説明

二軸配向ポリエステルフィルム

【課題】一方向に極めて優れた環境変化に対する寸法安定性と高温での張力を負荷しても伸びにくい加工性とを具備させることができる二軸配向ポリエステルフィルムの提供。
【解決手段】以下の(1)〜(3)
(1)全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分であること、
(2)全グリコール成分の95モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分で、両者のモル比が、95:5〜65:35の範囲にあること、そして
(3)触媒として用いた金属化合物の金属元素量(M:mmol%)が10〜80mmol%でかつ安定剤として用いたリン化合物のリン元素量(P:mmol%)とのモル比(M/P)が1〜4の範囲にあること
を満足する芳香族ポリエステルからなる二軸配向ポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録テープなどのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録テープなどでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上、例えば温度や湿度などの環境変化に対する高度の寸法安定性が求められている。
【0003】
ところで、特許文献1には、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(以下PCTと略す)を用いることで、湿度膨張係数の小さな二軸配向ポリエステルフィルムを得られることが、また、特許文献2には、PCTとポリエチレンテレフタレートとをブレンドすることで引裂強度を向上できることが開示されている。
しかしながら、これらに記載された二軸配向ポリエステルフィルムは、湿度膨張係数は低いものの、温度膨張係数がいずれの方向も10ppm/℃以上という温度変化に対する寸法変化が大きなものでしかなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−85437号公報
【特許文献2】特開昭60−203422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、少なくとも一方向に極めて優れた環境変化に対する寸法安定性と高温での張力を負荷しても伸びにくい加工性とを具備させることができる、特に高密度磁気記録テープのベースフィルムに適した二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決しようと鋭意研究した結果、前述のエチレングリコール成分を共重合した共重合1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを用い、かつ触媒金属化合物と安定剤としてのリン化合物とを特定の比となるように用いたとき、特定の方向に極めて小さな温度膨張係数と湿度膨張係数とを具備できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
かくして、本発明によれば、以下の1〜8の二軸配向ポリエステルフィルムが提供される。
1.以下の(1)〜(3)
(1)全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分であること、
(2)全グリコール成分の95モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分で、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分のモル比が、95:5〜65:35の範囲にあること、そして
(3)触媒として用いた金属化合物の金属元素量(M:mmol%)が10〜80mmol%でかつ安定剤として用いたリン化合物のリン元素量(P:mmol%)とのモル比(M/P)が1〜4の範囲にあること
を満足する芳香族ポリエステルからなる二軸配向ポリエステルフィルム。
2.リン化合物のリン元素量(P)が、3〜70mmol%の範囲である上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
3.共重合成分が、イソフタル酸成分とエチレングリコール成分である上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
4.フィルムの長手方向に直交する方向(幅方向)における温度膨張係数が10ppm/℃以下である上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
5.厚みが3〜8μmの範囲である上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
6.芳香族ポリエステルが、1,4−シクロヘキサンジメタチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルAと、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルBを溶融混練したものである上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
7.芳香族ポリエステルの固有粘度が、0.5〜0.8dl/gの範囲にある上記1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
8.磁気テープのベースフィルムに用いる上記1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、PCTにエチレングリコール成分とを特定の割合で存在させつつ、触媒金属化合物と安定剤としてのリン化合物とを特定の比となるように用いており、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度に分子鎖を配向させる高度の延伸を行うことができる。
したがって、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、例えば幅方向の温度膨張係数を10ppm/℃以下、さらに8ppm/℃以下とすることで、磁気テープのベースフィルムとして好適に用いることができ、その工業的価値はきわめて高い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における芳香族ポリエステルについて、詳述する。
本発明におけるポリエステルは、全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分であること、全グリコール成分の95モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分で、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分のモル比が、95:5〜65:35の範囲にあること、そして、触媒として用いた触媒金属化合物の金属元素量(M:mmol%)が10〜80mmol%でかつ安定剤として用いたリン化合物のリン元素量(P:mmol%)とのモル比(M/P)が1〜4の範囲にある。
【0010】
全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分にあることで、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度に分子鎖を配向させる高度の延伸を行うことができ、しかもその高度に延伸を行った方向と直交する方向にも加工性などに必要な十分な機械特性を具備させることができる。
【0011】
また、本発明におけるポリエステルは、全グリコール成分の95モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分で、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分のモル比が、95:5〜65:35の範囲、好ましくは94:6〜67:33、さらに好ましくは86:14〜70:30の範囲にあることで、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度に分子鎖を配向させる高度の延伸を行うことができ、しかもその高度に延伸を行った方向と直交する方向にも加工性などに必要な十分な機械特性を具備させることができる。すなわち、エチレングリコール成分の存在によって延伸性をより高めることができるが、エチレングリコール成分が過剰に多くなると、湿度膨張係数などを低下させにくくなる。
【0012】
また、本発明におけるポリエステルは、全酸成分のモル数を基準として、テレフタル酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノール成分以外の共重合成分の合計が、10モル%以上、さらに15モル%以上であることで、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度の延伸を行えるような延伸性を発現させるために好ましい。なお、上限は、前述の組成の関係から自ずと決まることは容易に理解されるであろう。このような共重合成分としては、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分などが挙げられる。これらの中でも、ヤング率の観点から、イソフタル酸成分およびエチレングリコール成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を共重合したものが好ましい。
【0013】
ところで、本発明におけるポリエステルは、触媒として用いた触媒金属化合物の金属元素量(M:mol%)と、安定剤として用いたリン化合物のリン元素量(P:mmol%)とのモル比(M/P)が1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2.5の範囲にあることが必要である。上記範囲にあることで、製膜する際の溶融押出工程などでの熱劣化が抑制でき、その後の延伸性を高度に維持することができる。
【0014】
また、上記触媒金属化合物の含有量は、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準としたときの金属元素量で、10〜80mmol%の範囲、好ましくは30〜75mmol%、さらに好ましくは50〜70mmol%の範囲にあることが、より熱劣化などを抑制しつつ、重合反応性を高度維持できる。
【0015】
なお、本発明における触媒金属化合物としては、それ自体公知のものを挙げることができ、Ti、Al、Sb、Geなどの金属成分を有する金属化合物や、エステル交換反応を経由する場合は、Li,Na,K,Mg,Ca,Mn、Co、Tiなどの金属成分を有する金属化合物が好ましく挙げられる。これらの中でも、反応活性が高く、異物などの析出を押さえやすいことから、Tiを金属成分として有する触媒金属化合物を触媒として用いたものが好ましい。もちろん、これらの触媒は1種に限らず、2種以上を併用しても良い。
【0016】
また、上記リン化合物の含有量は、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準としたときのリン元素量で、3〜70mmol%の範囲、さらに10〜65mmol%、特に40〜50mmol%の範囲にあることが、より熱劣化などを抑制しつつ、重合反応性を高度維持できることから好ましい。
【0017】
なお、本発明におけるリン化合物としては、それ自体公知のものを挙げることができ、化合物中にリン元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸アンモニウム、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートなどを挙げることができ、これらのリン化合物は二種以上を併用してもよい。また、リン化合物の添加時期は、エステル化反応やエステル交換反応が実質的に終了してから重縮合反応初期の間に行なうことが好ましく、添加は一度に行ってもよいし、2回以上に分割して行ってもよい。
【0018】
ところで、このようなポリエステルは、それ自体公知の方法で製造でき、所望の組成になるように原料を仕込み、エステル交換反応またはエステル化反応を経由して重縮合反応させてもよいし、シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルと、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルとを用意し、これらを溶融混練させて所望の組成のポリエステルとしてもよい。特に本発明の効果の点からは、その理由は不明だが、後者の溶融混練させるほうが、ヤング率などの機械的物性をより高めやすいことから好ましい。
【0019】
つぎに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムについて説明する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルを製膜方向と幅方向とに延伸したものである。積層構造は特に制限されず、単層フィルムでも、2層以上の積層フィルムでもよい。また、積層フィルムの場合は、少なくとも1層が本発明の二軸配向ポリエステルフィルムであればよい。また、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステル樹脂からなり、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の樹脂や機能剤などを含有していてもよい。ブレンドする樹脂としては、ポリエーテルイミドや液晶性樹脂などは、得られるフィルムの耐熱性などを向上させやすいことから好ましい。
【0020】
以下、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの好ましい態様について説明する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの製膜方向または幅方向のいずれかの方向は、ヤング率が4GPa以上、さらに4.5GPa以上、特に5GPa以上であることが好ましい。いずれの方向もヤング率が4GPa未満である場合、温度膨張係数を低減することが困難となりやすい。また、特に、磁気記録テープにベースフィルムに用いる場合、ヤング率を高める方向が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向であることが、トラックずれなどを抑制できることから好ましい。なお、ヤング率の上限は特に制限されないが、延伸時の破断などを抑制する点から、11GPa以下、さらに10GPa以下が好ましい。
【0021】
また、磁気テープ用として使用する場合、使用時の伸びを少なくする観点から、フィルムの製膜方向および幅方向ヤング率は、いずれも2.4GPa以上であることが好ましい。
【0022】
このような特定の方向に高いヤング率といずれの方向にも実用上必要なヤング率を有するフィルムを得るには、前述の特定量の1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分を含むポリエステル樹脂を用いること、ヤング率を高めたい方向に高度に延伸すること、さらにより特定方向のヤング率を高めたい場合は、ヤング率を高めたい方向と直交する方向の延伸を緩和すること、また共重合芳香族ポリエステルとして、前述のような1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分の割合が異なる2種以上のポリエステルを用意し、これらをブレンドすることなどが挙げられる。
【0023】
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた寸法安定性を発現する点から、少なくとも1方向、好ましくはフィルムの幅方向の温度膨張係数(αt)が10ppm/℃以下であることが好ましい。フィルムの少なくとも一方向における温度膨張係数が10ppm/℃以下であることで環境変化に対する優れた寸法安定性を発現することが出来る。温度膨張係数の下限は制限されないが、通常−15ppm/℃である。好ましい温度膨張係数(αt)は−10〜10ppm/℃、さらに−7〜7ppm/℃、特に−5〜6ppm/℃の範囲であることが、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の温度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから好ましい。
【0024】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向、好ましくはフィルムの幅方向の湿度膨張係数が1〜7ppm/%RH、好ましくは3〜5ppm/%RHの範囲にあることが、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の湿度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから好ましい。
【0025】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは特に制限されないが、磁気テープに用いる場合は、フィルム全体の厚みで2〜15μmの範囲、さらに3〜8μmの範囲、特に3.5〜5μmの範囲にあることが好ましい。この厚みが上限を超えると、フィルム厚みが厚くなりすぎ、例えば磁気記録媒体に用いた場合はカセットに入れるテープ長さが短くなり、十分な磁気記録容量が得られない。
【0026】
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.5〜0.8dl/g、さらに0.5〜0.7dl/gの範囲にあることが、高度の延伸に耐えられることから好ましい。このような固有粘度は、製膜などのときの溶融混練時に低下する固有粘度の低下を勘案して、あらかじめ用いるポリエステルの固有粘度を高めておけばよいが、本発明におけるポリエステルは通常のポリエチレンテレフタレートに比べ、非常に溶融混練時に低下する固有粘度が大きく、これだけでは調整が困難であり、さらに、触媒金属化合物量とリン化合物量とを前述の範囲に調整して固有粘度の低下を少なくしておくことや、溶融混練の時間を短くしたり、温度を低くすることなどが好ましく挙げられる。
【0027】
つぎに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルを溶融製膜して、シート状に押出し、製膜方向と幅方向に延伸することで得られる。
【0028】
用いるポリエステル樹脂のP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、0.5〜1.1dl/g、さらに0.6〜1.1dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。固有粘度が上限以上だと、粘度が高くなりすぎ、製膜時の押出機からの樹脂の押出が困難になる。また、固有粘度が下限以下だと、フィルムが脆化し、延伸が困難になる。
【0029】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであることが好ましく、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
【0030】
まず、前述のポリエステルもしくは溶融混練によって前述のポリエステルの組成となる複数のポリエステル樹脂を原料とし、これを乾燥後、フィルムにしたときのポリエステル樹脂の融点ないし(Tm+50)℃の温度に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸する。このとき、溶融混練の間に前述のエステル交換反応が進んでしまわないように注意することが必要である。
【0031】
なお、前述のヤング率、αtおよびαhを好ましい範囲にするには、その後の延伸を進行させやすくすることが必要であり、そのような観点から冷却ドラムによる冷却は非常に速やかに行うことが好ましい。そのような観点から、20〜60℃という低温で行なうことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことが可能となる。
【0032】
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸について、製膜方向および幅方向に延伸し、熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の製膜方向の延伸はポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、2〜8倍に延伸し、次いで幅方向に先の製膜方向の延伸と同等かそれよりも高温の(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。熱処理は、所望に応じて、製膜方向または幅方向に、弛緩させたり、延伸させたりしてもよいが、その範囲は熱処理前の長さを基準として、−5〜5%の範囲が好ましい。
【0033】
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
【0034】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のとおり、単層フィルムに限られず、積層フィルムであってもよく、その場合は、少なくとも一つのフィルム層が本発明の二軸配向ポリエステルフィルムであれば良い。このような積層フィルムの作り方としては、例えば2種以上の溶融ポリエステルをダイ内で積層してからフィルム状に押出し、好ましくはそれぞれのポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出すか、2種以上の溶融ポリエステルをダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、ついで前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行うとよい。
【0035】
また、本発明二軸配向ポリエステルフィルムは、接着性や滑り性を向上させるために、それ自体公知の塗布層を設けても良い。塗布層を設ける場合は、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布し、後は前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行えばよい。
このようにして得られた本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、その一方の面に非磁性層および磁性層をこの順で形成し、他方の面にバックコート層を形成することで、LTOなどのリニア記録方式の磁気記録テープとすることができる。
【実施例】
【0036】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
【0037】
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
【0038】
(2)ヤング率
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
【0039】
(3)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向である。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
【0040】
(4)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度20%RHと湿度80%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向である。
αh=(L80−L20)/(L20×△H)
ここで、上記式中のL20は20%RHのときのサンプル長(mm)、L80は80%RHのときのサンプル長(mm)、△H:60(=80−20)%RHである。
【0041】
(5)最大延伸倍率(MDR)
フィルム製膜時に、幅方向の倍率をあげていき、フィルムの切断がおきる直前の倍率を最大延伸倍率とした。
【0042】
(6)共重合量
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600MのH−NMR(日本電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、100M 13C−NMR(日本電子 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
【0043】
(7)触媒、安定剤の元素量
フィルム5gをホットプレート上で310℃にまで加熱して融解し、平板状のディスクを作成する。そして該ディスクを理学電気(株)製の蛍光X線3270E型を用いて測定し、該ディスクに含有される各元素量を測定した。
得られた元素量から、ポリマー中の全酸成分のモル数に対する各元素のモル数の割合を求めた。
【0044】
[参考例1]PCT−Aの作成
テレフタル酸ジメチル(TA)、イソフタル酸ジメチル(IA)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を、それぞれのモル比(DMT:DMI:CHDM)が96:4:200となるように仕込み、そこに触媒として、トリメット酸チタンを表1に示す含有量となるように加えてオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、トリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、固有粘度1.1dl/gのポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下、PCT―Aと称する)を得た。
【0045】
[参考例2]PEN―Bの作成
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NA)、エチレングリコールを、それぞれのモル比(NA:EG)が100:200となるように仕込み、そこに触媒として、酢酸マンガンを含有量が41mmol%となるようにオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、三酸化アンチモンを含有量が41mmol%とリン酸トリメチルを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、表1に示すポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、PEN―Bと称する)を得た。
【0046】
[参考例3]PET―Cの作成
テレフタル酸ジメチル(TA)、エチレングリコールを、それぞれのモル比(TA:EG)が100:200となるように仕込み、そこに触媒として、酢酸マンガンを含有量がが34mmol%となるように加えてオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、三酸化アンチモンを含有量が43mmol%となるように加え、さらにリン酸トリメチルを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、表1に示すポリエチレンテレフタレート(以下、PET−Cと称する)を得た。
【0047】
[参考例4]PCT−Dの作成
テレフタル酸ジメチル(TA)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を、それぞれのモル比(TA:CHDM)が100:200となるように仕込み、そこに触媒として、トリメット酸チタンを表1に示す含有量となるように加えてオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、トリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、表1に示すポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下、PCT―Dと称する)を得た。
【0048】
[参考例5]PCT−E〜I、Lの作成
参考例4において、トリメット酸チタンおよびトリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように変更した以外は同様にして、表1に示すポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下、PCT―E〜I、Lと称する)を得た。
【0049】
[参考例6]PCT−Jの作成
テレフタル酸ジメチル(TA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を、それぞれのモル比(TA:NDC:CHDM)が90:10:200となるように仕込み、そこに触媒として、トリメット酸チタンを表1に示す含有量となるように加えてオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、トリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、表1に示すポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下、PCT―Jと称する)を得た。
【0050】
[参考例7]PCT−Kの作成
テレフタル酸ジメチル(TA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)を、それぞれのモル比(TA:NDC:CHDM:EG)が90:10:180:20となるように仕込み、そこに触媒として、トリメット酸チタンを表1に示す含有量となるように加えてオートクレーブにいれ、攪拌下で加熱してエステル交換した。ついで、トリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように添加して、重縮合し、表1に示すポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下、PCT―Kと称する)を得た。
【0051】
[参考例8]PET−Mの作成
参考例3において、トリメリット酸チタンとトリエチルホスホノアセテートを表1に示す含有量となるように調整したほかは、同様な操作を繰り返して、表1に示すポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PET−M)を得た。
【0052】
【表1】

【0053】
[実施例1]
表1に示したPCT−A95重量%とPET−C5重量%とを混合し、乾燥した後、300℃で溶融押し出しし、25℃に保持した急冷ドラム上で冷却した未延伸フィルムを得た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、フィルム表面温度が110℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度115℃で横延伸倍率5.5倍、熱固定処理(180℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0054】
[実施例2]
実施例1において、PCT−AとPET−Cの重量比を90:10とした。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0055】
[実施例3]
実施例1においてPCT−AとPET−Cの重量比を80:20とし、横延伸倍率を6倍とした。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0056】
[実施例4]
実施例1において、PCT−AとPET−Cの重量比を80:20とし、溶融押出温度を310℃に変更した以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0057】
[実施例5]
実施例1において、PCT−AとPET−Cの重量比を75:25とし、横延伸倍率を6倍とした。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0058】
[実施例6]
実施例1において、PCT−Aの代わりに表1に示すPCT−Dを用い、PCT−DとPET−Cの重量比を80:20とし、横延伸倍率を5.3倍とした。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0059】
[実施例7]
実施例6において、PCT−Dの代わりに表1に示すPCT−Fを用いた。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0060】
[実施例8]
実施例6において、PCT−Dの代わりに表1に示すPCT−Iを用いた。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0061】
[実施例9]
実施例6において、PCT−Dの代わりに表1に示すPCT−L、PET−Cの代わりに表1に示すPET−Mを用いた。それ以外の条件は同様にして、厚さ6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0062】
[比較例1]
PCT−Aを用いず、PET−Cのみを用い、溶融押出温度を280℃、延伸倍率を縦倍率3.2倍、横倍率4.3倍にし、それ以外は同様にして厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0063】
[比較例2]
PEN−Bを乾燥後、300℃で溶融押し出しし、60℃に保持した急冷ドラム上で冷却した未延伸フィルムを得た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、フィルム表面温度が130℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.1倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度125℃で横延伸倍率4.6倍、熱固定処理(180℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0064】
[比較例3]
実施例1において、PET−Cを用いず、PCT−Aのみを用いて、延伸倍率を縦倍率3.0倍、横倍率5.0倍にし、それ以外は同様にして厚さ11μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0065】
[比較例4]
実施例1においてPCT−AとPET−Dの重量比を70:30とし、縦方向の延伸倍率を3倍、横方向の延伸倍率を5.3倍とした。それ以外の条件は同様にして、15μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0066】
[比較例5]
実施例1において、PCT−Aの代わりに表1に示すPCT−Eを用い、PCT−EとPET−Cの重量比を80:20とし、溶融押出温度を310℃、横延伸倍率を4.2倍とした。それ以外の条件は同様にして、6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0067】
[比較例6]
比較例5において、PCT−Eの代わりに表1に示すPCT−Hを用いた。それ以外の条件は同様にして、6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0068】
[比較例7]
表1に示したPCT−Jを乾燥した後、300℃で溶融押し出しし、25℃に保持した急冷ドラム上で冷却した未延伸フィルムを得た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、フィルム表面温度が110℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度115℃で横延伸倍率4.0倍、熱固定処理(180℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ15μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0069】
[比較例8]
比較例7において、PCT−Jの代わりに、表1に示したPCT−Kを用い、横延伸倍率を5.0倍とした。それ以外の条件は同様にして、厚さ14μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0070】
[比較例9]
比較例5において、PCT−Eの代わりに表1に示すPCT−Gを用いた。それ以外の条件は同様にして、6.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0071】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、従来のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやでは達成できなかったような優れた寸法安定性を有し、寸法安定性が求められる用途、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして、好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(3)
(1)全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分であること、
(2)全グリコール成分の95モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分で、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分のモル比が、95:5〜65:35の範囲にあること、そして
(3)触媒として用いた金属化合物の金属元素量(M:mmol%)が10〜80mmol%でかつ安定剤として用いたリン化合物のリン元素量(P:mmol%)とのモル比(M/P)が1〜4の範囲にあること
を満足する芳香族ポリエステルからなることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項2】
リン化合物の含有量が、全酸成分のモル数を基準としたときのリン元素量で、3〜70mmol%の範囲である請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
共重合成分が、イソフタル酸成分とエチレングリコール成分である請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
フィルムの長手方向に直交する方向(幅方向)における温度膨張係数が10ppm/℃以下である請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
厚みが3〜8μmの範囲である請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】
芳香族ポリエステルが、1,4−シクロヘキサンジメタチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルAと、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルBを溶融混練したものである請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項7】
芳香族ポリエステルの固有粘度が、0.5〜0.8dl/gの範囲にある請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項8】
磁気テープのベースフィルムに用いる請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2012−92260(P2012−92260A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242194(P2010−242194)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(301020226)帝人デュポンフィルム株式会社 (517)
【Fターム(参考)】