説明

二軸延伸環状オレフィンフィルム及びその製造方法

【課題】環状オレフィン樹脂の優れた光学特性を損なうことなく、フィルム強度を改善させた二軸延伸環状オレフィンフィルムを提供することを主要な目的とする。
【解決手段】本発明に係る二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムは、MD方向(機械流れ方向)及び該MD方向に直行するTD方向(垂直方向)ともに引張強度が60MPa以上になり、かつリタデーションが20nm以下になるように、環状オレフィン樹脂で形成された環状オレフィン樹脂フィルムがMD方向に1.1〜1.8倍延伸され、TD方向に1.1〜1.8倍延伸されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に二軸延伸環状オレフィンフィルムに関するものであり、より特定的には機械的強度に優れ、かつ光学特性にも優れるように改良された、ディスプレイ用基板に好適な二軸延伸環状オレフィンフィルムに関する。本発明はまたそのような二軸延伸環状オレフィンフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LCD、有機EL、電子ペーパー、タッチパネル等に使用されているガラス基板をプラスチック基板に置き換えて、軽量化、薄膜化、強靭性を備えたディスプレイデバイスを提供する技術が種々検討されてきた。
【0003】
ガラス基板の代替に使用されるプラスチック基板としては、耐熱性、寸法安定性、光学特性、ガスバリア性等の特性が要求されるために、透明ポリイミド、シロキサン系有機無機ハイブリッド材料、PES、PEN、耐熱ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂等の素材よりなるフィルムシートが検討されている。その中でも、環状オレフィン樹脂は、耐熱性が高く、吸水率が低いために寸法安定性に優れ、低光弾性係数であるために複屈折を低く抑えることが可能であり、光学特性にも優れた素材である。
【0004】
一方で、耐熱性を向上させた環状オレフィン樹脂は、樹脂がもろくなる傾向にあり、フィルム形状にした際にデバイス化する際のプロセスに耐える十分な強度を保持できないという欠点があった。
【0005】
それを補うために、特許文献1では延伸加工等による強度の改善が提案されている。これによれば、トラウザー引裂試験における変移量に対する引裂荷重の振幅が小さい環状オレフィン系樹脂フィルムを用い、靱性又は耐折性が高く、成形性に優れ、二次成形における加工性が優れ、また打ち抜き成形に供しても、粉塵の発生を抑制できるフィルムが得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−51922号公報(明細書段落0012欄等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1の開示技術は、環状オレフィン系フィルムの強度自体は改善できるが、光学特性を大きく犠牲にしている。LCD用途では、リタデーションをガラス並みに小さくすることが要求されており、その意味で特許文献1に開示技術は実用的とは言いがたかった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたもので、環状オレフィン樹脂の優れた光学特性を損なうことなく、フィルム強度を改善させた二軸延伸環状オレフィンフィルムを提供することを目的とする。
【0009】
この発明の他の目的は、軽量で強靭な、ディスプレイ用のガラス基板代替として好適な、耐熱性が高く、光学特性、寸法安定性に優れ、かつフィルム状にした際に十分な強度を保持した二軸延伸環状オレフィンフィルムを提供することにある。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、そのような二軸延伸環状オレフィンフィルムを基板に使用したタッチパネルを提供することにある。
【0011】
この発明のさらに他の目的は、そのような二軸延伸環状オレフィンフィルムを基板に使用した表示デバイスを提供することにある。
【0012】
この発明のさらに他の目的は、そのような二軸延伸環状オレフィンフィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムは、MD方向(Machine direction,機械流れ方向)及び該MD方向に直行するTD方向(Traverse direction,垂直方向)ともに引張強度が60MPa以上になり、かつリタデーションが20nm以下になるように、環状オレフィン樹脂で形成された環状オレフィン樹脂フィルムがMD方向に1.1〜1.8倍(1.1以上1.8倍以下)、延伸され、TD方向に1.1〜1.8倍延伸されてなる。
【0014】
上記環状オレフィン樹脂は、ガラス転移温度が150℃以上であり、ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10であり、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0である、環状オレフィンの付加(共)重合体よりなり、当該二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムは、160℃で30分の熱処理による収縮率がMD、TD方向ともに、0.5%以下であるのが好ましい。
【0015】
上記環状オレフィン樹脂フィルムの膜厚は、20〜300μmであるのが好ましい。
【0016】
一般に環状オレフィン系樹脂としては、化1に示すようなノルボルネンを開環重合して得られた樹脂も用いることができるが、化2に示すようなノルボルネンとエチレンを共重合してなる樹脂を選ぶと、引張強伸度、リタデーション、収縮率を好ましい範囲にすることができる。式中、R1,R2は、置換基を表す。nは自然数である。X、Yは比率を表している。
【化1】

【化2】

【0017】
このような二軸延伸環状オレフィンフィルムをタッチパネル又は表示デバイスの基板に好ましく使用される。
【0018】
本発明の他の局面に従う二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムの製造方法は、環状オレフィン樹脂フィルムを下記(a)〜(c)のいずれかの条件で延伸加工し、それによって、MD方向、該MD方向に直行するTD方向ともに引張強度が60MPa以上にされ、リタデーションが20nm以下にされた環状オレフィン樹脂フィルムを得る。
(a) MD方向の延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8であり、TD方向の延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8であり、かつRMD=RTDの同時二軸延伸。
(b) RMD/RTD=1.05〜1.15の条件で、MD方向に延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8になるように延伸し、次いでTD方向に延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8になるように延伸する遂次二軸延伸。
(c) RMD/RTD=1.05〜1.15の条件で、TD方向に延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8になるように延伸し、次いでMD方向に延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8になるように延伸する遂次二軸延伸。
【発明の効果】
【0019】
本発明の二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムによれば、靭性が改善され、軽量で強靭な、ディスプレイ用のガラス基板代替として好適な、耐熱性が高く、光学特性、寸法安定性に優れ、かつフィルム状にした際に十分な強度を保持するフィルムが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例に係る二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムを得る装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本明細書で使用される用語であるTD,MD方向の概念を説明するための図であり、逐次二軸延伸装置を例示している。一般的にロールの速度差で機械流れ方向(MD)に延伸し、テンターを用いMD方向に対して直行する方向(TD)に延伸することによって二軸延伸フィルムが得られる。図示しないが、同時二軸延伸装置はMD stretcherとTD stretcherが一体化されたもので、装置の規模は大きくなる。
【0023】
(環状オレフィン樹脂)
本発明の環状オレフィン系樹脂とは一般的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(d)上記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定するものではなく、例えばノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体(例えば、カルボキシル基やエステル基を有するもの)が例示できる。
【0024】
環状オレフィン系樹脂としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」;JSR社製、商品名「ARTON」;三井化学社製、商品名「APEL」;Topas Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS」等を挙げることができる。
【0025】
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂の吸水率(23℃/24時間)は、通常、0.005〜0.1%程度であるのが好ましい。吸水率が、0.1%を超えると、得られる基板のガスバリア性能が低下する傾向にある。
【0026】
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂の屈折率は、通常、1.49〜1.55程度であり、光線透過率は、93.0〜90.8%程度である。
【0027】
環状オレフィン系樹脂には紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
【0028】
(ノルボルネンとエチレンとの共重合)
本発明の、ノルボルネンとエチレンとの共重合体とは例えば市販品を使用することができる。市販品としては、Topas Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS」等を挙げることができる。
【0029】
本発明で使用するノルボルネンとエチレンとの共重合体の吸水率(23℃/24時間)は、通常、0.005〜0.1%程度であるのが好ましい。吸水率が、0.1%を超えると、得られる基板の寸法安定性が低下する傾向にある。
【0030】
本発明で使用するノルボルネンとエチレンとの共重合体の屈折率は、通常、1.49〜1.55程度であり、光線透過率は、93.0〜90.8%程度である。
【0031】
ノルボルネンとエチレンとの共重合体には紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
【0032】
(製造方法)
環状オレフィン系樹脂からフィルムを得る方法は特に限定はなく、例えば溶液流延法、押出し法、カレンダー法等が例示できる。
【0033】
(フィルム厚み)
環状オレフィン系樹脂フィルムは、20〜300μmが好ましく、さらに好ましくは、40〜200μmである。薄すぎるとフィルム強度が不足する傾向にあり、厚すぎるとガラス基板代替のプラスチック基板の特徴である、軽量、薄膜のメリットが低減する。
【0034】
(表面処理)
環状オレフィン系樹脂フィルム表面の濡れ性及び接着性を向上させるために、フレーム処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、イトロ処理、プライマー処理、化学薬品処理などの表面改質処理を行ってもよい。コロナ放電処理及び紫外線照射処理は、空気中、窒素ガス中、希ガス中等で行うことができる。このような表面改質処理によって、環状オレフィン系樹脂フィルム表面の濡れ張力を、450μN/cm(23℃)以上とすることが好ましく、500μN/cm(23℃)以上とすることがより好ましい。
【0035】
(収縮率)
収縮率の測定は、100×100mmのサイズに切り出したフィルムの4辺の長さを速長機を用い、0.001mm単位で測定し、次いで測定したフィルムを160℃に設定したオーブンに30分間投入した後取りだし、再度フィルムの4辺の長さを速長機を用い、0.001mm単位で測定し、4辺の長さのそれぞれの変化量を求めた。2枚ずつ測定し、MD方向、TD方向それぞれについて平均値を求め収縮率とした。値がマイナスの場合は収縮を意味し、プラスの場合は膨張を意味する。
【0036】
(延伸)
環状オレフィン系樹脂フィルムの延伸には、例えばロール延伸法、テンタークリップ延伸法、圧延法等が例示でき、特に延伸機を特定するものではない。
【0037】
(リタデーションの測定)
異方性物質に入射する光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光(常光線と異常光線)に分離する現象を複屈折といい、リタデーション(Retardation)とは常光線と異常光線の位相差をいう。位相遅れともいう。本発明では、フィルム面内のMD方向の屈折率をnx、TD方向の屈折率をnyとし、フィルムの厚みをdとすると、リタデーション(Re)は、MD方向の屈折率(nx)とTD方向の屈折率(ny)の差(Δn)と、フィルムの厚み(d)から式(1)で表され、王子計測機器製自動複屈折計 KOBRA 21-ADHで測定可能である。ノルボルネンとエチレンとの共重合体フィルムの延伸によって、リタデーションは制御されるが、その延伸手法に特に限定はない。外部応力が強いほど複屈折が大きくなり、リタデーションも大きくなる。
【数1】

【実施例1】
【0038】
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が、82:18であり、ガラス転移温度180℃の共重合体を、溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃で、厚みが200μmになるようにフィルムを作製した。
次いでフィルム温度を185℃に保った状態で、延伸倍率がMD,TDそれぞれ、RMD=1.3、RTD=1.3になるように同時二軸延伸機にて同時二軸延伸することによって、厚み124μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスに耐え、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【実施例2】
【0039】
延伸倍率を、RMD=1.5、RTD=1.5とする以外は、実施例1と同様に厚み91μmの同時二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスに耐え、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【実施例3】
【0040】
延伸倍率を、RMD=1.7、RTD=1.7とする以外は、実施例1と同様に厚み60μmの同時二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスに耐え、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【実施例4】
【0041】
実施例1で得られた厚み200μmのフィルムを、フィルム温度を185℃に保った状態で、先ず縦延伸機によってRMD=1.8に縦延伸し、次いでRTD=1.7になるように横延伸機によって横延伸することによって、厚み63μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスに耐え、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0042】
[比較例1]
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が、82:18であり、ガラス転移温度180℃の共重合体を、溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃で、厚みが100μmになるようにフィルムを作製した。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスには耐えたが、打抜き加工でクラックの発生があり十分な強度を保持しているとは言えなかった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0043】
[比較例2]
実施例1で得られた厚み200μmのフィルムを、フィルム温度を185℃に保った状態で、先ず縦延伸機によってRMD=1.8に縦延伸し、次いでRTD=1.8になるように横延伸機によって横延伸することによって、厚み64μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスに耐え、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認した。ただしリタデーションが28.3nmであり、LCDのガラス基板代替に使用した際に、ガラス基板と比較してコントラストが低下した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0044】
[比較例3]
実施例1で得られた厚み200μmのフィルムを、フィルム温度を186.1℃に保った状態で、RTD=2.2になるようにテンタークリップ方式延伸機によって横延伸することによって、厚み89μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスで破断することが多く十分な強度を保持しているとは言えなかった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0045】
[参考例1]
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が、77:23であり、ガラス転移温度140℃の共重合体を、溶融押出法にて樹脂温度240℃、引取りロール温度110℃で、厚みが200μmになるようにフィルムを作製した。
次いでフィルム温度を145℃に保った状態で、延伸倍率がMD,TDそれぞれ、RMD=1.5、RTD=1.5になるように同時二軸延伸機にて同時二軸延伸することによって、厚み125μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、打抜き加工でもクラック等の発生がないことを確認したが、デバイス作製に必要なコーティング、蒸着、スパッタ等のロールtoロールでの表面処理プロセスで、120℃以上のプロセスに耐えず溶融した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の二軸延伸環状オレフィンフィルムは、ディスプレイ用のガラス基板の代替に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MD方向(機械流れ方向)及び該MD方向に直行するTD方向(垂直方向)ともに引張強度が60MPa以上になり、かつリタデーションが20nm以下になるように、環状オレフィン樹脂で形成された環状オレフィン樹脂フィルムがMD方向に1.1〜1.8倍延伸され、TD方向に1.1〜1.8倍延伸されてなる二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルム。
【請求項2】
前記環状オレフィン樹脂は、ガラス転移温度が150℃以上であり、ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10であり、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0である、環状オレフィンの付加(共)重合体よりなり、
当該二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムは、160℃で30分の熱処理による収縮率がMD、TD方向ともに、0.5%以下である請求項1に記載の二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルム。
【請求項3】
前記環状オレフィン樹脂フィルムの膜厚は、20〜300μmである、請求項1又は2に記載の二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸環状オレフィンフィルムを基板に使用したタッチパネル。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸環状オレフィンフィルムを基板に使用した表示デバイス。
【請求項6】
環状オレフィン樹脂フィルムを下記(a)〜(b)のいずれかの条件で延伸加工し、それによって、MD方向(機械流れ方向)、該MD方向に直行するTD方向ともに引張強度が60MPa以上にされ、リタデーションが20nm以下にされた環状オレフィン樹脂フィルムを得る、二軸延伸環状オレフィン樹脂フィルムの製造方法。
(a) MD方向の延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8であり、TD方向の延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8であり、かつRMD=RTDの同時二軸延伸。
(b) RMD/RTD=1.05〜1.15の条件で、MD方向に延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8になるように延伸し、次いでTD方向に延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8になるように延伸する遂次二軸延伸。
(c) RMD/RTD=1.05〜1.15の条件で、TD方向に延伸倍率(RTD)が1.1〜1.8になるように延伸し、次いでMD方向に延伸倍率(RMD)が1.1〜1.8になるように延伸する遂次二軸延伸。

【図1】
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【公開番号】特開2011−93285(P2011−93285A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252278(P2009−252278)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】