説明

二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物及びナトリウムチャネルブロッカーとしてのそれらの使用

本発明は、式I(式中、Xは、−NH−、−N=又は−S−であり、Yは、酸素又は硫黄であり、n、p、R1、R2、R3及びR4は、明細書で定義されている通りである)の新規な二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物、又はその薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物を使用して、ナトリウムイオンチャネルの遮断に敏感に反応する障害を治療する方法に関する。本発明はまた、全脳虚血又は局所虚血に後続する神経損傷の治療のため、神経変性性の病気例えば筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療又は予防のため、並びに急性又は慢性の疼痛、神経因性疼痛又は外科的疼痛の治療、予防又は改善のため、抗耳鳴り薬として、抗痙攣薬として、抗躁鬱薬として、局所麻酔薬として、抗不整脈薬としての、また糖尿病性神経障害の治療又は予防のための、式Iの化合物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品化学の分野であり、特に、本発明は、新規なアミノアルキル置換アリール化合物、及びこれらの化合物は、ナトリウム(Na+)チャネルのブロッカーであるという発見に関する。
【背景技術】
【0002】
局所麻酔薬例えばリドカイン及びブピバカイン、抗不整脈薬例えばプロパフェノン及びアミノクラロン(amioclarone)、及び抗痙攣薬例えばラモトリジン、フェニトイン及びカルバマゼピンを含む、数種の治療上有用な薬物は、Na+チャネル活性をブロック又は調節することにより、共通の作用機序を共有することが証明されている(非特許文献1)。これらの各薬剤は、Na+イオンの急速な流入を妨害することにより作用すると考えられている。
【0003】
最近、他のNa+チャネルブロッカー例えばBW619C89及びリファリジン(lifarizine)は、全脳虚血及び局所虚血の動物モデルで、神経保護薬であることが証明された(非特許文献2、3)。
【0004】
Na+チャネルブロッカーの神経保護活性は、この興奮毒性アミノ酸神経伝達物質の放出を阻害することにより、虚血中に細胞外グルタメート濃度を低下させるのに有効であることによる。研究により、Na+チャネルブロッカーは、グルタメート受容体拮抗物質とは異なり、哺乳動物の白質に対する低酸素性損傷を防止することが分かった(非特許文献4)。したがって、Na+チャネルブロッカーは、白質路に対する損傷が顕著な、ある特定の種類の脳卒中又は神経外傷の治療に優れた効果を発揮する。
【0005】
Na+チャネルブロッカーの臨床使用の別の例は、リルゾールである。この薬物は、一部のALS患者で、生存期間を延長することが証明され(非特許文献5)、その後、ALSの治療薬としてFDAに承認されている。上述の臨床使用に加えて、カルバマゼピン、リドカイン及びフェニトインは、例えば三叉神経痛(trigeminal neurologia)、糖尿病性神経障害及び他の形態の神経損傷による神経因性疼痛の治療に時折使用され(非特許文献6)、またカルバマゼピン及びラモトリジンは、躁鬱病の治療に使用されてきた(非特許文献7)。さらに、慢性疼痛と耳鳴りとの間の多数の類似性(非特許文献8、9)に基づいて、耳鳴りは、慢性疼痛感覚の一形態として考えるべきであると提案されている(非特許文献10)。事実、リグノカイン及びカルバマゼピンは、耳鳴りの治療に有効なことが証明されている(非特許文献11,12)。
【0006】
神経毒素を特異的に結合する少なくとも5〜6部位が、電位感受性Na+チャネル上にあることが証明されている(非特許文献13)。研究により、さらに、Na+チャネルを介する作用を有する、治療用の抗不整脈薬、抗痙攣薬及び局所麻酔薬は、Na+チャネルの細胞内側と相互に作用すること、及び神経毒素受容体部位2との相互作用をアロステリックに阻害することによって、それらの作用を発揮することが明らかにされた(非特許文献14)。
【非特許文献1】カテラル(Catterall), W.A., Trends Pharmacol. Sci. 8:57-65(1987)
【非特許文献2】グラハム(Graham)ら、J. Pharmacol. Exp. Ther. 269:854-859(1994)
【非特許文献3】Brownら、British J. Pharmacol. 115:1425-1432(1995)
【非特許文献4】Stysら、J. Neurosci. 12:430-439 (1992)
【非特許文献5】Bensimmら、New Engl. J. Med. 330:585-591 (1994)
【非特許文献6】テイラー(Taylor)及びMeldrum, Trends Pharmacol. Sci. 16:309-316 (1995)
【非特許文献7】Denicottら、J. Clin. Psychiatry 55:70-76 (1994)
【非特許文献8】Moller, A.R. Am. J. Otol. 18:577-585 (1997)
【非特許文献9】Tonndorf, J. Hear. Res. 28:271-275 (1987)
【非特許文献10】シンプソン(Simpson), J.J.及びデービス(Davies), E.W., Tips. 20:12-18 (1999)
【非特許文献11】Majumdar, B.ら、Clin. Otolaryngol. 8:175-180 (1983)
【非特許文献12】ドナルドソン(Donaldson), I., Laryngol. Otol. 95:947-951 (1981)
【非特許文献13】カテラル(Catterall), W.A., Science 242:50-61 (1988)
【非特許文献14】カテラル(Catterall), W.A., Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 10:15-43 (1980)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ナトリウムチャネルの強力なブロッカーであり、したがって、疼痛を含む、様々な中枢神経系の病気の治療に有用な、新規な化合物が、当技術分野で必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式Iで示される二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物が、ナトリウム(Na+)チャネルのブロッカーとして働くという発見に関する。
【0009】
本発明の一態様は、ナトリウムチャネルの活性が過度に陥っている哺乳動物において、ナトリウムチャネルのブロッカーとして作用する式Iの化合物の有効量を投与することにより、ナトリウムチャネルの遮断に敏感な障害を治療することに関する。
【0010】
本発明のさらなる態様は、式Iの化合物を、このような治療又は使用を必要としている哺乳動物に投与することにより、全脳虚血及び局所虚血に後続するニューロン欠損を治療、予防又は改善する;急性疼痛、慢性疼痛、及び神経因性疼痛を含む疼痛を治療、予防又は改善する;痙攣又は神経変性性の病気を治療、予防又は改善する;躁鬱病又は糖尿病性神経障害を治療、予防又は改善する;局所麻酔薬及び抗不整脈薬として使用するための方法、並びに、耳鳴りを治療するための方法を提供する。
【0011】
加えて、本発明は、式Iの新規な二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物に関する。
【0012】
また、本発明は、1つ以上の薬学的に許容し得る担体又は希釈剤との混合物中に、式Iの化合物の有効量を含有する、ナトリウムイオンチャネルの遮断に敏感な障害を治療するのに有用な医薬組成物を提供する。
【0013】
本発明のさらなる実施形態及び利点は、一部は、後続の説明に記載され、又一部は、該説明から明白になるか、又は本発明の実施によって知得することができる。本発明の実施形態及び利点は、添付の特許請求の範囲で詳細に示される要素及び組合せによって理解され、また実現される。
【0014】
当然のことながら、前述した概要及び以下の詳細な説明は、いずれも、単に例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲のように本発明を制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、式Iの二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物が、Na+チャネルのブロッカーとして作用するという発見から生じる。したがって、この発見に照らして、本発明の第1の態様は、式Iの新規な二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物を使用して、ナトリウムイオンチャネルの遮断に敏感な障害を治療する方法に関する。
【0016】
本発明の第1の態様で使用される新規な二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物は、式I:
【化17】

で示されるものであるか、又はその薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物であって、式中:
nは、0〜3の整数であり;
pは、2〜4の整数であり;
Xは、−N=、−NH−又は−S−であり;
Yは、酸素又は硫黄であり;
1は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル、アミノ、ニトロ及びシアノから選ばれるものであり;
2及びR3は、水素、C16アルキル、C38シクロアルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルから独立して選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(式中、R5は、各々独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル及びC16ヒドロキシアルキルから選ばれる)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み;
4は、
(i)
【化18】

(式中:
Zは、−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−NHCH2−、−CH2NH−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−又は−CH2S−であり;
6は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシアルキルから選ばれるものであり;
qは、0〜4の整数である)
(ii)
【化19】

(式中:
7及びR8は、各々独立して、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16アルコキシ、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルコキシアルキルからなる群より選ばれるものであり;
rは、0〜4の整数であり;
sは、0〜4の整数である)
(iii)
【化20】

(式中:R9は、水素、ハロゲン又はアルキルである)
(iv)
【化21】

(式中:
10は、水素又はアルキルである)
及び
(v)ナフチル
からなる群より選ばれるものである。
【0017】
式Iにおける破線は、Xが−N=であるとき、R4及びXの両者に結合している炭素原子は、X窒素に二重結合しており、また、Xが、−NH−又は−S−であるとき、R4及びXの両者に結合している炭素原子は、X原子に単結合していることを示す。
【0018】
別の部分に環が結合する位置が明記されていないとき、例えば連結結合(connecting bond)が、環の中央に描かれているとき、特に明記されていなければ、結合の位置は、環上の利用できる任意の位置であってもよい。例えば、nが1の場合は、R1は、Xを基準にして、ベンゼン環上のオルト、メタ又はパラであり、nが2の場合は、2つのR1置換基は、Xを基準にして、ベンゼン環上の2,3−、2,4−、2,5−、3,4−、3,5−又は4,5−、などである。
【0019】
用語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、鎖長が特に規定されていない限り、1〜10個の炭素原子を有する直鎖基及び分岐鎖基の両者を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、及びデシル等を含むが、これらに限定されない。好ましいアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するものを包含する。
【0020】
用語「アルケニル」は、鎖長が特に規定されていない限り、2〜10個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基であって、該鎖中の炭素原子のうちの2個の間に少なくとも1個の二重結合がある鎖を意味するために本明細書で使用され、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、及び2−ブテニル等を含むが、これらに限定されない。好ましくは、該アルケニル鎖は、2〜8個の炭素原子の長さ、より好ましくは2〜4個の炭素原子の長さである。
【0021】
用語「アルキニル」は、鎖長が特に規定されていない限り、2〜10個の炭素原子の直鎖基又は分枝鎖基であって、該鎖中の炭素原子のうちの2個の間に少なくとも1個の三重結合がある鎖を意味するために本明細書で使用され、エチニル、1−プロピニル、及び2−プロピニル等を含むが、これらに限定されない。好ましくは、該アルキニル鎖は、2〜8個の炭素原子の長さ、より好ましくは2〜4個の炭素原子の長さである。
【0022】
置換基としてアルケニル又はアルキニル部分がある全ての場合に、その不飽和結合(すなわち、ビニル結合又はエテニル結合)は、窒素、酸素又は硫黄部分に直接結合されていないものであることが好ましい。
【0023】
用語「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、酸素原子に結合した上記アルキル基を指す。代表例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、sec−ブチルオキシ、及びt−ブチルオキシを包含する。
【0024】
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、C614単環式又は多環式の芳香族環系を意味する。好ましくは、該環系は、6〜10個の炭素原子を含む。代表例としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシル(anthracyl)、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、及びフルオレニル基を包含する。特に有用な炭素環式アリール基は、フェニル及びナフチルを包含する。
【0025】
用語「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、上記アリール置換基を有するC16アルキル基を指し、ベンジル、フェニルエチル、又は2−ナフチルメチルを含むが、これらに限定されない。
【0026】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、環状配置の6、10又は14個のπ電子を共有し、かつ、炭素原子と酸素、窒素及び硫黄から独立して選ばれる1、2、3又は4個のヘテロ原子とを含む、5〜14個の環原子を有する官能基を指す。ヘテロアリール基の例は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル(thianthrenyl)、フラニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、クロメニル(chromenyl)、キサンテニル、フェノキサチイニル(phenoxathiinyl)、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル(indolizinyl)、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、プテリジニル、4αH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル(phenanthridinyl)、アクリジニル、ペリミジニル(perimidinyl)、フェナントロリニル(phenanthrolinyl)、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、及びテトラゾリル基を包含する。好ましいヘテロアリール基は、ピリジル、カルバゾリル、フラニル、及びイミダゾリルである。
【0027】
用語「複素環」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、炭素原子並びに酸素、窒素及び硫黄から独立して選ばれる1、2、3又は4個のヘテロ原子から選ばれる5〜14個の環原子を有する、飽和又は部分的に不飽和の環系を指す。飽和した複素環の代表例は、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、キヌクリジニル、モルホリニル、及びジオキサシクロヘキシルを包含する。部分的に不飽和の複素環の代表例は、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、及びジヒドロピラニルを包含する。これら各系は、場合により、ベンゼン環に縮合されている。
【0028】
用語「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアラルキル」は、本明細書で使用される場合、いずれも、C16アルキル基に結合したヘテロアリール基を指す。代表例は、2−(3−ピリジル)エチル、3−(2−フリル)−n−プロピル、3−(3−チエニル)−n−プロピル、及び4−(1−イソキノリニル)−n−ブチルを包含する。
【0029】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、サイズが特に規定されていなければ、3〜9個の炭素原子を含むシクロアルキル基を指す。代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを包含する。
【0030】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素を指す。
【0031】
用語「モノアルキルアミン」又は「モノアルキルアミノ」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、水素1個が、上記アルキル基に置き換えられている基NH2を指す。
【0032】
用語「ジアルキルアミン」又は「ジアルキルアミノ」は、本明細書で使用される場合、単独で又は別のグループの一部として、両水素がともに、上記アルキル基に置き換えられている基NH2を指す。
【0033】
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で使用される場合、その1つ以上の水素が1つ以上のヒドロキシル部分と置き換えられている、上記アルキル基を指す。
【0034】
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用される場合、その1つ以上の水素が1個以上のハロ部分で置換されている、上記アルキル基を指す。代表例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロエチル、トリフルオロエチル、フルオロプロピル、及びブロモブチルを包含する。
【0035】
用語「場合により置換された」は、さらに規定されない限り、炭素に結合した1つ以上の水素が、ハロゲン、ハロ(C16)アルキル、アリール、複素環、シクロアルキル、C16アルキル、C26アルケニル、C26アルキニル、アリール(C16)アルキル、アリール(C26)アルケニル、アリール(C26)アルキニル、シクロアルキル(C16)アルキル、ヘテロシクロ(C16アルキル)、ヒドロキシ(C16)アルキル、アミノ(C16)アルキル、カルボキシ(C16)アルキル、アルキルオキシ(C16)アルキル、ニトロ、アミノ、ウレイド、シアノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルキルオキシ、カルボキシ、アミノカルボニル、及びC16アルキルチオールで任意に置き換えられていることを意味する。炭素直鎖上の好ましい任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アリール、ヘテロアリール、及び複素環を包含する。環系の一部である炭素原子上の好ましい任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アリール、ヘテロアリール、複素環、及びアルキルを包含する。
【0036】
nの好ましい値は、0及び1を包含する。nのより好ましい値は0である。
【0037】
nが0以外であるとき、R1は、好ましくは、Xを基準にして、メタ又はパラに位置する。
【0038】
pの好ましい値は、2及び3を包含する。pのより好ましい値は2である。
【0039】
好ましいYは、酸素である。
【0040】
好ましいR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含む、R2及びR3を包含する。より好ましいR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルである、R2及びR3を包含する。好ましいR2及びR3はまた、水素及びC16アルキルも包含する。
【0041】
好ましいR4は、上述の、部分(i)及び(ii)を包含する。
【0042】
4が(i)であるとき、好ましいZは、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2、及び−CH2S−を包含する。より好ましいZは、−O−、−S−、−OCH2−、及び−CH2O−を包含する。特に好ましいZは、−O−、−OCH2−、及び−CH2O−を包含する。
【0043】
4が(i)であるとき、qの好ましい値は、0、1及び2を包含する。
【0044】
4が(i)であるとき、好ましいR6は、ハロゲン、C16アルキル、及びC16ハロアルキルを包含する。より好ましいR6は、ハロゲン、C14アルキル、及びC14ハロアルキルを包含する。
【0045】
4が(i)であるとき、有用なR4は、4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル、3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル、3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル、3−ベンジルオキシフェニル、及び3−(4−tert−ブチルフェノキシ)フェニルを包含する。
【0046】
4が(ii)であるとき、rの好ましい値は、0及び1を包含する。rのより好ましい値は、0である。
【0047】
4が(ii)であるとき、sの好ましい値は、0及び1を包含する。sのより好ましい値は、0である。
【0048】
4が(ii)であるとき、好ましいR7及びR8は、ハロゲン、C16アルキル及びC16ハロアルキルを包含する。より好ましいR7及びR8は、ハロゲン、C14アルキル及びC14ハロアルキルを包含する。
【0049】
4が(ii)であるとき、有用なR4は、2,2−ジフェニルエテニルを包含する。
【0050】
4が(i)であるとき、R4部分は、好ましくは、Zを基準とするメタ又はパラで、二環式ベンゾヘテロサイクル式コアに結合している。
【0051】
4が(iii)であるとき、好ましいR9は、水素、ハロゲン及びC16アルキルを包含する。
【0052】
4が(iv)であるとき、好ましいR10は、水素及びC16アルキルを包含する。
【0053】
式Iの好ましい化合物は、Xは、−NH−であり;Yは、酸素であり;R2及びR3は、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルから独立して選ばれるものであり;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものを包含する。Xが−NH−である式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;R1は、上述の通りであるものを包含する。Xが−NH−である式Iの特に好ましい化合物は、nは0であり;Yは酸素であり;pは2であり;R2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか、又はR4は、上述の部分(ii)であるものを包含する。
【0054】
Xが−NH−である式Iの好ましい化合物は、Yは、酸素であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものも包含する。Xが−NHである式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;R1は、上述の通りであるものも包含する。Xが−NH−である式Iの特に好ましい化合物は、nは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか又は、R4は、上述の、部分(ii)であるものを包含する。
【0055】
式Iの好ましい化合物は、Xは、−N=であり;Yは、酸素であり;R2及びR3は、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルから独立して選ばれるものであり;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものを包含する。Xが−N=である式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、独立に、水素又はC16アルキルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;R1は、上述の通りであるものを含する。Xが−N=である式Iの特に好ましい化合物は、nは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2であり;R2及びR3は、独立に、水素又はC16アルキルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか、又は、R4は、上述の、部分(ii)であるものを包含する。
【0056】
Xが−N=である式Iの好ましい化合物は、Yは、酸素であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、-O-、-S-及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものも包含する。Xが−N=である式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;及びR1は、上述の通りであるものを包含する。Xが−N=である式Iの特に好ましい化合物は、nは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは、−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか、又は、R4は、上述の、部分(ii)であるものを包含する。
【0057】
式Iの好ましい化合物は、Xは、−S−であり;Yは、酸素であり;R2及びR3は、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルから独立して選ばれるものであり;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものを包含する。Xが−S−である式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、独立に水素又はC16アルキルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;R1は、上述の通りであるものを包含する。Xが−S−である式Iの特に好ましい、nは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2であり;R2及びR3は、独立に、水素又はC16アルキルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは、−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか、又はR4は、上述の、部分(ii)であるものを包含する。
【0058】
Xが−S−である式Iの好ましい化合物は、Yは、酸素であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み;n、R1、p及びR4は、上述の通りであるものも包含する。Xが−S−である式Iのより好ましい化合物は、nは、0又は1、好ましくは0であり;Yは、酸素であり;pは、2又は3であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上述の、部分(i)又は(ii)のいずれかであり;R1は、上述の通りであるものを包含する。Xが−S−である式Iの特に好ましい化合物は、nは、0であり;Yは、酸素であり;pは、2であり;R2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、該環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、上述の通りである)から選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含み、該環は好ましくはピペリジルであり;R4は、上記部分(i)(ここで、Zは、−O−であり、R6及びqは、上述の通りである)であるか、又は、R4は、上述の、部分(ii)であるものを包含する。
【0059】
本発明のこの方法で使用することができる代表的な好ましい化合物は、限定はされず、下記のものを包含する。
2−(2,2−ジェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン;
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン;
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン;
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン;
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン;
2−(3−ベンジルオキシ)フェニル−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−[3−(4−tert−ブチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;及び
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
並びにそれらの薬学的に許容し得る塩類。
【0060】
特に好ましい化合物は、下記のものから選ばれる。
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン;
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)ベンゾピリミジン−4−オン;
2−(3−ベンジルオキシ)フェニル−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;及び
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン;
並びにそれらの薬学的に許容し得る塩類。
【0061】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の方法で使用される新規な化合物、及びその医薬組成物に関する。本発明のこの第2の態様による新規な化合物は、上述の、式Iの化合物であるが、R9が水素の場合、R2及びR3は、いずれも、水素又はC16アルキルではない。
【0062】
本発明の化合物は、未加工の化学薬品として投与するほかにも、該化合物を、薬学的に使用し得る調合物に加工しやすくする賦形剤及び助剤を含む、適当な薬学的に許容し得る担体を含有する医薬品調合物(pharmaceutical preparation)の一部として投与することができる。好ましくは、該調合物、特に経口投与することができ、また好ましい投与タイプに使用することができる調合物、例えば錠剤、糖衣錠及びカプセル剤、及び直腸投与することができる調合物、例えば坐剤、並びに経口投与又は注射により投与するのに適当な溶液は、該賦形剤とともに、約0.01〜99%、好ましくは約0.25〜75%の活性化合物を含有する。
【0063】
また、本発明の化合物の、非毒性の薬学的に許容し得る塩類も、本発明の範囲内に包まれる。酸付加塩は、式Iの二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物の溶液を、薬学的に許容し得る非毒性の酸、例えば、限定はされないが、酢酸、安息香酸、炭酸、クエン酸、ジクロロ酢酸、ドデシルスルホン酸、2−エチルコハク酸、フマル酸、グルビオン酸(glubionic acid)酸、グルコン酸、臭化水素酸、塩酸、3−ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、レブリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルフィン酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、スルファミン酸、糖酸、コハク酸、及び酒石酸などの溶液と混合することにより生成される。塩基性アミン塩類は、本発明の二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物の溶液を、薬学的に許容し得る非毒性の酸、例えば上記のもの、好ましくは、塩酸又は炭酸の、溶液と混合することにより生成される。
【0064】
本発明の医薬組成物(pharmaceutical composition)は、本発明の化合物の有益な効果を出すことができるあらゆる動物に投与することができる。このような動物で一番に挙げられるのは、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ及びネコであるが、本発明は、そのように限定されることを意図しない。
【0065】
本発明の医薬組成物は、それらの所期の目的を達成する任意の方法で投与することができる。例えば、投与は、非経口的、皮下、静脈内、筋内、腹腔内、経皮的、又は口腔経路でもよい。あるいは、又は同時に、投与は、経口経路であってもよい。投薬量は、レシピエントの年齢、健康、及び体重によって、また存在するのであれば、同時治療の種類、治療頻度、及び所望の効果の性質によって異なる。
【0066】
本発明の医薬品調合物(pharmaceutical preparation)は、それ自体既知の方式、例えば、従来の混合方法、造粒方法、糖衣錠製造方法、溶解方法、又は凍結乾燥方法によって、製造される。したがって、経口用医薬品調合物(pharmaceutical preparation)は、該活性化合物を固体の賦形剤と混合し、結果として得られる混合物を、場合により、すり砕き、錠剤又は糖衣錠コアを得るために、望ましいか又は必要であれば、適当な助剤を加えた後、該顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。
【0067】
適当な賦形剤は、詳細には、増量剤例えば糖類、例えばラクトース又はスクロース、マンニトール又はソルビトール、セルロース調合物及び/又はカルシウムホスフェート類、例えばトリカルシウムホスフェート又はカルシウムハイドロジェンホスフェート、並びに結合剤、例えばコーンスターチ(トウモロコシデンプン)、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプンを使用したスターチペースト等、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンである。望ましい場合には、崩壊剤例えば上述のスターチ類及びカルボキシメチル−デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸又はその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを加えてもよい。助剤は、とりわけ、流動調節剤及び滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はその塩類、例えばステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコールである。糖衣錠コアは、必要に応じて、胃液に強い適当なコーティングが施される。この目的のために、濃縮糖液を使用することができ、この濃縮糖液は、場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又はチタンジオキシド、ラッカー溶液及び適当な有機溶剤又は溶剤混合物を含んでもよい。胃液に強いコーティングを作るためには、適当なセルロース調合物、例えばアセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレートの溶液が使用される。例えば、識別のため、又は活性化合物投与量の組合せの特徴を示すために、染料又は顔料を、錠剤又は糖衣錠コーティングに使用することができる。
【0068】
他の経口医薬品調合物(pharmaceutical preparation)は、ゼラチン製の押し込み式カプセル、ゼラチン製の軟質密閉カプセル、及び可塑剤、例えばグリセロール又はソルビトールを含む。該押し込み式カプセルは、増量剤、例えばラクトース、結合剤、例えばスターチ、及び/又は、滑沢剤、例えばタルク又はステアリン酸マグネシウム、及び、場合により、安定剤と混合することができる顆粒の形態で、活性化合物を含有する。軟質カプセルの中で、活性化合物は、好ましくは適当な液体、例えば不揮発性油、又は液体パラフィン中に溶解又は懸濁されている。加えて、安定剤を添加することができる。
【0069】
直腸に使用することができる、可能な医薬品調合物(pharmaceutical preparation)は、例えば、1種以上の活性化合物と坐剤基剤の組合せで構成される坐剤を包含する。適当な坐剤基剤は、例えば、天然又は合成のトリグリセリド類、又はパラフィン炭化水素である。加えて、該活性化合物と基剤との組合せで構成されるゼラチン直腸用カプセルを使用することも可能である。可能な基剤材料は、例えば、液体トリグリセリド類、ポリエチレングリコール類、又はパラフィン炭化水素を包含する。
【0070】
非経口的投与に適当な製剤は、水溶性の形態、例えば、水溶性の塩類及びアルカリ溶液で、活性化合物の水溶液を含む。加えて、適切な油性注射用懸濁液として活性化合物の懸濁液を投与することができる。適当な親油性溶剤又は媒体は、不揮発性油、例えば、ゴマ油、又は合成脂肪酸エステル、例えば、エチルオレアート又はトリグリセリド類又はポリエチレングリコール-400(該化合物は、PEG-400に溶けやすい)を包含する。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を上昇させる物質を含有することができ、また、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、及び/又はデキストランを包含する。場合により、該懸濁液は、安定剤も含むことができる。
【0071】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様に従って、式Iの新規な二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物を製造する方法に関する。
【0072】
Xが−NH−である式Iの二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物は、第1ステップで、2−ニトロベンゾイルクロライド化合物を、適当な一級アミン化合物と反応させることを含む方法で調製される。次いで、結果として生じる生成物のニトロ部分を、アミンに還元する。次いで、該アミン置換生成物を適切なアルデヒド化合物と反応させ、その結果として閉環を招き、Xが−NH−である式Iの化合物を形成する。
【0073】
スキーム1は、Xが−NH−であり且つ該一級アミンが2−ピペリジニルエチルアミンである、式Iの化合物を製造する方法を示す。
【化22】

【0074】
Xが−N=である式Iの化合物を得るためには、該方法は、スキーム1に記載されている、上記方法の最終生成物(6a−d)を、下記スキーム2に記載されている2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)及びトリクロロメタンと反応させることを含む。
【化23】

【0075】
Xが−S−である式Iの化合物を得るためには、該方法は、2−メルカプト安息香酸(すなわち、チオサリチル酸)を一級アミンと反応させ、続いて、結果として生じる生成物を、適切なアルデヒドと反応させることを含む。下記スキーム3は、Xが−S−であり且つ該一級アミンが2−ピペリジニルエチルアミンである式Iの化合物の形成を示す。
【0076】
【化24】

【0077】
上述の各方法で使用されるアルデヒドは、式R4−C(O)−H(ここで、R4は、上述の部分(i)〜(v)のいずれであってもよい)。R4が(i)、(iv)又は(v)であるとき、該アルデヒド官能基は、フェニル環上の任意の利用できる位置(すなわち、オルト、メタ又はパラ)又はR4の縮合ベンゼン環のベンゾ部分にて結合していてもよい。
【0078】
上述の方法により得られる式Iの化合物は、フラッシュカラムクロマトグラフィ又はシリカゲルクロマトグラフィで精製される。
【0079】
本明細書で開示する発明は、開示された化合物の、全ての薬学的に許容し得る塩類を包含するものとする。該薬学的に許容し得る塩類は、金属塩類、例えばナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等;アルカリ土類金属類、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等;有機アミン塩類、例えばトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等;無機酸塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等;有機酸塩類、例えばホルメート、アセテート、トリフルオロアセテート、マレエート、タルトレート等;スルホナート類、例えばメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート等;及びアミノ酸塩類、例えばアルギナート、アスパルギナート、グルタメート等を包含するが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書で開示する発明はまた、開示された化合物の、生体内(in vivo)代謝産物も包含するものとする。このような産物は、例えば、主として酵素作用による、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、及びエステル化等の結果生じ得る。従って、本発明は、本発明の化合物を、その代謝産物を生じるのに十分な時間、哺乳動物と接触させることを含む方法で産生される化合物を包含する。このような産物は、一般に、放射標識された本発明の化合物を調製し、これを検出可能な用量で動物、例えばラット、マウス、モルモット、サル、又はヒトに非経口的に投与し、十分な時間、代謝をさせ、その変換産物を、尿、血液又は他の生体サンプルから単離することにより同定される。
【0081】
本明細書で開示する発明はまた、異なる原子量又は質量数を有する原子で置き換えられた1つ以上の原子を有することによって同位元素標識されている、開示された化合物も包含するものとする。開示された化合物に組み込むことができる同位元素の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位元素、例えば、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clを包含する。
【0082】
本明細書で開示する発明の化合物の一部は、1つ以上の不斉中心を含むことがあり、したがって鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性形を生じ得る。本発明はまた、全てのこのような存在し得る形並びにそれらのラセミ形及び分割形並びにそれらの混合物も包含するものとする。本明細書に記載の化合物が、オレフィン性二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含み、かつ特に明記しない限り、本発明は、E幾何異性体及びZ幾何異性体の両者を包含することを意図する。全ての互変異性体も、本発明に含まれることを意図する。
【0083】
用語「立体異性体」は、本明細書で使用される場合、それらの原子の空間での配置のみが異なる個々の分子の全ての異性体を表すための一般用語である。立体異性体は、鏡像異性体、及び互いの鏡像ではない、2個以上のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)を包含する。
【0084】
用語「キラル中心」は、4個の異なる基が結合している炭素原子、あるいは硫黄原子及びその結合基が、スルホキシド、スルフィン酸エステル、スルホニウム塩又はスルファイトを形成する、3個の異なる基が結合している硫黄原子を指す。
【0085】
用語「鏡像異性体」又は「鏡像異性体の」は、その鏡像体上に重ね合わせることができない分子であり、そして、該鏡像異性体が偏光面を一方向に回転させ、またその鏡像体が偏光面を反対方向に回転させるといった光学的に活性な分子を指す。
【0086】
用語「ラセミ体」は、同じパーツを有する鏡像異性体の混合物を指し、光学的に不活性である。
【0087】
用語「分割」は、分子の2つの鏡像異性体形の一方の、分離、濃縮、又は減少を指す。語句「鏡像体過剰率」は、1つの鏡像異性体が、その鏡像分子より高濃度で存在する混合物を指す。
【0088】
本発明の第1の態様の方法は、ナトリウムチャネルの遮断に敏感な障害に罹患している哺乳動物で、該障害を治療することに関する。具体的には、式Iの二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物を使用する本発明の方法は、ヒト、又は伴侶動物、例えばイヌ及びネコ、の治療に応用することができる。本発明の方法で使用するための式Iの好ましい二置換二環式ベンゾヘテロサイクル化合物は、上述のものである。
【0089】
ナトリウムチャネルブロッカー活性を決定するために、電気生理学的アッセイにより、解離した海馬ニューロンで、本発明の方法に対する該化合の有効性を評価する。場合により、ニューロン電位依存性ナトリウムチャネルへの結合についても、ラット前脳膜及び[3H]BTX-Bを使用して、これらの化合物を分析する。
【0090】
ナトリウムチャネルは、様々な組織で発現する大きい膜貫通タンパク質である。それらは、電位感受性チャネルであり、また筋細胞、神経細胞、及び心筋細胞を含む多くの興奮細胞における、活動電位と関連した脱分極に応答したNa+透過性の急激な上昇に関与する。
【0091】
本発明の方法の別の態様は、特異的Na+チャネルブロッカーとしての、本明細書で開示された化合物の作用機序の発見である。この機序の発見に基づいて、これらの化合物は、局所虚血又は全脳虚血に起因するニューロン欠損の治療又は予防、並びにALS、不安、及び癲癇を含む神経変性性疾患の治療又は予防に有用であると考えられる。これらはまた、神経因性疼痛、外科的疼痛、慢性疼痛及び耳鳴りの治療、予防又は改善に有効なことも期待される。該化合物はまた、抗不整脈薬、麻酔薬、及び抗躁鬱薬として有用なことも期待される。
【0092】
本発明の方法は、電位感受性ナトリウムチャネルのブロッカーである式Iの化合物の使用に関する。本発明によれば、好ましいナトリウムチャネル遮断特性を有する化合物は、本明細書に記載の電気生理学的アッセイで、約100μM以下のIC50を示す。好ましくは、本発明の化合物は、10μM以下のIC50を示す。最も好ましくは、本発明の化合物は、約1.0μM以下のIC50を示す。下記の結合及び電気生理学的アッセイを使用して、本発明の化合物を、それらのNa+チャネル遮断活性についてテストすることができる。
【0093】
生体外(in vitro)結合アッセイ:
それぞれ、Yasushi, J. Biol. Chem. 261:6149-6152 (1986)及びCreveling, Mol. Pharmacol. 23:350-358 (1983)に十分に説明されている手順に従って、Na+チャネルの部位1又は部位2のいずれかを調節する、本発明の化合物の能力を決定した。ラット前脳膜を、Na+チャネルタンパク質源として使用する。該結合アッセイは、それぞれ、部位1用及び部位2用の放射性リガンドとしての[3H]サキシトキシン及び[3H]バトラコトキシンとともに、130μMコリンクロライド中、37℃で60分間のインキュベーションで実施する。
【0094】
生体内(in vivo)薬理学:
本発明の化合物は、i.v.、p.o.又はi.p.注射後に、最大電気ショック痙攣テスト(MES)を含む多数の抗痙攣テストをマウスで使用して、in vivo抗痙攣薬活性についてテストすることができる。Ugo Basile ECT装置(モデル7801)を使用して、電流(50mA、60パルス/sec、パルス幅0.8msec、持続時間1sec、D.C.、マウス;99mA、125パルス/sec、パルス幅0.8msec、持続時間2sec、D.C.、ラット)を加えることにより、15〜20gのオスNSAマウス及び200〜225gのオス・スプレーグ・ドーリ(Sprague-Dawley)ラットで、最大電気ショック痙攣を誘発する。マウスは、背面上のたるんだ皮膚をしっかりつかむことによって拘束し、食塩被覆角膜電極を、2枚の角膜にそっと当てておく。ラットは、ベンチ最上部での自由な動きが許され、また耳クリップ電極が使用される。電流を加え、強直性後肢伸筋反応の発生について動物を最高30秒間、観察する。強直発作は、身体平面から90度を越える後肢伸長として定義される。結果は、量子法で処理する。
【0095】
Hunskaar, S., O. B. Fasmer,and K. Hole, J. Neurosci.Methods 14:69-76(1985)に記載の通り、該化合物は、それらの抗侵害活性について、ホルマリンモデルで試験することができる。オスSwiss Webster NIHマウス(20〜30g;カリフォルニア州San DiegoのHarlan)を全ての実験で使用する。実験当日に食餌を撤収する。マウスをPlexiglass(登録商標)ジャーの中に少なくとも1時間入れ、環境に馴化させる。馴化期間後、マウスを体重測定し、i.p.投与又はp.o.投与される当該化合物、又は適切な量の媒体(10% Tween(商標)−80)のいずれかを与える。i.p.投与の15分後、及びp.o.投与の30分後に、マウスの右後足背面にホルマリン(生理食塩水中5%のホルムアルデヒド溶液20μL)を注射する。マウスをPlexiglass(登録商標)ジャーに移し、注射した足を舐める(リッキング)か又は噛む(バイティング)のに費やした時間をモニターする。ホルマリン注射後1時間、5分間隔で、リッキング期間及びバイティング期間を記録する。全実験を、盲検方式で明周期中に実施する。ホルマリン反応の初期は、0〜5分にリッキング/バイティングとして測定し、後期は、15〜50分に測定する。媒体治療群と薬物治療群との間の差を、一元配置分散分析(ANOVA)で解析する。p値≦0.05を、有意と考える。ホルマリン誘導性足舐め(paw-licking)行動の急性期及び第2期の遮断活性は、化合物が、急性疼痛及び慢性疼痛に有効であると考えられることを示す。
【0096】
該化合物は、それらの慢性疼痛治療(抗アロディニア及び抗痛覚過敏活性)の可能性について、末梢神経障害のChungモデルでテストすることができる。体重200〜225gのオスSprague-Dawleyラットを、ハロタン(70%空気及び30%酸素の混合物中1〜3%)で麻酔し、麻酔中、恒温毛布の使用により、それらの体温を管理した。次いで、L5及びL6レベルに、2cmの背中線切開を行い、脊椎傍(para-vertibral)筋群を両側に収縮させる。次いで、L5及びL6脊髄神経を露出させ、単離し、6-0絹縫合糸でしっかり結紮する。陰性対照として、対側のL5及びL6脊髄神経を露出して、擬似手術を実施する。
【0097】
触覚アロディニア:ラットを、金網床付高架テストケージ(elevated testing cage)に移し、5〜10分間、馴化させる。一連のSemmes-Weinsteinモノフィラメントを、後足の足底表面に当てて、動物の逃避閾値を決定する。使用される第1のフィラメントは、座屈重量9.1g(対数値0.96)を有し、逃避反応を誘発するかどうかをみるために、最高5回まで当てる。動物が逃避反応を有する場合には、シリーズの中で次に軽いフィラメントを最高5回まで当てて、反応を誘発することができるかどうかを決定する。反応がなくなるまで、次の、より軽いフィラメントを用いて、この手順を繰り返し、反応を誘発する最も軽いフィラメントを記録する。動物が、最初の9.1gフィラメントから逃避反応を示さない場合には、フィラメントが反応を誘発するまで、より重い次のフィラメントを当て、次いで、このフィラメントを記録する。各動物について、各時点で3回の測定を行い、平均逃避閾値を決定する。テストは、薬物投与前並びに薬物投与後1、2、4及び24時間に実施する。触覚アロディニア及び機械的痛覚過敏テストを同時に実施した。
【0098】
機械的痛覚過敏:ラットを、金網床付高架テストケージ(elevated testing cage)に移し、5〜10分間、馴化させる。僅かに鈍化した針を、後足の足底表面に接触させ、皮膚を穿通することなく、皮膚の小さいくぼみを生じさせる。該針を対照の足に施すと、一般に、余りにも短かくてストップウォッチで計時できない、迅速なたじろぎ反応(flinching reaction)を引き起こすため、独断的に、0.5秒の逃避時間を与える。神経障害動物の手術側の足は、鈍化した針に対して、誇大な逃避反応を示す。最大避時間10秒を、カットオフ時間として使用する。施行の間に5分の回復期間を用いて、動物の両足の逃避時間を、各時点で3回測定する。この3回の測定値を使用して、各時点ごとに平均逃避時間を出す。触覚アロディニア及び機械的痛覚過敏テストを同時に実施する。
【0099】
該化合物は、Buchanら、Stroke, Suppl. 148-152 (1993); Sheardownら、Eur. J. Pharmacol. 236:347-353 (1993); 及びGrahamら、 J. Pharmacol. Exp. Therap. 276:1-4 (1996)に記載の手順に従って、ラット又はアレチネズミで生じさせた局所虚血及び全脳虚血後に、それらの神経保護活性についてテストすることができる。
【0100】
該化合物は、Wrathallら、Exp. Neurology 137:119-126 (1996)及びIwasakiら、J. Neuro Sci. 134:21-25(1995)に記載の手順に従って、外傷性脊髄損傷後、それらの神経保護活性についてテストすることができる。
【0101】
電気生理学的アッセイ:
電気生理学的アッセイを使用して、アフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞で発現されるrBIIa/β1ナトリウムチャネルで、本発明の化合物の有効性を測定した。
【0102】
クーロン化ラット脳タイプIIa(rBIIa)及びベータ1(β1)をコード化するcRNAの準備:ラット脳β1サブユニットをコード化するcDNAクローンは、標準方法を使用して室内でクローニングし、mRNAは、標準方法で調製する。rBIIaをコードするmRNAは、Dr.A.Golden(カルフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine))により提供される。mRNAを希釈し、適量を加えて1μLにし、インジェクションまで−80℃で保存する。
【0103】
卵母細胞の準備:確立した手順(Woodward, R. M.ら、 Mol. Pharmacol. 41:89-103 (1992))に従い、0.15% 3−アミノ安息香酸エチルエステル(MS-222)を使用して、成熟したメス・アフリカツメガエル(Xenopus laevis)を麻酔する(20〜40分)。
【0104】
2〜6の卵巣葉(ovarian lobe)を摘出する。被覆性卵巣組織(enveloping ovarian tissue)で未だ包囲されている、発生段階V-VIの卵母細胞を、卵巣から解離する(dissect)。手術当日に、卵母細胞をコラゲナーゼ(0.5 mg/mL Sigma タイプI)、又はBoehringer Mannheim タイプA、0.5〜1時間)で処理することにより、卵胞除去(defolliculate)する。処理した卵母細胞を渦巻攪拌して、上皮を除去し、繰り返し洗浄し、88mM NaCl、1mM KCl、0.41mM CaCl2、0.33mM Ca(NO3)2、0.82mM MgSO4、2.4mM NaHCO3、5mM HEPES、pH7.4(0.1mg/mL硫酸ゲンタマイシンで調整)を含有するBarth培地中に保存する。
【0105】
卵母細胞のマイクロインジェクション:卵胞除去した卵母細胞に、Nanojectインジェクションシステム(ペンシルベニア州BroomallのDrummond Scientific Co.)を使用してマイクロインジェクションを行う。目詰まりを最小限に抑えるために、インジェクション・ピペットは斜めに切られている。インジェクションピペットの先端直径は、15〜35μmである。卵母細胞に、1:10比のrBIIa用cRNAとβ1用cRNAとの混合物およそ50nLのマイクロインジェクションを行う。
【0106】
電気生理学:115mM NaCl、2mM KCl、1.8mM CaCl2、5mM HEPES、pH7.4を含有するカエルリンゲル液中で、膜電流反応を記録する。インジェクション後1〜7日の範囲の期間にわたって、従来の2電極電圧固定法(Dagan TEV-200)を使用して、電気的記録を行う。記録チャンバは、簡単な加重力フロースルー・チャンバ(gravity fed flow-through chamber)(吸引装置の調節によって、容積100〜500mL)である。卵母細胞を記録チャンバに入れ、電極で固定し、カエルリンゲル液で連続的に潅流する(5〜15mL/分)。被験化合物をバッチ式潅流で作用させる。
【0107】
ナトリウムチャネル電流を誘起するための電圧プロトコール:全卵母細胞クランプの標準保持電位は、−120mVである。標準電流−電圧関係は、−60mVから出発し、10mVずつ上昇させて+50mVまでの、40ms脱分極ステップで引き出される。ピーク電流は、脱分極電圧ステップ後に、最大負電流として測定される。最大電流応答からの電圧を書き留め、次の電圧プロトコールに使用する。
【0108】
目的は、神経細胞ナトリウムチャネルの状態依存性修飾因子(modifiers)である化合物を見つけることである。好ましくは、該化合物は、チャネルの静止/閉鎖状態に対して低いアフィニティを有するが、不活化状態には高いアフィニティを有する。下記の電圧プロトコールを使用して、不活化状態の化合物アフィニティを測定する。卵母細胞は、−120mVの保持電位に保持する。この膜電圧では、チャネルのほとんど全部が閉鎖状態にある。次に、最大電流が誘発される電圧まで、4秒脱分極を行う。この脱分極の終わりには、ほとんど全てのチャネルが、不活化状態にある。次いで、一部のチャネルを不活化状態から外すために、10ms過分極ステップを行う。最後の脱分極テストパルスを使用して、この長時間にわたる脱分極後ナトリウム電流を分析する(以下の分析を参照)。ナトリウム電流は、被験化合物の適用前及び適用後に、このテストパルスにて測定する。データは、pCLAMP8.0ソフトウェアを使用して獲得し、CLAMPFITソフトウェア(Axon instruments)で解析する。
【0109】
データ解析:拮抗物質の見掛けの阻害定数(Ki値)は、次式(Cheng-Prusoff式の汎用形)(Leff, P. and Dougall, I. G., TiPS 4:110-112 (1993)):
i=(FR/1−FR)×[薬物] 式2
(ここで、FRは、部分反応であり、薬物適用前に、最終脱分極テストパルスにより誘発されるナトリウム電流を、薬物の存在下で測定されるナトリウム電流で割った商として定義され、[薬物]は、使用される薬物の濃度である)を使用して、一点阻害データで決定される。
【0110】
薬物:薬物は、最初に、DMSO中2〜10mMの濃度で作る。次いで、希釈を行い、化合物の効力に応じて、0.3μM〜10mMの範囲にわたって、一連のDMSO原液を調製する。使用溶液は、リンゲル液で原液を1000〜3000倍希釈することにより作った。これらの希釈で、DMSOのみは、膜電流反応に対して測定可能な作用をほとんど又は全く示さない。薬物のDMSO原液は、4℃の暗所で保存する。薬物のリンゲル溶液は、使用日毎に新鮮なものにする。
【0111】
本発明の範囲内の組成物は、その所期の目的を達成するのに有効な量で、本発明の化合物が含まれている全ての組成物を包含する。個々の必要量は様々であるが、各成分の有効量の最適範囲の決定は、当該技術の範囲内である。一般的には、該化合物は、癲癇、神経変性疾患、麻酔薬、不整脈、躁鬱病及び/又は慢性疼痛の治療がなされる哺乳動物の体重に対し一日に、0.0025〜50mg/kgの用量で、又はその薬学的に許容し得る塩の相当量で、哺乳動物、例えばヒトに、経口投与することができる。筋内注射の場合、用量は、概して経口用量の約半分である。
【0112】
全脳虚血及び局所虚血、脳及び脊髄外傷、低酸素症、低血糖症、癲癇状態並びに外科手術におけるニューロン欠損を治療又は予防する方法では、該化合物は、約0.025〜約10mg/kgの用量で、静脈内注射により投与することができる。
【0113】
経口投与一回あたりの用量は、約0.01〜約50mg、好ましくは約0.1〜約10mgの該化合物を含むことができる。一回あたりの用量は、それぞれ、約0.1〜約10mg、適切には約0.25〜約50mgの該化合物又はその溶媒和物を含有する1個以上の錠剤として、毎日1回以上投与することができる。
【0114】
以下の非限定的実施例は、本発明の態様を例証する。その他の、臨床治療で通常経験する、また当業者に明白な、様々な条件及びパラメーターの適当な修飾及び改変は、本発明の目的及び範囲内にある。
【実施例1】
【0115】
「二置換3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン化合物(6a〜d)」
ジクロロメタン中に2−ニトロベンゾイルクロライド 1(3.0g、16.2mmol)を含む溶液に、トリエチルアミン(2.5g、24.2mmol)及び2−ピペリジン−1−イルエチルアミン(2、3.2g、24.2mmol)を加えた。2時間後、溶剤を蒸発させ、化合物3を得て、シリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0116】
エタノール中に化合物3(4.9g、17.6mmol)を含む溶液に、10% Pd/C(731mg)を加えた。この反応混合物を、水素雰囲気下、55psiで1.5時間振盪させた。次いで、結果として生じた生成物を、CELITE(登録商標)を通過させて濾過し、濃縮した。化合物4は、濃縮物から白色固体沈澱物として得て、濾過により回収し、エタノールで洗浄した。
【0117】
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン(6a):トルエン中に化合物4(247g、1mmol)を含む溶液に、3,3−ジフェニルプロペナル 5(1.0mmol)及び4分子篩を加えた。この溶液を、95℃で12時間、加熱し、次に、環境温度まで冷却した。溶剤を蒸発させ、結果として生じた化合物6aを、シリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0118】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン(6b):使用したアルデヒド 5が、4−(4−フルオロフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物6aの場合と同じ手順に従った。
【0119】
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン(6c):使用したアルデヒド 5が、3−(3,4−ジクロロフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物6aの場合と同じ手順に従った。
【0120】
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン(6d):使用したアルデヒド 5が、(3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物6aの場合と同じ手順に従った。
【実施例2】
【0121】
「二置換3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン化合物(7a〜c)」
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン(7a):クロロホルム中に化合物6a(0.05mmol)を含む溶液に、クロロホルム中0.05 MのDDQ溶液1mLを加え、2時間反応させ、その後、この反応混合物を、精製用シリカゲルカラムにかけた。結果として生じた化合物7aを、精製ステップで得られる溶離液から取り出した。
【0122】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン(7b):化合物6aの代わりに化合物6bを使用したこと以外は、化合物7aの場合と同じ手順に従った。
【0123】
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン(7c):化合物6aの代わりに化合物6dを使用したこと以外は、化合物7aの場合と同じ手順に従った。
【実施例3】
【0124】
「二置換3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン化合物(9a〜f)」
2−(3−ベンジルオキシ)フェニル−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9a):トルエン中に3−ベンジルオキシベンズアルデヒド 5(1mmol)を含む溶液に、2−ピペリジン−1−イルエチルアミン 2(128mg、1.0mmol)4分子篩と、2−メルカプト安息香酸 8(154mg、1mmol)とを加えた。この反応混合物を、95℃に加熱し、12時間還流させ、次いで環境温度まで冷却した。溶剤を反応混合物から蒸発させ、化合物9aを含有する保持液を、シリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0125】
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9b):使用したアルデヒド 5が3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物9aの場合に実施したものと同じ方法を使用した。
【0126】
2−[3−(4−tert−ブチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9c):使用したアルデヒド 5が3−(4−tert−ブチルフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物9aの場合に実施したものと同じ方法を使用した。
【0127】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9d):使用したアルデヒド 5が4−(4−フルオロフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物9aの場合に実施したものと同じ方法を使用した。
【0128】
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9e):使用したアルデヒド 5が3,3−ジフェニルプロペナルであったこと以外は、化合物9aの場合に実施したものと同じ方法を使用した。
【0129】
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン(9f):使用したアルデヒド 5が3−(3,4−ジクロロフェノキシ)ベンズアルデヒドであったこと以外は、化合物9aの場合に実施したものと同じ方法を使用した。
【実施例4】
【0130】
「本発明の化合物の物理学的データ及び生物学的活性」
本発明の化合物の物理学的データを表1に示す。上述のアッセイを使用して、表1に記載した本発明の選ばれた化合物のナトリウムチャネル阻害に関するKi値を決定した。これらのKi値は、1〜3960nMの範囲であった。
【0131】
【表1】


【実施例5】
【0132】
「錠剤製造」
下表2に例示されている、本発明の化合物(すなわち「活性化合物」)を、それぞれ、25.0、50.0、及び100.0mg含有する錠剤を製造する。
【0133】
【表2】

【0134】
活性化合物の全て、セルロース、及びコーンスターチの一部を混合し、10%コーンスターチペーストに顆粒化する。結果として生じた顆粒をふるいにかけ、乾燥させ、コーンスターチの残り及びステアリン酸マグネシウムと混合する。次いで、結果として生じた顆粒を圧縮して、錠剤1錠当たり、それぞれ、25.0、50.0、及び100.0mgの有効成分を含有する錠剤に固めた。表2に記載の各成分の具体的な量は、限定されるわけではなく、例示である。有効成分の量は、約25〜約100mgの範囲の任意の量であってもよい。従って、当業者により必要とみなされたとき、残りの成分の量は、それ相応に調節することができる。
【実施例6】
【0135】
「静脈注射用溶液調製物」
本発明の化合物(すなわち「活性化合物」)の静脈内剤形は、下表3に示す通りに調製される。
【0136】
【表3】

【0137】
上記の量を使用して、注射用水(USP、合衆国薬局方(United States Pharmacopeia)/メリーランド州RockvilleのUnited States Pharmacopeial Convention, Inc.により発行された、1995年用国民医薬品集(National Formulary for 1995)(1994)の1636ページ参照)中に、塩化ナトリウム、クエン酸、及びクエン酸ナトリウムを含む、予め準備した溶液に、該活性化合物を室温で溶解する。
【0138】
ここでは、本発明を十分に説明したため、広くまた同等の範囲の条件、調合物及び他のパラメータで、本発明の範囲又はその実施形態に影響を及ぼさずに、同じことを実施できることを、当業者は理解するであろう。
【0139】
本発明の他の実施形態は、明細書の熟考及び本書に開示されている本発明の実施により、当業者に明白になるであろう。明細書及び実施例は、例示に過ぎないとみなされ、本発明の真の範囲及び目的は、特許請求の範囲によって示されることを意図する。
【0140】
本書に列挙した全ての資料(例えば、科学出版物、特許、及び特許公報)は、あたかも、それぞれ個々の資料が具体的にかつ個別に、参照によりその全体が組み込まれるように指示されたのと同程度まで、参照によりその全体を本明細書に援用する。引用の資料が、該資料の第1ページのみを提供するだけの場合でも、該資料の残りのページを含む資料全体が意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
nは0〜3の整数であり、
pは2〜4の整数であり、
Xは−N=、−NH−又は−S−であり、
Yは酸素又は硫黄であり、
1は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル、アミノ、ニトロ及びシアノからなる群より選ばれるものであり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C38シクロアルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、各々独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル及びC16ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれるものである)からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4は、
(i)
【化2】

(式中:
Zは−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−NHCH2−、−CH2NH−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−又は−CH2S−であり、
6は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシアルキルからなる群より選ばれるものであり、
qは0〜4の整数である)、
(ii)
【化3】

(式中:
7及びR8は、各々独立して、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16アルコキシ、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルコキシアルキルからなる群より選ばれるものであり、
rは0〜4の整数であり、
sは0〜4の整数である)、
(iii)
【化4】

(式中:
9は水素、ハロゲン又はアルキルであるが、R9が水素である場合、R2及びR3は、いずれも、水素又はC16アルキルではない)、
(iv)
【化5】

(式中:
10は水素又はアルキルである)、及び、
(v)ナフチル
からなる群より選ばれるものである]
の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物。
【請求項2】
nが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
pが2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが酸素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジル環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
4が部分(i)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記R4部分は、Zを基準とするメタ又はパラで、二環式ベンゾヘテロサイクリック式コアに結合している、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが−O−、−OCH2−又は−CH2O−である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
qが0、1又は2である、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
6がハロゲン、C14アルキル又はC14ハロアルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
4が4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル、3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル、3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル、3−ベンジルオキシフェニル又は3−(4−tert−ブチルフェノキシ)フェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
4が部分(ii)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
rが0である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
sが0である、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
7及びR8は、独立して、ハロゲン、C14アルキル及びC14ハロアルキルからなる群より選ばれるものである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
4が2,2−ジフェニルエテニルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】
Xが−NH−であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Xが−NH−であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5からなる群より独立して選ばれる1個又は2個のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Xが−NH−であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Xが−N=であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
Xが−N=であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
Xが−N=であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
Xが−S−であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
Xが−S−であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
Xが−S−であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン、
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン、
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−キナゾリン−4−オン、
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン、
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−ベンゾピリミジン−4−オン、
2−(3−ベンジルオキシ)フェニル−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン、
2−[3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン、
2−[3−(4−tert−ブチルフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン、
2−(2,2−ジフェニルエテニル)−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン、及び、
2−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−3−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−2,3−ジヒドロベンゾ−1,3−チアジン−4−オン
からなる群より選ばれる化合物、又はその薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、及び薬学的に許容し得る担体又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項28】
Xが−NH−である請求項1に記載の化合物を製造する方法であって、
(a)2−ニトロベンゾイルクロライド又は2−ニトロチオベンゾイルクロライドを、式II:
【化6】

(式中、p、R2及びR3は、請求項1で定義されている通りである)
の化合物と反応させること、
(b)(a)からの生成物を、水素の存在下で還元すること、
(c)(b)からの生成物を、式III:
【化7】

(式中、R4は、請求項1で定義されている通りである)
のアルデヒドと反応させること、及び、
(d)(c)から得られる生成物を回収すること
を含む、前記方法。
【請求項29】
Xが−N=である請求項1に記載の化合物を製造する方法であって、
(a)2−ニトロベンゾイルクロライド又は2−ニトロチオベンゾイルクロライドを、式II:
【化8】

(式中、p、R2及びR3は、請求項1で定義されている通りである)
の化合物と反応させること、
(b)(a)からの生成物を、水素の存在下で還元すること、
(c)(b)からの生成物を、式III:
【化9】

(式中、R4は、請求項1で定義されている通りである)
のアルデヒドと反応させること、
(d)(c)からの生成物を、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン及びトリクロロメタンと反応させること、及び、
(e)(d)から得られる生成物を回収すること
を含む、前記方法。
【請求項30】
Xが−S−である請求項1に記載の化合物を製造する方法であって、
(a)2−メルカプト安息香酸又は2−メルカプトチオ安息香酸を、
(i)式II:
【化10】

(式中、p、R2及びR3は、請求項1で定義されている通りである)
の化合物、及び、
(ii)式III:
【化11】

(式中、R4は、請求項1で定義されている通りである)
のアルデヒドと反応させること、及び、
(b)(a)から得られる生成物を回収すること
を含む、前記方法。
【請求項31】
ナトリウムチャネルの遮断に敏感に反応する障害に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、
前記哺乳動物に、前記障害を治療又は改善するのに有効な量で、式I:
【化12】

[式中、
nは0〜3の整数であり、
pは2〜4の整数であり、
Xは−N=、−NH−又は−S−であり、
Yは酸素又は硫黄であり、
1は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル、アミノ、ニトロ及びシアノからなる群より選ばれるものであり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C38シクロアルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−(ここで、R5は、各々独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル及びC16ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれるものである)からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4は、
(i)
【化13】

(式中:
Zは−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−NHCH2−、−CH2NH−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−又は−CH2S−であり、
6は、各々独立して、ハロゲン、C16アルキル、C16アルコキシ、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシアルキルからなる群より選ばれるものであり、
qは0〜4の整数である)、
(ii)
【化14】

(式中:
7及びR8は、各々独立して、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16アルコキシ、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルコキシアルキルからなる群より選ばれるものであり、
rは0〜4の整数であり、
sは0〜4の整数である)、
(iii)
【化15】

(式中:
9は水素、ハロゲン又はアルキルである)、
(iv)
【化16】

(式中:
10は水素又はアルキルである)、及び、
(v)ナフチル
からなる群より選ばれるものである]
の化合物、また又はその薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物を投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
Xが−NH−であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
Xが−NH−であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
Xが−NH−であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含有し;
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項31に記載の方法。
【請求項35】
Xが−N=であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項31に記載の方法。
【請求項36】
Xが−N=であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項31に記載の方法。
【請求項37】
Xが−N=であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれた1個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項31に記載の方法。
【請求項38】
Xが−S−であり、
Yが酸素であり、
2及びR3は、独立して、水素、C16アルキル、C16ハロアルキル、C16ヒドロキシアルキル及びC16アルキルオキシ(C16)アルキルからなる群より選ばれるものであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有する、
請求項31に記載の方法。
【請求項39】
Xが−S−であり、
nが0又は1であり、
Yが酸素であり、
pが2又は3であり、
2及びR3は、独立して、水素又はC16アルキルであるか、又はR2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より独立して選ばれる1個又は2個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)又は(ii)のいずれかである、
請求項31に記載の方法。
【請求項40】
Xが−S−であり、
nが0であり、
Yが酸素であり、
pが2であり、
2及びR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、4個又は5個の炭素原子を有する環を形成し、この環は場合により、−O−、−S−及び−NR5−からなる群より選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含有し、
4が部分(i)(ここで、Zは−O−である)又は部分(ii)である、
請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記障害が、神経障害、急性又は慢性疼痛、神経因性疼痛、外科的疼痛、痙攣、神経変性性の病気、躁鬱病及び糖尿病性神経障害からなる群より選ばれるものである、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記障害が、急性又は慢性疼痛である、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記障害が、神経因性疼痛である、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記障害が、外科的疼痛である、請求項31に記載の方法。
【請求項45】
前記障害が、局所虚血又は全脳虚血に起因する神経損傷である、請求項31に記載の方法。
【請求項46】
前記障害が、神経変性性の病気である、請求項31に記載の方法。
【請求項47】
前記神経変性性の病気が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物が、抗耳鳴り薬、抗痙攣薬、抗不整脈薬、局所麻酔薬又は抗躁鬱薬として機能するものである、請求項31に記載の方法。
【請求項49】
前記哺乳動物が、ヒト、イヌ又はネコである、請求項31に記載の方法。
【請求項50】
前記哺乳動物がヒトである、請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2006−500343(P2006−500343A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−526225(P2004−526225)
【出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/023791
【国際公開番号】WO2004/013111
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】