説明

二輪車のための操舵支援システムならびに操舵支援システムのための制御装置

【課題】二輪車のカーブにおけるブレーキ時の逆操舵、高速揺動またはステアリング打撃が生じた場合の逆操舵などをアシストするシステムを提供する。
【解決手段】操舵支援システム3は、操舵トルクを加えることができるアクチュエータ7を備える。アクチュエータは、例えば、ステアリングシャフト5と協働する電気モータであってもよい。制御装置9は、所望の操舵トルクを生成するためにアクチュエータを意図的に制御することができる。さらに種々異なるセンサ11,13,15,19,21が設けられ、これにより、走行動的パラメータ、例えば、二輪車に対する操舵角、操舵トルク加速度または二輪車のホイールの速度を検出する。センサによって検出されたパラメータに基づいて、操舵トルクを生成するためにアクチュエータを制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車、特に自動二輪車のための操舵支援システム、およびこのような操舵支援システムのための制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車、特に自動二輪車は、従来は運転手により加えられる力によってのみ操舵される。特に高速度時に安定的に直進走行するように設計された自動二輪車では、例えば狭いカーブで高い操舵力が必要とされる。このことは、主に、高い走行安定性のためには、いわゆる「キャスター角」または「ステアリングヘッド角」が大きいことが望ましいが、これにより、自動二輪車の操舵に必要な操舵トルクが大きくなること基づいている。例えば、極めて速度が低い場合に切換を行う場合には高い操舵力が必要である。高い傾斜度でカーブにおける強いブレーキをかける場合にもカーブ曲率半径を保持するためには大きい操舵力が必要である。
【0003】
「キックバック」とも呼ばれるステアリング反動の危険性を低減するために、所定の減衰率で特に不都合な急激な操舵を抑制する、自動二輪車のためのステアリングダンパが既知である。このようなダンパ装置の例がドイツ国特許出願公開第102007049353号明細書に記載されている。しかしながら、このようなステアリングダンパの使用により、特に狭いカーブまたは切換の際にさらに高い操舵力を用いなければならなくなる場合がある。このようなことは自動二輪車の扱いを著しく困難にし、運転手のための快適性を低下させることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第102007049353号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明は、二輪車の操舵のために運転手によって加えられるべき操舵力を自動的に支援するか、もしくは所定の走行状況に適合させることのできる操舵支援システムに関する。特に操舵支援システムによって、二輪車の走行時の走行快適性および安全性を高めることができる。
【0006】
本発明による操舵支援システムは、二輪車に対する操舵トルクを生成するためのアクチュエータと、アクチュエータによって生成された操舵トルクを制御するための制御装置と、二輪車の走行パラメータを検出するためのセンサとを備える。
【0007】
本発明に至るまでの思想は、以下の認識に基づいている:これまでは、二輪車の操舵のためには運転手によって加えられる操舵力で十分であり、操舵プロセスを支援するための付加的な力は不要であり、望まれていないことを前提としていた。いまでは、特に所定の走行状況では二輪車においても操舵支援が役立つ場合があることが認識された。特に、所定の走行状況では状況に応じて二輪車に操舵トルクを加えることのできる自動操舵支援システムが有利な場合があることが認識された。したがって、乗用車分野で既知のパワーステアリングに類似した走行支援システムを二輪車の場合にも適用することが有利であると認識された。
【0008】
この場合、操舵支援システムは、例えば、一方では運転手のための快適性が高められ、例えば切換の際または狭いカーブ走行時に、運転手によって加えられるべき操舵力を、付加的にシステムによって生成される操舵力に基づいて小さく保持することができるように、自動二輪車のために制御を行うことができる。他方では、上記操舵支援システムによって、運転手にとって危険な走行状況においても自動的に付加的な操舵トルクを生成し、運転手によって加えられた操舵トルクに重ね合わせることができ、これにより、運転手にとって危険な走行状況を緩和することができる。
【0009】
さらに、受動的なステアリングダンパを備えた自動二輪車では、この場合に生成される操舵の減衰は、例えば交互のカーブまたは切換の際に迅速に操舵を行う場合には不都合であり、ステアリング反動時には弱すぎることが多い。操舵支援システムによって生成される操舵トルクを状況に応じて重ねわせることにより、2つの状況に最適に対応することができる。
【0010】
二輪車に操舵トルクを加えるアクチュエータは、例えば、二輪車の操舵と協働することができるように構成された電動機であってもよい。代替的に、アクチュエータは、二輪車の操舵のために力を加えることのできる液圧装置として構成されていてもよい。電動機もしくは液圧装置は、場合によっては適合したギアを介してステアリングシャフトまたはステアリングヘッド支持部に配置し、これと協働して、例えば電動機の通電時に二輪車のステアリングにおける2つの方向に調節可能なトルクを切り換えることができるようにしてもよい。
【0011】
この場合、電動機もしくは液圧装置は、生成すべきトルクおよびこのようなトルクを加える継続時間に関して、著しい操舵角領域にわたって二輪車もしくは二輪車の操舵にゆっくりとした力作用を及ぼし、例えば、パワーステアリングの場合のように運転手の操舵要求を支援するように構成されていてもよいし、短い、急激な操舵トルクを生成し、状況に応じてESPシステム(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)の場合のように、危険な状況で車両を走行動的に支援するように構成されていてもよい。
【0012】
操舵支援システムに設けられた少なくとも1つのセンサは、現在の操舵角、運転手によって加えられた現在の操舵トルク、および/または現在二輪車に作用している加速度を検出するように構成されていてもよい。
【0013】
二輪車のステアリングには、これに適した位置センサ、力センサおよび/または加速度センサが設けられていてもよい。位置センサは、例えば、二輪車の車体に対するステアリングシャフトの現在位置、ひいては現在の操舵角に関する情報を検出することができる。力センサは、例えば、運転手によってステアリングに加えられた力を測定し、これにより、現在作用している操舵トルクに関する情報を示すことができる。加速度センサは、二輪車全体または二輪車の所定の構成素子のみの現在の加速度に関する情報を示すことができる。例えば、横方向加速度、縦方向加速度および/または垂直方向加速度を検出するためのヨーレートセンサ、横揺れ角速度センサまたは加速度センサを使用することができる。
【0014】
補足的に、他の走行動的パラメータ、例えば、二輪車の現在の速度、アンチロック・ブレーキシステムの現在の制御信号などを検出するための他のセンサを使用してもよい。さらに、現在アクチュエータによって生成された操舵トルクを、例えば、アクチュエータに加えられた電流を検出することによって決定できることは有利である。
【0015】
制御機器内に設けられていてもよい操舵支援システムの制御装置は、少なくとも1つのセンサの信号を受信し、これらの信号に基づいて二輪車に操舵トルクを加えるアクチュエータを制御するように構成されていてもよい。
【0016】
これにより、制御装置は、状況に応じて、またセンサによって検出される二輪車の走行動的パラメータに依存して二輪車の操舵プロセスを制御することができ、この場合に運転手によって加えられた操舵力にアクチュエータによって生成された付加的な操舵トルクが重ね合わされる。この場合、総操舵トルクML_gesは、運転手によって加えられた操舵トルクML_Fahrerおよびパワーステアリング(エレクトリック・パワーステアリングEPS)として作用するアクチュエータによる操舵トルクML_EPSを加算して構成されていてもよい(ML_ges = ML_Fahrer + ML_EPS)。この場合、アクチュエータによって生成される付加的な操舵トルクML_Fahrerは、符号に関して運転手によって加えられた操舵トルクの符号とは異なってもよい。
【0017】
このために、制御装置は、センサによって供給された信号に基づいて運転手の操舵要求を検出し、続いてアクチュエータを制御し、これにより、アクチュエータによって操舵要求を支援する操舵トルクが生成されるように構成されていてもよい。制御装置のこのような作動モードでは、操舵支援システムはパワーステアリングのように作用することができる。運転手の操舵要求は、例えば、運転手操舵トルクを測定するセンサによって検出してもよい。
【0018】
代替的に、制御装置は、センサにより供給される信号に基づいて、例えばカーブ走行中にブレーキをかけた場合に生じるような外乱トルクを推定し、続いてアクチュエータを制御し、アクチュエータによって外乱トルクに反作用する操舵トルクが生成されるように構成されていてもよい。これにより、高い傾斜度でカーブ走行中に二輪車を制動した場合に不都合に生じた、二輪車を直立させ得る外乱トルクに能動的に反作用を及ぼすことができる。このようにして、潜在的に危険な走行状況を緩和することができる。
【0019】
代替的または補足的に、制御装置は、アンチロック・ブレーキシステムの制御信号に基づいて、カーブ走行中にブレーキをかけた場合に予想される外乱トルクを推定し、アクチュエータを制御し、アクチュエータによって外乱トルクに反作用する操舵トルクが生成されるように構成されていてもよい。換言すれば、アンチロック・システムによって強いブレーキをかけた場合に生成され、制動プロセス、特にブレーキによって誘起される力を制御する制御信号を、既に実際の外乱トルクの発生前に予想される外乱トルクを推定し、前もって適宜に反対に操舵するためにアクチュエータを制御するために使用することができる。
【0020】
別の実施形態では、制御装置は、信号に基づいて二輪車のヨーレートおよび/または横揺れ角速度の変動を検出し、適宜に反対に操舵するためにアクチュエータを制御するように構成されている。ヨーレートおよび/または横揺れ角速度の変動は、自動二輪車のいわゆる「高速揺動」が発生したことの典型的な兆候なので、能動的に反対に操舵することによりこのような高速揺動に反作用を及ぼし、自動二輪車の走行動特性を改善することができる。
【0021】
別の実施形態として、制御装置は、センサの信号に基づいて二輪車のステアリング反動を検出し、適宜な反作用を及ぼすためにアクチュエータを制御するように構成されていてもよい。この構成では、操舵支援システムはステアリングダンパのように作用し、急激な操舵に反作用を及ぼすことができる。
【0022】
別の実施形態では、制御装置はセンサの信号に基づいて、低速度時の二輪車の傾動傾向を検出し、アクチュエータを意図的に制御することによりこのような傾動傾向に反作用する操舵トルクを加えることができる。このようにして、特に自動二輪車を安定化させるためには自動二輪車の回転力がまだ不十分である低速度時に自動的に均衡を保持するための機構により運転手を支援することができる。
【0023】
別の代替的な実施形態では、センサ信号に基づいて二輪車の過剰制御を検出し、アクチュエータを対応して制御し、このような過剰制御に反作用する操舵トルクを生成することができる。
【0024】
ここに記載の本発明の実施形態は、二輪車、特に自動二輪車に電気式パワーステアリングの原理を採用し、この場合に現在のセンサ装置を使用して、トルクの重畳に際して状況に応じたパワーステアリング制御を提供することを少なくとも部分的に目的としている。
【0025】
本発明の実施形態の可能な特徴および利点は、ここでは部分的には操舵支援システムに関して、また部分的にはこのような操舵支援システムのための制御装置もしくは制御機器に関して記載したことを指摘しておく。専門家であれば、様々な特徴を任意に組み合わせることができ、特に操舵支援システムから制御装置に、またはその反対にこれらを置き換え、本発明のさらなる構成、可能であれば相乗効果が得られることがわかるであろう。
【0026】
次に本発明の実施形態を添付の図面に基づいて説明するが、この際に詳細な説明および図面はいずれも本発明を限定するものとして構成されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態による操舵支援システムを有する自動二輪車を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面は、概略的なものにすぎず、寸法に厳密ではない。
【0029】
図1は、操舵支援システム3を備える自動二輪車1を示す。操舵支援システムは複数の構成素子を備える。ステアリングシャフト5には、電動機または液圧装置によってステアリングシャフト5にトルクを加え、ひいては自動二輪車に操舵トルクを加えることができるアクチュエータ7が取り付けられている。この場合、アクチュエータ7は、短い強力な操舵トルクも、ゆっくりと常に作用する操舵トルクも生成することができるように構成されている。例えば、カーブにおける全制動時に生じる総操舵トルクを補償するためには、70Nmまでのトルクが必要な場合がある。制動の際に自動二輪車を直立させることおよび運転手による操舵トルクにより制動の継続時間にわたってこの最大値は継続的に減少する。100km/hから停止までの全制動には約3秒かかる。
【0030】
アクチュエータ7は制御装置9によって制御される。制御装置9は多数のセンサに接続されている。例えば、操舵角センサ11、操舵トルクセンサ13および慣性センサシステム15が示されている。操舵角センサ11は操舵角の現在の値を表示し、これにより、自動二輪車の操舵の強さがどのくらいであるのか、もしくは直進走行のために配向された位置からステアリングシャフトがどのくらい変位されているのかについての情報を提供する。操舵トルクセンサ13は、どのくらいの力もしくはどのくらいのトルクで運転手がステアリングロッド17を介して操舵方向にステアリングを押圧したかについての情報を提供する。慣性センサシステム15は、縦方向、垂直方向および/または横方向の加速度を測定し、適宜な信号を制御装置9に供給するために複数の個別センサまたは1つの複合センサを備えていてもよい。さらに、速度センサ19,21は、自動二輪車の現在の速度もしくは個々のホイールの回転速度を測定し、適宜な信号を制御装置9に伝送する。
【0031】
センサは二輪車の走行動的パラメータを示す信号を生成し、これらの信号に基づいて、制御装置9はアクチュエータ7のために様々な制御信号を生成することができる。このような制御信号に続いて、アクチュエータ7は操舵トルクML_EPSを生成することができ、これを運転手により生成された操舵トルクML_Fahrerに重ね合わせることができる。
【0032】
例えば、アクチュエータによって生成された操舵トルクML_EPSの分だけ運転手トルクML_Fahrerを補足し、これにより増幅することができる。例えば50km/h未満の低速度および中速度の場合には、このようにして、運転手によって加えられるべきカーブ操舵トルクを低減し、これにより、自動二輪車の主観的な敏捷性を改善することができる。
【0033】
自動二輪車の直進走行を支援するためには自動二輪車のキャスター角を比較的大きく選択することができる。この場合、アクチュエータによって引き起こされる操舵トルクは高速時にはゼロに近くなる。したがって、このように運転手操舵トルクを増幅することによりパワーステアリングの場合と同様に運転手の快適性を高め、同時に、高速直進走行時により大きいキャスター角、ひいては安定性向上を可能とすることにより、安全性の向上をもたらすこともできる。
【0034】
高い傾斜度でカーブにおけるブレーキを行う場合には、アクチュエータ7の意図的な制御により、カーブにおけるブレーキによってもたらされる外乱トルクML_Stoerに反作用する反トルクML_EPSを生成することができる。この場合、測定または推定された前輪および後輪におけるホイール圧力、測定または推定された傾斜角およびタイヤおよび車両幾何学配置から、おおよその外乱トルクML_Stoerを計算することができる。この外乱トルクは、0〜1の間の係数kにより乗算することができ、この場合、負の符号ではアクチュエータ7によって切り換えられる。これにより、以下のように総操舵トルクに対する外乱トルクの影響が総じて低減される:
ML_ges = ML_Fahrer + ML_EPS + ML_Stoer= ML_Fahrer + (1 - k)*ML_Stoer
【0035】
外乱トルクの影響が低減されることにより、カーブでブレーキをかけた場合に安全性を著しく高めることができる。
【0036】
自動二輪車1がアンチロック・ブレーキシステム-電子装置(ABS電子装置)23を有している場合には、外乱トルクを計算するために、ブレーキシステムで測定または推定された実際-圧力の代わり、ABS電子装置23によって決定された目標圧力を使用することができる。これは、高い動力、すなわち、ABSによって制御された強い制動の場合に生じるようなホイール圧力の急速な変化を許可し、これにより、アクチュエータ7が外乱トルクを十分に迅速に補償することができることは、特に有利となり得る。
【0037】
さらなる使用例では、自動二輪車の高速揺動が生じた場合の総操舵トルクに、アクチュエータ7によって生成された反トルクを重ね合わせることができる。この場合、高速揺動は、振動に基づいて自動二輪車のヨーレートおよび/または横揺れ角速度として検出することができ、このような振動を迅速に減衰させるためには反トルクを用いることが望ましい。このために、ヨーレート信号および/または横揺れ角速度信号から、生じた振動の周波数および振幅を決定し、これにより、アクチュエータによって生成すべき反トルクを計算することができ、この反トルクにより振動を最適に減衰することができる。
【0038】
別の構成では、操舵支援システムをステアリングダンパとして作用させることができる。センサ信号、特に操舵角信号の評価により、高速度時にいわゆる「ステアリング反動」が生じたことが検出された場合には、操舵支援システムのアクチュエータによって適宜な反トルクが加えられ、ステアリング反動の振動が減衰される。有利には、基本的に高速度時には迅速な操舵に反作用する操舵トルクが加えられる。
【0039】
別の構成では、操舵支援システムは、自動二輪車の回転力が、自動二輪車がまだバランスをとって安定化していない低速度時に自動二輪車を平衡状態に保持するために役立つように構成されていてもよい。
【0040】
別の使用例として、操舵支援システムは、アクチュエータの意図的な制御によって自動二輪車の過剰制御に反作用するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 自動二輪車
3 操舵支援システム
5 ステアリングシャフト
7 アクチュエータ
9 制御装置
11,13,15,19,21 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車(1)のための操舵支援システム(3)において、
操舵支援システム(3)が、
二輪車(1)に対する操舵トルクを生成するためのアクチュエータ(7)と;
アクチュエータ(7)によって生成された操舵トルクを制御するための制御装置(9)と;
二輪車(1)の走行動的パラメータを検出するためのセンサ(11,13,15,19,21)と
を備えることを特徴とする、操舵支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の操舵支援システムにおいて、前記アクチュエータ(7)が、前記二輪車(1)のステアリグ(5)と協働する電動機および/または液圧装置である、操舵支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の操舵支援システムにおいて、前記少なくとも1つのセンサ(11,13,15,19,21)が、現在の操舵角、および/または運転手によって加えられた現在の操舵トルク、および/または二輪車に現在作用している加速度および/または二輪車の現在の速度を検出するように構成されている、操舵支援システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の操舵支援システム(3)のための制御装置(9)であって、前記センサ(11,13,15,19,21)の信号を受信し、これらの信号に基づいて、二輪車(1)に対する操舵トルクを生成する前記アクチュエータ(7)を制御するように構成されていることを特徴とする、制御装置(9)。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて運転手の操舵要求を検出し、アクチュエータ(7)を制御し、これにより、前記アクチュエータ(7)によって操舵要求を支援する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて、カーブ走行中にブレーキをかけた場合に生じる外乱トルクを推定し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータによって外乱トルクに反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項7】
請求項4から6までのいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、アンチロック・ブレーキシステム(23)の制御信号に基づいて、カーブ走行中にブレーキをかけた場合に予想される外乱トルクを推定し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータ(7)によって外乱トルクに反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項8】
請求項4から7までのいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて二輪車(1)のヨーレートおよび/または横揺れ角速度の変動を検出し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータ(7)によってこのような変動に反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項9】
請求項4から8までのいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて前記二輪車(1)のステアリング反動を検出し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータ(7)によってこのようなステアリング反動に反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項10】
請求項4から9までのいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて低速度時に前記二輪車(1)の傾動傾向を検出し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータ(7)によってこのような傾動傾向に反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。
【請求項11】
請求項4から10までのいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御装置(9)が、信号に基づいて前記二輪車(1)の過剰制御を検出し、前記アクチュエータ(7)を制御し、これにより、アクチュエータ(7)によってこのような過剰制御に反作用する操舵トルクが生成されるように構成されている、制御装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−60187(P2013−60187A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197248(P2012−197248)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】