説明

二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法

【課題】 酸素ガスバリア性などのガスバリア性、弾性率などの機械的特性、グロス、印刷性、メタル化、塗布性、巻取り特性に優れ、低コストで製造でき、他のポリマー、特にポリオレフィンを積層した際に接着性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルとポリ(m−キシレンアジパミド)とから成る二軸延伸ポリエステルフィルムであって、当該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に接着促進性を有する塗布層が形成され、当該少なくとも1つの塗布層が、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成り、当該ポリエステルフィルムの弾性率が長手方向、横方向とも3500Nmm以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、酸素ガスバリア性などのガスバリア性、弾性率などの機械的特性、グロス、印刷性、メタル化、塗布性、巻取り特性に優れ、低コストで製造でき、他のポリマー、特にポリオレフィンを積層した際に接着性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。本発明は、更に、上記二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法およびその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性に優れ、高グロスで機械的性質に優れ、酸素ガス等のガスバリア性に優れるため、近年、食品、飲料、ペットフード、洗剤などの包装材としての使用が増加している。しかしながら、多くの包装材用途において、二軸延伸PETフィルムよりも優れたガスバリア性が要求される。例えば、チーズ、コーヒー、ハーブ、スパイス、ベビーフード等の食品においては、高いガスバリア性が要求される。
【0003】
多くの場合、二軸延伸PETフィルムは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー、紙、厚紙などの紙類、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、アルミ箔などのフィルム又はホイルなどの他の材料に積層されて使用される。この様な積層体を製造する場合、PETフィルムに、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンを押出積層することが多い。ヒートシール性、アルミホイル等の他の材料への良好な接着性、押出積層により厚めのポリエチレン層を積層することにより得られる堅さの付与などの積層体に要求される性質を容易に達成することが出来る。
【0004】
しかしながら、PETフィルムの表面を予め処理しないと、ポリオレフィン等のことは難しい。そのため、通常、PETフィルムの表面にコロナ処理を施し、接着促進層を塗布形成し、乾燥後に他の材料を押出積層する方法がとられる。この様に接着促進層を設けることは、更なる製造工程が必要となり、高価な装置の追加および生産性の低下を引起す。
【0005】
二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着促進層を形成することは公知である。例えば、延伸フィルムの少なくとも片面に、接着促進性層として、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成る塗布層を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の接着促進性層は、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物の乾燥残渣から成り、加水分解前のアミノ官能基含有シラン化合物が(RSi(R(Rで示される。式中、Rは1級アミノ基を少なくとも1つ有する基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基およびハロゲンから選択される加水分解可能な基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基およびフェニル基から選択される加水分解を受けない不活性基を表し、a≧1、b≧1、c≧0で且つa+b+c=4を満足する)。塗布量は、フィルム上に押出積層されるポリオレフィンに対する接着性が改良される範囲で選択される。この種のフィルムの欠点は、透明性およびグロス等の光学的特性が悪く、更に、酸素ガス等のガスバリア性が劣ることである。したがって、この種のフィルムは、チーズ、ハーブ、スパイス等の高ガスバリア性が要求される食品の包装材としては使用できない。
【0006】
ガスバリア性が改良された透明二軸延伸ポリエステルフィルムは公知である。代表的には、透明二軸延伸ポリエステルフィルムに対し、ガスバリア性材料の塗布または積層、金属やセラミックの真空蒸着、当該真空蒸着とプラズマ重合の組合せ等の後処理が、フィルム製造後にオフライン法により施される。
【0007】
この種のポリエステルフィルムとして、例えば、エチレン−ビニルアルコールから成る層を少なくとも1層共押出によって積層し、同時二軸延伸したフィルムが知られている(例えば、特許文献2参照)。この種のフィルムは、良好な機械的特性およびガスバリヤ性を有し、酸素ガス透過率が5cm/(m・bar・d)以下のガスバリヤ性を有する。この種のフィルムの欠点として、光学的特性および他の所物性を損なうため、フィルム製造中に生じるフィルム端材を再利用することが出来ないことである。
【0008】
また、ポリエチレンテレフタレート及びポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)から成る二軸延伸ポリエステルフィルムも知られている(例えば特許文献3参照)。この種のフィルムにおいて、フィルム中のMXD6の含有量は10〜40重量%、ポリエチレンテレフタレートの含有量は60〜90重量%であり、同時二軸延伸により製造されている。延伸比の好ましい範囲は、長手方向および横方向とも2.5〜5.0であるが、実際に製造されているフィルムの延伸比は、長手方向3.0倍、横方向3.3倍であり、総延伸比は9.9倍である。延伸温度の好ましい範囲は、長手方向および横方向とも80〜140℃であるが、実際に製造されているフィルムの延伸温度は、長手方向、横方向とも90℃である。
【0009】
上記の様な同時二軸延伸により製造されるフィルムは、逐次連続二軸延伸(最初に長手方向延伸を行い、次に横方向延伸を行う)により製造されるフィルムと比較して、ヘーズが低く、横方向延伸に起りやすいフィルム破断が生じにくい。すなわち、逐次連続二軸延伸によるフィルムの製造では、長手方向の延伸により結晶配向が大きくなり、フィルムに曇りが生じるため(ヘーズが高くなる)、横方向の延伸については慎重に行わなければならない。また、フィルムの重量に対し、10〜40重量%のポリ(m−キシレンアジパミド)を含有させたフィルムを製造した際、第2の延伸(横方向)においてフィルムの引裂きがおこり、連続的にフィルムを製造することが困難である。
【0010】
上記の同時二軸延伸により製造されるフィルムは、ヘーズが15%未満と低く、酸素ガス透過率が30cm/(m・bar・d)未満という性質を有する反面、弾性率や引張破断強度などの機械的性質が劣り、ブロッキングが生じやすいために巻取り特性も劣る。さらに、フィルム表面が粗面なため、艶消性を有し、フィルムの使用範囲が制限される。また、印刷性、メタル化、塗布などの後処理にも適さない。
【0011】
【特許文献1】欧州特許第0359017号明細書
【特許文献2】国際公開第99/62694号パンフレット
【特許文献3】特開2001−1399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、後加工を必要とせずにポリオレフィン等を好適に押出積層できる、以下の様な優れた性質を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することである。すなわち、酸素ガスバリア性などのガスバリア性、弾性率などの機械的特性、グロス、印刷性、メタル化、塗布性、巻取り特性(耐ブロッキング性)に優れる(シール性ロールを巻取り欠陥無く形成できる)。通常の工業的高速フィルム製造装置(逐次連続二軸延伸装置、製造速度:350m/分を超える、好ましくは400m/分を超える速度)で製造でき、高価で製造速度の低い(製造速度:350m/分未満で、フィルム幅5m未満)同時二軸延伸装置を使用することなく低コストで製造できる。フィルム形成後にコロナ処理や接着促進層を塗布するなどの後加工の必要なく、直接的にポリオレフィン等を好適に押出積層できる。さらに、フィルム製造工程などで生じるフィルム端材を5〜60重量%原料に混合することが出来、酸素ガスバリア性などのガスバリア性や光学的性質に悪影響を及ぼさない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の弾性率を有し、ポリエステルとポリ(m−キシレンアジパミド)とから成り、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成る塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムが、ガスバリア性、機械的特性および光学的特性に優れ、更に、フィルム製造工程などで生じるフィルム端材を再生原料として添加しても上記の優れた性質が悪化しないことを見出し、本発明の完成に至った。
【0014】
すなわち、本発明の第1の要旨は、ポリエステルとポリ(m−キシレンアジパミド)とから成る二軸延伸ポリエステルフィルムであって、当該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に接着促進性を有する塗布層が形成され、当該少なくとも1つの塗布層が、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成り、当該ポリエステルフィルムの弾性率が長手方向、横方向とも3500Nmm以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに存する。
【0015】
本発明の第2の要旨は、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、押出または共押出により単層または多層シートを得る工程と、当該単層または多層シートに塗布を行う工程と、得られた塗布シートを逐次連続二軸延伸する工程と、得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程とから成ることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に存する。
【0016】
本発明の第3の要旨は、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムから成る包装材に存する。
【0017】
本発明の第4の要旨は、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムの接着促進性を有する塗布層上に1種以上のポリマーを押出積層して成る積層体に存する。
【0018】
本発明の第5の要旨は、上記の積層体から成る包装材に存する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、後加工の必要なく直接的にポリオレフィン等を好適に押出積層でき、酸素ガスバリア性などのガスバリア性、弾性率などの機械的特性、グロス、印刷性、メタル化、塗布性、巻取り特性に優れ、低コストで製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、成分Iとしてポリエステル及び成分IIとしてポリ(m−キシレンアジパミド)から成り、接着促進性を有する塗布層Dを少なくとも片面に有する。本発明のポリエステルフィルムは、ベース層Bのみから成る単層であっても、多層であってもよい。単層構造の場合、塗布層/ベース層B又は塗布層D/ベース層B/塗布層Dの構成を有する。多層構造の場合、ベース層Bと外層Aから成るABA構造や、ベース層Bと外層A及びCとから成るABC構造の3層構造であることが好ましい。塗布層Dは外層A及び又はC上に形成される。
【0021】
ベース層Bは、通常55〜95重量%、好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは65〜95重量%のポリエステル、好ましくは熱可塑性ポリエステルから成る。熱可塑性ポリエステルとしては、エチレングリコールとテレフタル酸から製造されるポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から製造されるポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンとテレフタル酸から製造されるポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCDT)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸とビフェニル−4,4’−ジカルボン酸から製造されるポリ(エチレン2,6−ナフタレートビベンゾエート)(PENBB)等の各単位から構成されるポリエステルが例示される。中でも、エチレングリコールとテレフタル酸から成るエチレンテレフタレート単位および/またはエチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から成るエチレン−2,6−ナフタレート単位を含有することが好ましく、これらの単位を90モル%以上、好ましくは95モル%以上含有するポリエステルが好ましい。さらに、熱可塑性ポリエステルの構成単位が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸単位から選択される少なくとも1種以上を有することが好ましく、ベース層BがPETから成ることが特に好ましい。
【0022】
上記の構成単位以外にも種々の構成単位を有する共重合ポリエステルであってもよく、また、ホモポリエステル及び/又は共重合ポリエステルの混合物であってもよい。この様な共重合ポリエステルとしては、構成単位が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびエチレングリコール単位、好ましくはテレフタル酸単位およびイソフタル酸単位、または、テレフタル酸単位およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸単位であることが、製造の容易さ、フィルムの優れた光学的特性およびガスバリア性の観点から好ましい。
【0023】
好ましい態様としては、イソフタル酸単位とテレフタル酸単位とを有する共重合ポリエステルを使用することにより、比較的低温で押出を行うことが出来る。PETのみを使用した場合、280℃の押出温度が必要とされるが、イソフタル酸単位を有する共重合ポリエステルを使用することにより、押出温度を260℃未満に低くすることが出来る。この温度において、MXD6は引伸せる温度であり、延伸追随可能である。そのため、製造安定性に優れ、機械的特性に優れるフィルムとなる。この態様において、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位およびエチレングリコール単位から成る共重合ポリエステルを使用することが好ましいが、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンイソフタレートの混合物を使用することも出来る。
【0024】
上記の好ましい態様において、共重合ポリエステル中のエチレンテレフタレート単位の含有量は、通常70〜98モル%、好ましくは76〜98モル%、更に好ましくは80〜98モル%であり、エチレンイソフタレート単位の含有量は、通常30〜2モル%、好ましくは24〜2モル%、更に好ましくは20〜2モル%である。
【0025】
ポリエステルの構成単位としては、他のジオール及び/又はジカルボン酸から誘導された単位を含有させることが出来る。
【0026】
共重合ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、HO−(CH−OHの式で示される脂肪族グリコール(nは3〜6の整数を表す、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる)、炭素数6までの分岐型脂肪族グリコール、HO−C−X−C−OHで示される芳香族ジオール(式中Xは−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−O−、−S−、−SO−を表す)、式:HO−C−C−OHで表されるビスフェノールが好ましい。
【0027】
共重合ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0028】
脂肪族ジカルボン酸の好ましい例としては、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−又は−1,6−ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸などのビフェニル−x,x’−ジカルボン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジカルボン酸などのジフェニルアセチレン−x,x−ジカルボン酸、スチルベン−x,x−ジカルボン酸などが挙げられる。
【0029】
脂環式ジカルボン酸の好ましい例としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の好ましい例としては、C−C19のアルカンジカルボン酸が挙げられ、当該アルカンは直鎖状であっても分岐状であってもよい。
【0030】
上記のポリエステルは、通常エステル交換反応により製造される。その出発原料は、ジカルボン酸エステルとジオール及び亜鉛塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム、マンガン塩などの公知のエステル交換反応用触媒である。生成した中間体は、更に、三酸化アンチモンやチタニウム塩などの重縮合触媒の存在下で重縮合に供される。また、ポリエステルの製造は、出発原料のジカルボン酸とジオールに重縮合触媒を存在させて直接または連続的にエステル化反応を行う方法であってもよい。
【0031】
0.1mm径で10mm長のキャピラリーレオメーターを使用し、10kg/cmの荷重で280℃の温度に於いて測定したポリエステルの溶融粘度の溶融粘度(Ypoint≧100秒−1)は、通常2400ポアズ未満、好ましくは2200ポアズ未満、より好ましくは2000ポアズ未満である。
【0032】
ベース層Bは、成分IIとして、ポリ(m−キシレンアジパミド)(以下、MXD6と略記することがある)を含有する。MXD6としては特に制限は無く、通常、m−キシレンジアミンとアジピン酸の重縮合体(ポリアリルアミド)であり、市販のMXD6を使用することが出来る。ベース層B中の成分IIとしてのMXD6の含有量は、通常5〜45重量%、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは5〜35重量%である。
【0033】
ポリ(m−キシレンアジパミド)の溶融粘度は、ベース層Bを構成するポリエステルのそれと大きく異ならないことが好ましい。大きく異なった場合、得られたフィルムに突起が生じたり、フローマークや皺が発生することがあり、更に、ポリマーが相分離することもある。0.1mm径で10mm長のキャピラリーレオメーターを使用し、10kg/cmの荷重で280℃の温度に於いて測定したMXD6の溶融粘度(Ypoint≧100秒−1)は、通常6000ポアズ未満、好ましくは5000ポアズ未満、より好ましくは4000ポアズ未満である。
【0034】
MXD6の添加方法としては、純原料をそのまま添加しても、マスターバッチを使用して添加してもよい。マスターバッチ中のMXD6の含有量は、通常10〜60重量%である。特に、ポリエステル原料とMXD6純原料またはMXD6を含有するマスターバッチとを予備混合し、連続して押出機に供給することが好ましい。押出機内で、上記の混合物を更に混練し、加工温度まで加熱する。押出温度は、通常MXD6の融点Tmより高く、好ましくはTmの5℃以上、更に好ましくはTmの5〜50℃以上、特に好ましくはTmの5〜40℃以上高い温度とする。成分Iと成分IIのマスターバッチを混合または製造する押出機としては二軸押出機を使用することが好ましい。また、単軸押出機であっても良い結果が得られるので、単軸押出機を使用してもよい。
【0035】
本発明のポリエステルフィルムは、上述の様にベース層Bのみから成る単層であっても、多層であってもよい。多層構造としては、ベース層Bと外層Cとから成るBC構造、ベース層Bと中間層Zと外層Cとから成るBZC構造、ベース層Bと2つの外層Aから成るABA構造、ベース層Bと外層A及びCとから成るABC構造などが例示され、さらに中間層Zを有していてもよい。特に、ABA構造およびABC構造の3層構造であることが好ましい。
【0036】
外層および中間層を構成する熱可塑性樹脂は、好ましくはベース層Bを構成する上記ポリエステルから成る。しかしながら、ホモポリマー、共重合ポリエステル、ホモポリマー及び/又は共重合ポリエステルのブレンド等を含有してもよい。好ましくはエチレンイソフタレート単位および/またはエチレンテレフタレート単位および/またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を含有する単独重合体または共重合体である。構成単位の10モル%以下の割合でべース層Bで説明した共重合モノマー単位を含有してもよい。好ましい態様としては、外層を構成する熱可塑性樹脂が、イソフタル酸単位およびテレフタル酸単位を有する共重合ポリエステルであり、この場合ポリエステルフィルムの光学的特性が特に優れる。
【0037】
外層を構成する熱可塑性樹脂としての上述のイソフタル酸単位とテレフタル酸単位とから成る共重合体は、ベース層Bにおいて説明した共重合単位が共重合されていてもよい。イソフタル酸単位とテレフタル酸単位との割合は、通常テレフタル酸単位40〜97モル%でイソフタル酸単位60〜3モル%、好ましくはテレフタル酸単位50〜90モル%でイソフタル酸単位50〜10モル%、更に好ましくはテレフタル酸単位60〜85モル%でイソフタル酸単位40〜15モル%である。
【0038】
外層および中間層Zは、ベース層に含有されるMXD6を含有してもよい。含有量は、含有される層の重量を基準として、通常0〜80重量%、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは4〜40重量%である。
【0039】
外層の厚さは、通常0.5μmを超え、好ましくは1.2〜20μm、更に好ましくは1.5〜10μmである。
【0040】
ベース層B及び/又は他の層にには、安定剤や充填剤等の公知の添加剤を添加してもよい。例えば、ポリマー又はポリマーの混合物に、溶融に先立ってリン酸やリン酸エステル等のリン化合物の安定剤を添加してもよい。
【0041】
本発明のポリエステルフィルム、すなわちベース層B、外層および中間層の少なくとも1つに、安定剤や耐ブロッキング剤などの公知の添加剤を添加してもよい。耐ブロッキング剤としては、無機および/または有機粒子が挙げられ、具体的には、炭酸カルシウム、非晶シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミナ、LiF、ジカルボン酸のカルシウム、バリウム、亜鉛またはマンガン塩、カーボンブラック、二酸化チタン、カオリン、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリレート粒子などが例示される。
【0042】
これらの他の耐ブロッキング剤を併用してもよく、また、同じ種類で且つ粒径が異なる粒子の混合物を使用してもよい。重縮合中のグリコール分散系または押出し中マスターバッチを介して個々の層に添加する粒子を所定量添加することも出来る(または、押出中に押出機内に直接添加することも出来る)。
【0043】
本発明のポリエステルフィルムは充填剤を含有することが好ましく、その含有量はポリエステルフィルムに対して、通常0.02〜1重量%、好ましくは0.04〜0.8重量%、更に好ましくは0.06〜0.6重量%である。充填剤としては、上述の添加剤、耐ブロッキング剤などが挙げられ、詳細は欧州特許EP−A−0602964号公開公報に記載されている。充填剤の含有量が0.02重量%未満の場合、フィルムがブロッキングを引起すことがあり、巻取りが困難となる場合がある。充填剤の含有量が1.0重量%を超える場合、フィルムの透明性が悪化して曇ることがあり、包装材として使用できないこともある。
【0044】
外層(A及び/又はC)の充填剤(耐ブロッキング剤)の含有量は、個々の外層の重量を基準として、通常0.6重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、更に好ましくは0.4重量%未満である。
【0045】
本発明のポリエステルフィルムは、食品(特にチーズや肉類など)の包装に好適に使用できる。本発明のポリエステルフィルムは耐溶媒性および耐水性に優れており、例えば、121℃のスチーム中に放置しても、劣化せず、抽出物なども認められない。
【0046】
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも片面に接着促進性を有する塗布層Dを有する。塗布層Dは、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成る。塗布層Dは、加水分解アミノシラン化合物の水溶液または水分散液を塗布・乾燥することにより形成される。塗布は、フィルム製造工程において行う所謂「インラインコーティング」により行われることが好ましく、特に、横方向の延伸に先立って行うことが好ましい。非常に均一な塗布が可能であることから、塗布装置としてグラヴィアロールコーティング装置を使用することが好ましい。また、塗布厚みが大きい塗布においては、メイヤーロッド法により行うことが好ましい。加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成る接着促進性塗布層Dにより、直接的に、ポリマーの押出積層を行うことが出来る。
【0047】
通常アミノ官能基含有シラン化合物は、水中で加水分解された後、延伸ポリエステルフィルムの片面または両面に、スプレーコーティング、ロールコーティング等の方法により塗布される。シラン化合物の塗布層は、乾燥させることにより、塗布層D上に他のポリマーを直接押出積層することが出来る。他のポリマーを直接押出積層する方法としては、公知の方法により積層できる。塗布層Dは、ポリエステルフィルムと他の積層ポリマーとを接着結合する。
【0048】
加水分解後、シラン化合物は水溶性または水分散性となるが、アミノ官能基含有シラン化合物は特に水溶性に優れる。アミノ官能基含有シラン化合物を使用することにより、他の接着層やコロナ処理を施さなくても、押出積層されるポリマー等に対して優れた接着性を有する。塗布層を有するポリエステルフィルムの端材はリサイクルすることが出来る。
【0049】
塗布層Dを形成するアミノシランは、非加水分解状態において下記(1)式で表される化合物であることが好ましい。
【0050】
【化1】

【0051】
式中、Rは1級アミノ基を少なくとも1つ有する基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基およびハロゲンから選択される加水分解可能な基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基およびフェニル基から選択される加水分解を受けない不活性基を表し、a≧1、b≧1、c≧0で且つa+b+c=4を満足する。
【0052】
アミノ官能基含有シラン化合物の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン等が例示され、好ましくは、HN(CHNH(CHSi(OCHで示されるN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
【0053】
加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物の塗布は、フィルム延伸工程の前に行っても延伸工程中に行ってもよく、更にフィルムを巻取る工程などの延伸後のフィルム完成時に行ってもよい。得られる接着促進性塗布層を有するポリエステルフィルムは、押出積層ポリマー材料やフィルムに対して極めて良好な接着性を有する。
【0054】
塗布層Dは、加水分解される前のアミノ官能基含有シラン化合物の水性塗布液を塗布することによって形成される。塗布液中の加水分解される前のアミノ官能基含有シラン化合物の濃度は、通常0.2〜6.0重量%である。加水分解を容易に行うために、水以外の溶媒として、塗布液に酢酸などの弱酸を少量添加してもよい。シラン化合物の加水分解可能な基を加水分解することにより、シラノール基(−SiOH)が形成される。アミノシランの加水分解物は、アミノ基がおそらく分子中のケイ素にイオン結合した様な、部分加水分解した環状構造を有すると考えられる。したがって、本発明において、「加水分解した」という語は、部分加水分解した場合も含む。
【0055】
上記のアミノ官能基含有シラン化合物、加水分解可能なアミノ官能基含有シラン化合物の組合せ、その加水分解および塗布液については、欧州特許出願公開第0359017号明細書に記載されており、参照により本願発明に引用する。
【0056】
乾燥後の塗布層Dの厚さは、通常5〜2000nm、好ましくは10〜1000nm、更に好ましくは20〜500nmである。
【0057】
本発明のポリエステルフィルムの総厚さは、広い範囲をとることができ、通常6〜300μm、好ましくは8〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。ベース層Bの厚さがポリエステルフィルム全体の厚さの40〜99%を占めることが好ましい。
【0058】
本発明のポリエステルフィルムの入射角20°におけるグロスは、通常80を超え、好ましくは100を超え、更に好ましくは120を超える。
【0059】
本発明のポリエステルフィルムのヘーズは、通常20%未満、好ましくは15%未満、更に好ましくは10%未満である。本発明のポリエステルフィルムのヘーズはこの様に低いため、包装材として好適に使用できる。
【0060】
本発明のポリエステルフィルムはガスバリヤ性、特に酸素ガスバリヤ性に優れている。厚さ12μmにおける本発明のポリエステルフィルムの酸素ガス透過率は、通常45cm・m−2・d−1・bar−1未満、好ましくは40cm・m−2・d−1・bar−1未満、更に好ましくは30cm・m−2・d−1・bar−1未満である。
【0061】
本発明のポリエステルフィルムは機械的特性に優れる。本発明のポリエステルフィルムの弾性率は、長手方向、横方向とも、通常3500N/mm以上、好ましくは4000N/mm以上、更に好ましくは4500N/mm以上である。引張破断強度は、長手方向において、通常160N/mmを超え、好ましくは170N/mmを超え、180N/mmを超え、横方向において、通常200N/mmを超え、好ましくは210N/mmを超え、220N/mmを超える。
【0062】
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法を説明する。本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、押出または共押出により単層または多層シートを得る工程と、当該単層または多層シートに塗布を行う工程と、得られた塗布シートを逐次連続二軸延伸する工程と、得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程とから成る。
【0063】
先ず、押出機に、ベース層Bの成分I(ポリエステル)と成分II(MXD6)のポリマー又はポリマー混合物を供給する。押出温度は、通常250〜300℃である。種々のポリマーの完全混合のため、脱気式二軸押出機を使用して押出すことが好ましい。もちろん、単軸押出機を使用して押出してもよい。
【0064】
外層(A及び/又はC)用のポリマー又はポリマー混合物を他の押出し機に供給する(共押出法)。上述の様に、使用する押出機は、二軸押出機の方が単軸押出機よりも好ましい。共押出ダイを介して溶融ポリマーを連続的に押出または共押出し、冷却ロール又は他のロールによって引出し、冷却固化して平坦溶融シートを得る。
【0065】
次いで、得られたシートを二軸延伸する。通常、二軸延伸は連続的に行われる。このため、初めに長手方向(長手方向)に延伸し、次いで横方向に延伸するのが好ましい。通常、長手方向の延伸は、延伸比に対応する異なる回転速度を有する2つのロールを使用して行われ、横手方向の延伸はテンターフレームを使用して行われる。
【0066】
延伸温度および延伸比は、所望とするポリエステルフィルムの物性によって決定され、広い範囲で選択できる。長手方向の延伸温度は、通常80〜130℃(加熱温度:80〜130℃、延伸比および延伸方法による)で、横方向の延伸温度は、通常90(延伸初めの温度)〜140℃(延伸終了時の温度)である。
【0067】
長手方向の延伸比は、通常3.0を超え、好ましくは3.1〜5.0、更に好ましくは3.2〜4.9、特に好ましくは3.3〜4.8である。横方向の延伸比は、通常3.0を超え、好ましくは3.2〜5.0、更に好ましくは3.3〜4.8、特に好ましくは3.4〜4.6である。
【0068】
長手方向の延伸は、上述の様に、延伸比に対応する異なる回転速度を有する2つのロールを使用する通常の方法、いわゆる「シングル−ギャップ延伸」で行われる。この延伸法では、2つ以上の連続して配置される予備加熱ロールを使用してフィルムを延伸温度に加熱し、延伸比λMDに対応する異なる回転速度を有する2つのロールを使用して延伸を行う。延伸中の温度は、材料種、ポリエステルとMXD6との配合割合、延伸比λMD等によるが、好ましくは80〜100℃である。延伸温度は、例えばIR法により測定することが出来る。加熱温度は延伸温度によって設定されるが、好ましくは80〜100℃である。図1に長手方向延伸におけるロールの配置の説明図を示す。図1において、(1)〜(5)は加熱ロール、(6)及び(7)は延伸ロールである。延伸温度が90℃の場合(延伸ロールの温度が90℃)、(1)〜(5)の加熱ロールの温度は、それぞれ、70、70、80、85及び90℃である。
【0069】
長手方向の延伸は、異なる回転速度を有する2つ以上のロールを使用して、多段階、特に2段階で行われることが好ましい。2段階延伸法については、欧州特許EP−A−0049108号公開公報に記載されており、図2にその説明図を示す。図2に示す様に、2つ以上の連続して配置される予備加熱ロールを使用してフィルムを延伸温度に加熱し、延伸比λMDに対応する異なる回転速度を有する2つ以上のロールを使用して延伸を行う。すなわち、λとλの延伸比で、最終的にλMDとなるように延伸を行う(詳細は欧州特許EP−A−0049108号公開公報、特に図1を参照)。この場合、長手方向の延伸比は、通常3.0を超え、好ましくは3.1〜5.0、更に好ましくは3.2〜4.9、特に好ましくは3.3〜4.8である。長手方向の延伸温度は、通常80〜130℃(材料種、ポリエステルとMXD6との配合割合、延伸比λMD等による)であり、加熱温度は80〜130℃(延伸温度による)である。図2において、(1)〜(5)は加熱ロール、(6)〜(8)は延伸ロールである。延伸温度が110℃の場合(延伸ロールの温度が110℃)、(1)〜(7)のロールの温度は、それぞれ、70、80、85、90、105、110及び110℃である。
【0070】
続いてフィルムの熱固定が150〜250℃の温度において0.1〜10秒間行われる。フィルムは冷却後、通常の方法で巻取られる。
【0071】
塗布層の形成は、フィルム製造の任意の工程中(インライン)、好ましくは以下に示す3方法の何れかで行われる。(1)英国特許第1411564号に記載の引取りロールから得られたアモルファスシートと最初の延伸工程の間。(2)米国特許第4214035号公報に記載の単軸延伸と二軸延伸との間。(3)延伸工程後のフィルムを巻取る前にインラインで塗布を行なう。
【0072】
延伸および各連続工程の間に付与される熱により、塗布液中の水分や揮発物質を蒸発させ、塗布層を乾燥させる。塗布が加熱を伴う工程後に行われる場合、塗布層の乾燥工程が必要となる。
【0073】
上記のインラインコーティングの中でも、塗布に先立って長手方向の延伸が行われていることが好ましい。すなわち、長手方向の延伸後に、塗布がロールコーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング等の方法により行われることが好ましい。
【0074】
他の好ましい実施態様としては、グラヴィアロール法により、ポリエステルフィルムに行う。この場合、公知のコロナ放電処理を塗布前に施すことが好ましい。コロナ放電処理により、ポリエステルフィルムの表面の疎水性が緩和されて水への濡れ性が高まり、水系塗布液を良好に塗布でき、接着促進層が良好にフィルムに接着される。
【0075】
塗布層は、加水分解される前のアミノ官能基含有シラン化合物の水性塗布液を塗布することによって形成される。塗布液中の加水分解される前のアミノ官能基含有シラン化合物の濃度は、通常0.2〜6.0重量%、好ましくは0.25〜3.5重量%であり、乾燥後の塗布層の塗膜密度が2.5mg/m程度になるような濃度が特に好ましい。加水分解を容易に行うために、水以外の溶媒として、塗布液に0.2重量%以下の酢酸やリン酸などの弱酸を添加してもよい。
【0076】
上述のように、塗布層はフィルムの片面または両面に形成するが、必要に応じてフィルムの片面に加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物の塗布層を形成し、他の面に別の塗布層を形成してもよい。例えば、米国特許第4214035号明細書に記載の、アクリレート又はメタクリレートから成る熱硬化型塗布層を設けてもよい。なお、塗布層には、接着促進性などの加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物の塗布層の性質に影響を及ぼさない限り、コロイダルシリカ、染料、pH調整剤、濡れ剤等の公知の添加剤を含有させてもよい。
【0077】
本発明のフィルムにおいて、塗布層を有する再生原料(例えば、製造工程において発生するフィルム端材)を含有させて再利用することが出来る。塗布層を含有する再生原料の添加によって、本発明のフィルムの物性、特に光学的特性に影響を受けることはない。この特性は市販品のフィルムでは得られなかった効果であり、例えば米国特許第2627088号および2698240号明細書に記載の塩化ビニリデン含有ポリマーにより被覆されたフィルムでは、再生原料の添加によって劣化や着色などの影響が生じる。
【0078】
本発明のポリエステルフィルムは、公知の方法により、他のポリマーを直接に押出積層することにより積層体とすることが出来る。すなわち、走行中のポリエステルフィルムウエブの片面または両面に形成した塗布層D上に、溶融ポリマーを片面または両面に連続的に押出積層することにより、積層体が得られる。直接に押出積層されるポリマーとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等が例示される。そのため、塗布層Dの塗布量は、押出積層されるポリマーと良好な接着性を有する量であることが好ましい。
【0079】
上記の積層体の中でも、ポリエチレンを押出積層した積層体は、ヒートシール性に優れ、アルミホイル等の他の材料とに対する接着性が良好であり、優れた機能を有する。
【0080】
本発明のポリエステルフィルムは、標準的なポリエステルフィルムと実質的に同じコストで製造することが出来る。本発明のフィルムは、再生原料(例えば、製造工程において発生するフィルム端材)をフィルムの重量に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%含有させることが出来る。再生原料の添加によって、本発明のフィルムの特性に影響を受けることはない。
【0081】
本発明のポリエステルフィルムは、上述の製造および巻取り特性に優れている。すなわち、製造装置のローラーや機械部分にフィルムが付着することなく、ブロッキング問題も生じず、巻取りの際に長手方向にしわが発生することもない。本発明のポリエステルフィルムは通常のロールを使用して、きわめて良好に製造することができ、巻取り特性に優れる。
【0082】
本発明の透明二軸延伸ポリエステルフィルムは、上述の様に、優れた機械的特性、優れた光学的特性(特に高グロス)、優れたガスバリア性(特に酸素ガスバリア性)を有する。したがって、本発明のポリエステルフィルムは包装材として好適に使用できる。特に、食品や他の商品用の包装材として好適である。また、本発明のポリエステルフィルムに、真空蒸着によるメタル層、セラミック層などを好適に形成することが出来る。本発明のポリエステルフィルムは、酸素ガス、炭酸ガス等のガスバリア性に優れている。
【0083】
本発明のフィルムの特性を、表1に纏めて示す。
【0084】
【表1】

【実施例】
【0085】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の評価方法において、DINはDeutsches Institut Normungを、ASTMはAmerican Society for Testing and Materialsをそれぞれ表す。
【0086】
(1)酸素ガス透過率:
酸素ガス透過率は、米国Mocon Modern Controls社製OXTRAN(登録商標)100を使用し、DIN53380、Part3に準じて測定した。測定条件は、フィルムの両面の温度が23℃、相対湿度が50%であった。フィルムの厚さは12μmとした。
【0087】
(2)ヘーズ:
フィルムの不透明度は、ASTM−D 1003−52に準じて測定した。
【0088】
(3)標準粘度SV:
ポリエステルの標準粘度SV(DCA)はジクロロ酢酸中25℃でDIN 53726に従って測定した。ポリエステルの固有粘度IVは、標準粘度SV値を使用して以下の式より算出した。
【0089】
【数1】

【0090】
(4)グロス:
グロスはDIN 67530に準じて測定した。反射率を、ポリエステルフィルム表面の光学的特性として測定した。ASTM-D 523−78及びISO 2813を基準とし、入射角を20°又は60°とした。所定の入射角で試料の平坦な表面に光線を照射すると、反射および/または散乱が起こる。光電検知器に当った光が電気的な比率変数として表示される。得られた無次元値は入射角と共に表示される。
【0091】
(5)表面粗度:
フィルムの表面粗度RはDIN 4768に準じて測定した。カットオフ値は0.25mmとした。この測定法は、ガラス板の上で行なうのではかく、リングの中で行なう。このリング法では、2つの表面が第3の表面(例えばガラス)に接する様にサンプルを固定する。
【0092】
(6)弾性率:
フィルムの弾性率はDIN 53457又はASTM882に準じて測定した。
【0093】
(7)引張強度、引張伸長度:
フィルムの引張強度および、引張伸長度はDIN 53455に準じて測定した。
【0094】
実施例1:
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS、「Z−6020」Dow Corning社製および「A−1120」Union Carbide社製)を水道水に分散させ、2.0重量%の水分散体を調製した。次いで、加水分解を容易にするため、酢酸を0.2重量%添加し、塗布液を調製した。
【0095】
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記することがある)チップ(マンガンをエステル交換反応の触媒として使用し、エステル交換反応にて製造、マンガン濃度:100ppm)及びポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)を150℃で乾燥し、2つのベントを有する二軸押出機に供給した。PETとMXD6との混合比は90:10であった。単層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、厚さ12μmのフィルムを作製した。フィルムの構成を以下に示す。
【0096】
【表2】

【0097】
押出した後、得られたシートを長手方向に延伸し、コロナ処理(Softal社製、ハンブルグ、ドイツ)を行なった後、前述で調製した塗布液をリヴァースグラヴュア−ロール法により塗布し、110℃で乾燥を行った。次いで、延伸比3.8で横方向の延伸を行ない、厚さ12μmの二軸延伸フィルムを製造した。さらに、230℃で熱固定を行った。乾燥時の二軸延伸フィルムに於ける塗布量は2.5g/mであった。フィルムの製造条件を以下に示す。
【0098】
【表3】

【0099】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0100】
欧州特許第0359017号明細書の実施例に記載の方法に基づき、上記の二軸延伸フィルムの接着促進性塗布層上に、低密度ポリエチレン(USIポリマー社製、メルトインデックス:14)を厚さ25μmとなる様に押出積層した。すなわち、溶融温度325にて、二軸延伸フィルム上の高さ200mmの位置にダイを設け、押出積層した。更なるコロナ処理および接着促進性層の塗布は行わなかった。
【0101】
ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は18mN/mmであった。接着性は極めて良好であり、剥離試験においても二軸延伸フィルムとポリエチレンフィルムとは剥離せず、更に、熱水、トルエン、テトラヒドロフランにより剥離することはなかった。
【0102】
実施例2:
塗布液は実施例1と同様に調製した。エチレンテレフタレート単位90モル%及びエチレンイソフタレート単位10モル%から成る共重合ポリエステルチップ(マンガンをエステル交換反応の触媒として使用し、エステル交換反応にて製造、マンガン濃度:100ppm、100℃で乾燥し、残留水分を100ppmとした)とMXD6を2つのベントを有する二軸押出機に供給した。共重合ポリエステルとMXD6との混合比は90:10であった。単層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、厚さ12μmのフィルムを作製した。フィルムの構成を以下に示す。
【0103】
【表4】

【0104】
押出した後、得られたシートを長手方向に延伸し、コロナ処理(Softal社製、ハンブルグ、ドイツ)を行なった後、乾燥時の二軸延伸フィルムに於ける塗布量が2.5g/mとなるように、実施例1と同様の方法で塗布液の塗布を行い、横方向の延伸、熱固定を行い、厚さ12μmのフィルムを製造した。フィルムの製造条件を以下に示す。フィルムの製造条件を以下に示す。
【0105】
【表5】

【0106】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0107】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は19mN/mmであった。実施例1と同様に、接着性は極めて良好であった。
【0108】
実施例3:
実施例1に於て、PETとMXD6の配合比率を85:15に変更し、フィルムの製造条件を以下の表に示す様に変更した以外は実施例1と同様の操作で、単層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、厚さ12μmのフィルムを作製した。フィルムの構成を以下に示す。
【0109】
【表6】

【0110】
実施例1と同様の方法で塗布液の調製を行い、塗布を行った。フィルムの製造条件を以下に示す。
【0111】
【表7】

【0112】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0113】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は20mN/mmであった。実施例1と同様に、接着性は極めて良好であった。
【0114】
実施例4:
実施例1に於て、PETとMXD6の配合比率を75:25に変更し、フィルムの製造条件を以下の表に示す様に変更した以外は実施例1と同様の操作で、単層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、厚さ12μmのフィルムを作製した。フィルムの構成を以下に示す。
【0115】
【表8】

【0116】
実施例1と同様の方法で塗布液の調製を行い、塗布を行った。フィルムの製造条件を以下に示す。
【0117】
【表9】

【0118】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0119】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は19mN/mmであった。実施例1と同様に、接着性は極めて良好であった。
【0120】
実施例5:
実施例1に於て、PETとMXD6の配合比率を60:40に変更し、フィルムの製造条件を以下の表に示す様に変更した以外は実施例1と同様の操作で、単層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、厚さ12μmのフィルムを作製した。フィルムの構成を以下に示す。
【0121】
【表10】

【0122】
実施例1と同様の方法で塗布液の調製を行い、塗布を行った。フィルムの製造条件を以下に示す。
【0123】
【表11】

【0124】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0125】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は18mN/mmであった。実施例1と同様に、接着性は極めて良好であった。
【0126】
実施例6:
実施例1のフィルムに於て、以下の表に示す構成の外層を共押出法により形成し、ABA型3層積層フィルムを作製した。フィルムの製造条件は実施例1と同様であり、3層シートとして押出し、長手方向延伸(2段階延伸)、横方向延伸を行い、総厚さ14μm(外層の厚さはそれぞれ1μm)のフィルムを作製した。実施例1と同様の方法で塗布液の調製を行い、塗布を行った。外層の構成を以下に示す。
【0127】
【表12】

【0128】
得られた二軸延伸フィルムは、高グロス、低ヘーズ及び低酸素ガス透過率を有し、機械的特性も優れていた。フィルムの製造特性は優れており、製造中の破断はなく、巻取り特性は良好であり、ブロッキングは起らず、長手方向のしわは発生せず、フィルム端部の不均一性も認められなかった。
【0129】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は20mN/mmであった。実施例1と同様に、接着性は極めて良好であった。
【0130】
比較例1:
特開2001−1399号公報に記載された実施例1を追試した。得られたフィルムの表面粗度は大きく、グロス及び機械的特性は、本発明で目的とする範囲を達成できないものであった。充填剤を添加してないフィルムであるため、巻取り特性が悪く、フィルムロール上にブロッキングによるフィルムの重なり合いが生じた。
【0131】
さらに、実施例1と同様に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmとなる様に押出積層し、ASTM D882 E4に準じた接着強度試験を行った結果、積層されたポリエチレンに対する接着強度は2mN/mm未満であり、接着性は極めて低かった。
【0132】
実施例および比較例で得られたフィルムの特性について、表13及び14にまとめて示す。
【0133】
【表13】

【0134】
【表14】

【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】長手方向延伸(1段階延伸法)におけるロールの配置の説明図である。
【図2】長手方向延伸(2段階延伸法)におけるロールの配置の説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルとポリ(m−キシレンアジパミド)とから成る二軸延伸ポリエステルフィルムであって、当該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に接着促進性を有する塗布層が形成され、当該少なくとも1つの塗布層が、加水分解されたアミノ官能基含有シラン化合物から成り、当該ポリエステルフィルムの弾性率が長手方向、横方向とも3500Nmm以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項2】
さらに充填剤を含有する請求項1に記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
ポリエステルフィルム中のポリ(m−キシレンアジパミド)の含有量が5〜45重量%である請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
ポリ(m−キシレンアジパミド)の溶融粘度が6000ポアズ未満である請求項1〜3の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
ポリエステルフィルム中の充填剤の含有量が0.02〜1重量%である請求項2〜4に記載のポリエステルフィルム。
【請求項6】
ポリエステルが熱可塑性ポリエステルであり、ポリエステルフィルム中の熱可塑性ポリエステルの含有量が55%以上である請求項1〜5の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
熱可塑性ポリエステルの構成単位が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸単位から選択される少なくとも1種以上を有する請求項1〜6の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項8】
熱可塑性ポリエステルの構成単位が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびエチレングリコール単位である請求項1〜7の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項9】
ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである請求項1〜8の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項10】
ポリエステルフィルムの構成が、2つの外層Aとベース層Bとから成るABA型3層構造を有するか、2つの外層A及びCとベース層Bとから成るABC型3層構造を有する請求項1〜9の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項11】
外層A及び/又は外層Cが、ベース層Bを構成するポリエステルから成る請求項10に記載のポリエステルフィルム。
【請求項12】
外層A及び/又は外層Cが、ポリエチレンテレフタレート又はテレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびエチレングリコール単位から成る共重合ポリエステルから成る請求項10又は11に記載のポリエステルフィルム。
【請求項13】
加水分解前のアミノ官能基含有シラン化合物が以下の式で示される請求項1〜12の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【化1】

(式中、Rは1級アミノ基を少なくとも1つ有する基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基およびハロゲンから選択される加水分解可能な基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基およびフェニル基から選択される加水分解を受けない不活性基を表し、a≧1、b≧1、c≧0で且つa+b+c=4を満足する)
【請求項14】
加水分解前のアミノ官能基含有シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである請求項1〜13の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項15】
ポリエステルフィルムのグロスが80を超える請求項1〜14の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項16】
厚さ12μmにおけるポリエステルフィルムの酸素ガス透過率が45cm・m−2・d−1・bar−1未満である請求項1〜15の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項17】
ポリエステルフィルムのヘーズが20%未満である請求項1〜16の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項18】
連続延伸法によって製造される請求項1〜17の何れかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項19】
請求項1〜18の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、押出または共押出により単層または多層シートを得る工程と、当該単層または多層シートに塗布を行う工程と、得られた塗布シートを逐次連続二軸延伸する工程と、得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程とから成ることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項20】
逐次連続二軸延伸する工程が、最初に長手方向の延伸を行い、次に横方向の延伸を行う請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
長手方向の延伸が2段階で行われる請求項19又は20に記載の製造方法。
【請求項22】
塗布層を形成するために塗布される塗布液が、水分散体の形態である請求項19〜21の何れかに記載の製造方法。
【請求項23】
請求項1〜18の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムから成る包装材。
【請求項24】
食品包装用または商品包装用の請求項23に記載の包装材。
【請求項25】
請求項1〜18の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの接着促進性を有する塗布層上に1種以上のポリマーを押出積層して成る積層体。
【請求項26】
押出積層されるポリマーが、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルから成る群より選択される1種以上である請求項25に記載の積層体。
【請求項27】
請求項25又は26に記載の積層体から成る包装材。
【請求項28】
食品包装用または商品包装用の請求項27に記載の包装材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−9024(P2006−9024A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185462(P2005−185462)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(596099734)ミツビシ ポリエステル フィルム ジーエムビーエイチ (29)
【Fターム(参考)】