二輪車輸送用パレット
【課題】二輪車を、他の部材を用いることなく、簡単にパレット本体上に積付けたり、パレット本体上から積降ろすことができるようにする。
【解決手段】パレット本体3の対向する二端縁に、ヒンジ10を介して揺動フラップ9をそれぞれ取付ける。これら各揺動フラップ9の背面側に係止用フック12をそれぞれ取付ける。パレット1を回収したり保管しておく際には、両揺動フラップ9をパレット本体3上に二枚重ねに重ねられた状態にする。また、パレット1に二輪車を積付けたり、二輪車を積降ろしたりする際には、各揺動フラップ9をパレット本体3の外側に倒した状態にする。さらに、パレット本体3上の複数台の二輪車を固縛する際には、両揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態で固定し、係止用フック12に係止される固縛用ロープを用いて、複数台の二輪車を連続して固縛する。
【解決手段】パレット本体3の対向する二端縁に、ヒンジ10を介して揺動フラップ9をそれぞれ取付ける。これら各揺動フラップ9の背面側に係止用フック12をそれぞれ取付ける。パレット1を回収したり保管しておく際には、両揺動フラップ9をパレット本体3上に二枚重ねに重ねられた状態にする。また、パレット1に二輪車を積付けたり、二輪車を積降ろしたりする際には、各揺動フラップ9をパレット本体3の外側に倒した状態にする。さらに、パレット本体3上の複数台の二輪車を固縛する際には、両揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態で固定し、係止用フック12に係止される固縛用ロープを用いて、複数台の二輪車を連続して固縛する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイやスクータ等の二輪車を輸送する際に使用される二輪車輸送用パレットに係り、特に積付けられている二輪車を積降ろす際の作業が容易な二輪車輸送用パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オートバイやスクータ等の二輪車を、幅方向に複数台積付けて固縛し、これをトレーラに積付けて輸送するようにした二輪車輸送用パレットは一般に知られている。
【特許文献1】特開平11−147532号公報
【特許文献2】特開2002−145378公報
【特許文献3】特開2003−11974公報
【特許文献4】特開2004−352308公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の二輪車輸送用パレットにおいては、パレット本体上に前輪固定機構等の機構を設け、各二輪車を個別にパレット本体上に固縛する方法を採っているが、パレット本体上に設けた前記機構が、すべての車種に適用できるとは限らず、汎用性に欠けると云う問題がある。
【0004】
また、前記従来の個別固縛方法の場合、一見固縛および固縛解除の作業が容易であるように思われるが、実際には、固縛用ロープを用いてパレット本体上の複数の二輪車を連続して固縛した方が、固縛の際もまた固縛解除の際も作業が簡単であることが、本発明者等の実験によって確認されている。
【0005】
また、従来の二輪車輸送用パレットの場合には、二輪車をパレット本体上に如何にして固縛するかと云う点のみに着目して開発され、二輪車をパレット本体上に積付けたり、パレット本体上の二輪車を積降ろす作業については全く考慮していないため、パレット本体の表面に凹凸が形成されて前記作業が却って面倒になったり、作業に道板等の別部材が必要になるといった不具合がある。
【0006】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、二輪車のパレット本体への固縛が容易であるとともに、積付けられる二輪車の車種に影響されることがなく汎用性が高く、また二輪車のパレット本体への積付けおよび積降ろしの際に、道板等の別部材を要しない二輪車輸送用パレットを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも揺動フラップをほぼ平板状にして、凹凸のない道板とすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも係止用フックの取付け位置を高くして、固縛作業を容易なものとすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、パレット本体上に積付けられている二輪車の固縛状態が、万一多少緩んだ場合であっても、その前後両端縁の揺動フラップで二輪車の過大な動きを規制し、安全性を向上させることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、一方の揺動フラップをほぼ平板状に形成して、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、可能な限り短くすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、二輪車の前後方向両端縁の係止用フックの取付け位置を高くして、固縛作業および固縛解除作業を極めて容易なものとすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、揺動フラップの構造を複雑化することなく、揺動フラップを安定に直立状態で固定することができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、4本の支柱を別に用意するだけで、パレット本体を簡単に段積みすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため本発明は、幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を設けるようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしたことを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0020】
本発明はまた、パレット本体に、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を設けるようにしたことを特徴とする。
【0021】
本発明はさらに、パレット本体における四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を設けるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を設けるようにしているので、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれている揺動フラップを、直立状に立ち上げて固定することにより、車種に影響されることなく、複数台の二輪車を、パレット本体上の正しい位置に容易に積付けることができる。また、この揺動フラップは、道板としての機能を有しているので、二輪車をパレット本体上に積付ける際あるいは積降ろす際に、道板等の別部材を要しない。
【0023】
また、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車は、係止用フックに係止される固縛用紐体を用いて連続して固縛されるので、個別固縛方式に比較して、固縛および固縛解除の作業が容易で、緩みが発生する可能性が少ない。
【0024】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしているので、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも係止用フックをパレット本体側に設けることで、揺動フラップをほぼ平板状に形成することができる。このため、揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒して道板として使用する際に、凹凸のない道板とすることができる。
【0025】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしているので、二輪車の前輪側の係止用フックの取付け位置を高くすることができ、これにより固縛作業および固縛解除作業を容易なものとすることができる。
【0026】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、パレット本体上に積付けられた二輪車は、その前後両方向に揺動フラップが立ち上げられた状態で固縛されることになる。このため、仮令二輪車の固縛状態が多少緩んだ場合であっても、両側の揺動フラップで二輪車の過大な動きを規制することができ、安全性を向上させることができる。
【0027】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、一方の揺動フラップは、係止用フックを有しないほぼ平坦な板材だけの状態となる。このため、この揺動フラップを上側にして、隣位する両パレット本体の揺動フラップを、二枚重ね状に重ね合わせることにより、両揺動フラップをほぼ完全に重合させた状態で重ね合わせることができる。この結果、隣位する両パレット本体間の間隔を、揺動フラップの立ち上がり寸法と同一程度まで接近させることができる。
【0028】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、二輪車前後方向両端縁の各揺動フラップに、係止用フックがそれぞれ設けられることになり、すべての係止用フックの取付け位置を高くすることができる。このため、固縛作業および固縛解除作業を、極めて容易なものとすることができる。
【0029】
本発明はまた、パレット本体に、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を設けるようにしているので、揺動フラップの構造を複雑化することなく、揺動フラップを安定に直立状態で固定することができる。
【0030】
本発明はさらに、パレット本体における四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を設けるようにしているので、4本の支柱を別に用意するだけで、パレット本体を簡単に段積みすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1ないし図5は、本発明の第1の実施の形態に係る二輪車輸送用パレットを示すもので、このパレット1は、幅方向に複数台(図4および図5においては4台)の二輪車2が積付けられる方形板状のパレット本体3を備えている。
【0032】
このパレット本体3は、図1ないし図5に示すように、方形の枠材4と、枠材4上に張設された上面板5と、前記枠材4の幅方向両端部の3ケ所ずつ,合計6ケ所に配されて枠材4の一部を構成する角筒状の6本の支柱材6と、枠材4の幅方向両端の各3本の支柱材6の下端部を枠材4の前後方向に連続する下面材7とを備えている。そして、各支柱材6を、枠材4の下面から下方に突出させることにより、枠材の下面側にフォークリフトのフォーク(図示せず)を挿入するためのフォークポケットPが形成されるようになっている。
【0033】
また、前記6本の支柱材6のうち、パレット本体3の四角部に位置する支柱材6は、図6に示すように、前記上面板5および下面材7を上下に貫通しており、これにより、パレット本体3の四角部上下両面に、段積み用支柱8を用いてパレット本体3を段積みする際の支柱取付け部が形成されるようになっている。
【0034】
前記パレット本体3の前後方向両端縁には、図1ないし図6に示すように、パレット本体3に対し上下方向に揺動可能な揺動フラップ9が、ヒンジ10を介してそれぞれ取付けられており、これら各揺動フラップ9は、二輪車2を積付けない状態では、図2に示すように、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車2が積付けられている状態では、図1,図4および図5に示すように、パレット本体3に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能するようになっている。そして、揺動フラップ9の直立状態での固定は、パレット本体3に設けたフラップ固定機構11により行なわれるようになっている。なお、これについては後に詳述する。
【0035】
前記各揺動フラップ9はまた、パレット本体3に対する二輪車2の積付けあるいは積降ろしの際には、図3に示すように、パレット本体3の外側に倒されて道板として機能するようになっており、これにより、別に道板を用意することなく、二輪車2をパレット本体3に容易に積付けたり積降ろしたりすることができるようになっている。
【0036】
これら各揺動フラップ9の反パレット本体3側の面には、図1,図2および図5に示すように、8〜12個程度の係止用フック12が、ほぼ等間隔で設けられており、これら各係止用フック12は、図4および図5に示すように、パレット本体3上に積付けられた複数台の二輪車2を、固縛用ロープ13を用い連続して固縛する際に、固縛用ロープ13が係止されるようになっている。
【0037】
前記フラップ固定機構11は、図1および図7に示すように、前記枠材4に枢着ピン14を介して枢着された係止腕15を備えており、この係止腕15には、把手15aおよび係止凹部15bが設けられている。そして、この係止腕15を、把手15aを把握して上面板5に設けられた収納用スリット16から引き起こし、その先端の係止凹部15bを、揺動フラップ9に固設された係止ピン17に着脱可能に係止することにより、揺動フラップ9を直立状態で安定に固定できるようになっている。
【0038】
前記パレット本体3には、図1,図8および図9に示すように、その四角部の支柱材6に、パレット本体3の前後方向にスライドしてパレット本体3から突出するスペーサ部材18が設けられている。
【0039】
すなわち、前記スペーサ部材18は、図8および図9に示すように、支柱材6の外側に装着可能な縦長の枠形をなしており、支柱材6をガイドとしてパレット本体3の前後方向にスライドさせることにより、パレット本体3から突出させることができるようになっているとともに、突出限状態では、下面材7上に設けられたストッパ片19に後端が引掛かって、突出限状態で固定されるようになっている。このストッパ片19との係合を解除するには、スペーサ部材18の後端を上方に持ち上げて、パレット本体3内に引き入れることになる。
【0040】
このスペーサ部材18の突出長さは、図12に示すように、隣位するパレット本体3の両揺動フラップ9を外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されている。なお、これについては後に詳述する。
【0041】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
パレット1への二輪車2の積付けに際しては、まず図10に示すように、二輪車2の前輪2a側の揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態にして固定するとともに、二輪車2の後輪2b側の揺動フラップ9を、パレット本体3の外側に倒して道板とする。そして、この状態でパレット本体3上に4台の二輪車2を積付ける。このようにして、4台の二輪車2を積付けたならば、二輪車2の後輪2b側の揺動フラップ9を、前輪2a側の揺動フラップ9と同様に、パレット本体3に対し直立状態にして固定する。
【0042】
両揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態にして固定したならば、図4および図5に示すように、4台の二輪車2を、係止用フック12を介し固縛用ロープ13で連続して固縛する。
【0043】
このようにして、4台の二輪車2をパレット1上に積付け、固定したならば、図11および図13に示すように、フォークリフトFを用いてパレット1をトレーラTに積付ける。この際、二輪車2が後向きになるようにして積付けるとともに、パレット本体3の例えば後端側のスペーサ部材18をパレット本体3から突出させて、隣位するパレット本体3間に所定の間隔が形成されるようにする。
【0044】
ここで、二輪車2を後向きでトレーラT上に積付けるのは、二輪車2を積降ろす際の作業性を考慮したものであり、またパレット本体3の後端側のスペーサ部材18を、パレット本体3から突出させているのは、パレット1をフォークリフトFで取扱う際に支障とならないようにするためである。したがって、このような必要がない場合には、二輪車2を前向きでトレーラT上に積付けてもよく、またパレット本体3の前端側のスペーサ部材18を、パレット本体3から突出させるようにしてもよい。
【0045】
一方、トレーラTで所定場所まで運搬した二輪車2を、パレット1から積降ろす際には、図12および図14に示すように、各二輪車2の固縛を解除するとともに、隣位するパレット本体3の各揺動フラップ9を外側に倒して道板とする。
【0046】
この際、両揺動フラップ9は、図12に示すように、隣位するパレット本体3の間で二枚重ね状となるが、前述のようにスペーサ部材18のパレット本体3からの突出寸法が最適値に設定されているので、二枚重ね状に重ね合わされた二枚の揺動フラップ9の上面を、ほぼ平坦面とすることができる。このため、二輪車2をトレーラTから積み降ろす際の道板に凹凸がなくなり、二輪車2の積降ろし作業が極めて容易となる。
【0047】
図15は、パレット1を回収あるいは保管しておく際の状態を示すもので、図2に示すように、各パレット1の揺動フラップ9を、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたんだ状態とするとともに、この状態でパレット1を上下に積重ねる。これにより、揺動フラップ9があっても、問題なくパレット本体1を積重ねることができる。しかも、揺動フラップ9の長さを、パレット本体3の幅員よりも短寸法に設定しているので、下段パレット1の揺動フラップ9が、上段パレット1のフォークポケットP内に収まった状態で、パレット1を積重ねることができる。
【0048】
図16および図17は、図4に示す二輪車2とは車種を異にする二輪車2A,2Bを、パレット本体3上に4台ずつ固縛した状態を示すもので、固縛用ロープ13を用いて各二輪車2A,2Bを連続して固縛することにより、車種を異にする二輪車2A,2Bであっても、二輪車2と全く同様に積付けすることができる。
【0049】
しかして、パレット本体3に揺動フラップ9を設け、この揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態で固定して、二輪車2の位置決め部材として機能させたり、あるいはパレット本体3の外側に倒して、道板として機能させるようにしているので、二輪車2のパレット本体3への積付けおよび積降ろしの際に、道板等の別部材を要せず、作業が極めて容易である。また、パレット本体3に対し直立状態で固定された揺動フラップ9は、安全ガードトしても機能するので、パレット本体3上に積付けられている二輪車2の積付け安定性をより向上させることができる。
【0050】
またパレット本体3上の複数台の二輪車2は、係止用フック12に係止される固縛用ロープ13を用いて連続して固縛されるので、二輪車2の車種に影響されることなくどの車種でも同一条件で固縛することができ、汎用性に富んだパレットを得ることができる。
【0051】
図18ないし図22は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、揺動フラップ9を、二輪車2の前輪2a側の端縁にのみ設けるとともに、前記第1実施の形態では揺動フラップ9の背面に設けられていた係止用フック12を、パレット本体3の周面に直接設けるようにしたものである。
【0052】
すなわち、パレット本体3における二輪車2の前輪2a側の端縁および後輪2b側の端縁には、図18および図19に示すように、係止用フック12がそれぞれ設けられており、固縛用ロープ13(図5参照)は、これら各係止用フック12に係止されるようになっている。
【0053】
また、前記パレット本体3の係止用フック12が設けられている部分は、図18ないし図22に示すように、支柱材6の寸法程度内側に落とし込まれており、これにより、係止用フック12をパレット本体3に設けても、隣位するパレット本体3を直接接触させることができるようになっているとともに、隣位するパレット本体3を直接接触させた状態でも、固縛用ロープ13(図5参照)による固縛の解除作業を、何等支障なく行なうことができるようになっている。
【0054】
また、前記パレット本体3における二輪車2の前輪2a側の端縁には、図18ないし図22に示すように、前記第1の実施の形態における揺動フラップ9と同一構造の揺動フラップ9が設けられており、この揺動フラップ9は、二輪車2,2A,2Bを積付ける際の道板および位置決め部材として機能するようになっている。
【0055】
なお、この揺動フラップ9には、前記第1の実施の形態における揺動フラップ9とは異なり、係止用フック12は設けられていない。このため、揺動フラップ9をほぼ平板状に形成することができ、図21に示すように、隣位するパレット本体3の上面側に倒し道板として使用する際に、その上面をほぼ平坦面とすることができるようになっている。
【0056】
図22は、前記第2の実施の形態に係るパレット1を、回収あるいは保管しておく際の状態を示すもので、前記第1の実施の形態の場合と同様、各パレット1の揺動フラップ9を、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたんだ状態とするとともに、この状態でパレット1を積重ねる。これにより、揺動フラップ9があっても、問題なくパレット1を積重ねることができるとともに、前記第1の実施の形態の場合と同様、揺動フラップ9の長さを、パレット本体3の幅員よりも短寸法に設定しているので、下段パレット1の揺動フラップ9が、上段パレット1のフォークポケットP(図18参照)内に収まった状態で、パレット1を積重ねることができる。
【0057】
なお、図22の場合には、揺動フラップ9の位置が、左右交互になるようにして積重ねる場合を示しているのが、すべて同一方向を向けて積重ねてもよいことは云うまでもない。
【0058】
しかして、本実施の形態においては、パレット本3における二輪車2,2A,2Bの前輪2a側の端縁のみに揺動フラップ9を設けるようにしているので、構造を簡素化して、軽量化およびコストダウンを図ることができる。
【0059】
また、2つの揺動フラップ9を設けている場合には、隣位するパレット本体3間にスペースを設けざるを得ないが、揺動フラップ9が1つの場合には、隣位するパレット本体3を接触させてトレーラT上に積付けることができる。
【0060】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるわけではなく、両実施の形態を適宜組み合わせて用いるようにしてもよい。例えば揺動フラップ9は2つ設けるが、一方または両方の係止用フック12は、パレット本体3に設けたり、逆に揺動フラップ9は1つであるが、揺動フラップ9側の係止用フック12は、パレット本体3に設けず、揺動フラップ9の背面側に設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明に係る二輪車輸送用パレットは、オートバイやスクータ等の二輪車を輸送する際に使用するパレットとして有用であり、特に積付けられている二輪車を積降ろす際の作業が容易なパレットとして適している。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る二輪車輸送用パレットを示す斜視図である。
【図2】揺動フラップをパレット本体上に二枚重ね状に重ね合わせた状態を示す図1相当図である。
【図3】揺動フラップをパレット本体の外側に倒した状態を示す図1相当図である。
【図4】パレット本体上に4台の二輪車を積付けて固縛した状態を示す説明図である。
【図5】図4の各二輪車を連続して固縛した状態を示す説明図である。
【図6】段積み用支柱を用いてパレットを2段に段積みした状態を示す説明図である。
【図7】揺動フラップをパレット本体に対し直立状態で固定するためのフラップ固定機構を示す説明図である。
【図8】スペーサ部材の構造を示す説明図である。
【図9】スペーサ部材がストッパ片に引掛かって固定された状態を示す説明図である。
【図10】二輪車を揺動フラップを道板としてパレット本体上に積付ける状態を示す説明図である。
【図11】二輪車が固縛されているパレットをトレーラ上に積付けた状態を示す説明図である。
【図12】パレット本体上に積付けられている二輪車を積降ろす際の状態を示す説明図である。
【図13】二輪車が積付けられているパレットをトレーラに積付けている状態を示す説明図である。
【図14】二輪車をトレーラから積降ろしている状態を示す説明図である。
【図15】回収あるいは保管のためにパレットを積重ねた状態を示す説明図である。
【図16】車種の異なる二輪車をパレットに積付けた状態を示す図4相当図である。
【図17】車種をさらに異にする二輪車をパレットに積付けた状態を示す図4相当図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図である。
【図19】図18に示すパレットに二輪車を積付けている状態を示す図10相当図である。
【図20】図18に示すパレット上に二輪車を固縛してトレーラに積付けた状態を示す図11相当図である。
【図21】図18に示すパレットから二輪車を積降ろす際の状態を示す図12相当図である。
【図22】図18に示すパレットを回収あるいは保管のために積重ねた状態を示す図15相当図である。
【符号の説明】
【0063】
1 パレット
2,2A,2B 二輪車
2a 前輪
2b 後輪
3 パレット本体
4 枠材
5 上面板
6 支柱材
7 下面材
8 段積み用支柱
9 揺動フラップ
10 ヒンジ
11 フラップ固定機構
12 係止用フック
13 固縛用ロープ
14 枢着ピン
15 係止腕
15a 把手
15b 係止凹部
16 収納用スリット
17 係止ピン
18 スペーサ部材
19 ストッパ片
P フォークポケット
F フォークリフト
T トレーラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイやスクータ等の二輪車を輸送する際に使用される二輪車輸送用パレットに係り、特に積付けられている二輪車を積降ろす際の作業が容易な二輪車輸送用パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オートバイやスクータ等の二輪車を、幅方向に複数台積付けて固縛し、これをトレーラに積付けて輸送するようにした二輪車輸送用パレットは一般に知られている。
【特許文献1】特開平11−147532号公報
【特許文献2】特開2002−145378公報
【特許文献3】特開2003−11974公報
【特許文献4】特開2004−352308公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の二輪車輸送用パレットにおいては、パレット本体上に前輪固定機構等の機構を設け、各二輪車を個別にパレット本体上に固縛する方法を採っているが、パレット本体上に設けた前記機構が、すべての車種に適用できるとは限らず、汎用性に欠けると云う問題がある。
【0004】
また、前記従来の個別固縛方法の場合、一見固縛および固縛解除の作業が容易であるように思われるが、実際には、固縛用ロープを用いてパレット本体上の複数の二輪車を連続して固縛した方が、固縛の際もまた固縛解除の際も作業が簡単であることが、本発明者等の実験によって確認されている。
【0005】
また、従来の二輪車輸送用パレットの場合には、二輪車をパレット本体上に如何にして固縛するかと云う点のみに着目して開発され、二輪車をパレット本体上に積付けたり、パレット本体上の二輪車を積降ろす作業については全く考慮していないため、パレット本体の表面に凹凸が形成されて前記作業が却って面倒になったり、作業に道板等の別部材が必要になるといった不具合がある。
【0006】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、二輪車のパレット本体への固縛が容易であるとともに、積付けられる二輪車の車種に影響されることがなく汎用性が高く、また二輪車のパレット本体への積付けおよび積降ろしの際に、道板等の別部材を要しない二輪車輸送用パレットを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも揺動フラップをほぼ平板状にして、凹凸のない道板とすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも係止用フックの取付け位置を高くして、固縛作業を容易なものとすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、パレット本体上に積付けられている二輪車の固縛状態が、万一多少緩んだ場合であっても、その前後両端縁の揺動フラップで二輪車の過大な動きを規制し、安全性を向上させることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、一方の揺動フラップをほぼ平板状に形成して、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、可能な限り短くすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、二輪車の前後方向両端縁の係止用フックの取付け位置を高くして、固縛作業および固縛解除作業を極めて容易なものとすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、揺動フラップの構造を複雑化することなく、揺動フラップを安定に直立状態で固定することができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、4本の支柱を別に用意するだけで、パレット本体を簡単に段積みすることができる二輪車輸送用パレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため本発明は、幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を設けるようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしたことを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしたことを特徴とする。
【0020】
本発明はまた、パレット本体に、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を設けるようにしたことを特徴とする。
【0021】
本発明はさらに、パレット本体における四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を設けるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を設けるようにしているので、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれている揺動フラップを、直立状に立ち上げて固定することにより、車種に影響されることなく、複数台の二輪車を、パレット本体上の正しい位置に容易に積付けることができる。また、この揺動フラップは、道板としての機能を有しているので、二輪車をパレット本体上に積付ける際あるいは積降ろす際に、道板等の別部材を要しない。
【0023】
また、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車は、係止用フックに係止される固縛用紐体を用いて連続して固縛されるので、個別固縛方式に比較して、固縛および固縛解除の作業が容易で、緩みが発生する可能性が少ない。
【0024】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしているので、揺動フラップの数を少なくして軽量化およびコストダウンを図ることができ、しかも係止用フックをパレット本体側に設けることで、揺動フラップをほぼ平板状に形成することができる。このため、揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒して道板として使用する際に、凹凸のない道板とすることができる。
【0025】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、前記揺動フラップを、隣位するパレット本体の上面側に倒すようにしているので、二輪車の前輪側の係止用フックの取付け位置を高くすることができ、これにより固縛作業および固縛解除作業を容易なものとすることができる。
【0026】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、パレット本体上に積付けられた二輪車は、その前後両方向に揺動フラップが立ち上げられた状態で固縛されることになる。このため、仮令二輪車の固縛状態が多少緩んだ場合であっても、両側の揺動フラップで二輪車の過大な動きを規制することができ、安全性を向上させることができる。
【0027】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、一方の揺動フラップは、係止用フックを有しないほぼ平坦な板材だけの状態となる。このため、この揺動フラップを上側にして、隣位する両パレット本体の揺動フラップを、二枚重ね状に重ね合わせることにより、両揺動フラップをほぼ完全に重合させた状態で重ね合わせることができる。この結果、隣位する両パレット本体間の間隔を、揺動フラップの立ち上がり寸法と同一程度まで接近させることができる。
【0028】
本発明はまた、揺動フラップを、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面に、係止用フックをそれぞれ設け、かつ前記パレット本体に、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を設け、このスペーサ部材のパレット本体からの突出長さを、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定するようにしているので、二輪車前後方向両端縁の各揺動フラップに、係止用フックがそれぞれ設けられることになり、すべての係止用フックの取付け位置を高くすることができる。このため、固縛作業および固縛解除作業を、極めて容易なものとすることができる。
【0029】
本発明はまた、パレット本体に、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を設けるようにしているので、揺動フラップの構造を複雑化することなく、揺動フラップを安定に直立状態で固定することができる。
【0030】
本発明はさらに、パレット本体における四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を設けるようにしているので、4本の支柱を別に用意するだけで、パレット本体を簡単に段積みすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1ないし図5は、本発明の第1の実施の形態に係る二輪車輸送用パレットを示すもので、このパレット1は、幅方向に複数台(図4および図5においては4台)の二輪車2が積付けられる方形板状のパレット本体3を備えている。
【0032】
このパレット本体3は、図1ないし図5に示すように、方形の枠材4と、枠材4上に張設された上面板5と、前記枠材4の幅方向両端部の3ケ所ずつ,合計6ケ所に配されて枠材4の一部を構成する角筒状の6本の支柱材6と、枠材4の幅方向両端の各3本の支柱材6の下端部を枠材4の前後方向に連続する下面材7とを備えている。そして、各支柱材6を、枠材4の下面から下方に突出させることにより、枠材の下面側にフォークリフトのフォーク(図示せず)を挿入するためのフォークポケットPが形成されるようになっている。
【0033】
また、前記6本の支柱材6のうち、パレット本体3の四角部に位置する支柱材6は、図6に示すように、前記上面板5および下面材7を上下に貫通しており、これにより、パレット本体3の四角部上下両面に、段積み用支柱8を用いてパレット本体3を段積みする際の支柱取付け部が形成されるようになっている。
【0034】
前記パレット本体3の前後方向両端縁には、図1ないし図6に示すように、パレット本体3に対し上下方向に揺動可能な揺動フラップ9が、ヒンジ10を介してそれぞれ取付けられており、これら各揺動フラップ9は、二輪車2を積付けない状態では、図2に示すように、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車2が積付けられている状態では、図1,図4および図5に示すように、パレット本体3に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能するようになっている。そして、揺動フラップ9の直立状態での固定は、パレット本体3に設けたフラップ固定機構11により行なわれるようになっている。なお、これについては後に詳述する。
【0035】
前記各揺動フラップ9はまた、パレット本体3に対する二輪車2の積付けあるいは積降ろしの際には、図3に示すように、パレット本体3の外側に倒されて道板として機能するようになっており、これにより、別に道板を用意することなく、二輪車2をパレット本体3に容易に積付けたり積降ろしたりすることができるようになっている。
【0036】
これら各揺動フラップ9の反パレット本体3側の面には、図1,図2および図5に示すように、8〜12個程度の係止用フック12が、ほぼ等間隔で設けられており、これら各係止用フック12は、図4および図5に示すように、パレット本体3上に積付けられた複数台の二輪車2を、固縛用ロープ13を用い連続して固縛する際に、固縛用ロープ13が係止されるようになっている。
【0037】
前記フラップ固定機構11は、図1および図7に示すように、前記枠材4に枢着ピン14を介して枢着された係止腕15を備えており、この係止腕15には、把手15aおよび係止凹部15bが設けられている。そして、この係止腕15を、把手15aを把握して上面板5に設けられた収納用スリット16から引き起こし、その先端の係止凹部15bを、揺動フラップ9に固設された係止ピン17に着脱可能に係止することにより、揺動フラップ9を直立状態で安定に固定できるようになっている。
【0038】
前記パレット本体3には、図1,図8および図9に示すように、その四角部の支柱材6に、パレット本体3の前後方向にスライドしてパレット本体3から突出するスペーサ部材18が設けられている。
【0039】
すなわち、前記スペーサ部材18は、図8および図9に示すように、支柱材6の外側に装着可能な縦長の枠形をなしており、支柱材6をガイドとしてパレット本体3の前後方向にスライドさせることにより、パレット本体3から突出させることができるようになっているとともに、突出限状態では、下面材7上に設けられたストッパ片19に後端が引掛かって、突出限状態で固定されるようになっている。このストッパ片19との係合を解除するには、スペーサ部材18の後端を上方に持ち上げて、パレット本体3内に引き入れることになる。
【0040】
このスペーサ部材18の突出長さは、図12に示すように、隣位するパレット本体3の両揺動フラップ9を外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されている。なお、これについては後に詳述する。
【0041】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
パレット1への二輪車2の積付けに際しては、まず図10に示すように、二輪車2の前輪2a側の揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態にして固定するとともに、二輪車2の後輪2b側の揺動フラップ9を、パレット本体3の外側に倒して道板とする。そして、この状態でパレット本体3上に4台の二輪車2を積付ける。このようにして、4台の二輪車2を積付けたならば、二輪車2の後輪2b側の揺動フラップ9を、前輪2a側の揺動フラップ9と同様に、パレット本体3に対し直立状態にして固定する。
【0042】
両揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態にして固定したならば、図4および図5に示すように、4台の二輪車2を、係止用フック12を介し固縛用ロープ13で連続して固縛する。
【0043】
このようにして、4台の二輪車2をパレット1上に積付け、固定したならば、図11および図13に示すように、フォークリフトFを用いてパレット1をトレーラTに積付ける。この際、二輪車2が後向きになるようにして積付けるとともに、パレット本体3の例えば後端側のスペーサ部材18をパレット本体3から突出させて、隣位するパレット本体3間に所定の間隔が形成されるようにする。
【0044】
ここで、二輪車2を後向きでトレーラT上に積付けるのは、二輪車2を積降ろす際の作業性を考慮したものであり、またパレット本体3の後端側のスペーサ部材18を、パレット本体3から突出させているのは、パレット1をフォークリフトFで取扱う際に支障とならないようにするためである。したがって、このような必要がない場合には、二輪車2を前向きでトレーラT上に積付けてもよく、またパレット本体3の前端側のスペーサ部材18を、パレット本体3から突出させるようにしてもよい。
【0045】
一方、トレーラTで所定場所まで運搬した二輪車2を、パレット1から積降ろす際には、図12および図14に示すように、各二輪車2の固縛を解除するとともに、隣位するパレット本体3の各揺動フラップ9を外側に倒して道板とする。
【0046】
この際、両揺動フラップ9は、図12に示すように、隣位するパレット本体3の間で二枚重ね状となるが、前述のようにスペーサ部材18のパレット本体3からの突出寸法が最適値に設定されているので、二枚重ね状に重ね合わされた二枚の揺動フラップ9の上面を、ほぼ平坦面とすることができる。このため、二輪車2をトレーラTから積み降ろす際の道板に凹凸がなくなり、二輪車2の積降ろし作業が極めて容易となる。
【0047】
図15は、パレット1を回収あるいは保管しておく際の状態を示すもので、図2に示すように、各パレット1の揺動フラップ9を、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたんだ状態とするとともに、この状態でパレット1を上下に積重ねる。これにより、揺動フラップ9があっても、問題なくパレット本体1を積重ねることができる。しかも、揺動フラップ9の長さを、パレット本体3の幅員よりも短寸法に設定しているので、下段パレット1の揺動フラップ9が、上段パレット1のフォークポケットP内に収まった状態で、パレット1を積重ねることができる。
【0048】
図16および図17は、図4に示す二輪車2とは車種を異にする二輪車2A,2Bを、パレット本体3上に4台ずつ固縛した状態を示すもので、固縛用ロープ13を用いて各二輪車2A,2Bを連続して固縛することにより、車種を異にする二輪車2A,2Bであっても、二輪車2と全く同様に積付けすることができる。
【0049】
しかして、パレット本体3に揺動フラップ9を設け、この揺動フラップ9を、パレット本体3に対し直立状態で固定して、二輪車2の位置決め部材として機能させたり、あるいはパレット本体3の外側に倒して、道板として機能させるようにしているので、二輪車2のパレット本体3への積付けおよび積降ろしの際に、道板等の別部材を要せず、作業が極めて容易である。また、パレット本体3に対し直立状態で固定された揺動フラップ9は、安全ガードトしても機能するので、パレット本体3上に積付けられている二輪車2の積付け安定性をより向上させることができる。
【0050】
またパレット本体3上の複数台の二輪車2は、係止用フック12に係止される固縛用ロープ13を用いて連続して固縛されるので、二輪車2の車種に影響されることなくどの車種でも同一条件で固縛することができ、汎用性に富んだパレットを得ることができる。
【0051】
図18ないし図22は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、揺動フラップ9を、二輪車2の前輪2a側の端縁にのみ設けるとともに、前記第1実施の形態では揺動フラップ9の背面に設けられていた係止用フック12を、パレット本体3の周面に直接設けるようにしたものである。
【0052】
すなわち、パレット本体3における二輪車2の前輪2a側の端縁および後輪2b側の端縁には、図18および図19に示すように、係止用フック12がそれぞれ設けられており、固縛用ロープ13(図5参照)は、これら各係止用フック12に係止されるようになっている。
【0053】
また、前記パレット本体3の係止用フック12が設けられている部分は、図18ないし図22に示すように、支柱材6の寸法程度内側に落とし込まれており、これにより、係止用フック12をパレット本体3に設けても、隣位するパレット本体3を直接接触させることができるようになっているとともに、隣位するパレット本体3を直接接触させた状態でも、固縛用ロープ13(図5参照)による固縛の解除作業を、何等支障なく行なうことができるようになっている。
【0054】
また、前記パレット本体3における二輪車2の前輪2a側の端縁には、図18ないし図22に示すように、前記第1の実施の形態における揺動フラップ9と同一構造の揺動フラップ9が設けられており、この揺動フラップ9は、二輪車2,2A,2Bを積付ける際の道板および位置決め部材として機能するようになっている。
【0055】
なお、この揺動フラップ9には、前記第1の実施の形態における揺動フラップ9とは異なり、係止用フック12は設けられていない。このため、揺動フラップ9をほぼ平板状に形成することができ、図21に示すように、隣位するパレット本体3の上面側に倒し道板として使用する際に、その上面をほぼ平坦面とすることができるようになっている。
【0056】
図22は、前記第2の実施の形態に係るパレット1を、回収あるいは保管しておく際の状態を示すもので、前記第1の実施の形態の場合と同様、各パレット1の揺動フラップ9を、パレット本体3上に二枚重ねに折りたたんだ状態とするとともに、この状態でパレット1を積重ねる。これにより、揺動フラップ9があっても、問題なくパレット1を積重ねることができるとともに、前記第1の実施の形態の場合と同様、揺動フラップ9の長さを、パレット本体3の幅員よりも短寸法に設定しているので、下段パレット1の揺動フラップ9が、上段パレット1のフォークポケットP(図18参照)内に収まった状態で、パレット1を積重ねることができる。
【0057】
なお、図22の場合には、揺動フラップ9の位置が、左右交互になるようにして積重ねる場合を示しているのが、すべて同一方向を向けて積重ねてもよいことは云うまでもない。
【0058】
しかして、本実施の形態においては、パレット本3における二輪車2,2A,2Bの前輪2a側の端縁のみに揺動フラップ9を設けるようにしているので、構造を簡素化して、軽量化およびコストダウンを図ることができる。
【0059】
また、2つの揺動フラップ9を設けている場合には、隣位するパレット本体3間にスペースを設けざるを得ないが、揺動フラップ9が1つの場合には、隣位するパレット本体3を接触させてトレーラT上に積付けることができる。
【0060】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるわけではなく、両実施の形態を適宜組み合わせて用いるようにしてもよい。例えば揺動フラップ9は2つ設けるが、一方または両方の係止用フック12は、パレット本体3に設けたり、逆に揺動フラップ9は1つであるが、揺動フラップ9側の係止用フック12は、パレット本体3に設けず、揺動フラップ9の背面側に設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明に係る二輪車輸送用パレットは、オートバイやスクータ等の二輪車を輸送する際に使用するパレットとして有用であり、特に積付けられている二輪車を積降ろす際の作業が容易なパレットとして適している。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る二輪車輸送用パレットを示す斜視図である。
【図2】揺動フラップをパレット本体上に二枚重ね状に重ね合わせた状態を示す図1相当図である。
【図3】揺動フラップをパレット本体の外側に倒した状態を示す図1相当図である。
【図4】パレット本体上に4台の二輪車を積付けて固縛した状態を示す説明図である。
【図5】図4の各二輪車を連続して固縛した状態を示す説明図である。
【図6】段積み用支柱を用いてパレットを2段に段積みした状態を示す説明図である。
【図7】揺動フラップをパレット本体に対し直立状態で固定するためのフラップ固定機構を示す説明図である。
【図8】スペーサ部材の構造を示す説明図である。
【図9】スペーサ部材がストッパ片に引掛かって固定された状態を示す説明図である。
【図10】二輪車を揺動フラップを道板としてパレット本体上に積付ける状態を示す説明図である。
【図11】二輪車が固縛されているパレットをトレーラ上に積付けた状態を示す説明図である。
【図12】パレット本体上に積付けられている二輪車を積降ろす際の状態を示す説明図である。
【図13】二輪車が積付けられているパレットをトレーラに積付けている状態を示す説明図である。
【図14】二輪車をトレーラから積降ろしている状態を示す説明図である。
【図15】回収あるいは保管のためにパレットを積重ねた状態を示す説明図である。
【図16】車種の異なる二輪車をパレットに積付けた状態を示す図4相当図である。
【図17】車種をさらに異にする二輪車をパレットに積付けた状態を示す図4相当図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図である。
【図19】図18に示すパレットに二輪車を積付けている状態を示す図10相当図である。
【図20】図18に示すパレット上に二輪車を固縛してトレーラに積付けた状態を示す図11相当図である。
【図21】図18に示すパレットから二輪車を積降ろす際の状態を示す図12相当図である。
【図22】図18に示すパレットを回収あるいは保管のために積重ねた状態を示す図15相当図である。
【符号の説明】
【0063】
1 パレット
2,2A,2B 二輪車
2a 前輪
2b 後輪
3 パレット本体
4 枠材
5 上面板
6 支柱材
7 下面材
8 段積み用支柱
9 揺動フラップ
10 ヒンジ
11 フラップ固定機構
12 係止用フック
13 固縛用ロープ
14 枢着ピン
15 係止腕
15a 把手
15b 係止凹部
16 収納用スリット
17 係止ピン
18 スペーサ部材
19 ストッパ片
P フォークポケット
F フォークリフト
T トレーラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を具備することを特徴とする二輪車輸送用パレット。
【請求項2】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けられるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、前記揺動フラップは、隣位するパレット本体の上面側に倒されることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項3】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けられるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、前記揺動フラップは、隣位するパレット本体の上面側に倒されることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項4】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けられるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項5】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けられるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項6】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けられるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項7】
パレット本体は、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項8】
パレット本体は、その四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項1】
幅方向に複数台の二輪車が積付けられる方形板状のパレット本体と;パレット本体の少なくとも二輪車前輪側の端縁に揺動可能に取付けられ、二輪車を積付けない状態では、パレット本体上に二枚重ねに折りたたまれた位置を取るとともに、二輪車が積付けられている状態では、パレット本体に対し直立状態で固定されて位置決め部材として機能し、かつパレット本体に対する二輪車の積付けあるいは積降ろしの際には、パレット本体の外側に倒されて道板として機能する揺動フラップと;揺動フラップの反パレット本体側の面またはパレット本体の周面のうちのいずれか一方に設けられ、パレット本体上に積付けられた複数台の二輪車を連続して固縛する際に、固縛用紐体が係止される係止用フックと;を具備することを特徴とする二輪車輸送用パレット。
【請求項2】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けられるとともに、パレット本体の揺動フラップ側の端縁および反揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、前記揺動フラップは、隣位するパレット本体の上面側に倒されることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項3】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前輪側の端縁に設けられるとともに、その反パレット本体側の面およびパレット本体の反揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、前記揺動フラップは、隣位するパレット本体の上面側に倒されることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項4】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けられるとともに、パレット本体の各揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項5】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向端縁にそれぞれ設けられるとともに、いずれか一方の揺動フラップの反パレット本体側の面およびパレット本体のいずれか他方の揺動フラップ側の端縁には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項6】
揺動フラップは、パレット本体における二輪車前後方向両端縁にそれぞれ設けられるとともに、各揺動フラップの反パレット本体側の面には、係止用フックがそれぞれ設けられ、かつ前記パレット本体は、二輪車の前後方向にスライドしてパレット本体から突出し先端が隣位するパレット本体に当接して両パレット本体間の間隔を設定するスペーサ部材を備え、スペーサ部材のパレット本体からの突出長さは、隣位する両パレット本体の揺動フラップを外側に倒して二枚重ね状にした際に、その上面がほぼ平坦面となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項7】
パレット本体は、直立状態の揺動フラップに着脱可能に連結されて揺動フラップを直立状態で固定するフラップ固定機構を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の二輪車輸送用パレット。
【請求項8】
パレット本体は、その四角部の上下両面に、パレット本体を段積みする際の支柱取付け部を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の二輪車輸送用パレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−131313(P2007−131313A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324894(P2005−324894)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【Fターム(参考)】
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