下方に流れ、攪拌混合室4の径方向外周部(攪拌混合装置本体2の周側壁6の内周面近傍)において下方から上方に流れ、攪拌混合室4内を対流するように流れる。
【0032】
攪拌混合装置本体2の上壁10には、取付ブラケット40を介して駆動モータ42(駆動源を構成する)が取り付けられ、この駆動モータ42の出力が回転軸32に駆動連結されている。従って、駆動モータ42が作動すると、回転軸32とともに攪拌羽根30が矢印32で示す方向に回動される。
【0033】
この攪拌手段28に関連して、邪魔部材44が設けられている。邪魔部材44はプレート状部材から構成され、攪拌混合装置本体2の周側壁6の内周面に実質上等間隔をおいて3つ設けられている。これら邪魔部材44は、攪拌手段28に対向して径方向外周側に配設され、第1流入部12のレベル配置位置から第2流入部14のレベル配置位置まで上下方向に伸びるように設けるのが好ましく、この実施形態では、第1流入部12のレベル配置位置の下側から第2流入部14のレベル配置位置の上側まで延びており、このように邪魔部材44を設けることによって、攪拌手段28によって攪拌される混合液(重油と水とが混合した混合液)が邪魔部材44に当たるように流れ、かかる邪魔部材44によって混合液に剪断力が作用し、重油及び水を効率よく攪拌混合することができる。
【0034】
上述した攪拌混合装置による二種液体の攪拌混合は、次のようにして行われる。第1液体容器20に収容された重油(第1液体)は、重力の作用によって第1供給流路18を通して第1流入部12から攪拌混合室4に供給され、また第2液体容器24に収容された水は、送給ポンプ26の作用によって第2供給流路22を通して第2流入部14から攪拌混合室4に供給される。
【0035】
攪拌混合室4に供給された重油は比重が小さく、攪拌手段28に向けて上方に流れ、また攪拌混合室4に供給された水は比重が大きく、攪拌手段28に向けて下方に流れ、駆動モータ42によって矢印38で示す方向に回動される攪拌羽根30は、上述した如く流れる重油及び水を攪拌混合する。このとき、攪拌羽根30の作用によって流れる重油及び水には、邪魔部材44によって剪断作用が働き、この剪断作用によって重油及び水のエマルジョン化が促進される。
【0036】
そして、攪拌混合室4で攪拌混合されたエマルジョン混合液、即ち水混合燃料は、流出部16から流出され、混合液送給流路(図示せず)を通して例えば燃焼バーナ装置(図示せず)に送給され、この燃焼バーナ装置にて燃焼される。
【0037】
次に、図5を参照して、二種液体攪拌混合装置の変形形態について説明する。図5は、変形形態の二種液体攪拌混合装置の一部を示す断面図である。尚、以下に示す変形形態において、図1〜図4に示す実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図5において、この変形形態においては、各邪魔部材44Aに多数の小孔52が設けられている。このように構成することによって、重油及び水の混合液がこれら小孔52を通して流れる際に混合液に剪断作用が働いてエマルジョン化が促進され、重油及び水をより小さくエマルジョン化することができ、これによって、燃焼バーナ装置(図示せず)における燃焼をより安定させることができる。これら小孔52の形状は円形などの適宜の形状でよい。
【0039】
これらの小孔52は、邪魔部材44Aの全体に設けるのが望ましいが、それらの一部にのみ設けることによって所望の効果を得ることができる。また、3つの邪魔部材44Aの全てに設けているが、これら全てに設ける必要はなく、一部の邪魔部材44Aにのみ設けることによって所望の効果を得ることができる。
【0040】
また、この変形形態においては、各邪魔部材44Aの下部は、上下方向下端部から中央部に向けて径方向内方に弧状の凸状に突出しており、このように構成されているので、第1流入部12から流入した重油(第1液体)は、矢印54で示すように、この下部の弧状面に沿って上方に攪拌手段28に向けて流れる。また、各邪魔部材44Aの上部は、上下方向上端部から中央部に向けて径方向内方に弧状の凸状に突出しており、このように構成されているので、第2流入部14から流入した水(第2液体)は、矢印56で示すように、この上部の弧状面に沿って下方に攪拌手段28に向けて流れる。尚、攪拌手段28は、これら邪魔部材44Aの中央部に対向してそれらの径方向内側に配設される。
【0041】
邪魔部材44Aが上述した形状をしているので、第1流入部12から流入した重油は、邪魔部材44Aの下部の弧状面に沿って上方にスムースに流れ、また第2流入部14から流入した水は、邪魔部材44Aの上部の弧状面に沿って下方にスムースに流れ、これによって、邪魔部材44Aの中央部まで流れた重油及び水は、攪拌手段28によって攪拌混合されてエマルジョン化される。この変形形態のその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0042】
次に、図6〜図9を参照して、二種液体攪拌混合装置の他の変形形態について説明する。図6は、二種液体攪拌混合装置の他の変形形態を簡略的に示す断面図であり、図7は、図6の第1及び第2供給ポンプを示す断面図であり、図8は、図6の偏心カムと第1及び第2ピストンとの位置関係を示す説明図であり、図9は、図8において第2ピストンのストローク量を変更した状態を示す説明図である。
【0043】
図6及び図7を参照して、この変形形態では、第1供給流路18Bには、重油(第1液体)を供給するための第1供給ポンプ60aが配設され、また第2供給流路22Bには、水(第2液体)を供給するための第2供給ポンプ60bが配設されている。また、これら第1及び第2供給ポンプ60a,60bを駆動するための駆動手段64が設けられている。なお、第1及び第2供給ポンプ60a,60bは、駆動手段64を挟んで略対称な位置に配置されている。
【0044】
駆動手段64は、円形状の偏心カム66と、偏心カム66を回転駆動させるためのポンプ用駆動モータ68(ポンプ用駆動源を構成する)と、を備えている。偏心カム66の中心軸C(図8参照)から径方向外側に幾分偏倚された偏心部には、シャフト70が取り付けられている。シャフト70の上端部は、カップリング72を介してポンプ用駆動モータ68の回転軸74に駆動連結され、その下端部は、軸受76を介してベース78に回転自在に支持されている。
【0045】
第1供給ポンプ60aは第1供給ポンプ本体80aを備え、この第1供給ポンプ本体80aの内部には、第1供給流路18Bに連通された第1ポンプ流路82aが上下にクランク状に延びて形成されている。第1供給ポンプ本体80aの上下端部にはそれぞれ、継手部材84a,86aがナット88a,90aにより接続されている。第1供給ポンプ本体80aの下端部側の継手部材86aには第1供給流路18Bの上流側が接続され、またその上端部側の継手部材84aには第1供給流路18Bの下流側が接続されている。
【0046】
第1ポンプ流路82aの上下端部にはそれぞれ逆流防止弁92aが配設されている。この逆流防止弁92aは、ボールハウジング94aと、ボールハウジング94aの内部に移動自在に収容されたボール96aと、を有している。ボールハウジング94aの下端部には、開口を有する弁座98aが設けられている。重油が第1ポンプ流路82aを下方から上方に向かって流れると、重油の圧力によってボール96aがボールハウジング94a内を上方に移動し、弁座98aの開口が開放される。また、重油が第1ポンプ流路82aを上方から下方に向かって逆流すると、重油の圧力によってボール96aがボールハウジング94a内を下方に移動し、弁座98aの開口がボール96aにより閉塞される。これにより重油の逆流が防止される。
【0047】
また、第1ポンプ流路82aの上下方向中央部には、可撓性を有するゴム材料や樹脂材料などから形成された第1ダイヤフラム100aが配設されている。第1ダイヤフラム100aは一対の押さえプレート102a,104aによって両側より挟持され、その外周部はシール部材(図示せず)を介して第1供給ポンプ本体80aに支持されている。この第1ダイヤフラム100aによって、第1ポンプ流路82aの上下方向中央部は左右に気密的に区画されている。
【0048】
第1供給ポンプ本体80aの側部には、ベース78に支持されたポンプフランジ106aが取り付けられている。ポンプフランジ106aには横方向に貫通して延びるシリンダ孔108aが設けられ、このシリンダ孔108aは、第1供給ポンプ本体80aの側部に設けられた開口を通して第1ポンプ流路82aに連通されている。シリンダ孔108aには、第1ピストン110a(第1変換手段を構成する)がブッシュ112aを介して往復移動自在に配設されている。第1ピストン110aは、第1ピストン本体114a及び第1ローラホルダ116aを有している。第1ピストン本体114aの一端部には、第1ダイヤフラム100a及び一対の押さえプレート102a,104aがボルト118aにより駆動連結されている。第1ピストン本体114aの他端部は、シリンダ孔108aの外部に延びて第1ローラホルダ116aに連結されている。第1ローラホルダ116aの先端部には上下に延びる支持軸120aが設けられ、この支持軸120aには第1ローラ122aが回転自在に支持されている。
【0049】
また、ポンプフランジ106aには横方向に延びる挿通孔124aが設けられ、この挿通孔124aには、シャフト126aがブッシュ128aを介して往復移動自在に配設されている。このシャフト126aは、連結部材130aによって第1ピストン本体114aと相互に連結されている。挿通孔124aの開口部には、第1弾性偏倚手段としての第1コイルバネ132a(第1変換手段を構成する)が収容される収容凹部134aが設けられ、この第1コイルバネ132aの一端部は連結部材130aの上端部に支持されている。第1ピストン110aは、第1コイルバネ132aによって偏心カム66に向けて弾性的に偏倚され、その他端部(即ち、第1ローラ122a)は偏心カム66の外周面に常時接触される。
【0050】
第2供給ポンプ60bでは、第1供給ポンプ60aと同様に、第2供給ポンプ本体80bの第2ポンプ流路82bに第2ダイヤフラム100bが配設され、第2ピストン110b(第2変換手段を構成する)を偏心カム66に向けて弾性的に偏倚させるための第2弾性偏倚手段としての第2コイルバネ132b(第2弾性偏倚手段を構成する)が設けられている。第2ピストン110bの他端部(即ち、第2ローラ122b)は、偏心カム66の外周面に接触乃至近接して配設される。
【0051】
また、第2ピストン110bのストローク量を調節するためのストッパ部材136(ストローク量調節手段)が設けられている。ストッパ部材136の上端部には受け凹部(図示せず)が設けられ、、この受け凹部には、第2ローラホルダ116bが移動自在に支持されている。また、ストッパ部材136の下端部は、ベース78の上面にスライド移動自在に支持されている。このストッパ部材136の上端部に連結部材130bが当接されることによって、第2コイルバネ132bの弾性偏倚力による第2ピストン110bの偏心カム66の方向への移動が規制される。後述するように、ストッパ部材136が図7中の矢印Qで示す方向にスライド移動されると、第2ピストン110bの偏心カム66の方向への突出量が大きくなり、第2ピストン110bのストローク量が大きくなる。また、ストッパ部材136が図7中の矢印Pで示す方向にスライド移動されると、第2ピストン110bの偏心カム66の方向への突出量が小さくなり、第2ピストン110bのストローク量が小さくなる。
【0052】
図8及び図9をも参照して、上述した第1及び第2供給ポンプ60a,60bの動作について説明する。まず、第1供給ポンプ60aの動作について説明する。図8に実線で示す状態においては、偏心カム66の長径部(即ち、シャフト70から偏心カム66の外周面までの距離が最も長い径部)が第1ピストン110a側に、短径部(即ち、シャフト70から偏心カム66の外周面までの距離が最も短い径部)が第2ピストン110b側に配設されており、第2ピストン110bの他端部は、ストッパ部材136の作用によって偏心カム66の外周面に近接して配設される。この状態において、ポンプ用駆動モータ68によって偏心カム66が所定方向に回転すると、図8において二点鎖線で示すように、偏心カム66の長径部が第2ピストン110b側に、短径部が第1ピストン110a側に配設される。これにより、第1ピストン110aは、第1コイルバネ132aの弾性偏倚力によって、その第1ローラ122aが偏心カム66の外周面に接触した状態で、図8中の矢印Rで示す方向に移動される。なお、第1ローラ122aは、偏心カム66の外周面上を回転しながら相対的に移動されるので、第1ローラ122a及び偏心カム66の外周面の摩耗が防止される。
【0053】
偏心カム66が上記所定方向に更に回転すると、偏心カム66の長径部が第1ピストン110a側に、短径部が第2ピストン110b側に配設される。これにより、第1ピストン110aは、第1コイルバネ132aの弾性偏倚力に抗して、その第1ローラ122aが偏心カム66の外周面に接触した状態で、図8中の矢印Sで示す方向に移動される。このようにして第1ピストン110aはストローク量L1(例えば、約3mm)で往復移動され、第1ピストン110aによって偏心カム66の回転が第1ダイヤフラム100aの振動に変換される。第1ダイヤフラム100aはストローク量L1で振動され、これにより第1ポンプ流路82aの容積が膨張及び収縮する。第1ポンプ流路82aの容積が膨張すると、第1供給流路18Bの上流側からの重油が第1ポンプ流路82a内に流入され、第1ポンプ流路82aの容積が収縮すると、第1ポンプ流路82a内の重油が圧縮されて第1供給流路18Bの下流側に所定の流量(例えば、約2L/min)で流出される。
【0054】
次に、第2供給ポンプ60bの動作について説明する。図8に実線で示す状態より、偏心カム66が上記所定方向に回転すると、第2ピストン110bの他端部と偏心カム66の外周面との離間距離Dが徐々に短くなった後に両者が接触される。その後、第2ピストン110bは、第2コイルバネ132bの弾性偏倚力に抗して、その第2ローラ122bが偏心カム66の外周面に接触した状態で、図8中の矢印で示す方向Tに移動される。なお、上述したのと同様に、第2ローラ122bは、偏心カム66の外周面上を回転しながら相対的に移動されるので、第2ローラ122b及び偏心カム66の外周面の摩耗が防止される。
【0055】
偏心カム66が上記所定方向に更に回転すると、第2ピストン110bは、第2コイルバネ132bの弾性偏倚力によって、その第2ローラ122bが偏心カム66の外周面に接触した状態で、図8中の矢印Uで示す方向に移動される。このようにして第2ピストン110bはストローク量L2(例えば、約2mm)で往復移動され、第2ピストン110bによって偏心カム66の回転が第2ダイヤフラム100bの振動に変換される。第2ダイヤフラム100bはストローク量L2で振動され、これにより第2ポンプ流路82bの容積が膨張及び収縮する。上述したのと同様に、第2ポンプ流路82bの容積が膨張すると、第2供給流路22Bの上流側からの水が第2ポンプ流路82b内に流入され、第2ポンプ流路82bの容積が収縮すると、第2ポンプ流路82b内の水が圧縮されて第2供給流路22Bの下流側に所定の流量(例えば、約0.6L/min)で流出される。
【0056】
従って、この変形形態では、第1及び第2供給ポンプ60a,60bよりそれぞれ重油及び水が一定量ずつ供給されるので、重油及び水をほぼ一定の流量比で攪拌混合室4に供給することができる。また、偏心カム66の回転数を可変することにより、第1及び第2ダイヤフラム100a,100bの振動数がそれぞれ一定の比率を保ちながら可変され、それ故に、攪拌混合室4に供給される重油及び水の流量を一定の比率を保ちながら可変することができる。
【0057】
なお、この変形形態の二種液体攪拌混合装置では、次のようにして第2供給ポンプ60bより供給される水の流量を可変することができる。図8の状態より水の流量を減少させるときには、ストッパ部材136を図7中の矢印Pで示す方向にスライド移動させることにより、第2ローラ122bと偏心カム66の外周面との離間距離がDからD’へと短くなり、第2ピストン110bのストローク量がL2からL2’へと小さくなる(図9参照)。これにより第2ダイヤフラム100bのストローク量もL2からL2’へと小さくなり、第2供給ポンプ60bより供給される水の流量が減少される。
【0058】
図9の状態より水の流量を増大させるときには、ストッパ部材136を図7中の矢印Qで示す方向にスライド移動させることにより、第2ローラ122bと偏心カム66の外周面との離間距離がD’からDへと長くなり、第2ピストン110bのストローク量がL2’からL2へと大きくなる(図8参照)。これにより第2ダイヤフラム100bのストローク量もL2’からL2へと大きくなり、第2供給ポンプ60bより供給される水の流量が増大される。
【0059】
この変形形態では、第2ピストン110bのストローク量を調節するように構成したが、第1ピストン110aのストローク量を調節するように構成してもよい。あるいは、第1及び第2ピストン110a,110bの双方のストローク量を調節するように構成してもよい。
【0060】
以上、本発明に従う二種液体攪拌混合装置の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0061】
例えば、上述した実施形態では、邪魔部材44を周方向に間隔をおいて三つ設けているが、このような構成に限定されず、周方向に2つ又は4つ以上設けるようにしてもよく、少なくとも一つ設けることによって所望の効果を達成することができる。
【0062】
また、例えば、上述した実施形態では、二種液体攪拌混合装置にて攪拌混合したエマルジョン混合液を燃焼バーナ装置にて燃焼させる形態に適用して説明したが、このような適用形態に限定されず、エマルジョン混合液を内燃機関などのエンジンにて燃焼させる形態にも同様に適用することができる。
【0063】
更に、例えば、上述した実施形態では、第1液体としての重油と第2液体としての水との攪拌混合に適用して説明したが、重油及び水の攪拌混合に限定されず、重油以外の比重の小さい第1液体と水以外の比重の大きい第2液体との攪拌混合に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
2,2A 攪拌混合装置本体
4 攪拌混合室
12 第1流入部
14 第2流入部
16 流出部
18,18B 第1供給流路
20 第1液体容器
22,22B 第2供給流路
24 第2液体容器
28 攪拌手段
30 攪拌羽根
42 駆動モータ
44,44A 邪魔部材
52 小孔
60a 第1供給ポンプ
60b 第2供給ポンプ
64 駆動手段
66 偏心カム
68 ポンプ用駆動モータ
80a 第1供給ポンプ本体
80b 第2供給ポンプ本体
100a 第1ダイヤフラム
100b 第2ダイヤフラム
110a 第1ピストン
110b 第2ピストン
132a 第1コイルバネ
132b 第2コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌混合するための攪拌混合室を規定する攪拌混合装置本体と、前記攪拌混合室の下部に連通する第1及び第2流入部と、前記攪拌混合室の上部に連通する流出部と、液体を攪拌混合するための攪拌手段と、前記攪拌手段を駆動するための駆動源と、攪拌混合すべき第1液体が収容された第1液体容器と、前記第1液体よりも比重の大きい第2液体が収容された第2液体容器と、前記第1液体容器と前記第1流入部とを連通する第1供給流路と、前記第2液体容器と前記第2流入部とを連通する第2供給流路と、前記第1供給流路に配設された第1供給ポンプと、前記第2供給流路に配設された第2供給ポンプと、前記第1及び第2供給ポンプを駆動するための駆動手段と、を備え、
前記第1流入部は、前記第2流入部よりも上下方向において下側に配設され、前記攪拌混合室の内周面には、少なくとも一つの邪魔部材が設けられ、前記邪魔部材は前記第1流入部のレベル配置位置から前記第2流入部のレベル配置位置まで上下方向に延び、前記攪拌手段は、前記第1流入部のレベル配置位置と前記第2流入部のレベル配置位置との間に配設されており、
前記駆動手段により前記第1供給ポンプが駆動されると、前記第1液体容器に収容された前記第1液体が前記第1供給流路を通して前記第1流入部に供給され、また前記駆動手段により前記第2供給ポンプが駆動されると、前記第2液体容器に収容された前記第2液体が前記第2供給流路を通して前記第2流入部に供給されることを特徴とする二種液体攪拌混合装置。
【請求項2】
前記邪魔部材は、上下方向下端部から中央部に向けて径方向内方に凸状に突出しているとともに、上下方向上端部から前記中央部に向けて径方向内方に凸状に突出していることを特徴とする請求項1に記載の二種液体攪拌混合装置。
【請求項3】
前記邪魔部材には、複数の小孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二種液体攪拌混合装置。
【請求項4】
前記第1液体は重油であり、前記第2液体は水であり、70〜90重量%の重油と10〜30重量%の水とが攪拌混合されて水混合燃料が生成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二種液体攪拌混合装置。
【請求項5】
前記第1供給ポンプは、前記第1供給流路と連通された第1ポンプ流路を有する第1供給ポンプ本体と、前記第1ポンプ流路に配設された第1ダイヤフラムと、を有し、前記第2供給ポンプは、前記第2供給流路と連通された第2ポンプ流路を有する第2供給ポンプ本体と、前記第2ポンプ流路に配設された第2ダイヤフラムと、を有し、また前記駆動手段は、偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動させるためのポンプ用駆動源と、前記偏心カムの回転を前記第1及び第2ダイヤフラムの振動にそれぞれ変換するための第1及び第2変換手段と、を備え、
前記偏心カムが回転されると、前記第1変換手段によって前記第1ダイヤフラムが振動されて前記第1ポンプ流路の容積が膨張及び収縮されるとともに、前記第2変換手段によって前記第2ダイヤフラムが振動されて前記第2ポンプ流路の容積が収縮及び膨張されることを特徴とする請求項1に記載の二種液体攪拌混合装置。
【請求項6】
前記第1変換手段は、前記第1ダイヤフラムと前記偏心カムとの間に往復移動自在に配設された第1ピストンと、前記第1ピストンを前記偏心カムに向けて弾性的に偏倚させるための第1弾性偏倚手段と、を備え、前記第2変換手段は、前記第2ダイヤフラムと前記偏心カムとの間に往復移動自在に配設された第2ピストンと、前記第2ピストンを前記偏心カムに向けて弾性的に偏倚させるための第2弾性偏倚手段と、を備え、前記第1及び第2ピストンの一端部はそれぞれ前記第1及び第2ダイヤフラムに駆動連結され、それらの他端部はそれぞれ前記偏心カムの外周面に接触乃至近接して配設されており、
前記偏心カムが回転されると、前記第1ピストンが往復移動されることによって前記第1ダイヤフラムが振動されるとともに、前記第2ピストンが往復移動されることによって前記第2ダイヤフラムが振動されることを特徴とする請求項5に記載の二種液体攪拌混合装置。
【請求項7】
前記第1及び/又は第2ピストンのストローク量を調節するためのストローク量調節手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の二種液体攪拌混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−75909(P2010−75909A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84271(P2009−84271)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(508014682)近畿総合技研株式会社 (2)
【Fターム(参考)】